JP2009028000A - バタークリーム用油脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】食感の軽いバタークリームを調製するのに適したバタークリーム用油脂組成物を提供する。
【解決手段】モノエステル体の含有量が50%以上であるトリグリセリンミリスチン酸エステル0.5質量部をパーム油25.5質量部、菜種硬化油(融点34℃)55.0質量部、菜種白絞油4.0質量部からなる混合油に添加・混合し、約80℃で分散させた後、約70℃に冷却し、油相部を得た。該油相部に約60℃に調製した温水15質量部を添加し、TKホモミキサー(プライミクス社製)にて10000rpmで5分間乳化する。これをマーガリンプロセッサー(POWER POINT INTERNATIONAL社製)に通し、急冷捏和した後、25℃で48時間テンパリング処理を行い、マーガリン形態のバタークリーム用油脂組成物を得る。
【選択図】なし

Description

本発明はバタークリーム用油脂組成物に関する。
バタークリームはクッキー、ビスケット、バターケーキ等のフィリング、トッピング及びサンドクリーム等に使用されている。この内、ケーキのトッピングには、ショートニング又はマーガリンとシロップ等を混合したバタークリームが用いられる。
しかしながら、該バタークリームは油脂が連続相となっているため、食した際に油性感を強く感じ、食感が重いという問題がある。
この問題を解決する手段として、例えば、HLBが5.5〜8.5のポリグリセリン脂肪酸エステル(但し、脂肪酸残基は不飽和)を含有し、且つ実質的に油脂が連続相を成すことを特徴とする油脂組成物(特許文献1参照)、炭素数14〜22の脂肪酸を構成脂肪酸とするジグリセリン脂肪酸エステル(A成分)及びHLBが7〜16でラウリン酸を主成分の構成脂肪酸とするポリグリセリン脂肪酸エステル(B成分)を含有し、A成分及びB成分の含有量が0.01〜20質量部であり、かつA成分100質量部に対してB成分を10〜100質量部含有するバタークリーム用油脂組成物(特許文献2参照)などが提案されている。
しかしながら、上記技術では充分に問題が解決されたとは言えず、より食感の軽いバタークリームが求められている。
特開平8−231981号公報 特開2006−273925号公報
本発明の目的は、食感の軽いバタークリームを調製するのに適したバタークリーム用油脂組成物を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、原料油脂にモノエステル体の含有量が50%以上であるトリグリセリンミリスチン酸エステルを添加することにより、上記目的に叶うバタークリーム用油脂組成物が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を成すに至った。
すなわち、本発明は、モノエステル体の含有量が50%以上であるトリグリセリンミリスチン酸エステルを含有することを特徴とするバタークリーム用油脂組成物、からなっている。
本発明のバタークリーム用油脂組成物を用いて得られるバタークリームは、比重が小さく、また食感の軽い優れたものである。
本発明で用いられるトリグリセリンミリスチン酸エステルは、トリグリセリンとミリスチン酸とのエステル化生成物であり、エステル化反応など自体公知の方法で製造され得る。
本発明で用いられるトリグリセリンミリスチン酸エステルの原料として用いられるトリグリセリンとしては、通常グリセリンに少量の酸又はアルカリを触媒として添加し、窒素又は二酸化炭素などの任意の不活性ガス雰囲気下で、例えば約180℃以上の温度で加熱し、重縮合反応させて得られるグリセリンの平均重合度が約2.5〜3.4、好ましくは平均重合度が約3.0のトリグリセリン混合物が挙げられる。また、トリグリセリンはグリシドールまたはエピクロルヒドリンなどを原料として得られるものであっても良い。反応終了後、必要であれば中和、脱塩、脱色などの処理を行ってよい。
本発明においては、上記トリグリセリン混合物を、例えば蒸留またはカラムクロマトグラフィーなど自体公知の方法を用いて精製し、グリセリン3分子からなるトリグリセリンを約50%以上、好ましくは約85%以上に高濃度化した高濃度トリグリセリンが、好ましく用いられる。
本発明で用いられるトリグリセリンミリスチン酸エステルの原料として用いられるミリスチン酸としては、特に制限はないが、純度が50%以上のものが好ましい。純度が50%未満であると、十分な食感改良効果が得られないため好ましくない。当該ミリスチン酸としては、例えば、ミリスチン酸98(商品名;ミヨシ油脂社製)、NAA−142(商品名;日本油脂社製)、ルナックMY−98(商品名;花王社製)などが挙げられる。
本発明で用いられるトリグリセリンミリスチン酸エステルとしては、モノエステル体の含有量が、約50%以上、より好ましくは約70%以上であるトリグリセリンミリスチン酸エステルが好ましい。
本発明で用いられるトリグリセリンミリスチン酸エステルの製法の概略は以下の通りである。例えば、攪拌機、加熱用のジャケット、邪魔板などを備えた通常の反応容器に、トリグリセリンとミリスチン酸を約1:1のモル比で仕込み、通常触媒として水酸化ナトリウムを加えて攪拌混合し、窒素ガス雰囲気下で、エステル化反応により生成する水を系外に除去しながら、所定温度で加熱する。反応温度は通常、約180〜260℃の範囲、好ましくは約200〜250℃の範囲である。また、反応圧力条件は常圧下または減圧下で、反応時間は約0.5〜15時間、好ましくは約1〜3時間である。反応の終点は、通常反応混合物の酸価を測定し、約12以下を目安に決められる。得られた反応液は、未反応の脂肪酸、未反応のトリグリセリン、トリグリセリンモノミリスチン酸エステル、トリグリセリンジミリスチン酸エステル、トリグリセリントリミリスチン酸エステル、トリグリセリンテトラミリスチン酸エステルおよびトリグリセリンペンタミリスチン酸エステルなどを含む混合物である。
エステル化反応終了後、反応混合物中に残存する触媒を中和する。その際、エステル化反応の温度が200℃以上の場合は液温を約180〜200℃に冷却してから中和処理を行うのが好ましい。また反応温度が200℃以下の場合は、そのままの温度で中和処理を行ってよい。中和後、上記反応混合物を、必要なら冷却して、約100〜180℃、好ましくは約130〜150℃に保ち、好ましくは約0.5時間以上、更に好ましくは約1〜10時間放置する。未反応のトリグリセリンが下層に分離した場合はそれを除去する。
上記処理により得られたトリグリセリンミリスチン酸エステルを、好ましくは、更に減圧下で蒸留して、残存する未反応のトリグリセリンを留去し、続いて、例えば流下薄膜式分子蒸留装置または遠心式分子蒸留装置などを用いて分子蒸留するか、またはカラムクロマトグラフィーもしくは液液抽出など自体公知の方法を用いて精製することにより、モノエステル体を約50%以上、好ましくは約70%以上含むトリグリセリンミリスチン酸エステルを得ることが出来る。
本発明のバタークリーム用油脂組成物100質量%中の、トリグリセリンミリスチン酸エステルの含有量は、好ましくは0.05〜10質量%、より好ましくは0.1〜3質量%である。トリグリセリンミリスチン酸エステルの含有量が0.05質量%未満では、バタークリームの食感が充分に軽くならず、またバタークリームを調製する際の起泡性が充分ではなく好ましくない。また、10質量%を超えると、風味が良好なバタークリームが得られず好ましくない。
本発明のバタークリーム用油脂組成物に用いられる油脂としては、食用油脂であればよく、例えば、オリーブ油、キャノーラ油、米ぬか油、サフラワー油、ハイオレイックサフラワー油、大豆油、コーン油、なたね油、パーム油、パーム核油、ひまわり油、ハイオレイックひまわり油、綿実油、やし油および落花生油などの植物油脂、牛脂、豚脂、魚油および乳脂などの動物油脂、これらの動植物油脂を分別処理したもの(例えばパームオレイン、パームステアリンなど)または水素添加処理したもの、さらにこれらの動植物油脂単独または二種類以上を任意に組み合わせてエステル交換処理したものなどが挙げられる。これらの油脂は一種類で用いても良いし、二種類以上を任意に組み合わせて用いても良い。
本発明のバタークリーム用油脂組成物の形態としては、例えば油中水型乳化物であるマーガリン形態、ファットスプレッド形態、および水分をほとんど含まないショートニング形態などが挙げられる。ここで、マーガリン形態のバタークリーム用油脂組成物は、油脂組成物中に占める油脂含有率が80重量%以上のものをいい、ファットスプレッド形態のバタークリーム用油脂組成物は油脂組成物中に占める油脂含有率が80重量%未満のものをいう。
本発明のバタークリーム用油脂組成物の製造方法に特に制限はなく、例えば慣用の装置を用いて、常法により製造することができる。バタークリーム用油脂組成物の製造方法の概略は、以下に示す通りである。
本発明のバタークリーム用油脂組成物の製造方法は特に限定されず、自体公知の方法を用いることができる。以下に、マーガリン形態のバタークリーム用油脂組成物の製造方法を例示する。例えば、油脂およびトリグリセリンミリスチン酸エステルを混合し、好ましくは約70〜90℃で加熱して溶解し、所望により酸化防止剤(例えば抽出トコフェロールなど)、着色料(例えばβ−カロテンなど)、香料(例えばミルクフレーバーなど)などを添加して油相とする。油脂100質量部に対するトリグリセリンミリスチン酸エステルの配合量は好ましくは約0.06〜12質量部、より好ましくは約0.12〜3.5質量部である。一方、精製水に、所望により乳または乳製品(例えば全粉乳、脱脂粉乳など)、食塩、砂糖類、酸味料(例えばクエン酸など)などを加え、好ましくは約60〜80℃に加熱して溶解し水相とする。次に、油相と水相を通常の攪拌・混合槽を用いて混合し、得られた混合液を送液ポンプで急冷捏和装置に送液し、油脂の結晶化と練捏を連続的に行いバタークリーム用油脂組成物を得る。また乳化工程をとらず、油相と水相をそれぞれ定量ポンプで急冷捏和装置に送液し、以下同様に処理しバタークリーム用油脂組成物を得ることもできる。
急冷捏和装置としては、例えばボテーター(ケメトロン社製)、パーフェクター(ゲルステンベルグ社製)、コンビネーター(シュローダー社製)、オンレーター(櫻製作所社製)などが挙げられる。該装置は一般にAユニットとBユニットから構成され、Aユニットは管型の掻き取り式熱交換機からなっている。Bユニットは製品の種類、目的により構造の異なる管が用いられ、マーガリン形態、ファットスプレッド形態では例えば中空管または内部に金網を設けた管などが、またショートニング形態では管の内壁およびシャフトにピンを設けた混練機(ピンチューブ)などが用いられる。
本発明のバタークリーム用油脂組成物には、トリグリセリンミリスチン酸エステルの他に、本発明の効果を阻害しない範囲で各種の乳化剤を含有させることができる。該乳化剤としては、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチンなどが挙げられる。ここで、グリセリン脂肪酸エステルには、グリセリンと脂肪酸のエステルの外、グリセリン有機酸脂肪酸エステル(例えば、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルなど)、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびポリグリセリン縮合リシノール酸エステルが含まれる。またレシチンとしては、大豆レシチンおよび卵黄レシチンなど油分を含む液状レシチン、液状レシチンから油分を除き乾燥した粉末レシチン、液状レシチンを分別精製した分別レシチン並びにレシチンを酵素で処理した酵素分解レシチンおよび酵素処理レシチンなどが挙げられる。
本発明のバタークリーム用油脂組成物に、糖類、香料などを加えて攪拌し、起泡させるとにより、バタークリームを製造することができる。
糖類としては、特に制限はないが、例えば、例えばブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、ステビア、アスパルテームなどの糖類が挙げられる。これらの糖類は、単独で用いることもでき、二種以上を組み合わせて用いることもできる。
糖類の添加量としては、本発明のバタークリーム用油脂組成物100質量部に対し、好ましくは約10〜70質量部、さらに好ましくは約25〜60質量部である。糖類の添加量が10質量部未満であると、バタークリームの保存安定性が低くなる虞があり、また糖類の添加量が70質量部を超えると、軽い食感のバタークリームとならない虞がある。
バタークリームの起泡に用いる装置に特に制限はなく、例えばKENMIXミキサー(小平製作所社製)、ケンウッドミキサー(英国ケンウッド社製)、ホバートミキサー(HOBART CORPORATION社製)、縦形ミキサー(例えば、関東混合機工業社製、愛工舎製作所社製など)および連続式ホイップ装置(例えば、モンドミックス社製、APVクレパコ社製など)などが挙げられる。
本発明によって得られるバタークリームの比重は、約0.20〜0.60、好ましくは約0.20〜0.50である。比重が0.20未満であると、適度に軽い食感のバタークリームとならず、比重が0.60を超えると、食感の重いバタークリームとなる。
本発明によって得られるバタークリームは、ベーカリー製品のフィリング、トッピング、サンドクリーム、スプレッドなどに使用することができる。ベーカリー製品としては、菓子パン、デニッシュ、パイ、シュー、ウエハース、ドーナツ、ケーキ、クッキー、ビスケット、クラッカー、ワッフル、スコーンなどが挙げられる。
以下に本発明を製造例、実施例および試験例に基づいて、より具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[製造例1]
攪拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた反応釜にグリセリン20kgを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム20w/v%水溶液100mLを加え、窒素ガス気流中250℃で4時間グリセリン縮合反応を行った。
得られた反応生成物を約90℃まで冷却し、リン酸約20gを添加して中和した後ろ過し、ろ液を160℃、250Paの条件下で減圧蒸留してグリセリンを除き、続いて200℃、20Paの高真空条件下で分子蒸留してジグリセリンを回収し、更に蒸留残液を、240℃、20Paの高真空条件下で分子蒸留し、グリセリン0.2質量%、ジグリセリン5質量%、トリグリセリン88量%およびテトラグリセリン6質量%、環状グリセリン0.8質量%を含む留分約1.5kgを得た。該留分に対して1質量%の活性炭を加え、減圧下にて脱色処理した後ろ過した。得られたトリグリセリン混合物の水酸基価は約1170で、その平均重合度は約3.0であった。
次に、撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた2Lの四つ口フラスコに、上記トリグリセリン混合物510g、およびミリスチン酸(商品名:ミリスチン酸98;ミヨシ油脂社製)490g、を仕込み、触媒として水酸化ナトリウム10w/v%水溶液20mLを加え、窒素ガス気流中240℃で、酸価12以下となるまで、約2時間エステル化反応を行わせた。得られた反応混合物を約180℃まで冷却し、リン酸(85質量%)4.6gを添加して触媒を中和し、その温度で約1時間放置し、未反応のトリグリセリンを含むポリオールの分離がほとんど認められないのを確認し、トリグリセリンミリスチン酸エステル約960gを得た。
続いて、該トリグリセリンミリスチン酸エステルを、遠心式分子蒸留機(実験機;CEH−300II特;ULVAC社製)を用いて蒸留し、温度約240℃、20Paの真空条件下で未反応のトリグリセリンなどの低沸点化合物を留去し、続いて温度約250℃、1Paの真空条件下で分子蒸留し、留分としてトリグリセリンモノミリスチン酸エステル(試作品A:モノエステル体含量約75%)約220gを得た。
尚、エステル組成分析はHPLC(高速液体クロマトグラフィー)で行った。分析条件を以下に示した。
〈HPLC分析条件〉
装置 高速液体クロマトグラフ(型式:LC−10AS;島津製作所社製)
検出器 RI検出器(型式:RID−6A;島津製作所社製)
カラム GPCカラム(型式:SHODEX KF−802;昭和電工社製)
2本連結
カラム温度 40℃
移動相 THF
流量 1.0mL/min
検液注入量 15μL
[製造例2]
製造例1と同様にして、トリグリセリン混合物1.5kgを製造した。
次に、撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた2Lの四つ口フラスコに、上記トリグリセリン混合物510g、およびミリスチン酸(商品名:ミリスチン酸98;ミヨシ油脂社製)490g、を仕込み、触媒として水酸化ナトリウム10w/v%水溶液20mLを加え、窒素ガス気流中240℃で、酸価12以下となるまで、約2時間エステル化反応を行わせた。得られた反応混合物を約180℃まで冷却し、リン酸(85質量%)4.6gを添加して触媒を中和し、その温度で約1時間放置し、未反応のトリグリセリンを含むポリオールの分離がほとんど認められないのを確認し、トリグリセリンミリスチン酸エステル(試作品B:モノエステル含量約36%)約960gを得た。
[製造例3]
製造例1と同様にして、トリグリセリン混合物1.5kgを製造した。
次に、撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた2Lの四つ口フラスコに、上記トリグリセリン混合物510g、およびラウリン酸(商品名:L−98;花王社製)531gを仕込み、窒素ガス気流中245℃で、酸価12以下となるまで、約5時間エステル化反応を行わせた。得られた反応混合物を約180℃まで冷却し、約1時間放置し、未反応のトリグリセリンを含むポリオールの分離がほとんど認められないのを確認し、トリグリセリンラウリン酸エステル約970gを得た。
次に、該トリグリセリンラウリン酸エステルを、遠心式分子蒸留機(実験機;CEH−300II特;ULVAC社製)を用いて蒸留し、温度約205℃、1Paの真空条件下で未反応のトリグリセリンなどの低沸点化合物を留去し、続いて温度約220℃、1Paの真空条件下で分子蒸留し、留分としてトリグリセリンラウリン酸エステル(試作品C:モノエステル体含量約70%)約160gを得た。
[製造例4]
製造例1のミリスチン酸(商品名:ミリスチン酸98;ミヨシ油脂社製)490gに替えて、パルミチン酸(商品名:パルミチン酸98;ミヨシ油脂社製)599gを使用し、以下製造例1と同様に実施し、トリグリセリンパルミチン酸エステル(試作品D:モノエステル含量約80%)約230gを得た。
[製造例5]
製造例のミリスチン酸(商品名:ミリスチン酸98;ミヨシ油脂社製)490gに替えて、ステアリン酸(商品名:ステアリン酸90;ミヨシ油脂社製)665gを使用し、以下製造例1と同様に実施し、トリグリセリンステアリン酸エステル(試作品E:モノエステル含量約80%)約230gを得た。
[実施例1]
パーム油25.5質量部、菜種硬化油(融点34℃)55.0質量部、菜種白絞油4.0質量部からなる混合油に、製造例1で得られたトリグリセリンミリスチン酸エステル(試作品A)0.5質量部を混合し、約80℃で分散させた後、約70℃に冷却し、これを油相部とした。該油相部に約60℃に調製した温水15質量部を添加し、TKホモミキサー(プライミクス社製)にて10000rpmで5分間乳化した。これをマーガリンプロセッサー(POWER POINT INTERNATIONAL社製)に通し、急冷捏和した後、25℃で48時間テンパリング処理を行い、マーガリン形態のバタークリーム用油脂組成物(実施品1)を得た。
[比較例1]
製造例1で得られたトリグリセリンミリスチン酸エステル(試作品A)に代えて、製造例2で得られたトリグリセリンミリスチン酸エステル(試作品B)0.5質量部を添加すること以外は実施例1と同様に実施し、マーガリン形態のバタークリーム用油脂組成物(比較品1)を得た。
[比較例2]
製造例1で得られたトリグリセリンミリスチン酸エステル(試作品A)に代えて、製造例3で得られたトリグリセリンラウリン酸エステル(試作品C)0.5質量部を添加すること以外は実施例1と同様に実施し、マーガリン形態のバタークリーム用油脂組成物(比較品2)を得た。
[比較例3]
製造例1で得られたトリグリセリンミリスチン酸エステル(試作品A)に代えて、製造例4で得られたトリグリセリンパルミチン酸エステル(試作品D)0.5質量部を添加すること以外は実施例1と同様に実施し、マーガリン形態のバタークリーム用油脂組成物(比較品3)を得た。
[比較例4]
製造例1で得られたトリグリセリンミリスチン酸エステル(試作品A)に代えて、製造例5で得られたトリグリセリンステアリン酸エステル(試作品E)0.5質量部を添加すること以外は実施例1と同様に実施し、マーガリン形態のバタークリーム用油脂組成物(比較品4)を得た。
[試験例]
[バタークリームの作製と評価]
先ず、実施例1および比較例1〜4で得られたバタークリーム用油脂組成物(実施品1および比較品1〜4)を48時間、25℃でテンパリング処理した。テンパリング処理後、バタークリーム用油脂組成物60質量部に対し、シロップ(商品名:ニューフラクトR−30;昭和産業社製)40質量部加え、これをKENMIXミキサー(小平製作所社製)を用いて、20分間撹拌含気させ(回転速度は「MAX」に設定、容器を20℃の循環水で冷却、室温25℃)、バタークリームを得た。次に、得られたバタークリームの比重を以下に示す方法で測定した。結果を表1に示した。
<バタークリームの比重の測定方法>
バタークリームを軽量カップ(100mL容、内径6.5cm)に充填し、該カップの内容物の質量を測定し、測定された質量を「100」で除して得られる値を比重とする。
Figure 2009028000
実施品1を用いて作製されたバタークリームは、比較品1〜4を用いて作製されたバタークリームに比べ比重が小さいものであった。
次に、得られたバタークリームを絞り袋に入れて紙皿の上に絞りだし、下記表2に示す評価基準に従い15名のパネラーで食感について評価試験を行った。結果は15名の評点の平均値として求め、以下の基準に従って記号化した。結果を表3に示した。
○:評点の平均値が2.5以上
△:評点の平均値が1.5以上、2.5未満
×:評点の平均値が1.5未満
Figure 2009028000
Figure 2009028000
実施品1を用いて作製されたバタークリームは、食感の点で評価が非常に良いものであった。一方、比較品1〜4を用いて作製されたバタークリームは、食感の点で評価が低いものであった。

Claims (1)

  1. モノエステル体の含有量が50%以上であるトリグリセリンミリスチン酸エステルを含有することを特徴とするバタークリーム用油脂組成物。
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