JP2009027017A - 絶縁体膜、キャパシタ素子、dram及び半導体装置 - Google Patents

絶縁体膜、キャパシタ素子、dram及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】DRAMを構成するキャパシタ素子の絶縁体材料として用いるに際し、比誘電率やリーク耐圧を容易に変更でき、十分に高い比誘電率およびリーク耐圧を有し、なおかつ容易に製造な可能な絶縁体膜を提供する。
【解決手段】上部電極99と下部電極97との間に挟まれた絶縁体層を備えたキャパシタ素子69の前記絶縁体層として用いられる絶縁体膜98であって、ランタノイド元素、Hf、Yの中の少なくとも1種類の元素が添加された二酸化チタンからなる絶縁体膜98とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁体膜、キャパシタ素子、DRAM(Dynamic Random Access Memory)及び半導体装置に関し、特に、DRAMのメモリセル部を構成するキャパシタ素子の絶縁体層として用いられる絶縁体膜に関する。
従来から、半導体装置を構成するDRAMのメモリセルに備えられたキャパシタ素子の絶縁体材料として、Ta、Al、HfO及びそれらの積層膜などが用いられている。これらの絶縁体材料の比誘電率は、9〜30程度である。しかしながら、更なる微細化を進めるために、より比誘電率の高い材料が要求されている。
また、キャパシタ素子の絶縁体材料として用いられる比誘電率の高い材料としては、100以上の比誘電率を有するSrTiO、BaSrTiO(BST)のようなペロブスカイト結晶構造を有する材料が挙げられる。これらABO型として表すことが可能なペロブスカイト結晶膜において、従来から、結晶のAサイト、Bサイトイオンの置換による特性制御の検討を行い、キャパシタ素子用の絶縁体材料の開発がなされている。
また、キャパシタ素子の絶縁体材料として検討されている比誘電率の高い材料としては、80程度の比誘電率を有する二酸化チタン(TiO)が挙げられる。
また、キャパシタ素子に用いられる絶縁体材料としては、アモルファス(非晶質)PbTiO(例えば、特許文献1参照)や、一般式 MTiO3(式中、MはBa,Ca,Mg,Sr,Nb,Bi,Cd,Ce,Laから選ばれる1種または2種以上の金属元素)で表わされるペロブスカイト型チタン酸化合物(例えば、特許文献2参照)も挙げられる。
また、半導体装置に用いられる絶縁体材料としては、複数の積層された基本層を含み、前記層の中に二酸化チタン(TiO)及び五酸化タンタル(Ta)の合金に基づく2つの層が存在し、これらの層が少なくとも二酸化ハフニウム(HfO)及びアルミナ(Al)に基づく合金の中間層によって隔てられている多層構造体(例えば、特許文献3参照)や、各々が500Å未満の厚さを有する複数の別個の層を備え、前記層の幾つかがアルミニウム、ハフニウム、及び酸素に基づく多層構造体(例えば、特許文献4参照)、主成分がSr1-X TiO3(但し、0<X<1)である表面層を有し、主成分がチタン酸ストロンチウム(SrTiO3 )である薄膜からなる高誘電率薄膜(例えば、特許文献5参照)などもある。
特開昭62−07147号公報 特開平5−195227号公報 特開2003−309118号公報 特開2003−303514号公報 特開平8−45925号公報
しかしながら、ペロブスカイト結晶膜は、成膜段階において結晶粒界が必然的に生じ、かつ、表面ラフネスが増大するという問題がある。このため、ペロブスカイト結晶膜を、DRAMを構成するキャパシタ素子の絶縁体材料として用いた場合、キャパシタ特性の劣化を招いてしまう。しかも、ペロブスカイト結晶膜は、結晶化しなければその性能を発揮することが出来ない。したがって、ペロブスカイト結晶膜を用いて所望の特性を有するキャパシタ素子を形成するためには、ペロブスカイト結晶膜の高度な製造技術が要求されている。しかしながら、従来の技術では、結晶粒界を制御し表面ラフネスに優れたペロブスカイト結晶膜を形成することは困難であった。このため、過去に幾度となく、ペロブスカイト結晶膜の開発がなされてきたが、ペロブスカイト結晶膜は、量産レベルの半導体装置の絶縁体材料としてはいまだ実用化には至っていない。
また、DRAMを構成するキャパシタ素子の絶縁体材料として用いられる絶縁体材料には、高いリーク耐圧が要求されるが、SrTiOなどのペロブスカイト結晶膜やTiOは、バンドギャップが狭いためリーク耐圧が低いという問題がある。TiO及びSrTiOのバンドギャップは約3eVしかなく、実用的なリーク耐圧を有するキャパシタ素子を形成するのが困難であった。
また、従来の絶縁体材料はいずれも、キャパシタ素子を有するDRAMの電気特性に応じて、絶縁体膜の比誘電率やリーク耐圧を容易に変更できるものではなかった。このため、従来、微細化などに伴って絶縁体材料に対する比誘電率やリーク耐圧の要求が変更された場合には、新たな絶縁体材料を開発する必要があり、手間や時間がかかるという問題があった。
また、従来の絶縁体材料はいずれも、DRAMを構成するキャパシタ素子の絶縁体材料として用いた場合に、十分に大きい比誘電率、および十分に高いリーク耐圧、および製造容易性のすべてを満たすものではなかった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、DRAMを構成するキャパシタ素子の絶縁体材料として用いるに際し、比誘電率やリーク耐圧を容易に変更でき、十分に高い比誘電率およびリーク耐圧を有し、なおかつ容易に製造可能な絶縁体膜を提供することを目的とする。
さらに、本発明の絶縁体膜を備えたキャパシタ素子およびDRAM、半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記問題を解決するために鋭意検討し、本発明を完成した。即ち、本発明は以下に関する。
本発明の絶縁体膜は、2つの電極の間に挟まれた絶縁体層を備えるキャパシタ素子の前記絶縁体層として用いられる絶縁体膜であって、
ランタノイド元素、Hf(ハフニウム)、Y(イットリウム)の中の少なくとも1種類の元素が添加された二酸化チタン(TiO)からなることを特徴とする。
ここで、「ランタノイド元素」とは、原子番号57のLa(ランタン)から原子番号71のLu(ルテチウム)までの元素を意味する。
また、本発明の絶縁体膜は、キャパシタ素子の対向する電極間に挟まれた絶縁体膜であって、ランタノイド元素、Hf、Yの中の少なくとも1種類の元素と、チタンとが含まれており、エネルギー準位におけるバンドギャップ幅が3eV以上であることを特徴とする。
また、本発明の絶縁体膜は、完全には結晶化していない状態(アモルファス状態)であるものとすることができる。
本発明のキャパシタ素子は、2つの電極の間に挟まれた絶縁体層を備えるキャパシタ素子であって、前記絶縁体層が本発明の絶縁体膜からなることを特徴とする。
本発明のDRAMは、メモリセル部と、周辺回路部とを備えるDRAMであって、前記メモリセル部が、本発明のキャパシタ素子を備えることを特徴とする。
本発明の半導体装置は、本発明のキャパシタ素子を備えることを特徴とする。
本発明の絶縁体膜は、ランタノイド元素、Hf、Yの中の少なくとも1種類の元素が添加された二酸化チタンからなるものであり、二酸化チタン(TiO)に対して、バンドギャップが大きく、比誘電率の高い酸化金属元素であるランタノイド元素、Hf、Yのいずれかの元素が添加されているので、DRAMを構成するキャパシタ素子の絶縁体材料として用いた場合に、十分に高い比誘電率およびリーク耐圧を有するものとなる。
また、本発明の絶縁体膜は、ランタノイド元素、Hf、Yの中の少なくとも1種類の元素が添加された二酸化チタンからなるものであり、ペロブスカイト結晶膜のように結晶化させなくても、十分に高い比誘電率およびリーク耐圧が得られるものであるので、製造が容易である。すなわち、半導体製造において一般的に用いられている製造装置だけを使用した場合でも、表面ラフネスを抑えた膜を製造可能であり、量産性に非常に優れたものとなる。
また、本発明の絶縁体膜は、ランタノイド元素、Hf、Yの中の少なくとも1種類の元素が添加された二酸化チタンからなるものであるので、二酸化チタン中におけるランタノイド元素、Hf、Yのいずれかの元素の濃度を変化させることで、比誘電率およびリーク耐圧を変化させることができる。したがって、本発明の絶縁体膜によれば、キャパシタ素子を有するDRAMの電気特性に応じて、最適な比誘電率やリーク耐圧を有する絶縁体膜を容易に提供できる。
本発明の第1の実施形態である半導体装置について、図面を用いて説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、説明しやすくするために各構成要素の寸法比率などが変更されている部分があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
図1は、本発明の半導体装置の一例における断面構造の一部を説明するための図であって、ビット配線層の平行方向の断面図である。
図1に示す半導体装置Aは、メモリセル部と周辺回路部とを備えるDRAMを有するものである。図1に示す半導体装置Aを構成するDRAMは、半導体基板71上に設けられたメモリセル部と周辺回路部とから概略構成されている。なお、図1においては、メモリセル部のみを拡大して示し、周辺回路部の記載を省略している。メモリセル部には、選択用トランジスタと、選択用トランジスタのソース・ドレインにコンタクトプラグを介して接続され、蓄積容量部として用いられるキャパシタ素子69とから構成されるメモリセルが複数並んで設けられている。一方、周辺回路部は、メモリセル部の周辺に位置しており、周辺回路部には、周辺回路用のトランジスタが複数並んで設けられている。
図1に示す半導体装置Aにおいて、半導体基板71は、シリコンなど、所定濃度の不純物を含有する半導体からなる。半導体基板71の表面におけるトランジスタ形成領域以外の部分には、STI(Shallow Trench Isolation)法により、素子分離領域72が形成されており、選択用トランジスタが絶縁分離されている。
また、トランジスタ形成領域において、ゲート絶縁膜73は、半導体基板71表面に、例えば熱酸化などによりシリコン酸化膜として形成されている。また、ゲート電極76は、多結晶シリコン膜74と金属膜75との多層膜からなる。多結晶シリコン膜74としては、CVD法での成膜時にリン等の不純物を含有させて形成するドープト多結晶シリコン膜などを用いることができる。金属膜75としては、タングステン(W)や、タングステンシリサイド(WSi)などの高融点金属を用いることができる。
ゲート電極76上(すなわち金属膜75の上)には、窒化シリコン(Si)等からなる絶縁膜77が形成され、ゲート電極76の側壁には、窒化シリコンなどの絶縁膜からなるサイドウオール78が形成されている。
本実施形態においては、絶縁分離領域72により囲まれている1つの活性領域に2ビットのメモリセルが配置されるセル構造の例を示す。図1に示すように、絶縁分離領域72により囲まれている1つの活性領域において、活性領域の両端部と中央部にはソース79およびドレイン80を構成する不純物拡散層が配置されている。本実施形態においては、活性領域の中央部の不純物拡散層にドレイン80が形成され、活性領域の両端部の不純物拡散層にソース79、79が形成され、ソース79とドレイン80の上に、これらに接触するようにゲート絶縁膜73が形成され、ゲート絶縁膜73の上にゲート電極76が形成され、選択用トランジスタの基本構造が形成されている。
また、半導体基板71および絶縁膜77の上には、全面的に第1の層間絶縁膜81が形成されている。第1の層間絶縁膜81は、BPSG膜とTEOS−NSG膜の積層膜によって構成されている。また、第1の層間絶縁膜81には、ソース79およびドレイン80が露出するように、複数のセルコンタクト孔82が貫通して設けられている。セルコンタクト孔82には、所定の不純物濃度の多結晶シリコン膜が充填されており、これによってセルコンタクトプラグ83が形成されている。
第1の層間絶縁膜81およびセルコンタクトプラグ83の上には、全面的に第2の層間絶縁膜84が形成されている。第2の層間絶縁膜84は、シリコン酸化膜によって構成されている。また、第2の層間絶縁膜84には、セルコンタクトプラグ83の端面が露出するように、ビットコンタクト孔が貫通して複数設けられている。これらのビットコンタクト孔内には、導電性材料が充填されており、これによりビットコンタクトプラグ86が形成されている。また、ビットコンタクトプラグ86の表面には、タングステン膜などの金属膜からなるビット配線層87が形成されている。ビット配線層87は、ビットコンタクトプラグ86及びその下のセルコンタクトプラグ83を介して、ドレイン80と接続されている。
また、第2の層間絶縁膜84およびビット配線層87の上には、全面的に第3の層間絶縁膜88が形成されている。第3の層間絶縁膜88は、プラズマCVD法によって形成されたシリコン酸化膜によって構成されている。第3の層間絶縁膜88および第2の層間絶縁膜84には、セルコンタクトプラグ83の端面が露出するように、容量コンタクト孔89が貫通して設けられている。容量コンタクト孔89内には、所定の不純物濃度の多結晶シリコン膜が充填されており、これによって容量コンタクトプラグ(コンタクトプラグ)90が形成されている。
また、第3の層間絶縁膜88および容量コンタクトプラグ90の上には、第4の層間絶縁膜93が形成されている。第4の層間絶縁膜93は、窒化膜91と、シリンダのコアとなるシリコン酸化膜92とからなる。また、第4の層間絶縁膜93の容量コンタクトプラグ90の表面が露出される位置には、キャパシタ用深穴シリンダ94が第4の層間絶縁膜93を貫通して設けられている。
キャパシタ用深穴シリンダ94の底面と内周面には、下部電極97が設けられている。また、下部電極97の表面および第4の層間絶縁膜93上には、容量絶縁膜98(絶縁体膜)が形成され、第4の層間絶縁膜93上に形成された容量絶縁膜98上および容量絶縁膜98で囲まれたシリンダ内に上部電極99が形成されている。すなわち、下部電極97、上部電極99、下部電極97と上部電極99との間に挟まれた容量絶縁膜98により、データを蓄積する蓄積容量部となるキャパシタ素子69が形成されている。
下部電極97および上部電極99としては、ポリシリコンや窒化チタン膜などの導電膜が用いられている。使用する容量絶縁膜98の材料に応じて、その他の電極材料を使用することも可能である。
容量絶縁膜98としては、二酸化チタン(TiO)に対してバンドギャップが大きく、比誘電率の高い酸化金属元素であるランタノイド元素、Hf、Yのいずれかの元素が添加された二酸化チタンからなる絶縁体膜が用いられている。本実施形態の容量絶縁膜98を構成する絶縁体膜は、結晶化されていないアモルファス状態でも、キャパシタに必要な電気特性を満たすことができる。
絶縁体膜の比誘電率およびリーク耐圧は、絶縁体膜を構成する二酸化チタンに添加された上記いずれかの元素の濃度によって変化する。絶縁体膜の比誘電率は、25〜80の範囲で変化し、元素の濃度が低いほど高くなる。また、絶縁体膜のリーク耐圧は、二酸化チタン(TiO)よりも高くなり、元素の濃度が高いほど高くなる。
本実施形態において、二酸化チタンに添加される元素としては、ランタノイド元素、Hf、Yの中の少なくとも一種類で有れば良く、二種類以上を添加しても膜の特性には問題はないが、製造工程における量産性を考慮すると、いずれか一種類のみを添加するのが好ましい。
例えば、二酸化チタンにLaが添加された場合、Laの添加比率(La/(La+Ti))は10%〜50%とすることで、キャパシタ素子のリーク耐圧と比誘電率の両方におけるバランスのとれた絶縁膜が得られる。
また、例えば、二酸化チタンにHfが添加された場合、Hfの添加比率(Hf/(Hf+Ti))は10%〜65%とすることで、キャパシタ素子のリーク耐圧と比誘電率の両方におけるバランスのとれた絶縁膜が得られる。
La以外のランタノイド元素やYを添加元素として用いる場合にも、所望のキャパシタ特性が得られるように、二酸化チタンに対して適切な量の元素を添加すればよい。
なお、本発明の絶縁体膜においては、各元素を二酸化チタンに対して少しでも添加すれば、二酸化チタン膜のみからなる絶縁膜よりもキャパシタ素子用の絶縁膜として改善された特性を得ることができる。従って、例えばHfを添加元素として選んだ場合、その添加量は上述の10%〜65%内に限定されることはなく、10%以下や、65%以上の添加とすることも可能である。
本実施形態の容量絶縁膜98を構成する絶縁体膜は、一般的な半導体製造装置を用いて、スパッタリング法、通常のCVD(Chemical Vapor Deposition)法(化学気相成長法)、ALD(Atomic Layer Deposition; 原子層堆積)法等により形成することができる。
ここで、例えば、下部電極97までの各部材の形成された基板(被形成面)上に、容量絶縁膜98として、Laが添加された二酸化チタンからなる絶縁体膜をスパッタリング法により形成する場合を例に挙げて説明する。まず、チャンバ内に、TiOターゲットと、LaTiO(La:Ti=1:1)の焼結体からなるLaTiOターゲットとを配置する。次いで、各ターゲットと対向する位置に配置された被形成面を自転させながら、各ターゲットに対してそれぞれRF(高周波)パワーを配給して放電させる。このことにより、Laが添加された二酸化チタンからなる絶縁体膜が被形成面上に形成される。
上記の方法によりLaが添加された二酸化チタンからなる絶縁体膜を形成する場合、二酸化チタン中におけるLaの添加量は、各ターゲットから被形成面への絶縁体膜となる原料の供給量に比例する。したがって、各ターゲットから被形成面への絶縁体膜となる原料の供給量を制御することにより、Laの添加量の異なる二酸化チタン膜を形成することができる。
各ターゲットから被形成面への絶縁体膜となる原料の供給量は、各ターゲットに対して供給されるRFパワーに比例する。したがって、ターゲットとして、TiOターゲットとLaTiO(La:Ti=1:1)の焼結体からなるLaTiOターゲットとを用いた場合、各ターゲットに対して供給されるRFパワーを変更する方法により、Laの添加量(La/(La+Ti))が所望の範囲で異なる二酸化チタン膜を形成することができる。
また、ターゲットから被形成面への絶縁体膜となる原料の供給量は、ターゲット中に含まれるLaの含有量を変更する方法によっても変化させることができる。したがって、絶縁体膜を形成する際に使用するターゲット中に含まれるLaの含有量を変更することによって、Laが添加された二酸化チタン中におけるLaの添加量も変更することができる。
さらに、ターゲットに対して供給されるRFパワーを制御する方法と、ターゲット中に含まれるLaの含有量を変更する方法とを組み合わせて、ターゲットから被形成面への絶縁体膜となる原料の供給量を制御することにより、Laが添加された二酸化チタン中におけるLaの添加量を制御してもよい。
また、LaTiO以外のLaを含んだ材料から形成されたターゲットを用いて、同様にLaの添加量を制御してもよい。
なお、本実施形態においては、Laが添加された二酸化チタンからなる絶縁体膜の形成方法を例に挙げて説明したが、Laに代えて、La以外のランタノイド元素、Hf、Yのいずれかの元素が添加された二酸化チタンからなる絶縁体膜を形成する場合にも、ターゲットに対して供給されるRFパワーを変更する方法および/またはターゲット中に含まれる添加元素の含有量を変更する方法により、二酸化チタン中における上記いずれかの元素の添加量を制御することができる。
また、容量絶縁膜98を構成する絶縁体膜をスパッタリング法により形成した場合、絶縁体膜の形成後に、酸素雰囲気で500℃〜700℃の温度で、1分〜10分間のポストアニール(熱処理)を行なうことが好ましい。絶縁体膜を300℃程度の低温において形成する場合、通常、膜欠陥が生じたり、絶縁体膜の酸化が不十分となって絶縁体膜のリーク特性に支障を来たす場合がある。ポストアニールを行なうことで、絶縁体膜を低温形成することに起因する膜欠陥を改善することができるとともに、リーク特性をより一層向上させることができる。なお、ポストアニールの温度および時間は、絶縁体膜の成膜方法や、絶縁体膜に要求されるリーク特性によって決定することができる。
また、例えば、絶縁体膜をスパッタリング法により形成する際に、酸化剤を用いるなどの高度なスパッタリング技術を用いた場合や、絶縁体膜をCVD法等による成膜方法で形成した場合などは、絶縁体膜の成膜の際に膜欠陥が生じることを抑制できるので、ポストアニールを行わなくてもよい。
すなわち、本発明の絶縁体膜の形成方法においては、ポストアニールは必須の工程ではなく、DRAM等の半導体装置に適用して最終的に得られる特性に応じて、ポストアニールを行うかどうかを決めればよい。また、ポストアニールを行う場合でも、温度や時間等の条件は所望する絶縁体膜の特性に応じて、変更することが可能である
本実施形態の半導体装置Aは、DRAMを構成するキャパシタ素子69の容量絶縁膜98として、ランタノイド元素、Hf、Yの中の少なくとも1種類の元素が添加された二酸化チタンからなる絶縁体膜を用いたものであるので、十分に高い比誘電率およびリーク耐圧を有する容量絶縁膜98を備えたものとなる。
また、容量絶縁膜98が、ランタノイド元素、Hf、Yの中の少なくとも1種類の元素が添加された二酸化チタンからなるものであるので、一般的な半導体製造装置を用いて、均一で緻密・平坦な膜からなる容量絶縁膜98を容易に形成できる。
また、本実施形態の容量絶縁膜98は、ペロブスカイト結晶膜のように結晶化させる必要がなく、アモルファス状態で所望のキャパシタ特性を得ることができる。従って、アモルファス状態で用いた場合には、結晶化に起因する表面ラフネスの問題を生じさせることはない。
また、例えば、容量絶縁膜98が結晶膜である場合には、容量絶縁膜98が、容量絶縁膜98の下に形成されている下部電極97を構成する材料の結晶性の影響を受けるため、容量絶縁膜98の品質が下部電極97の材料や膜質に強く依存することになり、実用上大きな制限と困難を与える。しかし、本実施形態の容量絶縁膜98は、アモルファス状態であるため、下部電極97の品質に関わりなく一定の品質を提供することが可能である。このため、下部電極97および容量絶縁膜98の形成が容易なものとなる。また、下部電極97の材料や形成方法の選択肢を増大させることができる。
また、本実施形態の容量絶縁膜98では、二酸化チタン中におけるランタノイド元素、Hf、Yのいずれかの元素の濃度を変化させることで、比誘電率およびリーク耐圧を変化させることができる。したがって、キャパシタ素子69を有するDRAMの電気特性に対応して、所望の比誘電率やリーク耐圧を有する容量絶縁膜98を容易に提供できる。
また、本実施形態の半導体装置Aは、キャパシタ素子69として十分に高い比誘電率およびリーク耐圧を有する容量絶縁膜98を備えたものとなるため、高性能のDRAMを有するものとなる。
なお、本実施形態では、本発明の絶縁体膜の一例として、DRAMを構成するキャパシタ素子69の容量絶縁膜98を例に挙げて説明したが、本発明の絶縁体膜はこの例のみに限定されるものではない。例えば、導電体膜の形状は、特に限定されるものではなく、平面状であってもよいし、円柱型の電極の外壁部分に形成されていてもよい。
さらに、DRAMのメモリセルと、一般的なロジック製品を同一の半導体チップ上に形成した混載型のDRAMにおいても、本発明の絶縁体膜を問題なく適用できる。
また、DRAMを備えた半導体装置以外の半導体装置についても、上部電極と下部電極との間に挟まれた絶縁体層を備えたキャパシタ素子を有するものであれば、本発明が適用可能である。
(実験例1)
図2に示す積層構造からなる試験体を以下に示すように製造し、以下に示す実験を行なった。
図2において、符号1はSi基板、符号2はSiOからなる熱酸化膜、符号3はPt膜からなる下部電極、符号4は絶縁体膜、符号5はPt(白金)膜からなる上部電極を示している。
図2に示す積層構造を得るために、まず、上面に、相互拡散防止用のSiOからなる熱酸化膜2が形成されたSi基板1を用意した。次に、Si基板1の熱酸化膜2上に、スパッタリング法により膜厚100nmのPt膜を形成することにより、下部電極3を形成した。
その後、スパッタリング法により、下部電極3上に二酸化チタンからなる絶縁体膜4を形成した。絶縁体膜4の形成は、チャンバ内に、TiOターゲットを配置して、下部電極3まで形成されたSi基板1の温度を300℃とし、ArとOガスとを同時に流してチャンバー圧力を0.5Paとし、ターゲットと対抗する位置に配置されたSi基板1を自転させながら、TiOターゲットに150WのRF(高周波)パワーを配給して放電させることによって行なった。
その結果、二酸化チタン膜(a)からなる絶縁体膜4を得た。
次いで、絶縁体膜4まで形成されたSi基板1上に、スパッタリング法により膜厚30
nmのPt膜を形成することにより、上部電極5を形成した。
続いて、ポストアニールとして、酸素雰囲気、700℃の温度で3分間の熱処理を行なった。このようにして、Laの添加量(La/(La+Ti))が0%の二酸化チタン膜(a)からなる絶縁体膜4を有する図2に示す積層構造を得た。
次に、以下に示すようにして、Laの添加量(La/(La+Ti))を9〜50%の範囲で異ならせた二酸化チタン膜(b)〜(g)からなる絶縁体膜4を有する図2に示す積層構造を得た。
すなわち、Laの添加量(La/(La+Ti))が0%の二酸化チタン膜(a)からなる絶縁体膜4を有する積層構造と同様にして下部電極3まで形成されたSi基板1上に、スパッタリング法により、下部電極3上にLaが所定の濃度で添加された二酸化チタンからなる絶縁体膜4を形成した。絶縁体膜4の形成は、チャンバ内に、TiOターゲットと、LaTiO(La:Ti=1:1)の焼結体からなるLaTiOターゲットとを配置して、下部電極3まで形成されたSi基板1の温度を300℃とし、ArとOガスとを同時に流してチャンバー圧力を0.5Paとし、各ターゲットと対抗する位置に配置されたSi基板1を自転させながら、TiOターゲットおよびLaTiOターゲットに表1に示すRF(高周波)パワーを配給して放電させることによって行なった。その結果、Laの添加量(La/(La+Ti))の異なる二酸化チタン膜(b)〜(g)からなる絶縁体膜4を得た。
Figure 2009027017
次いで、絶縁体膜4まで形成されたSi基板1上に、二酸化チタン膜(a)からなる絶縁体膜4を有する積層構造と同様にして、上部電極5を形成し、ポストアニールを行なった。
このようにして得られたLaの添加量の異なる二酸化チタン膜(b)〜(g)からなる絶縁体膜4を有する図2に示す積層構造のそれぞれについて、誘導結合プラズマ質量分析(ICP‐MS)法及びラザフォード後方散乱顕微鏡(RBS)法を用いて、Laの添加量を調べた。その結果を表1に示す。
表1より、TiOターゲットおよびLaTiOターゲットに配給するRFパワーを変化させることによって、Laが添加された二酸化チタン膜中におけるLaの添加量を制御できることが確認できた。
次に、Laの添加量が0%の二酸化チタン膜(a)からなる絶縁体膜4を有する積層構造と、Laの添加量の異なる二酸化チタン膜(b)〜(g)からなる絶縁体膜4を有する積層構造のそれぞれについて、Inplane測定(低角入射)でX線回折(XRD)を行った。その結果を図3に示す。
図3に示すように、Inplane測定(低角入射)なのでSi基板1のピークは見えていない。また、図3において白丸で示される位置のピークより、二酸化チタン膜(a)は、結晶化しており、ルチル構造(TiO結晶の中で安定な結晶構造)が形成されていることがわかる。また、Laの添加量が9%の二酸化チタン膜(b)では、わずかにTiO結晶が形成されていることがわかる。
しかし、Laの添加量が18%の二酸化チタン膜(c)〜50%の二酸化チタン膜(g)では、TiO結晶に関連するピークは観測されず、下部電極3および上部電極5を構成するPt膜に関連する図3において黒丸で示される位置のピーク以外観測されなくなっている。また、Laの添加量が18%の二酸化チタン膜(c)〜50%の二酸化チタン膜(g)では、2θが30°弱の位置にブロードなピークが観測できる。このピークの位置は、LaTi酸化物の結晶(ランダム配勾時)が最大ピークを示す場所であり、このピークがブロードなピークになっているのは、Laの添加された二酸化チタン膜(c)〜(g)が、典型的なアモルファス膜であることを示す。
また、Laの添加量が0%の二酸化チタン膜(a)からなる絶縁体膜4を有する積層構造と、Laの添加量の異なる二酸化チタン膜(b)〜(g)からなる絶縁体膜4を有する積層構造のそれぞれについて、比誘電率とリーク耐圧(リーク電流密度1E‐8A/cm時の電場)を測定した。その結果を図4に示す。
図4は、Laの添加量と、絶縁体膜4の比誘電率およびリーク耐圧との関係を示したグラフである。図4に示すように、比誘電率はLaの添加量が低いほど高くなり、リーク耐圧はLaの添加量が高いほど高くなることが確認できた。
なお、Laの添加量が9%の二酸化チタン膜(b)においては、先に述べたように一部結晶化しているが、Laの添加量が0%の二酸化チタン膜(a)に比べて高いリーク耐圧が得られている。従って、本発明の絶縁体膜は、必ずしも完全なアモルファス状態での使用に限定されるものではない。
また、Laの添加量が0%の二酸化チタン膜(a)からなる絶縁体膜4を有する積層構造と、Laの添加量の異なる二酸化チタン膜(b)〜(g)からなる絶縁体膜4を有する積層構造のそれぞれについて、バンドギャップと、下部電極3および上部電極5に対するバンドオフセットとを調べた。その結果を図5に示す。
図5は、Laの添加量と、エネルギーレベル(eV)との関係を示したグラフである。 図5に示すように、Laの添加量が0%の二酸化チタン膜(a)のバンドギャップ3eVに対し、Laの添加された二酸化チタン膜(b)〜(g)では、バンドギャップが3.1eV〜3.8eVと大きくなっている。
また、図5に示すように、下部電極3のPt膜のフェルミ準位(Ef)と、絶縁体膜4の伝導帯(Ec)とのバンドオフセットが、Laの添加された二酸化チタン膜(b)〜(g)では2.1eV〜3.1eVであり、1.6eVである二酸化チタン膜(a)と比較して大きくなっており、リーク耐圧の向上を証明するものである。
(実験例2)
図2に示す積層構造を構成する絶縁体膜4を、HfOからなる絶縁体膜またはHfが添加された二酸化チタンからなる絶縁体膜としたこと以外は、実験例1と同様にして、図2に示す積層構造からなる試験体を以下に示すように製造し、以下に示す実験を行なった。
すなわち、実験例1と同様にして、下部電極3まで形成されたSi基板1上に、スパッタリング法により、下部電極3上にHfOからなる絶縁体膜4を形成した。絶縁体膜4の形成は、チャンバ内に、HfOターゲットを配置して、下部電極3まで形成されたSi基板1の温度を300℃とし、ArとOガスとを同時に流してチャンバー圧力を0.5Paとし、ターゲットと対抗する位置に配置されたSi基板1を自転させながら、HfOターゲットに50WのRF(高周波)パワーを配給して放電させることによって行なった。
次いで、絶縁体膜4まで形成されたSi基板1上に、実験例1と同様にして、上部電極5を形成し、ポストアニールを行なうことにより、HfO膜からなる絶縁体膜4を有する図2に示す積層構造を得た。
次に、以下に示すようにして、Hfの添加量(Hf/(Hf+Ti))を8〜78%の範囲で異ならせた二酸化チタン膜からなる絶縁体膜4を有する図2に示す積層構造を得た。
すなわち、実験例1と同様にして下部電極3まで形成されたSi基板1上に、スパッタリング法により、下部電極3上にHfが所定の濃度で添加された二酸化チタンからなる絶縁体膜4を形成した。絶縁体膜4の形成は、チャンバ内に、TiOターゲットと、HfOターゲットとを配置して、下部電極3まで形成されたSi基板1の温度を300℃とし、ArとOガスとを同時に流してチャンバー圧力を0.5Paとし、各ターゲットと対抗する位置に配置されたSi基板1を自転させながら、TiOターゲットおよびHfOターゲットに表2に示すRF(高周波)パワーを配給して放電させることによって行なった。その結果、Hfの添加量(Hf/(Hf+Ti))の異なる二酸化チタン膜からなる絶縁体膜4を得た。
Figure 2009027017
次いで、絶縁体膜4まで形成されたSi基板1上に、実験例1と同様にして、上部電極5を形成し、ポストアニールを行なうことにより、Hfの添加量(Hf/(Hf+Ti))の異なる二酸化チタン膜からなる絶縁体膜4を有する図2に示す積層構造を得た。
このようにして得られたHfの添加量の異なる二酸化チタン膜からなる絶縁体膜4を有する図2に示す積層構造のそれぞれについて、ラザフォード後方散乱顕微鏡(RBS)法を用いて、Hfの添加量を調べた。その結果を表2に示す。
表2より、TiOターゲットおよびHfOターゲットに配給するRFパワーを変化させることによって、Hfが添加された二酸化チタン中におけるHfの添加量を制御できることが確認できた。
次に、Hfの添加量が0%の二酸化チタン膜(a)からなる絶縁体膜4を有する積層構造と、HfO膜(h)からなる絶縁体膜4を有する積層構造と、Hfの添加量の異なる二酸化チタン膜(i)〜(k)からなる絶縁体膜4を有する積層構造のそれぞれについて、広角でX線回折(XRD)を行った。その結果を図6に示す。
図6において黒丸で示される位置のピークより、二酸化チタン膜(a)は、結晶化しており、ルチル構造(TiO結晶の中で安定な結晶構造)が形成されていることがわかる。
また、HfO膜(h)とHfの添加量が78%の二酸化チタン膜(i)では、図6において白丸で示される単斜晶構造の結晶ピークが見られた。また、Hfの添加量が78%の二酸化チタン膜(i)は、一部イオン径の小さいTiがサイト置換したHfO結晶であるため、HfOと同じ位置かつ高角度側にずれ(格子定数が小さい)て、図6において白丸で示されるピークが出ている。
しかし、Hfの添加量が53%の二酸化チタン膜(j)〜20%の二酸化チタン膜(k)では、下部電極3および上部電極5を構成するPt膜およびSi基板1を構成するSiに関連する図6において白四角で示される位置のピーク以外観測されず、結晶化していない(アモルファス膜である)ことが分かる。
(実験例3)
ポストアニール温度を500℃または600℃としたこと以外は、実験例2と同様にして、Hfの添加量(Hf/(Hf+Ti))が8〜78%の範囲で異なる二酸化チタン膜からなる絶縁体膜4を有する積層構造からなる試験体を製造し、以下に示す実験を行なった。
すなわち、Hfの添加量が8%、20%、27%、37%、43%、53%、78%の二酸化チタン膜からなる絶縁体膜4を有する積層構造を形成し、そのそれぞれについて、比誘電率とリーク耐圧(リーク電流密度1E‐8A/cm時の電場)とを測定した。その結果を図7に示す。
図7(a)は二酸化チタン膜中におけるHfの添加量(Hf/(Hf+Ti))と比誘電率との関係を示したグラフである。図7(a)に示すように、比誘電率はHfの添加量が低いほど高くなることが確認できた。また、図7(a)に示すように、ポストアニールの温度が500℃である場合と600℃である場合との差はわずかであり、ポストアニールを500℃の低温で行なってもよいことが分かった。
また、図7(b)は二酸化チタン膜中におけるHfの添加量(Hf/(Hf+Ti))とリーク耐圧との関係を示したグラフである。図7(b)に示すように、リーク耐圧はHfの添加量が高いほど高くなることが確認できた。また、図7(b)に示すように、ポストアニールの温度が500℃である場合と600℃である場合との差はわずかであり、ポストアニールを500℃の低温で行なってもよいことが分かった。
図7(a)(b)に示したように、添加するHfの濃度によって絶縁体膜の比誘電率とリーク耐圧の値を可変とすることができる。従って、本発明の絶縁体膜を用いて形成するキャパシタに必要とされる電気特性に応じて添加するHfの濃度およびポストアニール温度を設定すればよい。
以上説明したように、本発明の絶縁体膜を用いたキャパシタ素子は、二酸化チタンにランタノイド元素、Hf、Yの元素の中から少なくとも一種類の元素を添加することにより、二酸化チタンのみからなる膜に比較して、バンドギャップ幅を拡大し、リーク耐圧を向上することが可能となる。さらに本発明の絶縁体膜は、結晶化していない状態でもキャパシタ用の絶縁体膜として最適な特性を有している。従って、結晶化に起因する製造上の問題を回避して容易に高性能のキャパシタ素子を容易に形成することができる。
図1は、図1は、本発明の半導体装置の一例における断面構造の一部を説明するための図であって、ビット配線層の平行方向の断面図である。 図2は、試験体の積層構造を示した断面図である。 図3は、X線回折(XRD)の結果を示したグラフである。 図4は、Laの添加量と、絶縁体膜の比誘電率およびリーク耐圧との関係を示したグラフである。 図5は、Laの添加量と、エネルギーレベル(eV)との関係を示したグラフである。 図6は、X線回折(XRD)の結果を示したグラフである。 図7は、Hfの添加量と、絶縁体膜の比誘電率およびリーク耐圧との関係を示したグラフである。
符号の説明
1…Si基板、2…熱酸化膜、3…下部電極、4…絶縁体膜、5…上部電極、69…キャパシタ素子、71…半導体基板、72…素子分離領域、73…ゲート絶縁膜、74…多結晶シリコン膜、75…金属膜、76…ゲート電極、77…絶縁膜、78…サイドウオール、79…ソース、80…ドレイン、81…第1の層間絶縁膜、82…セルコンタクト孔、83…セルコンタクトプラグ、84…第2の層間絶縁膜、86…ビットコンタクトプラグ、87…ビット配線層、88…第3の層間絶縁膜、89…容量コンタクト孔、90…容量コンタクトプラグ(コンタクトプラグ)、91…窒化膜、92…シリコン酸化膜、93…第4の層間絶縁膜、94…キャパシタ用深穴シリンダ、97…下部電極、98…容量絶縁膜(絶縁体膜)、99…上部電極、A…半導体装置。

Claims (6)

  1. 2つの電極の間に挟まれた絶縁体層を備えるキャパシタ素子の前記絶縁体層として用いられる絶縁体膜であって、
    ランタノイド元素、Hf、Yの中の少なくとも1種類の元素が添加された二酸化チタンからなることを特徴とする絶縁体膜。
  2. キャパシタ素子の対向する電極間に挟まれた絶縁体膜であって、
    ランタノイド元素、Hf、Yの中の少なくとも1種類の元素と、チタンとが含まれており、エネルギー準位におけるバンドギャップ幅が3eV以上であることを特徴とする絶縁体膜。
  3. 完全には結晶化していない状態であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の絶縁体膜。
  4. 2つの電極の間に挟まれた絶縁体層を備えるキャパシタ素子であって、
    前記絶縁体層が請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の絶縁体膜からなることを特徴とするキャパシタ素子。
  5. メモリセル部と、周辺回路部とを備えるDRAMであって、
    前記メモリセル部が、請求項4に記載のキャパシタ素子を備えることを特徴とするDRAM。
  6. 請求項4に記載のキャパシタ素子を備えることを特徴とする半導体装置。
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