JP2009026766A - シクロへキシルベンゼン - Google Patents

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Abstract

【課題】非水系電解液二次電池の特性の向上に資する非水電解液を提供する。
【解決手段】下記式(1)〜(5)のシクロヘキシルベンゼン(合計5000ppm以下)。
Figure 2009026766

【選択図】なし

Description

本発明は、シクロヘキシルベンゼンに関し、詳しくは、特定の化合物の含有量を低下させたシクロヘキシルベンゼンに関するものである。本発明は、非水系電解液二次電池、およびそれに用いる非水系電解液に関するものである。詳しくは、安全性に優れ、高容量で、保存特性、負荷特性およびサイクル特性に優れる非水液系電解液二次電池に関するものである。
近年の電気製品の軽量化、小型化にともない、高いエネルギー密度をもつリチウム二次電池の開発が進められている。また、リチウム二次電池の適用分野が拡大するにつれて電池特性の改善が要望されている。
ところで、金属リチウムを負極とする二次電池が、高容量化を達成できる電池として盛んに研究されている。しかしながら、金属リチウムには、充放電の繰り返しにより金属リチウムがデンドライト状に成長し、これが正極に達し電池内部での短絡が生じてしまうという問題があり、これが金属リチウムを負極とするリチウム二次電池を実用化する際の最大の障害となっている。
金属リチウムに代えて、負極にコークス、人造黒鉛または天然黒鉛等のリチウムを吸蔵・放出することが可能な炭素質材料を用いた非水系電解液二次電池が提案されている。このような非水系電解液二次電池では、リチウムがデンドライト状に成長しないため、電池寿命と安全性とを向上させることができる。特に、人造黒鉛や天然黒鉛等の黒鉛系炭素質材料を用いた非水系電解液二次電池は、高容量化の要求に応え得るものとして注目されている。
しかしながら、黒鉛系炭素質材料を用いた非水系電解液二次電池は、電池が過充電された場合、内部短絡した場合、および釘刺しされた場合などの安全性については十分とはいえず、より安全性の高い電池の開発が必要とされている。
非水系電解液二次電池が釘刺しされた場合の安全性を向上させる方法としては、トリメット酸エステルまたはその誘導体、t−ブチルベンゼン、イソブチルベンゼンおよびシクロヘキシルベンゼンよりなる群から選択される非イオン性芳香族化合物を含有する電解液を用いた有機電解液二次電池が提案されている(特許第3247103号公報)。
しかしながら、シクロヘキシルベンゼンを含有する電解液を用いた非水系電解液二次電池では、安全性は向上するものの、電池の放電特性、特に高温保存後の放電特性が低下するという問題があった。
したがって、本発明は、安全性に優れ、高容量で、保存特性、負荷特性およびサイクル特性に優れる非水系電解液二次電池、およびそれに用いられる非水系電解液を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために種々の検討を重ねた結果、シクロヘキシルベンゼン中の不純物の含有量を低下させることにより、上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、下記式で表される化合物(1)〜(5)を合計5000ppm以下で含有するシクロヘキシルベンゼン、に存する。
また、本発明の要旨は、リチウムを吸蔵・放出することが可能な負極および正極、ならびに非水溶媒およびリチウム塩を含有する電解液を有する非水系電解液二次電池において、非水溶媒がシクロヘキシルベンゼンを0.01〜10重量%含有し、かつ下記式で表される化合物(1)〜(5)をシクロヘキシルベンゼンに対して合計5000ppm以下で含有するものであることを特徴とする非水系電解液二次電池、に存する。
Figure 2009026766
本発明に係る非水系電解液二次電池は、非水溶媒中にシクロヘキシルベンゼンを0.01〜10重量%含有し、かつ下記式で表される化合物(1)〜(5)をシクロヘキシルベンゼンに対して合計5000ppm以下で含有するものである。
Figure 2009026766
シクロヘキシルベンゼンが、0.01重量%未満では安全性の向上がほとんど見られない。一方、10重量%を超えると電池の保存特性や負荷特性が低下してしまう。下限値としては0.1重量%以上、特に0.5重量%以上が好ましく、上限値としては5重量%以下、特に4重量%以下が好ましい。
シクロヘキシルベンゼンは、通常、ベンゼンの水添二量化、ビフェニルの水添、またはベンゼン化合物のシクロヘキシル化により製造されている。市販のシクロヘキシルベンゼンには、不純物として化合物(1)〜(5)が合計7000ppm以上含有されている。
本発明では、この市販のシクロヘキシルベンゼンを精製して化合物(1)〜(5)を5000ppm以下、好ましくは1000ppm以下としたものを用いる。化合物(1)〜(5)を合計で5000ppmより多く含有するシクロヘキシルベンゼンを用いると、高温保存後の放電特性が低下してしまう。シクロヘキシルベンゼン中の化合物(1)〜(5)の含有量が少ないほど、このシクロヘキシルベンゼンを用いた電池の保存特性の低下は少ない。しかしながら、シクロヘキシルベンゼン中の化合物(1)〜(5)の含有量が微量となると、電池の保存特性はほとんど低下せず、逆に釘刺し等に対する安全性が高まる傾向もある。これはこれらの化合物が電極上に被膜を形成するためと考えられる。精製に要する費用および化合物(1)〜(5)の含有量が微量に存在することの影響を考慮すると、シクロヘキシルベンゼンとしては、化合物(1)〜(5)の含有量が1ppm以上のものを用いるのが有利である。化合物(1)〜(5)を10ppm以上、特に20ppm以上含有するシクロヘキシルベンゼンを用いるのが最も有利と考えられる。
市販のシクロヘキシルベンゼンを精製して化合物(1)〜(5)の含有量を5000ppm以下、好ましくは1000ppm以下とするには、例えば、理論段数5段以上の蒸留塔を用いて蒸留すればよい。
非水溶媒に分子内に炭素−炭素不飽和結合を有する環状炭酸エステルを0.01重量%以上8重量%以下で含有させると、シクロヘキシルベンゼンの負極での副反応を抑制し、保存特性および電池のサイクル特性をさらに向上させることができる。8重量%を超えると保存後の電池特性が低下したり、ガス発生により電池の内圧が上昇する場合がある。一方、0.01重量%未満では、十分に保存特性とサイクル特性を向上させることができない。下限値としては0.1重量%、上限値としては3重量%が好ましい。
分子内に炭素−炭素不飽和結合を有する環状炭酸エステルとしては、ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、エチルビニレンカーボネート、4,5−ジメチルビニレンカーボネート、4,5−ジエチルビニレンカーボネート、フルオロビニレンカーボネート、トリフルオロメチルビニレンカーボネート等のビニレンカーボネート化合物;4−ビニルエチレンカーボネート、4−メチル−4−ビニルエチレンカーボネート、4−エチル−4−ビニルエチレンカーボネート、4−n−プロピル−4−ビニレンエチレンカーボネート、5−メチル−4−ビニルエチレンカーボネート、4,4−ジビニルエチレンカーボネート、4,5−ジビニルエチレンカーボネート、4,4−ジメチル−5−メチレンエチレンカーボネート、4,4−ジエチル−5−メチレンエチレンカーボネート等のビニルエチレンカーボネート化合物などが挙げられる。このうち、ビニレンカーボネート、4−ビニルエチレンカーボネート、4−メチル−4−ビニルエチレンカーボネートまたは4,5−ジビニルエチレンカーボネート、特にビニレンカーボネートまたは4−ビニルエチレンカーボネートが好ましい。これらの2種類以上を併用してもよい。
非水溶媒の主成分としては、非水系電解液二次電池の溶媒として公知の任意のものを用いることができる。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート等のジアルキルカーボネート(炭素数1〜4のアルキル基が好ましい);テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル;ジメトキシエタン、ジメトキシメタン等の鎖状エーテル;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状カルボン酸エステル化合物;酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等の鎖状カルボン酸エステルなどが挙げられる。これらは2種類以上を併用してもよい。
非水溶媒として好ましいものの一つは、アルキレンカーボネートとジアルキルカーボネートとを主体とするものである。中でも、炭素数2〜4のアルキレン基を有するアルキレンカーボネートを20容量%以上45容量%以下、および炭素数1〜4のアルキル基を有するジアルキルカーボネートを55容量%以上80容量%以下で含有する混合溶媒であるものが、電解液の電気伝導率が高く、サイクル特性と大電流放電特性が高く好ましい。
炭素数2〜4のアルキレン基を有するアルキレンカーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートおよびブチレンカーボネート等が挙げられる。これらの中で、エチレンカーボネートまたはプロピレンカーボネートが好ましい。
炭素数1〜4のアルキル基を有するジアルキルカーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネートおよびエチル−n−プロピルカーボネート等が挙げられる。これらの中で、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートまたはエチルメチルカーボネートが好ましい。
好ましい非水溶媒の他の例は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトンおよびγ−バレロラクトンから選ばれる有機溶媒を60容量%以上、好ましくは85容量%以上含有するものである。この非水溶媒にリチウム塩を溶解した電解液は、高温で使用しても溶媒の蒸発や液漏れが少ない。中でも、エチレンカーボネート5容量%以上45容量%以下とγ−ブチロラクトン55容量%以上95容量%以下を含む混合物、またはエチレンカーボネート30容量%以上60容量%以下とプロピレンカーボネート40容量%以上70容量%以下を含む溶媒が、サイクル特性と大電流放電特性等のバランスがよいので好ましい。
非水溶媒として好ましいもののさらに他の例は、含燐有機溶媒を含むものである。含燐有機溶媒としては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸ジメチルエチル、リン酸メチルジエチル、リン酸エチレンメチルおよびリン酸エチレンエチル等が挙げられる。含燐有機化合物を非水溶媒中に10容量%以上となるように含有させると、電解液の燃焼性を低下させることができる。特に含燐有機化合物の含有率が10〜80容量%で、他の成分が主として、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、アルキレンカーボネートおよびジアルキルカーボネートから選ばれる非水溶媒にリチウム塩を溶解して電解液とすると、サイクル特性と大電流放電特性とのバランスがよくなる。
さらに、非水溶媒中には、必要に応じて他の有用な化合物、例えば従来公知の添加剤、脱水剤、脱酸剤、過充電防止剤を含有させてもよい。
添加剤としては、フルオロエチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート、フェニルエチレンカーボネートおよびエリスリタンカーボネート等のカーボネート化合物;無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸、無水ジグリコール酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物およびフェニルコハク酸無水物等のカルボン酸無水物;エチレンサルファイト、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、メタンスルホン酸メチル、ブサルファン、スルホラン、スルホレン、ジメチルスルホンおよびテトラメチルチウラムモノスルフィド等の含硫黄化合物;1−メチル−2−ピロリジノン、1−メチル−2−ピペリドン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンおよびN−メチルスクシイミド等の含窒素化合物;へプラン、オクタン、シクロヘプタンおよびフルオロベンゼン等の炭化水素化合物などが挙げられる。これらを非水溶媒中に0.1〜5重量%含有させると、高温保存後の容量維持特性やサイクル特性が良好となる。
過充電防止剤としては、ビフェニル、アルキルビフェニル、ターフェニル、ターフェニルの部分水素化物、t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン、ジフェニルエーテル、ベンゾフランおよびジベンゾフラン等の芳香族化合物;2−フルオロビフェニル等の前記芳香族化合物の部分フッ素化物;2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソールおよび2,6−ジフルオロアニソール等の含フッ素アニソール化合物などが挙げられる。これらを非水溶媒中に0.1〜5重量%含有させると、過充電等のときに電池の破裂・発火を抑制することができる。
本発明に係る非水系電解液の溶質であるリチウム塩としては、任意のものを用いることができる。例えば、LiClO、LiPFおよびLiBF等の無機リチウム塩;LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiC(CFSO、LiPF(CF、LiPF(C、LiPF(CFSO、LiPF(CSO、LiBF(CF、LiBF(C、LiBF(CFSOおよびLiBF(CSO等の含フッ素有機酸リチウム塩などが挙げられる。これらのうち、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSOまたはLiN(CSO、特にLiPFまたはLiBFが好ましい。また、LiPFまたはLiBF等の無機リチウム塩と、LiCFSO、LiN(CFSOまたはLiN(CSO等の含フッ素有機リチウム塩とを併用すると、高温保存した後の劣化が少なくなるので、好ましい。
なお、非水溶媒がγ−ブチロラクトンを55容量%以上含むものである場合には、LiBFがリチウム塩全体の50重量%以上を占めることが好ましい。リチウム塩中、LiBFが50〜95重量%、LiPF、LiCFSO、LiN(CFSOおよびLiN(CSOよりなる群から選ばれるリチウム塩が5〜50重量%占めるものが特に好ましい。
電解液中のリチウム塩濃度は、0.5〜3モル/リットルであるのが好ましい。この範囲以外では、電解液の電気伝導率が低くなり、電池性能が低下してしまう。
本発明に係る電池を構成する負極の材料としては、様々な熱分解条件での有機物の熱分解物や人造黒鉛、天然黒鉛等のリチウムを吸蔵・放出可能な炭素質材料;酸化錫、酸化珪素等のリチウムを吸蔵・放出可能な金属酸化物材料;リチウム金属;種々のリチウム合金などを用いることができる。これらの負極材量の2種類以上を混合して用いてもよい。
リチウムを吸蔵・放出可能な炭素質材料としては、種々の原料から得た易黒鉛性ピッチの高温処理によって製造された人造黒鉛もしくは精製天然黒鉛、またはこれらの黒鉛にピッチその他の有機物で表面処理を施した後炭化して得られるものが好ましい。黒鉛は、学振法によるX線回折で求めた格子面(002面)のd値(層間距離)が0.335〜0.338nm、特に0.335〜0.337nmであるものが好ましい。灰分は、通常1重量%以下である。0.5重量%以下、特に0.1重量%以下であるのが好ましい。また、学振法によるX線回折で求めた結晶子サイズ(Lc)は、通常30nm以上である。50nm以上、特に100nm以上であるのが好ましい。
レーザー回折・散乱法による炭素質材料粉体のメジアン径は、通常1〜100μmである。3〜50μm、特に5〜40μmが好ましく、最も好ましいのは7〜30μmである。BET法比表面積は、通常0.3〜25.0m/gである。0.5〜20.0m/g、特に0.7〜15.0m/gが好ましく、最も好ましいのは0.8〜10.0m/gである。また、アルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトルで分析したとき、1570〜1620cm−1の範囲のピークPA(ピーク強度IA)および1300〜1400cm−1の範囲のピークPB(ピーク強度IB)の強度比R=IB/IAは0.01〜0.7が好ましく、1570〜1620cm−1の範囲のピークの半値幅は26cm−1以下、特に25cm−1以下であるのが好ましい。
特に好ましい黒鉛材料は、X線回折における格子面(002面)のd値が0.335〜0.338nmである炭素質材料を核材とし、その核材の表面に前記核材よりもX線回折における格子面(002面)のd値が大きい炭素質材料が付着しており、かつ核材と前記核材よりもX線回折における格子面(002面)のd値が大きい炭素質材料の割合が重量比で99/1〜80/20であるものである。この黒鉛材料を用いると、高い容量で、かつ電解液と反応しにくい負極を製造することができる。
負極の製造は、常法によればよい。例えば、負極材料に、結着剤、増粘剤、導電材、溶媒等を加えてスラリー状とし、集電体に塗布し、乾燥した後にプレスして高密度化する方法が挙げられる。
結着剤としては、電極製造時に使用する溶媒や電解液に対して安全な材料であれば、任意のものを使用することができる。例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−アクリル酸共重合体およびエチレン−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。
増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチおよびカゼイン等が挙げられる。
導電剤としては、銅やニッケル等の金属材料;グラファイト、カーボンブラック等の炭素材料などが挙げられる。
負極用集電体の材質としては、銅、ニッケルまたはステンレス等が挙げられる。これらのうち、薄膜に加工しやすいという点およびコストの点から銅箔が好ましい。
電池を構成する正極の材料としては、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物およびリチウムマンガン酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物材料などのリチウムを吸蔵および放出可能な材料が挙げられる。
正極は、負極に準じて製造することができる。例えば、正極材料に必要に応じて結着剤、導電材、溶媒等を加えて混合後、集電体に塗布し、乾燥した後にプレスにより高密度化して正極とする方法が挙げられる。
正極用集電体の材質としては、アルミニウム、チタンもしくはタンタル等の金属またはその合金が挙げられる。これらのうち、アルミニウムまたはその合金が、好ましい。
本発明に係る電池に使用するセパレーターの材質や形状は、電解液に安定であり、かつ保液性に優れていれば任意である。ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを原料とする多孔性シ−トまたは不織布等が好ましい。
電池の形状は任意であり、例えば、円筒型、角型、ラミネート型、コイン型、大型等の形状が挙げられる。なお、正極、負極、セパレーターの形状および構成は、それぞれの電池の形状に応じて変更して使用することができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
<シクロヘキシルベンゼンの蒸留精製>
市販のシクロヘキシルベンゼン(東京化成社製)を圧力10Torr、熱媒温度110℃で蒸留し、初留の約5%を廃棄し留出順にほぼ等量をサンプリングすることにより、化合物(1)〜(5)の含有量の異なるフラクションA、B、C、およびDを得た。
未蒸留のシクロヘキシルベンゼン、およびフラクションA〜Dをガスクロマトグラフィー(島津製作所製、GC14A;カラムTC−5HT;50℃から10℃/分で250℃まで昇温;インジェクション、ディテクター(FID)共に250℃)で測定することにより、シクロヘキシルベンゼンの純度、および化合物(1)〜(5)のシクロヘキシルベンゼンに対する含有量を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2009026766
(実施例1)
X線回折における格子面(002面)のd値が0.336nm、結晶子サイズ(Lc)が652nm、灰分が0.07重量%、レーザー回折・散乱法によるメジアン径が12μm、BET法比表面積が7.5m/g、アルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析において1570〜1620cm−1の範囲のピークPA(ピーク強度IA)および1300〜1400cm−1の範囲のピークPB(ピーク強度IB)の強度比R=IB/IAが0.12、1570〜1620cm−1の範囲のピークの半値幅が19.9cm−1である天然黒鉛粉末を負極活物質として用いた。この黒鉛粉末94重量部にポリフッ化ビニリデン6重量部を混合し、N−メチル−2−ピロリドンで分散させスラリー状とした。これを負極集電体である厚さ18μmの銅箔上に均一に塗布し、乾燥後、プレス機により負極層密度が1.5g/cmになるようにプレスして負極とした。
正極活物質としてはLiCoOを用いた。このもの85重量部にカーボンブラック6重量部およびポリフッ化ビニリデンKF−1000(呉羽化学社製、商品名)9重量部を加え混合し、N−メチル−2−ピロリドンで分散し、スラリー状としたものを、正極集電体である厚さ20μmのアルミニウム箔上に均一に塗布した。乾燥後、プレス機により活物質層の密度が3.0g/cmになるようにプレスして正極とした。
乾燥アルゴン雰囲気下、エチレンカーボネートおよびエチルメチルカーボネートの混合物(容量比3:7)97重量部に、フラクションAのシクロヘキシルベンゼン3重量部を添加し、次いで十分に乾燥したLiPFを1モル/リットルの割合となるように溶解して電解液とした。
上記正極、負極およびセパレーターを、負極、セパレーター、正極、セパレーター、負極の順に積層して電池要素を作製し、この電池要素を袋状のアルミニウムの両面を樹脂層で被覆したラミネートフィルム内に正極負極の端子を取り出しながら設置後、電解液を注液して真空封止を行い、シート状電池を作製した。
(比較例1)
未蒸留のシクロヘキシルベンゼンを用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
(実施例2)
フラクションBのシクロヘキシルベンゼンを用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
(実施例3)
フラクションCのシクロヘキシルベンゼンを用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
(比較例2)
フラクションDのシクロヘキシルベンゼンを用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
(比較例3)
フラクションBのシクロヘキシルベンゼンに(1)の化合物を10000ppmの割合で添加したものを用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
(比較例4)
フラクションBのシクロヘキシルベンゼンに(2)の化合物を10000ppmの割合で添加したものを用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
(実施例4)
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートの混合物(容量比3:7)95重量部に、フラクションBのシクロヘキシルベンゼン3重量部とビニレンカーボネート2重量部を添加し、LiPFを1モル/リットルの割合となるように溶解して作製した電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
実施例1〜4および比較例1〜4の方法で作製した電池を、電極間の密着性を高めるためにガラス板で挟んだ状態で、25℃において0.2Cに相当する定電流で充電終止電圧4.2V、放電終止電圧3Vで充放電を5サイクル行って安定させた後、6サイクル目を0.5Cに相当する電流で充電終止電圧4.2Vまで充電後、充電電流値が0.05Cに相当する電流になるまで充電を行う4.2V−定電流定電圧充電(CCCV充電)後、充電状態で85℃で1日保存した。保存後の電池を25℃において、0.2Cの定電流で放電終止電圧3Vまで放電させて残存容量を測定し、さらに4.2V−CCCV充電、0.2Cの定電流で放電終止電圧3Vで充放電を行って回復容量を測定した。次に、同様のCCCV条件で充電した後、1.5Cに相当する電流値で3Vまで放電させて高負荷放電特性を測定した(ここで1Cとは1時間で満充電できる電流値を表す)。保存前の放電容量を100とした場合の保存後の残存容量、回復容量および高負荷放電時の容量を表2に示す。
Figure 2009026766
表2の実施例1〜3および比較例1〜4から、本発明に係る電池は保存前の放電容量に対する保存後の残存容量、回復容量および高負荷放電特性に優れており、シクロヘキシルベンゼン中の化合物(1)〜(5)の含有量を低下させると高温での保存特性の向上に効果があることがわかる。
また、実施例4から、不飽和結合を有する環状炭酸エステル化合物を含有させると保存後の特性をさらに向上させることができるのがわかる。

Claims (1)

  1. 下記式で表される化合物(1)〜(5)を合計5000ppm以下で含有するシクロヘキシルベンゼン。
    Figure 2009026766
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