JP2009026712A - 燃料電池の触媒性能評価方法及びこれを用いた評価装置 - Google Patents

燃料電池の触媒性能評価方法及びこれを用いた評価装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 燃料電池に参照電極を別途設けることなく正確に触媒性能評価することが可能な燃料電池の触媒性能評価方法及びこれを用いた評価装置を実現する。
【解決手段】 水素と酸素とを化学反応させることにより発電を行う燃料電池の触媒性能評価方法であって、評価される電極の自然電位を測定し、指標物質を含む触媒拡散層を有する燃料電池に対して2電極式の電気化学測定方法を用いて電流電圧曲線を求め、測定された自然電位、予め設定されている指標物質の電流電圧特性、実際に測定された指標物質の電流電圧特性に基づき変換式を算出し、算出された変換式を用いて電圧値を変換して前記電流電圧曲線を補償し、この補償された電流電圧曲線を用いて評価される電極の触媒性能の評価を行なう。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水素と酸素とを化学反応させることにより発電を行う燃料電池の触媒性能評価方法に関し、特に燃料電池に参照電極を別途設けることなく正確に触媒性能評価することが可能な燃料電池の触媒性能評価方法及びこれを用いた評価装置に関する。
従来の水素と酸素とを化学反応させることにより発電を行う燃料電池の触媒性能評価等に関連する先行技術文献としては次のようなものがある。
特開2003−163009号公報 特開2004−220786号公報 特表2005−522015号公報 特開2006−147397号公報 WO97/40371号公報
図8は従来の燃料電池システムの一例を示す構成ブロック図である。図8において1は電解質膜、2及び3は触媒拡散層である。電解質膜1の両面には触媒拡散層2及び触媒拡散層3がそれぞれ形成される。
図8中”FG01”に示すように燃料ガス(例えば、水素等)が触媒拡散層2に供給され、図8中”OG01”に示すように酸化ガス(例えば、酸素や空気等)が触媒拡散層3に供給される。
ここで、図8に示す従来例の動作を説明する。触媒拡散層2側(アノード側)では水素が水素イオン(H )になり電子(e )を放出し、一方、触媒拡散層3側(カソード側)では電解質膜1を伝播してきた水素イオン(H )と酸素が電子(e )と反応して水(HO )が生成される。
この時、触媒拡散層2(アノード側)及び触媒拡散層3(カソード側)間の外部負荷を接続することにより、触媒拡散層2側(アノード側)で発生した電子(e )を取り出す、言い換えれば、直流電流を取り出すことが可能になる。
また、図9及び図10はより具体的な従来の燃料電池の一例を示す断面図である。図9は燃料電池の電解質膜に対して垂直な面における断面図、図10は燃料電池におけるガス流路に平行な面における断面図である。
図9において、4は電解質膜、5はアノード側の触媒拡散層、6はカソード側の触媒拡散層、7はアノード側に形成された燃料ガス(例えば、水素等)のガス流路、8はカソード側に形成された酸化ガス(酸素や空気等)のガス流路、9はアノード側に形成された導電性を有するセパレータ、10はカソード側に形成された導電性を有するセパレータである。
電解質膜4の両面には触媒拡散層5及び触媒拡散層6がそれぞれ形成される。また、触媒拡散層5の上には燃料ガス(例えば、水素等)のガス流路7が形成され、触媒拡散層6の上には酸化ガス(例えば、酸素や空気等)のガス流路8が形成される。
例えば、ガス流路7及びガス流路8は図10中”GT11”に示すように触媒拡散層5及び触媒拡散層6上を蛇行するように形成されている。
さらに、ガス流路7が形成されていない触媒拡散層5及びガス流路7の上にはセパレータ9が形成され、ガス流路8が形成されていない触媒拡散層6及びガス流路8の上にはセパレータ10が形成される。
ここで、図9及び図10に示す従来例の動作を説明する。ガス流路7には燃料ガス(例えば、水素等)が供給され、ガス流路8には酸化ガス(例えば、酸素や空気等)が供給される。例えば、図10中”IN11”に示す供給口から各ガスが供給され、図10中”OT11”に示す排気口から反応しなかったガス等が放出される。
アノード側の触媒拡散層5では水素が水素イオン(H )になり電子(e )を放出し、一方、カソード側の触媒拡散層6側では電解質膜4を伝播してきた水素イオン(H )と酸素が電子(e )と反応して水(HO )が生成される。
この時、アノード側の触媒拡散層5及びカソード側の触媒拡散層6(具体的には、セパレータ9とセパレータ10)と間の外部負荷を接続することにより、アノード側の触媒拡散層5で発生した電子(e )を取り出す、言い換えれば、直流電流を取り出すことが可能になる。
このような燃料電池の発電性能を決める1つの要因が触媒性能であり、触媒性能を決定する評価因子の1つが触媒表面積である。燃料電池に用いられる典型的な触媒である白金の表面積の解析方法としては、白金表面吸着水素の脱離に要した電気量から触媒の有効表面積を算出するサイクリックボルタンメトリー(Cyclic Voltammetry:以下、CV法と呼ぶ。)法という電気化学測定方法が知られている。
例えば、3電極式のCV法を用いてカソード側の電極の触媒表面積を評価する場合、別途参照電極を設けた燃料電池を用い、カソード側の電極を作用極、アノード側の電極を対極とし、参照電極を基準電位として作用極の電位を走査して応答電流を測定することにより、電流電圧曲線(サイクリックボルタモグラム)を得ることができる。
図11はこのようなCV法を用いて得られた電流電圧曲線の一例を示す特性曲線図である。図11中”CH21”は3電極式のCV法を用いて得られた電流電圧曲線であり、図11中”PT21”示す部分の面積の大きさにより、カソード側の電極の触媒表面積を評価することができる。
例えば、図11中”PT21”示す部分の面積が大きいほど触媒表面積が広いことを示すので、触媒表面積が広い場合には、酸化ガスとの接触面積もまた広くなり発電性能が高くなる。
また、参照電極を用いることなくCV法により電流電圧曲線を得る2電極式のCV法も知られている。2電極式のCV法の場合、参照電極を対極が兼ねることにより、対極を基準電位として作用極の電位を走査して応答電流を測定することができるので、電流電圧曲線を得ることができる。
しかし、3電極式のCV法では参照電極、対極及び作用極の3つの電極を用いるため、本来燃料電池には必要のない参照電極を別途設ける必要性が生じてしまうと言った問題点があった。
一方、2電極式のCV法では別途参照電極は必要ないものの、作用極の電位の走査によって対極(参照電極を兼ねる)の電位が変動してしまい、作用極に対する正確な電位の走査ができないと言った問題点があった。
例えば、図11中”CH22”は2電極式のCV法を用いて得られた電流電圧曲線の一例を示す特性曲線図であり、図11中”CH21”示す3電極式のCV法を用いて得られた電流電圧曲線と比較して極小点や極大点の位置が異なっていることが分かり正確な評価ができていないことが分かる。
従って本発明が解決しようとする課題は、燃料電池に参照電極を別途設けることなく正確に触媒性能評価することが可能な燃料電池の触媒性能評価方法及びこれを用いた評価装置を実現することにある。
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
水素と酸素とを化学反応させることにより発電を行う燃料電池の触媒性能評価方法であって、
評価される電極の自然電位を測定し、指標物質を含む触媒拡散層を有する燃料電池に対して2電極式の電気化学測定方法を用いて電流電圧曲線を求め、測定された自然電位、予め設定されている前記指標物質の電流電圧特性、実際に測定された前記指標物質の電流電圧特性に基づき変換式を算出し、算出された前記変換式を用いて電圧値を変換して前記電流電圧曲線を補償し、この補償された電流電圧曲線を用いて前記評価される電極の触媒性能の評価を行なうことにより、燃料電池に参照電極を別途設けることなく正確に触媒性能を評価することが可能になる。
請求項2記載の発明は、
請求項1記載の発明である触媒性能評価方法であって、
前記電気化学測定方法が、
アノード側若しくはカソード側の電極を基準電位としてカソード側若しくはアノード側の電極に印加する電位を走査して前記電流電圧曲線を求めることにより、燃料電池に参照電極を別途設けることなく正確に触媒性能を評価することが可能になる。
請求項3記載の発明は、
請求項1記載の発明である触媒性能評価方法であって、
前記電気化学測定方法が、
電流を走査して前記電流電圧曲線を求めることにより、燃料電池に参照電極を別途設けることなく正確に触媒性能を評価することが可能になる。
請求項4記載の発明は、
請求項1記載の発明である触媒性能評価方法であって、
測定された自然電位、予め設定されている指標物質の酸化電位若しくは還元電位、実際に測定された指標物質の酸化電位若しくは還元電位に基づき変換式を算出することにより、燃料電池に参照電極を別途設けることなく正確に触媒性能を評価することが可能になる。
請求項5記載の発明は、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の発明である触媒性能評価方法であって、
燃料電池の前記評価される電極を複数に分割し、分割された電極毎に前記補償された電流電圧曲線を求めて分割された電極毎に触媒性能の評価を行なうことにより、分割された電極毎に触媒性能を評価することが可能になる。
請求項6記載の発明は、
水素と酸素とを化学反応させることにより発電を行う燃料電池の触媒性能評価方法を用いた評価装置において、
指標物質を含む触媒拡散層を有する燃料電池の電圧値を測定すると共にアノード側若しくはカソード側の電極を基準電位としてカソード側若しくはアノード側の電極に印加する電位を走査する電位走査手段と、前記燃料電池の電流値を測定する電流測定手段と、評価される電極の自然電位を取得し、前記電流値及び前記電圧値を取得して電流電圧曲線を求め、測定された自然電位、予め設定されている前記指標物質の電流電圧特性、実際に測定された前記指標物質の電流電圧特性に基づき変換式を算出し、算出された前記変換式を用いて電圧値を変換して前記電流電圧曲線を補償し、この補償された電流電圧曲線を用いて前記評価される電極の触媒性能の評価を行なう演算制御手段とを備えたことにより、燃料電池に参照電極を別途設けることなく正確に触媒性能を評価することが可能になる。
請求項7記載の発明は、
水素と酸素とを化学反応させることにより発電を行う燃料電池の触媒性能評価方法を用いた評価装置において、
指標物質を含む触媒拡散層を有する燃料電池の電極に印加する電流を走査する電流走査手段と、前記燃料電池の電圧値を測定する電圧測定手段と、評価される電極の自然電位を取得し、前記電流値及び前記電圧値を取得して電流電圧曲線を求め、測定された自然電位、予め設定されている前記指標物質の電流電圧特性、実際に測定された前記指標物質の電流電圧特性に基づき変換式を算出し、算出された前記変換式を用いて電圧値を変換して前記電流電圧曲線を補償し、この補償された電流電圧曲線を用いて前記評価される電極の触媒性能の評価を行なう演算制御手段とを備えたことにより、燃料電池に参照電極を別途設けることなく正確に触媒性能を評価することが可能になる。
請求項8記載の発明は、
請求項6若しくは請求項7記載の発明である評価装置において、
前記演算制御手段が、
測定された自然電位、予め設定されている指標物質の酸化電位若しくは還元電位、実際に測定された指標物質の酸化電位若しくは還元電位に基づき変換式を算出することにより、燃料電池に参照電極を別途設けることなく正確に触媒性能を評価することが可能になる。
請求項9記載の発明は、
請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の発明である評価装置において、
前記演算制御手段が、
電極が複数に分割された燃料電池の電極毎に前記補償された電流電圧曲線を求めて分割された電極毎に触媒性能の評価を行なうことにより、分割された電極毎に触媒性能を評価することが可能になる。
本発明によれば次のような効果がある。
請求項1,2,3,4,6,7及び請求項8の発明によれば、指標物質を含む触媒拡散層を有する燃料電池に対して2電極式の電気化学測定方法を用いて電流電圧曲線を求め、測定された自然電位、予め設定されている指標物質の電流電圧特性、実際に測定された指標物質の電流電圧特性に基づき算出された変換式を用いて電圧値を変換して電流電圧曲線を補償して触媒性能を評価することにより、燃料電池に参照電極を別途設けることなく正確に触媒性能を評価することが可能になる。
また、請求項5及び請求項9の発明によれば、分割された電極を適宜選択して補償された電流電圧曲線を得ることにより、電極毎に正確な電流電圧曲線が得られるので、分割された電極毎に触媒性能を評価することが可能になる。
以下本発明を図面を用いて詳細に説明する。図1及び図2は本発明に係る燃料電池の触媒性能評価方法を用いた評価装置に用いられる燃料電池の一実施例を示す断面図である。図1は燃料電池の電解質膜に対して垂直な面における断面図、図2は燃料電池におけるガス流路に平行な面における断面図である。
図1において、11は電解質膜、12はアノード側の触媒拡散層、13は指標物質を含むカソード側の触媒拡散層、14はアノード側に形成された燃料ガス(例えば、水素等)のガス流路、15はカソード側に形成された酸化ガス(酸素や空気等)のガス流路、16はアノード側に形成された導電性を有するセパレータ、17はカソード側に形成された導電性を有するセパレータである。
電解質膜11の両面には触媒拡散層12及び触媒拡散層13がそれぞれ形成される。また、触媒拡散層12の上には燃料ガス(例えば、水素等)のガス流路14が形成され、触媒拡散層13の上には酸化ガス(例えば、酸素や空気等)のガス流路15が形成される。
例えば、ガス流路14及びガス流路15は図2中”GT31”に示すように触媒拡散層12及び触媒拡散層13上を蛇行するように形成されている。
さらに、ガス流路14が形成されていない触媒拡散層12及びガス流路14の上にはセパレータ16が形成され、ガス流路15が形成されていない触媒拡散層13及びガス流路15の上にはセパレータ17が形成される。
また、図3は本発明に係る燃料電池の評価を行なう評価装置の一実施例を示す構成ブロック図である。
図3において、18は図1等に示した燃料電池、19は燃料電池18から出力される電圧を測定すると共に、対極(アノード側の電極)を基準電位として作用極(カソード側の電極)に印加する電位を走査する電位走査手段、20は燃料電池18から出力される電流値を測定する電流測定手段、21はプログラムを実行することにより評価装置全体を制御すると共に触媒性能評価を行うCPU(Central Processing Unit)等の演算制御手段である。
電位走査手段19の一方の出力は作用極(評価される電極)であるカソード側の電極(セパレータ17)に接続され、電位走査手段19の他方の出力は電流測定手段20を介して対極であるアノード側の電極(セパレータ16)に接続される。
また、電位走査手段19及び電流測定手段20の出力はそれぞれ演算制御手段21に接続され、演算制御手段21から制御信号が電位走査手段19の制御端子に印加される。
ここで、図3に示す燃料電池の触媒性能評価方法を用いた評価装置の動作を図4及び図5を用いて説明する。図4は演算制御手段21の動作を説明するフロー図、図5は電流電圧曲線の一例を示す特性曲線図である。
このとき、アノード側のガス流路14には水素を供給し、評価対象であるカソード側のガス流路15には不活性ガスを供給する。
図4中”S001”において演算制御手段21は、電位走査手段19で測定された作用極の自然電位を取得すると共に図4中”S002”において演算制御手段21は、電位走査手段19を制御し、2電極式のCV法で電位を走査させ、電流測定手段20で測定された電流値を順次取得する。
図4中”S003”において演算制御手段21は、測定された自然電位、予め設定されている指標物質の酸化電位(既知の指標物質の電流電圧特性)及び、実際に測定された指標物質の酸化電位(実測した指標物質の電流電圧特性)から電圧値の変換式を算出する。
例えば、図5中”CH41”及び図5中”CH42”は3電極式のCV法及び2電極式のCV法でそれぞれ得られた電流電圧曲線であり、カソード側の触媒拡散層13に含まれている指標物質の酸化電位は、3電極式及び2電極式の測定方法の違いに起因して”β”及び”β1”と異なる値を示す。
一方、自然電位は、3電極式及び2電極式の測定方法の違いによる影響は殆ど受けることなく、電極と電解質等によって決まる”α”となる。
このため、”α”、”β”及び”β1”を用いることにより、2電極式で測定された電圧値”v”を3電極式で得られる電圧値”V”に変換する変換式”f(v)”を算出することができ、
V=f(v)=f(α、β、β1) (1)
となる。
そして、図4中”S004”において演算制御手段21は、算出された変換式を用いて2電極式で測定された電圧値”v”を3電極式で得られる電圧値”V”に順次変換すると共に図4中”S005”において演算制御手段21は、変換式によって変換された電圧値と対応する電流値を用いて電流電圧曲線を生成する。
例えば、図5中”CH42”に示す電流電圧曲線は、図5中”CH43”に示すように変換され、異なる値を示していた指標物質の酸化電位”β1”が”β2(=β)”に変換されて、3電極式のCV法で得られた電流電圧曲線と同じになる。
言い換えれば、2電極式で測定された電圧値を算出した変換式で変換することにより、2電極式のCV法で問題であった”作用極に対する正確な電位の走査ができない”と言った点を補償して、電流電圧曲線を正確に求めることができることになる。
最後に、図4中”S006”において演算制御手段21は、得られた電流電圧曲線を用いて作用極(カソード側の電極)の触媒性能の評価を行なう。
この結果、指標物質を含む触媒拡散層を有する燃料電池に対して2電極式のCV法を用いて電流電圧曲線(サイクリックボルタモグラム)を求め、測定された自然電位、予め設定されている指標物質の酸化電位、実際に測定された指標物質の酸化電位に基づき算出された変換式を用いて電圧値を変換して電流電圧曲線(サイクリックボルタモグラム)を補償して触媒性能を評価することにより、燃料電池に参照電極を別途設けることなく正確に触媒性能を評価することが可能になる。
また、図6は本発明に係る燃料電池の触媒性能評価方法を用いた評価装置に用いられる燃料電池の他の実施例を示す断面図である。図6は燃料電池の電解質膜に対して垂直な面における断面図である。
図6において、22は電解質膜、23はアノード側の触媒拡散層、24,25,26及び27は指標物質を含む4分割されたカソード側の触媒拡散層、28はアノード側に形成された燃料ガス(例えば、水素等)のガス流路、29はカソード側に形成された酸化ガス(酸素や空気等)のガス流路、30はアノード側に形成された導電性を有するセパレータ、31,32,33及び34はカソード側に形成された導電性を有するセパレータ、35,36及び37は絶縁部材である。
電解質膜22のアノード側には触媒拡散層23が形成され、電解質膜22のカソード側には触媒拡散層24,25,26及び触媒拡散層27が互いに接することなくそれぞれ形成される。
また、触媒拡散層23の上には燃料ガス(例えば、水素等)のガス流路28が形成される。
同様に、触媒拡散層24,25,26及び触媒拡散層27の上、並びに、触媒拡散層24,25,26及び触媒拡散層27が形成されていないカソード側の電解質膜22の上(触媒拡散層24,25,26及び触媒拡散層27のそれぞれの境界部分)には酸化ガス(例えば、酸素や空気等)のガス流路29が形成される。
さらに、ガス流路28が形成されていない触媒拡散層23及びガス流路28の上にはセパレータ30が形成される。
一方、ガス流路29が形成されていない触媒拡散層24及びガス流路29の上にはセパレータ31が形成され、ガス流路29が形成されていない触媒拡散層25及びガス流路29の上にはセパレータ32が形成される。
ガス流路29が形成されていない触媒拡散層26及びガス流路29の上にはセパレータ33が形成され、ガス流路29が形成されていない触媒拡散層27及びガス流路29の上にはセパレータ34が形成される。
セパレータ31及びセパレータ32の境界部分には絶縁部材35が、セパレータ32及びセパレータ33の境界部分には絶縁部材36が、セパレータ33及びセパレータ34の境界部分には絶縁部材37がそれぞれ設けられる。
また、図7は本発明に係る燃料電池の評価を行なう評価装置の他の実施例を示す構成ブロック図である。
図7において、38は図6に示した燃料電池、39は印加する電位を選択する選択手段、40は図3に記載された電位走査手段、電流測定手段及び演算制御手段から構成される評価装置である。
評価装置40の一方の出力は燃料電池のアノード側の電極(セパレータ30)に接続され、評価装置40の他方の出力は選択手段39の入力端子に接続される。選択手段39の第1、第2、第3及び第4の出力はカソード側の分割された4つの電極(セパレータ31,32,33及び34)にそれぞれ接続される。
また、図示していないが、選択手段39の選択動作は評価装置40を構成する演算制御手段によって制御されるものとする。
ここで、図7に示す燃料電池の触媒性能評価方法を用いた評価装置の動作を説明する。但し、基本的な動作は図4に示すフロー図と同様であるのでその説明は適宜省略する。
また、このとき、アノード側のガス流路28には水素を供給し、評価対象であるカソード側のガス流路29には不活性ガスを供給する。
評価装置40の演算制御手段(図示せず。)は、選択手段39を制御して、カソード側の分割された4つの電極(セパレータ31,32,33及び34)のうち一つを選択し、選択した電極に対して2電極式のCV法を用いて電流電圧曲線(サイクリックボルタモグラム)を求める。
そして、測定された自然電位、予め設定されている指標物質の酸化電位、実際に測定された指標物質の酸化電位に基づき算出された変換式を用いて電圧値を変換して電流電圧曲線(サイクリックボルタモグラム)を補償する。
同様に、評価装置40の演算制御手段(図示せず。)は、選択手段39を制御して、カソード側の分割された4つの電極(セパレータ31,32,33及び34)のうち選択されていない電極を順次選択して、電極毎に変換式で補償された電流電圧曲線(サイクリックボルタモグラム)を得る。
この結果、4つに分割されたカソード側の電極を適宜選択して補償された電流電圧曲線(サイクリックボルタモグラム)を得ることにより、電極毎に正確な電流電圧曲線(サイクリックボルタモグラム)が得られるので、分割された電極毎に触媒性能を評価することが可能になる。
なお、図1等における説明に際しては、カソード側の電極を作用極として、当該作用極の触媒性能の評価を行なっているが、勿論、アノード側の電極を作用極として、当該作用極の触媒性能の評価を行なっても構わない。
但し、この場合には、指標物質をアノード側の触媒拡散層に含ませると共に、アノード側のガス流路14には不活性ガスを供給し、評価対象であるカソード側のガス流路15には水素を供給する。
また、図1等の説明に際しては、電位走査手段によりアノード側の電極を基準電位としてカソード側の電極に印加する電位を走査して電流測定手段で電流値を測定することにより電流電圧曲線を求めているが、電流走査手段により電極に印加する電流を走査して電圧測定手段で電圧値を測定することにより電流電圧曲線を求めても構わない。
また、図1等の説明に際しては、測定された自然電位、予め設定されている指標物質の酸化電位及び、実際に測定された指標物質の酸化電位に基づき変換式を算出しているが、測定された自然電位、予め設定されている指標物質の還元電位、実際に測定された指標物質の還元電位に基づき変換式を算出してしても構わない。また、酸化電位と還元電位とを組み合わせたものであっても構わない。
また、図1等の説明に際しては、1種類の指標物質を用いているが、複数の指標物質を用いても構わない。
また、図1等の説明に際しては、電気化学測定法としてCV法を用いた触媒性能の評価を例示しているが、リニアスイープボルタンメトリー、階段波ボルタンメトリー、クロノクーロメトリー、ノーマルパルスボルタンメトリー、微分パルスボルタンメトリー、クロノポテンショメトリー、シングルパルス法、クロノアンペロメトリー、微分パルスアンペロメトリー、その他電気化学測定法の何れを用いても構わない。
また、図1等の説明に際しては、触媒拡散層に含ませる指標物質としては、”−0.2V”〜”1.5V”の標準電極電位を有する物質であることが望ましい。
また、指標物質の具体例としては、銀、銅、水銀、鉄、錫、金、アルミニウム、砒素、炭素、カドミウム、セリウム、コバルト、マンガン、モリブデン、ニッケル、パラジウム、白金、イオウ、シリコン、テルル、ウラン、タングステン、ビスマス、臭素、ホウ素、及び、これらの窒化物、酸化物、炭化物、ほう化物、けい化物、酸窒化物、若しくは、その他の金属化合物、非金属化合物の何れであっても構わない。
また、図6に示す燃料電池ではカソード側の電極を4分割した例を示しているが、勿論、分割数は任意の数で構わないし、カソード側のみならず、アノード側の電極を任意の数で分割しても構わない。
本発明に係る燃料電池の触媒性能評価方法を用いた評価装置に用いられる燃料電池の一実施例を示す断面図である。 本発明に係る燃料電池の触媒性能評価方法を用いた評価装置に用いられる燃料電池の一実施例を示す断面図である。 本発明に係る燃料電池の評価を行なう評価装置の一実施例を示す構成ブロック図である。 演算制御手段の動作を説明するフロー図である。 電流電圧曲線の一例を示す特性曲線図である。 本発明に係る燃料電池の触媒性能評価方法を用いた評価装置に用いられる燃料電池の他の実施例を示す断面図である。 本発明に係る燃料電池の評価を行なう評価装置の他の実施例を示す構成ブロック図である。 従来の燃料電池システムの一例を示す構成ブロック図である。 具体的な従来の燃料電池の一例を示す断面図である。 具体的な従来の燃料電池の一例を示す断面図である。 CV法を用いて得られた電流電圧曲線の一例を示す特性曲線図である。
符号の説明
1,4,11,22 電解質膜
2,3,5,6,12,13,23,24,25,26,27 触媒拡散層
7,8,14,15,28,29 ガス流路
9,10,16,17,30,31,32,33,34 セパレータ
18,38 燃料電池
19 電位走査手段
20 電流測定手段
21 演算制御手段
35,36,37 絶縁部材
39 選択手段
40 評価装置

Claims (9)

  1. 水素と酸素とを化学反応させることにより発電を行う燃料電池の触媒性能評価方法であって、
    評価される電極の自然電位を測定し、
    指標物質を含む触媒拡散層を有する燃料電池に対して2電極式の電気化学測定方法を用いて電流電圧曲線を求め、
    測定された自然電位、予め設定されている前記指標物質の電流電圧特性、実際に測定された前記指標物質の電流電圧特性に基づき変換式を算出し、
    算出された前記変換式を用いて電圧値を変換して前記電流電圧曲線を補償し、
    この補償された電流電圧曲線を用いて前記評価される電極の触媒性能の評価を行なう
    ことを特徴とする触媒性能評価方法。
  2. 前記電気化学測定方法が、
    アノード側若しくはカソード側の電極を基準電位としてカソード側若しくはアノード側の電極に印加する電位を走査して前記電流電圧曲線を求めることを特徴とする
    請求項1記載の触媒性能評価方法。
  3. 前記電気化学測定方法が、
    電流を走査して前記電流電圧曲線を求めることを特徴とする
    請求項1記載の触媒性能評価方法。
  4. 測定された自然電位、予め設定されている指標物質の酸化電位若しくは還元電位、実際に測定された指標物質の酸化電位若しくは還元電位に基づき変換式を算出することを特徴とする
    請求項1記載の触媒性能評価方法。
  5. 燃料電池の前記評価される電極を複数に分割し、分割された電極毎に前記補償された電流電圧曲線を求めて分割された電極毎に触媒性能の評価を行なうことを特徴とする
    請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の触媒性能評価方法。
  6. 水素と酸素とを化学反応させることにより発電を行う燃料電池の触媒性能評価方法を用いた評価装置において、
    指標物質を含む触媒拡散層を有する燃料電池の電圧値を測定すると共にアノード側若しくはカソード側の電極を基準電位としてカソード側若しくはアノード側の電極に印加する電位を走査する電位走査手段と、
    前記燃料電池の電流値を測定する電流測定手段と、
    評価される電極の自然電位を取得し、前記電流値及び前記電圧値を取得して電流電圧曲線を求め、測定された自然電位、予め設定されている前記指標物質の電流電圧特性、実際に測定された前記指標物質の電流電圧特性に基づき変換式を算出し、算出された前記変換式を用いて電圧値を変換して前記電流電圧曲線を補償し、この補償された電流電圧曲線を用いて前記評価される電極の触媒性能の評価を行なう演算制御手段と
    を備えたことを特徴とする評価装置。
  7. 水素と酸素とを化学反応させることにより発電を行う燃料電池の触媒性能評価方法を用いた評価装置において、
    指標物質を含む触媒拡散層を有する燃料電池の電極に印加する電流を走査する電流走査手段と、
    前記燃料電池の電圧値を測定する電圧測定手段と、
    評価される電極の自然電位を取得し、前記電流値及び前記電圧値を取得して電流電圧曲線を求め、測定された自然電位、予め設定されている前記指標物質の電流電圧特性、実際に測定された前記指標物質の電流電圧特性に基づき変換式を算出し、算出された前記変換式を用いて電圧値を変換して前記電流電圧曲線を補償し、この補償された電流電圧曲線を用いて前記評価される電極の触媒性能の評価を行なう演算制御手段と
    を備えたことを特徴とする評価装置。
  8. 前記演算制御手段が、
    測定された自然電位、予め設定されている指標物質の酸化電位若しくは還元電位、実際に測定された指標物質の酸化電位若しくは還元電位に基づき変換式を算出することを特徴とする
    請求項6若しくは請求項7記載の評価装置。
  9. 前記演算制御手段が、
    電極が複数に分割された燃料電池の電極毎に前記補償された電流電圧曲線を求めて分割された電極毎に触媒性能の評価を行なうことを特徴とする
    請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の評価装置。
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