JP2009025810A - 電子写真感光体および該感光体を用いた画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な電気特性を有して高品質な画像を形成することができると共に、繰り返し使用した場合でも感光層の磨耗が少なく耐久性に優れた電子写真感光体、および該感光体を用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】導電性支持体上に少なくとも感光層を有し、該感光層が、下記式(1)及び特定の構造を有する成分との共重合ポリカーボネート樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体。
Figure 2009025810

(式(1)中、Rはアルキル基を示し、X及びYは、それぞれ独立に、置換基を有しても良いベンゼン環を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、耐摩耗性が改良された耐久性に優れた電子写真感光体および該感光体を用いた画像形成装置に関する。
電子写真技術は、即時性、高品質の画像が得られること等から、近年では複写機の分野にとどまらず、各種プリンターの分野でも広く使われ応用されてきている。電子写真技術の中核となる感光体については、その光導電材料として従来からのセレニウム、ヒ素−セレニウム合金、硫化カドミウム、酸化亜鉛といった無機系の光導電体から、最近では、無公害で成膜が容易、製造が容易である等の利点を有する有機系の光導電材料を使用した感光体が開発されている。
有機系感光体の中でも電荷発生層、及び電荷輸送層を積層した、いわゆる積層型感光体が考案され、研究の主流となっている。
積層型感光体は、それぞれ効率の高い電荷発生物質、及び電荷輸送物質を組合せることにより高感度の感光体が得られること、材料の選択範囲が広く安全性の高い感光体が得られること、また塗布の生産性が高く比較的コスト面でも有利なことから、感光体の主流になっている。
しかし従来の技術では有機系の積層型感光体は、感度、帯電性といった電気的特性に於いては十分な性能を持つが、感光体表面の物理的強度に於いて不十分であるため実用上限られた耐刷性能に留まっているのが現状である。
電子写真感光体は、電子写真プロセスすなわち帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電等のサイクルで繰り返し使用されるため、その間に様々なストレスを受け劣化する。この様な劣化としては例えば帯電器として普通用いられるコロナ帯電器から発生する強酸化性のオゾンやNOxが感光層に与える化学的なダメージや、像露光で生成したキャリアー(電流)が感光層内を流れることや除電光、外部からの光によって感光層組成物が分解する等による化学的、電気的劣化がある。またこれとは別の劣化として、クリーニングブレード、磁気ブラシ等の摺擦や現像剤、紙との接触等による感光層表面の摩耗や傷の発生、膜の剥がれといった機械的劣化がある。特にこの様な感光層表面に生じる損傷はコピー画像上に現れやすく、直接画像品質を損うため感光体の寿命を制限する大きな要因となっている。すなわち高寿命の感光体を開発するためには電気的、化学的耐久性を高めると同時に機械的強度を高めることも必須条件である。
一般に積層型感光体の場合機械的劣化を生じるのは、最外層とされることの多い電荷輸送層である。電荷輸送層は通常バインダー樹脂と電荷輸送剤からなっており、実質的に強度を決めるのはバインダー樹脂である。これまで電荷輸送層のバインダー樹脂としてはポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、およびその共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が用いられている。
中でもバインダー樹脂として優れた性能を有する種々のポリカーボネート樹脂が開発されている(例えば、特許文献1〜特許文献3参照)。しかし従来の有機系感光体はトナーによる現像、紙との摩擦、クリーニング部材(ブレード)による摩擦等実用上の負荷によって表面が摩耗してしまったり、表面に傷が生じてしまったりする等の欠点を有しているため実用上は限られた印刷性能にとどまっているのが現状である。
特開2001−209194号公報 特開2001−209195号公報 特開2006−267886号公報
本発明は良好な電気特性を有して高品質な画像を形成することができると共に、繰り返し使用した場合でも感光層の磨耗が少なく耐久性に優れた電子写真感光体、および該感光体を用いた多量の画像を繰り返し良好に形成することのできる高性能の画像形成装置を提供することを目的とするものである。
本発明者らは電子写真感光体の表面の耐摩耗性の改良について鋭意検討を行った結果、上記目的を達成し得る新規樹脂を開発した。即ち、本発明の要旨は、導電性基体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体であって、該感光層に、下記式(1)及び式(2)で示される繰り返し構造を有するポリカーボネート樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体に存する。
Figure 2009025810
(式中、Rはアルキル基を示し、X及びYは、それぞれ独立に、置換基を有しても良いベンゼン環を表す。)
Figure 2009025810
(式中、Ar及びArは、置換基を有してもよいアリーレン基を示し、Zは炭素数6以下の置換基を有してもよいシクロアルキリデン基を表す。)
本発明によれば、本発明に係るポリカーボネート樹脂を含有する感光層を有することによって、良好な画像を形成することができることに加えて、従前公知のポリカーボネート樹脂を含有する感光層を有する電子写真感光体に比し、繰り返し使用した場合でも磨耗が少なく、耐久性に優れた電子写真感光体を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明は、特定の繰り返し構造を有するポリカーボネート樹脂を含有する感光層を有する電子写真感光体、および前記電子写真感光体を用いる画像形成装置に係るものである。
本発明の電子写真感光体は、感光層に、下記式(1)及び式(2)で示される繰り返し構造を有するポリカーボネート樹脂を含有することを特徴とする。
Figure 2009025810
式(1)中、Rはアルキル基を示し、X及びYは、それぞれ独立に、置換基を有しても良いベンゼン環を表す。また、式(2)中、Ar及びArは、置換基を有してもよいアリーレン基を示し、Zは炭素数6以下の置換基を有してもよいシクロアルキリデン基を表す。
式(1)中のRはアルキル基を表すが、アルキル基であれば特に制限は無く、直鎖状、分岐鎖状及び環状のアルキル基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等があげられる。中でもポリカーボネート樹脂の合成が容易である、電気特性を良好なものにする、感光層を溶媒に溶解した塗布液を塗布することにより形成する場合に塗布液の溶解性と安定性を高める等の理由により、炭素数6以下のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数3以下のアルキル基であり、特にはメチル基が好ましい。
式(1)中、X及びYは、置換基を有しても良いベンゼン環を表すが、置換基としては、水酸基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基等の直鎖状、分岐鎖状及び環状のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基等のアルコキシ基;アリル基等のアルケニル基;ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基;フェノキシ基、トリロキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等のアリールアルコキシ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;スチリル基、ナフチルビニル基等のアリールアルケニル基;アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ基等のジアリールアミノ基;ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基等のジアラルキルアミノ基、ジピリジルアミノ基、ジチエニルアミノ基等のジ複素環アミノ基;ジアリルアミノ基、或いはアルキル基、アリール基アラルキル基、複素環基等の上記アミノ基の置換基を組み合わせたジ置換アミノ基があげられる。
これらの置換基は互いに縮合して、単結合、メチレン基、エチレン基、カルボニル基、ビニリデン基、エチレニレン基等を介した炭素環基;酸素原子、硫黄原子、窒素原子等を含む複素環基を形成してもよい。
これらの置換基の中でも、アルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基であって、特にはメチル基が好ましい。
X及びYの有してもよい置換基の数は、それぞれ1〜4であるが、ポリカーボネート樹脂の合成が容易である、電気特性を良好なものにする、感光層を溶媒に溶解した塗布液を塗布することにより形成する場合に塗布液の溶解性と安定性を高める等の理由により、置換基は2以下が好ましく、より好ましくは置換基の数は1以下である。
式(2)中、Zは炭素数6以下の置換基を有してもよいシクロアルキリデン基を表す。シクロアルキリデン基の例としては、シクロプロピリデン基、シクロブチリデン基、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデンが挙げられ、製造上の点からシクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基が好ましく、耐磨耗性の点からシクロヘキシリデン基がより好ましい。
また、シクロアルキリデン基が有してもよい置換基としては、水酸基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基等の直鎖状、分岐鎖状及び環状のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基等のアルコキシ基;アリル基等のアルケニル基;ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基;フェノキシ基、トリロキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等のアリールアルコキシ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;スチリル基、ナフチルビニル基等のアリールアルケニル基;アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ基等のジアリールアミノ基;ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基等のジアラルキルアミノ基、ジピリジルアミノ基、ジチエニルアミノ基等のジ複素環アミノ基;ジアリルアミノ基、或いはアルキル基、アリール基、アラルキル基、複素環基等の上記アミノ基の置換基を組み合わせたジ置換アミノ基等が挙げられる。これらの置換基は互いに縮合して、単結合、メチレン基、エチレン基、カルボニル基、ビニリデン基、エチレニレン基等を介した炭素環基;酸素原子、硫黄原子、窒素原子等を含む複素環基を形成してもよい。
これらの中でも、感光層の耐磨耗性を高めるという点から、置換基としてはメチル基が好ましい。
Zで表される炭素数6以下の置換基を有してもよいシクロアルキリデン基が有してもよい置換基の数は、1〜5であるが、ポリカーボネート樹脂の合成が容易である、感光層の耐摩耗性を高める、感光層を溶媒に溶解した塗布液を塗布することにより形成する場合に塗布液の溶解性と安定性を高める等の理由により、置換基は2以下が好ましく、より好ましくは置換基の数は1以下であって、特には置換基を有さないことが好ましい。
式(2)中、Ar及びArは、置換基を有してもよいアリーレン基を表すが、アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントリレン基が挙げられ、製造上の点から、フェニレンであることが好ましく、さらに好ましくは、置換基を有してもよいp−フェニレン基である。Ar及びArの有してもよい置換基としては、水酸基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基等の直鎖状、分岐鎖状及び環状のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基等のアルコキシ基;アリル基等のアルケニル基;ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基;フェノキシ基、トリロキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等のアリールアルコキシ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;スチリル基、ナフチルビニル基等のアリールアルケニル基;アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ基等のジアリールアミノ基;ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基等のジアラルキルアミノ基、ジピリジルアミノ基、ジチエニルアミノ基等のジ複素環アミノ基;ジアリルアミノ基、或いはアルキル基、アリール基アラルキル基、複素環基等の上記アミノ基の置換基を組み合わせたジ置換アミノ基等が挙げられる。これらの置換基は互いに縮合して、単結合、メチレン基、エチレン基、カルボニル基、ビニリデン基、エチレニレン基等を介した炭素環基;酸素原子、硫黄原子、窒素原子等を含む複素環基を形成してもよい。
これらの中でもAr及びArの有してもよい置換基としては、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、より好ましくはメチル基である。
Ar及びArの有してもよい置換基の数は、それぞれ1〜4であるが、ポリカーボネート樹脂の合成が容易である、電気特性を良好なものにする、感光層の耐摩耗性を高める、感光層を溶媒に溶解した塗布液を塗布することにより形成する場合に塗布液の溶解性と安定性を高める等の理由により、置換基は2以下が好ましく、より好ましくは置換基の数は1以下である。
以下、式(1)の繰り返し構造の具体例を表−1に、式(2)の繰り返し構造の具体例を表−2に示すが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
Figure 2009025810
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本発明に使用されるポリカーボネート樹脂を構成する、式(1)及び(2)で表される繰り返し構造は、それぞれ、1種類の組合せでも、2種類以上の組み合わせでも良い。樹脂中における式(1)の繰り返し構造と式(2)の繰り返し構造の割合は任意の範囲から選ばれるが、式(1)の繰り返し構造が30モル%以上であることが好ましく、耐磨耗性を考えた場合は式(1)の繰り返し構造が50モル%以上であることが好ましい。また、式(2)の繰返し構造は30モル%以上であることが好ましく、電気特性を考えた場合は(2)の繰り返し構造が40モル%以上であることが好ましい。
式(1)及び(2)で表される繰り返し構造は樹脂の全繰り返し構造中30モル%以上であることが好ましく、50モル%以上であることがさらに好ましく、70モル%以上であることが特に好ましい。式(1)及び(2)で表される繰り返し構造が1モル%未満であると十分な滑り性、耐摩耗性が得られない場合がある。
また実質的に本発明のポリカーボネート樹脂の特性を変えない範囲で、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテル、ポリケトン、ポリビニル重合体、ポリシロキサン等の他の樹脂を混合しても良い。
式(1)及び(2)の繰り返し構造を含む樹脂と他の構造の樹脂を混合して用いる場合、式(1)及び(2)の繰り返し構造を含む樹脂は好ましくは5重量%以上100重量%以下、さらに好ましくは10重量%以上90重量%以下である。5重量%未満であると改良効果が十分に得られない。
他の繰り返し構造を含む場合及び他の樹脂を混合する場合は、式(1)及び(2)の繰り返し構造が主成分であることが好ましい。
式(1)及び(2)で表される繰り返し構造を含む樹脂の粘度平均分子量は10,000以上300,000以下であることが好ましく、さらに好ましくは20,000以上100,000以下である。粘度平均分子量が10,000未満であると樹脂の機械的強度が低下するおそれがある。また300,000を超えると、感光層を溶媒に溶解した塗布液を塗布することにより形成する場合に塗布液の粘度が高くなりすぎて、感光層を適当な膜厚に塗布形成することが難しくなることがある。
式(1)及び(2)で表される繰り返し構造を有するポリカーボネート樹脂は、それぞれ下記式(1’)及び(2’)で表されるような、対応する二価フェノール系化合物を用いて、常法に従い合成することができる。
Figure 2009025810
ここで、式(1’)及び(2’)におけるX、Y、R、Ar、ArおよびZは、式(1)及び(2)において規定されたものと同じものを表す。
具体的には、例えば塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等の不活性溶媒存在下、上記フェノール系化合物に酸受容体としてアルカリ水溶液あるいはピリジン等を加え、ホスゲンを導入しながら反応させる。
酸受容体としてアルカリ水溶液を使用する時は、触媒としてトリメチルアミン、トリエチルアミン等の第3級アミン類、あるいはテトラブチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリブチルアンモニウムブロミド等の第4級アンモニウム化合物を用いると反応速度が増大する。また必要に応じて分子量調節剤としてフェノール、p−ターシャリブチルフェノール等の一価のフェノールを共存させても良い。
触媒は最初から加えても良いし、オリゴマーを造った後に加えても良い。また二種以上のフェノール系化合物を用いて共重合する方法としては、任意の方法を採ることが出来るが、例えば次の方法がある。
(イ)二種以上のフェノール系化合物を最初に同時にホスゲンと反応させて共重合する。(ロ)先ず一種のフェノール系化合物をホスゲンと反応させ、ある程度反応が進んでから他方のフェノール系化合物を加えて重合する。
(ハ)フェノール系化合物を別々にホスゲンと反応させてオリゴマーを製造し、それらを反応させて重合する。
式(1)及び(2)の繰り返し構造を有するポリカーボネート樹脂は、電子写真感光体の感光層、特に電荷輸送層のバインダー樹脂として使用すると、後記実施例から明らかなように、従来の樹脂と同様の電気特性を保持すると共に、優れた機械特性と良好な保存安定性を示し、表面強度が著しく改善された耐久性に優れた電子写真感光体が得られる。
本発明に用いられるポリカーボネート樹脂の分子鎖中に取り込まれた窒素量は、通常100ppm以下、好ましくは50ppm以下であり、特に好ましくは20ppm以下である。窒素含量が上記範囲を超えると表面電位の上昇等電気特性が悪くなり好ましくない。樹脂中の窒素含有量は(株)三菱化学製、全窒素分析計(TN−10)により測定できる。
また、ポリカーボネート樹脂の末端に残存するクロロホーメート基量は通常1μeq/g以下、好ましくは0.3μeq/g以下、特に好ましくは0.1μeq/g以下である。末端クロロホーメート基量が上記範囲を超えると、保存安定性が低下し好ましくない。末端クロロホーメート基量は、精秤したポリカーボネート樹脂を塩化メチレンに溶解し、4−(p−ニトロベンジル)ピリジンの1重量%塩化メチレン溶液を加え発色させ、440nmの波長の吸光度を測定したのち、別途フェニルクロロホーメートの塩化メチレン溶液を用い吸光係数を求め、樹脂中のクロロホーメート基量を定量することができる。
同様に、ポリカーボネート樹脂の末端に存在するOH基量は通常制限は無いが、好ましくは50μeq/g以下、特に好ましくは10μeq/g以下である。末端OH基量が多くなると表面電位の上昇等電気特性が悪くなる傾向が見られ好ましくない。末端OH基量は、酢酸酸性化で四塩化チタンにより発色させ、480nmの波長の吸光度を測定したのち、別途ポリカーボネート樹脂と同組成のビスフェノール化合物の粗製物の塩化メチレン溶液を用い吸光係数を求め、樹脂中のOH基量を定量することができる。
<電子写真感光体>
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体(基体)上に感光層を設けたものであれば、その構造は特に制限されない。
<導電性支持体>
導電性支持体について特に制限は無いが、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫等の導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。導電性支持体の形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状等のものが用いられる。更には、金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性等の制御や欠陥被覆のために、適当な抵抗値を有する導電性材料を塗布したものを用いても良い。
また、導電性支持体としてアルミニウム合金等の金属材料を用いた場合、陽極酸化被膜を施してから用いても良い。陽極酸化被膜を施した場合には、公知の方法により封孔処理を施すのが望ましい。
支持体表面は、平滑であっても良いし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていても良い。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでも良い。また、安価化のためには、切削処理を施さず、引き抜き管をそのまま使用することも可能である。
<下引き層>
導電性支持体と後述する感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したもの等が用いられる。
下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子等が挙げられる。これらは一種類の粒子を単独で用いても良いし、複数の種類の粒子を混合して用いても良い。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタン及び酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理を施されていても良い。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルックカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。また、複数の結晶状態のものが含まれていても良い。
また、金属酸化物粒子の粒径としては種々のものが利用できるが、中でも特性及び液の安定性の面から、平均一次粒径として通常1nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常100nm以下、好ましくは50nm以下のものが望ましい。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ニトロセルロース等のセルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、カゼイン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物等の有機ジルコニウム化合物、チタニルキレート化合物、チタニルアルコキシド化合物等の有機チタニル化合物、シランカップリング剤等の公知のバインダー樹脂が挙げられる。これらは単独で用いても良く、或いは2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。また、硬化剤とともに硬化した形で使用してもよい。中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は、良好な分散性、塗布性を示すことから好ましい。
下引き層に用いられるバインダー樹脂に対する無機粒子の使用比率は任意に選ぶことが可能であるが、分散液の安定性、塗布性の観点から、通常は10重量%以上、500重量%以下の範囲で使用することが好ましい。
下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、感光体特性及び塗布性を向上させる観点から、通常は0.1μm以上、20μm以下の範囲が好ましい。
下引き層には、公知の酸化防止剤等を混合しても良い。画像欠陥防止等を目的として、顔料粒子、樹脂粒子等を含有させ用いても良い。
<感光層>
感光層の形式としては、電荷発生物質と電荷輸送物質とが同一層に存在し、バインダー樹脂中に分散された単層型と、電荷発生物質がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層及び電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層の二層からなる機能分離型(積層型)とが挙げられるが、何れの形式であってもよい。
また、積層型感光層としては、導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層して設ける順積層型感光層と、逆に電荷輸送層、電荷発生層の順に積層して設ける逆積層型感光層とがあり、いずれを採用することも可能であるが、最もバランスの取れた光導電性を発揮できる順積層型感光層が好ましい。
<積層型感光層>
・電荷発生層
積層型感光体(機能分離型感光体)の場合、電荷発生層は、電荷発生物質をバインダー樹脂で結着することにより形成される。
電荷発生物質としては、セレニウム及びその合金、硫化カドミウム等の無機系光導電材料と、有機顔料等の有機系光導電材料とが挙げられるが、有機系光導電材料の方が好ましく、特に有機顔料が好ましい。有機顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム)顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料等が挙げられる。これらの中でも、特にフタロシアニン顔料又はアゾ顔料が好ましい。電荷発生物質として有機顔料を使用する場合、通常はこれらの有機顔料の微粒子を、各種のバインダー樹脂で結着した分散層の形で使用する。
電荷発生物質として無金属フタロシアニン化合物、金属含有フタロシアニン化合物を用いた場合は比較的長波長のレーザ光、例えば780nm近辺の波長を有するレーザ光に対して高感度の感光体が得られ、またモノアゾ、ジアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料を用いた場合には、白色光、又は660nm近辺の波長を有するレーザ光、もしくは比較的短波長のレーザ光、例えば450nm、400nm近辺の波長を有するレーザに対して十分な感度を有する感光体を得ることができる。
電荷発生物質として有機顔料を使用する場合、特にフタロシアニン顔料又はアゾ顔料が好ましい。フタロシアニン顔料は、比較的長波長のレーザ光に対して高感度の感光体が得られる点で、また、アゾ顔料は、白色光及び比較的短波長のレーザ光に対し十分な感度を持つ点で、それぞれ優れている。
電荷発生物質としてフタロシアニン顔料を使用する場合、具体的には無金属フタロシアニン、銅、インジウム、ガリウム、スズ、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム、アルミニウム等の金属又はその酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、アルコキシド等の配位したフタロシアニン類の各結晶型を持ったもの、酸素原子等を架橋原子として用いたフタロシアニンダイマー類等が使用される。特に、感度の高い結晶型であるX型、τ型無金属フタロシアニン、A型(別称β型)、B型(別称α型)、D型(別称Y型)等のチタニルフタロシアニン(別称:オキシチタニウムフタロシアニン)、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、ヒドロキシインジウムフタロシアニン、II型等のクロロガリウムフタロシアニン、V型等のヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型、I型等のμ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体、II型等のμ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体が好適である。
また、これらフタロシアニンの中でも、A型(別称β型)、B型(別称α型)、及び粉末X線回折の回折角2θ(±0.2゜)が27.1゜、もしくは27.3゜に明瞭なピークを示すことを特徴とするD型(Y型)チタニルフタロシアニン、II型クロロガリウムフタロシアニン、V型及び28.1゜にもっとも強いピークを有すること、また26.2゜にピークを持たず28.1゜に明瞭なピークを有し、かつ25.9゜の半値幅Wが0.1゜≦W≦0.4゜であることを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型μ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体等が特に好ましい。
フタロシアニン化合物は単一の化合物のものを用いてもよいし、幾つかの混合又は混晶状態のものを用いてもよい。ここでのフタロシアニン化合物ないしは結晶状態に置ける混合状態としては、それぞれの構成要素を後から混合したものを用いてもよいし、合成、顔料化、結晶化等のフタロシアニン化合物の製造・処理工程において混合状態を生じさせたものでもよい。このような処理としては、酸ペースト処理・磨砕処理・溶剤処理等が知られている。混晶状態を生じさせるためには、特開平10−48859号公報記載のように、2種類の結晶を混合後に機械的に磨砕、不定形化した後に、溶剤処理によって特定の結晶状態に変換する方法が挙げられる。
電荷発生物質としてアゾ顔料を使用する場合には、各種ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料が好適に用いられる。
電荷発生物質として有機顔料を用いる場合には、1種を単独で用いてもよいが、2種類以上の顔料を混合して用いてもよい。この場合、可視域と近赤域の異なるスペクトル領域で分光感度特性を有する2種類以上の電荷発生物質を組み合わせて用いることが好ましく、中でもジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料とフタロシアニン顔料とを組み合わせて用いることがより好ましい。
電荷発生層に用いるバインダー樹脂は特に制限されないが、例としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールや、アセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル系ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、カゼインや、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシ変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等の塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アルキッド樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等の絶縁性樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルペリレン等の有機光導電性ポリマー等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、何れか1種を単独で用いても良く、2種類以上を任意の組み合わせで混合して用いても良い。
電荷発生層は、具体的に、上述のバインダー樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に、本発明のハロゲン置換インジウムフタロシアニン及び場合によって用いられるその他の電荷発生物質を分散させて塗布液を調整し、これを導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布することにより形成される。
塗布液の作製に用いられる溶剤としては、バインダー樹脂を溶解させるものであれば特に制限されないが、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン等の飽和脂肪族系溶媒、トルエン、キシレン、アニソール等の芳香族系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒、グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等の鎖状又は環状ケトン系溶媒、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等の鎖状又は環状エーテル系溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、スルフォラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物、リグロイン等の鉱油、水等が挙げられる。これらは何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を併用して用いてもよい。なお、上述の下引き層を設ける場合には、この下引き層を溶解しないものが好ましい。
電荷発生層において、バインダー樹脂と電荷発生物質との配合比(重量)は、バインダー樹脂100重量部に対して電荷発生物質が通常10重量部以上、好ましくは30重量部以上、また、通常1000重量部以下、好ましくは500重量部以下の範囲であり、その膜厚は通常0.1μm以上、好ましくは0.15μm以上、また、通常10μm以下、好ましくは0.6μm以下の範囲である。電荷発生物質の比率が高過ぎると、電荷発生物質の凝集等により塗布液の安定性が低下するおそれがある一方、電荷発生物質の比率が低過ぎると、感光体としての感度の低下を招くおそれがある。
電荷発生物質を分散させる方法としては、ボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の公知の分散法を用いることができる。この際、粒子を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.15μm以下の範囲の粒子サイズに微細化することが有効である。
・電荷輸送層
積層型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質を含有するとともに、通常はバインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷輸送層は、具体的には、例えば電荷輸送物質等とバインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には電荷発生層上に、また、逆積層型感光層の場合には導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布、乾燥して得ることができる。
電荷輸送物質としては特に限定されず、任意の物質を用いることが可能である。公知の電荷輸送物質の例としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物等の電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体及びこれらの化合物の複数種が結合したもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等の電子供与性物質等が挙げられる。これらの中でも、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、及びこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましい。これらの電荷輸送物質は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせで併用しても良い。
バインダー樹脂は既に説明したように本発明のバインダー樹脂を用いることで、優れた耐磨耗性が得られる。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100重量部に対して電荷輸送物質を20重量部以上の比率で使用する。中でも、残留電位低減の観点から30重量部以上が好ましく、更には、繰り返し使用した際の安定性や電荷移動度の観点から40重量部以上がより好ましい。一方、感光層の熱安定性の観点から、電荷輸送物質を通常は150重量部以下の比率で使用する。中でも、電荷輸送材料とバインダー樹脂との相溶性の観点から110重量部以下が好ましく、耐刷性の観点から80重量部以下がより好ましく、耐傷性の観点から70重量部以下が最も好ましい。
電荷輸送層の膜厚は特に制限されないが、長寿命、画像安定性の観点、更には高解像度の観点から、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常50μm以下、好ましくは45μm以下、更には30μm以下の範囲とする。
<単層型感光層>
単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質に加えて、積層型感光体の電荷輸送層と同様に、膜強度確保のためにバインダー樹脂を使用して形成する。具体的には、電荷発生物質と電荷輸送物質と各種バインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、導電性支持体上(下引き層を設ける場合は下引き層上)に塗布、乾燥して得ることができる。
電荷輸送物質及びバインダー樹脂の種類並びにこれらの使用比率は、積層型感光体の電荷輸送層について説明したものと同様である。これらの電荷輸送物質及びバインダー樹脂からなる電荷輸送媒体中に、さらに電荷発生物質が分散される。
電荷発生物質は、積層型感光体の電荷発生層について説明したものと同様のものが使用できる。但し、単層型感光体の感光層の場合、電荷発生物質の粒子径を充分に小さくする必要がある。具体的には、通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下の範囲とする。
単層型感光層内に分散される電荷発生物質の量は、少な過ぎると充分な感度が得られない一方で、多過ぎると帯電性の低下、感度の低下等の弊害があることから、単層型感光層全体に対して通常0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上、また、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下の範囲で使用される。
また、単層型感光層におけるバインダー樹脂と電荷発生物質との使用比率は、バインダー樹脂100重量部に対して電荷発生物質が通常0.1重量部以上、好ましくは1重量部以上、また、通常30重量部以下、好ましくは10重量部以下の範囲とする。
単層型感光層の膜厚は、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常100μm以下、好ましくは50μm以下の範囲である。
<その他の機能層>
積層型感光体、単層型感光体ともに、感光層又はそれを構成する各層には、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性等を向上させる目的で、周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤等の添加物を含有させても良い。
また、積層型感光体、単層型感光体ともに、上記手順により形成された感光層を最上層、即ち表面層としてもよいが、その上に更に別の層を設け、これを表面層としてもよい。
例えば、感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電生成物等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で、保護層を設けても良い。
保護層は、導電性材料を適当なバインダー樹脂中に含有させて形成するか、特開平9−190004号、特開平10−252377号各公報に記載のトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する化合物を用いた共重合体を用いることができる。
保護層に用いる導電性材料としては、TPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−(m−トリル)ベンジジン)等の芳香族アミノ化合物、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化錫、酸化チタン、酸化錫−酸化アンチモン、酸化アルミ、酸化亜鉛等の金属酸化物等を用いることが可能であるが、これに限定されるものではない。
保護層に用いるバインダー樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、シロキサン樹脂等の公知の樹脂を用いることができ、また、特開平9−190004号公報、特開平10−252377号公報の記載のようなトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する骨格と上記樹脂の共重合体を用いることもできる。
保護層の電気抵抗は、通常10Ω・cm以上、1014Ω・cm以下の範囲とする。電気抵抗が前記範囲より高くなると、残留電位が上昇しカブリの多い画像となってしまう一方、前記範囲より低くなると、画像のボケ、解像度の低下が生じてしまう。また、保護層は像露光の際に照射される光の透過を実質上妨げないように構成されなければならない。
また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を低減、トナーの感光体から転写ベルト、紙への転写効率を高める等の目的で、表面層にフッ素系樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂等、又はこれらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を、表面層に含有させても良い。或いは、これらの樹脂や粒子を含む層を新たに表面層として形成しても良い。
<各層の形成方法>
これらの感光体を構成する各層は、含有させる物質を溶剤に溶解又は分散させて得られた塗布液を、支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等の公知の方法により、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される。
塗布液の作製に用いられる溶媒又は分散媒に特に制限は無いが、具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、ギ酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、テトラクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、トリクロロエチレン等の塩素化炭化水素類、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン等の含窒素化合物類、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤類等が挙げられる。また、これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の組み合わせおよび種類で併用してもよい。
溶媒又は分散媒の使用量は特に制限されないが、各層の目的や選択した溶媒・分散媒の性質を考慮して、塗布液の固形分濃度や粘度等の物性が所望の範囲となるように適宜調整するのが好ましい。
例えば、単層型感光体、及び機能分離型感光体の電荷輸送層層の場合には、塗布液の固形分濃度を通常5重量%以上、通常5重量%以上、好ましくは10重量%以上、また、通常40重量%以下、好ましくは35重量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度を通常10mPa・s以上、好ましくは50mPa・s以上、また、通常500mPa・s以下、好ましくは400mPa・s以下の範囲とする。
また、積層型感光体の電荷発生層の場合には、塗布液の固形分濃度は、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、また、通常15重量%以下、好ましくは10重量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度は、通常0.01mPa・s以上、好ましくは0.1mPa・s以上、また、通常20mPa・s以下、好ましくは10mPa・s以下の範囲とする。
塗布液の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピナーコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられるが、他の公知のコーティング法を用いることも可能である。
塗布液の乾燥は、室温における指触乾燥後、通常30℃以上、200℃以下の温度範囲で、1分から2時間の間、静止又は送風下で加熱乾燥させることが好ましい。また、加熱温度は一定であってもよく、乾燥時に温度を変更させながら加熱を行なっても良い。
<画像形成装置>
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置(本発明の画像形成装置)の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、本実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
図1に示すように、画像形成装置10は、電子写真感光体1、帯電装置2、露光装置3及び現像装置4を備えて構成され、更に、必要に応じて転写装置5、クリーニング装置6及び定着装置7が設けられる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
帯電装置2は、電子写真感光体1を帯電させるもので、電子写真感光体1の表面を所定電位に均一帯電させる。帯電装置としては、コロトロンやスコロトロン等のコロナ帯電装置、電圧印加された直接帯電部材を感光体表面に接触させて帯電させる直接帯電装置(接触型帯電装置)帯電ブラシ等の接触型帯電装置等がよく用いられる。直接帯電手段の例としては、帯電ローラ、帯電ブラシ等の接触帯電器等が挙げられる。なお、図1では、帯電装置2の一例としてローラ型の帯電装置(帯電ローラ)を示している。直接帯電手段として、気中放電を伴う帯電、あるいは気中放電を伴わない注入帯電いずれも可能である。また、帯電時に印可する電圧としては、直流電圧だけの場合、及び直流に交流を重畳させて用いることもできる。
露光装置3は、電子写真感光体1に露光を行なって電子写真感光体1の感光面に静電潜像を形成することができるものであれば、その種類に特に制限はない。具体例としては、ハロゲンランプ、蛍光灯、半導体レーザやHe−Neレーザ等のレーザ、LED等が挙げられる。また、感光体内部露光方式によって露光を行なうようにしてもよい。露光を行なう際の光は任意であるが、例えば波長が780nmの単色光、波長600nm〜700nmのやや短波長寄りの単色光、波長380nm〜500nmの短波長の単色光等で露光を行なえばよい。
現像装置4は、その種類に特に制限はなく、カスケード現像、一成分絶縁トナー現像、一成分導電トナー現像、二成分磁気ブラシ現像等の乾式現像方式や、湿式現像方式等の任意の装置を用いることができる。図1では、現像装置4は、現像槽41、アジテータ42、供給ローラ43、現像ローラ44、及び、規制部材45からなり、現像槽41の内部にトナーTを貯留している構成となっている。また、必要に応じ、トナーTを補給する補給装置(図示せず)を現像装置4に付帯させてもよい。この補給装置は、ボトル、カートリッジ等の容器からトナーTを補給することが可能に構成される。
供給ローラ43は、導電性スポンジ等から形成される。現像ローラ44は、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル等の金属ロール、又はこうした金属ロールにシリコーン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等を被覆した樹脂ロール等からなる。この現像ローラ44の表面には、必要に応じて、平滑加工や粗面加工を加えてもよい。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
規制部材45は、シリコーン樹脂やウレタン樹脂等の樹脂ブレード、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、真鍮、リン青銅等の金属ブレード、又はこうした金属ブレードに樹脂を被覆したブレード等により形成されている。この規制部材45は、現像ローラ44に当接し、ばね等によって現像ローラ44側に所定の力で押圧(一般的なブレード線圧は5〜500g/cm)される。必要に応じて、この規制部材45に、トナーTとの摩擦帯電によりトナーTに帯電を付与する機能を具備させてもよい。
アジテータ42は、回転駆動機構によってそれぞれ回転されており、トナーTを攪拌するとともに、トナーTを供給ローラ43側に搬送する。アジテータ42は、羽根形状、大きさ等を違えて複数設けてもよい。
トナーTの種類は任意であり、粉状トナーのほか、懸濁重合法や乳化重合法等を用いた重合トナー等を用いることができる。特に、重合トナーを用いる場合には径が3〜8μm程度の小粒径のものが好ましく、また、トナーの粒子の形状も球形に近いものからポテト状の球形から外れたものまで様々に使用することができる。重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化に好適に用いられる。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写等の静電転写法、圧力転写法、粘着転写法等、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー、転写ローラ、転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙、媒体)Pに転写するものである。
クリーニング装置6について特に制限はなく、ブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナー、ブレードクリーナー等、任意のクリーニング装置を用いることができる。クリーニング装置6は、電子写真感光体1に付着している残留トナーをクリーニング部材で掻き落とし、残留トナーを回収するものである。但し、感光体表面に残留するトナーが少ないか、殆ど無い場合には、クリーニング装置6は無くても構わない。
定着装置7は、上部定着部材(定着ローラ)71及び下部定着部材(定着ローラ)72から構成され、定着部材71又は72の内部には加熱装置73が備えられている。なお、図1では、上部定着部材71の内部に加熱装置73が備えられた例を示す。上部及び下部の各定着部材71,72は、ステンレス、アルミニウム等の金属素管にシリコーンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シート等の公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71,72は、離型性を向上させる為にシリコーンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
記録紙P上に転写されたトナーは、所定温度に加熱された上部定着部材71と下部定着部材72との間を通過する際、トナーが溶融状態まで熱加熱され、通過後冷却されて記録紙P上にトナーが定着される。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着等、任意の方式による定着装置を設けることができる。
以上のように構成された画像形成装置10では、次のようにして画像の記録が行なわれる。即ち、まず電子写真感光体1の表面(感光面)が、帯電装置2によって所定の電位(例えば−600V)に帯電される。この際、直流電圧により帯電させても良く、直流電圧に交流電圧を重畳させて帯電させてもよい。
続いて、帯電された電子写真感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その電子写真感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像装置4は、供給ローラ43により供給されるトナーTを、規制部材(現像ブレード)45により薄層化するとともに、所定の極性(ここでは電子写真感光体1の帯電電位と同極性であり、負極性)に摩擦帯電させ、現像ローラ44に担持しながら搬送して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが電子写真感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が電子写真感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに電子写真感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
トナー像の記録紙P上への転写後、定着装置7を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱定着することで、最終的な画像が得られる。
なお、画像形成装置10は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としても良い。除電工程は、電子写真感光体1に露光を行なうことで電子写真感光体1の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
また、画像形成装置10は更に変形して構成してもよく、例えば、前露光工程、補助帯電工程等の工程を行なうことができる構成としたり、オフセット印刷を行なう構成としたり、更には複数種のトナーを用いたフルカラータンデム方式の構成としてもよい。
なお、電子写真感光体1を、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6、及び定着装置7のうち1つ又は2つ以上と組み合わせて、一体型のカートリッジ(以下、適宜「電子写真感光体カートリッジ」という)として構成し、この電子写真感光体カートリッジを複写機やレーザビームプリンタ等の画像形成装置10本体に対して着脱可能な構成にしてもよい。この場合、例えば電子写真感光体1やその他の部材が劣化した場合に、この電子写真感光体カートリッジを画像形成装置10本体から取り外し、別の新しい電子写真感光体カートリッジを画像形成装置10本体に装着することにより、画像形成装置10の保守・管理が容易となる。
以下実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例によって限定されるものではない。なお、以下の例中、「部」及び「%」は特記しない限り、「重量部」、「重量%」を意味する。
以下、本実施例で用いるポリカーボネート樹脂の製造例を説明する。なお、本発明が適用される電子写真感光体に用いられるポリカーボネート樹脂の製造方法は、以下の製造例における製造法に限定されるものではない。
<ポリカーボネートオリゴマーの製造>
・オリゴマー1の製造
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン100部(0.373mol)、水酸化ナトリウム52.2部(1.305mol)、水848部、ハイドロサルファイトナトリウム0.4部、塩化メチレン485部(370ml)の混合物を撹拌機付き反応槽に仕込み、撹拌した。反応槽の温度を0〜10℃の間に保ち、これにホスゲン112部(1.131mol)を約6時間で吹き込み反応を行った。反応終了後ポリカーボネートオリゴマーを含有する塩化メチレン溶液のみを捕集した。得られたオリゴマーの塩化メチレン溶液の分析結果は下記の通りであった。
オリゴマー濃度(注1):18.8重量%
末端クロロホーメート基濃度(注2):0.470規定
末端フェノール性水酸基濃度(注3):0.009規定
(注1):溶液を蒸発乾固させて測定した。
(注2):アニリンと反応させて得られるアニリン塩酸塩を0.2規定水酸化ナ
トリウム水溶液で中和滴定した。
(注3):塩化メチレン、四塩化チタン、酢酸溶液に溶解させた時の発色を
546nmで比色定量した。
・オリゴマー2の製造
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン100部(0.413mol)、水酸化ナトリウム39.6部(0.991mol)、水568部、ハイドロサルファイトナトリウム0.284部、塩化メチレン446部(340ml)の混合物を撹拌機付き反応槽に仕込み、撹拌した。反応槽の温度を0〜10℃の間に保ち、これにホスゲン100.0部(1.01mol)を約5時間で吹き込み反応を行った。反応終了後ポリカーボネートオリゴマーを含有する塩化メチレン溶液のみを捕集した。得られたオリゴマーの塩化メチレン溶液の分析結果は下記の通りであった。
オリゴマー濃度:18.6重量%
末端クロロホーメート基濃度:0.610規定
末端フェノール性水酸基濃度:0.360規定
・オリゴマー3の製造
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン100部(0.345mol)、水酸化ナトリウム45.6部(1.14mol)、水668部、ハイドロサルファイトナトリウム0.335部、塩化メチレン432部(328ml)の混合物を撹拌機付き反応槽に仕込み、撹拌した。反応槽の温度を0〜10℃の間に保ち、これにホスゲン91.7部(0.926mol)を約5時間で吹き込み反応を行った。反応終了後ポリカーボネートオリゴマーを含有する塩化メチレン溶液のみを捕集した。得られたオリゴマーの塩化メチレン溶液の分析結果は下記の通りであった。
オリゴマー濃度:22.4重量%
末端クロロホーメート基濃度:0.322規定
末端フェノール性水酸基濃度:0.012規定
<ポリカーボネート樹脂の製造>
製造例1:構造式[A]で示されるポリカーボネート樹脂の製造
200mLビーカーに水酸化ナトリウム(9.18g)を脱塩水(136.9ml)で溶解し、次いで1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン (16.66g)、及びp−ターシャリーブチルフェノール(0.60g)を添加、攪拌・溶解しアルカリ水溶液を調整した。
次いで、撹拌機を備えた2L反応槽に、先に製造したオリゴマー1(362.80ml)、ジクロロメタン(138ml)を仕込み、200rpmで撹拌しながら重合槽の外温を20℃に保った。次いで先に調整したアルカリ水溶液とトリエチルアミンの2重量%溶液(5.41ml)とを順次添加し、脱塩水30mlにて洗い込みして重合反応を開始した。
4時間撹拌を続けた後、脱塩水830mlを添加、次いでジクロロメタン450mlを添加して30分撹拌を続けた後、停止した。
攪拌停止後、30分静置してから有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(954ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(954ml)にて洗浄を2回行い、さらに脱塩水(954ml)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層を5倍(体積)量のメタノールに注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、減圧乾燥(120℃、40時間)して下記構造式[A]で示されるポリカーボネート樹脂を78g得た。粘度均分子量は40,600であり、末端OH基量3.0μeq/g、末端クロロホーメート基(以下末端CF基ということがある)量0.04μeq/gであった。
Figure 2009025810
製造例2:構造式[B]で示されるポリカーボネート樹脂の製造
200mLビーカーに水酸化ナトリウム(17.31g)を脱塩水(142.2ml)で溶解し、次いでp−ターシャリーブチルフェノール(0.74g)を添加、攪拌・溶解しアルカリ水溶液を調整した。
次いで、撹拌機を備えた2L反応槽に、先に製造したオリゴマー1(232.72ml)、オリゴマー2(216.99ml)、ジクロロメタン(67ml)を仕込み、200rpmで撹拌しながら重合槽の外温を20℃に保った。次いで先に調整したアルカリ水溶液とトリエチルアミンの2重量%溶液(5.41ml)とを順次添加し、脱塩水30mlにて洗い込みして重合反応を開始した。
4時間撹拌を続けた後、脱塩水860mlを添加、次いでジクロロメタン437mlを添加して30分撹拌を続けた後、停止した。
攪拌停止後、30分静置してから有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(954ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(954ml)にて洗浄を2回行い、さらに脱塩水(954ml)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層を5倍(体積)量のメタノールに注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、減圧乾燥(120℃、40時間)して下記構造式[B]で示されるポリカーボネート樹脂を80.3g得た。粘度均分子量は40,500であり、末端OH基量2.6μeq/g、末端CF基量0.003μeq/gであった。
Figure 2009025810
製造例3:構造式[C]で示されるポリカーボネート樹脂の製造
200mLビーカーに水酸化ナトリウム(11.00g)を脱塩水(138.3ml)で溶解し、次いで1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(6.62g)、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン(5.97g)、p−ターシャリーブチルフェノール(0.91g)を添加、攪拌・溶解しアルカリ水溶液を調整した。
次いで、撹拌機を備えた2L反応槽に、先に製造したオリゴマー1(199.80ml)、オリゴマー2(186.30ml)、ジクロロメタン(118.7ml)を仕込み、200rpmで撹拌しながら重合槽の外温を20℃に保った。次いで先に調整したアルカリ水溶液とトリエチルアミンの2重量%溶液(5.41ml)とを順次添加し、脱塩水30mlにて洗い込みして重合反応を開始した。
4時間撹拌を続けた後、脱塩水841mlを添加、次いでジクロロメタン450mlを添加して30分撹拌を続けた後、停止した。
攪拌停止後、30分静置してから有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(954ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(954ml)にて洗浄を2回行い、さらに脱塩水(954ml)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層を5倍(体積)量のメタノールに注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、減圧乾燥(120℃、40時間)して目的の構造式[C]で示されるポリカーボネート樹脂を76.5g得た。粘度平均分子量は33,200であり、末端OH基量6.3μeq/g、末端CF基量0.006μeq/gであった。
Figure 2009025810
製造例4:構造式[D]で示されるポリカーボネート樹脂の製造
200mLビーカーに水酸化ナトリウム(17.37g)を脱塩水(142.26ml)で溶解し、次いでp−ターシャリーブチルフェノール(0.61g)を添加、攪拌・溶解しアルカリ水溶液を調整した。
次いで、撹拌機を備えた2L反応槽に、先に製造したオリゴマー1(233.03ml)、オリゴマー2(217.28ml)、ジクロロメタン(66.5ml)を仕込み、200rpmで撹拌しながら重合槽の外温を20℃に保った。次いで先に調整したアルカリ水溶液とトリエチルアミンの2重量%溶液(5.41ml)とを順次添加し、脱塩水30mlにて洗い込みして重合反応を開始した。
4時間撹拌を続けた後、脱塩水861mlを添加、次いでジクロロメタン437mlを添加して30分撹拌を続けた後、停止した。
攪拌停止後、30分静置してから有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(954ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(954ml)にて洗浄を2回行い、さらに脱塩水(954ml)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層を5倍(体積)量のメタノールに注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、減圧乾燥(120℃、40時間)して下記構造式[D]で示されるポリカーボネート樹脂を67.4g得た。粘度平均分子量は50,100であり、末端OH基量3.7μeq/g、末端CF基量0.003μeq/gであった。
Figure 2009025810
製造例5:構造式[E]で示されるポリカーボネート樹脂の製造
200mLビーカーに水酸化ナトリウム(9.04g)を脱塩水(136.53ml)で溶解し、次いで1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(18.13g)、p−ターシャリーブチルフェノール(0.58g)を添加、攪拌・溶解しアルカリ水溶液を調整した。
次いで、撹拌機を備えた2L反応槽に、先に製造したオリゴマー1(356.45ml)、ジクロロメタン(143.13ml)を仕込み、200rpmで撹拌しながら重合槽の外温を20℃に保った。次いで先に調整したアルカリ水溶液とトリエチルアミンの2重量%溶液(5.41ml)とを順次添加し、脱塩水30mlにて洗い込みして重合反応を開始した。
4時間撹拌を続けた後、脱塩水832mlを添加、次いでジクロロメタン454mlを添加して30分撹拌を続けた後、停止した。
攪拌停止後、30分静置してから有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(954ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(954ml)にて洗浄を2回行い、さらに脱塩水(954ml)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層を5倍(体積)量のメタノールに注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、減圧乾燥(120℃、40時間)して目的の構造式[E]で示されるポリカーボネート樹脂を78.9g得た。粘度平均分子量は40,000であり、末端OH基量3.2μeq/g、末端CF基量0.014μeq/gであった。
Figure 2009025810
製造例6:構造式[F]で示されるポリカーボネート樹脂の製造
200mLビーカーに水酸化ナトリウム(13.34g)を脱塩水(141.59ml)で溶解し、次いでp−ターシャリーブチルフェノール(0.82g)を添加、攪拌・溶解しアルカリ水溶液を調整した。
次いで、撹拌機を備えた2L反応槽に、先に製造したオリゴマー2(454.49ml)、ジクロロメタン(62.6ml)を仕込み、200rpmで撹拌しながら重合槽の外温を20℃に保った。次いで先に調整したアルカリ水溶液とトリエチルアミンの2重量%溶液(5.41ml)とを順次添加し、脱塩水30mlにて洗い込みして重合反応を開始した。
4時間撹拌を続けた後、脱塩水861mlを添加、次いでジクロロメタン437mlを添加して30分撹拌を続けた後、停止した。
攪拌停止後、30分静置してから有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(954ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(954ml)にて洗浄を2回行い、さらに脱塩水(954ml)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層を5倍(体積)量のメタノールに注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、減圧乾燥(120℃、40時間)して下記構造式[F]で示されるポリカーボネート樹脂を79.1g得た。粘度平均分子量は42,700であり、末端OH基量4.9μeq/g、末端CF基量0.03μeq/gであった。
Figure 2009025810
製造例7:構造式[G]で示されるポリカーボネート樹脂の製造
200mLビーカーに水酸化ナトリウム(16.78g)を脱塩水(142.4ml)で溶解し、次いでp−ターシャリーブチルフェノール(0.87g)を添加、攪拌・溶解しアルカリ水溶液を調整した。
次いで、撹拌機を備えた2L反応槽に、先に製造したオリゴマー2(216.82ml)、オリゴマー3(186.87ml)、ジクロロメタン(111.1ml)を仕込み、200rpmで撹拌しながら重合槽の外温を20℃に保った。次いで先に調整したアルカリ水溶液とトリエチルアミンの2重量%溶液(5.41ml)とを順次添加し、脱塩水30mlにて洗い込みして重合反応を開始した。
4時間撹拌を続けた後、脱塩水857mlを添加、次いでジクロロメタン439mlを添加して30分撹拌を続けた後、停止した。
攪拌停止後、30分静置してから有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(954ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(954ml)にて洗浄を2回行い、さらに脱塩水(954ml)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層を5倍(体積)量のメタノールに注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、減圧乾燥(120℃、40時間)して目的の構造式[G]で示されるポリカーボネート樹脂を75.8g得た。粘度平均分子量は40,000であり、末端OH基量7.7μeq/g、末端CF基量0.004μeq/gであった。
Figure 2009025810
実施例1
[感光体ドラムの作製]
オキシチタニウムフタロシアニン10部を1,2−ジメトキシエタン150部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行い、顔料分散液を調製した。尚、このオキシチタニウムフタロシアニンは、CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)9.3゜、10.6゜、13.2゜、15.1゜、15.7゜、16.1゜、20.8゜、23.3゜、26.3゜、27.1゜に強い回折ピークを示すものであった。
次に、ポリビニルブチラール(電気化学工業株式会社製、商品名デンカブチラール#6000C)5部を1,2−ジメトキシエタン95部に溶解し、固形分濃度5%のバインダー溶液(1)を調製した。続いて、フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製、商品名PKHH)5部を1,2−ジメトキシエタン95部に溶解し、固形分濃度5%のバインダー溶液(2)を調製した。次に、先に調製した顔料分散液160部と、バインダー溶液(1)50部と、バインダー溶液(2)50部と、適量の1,2−ジメトキシエタンと、適量の4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンと、を加え、固形分濃度4.0%、1,2−ジメトキシエタン:4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン=9:1の電荷発生層用分散液(α)を調製した。
次に、表面が鏡面仕上げされた外径30mm、長さ285mm、肉厚1.0mmのアルミニウム合金よりなるシリンダーの表面に陽極酸化処理を行い、その後、酢酸ニッケルを主成分とする封孔剤によって封孔処理を行うことにより、約6μmの陽極酸化被膜(アルマイト被膜)を形成した。このシリンダーを、先に調製した電荷発生層用分散液(α)に浸漬塗布し、乾燥後の膜厚が、約0.3μmとなるように電荷発生層を形成した。
次に、この電荷発生層が形成されたシリンダーを、電荷輸送層形成用塗布液に浸漬塗布することにより、乾燥後の膜厚20μmの電荷輸送層を設けた感光体ドラムを調製した。電荷輸送層形成用塗布液は、前述した構造式[A]で示され、分子量調節剤としてp−ターシャリーブチルフェノールを用いた、粘度平均分子量40,600、末端OH基量3.0μeq/g、末端クロロホーメート基(以下、末端CF基ということがある)量0.04μeq/g、のポリカーボネート樹脂100部、電荷輸送物質として、特開2002−080432号公報の実施例1に記載の、下記構造式で代表される幾何異性体の組成物50重量部と
Figure 2009025810
下記式で表される酸化防止剤8重量部と
Figure 2009025810
シリコーンオイル(信越化学社製、商品名KF96)0.05部と、をテトラヒドロフランとトルエンの混合溶媒(テトラヒドロフラン80重量%、トルエン20重量%)に溶解して調製した。
(樹脂の粘度平均分子量)
粘度平均分子量は以下の方法により測定した。
試料を塩化メチレンに溶解し濃度Cが6.00g/Lの溶液を調製した。溶媒(塩化メチレン)の流下時間tが136.21秒のウベローデ型毛管粘度計を用いて、20.0℃に設定した恒温水槽中で試料溶液の流下時間tを測定した。以下の式に従って粘度平均分子量Mvを算出した。
a=0.438×ηsp+1 ηsp=t/t−1
b=100×ηsp/C C =6.00(g/L)
η=b/a
Mv=3207×η1.205
(末端OH基量)
末端OH基量は、以下の方法で測定した。
約0.2gのポリカーボネート樹脂を精秤し塩化メチレン10mLに溶解した。これに5%酢酸/塩化メチレン溶液を5mL加え、更に四塩化チタン溶液(*1)10mLを添加して発色させたのち、全液量を25mLに調整した。この溶液の波長480nmにおける吸光度を、分光光度計を用いて測定した(*1:塩化メチレン450mL、5%酢酸/塩化メチレン溶液5mL、四塩化チタン12.5mLの混合溶液)。更に、別途、測定しようとするポリカーボネート樹脂と同組成のビスフェノール化合物の粗製物の塩化メチレン溶液における波長480nmにおける吸光度を、分光光度計を用いて測定して吸光係数を求め、目的とするポリカーボネート樹脂中のOH基量を定量した。
(末端CF基量)
末端CF基量は、以下の方法で測定した。
約1gのポリカーボネート樹脂を精秤し、塩化メチレン20mLを加え溶解した。これに4−(p−ニトロベンジル)ピリジンの1重量%塩化メチレン溶液を2mL加え発色させたのち、全液量を25mLに調整した。この溶液の波長440nmに置ける吸光度を、分光光度計を用いて測定した。更に、別途、フェニルクロロホーメートの塩化メチレン溶液における波長440nmにおける吸光度を、分光光度計を用いて測定して吸光係数を求め、目的とするポリカーボネート樹脂中のCF基量を定量した。
(耐刷試験)
作製した感光体ドラムを、市販のカラーレーザプリンター(エプソン社製 LP3000C)に装着し、常温常湿環境下において、モノクロ(黒)モードで24,000枚の画像形成を行い、画像形成前の感光層の膜厚と、24,000枚画像形成後の感光層膜厚とを測定し、画像形成10,000枚あたりの膜減り量を計算した。膜減り量が少ないほど、耐刷性が良好である(単位:μm)。結果を表3に示す。
実施例2
実施例1において用いた前記構造式[A]で表される粘度平均分子量40,600の樹脂の代わりに、前記構造式[B]で表され、分子量調節剤としてp−ターシャリーブチルフェノールを用いた、粘度平均分子量が40,500、末端OH基量2.6μeq/g、末端CF基量0.003μeq/gである樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして感光体を製造し、耐刷試験を行い、結果を表3に示した。
実施例3
実施例1において用いた前記構造式[A]で表される粘度平均分子量40,600の樹脂の代わりに、前記構造式[C]で表され、分子量調節剤としてp−ターシャリーブチルフェノールを用いた、粘度平均分子量が33,200、末端OH基量6.3μeq/g、末端CF基量0.006μeq/gである樹脂を用いた以外は実施例1と同様に感光体を製造し、耐刷試験を行い、結果を表3に示した。
実施例4
実施例1において用いた前記構造式[A]で表される粘度平均分子量40,600の樹脂の代わりに、前記構造式[D]で表され、分子量調節剤としてp−ターシャリーブチルフェノールを用いた、粘度平均分子量が50,100、末端OH基量3.7μeq/g、末端CF基量0.003μeq/gである樹脂を用いた以外は実施例1と同様に感光体を製造し、耐刷試験を行い、結果を表3に示した。
比較例1
実施例1において用いた前記構造式[A]で表される粘度平均分子量40,600の樹脂の代わりに、前記構造式[E]で表され、分子量調節剤としてp−ターシャリーブチルフェノールを用いた、粘度平均分子量が40,000、末端OH基量3.2μeq/g、末端CF基量0.014μeq/gである樹脂を用いた以外は実施例1と同様に感光体を製造し、耐刷試験を行い、結果を表3に示した。
比較例2
実施例1において用いた前記構造式[A]で表される粘度平均分子量40,600の樹脂の代わりに、下記構造式[F]で表され、分子量調節剤としてp−ターシャリーブチルフェノールを用いた、粘度平均分子量が42,700、末端OH基量4.9μeq/g、末端CF基量0.03μeq/gである樹脂を用いた以外は実施例1と同様に感光体を製造し、耐刷試験を行い、結果を表3に示した。
比較例3
実施例1において用いた前記構造式[A]で表される粘度平均分子量40,600の樹脂の代わりに、前記構造式[G]で表され、分子量調節剤としてp−ターシャリーブチルフェノールを用いた、粘度平均分子量が40,000、末端OH基量7.7μeq/g、末端CF基量0.004μeq/gである樹脂を用いた以外は実施例1と同様に感光体を製造し、耐刷試験を行い、結果を表3に示した。
Figure 2009025810
実施例の感光体は、比較例1、3の感光体よりも優れた耐磨耗性を示した。比較例2の感光体は優れた耐磨耗性を示したが、LL環境(温度5℃、相対湿度10%)で画像を印刷すると画像濃度が著しく低下し、良好な画像を形成することができなかった。
実施例5
[感光体ドラムの作製]
下引き層用分散液は、次のようにして製造した。即ち、平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業株式会社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3重量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン株式会社製「TSL8117」)とを、高速流動式混合混練機(株式会社カワタ社製「SMG300」)に投入し、回転周速34.5m/秒で高速混合して得られた表面処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールの混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、疎水化処理酸化チタンの分散スラリーとした。
該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒、及び、ε−カプロラクタム/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン/ヘキサメチレンジアミン/デカメチレンジカルボン酸/オクタデカメチレンジカルボン酸の組成モル比率が、60%/15%/5%/15%/5%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行なうことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの重量比が7/1/2で、疎水性処理酸化チタン/共重合ポリアミドを重量比3/1で含有する、固形分濃度18.0%の下引き層用分散液とした。
(電荷発生層用分散液の調製)
CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)27.3゜に最大回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニン10重量部を、1,2−ジメトキシエタン150重量部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行い、顔料分散液を調製した。
この顔料分散液160重量部に、ポリビニルブチラール(電気化学工業株式会社製、商品名デンカブチラール#6000C)5重量部を1,2−ジメトキシエタン95重量部に溶解した、固形分濃度5重量%のバインダー溶液100重量部と、適量の1,2−ジメトキシエタン、適量の4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンを加え、固形分濃度4.0重量%、1,2−ジメトキシエタン:4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン=9:1の電荷発生層用分散液β1を作製した。
CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)9.3゜、10.6゜、13.2゜、15.1゜、15.7゜、16.1゜、20.8゜、23.3゜、26.3゜、27.1゜に強い回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニン10重量部を、1,2−ジメトキシエタン150重量部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行い、顔料分散液を調製した。
この顔料分散液160重量部に、ポリビニルブチラール(電気化学工業株式会社製、商品名デンカブチラール#6000C)5重量部を1,2−ジメトキシエタン95重量部に溶解した、固形分濃度5重量%のバインダー溶液100重量部と、適量の1,2−ジメトキシエタン、適量の4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンを加え、固形分濃度4.0%、1,2−ジメトキシエタン:4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン=9:1の電荷発生層用分散液β2を作製した。
電荷発生層用分散液β1と電荷発生層用分散液β2を8:2の割合で混合し、電荷発生層用分散液βを調製した。
表面が粗切削(Rmax=0.8μm)された外径30mm、長さ254mm、肉厚0.75mmのアルミニウム合金よりなるシリンダーを、先に調製した下引き層用分散液に浸漬塗布し、膜厚約1.3μmの下引き層を形成した。このシリンダーを先に調製した電荷発生層用分散液βに浸漬塗布し、乾燥後の重量が0.3g/m(膜厚約0.3μm)となるように電荷発生層を形成した。
次に、この電荷発生層を形成したシリンダーを、実施例1で作製した電荷輸送層形成用塗布液に浸漬塗布することにより、乾燥後の膜厚25μmの電荷輸送層を設けた。
(耐刷試験)
作製した感光体を市販のモノクロレーザプリンター(レックスマーク社製、Optra S2450、A4縦送りで24枚/分、DC印加のローラ帯電、ローラ転写)に装着して常温常湿下において30,000枚のプリントを行った。プリント前後の膜厚の差から10,000枚あたりの膜減り量を計算した。結果を表4に示す。
実施例6
実施例5において用いた電荷輸送層形成用塗布液の代わりに、実施例2で作製した電荷輸送層形成用塗布液を用いた以外は実施例5と同様に感光体を製造し、耐刷試験を行い、結果を表4に示す。
実施例7
実施例5において用いた電荷輸送層形成用塗布液の代わりに、実施例3で作製した電荷輸送層形成用塗布液を用いた以外は実施例5と同様に感光体を製造し、耐刷試験を行い、結果を表4に示す。
実施例8
実施例5において用いた電荷輸送層形成用塗布液の代わりに、実施例4で作製した電荷輸送層形成用塗布液を用いた以外は実施例5と同様に感光体を製造し、耐刷試験を行い、結果を表4に示す。
比較例4
実施例5において用いた電荷輸送層形成用塗布液の代わりに、比較例3で作製した電荷輸送層形成用塗布液を用いた以外は実施例5と同様に感光体を製造し、耐刷試験を行い、結果を表4に示す。
Figure 2009025810
実施例の感光体は、いずれも良好な画像を形成することができ、且つ比較例の感光体に比較して優れた耐磨耗性を示した。
本発明の電子写真感光体を備えた画像形成装置の一実施態様の要部構成を示す概略図である。
符号の説明
1…電子写真感光体、2…帯電装置(帯電ローラ)、3…露光装置、4…現像装置、5…転写装置、6…クリーニング装置、7…定着装置、41…現像槽、42…アジテータ、43…供給ローラ、44…現像ローラ、45…規制部材、71…上部定着部材(加圧ローラ)、72…下部定着部材(定着ローラ)、73…加熱装置、T…トナー、P…記録紙(用紙、媒体)

Claims (3)

  1. 導電性支持体上に少なくとも感光層を有し、該感光層が、下記式(1)及び式(2)で表される繰り返し構造を有するポリカーボネート樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 2009025810
    (式中、Rはアルキル基を示し、X及びYは、それぞれ独立に、置換基を有しても良いベンゼン環を表す。)
    Figure 2009025810
    (式中、Ar及びArは、置換基を有してもよいアリーレン基を示し、Zは炭素数6以下の置換基を有してもよいシクロアルキリデン基を表す。)
  2. 前記式(1)において、Rが炭素数1〜3のアルキル基であり、かつ、前記式(2)において、Ar及びArがp−フェニレン基であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した該電子写真感光体に対し像露光を行ない静電潜像を形成する像露光手段と、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段と、前記トナーを被転写体に転写する転写手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
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