JP2009023525A - サスペンション装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アクスル2とサスペンションメンバ3とを連結する2本のロアリンク4,5が車両前後方向に並んで配置される。2本のロアリンク4,5の間に連結板6を設けると共に、その連結板6と各ロアリンク4,5とをそれぞれ、個別のコネクトブッシュ20〜23で弾性的に連結する。
【選択図】 図1
Description
これにより、車輪を支持する前後剛性を下げる事と、その際のトー特性の適正化を図っている。
しかし上記従来技術では、結合部材の撓み変形量を規制するものがないので、別途、前後方向の変位を規制する手段が必要となる。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、車輪を支持する前後剛性を下げつつ、車輪の大変位を規制することを課題としている。
図1は、本実施形態の後輪用サスペンション装置を示す上面図であり、図2は車両前方からみたリンクの配置を説明する概要図である。
(構成)
車輪1を回転自在に支持するアクスル2の下部領域と車体側部材であるサスペンションメンバ3との間を連結する2本のロアリンク4、5と、アクスル2の上部領域とサスペンションメンバ3とを連結するアッパリンク8とを備える。
また、上記各ブッシュ9〜14は、入れ子状に配置された外筒と内筒との間にゴム体からなる弾性体が介装されて構成される。本実施形態では、外筒がリンク4、5、8の端部に固定されると共に、内筒がボルトを介してサスペンションメンバ3若しくはアクスル2に取り付けられている。
また、上面視でみて、その2本のロアリンク4,5の間に、連結板6が配置されている。その連結板6は、上記各ロアリンク4,5に対してそれぞれ個別に且つ弾性的に連結している。
そして本実施形態では、各ロアリンク4、5と連結板6とを弾性的に連結する上記コネクトブッシュ20〜23は、ブッシュ軸を略車両前後方向に向けている。このコネクトブッシュ20〜23は、取付けブッシュ9〜12の弾性体よりも剛性が低い弾性体が採用されることで、車幅方向の剛性が低く設定される。
なお、ブッシュは、通常、ゴムからなる弾性体のバネによって、所定の変形域(弾性域)までは荷重に比例して線形に変形し、閾値を超えると(弾塑性域では)非線形に変形する。
ここで、アクスル2が車輪支持部材を、サスペンションメンバ3が車体側部材を、コネクトブッシュ20〜23が弾性連結部を、連結板6は連結体をそれぞれ構成する。
(1)2本のロアリンク4、5を連結板6を介して弾性的に連結することで、車輪1への車両前後方向の入力を2本のロアリンク4、5で受けることが可能となる。このため、当該車両前後方向入力を受けるために、アクスル2とサスペンションメンバ3とを連結する別のリンクを設けなくても良い。
(2)また、このように2本のロアリンク4、5同士を連結板6を介して弾性的に連結しても、ロアリンク4,5と連結板6との弾性連結部をコネクトブッシュ20〜23によって所定の揺動範囲内でのみ揺動可能に構成することで、車輪1への車両前後方向の入力に対して、ブッシュで構成される連結部は少なくとも車幅方向へ所定揺動範囲だけ揺動可能な状態で連結される。
また、前後方向の入力に対しコネクトブッシュ20〜23が撓むことで吸収し、コネクトブッシュ20〜23のゴムの特性により減衰も得られるため、前後方向入力に対する振動の収まりが良い。また、ロアリンク4、5は強度を満足するように設計しても、コネクトブッシュ20〜23の剛性によって前後方向の剛性が決まるため、設計自由度を大きくすることが可能となる。
ゴムからなる弾性体の耐久性は、繰り返される撓み変形量の約3乗に比例するので、ブッシュ20〜23の変形量が約半分に抑えられることで、ブッシュ耐久性が向上、つまりコネクトブッシュ20〜23の寿命が向上する。
制動操作などによって車輪1の接地面に対し車両前後方向の制動力が入力されると、その入力によってワインドアップ方向のモーメントが発生する。このモーメントによってアクスル2に連結する後側ロアリンク5には上方に向かう力が作用すると共に、前側ロアリンク4には下方に向かう力が作用することで、両ロアリンク4、5の連結部であるコネクトブッシュ20〜23にも上下方向の力が入力される。このとき、上述のようにコネクトブッシュ20〜23の上下方向の剛性を低く設定しているので、積極的に当該コネクトブッシュ20〜23が撓むことで、サスペンションに入力した振動を吸収する。
(7)また、前側コネクトブッシュ20〜23群と後側コネクトブッシュ20〜23群のブッシュ剛性の特性を、全て同じ特性としても良いし、一部又は全部を違う特性に設定することも出来る。これによって、ブッシュ剛性の自由度が増えることで、サスペンション特性の設定範囲に幅を持たせることが可能となる。
側面視で、2本のロアリンク4,5は、ホイールセンタよりも下方にオフセットして位置していることから、上述のような突起乗り越し時のような前後方向入力の際に、上下方向成分の力も入力される。このとき、コネクトブッシュ20〜23の上下剛性を積極的に低く設定しておくことで、突起乗り越し時のような前後方向入力に対して、当該コネクトブッシュ20〜23が左右方向(車幅方向若しくは前側ロアリンク4のリンク軸線L1方向)に揺動すると共に上下方向にも揺動変位することで振動を吸収する結果、上記のように、車輪への前後方向入力に対するサスペンションの振動の収まりが良く、さらに車室側に伝搬する振動が抑えられる結果、突起乗り越し時のショックがさらに低減される。
また、スグリ20d〜23dが潰れる程の大きな揺動変位が入力した場合には、剛性が高くなることで、揺動量が所定以下に抑えられる。
制動などによって、車輪1に対し車両前後方向後方向への入力があると、2本のロアリンク4、5の車輪側取付け点P2、P4はともに車両前後方向後方にほぼ同量だけ揺動変位するが、その2本におけるロアリンク4、5の車輪側取付け点P2、P4の車両横方向変位の差によってトーイン方向のトー変化がついて、制動時の安定性が向上する。
(1)上記実施形態では、連結板6をロアリンク4,5に対して直接に弾性体を介して連結した場合を例示しているが、これに限定されない。ロアリンク4,5から連結板6に向けて張り出す張出部を設け、その張出部と連結板6とをブッシュを介してそれぞれ弾性的に連結しても良い。
(2)また、連結体は、上記連結板6つまり板状に限定されず、フレーム状その他の形状となっていても良い。
また、連結体は、複数に分割されていても良い。例えば、2本のロアリンク4,5の車輪側のコネクトブッシュ20、22同士を連結する第1連結体、及び2本のロアリンク4,5の車体側のコネクトブッシュ21,23同士を連結する第2連結体の2つの連結体から構成しても良い。
(4)また、各ロアリンク4、5と連結板6とを連結する弾性連結部を構成するコネクトブッシュは、2箇所に限定されず3箇所以上あっても良い。
(5)上記実施形態では、アッパリンク8を1本の棒状リンクから構成する場合を例示しているが、2本以上あっても良いし、Aアームなど他の形状であっても良い。
(8)また、上記実施形態では、車両前後方向に並ぶ2本のリンクとしてロアリンク4,5を例示しているが、2本のリンクは、アッパリンクその他のリンクであっても良い。
また、サスペンション装置として後輪用サスペンション装置を例示しているが、本願発明を適用するサスペンション装置は、前輪用サスペンション装置であっても良い。
2 アクスル(車輪支持部材)
3 サスペンションメンバ(車体側部材)
4 前側ロアリンク
5 後側ロアリンク
6 連結板
8 アッパリンク
20〜23 コネクトブッシュ20〜23
20c〜20c 弾性体
20d〜23d スグリ
Claims (8)
- 車輪を回転自在に支持する車輪支持部材と車体側部材とを連結する2本のリンクが車両前後方向に並んで配置されるサスペンション装置において、
連結体を備え、
その連結体と各リンクとをそれぞれ、少なくとも車幅方向へ所定の範囲でだけ相対変位可能な状態に弾性的に連結することを特徴とするサスペンション装置。 - 上記各リンクと連結体とはそれぞれ、車両上下方向に、所定の範囲でだけ相対変位可能に連結されることを特徴とする請求項1に記載したサスペンション装置。
- 車輪を回転自在に支持する車輪支持部材と車体側部材とを連結する2本のリンクが車両前後方向に並んで配置されるサスペンション装置において、
上記2本のリンクの間に連結体を配置し、各リンクと連結体とを個別のブッシュを介して連結することを特徴とするサスペンション装置。 - 上記各リンクと連結体とを連結するブッシュは、車幅方向にオフセットさせて2以上配置されていることを特徴とする請求項3に記載したサスペンション装置。
- 上記ブッシュは、上下方向への撓み変形について、所定の撓み変形までは剛性が低く、当該所定の撓み変形を越えると相対的に剛性が高くなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載したサスペンション装置。
- 上面視において、上記2本のリンクにおける、それぞれの車輪支持部材への取付け点と車体側部材への取付け点を結ぶリンク軸線同士の交点は、上記リンクの車輪支持部材への取付け点よりも車幅方向外方に位置することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載したサスペンション装置。
- 上面視において、上記2本のリンクにおける、それぞれの車輪支持部材への取付け点と車体側部材への取付け点を結ぶリンク軸線同士の交点は、車輪の中心よりも車両前後方向後方に位置することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載したサスペンション装置。
- 車輪を回転自在に支持する車輪支持部材と車体側部材とを連結する2本のリンクが車両前後方向に並んで配置されるサスペンション装置において、
上記車輪支持部材に対する車両前後方向への入力による2本のリンク間の揺動量が所定範囲内となるように、上記2本のリンクに対しそれぞれ個別の弾性連結部を介して連結する連結体を備えることを特徴とするサスペンション装置。
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