JP2009022502A - 角膜観察装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】角膜の画像の深度位置を把握可能にする。
【解決手段】角膜観察装置100は、フルフィールド型のOCT装置として機能し、角膜Ecの細胞の水平方向の断層画像を形成する。細胞領域抽出部243は、この断層画像から細胞の画像領域を抽出する。細胞情報生成部244は、この細胞の画像領域に基づいて、細胞の形態(サイズや形状)を表す細胞情報を生成する。記憶部247には、角膜の深度位置と細胞の形態とを関連付ける関連情報247aが予め記憶されている。深度位置特定部245は、細胞情報に示す角膜Ecの細胞の形態に対応する深度位置を関連情報247aから選択し、当該断層画像の深度位置とする。制御部21は、この深度位置を表示部22に表示させる。それにより、オペレータは、当該断層画像の深度位置を把握することができる。
【選択図】図2

Description

この発明は、被検眼の角膜を観察するための角膜観察装置に関する。
角膜を観察するための装置としては、スリットランプ(細隙灯顕微鏡)、コンフォーカルマイクロスコープ(共焦点顕微鏡)、フレアセルメータ(フレアメータ)などが知られている。
スリットランプは、照明光のスリット光を用いて角膜の一部を光切片として切り取ることにより眼球断面を観察する装置である(たとえば特許文献1参照)。スリットランプは、角膜各部の観察や病変の観察のほか、角膜内皮細胞等の細胞の観察にも用いられる。
コンフォーカルマイクロスコープは、被検眼に照射された照明光の反射光をピンホールを介して検出して画像を形成する装置である(たとえば特許文献2参照)。コンフォーカルマイクロスコープは、高解像度の画像を取得するのに適しており、角膜の各種細胞やコラーゲン繊維等の観察に用いられる。
フレアセルメータは、被検眼に照射されたレーザ光の反射光や散乱光を検出することにより角膜の混濁、細胞数、蛋白質濃度などを測定する装置である(たとえば特許文献3参照)。
近年、OCT(Optical Coherence Tomography)技術を用いた装置が注目されている(たとえば特許文献4、特許文献5参照)。更に、この装置(OCT装置)の眼科分野への応用も進められている。OCT装置は、被検眼を経由した光(信号光)と参照物体を経由した光(参照光)とを重畳して干渉光を生成し、この干渉光の検出結果に基づいて画像を形成する装置である。
OCT装置によれば、干渉計を用いているため、高分解能、高感度の計測が可能となる。また、広帯域の微弱な光を照明光に用いることから、被検眼に対する安全性が高いという利点もある。
特開平9−98950号公報 特開平10−90606号公報 特開平9−84763号公報 特開2006−153838号公報 特開2006−116028号公報
角膜は、角膜表面から眼底に向かって順に、角膜上皮層、ボーマン層、角膜実質層、デスメ膜、角膜内皮層を有している。また、角膜上皮層は、角膜表面から眼底に向かって順に、表層細胞、翼細胞、基底細胞を有している。
なお、角膜表面から眼底に向かう方向を「深度方向」と呼ぶことがある。また、深度方向における位置を「深度位置」と呼ぶことがある。また、深度方向に直交する方向を「水平方向」と呼ぶことがある。
上記のような構造を有する角膜をOCT装置で観察する際に、角膜のどの深度位置の画像が取得されたかを把握したい場合がある。たとえば経過観察や術前術後観察等においては、(ほぼ)同じ深度位置の画像を比較する必要があるが、そのためには各画像の深度位置を把握する必要がある。しかし、従来の装置では、角膜における画像の深度位置を把握することができなかった。
また、角膜疾患を早期発見するには、細胞レベルでの異常の検出が有効と考えられるが、上記のように、角膜には深度位置に応じて様々な細胞が存在するために、異常を検出するには細胞の種類が特定されなければならない。しかし、従来の装置では、細胞の種類を特定することはできず、したがって、角膜の細胞の異常の有無を検出することは不可能であった。
この発明は、以上の問題を解決するためになされたもので、角膜における画像の深度位置を把握可能にする角膜観察装置を提供することを目的とする。
また、この発明は、角膜の細胞の異常の状態を判定することが可能な角膜観察装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、被検眼に光を照射し、角膜を経由した前記光を検出し、この検出結果に基づいて前記角膜の細胞の画像を形成する画像形成手段と、前記画像に表される細胞の形態を解析し、前記画像に表される前記角膜の深度位置を特定する特定手段と、を備えることを特徴とする角膜観察装置である。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の角膜観察装置であって、前記特定手段は、前記深度位置として、前記画像に表される前記角膜の層を特定する、ことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の角膜観察装置であって、前記特定手段は、前記画像中の少なくとも1つの細胞の画像領域を抽出する抽出手段と、前記画像領域に基づいて前記角膜の細胞の形態に関する細胞情報を生成する生成手段とを含み、前記細胞情報に基づいて前記画像の前記深度位置を特定する、ことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の角膜観察装置であって、前記特定手段は、前記細胞情報に基づいて前記角膜の細胞の異常の有無を判定する判定手段を含む、ことを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の角膜観察装置であって、前記画像形成手段は、前記角膜の深度方向に略直交する断面における前記角膜の2次元画像を形成し、前記生成手段は、前記2次元画像に表される細胞の断面の形態情報を含む前記細胞情報を生成し、前記判定手段は、前記形態情報に基づいて、当該断面における細胞の異常の有無を判定する、ことを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の角膜観察装置であって、前記画像形成手段は、前記角膜の深度方向に略直交する複数の断面について前記角膜の2次元画像をそれぞれ生成し、当該複数の2次元画像に基づいて、前記深度方向に沿った断面における断層画像を形成し、前記生成手段は、前記断層画像に表される細胞の断面の形態情報、及び/又は前記断層画像に表される細胞層の形態情報を含む前記細胞情報を生成し、前記判定手段は、前記形態情報に基づいて、前記深度方向に沿った断面における細胞の異常の有無を判定する、ことを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項4〜請求項6のいずれか一項に記載の角膜観察装置であって、前記判定手段は、角膜の細胞の形態の許容範囲を予め記憶し、前記細胞情報が表す形態が前記許容範囲に含まれるか否か判断し、含まれると判断されたときに前記角膜の細胞は正常であると判定し、含まれないと判断されたときに前記角膜の細胞は異常であると判定する、ことを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の角膜観察装置であって、前記判定手段は、角膜の複数の深度位置のそれぞれにおける前記許容範囲を予め記憶し、前記特定手段により特定された深度位置に対応する前記許容範囲を選択して前記判断を行う、ことを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項4〜請求項6のいずれか一項に記載の角膜観察装置であって、前記細胞情報を格納する格納手段を更に備え、前記判定手段は、前記生成手段により新たな細胞情報が生成されたときに、前記格納手段に過去に格納された細胞情報と前記新たな細胞情報とを比較して、前記角膜の細胞の形態の変化を判定する、ことを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項3〜請求項9のいずれか一項に記載の角膜観察装置であって、前記特定手段は、角膜における深度位置と細胞の形態とを関連付ける関連情報を予め記憶する記憶手段を含み、前記細胞情報が表す形態に対応する深度位置を前記関連情報から選択し、前記選択された深度位置を前記画像の前記深度位置とする、ことを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、請求項3〜請求項9のいずれか一項に記載の角膜観察装置であって、前記細胞の形態は、角膜の細胞のサイズ及び/又は形状を含む、ことを特徴とする。
また、請求項12に記載の発明は、請求項3〜請求項9のいずれか一項に記載の角膜観察装置であって、前記生成手段は、前記画像領域に基づいて前記角膜の細胞の密度を表す密度情報を前記細胞情報として生成し、前記特定手段は、前記密度情報に基づいて前記画像の前記深度位置を特定する、ことを特徴とする。
また、請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の角膜観察装置であって、前記特定手段は、角膜における深度位置と細胞の密度とを関連付ける関連情報を予め記憶する記憶手段を含み、前記密度情報が表す密度に対応する深度位置を前記関連情報から選択し、前記選択された深度位置を前記画像の前記深度位置とする、ことを特徴とする。
また、請求項14に記載の発明は、請求項3〜請求項13のいずれか一項に記載の角膜観察装置であって、前記抽出手段は、複数の細胞の画像領域を抽出し、前記生成手段は、前記複数の細胞の画像領域に対して統計処理を行って前記細胞情報を生成する、ことを特徴とする。
また、請求項15に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の角膜観察装置であって、前記特定手段は、前記画像を構成する画素の画素値を基に前記細胞の形態を解析して前記画像の前記深度位置を特定する、ことを特徴とする。
また、請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の角膜観察装置であって、前記特定手段は、角膜における深度位置と角膜の画像を構成する画素の画素値とを関連付ける関連情報を予め記憶する記憶手段を含み、前記画像形成手段により形成された画像を構成する画素の画素値に対応する深度位置を前記関連情報から選択し、前記選択された深度位置を前記画像の前記深度位置とする、ことを特徴とする。
また、請求項17に記載の発明は、請求項15又は請求項16に記載の角膜観察装置であって、前記特定手段は、前記画像を構成する画素の画素値に対して統計処理を行い、前記統計処理の結果に基づいて前記画像の前記深度位置を特定する、ことを特徴とする。
また、請求項18に記載の発明は、請求項15〜請求項17のいずれか一項に記載の角膜観察装置であって、前記特定手段は、前記画像を構成する画素の画素値に基づいて前記角膜の細胞の異常の有無を判定する判定手段を含む、ことを特徴とする。
また、請求項19に記載の発明は、請求項4又は請求項18に記載の角膜観察装置であって、前記判定手段による判定結果と、前記特定手段により特定された前記画像の前記深度位置とを出力する出力手段を備える、ことを特徴とする。
また、請求項20に記載の発明は、請求項4又は請求項18に記載の角膜観察装置であって、前記特定手段は、前記判定手段により異常があると判定された細胞のサイズを計測する計測手段を含む、ことを特徴とする。
また、請求項21に記載の発明は、被検眼に光を照射し、角膜を経由した前記光を検出し、この検出結果に基づいて前記角膜の細胞の画像を形成する画像形成手段と、前記画像に表される細胞の形態を解析し、前記角膜の細胞の異常の有無を判定する解析手段と、を備えることを特徴とする角膜観察装置である。
また、請求項22に記載の発明は、請求項1又は請求項21に記載の角膜観察装置であって、前記画像形成手段は、広帯域光を信号光と参照光とに分割し、角膜を経由した信号光と参照物体を経由した参照光とを重畳させて干渉光を生成する干渉光生成手段と、前記干渉光を検出する検出手段と、前記干渉光の検出結果に基づいて前記角膜の細胞の画像を形成する形成手段とを含むOCT装置である、ことを特徴とする。
また、請求項23に記載の発明は、請求項22に記載の角膜観察装置であって、前記干渉光生成手段は、所定ビーム径を有する前記信号光を前記角膜に照射し、所定ビーム径を有する前記干渉光を生成し、前記検出手段は、該干渉光を2次元の受光面により検出し、前記形成手段は、該信号光のビーム径に応じた前記角膜の領域の2次元画像を前記画像として形成する、ことを特徴とする。
また、請求項24に記載の発明は、請求項22又は請求項23に記載の角膜観察装置であって、前記画像形成手段は、前記信号光と前記参照光との光路長差を変更する変更手段を含み、前記光路長差に応じた深度位置における前記角膜の画像を形成する、ことを特徴とする。
この発明に係る角膜観察装置によれば、角膜の細胞の画像を形成し、この画像に表される細胞の形態を解析して当該画像の深度位置を特定できるので、角膜における画像の深度位置を把握することが可能となる。
また、この発明に係る角膜観察装置によれば、角膜の細胞の画像から細胞の画像領域を抽出し、この画像領域に基づいて細胞情報を生成し、この細胞情報に基づいて角膜の細胞の異常の有無を判定できるので、角膜の細胞の異常の状態を判定することが可能である。
また、この発明に係る角膜観察装置によれば、角膜の細胞の画像を形成し、この画像に表される細胞の形態を解析して角膜の細胞の異常の有無を判定できるので、角膜の細胞の異常の状態を判定することが可能である。
この発明に係る角膜観察装置の実施形態の一例を説明する。この角膜観察装置は、角膜の細胞やコラーゲン繊維等の微細構造を観察するための装置である。なお、角膜の微細構造を総称して「細胞」と称することがある。
[構成]
この実施形態に係る角膜観察装置の構成の一例を図1に示す。この角膜観察装置100は、角膜の細胞の画像を形成する「画像形成手段」としてフルフィールド型のOCT装置を適用している。
フルフィールド型のOCT装置は、たとえば前述の特許文献4に記載されたOCT装置のように、所定のビーム径を有する信号光を角膜に照射するとともに、所定のビーム径を有する干渉光を2次元光センサアレイによって検出することにより、信号光のビーム径に応じた角膜の領域の2次元画像を取得する装置である。
フルフィールド型のOCT装置は、OCT装置以外の角膜観察装置(スリットランプ、コンフォーカルマイクロスコープ、フレアセルメータなど)や、他タイプのOCT装置(フーリエドメイン型、スウェプトソース型など)と比較して、高い分解能を有する。
なお、フルフィールド(full−field)型のOCT装置は、エンフェイス(en−face)型などとも呼ばれる。
被検眼Eは、計測に適した状態で配設される。たとえば、被検眼Eが生体眼である場合、境界での屈折率の変化を小さくするためのゼリーや液体などを被検眼Eに適用することができる。また、被検眼Eが摘出眼である場合、境界における屈折率の変化を小さくするために被検眼Eを液浸状態で配設することができる。
角膜観察装置100は、光源としてハロゲンランプ1を備えている。ハロゲンランプ1は、たとえば無偏光の広帯域光Mを出力する。なお、図示は省略するが、ハロゲンランプ1は、通常のハロゲンランプとともに、出力光を導光する光ファイババンドルや、出力光の照射野を一様に照明するためのケーラー照明光学系などを含んで構成することができる。ハロゲンランプ1から出力される無偏光の広帯域光Mは、所定のビーム径を有している。
光源は、ハロゲンランプ1には限定されず、無偏光の広帯域光を出力する任意の光源であってよい。たとえば、キセノンランプ等の任意の熱光源(黒体輻射に基づく光源)を適用できる。また、光源は、ランダム偏光の広帯域光を出力するレーザ光源であってもよい。ここで、無偏光とは、直線偏光の光と円偏光の光と楕円偏光の光とを含む偏光状態を意味する。また、ランダム偏光とは、互いに直交する2つの直線偏光成分を有し、各直線偏光成分のパワーが時間的にランダムに変化する偏光状態を意味する(たとえば特開平7−92656号公報参照)。以下、無偏光の場合についてのみ詳しく説明するが、ランダム偏光の場合も同様の構成で同様の作用効果を得ることができる。
さて、ハロゲンランプ1により出力された広帯域光Mは、様々な帯域の光を含んでいる。フィルタ2は、無偏光の広帯域光Mの所定帯域のみを透過させるフィルタである。透過させる帯域は、分解能や計測深度等によって決定され、たとえば中心波長760nm程度で100nm程度の波長幅の帯域に設定される。この場合、被検眼Eの深度方向(図1に示すz方向)及びそれに直交する方向(水平方向)について、それぞれ2μm程度の分解能の画像を取得できる。なお、フィルタ2を透過した光を同じく広帯域光Mと呼ぶことにする。
フィルタ2を透過した無偏光の広帯域光Mは、ハーフミラー等のビームスプリッタ3によって二分割される。すなわち、ビームスプリッタ3による反射光は信号光Sを形成し、ビームスプリッタ3を透過した光は参照光Rを形成する。
信号光Sは、無偏光状態を保ったまま対物レンズ11により被検眼Eに合焦される。信号光Sは、所定のビーム径で角膜Ecに照射される。被検眼Eの表面や内部にて反射、散乱された光は、対物レンズ11を経由してビームスプリッタ3に戻ってくる。
一方、ビームスプリッタ3により生成された無偏光の参照光Rは、波長板(λ/4板)4と偏光板5を通過し、反射ミラー6にて反射される。更に、参照光Rは、ガラス板7を通過し、対物レンズ8によって参照鏡9の反射面に合焦される。参照鏡9により反射された参照光Rは、同じ光路を逆向きに経由してビームスプリッタ3に戻ってくる。
このとき、当初は無偏光であった参照光Rは、波長板4と偏光板5を二回経由することにより円偏光に変換される。波長板4と偏光板5は、この発明の「変換手段」の一例である。ガラス板7は、信号光S及び参照光Rの光路(干渉計の両アーム)にて発生する分散の影響を最小にする分散補正光学素子である。
参照鏡9は、参照鏡移動機構10によって参照光Rの進行方向、すなわち参照鏡9の反射面に直交する方向(図1の両側矢印方向)に移動可能とされている。参照鏡移動機構10は、たとえばピエゾ素子等の駆動手段を含んで構成される。
このように参照鏡9を移動させることにより、信号光Sと参照光Rの光路長差が変更される。ここで、信号光Sの光路長は、ビームスプリッタ3と角膜Ecの表面との間の往復距離である。また、参照光Rの光路長は、ビームスプリッタ3と参照鏡9の反射面との間の往復距離とする。信号光Sと参照光Rの光路長の差を変更することにより、角膜Ecの様々な深度位置の画像を選択的に取得することができる。参照鏡移動機構10は、この発明の「変更手段」の一例である。
なお、この実施形態では、参照光Rの光路長を変更することで上記光路長差を変更しているが、信号光Sの光路長を変更することにより上記光路長差を変更するように構成することも可能である。その場合、装置光学系と被検眼Eとの間隔を変更するような変更手段を設ける。たとえば、装置光学系をz方向に移動させるステージや、被検眼Eをz方向に移動させるステージなどを変更手段として適用できる。
被検眼Eを経由した信号光Sと、参照鏡9を経由した参照光Rは、ビームスプリッタ3によって重畳されて干渉光Lを生成する。干渉光LはS偏光成分とP偏光成分とを含んでいる。ハロゲンランプ1、ビームスプリッタ3、参照鏡9を含んで構成される干渉計は、この発明の「干渉光生成手段」の一例である。
ビームスプリッタ3によって生成された干渉光Lは、開口絞り12を経由し、結像レンズ(群)13によって集束光となる。集束光となった干渉光LのS偏光成分L1は、偏光ビームスプリッタ14により反射されてCCD(イメージセンサ)16により検出される。一方、干渉光LのP偏光成分L2は、偏光ビームスプリッタ14を透過し、反射ミラー15により反射されてCCD(イメージセンサ)17により検出される。
各CCD16、17は、2次元の受光面を有している。S偏光成分L1とP偏光成分L2は、それぞれ、所定のビーム径を持ってCCD16、17の受光面に照射される。
S偏光成分L1、P偏光成分L2をそれぞれ検出したCCD16、17は、それぞれ検出信号をコンピュータ20に送る。CCD16、17は、この発明の「検出手段」の一例である。
なお、干渉光Lの元になる参照光Rは円偏光であり信号光Sは無偏光であるから、S偏光成分L1とP偏光成分L2は90度(π/2)の位相差を有している。したがって、CCD16から出力される検出信号Cと、CCD17から出力される検出信号Cは、90度の位相差を有しており、次式のように表すことができる。
Figure 2009022502
ここで、I(x、y)は信号光Sの強度を表し、I(x、y)は参照光Rの強度を表している。また、φ(x、y)は初期位相差を表している。また、各検出信号C、Cは、背景光成分(非干渉成分、直流成分)I(x、y)+I(x、y)を含む。更に、検出信号Cはcos成分からなる干渉成分を含み、検出信号Cはsin成分からなる干渉成分を含んでいる。
なお、式(1)、(2)から分かるように、各検出信号C、Cは、空間(z方向に直交するx方向、y方向)のみを変数とし、時間を変数として含んでいない。すなわち、本実施形態に係る干渉信号は、空間的変化のみを含むものである。
〔制御系の構成〕
角膜観察装置100の制御系の構成を説明する。図2は、角膜観察装置100の制御系の構成の一例を表している。
コンピュータ20は、制御部21、表示部22、操作部23及び信号処理部24を備えている。
(制御部)
制御部21は、角膜観察装置100の各部を制御する。たとえば、制御部21は、ハロゲンランプ1の点灯/消灯の制御、参照鏡移動機構10の制御、CCD16、17の露光時間の制御、表示部22による表示処理の制御などを行う。
制御部21は、CPU等のマイクロプロセッサを含んで構成される。また、制御部21は、RAM、ROM、ハードディスクドライブ等の記憶装置を含んで構成される。ハードディスクドライブには、装置制御用のコンピュータプログラム(図示せず)が予め記憶されている。コンピュータプログラムにしたがってマイクロプロセッサが動作することにより、制御部21による上記の制御が実行される。
また、制御部21は、外部装置との間でデータ通信を行うための通信機器を備えていてもよい。通信機器としては、LANカードやモデムなどがある。それにより、制御部21は、外部のデータベースから各種の情報を取得したり、データベースに情報を登録させたりすることができる。また、検査装置等の眼科装置から情報を取得したり、眼科装置に情報を送信したりすることができる。
(表示部)
表示部22は、制御部21により制御されて各種の情報を表示する。表示部22は、LCDやCRTディスプレイ等の任意の表示デバイスを含んで構成される。
(操作部)
操作部23は、オペレータが角膜観察装置100を操作したり、各種の情報を入力したりするために用いられる。操作部23は、マウス、キーボード、ジョイスティック、トラックボール、専用のコントロールパネル等の任意の操作デバイスや入力デバイスを含んで構成される。
(信号処理部)
信号処理部24は各種の信号を処理する。信号処理部24は、CPU等のマイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ等を含んで構成される。信号処理部24には、画像形成部241と解析部242が設けられている。
(画像形成部)
画像形成部241は、CCD16、17から出力された検出信号C、Cに基づいて、被検眼Eの画像、特に角膜Ecの水平方向の画像を形成する。この画像形成処理については後述する。画像形成部241は、この発明の「形成手段」の一例である。
(解析部)
解析部242は、画像形成部241により形成された画像を解析する。特に、解析部242は、角膜Ecの水平方向の画像を解析し、角膜Ecにおける画像の深度位置を特定する。解析部242は、この発明の「特定手段」の一例である。
解析部242には、細胞領域抽出部243、細胞情報生成部244、深度位置特定部245、異常判定部246及び記憶部247が設けられている。
(記憶部)
記憶部247は、関連情報247aを予め記憶している。記憶部247は、この発明の「記憶手段」の一例である。
関連情報247aは、角膜における深度位置と細胞の形態とを関連付ける情報である。ここで、細胞の形態には、細胞のサイズや形状などが含まれる。細胞のサイズは、径や周の長さ、面積等である。関連情報247aは、角膜の様々な深度位置、つまり角膜を構成する様々な層と、その深度位置(層)における細胞の形態とを対応付けている。
なお、角膜における深度位置は、角膜の基準位置(たとえば角膜表面)からの距離等の数値情報(座標情報)で定義してもよいし、角膜の層の名称や各層における深度(たとえば角膜実質層の表層、中層、深層など)など、角膜の深度方向における範囲で定義してもよい。
関連情報247aは、たとえば、角膜における様々な深度位置の画像を臨床的に取得し、これらの画像を基に角膜における深度位置と細胞の形態との統計的な対応付けを作成することにより得られる。
また、当該被検眼について過去に検査を実施した場合には、その検査結果を基に当該被検眼に固有の関連情報247aを作成することも可能である。その場合、被検眼(又は被検者)の識別情報とともに関連情報247aを格納し、識別情報を検索タグとして関連情報247aを適宜に読み出して使用できる。
角膜には、前述のように、角膜上皮層、ボーマン層、角膜実質層、デスメ膜、角膜内皮層が存在する。
角膜上皮層は、厚さが約50μmであり、5〜7層の細胞層により構成される。角膜上皮層には、表層細胞、翼細胞、基底細胞などが存在する。表層細胞は、角膜表面側から2〜3層に存在する。表層細胞は、厚さが約4μm、幅が約40μmの扁平形状の細胞である。表層細胞は、各層が交互に配列されて強固に結合しており(タイトジャンクションと呼ばれる)、外界からの影響から角膜を守っている。基底細胞は、厚さが約18μm、幅が約10μmの柱状の細胞である。翼細胞は、基底細胞と表層細胞の中間的な形状を有している。細胞分裂は基底細胞にて起こる。分裂した基底細胞は、角膜表面方向に向かって進行しつつ序々に扁平化していく。このように、角膜上皮層に含まれる細胞は、角膜表面からの深さに応じて特徴的な形態を有している。
ボーマン層は、12μm程度の均一な厚さの層であり、コラーゲン線維が不規則に配列したフェルト状の構造を有する。
角膜実質は、角膜厚の約90%を占める。角膜実質は、規則的に配列した約200層に及ぶコラーゲン繊維の層板と、コラーゲン繊維の間隙を埋めるように存在するプロテオグリカン及びこれをはじめとする細胞外マトリックスの構成成分の産生能を持つ実質細胞により構成される。
コラーゲンは、I型が主成分であるが、コラーゲン繊維の等間隔配列を維持するIV型も含まれている。このようなコラーゲン繊維の均質性により、角膜の透明性が確保されている。なお、角膜浮腫等においては、コラーゲン繊維の均質性が崩れて混濁が生じる。
実質細胞は、あたかも触手を伸ばしたような形状の長い突起を有し、各層毎に網目状の構造を形成している。実質細胞は、角膜表面からの深さが増すにつれて、サイズが大きく、個数が増え、密度が粗になっている。
デスメ膜は、角膜内皮細胞の基底膜であり、30〜40μm程度の層からなる。
角膜内皮細胞は、角膜の最深部に位置する単層の細胞である。角膜内皮細胞は、敷石状に均一に配列している。角膜内皮細胞の形状は、一般に5〜7角形、多くが六角形である。角膜内皮細胞は、通常、20μm程度の直径を有し、300〜350μm程度の面積を有する。
角膜内皮細胞は成人ではほとんど細胞分裂せず、細胞に異常が生じたときには、その周辺の細胞が拡大、変形、移動して欠損を修復する。このような構造により、角膜内皮細胞は、眼の前房側から角膜実質への水分の侵入を防ぐとともに、角膜実質と前房との間のポンプとして機能している。
続いて、角膜の病変について説明する。白内障手術後などに発生する内皮障害では、角膜内皮のポンプ機能が低下し、角膜実質に浮腫が生じる。この影響で、角膜実質の形態が変化し、更にはデスメ膜雛壁が生じる。
また、低眼圧状態においては、膨潤圧の影響で吸水圧が上昇し、角膜実質に浮腫が生じる。
また、高眼圧状態においては、眼圧により吸水圧が上昇する一方で膨潤圧が低下する。それにより、角膜内皮を介して侵入した水分は角膜実質を通過するが、強固に結合している表層細胞に阻まれ、結果として角膜上皮層に浮腫が生じる。
また、内皮障害と高眼圧の双方の状況下では、角膜実質の浮腫、デスメ膜雛膜、角膜上皮の浮腫が同時に生じることがある。
浮腫は、上記のように、角膜内に侵入した水分の貯溜により生じるものである。軽度の浮腫は、細胞サイズ(密度)の変化や、均一性の乱れによる軽度の混濁など、比較的小さな形態変化として観察される。重度の浮腫は、混濁や剥離などのように、比較的大きな形態変化として観察される。
以上のように、角膜の病変は、その原因に応じた特有の形態で観察される。記憶部247には、このような病変を判定するための情報として、細胞の識別情報と細胞の形態とを対応付ける対応情報247bが予め記憶されている。
対応情報247bには、角膜の細胞の形態の許容範囲が含まれている。この許容範囲は、正常な細胞における形態の許容範囲を表す。対応情報247bは、角膜の細胞の識別情報(名称等)と、その細胞の形態の許容範囲(正常形態情報)とを対応付ける。細胞の形態としては、たとえば、上記の説明のように、細胞のサイズ(厚さ、幅、断面積、体積、密度、周囲長、径など)や、細胞の形状(厚さと幅の比、六角形、突起の有無など)や、細胞の結合形態(タイトジャンクションなど)がある。
なお、対応情報247bには、角膜観察装置100の用途などに応じて、前述した様々な細胞のうちの少なくとも一つ以上についての許容範囲が含まれていれば十分である。
対応情報247bは、たとえば、正常眼について多数の形態データを臨床的に取得し、それらの平均値、中央値、標準偏差等の統計値を求めることにより生成できる。なお、新たな臨床データが得られた場合などには、対応情報247bを適宜に更新することが望ましい。
(細胞領域抽出部)
細胞領域抽出部243は、角膜Ecの(水平方向の)画像を構成する画素の画素値に基づいて、細胞の画像領域を抽出する。細胞領域抽出部243は、この発明の「抽出手段」の一例である。
一般に、OCT装置で取得した角膜の画像においては、細胞の境界領域が高い輝度を有し、細胞の内部領域が低い輝度を有する。これは、細胞の境界領域での散乱が内部領域での散乱よりも大きいことに起因する。
細胞領域抽出部243は、このような特性に基づいて予め設定された閾値に基づいて、細胞の境界領域に相当する画像領域を特定することにより、細胞の画像領域を抽出することができる。
なお、細胞の画像領域を抽出する処理は、上記の例に限定されるものではなく、画像から目的領域を抽出するための任意の公知技術を適用することが可能である。たとえば二値化処理やフィルタ処理などを用いることができる。
画素値は、モノクロ画像の場合には輝度値であり、カラー画像の場合にはRGB値である。OCT装置で取得される画像は一般にモノクロ画像である。なお、輝度値の分布に基づいて擬似的なカラー画像を形成する場合もある。
(細胞情報生成部)
細胞情報生成部244は、細胞領域抽出部243により抽出された画像領域に基づいて、細胞情報を生成する。細胞情報生成部244は、この発明の「生成手段」の一例である。細胞情報は、角膜Ecの細胞に関する情報である。
この実施形態では、角膜Ecの形態情報を細胞情報として生成する。形態情報は、角膜Ecの細胞の形態、すなわち細胞のサイズや形状等の情報を含む。
特に、細胞情報生成部244は、関連情報247aに含まれる細胞の形態と同じ種類の情報を生成する。たとえば、関連情報247aが深度位置と細胞の面積とを関連付ける情報である場合、細胞情報生成部244は、細胞の画像領域に基づいて細胞の面積を求めて形態情報とする。
細胞のサイズは、画像の倍率を参照して算出される。倍率の情報は、画像取得時に設定される。倍率が既知であると、画像中の距離の尺度(単位距離)や画素間隔を取得できる。径や周は、単位距離や画素間隔に基づいて容易に算出できる。
細胞の画像領域の面積は、たとえば単位面積に含まれる画素数をカウントして単位面積画素数を取得しておくとともに、細胞の画像領域内の画素数をカウントし、この画素数を単位面積画素数で除算することにより算出できる。また、通常の積分演算を行って面積を求めることも可能である。
他方、関連情報247aが深度位置と細胞の形状とを関連付ける情報である場合、細胞情報生成部244は、細胞の画像領域に基づいて細胞の形状を求めて形態情報とする。
細胞の形状(水平方向の断面形状など)は、たとえば、上記の細胞の境界領域の画像領域を細線化してワイヤモデルを作成し、このワイヤモデルに基づいて求めることができる。
なお、このようなワイヤモデルは、一般に、複数の細胞の境界領域を含んでいる。単一の細胞の境界領域は、内部にワイヤモデルの一部を含まないループ状の画像領域を探索することで特定可能である。
また、形状の決定は、たとえば、ループ状の画像領域上の各位置における微分係数を演算して行うこともできるし、パターンマッチング処理などを用いて行うこともできる。
細胞情報は、複数の細胞の画像領域に対して統計処理を行って求めることが望ましい。すなわち、画像中には多数の細胞の画像領域が存在しており、各細胞の画像領域は様々な形態を有している。したがって、1つの細胞の形態から形態情報を作成しても、この形態情報の信頼性は低くなる。そこで、複数の細胞の画像領域のそれぞれの形態を求め、これら複数の形態に対して統計処理を実施して平均値や標準偏差(分散)や最頻値や中央値などを求め、それに基づいて細胞情報を生成することが望ましい。
細胞のサイズを考慮する場合、各細胞のサイズを求め、サイズの平均値等を演算し、この平均値等を当該画像についての細胞のサイズとして採用することができる。
また、細胞の形状を考慮する場合、各細胞の形状を求め、最多の形状等を求め、この最多の形状等を当該画像についての細胞の形状として採用することができる。
複数の細胞について形態を求めた場合、その形態の分布情報を形態情報に含めるようにしてもよい。この分布情報は、当該画像中における細胞形態の位置的分布を表すものであってもよいし、細胞形態を分類したヒストグラムのような定量的分布であってもよい。
(深度位置特定部)
深度位置特定部245は、角膜Ecの細胞情報(形態情報)に基づいて、角膜Ecにおける画像の深度位置を特定する。より具体的に説明すると、深度位置特定部245は、形態情報が表す角膜Ecの細胞の形態に対応する深度位置を関連情報247aから選択し、当該画像の深度位置とする。
たとえば、角膜上皮層はそれぞれサイズの異なる基底細胞、翼細胞、表層細胞により構成されているため、その深度位置はサイズを考慮することにより特定できる。また、角膜内皮細胞の多くは六角形であるので、その深度位置は形状を考慮することにより特定できる。
(異常判定部)
異常判定部246は、角膜Ecの細胞情報に基づいて、角膜Ecの細胞の異常の有無を判定する。異常判定部246は、この発明の「判定手段」の一例である。
細胞の異常の判定方法の例を説明する。前述のように、記憶部247には、角膜の細胞の識別情報と、細胞の正常形態情報とを対応付ける対応情報247bが記憶されている。
異常判定部246には、細胞情報生成部244により生成された形態情報と、深度位置特定部245により特定された深度位置とが入力される。ここで、深度位置は、細胞の識別情報と同義である。すなわち、一の深度位置には一の細胞の識別情報が対応し、一の細胞の識別情報には一の深度位置が対応する。
異常判定部246は、まず、特定された細胞の識別情報に対応する正常形態情報を特定する。次に、異常判定部246は、生成された形態情報に示す角膜Ecの形態(サイズや形状)が当該正常形態情報(許容範囲)に含まれるか否か判定する。含まれる場合、異常判定部246は、当該細胞は正常であると判定する。一方、含まれない場合には、異常判定部246は、当該細胞に異常があると判定する。
複数の細胞の形態の分布情報が形態情報として得られた場合、異常判定部246は、この分布情報に基づいて異常の有無を判定することが可能である。たとえば、角膜内皮層の画像について、六角形以外の細胞の個数が所定値を超える場合に「異常あり」と判定するように構成できる。また、細胞のサイズの分布についても、正常サイズの範囲を外れた細胞の個数が所定数を超える場合に「異常あり」と判定するように構成できる。
[動作態様]
角膜観察装置100の動作態様を図3を参照して説明する。
まず、被検眼Eを所定の計測位置に配置させ、被検眼Eに対する装置光学系の位置合わせ(アライメント)を行う(S1)。
次に、角膜Ecの水平方向の断層画像を形成する(S2)。以下、画像の形成動作を説明する。
オペレータが操作部23を用いて所定の計測開始操作を行うと、制御部21は、ハロゲンランプ1を点灯させる。この動作態様では、ハロゲンランプ1を点灯させた状態にして、広帯域光Mの連続光を出力する。
次に、制御部21は、参照鏡移動機構10を制御して参照光Rの光路長を第1の光路長にする。第1の光路長は、角膜Ecの第1の深度位置(z座標値)に対応している。制御部21は、各CCD16、17の露光時間を制御する。CCD16、17は、それぞれ、干渉光検出信号C、Cを出力する。
次に、制御部21は、参照鏡移動機構10を制御して参照光Rの光路長を第2の光路長に切り替える。第2の光路長は、角膜Ecの第2の深度位置に対応している。制御部21は、各CCD16、17の露光時間を制御して新たな検出信号C′、C′を出力させる。
ここで、第1の光路長と第2の光路長は、検出信号Cと検出信号C′とが位相差180度(π)を有し、かつ、検出信号Cと検出信号C′とが位相差180度(π)を有するような距離間隔となるようにあらかじめ設定されている。なお、検出信号C、Cは位相差90度を有しているので、位相差90度ごとの4つの検出信号C、C、C′、C′が得られたことになる。
画像形成部241は、検出信号C、C′(位相差180度)を加算し、その和を2で除算することにより、背景光成分I(x、y)+I(x、y)を演算する。この演算処理は、検出信号C、C′(位相差180度)を用いて行ってもよい。
更に、画像形成部241は、背景光成分I(x、y)+I(x、y)を各検出信号C、Cから除算して干渉成分(cos成分、sin成分)を求める。そして、画像形成部241は、各検出信号C、Cの干渉成分の二乗和を演算することによりxy方向(水平方向)の断面における画像を形成する。なお、この処理は、検出信号C′、C′(位相差180度)を用いて行ってもよい。
制御部21は、参照光Rの光路長を変更して上記の処理を反復することにより、角膜Ecの様々な深度位置におけるxy断面画像を順次に形成する。それにより、たとえば表層細胞、翼細胞、基底細胞、ボーマン層、角膜実質の各種深度位置などの画像が得られる。
なお、この処理において、制御部21は、CCD16、17を所定のフレームレートでかつ同じタイミングで検出信号を出力するように制御するとともに、このフレームレートと、各CCD16、17の露光タイミングと、参照鏡9の移動タイミングと、参照光Rの光路長の変更タイミングとを同期させる。
このとき、各CCD16、17の露光時間は、フレームレートよりも短く設定される。たとえば、CCD16、17のフレームレートを30f/sに設定し、露光時間を30〜50μs程度に設定することができる。
また、中心波長760nm程度で波長幅100nm程度の広帯域光Mを用いることにより、数μm程度の分解能の画像を取得することができる。たとえば、広帯域光Mの波長をガウス型と仮定し、被検眼Eの屈折率をn=1.33としたときの分解能の理論値は約1.8μmとなる。
このようにして取得された角膜Ecの画像は、たとえば記憶部247に記憶される。
また、制御部21は、たとえば操作部23に対する操作に応じて、角膜Ecの水平方向の断層画像を表示部22に表示させる。
角膜Ecの断層画像が形成されたら、細胞領域抽出部243は、この断層画像を構成する画素の画素値に基づいて、細胞の画像領域を抽出する(S3)。
次に、細胞情報生成部244は、抽出された画像領域に基づいて、細胞情報(形態情報)を生成する(S4)。
続いて、深度位置特定部245は、角膜Ecの細胞情報(形態情報)と関連情報247aとに基づいて、角膜Ecにおける画像の深度位置を特定する(S5)。
制御部21は、深度位置の特定結果を表示部22に表示させる(S6)。この特定結果は、たとえば角膜の層の名称を表す文字列である。また、角膜の深度方向の断面のモデル画像(各種の層を描画した画像)を表示させるとともに、特定結果の層を明示的に表示させることも可能である。それにより、オペレータは、当該画像(水平方向の断層画像)の深度位置を把握できる。
次に、異常判定部246は、角膜Ecの深度位置及び細胞情報に基づいて、角膜Ecの細胞の異常の有無を判定する(S7)。
制御部21は、異常の有無の判定結果を表示部22に表示させる(S8)。この判定結果は、たとえば判定結果を表す文字列や画像である。なお、特に判定結果が「異常あり」である場合には、アラーム音等の音声情報を出力するようにしてもよい。それにより、オペレータは、当該深度位置における細胞の異常の有無を把握できる。以上で、角膜観察装置100の動作態様の説明を終了する。
[作用・効果]
角膜観察装置100の作用及び効果について説明する。
角膜観察装置100は、角膜Ecの細胞の画像を形成し、この画像に表される細胞の形態を解析することにより角膜Ecにおける当該画像の深度位置を特定することができる。したがって、角膜観察装置100によれば、角膜Ecにおける画像の深度位置を把握することが可能である。
特に、角膜の深度位置としては、画像に表される細胞の種類、すなわち細胞の層を特定することができる。これは、角膜が前述の多層構造からなり、層の深さに応じて細胞の種類が異なることを利用することで実現される。このように細胞の層を特定することにより、角膜のどの層や膜の画像が取得されたか把握することが可能になる。
また、角膜観察装置100は、画像中の細胞の画像領域に基づいて細胞情報(形態情報)を生成し、この細胞情報に基づいて画像の深度位置を特定するようになっている。したがって、細胞の特徴的な形態を利用することにより画像の深度位置を高い確度で特定することができる。
また、角膜観察装置100によれば、複数の細胞の画像領域に対して統計処理を行って細胞情報を生成することができるので、高確度の細胞情報を生成でき、画像の深度位置を高い確度で特定することが可能である。
また、角膜観察装置100によれば、細胞情報に基づいて角膜Ecの細胞の異常の有無を判定することができる。それにより、角膜の診療を支援することが可能である。
更に、角膜観察装置100により得られる画像は、細胞レベルの微細構造を描写するものであるから、細胞レベルでの異常の検出を可能とすることにより、角膜疾患の早期発見が期待できる。
なお、角膜観察装置100による異常の判定結果は、確定的な診断結果ではなく、あくまでも異常の有無の可能性を呈示するものに過ぎない。最終的な診断結果は、一般に、画像やその他の検査の結果などに基づいて医師により下される。
角膜観察装置100は、細胞レベルの異常を検出するために、角膜の細胞の形態の許容範囲(形態情報247b)を予め記憶し、検査により得られた角膜Ecの形態が許容範囲に含まれるか否か判断することで、細胞の異常の有無を判定するように作用する。
また、角膜観察装置100は、干渉計を用いたOCT装置を搭載しているので、高分解能、高感度の計測が可能である。また、広帯域の微弱な光を照明光に用いることから、被検眼Eに対する安全性も高い。
更に、角膜観察装置100は、フルフィールド型のOCT装置を搭載しているので、他の装置を用いる場合よりも高い分解能の画像を取得することができる。それにより、角膜Ecの微細構造を極めて詳細に観察できるという利点がある。
また、角膜観察装置100によれば、干渉光Lの2つの偏光成分L1、L2を同時に取得することができることから、計測時間の短縮を図ることができる。特に、位相の異なる4つの検出信号C、C、C′、C′を2回の計測で取得して画像を形成するように構成されているので、計測時間を短縮することが可能である。
また、参照光Rの光路長を切り替えるだけで、検出信号C、Cの取得と、検出信号C′、C′の取得とを容易にかつ迅速に切り替えることができるので、計測時間を短縮することが可能である。
なお、前述のように、角膜Ecによる信号光Sの反射や散乱の状態は、輝度値の大小に反映される。したがって、この実施形態のようにCCDを2つ設ける代わりに、CCDを1つだけ設けた構成を適用することも可能である。この場合、偏光特性を変換したり、偏光成分を分割したりする必要はない(つまり、そのための構成部分は不要である)。CCDを2つ設ける場合、後述のように計測時間を短縮できるという利点があるので、生体眼を検査する場合などに有利である。一方、CCDを1つだけ設ける場合、装置の構成を簡素化できるという利点がある。
また、角膜観察装置100によれば、参照光Rと信号光Sとの光路長差を変更することにより、角膜Ecの様々な深度位置の画像を容易に取得できる。特に、上記の動作態様のように計測を実施することにより、様々な深度位置の画像を迅速に取得することが可能である。
角膜観察装置100によれば、複数の深度位置の断層画像を取得した場合、各断層画像の深度位置を特定することが可能である。そのために、各断層画像について上記の処理を実行して深度位置を特定することができる。また、隣接する断層画像の間隔が既知である場合には、一つの断層画像の深度位置を上記処理で特定し、他の断層画像については、特定された深度位置と画像間隔とに基づいて深度位置を特定することができる。
また、角膜観察装置100によれば、干渉光Lの2つの偏光成分L1、L2を同時に検出でき、2つの偏光成分L1、L2の検出時間の誤差が無いことから、被検眼Eの動きの影響を受けることなく確度の高い画像を形成することが可能である。
また、無偏光の広帯域光Mを用いることにより、光学系の構成が容易になるという利点もある。すなわち、直線偏光等の偏光状態の広帯域光を用いる場合、ビームスプリッタやレンズを経由するときに広帯域光の偏光状態が影響を受けることがあることから、偏光状態を維持するための光学系の構成が難しいという問題があったが、無偏光の広帯域光Mを用いることにより光学系の構成を容易化することができる。
また、光出力手段として熱光源を用いたり、光ファイババンドルを用いたりすることにより、無偏光の広帯域光を容易に得ることが可能である。ランダム偏光の広帯域光を出力するレーザ光源を用いる場合においても、ランダム偏光の広帯域光を容易に得ることが可能である。
また、信号光S及び参照光Rの光路(干渉計の両アーム)にて発生する分散の影響を最小にする分散補正光学素子としてのガラス板7を設けることにより、信号光Sと参照光Rとの分散の相違を解消することができ、信号光Sが含む情報を好適に反映した干渉光Lを効率的に取得することが可能である。
また、CCD16、17の露光時間を短く設定して計測を行うことにより、計測中に被検眼Eが動いた場合であっても、その動きの影響を受けることなく確度の高い画像を形成することが可能である。
[変形例]
以上で説明した実施形態は、この発明に係る角膜観察装置を実施するための一具体例に過ぎない。よって、この発明の要旨の範囲内における任意の変形を適宜に施すことが可能である。以下、上記の角膜観察装置100と同様の構成部分については同じ符号を用いて説明する。
〔第1の変形例〕
上記の実施形態では、角膜の細胞の形態を表す形態情報を細胞情報として用いたが、細胞情報はこれに限定されるものではない。この変形例では、他の細胞情報を用いる例について説明する。
細胞領域抽出部243は、上記の実施形態と同様に、角膜Ecの画像から細胞の画像領域を抽出する。細胞情報生成部244は、この画像領域に基づいて、角膜Ecの細胞の密度を表す密度情報を生成して細胞情報とする。
前述のように、角膜の各種細胞は、それぞれ特徴的なサイズ(水平方向の断面積)を有している。密度情報は、画像中の単位面積内における細胞の個数を求めることで得られる。この処理は、画像中に単位面積の領域を適宜に設定し、この領域内の細胞数をカウントすることで実現できる。また、画像中の任意領域(たとえば画像全体)の面積を求め、当該任意領域内の細胞数をカウントし、当該カウント値を当該面積で除算することでも実現できる。
なお、密度情報を生成する場合にも、画像中の様々な領域で細胞密度を求めて統計的に処理することが望ましい。
また、この変形例における関連情報247aは、角膜における深度位置と細胞の密度とを関連付ける情報である。この関連情報247aも、事前に作成されて記憶部247に記憶される。
深度位置特定部245は、角膜Ecの密度情報が表す密度に対応する深度位置を関連情報247aから選択し、この選択された深度位置を当該画像の深度位置とする。
このように構成することにより、角膜Ecにおける画像の深度位置を把握することが可能となる。特に、特徴的な細胞密度を利用することにより、画像の深度位置を高い確度で特定できる。
〔第2の変形例〕
上記の実施形態に係る角膜観察装置100は、角膜の深度方向に直交する断面の断層画像(水平方向の断層画像)に基づいて、この断層画像に表される角膜の深度位置を特定したり、細胞レベルの異常の有無を判定したりするものであった。
この変形例では、角膜の深度方向に沿った断面の断層画像(深度方向の断層画像)に基づいて深度位置の特定や異常の有無の判定を行う角膜観察装置について説明する。深度方向の断層画像は、水平方向の断層画像に直交する断面の画像である。
この変形例の角膜観察装置は、上記実施形態と同様に構成される。すなわち、この角膜観察装置は、参照鏡9を移動させることにより、角膜の様々な深度位置での水平方向の断層画像を取得することができる。
複数の深度位置における水平方向の断層画像が取得された場合、画像形成部241は、これらの断層画像に基づいて、深度方向の断層画像を形成する。
この処理の例を説明する。まず、必要に応じ、画像形成部241は、隣接する水平方向の断層画像の間の画素を補完する。次に、画像形成部241は、複数の水平方向の断層画像に基づいてボリュームデータを生成する。ボリュームデータは、3次元的な画素であるボクセルにより定義される画像データである。続いて、画像形成部241は、深度方向に沿った断面に位置するボクセルをボリュームデータから選択し、これらのボクセルに基づいて目的の断層画像を形成する。また、ボリュームデータを生成する代わりに、複数の水平方向の断層画像を3次元座標系に配置した画像データ(スタックデータなどと呼ばれる)に基づいて深度方向の断層画像を形成するようにしてもよい。ここで説明した処理は公知である。
なお、深度方向の断面位置は、画像形成部241が指定してもよいし、オペレータが手作業で指定してもよい。前者の場合としては、たとえば後述の第3の変形例のように、過去に指定された断面位置を自動的に設定することができる。また、所定の断面位置(たとえば角膜頂点を通過する断面など)を自動的に設定するようにしてもよい。一方、後者の場合には、たとえばボリュームデータをレンダリングして得られる擬似的な3次元画像を表示部22に表示させ、この擬似的な3次元画像上に操作部23を用いて断面位置を設定するように構成できる。
記憶部247には、角膜の深度方向の断面の形態と、角膜の深度位置とを関連付ける関連情報247aが予め記憶されている。この関連情報247aは、たとえば、断面の細胞層の厚さや配列パターン(層の並びの形態)と、角膜の深度位置とを関連付ける。また、角膜の特徴的な深度位置からの距離(深さ)と、細胞層の識別情報とを関連付ける関連情報247aを用いてもよい。また、関連情報247aは、深度方向の断面における細胞の形態(断面サイズや断面形状)と、角膜の深度位置とを関連付けるものであってもよい。ここで、角膜の特徴的な深度位置としては、たとえば、角膜表面や角膜内皮層などを採用できる。
また、記憶部247には、対応情報247bも予め記憶されている。対応情報247bは、たとえば、深度方向の断面における細胞の形態(断面サイズや断面形状)の許容範囲を含んでいる。また、対応情報247bは、深度方向の断面における細胞層の形態(層の厚さや配列パターン)の許容範囲を含んでいてもよい。配列パターンの許容範囲としては、たとえば層の数などがある。
細胞情報生成部244は、深度方向の断層画像に表される細胞の断面の形態情報(サイズ、形状等)や、この断層画像に表される細胞層の形態情報(層の厚さ、層の配列パターン等)を含む細胞情報を生成する。その生成方法は、上記の実施形態と同様である。
深度位置特定部245は、細胞情報に含まれる形態情報と関連情報247aとに基づいて、当該断層画像に描写された細胞層(少なくとも一つ)の深度位置を特定する。この処理は、上記の実施形態と同様にして行うことができる。
なお、深度方向の断層画像に基づいて深度位置を特定する代わりに、元の水平方向の断層画像の計測位置(参照鏡9の位置)に基づいて深度位置を特定することも可能である。この処理は、水平方向の断層画像が定義された2次元座標系と、スタックデータやボリュームデータが定義された3次元座標系との対応付け(前者の後者への埋め込み態様など)に基づいて実行できる。
異常判定部246は、まず、特定された深度位置に対応する許容範囲を対応情報247bから選択する。次に、異常判定部246は、細胞情報に含まれる細胞層の細胞の断面の形態や細胞層の形態情報が、当該許容範囲に含まれるか否か判断する。それにより、当該細胞層における異常の有無が判定される。
この変形例によれば、深度方向の断面における細胞の形態に基づいて、深度方向の断層画像中の細胞層の深度位置を特定することが可能である。
また、この変形例によれば、深度方向の断面における細胞の形態に基づいて、角膜の異常の有無を判定することが可能である。
なお、この変形例に係る処理を上記実施形態の処理とともに実行すれば、水平方向及び深度方向の両方向の断面の細胞の形態から深度位置を特定することができるので、深度位置を特定する処理の確度の向上を図ることができる。同様に、角膜の異常の有無の判定についても、確度の向上を図ることが可能である。
以上では、深度方向の断層画像を用いる変形例について説明したが、任意の断面方向の断層画像を用いて同様の処理を行うことも可能である。断面の指定方法についても、深度方向のケースと同様に自動又は手作業で行うことができる。
また、複数の断面方向における細胞の断面形態や細胞層の形態に関する関連情報247aや対応情報247bを予め記憶しておくこともできる。その場合、断面方向に応じた情報を選択し、その情報を用いて上記と同様の処理を実行して深度位置の特定や異常の有無の判定を行う。
〔第3の変形例〕
この変形例に係る角膜観察装置は、異なる日時(少なくとも時刻が異なる)に取得された細胞情報を比較することで角膜の異常の有無を判定する。この変形例は、たとえば経過観察のように、同じ被検眼に対して複数回の検査を実施する場合に有効である。
この変形例に係る角膜観察装置は、細胞情報を格納する格納手段を備える。格納手段としては、たとえば記憶部247が用いられる。また、角膜観察装置にネットワーク経由で接続された記憶装置を格納手段として用いることも可能である。また、メディア(及びドライブ装置)を格納手段として用いることも可能である。メディアとしては、光ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなど、任意の記憶媒体を用いることが可能である。角膜観察装置には、使用メディアに応じたドライブ装置が搭載される。
細胞情報は、たとえば、患者ID、検査日時、深度位置の特定結果、異常の判定結果等の付帯情報とともに記憶部247に格納される。これらの付帯情報も含めて「細胞情報」と呼ぶことにする。
細胞情報生成部244により新たな細胞情報が生成されると、深度位置特定部245は、新たな細胞情報に基づいて、当該画像に表される角膜の深度位置を特定する。
次に、異常判定部246は、たとえば、新たな細胞情報に関わる患者ID(既に入力されている)と同じ患者IDが付帯された細胞情報を記憶部247から検索する。ここで検索対象となる細胞情報は、新たな細胞情報と同じ深度位置の細胞情報である。
複数の細胞情報が検索された場合、たとえば、制御部21は、検索結果のリストを表示部22に表示させる。このとき、各付帯情報に含まれる検査日時を参照して、日時に応じた順序(昇順/降順)で検索結果を表示する。なお、表示される情報は、検査日時を含んでいれば十分である。オペレータは、操作部23を操作して、新たな検査結果の比較対象となる細胞情報を指定する。
なお、このように手作業で比較対象を指定する代わりに、前回の検査(新たな細胞情報と同じ深度位置の画像を取得した検査)で取得された細胞情報を自動的に選択するように構成してもよい。これは、経過観察等において、前回の検査結果と今回の検査結果とを比較することが多いことによる。
異常判定部246は、比較対象となる過去の細胞情報を記憶部247から取得する。そして、異常判定部246は、この過去の細胞情報と新たな細胞情報とを比較し、角膜の形態の変化を判定する。
この処理では、たとえば、各細胞情報に基づいて異常の有無を判定し、双方の判定結果が同一であるか相違するかにより、当該深度位置における細胞の変化を判定する。このとき、過去の判定結果が「異常なし」、かつ、新たな判定結果が「異常あり」の場合には、細胞の状態が悪化したと判定できる。また、逆の場合には、細胞の状態が好転したと判定できる。それ以外の場合には、細胞の状態に変化はないと判定できる。なお、過去の細胞情報の付帯情報に異常の有無の判定結果が含まれている場合には、今回新たに判定し直す必要はない。
他の判定処理として、当該深度位置における細胞の変化として、細胞の異常の度合いの変化を判定することも可能である。より具体的に説明すると、まず、各細胞情報と対応情報247bに基づいて細胞の形態の異常の度合いを求める。この処理では、たとえば、細胞情報に示す細胞の形態(サイズ、形状)の許容範囲からの変位を求める。次に、過去の変位と今回の変位とを比較して、当該深度位置における細胞の異常の度合いの変化を判定する。この処理では、たとえば、過去の変位量と今回の変位量とを比較して、当該細胞の時間的な変化を判定する。
この変形例によれば、細胞の形態の時間的な変化を容易に判定することができる。それにより、細胞の異常の度合いの変化、たとえば病態の進行度合いや治療効果の度合いなどを判定することができる。
〔第4の変形例〕
この変形例に係る角膜観察装置は、画像を構成する画素の画素値に基づいて、角膜における画像の深度位置を特定するものである。
また、角膜観察装置により取得された画像において、角膜の異常部位と正常部位は異なる態様で描写される。たとえば浮腫が生じている部位は、正常な部位よりも明るく(つまり高い輝度値で)描写される。この変形例は、このような画素値の違いに着目して角膜の異常を検出するものである。
そのために、角膜における深度位置と画像の画素値とを関連付ける関連情報247aを予め記憶部247に記憶しておく。関連情報247aは、たとえば臨床的に取得されたデータに基づいて作成される。関連情報247aは、たとえば画素値の閾値(許容範囲など)として定義される。
また、記憶部247bには、角膜における深度位置と画素値の許容範囲とを対応付ける対応情報247が予め記憶される。対応情報247bは、たとえば臨床的に取得されたデータに基づいて作成される。対応情報247bは、たとえば、画素値の閾値(許容範囲など)として定義することもできるし、正常部位の画素値と異常部位の画素値との比較値(比など)として定義することもできる。
解析部242は、角膜Ecの水平方向の断層画像を解析し、この断層画像を構成する画素の画素値に対応する深度位置を関連情報247aから選択し、角膜Ecにおける当該断層画像の深度位置とする。
このとき、たとえば上記の細胞領域抽出部243と同様に、細胞の画像領域を断層画像から抽出し、この画像領域(細胞の境界領域や内部領域)内の画素の画素値を用いて目的の画素値を求めることが可能である。この場合、関連情報247aは、抽出される画像領域の画素値と、角膜の深度位置とを関連付けるように予め形成される。
また、画像を構成する画素の画素値に対して統計処理を行い、その結果に基づいて画像の深度位置を特定するようにしてもよい。
また、解析部242(異常判定部246)は、画像を構成する画素の画素値に基づいて角膜Ecの細胞の異常の有無を判定することも可能である。この判定処理は、特定された深度位置に対応する許容範囲等を対応情報247bから取得し、当該画像(又はその一部領域)の画素値が当該許容範囲等に含まれるか判断することにより実現できる。
この変形例によれば、上記実施形態のように細胞の特徴的な形態の代わりに、画像の画素値を考慮して深度位置を特定することができる。また、この変形例によれば、たとえば浮腫のように画素値に反映される角膜の異常を検出することが可能である。
〔その他の変形例〕
以上においては、主として角膜の異常の有無を判定する構成を説明したが、異常の度合いを判定することも可能である。この変形例においては、異常判定部246は、たとえば、細胞の形態(サイズ、形状)の許容範囲からの変位を求め、この変位の大きさに基づいて異常の度合いを判定するように構成される。
このとき、変位の大きさ自体を異常の度合いとすることもできるし、変位の大きさと異常の度合いとを予め対応付けておき(対応情報247b)、この対応付けを基に異常の度合いを求めることもできる。
なお、変位の大きさだけでなく、変位の方向(許容範囲よりも大きい/小さい等)を加味して判定を行うことも可能である。
この発明に係る角膜観察装置は、異常があると判定された細胞のサイズを計測する計測手段を備えていてもよい。計測手段は、たとえば解析部242を含んで構成される。この計測処理は、たとえば、画像の倍率等に基づいて当該画像における単位距離(たとえば画素の間隔)を求め、この単位距離を基に細胞のサイズを求める。このとき、一つの細胞のサイズを求めてもよいし、異常と判定された細胞群の領域全体のサイズを求めてもよい。
この発明に係る角膜観察装置は、深度位置特定部245により特定された深度位置と、異常判定部246による判定結果とを出力する出力手段を備えていてもよい。出力手段の例としては、たとえば、深度位置及び判定結果を表示する表示部22がある。また、制御部21がネットワーク経由で他の装置に情報を出力することも可能である。また、CD−R等のメディアに情報を出力して記録させることも可能である(ドライブ装置が搭載される)。また、プリンタにより情報を印刷出力することも可能である。
この発明に係る角膜観察装置は、画像形成手段と解析手段とを備えるものでもよい。画像形成手段は、被検眼に光を照射し、角膜を経由した光を検出し、この検出結果に基づいて角膜の細胞の画像を形成する。
画像形成手段は、たとえば、上記実施形態における画像形成部241と同様に構成される。解析手段は、画像形成手段により形成された画像に表される細胞の形態を解析し、角膜の細胞の異常の有無を判定する。
解析手段は、たとえば、上記実施形態における解析部242により構成される。ただし、当該構成においては、深度位置特定部245を備える必要はない。
この角膜観察装置を用いる場合には、角膜の一定の深度位置の画像を取得する。そのために、たとえば、一定の深度位置の画像が取得されるように、オペレータが参照鏡9の位置を調整する。
このような調整などを行うことで、画像に表された角膜の深度位置を特定しなくても、当該深度位置における細胞の異常の有無を判定することが可能である。
上述の角膜観察装置100は、参照光Rの偏光特性を変換するようになっているが、信号光Sの偏光特性を変換するようにしてもよい。その場合、信号光Sの光路上に波長板(λ/4板)、偏光板とガラス板を設ける。
上述の角膜観察装置100では、波長板4と偏光板5を用いて偏光特性の変換を行っているが、偏光特性を変換可能な任意の形態の変換手段を用いることが可能である。また、上述の構成では、参照光Rを円偏光に変換しているが、光画像形成装置の構成によっては、参照光R又は信号光Sを任意の偏光特性(直線偏光、楕円偏光)に変換するように構成することも可能である。
上述の角膜観察装置100では、ガラス板7を用いて干渉計の両アームにて発生する分散を補正しているが、分散の補正が可能な任意の形態の光学素子等の分散補正光学素子を適用することも可能である。
上述の角膜観察装置100では、検出手段としてCCD16、17を用いているが、たとえばCMOS等の任意の2次元光センサアレイを検出手段として適用できる。
上述の角膜観察装置100では、広帯域光の連続光を用いるとともに、CCD16、17の露光時間を短時間にすることで、被検眼Eの動きなどに対処しているが、このような構成に限定されるものではない。
たとえば、広帯域光(連続光)の光路上に光チョッパを配設し、この光チョッパによって広帯域光を周期的に遮断してパルス状の広帯域光を生成し、各パルスをCCD16、17で検出するようにしてもよい。
なお、光チョッパによる広帯域光の遮断周期は1ms程度であり、露光時間(30〜50μs程度)と比べて長い。したがって、被検眼Eの動きが速い場合などには露光時間を制御することが望ましい。
また、たとえばキセノンランプ等の光源を用いてフラッシュ光からなる広帯域光を出力し、各フラッシュ光をCCD16、17で検出するように構成してもよい。
また、上述の角膜観察装置100では、位相差90度の2つの検出信号C、C(C′、C′)一度の計測で取得するようになっているが、たとえば波長板4としてλ/2板を用いて位相差180度の2つの検出信号を取得するようにしてもよい。この場合、参照光Rの第1の光路長と第2の光路長は、第1の検出処理により得られる検出信号と第2の検出処理において得られる検出信号とが位相差90度を有するような距離間隔となるようにあらかじめ設定される。それにより、位相差90度ごとの4つの検出信号を取得することができる。
以上の実施形態等においては、マイケルソン型の干渉計を備えた光画像計測装置について説明したが、例えばマッハツェンダー型などその他の干渉計を採用することも当然に可能である。
また、干渉計の一部に光ファイバ(バンドル)を設けて導光部材として用いることにより、装置設計上の自由度を高めたり、装置のコンパクト化を図ったり、あるいは、被測定物体の配置の自由度を高めたりすることができる。
この発明に係る角膜観察装置は、以上に説明した実施形態や変形例の構成を任意に組み合わせたものであってもよい。これらの構成の組み合わせにより、各構成に特有の作用・効果を組み合わせた作用・効果を少なくとも有する角膜観察装置が形成される。
この発明に係る角膜観察装置の実施形態の全体構成の一例を表す概略図である。 この発明に係る角膜観察装置の実施形態の制御系の構成の一例を表す概略ブロック図である。 この発明に係る角膜観察装置の実施形態の動作態様の一例を表すフローチャートである。
符号の説明
100 角膜観察装置
1 ハロゲンランプ
2 フィルタ
3 ビームスプリッタ
4 波長板
5 偏光板
6、15 反射ミラー
7 ガラス板
8、11 対物レンズ
9 参照鏡
10 参照鏡移動機構
12 開口絞り
13 結像レンズ(群)
14 偏光ビームスプリッタ
16、17 CCD
20 コンピュータ
21 制御部
22 表示部
23 操作部
24 信号処理部
241 画像形成部
242 解析部
243 細胞領域抽出部
244 細胞情報生成部
245 深度位置特定部
246 異常判定部
247 記憶部
247a 関連情報
247b 対応情報

Claims (24)

  1. 被検眼に光を照射し、角膜を経由した前記光を検出し、この検出結果に基づいて前記角膜の細胞の画像を形成する画像形成手段と、
    前記画像に表される細胞の形態を解析し、前記画像に表される前記角膜の深度位置を特定する特定手段と、
    を備えることを特徴とする角膜観察装置。
  2. 前記特定手段は、前記深度位置として、前記画像に表される前記角膜の層を特定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の角膜観察装置。
  3. 前記特定手段は、前記画像中の少なくとも1つの細胞の画像領域を抽出する抽出手段と、前記画像領域に基づいて前記角膜の細胞の形態に関する細胞情報を生成する生成手段とを含み、前記細胞情報に基づいて前記画像の前記深度位置を特定する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の角膜観察装置。
  4. 前記特定手段は、前記細胞情報に基づいて前記角膜の細胞の異常の有無を判定する判定手段を含む、
    ことを特徴とする請求項3に記載の角膜観察装置。
  5. 前記画像形成手段は、前記角膜の深度方向に略直交する断面における前記角膜の2次元画像を形成し、
    前記生成手段は、前記2次元画像に表される細胞の断面の形態情報を含む前記細胞情報を生成し、
    前記判定手段は、前記形態情報に基づいて、当該断面における細胞の異常の有無を判定する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の角膜観察装置。
  6. 前記画像形成手段は、前記角膜の深度方向に略直交する複数の断面について前記角膜の2次元画像をそれぞれ生成し、当該複数の2次元画像に基づいて、前記深度方向に沿った断面における断層画像を形成し、
    前記生成手段は、前記断層画像に表される細胞の断面の形態情報、及び/又は前記断層画像に表される細胞層の形態情報を含む前記細胞情報を生成し、
    前記判定手段は、前記形態情報に基づいて、前記深度方向に沿った断面における細胞の異常の有無を判定する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の角膜観察装置。
  7. 前記判定手段は、角膜の細胞の形態の許容範囲を予め記憶し、前記細胞情報が表す形態が前記許容範囲に含まれるか否か判断し、含まれると判断されたときに前記角膜の細胞は正常であると判定し、含まれないと判断されたときに前記角膜の細胞は異常であると判定する、
    ことを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれか一項に記載の角膜観察装置。
  8. 前記判定手段は、角膜の複数の深度位置のそれぞれにおける前記許容範囲を予め記憶し、前記特定手段により特定された深度位置に対応する前記許容範囲を選択して前記判断を行う、
    ことを特徴とする請求項7に記載の角膜観察装置。
  9. 前記細胞情報を格納する格納手段を更に備え、
    前記判定手段は、前記生成手段により新たな細胞情報が生成されたときに、前記格納手段に過去に格納された細胞情報と前記新たな細胞情報とを比較して、前記角膜の細胞の形態の変化を判定する、
    ことを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれか一項に記載の角膜観察装置。
  10. 前記特定手段は、角膜における深度位置と細胞の形態とを関連付ける関連情報を予め記憶する記憶手段を含み、前記細胞情報が表す形態に対応する深度位置を前記関連情報から選択し、前記選択された深度位置を前記画像の前記深度位置とする、
    ことを特徴とする請求項3〜請求項9のいずれか一項に記載の角膜観察装置。
  11. 前記細胞の形態は、角膜の細胞のサイズ及び/又は形状を含む、
    ことを特徴とする請求項3〜請求項9のいずれか一項に記載の角膜観察装置。
  12. 前記生成手段は、前記画像領域に基づいて前記角膜の細胞の密度を表す密度情報を前記細胞情報として生成し、
    前記特定手段は、前記密度情報に基づいて前記画像の前記深度位置を特定する、
    ことを特徴とする請求項3〜請求項9のいずれか一項に記載の角膜観察装置。
  13. 前記特定手段は、角膜における深度位置と細胞の密度とを関連付ける関連情報を予め記憶する記憶手段を含み、前記密度情報が表す密度に対応する深度位置を前記関連情報から選択し、前記選択された深度位置を前記画像の前記深度位置とする、
    ことを特徴とする請求項12に記載の角膜観察装置。
  14. 前記抽出手段は、複数の細胞の画像領域を抽出し、
    前記生成手段は、前記複数の細胞の画像領域に対して統計処理を行って前記細胞情報を生成する、
    ことを特徴とする請求項3〜請求項13のいずれか一項に記載の角膜観察装置。
  15. 前記特定手段は、前記画像を構成する画素の画素値を基に前記細胞の形態を解析して前記画像の前記深度位置を特定する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の角膜観察装置。
  16. 前記特定手段は、角膜における深度位置と角膜の画像を構成する画素の画素値とを関連付ける関連情報を予め記憶する記憶手段を含み、前記画像形成手段により形成された画像を構成する画素の画素値に対応する深度位置を前記関連情報から選択し、前記選択された深度位置を前記画像の前記深度位置とする、
    ことを特徴とする請求項15に記載の角膜観察装置。
  17. 前記特定手段は、前記画像を構成する画素の画素値に対して統計処理を行い、前記統計処理の結果に基づいて前記画像の前記深度位置を特定する、
    ことを特徴とする請求項15又は請求項16に記載の角膜観察装置。
  18. 前記特定手段は、前記画像を構成する画素の画素値に基づいて前記角膜の細胞の異常の有無を判定する判定手段を含む、
    ことを特徴とする請求項15〜請求項17のいずれか一項に記載の角膜観察装置。
  19. 前記判定手段による判定結果と、前記特定手段により特定された前記画像の前記深度位置とを出力する出力手段を備える、
    ことを特徴とする請求項4又は請求項18に記載の角膜観察装置。
  20. 前記特定手段は、前記判定手段により異常があると判定された細胞のサイズを計測する計測手段を含む、
    ことを特徴とする請求項4又は請求項18に記載の角膜観察装置。
  21. 被検眼に光を照射し、角膜を経由した前記光を検出し、この検出結果に基づいて前記角膜の細胞の画像を形成する画像形成手段と、
    前記画像に表される細胞の形態を解析し、前記角膜の細胞の異常の有無を判定する解析手段と、
    を備えることを特徴とする角膜観察装置。
  22. 前記画像形成手段は、広帯域光を信号光と参照光とに分割し、角膜を経由した信号光と参照物体を経由した参照光とを重畳させて干渉光を生成する干渉光生成手段と、前記干渉光を検出する検出手段と、前記干渉光の検出結果に基づいて前記角膜の細胞の画像を形成する形成手段とを含むOCT装置である、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項21に記載の角膜観察装置。
  23. 前記干渉光生成手段は、所定ビーム径を有する前記信号光を前記角膜に照射し、所定ビーム径を有する前記干渉光を生成し、
    前記検出手段は、該干渉光を2次元の受光面により検出し、
    前記形成手段は、該信号光のビーム径に応じた前記角膜の領域の2次元画像を前記画像として形成する、
    ことを特徴とする請求項22に記載の角膜観察装置。
  24. 前記画像形成手段は、前記信号光と前記参照光との光路長差を変更する変更手段を含み、前記光路長差に応じた深度位置における前記角膜の画像を形成する、
    ことを特徴とする請求項22又は請求項23に記載の角膜観察装置。
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