JP2009019973A - 半導体圧力センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】p型半導体基板13aの一面の中央部に設けられる凹部により形成される薄膜のダイアフラム12aを有し、該ダイアフラム12aに対向する他面に形成されるN型島領域に形成されるp型領域であって圧力ゲージ14aを含むセンサ領域11aと、該センサ領域11aの外側の前記半導体基板13aに形成され、前記ダイアフラムで受けた外部圧力を変換した電気信号を増幅する回路を含む回路領域10aとを備える半導体圧力センサにおいて、前記回路領域10aが前記センサ領域の外側であってダイアフラム12aに対向する他面内に延在している半導体圧力センサとする。
【選択図】図1
Description
このような半導体圧力センサの公知技術として、前述の相対圧センサの他に、センサチップに、ダイアフラムと出力特性調整用抵抗とを備え、このセンサチップを台座に接合し、センサチップと台座との間に形成される基準圧力室に対して外部の印加圧力を、ダイアフラムに形成したピエゾ抵抗層により検出する絶対圧センサ構成のものが知られている(特許文献1)。
また、相対圧センサの場合、差圧を測定するため検出圧力レベルが小さいので、圧力ゲージをダイアフラムの最大応力歪を生じる位置に設置して高感度にすることが好ましい。エッチングで形成した平面形状が円形状のダイアフラムでは通常、最大応力歪が発生する点は中央ではなく、円周辺の近傍にあることが知られている。その結果、チップサイズを縮小させるために、単に、回路領域を圧力ゲージに近づける場合、限界距離を超えて近くなると、圧力ゲージの出力電圧と環境温度との関係が、温度上昇時と温度下降時とで、圧力ゲージの出力電圧の値が異なるという温度ヒステリシスが発生するという問題のあることが分かった。この温度ヒステリシスとは、たとえば、図3(b)の従来の半導体圧力センサチップの圧力ゲージ出力と環境温度との間の関係を示す出力温度特性図に示すように、25℃から−40℃へ下降させ、再び25℃に上昇させると、−40℃への下降前と−40℃からの上昇後の、それぞれの25℃における出力電圧に約80mVの差が生じ、正確な圧力測定ができなくなるという現象である。
本発明は、以上説明した点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的のひとつは同一のダイアフラム径、同一設計ルールの回路パターンを維持しながらチップサイズを縮小することのできる半導体圧力センサを提供することであり、さらには、同一のダイアフラム径、同一設計ルールの回路パターンを維持しながらチップサイズを縮小しても、環境温度とセンサ出力との間における温度ヒステリシスの発生しない半導体圧力センサを提供することである。
特許請求の範囲の請求項2記載の発明によれば、前記センサ領域内の前記圧力ゲージがホイートストンブリッジを構成するピエゾ抵抗素子であって、前記ダイアフラムの両面で受ける圧力の差圧を検出して電気信号に変換する特許請求の範囲の請求項1記載の半導体圧力センサとすることが好ましい。
特許請求の範囲の請求項3記載の発明によれば、前記センサ領域内の前記ピエゾ抵抗素子の端部から、圧力を変換した電気信号を処理するための前記回路領域に接続されている配線金属までの最短距離が180μm以上である特許請求の範囲の請求項2記載の半導体圧力センサとすることがより好ましい。
図1(a)、図2(a)、(b)は本発明にかかる圧力センサチップの要部断面図である。図3(a)、(b)は本発明にかかる圧力センサチップの圧力ゲージ出力(mV)と環境温度(℃)との間の関係を示す出力温度特性図である。図4は本発明の説明に用いる実験用ダイアフラムを有する半導体基板部分の断面図である。図5は本発明の説明に用いる圧力ゲージの温度ヒステリシス強度とゲージ−メタル間距離の関係図である。図7は図2(a)の断面図を拡大した圧力センサチップの要部断面図である。図8は本発明にかかるダイアフラムの表面側のセンサ領域の拡大平面図(a)およびセンサ領域内の圧力ゲージの等価回路図(b)である。
実施例1にかかる圧力センサチップのセンサ領域の拡大平面図である図8に示すように、破線で示すダイアフラムの範囲より内側にセンサ領域が形成されるので、破線とセンサ領域との間のダイアフラム上にも、図示しない回路領域が形成されることを示している。このセンサ領域の内側に形成される圧力ゲージには、LOCOS酸化膜17で囲まれた狭いp型領域におけるシート抵抗を利用したピエゾ抵抗素子Ra、Rb、Rc、Rdが用いられる。実施例1にかかる圧力センサチップは、前記図1(a)の要部断面図に示すように、裏面側凹部18の径を、図1(b)に示す従来と略同径のまま、さらに回路領域10aの設計ルールも従来と同じのまま、ダイアフラム12a上の適切な位置に圧力ゲージ14aを設置することが可能となっており、略同一感度を有する実施例1のセンサチップ200を、従来の回路領域の配線金属幅プロセス(または同一設計ルール)のままでチップサイズの縮小を実現できる。以上、説明した実施例1にかかる圧力センサチップは、圧力ゲージの位置が厳しくなく、その変更が可能な相対圧センサや元々、感度的に余裕があって圧力ゲージの位置の変更にも余裕のある絶対圧センサの構成であっても、かまわない。
図2(a)、(b)は本発明にかかる相対圧センサ用チップであって、図1のセンサチップと同様に、厚い半導体基板部分13c、13dの表面からダイアフラム12c、12d上の半導体基板表面に跨るように回路領域10c、10dが広がっている。図1と異なる点は圧力ゲージ14c、14dの位置が図2の場合、より高感度にするために、図1よりもさらにダイアフラムの最大応力歪点近傍の外周の表面位置に設置されていることである。そのため、図1に比べると、回路領域10c、10dが圧力ゲージ14c、14dに、よりいっそう近づいている点である。図2(b)は図2(a)よりもさらに近くなっていることを示している。ところが、図2(b)の圧力センサチップを用いて相対圧センサを構成すると、図3(b)に示すように、温度に関して出力にヒステリシスが発生することが分かったのである。
次に、図2(a)に示す前記センサチップのように、サイズの縮小と温度ヒステリシスの抑制に有効な相対圧センサチップの構成について、詳しくは圧力ゲージ14cと回路領域10cに接続されている配線金属間の最短距離、すなわち、圧力ゲージと圧力ゲージからの出力信号を回路領域へ送るための配線金属との間の最短距離について、説明する。以降の説明では、前記最短距離を説明するために用いる配線金属という語句には、領域間を連結する配線金属そのものの意味の他に、配線金属の末端と各領域との接続点に設けられる金属膜であるコンタクトを含む。図8は図2(a)に示されるセンサ領域11cの拡大平面図である。このセンサ領域11cは、図8には図示しないNウエル領域15c中にp型領域として形成され、八角形線状のLOCOS酸化膜17に囲まれ、中央で交差する線からなるLOCOS酸化膜により4つのp型領域11c−1〜11c−4に区分されている。4つのピエゾ抵抗素子Ra、Rb、Rc、Rdはそれぞれ櫛歯線状のLOCOS酸化膜17により囲まれた櫛歯状の領域である。このように配置することにより、このセンサ領域内の4つのピエゾ抵抗素子Ra、Rb、Rc、Rdは図8(b)の等価回路に示すホイーストンブリッジを構成している。ピエゾ抵抗素子RaとRb間はp型領域11c−1の低抵抗なシート抵抗で相互に接続され、このp型領域11c−1の中間に設けられるコンタクトB1で、回路領域に接続される配線金属19が接続される。ピエゾ抵抗素子RcとRd間でも同様にコンタクトB2で配線金属19が接続される。
図4(a)は、半径900μmの円形状ダイアフラムおよびセンサ領域の中心から700μmの半導体基板表面にピエゾ抵抗素子14eの端部が来るように配置し、このピエゾ抵抗素子14eの端部から75μm離間させ、センサ領域端(図4(a)ではセンサ領域端はNウエル領域15eの端部と同じとした)から10μm離間させた基板表面に幅が115μmのダミー金属膜9bを配置させたセンサチップの断面図である。図4(b)と図4(c)はそれぞれダミー金属膜9bの幅を90μmと40μmに変え、ピエゾ抵抗素子14eとダミー金属膜9bの離間距離をそれぞれ100μmと150μmとしたセンサチップの要部断面図である。図4に示すように圧力ゲージ−ダミー金属膜間距離を3種類(75μm、100μm、150μm)変化させた場合の圧力ゲージの出力と温度との間の特性図を図5に示す。
図5のようにダミー金属膜の配置がゲージ端より180μmより近い場合、圧力ゲージに近づくほど、温度ヒステリシスが大きくなる原因は、回路領域上を覆う金属膜(アルミニウム膜など)とシリコン半導体基板との熱膨張係数の差に起因する応力が影響していると思われる。特に、ダイアフラム上にまで回路領域を広げる構成を有する本発明のセンサチップでは、ダイアフラムの厚さが薄いので、金属膜との熱膨張係数の差による影響が温度ヒステリシスとなって発現し易いと考えられる。
以上、説明したように、同一のダイアフラム径、同一設計ルールの回路パターンを維持しながら、回路領域をダイアフラム上の表面領域に延在させれば、半導体圧力センサチップのサイズを縮小し、チップコストを低減できることが分かった。さらには、同一のダイアフラム径、同一設計ルールの回路パターンを維持しながらチップサイズを縮小しても、環境温度とセンサ出力との間における温度ヒステリシスの発生しないように、圧力ゲージ−メタル間距離を180μm以上離間させた半導体圧力センサとすればよいことがわかった。以上の実施例では、ダイアフラム12cの厚さが20μmの場合について説明したが、15μm〜20μmであれば、同様の効果が得られる。
2a、12a、12c、12d ダイアフラム
2b、18 凹部
3、14a、14c、14d、14e 圧力ゲージ
4 絶縁膜
5、11a、11b、11c センサ領域
6 貫通孔
7 台座
8 外部応力(または相対圧応力)
9b 金属膜
9、10a、10b、10c、10d 回路領域
2c、15a、15b、15c、15e Nウエル領域
16 圧力ゲージと回路領域へ接続されるコンタクト間距離
17 LOCOS酸化膜
19、20 配線金属
100、200、300 圧力センサチップ。
Claims (3)
- 一導電型半導体基板の一面の中央部に設けられる凹部により形成される薄膜のダイアフラムを有し、該ダイアフラムに対向する他面領域内に形成される他導電型島領域に形成される一導電型領域であって圧力ゲージを含むセンサ領域と、該センサ領域の外側の前記半導体基板に形成され、前記ダイアフラムで受けた圧力を前記圧力ゲージにより変換した電気信号を増幅する回路を含む回路領域とを備える半導体圧力センサにおいて、前記回路領域が前記センサ領域の外側であって前記ダイアフラムに対向する他面領域内に延在していることを特徴とする半導体圧力センサ。
- 前記センサ領域内の前記圧力ゲージがホイートストンブリッジを構成するピエゾ抵抗素子であって、前記ダイアフラムの両面で受ける圧力の差圧を検出して電気信号に変換することを特徴とする請求項1記載の半導体圧力センサ。
- 前記センサ領域内の前記ピエゾ抵抗素子の端部から、圧力を変換した電気信号を処理するための前記回路領域に接続されている配線金属までの最短距離が180μm以上であることを特徴とする請求項2記載の半導体圧力センサ。
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