JP2009018353A - 工具アンクランプ装置 - Google Patents
工具アンクランプ装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009018353A JP2009018353A JP2007180678A JP2007180678A JP2009018353A JP 2009018353 A JP2009018353 A JP 2009018353A JP 2007180678 A JP2007180678 A JP 2007180678A JP 2007180678 A JP2007180678 A JP 2007180678A JP 2009018353 A JP2009018353 A JP 2009018353A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tool
- electric motor
- cam
- unclamping
- output shaft
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Gripping On Spindles (AREA)
Abstract
【課題】クランプバネの弾性力を正確に検知して、クランプバネなどの工具アンクランプ装置内の各部材が正常に動作しているか否かを正確に判断することができる工具アンクランプ装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る工具アンクランプ装置100は、端部にワークWを加工する工具25が装着される主軸22と、主軸22に対して軸方向に移動可能に設けられ、工具25を押圧してアンクランプ状態とする出力軸15と、ワークWが工具25に対して近接または離間するようにワークWと工具25の少なくとも一方を駆動する駆動源50と別に設けられ、工具25をアンクランプ状態とする動力を発生可能な電動機1と、電動機1からの動力を出力軸15に伝達可能な動力伝達機構80と、電動機1に供給される電流量を検知する検知部70とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係る工具アンクランプ装置100は、端部にワークWを加工する工具25が装着される主軸22と、主軸22に対して軸方向に移動可能に設けられ、工具25を押圧してアンクランプ状態とする出力軸15と、ワークWが工具25に対して近接または離間するようにワークWと工具25の少なくとも一方を駆動する駆動源50と別に設けられ、工具25をアンクランプ状態とする動力を発生可能な電動機1と、電動機1からの動力を出力軸15に伝達可能な動力伝達機構80と、電動機1に供給される電流量を検知する検知部70とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、工具アンクランプ装置に関し、より特定的には工作機械の主軸に装着した工具を交換する際に、主軸にクランプされた工具を開放してアンクランプ状態とすることが可能な工具アンクランプ装置に関する。
従来から工具を収納した工具マガジンや自動的に工具を交換する工具交換装置を備えたマシニングセンタなどの工作機械が知られている。
このような工作機械の主軸は、当該主軸に装着された工具を工具交換装置によって交換可能なように、主軸の先端部に装着された工具をアンクランプ状態とする工具アンクランプ装置を備えている。
工具アンクランプ装置は、工具の端部に形成されたプルロッドと係合するコレットを端部に有するドローバと、主軸内に引込むようにドローバに弾性力を付与するクランプバネとを備えている。そして、工具を交換する際には、ドローバをクランプバネに抗して押出して、コレットを開いて工具を開放する。
このように、工具を交換する度にクランプバネは収縮と伸長とを繰り返し、経時的に劣化していく。そして、クランプバネが劣化すると、工具を引込む力が弱くなり、良好に工具をクランプすることが困難なものとなり、加工精度の低下を招くおそれがある。
そこで、クランプバネのクランプ力を監視する監視装置を備えた工具アンクランプ装置およびこの工具アンクランプ装置を備えたマシニングセンタ等の工作機械が提案されている(下記特許文献1参照)。
このマシニングセンタは、ワークが配置されるテーブルと、テーブルの上方に配置されたコラムと、このコラムに取り付けられ上下方向に変位可能なヘッドストックと、コラムの工具交換位置に配置されカム溝が形成されたカムブロックと、サーボモータとを備えている。ヘッドストックは、回転自在に設けられた主軸と、この主軸内に配置されたクランプバネと、主軸内に設けられたドローバと、カムブロックのカム溝に係合するカムフォロアを有するメカニカルアームとを備えている。
そして、ヘッドストックがサーボモータからの駆動力によって工具交換位置にまで上昇すると、メカニカルアームがカム溝と係合して回動する。メカニカルアームは、回動すると、クランプバネの弾性力に抗してドローバを押出す。この動作によって、ドローバの先端部に設けられたコレットは、工具を開放すると共に、工具を押出す。
さらに、工具交換装置によって新たな工具が主軸の挿入口に挿入されると、サーボモータからの駆動力によって、ヘッドストックは工具交換位置から下方に変位する。そして、メカニカルアームのカムフォロアがカムブロックのカム溝から離脱する。このため、クランプバネは、ドローバを上方に変位させると共に、工具を主軸内に引込み主軸の先端部にクランプさせる。
そして、上記のような工具のクランプ動作およびアンクランプ動作において、サーボモータに供給される電流を検知して、この検知した電流値を予め設定した電流値とを比較して、クランプバネの弾性力を監視する。
特開2001−322013号公報
上記のように構成されたクランプバネの弾性力検知手段を備えた工具アンクランプ装置において、サーボモータは、アンクランプ動作の際に、ヘッドストックを上方に変位させるための電力と、クランプバネの弾性力に抗してドローバを押出すための電力とを要する。このため、検知した電流量には、ヘッドストックを上下方向に変位させるために要する電流量と、クランプバネの弾性力に抗してドローバを変位させるための電流量とが混在した状態となっている。
したがって、サーボモータに供給される電流量を検知したとしても、クランプバネ等の工具アンクランプ装置内の各部材が正常に動作しているか否かを正確に判断することができないものとなっている。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、クランプバネの弾性力を正確に検知して、クランプバネなどの工具アンクランプ装置内の各部材が正常に動作しているか否かを正確に判断することができる工具アンクランプ装置を提供することである。
本発明に係る工具アンクランプ装置は、端部にワークを加工する工具が装着される主軸と、主軸に対して軸方向に移動可能に設けられ、工具を押圧してアンクランプ状態とする出力軸と、ワークが工具に対して近接または離間するようにワークと工具の少なくとも一方を駆動する駆動源と別に設けられ、工具をアンクランプ状態とする動力を発生可能な電動機と、電動機からの動力を出力軸に伝達可能な動力伝達機構と、電動機に供給される電流量を検知する検知部とを備える。好ましくは、上記電動機に供給する電流量の基準値を格納した記憶部と、検知部によって検知された電流量と、記憶部に格納された電流量の基準値とを比較して、検知部が検知した電流量が許容範囲内であるか否かを判断する判断部と、判断部による判断結果を出力する出力部とをさらに備える。好ましくは、上記出力軸を動力伝達機構に向けて押圧可能な弾性部材をさらに備え、出力軸が弾性部材の弾性力に抗して工具を押圧して工具をアンクランプ状態とするときに、判断部は、検知部が検知した電流量が許容範囲内か否かを判断する。好ましくは、動力伝達機構は、電動機に接続された回転軸と、回転軸に設けられたカムと、カムに押圧されて出力軸を軸方向に押圧可能な押圧部材とを有し、回転軸と嵌合可能な嵌合部材と、嵌合部材を回転軸側に向けて付勢する付勢部材とをさらに備える。
本発明に係る工具アンクランプ装置においては、電動機からの動力は、出力軸が工具を押圧してアンクランプ状態とするために用いられ、ワークを主軸に近接させたりするための動力は、動力源によって供給されている。このため、電動機には、工具をアンクランプするために必要な電流のみが供給されており、この電動機に供給される電流量を検知することで、クランプバネ等の工具アンクランプ装置内の部材が正常に動作しているか否かを正確に判断することができる。
図1から図6を用いて、本実施の形態に係る工具アンクランプ装置100およびこの工具アンクランプ装置100を備えた工作機械200について説明する。
図1は、本実施の形態に係る工具アンクランプ装置100および工作機械200を示す断面図である。この図1に示されるように、工作機械200は、ワークが配置されるテーブル101と、このテーブル101より上方に配置された工具アンクランプ装置100と、テーブル101を水平方向に変位させたり、工具アンクランプ装置100を垂直方向に変位させたりする動力源50と、制御部60とを備えている。
このような工作機械200においては、工具アンクランプ装置100の主軸22に工具25を装着して、この工具アンクランプ装置100をワークWに向けて近接させると共に、テーブル101を水平方向に変位させて、ワークWを加工することができる。
なお、上記のようにテーブル101および工具アンクランプ装置100のいずれも、互いに相対的に変位可能としてもよく、さらに、いずれか一方を変位可能としてもよい。
工具アンクランプ装置100は、ケーシング21と、ケーシング21内に設けられ端部に工具25が装着される主軸22と、主軸22に対して主軸22の中心軸線O方向に変位可能に設けられたドローバ(出力軸)15とを備えている。
また、この工具アンクランプ装置100は、工具25をアンクランプ状態とする動力を発生可能な電動機1と、電動機1からの動力をドローバ15に伝達する動力伝達機構80と、電動機1の回転軸3の回転を停止させるストッパ機構90とを備えている。
さらに、工具アンクランプ装置100は、主軸22および主軸22にクランプされた工具25を回転させるモータ190とを備えている。
そして、電動機1からの動力が、動力伝達機構80を介してドローバ15に伝達され、ドローバ15が主軸22の先端部にクランプされた工具25を押圧して、工具25をアンクランプ状態とする。
このように、本実施の形態に係る工具アンクランプ装置100においては、工具25をアンクランプ状態とするために要する動力を電動機1から供給しており、工具アンクランプ装置100やテーブル101を移動させるために要する動力は、動力源50によって供給している。さらに、ワークWを加工するために、工具25および主軸22を回転させる動力は、モータ190によって供給されている。
このため、電動機1に供給される電流量をセンシングすることにより、アンクランプ動作に要した電流量のみを検知することができる。そして、正常にアンクランプ動作がなされたときに電動機1に供給される電流量と比較することにより、アンクランプ動作が正常になされているか否かを判断することができる。
特に、特定のタイミングにおいて、実際に電動機1に供給される電流量と、正常にアンクランプ動作がなされたときに供給される電流量とを比較することにより、当該タイミングにおいて駆動する部材に不具合が生じているか否かを判断することができる。
主軸22は、ケーシング21の貫通孔21a内に挿入され、回転可能に設けられている。そして、モータ190は、貫通孔21aの内壁面に設けられた筒状のステータ190Aと、主軸22の外表面に設けられた筒状のロータ190Bとを備えている。ロータ190Bは、工具25がクランプ状態とされた際に、ステータ190Aの内表面と対向するように配置されている。
主軸22には、中心軸線Oに沿って延びる貫通孔22aが形成されている。この貫通孔22aは、ドローバ15および弾性部材16とが挿入されたドローバ収容部22a1と、ドローバ収容部22a1より下方に形成され、コレット17が収容されたコレット収容部22a4と、コレット収容部22a4の下端部側に位置する退避部22a2と、退避部22a3の下端部に位置するテーパ部22a3とを備えている。
そして、ドローバ収容部22a1と、コレット収容部22a4との間には、径方向内方に突出する突出部22bが形成されている。
弾性部材16は、皿バネなどから構成されており、弾性部材16の一方の端部が突出部22bに係止されており、他方の端部がドローバ15の段差部15bに係止されている。そして、この弾性部材16は、ドローバ15を動力伝達機構80に向けて付勢している。
この弾性部材16は、クランプ動作の際に、主軸22のテーパ部22a3に工具が挿入された状態でドローバ15を上方に変位させることにより、工具25の一部を主軸22内に引き込み、工具25をクランプさせることができる。
工具25は、ワークWを切削、研磨などするツール23と、ツール23を保持するツールホルダ24とを備え、ツールホルダ24は、略円錐台形状に形成されたシャンク19と、このシャンク19の上端部に形成されたプルロッド18とを備えている。そして、クランプ状態においては、テーパ部22a3に、工具25のツールホルダ24のシャンク19が挿入されている。
プルロッド18の上端部には、径方向外方に向けて突出する係合部18aが形成されている。そして、コレット17は、係合部18aと係合する係合部17aと、ドローバ15と係合する係合部17bとを備えている。コレット17は、工具25がクランプされた際には、コレット収容部22a4内に位置している。
そして、工具25がドローバ15によって押圧され下方に変位すると、コレット17も下方に変位する。そして、コレット17の係合部17aが、貫通孔22aの退避部22a2に位置すると、係合部17aが広がる。これにより、コレット17の係合部17aと、工具25の係合部18aとの係合状態が解除され、工具25がアンクランプ状態となる。
また、コレット17は、クランプ動作の際に、ドローバ15が上方に変位すると、工具25の係合部18aと係合して、工具25を主軸22内に引き込み、クランプさせる。
主軸22が収納されたケーシング21には、ロッド36を介してフレーム10が固定されており、このフレーム10の上面上には、フレーム9が設けられている。
動力伝達機構80は、減速機2を介して電動機1に接続された回転軸3の外周面に固定されたカム4Aと、カム4Aの外周面4aに沿って摺動するカムフォロア6と、上端部にカムフォロア6が設けられたピストン5と、このピストン5の下端部に設けられた押圧部材5b2とを備えている。
カム4Aが回転して、カムフォロア6が下方に変位すると、ピストン5および押圧部材5b2が下方に変位する。そして、押圧部材5b2からドローバ15に電動機1からの動力が伝達され、ドローバ15が下方に変位して、主軸22の先端にクランプされた工具25をアンクランプ状態とする。
ドローバ15の上端部側には、押圧部材5b2の下端部と当接する段差部15bが形成されている。そして、加工時およびアンクランプ動作直前においては、押圧部材5b2の下端部は、段差部15bから上方に離間した位置に位置している。
図2は、回転軸3付近の詳細を示す断面図である。この図2に示されるように、円筒状の筒部材40が回転軸3の外表面に固定されている。この筒部材40の外周面には、カム4Aと、円盤状のカム4Bとが形成されている。なお、カム4Aとカム4Bとを別体としてもよい。
図3は、図2のIII−III線における断面図である。この図3に示されるように、カム4Aの外周面4aは、周方向に向かうにしたがって、回転軸3の中心軸線O1からの距離が漸次変化するように湾曲している。
図2に示すように、このカム4Aの外周面4aには、カムフォロア6の筒部6bが当接しており、カムフォロア6の軸部6aがピストン5の上端部に固定されている。このため、カム4Aが回転して、たとえば、カムフォロア6に位置が下方に変位すると、ピストン5および押圧部材5b2も下方に向けて変位する。ピストン5および押圧部材5b2が下方に向けて変位して、押圧部材5b2がドローバ15を下方に押圧する。このようにして、電動機1からの動力がドローバ15に伝達される。
図4は、図2のIV−IV線における断面図である。この図4に示されるように、ストッパ機構90は、中心軸線O1を中心として円板形状に形成されたカム4Bと、カムフォロア(嵌合部材)13と、カムフォロア13をカム4Bの外周面上に形成された凹部4b1、4b2に向けて付勢する付勢機構91とを備えている。凹部4b1と凹部4b2とは、中心軸線O1を中心として対称的な位置に形成されている。なお、本実施の形態においては、カム4Bを設けて凹部4b1、4b2を形成することとしているが、これに限られず、カム4Bを設けずに回転軸3に凹部4b1、4b2を形成してもよい。または、カム4Bを設けずに、カム4Aの外周面上に、凹部4b1、4b2を形成してもよい。
付勢機構91は、カム4Bの上方に配置されている。この付勢機構91は、フレーム9に形成された貫通孔9c内に嵌め込まれた有底円筒状の閉塞部材11と、この閉塞部材11内の凹部11a内に配置され、カムフォロア13を押圧する押圧部材29と、この押圧部材29を介してカムフォロア13を凹部4b1、4b2に向けて付勢する弾性部材(付勢部材)14とを備えている。カムフォロア13は、押圧部材29に接続された軸部13bと、この軸部13bに回転可能に設けられた筒部13aとを備えている。
このストッパ機構90は、クランプ動作またはアンクランプ動作終了直前において、電動機1の駆動が停止または駆動力が低減しており、慣性力で回転軸3が回転している際に、凹部4b1または凹部4b2内にカムフォロア13の一部を嵌合させて、回転軸3を所定の位置で停止させることができる。これにより、電動機1の駆動を正確に制御することにより回転軸3を所定の位置で停止させる場合と比較して、電動機1の駆動を正確に制御する必要がないため、製作コストの低廉化を図ることができ、さらに、簡易な構成で正確に回転軸3を停止させることができる。
図1において、回転軸3には、回転軸3およびカム4Aの回転角度を測定可能なエンコーダ(回転角度検知手段)71が設けられており、電動機1には、電動機1に供給される電流量を検知可能な電流計(検知部)70が設けられている。
そして、制御部60は、判断部61と記憶部62と出力部63とを有している。記憶部62には、電動機1に供給する電流量の基準値が格納されている。判断部61は、記憶部62に格納された電流量の基準値と、電流計70によって検知された電流量とを比較して、検知された電流量が許容範囲内であるか否かを判断する。
そして、出力部63は、判断部61による判断結果を出力するものであり、例えば、判断結果を表示する表示部や警告音などを発する音源などを有している。
図5は、記憶部62に格納されたデータを示すグラフであり、電動機1に供給する電流量の基準値および電動機1に供給する電力量の許容範囲を示すグラフである。この図5に示すグラフにおいては、横軸にカム4Aの回転角度θを示し、縦軸に電動機1に供給する電力量を示す。図5において、実線のグラフは、図1に示す工具25をアンクランプ状態とする際に、電流計70が検知する電流量A3によって測定され、実際に電動機1に供給された電流量と、エンコーダ71によって測定された回転軸3の回転角度θとを示したグラフである。さらに、図5に示す点P1と点P2は、回転角度θ3において、電動機1に供給する電力の許容範囲を規定している。
すなわち、記憶部62には、所定の回転角度θ3となったときに、電動機1に供給される電流量の許容範囲が格納されている。
上記のように構成された工具アンクランプ装置100および工作機械200の動作と、アンクランプ動作について説明する。
図1に示すように、アンクランプ動作開始時には、工具25は、主軸22の先端部に装着されている。そして、押圧部材5b2の下端部は、ドローバ15の段差部15bから離間している。また、カムフォロア6は、図3に示すカム4Aの外表面のうち、回転軸3の中心軸線O1から最も近接している点4a2と当接している。また、図4において、カムフォロア13は、カム4Bに形成された凹部4b1内に嵌め込まれている。
図5において、横軸の回転角度θは、図3に示す点4a2と、図1に示すカムフォロア6とカム4Aの外周面4aとが当接する位置と、中心軸線O1との成す角度を意味する。
そして、アンクランプ動作開始時においては、電動機1を起動させると共に、図4に示す弾性部材14の付勢力に抗してカムフォロア13を凹部4b1から抜け出させる必要がある。このため、電動機1には、起動に要する電力と、回転軸3を回転させてカムフォロア13を凹部4b1から抜け出させるために要する電力が供給される。
そして、回転角度θが、所定の回転角度θ1(たとえば、30度)回転するまでの間に、電動機1の起動が完了すると共に、図4に示すカムフォロア13が凹部4b1からの抜け出しが完了する。
図1、図3および図5において、カム4Aの回転角度θが、所定の回転角度θ1より大きくなると、電動機1の起動は完了し、回転軸3は慣性力によって回転する。このため、図5に示すように、電動機1に供給される電流量は低減される。
その後、押圧部材5b2がドローバ15の段差部15bに当接するまでの間は、押圧部材5b2の変位速度が小さくなる。すなわち、回転角度θがθ2になるまでの間においては、ゆっくりと、押圧部材5b2と段差部15bとが当接する。
このように、押圧部材5b2をドローバ15にゆっくりと当接させることで、押圧部材5b2と、ドローバ15との間に生じる衝撃力を低減することができる。
そして、押圧部材5b2と段差部15bとが当接した後、図5に示す所定の角度θ2(たとえば、65°)以上となると、回転角度θが大きくなるに従って,ドローバ15の変位速度も大きくなる。
すなわち、カム4Aが押圧部材5b2を下方に変位させて、ドローバ15が弾性部材16からの付勢力に抗して下方に変位する。このため、回転角度θが回転角度θ2以上となると、電動機1に供給される電流量も上昇する。
回転角度θが角度θ2からθ3までの間においては、ドローバ15は、弾性部材16の付勢力に抗して下方に変位する。そして、回転角度θ3となるときは、ドローバ15が最も弾性部材16から受ける付勢力が大きくなっている。そして、回転角度θが所定の回転角度θ3となったときに、図1に示す工具25がアンクランプ状態となる。ここで、判断部61は、検知された回転角度θが所定の回転角度θ3となったと判断すると、図5に示すように、電流計70が検知する電流量A3(回転角度θが所定の回転角度θ3となったときに検知された電流量)が記憶部62に格納された許容範囲内である否かを判断する。
具体的には、I(θ3)−b1≦A3(b1および下記b2は、I(θ3)の1割程度の電流量が設定されている。)の条件を満たすか否かを判断する。
ここで、検知された電流量A3がI(θ3)−b1より小さくなる原因としては、弾性部材16の弾性力が所定の弾性力より小さくなっていることが考えられる。
弾性部材16の弾性力が小さくなると、クランプ動作の際に、工具25を主軸22内に引き込む引き込み力が小さくなり、工具25を主軸22の端部に良好にクランプすることができなくなる。
そこで、判断部61は、検知された電流量A3が、I(θ3)−b1より小さいと判断したときには、出力部63に信号を送信して、出力部63は、弾性部材16の弾性力が低下している旨の表示を行う。この際、出力部63は、警告音を発しても良い。
また、判断部61は、検知された電流量A3がI(θ3)+b2より大きいか否かを判断する。
検知された電流量A3がI(θ3)+b2より大きい場合には、ドローバ15とケーシング21との間に異物等が入り込み、ドローバ15とケーシング21との間で大きな摩擦が生じているなどの弊害が生じていることが考えられる。
そこで、判断部61は、出力部63に信号を送信し、出力部63は、電動機1に供給されている電流量が過大となっている旨の表示をする。
そして、図示されない工具交換アームによって、主軸から工具25が引き抜かれる。なお、本実施の形態に係る工具アンクランプ装置100においては、アンクランプ動作中において、工具アンクランプ装置100自体が変位する等の工程がなく、短時間でアンクランプ動作を完了することができる。
さらに、クランプ動作は、アンクランプ動作が終了した後、図示されない工具交換アームによって新たな工具が主軸22の下端部に挿入され、その後、さらに回転軸3が回転することで、新たな工具25が引き込まれ、クランプされる。このように、クランプ動作は、アンクランプ位置にて行うことができるので、工具25の交換を短時間で行うことができ、さらに、短時間のうちに連続して工具25の交換を行うことができる。
その上、クランプ動作中に、工具アンクランプ装置100が変位しないため、クランプが完了していない状態で工具アンクランプ装置100が変位することにより、工具25が位置ずれするなどの弊害が生じないものとなっている。
ここで、上記工具アンクランプ装置100においては、電動機1に供給する電流をセンシングすることにより、各部材が正常に動作しているかを判断しているが、供給される電力をセンシングすることにしてもよい。
さらに、カム4Aの所定の回転角度θ3においてのみ基準値とセンシングされた電流量とを比較する場合に限られず、アンクランプ動作中に亘って、基準値とセンシングされた電流量とを比較するようにしてもよい。図6は、工具25が装着されていないときに、アンクランプ動作がなされたときに電動機1に供給された電流量の一例を示すグラフである。なお、点P3と点P4は、回転角度θ25において、電動機1に供給する電力の許容範囲を規定している。
ここで、工具25が装着されていないときには、ドローバ15は、図1に示す状態よりも、動力伝達機構80側に変位している。そして、アンクランプ動作開始時においては、電動機1には、起動に要する電力と、回転軸3を回転させてカムフォロア13を凹部4b1から抜け出させるために要する電力が供給される。
そして、回転角度θが、角度θ21となるときには電動機1の起動などが完了する。その後、押圧部材5b2とドローバ15とが当接するまでの間は、電動機1に供給される電流量は小さくなる。
回転角度θが回転角度θ22となると、ドローバ15と押圧部材5b2とが当接する。ここで、工具25が装着されていない状態では、工具25が装着されている状態のときよりもドローバ15は上方に変位しているため、工具25がクランプされているときよりも小さい回転角度でドローバ15と押圧部材5b2とが当接する。そして、ドローバ15は、図1に示す弾性部材16からの付勢力に抗して下方に変位するため、電動機1に供給される電流量は上昇する。
その後、図6に示す回転角度θ23となると、上述のように押圧部材5b2の変位が小さくなり、回転軸3のみが回転し始める。すなわち、上述のように、工具25が装着されているときに、押圧部材5b2と段差部15bとをゆっくりと当接させるために、回転角度θ23からθ24(=θ2)までの間は、図3に示すカム4Aの外周面4aは、回転軸O1に対して略同一径の円弧状とされている。このため、電動機1に供給される電流量は低減される。
そして、回転角度θが回転角度θ24(=θ2)となると、ドローバ15が弾性部材16の付勢力に抗して下方に変位し始める。
このため、電動機1に供給される電流量が再度上昇し始める。そして、回転角度θが回転角度θ25となると、図1に示す電流計70が検知する電流量が記憶部62に格納された許容範囲内である否かを判断する。これにより、弾性部材16が正常に駆動しているか否かを判断することができる。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。さらに、上記数値などは、例示であり、上記数値および範囲にかぎられない。
本発明は、工作機械の主軸に装着した工具を交換する際に、主軸にクランプされた工具を開放してアンクランプ状態とすることが可能な工具アンクランプ装置に好適である。
1 電動機、2 減速機、3 回転軸、4A,4B カム、5 ピストン、6 カムフォロア、14 弾性部材、15 ドローバ、25 工具、50 動力源(駆動源)、60 制御部、61 判断部、62 記憶部、63 出力部、70 電流計、71 エンコーダ、80 動力伝達機構、90 ストッパ機構、100 工具アンクランプ装置、101 テーブル、200 工作機械、A 電流値、O,O1 中心軸線、θ 回転角度。
Claims (4)
- 端部にワークを加工する工具が装着される主軸と、
前記主軸に対して軸方向に移動可能に設けられ、前記工具を押圧してアンクランプ状態とする出力軸と、
前記ワークが前記工具に対して近接または離間するように前記ワークと前記工具の少なくとも一方を駆動する駆動源と別に設けられ、前記工具をアンクランプ状態とする動力を発生可能な電動機と、
前記電動機からの動力を前記出力軸に伝達可能な動力伝達機構と、
前記電動機に供給される電流量を検知する検知部と、
を備えた工具アンクランプ装置。 - 前記電動機に供給する電流量の基準値を格納した記憶部と、
前記検知部によって検知された電流量と、前記記憶部に格納された前記電流量の基準値とを比較して、前記検知部が検知した前記電流量が許容範囲内であるか否かを判断する判断部と、
前記判断部による判断結果を出力する出力部と、
をさらに備えた請求項1に記載の工具アンクランプ装置。 - 前記出力軸を前記動力伝達機構に向けて押圧可能な弾性部材をさらに備え、
前記出力軸が前記弾性部材の弾性力に抗して前記工具を押圧して前記工具をアンクランプ状態とするときに、前記判断部は、前記検知部が検知した前記電流量が許容範囲内か否かを判断する、請求項2に記載の工具アンクランプ装置。 - 前記動力伝達機構は、前記電動機に接続された回転軸と、
前記回転軸に設けられたカムと、
前記カムに押圧されて前記出力軸を軸方向に押圧可能な押圧部材とを有し、
前記回転軸と嵌合可能な嵌合部材と、
前記嵌合部材を前記回転軸側に向けて付勢する付勢部材と、
をさらに備えた請求項1から請求項3のいずれかに記載の工具アンクランプ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007180678A JP2009018353A (ja) | 2007-07-10 | 2007-07-10 | 工具アンクランプ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007180678A JP2009018353A (ja) | 2007-07-10 | 2007-07-10 | 工具アンクランプ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009018353A true JP2009018353A (ja) | 2009-01-29 |
Family
ID=40358445
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007180678A Pending JP2009018353A (ja) | 2007-07-10 | 2007-07-10 | 工具アンクランプ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009018353A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2495059A1 (de) * | 2011-03-01 | 2012-09-05 | Siemens Aktiengesellschaft | Werkzeuglösevorrichtung, Inbetriebnahmeverfahren und Betriebsverfahren |
CN109420920A (zh) * | 2017-08-31 | 2019-03-05 | 兄弟工业株式会社 | 数值控制装置 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001322013A (ja) * | 2000-05-17 | 2001-11-20 | Yamazaki Mazak Corp | 工作機械の主軸に装備されるツールクランプバネの監視装置 |
JP2007111791A (ja) * | 2005-09-20 | 2007-05-10 | Pascal Engineering Corp | 工具アンクランプ装置 |
-
2007
- 2007-07-10 JP JP2007180678A patent/JP2009018353A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001322013A (ja) * | 2000-05-17 | 2001-11-20 | Yamazaki Mazak Corp | 工作機械の主軸に装備されるツールクランプバネの監視装置 |
JP2007111791A (ja) * | 2005-09-20 | 2007-05-10 | Pascal Engineering Corp | 工具アンクランプ装置 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2495059A1 (de) * | 2011-03-01 | 2012-09-05 | Siemens Aktiengesellschaft | Werkzeuglösevorrichtung, Inbetriebnahmeverfahren und Betriebsverfahren |
CN109420920A (zh) * | 2017-08-31 | 2019-03-05 | 兄弟工业株式会社 | 数值控制装置 |
JP2019042847A (ja) * | 2017-08-31 | 2019-03-22 | ブラザー工業株式会社 | 数値制御装置と装着判定基準設定方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6612612B2 (ja) | 工具クランプ装置 | |
JP4638464B2 (ja) | 工作機械の主軸装置 | |
WO2016139726A1 (ja) | 工具装着評価方法および工作機械 | |
JP2020104251A (ja) | 加工工具の刃具交換装置 | |
JP2006088326A (ja) | 工作機械の工作物イジェクティング装置 | |
JP5894837B2 (ja) | 工作機械のクランプ装置 | |
JP2009018353A (ja) | 工具アンクランプ装置 | |
JP2020028933A (ja) | 切削加工装置 | |
JP5973888B2 (ja) | 工作機械 | |
JP2005319540A (ja) | 工作機械の主軸装置 | |
JP2011000675A (ja) | 裏座ぐり切削工具 | |
JP2000079537A (ja) | 工具ホルダーの密着状態検出装置 | |
JP3159923B2 (ja) | 工作機械の工具クランプ装置 | |
JP4232017B2 (ja) | 工作機械のドローバー位置検出機構 | |
JP4727602B2 (ja) | 工作機械のツールロック装置及びツールロック方法 | |
CN114158265B (zh) | 刀具架以及加工方法 | |
JP5195047B2 (ja) | 工具クランプ装置 | |
JP2022148049A (ja) | 主軸装置及び主軸装置を搭載した工作機械 | |
KR102160830B1 (ko) | 터릿 공구대를 구비한 공작기계 | |
JP2004025389A (ja) | 主軸装置 | |
JP2004025388A (ja) | 主軸の工具装着確認装置及び方法 | |
JP2023043670A (ja) | 加工工具の刃具交換装置 | |
JP2018111176A (ja) | 自動チャック | |
JPH07100271B2 (ja) | 工具ホルダークランプ装置 | |
WO2016143617A1 (ja) | ドローバー付u軸工具の測定用アダプタ及びドローバー付u軸工具の位置決め方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20100618 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120522 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120524 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20121002 |