以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.遊技機の装置構成:
A−1.装置前面側の構成:
A−2.遊技盤の構成:
A−3.制御回路の構成:
B.遊技の概要:
C.遊技機の制御内容:
C−1.遊技制御処理:
C−2.効果音制御処理:
D.変形例:
D−1.第1変形例:
D−2.第2変形例:
A.遊技機の装置構成 :
A−1.装置前面側の構成 :
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、大きくは、前面枠4、上皿5、下皿6、遊技盤10などから構成されている。なお、図1では遊技盤10の詳細な図示を省略している。前面枠4は、図示しない中枠3に取り付けられており、中枠3は図示しない本体枠2に取り付けられている。中枠3はプラスチック材料で成形されており、本体枠2の内側に取り付けられている。本体枠2は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、遊技機1の外枠を形成している。前面枠4の一端は、中枠3に対して回動可能に軸支されており、中枠3の一端は本体枠2に対して回動可能に軸支されている。遊技盤10は、中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられており、その前面側が前面枠4で覆われている。
前面枠4は、プラスチック材料で成形されており、略中央部には、円形状の開口部4aが形成されている。この開口部4aにはガラス板等の透明板がはめ込まれており、奥側に配置される遊技盤10の盤面が視認可能となっている。また、前面枠4には、各種ランプ類4b〜4fが設けられており、遊技の進行状況に応じて演出効果を発揮するとともに、遊技機1に異常が発生した場合には、異常を報知する機能も有している。
前面枠4の下方には、上皿5が設けられており、上皿5の下方には下皿6が設けられている。また、前面枠4の右側には施錠装置9が設けられており、前面枠4の左側にはプリペイドカード式の球貸装置13(CRユニット)が設けられている。
上皿5には、皿状の凹部と、凹部を取り巻くように形成された皿外縁部5aとが設けられている。遊技球は、上皿5に形成された凹部に投入されて、発射装置ユニット12(図5参照)に供給される。また、皿外縁部5aには、遊技球の球貸スイッチ5b、返却スイッチ5c、投入した遊技球を排出するための排出ボタンなど、各種のボタン類が設けられている。さらに、上皿5の略中央部には複数の長孔とその上部に多数の小穴が形成された第1スピーカ5yが設けられている。また、上皿5の前面側には、2つの操作スイッチSW1,SW2が設けられている。遊技者は、これらの操作スイッチSW1,SW2を押すことによって、遊技中にキャラクタ図柄や遊技条件を選択するなど、遊技の進行に介入することが可能となっている。
下皿6には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられており、排出された遊技球は下皿6内に貯留される。また、下皿6には、下皿満杯スイッチ6sが設けられており(図4参照)、下皿6が遊技球で一杯になると、これを検出して遊技球の払い出しが中断されるようになっている。下皿6に貯まった遊技球を排出するために、下皿6の底面には、下皿6内から遊技球を排出するための図示しない球抜き穴が設けられており、下皿6の略中央手前側には、球抜き穴を開閉させる排出ノブ6bが設けられている。排出ノブ6bは通常時は直立状態であるが、下端を奥側に押圧すると上端を回転軸として回転し、球抜き穴が開放状態となって、下皿6に貯まった遊技球を排出することが可能となっている。更に、排出ノブ6bの左右には、第2スピーカ6cが設けられている。
下皿6の左端には灰皿7が設けられており、下皿6の右端には発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の回転軸は、下皿6の奥側に搭載された図示しない発射装置ユニット12に接続されており、遊技者が発射ハンドル8を回転させると、その動きが発射装置ユニット12に伝達され、ユニットに内蔵された図示しない発射モータ8mが回転して、回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。
A−2.遊技盤の構成 :
図2は、遊技盤10の盤面構成を示す説明図である。前述したように、遊技盤10は中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられている。図2に示すように、遊技盤10の中央には、外レール14と内レール15とによって囲まれた略円形状の遊技領域11が形成されている。
遊技領域11の略中央には中央装置26が設けられており、また、遊技領域11の下方部分には変動入賞装置18が設けられている。そして、中央装置26と変動入賞装置18との間には始動口(普通電動役物)17が設けられている。始動口(普通電動役物)17は、左右に一対の翼片部が開閉可能に構成されたいわゆるチューリップ式の始動口である。始動口17の内部には、遊技球の通過を検出する始動口(普通電動役物)スイッチ17s(図5参照)と、翼片部を作動させるための普通電動役物(始動口)ソレノイド17m(図5参照)とが備えられている。一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が直立すると、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
中央装置26には、演出表示装置27が設けられている。演出表示装置27は、液晶画面を搭載しており、キャラクタ図柄や背景図柄などの種々の演出用図柄を変動停止表示することが可能となっている。また、中央装置26の左下には、図柄表示装置28が設けられており、図柄表示装置28では普通図柄や特別図柄などを変動停止表示することが可能となっている。
遊技領域11の左端には、普通図柄作動ゲート36が設けられており、このゲートの内部には、遊技球の通過を検出するゲートスイッチ36s(図5参照)が設けられている。更に、普通図柄作動ゲート36と中央装置26との間には、ランプ風車24が設けられている。これら各遊技装置の間および周辺には、多数の障害釘23が設けられている。
変動入賞装置18のほぼ中央には、大入賞装置31が設けられている。この大入賞装置31は、略長方形状に大きく開口する大入賞口31dと、大入賞口31dを開放あるいは閉鎖する開閉板(図示略)と、その開閉板を開閉するための大入賞口ソレノイド31m(図5参照)などから構成されている。大入賞口31dは、通常の状態では遊技球が入球し得ない閉鎖状態となっているが、所定の条件が成立すると開放状態となって遊技球が高い確率で入球するようになり、遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技が開始される。尚、大入賞口31dの内部には、大入賞口スイッチ31s(図5参照)が設けられており、大入賞口31dに入賞した遊技球を検出することが可能となっている。
遊技盤10の下方にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられている。バック球防止部材58は、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止する機能を有している。一方、内レール15の先端部には、図示しないファール球防止部材が取り付けられ、ファール球防止部材と略正反対側(遊技盤10の右半分側)には、図示しない返しゴムが外レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。
図3は、本実施例の遊技機1に搭載された図柄表示装置28の構成を示す説明図である。本実施例の図柄表示装置28は、大きくは、普通図柄表示部29と、特別図柄表示部30とから構成されている。普通図柄表示部29は、左普通図柄表示部29aと右普通図柄表示部29bとから構成されており、特別図柄表示部30は、左特別図柄表示部30aと右特別図柄表示部30bとから構成されている。2つの普通図柄表示部29a,29bは、いわゆるLED(発光ダイオード)を用いて構成されており、左普通図柄表示部29aは赤色の光を点灯し、右普通図柄表示部29bは緑色の光を点灯することが可能となっている。また、特別図柄表示部30には、いわゆる7セグメントLEDが用いられており、このうちの7セグメント部分が左特別図柄表示部30aを構成し、コンマ部分が右特別図柄表示部30bを構成している。この7セグメント部分およびコンマ部分は、赤色、橙色、緑色のいずれかの光を点灯可能となっている。また、図柄表示装置28には、普通図柄保留表示部29c、および特別図柄保留表示部30cも設けられている。これらは、それぞれ4つのLEDで構成されている。このような構成を有する図柄表示装置28の表示内容については後述する。
図4は、本実施例の遊技機1に搭載された演出表示装置27の構成を示す説明図である。前述したように、演出表示装置27は、主に液晶表示画面を用いて構成されており、液晶画面上には、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cと、その背景に表示される背景図柄27dとが表示されている。このうち、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cは、図3に示した特別図柄30の表示に合わせて種々の態様で変動表示され、遊技を演出することが可能となっている。演出表示装置27で行われる各種演出の詳細な内容については後述する。
A−3.制御回路の構成 :
次に、本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。図5は、本実施例の遊技機1における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているように遊技機1の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板などから構成されているが、その機能に着目すると、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御基板200と、図柄やランプや効果音を用いた遊技の演出の制御を司るサブ制御基板220と、サブ制御基板220の制御の下で、実際に演出表示装置27を駆動する制御を行う演出制御基板230と、貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御基板240と、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御基板260などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータを記憶しているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図5中に示した矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、図5では、主制御基板200に搭載されたCPU201やROM203のみが図示されており、主制御基板200に搭載されているRAMやPIOなど、およびサブ制御基板220などのその他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM,ROMなどについては図示が省略されている。
図示されているように主制御基板200は、始動口スイッチ17sや、大入賞口スイッチ31s、ゲートスイッチ36sなどから遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御基板220や、払出制御基板240、発射制御基板260などに向かって、各種コマンドを出力する。また、主制御基板200には、発射装置ユニット12から発射された遊技球を検出するカウントスイッチ8sも接続されている。更に、主制御基板200は、始動口17に設けられた一対の翼片部を開閉させるための普通電動役物ソレノイド17mや、大入賞口31dを開閉させるための大入賞口ソレノイド31m、普通図柄や特別図柄の変動停止表示を行う図柄表示装置28に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。
サブ制御基板220は、主制御基板200からの各種コマンドを受け取ると、コマンドの内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。すなわち、主制御基板200から受け取った各種コマンドに基づいて、前述した演出表示装置27での具体的な表示内容や、各種スピーカ5y,6cで出力する効果音、更には、各種LEDやランプ類4b〜4fの点灯もしくは点滅の具体的な態様を決定した後、演出表示装置27を駆動する演出制御基板230、各種スピーカ5y、6cを駆動するアンプ基板226、装飾用の各種LEDやランプを駆動する装飾駆動基板228に向けてそれぞれ駆動信号を出力することにより、遊技の演出を行う。また、前述した操作スイッチSW1,SW2からの操作信号は、演出ボタン基板229を介してサブ制御基板220に入力される。
払出制御基板240は、いわゆる貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が前述した上皿5に設けられた球貸スイッチ5bや返却スイッチ5cを操作すると、この信号は、球貸表示基板245から球貸装置13に伝達される。球貸装置13は、払出制御基板240とデータをやり取りしながら、所定個数ずつ貸球の払出を行う。
また、主制御基板200が賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御基板240が受け取って、遊技球払出装置109に内蔵された払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。払い出された賞球は、払出スイッチ109jによって検出され、払出制御基板240に入力される。また、払い出された賞球数はカウントスイッチ8sによっても検出されて、主制御基板200でも計数されている。
更に、前述した遊技球タンク105に設けられたタンクスイッチ104からの信号や、遊技球タンク105に供給する遊技球が蓄えられる図示しない外部タンクに設けられた外部タンクスイッチ124からの信号も、払出制御基板240に入力されている。このため、払出制御基板240は、球切れのため賞球の払い出しができなくなる前に、異常を報知することが可能となっている。また、下皿6に設けられた下皿満杯スイッチ6sからの信号も払出制御基板240に入力されている。このため、下皿6が遊技球で一杯となった場合にも、下皿満杯スイッチ6sで検出された信号を受けて、払出制御基板240が賞球の払い出しを一時的に停止するとともに、異常の発生を報知することが可能となっている。
加えて、払出制御基板240は、主制御基板200からの制御の下で、遊技球の発射を許可する信号(発射許可信号)を発射制御基板260に向かって出力しており、発射制御基板260は、この発射許可信号を受けて、遊技球を発射するための各種制御を行っている。
B.遊技の概要 :
次に、上述した構成を有する本実施例の遊技機1で行われる制御の内容について説明するが、その準備として、先ず初めに、遊技の概要について簡単に説明しておく。
本実施例の遊技機1では、次のようにして遊技が行われる。先ず、遊技者が上皿5の凹部に遊技球を投入して発射ハンドル8を回転させると、上皿5に投入された遊技球が、1球ずつ発射装置ユニット12に供給されて、図2を用いて前述した遊技領域11に発射される。遊技球が打ち出される強さは、発射ハンドル8の回転角度によって調整することが可能となっており、遊技者は発射ハンドル8の回転角度を変化させることによって、遊技球の狙いを付けることができる。
発射した遊技球が、遊技領域11の左側に設けられた普通図柄作動ゲート36を通過すると、図柄表示装置28において普通図柄の変動表示が開始される。図3を用いて前述したように、図柄表示装置28には左普通図柄表示部29aと、右普通図柄表示部29bとが設けられている。左普通図柄表示部29aは赤色の光を点灯可能に構成されており、右普通図柄表示部29bは緑色の光を点灯可能に構成されている。普通図柄の変動表示が開始されると、左右の普通図柄表示部29a,29bが点滅表示を行う。
図6は、普通図柄が変動表示している様子を概念的に示した説明図である。変動表示中の普通図柄は、図示されている4つの状態を取ることができる。先ず、図6(a)に示した状態は、左普通図柄表示部29aが点灯して、右普通図柄表示部29bが消灯している状態を表している。図6(b)は、左普通図柄表示部29aおよび右普通図柄表示部29bがいずれも点灯した状態を表している。図6(c)は、左普通図柄表示部29aが消灯し、右普通図柄表示部29bが点灯した状態を表しており、図6(d)は、左普通図柄表示部29aおよび右普通図柄表示部29bがいずれも消灯した状態を表している。普通図柄の変動表示中は、これら4つの表示状態が速い速度で次々と切り換わる態様で表示され、そして、所定時間が経過すると、4つの表示状態のいずれかの状態で停止表示される。このとき、所定の表示状態で停止表示されると、いわゆる普通図柄の当りとなって、始動口17が所定時間(例えば0.5秒間)だけ開放状態となる。本実施例では、図6(c)に示した表示状態、すなわち、左普通図柄表示部29aが消灯し、右普通図柄表示部29bが点灯している状態が、普通図柄の当りに設定されている。
尚、普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動ゲート36を通過した場合は、この遊技球の通過が保留数として蓄えられて、現在の普通図柄の変動表示が終了後に、変動表示が行われる。普通図柄の保留は最大4個まで蓄えることが可能となっており、蓄えられている普通図柄の保留数は、図3に示した普通図柄保留表示部29cに表示される。
次いで、開放状態となった始動口17に遊技球が入球すると、今度は、特別図柄の変動表示が開始される。特別図柄は、図3を用いて説明したように特別図柄表示部30によって表示される。尚、前述したように、本実施例の特別図柄表示部30は、7セグメントLEDからなる左特別図柄表示部30aと、コンマ部分の右特別図柄表示部30bから構成されており、これら左右の特別図柄表示部30a,30bは、赤色、橙色、緑色のいずれかで点灯可能となっている。
図7は、特別図柄が変動表示している様子を概念的に示した説明図である。特別図柄の変動表示中は、左特別図柄表示部30aでは、「A」、「Y」、「−」のいずれかの図柄が表示され、右特別図柄表示部30bでは常にコンマ「.」が表示されている。また、左特別図柄表示部30aの「A」および「Y」、右特別図柄表示部30bのコンマ「.」は、赤色、橙色、緑色の3つの状態を取ることができ、左特別図柄表示部30aの「−」は、赤色または緑色のいずれかの状態を取ることができる。本実施例の特別図柄表示部30では、これらの表示状態が組み合わされて、図7に示す12種類の状態を表示することができる。図中で7セグメントLEDあるいはコンマ部分に細かいハッチングが付されているのは、赤色の状態で点灯されていることを表している。また、少し粗いハッチングが付されているのは橙色の状態で点灯表示されていることを表しており、粗いハッチングが付されているのは緑色の状態で点灯表示されていることを表している。特別図柄の変動表示が開始されると、これら12種類の表示状態が速い速度で次々と切り換わる態様で表示され、所定時間が経過すると、いずれかの状態で停止表示される。
停止表示された図柄が「−」である場合は、特別図柄は外れとなるが、それ以外の図柄の組合せが停止表示された場合は特別図柄の大当りとなって、遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技が開始される。すなわち、特別図柄が大当りとなる図柄の組合せは、図7に示した12種類の図柄から、「−」を除いた10種類の組合せが存在することになる。また、本実施例の特別遊技は、大入賞口31dの開放状態(ラウンド)が、所定ラウンドだけ繰り返されるように構成されている。大入賞口31dは大きく開口するために、遊技球は高い確率で入球することとなる。その結果、所定回数のラウンドが繰り返される間に遊技者は多くの賞球を獲得することが可能となっている。
尚、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動口17に入球した場合は、この遊技球の入球が特別図柄の保留数として蓄えられて、現在の特別図柄の変動表示が終了後に、変動表示が行われる。特別図柄の保留も最大4個まで蓄えることが可能となっており、蓄えられている特別図柄の保留数は、図3に示した特別図柄保留表示部30cに表示される。
また、図7に示した特別図柄が大当りとなる10種類の組合せのうち、実線で囲った5種類の組合せは、いわゆる「確変図柄」と呼ばれる組合せであり、変動表示された特別図柄が、これら確変図柄の組合せのいずれかで停止すると、特別遊技が終了してから次の特別遊技が開始されるまでの間、大当り図柄で停止表示される確率が通常の状態よりも高くなる。このような遊技状態は、確率変動状態(若しくは、確変状態)と呼ばれる。
更に、図7に示した特別図柄が大当りとなる10種類の組合せのうち、破線で囲った5種類の組合せは、いわゆる「通常図柄」と呼ばれる組合せであり、変動表示された特別図柄が、これら通常図柄の組合せのいずれかで停止すると、特別遊技の終了後、特別図柄が所定回数(本実施例では100回)変動表示されるか、若しくは次回の特別遊技が開始されるまでの間、特別図柄の変動時間が短くなるとともに、始動口17の開放時間が若干長くなるように設定されている。このような遊技状態は、変動時間短縮状態(若しくは、時短状態)と呼ばれる。尚、本実施例の遊技機1においては、こうした時短機能は、通常図柄で停止表示された場合だけでなく、確変図柄で停止表示された場合にも作動するようになっている。結局、特別図柄が、図7に示した10種類の大当り図柄のいずれかで停止表示された場合は、特別遊技の終了後、必ず時短機能が作動することになる。
上述した特別図柄の変動停止表示に合わせて、演出表示装置27では演出用図柄を用いた各種の演出が行われる。図8は、演出表示装置27で行われる演出の一態様を例示した説明図である。図4を用いて前述したように、演出表示装置27を構成する液晶表示画面には、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが表示されている。前述した図柄表示装置28で特別図柄の変動表示が開始されると、これら3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが一斉に変動表示を開始する。本実施例では、キャラクタ図柄として「0」〜「9」までの10個の数字を意匠化した図柄が用意されている。
図8(a)には、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが一斉に変動表示している様子が概念的に示されている。変動表示が開始された後、所定時間が経過すると、初めに左キャラクタ図柄27aが「0」〜「9」のいずれかの図柄で停止表示され、次いで、右キャラクタ図柄27cが停止表示され、最後に中キャラクタ図柄27bが停止表示される。
これら演出表示装置27で停止表示される3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cの組合せは、前述した図柄表示装置28で停止表示される特別図柄の組合せと連動するように構成されている。たとえば、図柄表示装置28の特別図柄が大当り図柄で停止する場合は、演出表示装置27の3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが同じ図柄で停止表示される。特に、図柄表示装置28の特別図柄が、前述した確変図柄で停止する場合は、演出表示装置27の3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが、奇数を表す同じ図柄で停止表示される。また、図柄表示装置28の特別図柄が、前述した通常図柄で停止する場合は、演出表示装置27の3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが、偶数を表す同じ図柄で停止表示される。これに対して、図柄表示装置28の特別図柄が外れ図柄で停止する場合は、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cは同じ図柄で揃わない任意の組合せで停止表示される。
このように、図柄表示装置28で表示される特別図柄と、演出表示装置27で表示される3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cとは、表示内容が相互に対応しており、それぞれの表示図柄が確定するタイミングも同じに設定されているため、どちらの表示を見ながら遊技をすることも可能である。しかし、図2に示すように、図柄表示装置28よりも演出表示装置27の方が目に付き易い位置に設けられており、表示画面も大きく、更に表示内容も分かり易いので、遊技者は演出表示装置27の画面を見ながら遊技を行うことが通常である。従って、演出表示装置27の表示画面上で初めに停止表示される左キャラクタ図柄27aと、続いて停止表示される右キャラクタ図柄27cとが同じ図柄であった場合には、最後に停止表示される中キャラクタ図柄27bも同じ図柄で停止して、いわゆる大当り状態になるのではないかと、遊技者は図柄の変動を注視することになる。このようなリーチ演出を行うことで、遊技者の興趣を高めることが可能となっている。尚、本実施例では、このように2つのキャラクタ図柄が同じ図柄で停止表示されて、最後のキャラクタ図柄が変動表示されている状態を「リーチ状態」と呼ぶ。
C.遊技機の制御内容 :
以上に説明した遊技は、主制御基板200に搭載されたCPU201が次のような制御を行うことによって実現されている。以下では、主制御基板200に搭載されたCPU201が行う遊技制御処理について説明する。
C−1.遊技制御処理 :
図9は、主制御基板200に搭載されたCPU201が、遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。図示されているように、遊技制御処理では、賞球関連処理、普通図柄遊技処理、普通電動役物停止処理、特別図柄遊技処理、特別電動役物遊技処理などの各処理が繰り返し実行されている。一周の処理に要する時間は、ほぼ4msecとなっており、従って、これら各種の処理は約4msec毎に繰り返し実行されることになる。そして、これら各処理中で、サブ制御基板220や払出制御基板240などの各種制御基板に向けて各種のコマンドを送信する。こうすることにより、遊技機1全体の遊技が進行するとともに、サブ制御基板220では、遊技の進行に合わせた演出の制御が行われ、また、払出制御基板240では、賞球あるいは貸球の払い出しが行われることになる。以下、フローチャートに従って、主制御基板200に搭載されたCPU201が行う遊技制御処理について説明する。
主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技制御処理を開始すると、遊技球を賞球として払い出すための処理(賞球関連処理)を行う(S50)。かかる処理では、主制御基板200に接続された各種スイッチの中で、各入賞口内に設けられた遊技球スイッチ(始動口スイッチ17sや大入賞口スイッチ31sなど)について、遊技球が入球したか否かを検出する。賞球として払い出される遊技球の個数は、入賞口に応じて定められており、何れの入賞口に何個の遊技球が入球したかに応じて、賞球として払い出すべき遊技球数は異なってくる。そこで、遊技球の入球が検出された場合には、賞球として払い出すべき遊技球数を決定した後、遊技球数を示すコマンド(賞球コマンド)を払出制御基板240に向かって出力する処理を行う。尚、主制御基板200から出力された賞球コマンドを受け取ると、払出制御基板240はコマンドの内容を解釈する。そして、その結果に従って、遊技球払出装置109に搭載された払出モータ109mに駆動信号を出力することにより、実際に賞球を払い出す処理を行う。
主制御基板200のCPU201は、賞球コマンドを出力すると(S50)、今度は、普通図柄遊技処理を行うか否か、すなわち普通図柄の変動停止表示を行うか否かを判断する(S100)。かかる判断は、普通電動役物が作動中であるか否か、換言すると始動口17が開口中であるか否かを検出することによって行う。普通電動役物が作動中でなければ普通図柄遊技処理を行うものと判断して(S100:yes)、以下に説明する普通図柄遊技処理を行う(S150)。一方、普通電動役物が作動中であれば普通図柄遊技処理は行わないものと判断して(S100:no)、普通図柄遊技処理(S150)はスキップする。
普通図柄遊技処理(S150)では、主に次のような処理を行う。先ず、普通図柄の保留数が存在するか否か(「0」であるか否か)を判定し、保留数が存在する場合には普通図柄の当否判定を行う。ここで、普通図柄の保留数は遊技球が普通図柄作動ゲート36を通過することにより設定されるものであり、本実施例では、その保留数の上限値を「4」としている。そして、普通図柄の当否判定の結果に基づき、普通図柄を当り図柄(図6(c)参照)で停止表示させるか、それ以外の何れの外れ図柄で停止表示させるかを決定する。次いで、普通図柄の変動表示時間を設定した後、普通図柄の変動表示を開始する。そして、変動表示時間が経過すると、決定しておいた図柄で普通図柄を停止表示させ、このときに、普通図柄の当り図柄が停止表示された場合には、普通電動役物の作動を開始させる。こうして普通電動役物が作動すると、始動口17に設けられた一対の翼片部が外側に向かって回動し、始動口17が開口状態となる。
以上のようにして普通図柄遊技処理を終了したら、普通電動役物が作動中か否かを判断する(S190)。そして、作動中である場合は(S190:yes)、普通電動役物を停止させるための処理(普通電動役物停止処理)を行う(S200)。一方、普通電動役物が作動していない場合は(S190:no)、普通電動役物停止処理を行う必要はないのでスキップする。
普通電動役物停止処理では、先ず初めに、普通電動役物の作動を停止する条件(換言すれば、始動口17を閉鎖する条件)が成立したか否かを判断する。ここで、普通電動役物の作動停止条件としては、普通電動役物作動時間(すなわち、始動口17の開口時間)が経過するか、開口中の始動口17に規定数の遊技球が入球するかの2つの条件が設定されている。そして、何れかの条件が成立すると、普通電動役物の作動停止条件が成立したものと判断して、普通電動役物の作動が停止(すなわち、始動口17の開口状態が通常状態に復帰)する。これに対して、普通電動役物作動時間が経過しておらず、開口中の始動口17に規定数の遊技球も入球していない場合は、普通電動役物の作動停止条件は成立していないものと判断して、普通電動役物を作動させたまま、普通電動役物停止処理を終了する。図9中の普通電動役物停止処理(S200)では、以上のような処理を行う。尚、普通電動役物作動時間(すなわち、始動口17の開口時間)は、通常の遊技状態では約0.5秒間に設定されているが、後述する開口時間延長機能が作動すると約5秒間に延長される。
遊技制御処理では、普通電動役物停止処理に続いて、特別図柄遊技処理を開始するか否かを判断する(S300)。かかる判断は、条件装置が作動しているか否かを検出することによって行う。ここで条件装置とは、後述する役物連続作動装置が作動するための条件となる装置であり、特別図柄が、図7に示した通常当り図柄または確変当り図柄の何れかで停止表示されると作動を開始する装置である。条件装置は役物連続作動装置を作動させ、これによって、大入賞口31dが連続して開口する大当り遊技状態が開始される。ここで、「条件装置が作動しているか否か」とは、「大当り遊技中であるか否か」ということである。なお、条件装置および役物連続作動装置は、主制御基板200のCPU201が実行する制御プログラムによって構成される。そして、条件装置が作動中でない場合(大当り遊技中でない場合)は特別図柄遊技処理を行うものと判断して(S300:yes)、以下に説明する特別図柄遊技処理を行う(S320)。これに対して、条件装置が作動中である場合(大当り遊技中である場合)には、特別図柄遊技処理は行わないものと判断して(S300:no)、特別図柄遊技処理(S320)はスキップする。
特別図柄遊技処理では、主に次のような処理が行われる。先ず、特別図柄の当否判定を行って、特別図柄を変動表示させる時間を決定する。次いで、決定した内容(すなわち、特別図柄の当否判定結果や、変動表示時間など)に関するコマンドをサブ制御基板220に向かって出力するとともに、図柄表示装置28の特別図柄表示部30において特別図柄の変動表示を開始する。尚、特別図柄の保留数が「0」である場合には、上述した処理、すなわち、特別図柄の当否判定や変動時間を決定する処理は行わない。ここで、特別図柄の保留数は、遊技球が始動口17に入球すると設定されるものであり、図3の特別図柄保留表示部30cに示したように、上限値「4」に達するまで設定可能となっている。この保留数は、特別図柄の変動表示が行われる度に、1ずつ消化されていく。また、上述したように、主制御基板200からは、特別図柄の当否判定結果や、変動表示時間などに関する各種のコマンドがサブ制御基板220に向かって出力され、このコマンドに基づいて、サブ制御基板220のCPU221が、より詳しい演出内容を決定することにより、各種の演出が行われている。
こうして特別図柄の変動表示を開始した後、決定しておいた変動表示時間が経過すると、特別図柄を停止表示させる。このとき停止表示される図柄は、先に決定した当否判定結果に応じた図柄となっており、当否判定結果が「当り」であれば、図7に示した「通常当り図柄」または「確変当り図柄」の何れかの図柄が停止表示され、当否判定結果が「外れ」であれば、図7に示した「外れ図柄」が停止表示される。そして、「通常当り図柄」または「確変当り図柄」の何れかの図柄(当り図柄)が停止表示された場合には、条件装置の作動が開始される。前述したように条件装置とは、役物連続作動装置を作動させる装置であり、役物連続作動装置が作動していると、大入賞口31dが一旦閉鎖されても、再び開口状態となる。従って、特別図柄が「当り図柄」で停止表示すると、条件装置が作動し、これにより役物連続作動装置が作動して大入賞口31dが連続して開口状態となるので、高い確率で遊技球を入球させることが可能となる。このような遊技者にとって有利な遊技状態が、いわゆる「大当り遊技」と呼ばれる遊技状態である。
特別図柄遊技処理(図9のS320)では、以上に説明したように、特別図柄の当否判定結果に基づいて、特別図柄の変動表示および停止表示を行うとともに、当り図柄が停止表示された場合は、大当り遊技を開始するべく条件装置を作動させる処理を行う。尚、本実施例の遊技機1では、遊技者にとって有利な遊技状態には、大当り遊技だけではなく、当り図柄が停止表示される確率が高くなっている状態(いわゆる確変状態)や、特別図柄や普通図柄の変動時間が短くなっている状態(いわゆる時短状態)、更には、始動口17の開口時間が延長されている状態(いわゆる開口時間延長状態)なども設けられている。そして、大当り遊技中は、確変状態を初めとする遊技者にとって有利な遊技状態は、一旦、中断されるようになっている。従って、本実施例の特別図柄遊技処理では、条件装置を作動させた場合には、確変状態や時短状態、開口時間延長状態を一旦、中断させる処理も行われる。
図9に示すように遊技制御処理では、上述した特別図柄遊技処理(S320)に続いて、条件装置が作動中か否かを判断する(S390)。そして、条件装置が作動中であれば(S390:yes)、以下に説明する特別電動役物遊技処理を行うことにより、大当り遊技を実施する(S400)。これに対して、条件装置が作動していない場合は(S390:no)、特別電動役物遊技処理を行うことなく、遊技制御処理の先頭に戻って、前述した賞球関連処理(S50)以降の一連の処理を繰り返す。
特別電動役物遊技処理では、大まかには次のような処理が行われる。先ず、上述した特別図柄遊技処理(S320)において、条件装置および役物連続作動装置の作動が開始されているので、大入賞口31dが開口状態となる。開口した大入賞口31dは、所定の開口時間が経過するか、若しくは開口中の大入賞口31dに規定数の遊技球が入球すると閉鎖される。一般に、大入賞口31dが開口してから閉鎖されるまでの遊技は「ラウンド」と呼ばれている。1ラウンド目が終了しても(すなわち、大入賞口31dが一旦閉鎖されても)、条件装置および役物連続作動装置が作動しているために、大入賞口31dは再び開口状態となり、所定の開口時間が経過するか、開口中の大入賞口31dに規定数の遊技球が入球すると閉鎖して、2ラウンド目が終了する。大当り遊技中には、予め定められた所定回数(本実施例では、15回)のラウンドが行われるようになっており、所定回数のラウンドを全て消化するまで大当り遊技が継続される。そして、全てのラウンドが消化されたら条件装置および役物連続作動装置の作動が停止される。このため、大入賞口31dが閉鎖されても再び開口することはなく、大当り遊技が終了する。
次いで、大当り遊技終了後の遊技状態を、大当り遊技を開始する契機となった当り図柄に応じて設定する処理を行う。すなわち、大当り遊技の開始契機となった特別図柄が、図7に示した「確変当り図柄」であった場合は、確変状態であり、時短状態であり、尚且つ、開口時間延長状態である遊技状態に設定する。一方、大当り遊技の開始契機となった特別図柄が「通常当り図柄」であった場合は、確変状態ではないが、時短状態であり、且つ、開口時間延長状態である遊技状態に設定する。
以上に説明したように、特別電動役物遊技処理(図9のS400)では、いわゆる大当り遊技を開始して、所定回数のラウンドを消化するまで大当り遊技を継続し、大当り遊技の終了後は、その大当り遊技の開始契機となった特別図柄に応じて、大当り遊技終了後の遊技状態を設定する処理を行う。そして、特別電動役物遊技処理の終了後は、再び先頭に戻って、賞球関連処理(S50)以降の一連の処理を繰り返す。
主制御基板200に搭載されたCPU201は、以上のような遊技制御処理を繰り返しながら、賞球として払い出す遊技球数を決定して払出制御基板240に賞球コマンドを出力したり、普通図柄の当否判定や、特別図柄の当否判定を行って、遊技状態を大当り遊技状態や、確変状態、時短状態などの各種の遊技状態に変化させながら、遊技を進行させる制御を行う。その結果、遊技機1では、前述したような遊技を行うことが可能となっている。
ここで、前述した様に、主制御基板200は、図9に示した遊技制御処理を実行する中で、遊技の演出に関する種々の制御コマンド(演出コマンド)をサブ制御基板220に向かって出力する。サブ制御基板220では、受け取った演出コマンドに基づいて具体的な演出の態様を決定し、演出表示装置27や各種LEDやランプ類4b〜4fを用いて様々な演出を行っている。更に、演出の効果をより高める為に、演出に合わせて楽曲などの各種の効果音をスピーカ5y、6cから出力している。その一方で、こうして遊技機が演出に合わせて効果音を出力しても、遊技ホールでは場内放送や周辺の遊技機からの効果音と混ざって騒音のようになってしまい、効果音の効果が半減してしまうことがあった。そこで、本実施例の遊技機1では、遊技者の遊技意欲を一層奮い立たせることとなる遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)において、その遊技状態に対応する効果音(特別効果音)を複数の遊技機の間で揃えて演奏することによって、効果音の効果を維持向上させることを可能としている。以下では、サブ制御基板220が効果音を揃えて演奏するための処理(効果音制御処理)について詳しく説明する。
C−2.特別効果音制御処理 :
特別効果音制御処理の内容を説明するにあたって、理解を容易にするために、まず、効果音を出力するための装置構成について説明しておく。図10は、効果音の出力に関連する装置構成および装置の制御について概念的に示した説明図である。図示されている様に、サブ制御基板220には、CPU221の他、音源IC224や音データ記憶ROM223などが搭載されている。ここで、音源IC224は、図10に示されている様に、音再生部224aと利得調整部224bの2つのモジュールから構成されている。このうち、音再生部224aは、D/A変換器などから構成され、音データ記憶ROM223から読み出した音データをD/A変換して実際の音信号として再生する機能を有している。尚、本実施例の遊技機1では、音再生部224aが複数の効果音再生チャンネルを有しており、特別遊技で出力される特別効果音の再生と特別遊技以外の遊技で出力される通常効果音の再生を異なる再生チャンネルで行うようになっている。一方、利得調整部224bは、利得調整器などから構成されており、音再生部224aで再生された音信号を外部に出力する際の音量を調整する機能を担っている。この利得調整部224bは、音再生部224aが有する効果音再生チャンネル毎に音量調整を行うように構成されている。また、音源IC224は、CPU221とバス接続されており、CPU221はバスを介して音源IC224に命令を送ることで、音再生部224aおよび利得調整部224bを制御することが可能となっている。
また、音源IC224の出力はアンプ基板226と接続されており、音声IC224が出力した音声信号をアンプ基板226で更に増幅することが可能となっている。そして、増幅された音声信号をスピーカ5y、6cへと供給することで、スピーカ5y、6cを駆動して効果音を出力することが可能となっている。
尚、上述した様に、音源IC224によって効果音の再生および音量の設定が行われることから、音源IC224は、本発明における「特別効果音出力手段」および「音量設定手段」に対応している。
サブ制御基板220では、以上に説明した装置構成を用いて、主制御基板200からの演出コマンドに基づいて効果音の出力制御を行っている。この制御処理は、主制御基板200から演出コマンドを受け取ったサブ制御基板のCPU221が演出コマンドを解析して、演出コマンドで特定される遊技状態(通常時図柄変動遊技、大当り遊技、確変時図柄変動遊技、時短時図柄変動遊技など)に応じた効果音を出力すべく、前述の各装置を操作する処理である。そして、このとき、本実施例の遊技機1では、以下で説明する「特別効果音制御処理」をCPU221で行うことによって、他の遊技機と特別遊技状態時の効果音(特別効果音)を揃えて演奏することを可能としている。以下では、この「特別効果音制御処理」について、フローチャートに沿って詳しく説明する。
図11は、本実施例の「特別効果音制御処理」の流れを示したフローチャートである。かかる処理は、遊技機1に電源が投入された直後から実行される処理である。図11に示される様に、効果音制御処理を開始すると、CPU221は、特別効果音の音量設定値を「消音」(音が聴き取れない状態)に設定した状態で(S500)、特別効果音の再生を開始する(S502)。すなわち、本実施例の特別効果音制御処理では、特別遊技が開始されてから特別効果音の再生を開始するのではなく、電源が投入された直後から音量設定値を「消音」にした状態で再生を開始することとしている。音量設定値を「消音」に設定する処理(S500)および特別効果音の再生を開始する処理(S502)は、CPU221からの指令に基づいて、音源IC224が音再生部224aおよび利得調整部224bを制御することで行う。具体的には、利得調整部224bが、音再生部224aの複数の効果音再生チャンネルのうち、特別効果音の再生を行う効果音再生チャンネル(特別効果音再生チャンネル)の音量を「消音」に設定し、この状態で、音再生部224aが特別効果音再生チャンネルから特別効果音の再生を行う。これにより、スピーカ5y、6cからは効果音は出力されない(効果音が聴き取れない)ものの、音再生部224aでは電源投入直後から特別効果音が再生されている状態となる。
電源が投入されてS500及びS502の処理を実行した後、CPU221は、図11のフローチャートに示されている様に、S504からS508の各判断処理を繰り返し実行する。まず、S504では、大当り遊技などの特別遊技が開始されたか否かの判断を行う。特別遊技が開始されると、主制御基板200からは特別遊技に伴う演出の開始を指示するコマンドが送られてくるので、このコマンドを受け取ったか否かによって、CPU221は特別遊技が開始されたか否かを容易に判断できる。前述した様に、効果音制御処理は電源が投入されると遊技が始まる前から実行開始されるので、当然ながら初めのうちは特別遊技は開始されていないと判断されて(S504:no)、次のS506へと移行する。
S506では、特別遊技が終了したか否かの判断を行う。特別遊技が終了すると、主制御基板200からは特別遊技終了演出の実行を指示するコマンドが送られてくるので、サブ制御基板220のCPU221は、かかるコマンドを受け取ったか否かによって特別遊技が終了したか否かを判断することができる。もっとも、初めのうちは特別遊技は開始されておらず、従って、特別遊技が終了したと判断されることもないので、S506では「no」と判断されてS508へと移行する。尚、CPU221は、この様に特別遊技の開始あるいは終了を判断することから、本発明における「遊技状態検出手段」に対応するものとなっている。
S508では、音再生部224aで行われている特別効果音の再生(楽曲などの演奏)が終了したか否かの判断処理を行う。この判断は次のような理由から行われる。すなわち、本実施例の効果音制御処理は、サブ制御基板220に電源が投入されると、遊技が開始される前から実行されるが、実際に特別遊技が開始されるのは、電源の投入後(消音状態での効果音の再生開始後)、どれくらいの時間が経過した後であるかは分からない。その間、特別効果音の再生は継続されているので、特別遊技が開始されないまま、特別効果音の再生が終了してしまう場合も起こり得る。そこで、特別効果音制御処理のS508では、特別効果音の再生が終了したか否かを判断して、再生が終了していれば(S508:yes)、音再生部224aを操作して特別効果音の再生を再び開始させるのである(S514)。もちろん、電源が投入された直後など未だ特別効果音の再生が終わっていないうちは、S514へ移行することなくそのままS504へと復帰すればよい(S508:no)。
尚、S508で特別効果音の再生が終了したか否かを確認する際には、種々の方法を用いることができる。例えば、予め定められた特別効果音の再生に要する時間に従って、特別効果音の再生を開始してからの時間経過をタイマー回路等で計ることによって判断することとしてもよい。あるいは、特別効果音の再生が終わった時点で音源IC224からCPU221へ信号を送り、CPU221でこの信号を受信することで特別効果音の再生の終了を確認することとしてもよい。
この様に、本実施例の特別効果音制御処理では、S500及びS502の処理の後は、S504からS508の判断を繰り返し行いながら特別遊技が開始されるまで待機する。そして、この間、S508およびS514の処理によって、音再生部224aにおいて常に特別効果音が消音状態で再生されている状態を保っている。
こうして待機しているうちに、遊技者が遊技を始めて特別遊技が開始されると、今度は、S504において「yes」と判定されて、処理はS510へと移行する。S510では、CPU221が利得調整部224bを操作することによって、特別効果音の音量(特別効果音再生チャンネルの音量)を遊技者に聴こえる音量(可聴音)に設定する。すると、音再生部224aでは常に特別効果音が再生されているので、これが利得調整部224bを介してアンプ基板226へと出力されることで、スピーカ5y、6cから実際に特別効果音が出力される。こうして、特別遊技の開始に合わせて特別効果音が聴取可能な状態で出力されることとなる。
一方、特別遊技が終了すると、今度はS506において「yes」と判断されるので、処理はS512へと移行する。すると、CPU221は、利得調整部224bを操作して、効果音の音量を再び「消音」に設定する。これによって、特別遊技の終了と共にスピーカ5y、6cからの特別効果音の出力も終了する(S512)。
こうして特別効果音の出力を行った後は、CPU221は、引き続きS504からS508までの判断を繰り返し行う。これにより、再び特別遊技が開始された際にも、直ちに利得調整部224bを操作して特別効果音を出力することが可能となる。
なお、上述のように、特別効果音の再生開始は特別遊技の開始に連動するものではなく、遊技機1の電源投入に伴って行われるが、特別効果音以外の効果音、すなわち、特別遊技以外の遊技(例えば、通常遊技状態における図柄変動遊技)で出力される効果音(通常効果音)の再生開始および再生終了については、公知の遊技機のように、遊技の進行状況に応じた演出開始タイミングよび演出終了タイミングに連動して行われる。具体的には、例えば、通常遊技状態における図柄変動遊技中に、主制御基板200からサブ制御基板220に対して図柄変動演出パターンを指定するコマンドが送られると、サブ制御基板220のCPU221は、そのコマンドに従った図柄変動演出を実行するとともに、その図柄変動演出の進行状況に応じて音源IC224に対して通常効果音の再生指示を送る。この指示を受けた音源IC224は、利得調整部224bで通常効果音の音量を「可聴音」に設定した上で、音再生部224a(通常効果音再生チャンネル)により通常効果音の再生を開始し、これにより、図柄変動演出に対応した通常効果音がスピーカ5y、6cから出力される。
以上に説明した様に、本実施例の「特別効果音制御処理」では、音再生部224aにおいて常に特別効果音が「消音」で再生されている状態を保っておき、特別遊技が開始されると特別効果音(特別効果音再生チャンネル)の音量設定値を「可聴音」に設定し、特別遊技が終了したら特別効果音(特別効果音再生チャンネル)の音量設定値を「消音」に戻すことによって、特別遊技に合わせて特別効果音を出力している。そして、このことから、特別遊技の際に特別効果音を周辺の遊技機と揃えて演奏することが可能となっている。この点について、図12を参照しながら詳しく説明する。
図12は、本実施例の遊技機1において、特別効果音を周辺の遊技機と揃えて演奏することが可能となっている様子を概念的に示した説明図である。ここでは、遊技機Aおよび遊技機Bの2台の遊技機を例にとって説明する。遊技機Aおよび遊技機Bでは、特別効果音として、図中に楽譜で示された楽曲が演奏されるものとする。また、図12では、電源を投入してからの時間経過が図の左から右に向かって表されており、図の上段には、電源の投入のタイミングおよび各遊技機で特別遊技が発生したタイミングが示されている。
遊技機Aおよび遊技機Bに電源が投入されると、前述した様に、遊技機Aおよび遊技機Bはそれぞれ「特別効果音制御処理」を開始する。ここで、実際の遊技ホールでは、近接して設置された遊技機のまとまり(いわゆる「島」)ごとに電源系統が共通しており、それらの遊技機の間では電源が同時に投入されることが一般的である。このことから、遊技機Aと遊技機Bとでは電源が投入されるタイミングは同時となっており、従って、前述の「特別効果音制御処理」(図11参照)も同時に開始され、「特別効果音制御処理」で行われる効果音の再生開始処理(図11のS502)もやはり同時に実行されることとなるので、遊技機Aおよび遊技機Bは、特別効果音の再生(楽曲の演奏)を同時に開始することとなる。もちろん、厳密には、遊技機から電源までの距離の違いや、CPU221の立ち上がり電圧の微妙な違いがあるため、完全に同時に実行されるわけではない。しかし、そうしたタイミングのずれは極めて僅かなので、実際上はほとんど同時に再生が開始されることとなる。
ここで、先に説明した様に、利得調整部224bが、音再生部224aの特別効果音再生チャンネルの音量を「消音」に設定しているので、再生を開始するといっても、スピーカ5y、6cから実際に特別効果音が出力されるわけではなく、音再生部224aの内部において再生されているだけである。図12では、この様に音再生部224aで再生されているものの、スピーカ5y、6cからは出力されない特別効果音が、破線の音符で示されている。
こうして消音状態で特別効果音の再生を開始した後、やがて遊技機Aで特別遊技が開始されると、遊技機Aは利得調整部224bを操作して特別効果音再生チャンネルの音量設定値を「可聴音」とすることで、実際にスピーカ5y、6cから特別効果音を出力する。図12では、スピーカ5y、6cから出力されている特別効果音が実線の音符で示されている。一方、遊技機Bでは、特別遊技がまだ開始されていないので、特別効果音再生チャンネルの音量設定値は「消音」のままとなっている。更に時間が経過して、今度は遊技機Bで特別遊技が開始されると、遊技機Bも特別効果音再生チャンネルの音量設定値を「可聴音」とすることでスピーカ5y、6cから特別効果音を出力する。ここで、遊技機Aおよび遊技機Bは、特別効果音の再生を同時に開始して以降そのまま再生を続けているので、図12の楽譜に示されている様に、電源投入後のどのタイミングにおいても常に揃った状態で特別効果音が再生されている。従って、遊技機Bが音量設定値を「可聴音」に設定すれば、遊技機Aから出力されている特別効果音の演奏に揃えた状態で、遊技機Bのスピーカ5y、6cから特別効果音が出力されることとなる。こうして、遊技機Aと遊技機Bとの間で特別効果音を揃えた状態で出力することが可能となる。
この様に、本実施例の遊技機1では、音再生部224aにおいて楽曲などの特別効果音が常に揃った状態で再生されているので、各遊技機で特別遊技状態の発生に応じて特別効果音再生チャンネルの音量設定を「可聴音」(音が出力される状態)に切り換えるだけで、周辺の遊技機との間で特別効果音が揃った状態で出力される。このため、他の遊技機と通信してタイミングを取る等の複雑な制御を何ら行うことなく、極めて簡便に特別効果音を揃えて出力することが可能となっている。
また、周辺の遊技機と特別効果音を出力するタイミングを合わせる必要がないことから、他の遊技機に合わせるために特別効果音の出力を遅らせ、その結果演出が不自然になってしまうといったことがない。また、演出が不自然にならないように特別効果音の遅れを予め考慮して演出内容を用意するといった対策も必要なくなるので、実行する演出内容には何ら特別な制約が課されることがない。これにより、より興趣の高い演出を用意して実行することが可能となっている。
更に、複数の遊技機の間で特別効果音の出力タイミングの同期を図るための同期回路を必要としないので、サブ制御基板220の装置構成を複雑にすることなく簡素に保つことも可能となっている。また、音データ記憶ROM223からデータを読出す処理についても、楽曲(特別効果音)の最初のデータから順に読み出していくだけでよく、楽曲(特別効果音)の途中のデータから読出しを始めることがないので、読出し位置を指定するためにアドレスの管理をする必要がない。更には、単に先頭から順にデータを読み出していけばよいので、いわゆるバースト転送を行ってより簡便に読み出しを行うことも可能である。これにより、CPU221や音源IC224の処理をより簡素にすることも可能となっている。
また、本実施例の遊技機1では、各遊技機の間で特別効果音の出力タイミングの同期を図るための通信回線を必要としないので、通信回線を備えているか否かといった遊技ホールの設備環境にかかわらず、特別効果音を揃えて出力することが可能となっている。
そして、この様に特別効果音を揃った状態で出力してやれば、周辺の遊技機の効果音が混ざり合って雑音のようになってしまうことがないので、効果音の効果が半減してしまう事態を回避することが可能となる。更には、周辺の遊技機からも特別効果音が聞こえてくることで特別遊技の演出がより盛り上げられるので、遊技の興趣をよりいっそう高めることも可能となる。
尚、上述の説明では、主制御基板200で行われる大当り遊技や確率変動遊技などの特別遊技に応じて特別効果音を出力するものとして説明した(図11のS504、S506参照)。しかし、主制御基板200で行われるこれらの特別遊技に限らず、サブ制御基板220で実行される各種の演出態様に応じて特別効果音を出力するものとしてもよい。例えば、サブ制御基板220で複数の演出モードを切り換えながら演出を行っている場合には、特定の演出モードが選択された場合に特別効果音を出力するものとしてもよい。こうすれば、特定の演出モードに切り替わると同時に効果音が出力されるので、演出モードの変化をより強調して遊技の興趣を高めることが可能となる。そして、こうした場合でも、本実施例の遊技機1では、音再生部224aで特別効果音が揃った状態で再生されているので、利得調整部224bを操作するだけで他に何ら複雑な処理をすることなく、周辺の遊技機と揃えた状態で特別効果音を出力することが可能となる。
D.変形例 :
D−1.第1変形例 :
前述した実施例では、音源IC224の利得調整部224bによって特別効果音の音量を「消音」と「可聴音」とに切り換えることで、特別遊技に合わせて特別効果音をスピーカ5y、6cから出力していた(図11のS510、S512参照)。しかし、次のような方法を採用すれば、音源IC224の制御をより簡素化することが可能である。
図13は、第1変形例のサブ制御基板220および周辺装置の構成を概念的に示した説明図である。図示されているように、第1変形例では、音源IC224の音再生部224aと利得調整部224bとの間に、スイッチ部224cが設けられている。そして、効果音を出力する際には、利得調整部224bを操作するのではなく、このスイッチ部224cを操作することで特別効果音を出力する。すなわち、利得調整部224bでは特別効果音の音量設定値を「可聴音」に設定したままにしておき、特別遊技が行われていないときは、スイッチ部224cをグランド側に切り換えておく。すると、音再生部224aで再生された音声信号が利得調整部224bに供給されなくなるので、スピーカ5y、6cからは特別効果音が出力されず消音状態とすることができる。そして、特別遊技が開始された際には、スイッチ部224cを切り換えて音再生部224aからの音声信号を利得調整部224bへと供給してやれば、利得調整部224bが「可聴音」に設定されていることから、スピーカ5y、6cから特別効果音を出力することができる。
この様に、第1変形例では、利得調整部224bではなく、スイッチ部224cを操作することで特別遊技に合わせて特別効果音を出力している。すなわち、第1変形例においては、音源IC224のスイッチ部224cが、本発明の「音量設定手段」に対応している。スイッチ部224cの操作は、ON/OFFを指定する操作なので、信号を1ビットだけ送れば操作が可能である。このことから、第1変形例では、CPU221が音源IC224を操作する処理をより簡素に保つことが可能となっている。更には、1ビットの信号(すなわち信号線1本)で操作可能なことから、音源IC224とCPU221とのバス接続を簡略化することも可能となっている。
D−2.第2変形例
前述した実施例では、特別効果音の再生が終了したか否かを定期的に確認し、再生が終了した場合には、音再生部224aに再び命令を出すことで特別効果音の再生を繰り返し行うものとして説明した(図11のS508、S514参照)。しかし、次のような方法で特別効果音の再生を繰り返すことも可能である。
図14は、第2変形例のサブ制御基板220および周辺装置の構成を概念的に示した説明図である。図示されているように、第2変形例では、音データ記憶ROM223は、記憶領域の先頭と終端とが接続されたリングメモリ構成となっている。この様な構成とすると、特別効果音の再生を開始してデータを順次読み出していき、やがてその再生が終了してデータの終端に達した際には、再びデータの先頭に戻ってそのまま読み出しが続行されるので、特別効果音の再生が終わっても直ぐにまた再生が開始されることとなる。
こうすれば、特別効果音の再生が終わるたびに音再生部224aに命令を送って特別効果音の再生を再開させる必要がないので、CPU221の処理をより簡素に保つことが可能となる。また、特別効果音の再生が終わったか否かを確認する必要もないことから、特別効果音の再生を開始してからの時間を計るためのタイマー回路等も必要としないので、サブ制御基板220の装置構成をより簡素化することも可能となる。
以上、本発明について各種の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上述した実施例および変形例では、本発明をいわゆる弾球遊技機に適用した場合について説明したが、本発明は弾球遊技機に限らず、いわゆる回胴式遊技機についても好適に適用することが可能である。
また、上述した実施例および変形例では、特別遊技が実際に開始されることに伴って、特別効果音を遊技者が聴取可能な状態で出力することとして説明したが、特別遊技が実際に開始される前に特別遊技が開始されることを遊技者に報知するのに伴って、特別効果音を遊技者が聴取可能な状態で出力するようにしても良い。例えば、特別遊技が「大当り遊技」であって、図柄表示装置28の特別図柄(演出表示装置27のキャラクタ図柄27a,27b,27c)が変動表示しているときに「大当り確定告知演出」を行う際に、この「大当り確定告知演出」の実行に伴って、「消音」とされていた特別効果音を「可聴音」としてスピーカ5y、6cから出力することとしてもよい。あるいは、特別遊技が「確変状態(確変遊技)」であって、大当り遊技終了後に確変状態が開始されるか否かの抽選演出(いわゆる昇格演出)を大当り遊技中に行い、抽選演出で確変状態の開始確定報知(昇格決定演出)を実行する際に、この開始確定報知の実行に伴って、「消音」とされていた特別効果音を「可聴音」としてスピーカ5y、6cから出力することとしてもよい。この様に、特別遊技が開始されることを遊技者に確定報知する際に、特別効果音を複数の遊技機から同期した状態で出力してやれば、特別遊技が実際に開始される前から遊技者の期待感を煽ることが可能となるので、遊技の興趣をより高めることができる。