JP2009015957A - 光学素子及び光ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】光効率が良く小型で容易に組み立てが可能な光学素子を提供する。
【解決手段】光源から線状導光体が導いた光を記録媒体に照射し、該記録媒体の上を相対移動するスライダに搭載される光学素子において、前記光学素子は、前記光を透過する材料で形成され、前記線状導光体が固定される固定部と、前記固定部に固定される前記線状導光体から射出する光が前記光学素子の内部に入射する入射面と、前記入射面より入射した光を偏向する偏向面と、を備え、前記入射面には、入射する光を集束させる光学パワーを有している。
【選択図】図2

Description

本発明は、光学素子及び光ヘッドに関する。
磁気記録方式では、記録密度が高くなると磁気ビットが外部温度等の影響を顕著に受けるようになる。このため高い保磁力を有する記録媒体が必要になるが、そのような記録媒体を使用すると記録時に必要な磁界も大きくなる。記録ヘッドによって発生する磁界は飽和磁束密度によって上限が決まるが、その値は材料限界に近づいており飛躍的な増大は望めない。そこで、記録時に局所的に加熱して磁気軟化を生じさせ、保磁力が小さくなった状態で記録し、その後に加熱を止めて自然冷却することにより、記録した磁気ビットの安定性を保証する方式が提案されている。この方式は熱アシスト磁気記録方式と呼ばれている。
熱アシスト磁気記録方式では、記録媒体の加熱を瞬間的に行うことが望ましい。また、加熱する機構と記録媒体とが接触することは許されない。このため、加熱は光の吸収を利用して行われるのが一般的であり、加熱に光を用いる方法は光アシスト式と呼ばれている。光アシスト式で超高密度記録を行う場合、必要な光スポット径は20nm程度になるが、通常の光学系では回折限界のため、光をそこまで集光することはできない。
そのため、入射光波長以下の大きさの光学的開口から発生する近接場光(近視野光とも称する。)を利用する光ヘッドが利用されている。
近視野光の例として、以下がある。微小開口が形成された近視野光ヘッドと、コア及びクラッドを備えた略棒状の光導波路(光ファイバ)と、光導波路の一端面側に近視野光ヘッドに光を照射するために形成された反射面を備えた情報記録再生装置において、近視野光ヘッドに微小開口とは異なる面にヘッド用レンズが形成されており、光導波路の途中にコア端面が形成されている。(特許文献1参照)
また、レーザ光を出射するレーザ光出射手段と、レーザ光出射手段からのレーザ光が入射する第1面、第1面に入射したレーザ光を反射する第2面、および第2面で反射したレーザ光が集光されて光スポットが形成される第3面を有し、第3面から滲み出た近接場光により記録又は再生を行わせる透明集光媒体を備えた光ヘッドがある。(特許文献2参照)
特開2002−245659号公報 特開2002−352468号公報
特許文献1によれば、光導波路(光ファイバ)の途中に形成されているコア端面から射出される光は、クラッド内を広がりながら光ファイバの一端面側に形成されてある反射面に到達する。この後、近視野光ヘッドに光を照射する方向に偏向された光はヘッド用レンズに入射し、微小開口に集光される。光スポット径を小さくするために、ヘッド用レンズに入射する光の径を大きくし、微小開口に入射される光束のNAを大きくしている。
このため、近接場光を生じる位置の近傍では光スポットを形成する光束が大きいため、近接場光を生じる位置の近傍に磁気ヘッドを設けることができず、記録媒体に磁気記録を効率よく行うことができない。また、ヘッド用レンズの光学パワー面と光スポット形成位置との距離がスライダの厚みに近いため、光学パワー面の曲率半径を小さくする必要があるが、このような曲率半径が小さくて光学性能を満足するヘッド用レンズを製造することは容易でない。
また、特許文献2によれば、光学ヘッドが備えている透明集光媒体の第2面は、例えば回転放物面の一部を成す反射面であり、この反射面に入射するレーザ光は平行光とする必要がある。近接場光を効率よく発生させるため、第3面に形成される光スポット径を小さくする(第3面に入射する光束のNAを大きくする)には、この平行光の径を大きくする必要があるため、光ヘッドを小型にすることが困難となる。また、レーザ光出射手段は、半導体レーザの出射光を平行ビームに整形する光学素子、例えばコリメータレンズを透明集光媒体とは別に必要とし、更にコリメータレンズを含めて透明集光媒体との複雑な位置調整が必要となる。従って、光ヘッドは、小型にすることが困難で構成が複雑であり容易に組み立てが出来ない。
また、近年、例えばHDD(Hard Disk Drive)の様な記録装置の高密度情報記録が進むに伴い、再生記録を行うヘッドの小型化、ヘッドを構成するスライダの小型化が望まれている。スライダのサイズは、国際ディスクドライブ協会(IDEMA、International Disk Drive Equipment and Materials Association)スタンダードとして標準化されている。サイズの大きい順からミニ・スライダ、マイクロ・スライダ、ナノ・スライダ、ピコ・スライダ、フェムト・スライダと命名されている。これらのスライダの中で、大きさの観点から現在注目されているスライダは、ナノ・スライダ、ピコ・スライダ、フェムト・スライダである。これらのスライダの大きさ(サイズ)と質量を表1に示す。
Figure 2009015957
高密度情報記録においては、上記のスライダの大きさから分かるように1枚のディスク上の情報の高密度化は勿論であり、更にディスクを多層配置する、又はできるだけ小型の筐体に収納することで空間的に高密度化することも必要である。例えば、多層のディスク配置を想定した場合、ディスク同士の間隔はできるだけ小さいことが要望され、表1で示したスライダの厚みを含めた光ヘッドの厚みは、1mm程度以下とすることが望まれている。
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、光効率が良く小型で容易に組み立てが可能な光学素子及びこの光学素子を用いた光ヘッドを提供することにある。
上記の課題は、以下の構成により解決される。
1. 光源から線状導光体が導いた光を記録媒体に照射し、該記録媒体の上を相対移動するスライダに搭載される光学素子において、
前記光学素子は、前記光を透過する材料で形成され、
前記線状導光体が固定される固定部と、
前記固定部に固定される前記線状導光体から射出する光が前記光学素子の内部に入射する入射面と、
前記入射面より入射した光を偏向する偏向面と、を備え、
前記入射面には、入射する光を集束させる光学パワーを有していることを特徴とする光学素子。
2. 前記光を透過する材料は、樹脂であることを特徴とする1に記載の光学素子。
3. 前記固定部は、一端が開放され他端が閉じられている窪みに設けられ、前記窪みの他端に前記入射面を有していることを特徴とする1又は2に記載の光学素子。
4. 前記光学パワーは、前記入射面が光軸に対して回転対称な球面又は光軸に対して回転対称な非球面形状で屈折を生じる面によることを特徴とする1乃至3の何れか一に記載の光学素子。
5. 前記光学パワーは、前記入射面に有する回折構造により生じることを特徴とする1乃至3の何れか一に光学素子。
6. 1乃至5の何れか一に記載の光学素子と、
前記固定部に配設された前記線状導光体と、
前記光学素子を保持する前記スライダと、を備えたことを特徴とする光ヘッド。
本発明の光学素子は、光源から線状導光体が導いた光を透過する材料で形成され、線状導光体を固定する固定部と、固定部に固定される線状導光体から射出する光が光学素子の内部に入射する入射面と、入射面より入射した光を偏向する偏向面と、を備えており、入射面には、入射する光を集束させる光学パワーを有している。
よって、光学素子の固定部に線状導光体を調整して固定することにより、光学素子は、他の光学部品や新たな調整を必要とすることなく、線状導光体が導く光を光学素子内部に入射する際に光学パワーにより収束し、収束した光を偏向面により、例えば光学素子を搭載するスライダを設ける方向に偏向することが出来る。
また、上記の効果を有する光学素子と、線状導光体と、スライダとを備えた光ヘッドを構成することができる。
従って、光効率が良く小型で容易に組み立てが可能な光学素子及びこの光学素子を用いた光ヘッドを提供することが出来る。
以下、本発明を図示の実施の形態である光ヘッドに磁気記録素子を有する光アシスト式磁気記録ヘッドとそれを備えた光記録装置に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。尚、各実施の形態の相互で同一の部分や相当する部分には同一の符号を付して重複の説明を適宜省略する。
図1に光アシスト式磁気記録ヘッドを搭載した光記録装置(例えばハードディスク装置)の概略構成例を示す。この光記録装置1Aは、以下(1)〜(6)を筐体1の中に備えている。
(1)記録用のディスク(記録媒体)2
(2)支軸5を支点として矢印Aの方向(トラッキング方向)に回転可能に設けられたサスペンション4
(3)サスペンション4に取り付けられたトラッキング用アクチュエータ6
(4)サスペンション4の先端に取り付けられた光アシスト式磁気記録ヘッド3(以下、光ヘッド3と称する。)
(5)ディスク2を矢印Bの方向に回転させるモータ(図示しない)
(6)トラッキング用アクチュエータ6、モータ及び記録等の制御を行う制御部7
こうした光記録装置1Aは、光ヘッド3がディスク2の上で浮上しながら相対的に移動しうるように構成されている。
図2は、光ヘッド3の一例をディスク2が回転することで相対的に移動する方向に沿った断面図で示している。光ヘッド3は、ディスク2に対する情報記録に光を利用する光ヘッドであって、光学素子14とスライダ15を備えている。図3は、図2における光学素子14の斜視図を示している。
光学素子14は、光源から光を導光する線状導光体である光ファイバ11を固定する窪み14bに設けられた固定部14dと、光ファイバ11から射出する光を光学素子14の内部に入射させ、後述の光導波路16の入射端面16aに光スポットを形成する光学パワーを有する入射面14cと、光を偏向する偏向面14aを備えている。線状導光体は、本実施の形態形態に挙げている光ファイバのような線状導光体の断面の径方向にコア、クラッドと呼ぶ屈折率差を備えた導光体があるが、これに限定されることはなく、ポリマー光導波路のような線状導光体の断面の径方向に屈折率差を有さない導光体とすることもできる。偏向面14aは、入射面14cと光導波路16の入射端面16aとの間に配置されている。窪み14bは、一端が開放され他端が閉じられ、スライダ15の取り付け面である底面14h側が開口し、閉じられている他端に入射面14cがある。固定部14dを窪み14bに設けることで、光学素子14はスライダ15やサスペンション4を固定しやすい構造とすることができるので好ましい。また、固定部14dには、光ファイバ11を位置決めして固定接着しやすい様に図3に示す固定部14dのように断面がV字状の溝を設けてもよい。
スライダ15は、入射端面16aに形成された光スポットを導光してディスク2に向けて射出する光導波路16、ディスク2の被記録部分に対して磁気情報の書き込みを行う磁気記録部17及びディスク2に記録されている磁気情報の読み取りを行う磁気再生部18を備えている。
なお、図2ではディスク2の記録領域の進入側から退出側(図の→方向)にかけて、磁気再生部18、光導波路16、磁気記録部17の順に配置されているが、配置順はこれに限らない。光導波路16の退出側直後に磁気記録部17が位置すればよいので、例えば、導波路16、磁気記録部17、磁気再生部18の順に配置してもよい。
光ファイバ11により導光される光は、例えば、半導体レーザより出射される光である。この光の波長は1.2μm以上の近赤外波長(近赤外帯域としては、0.8μmから2μm程度であり、具体的な波長としては、1310nm、1550nm等が挙げられる。)が好ましい。光ファイバ11の射出端面11aから出射した近赤外レーザ光は、光学素子14の内部に入射する入射面14cに設けてある光学パワーにより収束光となり、偏向面14aによって偏向され、スライダ15に設けられた光導波路16の入射端面16aに光スポットを形成する。形成された光スポットは、スライダ15の光導波路16を導波して光ヘッド3からディスク2に向けて出射する。光導波路16に入射する光束の光軸は入射端面16aに対して垂直であることが光結合効率の観点から望ましい。光学素子14においては、偏向面14aで偏向され、スライダ15と対向する底面14hから射出する光の光軸は、低面14hに垂直としている。
スライダ15は浮上しながら磁気記録媒体であるディスク2に対して相対的に移動するが、媒体に付着したごみや、媒体に欠陥がある場合には接触する可能性がある。その場合に発生する摩耗を低減するため、スライダの材質には耐摩耗性の高い硬質の材料を用いることが望ましい。例えば、Al23を含むセラミック材料、例えばAlTiCやジルコニア、TiNなどを用いれば良い。また、摩耗防止処理として、スライダ15のディスク2側の面に耐摩耗性を増すために表面処理を行っても良い。例えば、DLC(Diamond Like Carbon)被膜を用いると、近赤外光の透過率も高く、ダイヤモンドに次ぐHv=3000以上の硬度が得られる。
また、スライダ15のディスク2と対向する面には、浮上特性向上のための空気ベアリング面(ABS(Air Bearing Surface)面とも称する。)を有している。スライダ15の浮上はディスク2に近接した状態で安定させる必要があり、スライダ15に浮上力を抑える圧力を適宜加える必要がある。このため、光学素子14の上に固定されるサスペンション4は、光ヘッド3のトラッキングを行う機能の他、スライダ15の浮上力を抑える圧力を適宜加える機能を有している。
光ヘッド3から出射した近赤外レーザ光が微小な光スポットとしてディスク2に照射されると、ディスク2の照射された部分の温度が一時的に上昇してディスク2の保磁力が低下する。その保磁力の低下した状態の照射された部分に対して、磁気記録部17により磁気情報が書き込まれる。この光学素子14に関して以下に説明する。
光源から光学素子14に光を導く光ファイバ11は、固定部14dに固定される。固定された光ファイバ11の射出端面11aから射出される光束は、広がりながら光学素子14の内部に入る入射面14cに達し、光学素子14の内部に進入する。この時、入射面14cは、入射する光束を収束させる光学パワーを有している。入射面14cを通過した光束は、収束光となって偏向面14aに到達する。偏向面14aに到達した光束は、スライダ15が取り付けられている方向に偏向され、光学素子14の底面14hに接して設けてあるスライダ15が備えている光導波路16の入射端面16aに垂直に入射し、光スポットを形成し光結合する。
光学パワーを有する入射面14cは、入射面14cが光導波路16の入射端面16aに光スポットを形成する位置である集光点から遠い位置にある方が光学パワーをより小さくすることができる。よって、光学パワーとして屈折を利用する場合、光学パワーを有する入射面14cの形状を光軸に対象な球面或いは非球面とすると、その曲率を緩くすることができるため、収差を良好とすることができるととも、その形状を容易に製造することができる。
さらに、光ファイバ11の射出端面11aと入射面14cとの距離が近いほど、入射面14cに入射する光束径が大きくならないため、球面或いは非球面形状等の光学パワーを有する入射面14cの有効径を小さくすることができる。また、入射面14cを通過した光束は収束光となるため、この後集束光が入射する偏向面14aを小さくすることが出来る。よって、光学素子14を小型にすることが可能となり、小型の光学素子14とスライダ15とで構成される光ヘッド3を小型にすることできる。このような小型の光ヘッド3は、大容量の記録装置を実現するために複数枚の記録媒体を搭載する場合の1mm程度の狭い媒体同士の間隔にも対応することが出来る。
またスライダ15に設けられた光導波路16の入射端面16aに集光する光束の光スポット径と、光ファイバ11の射出端面11aの光スポット径とがほぼ同じくらいの場合、集束する光束と光導波路16とが最も効率よく光結合する。光学パワーを有する入射面14cから光導波路16の入射端面16aまでの距離が近づき過ぎると、光スポット径が必要以上に小さくなりすぎてしまい結合効率が悪くなってしまう。
光学素子14は、図2に示す通り、光ファイバ11から射出する光が最初に入射する入射面14cに光学パワーを有することで、集光点である光導波路16の入射端面16aから遠く、且つ光ファイバ11の射出端面11aから近い位置に光学パワーを有する面を配置することが出来る。このため光学素子14は、光効率のよい光スポット径を光導波路16の入射端面16aに形成することが出来る。
また、上記の通り、光学パワーを有する入射面14cから光導波路16の入射端面16aまでの距離を長くすることが出来るため、光スポットを形成する光束のNAを小さくすることができる。よって、偏向面14aに入射す光束の入射角を小さくできるため、すべての光束を全反射させて光効率を良好とする、光ファイバ11の固定部14d、光学パワーを有する入射面14c及び偏向面14a等の配置を容易にすることができる。
光学素子14は、光ファイバ11の固定部14dと光学パワーを有する入射面14cと偏向面14aとを一体として備えている。このため、光学素子14においては、光ファイバ11を固定部14dに位置調整して固定するだけで、光ファイバ11から射出される光を光導波路16の入射端面16aに導き、良好な光スポットを形成することができる。よって、光学素子14をスライダ15と組み合わせることで、組み立てが容易で良好な光学性能を備えた小型の光ヘッド3を得ることができる。
光学素子14を成す材料は、光源から光ファイバ11が導く光を透過する樹脂であるのが好ましい。上述のように光学素子14は、光ファイバ11を固定する固定部14d、光学パワーを有する入射面14c、偏向面1aを備え一体化しているため、光学素子14の全体の形状は、固定部14d、入射面14c、偏向面1aの個別の形状よりも複雑になる。このような複雑な形状であっても製造を容易に行うため、使用波長に対して透明な流動性材料を用いた成形法により製造するのが好ましい。流動性材料としては、樹脂やガラスが挙げられるが、質量や製造の容易さより樹脂が好ましい。また光を透過する材料であるため、組み立て時における光学素子14とスライダ15等の他の部品との位置あわせを容易におこなうことができる。成形に使用される熱可塑性樹脂としては、例えば、ZEONEX(登録商標)480R(屈折率1.525、日本ゼオン(株))、PMMA(ポリメチルメタクリレート、例えば、スミペックス(登録商標)MGSS、屈折率1.49、住友化学(株))、PC(ポリカーボネート、例えば、パンライト(登録商標)AD5503、屈折率1.585、帝人化成(株))等が挙げられる。また、ガラスとしては、ガラスモールドで用いられる高屈折率ガラスであるSF6(nd=1.805、νd=25.40)、金型の寿命を考慮すると、例えば極低温度で成形可能なモールドレンズ用光学ガラスであるPG375(Vidron、住田光学(株)、nd=1.54250、νd=62.9)が挙げられる。
光学素子14の成形に使用する金型は簡単な構成が好ましい。そのためには、光学素子14の形状は、型抜きしやすい形状とすることが好ましい。図3に示す光学素子14を成形する金型で最も簡単な構成と考えられる2つ割り金型の例を図4に示す。図4に示す金型M−1及びM−2は、成形される光学素子14がディスク2が回転することで相対的に移動する方向である横方向(図4中のY方向)と高さ方向(図4中のZ方向)とで成す面の対角線に型割面M−fを設けた例を示している。
図4において、M−1は下型、M−2は上型を示している。金型M−1及びM−2において、M−1dは固定部14dでV溝を成形する部分、M−1bは光ファイバ11を固定部14dに導く窪み14bを成形する部分、M−1cは光学パワーを有する入射面14cを成形する部分、M−2aは偏向面14aを成形する部分を示している。また、M−1gは、成形材料である樹脂等を金型に注入するゲート部を示している。
ここで、被成形物である光学素子14における入射面14cの形状について図4、図5を用いて説明する。光学素子14の入射面14cは、型割面M−f側に凸の形状である。この場合、底面14hに垂直で且つ光学パワーを有する入射面14cにおける光軸Lを面内とする面(図5の紙面)上において、入射面14cの接線TLと型割面M−fに垂直な面M−frとが成す角度θが最大10°程度するのが好ましい。10°を超えると、形状にもよるが、型抜きが困難となる場合がある。
例えば、光学素子14においては、型割面M−fの傾きは、底面14hを基準として、光学素子14の横(Y方向)と高さ(Z方向)で決めることができる。光学素子14の横×奥行き×高さを1mm×1mm×0.5mmとすると、型割面M−fと光学素子14の底面14hとの角度θcは、26.5°となり、これに垂直な面M−frが底面14hとなす角度θrは63.5°となる。従って、光学パワーを有する入射面14cの接線TLと底面14hとが成す角度θtを、53.5°以上とすると、光学素子14は、簡単な構成の2つ割り金型で型抜きが容易な形状とすることができる。
光学素子14は、これまで説明したように、光ファイバ11から射出する光束が最初に入射する入射面14cに光学パワーを有することで、集光点から遠く、且つ光ファイバ11の射出端面11aから近い位置に光学パワーを配置することが可能である。このため、光学素子14を成す材料を屈折率1.5程度の樹脂とした場合であっても、光学パワーを有する入射面14cの有効径と曲率の大きさを、上記の角度θtが53.5°以上となるように設定することができる。従って、光学素子14は、複雑な金型構成にすることなく、簡単な構成の2つ割り金型で容易に成形できる形状とすることができる。光学素子14を薄くすると、角度θrが大きくなるため、望まれる角度θtの最小値も大きくなる。このため、光学パワーを有する入射面14cの有効径と曲率の大きさを小さくして、角度θtを大きくできることは、光学素子14の薄型化に有利となる。
これまで説明した光学素子の入射面14cが有している光学パワーは屈折を利用するものとしているが、回折を利用するものとしてもよい。回折を利用する光学ヘッドの例を図6に示す。図7は、図6における光学素子30の斜視図を示している。図6において、入射面14cの位置に回折構造14eを備えている。図8に、2つの屈折率(n1、n2)が異なる領域が交互に同心状に配置された構造を備えている回折構造14eの例を模式的に示す。図8(a)は回折構造14eを光軸方向から見た様子を模式的に示し、図8(b)は(a)に示す回折構造14eのY−Y’の位置での断面の様子を模式的に示す。尚、屈折率n1とn2との境界は実際にはなだらかに切り替わる。
回折構造14eは、例えば図9に示すように点光源P1を物体光、点光源P2とレンズLとで参照光とし、感光により屈折率を変化させることができる例えばフィルム状のフォトポリマー基板PLに上記の2つの光を干渉させて照射することにより製造することができる。
これまで説明した光学素子14を例にすると、光学素子14は、入射面14cの球形状、偏向面14aの平面形状等の必要精度の性質が異なる構造部が集合する構成となっている。このため、光学素子の形状によっては、全ての構造部において必要精度を満たすように製造するのが難しい場合がある。このような場合、例えば、図10に示すように、例えば樹脂の構造体41に入射面14cの一部を成すガラスの球状部材43を埋め込んだ構成としても良い。具体的には、光学パワーを有する形状の例えばガラスの球状部材43を別途用意して、光学素子40を成形する金型に予め嵌め込んだ状態で、構造体41を樹脂で成型することで必要な精度を満たすことができる。
ここで光学素子14、30に示す光学系に関するコンストラクションデータを数値例1、2として以下に挙げ、また、光学素子14、30で光学断面を図11、12に示す。
図11において、光ファイバ11の光軸は、光学素子14の底面14hを基準に俯角10°としている。光ファイバ11の端面を光源LSとし、光源LSから射出された光は、面S2で収束され偏向面である面S3へ入射角50°で入射し、反射された光は底面14hの集光点FPに垂直方向に集光する。この時に、光学パワーを有する入射面に相当する面S2における接線TLと底面14hとの角度θtは、58°である。
図12において、光ファイバ11の光軸は、光学素子30の底面14hを基準に俯角10°としている。光ファイバ11の端面を光源LSとし、光源LSから射出された光は、面S2で収束され偏向面である面S3へ入射角50°で入射し、反射された光は底面14hの集光点FPに垂直方向に集光する。この時に、光学パワーを有する入射面に相当する面S2と底面14hとの角度θtは、80°である。
数値例1、2のコンストラクションデータにおいては、次の通りである。ri(i=1,2,3・・・)は、光源LS側から数えてi番目の面Si(i=1,2,3・・・)の曲率半径を示し、di(i=1,2,3・・・)は、光源LS側から数えてi番目の軸上面間隔(mm)を示し、集光点をFPとしている。また、各面Siを定義する際の基準となる座標軸をX軸、Y軸及びZ軸それぞれの平行偏芯量及び傾き量として示している。
偏芯データの表記に関して説明する。X、Y、Z各軸の偏芯量をそれぞれXSC、YSC、ZSCとして示す。また、X、Y、Z各軸を回転軸としたときの各面の傾き角をそれぞれASC、BSC、CSCとして示す。最初の座標軸を各光学断面である図11、12に示す。光源LSから光が進む方向をZ軸とし、これに直交する座標をX軸、Y軸としている。この座標系は、光源の位置を原点として、光源側から順次面を定義していく。この順次面を定義する際の原点は、その都度示されている偏芯データを反映する。数値例1、2の球面収差を図13、14にそれぞれ示す。縦軸Hは有効径に基づいて正規化した入射高を示す。
(数値例1)
NA:0.10000
Fno:0.5
有効径:0.0736mm
使用波長:1500nm
焦点距離:−0.3095
倍率:0.7181
全長:0.5000mm
Figure 2009015957
(数値例2)
NA:0.10000
Fno:5.0
有効径:0.0656mm
使用波長:1500nm
焦点距離:−0.2931mm
倍率:0.6554
全長:0.5000mm
Figure 2009015957
これまで示した光学素子14、30、40の固定部14dは、一方が開放され他方が閉じられ、スライダ15の取り付け側が開口している窪み14bに設けてあるが、図15に示す光学素子50のように固定部14dを設ける個所を窪み状の構造ではなく、3方向に開放されたL字状の構造14eとしてもよい。また、図16に示す光学素子60ように、窪み14bの開口をスライダ15を設ける側の反対側面としてもよい。
光記録装置の例を示す図である。 光ヘッドに磁気記録素子を有する光アシスト式磁気記録ヘッドの例を示す断面図である。 光ヘッドが有する光学素子の例を示す斜視図である。 光学素子を成形する金型の例を示す図である。 光学素子の入射面の形状を説明する図である。 光ヘッドに磁気記録素子を有する光アシスト式磁気記録ヘッドの例を示す断面図である。 光ヘッドが有する光学素子の例を示す斜視図である。 (a)は回折構造を光軸方向から見た様子を模式的に示す図である。(b)は(a)に示す回折構造のY−Y’の位置での断面の様子を模式的に示す図である。 回折構造を製造する原理を示す図である。 光ヘッドが有する光学素子の例を示す斜視図である。 光学素子の光学断面を示する図である。 光学素子の光学断面を示する図である。 光学素子における球面収差を示す図である。 光学素子における球面収差を示す図である。 光ヘッドが有する光学素子の例を示す斜視図である。 光ヘッドが有する光学素子の例を示す斜視図である。
符号の説明
2 ディスク
3 光ヘッド
4 サスペンション
11 光ファイバ
14、30、40、50、60 光学素子
14a 偏向面
14b 窪み
14c 入射面
14d 固定部
14e L字状の構造
14h 底面
15 スライダ
16 光導波路
17 磁気記録部
18 磁気再生部
LS 光源
S1 面1
S2 面2
S3 面3
FP 集光点

Claims (6)

  1. 光源から線状導光体が導いた光を記録媒体に照射し、該記録媒体の上を相対移動するスライダに搭載される光学素子において、
    前記光学素子は、前記光を透過する材料で形成され、
    前記線状導光体が固定される固定部と、
    前記固定部に固定される前記線状導光体から射出する光が前記光学素子の内部に入射する入射面と、
    前記入射面より入射した光を偏向する偏向面と、を備え、
    前記入射面には、入射する光を集束させる光学パワーを有していることを特徴とする光学素子。
  2. 前記光を透過する材料は、樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記固定部は、一端が開放され他端が閉じられている窪みに設けられ、前記窪みの他端に前記入射面を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子。
  4. 前記光学パワーは、前記入射面が光軸に対して回転対称な球面又は光軸に対して回転対称な非球面形状で屈折を生じる面によることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の光学素子。
  5. 前記光学パワーは、前記入射面に有する回折構造により生じることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に光学素子。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学素子と、
    前記固定部に配設された前記線状導光体と、
    前記光学素子を保持する前記スライダと、を備えたことを特徴とする光ヘッド。
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