JP2008305501A - 光学素子、光ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造で光の利用効率が高く厚みの薄い光学素子、及び光学素子を用いた光ヘッドを提供する。
【解決手段】記録媒体に対して相対移動するスライダに搭載される光学素子において、光源からの光を結合し、該光を出射する側の端面が光軸に対し傾斜した斜面に形成された光ファイバーと、光ファイバーの斜面に形成され、光ファイバーから出射される光を反射させてスライダに結合させる為の所定の位置に集光させるレンズと、を有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、光学素子、及び光ヘッドに関する。
磁気記録方式では、記録密度が高くなると磁気ビットが外部温度等の影響を顕著に受けるようになる。このため高い保磁力を有する記録媒体が必要になるが、そのような記録媒体を使用すると記録時に必要な磁界も大きくなる。記録ヘッドによって発生する磁界は飽和磁束密度によって上限が決まるが、その値は材料限界に近づいており飛躍的な増大は望めない。そこで、記録時に局所的に加熱して磁気軟化を生じさせ、保磁力が小さくなった状態で記録し、その後に加熱を止めて自然冷却することにより、記録した磁気ビットの安定性を保証する方式が提案されている。この方式は熱アシスト磁気記録方式と呼ばれている。
熱アシスト磁気記録方式では、記録媒体の加熱を瞬間的に行うことが望ましい。また、加熱する機構と記録媒体とが接触することは許されない。このため、加熱は光の吸収を利用して行われるのが一般的であり、加熱に光を用いる方式は光アシスト式と呼ばれている。
光アシスト式で超高密度記録を行う場合、必要なスポット径は20nm程度になるが、通常の光学系では回折限界があるため、光をそこまで集光することはできない。
そのため、入射光波長以下のサイズの光学的開口から発生する近接場光を利用する近接場光ヘッドが利用されているが、従来の近接場光ヘッドは光の利用効率が低いといった問題があった。そこでこのような問題に対応する為、種々の方法が検討がされている。
例えば、ギャップを介して対向する一対の構造体を近接場光プローブ及び書き込み用磁気ヘッドとして兼用する。ギャップの間隔と幅を入射光の波長λよりも小さくすると反対面のギャップ位置から高強度の近接場光を発生する。この近接場光により加熱された媒体に、一対の構造体から記録磁界を付与して磁気的に書き込みを行う光アシスト磁気記録ヘッドが知られている(特許文献1参照)。
また、近接場光を発生させる微小開口の周辺に、周期的凹凸構造を持つ金属膜を形成することで、プラズモンを介したエネルギー伝播機構を実現し、光の利用効率を向上させる近接場光ヘッドが知られている(特許文献2参照)。
また、可とう性を有する略棒状の光導波路を用い、光導波路の一端側にコア内を伝搬する光の少なくとも一部をクラッドを透過する方向に反射する反射面と、反射面で反射された光が透過する部位を中心とするクラッド表面に光の透過を遮断する遮光膜を設ける。さらに反射面で反射された光が透過する部位に対応する遮光膜の一部を削除して、使用する光の波長よりも小さな開口部を形成することにより、先端の下面より近接場光を発生させる。これにより、媒体の記録情報を高空間分解能で検出(再生)可能とする光ピックアップが知られている(特許文献3参照)。
特開2002−298302号公報 特開2003−6913号公報 特開2000−215494号公報
特許文献1に記載の光アシスト磁気記録ヘッドは、光ファイバーから放出された光が光プリズムで反射され、透明誘電体ブロックを透過して記録素子のギャップ付近に光スポットを形成する構成としている。この場合、光ファイバーから放出される光は、記録素子のギャップ付近に到達するまでの距離が長いため広がってしまい、ギャップ付近での近接場光の発生に寄与する光の利用効率が低下する。
特許文献2に記載の近接場光ヘッドは、光ファイバーからの出射光を近接場光発生微小構造に到達させるために、Alの蒸着膜による偏向素子とマイクロレンズによる集光素子を備えている。この場合、偏向素子及び集光素子の製造に手間がかかる上に、これらの素子の光損失が大きい。このため、集光の効果が微小構造付近での近接場光の発生に寄与する光の利用効率の向上に十分に寄与しない。また、マイクロレンズの光軸がスライダの浮上方向と略平行となる構成のため、近接場光ヘッドの全体の厚みを薄くすることが困難である。
特許文献3に記載の光ピックアップは、光導波路底面の開口への集光効率を向上させるために、開口部の直上に集光素子を配している。しかしながら、集光素子を配するだけでは集光効率の向上は望めず、また、集光効率向上のための光学系を反射面と底面の間に配することも非常に困難である。さらに反射面には一部を透過し残りを反射するような特性の反射膜が設けられているので、製造工程の増加による高価格化を招く恐れがある。さらに、本光ピックアップは、光磁気記録用のヘッドではないため、記録ヘッドや再生ヘッドについての記載が無い上に、構成上配置が困難なものと考えられる。
また、近年、例えばHDD(Hard Disk Drive)の様な記録装置の高密度情報記録が進むに伴い、再生記録を行うヘッドの小型化、ヘッドを構成するスライダの小型化が望まれている。スライダのサイズは、国際ディスクドライブ協会(IDEMA、International Disk Drive Equipment and Materials Association)スタンダードとして標準化されている。サイズの大きい順からミニ・スライダ、マイクロ・スライダ、ナノ・スライダ、ピコ・スライダ、フェムト・スライダと命名されている。これらのスライダの中で、大きさの観点から現在注目されているスライダは、ナノ・スライダ、ピコ・スライダ、フェムト・スライダである。これらのスライダの大きさ(サイズ)と質量を表1に示す。
Figure 2008305501
高密度情報記録においては、上記のスライダの大きさから分かるように1枚のディスク上の情報の高密度化は勿論であり、更にディスクを多層配置する、又はできるだけ小型の筐体に収納することで空間的に高密度化することも必要である。例えば、多層のディスク配置を想定した場合、ディスク同士の間隔はできるだけ小さいことが要望され、表1で示したスライダの厚みを含めた光ヘッドの厚みは、1.5mm程度以下とすることが望まれている。
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであって、簡単な構造で光の利用効率が高く厚みの薄い光学素子、及び光学素子を用いた光ヘッドを提供することを目的とする。
上記目的は、下記の1乃至8のいずれか1項に記載の発明によって達成される。
1.記録媒体に対して相対移動するスライダに搭載される光学素子において、
光源からの光を結合し、該光を出射する側の端面が光軸に対し傾斜した斜面に形成された光ファイバーと、
前記光ファイバーの前記斜面に形成され、前記光ファイバーから出射される光を反射させて前記スライダに結合させる為の所定の位置に集光させるレンズと、を有することを特徴とする光学素子。
2.前記斜面は、前記光軸に対し略45度の角度をなして形成されることを特徴とする前記1に記載の光学素子。
3.前記レンズは、前記光ファイバーから出射される光を全反射させることを特徴とする前記1または2に記載の光学素子。
4.前記光ファイバーのコアの屈折率をn1、クラッドの屈折率をn2、前記レンズの屈折率をn3、とすると、n1、n2、n3は、下記(式1)、(式2)の関係を満足することを特徴とする前記1乃至3のいずれか1項に記載の光学素子。
0.9<n1/n3<1.1 (式1)
0.9<n2/n3<1.1 (式2)
5.前記レンズの光軸は、前記光ファイバーの前記斜面に垂直であり、
前記斜面に平行な方向において、前記レンズの中心と前記コアの中心は偏心しており、その偏心量をH、前記レンズの面頂点と前記斜面における前記コアの中心との距離をTとすると、T、Hは、下記(式3)の関係を満足することを特徴とする前記4に記載の光学素子。
1.2<T/H<1.6 (式3)
6.前記レンズの材料は、ポリカーボネート、シクロオレフィン、アクリル、PDMSのいずれかからなる樹脂であることを特徴とする前記1乃至5のいずれか1項に記載の光学素子。
7.前記レンズは、アナモルフィックレンズであり、
前記アナモルフィックレンズの、前記光ファイバーから出射された光の折り返し方向の曲率は、該折り返し方向に直行する方向の曲率よりも大きいことを特徴とする前記1乃至6のいずれか1項に記載の光学素子。
8.記録媒体への情報記録に用いる近接場光を発生する近接場光発生部と、
前記近接場光発生部に光を導く光導波路と、を備えて前記記録媒体に対して相対移動するスライダと、
前記スライダに搭載され、前記光導波路に光源からの光を導く、前記1乃至7のいずれか1項に記載の光学素子と、を有することを特徴とする光ヘッド。
本発明によれば、光ファイバーの光を出射する側の端面を光軸に対し傾斜した斜面に形成し、該斜面に形成したレンズにより、光ファイバーから出射される光を反射させてスライダに結合させる為の所定の位置に集光させるようにした。これにより、光ファイバーからの光が集光される所定の位置に、スライダの光導波路を配置することにより、光源からの光を光導波路に効率よく入射させることができ、光の利用効率を高めることができる。また、光ファイバーをスライダに沿って配置することができるので、光ヘッドの厚みを薄くすることができる。
以下図面に基づいて、本発明に係る光学素子、光ヘッドの実施の形態を説明する。尚、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。
図1に、本発明の実施形態に係る光アシスト式磁気記録ヘッド(以下、光ヘッドと称する。)を搭載した光記録装置(例えば、ハードディスク装置)の概略構成を示す。
光記録装置1Aは、記録用のディスク(磁気記録媒体)2、駆動軸6を支点として矢印Aの方向(トラッキング方向)に回転可能に設けられたアーム5に支持されたサスペンション4、アーム5に取り付けられたトラッキング用アクチュエータ7、サスペンション4の先端に取り付けられた光ヘッド3、及びディスク2を矢印Bの方向に回転させる図示しないモータ等を筐体1の中に備えており、光ヘッド3がディスク2の上で浮上しながら相対的に移動しうるように構成されている。
図2は、光記録装置1Aの光ヘッド3周辺部の要部構成を示す断面図であり、光記録装置1Aの任意の2枚のディスク2の両面に記録再生する4つの光ヘッド3を示している。
光源21は、アーム5の光ヘッド3がディスク2に光を照射する側の面に配置されている。光源21から出射した光は、光ファイバー11を介してスライダ15に導かれる。
図3は、光記録装置1Aの光ヘッド3周辺部の平面図であり、アーム5に配置する光源21の位置を示している。
光源21は、アーム5上に配置されている。光源21に結合された光ファイバー11は、サスペンション4に設けられた開口4hを通ってスライダ15に結合される。光源21は、アーム5上のどの位置でも良いが、サスペンション4に近い位置であれば光ファイバー11の長さを短くすることができる。一方、光源21を駆動軸6の回転中心6aに近い位置に配置すると、駆動軸6の回転による光源21の回転モーメントが少なくなり、図示しないアクチュエータ7によるスライダ15の位置制御が容易になる。これらの点を考慮して最適な位置に光源21を配置することが好ましい。
図4は、光ヘッド3の構成を示す断面図である。光ヘッド3は、ディスク2に対する情報記録に光を利用する光ヘッドである。光ヘッド3は、光源から出射された光LB1をスライダ15に設けられた光導波路16に導光する光ファイバー11とレンズ12から構成される光学素子10、及びディスク2の被記録部分を近赤外レーザー光でスポット加熱するための光導波路16、ディスク2の被記録部分に対して磁気情報の書き込みを行う磁気記録部17、ディスク2に記録されている磁気情報の読み取りを行う磁気再生部18等から構成されるスライダ15等を備えている。
尚、図4ではディスク2の記録領域の進入側から退出側(図の→方向)にかけて、磁気再生部18、光導波路16、磁気記録部17の順に配置されているが、配置順はこれに限らない。光導波路16の退出側直後に磁気記録部17が位置すればよいので、例えば、光導波路16、磁気記録部17、磁気再生部18の順に配置してもよい。
光ファイバー11により導光される光は、例えば、半導体レーザーより出射される光であり、その光の波長は1.2μm以上の近赤外波長(近赤外帯域としては、0.8μmから2μm程度であり、具体的なレーザー光の波長としては、1310nm、1550nm等が挙げられる。)が好ましい。光ファイバー11の端面から出射した近赤外レーザー光は、レンズ12よって、スライダ15に設けられた光導波路16の上面に集光され、この光アシスト部を成す光導波路16を導波して光ヘッド3からディスク2に向けて出射する。
スライダ15は浮上しながら磁気記録媒体であるディスク2に対して相対的に移動するが、媒体に付着したごみや、媒体に欠陥がある場合には接触する可能性がある。その場合に発生する摩耗を低減するため、スライダの材質には耐摩耗性の高い硬質の材料を用いることが望ましい。例えば、Al23を含むセラミック材料、例えばAlTiCやジルコニア、TiNなどを用いれば良い。また、摩耗防止処理として、スライダ15のディスク2側の面に耐摩耗性を増すために表面処理を行っても良い。例えば、DLC(Diamond Like Carbon)被膜を用いると、近赤外光の透過率も高く、ダイヤモンドに次ぐHv=3000以上の硬度が得られる。
また、スライダ15のディスク2と対峙する面には、浮上特性向上のための空気ベアリング面(ABS(Air Bearing Surface)面とも称する。)を有している。スライダ15の浮上はディスク2に近接した状態で安定させる必要があり、スライダ15に浮上力を抑える圧力を適宜加える必要がある。このため、スライダ15の上に固定されるサスペンション4は、光ヘッド3のトラッキングを行う機能の他、スライダ15の浮上力を抑える圧力を適宜加える機能を有している。
光ヘッド3から出射した近赤外レーザー光が微小なスポットとしてディスク2に照射されると、ディスク2の照射された部分の温度が一時的に上昇してディスク2の保持力が低下する。その保持力の低下した状態の照射された部分に対して、磁気記録部17により磁気情報が書き込まれる。
次に、光導波路16について説明する。光導波路16に後述の光スポットサイズ変換機能を持たせることで、光導波路16の入射面に形成された光スポットの径を、光導波路16の入射面での径に対して出射面で小さくすることができる。よって、より小さい光スポット径を記録媒体面に形成することができ、高記録密度化に対応することができる。
光スポットサイズ変換機能を持つ光導波路の例として図5を示す。図5(a)、図5(b)は、光導波路16の部分を光ヘッド3が相対的に移動する方向から見た様子を示し、図5(c)は移動方向に対して垂直方向で且つ磁気記録面に対して平行方向から見た様子を模式的に示している。図5に示す光導波路16は、コア16a(例えばSi)、サブコア16b(例えばSiON)及びクラッド16c(例えばSiO2)からなっている。その光導波路16の光射出位置又はその近傍には、図5(c)に示す様に、本発明における近接場光発生部に該当するプラズモンプローブ16fが配置されている。そのプラズモンプローブ16fの具体例を図6に示す。
図6(a)は、三角形の平板状金属薄膜(材料例:アルミニウム、金、銀等)からなるプラズモンプローブ16f、図6(b)は、ボウタイ型の平板状金属薄膜(材料例:アルミニウム、金、銀等)からなるプラズモンプローブ16fを示し、何れも曲率半径20nm以下の頂点Pを有するアンテナからなっている。また、図6(c)は、開口を有する平板状金属薄膜(材料例:アルミニウム、金、銀等)からなるプラズモンプローブ16fを示し、曲率半径20nm以下の頂点Pを有するアンテナからなっている。これらのプラズモンプローブ16fに光が作用すると、その頂点P近辺に近接場光が発生して、非常に小さいスポットサイズの光を用いた記録又は再生を行うことが可能となる。つまり、光導波路の光射出位置又はその近傍にプラズモンプローブ16fを設けることにより局所プラズモンを発生させれば、光導波路で形成された光スポットのサイズを小さくすることができ、高密度記録に有利となる。なおコア16aの中央にプラズモンプローブ16fの頂点Pが位置することが好ましい。
光アシスト式で超高密度記録を行う場合に必要なスポット径が20nm程度であり、光の利用効率を考えると、プラズモンプローブ16fにおけるモードフィールド(MFD)は0.3μm程度が望ましい。このMFDの大きさでは光の入射が困難であるため、スポット径を5μm程度から数100nmまで小さくするスポットサイズ変換を行う必要がある。
図5において、コア16aの幅は、図5(c)が示す断面では光入力側から光出力側にかけて一定になっているが、図5(a)に示す断面ではサブコア16b内において光入力側から光出力側にかけて徐々に広くなるように変化している。この光導波路径の滑らかな変化によりモードフィールド径が変換される。つまり、光導波路16のコア16aの幅は、図5(a)に示すように、光入力側で0.1μm以下、光出力側で0.3μmとなっているが、図5(b)に示すように、光入力側ではサブコア16bによりMFDが5μm程度の光導波路が構成され、その後徐々にコア16aに光結合してモードフィールド径が小さくすることができる。このように、光導波路16の光出力側のモードフィールド径をdとし、光導波路16の光入力側のモードフィールド径をDとしたとき、光導波路径を滑らかに変化させることによりモードフィールド径を変換して、D>dを満たすようにすることが好ましい。
ところで、このような構成の光ヘッド3において、光ファイバー11の光が出射する側の端面を単に45度の斜面に形成するのみで、該斜面にて光源からの光LB1を反射させて光導波路16に導く構成では、2つの重大な損失が発生し光の利用効率の低下を招く。そこで、本発明に係る実施形態においては、後述する様に、光ファイバー11の光が出射する側の端面を45度の斜面に形成すると伴に、該斜面にレンズ12を形成することによって、光の利用効率を高める様にするものである。
ここで、2つの重大な損失とは、全反射の利用不足、及び集光作用不足によるものであり、以下その詳細について説明する。
まず45度の斜面における全反射の利用不足について説明する。一般の光ファイバーはシリカを用いているので屈折率は約1.45である。その場合の臨界角Θcは、Θc=sin−1(1/n)より43.6度となる。従って、45度研磨の光ファイバーの場合は、発散角度1.4度以上の光は斜面で全反射せずに透過してしまう。一方、光ファイバーのNAは、通常タイプでも0.12等の値があり、NA=n*sinΘより±4.7度の光が存在する。従って、図7に示す様に、単純に45度研磨の光ファイバー11を用いただけでは光ファイバーの斜面11sを透過してしまう光LB21が存在し、集光効率が低下するので好ましくない。この問題を解決するために、金属や誘電体多層膜の反射コートを研磨光ファイバー11の斜面11sに配することは可能ではあるが、コスト高となってしまうので好ましくない。また、反射コートは全反射と異なり、金属の吸収や膜の誤差等で反射率が100%にはならないので、真の高効率素子とはいえない。
次に、集光作用不足について説明する。図7に示す様に、光ファイバー11の斜面11sで反射した光LB22は、広がろうという作用を持っているので、光ファイバー11の底面11tにおいては大きく広がってしまう。これでは良好な集光を行うことが困難である。
そこで、前述の2つの問題を解決するためには、図8に示す様に、光ファイバー11の端面を45度の斜面11sに形成すると伴に、その先端に集光作用を有する光学素子(レンズ12)を配することが好ましい。レンズ12を配すると光ファイバー11の底面11tで良好な集光をしているのでロスがない。また、レンズ12の反射面での光の入射角度を図8中の上端12u、中心12m、下端12lで全て45度±1度に収めることができる。従ってレンズ12の反射面に反射コートをすることなく全て全反射するので、集光作用と全反射作用の相乗効果により、非常に効率の高い光学素子10を実現できる。尚、レンズ12は、その光軸12Lが光ファイバー11の斜面11sに垂直になる様に形成されている。また、斜面11sの傾斜角度は、45度に限定されるものではなく、例えば、45度±5度の範囲の値であってもよい。
レンズ12は、熱硬化樹脂や熱過疎樹脂(ポリカーボネート、シクロオレフィン、アクリル)、PDMS(ポリジメチルシロキサン)を光ファイバー11の斜面11sに適当な量を滴下し、硬化させることで、容易に形成することができる。
また、光ファイバー11の先端を溶かして金型に押し付けることや、金型に樹脂やガラスを入れて45度カットされた端面に成形する方法等でも可能である。
光ファイバー11のNAによってはレンズ12の表面で全ての光束を全反射させることができない場合もあるが、レンズ12の設計によって全反射させるようにすることが好ましいのは利用効率の面からも明らかである。
レンズ12の屈折率は、光ファイバー11のコア11aの屈折率に近いほうが良い。ここで、光ファイバー11のコア11aの屈折率をn1、レンズ12の屈折率をn3とすると、n1、n2は、下記(式1)の関係を満たす。
0.90<n1/n3<1.10 (式1)
上記(式1)は、研磨端からのレンズの屈折角度を小さくするための条件式である。上限値を超えると、光線は図9(a)に示す様に、上側に屈折し、全反射しにくい方向に行くので好ましくない。下限値を下回ると、光線は図9(b)に示す様に、全反射には有利な方向に屈折するが、集光点が光ファイバー11の先端11pに近くなりすぎる。研磨や切断された光ファイバー11の周囲(先端11p付近)は、ピッチングや傷等が入りやすいため、その部分を光が透過することは特性の悪化を招くので好ましくない。更には下記(式2)の関係を満たすことが好ましい。
0.95<n1/n3<1.05 (式2)
また、レンズ12の屈折率は、光ファイバ−11のクラッド11bの屈折率に近いほうが良い。ここで、光ファイバー11のクラッド11bの屈折率をn2、レンズ12の屈折率をn3とすると、n2、n2は、下記(式3)の関係を満たす。
0.90<n2/n3<1.10 (式3)
上記(式3)は、図10(a)、図10(b)中A部における屈折角度を小さくするための条件式である。上限値および下限値を超えると、光線は図10(a)、図10(b)に示す様に、それぞれ左右に屈折されてしまう。集光する光線が楔形の屈折を受けると非点格差が発生することは一般に知られているが、上記(式3)は非点格差を良好に抑えるための条件式である。逆に条件式から外れると、集光スポットにおける非点格差(収差)によって、スポットが広がってしまい効率を悪化させてしまう。更には下記(式4)の関係を満たすことが好ましい。
0.95<n2/n3<1.05 (式4)
さらに、図11に示す様に、レンズ12は、その光軸12Lが光ファイバー11の斜面11sに垂直になる様に形成されており、斜面11sに平行な方向において、レンズ12の中心と光ファイバー11のコア11aの中心は偏心している。その偏心量をH、レンズ12の面頂点12pと斜面11cにおけるコア11aの中心との距離をTとすると、T、Hは、下記(式5)の関係を満たす。
1.2<T/H<1.6 (式5)
上記(式5)は、レンズ12の最適な偏心量を示している。偏心量Hが0の場合は、図12に示す様に、極端に光線が曲がってしまう。集光への影響というよりは、スライダ15への結合効率が悪化することのほうが懸念される。斜面11sの傾斜角度が正確に45度で、コア11aとレンズ12の屈折率が同じだとすると、T/Hは、ルート2、つまり1.4142であると90度の折り曲げを実現できる。従って、この値を中心に許容量が決まる。
図13にレンズ12の中心12pと光ファイバー11のコア11aの中心との偏心の様子を示す。図13(a)乃至図13(d)は、偏心量が異なる場合の例を示す模式図、図13(e)は、偏心していない場合を示す模式図である。尚、図13は、図11において、光ファイバー11の斜面11sに垂直な方向(矢印A方向)から見た図である。図13(a)乃至図13(d)に示す様に、レンズ12の中心12pは、光ファイバー11のコア11aの中心に対して、光ファイバー11の底面11t、すなわちスライダ15の方向に偏心している。
尚、レンズ12は、アナモルフィックレンズであり、光ファイバー11から出射された光の折り返し方向の曲率は、該折り返し方向に直行する方向の曲率よりも大きい。これにより、レンズ12の反射面による非点格差を抑えることができる。
ここで、コア11aの屈折率n1、クラッド11bの屈折率をn2、レンズ12の屈折率n3、並びにレンズ12の中心と光ファイバー11のコア11aの中心の偏心量H、レンズ12の面頂点12pとコア11aの中心との距離T、レンズ12の曲率半径R等のパラメータを変化させた場合の、光ファイバー11からの光の進路のシュミレーション結果を図14に示す。
シュミーレーション例S1乃至S5の各パラメータの設定値を表2に示す。表2においてS1乃至S3は、いずれも上記(式1)乃至(式5)の関係を満たす値に設定した。また、S4は、上記(式1)乃至(式4)の上限値を上回る設定、S5は、上記(式1)乃至(式4)の下限値を下回る値に設定した。図14(a)乃至図14(e)は、それぞれシュミレーションS1乃至S5の結果を示す図である。
Figure 2008305501
前述の各パラメータが上記(式1)乃至(式5)の関係を満たす値の場合(S1、S2)は、図14(a)、図14(b)に示す様に、光ファイバー11からの光LB11は、光ファイバー11の底面11tの所定の位置に良好に収束していることが確認できる。また、S3の場合は、図14(c)に示す様に、レンズ12の底面12tに収束しているが、後述の図14(d)中C部に示す様な楔屈折を生じることはなく、光ファイバー11からの光LB11は光導波16に良好に導かれる。尚、この場合のレンズ12の底面12tとは、光ファイバー11の斜面11sに形成されたレンズ12がスライダ15と接触する部分を意味し、底面12tは平面であっても、円筒面であってもよい。
一方、図14(d)に示す様に、レンズ12の屈折率n3が小さく、上記(式1)乃至(式4)の上限値を上回る場合(S4)は、光ファイバー11の端面からの光が、紙面で下方にいくこと(図14(d)中B部)、さらに楔屈折による性能劣化(図14(d)中C部)が発生することが確認できる。すなわち良好な光学ヘッドとはいえない。
また、図14(e)に示す様に、レンズ12の屈折率n3が大きく、上記(式1)乃至(式4)の下限値を下回る場合(S5)は、光ファイバー11の端面からの光は、図14(d)の場合と逆方向に大きく変化し、同様に良好な結果が得られないことが確認できる。
このように、本発明の実施形態に係る光ヘッド3によれば、光ファイバー11の光を出射する側の端面を光軸に対し45度の角度をなす斜面11sに形成し、該斜面11sに形成したレンズ12により、光ファイバー11から出射される光を全反射させて光ファイバー11の底面11tの所定の位置に集光させるようにした。これにより、光ファイバー11からの光が集光される所定の位置に配置された光導波路16に、光源からの光を効率よく入射させることができ、光の利用効率を高めることができる。また、光ファイバー11をスライダ15に沿って配置することができるので、光ヘッド3の厚みを薄くすることができる。
本発明の実施形態に係る光ヘッドを搭載した光記録装置の概略構成を示す斜視図である。 光記録装置の光ヘッド周辺部の断面図である。 光記録装置の光ヘッド周辺部の平面図である。 本発明の実施形態に係る光ヘッドの構成を示す断面図である。 光導波路の構成を示す断面図である。 プラズモンプローブの構成を示す図である。 光ファイバーの終端面における光線の様子を示す模式図である。 光ファイバーの終端面及びレンズの反射面における光線の様子を示す模式図である。 レンズの屈折率とコアの屈折率の関係による光線の変化の様子を示す模式図である。 レンズの屈折率とクラッドの屈折率の関係による光線の変化の様子を示す模式図である。 コア中心とレンズ中心との偏心量を説明する模式図である。 コア中心に対しレンズ中心が偏心していない場合のレンズの反射面における光線の様子を示す模式図である。 コア中心とレンズ中心との偏心の様子を示す模式図である。 シュミレーションによる光線の様子を示す図である。
符号の説明
1A 光記録装置
1 筐体
2 ディスク
3 光ヘッド
4 サスペンション
4h 開口
5 アーム
6 駆動軸
7 アクチュエータ
8 支軸
10 光学素子
11 光ファイバー
11a コア
11b クラッド
12 レンズ
15 スライダ
16 光導波路
16a コア
16b サブコア
16c クラッド
16f プラズモンプローブ
17 磁気記録部
18 磁気再生部
21 光源

Claims (8)

  1. 記録媒体に対して相対移動するスライダに搭載される光学素子において、
    光源からの光を結合し、該光を出射する側の端面が光軸に対し傾斜した斜面に形成された光ファイバーと、
    前記光ファイバーの前記斜面に形成され、前記光ファイバーから出射される光を反射させて前記スライダに結合させる為の所定の位置に集光させるレンズと、を有することを特徴とする光学素子。
  2. 前記斜面は、前記光軸に対し略45度の角度をなして形成されることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記レンズは、前記光ファイバーから出射される光を全反射させることを特徴とする請求項1または2に記載の光学素子。
  4. 前記光ファイバーのコアの屈折率をn1、クラッドの屈折率をn2、前記レンズの屈折率をn3、とすると、n1、n2、n3は、下記(式1)、(式2)の関係を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学素子。
    0.9<n1/n3<1.1 (式1)
    0.9<n2/n3<1.1 (式2)
  5. 前記レンズの光軸は、前記光ファイバーの前記斜面に垂直であり、
    前記斜面に平行な方向において、前記レンズの中心と前記コアの中心は偏心しており、その偏心量をH、前記レンズの面頂点と前記斜面における前記コアの中心との距離をTとすると、T、Hは、下記(式3)の関係を満足することを特徴とする請求項4に記載の光学素子。
    1.2<T/H<1.6 (式3)
  6. 前記レンズの材料は、ポリカーボネート、シクロオレフィン、アクリル、PDMSのいずれかからなる樹脂であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光学素子。
  7. 前記レンズは、アナモルフィックレンズであり、
    前記アナモルフィックレンズの、前記光ファイバーから出射された光の折り返し方向の曲率は、該折り返し方向に直行する方向の曲率よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光学素子。
  8. 記録媒体への情報記録に用いる近接場光を発生する近接場光発生部と、
    前記近接場光発生部に光を導く光導波路と、を備えて前記記録媒体に対して相対移動するスライダと、
    前記スライダに搭載され、前記光導波路に光源からの光を導く、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光学素子と、を有することを特徴とする光ヘッド。
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