JP2009012573A - 車両用空調制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】減速の緩急判断に応じたコンプレッサ能力制御により、急減速時における車両減速の促進および回生蓄冷による燃費向上と、緩減速時における減速走行の維持および不要な再加速防止による燃費向上と、の両立を図ることができる車両用空調制御装置を提供すること。
【解決手段】エンジン7により駆動され、外部からの制御出力により吐出容量が可変に制御される可変容量コンプレッサ8を冷凍サイクルに有する車両用空調制御装置において、車両の減速状態として、少なくとも急減速状態か緩減速状態かを判断する減速状態判断手段(ステップS6,ステップS10)と、急減速状態であるとの判断時、可変容量コンプレッサ8の吐出容量を増大させる制御を行う急減速時可変容量制御手段(ステップS7)と、緩減速状態であるとの判断時、可変容量コンプレッサ8の吐出容量を減少させる制御を行う緩減速時可変容量制御手段(ステップS11)と、を備えた。
【選択図】図4

Description

本発明は、走行用動力源により駆動され、外部からの制御出力により吐出容量が可変に制御される可変容量コンプレッサを冷凍サイクルに有する車両用空調制御装置に関する。
従来、車両用空調制御装置としては、車両減速時、冷却用熱交換器に蓄冷して車両の減速エネルギーを回収する装置が知られている。具体的には、乗員の冷房フィーリングを確保しつつ、一層の省燃費効果を得ることを目的とし、車両の減速判断時には、蒸発器の目標冷却温度を減速前の値より低温に修正して蒸発器に蓄冷するようにコンプレッサを作動制御し、車両が停止したら、目標冷却温度から若干高温修正した高温修正目標温度を設定し、蒸発器吹出し温度センサの検出温度が高温修正目標温度となるようにコンプレッサを作動制御するものである(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−104306号公報
しかしながら、従来の車両用空調制御装置にあっては、減速には急な減速を要する場合と、惰性走行のような緩減速で良い場合があるにもかかわらず、減速判断が一律に行われるため、運転者の意思では緩減速で良い場合でもコンプレッサ能力を増大させる制御が行われる。したがって、緩減速時には、この回生動力で車両が必要以上に減速してしまい、アクセルペダルの踏み込み操作による再加速が必要になる場合がある。この再加速分の燃料消費は無駄である、という問題がある。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、減速の緩急判断に応じたコンプレッサ能力制御により、急減速時における車両減速の促進および回生蓄冷による燃費向上と、緩減速時における減速走行の維持および不要な再加速防止による燃費向上と、の両立を図ることができる車両用空調制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、走行用動力源により駆動され、外部からの制御出力により吐出容量が可変に制御される可変容量コンプレッサを冷凍サイクルに有する車両用空調制御装置において、
車両の減速状態として、少なくとも急減速状態か緩減速状態かを判断する減速状態判断手段と、
急減速状態であるとの判断時、前記可変容量コンプレッサの吐出容量を増大させる制御を行う急減速時可変容量制御手段と、
緩減速状態であるとの判断時、前記可変容量コンプレッサの吐出容量を減少させる制御を行う緩減速時可変容量制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
よって、本発明の車両用空調制御装置では、減速状態判断手段により急減速状態であるとの判断時、急減速時可変容量制御手段において、可変容量コンプレッサの吐出容量を増大させる制御が行われる。
したがって、急減速時には、コンプレッサ負荷(=走行負荷)を増大することで車両減速を促進すると同時に、減速エネルギーを冷凍サイクルに回収する回生蓄冷により燃費の向上が図られる。
一方、減速状態判断手段により緩減速状態であるとの判断時、緩減速時可変容量制御手段において、可変容量コンプレッサの吐出容量を減少させる制御が行われる。
したがって、緩減速時には、コンプレッサ負荷(=走行負荷)を減少することで減速走行の時間・距離を維持すると同時に、不要な再加速操作を防止し燃料噴射停止時間を稼ぐことにより燃費の向上が図られる。
この結果、減速の緩急判断に応じたコンプレッサ能力制御により、急減速時における車両減速の促進および回生蓄冷による燃費向上と、緩減速時における減速走行の維持および不要な再加速防止による燃費向上と、の両立を図ることができる。
以下、本発明の車両用空調制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1及び実施例2に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の車両用空調制御装置を示す全体システム図である。
実施例1の可変容量コンプレッサを構成要素とする冷凍サイクルは、図1に示すように、可変容量コンプレッサ8と、コンデンサ9と、リキッドタンク10と、温度式自動膨脹弁11と、エバポレータ12と、を備えている。
前記可変容量コンプレッサ8は、エンジン7(走行用動力源)の回転側との連結をオン・オフできるA/Cクラッチ(図示せず)を有する。A/Cクラッチのオフ時には、エンジン7の回転側との連結が切断され、可変容量コンプレッサ8の駆動が停止される。A/Cクラッチのオン時には、エンジン7の回転により可変容量コンプレッサ8が駆動され、エバポレータ12から送られてくる低温低圧の気化冷媒を高温高圧の気化冷媒としてコンデンサ9に送る。
また、可変容量コンプレッサ8は、可変容量アクチュエータとしてのコントロールバルブ13を有する。コントロールバルブ13は、空調コントロールユニット14と情報交換するエンジンコントロールユニット15からの外部制御信号であるデューティ電流値によって、冷媒の吐出容量を可変に制御する。なお、可変容量コンプレッサ8の構成についての詳しい説明は後述する。
前記コンデンサ9は、図外のラジエータの前面あるいは後面に配置されている。コンデンサ9は、走行風や電動ファン16の風によって、高温高圧の気化冷媒を凝縮点まで冷却して高圧中温の液化冷媒とする。そして、高圧中温の液化冷媒をリキッドタンク10に送る。
前記リキッドタンク10は、高圧中温の液化冷媒に含まれる水分やゴミを取り除き、冷媒が円滑に供給できるように溜める。そして、このように溜められた液化冷媒を温度式自動膨脹弁11に送る。
前記温度式自動膨脹弁11は、高圧中温の液化冷媒を急激に膨脹させ、低圧低温の霧状の液化冷媒としてエバポレータ12に送る。
前記エバポレータ12は、霧状の液化冷媒を、ブロワファン17により車室内へと送られる送風の熱を奪うことによって蒸発させ、低圧低温の気化冷媒とする。そして、低圧低温の気化冷媒を可変容量コンプレッサ8に送る。なお、エバポレータ12は、インストルメントパネル内に配置される空調ケース18に内蔵される。
前記電動ファン16は、ファンモータ19の駆動力によって回転される。ファンモータ19は、エンジンコントロールユニット15からのモータ駆動電圧をPWMモジュール20でPWM(パルス幅変調)された信号によって駆動される。
前記ブロワファン17は、回転駆動により内気及び/又は外気を吸い込み、この吸い込んだ送風をエバポレータ12に送り、熱交換により冷風を車室内に吹き出す。なお、ブロワファン17のファンモータは、空調コントロールユニット14からの駆動制御信号によって駆動される。
実施例1の車両用空調制御装置の制御系は、図1に示すように、空調コントロールユニット14と、エンジンコントロールユニット15と、双方向通信線21と、車室内温度センサ62と、外気温度センサ63と、日射センサ64と、エバ出口空気温度センサ65と、高圧圧力センサ66と、アクセル開度センサ67(アクセル開度検出手段)と、ブレーキスイッチ68(ブレーキ操作検出手段)と、を備えている。
前記空調コントロールユニット14は、双方向通信線21を介してエンジンコントロールユニット15に接続されている。この空調コントロールユニット14には、車室内温度センサ62、外気温度センサ63、日射センサ64、エバ出口空気温度センサ65等からのセンサ情報が入力される。空調コントロールユニット14は、これらセンサ類等からの入力情報に基づいて、ブロワファン17のファンモータ制御やエアミックスドアや各モードドア等のドア開度制御等を行う。
前記エンジンコントロールユニット15は、双方向通信線21を介して空調コントロールユニット14に接続されている。このエンジンコントロールユニット15には、高圧圧力センサ66、アクセル開度センサ67等からのセンサ情報が入力される。エンジンコントロールユニット15は、空調コントロールユニット14に接続されたセンサ類や高圧圧力センサ66等から入力情報に基づいて、可変容量コンプレッサ8の容量制御、電動ファン16の電動ファン制御、エンジン制御、A/Cクラッチ制御等を行う。
ここで、エンジンコントロールユニット15で行われる可変容量コンプレッサ8の容量制御は、例えば、次のように行われる。各種センサからの検出値と温度調整ダイアルにより乗員が設定した目標室内温度に基づき、空調ユニット18から車室内に吹き出される送風の目標吹き出し温度、目標吹き出し風量等を演算する。この時、エバポレータ目標温度(=目標出口空気温度)を求め、更に、エバポレータ目標温度とエバポレータ直後温度検出値の差により可変容量コンプレッサ8のデューティ比を算出する。コントロールバルブ13は、この算出されたデューティ比を持つデューティ電流値により、Pd−Ps差圧をデューティ電流値に比例した差圧に保ちながら、可変容量コンプレッサ8の吐出容量を制御する。
図2は実施例1の車両用空調制御装置に適用された可変容量コンプレッサの一例を示す概略断面図である。図3は実施例1の車両用空調制御装置に適用された可変容量コンプレッサのコントロールバルブを示す断面図である。
可変容量コンプレッサ8は、図2に示すように、複数のシリンダ室22が形成されたハウジング23と、このハウジング23の中心位置に配置され、プーリ24の回転によって回転される回転軸25と、この回転軸25に図外の斜板駆動機構を介して連結された斜板26と、クランク室27内に配置された斜板26の回転に応じてシリンダ室22内を往復ストロークする複数のピストン28と、前記ハウジング23の端面に固定されたバルブケース29の内部に設定されたコントロールバルブ13と、を備えている。前記コントロールバルブ13は、外部から印加されるデューティ電流値によって吐出側圧力Pdと吸入側圧力Psの差圧(Pd−Ps)をコントロールする。これによりピストン背圧に作用するクランク室圧力Pcを変化させ、この圧力変化により斜板26の傾斜角θを変更し、ピストン28の往復ストローク量を変化させることによって吐出容量を制御する。
前記コントロールバルブ13は、図3に示すように、バルブボディ30と、第1シャフト31と、第2シャフト32と、コイル33と、プランジャ34と、セットスプリング35と、を備えている。そして、前記バルブボディ30には、吐出側圧力ポート36と、クランク室圧力ポート37と、吸入側圧力ポート38を有し、前記第1シャフト31と吐出側圧力ポート36の間に、開口面積によりクランク室圧力Pcを変化させるバルブシート39が形成されている。
すなわち、第1シャフト31には、図3の下方向に吐出側圧力Pdによる力(Pd・A)と、セットスプリング35によるバネ力Fkが作用する。また、図3の上方向に吸入側圧力Psによる力(Ps・A)と、プランジャ34及び第2シャフト32を介して電磁力Fcが作用する。なお、Aは第1シャフト31の受圧面積である。
したがって、釣り合い式、
(Pd・A)+Fk=(Ps・A)+Fc
が成立し、これを書き換えると、
(Pd−Ps)・A=Fc−Fk …(1)
となり、コイル33に印加するデューティ電流値として一定値を与えると、上記(1)式において、電磁力Fcとバネ力Fkと受圧面積Aが一定値になることにより、吐出側圧力Pdと吸入側圧力Psの差圧(Pd−Ps)が一定に保たれる。そして、コイル33に印加するデューティ電流値として変化する値を与えると、上記(1)式から明らかなように、電磁力Fcとバネ力Fkが変化し、デューティ電流値に比例して差圧(Pd−Ps)がコントロールされる。例えば、電磁力Fcの値を最大値にすると、バルブシート39の開口面積が閉じられ、クランク室圧力Pcを低下させることで、斜板26の傾斜角θが最大となり、冷媒の吐出容量は増大する。また、電磁力Fcの値を最小値にすると、バルブシート39の開口面積が開かれ、クランク室圧力Pcを上昇させることで、斜板26の傾斜角θが最小となり、冷媒の吐出容量は減少する。つまり、コイル33に印加するデューティ電流値により、差圧(Pd−Ps)を感じて斜板26の傾斜角θをコントロールすることになる。
図4は実施例1の車両用空調制御装置のエンジンコントロールユニット15において実行される減速時コンプレッサ容量制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、この演算処理は、可変容量コンプレッサ8が作動状態であり、かつ、アクセル踏み込みにより一定以上の車速がある状態で開始する。
ステップS1では、運転者によるアクセル操作量を検出するアクセル開度センサ67からアクセル開度センサ値を読み込み、ステップS2へ移行する。
ステップS2では、ステップS1でのアクセル開度センサ値の読み込みに続き、アクセル開度=0%(=アクセル足離し操作時)であるか否かを判断し、YESの場合(アクセル開度=0%)はステップS3へ移行し、NOの場合(アクセル開度≠0%)はステップS1での判断を繰り返す。
ステップS3では、ステップS2でのアクセル開度=0%であるとの判断に続き、タイマー時間tを、t=0に時間リセットし、ステップS4へ移行する。
ステップS4では、ステップS3でのタイマー時間のリセット、あるいは、ステップS5でのブレーキスイッチ信号がOFFであるとの判断に続き、アクセル開度=0%であるとの判断時からの経過時間を示すタイマー時間tが第1設定時間t1を超えたか否かを判断し、YESの場合(t>t1)はステップS8へ移行し、NOの場合(t≦t1)はステップS5へ移行する。
ここで、「第1設定時間t1」は、急減速判断の閾値である。予期しない急減速を強いられる場合、運転者はアクセルペダルから足を離した後すぐにブレーキペダルに踏み替えてブレーキ操作を行う。このため、短時間内でのペダル踏み替え操作にあらわれる運転者の急減速意図を反映するように短い時間に設定される。
ステップS5では、ステップS4でのt≦t1であるとの判断に続き、ブレーキスイッチ68からのスイッチ信号がONであるか否かを判断し、YESの場合(スイッチ信号ON)はステップS6へ移行し、NOの場合(スイッチ信号OFF)はステップS4へ戻る。
ここで、ブレーキスイッチ68からのスイッチ信号は、ブレーキペダルからの足離し状態であればOFF信号を出力し、ブレーキペダルへの踏み込み操作を開始するとOFF信号からON信号へと変わる。
ステップS6では、ステップS5でのブレーキスイッチ信号がONであるとの判断に続き、アクセル足離し操作時からの経過時間が第1設定時間t1以下のうちにブレーキ操作が開始されたことで、ブレーキ操作検出時点で急減速状態であると判断し、ステップS7へ移行する(減速状態判断手段)。
ステップS7では、ステップS6での急減速判断に続き、可変容量コンプレッサ8のコントロールバルブ13に出力するデューティ電流値(=コンプレッサ容量制御信号)を最大値(例えば、デューティ比100%)とし、エンドへ移行する(急減速時可変容量制御手段)。
なお、急減速判断に入るまでは通常のコンプレッサ容量制御により決められたデューティ電流値とし、デューティ電流値の最大値は、例えば、急減速判断時から車両停止判断時まで継続する。
ステップS8では、ステップS4でのt>t1であるとの判断、あるいは、ステップS9でのt≦t2であるとの判断に続き、ブレーキスイッチ68からのスイッチ信号がONであるか否かを判断し、YESの場合(スイッチ信号ON)はステップS10へ移行し、NOの場合(スイッチ信号OFF)はステップS9へ移行する。
ステップS9では、ステップS8でのブレーキスイッチ信号がOFFであるとの判断に続き、アクセル開度=0%であるとの判断時からの経過時間を示すタイマー時間tが第2設定時間t2を超えたか否かを判断し、YESの場合(t>t2)はステップS10へ移行し、NOの場合(t≦t2)はステップS8へ戻る。
ここで、「第2設定時間t2」は、アクセル足離し後、ブレーキ操作に入らなかった場合にも緩減速の判断を行うことができるようにするための待ち時間(ウェイトタイム)であり、第1設定時間t1より長い時間に設定される。
ステップS10では、ステップS8でのブレーキスイッチ信号がONであるとの判断、あるいは、ステップS9でのt>t2であるとの判断に続き、アクセル足離し操作時からの経過時間が第1設定時間t1を経過しているが第2設定時間t2となるまでの間にブレーキ操作が開始されたことで、ブレーキ操作検出時点で緩減速状態であると判断し、また、アクセル足離し操作時からの経過時間が第2設定時間t2を経過してもブレーキ操作が開始されないことで、第2設定時間t2の経過時点で緩減速状態であると判断し、ステップS11へ移行する(減速状態判断手段)。
ステップS11では、ステップS10での緩減速判断に続き、可変容量コンプレッサ8のコントロールバルブ13に出力するデューティ電流値(=コンプレッサ容量制御信号)を最小値(例えば、デューティ比0%)とし、エンドへ移行する(緩減速時可変容量制御手段)。
なお、緩減速判断に入るまでは通常のコンプレッサ容量制御により決められたデューティ電流値とし、デューティ電流値の最小値は、例えば、緩減速判断時から車両停止判断時まで継続する。
次に、作用を説明する。
実施例1の車両用空調制御装置は、アクセルペダルを離してからブレーキペダルを踏むまでの時間差情報に基づき、運転者の減速意図の判断を行い、コンプレッサ容量制御に活用する構成を採用することで、急減速時における車両減速の促進および回生蓄冷による燃費向上と、緩減速時における減速走行の維持および不要な再加速防止による燃費向上と、の両立を図るようにしたものである。
以下、実施例1の車両用空調制御装置における作用を、「急減速時のコンプレッサ容量制御作用」と「緩減速時のコンプレッサ容量制御作用」に分けて説明する。
[急減速時のコンプレッサ容量制御作用]
アクセルペダルを戻してからブレーキペダルに踏み替えるまでの時間が短いことで、急減速状態であるとの判断時には、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7へ進む流れとなる。そして、ステップS7では、ステップS6での急減速判断に基づき、可変容量コンプレッサ8のコントロールバルブ13に出力するデューティ電流値を、通常制御値から最大値に変更し、デューティ電流値の最大値を、例えば、車両停止判断時まで継続する制御が行われる。
ここで、急減速判断は、ステップS4でのt≦t1の条件と、ステップS5でのブレーキスイッチON条件の成立時、つまり、図5に示すように、アクセル足離し操作時からの経過時間(タイマー時間t)が第1設定時間t1以下の間にブレーキ操作が開始されたことで、ブレーキ操作を検出した時点で急減速状態であると判断される。
その理由は、予期しない急減速を強いられる場合、運転者はアクセルペダルから足を離してからブレーキペダルに踏み替えるまでの時間が短いことによる。
想定されるシーンとしては、交差点直前で信号が黄色に変わった場合・人が飛び出してきた場合・車が割り込んできた場合・コーナーの先が渋滞だった場合、等である。
そして、急減速状態であると判断されると、図8のコンプレッサ能力制御特性に示すように、ブレーキ操作の検出時点P1までは、コントロールバルブ13に出力するデューティ電流値が通常値であるが、ブレーキ操作の検出時点P1から最大値とされる。なお、図8において、P0はアクセル戻し時点であり、P0〜P1で示されるアクセル戻しからブレーキ操作開始までの時間t0は、t0<t1という関係にある。
したがって、急減速時には、可変容量コンプレッサ8を駆動するエンジン7の負荷(=走行負荷)が増大することで、ブレーキ操作による車両減速をエンジンブレーキの効きの高まりにより促進する。
同時に、減速エネルギーを冷凍サイクルにコンプレッサ動力として回収し、冷房能力に変換する回生蓄冷により燃費の向上が図られる。すなわち、燃料噴射が停止している減速中のエンジン回転を最大限使用し、可変容量コンプレッサ8を最大能力で運転することで冷力を得る。この冷力を得ることにより冷房につなげるため、燃料を消費せずに車室内からの吸熱を促進でき、燃費が向上する。
[緩減速時のコンプレッサ容量制御作用]
アクセルペダルを戻してからブレーキペダルに踏み替えるまでの時間が長いことで、緩減速状態であるとの判断時には、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS8→ステップS9ヘと進み、ブレーキ操作が開始されるまではステップ8→ステップS9ヘと進む流れが繰り返される。そして、ステップS8においてブレーキ操作の開始が判断されると、ステップS8からステップS10→ステップS11へ進む流れとなる。そして、ステップS11では、ステップS10での緩減速判断に基づき、可変容量コンプレッサ8のコントロールバルブ13に出力するデューティ電流値を、通常制御値から最小値に変更し、デューティ電流値の最小値を、例えば、車両停止判断時まで継続する制御が行われる。
緩減速判断は、ステップS4でのt>t1の条件と、ステップS9でのt≦t2の条件と、ステップS8でのブレーキスイッチON条件の成立時、つまり、図6に示すように、アクセル足離し操作時からの経過時間(タイマー時間t)が第1設定時間t1から第2設定時間t2以下の間にブレーキ操作が開始されたことで、ブレーキ操作を検出した時点で緩減速状態であると判断される。
アクセルペダルを戻してからブレーキペダルに踏み替えないままで第2設定時間t2を経過することで、緩減速状態であるとの判断時には、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS8→ステップS9ヘと進む。その後、ステップ8→ステップS9ヘと進む流れが繰り返される。そして、ステップS9においてt>t2の条件成立が判断されると、ステップS9からステップS10→ステップS11へ進む流れとなる。そして、ステップS11では、ステップS10での緩減速判断に基づき、可変容量コンプレッサ8のコントロールバルブ13に出力するデューティ電流値を、通常制御値から最小値に変更し、デューティ電流値の最小値を、例えば、車両停止判断時まで継続する制御が行われる。
緩減速判断は、ステップS4でのt>t1の条件と、ステップS9でのt>t2の条件の成立時、つまり、図7に示すように、アクセル足離し操作時からの経過時間(タイマー時間t)が第2設定時間t2を超えてもブレーキ操作が開始されないことで、第2設定時間t2を超えた時点で緩減速状態であると判断される。
上記2つの緩減速判断理由は、交通状況を判断し、予定通り減速する場合、運転者はアクセルペダルを戻す速度が遅い、または、アクセルペダルを戻す速度が速くてもブレーキペダルに踏み替えるまでの時間が長いことによる。
想定されるシーンとしては、例えば、300m先の信号が赤である場合・高速道路を降りるために左車線に寄る場合・緩いコーナーが近づいてきた場合・先行車両との車間距離を少し開けようと思う場合、等である。
従来制御では、減速時には一律にコンプレッサ能力を最大にする制御を行うため、図9に示すように、運転者は緩減速を意図してアクセル足離し操作を行うと、減速判断に基づいてコンプレッサ能力を最大にする制御が開始される。このため、緩減速を意図しているにもかかわらず、運転者が意図する以上に車速が低下する急減速状態となってしまい、走行距離や走行時間を維持するためには、車速低下時点P3から車速回復時点P4までアクセルペダルによる再加速操作を必要とする。
これに対し、実施例1の制御では、緩減速状態であると判断されると、図10のコンプレッサ能力制御特性に示すように、アクセル足離し操作時からの経過時間(タイマー時間t)が第2設定時間t2を超えるまでは、コントロールバルブ13に出力するデューティ電流値が通常値であるが、第2設定時間t2を超えると最小値とされる。
したがって、緩減速時には、可変容量コンプレッサ8を駆動するエンジン7の負荷(=走行負荷)が減少することで減速惰性走行での急減速を防ぐことができ、減速惰性走行の時間・走行距離を長く稼ぐことができる。
同時に、減速惰性走行の維持により、従来制御のような不要な再加速操作が防止され、エンジン燃料噴射停止時間を従来制御に比べて長い時間稼ぐことができるため、その分の燃費向上が図られる。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用空調制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) エンジン7により駆動され、外部からの制御出力により吐出容量が可変に制御される可変容量コンプレッサ8を冷凍サイクルに有する車両用空調制御装置において、車両の減速状態として、少なくとも急減速状態か緩減速状態かを判断する減速状態判断手段(ステップS6,ステップS10)と、急減速状態であるとの判断時、前記可変容量コンプレッサ8の吐出容量を増大させる制御を行う急減速時可変容量制御手段(ステップS7)と、緩減速状態であるとの判断時、前記可変容量コンプレッサ8の吐出容量を減少させる制御を行う緩減速時可変容量制御手段(ステップS11)と、を備えたため、減速の緩急判断に応じたコンプレッサ能力制御により、急減速時における車両減速の促進および回生蓄冷による燃費向上と、緩減速時における減速走行の維持および不要な再加速防止による燃費向上と、の両立を図ることができる。
(2) 前記減速状態判断手段(ステップS6,ステップS10)は、アクセル操作量信号とブレーキ操作量信号の少なくとも一方を用いて運転者の減速意図の判断を行うため、アクセル操作やブレーキ操作にあらわれる運転者の減速意図に応じた適切な減速状態の判断を行うことができる。
(3) アクセル開度を検出するアクセル開度センサ67と、ブレーキ操作を検出するブレーキスイッチ68と、を設け、前記減速状態判断手段(ステップS6,ステップS10)は、アクセル足離し操作の時点から第1設定時間t1を経過する前にブレーキ操作を検出したらブレーキ操作検出時点で急減速状態であると判断し(S4→S5→S6)、アクセル足離し操作の時点から第1設定時間t1の経過後であって第1設定時間t1より長い時間による第2設定時間t2を経過する前にブレーキ操作を検出したらブレーキ操作検出時点で緩減速状態であると判断し(S4→S8→S10またはS4→S8→S9→S8→S10)、アクセル足離し操作の時点から第2設定時間t2を経過してもブレーキ操作を検出しなければ第2設定時間t2を経過した時点で緩減速状態であると判断する(S4→S8→S9→S8→S9→S10)ため、アクセルペダルから足を離してからブレーキペダルを踏むまでの時間差情報により運転者の減速意図を判断し、適切な急減速状態の判断と緩減速状態の判断を行うことができる。
(4) 前記急減速時可変容量制御手段(ステップS7)は、急減速状態であるとの判断時、前記可変容量コンプレッサ8の吐出容量を最大にする制御を行う手段であり、前記緩減速時可変容量制御手段(ステップS11)は、緩減速状態であるとの判断時、前記可変容量コンプレッサ8の吐出容量を最小にする制御を行う手段であるため、コンプレッサ能力制御の制御幅を最大限生かし、急減速時における効果的な車両減速の促進および回生蓄冷による燃費向上と、緩減速時における効果的な減速走行の維持および不要な再加速防止による燃費向上と、の両立を図ることができる。
実施例2は、実施例1での緩減速判断を、中減速状態の判断と緩減速状態の判断に細分化した例である。
まず、構成を説明する。
実施例2の車両用空調制御装置のシステム構成は、実施例1の図1〜図3と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
図11は実施例2の車両用空調制御装置のエンジンコントロールユニット15において実行される減速時コンプレッサ容量制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、ステップS21〜ステップS29の各ステップは、図4に示す実施例1のステップS1〜ステップS9の各ステップにそれぞれ対応するので、説明を省略する。
ステップS30では、ステップS29でのt>t2であるとの判断に続き、アクセル足離し操作時からの経過時間が第2設定時間t2を経過してもブレーキ操作が開始されないことで、第2設定時間t2の経過時点で緩減速状態であると判断し、ステップS31へ移行する(減速状態判断手段)。
ステップS31では、ステップS30での緩減速判断に続き、可変容量コンプレッサ8のコントロールバルブ13に出力するデューティ電流値(=コンプレッサ容量制御信号)を最小値(例えば、デューティ比0%)とし、エンドへ移行する(緩減速時可変容量制御手段)。
なお、緩減速判断に入るまでは通常のコンプレッサ容量制御により決められたデューティ電流値とし、デューティ電流値の最小値は、例えば、緩減速判断時から車両停止判断時まで継続する。
ステップS32では、ステップS28でのブレーキスイッチ信号がONであるとの判断に続き、アクセル足離し操作時からの経過時間が第1設定時間t1を経過しているが第2設定時間t2となるまでの間にブレーキ操作が開始されたことで、ブレーキ操作検出時点で中減速状態であると判断し、ステップS33へ移行する(減速状態判断手段)。
ステップS33では、ステップS32での中減速判断に続き、可変容量コンプレッサ8のコントロールバルブ13に出力するデューティ電流値(=コンプレッサ容量制御信号)を通常の値のまま維持し、エンドへ移行する(中減速時可変容量制御手段)。
なお、通常の値のまま維持するとは、中減速判断に入るまでに通常のコンプレッサ容量制御により決められたデューティ電流値をそのまま維持することをいう。
次に、作用を説明する。
実施例2の車両用空調制御装置は、アクセルペダルを離してからブレーキペダルを踏むまでの時間差情報に基づき、運転者の減速意図の判断を3つのパターンに分けて行うようにしたものである。
以下、実施例2の車両用空調制御装置における作用を、「中減速時のコンプレッサ容量制御作用」と「緩減速時のコンプレッサ容量制御作用」に分けて説明する。なお、「急減速時のコンプレッサ容量制御作用」については、実施例1と同様の作用であるので説明を省略する。
[中減速時のコンプレッサ容量制御作用]
アクセルペダルを戻してからブレーキペダルに踏み替えるまでの時間が長いことで、中減速状態であるとの判断時には、図11のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS24→ステップS28→ステップS29ヘと進む。そして、ブレーキ操作が開始されるまではステップ28→ステップS29ヘと進む流れが繰り返される。そして、ステップS28においてブレーキ操作の開始が判断されると、ステップS28からステップS32→ステップS33へ進む流れとなる。そして、ステップS33では、ステップS32での中減速判断に基づき、可変容量コンプレッサ8のコントロールバルブ13に出力するデューティ電流値として、通常制御値を維持する制御が行われる。
ここで、中減速判断は、ステップS24でのt>t1の条件と、ステップS29でのt≦t2の条件と、ステップS28でのブレーキスイッチON条件の成立時、つまり、図6に示すように、アクセル足離し操作時からの経過時間(タイマー時間t)が第1設定時間t1から第2設定時間t2以下の間にブレーキ操作が開始されたことで、ブレーキ操作を検出した時点で中減速状態であると判断される。
その理由は、車両を停止させたい位置を予め決めて減速する場合、運転者はアクセルペダルから足を離してから少し時間をおいてブレーキペダルに踏み替え、ブレーキペダルへの踏み込み加減操作により車両の減速度をコントロールし、所望の位置に車両を停止させることによる。想定されるシーンとしては、信号が赤で交差点の停止ラインの位置に車両を停止させる場合等である。
そして、中減速状態であると判断されると、ブレーキ操作の検出時点までにおいてコントロールバルブ13に出力されている通常のデューティ電流値が、ブレーキ操作の検出時点となってもそのまま維持される。
したがって、中減速時には、可変容量コンプレッサ8を駆動するエンジン7の負荷(=走行負荷)が変わらないことで、運転者によるブレーキペダルへの踏み込み加減操作のみにより車両減速度をコントロールできる。つまり、走行負荷変動の影響受けない減速度コントロールにより、運転者が所望する位置に車両を停止させることができる。
[緩減速時のコンプレッサ容量制御作用]
アクセルペダルを戻してからブレーキペダルに踏み替えないままで第2設定時間t2を経過したことで、緩減速状態であるとの判断時には、図11のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS24→ステップS28→ステップS29ヘと進む。その後、ステップ28→ステップS29ヘと進む流れが繰り返される。そして、ステップS29においてt>t2の条件成立が判断されると、ステップS29からステップS30→ステップS31へ進む流れとなる。そして、ステップS31では、ステップS30での緩減速判断に基づき、可変容量コンプレッサ8のコントロールバルブ13に出力するデューティ電流値を、通常制御値から最小値に変更し、デューティ電流値の最小値を、例えば、車両停止判断時まで継続する制御が行われる。
ここで、緩減速判断は、ステップS24でのt>t1の条件と、ステップS29でのt>t2の条件の成立時、つまり、図7に示すように、アクセル足離し操作時からの経過時間(タイマー時間t)が第2設定時間t2を超えてもブレーキ操作が開始されないことで、第2設定時間t2を超えた時点で緩減速状態であると判断される。
この緩減速時のコンプレッサ容量制御作用で、緩減速判断理由やデューティ電流値を最小値にすることによる作用については、実施例1と同様であるので説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例2の車両用空調制御装置にあっては、実施例1の(1),(2)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(5) アクセル開度を検出するアクセル開度センサ67と、ブレーキ操作を検出するブレーキスイッチ68と、を設け、前記減速状態判断手段は、アクセル足離し操作の時点から第1設定時間t1を経過する前にブレーキ操作を検出したらブレーキ操作検出時点で急減速状態であると判断し(ステップS26)、アクセル足離し操作の時点から第1設定時間t1の経過後であって第1設定時間t1より長い時間による第2設定時間t2を経過する前にブレーキ操作を検出したらブレーキ操作検出時点で中減速状態であると判断し(ステップS32)、アクセル足離し操作の時点から第2設定時間t2を経過してもブレーキ操作を検出しなければ第2設定時間t2を経過した時点で緩減速状態であると判断し(ステップS30)、急減速状態であるとの判断時、前記可変容量コンプレッサ8の吐出容量を最大にする制御を行う急減速時可変容量制御手段(ステップS27)と、中減速状態であるとの判断時、前記可変容量コンプレッサ8の吐出容量を維持する制御を行う中減速時可変容量制御手段(ステップS33)と、緩減速状態であるとの判断時、前記可変容量コンプレッサ8の吐出容量を最小にする制御を行う緩減速時可変容量制御手段(ステップS31)と、を備えたため、運転者の減速意図判断に応じたコンプレッサ能力制御により、急減速時における車両減速の促進および回生蓄冷による燃費向上と、中減速時における車両減速度のコントロール性確保と、緩減速時における減速走行の維持および不要な再加速防止による燃費向上と、を併せて達成することができる。
以上、本発明の車両用空調制御装置を実施例1及び実施例2に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、減速状態判断手段として、急減速状態と緩減速状態の2パターンを判断する手段を示し、実施例2では、減速状態判断手段として、急減速状態と中減速状態と緩減速状態の3パターンを判断する手段を示した。しかし、時間閾値や待ち時間をきめ細かく設定することで、減速状態をより細分化して判断するようにしても良い。
実施例1,2では、減速状態判断手段として、アクセル操作量信号とブレーキ操作量信号を用いて運転者の減速意図を判断する例を示した。しかし、アクセル操作速度やブレーキ操作速度を加味し、例えば、アクセルペダルを離してからブレーキペダルを踏むまでの時間差情報が同じであっても、アクセルやブレーキの操作速度にあらわれる運転者の減速意図の大小を含めて減速状態を判断するようにしても良い。
実施例1,2では、急減速可変容量制御手段として、コンプレッサ吐出容量を最大に制御する手段を示し、緩減速可変容量制御手段として、コンプレッサ吐出容量を最小に制御する手段を示した。しかし、例えば、予め制御幅を決めておいて、急減速判断時には現状から制御幅分を増大し、緩減速判断時には現状から制御幅分を減少するような制御を行っても良い。さらに、実施例2では、中減速可変容量制御手段として、コンプレッサ吐出容量を維持する例を示したが、アクセルを戻してからブレーキ操作を開始するまでの経過時間に応じて吐出容量増大側〜吐出容量維持〜吐出容量減少側まで無段階に制御量を決定するような制御としても良い。
要するに、車両の減速状態として、少なくとも急減速状態か緩減速状態かを判断する減速状態判断手段と、急減速状態であるとの判断時、可変容量コンプレッサの吐出容量を増大させる制御を行う急減速時可変容量制御手段と、緩減速状態であるとの判断時、可変容量コンプレッサの吐出容量を減少させる制御を行う緩減速時可変容量制御手段と、を備えたものであれば、実施例1,2に限られることはない。
実施例1,2では、(Pd−Ps)差圧制御型の可変容量コンプレッサを備えた車両用空調装置への適用例を示したが、(Pd−Pc)差圧制御型や吸入側圧力感知式の可変容量コンプレッサ(例えば、特開2006−327385号公報参照)を備えた車両用空調装置へも適用することができる。実施例1,2では、エンジン搭載車への適用例を示したが、モータジェネレータを走行用動力源とするハイブリッド車や電気自動車へも適用することができる。要するに、走行用動力源により駆動され、外部からの制御出力により吐出容量が可変に制御される可変容量コンプレッサを冷凍サイクルに有する車両用空調制御装置であれば適用できる。
実施例1の車両用空調制御装置を示す全体システム図である。 実施例1の車両用空調制御装置に適用された可変容量コンプレッサの一例を示す概略断面図である。 実施例1の車両用空調制御装置に適用された可変容量コンプレッサのコントロールバルブを示す断面図である。 実施例1の車両用空調制御装置のエンジンコントロールユニットにおいて実行される減速時コンプレッサ容量制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の減速時コンプレッサ容量制御において急減速状態であると判断される場合のアクセルとブレーキのペダル踏み込み量特性の一例を示す図である。 実施例1の減速時コンプレッサ容量制御において緩減速状態であると判断される場合のアクセルとブレーキのペダル踏み込み量特性の一例を示す図である。 実施例1の減速時コンプレッサ容量制御において緩減速状態であると判断される場合のアクセルとブレーキのペダル踏み込み量特性の他の例を示す図である。 実施例1の減速時コンプレッサ容量制御において急減速であると判断された時のアクセル操作量・ブレーキ操作量・車速・コンプレッサ能力制御の各特性を示すタイムチャートである。 従来例の減速時コンプレッサ容量制御において減速判断時のアクセル操作量・ブレーキ操作量・車速・コンプレッサ能力制御の各特性を示すタイムチャートである。 実施例1の減速時コンプレッサ容量制御において緩減速であると判断された時のアクセル操作量・ブレーキ操作量・車速・コンプレッサ能力制御の各特性を示すタイムチャートである。 実施例2の車両用空調制御装置のエンジンコントロールユニットにおいて実行される減速時コンプレッサ容量制御処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
7 エンジン(走行用動力源)
8 可変容量コンプレッサ
9 コンデンサ
10 リキッドタンク
11 温度式自動膨脹弁
12 エバポレータ
13 コントロールバルブ
14 空調コントロールユニット
15 エンジンコントロールユニット
16 電動ファン
19 ファンモータ
63 外気温度センサ
64 日射センサ
65 エバ出口空気温度センサ
66 高圧圧力センサ
67 アクセル開度センサ(アクセル開度検出手段)
68 ブレーキスイッチ(ブレーキ操作検出手段)

Claims (5)

  1. 走行用動力源により駆動され、外部からの制御出力により吐出容量が可変に制御される可変容量コンプレッサを冷凍サイクルに有する車両用空調制御装置において、
    車両の減速状態として、少なくとも急減速状態か緩減速状態かを判断する減速状態判断手段と、
    急減速状態であるとの判断時、前記可変容量コンプレッサの吐出容量を増大させる制御を行う急減速時可変容量制御手段と、
    緩減速状態であるとの判断時、前記可変容量コンプレッサの吐出容量を減少させる制御を行う緩減速時可変容量制御手段と、
    を備えたことを特徴とする車両用空調制御装置。
  2. 請求項1に記載された車両用空調制御装置において、
    前記減速状態判断手段は、アクセル操作量信号とブレーキ操作量信号の少なくとも一方を用いて運転者の減速意図の判断を行うことを特徴とする車両用空調制御装置。
  3. 請求項2に記載された車両用空調制御装置において、
    アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、
    ブレーキ操作を検出するブレーキ操作検出手段と、を設け、
    前記減速状態判断手段は、アクセル足離し操作の時点から第1設定時間を経過する前にブレーキ操作を検出したらブレーキ操作検出時点で急減速状態であると判断し、アクセル足離し操作の時点から第1設定時間の経過後であって第1設定時間より長い時間による第2設定時間を経過する前にブレーキ操作を検出したらブレーキ操作検出時点で緩減速状態であると判断し、アクセル足離し操作の時点から第2設定時間を経過してもブレーキ操作を検出しなければ第2設定時間を経過した時点で緩減速状態であると判断することを特徴とする車両用空調制御装置。
  4. 請求項3に記載された車両用空調制御装置において、
    前記急減速時可変容量制御手段は、急減速状態であるとの判断時、前記可変容量コンプレッサの吐出容量を最大にする制御を行う手段であり、
    前記緩減速時可変容量制御手段は、緩減速状態であるとの判断時、前記可変容量コンプレッサの吐出容量を最小にする制御を行う手段であることを特徴とする車両用空調制御装置。
  5. 請求項2に記載された車両用空調制御装置において、
    アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、
    ブレーキ操作を検出するブレーキ操作検出手段と、を設け、
    前記減速状態判断手段は、アクセル足離し操作の時点から第1設定時間を経過する前にブレーキ操作を検出したらブレーキ操作検出時点で急減速状態であると判断し、アクセル足離し操作の時点から第1設定時間の経過後であって第1設定時間より長い時間による第2設定時間を経過する前にブレーキ操作を検出したらブレーキ操作検出時点で中減速状態であると判断し、アクセル足離し操作の時点から第2設定時間を経過してもブレーキ操作を検出しなければ第2設定時間を経過した時点で緩減速状態であると判断し、
    急減速状態であるとの判断時、前記可変容量コンプレッサの吐出容量を最大にする制御を行う急減速時可変容量制御手段と、
    中減速状態であるとの判断時、前記可変容量コンプレッサの吐出容量を維持する制御を行う中減速時可変容量制御手段と、
    緩減速状態であるとの判断時、前記可変容量コンプレッサの吐出容量を最小にする制御を行う緩減速時可変容量制御手段と、
    を備えたことを特徴とする車両用空調制御装置。
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