JP4114469B2 - 車両用空調装置の制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空調装置の車両加速時における制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用エンジンを駆動源とする冷媒圧縮機を備えている車両用空調装置においては、車両の加速時に空調装置の圧縮機が車両の加速性を阻害することがなく、しかも空調装置の冷房能力も確保することが望まれる。
【0003】
これに関し、下記の特許文献1には、スロットル開度と車速とにより定められた制御マップを用いて、車両が加速することを要求された(即ち、制御マップにおいて加速要求範囲内にある)と判断された場合には、圧縮機を所定の時間だけ遮断状態とする制御方法が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭62−8820号公報
【0005】
しかしながら、前記特許文献1に記載された制御方法は、車両が加速することを要求された(制御マップにおいて加速要求範囲内にある)場合に、圧縮機の駆動を単に停止させるものであるため、車両の加速性は向上するものの、車両用空調装置の冷房能力を確保することが困難となる。
【0006】
この問題を解決するために、下記の特許文献2に記載された車両用空調装置においては、車両の加速時に乗員が車両の加速を感じる最大加速度が加速開始直後の短時間に発生すること、及び、空調装置の冷凍サイクル内を冷媒が比較的小流量でも循環していれば、空調装置からの空気吹出し温度の上昇を抑制することができることに着目し、加速開始時には冷媒圧縮機を短時間停止し、その後は部分容量運転によって徐々に容量を復帰させることにより、車両の加速性の確保と冷房能力の確保との両立を図ろうとしている。
【0007】
【特許文献2】
特開2000−335232号公報
【0008】
しかしながら、特許文献2に記載された空調装置においては、車両の加速の度合いに応じた制御がなされておらず、急加速であっても緩やかな加速(緩加速)であっても同様に圧縮機の停止及びその後の容量制御がなされる。そのため、加速の度合いが小さい緩加速時においては、加速効果が少ない割に冷房能力の低減量が大きく、加速の度合いに見合った可能な範囲の冷房能力が確保されないという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、車両の加速時において、車両の加速性を確保すると共に、車両の加速の度合いに見合った冷房能力を確保することが可能な車両用空調装置の制御方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するための他の手段として、特許請求の範囲の請求項1に記載された車両用空調装置の制御方法を提供する。請求項1に記載された発明は、車両用エンジンを駆動源とする可変容量型の冷媒圧縮機を備えている車両用空調装置の制御方法において、車両の加速の度合いによって加速カットの可否を判定する段階と、車両の加速の度合いが加速カットの可能な領域にないと判定された時に、エンジンに対する圧縮機の負荷を一旦低減させた後に徐々に復帰させるというパターンに従って圧縮機の負荷を制御するための、車両の加速の度合いに応じた圧縮機の負荷低減量と復帰時間を算出する段階と、前記パターンに従って前記圧縮機の負荷を制御するための空調装置に残存する冷房能力に応じた圧縮機の負荷低減量と復帰時間を算出する段階と、算出された2つの負荷低減量と2つの復帰時間をそれぞれ比較して最小値を選択する段階と、選択された負荷低減量と復帰時間によって前記パターンに従って圧縮機の負荷制御を実行する段階と、それ以外の時には圧縮機をその時に必要な冷房能力に応じて制御する段階とを備えている。
【0013】
これにより、車両の加速の度合いが部分的にでも加速カットをしてもよい領域にある場合には、車両の加速性の確保よりも空調装置の冷房能力の確保が優先され、空調装置の圧縮機の負荷は通常のように、その時に必要な冷房能力に応じて制御される。車両の加速の度合いが所定のレベルよりも高くて、加速カットをすることができない領域にある時は、圧縮機の負荷を一旦低減させて、その分のトルクを車両の加速のために振り向けるが、その後は圧縮機の負荷を徐々に増加させて冷房能力を回復させる。この場合の圧縮機の負荷低減量と復帰時間については、車両の加速の度合いに応じたものと、空調装置に残存している冷房能力に応じたものとが算出されて比較され、それらの最小値が選択されて、圧縮機の負荷制御が実行される。
【0014】
いずれにしても、車両の加速カットをしてもよい状態では、車両の加速性を確保することよりも空調装置の冷房能力を確保することの方が優先されるので、加速時であってもできるだけ加速のためのトルクを圧縮機に振り向けて、空調装置の冷房能力を確保することにより、乗員の快適性を向上させることができる。そして、加速カットをすることができないほど加速の度合いが高い場合や、空調装置に冷房能力が十分に残存している状態では、圧縮機の負荷を必要な分だけ一旦低減させて、車両用エンジンのトルクを車両の加速性を向上させるために振り向けるが、その場合でも圧縮機の負荷を徐々に復帰させることにより冷房能力を可及的に確保する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の制御方法が適用される車両用空調装置の実施形態について詳細に説明する。図1は冷凍サイクル1を含む車両用空調装置のシステム全体の構成図である。冷凍サイクル1には冷媒を吸入、圧縮、吐出する可変容量型の圧縮機2が設けられている。この圧縮機2から吐出された高温、高圧の過熱ガス冷媒は凝縮器3に流入し、ここで、図示しない冷却ファンより送風される外気と熱交換するので冷媒は冷却されて凝縮する。
【0016】
この凝縮器3において凝縮した冷媒は次に受液器(気液分離器)4に流入し、受液器4の内部において冷媒の気体部分と液体部分が分離され、車両用空調装置の冷凍サイクル1内の余剰冷媒(液冷媒)が受液器4内に蓄えられる。受液器4からの液冷媒は膨張弁(減圧手段)5により低圧まで減圧され、気液二相状態となる。膨張弁5からの低圧冷媒は蒸発器6に流入する。蒸発器6は車両用空調装置の空気通路を構成する空調ケース7内に設置されていて、蒸発器6に流入した低圧冷媒は空調ケース7内の空気から吸熱して蒸発する。
【0017】
膨張弁5は蒸発器6の出口冷媒の温度を感知する感温部5aを有する温度式膨張弁であり、蒸発器6の出口冷媒の過熱度を所定値に維持するように弁開度(冷媒流量)を調整するものである。上記のサイクル構成部品(2〜6)の間はそれぞれ冷媒配管8によって結合されて閉回路を構成している。
【0018】
また、圧縮機2は動力伝達機構9及びベルト10等を介して車両走行用エンジン(E/G)11により駆動される。圧縮機2は後述のような構造を有する可変容量型圧縮機である。図示実施形態の空調装置において、動力伝達機構9は、外部からの電気制御により動力の伝達/遮断が選択可能なクラッチ機構(例えば、電磁クラッチ)であるが、これは、そのようなクラッチ機構を持たない、常時、動力伝達型のクラッチレス機構であってもよい。
【0019】
空調ケース7には送風機12が設けられており、周知の内外気切替箱(図示せず)から吸入された車室内の空気(内気)または車室外の空気(外気)が送風機12により空調ケース7内を車室内へ向かって送風される。この送風空気は、蒸発器6を通過した後に、図示しないヒータユニットを通過して吹出口から車室内に吹き出すようになっている。
【0020】
また、空調ケース7内のうち、蒸発器6の下流側直後の部位には、蒸発器6を通過した直後の吹出空気温度を検出するサーミスタからなる蒸発器吹出温度センサ13が設けられている。
【0021】
なお、上記ヒータユニットは周知のものであって、蒸発器6を通過した冷風を再加熱する温水式ヒータコア(加熱手段)、この温水式ヒータコアにおける加熱度合いを調節する温度調節手段をなすエアミックスドアあるいは温水流量制御弁等が配設されており、さらに、空調ケース7の空気下流端には、車室内乗員の上半身に空気を吹き出すフェイス吹出口、車室内乗員の足元に空気を吹き出すフット吹出口、フロントガラス内面に空気を吹き出すデフロスタ吹出口が形成され、これらの吹出口を切替開閉する吹出モードドアが設けられている。
【0022】
ところで、上記圧縮機2は空調用制御装置(A/C ECU)14からの電気信号により制御される電磁式容量制御弁(吐出容量制御機構)15を有し、この制御弁15により制御圧力を変化させることができるので、この圧縮機2は外部可変容量型圧縮機というべきものである。空調用制御装置14には、空調の自動制御のためのセンサ群16の検出信号、及び空調操作パネル17の操作スイッチ群の操作信号が入力される。
【0023】
なお、センサ群16は、具体的には内気センサ、外気センサ、日射センサ、エンジン水温センサ等であり、空調操作パネル17の操作スイッチ群は、具体的には、温度設定スイッチ、風量切替スイッチ、吹出モード切替スイッチ、内外気切替スイッチ、圧縮機2の作動指令を出すエアコンスイッチ等である。
【0024】
更に、冷凍サイクル1において、圧縮機2の吐出側から膨張弁5の入口に至るまでの高圧回路部に冷媒の高圧圧力(圧縮機吐出圧)を検出する高圧センサ18を設けて、この高圧センサ18の検出信号も空調用制御装置14に入力するようになっている。図示の例では、高圧センサ18を凝縮器3の出口側冷媒配管に設けている。
【0025】
更に、空調用制御装置14は、車両側のエンジン制御装置(E/G ECU)19に接続されており、これら両制御装置14、19相互間で信号を入出力できるようになっている。エンジン制御装置19は周知のように車両用エンジン11の運転状況等を検出するセンサ群19aからの信号等に基づいて車両用エンジン11への燃料噴射量、点火時期等を総合的に制御するものである。
【0026】
図示実施形態の空調装置においては、エンジン制御装置19からもたらされるエンジン回転数、車速及びスロットル開度又はアクセル開度等の情報が空調用制御装置14に伝達され、後述のように加速の度合いの判定や、圧縮機負荷(トルク)の算出等に利用される。
【0027】
図2は図示実施形態の空調装置に使用されている外部可変容量型圧縮機2の構造を示す断面図である。圧縮機2においては、電磁式容量制御弁15の制御電流(すなわち制御電流信号)Inによって圧縮機吐出流量の目標流量Groが設定され、その目標流量Groに圧縮機吐出流量が維持されるように吐出容量が増減される(吐出量制御式)。具体的には、目標流量Groの増大に比例して制御電流Inが増大するようになっている。
【0028】
圧縮機2は、図2に示すように、片斜板型の可変容量型圧縮機であって、その可変容量機構自体は周知のものである。図1の動力伝達機構9等を介して車両用エンジン11の動力が回転軸20に伝達される。回転軸20の図2の左端部は動力伝達機構9との結合部である。この回転軸20に対して斜板21が一体に回転可能に結合され、且つ、斜板21の傾斜角度は、球面状の頭部を有するヒンジ機構22により調整可能になっている。なお、斜板21の実線位置は傾斜角度が小さい状態(小容量状態)を示しており、2点鎖線位置21aは傾斜角度が大きい状態(大容量状態)を示している。
【0029】
この斜板21にシュー23を介して複数個(例えば、5個)のピストン24を連結している。このため、回転軸20と共に斜板21を回転させることにより、シュー23を介して複数個のピストン24を順次往復動させて、シリンダ室(作動室)Vcの体積を拡大縮小させることにより冷媒を吸入して圧縮するようになっている。
【0030】
圧縮機2の吐出容量を変化させる場合には、斜板21が収納されたクランク室(斜板室)25内の圧力Pcを変化させることによって斜板21の傾斜角度を変化させて、ピストン24のストローク(行程)を変化させる。すなわち、斜板21の傾斜角度の増加により、ピストンストロークが増加して吐出容量が増加し、斜板21の傾斜角度の減少により、ピストンストロークが減少して吐出容量が減少する。
【0031】
従って、クランク室25は、圧縮機2の吐出容量を変化させるための制御圧室としての役割を兼ねることになる。なお、クランク室(斜板室)25は、絞り通路26を介して圧縮機20の吸入室27側と連通している。
【0032】
一方、圧縮機20のリヤハウジング28には第1吐出室29と第2吐出室30が形成され、第1吐出室29は所定の絞り穴径を有する絞り連通路(絞り部)31を介して第2吐出室30に連通している。第1吐出室29には各ピストン24の作動室(シリンダ室)Vcから吐出された冷媒が弁板32の吐出ポート33、吐出弁34を介して流入し、合流して吐出脈動が平滑化される。第2吐出室30は吐出口35を経て外部の冷媒吐出配管に接続される。
【0033】
また、リヤハウジング28には、蒸発器6出口からの低圧ガス冷媒を吸入する吸入口36および吸入口36から冷媒が流入する吸入室27が設けられている。この吸入室27内から冷媒が弁板32の吸入ポート37、吸入弁38を介して作動室Vc内に吸入されるようになっている。
【0034】
第1吐出室29から冷媒が絞り連通路31を通過して第2吐出室30に向かって流通する際に圧力損失が発生するので、第2吐出室30内の圧力PdL は第1吐出室29内の圧力PdH よりも所定量ΔPだけ低くなる。この絞り連通路31前後の差圧ΔPは圧縮機吐出冷媒流量に対応した大きさとなる。
【0035】
電磁式容量制御弁15は制御圧室をなすクランク室25内の圧力Pcを制御する吐出容量制御機構を構成するもので、圧縮機2のリヤハウジング28側に配置されている。次に、容量制御弁15の具体的構成例を説明すると、この制御弁15には、第1吐出室29内の圧力PdH が連通路39を介して導かれる第1制御室40と、第2吐出室30内の圧力PdL が連通路41を介して導かれる第2制御室42が設けられている。この両制御室40、42の間は摺動可能な円筒状部材43により仕切られている。これにより、この円筒状部材43等を介してプッシュロッド44の一端部に、両制御室40、42間の差圧ΔPによる力が開弁方向の力として作用する。
【0036】
また、第1吐出室29内の圧力PdH が導入される吐出圧室45と、クランク室25に対して、連通路46を介して連通する制御圧室47が制御弁15に設けられ、吐出圧室45と制御圧室47との間を絞り通路48により連通させて、この絞り通路48の開口断面積をプッシュロッド44の弁体49の位置により調整することによって、制御圧室47の圧力、すなわち、クランク室25の圧力(制御圧)Pcを調整することができるようになっている。
【0037】
一方、制御弁15の電磁機構部50は、差圧ΔPによる開弁力に対向する力、すなわち、閉弁力を弁体49(プッシュロッド44)に作用させるものである。そのために、弁体49は電磁機構部50のプランジャ(可動鉄心)51と一体に結合されており、プランジャ51には励磁コイル52により誘起される電磁吸引力が作用する。すなわち、プランジャ51は所定間隔を介して固定磁極部材(固定鉄心)53と対向するように配置されており、励磁コイル52により誘起される電磁吸引力によってプランジャ51は固定磁極部材53に向かって軸方向(図2の上方向)に変位する。このプランジャ51の軸方向変位により弁体49は閉弁方向に移動する。
【0038】
また、プランジャ51と固定磁極部材53との間には、電磁力と対抗する弾性力を発生する弾性手段としてコイルスプリング54が配置されている。
【0039】
本例では、励磁コイル52に通電する制御電流(制御電流信号)Inを制御することにより(例えば、制御電流Inの断続比率であるデューティ比Dtを制御することにより)、所望の電磁吸引力(すなわち、弁体49の閉弁方向の力)をプランジャ51に作用させることができる。励磁コイル52の制御電流Inは前述の空調用制御装置14により制御される。
【0040】
電磁式容量制御弁15は上記のように構成されているため、制御電流Inを制御して弁体49の閉弁力を増大させると、弁体49が図2の上方向に変位して絞り通路48の開口断面積を減少させるので、制御圧室47の圧力、すなわち、クランク室25の圧力Pcが低下して斜板21の傾斜角度が図2の2点鎖線21aのように増加し、これにより圧縮機2の吐出容量が増加する。
【0041】
逆に、制御電流Inを制御して弁体49の閉弁力を減少させると、弁体49がコイルスプリング54の力で図2の下方向に変位して絞り通路48の開口断面積を増加させるので、制御圧室47の圧力、すなわち、クランク室25の圧力Pcが上昇して斜板21の傾斜角度が図2の実線位置のように減少し、これにより圧縮機2の吐出容量が減少する。
【0042】
一方、エンジン11の回転数が上昇して圧縮機2の回転数が上昇すると、これに連動して圧縮機2から吐出される吐出冷媒流量が上昇するが、吐出冷媒流量が増大すると、第1、2制御室40、42間の差圧ΔPが大きくなるので、開弁力が大きくなり、プッシュロッド44及び弁体49が図2の下方向に移動して絞り通路48の開口断面積を増加させるので、圧縮機2の吐出容量が減少していく。
【0043】
逆に、エンジン11の回転数が低下して圧縮機2の回転数が低下すると、これに連動して圧縮機2から吐出される吐出冷媒流量が低下するが、吐出冷媒流量が低下すると、第1、2制御室40、42間の差圧ΔPが小さくなるので、開弁力が小さくなり、プッシュロッド44及び弁体49が図2の上方向に移動して絞り通路48の開口断面積を減少させるので、圧縮機2の吐出容量が増加していく。
【0044】
このとき、プッシュロッド44及び弁体49は閉弁力と開弁力とが釣り合う位置まで移動するが、このことは、第1、2制御室40、42間の差圧ΔPが閉弁力(電磁吸引力)によって一義的に決まる所定差圧、つまり目標差圧ΔPoとなるまで圧縮機2の吐出容量が機械的に変化することを意味する。
【0045】
従って、上記のように閉弁力(電磁吸引力)によって一義的に決まる目標差圧ΔPoを制御電流Inの制御により変化させることによって吐出容量を変化させて、圧縮機2から実際に吐出される吐出冷媒流量を変化させることができる。
【0046】
次に、図示実施形態のような空調装置を備えている車両(自動車)において、車両の加速の度合いに応じて、空調装置の冷媒圧縮機である可変容量型圧縮機2の負荷を制御することによって、車両の加速性と空調装置の冷房能力とを好適に両立させることができる制御の第1実施例を、図3から図5を用いて説明する。なお、以下の実施例の説明においては、圧縮機の負荷は圧縮機に作用するトルクとして説明する。
【0047】
図3は、圧縮機負荷(トルク)制御に関して、空調用制御装置14において実行される制御ルーチンであって、この制御ルーチンのスタートの時点において、車両用エンジン11は起動しており、エアコン(空調装置)のスイッチはONの状態にあるものとする。
【0048】
まず、ステップS101において車両の加速の度合いによって加速カットが可能であるか否かについての判定が行われる。加速の度合いの判定は、エンジン制御装置19から伝達される車速とスロットル開度又はアクセル開度の情報に基づいて、図4に示されたような加速判定マップを用いて行われる。より詳細に説明すると、まず、ステップS101において、加速時の車速とスロットル開度との関係から、その時の加速が、加速カットをすることができないほど大きいものであるか否か、換言すれば、圧縮機2の負荷制御を必要とする程の加速であるか否かを判定する。図4に示された例では、点Pによって示される状態からスロットル開度を大きくすることによって2種類の加速を行った場合のスロットル開度と車速との関係を示しているが、ここで、加速後に車速及びスロットル開度の関係が点Aへ移行する場合においては、点Aが加速判定ラインLよりも下側の領域Xに位置するため、加速カットが可能であって、圧縮機の負荷制御を必要とする加速には該当しないと判断される。この場合、車両の加速に応じた圧縮機負荷(トルク)制御は行われず、ステップS40に進んで、圧縮機2に対して温度状態に応じた公知の制御(例えば、吹出温度センサ13によって検知される温度Teを設定温度とするようにする制御等)が行われる。それによって、車両エンジンの発生するトルクのうちで圧縮機2によって吸収される分は車両の加速に寄与しないので、その分だけ加速カットが行われて加速が若干鈍くなる。
【0049】
一方、図4に示された例において、加速後に移行する点Bの車速及びスロットル開度の座標が加速判定ラインLよりも上側の領域Yに位置するため、これは加速カットをすることができない加速、すなわち、圧縮機負荷(トルク)制御を必要とする加速であると判定されて、ステップS102へ進む。ステップS102においては現在の車両の車室内における冷房の必要性が判断される。具体的には、空調装置が現在保有する冷房能力(残存冷房能力)、すなわち、蒸発器6の下流側流路に設けられた吹出温度センサ13の検出する吹出温度Teが、吹出温度の目標値であるTe0に許容温度幅ΔTeを加えた値、すなわち、必要とされる冷房能力よりも小さいか否かが判定される。
【0050】
もし、現在の吹出温度Teが高くて、その検出値が吹出温度の目標値Teoと許容温度幅ΔTeとの和よりも大であれば、車両の加速よりも乗員の快適さを優先させる必要があると判断されるので、この場合もステップS40へ進んで通常の圧縮機制御が実施される。そのために、圧縮機の必要とするトルクが大きい場合には、その分だけ加速カットが行われて車両の加速が鈍くなるが、冷房熱負荷が大きい場合でも乗員の快適性を確保することができる。
【0051】
ステップS102の判定において、現在の吹出温度Teが目標値Teoと許容温度幅ΔTeとの和よりも小さい場合には、空調装置の冷房能力が当面は十分と判断されるので、車室内の冷房よりも車両の加速の方を優先するために、可変容量型圧縮機2のトルクを一旦低減させて、車両の加速のためのトルクを増加させた後に、圧縮機2のトルクを徐々に元の値まで復帰させるというパターンの制御を実行する。そのために、圧縮機トルク低減量ΔTや復帰時間ΔTimeを含む制御パターンを決定するステップS20へ進む。
【0052】
必要な圧縮機トルク低減量ΔTや復帰時間ΔTimeは、図5に示すような圧縮機トルク低減量ΔT決定マップを用いて算出される。この圧縮機トルク低減量ΔT決定マップは、時間に応じて変化させる圧縮機トルク低減量ΔTを図示(マップ化)したものである。すなわち、圧縮機2のトルクを一旦トルク低減量ΔTだけ低減させた後に、再び徐々に増大させて、復帰時間ΔTimeの経過時に元の値に復帰させるというパターンをとる。トルク低減量ΔTと復帰時間ΔTimeは、例えば、車両の加速の度合いに応じてそれぞれの大きさが変化するように設定することができる。図5の縦軸は容量制御弁15へ供給される制御電流信号Inの値をとっているが、これは前述の制御弁15の説明から明らかなように、圧縮機2のトルクの値に対応しているため、制御電流信号Inを変化させることによってトルク低減量ΔTを制御することができる。
【0053】
なお、図4に示された加速判定マップ並びに図5に示された圧縮機トルク低減量ΔT決定マップは共に、車両の加速性の確保と空調装置の冷房能力の確保とを両立させるという観点から実験等により予め作成され、空調用制御装置14に記憶されている。
【0054】
ステップS20において加速の度合いに応じて必要な圧縮機トルク低減量ΔTと復帰時間ΔTimeが決定されると、次に実際にトルクに応じた圧縮機制御を行うステップS30(ステップS31〜S34を含む)に進む。
【0055】
ステップS30においては、まずステップS31において、現状(加速直前)の圧縮機2の駆動トルクTが算出(決定)される。圧縮機2の駆動トルクTは種々の方法で算出することが出来るが、この実施例の場合には、高圧センサ18によって検出される高圧圧力(圧縮機2の吐出圧)と、間接的に圧縮機吐出容量を表す容量制御弁15の制御電流信号Inの値と、エンジン回転数とに基づいて算出する。
【0056】
次いでステップS32に進んで、ステップS31において算出された圧縮機2の駆動トルクTからステップS20において算出された加速の度合いに応じた必要圧縮機トルク低減量ΔTを差し引いて、目標圧縮機トルクToが算出される。そして続くステップS33において、圧縮機2の駆動トルクがこの目標圧縮機トルクToとなるように圧縮機2の容量を制御する目標制御電流値(目標制御電流信号)Inoが、目標圧縮機トルクToと、高圧センサ18により検出される高圧圧力(圧縮機吐出圧)と、エンジン回転数とから逆算によって算出される。
【0057】
ステップS34では、このようにして算出された目標制御電流Inoにより圧縮機2の吐出容量が制御され、圧縮機2が車両の加速の度合いに応じた必要圧縮機トルク低減量ΔTだけ少ないトルクToで駆動される。そしてその後、冷房能力確保のために、制御電流Inが制御され圧縮機2の吐出容量を徐々に復帰させて、本ルーチンのスタートの状態に戻り次の加速に備える。この間に圧縮機2において低減した分のトルクは車両の加速を促進することになる。
【0058】
このように、車両の加速時において、加速の度合いに応じて空調装置の圧縮機2のトルク制御を行うか否かを、冷房能力を優先させて決定して乗員の快適性を維持するが、加速を優先させる必要が生じた時には、必要な圧縮機トルク低減量ΔTを算出し、圧縮機容量を制御して加速開始時にその必要圧縮機トルク低減量ΔT分だけ低減したトルクToによって圧縮機2を駆動して、エンジン11への負担を軽減し、次いで徐々に圧縮機容量を復帰させることにより、車両の加速性を確保すると共に車両の加速の度合いに見合った冷房能力の確保が可能となる。
【0059】
図6に本発明の制御方法の第2実施例を示す。図3に示した第1実施例の制御方法と比べて異なる点は、図6においては図3に示すステップS102に相当するものがなく、ステップS101の判定において、その時の加速が図4の加速判定マップにおける点Bのように加速判定ラインLよりも上側の領域Yに属していて、圧縮機2のトルク制御が必要であると判定された時に、ステップS103へ進むことである。
【0060】
ステップS103においては、先にステップS20において加速の度合いに応じて選定された図5のマップによって算出されるトルク低減量ΔTや、復帰時間ΔTimeとは別に、図7に例示したようなマップによって、その時に空調装置が保有する(残存する)冷房能力の大きさからトルク低減量ΔT´と復帰時間ΔTime´を算出する。この場合は、残存する冷房能力を示す値として、現実の吹出温度Teと吹出温度の目標値Teoとの差を図7のマップの横軸にとっている。
【0061】
そして次のステップS104へ進んで、トルク低減量ΔT及び復帰時間ΔTimeに関して、ステップS20において算出した値と、ステップS103において算出した値とをそれぞれ比較して、より小さい方(一般的には最小値)を採用する。
【0062】
このようにしてトルク低減量ΔTと復帰時間ΔTimeの最小値がそれぞれ算出された後に、ステップS30へ進んで、算出された前記最小値によって、前述の第1実施例の場合と同様に、ステップS31から34までの処理を実行する。このようにトルク低減量ΔTと復帰時間ΔTimeの最小値を使用することにより、圧縮機2のトルク低減制御をなるべく小さく抑えて空調装置の冷房能力を大きくし、車室内の乗員の快適性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例としての制御方法が適用される車両用空調装置を例示するシステム構成図である。
【図2】車両用空調装置に使用される可変容量型圧縮機を例示する断面図である。
【図3】本発明の制御方法の第1実施例を示すフローチャートである。
【図4】実施例において使用される加速判定マップである。
【図5】実施例において使用される圧縮機トルク低減量決定用のマップである。
【図6】本発明の制御方法の第2実施例を示すフローチャートである。
【図7】第2実施例において使用されるマップである。
【符号の説明】
1…車両空調装置の冷凍サイクル
2…可変容量型圧縮機
6…蒸発器
11…車両走行用エンジン
13…蒸発器吹出温度センサ
14…空調用制御装置(A/C ECU)
15…電磁式容量制御弁(吐出容量制御機構)
16…空調装置の自動制御のためのセンサ群
19…エンジン制御装置(E/G ECU)
Claims (4)
- 車両用エンジンを駆動源とする可変容量型冷媒圧縮機を備えている車両用空調装置の制御方法であって、
車両の加速の度合いによって加速カットの可否を判定する段階と、
車両の加速の度合いが加速カットの可能な領域にないと判定された時に、前記エンジンに対する前記圧縮機の負荷を一旦低減させた後に徐々に復帰させるというパターンに従って前記圧縮機の負荷を制御するための前記車両の加速の度合いに応じた前記圧縮機の負荷低減量と復帰時間を算出する段階と、
前記パターンに従って前記圧縮機の負荷を制御するための前記空調装置に残存する冷房能力に応じた前記圧縮機の負荷低減量と復帰時間を算出する段階と、
算出された2つの負荷低減量と2つの復帰時間をそれぞれ比較して最小値を選択する段階と、
選択された負荷低減量と復帰時間によって前記パターンに従って前記圧縮機の負荷を制御する段階と、
それ以外の時には前記圧縮機をその時に必要な冷房能力に応じて制御する段階と
を有する車両用空調装置の制御方法。 - 加速の度合いによって加速カットの可否を判定する前記段階が、車速とアクセル開度若しくは車速とスロットル開度に基づいて車両の加速の度合いを判定する請求項1に記載された車両用空調装置の制御方法。
- 前記空調装置に残存する冷房能力が蒸発器の吹出温度によって判定される請求項1又は2のいずれかに記載された車両用空調装置の制御方法。
- 前記圧縮機の負荷が前記圧縮機のトルクによって判定される請求項1ないし3のいずれかに記載された車両用空調装置の制御方法。
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