JP2016097884A - 車両用エアコン制御装置 - Google Patents

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克仁 神戸
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Abstract

【課題】車両の走行状況にかかわらず、車室内の雰囲気を快適に維持する。【解決手段】車両用エアコン制御装置11は、エンジン13の吸気負圧を用いて制動補助力を与えるブースタ23に係る負圧の情報、及び、制動液圧の時間変動に係る情報を取得する情報取得部41と、ブースタ23に係る負圧の情報が負圧閾値P2th未満か否かを判定すると共に、制動液圧の時間変動に係る情報に基づいて、制動液圧に所定の変動が生じたか否かを判定する判定部43と、ブースタ23に係る負圧の情報が負圧閾値P2th未満になり、かつ、制動液圧に所定の変動が生じた旨の判定が判定部43により下された場合に、エアコン39の動作を停止させる制御を行う制御部45と、を備える。制御部45は、エアコン39の動作を停止させる制御が行われている際に、制動液圧に所定の変動が生じなくなった場合、エアコン39の動作を復帰させる制御を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、車両に搭載された内燃機関によって圧縮機が駆動される車両用空気調和装置(以下、エアコンという。)の動作制御を行う車両用エアコン制御装置に関する。
一般に、内燃機関(以下、エンジンという。)を備えた車両では、エアコンの冷却媒体を圧縮するための圧縮機が、エンジンの駆動力を用いて駆動される。また、一般的な車両には、エンジンの吸気負圧を用いて制動補助力を供給することにより、運転者の制動操作に係る身体的な負担を軽減する負圧倍力装置が装備されている。こうした車両では、圧縮機の駆動中に、例えば制動操作が行われることでエンジンの負荷が大きくなると、エンジンのストール(いわゆるエンスト)を生じてしまうことがある。
このようなエンストの発生を抑制するために、特許文献1には、負圧倍力装置と、負圧倍力装置の負圧を検出する負圧センサとを備え、負圧センサによる負圧値と所定の負圧閾値の比較結果に基づいて、エアコンの動作を停止又は復帰させるエアコン制御技術が開示されている。
特許文献1に係るエアコン制御装置によれば、負圧倍力装置による制動補助力とエアコンによる空調性能との両方を良好に保持することができるという。
特開2003−104046号公報
しかしながら、特許文献1に係るエアコン制御技術では、負圧センサによる負圧値が所定の負圧閾値未満であって、制動操作が行われている場合にエアコンの作動を停止させることにより、制動操作に由来する制動補助力の低下を防止している(特許文献1の段落0013〜0021参照)。そのため、車両の走行状況によっては、エアコンによる空調性能を十分に発揮できずに、車室内の雰囲気の快適性が損なわれるおそれがあった。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、車両の走行状況にかかわらず、車室内の雰囲気を快適に維持可能な車両用エアコン制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、(1)に係る発明は、車両に搭載されたエンジンの吸気負圧を用いて制動補助力を与える負圧倍力装置に係る負圧の情報を取得する負圧情報取得部と、前記車両の運転者による制動操作の時間変動に係る情報を取得する制動操作情報取得部と、前記負圧倍力装置に係る負圧の情報が、予め定められる負圧閾値未満か否かを判定すると共に、前記制動操作の時間変動に係る情報に基づいて、制動液圧に所定の変動が生じたか否かを判定する判定部と、前記負圧倍力装置に係る負圧の情報が前記負圧閾値未満になり、かつ、前記制動液圧に前記所定の変動が生じた旨の判定が前記判定部により下された場合に、前記エンジンの駆動力によって駆動される圧縮機を有するエアコンの動作を停止させる制御を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記エアコンの動作を停止させる制御が行われている際に、前記判定部により前記制動液圧に前記所定の変動が生じなくなった旨の判定が下された場合、前記エアコンの動作を復帰させる制御を行うことを特徴とする。
(1)に係る発明では、負圧情報取得部は、車両に搭載されたエンジンの吸気負圧を用いて制動補助力を与える負圧倍力装置に係る負圧の情報を取得する。制動操作情報取得部は、車両の運転者による制動操作の時間変動に係る情報を取得する。ここで、制動操作の時間変動に係る情報とは、制動操作の量の時間変動に係る情報、及び、車両の速度を減速させるための制動液圧の時間変動に係る情報の両者を含む概念である。判定部は、負圧倍力装置に係る負圧の情報が、予め定められる負圧閾値未満か否かを判定すると共に、制動操作の時間変動に係る情報に基づいて、制動液圧に所定の変動が生じたか否かを判定する。制御部は、負圧倍力装置に係る負圧の情報が負圧閾値未満になり、かつ、制動液圧に所定の変動が生じた旨の判定が判定部により下された場合に、エンジンの駆動力によって駆動される圧縮機を有するエアコンの動作を停止させる制御を行う。また、制御部は、エアコンの動作を停止させる制御が行われている際に、判定部により制動液圧に所定の変動が生じなくなった旨の判定が下された場合、エアコンの動作を復帰させる制御を行う。
(1)に係る発明によれば、制御部は、エアコンの動作を停止させる制御が行われている際に、制動液圧に所定の変動が生じなくなった旨の判定が判定部により下された場合、エアコンの動作を復帰させる制御を行うため、負圧値が所定の負圧閾値未満であり、かつ、制動操作が行われている場合にエアコンの作動を停止させる制御を行う場合と比べて、エアコンの動作が停止された後、その動作を復帰させるまでの待ち時間を短縮することができる。
したがって、(1)に係る発明によれば、車両の走行状況にかかわらず、車室内の雰囲気を快適に維持することができる。
一方、(2)に係る発明は、(1)に記載の車両用エアコン制御装置であって、前記制動操作の時間変動に係る情報は、前記車両の速度を減速させるための制動液圧の時間変動に係る情報であることを特徴とする。
(1)に係る発明では、判定部は、制動操作の時間変動に係る情報に基づいて、制動液圧に所定の変動が生じたか否かを判定するのに対し、(2)に係る発明では、制動操作の時間変動に係る情報とは、車両の速度を減速させるための制動液圧の時間変動に係る情報であり、判定部は、制動液圧の時間変動に係る情報に基づいて、制動液圧に所定の変動が生じたか否かを判定している。
(2)に係る発明によれば、(1)に係る発明と同様に、制御部は、エアコンの動作を停止させる制御が行われている際に、制動液圧に所定の変動が生じなくなった旨の判定が判定部により下された場合、エアコンの動作を復帰させる制御を行うため、負圧値が所定の負圧閾値未満であり、かつ、制動操作が行われている場合にエアコンの作動を停止させる制御を行う場合と比べて、エアコンの動作が停止された後、その動作を復帰させるまでの待ち時間を短縮することができる。
したがって、(2)に係る発明によれば、車両の走行状況にかかわらず、車室内の雰囲気を快適に維持することができる。
また、(3)に係る発明は、(1)又は(2)に記載の車両用エアコン制御装置であって、前記制御部は、前記負圧倍力装置に係る負圧の情報が前記負圧閾値未満になり、かつ、前記制動液圧に前記所定の変動が生じた旨の判定が前記判定部により下された際であって、前記車両に搭載された変速機のギア位置がインギアであり、かつ、該車両に設けられたアクセルの操作位置がオフである場合に、前記エアコンの動作を停止させる制御を行うことを特徴とする。
(3)に係る発明では、制御部がエアコンの動作を停止させる制御を行う際の停止条件(負圧倍力装置に係る負圧の情報が負圧閾値未満になり、かつ、制動液圧に所定の変動が生じた旨の判定が判定部により下された)として、変速機のギア位置がインギアであり、かつ、アクセルの操作位置がオフである場合を加重強化することとした。
(3)に係る発明によれば、エアコン動作に係る停止条件を加重強化したため、エアコン動作が停止する頻度を抑制することができる。その結果、車両の走行状況にかかわらず、車室内の雰囲気を快適に維持する効果を一層高めることができる。
また、(4)に係る発明は、(3)に記載の車両用エアコン制御装置であって、前記制御部は、前記エアコンの動作を停止させる制御が行われている際に、前記変速機のギア位置がインギアではなくなった場合に、前記エアコンの動作を復帰させる制御を行うことを特徴とする。
(4)に係る発明では、制御部がエアコンの動作を復帰させる制御を行う際の復帰条件として、変速機のギア位置がインギアではなくなった場合を加えることにより、復帰条件を緩和することとした。
(4)に係る発明によれば、エアコン動作に係る復帰条件を緩和したため、エアコン動作が復帰する頻度を高めることができる。その結果、車両の走行状況にかかわらず、車室内の雰囲気を快適に維持する効果をより一層高めることができる。
また、(5)に係る発明は、(3)又は(4)に記載の車両用エアコン制御装置であって、前記制御部は、前記エアコンの動作を停止させる制御が行われている際に、前記アクセルの操作位置がオフではなくなった場合に、前記エアコンの動作を復帰させる制御を行うことを特徴とする。
(5)に係る発明では、制御部がエアコンの動作を復帰させる制御を行う際の復帰条件として、アクセルの操作位置がオフではなくなった場合を加えることにより、復帰条件を緩和することとした。
(5)に係る発明によれば、エアコン動作に係る復帰条件を緩和したため、エアコン動作が復帰する頻度を高めることができる。その結果、車両の走行状況にかかわらず、車室内の雰囲気を快適に維持する効果をより一層高めることができる。
また、(6)に係る発明は、(1)〜(5)のうちいずれかに記載の車両用エアコン制御装置であって、前記判定部は、前回の液圧値である液圧基準値に対する所定時間内での今回の制動液圧の増加又は減少のレベルが予め定められる変動判定閾値を超えるか否かに基づいて、前記制動液圧に前記所定の変動が生じたか否かを判定することを特徴とする。
(6)に係る発明では、判定部は、前回の液圧値である液圧基準値に対する所定時間内での今回の制動液圧の増加又は減少のレベルが予め定められる変動判定閾値を超えるか否かに基づいて、制動液圧に所定の変動が生じたか否かを判定することとした。
なお、液圧基準値としては、液圧値が所定時間毎に時々刻々と変動することを踏まえて、今回のタイムサイクルでは前回の液圧値を液圧基準値とし、前回のタイムサイクルでは、前々回の液圧値を液圧基準値とするといったように、所定時間毎に更新される液圧値を液圧基準値として採用すればよい。
また、制動液圧に係る所定の変動としては、運転者の明確な意図をもって制動操作がなされた際の制動液圧に係る時間変動を考慮した適宜の値を設定すればよい。
(6)に係る発明によれば、制動液圧に所定の変動が生じたか否かを判定する際に用いる指標を明確に定義することにより、本発明に係る車両用エアコン制御装置を車両に実装する際の設計上の便宜を図ることができる。
また、液圧基準値に対する制動液圧の増加及び減少の推移を監視することで制動液圧に所定の変動が生じたか否かを判定するため、運転者の明確な意図を伴う制動付与操作又は制動解除操作のうちいずれかが生じた際に、制動液圧に所定の変動が生じた旨の判定を下して、エアコンの動作を停止させる制御を的確に遂行することができる。
本発明によれば、車両の走行状況にかかわらず、車室内の雰囲気を快適に維持することができる。
本発明の実施形態に係る車両用エアコン制御装置の周辺部を含む概要を表す説明図である。 本発明の実施形態に係る車両用エアコン制御装置の動作説明に供するフローチャート図である。 本発明の実施形態に係る車両用エアコン制御装置の動作説明に供するタイムチャート図である。
以下、本発明の実施形態に係る車両用エアコン制御装置11について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、本発明の実施形態に係る説明において、“負圧”とは、大気圧を基準として真空側の圧力をいう。また、“負圧”の程度を表現する際において、大気圧に近い側の負圧を“小さい負圧”と、真空に近い側の負圧を“大きい負圧”と、それぞれ表記することとする。
〔本発明の実施形態に係る車両用エアコン制御装置11の構成〕
はじめに、本発明の実施形態に係る車両用エアコン制御装置11の構成について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る車両用エアコン制御装置11の周辺部を含む概要を表す説明図である。
本発明の実施形態に係る車両用エアコン制御装置11は、レシプロエンジンなどのエンジン13やブレーキ装置15とともに、不図示の車両に設けられている。
エンジン13には、図1に示すように、エンジン13に空気及び燃料を導入するためのインテークマニホールド(吸気管)17と、エンジン13からの排気ガスを不図示のマフラーへと導くエキゾーストパイプ(排気管)19と、が連通接続されている。
ブレーキ装置15は、図1に示すように、ブレーキペダル21と、本発明の“負圧倍力装置”に相当するブースタ23と、マスタシリンダ25と、を含んで構成されている。
ブレーキペダル21は、車両を制動しようとする運転者が踏み込み操作する際に用いられる操作部材である。ブースタ23は、エンジン13の吸気負圧を用いて、運転者がブレーキペダル21を踏み込む力(制動に係る操作力)を倍力してマスタシリンダ25に入力する機能を有する。マスタシリンダ25は、ブースタ23で倍力された制動に係る操作力を油圧(制動液圧)に変換して、車両の各車輪に設けられた不図示の制動部材(例えば、ディスクブレーキのブレーキピストン)に対して制動液圧を発生させる機能を有する。
ブレーキペダル21には、例えば、そのアーム21aの回転支軸部21bに、ブレーキセンサ39が設けられている。ブレーキセンサ39は、ブレーキペダル21の操作量及び操作方向を検出する機能を有する。ブレーキセンサ39で検出された制動操作信号は、車両用エアコン制御装置11に送られる。
インテークマニホールド(吸気管)17と、ブースタ23の負圧室23aとの間は、配管27を介して連通接続されている。この配管27の途中には、チェックバルブ29、及び、負圧センサ31が設けられている。
1方向弁であるチェックバルブ29は、負圧室23aの内圧であるブースタ圧が、インテークマニホールド(吸気管)17に生じるインマニ圧と比べて大きい場合に閉止動作することで、ブースタ圧を大きい負圧に維持する一方、ブースタ圧がインマニ圧と比べて小さい場合に開放動作することで、ブースタ23にインマニ圧を導入し、ブースタ圧をインマニ圧と均等の大きさにならす機能を有する。
負圧センサ31は、前記配管27のうち、チェックバルブ29と負圧室23aの間に設けられている。負圧センサ31は、負圧室23aの内圧であるブースタ圧を検出する機能を有する。負圧センサ31で検出されたブースタ圧信号(負圧値)は、車両用エアコン制御装置11に送られる。
車両用エアコン制御装置11には、図1に示すように、入力系統として、前記したブレーキセンサ39及び負圧センサ31の他に、制動液圧センサ33、ギア位置センサ35、及び、アクセルセンサ37が接続されている。また、車両用エアコン制御装置11には、図1に示すように、制御対象としてのエアコン33が接続されている。
制動液圧センサ33は、制動部材に作用する制動液圧を検出する機能を有する。制動液圧センサ33で検出された制動液圧信号は、車両用エアコン制御装置11に送られる。
ギア位置センサ35は、車両に搭載された変速機(不図示)のギア位置を検出する機能を有する。ギア位置センサ35で検出されたギア位置信号(インギアか否かの情報を含む)は、車両用エアコン制御装置11に送られる。
アクセルセンサ37は、車両に設けられたアクセルペダル(不図示)の操作量を検出する機能を有する。アクセルセンサ37で検出されたアクセルペダルの操作量信号は、車両用エアコン制御装置11に送られる。
エアコン33は、予め設定された温度に調節された空気を車室内に向けて送り出すことにより、車室内の雰囲気を快適に調和する機能を有する。エアコン33は、公知の冷凍サイクルを構成する、圧縮機40、蒸発器、凝縮器、膨張弁(いずれも不図示)などの部材を含んで構成されている。蒸発器は、低温・低圧の液体冷媒を気化・膨張させて吸熱する機能を有する。圧縮機40は、低温・低圧の気体冷媒を圧縮することで高温・高圧の気体冷媒を吐出する機能を有する。凝縮器は、圧縮機40から吐出された高温・高圧の気体冷媒を冷却して熱を奪い液化する機能を有する。膨張弁は、高温・高圧の液体冷媒を急速に断熱膨張させることで温度と圧力を低下させる機能を有する。こうして低温・低圧となった液体冷媒は、蒸発器へと戻される。
本発明の実施形態に係る車両用エアコン制御装置11は、図1に示すように、情報取得部41と、判定部43と、制御部45とを備えて構成されている。
情報取得部41は、負圧センサ31からの負圧情報、制動液圧センサ33からの制動液圧情報、ギア位置センサ35からのギア位置情報、アクセルセンサ37からのアクセルペダル操作量情報、及び、ブレーキセンサ39からの制動操作情報(ブレーキペダル21の操作量及び操作方向の情報)をそれぞれ取得する機能を有する。
また、情報取得部41は、車両の運転者による制動操作の時間変動に係る情報を取得する機能を有する。ここで、制動操作の時間変動に係る情報とは、制動操作の量の時間変動に係る情報、及び、車両の速度を減速させるための制動液圧の時間変動に係る情報の両者を含む概念である。また、制動操作の量の時間変動に係る情報とは、ブレーキペダル21の操作量を時間微分することで得られる情報である。ただし、本実施形態では、制動操作の時間変動に係る情報として、車両の速度を減速させるための制動液圧の時間変動に係る情報を用いて説明する。制動液圧の時間変動に係る情報とは、制動液圧の値を時間微分することで得られる情報である。
詳しく述べると、制動液圧の時間変動に係る情報は、予め定められる周期で制動液圧値を取得する前提で、前回の液圧値である液圧基準値に対する今回の液圧値の増加又は減少の量を時間微分することで得られる。
情報取得部41は、本発明の“負圧情報取得部”、及び、“制動操作情報取得部”に相当する。
判定部43は、ブースタ(負圧倍力装置)23に係る負圧(ブースタ圧)の情報が、予め定められる負圧閾値未満か否かを判定すると共に、情報取得部41で取得した制動液圧の時間変動に係る情報(制動操作の量の時間変動に係る情報であってもよい。)に基づいて、制動液圧に所定の変動が生じたか否かを判定する機能を有する。詳しく述べると、判定部43は、前回の液圧値である液圧基準値に対する所定時間内での今回の制動液圧の増加又は減少のレベルが予め定められる変動判定閾値を超えるか否かに基づいて、制動液圧に所定の変動が生じたか否かを判定する。
また、判定部43は、ギア位置センサ35からのギア位置情報に基づいて変速機のギア位置がインギアか否か、アクセルセンサ37からのアクセルペダル操作量情報に基づいてアクセルオフか否か、及び、制動液圧に所定の変動が生じているか否かを表す液圧変動フラグがオン設定されているか否かを判定する機能を有する。
制御部45は、基本的には、ブースタ(負圧倍力装置)23に係る負圧(ブースタ圧)の情報が負圧閾値未満になり、かつ、制動液圧に所定の変動が生じた旨の判定が判定部43により下された場合に、エンジン13の駆動力によって駆動される圧縮機40を有するエアコン39の動作を停止させる制御を行う機能を有する。また、制御部45は、エアコン39の動作を停止させる制御が行われている際に、判定部43により制動液圧に所定の変動が生じなくなった旨の判定が下された場合、所定の待機時間をおいて、エアコン39の動作を復帰させる制御を行うように動作する。
ここで、エアコン39の動作を停止させる制御が行われている際に、判定部43により制動液圧に所定の変動が生じなくなった旨の判定が下された場合に、エアコン39の動作を復帰させる制御を開始するにあたり、所定の待機時間をおいているのは、エアコン39の動作が停止と復帰の間を短時間で繰り返す不安定な状態に陥る事態を未然に回避する趣旨である。
また、制御部45は、制動液圧に所定の変動が生じた旨の判定が判定部43により下された場合に、液圧変動フラグをオンに設定するように動作する。液圧変動フラグの設定内容は、制御部45が適宜参照可能な記憶部47の記憶領域に格納される。
さらに、制御部45は、エアコン39の動作を停止させる制御を行うに際し、待機時間カウンタの値をセットし、所定の待機時間の間はエアコン39の動作を停止させる制御を続けるように動作する。
本発明の実施形態に係る車両用エアコン制御装置11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備える不図示のマイクロコンピュータ(以下“マイコン”という。)により構成される。このマイコンは、ROMに記憶されているプログラムを読み出して実行し、車両用エアコン制御装置11が有する各種情報の取得機能、ブースタ23に係る負圧(ブースタ圧)の情報が負圧閾値未満か否かを判定する機能、制動液圧に所定の変動が生じたか否かを判定する機能、エアコン39の動作を停止又は復帰させるエアコン制御機能を含む各種機能に係る実行制御を行うように動作する。
前記のように構成された本発明の実施形態に係る車両用エアコン制御装置11は、前記エアコン制御機能を有効にするか又は無効にするかを選択的に設定する際に用いられる切替スイッチ(不図示)を備えている。以下では、特に断らない限り、エアコン制御機能を有効にする旨の切替スイッチの設定がなされているものとして説明を進める。
〔本発明の実施形態に係る車両用エアコン制御装置11の動作〕
次に、本発明の実施形態に係る車両用エアコン制御装置11の動作について、図2を参照して説明する。図2は、本発明の実施形態に係る車両用エアコン制御装置の動作説明に供するフローチャート図である。
前提として、情報取得部41は、所定の周期(サイクルタイム)毎に、負圧センサ31からの負圧情報、制動液圧センサ33からの制動液圧情報、ギア位置センサ35からのギア位置情報、アクセルセンサ37からのアクセルペダル操作量情報、ブレーキセンサ39からの制動操作情報、及び、制動液圧の時間変動に係る情報をそれぞれ取得しているものとする。
ステップS11において、判定部43は、情報取得部41で取得した制動液圧の時間変動に係る情報に基づいて、制動液圧に所定の変動が生じたか否かを判定する。ステップS11の判定の結果、制動液圧に所定の変動が生じていない旨の判定が下された場合(ステップS11のNo)、車両用エアコン制御装置11は、処理の流れを次のステップS12へ進ませる。一方、ステップS11の判定の結果、制動液圧に所定の変動が生じた旨の判定が下された場合(ステップS11のYes)、車両用エアコン制御装置11は、処理の流れをステップS13へとジャンプさせる。
ステップS12において、制御部45は、制動液圧に所定の変動が生じているか否かを表す液圧変動フラグをオフに設定する。
ステップS13において、制御部45は、液圧変動フラグをオンに設定する。
ステップS14において、車両用エアコン制御装置11は、液圧基準値として、今回の制動液圧値を割り当てる更新処理を行う。
ステップS15において、判定部43は、ギア位置センサ35からのギア位置情報に基づいて、変速機のギア位置がインギアか否かを判定する。ステップS15の判定の結果、変速機のギア位置がインギアではない旨の判定が下された場合(ステップS15のNo)、車両用エアコン制御装置11は、処理の流れをステップS22へジャンプさせる。一方、ステップS15の判定の結果、変速機のギア位置がインギアである旨の判定が下された場合(ステップS15のYes)、車両用エアコン制御装置11は、処理の流れを次のステップS16へ進ませる。
ステップS16において、判定部43は、アクセルセンサ37からのアクセルペダル操作量情報に基づいて、アクセルオフか否かを判定する。ステップS16の判定の結果、アクセルオフではない(加速操作中である)旨の判定が下された場合(ステップS16のNo)、車両用エアコン制御装置11は、処理の流れをステップS22へジャンプさせる。一方、ステップS16の判定の結果、アクセルオフである旨の判定が下された場合(ステップS16のYes)、車両用エアコン制御装置11は、処理の流れを次のステップS17へ進ませる。
ステップS17において、判定部43は、制動液圧に所定の変動が生じているか否かを表す液圧変動フラグがオン設定されているか否かを判定する。ステップS17の判定の結果、制動液圧に所定の変動が生じていない旨の判定が下された場合(ステップS17のNo)、車両用エアコン制御装置11は、処理の流れをステップS22へジャンプさせる。一方、ステップS17の判定の結果、制動液圧に所定の変動が生じている旨の判定が下された場合(ステップS17のYes)、車両用エアコン制御装置11は、処理の流れを次のステップS18へ進ませる。
ステップS18において、判定部43は、ブースタ23に係る負圧の情報が、予め定められる負圧閾値未満か否かを判定する。ステップS18の判定の結果、ブースタ23に係る負圧の情報が負圧閾値未満でない(負圧不足でない)旨の判定が下された場合(ステップS18のNo)、車両用エアコン制御装置11は、処理の流れをステップS22へジャンプさせる。一方、ステップS18の判定の結果、ブースタ23に係る負圧の情報が負圧閾値未満である(負圧不足である)旨の判定が下された場合(ステップS18のYes)、車両用エアコン制御装置11は、処理の流れを次のステップS19へ進ませる。
ステップS19において、制御部45は、エアコン39がオンされているか否かを判定する。ステップS19の判定の結果、エアコン39がオフされている旨の判定が下された場合(ステップS19のNo)、車両用エアコン制御装置11は、処理の流れをステップS21へジャンプさせる。一方、ステップS19の判定の結果、エアコン39がオンされている旨の判定が下された場合(ステップS19のYes)、車両用エアコン制御装置11は、処理の流れを次のステップS20へ進ませる。
ステップS20において、制御部45は、待機時間カウンタの値(例えば2秒間などの、適宜変更可能な時間長)をセットする。
ステップS21において、制御部45は、エアコン39の動作を停止させるエアコンオフ要求をエアコン39宛に送る。これを受けてエアコン39は、その動作を停止させる。その後、車両用エアコン制御装置11は、処理の流れをステップS11に戻し、以下の処理を順次行わせる。
一方、ステップS22において、制御部45は、待機時間カウンタの値がカウントアップしたか否かを判定する。ステップS22の判定の結果、待機時間カウンタの値がカウントアップしていない旨の判定が下された場合(ステップS22のNo)、車両用エアコン制御装置11は、処理の流れをステップS21へと戻す。一方、ステップS22の判定の結果、待機時間カウンタの値がカウントアップしている旨の判定が下された場合(ステップS22のYes)、車両用エアコン制御装置11は、処理の流れを次のステップS23へ進ませる。
ステップS22の判定によって、制御部45は、所定の待機時間の間、エアコン39の動作を停止させる制御を続行することになる。
ステップS23において、制御部45は、待機時間カウンタの値を初期値である“0”にリセットする。
ステップS24において、制御部45は、エアコン39の動作を復帰させるエアコンオン要求をエアコン39宛に送る。これを受けてエアコン39は、その動作を復帰させる。その後、車両用エアコン制御装置11は、処理の流れをステップS11に戻し、以下の処理を順次行わせる。
〔本発明の実施形態に係る車両用エアコン制御装置11の時系列動作〕
次に、本発明の実施形態に係る車両用エアコン制御装置11の時系列動作について、図3を参照して説明する。図3は、本発明の実施形態に係る車両用エアコン制御装置11の動作説明に供するタイムチャート図である。
図3に示す時刻t0〜t1において、車両は定速走行している。このとき、制動液圧の出力特性は、制動付与操作がされていない状態(制動液圧:小)を維持している。同時刻t0〜t1において、液圧変動フラグの値、負圧(ブースタ圧)、インマニ圧、エアコン(A/C)39のオン/オフに係るそれぞれの出力特性は以下の通りである。すなわち、液圧変動フラグの値はオフを表す“0”に設定されている。負圧(ブースタ圧)は真空側の大きい負圧を維持している。インマニ圧は大気圧側の小さい負圧を維持している。エアコン(A/C)39はオンされている。
図3に示す時刻t1〜t5において、運転者がブレーキペダルを踏むことで制動付与操作がなされると、時刻t1〜t2間における制動液圧値の立ち上がり(制動液圧に所定の変動が生じたタイミング)を捉えて、時刻t2において、液圧変動フラグの値が、オンを表す“1”に設定される。同時刻t2において、負圧(ブースタ圧)の値が負圧閾値P2th以上(負圧:小)になっている。そこで、同時刻t2において、エアコン(A/C)39の動作はオンからオフに切替えられている。
このように、運転者がブレーキペダルを踏み込むタイミング(時刻t2)を捉えて、エアコン(A/C)の動作をオンからオフに切替えるため、例えば、時刻t2の直後において、運転者がブレーキペダルをさらに踏み込むことで制動付与操作を行ったとしても、ブレーキペダルを踏み込み操作する上での違和感を運転者に抱かせる事態を抑制することができる。
なお、液圧変動フラグの値は、制動液圧の変動が収束する時刻t3までの期間、値“1”を維持した後、同時刻t3において、オフを表す“0”に設定されている。
図3に示す時刻t4において、エアコン(A/C)39の動作はオフからオンに切替えられている。このエアコン39の動作がオン復帰するのは、エアコン(A/C)39の動作がオフにされた時刻t2から所定の待機時間が経過する時刻t4までの間に、時刻t3において液圧変動フラグの値がオフを表す“0”に設定されたことに基づく。
ちなみに、図3に示す時刻t2〜t3に至る間の時刻に、制動液圧値が液圧閾値P1thを超えている。ただし、本発明に係る実施形態では、制動液圧値が液圧閾値P1thを超えたタイミングを、エアコン(A/C)39の動作をオフさせるトリガとして採用していない。
図3に示す時刻t4〜t6において、制動液圧値は液圧閾値P1thを超えているが、エアコン39の動作はオン状態を維持している。同時刻t4〜t6では、運転者による制動付与操作が継続的に行われているため、エアコン39の動作をオン状態に維持しても、運転者に違和感を抱かせることはない。
図3に示す時刻t5〜t7において、運転者がブレーキペダルを踏み戻す(ブレーキペダルを解放する)ことで制動付与操作を解除すると、時刻t5〜t6間における制動液圧値の立ち下がり(制動液圧に所定の変動が生じたタイミング)を捉えて、時刻t6において、液圧変動フラグの値が、オンを表す“1”に設定される。同時刻t6において、負圧(ブースタ圧)の値は負圧閾値P2th以上(負圧:小)である。そこで、同時刻t6において、エアコン(A/C)の動作はオンからオフに切替えられている。
このように、運転者がブレーキペダルを踏み戻すタイミング(時刻t6)を捉えて、エアコン(A/C)の動作はオンからオフに切替えるため、例えば、時刻t6の直後において、運転者がブレーキペダルを踏み込むことで制動付与操作を行ったとしても、ブレーキペダルを踏み込み操作する上での違和感を運転者に抱かせる事態を抑制することができる。
なお、液圧変動フラグの値は、制動液圧の変動が収束する時刻t7までの期間、値“1”を維持した後、同時刻t7において、オフを表す“0”に設定されている。
図3に示す時刻t8において、エアコン(A/C)39の動作はオフからオンに切替えられている。このエアコン39の動作がオン復帰するのは、エアコン(A/C)39の動作がオフにされた時刻t6から所定の待機時間が経過する時刻t8までの間に、時刻t7において液圧変動フラグの値がオフを表す“0”に設定されたことに基づく。
〔本発明の実施形態に係る車両用エアコン制御装置11の作用効果〕
次に、本発明の実施形態に係る車両用エアコン制御装置11の作用効果について説明する。
第1の観点(請求項1)に基づく車両用エアコン制御装置11は、車両に搭載されたエンジン13の吸気負圧を用いて制動補助力を与えるブースタ(負圧倍力装置)23に係る負圧の情報を取得する情報取得部(負圧情報取得部)41と、車両の運転者による制動操作の時間変動に係る情報を取得する情報取得部(制動操作情報取得部)41と、ブースタ(負圧倍力装置)23に係る負圧の情報が、予め定められる負圧閾値P2th未満か否かを判定すると共に、制動操作の時間変動に係る情報に基づいて、制動液圧に所定の変動が生じたか否かを判定する判定部43と、ブースタ(負圧倍力装置)23に係る負圧の情報が負圧閾値P2th未満になり、かつ、制動液圧に所定の変動が生じた旨の判定が判定部43により下された場合に、エンジン13の駆動力によって駆動される圧縮機40を有するエアコン39の動作を停止させる制御を行う制御部45と、を備え、制御部45は、エアコン39の動作を停止させる制御が行われている際に、判定部43により制動液圧に所定の変動が生じなくなった旨の判定が下された場合、エアコン39の動作を復帰させる制御を行う。
第1の観点に基づく車両用エアコン制御装置11によれば、制御部45は、エアコン39の動作を停止させる制御が行われている際に、制動液圧に所定の変動が生じなくなった旨の判定が判定部43により下された場合、エアコン39の動作を復帰させる制御を行うため、負圧値が所定の負圧閾値P2th未満であり、かつ、制動操作が行われている場合にエアコン39の作動を停止させる制御を行う場合と比べて、エアコン39の動作が停止された後、その動作を復帰させるまでの待ち時間を短縮することができる。
したがって、第1の観点に基づく車両用エアコン制御装置11によれば、車両の走行状況にかかわらず、車室内の雰囲気を快適に維持することができる。
第1の観点に基づく車両用エアコン制御装置11では、判定部43は、制動操作の時間変動に係る情報に基づいて、制動液圧に所定の変動が生じたか否かを判定するのに対し、第2の観点(請求項2)に基づく車両用エアコン制御装置11では、制動操作の時間変動に係る情報とは、車両の速度を減速させるための制動液圧の時間変動に係る情報であり、判定部43は、制動液圧の時間変動に係る情報に基づいて、制動液圧に所定の変動が生じたか否かを判定している。
第2の観点に基づく車両用エアコン制御装置11によれば、第1の観点に基づく車両用エアコン制御装置11と同様に、制御部45は、エアコン39の動作を停止させる制御が行われている際に、制動液圧に所定の変動が生じなくなった旨の判定が判定部43により下された場合、エアコン39の動作を復帰させる制御を行うため、負圧値が所定の負圧閾値P2th未満であり、かつ、制動操作が行われている場合にエアコン39の作動を停止させる制御を行う場合と比べて、エアコン39の動作が停止された後、その動作を復帰させるまでの待ち時間を短縮することができる。
したがって、第2の観点に基づく車両用エアコン制御装置11によれば、車両の走行状況にかかわらず、車室内の雰囲気を快適に維持することができる。
また、第3の観点(請求項3)に基づく車両用エアコン制御装置11では、制御部45は、ブースタ(負圧倍力装置)23に係る負圧の情報が負圧閾値P2th未満になり、かつ、制動液圧に所定の変動が生じた旨の判定が判定部43により下された際であって、車両に搭載された変速機のギア位置がインギアであり、かつ、該車両に設けられたアクセルの操作位置がオフである場合に、エアコン39の動作を停止させる制御を行う。
第3の観点に基づく車両用エアコン制御装置11では、制御部がエアコン39の動作を停止させる制御を行う際の停止条件(ブースタ(負圧倍力装置)23に係る負圧の情報が負圧閾値P2th未満になり、かつ、制動液圧に所定の変動が生じた旨の判定が判定部43により下された)として、変速機のギア位置がインギアであり、かつ、アクセルの操作位置がオフである場合を加重強化することとした。
第3の観点に基づく車両用エアコン制御装置11によれば、エアコン動作に係る停止条件を加重強化したため、エアコン動作が停止する頻度を抑制することができる。その結果、車両の走行状況にかかわらず、車室内の雰囲気を快適に維持する効果を一層高めることができる。
また、第4の観点(請求項4)に基づく車両用エアコン制御装置11では、制御部45は、エアコン39の動作を停止させる制御が行われている際に、変速機のギア位置がインギアではなくなった場合に、エアコン39の動作を復帰させる制御を行う。
第4の観点に基づく車両用エアコン制御装置11では、制御部45がエアコン39の動作を復帰させる制御を行う際の復帰条件として、変速機のギア位置がインギアではなくなった場合を加えることにより、復帰条件を緩和することとした。
第4の観点に基づく車両用エアコン制御装置11によれば、エアコン動作に係る復帰条件を緩和したため、エアコン動作が復帰する頻度を高めることができる。その結果、車両の走行状況にかかわらず、車室内の雰囲気を快適に維持する効果をより一層高めることができる。
また、第5の観点(請求項5)に基づく車両用エアコン制御装置11では、制御部45は、エアコン39の動作を停止させる制御が行われている際に、アクセルの操作位置がオフではなくなった場合に、エアコン39の動作を復帰させる制御を行う。
第5の観点に基づく車両用エアコン制御装置11では、制御部45がエアコン39の動作を復帰させる制御を行う際の復帰条件として、アクセルの操作位置がオフではなくなった場合を加えることにより、復帰条件を緩和することとした。
第5の観点に基づく車両用エアコン制御装置11によれば、エアコン動作に係る復帰条件を緩和したため、エアコン動作が復帰する頻度を高めることができる。その結果、車両の走行状況にかかわらず、車室内の雰囲気を快適に維持する効果をより一層高めることができる。
また、第6の観点(請求項6)に基づく車両用エアコン制御装置11では、判定部43は、前回の液圧値である液圧基準値に対する所定時間内での今回の制動液圧の増加又は減少のレベルが予め定められる変動判定閾値を超えるか否かに基づいて、制動液圧に所定の変動が生じたか否かを判定することとした。
なお、液圧基準値としては、液圧値が所定時間毎に時々刻々と変動することを踏まえて、今回のタイムサイクルでは前回の液圧値を液圧基準値とし、前回のタイムサイクルでは、前々回の液圧値を液圧基準値とするといったように、所定時間毎に更新される液圧値を液圧基準値として採用すればよい。
また、制動液圧に係る所定の変動としては、運転者の明確な意図をもって制動操作がなされた際の制動液圧に係る時間変動を考慮した適宜の値を設定すればよい。
第6の観点に基づく車両用エアコン制御装置11によれば、制動液圧に所定の変動が生じたか否かを判定する際に用いる指標を明確に定義することにより、本発明に係る車両用エアコン制御装置11を車両に実装する際の設計上の便宜を図ることができる。
また、液圧基準値に対する制動液圧の増加及び減少の推移を監視することで制動液圧に所定の変動が生じたか否かを判定するため、運転者の明確な意図を伴う制動付与操作又は制動解除操作のうちいずれかが生じた際に、制動液圧に所定の変動が生じた旨の判定を下して、エアコンの動作を停止させる制御を的確に遂行することができる。
〔その他の実施形態〕
以上説明した実施形態は、本発明の具現化例を示したものである。従って、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならない。本発明はその要旨またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形態で実施することができるからである。
11 車両用エアコン制御装置
13 内燃機関(エンジン)
23 ブースタ(負圧倍力装置)
39 エアコン
41 情報取得部(負圧情報取得部、制動操作情報取得部)
43 判定部
45 制御部

Claims (6)

  1. 車両に搭載されたエンジンの吸気負圧を用いて制動補助力を与える負圧倍力装置に係る負圧の情報を取得する負圧情報取得部と、
    前記車両の運転者による制動操作の時間変動に係る情報を取得する制動操作情報取得部と、
    前記負圧倍力装置に係る負圧の情報が、予め定められる負圧閾値未満か否かを判定すると共に、前記制動操作の時間変動に係る情報に基づいて、制動液圧に所定の変動が生じたか否かを判定する判定部と、
    前記負圧倍力装置に係る負圧の情報が前記負圧閾値未満になり、かつ、前記制動液圧に前記所定の変動が生じた旨の判定が前記判定部により下された場合に、前記エンジンの駆動力によって駆動される圧縮機を有するエアコンの動作を停止させる制御を行う制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記エアコンの動作を停止させる制御が行われている際に、前記判定部により前記制動液圧に前記所定の変動が生じなくなった旨の判定が下された場合、前記エアコンの動作を復帰させる制御を行う
    ことを特徴とする車両用エアコン制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両用エアコン制御装置であって、
    前記制動操作の時間変動に係る情報とは、前記車両の速度を減速させるための制動液圧の時間変動に係る情報である
    ことを特徴とする車両用エアコン制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の車両用エアコン制御装置であって、
    前記制御部は、前記負圧倍力装置に係る負圧の情報が前記負圧閾値未満になり、かつ、前記制動液圧に前記所定の変動が生じた旨の判定が前記判定部により下された際であって、前記車両に搭載された変速機のギア位置がインギアであり、かつ、該車両に設けられたアクセルの操作位置がオフである場合に、前記エアコンの動作を停止させる制御を行う
    ことを特徴とする車両用エアコン制御装置。
  4. 請求項3に記載の車両用エアコン制御装置であって、
    前記制御部は、前記エアコンの動作を停止させる制御が行われている際に、前記変速機のギア位置がインギアではなくなった場合に、前記エアコンの動作を復帰させる制御を行う
    ことを特徴とする車両用エアコン制御装置。
  5. 請求項3又は4に記載の車両用エアコン制御装置であって、
    前記制御部は、前記エアコンの動作を停止させる制御が行われている際に、前記アクセルの操作位置がオフではなくなった場合に、前記エアコンの動作を復帰させる制御を行う
    ことを特徴とする車両用エアコン制御装置。
  6. 請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の車両用エアコン制御装置であって、
    前記判定部は、前回の液圧値である液圧基準値に対する所定時間内での今回の制動液圧の増加又は減少のレベルが予め定められる変動判定閾値を超えるか否かに基づいて、前記制動液圧に前記所定の変動が生じたか否かを判定する
    ことを特徴とする車両用エアコン制御装置。
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