JP2009012314A - 流体噴射装置 - Google Patents

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貴幸 川上
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Abstract

【課題】噴射用ノズルをメインキャップで覆ったときの気密性を向上させることが可能な流体噴射装置を提供する。
【解決手段】インクジェット式プリンタは、ノズル形成面19aに形成された噴射用ノズル21から記録用紙に向けてインクを噴射可能な記録ヘッド19と、該記録ヘッド19に当接した場合に噴射用ノズル21を覆うメインキャップ44とを備える。そして、記録ヘッド19には、メインキャップ44が記録ヘッド19に当接する前にインクを滲出させることにより、該記録ヘッド19におけるメインキャップ44が当接する部分であるメインキャップ当接部を湿潤させるための湿潤用ノズル22が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えばインクジェット式プリンタなどの流体噴射装置に関する。
一般に、流体噴射ヘッドのノズルから流体を噴射する流体噴射装置として、インクジェット式プリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)が広く知られている。こうしたプリンタは、記録ヘッド(流体噴射ヘッド)のノズルからインク溶媒が蒸発することによってインク(流体)が増粘し、ノズルの目詰まりが生じることがある。また、ノズルから気泡が混入してドット抜けなどの印刷不良が発生することもある。
このため、従来、ノズルから増粘したインクや気泡を吸引排出すべく、ノズルを気密性よく覆うためのキャップを備えたプリンタが提案されている(例えば、特許文献1)。この特許文献1に記載のプリンタは、インクジェットヘッド(流体噴射ヘッド)のノズル部(ノズル形成面)に対向する面が開口した中空方形状のゴム部材よりなるヘッドキャップ(メインキャップ)を備えており、ヘッドキャップをノズル部に圧接することで、ノズル部がヘッドキャップにより気密性よく覆われるようになっている。
特開平7−108684号公報
ところで、特許文献1のプリンタは、ヘッドキャップによりノズル部を気密性よく覆うために、ヘッドキャップを弾性変形可能なゴム部材によって構成している。このため、低温環境下に晒された場合にゴム部材が硬化したり、長期間の使用によってゴム部材が摩耗したりすることなどにより、ヘッドキャップのノズル部に対する密着性が低下し、ヘッドキャップによってノズル部を覆ったときの気密性が低下してしまうという問題があった。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、噴射用ノズルをメインキャップで覆ったときの気密性を向上させることが可能な流体噴射装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の流体噴射装置は、ノズル形成面に形成された噴射用ノズルからターゲットに向けて流体を噴射可能な流体噴射ヘッドと、該流体噴射ヘッドに当接した場合に前記噴射用ノズルを覆うメインキャップとを備えた流体噴射装置であって、前記メインキャップが前記流体噴射ヘッドに当接する前に、該流体噴射ヘッドにおける前記メインキャップが当接する部分であるキャップ当接部を湿潤させるための湿潤手段を備えた。
この発明によれば、メインキャップが流体噴射ヘッドに当接する前にキャップ当接部が湿潤されるので、メインキャップのキャップ当接部に対する密着性が向上する。したがって、流体噴射ヘッドの噴射用ノズルをメインキャップで覆ったときの気密性を向上させることが可能となる。
本発明の流体噴射装置において、前記キャップ当接部は前記ノズル形成面上に位置しているとともに、該ノズル形成面における前記キャップ当接部よりも内側の位置には前記噴射用ノズルが位置している。
この発明によれば、メインキャップを流体噴射ヘッドのノズル形成面におけるキャップ当接部に当接させることで、噴射用ノズルを気密性よく確実に覆うことが可能となる。
本発明の流体噴射装置において、前記湿潤手段は、前記ノズル形成面における前記キャップ当接部よりも外側の位置に形成された湿潤用ノズルと、該湿潤用ノズルから前記流体を滲出して前記キャップ当接部を湿潤させる滲出手段とを備えている。
この発明によれば、メインキャップを流体噴射ヘッドのノズル形成面におけるキャップ当接部に当接させたとしても、メインキャップにより湿潤用ノズルが覆われることはない。したがって、メインキャップをキャップ当接部に当接させた状態でメインキャップ内を吸引して噴射用ノズルから増粘した流体や気泡などを排出するクリーニングを行う場合に、湿潤用ノズルから無駄に流体が排出されないようにすることが可能となる。
本発明の流体噴射装置において、前記メインキャップが前記ノズル形成面に当接した場合に、該ノズル形成面に当接して前記湿潤用ノズルを覆うサブキャップをさらに備えた。
この発明によれば、不使用時にサブキャップで湿潤用ノズルを覆うことで、湿潤用ノズルから流体が蒸発して該流体が増粘したり湿潤用ノズルに塵埃などが入ったりすることを抑制することが可能となる。
本発明の流体噴射装置において、前記メインキャップが前記流体噴射ヘッドの前記ノズル形成面に当接した状態で、前記メインキャップを前記ノズル形成面に対して平行に相対移動させる移動手段をさらに備えた。
この発明によれば、メインキャップのノズル形成面に対する密着性をより一層高めることが可能となる。
本発明の流体噴射装置において、前記流体噴射ヘッドの雰囲気温度を測定する温度測定手段と、該温度測定手段による測定結果に基づいて前記湿潤用ノズルから滲出させる前記流体の滲出量を算出し、該算出結果に基づいて前記滲出手段を駆動制御する制御手段とをさらに備えた。
通常、メインキャップにおけるノズル形成面との接触部分をゴムで構成した場合、流体噴射ヘッドの雰囲気温度の変化に応じてメインキャップにおけるノズル形成面との接触部分の硬さが変化するので、メインキャップのノズル形成面に対する密着性も変化する。この点、この発明によれば、流体噴射ヘッドの雰囲気温度に応じて湿潤用ノズルから滲出させる流体の滲出量が変化するので、流体噴射ヘッドの雰囲気温度が変化してもメインキャップのノズル形成面に対する密着性を維持することが可能となる。
本発明の流体噴射装置において、前記制御手段は、前記流体が噴射された前記ターゲットの数量を累計し、該累計結果に基づいて前記湿潤用ノズルから滲出させる前記流体の滲出量を算出し、該算出結果に基づいて前記滲出手段を駆動制御する。
通常、流体が噴射されたターゲットの数量が多いほど、メインキャップの使用頻度も多くなる。すなわち、流体が噴射されたターゲットの数量と、メインキャップの使用による該メインキャップにおけるノズル形成面との接触部分の摩耗度とは比例する。そして、メインキャップにおけるノズル形成面との接触部分が摩耗すると、メインキャップのノズル形成面に対する密着性が低下する。この点、この発明によれば、流体が噴射されたターゲットの数量に応じて湿潤用ノズルから滲出させる流体の滲出量が変化するので、流体が噴射されたターゲットの数量が変化してもメインキャップのノズル形成面に対する密着性を維持することが可能となる。
本発明の流体噴射装置において、前記流体噴射ヘッドには、前記噴射用ノズルのうち前記湿潤用ノズルに最も近い噴射用ノズルと前記湿潤用ノズルとの間でこれらに供給される前記流体を切り替える弁装置が設けられている。
この発明によれば、噴射用ノズルから噴射される流体を、湿潤用ノズルから滲出させる流体として使用することが可能となる。したがって、湿潤用ノズルから滲出させるための流体を別途用意する必要がなくなる。
以下、本発明に係る流体噴射装置をインクジェット式プリンタに具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において、「前後方向」、「上下方向」及び「左右方向」をいう場合は、特に説明がない限り、図1を基準とした場合の「前後方向」、「上下方向」及び「左右方向」と一致するものとする。
図1に示すように、流体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ11は、略矩形箱状をなすフレーム12を備えている。フレーム12内の下部には、その長手方向である左右方向に沿ってプラテン13が延設されている。プラテン13上には、フレーム12の背面下部に設けられた紙送りモータ14の駆動に基づき、図示しない紙送り機構によりターゲットとしての記録用紙Pが後方側から給送されるようになっている。
また、フレーム12内におけるプラテン13の上方には、該プラテン13の長手方向に沿ってガイド軸15が架設されている。ガイド軸15には、キャリッジ16が、該ガイド軸15の軸線方向(左右方向)に沿って往復移動可能に支持されている。すなわち、キャリッジ16は左右方向に貫通形成された支持孔16aにガイド軸15が挿通されることにより、このガイド軸15の長手方向に沿って往復移動自在に支持されている。
また、フレーム12の後壁内面におけるガイド軸15の両端部と対応する位置には、駆動プーリ17a及び従動プーリ17bが回転自在に支持されている。駆動プーリ17aにはキャリッジ16を往復移動させる際の駆動源となるキャリッジモータ18の出力軸が連結されており、これら一対のプーリ17a,17b間にはキャリッジ16に連結された無端状のタイミングベルト17が掛装されている。従って、キャリッジ16は、ガイド軸15にガイドされながら、キャリッジモータ18の駆動力により無端状のタイミングベルト17を介して左右方向に移動可能となっている。
キャリッジ16の下面側には流体噴射ヘッドとしての記録ヘッド19が設けられており、キャリッジ16上には、記録ヘッド19に対して流体としての複数色(本実施形態では4色)のインクを供給するための複数(本実施形態では4つ)のインクカートリッジ20A〜20Dがそれぞれ着脱可能に搭載されている。
図2及び図3に示すように、記録ヘッド19の下面は、複数の噴射用ノズル21が形成された平坦なノズル形成面19aになっている。すなわち、このノズル形成面19aの中央部には、複数の噴射用ノズル21が前後方向に配列されてなるノズル列21A〜21Dが、互いに平行となるように左右方向に等間隔で複数(本実施形態では4列)配設されている。
ノズル形成面19aにおいて、各ノズル列21A〜21Dの前端部側及び後端部側を左右方向に挟んだ両側には、それぞれ湿潤用ノズル22が形成されている。すなわち、ノズル形成面19aにおいて、前端部側に形成された2つの湿潤用ノズル22と後端部側に形成された2つの湿潤用ノズル22とは対をなしており、これら4つの湿潤用ノズル22を結んだ線は長方形を描くようになっている。
記録ヘッド19内には、各噴射用ノズル21にそれぞれ対応するように噴射用圧電素子23が設けられているとともに、各湿潤用ノズル22にそれぞれ対応するように滲出手段としての湿潤用圧電素子24が設けられている。そして、本実施形態では、各湿潤用ノズル22と各湿潤用圧電素子24とにより、湿潤手段が構成されている。
また、記録ヘッド19内には、各インクカートリッジ20A〜20D内のインクを、それぞれノズル列21A〜21D単位で各噴射用ノズル21に供給するためのインク供給路25a〜25dが形成されている。
ノズル列21Aと対応するインク供給路25aは途中で分岐してノズル列21Aよりも左側の近傍位置に位置する2つの湿潤用ノズル22と連通しており、該インク供給路25aの分岐点には弁装置としての左側弁装置26aが設けられている。この左側弁装置26aは、インクカートリッジ20Aから供給されるインクを、ノズル列21A側へ流通させる状態とノズル列21Aよりも左側に位置する2つの湿潤用ノズル22側へ流通させる状態との間で切り替えることが可能となっている。
一方、ノズル列21Dと対応するインク供給路25dは途中で分岐してノズル列21Dよりも右側の近傍位置に位置する2つの湿潤用ノズル22と連通しており、該インク供給路25dの分岐点には弁装置としての右側弁装置26bが設けられている。この右側弁装置26bは、インクカートリッジ20Dから供給されるインクを、ノズル列21D側へ流通させる状態とノズル列21Dよりも右側に位置する2つの湿潤用ノズル22側へ流通させる状態との間で切り替えることが可能となっている。
そして、左側弁装置26a及び右側弁装置26bを各噴射用ノズル21側へインクが流通されるようにそれぞれ切り替えた状態で各噴射用圧電素子23を駆動することにより、各インクカートリッジ20A〜20D内のインクが各インク供給路25a〜25dを介してそれぞれ記録ヘッド19へ供給される。そして、この記録ヘッド19へ供給された各インクが各噴射用ノズル21からプラテン13上に給送された記録用紙Pに噴射されて印刷が行われるようになっている。
なお、図1に示すように、フレーム12内の右端部に位置する記録用紙Pと対応しないホームポジション領域(非印刷領域)には、記録ヘッド19のクリーニング等のメンテナンスを行うためのメンテナンス装置30が設けられている。
次に、メンテナンス装置30について詳述する。
図2に示すように、メンテナンス装置30は、キャップユニット31と、該キャップユニット31を昇降させるための昇降装置32(図8)とを備えている。図4、図5及び図6に示すように、キャップユニット31は、上端及び左端が開口した有底四角箱状をなすスライダ33と、該スライダ33内にばね34を介して支持された有底四角箱状をなすキャップ部材35とを備えている。キャップ部材35はスライダ33よりも一回り小さくなるように設定されており、スライダ33の内底面とキャップ部材35の底面との間には、ばね34が介在している。したがって、キャップ部材35は、ばね34によって常に上方に向かって付勢されている。
キャップ部材35の前面下端部及び後面下端部には、左右一対の円柱状のガイド棒36がそれぞれ外側に向かって突設されている。スライダ33の前壁及び後壁における各ガイド棒36と対向する位置には上下方向に延びるガイド溝37がそれぞれ貫通形成されており、各ガイド棒36の先端部はそれぞれ各ガイド溝37内に摺動可能に挿通されている。そして、キャップ部材35の前面下端部に設けられた一対のガイド棒36の先端面はスライダ33の前面と面一になっているとともに、キャップ部材35の後面下端部に設けられた一対のガイド棒36の先端面はスライダ33の後面と面一になっている。
また、各ガイド溝37は、下端側が開口しているとともに、上端側が袋小路状になっている。このため、ばね34によってキャップ部材35が常に上方に向かって付勢されていることから、各ガイド棒36は常に各ガイド溝37内の上端面に当接している。各ガイド棒36が各ガイド溝37内の上端面に当接した状態では、キャップ部材35の上端部はスライダ33の上面よりも上側に突出した状態になっている。
図6に示すように、各ガイド溝37の途中位置には、左側に屈曲された横V字状をなす屈曲部37aがそれぞれ形成されている。屈曲部37aにおいて、上側半分は左下方向に向かって斜めに傾斜しており、下側半分は右下方向に向かって斜めに傾斜している。そして、ガイド棒36は、ガイド溝37内を上下方向に摺動して屈曲部37aを通る際には、該屈曲部37aに沿って若干左方向へ位置がずれるようになっている。
図2に示すように、キャップ部材35は、外周壁38と、該外周壁38の上端面全体を覆うように設けられた四角枠状をなすゴム製のサブシール材39と、底壁40とで構成されるサブキャップ41を備えている。さらに、キャップ部材35は、外周壁38の内側に設けられた内周壁42と、該内周壁42の上端面全体を覆うように設けられた四角枠状をなすゴム製のメインシール材43と、底壁40とで構成されるメインキャップ44を備えている。なお、サブシール材39の上端面とメインシール材43の上端面とは面一になっている。そして、本実施形態では、昇降装置32、ばね34、各ガイド棒36、及び各ガイド溝37により移動手段が構成されている。
また、メンテナンス装置30は、キャリッジ16をホームポジション領域に移動させた状態で、スライダ33を昇降装置32により上昇させることで、該キャップ部材35が記録ヘッド19のノズル形成面19aに当接するようになっている。この当接状態では、メインキャップ44により各噴射用ノズル21が覆われる(囲われる)とともに、サブキャップ41により各湿潤用ノズル22が覆われる(囲われる)ようになっている。
図3に示すように、キャップ部材35が記録ヘッド19のノズル形成面19aに当接した状態において、ノズル形成面19a上におけるメインキャップ44のメインシール材43が当接する部分はキャップ当接部としてのメインキャップ当接部45(図3において1点鎖線で示す部分)とされている。一方、キャップ部材35が記録ヘッド19のノズル形成面19aに当接した状態において、ノズル形成面19a上におけるサブキャップ41のサブシール材39が当接する部分はサブキャップ当接部46(図3において2点鎖線で示す部分)とされている。
したがって、ノズル形成面19aにおいて、各噴射用ノズル21はメインキャップ当接部45よりも内側の位置に位置しており、各湿潤用ノズル22はメインキャップ当接部45よりも外側の位置で且つサブキャップ当接部46よりもよりも内側の位置に位置している。なお、各湿潤用ノズル22は、ノズル形成面19aにおけるメインキャップ当接部45の四隅の各コーナ部にそれぞれ隣接するように開口している。
図2に示すように、キャップ部材35の底壁40におけるメインキャップ44と対応する位置には、突部47が下方に向かって突設されており、該突部47内にはメインキャップ44内からインクを排出するための排出路47aが上下方向に貫通形成されている。突部47には可撓性材料よりなる排出チューブ48の基端側(上流側)が接続されており、該排出チューブ48の先端側(下流側)は直方体状をなす廃インクタンク49内に挿入されている。
キャップ部材35と廃インクタンク49との間における排出チューブ48の途中位置には、キャップ部材35側から廃インクタンク49側へ向かってメインキャップ44内を吸引可能な吸引ポンプ50が配設されている。そして、記録ヘッド19のノズル形成面19aにキャップ部材35が当接した状態で吸引ポンプ50を駆動することで、各噴射用ノズル21から増粘したインクが気泡等とともに吸引され、メインキャップ44内、排出路47a及び排出チューブ48内を介して廃インクタンク49内に排出される、いわゆるクリーニングが行われるようになっている。
なお、廃インクタンク49内には、該廃インクタンク49内に排出されたインクを吸収保持する廃インク吸収材51が収容されており、キャリッジ16における記録ヘッド19の近傍位置には、該記録ヘッド19の雰囲気温度Tを測定するための温度測定手段としての温度センサ52が設けられている。この温度センサ52は、図8に示すように、後述する制御手段としての制御部53と電気的に接続されている。
ここで、キャップ部材35がノズル形成面19aに当接する際のガイド棒36の動作について説明する。
図7(a)に示すように、キャップ部材35がノズル形成面19aから離間している状態では、ガイド棒36は、ばね34の付勢力によりガイド溝37内の上端面に当接している。そして、昇降装置32を駆動してスライダ33を上昇させると、キャップ部材35がノズル形成面19aに当接した状態となる。この状態で、さらにスライダ33を上昇させると、図7(b)に示すように、キャップ部材35がばね34の付勢力に抗して押し下げられ、これに伴ってガイド棒36がガイド溝37に沿って下方に摺動する。
そして、ガイド棒36がガイド溝37の屈曲部37aに差し掛かる直前の位置である第1待機位置(図7(b)に示す位置)に到達したときに、昇降装置32を一時停止してスライダ33の上昇を止める。その後、再び昇降装置32を駆動してスライダ33を上昇させると、キャップ部材35がばね34の付勢力に抗して押し下げられ、これに伴ってガイド棒36がガイド溝37に沿って下方にさらに摺動する。
そして、ガイド棒36がガイド溝37の屈曲部37aに完全に収まる位置である第2待機位置(図7(c)の実線で示す位置)に到達したときに、昇降装置32を一時停止してスライダ33の上昇を止める。このとき、図7(c)に示すように、ガイド棒36がガイド溝37に沿って第1待機位置から第2待機位置に移動することで、ガイド棒36は下方向へ距離Aだけ移動するとともに左方向へ距離Bだけする。
このガイド棒36の左方向への距離B分の移動により、キャップ部材35も左方向へ距離Bだけ移動する。すなわち、キャップ部材35は、そのメインシール材43及びサブシール材39がノズル形成面19aに摺接した状態で、該ノズル形成面19aに対して平行に左方向へ距離Bだけ移動する。その後、再び昇降装置32を駆動してスライダ33を下降させると、キャップ部材35がばね34の付勢力によって押し上げられ、これに伴ってガイド棒36がガイド溝37に沿って上方に摺動する。
そして、ガイド棒36が再び第1待機位置(図7(d)の実線で示す位置)に到達したときに、昇降装置32を一時停止してスライダ33の下降を止める。このとき、図7(d)に示すように、ガイド棒36がガイド溝37に沿って第2待機位置から第1待機位置に移動することで、ガイド棒36は上方向へ距離Aだけ移動するとともに右方向へ距離Bだけする。
このガイド棒36の右方向への距離B分の移動により、キャップ部材35も右方向へ距離Bだけ移動する。すなわち、キャップ部材35は、そのメインシール材43及びサブシール材39がノズル形成面19aに摺接した状態で、該ノズル形成面19aに対して平行に右方向へ距離Bだけ移動する。
このように、ガイド棒36が第1待機位置と第2待機位置との間で往復移動するようにスライダ33を上下方向に昇降させることで、キャップ部材35は、そのメインシール材43及びサブシール材39がノズル形成面19aに摺接した状態で、該ノズル形成面19aに対して平行に左右方向に往復移動する。
また、図8に示すように、フレーム12内には、インクジェット式プリンタ11の稼働状態を制御する制御部53が備えられている。そして、制御部53は、噴射用圧電素子23、湿潤用圧電素子24、左側弁装置26a、右側弁装置26b、昇降装置32、吸引ポンプ50とそれぞれ電気的に接続されており、これらをそれぞれ駆動制御するようになっている。
ここで、キャップ部材35をノズル形成面19aに当接したときには、クリーニング効率の観点から、メインキャップ44の気密性(メインシール材43のノズル形成面19aに対する密着性)は、できるだけ高い方が好ましい。しかしながら、メインキャップ44のメインシール材43は、ゴム製であるため、低温環境下で硬化したり、繰り返しノズル形成面19aに当接させることで摩耗したりする。また、メインシール材43は、記録ヘッド19の雰囲気温度Tが低温であるほど、ノズル形成面19aへの当接回数が多いほど、ノズル形成面19aに対する密着性が低下する。このため、本実施形態では、次のような処置が施されるようになっている。
すなわち、キャップ部材35をノズル形成面19aに当接させる前に各湿潤用ノズル22からインクを滲出させてメインキャップ当接部45を湿潤させ、メインシール材43がノズル形成面19aに当接した際にはメインシール材43とノズル形成面19aとの間にインクが介在するようにしている。
この結果、メインシール材43とノズル形成面19aとの間の隙間がインクによって埋められるので、メインシール材43のノズル形成面19aに対する密着性の低下が抑制される。但し、単に各湿潤用ノズル22からインクを滲出させただけでは、インクがメインキャップ当接部45においてあまり大きく広がらないので、メインシール材43のノズル形成面19aに対する密着性低下の抑制効果が広い範囲にわたって得られ難い。
そこで、メインシール材43のノズル形成面19aに対する密着性低下の抑制効果を広い範囲にわたって得るべく、各湿潤用ノズル22からインクを滲出させた後に、メインキャップ44のメインシール材43をノズル形成面19aのメインキャップ当接部45に摺接した状態で、キャップ部材35を左右方向に往復移動させるようにしている。このようにキャップ部材35を左右方向に往復移動させることで、各湿潤用ノズル22から滲出させたインクはメインキャップ当接部45における広い範囲にわたって行き渡るようになる。
また、メインシール材43のノズル形成面19aに対する密着性をメインキャップ当接部45における広い範囲で好適に高めるべく、予め実験やシミュレーション等を行うことにより、より好適な処置態様を設定している。すなわち、記録ヘッド19の雰囲気温度T及びインクジェット式プリンタ11による記録用紙Pの累計印刷枚数Nと、各湿潤用ノズル22からのインクの滲出量及びキャップ部材35の往復移動回数との関係を図9のテーブルに示すように設定し、この設定内容に従った処置を行うようにしている。
この場合、メインシール材43のノズル形成面19aへの当接回数は、記録用紙Pの累計印刷枚数Nと比例関係にあるため、このテーブルでは、メインシール材43のノズル形成面19aへの当接回数というパラメータを記録用紙Pの累計印刷枚数Nというパラメータに置き換えている。なぜなら、累計印刷枚数Nが多いほど、メインシール材43のノズル形成面19aへの当接回数も多くなり、それだけメインシール材43の摩耗量も多くなるからである。
図9のテーブルにおいて、例えば、記録ヘッド19の雰囲気温度Tが20℃で累計印刷枚数Nが20万枚である場合には、各湿潤用ノズル22からインクの滲出量は10nl(ナノリットル)となり、キャップ部材35の往復移動回数は2回となる。また、例えば、記録ヘッド19の雰囲気温度Tが10℃で累計印刷枚数Nが2万枚である場合には、各湿潤用ノズル22からインクの滲出量は10nl(ナノリットル)となり、キャップ部材35の往復移動回数は4回となる。
なお、この図9に示すテーブルは予め制御部53に記憶されており、制御部53は図示しない記録用紙Pの検出センサから入力される信号や印刷コマンドからの情報などに基づいて記録用紙Pの累計印刷枚数Nを算出するようになっている。
次に、本実施形態の制御部53が実行する制御処理ルーチンのうち、記録ヘッド19のクリーニング前にキャップ部材35のメインシール材43をノズル形成面19aに対して気密性よく密着させるための、メインシール材密着処理ルーチンについて、図10のフローチャートに基づき説明する。
さて、制御部53は、温度センサ52から入力される信号に基づいて記録ヘッド19の雰囲気温度Tを測定し、該測定した雰囲気温度Tを所定の記憶領域に記憶する(ステップS1)。続いて制御部53は、記録用紙Pの累計印刷枚数Nを算出し、該算出した累計印刷枚数Nを所定の記憶領域に記憶する(ステップS2)。続いて制御部53は、ステップS1において所定の記憶領域に記憶した雰囲気温度Tと、ステップS2において所定の記憶領域に記憶した累計印刷枚数Nと、図9のテーブルとに基づいて各湿潤用ノズル22から滲出させるインクの滲出量を算出する(ステップS3)。
続いて制御部53は、ステップS1において所定の記憶領域に記憶した雰囲気温度Tと、ステップS2において所定の記憶領域に記憶した累計印刷枚数Nと、図9のテーブルとに基づいてキャップ部材35の往復移動回数を算出する(ステップS4)。続いて制御部53は、各湿潤用ノズル22側にインクが流れるように左側弁装置26a及び右側弁装置26bをそれぞれ切り替える(ステップS5)。
続いて制御部53は、各湿潤用圧電素子24を駆動して、ステップS3で算出した滲出量のインクを各湿潤用ノズル22から滲出させる(ステップS6)。続いて制御部53は、昇降装置32を駆動して、キャップ部材35を記録ヘッド19のノズル形成面19aに当接させる(ステップS7)。続いて制御部53は、昇降装置32を駆動して、ステップS3で算出した往復移動回数だけキャップ部材35を往復移動させ(ステップS8)、その後、メインシール材密着処理ルーチンを終了する。
このように、記録ヘッド19のクリーニング前にメインシール材密着処理ルーチンを実行することで、メインシール材43のノズル形成面19aに対する密着性をメインキャップ当接部45におけるコーナ部を中心として広い範囲で好適に高められ、メインキャップ44の気密性が高められた状態となる。
そして、こうしてメインキャップ44の気密性が高められた状態で、制御部53が、各噴射用ノズル21側にインクが流れるように左側弁装置26a及び右側弁装置26bをそれぞれ切り替えるとともに、吸引ポンプ50を駆動することで、各噴射用ノズル21から増粘したインクとともに気泡が効率よく排出され、好適にクリーニングが行われる。
また、インクジェット式プリンタ11の使用後にメインシール材密着処理ルーチンを実行してから電源をオフにすることで、メインキャップ44の気密性が高められた状態でメインキャップ44により各噴射用ノズル21が覆われるとともに、サブキャップ41により各湿潤用ノズル22が覆われる。このため、インクジェット式プリンタ11の不使用時に、各噴射用ノズル21からのインク溶媒の蒸発が好適に抑制されるとともに、各湿潤用ノズル22からのインク溶媒の蒸発が抑制される。
以上、詳述した実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)メインキャップ44が記録ヘッド19のノズル形成面19aにおけるメインキャップ当接部45に当接する前に該メインキャップ当接部45が各湿潤用ノズル22から滲出されるインクによって湿潤されるので、メインキャップ44(メインシール材43)のメインキャップ当接部45に対する密着性を向上させることができる。したがって、記録ヘッド19の各噴射用ノズル21をメインキャップ44で覆ったときの気密性を向上させることができる。
(2)各湿潤用ノズル22はノズル形成面19aにおけるメインキャップ当接部45の外側に位置しているため、メインキャップ44を記録ヘッド19のノズル形成面19aにおけるメインキャップ当接部45に当接させたとしても、メインキャップ44により各湿潤用ノズル22が覆われることはない。このため、メインキャップ44をメインキャップ当接部45に当接させた状態でメインキャップ44内を吸引ポンプ50により吸引して各噴射用ノズル21から増粘したインクや気泡などを排出するクリーニングを行う場合に、各湿潤用ノズル22から無駄にインクが吸引されて排出されないようにすることができる。
(3)インクジェット式プリンタ11の不使用時にサブキャップ41により各湿潤用ノズル22が覆われるので、該各湿潤用ノズル22からインク溶媒が蒸発して該インクが増粘したり各湿潤用ノズル22内に塵埃などが入ったりすることを抑制することができる。
(4)各湿潤用ノズル22からインクが滲出された後にメインキャップ当接部45にメインキャップ44を当接した状態でキャップ部材35が左右方向に往復移動されるので、各湿潤用ノズル22から滲出されたインクをメインキャップ当接部45における広い範囲にわたって行き渡らせることができる。このため、メインキャップ44(メインシール材43)のノズル形成面19aに対する密着性をより一層高めることができる。
(5)メインキャップ44のメインシール材43はゴム製であるため、記録ヘッド19の雰囲気温度Tが変化すると、メインシール材43の硬さが変化し、メインキャップ44のノズル形成面19aに対する密着性も変化する。この点、本実施形態によれば、記録ヘッド19の雰囲気温度Tに応じて各湿潤用ノズル22から滲出させるインクの滲出量を設定しているので、雰囲気温度Tが変化してもメインキャップ44のノズル形成面19aに対する密着性を高いレベルで維持することができる。
(6)通常、記録用紙Pの累計印刷枚数Nが多いほど、メインキャップ44のメインシール材43のノズル形成面19aへの当接回数も多くなり、それだけメインシール材43の摩耗量も多くなる。すなわち、記録用紙Pの累計印刷枚数Nと、メインシール材43の摩耗量とは比例する。そして、メインキャップ44のメインシール材43が摩耗すると、メインキャップ44のノズル形成面19aに対する密着性が低下する。この点、本実施形態によれば、記録用紙Pの累計印刷枚数Nに応じて各湿潤用ノズル22から滲出させるインクの滲出量を設定しているので、記録用紙Pの累計印刷枚数Nが変化してもメインキャップ44のノズル形成面19aに対する密着性を高いレベルで維持することができる。
(7)記録ヘッド19には、各噴射用ノズル21のうち各湿潤用ノズル22に最も近い噴射用ノズル21と各湿潤用ノズル22との間でこれらに供給されるインクを切り替える左側弁装置26a及び右側弁装置26bが設けられている。このため、噴射用ノズル21から噴射されるインクを、湿潤用ノズル22から滲出させるインクとして使用することができるので、湿潤用ノズル22から滲出させるためのインクなどの流体を別途用意する必要がなくなる。
(変更例)
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・左側弁装置26a及び右側弁装置26bは、省略してもよい。
・各湿潤用ノズル22から滲出させるインクの滲出量は、必ずしも記録用紙Pの累計印刷枚数Nに基づいて算出する必要はない。
・各湿潤用ノズル22から滲出させるインクの滲出量は、必ずしも記録ヘッド19の雰囲気温度Tに基づいて算出する必要はない。
・各湿潤用ノズル22からインクが滲出された後に、メインキャップ当接部45にメインキャップ44を当接した状態でキャップ部材35を必ずしも往復移動させる必要はない。
・サブキャップ41は、省略してもよい。
・各湿潤用ノズル22及び湿潤用圧電素子24の代わりに、フレーム12内に記録ヘッド19のノズル形成面19aにおけるメインキャップ当接部45に向けてインクなどの流体を噴射することでメインキャップ当接部45を湿潤させる装置を湿潤手段として設けるようにしてもよい。
・キャップ部材35は、記録ヘッド19に当接した際に、メインキャップ44が該記録ヘッド19のノズル形成面19a(下面)及び側面の双方を囲うように構成してもよい。そして、この構成において、記録ヘッド19におけるノズル形成面19a以外の部分がメインキャップ当接部45となる場合には、各湿潤用ノズル22及び湿潤用圧電素子24を、メインキャップ当接部45と対応する位置かあるいはその近傍位置に移動させる必要がある。
・記録ヘッド19のノズル形成面19aにおけるメインキャップ当接部45に各湿潤用ノズル22を配設するようにしてもよい。このようにすれば、左側弁装置26a及び右側弁装置26bを省略しても、記録ヘッド19のクリーニングを行う際にノズル形成面19aにキャップ部材35を当接させると、メインシール材43によって各湿潤用ノズル22が塞がれる。このため、メインキャップ44内を吸引しても各湿潤用ノズル22から無駄なインクが吸引されて排出されないようにすることができる。加えて、メインシール材43によって各湿潤用ノズル22が塞がれるため、サブキャップ41を省略することができる。
・記録ヘッド19のノズル形成面19aにおけるメインキャップ当接部45の内側に各湿潤用ノズル22を配設するようにしてもよい。このようにすれば、記録ヘッド19のクリーニングを行う際にノズル形成面19aにキャップ部材35を当接させると、メインキャップ44によって各湿潤用ノズル22が覆われる。このとき、左側弁装置26a及び右側弁装置26bを各噴射用ノズル21側にインクが供給されるようにそれぞれ切り替えておけば、メインキャップ44内を吸引しても各湿潤用ノズル22から無駄なインクが吸引されて排出されないようにすることができる。加えて、メインキャップ44によって各湿潤用ノズル22が覆われるため、サブキャップ41を省略することができる。
・各湿潤用ノズル22は、ノズル形成面19aにおけるメインキャップ当接部45のコーナ部間の各辺の中央部分にそれぞれ隣接するように設けるようにしてもよい。あるいは、各湿潤用ノズル22は、ノズル形成面19aにおけるメインキャップ当接部45の全周にわたって隣接するように、等間隔に配設するようにしてもよい。
・上記実施形態において、流体噴射装置は、インクカートリッジ20A〜20Dをインクジェット式プリンタ11におけるキャリッジ16上以外の場所に設置し、該インクカートリッジ20A〜20Dのインクをインク供給チューブによって記録ヘッド19に供給するようにした、いわゆるオフキャリッジタイプのプリンタであってもよい。
・上記実施形態において、流体噴射装置を、記録ヘッド19が、記録用紙Pの給送方向(前後方向)と交差する方向において該記録用紙Pの全体に亘るように各噴射用ノズル21が配列形成されたラインヘッドとされた、いわゆるフルラインタイプ(ラインヘッド方式)のプリンタに具体化してもよい。この場合、記録ヘッド19のノズル形成面19aにおけるメインキャップ当接部45は、記録用紙Pの給送方向(前後方向)と交差する方向に長い長方形状となる。このため、メインキャップ当接部45における長辺側(特に中央部)でメインキャップ44(メインシール材43)のノズル形成面19aに対する密着性が低下しやすい。したがって、ノズル形成面19aにおけるメインキャップ当接部45の長辺と隣接するように、各湿潤用ノズル22を等間隔で複数配設することが好ましい。
・上記実施形態では、流体噴射装置をインクジェット式プリンタ11に具体化したが、この限りではなく、インク以外の他の流体(液体や、機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体、ゲルのような流状体を含む)を噴射したり吐出したりする流体噴射装置に具体化することもできる。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材(画素材料)などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射する液状体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置、ゲル(例えば物理ゲル)などの流状体を噴射する流状体噴射装置であってもよい。そして、これらのうちいずれか一種の流体噴射装置に本発明を適用することができる。なお、本明細書において「流体」とは、気体のみからなる流体を含まない概念であり、流体には、例えば液体(無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)等を含む)、液状体、流状体などが含まれる。
実施形態のインクジェット式プリンタを示す斜視図。 実施形態のメンテナンス装置を示す断面概略図。 実施形態のノズル形成面を示す平面図。 実施形態のキャップユニットを示す平面図。 実施形態のキャップユニットを示す左側面図。 実施形態のキャップユニットを示す正面図。 実施形態において、(a)〜(d)は、ガイド棒とキャップ部材との位置関係を示す説明図。 実施形態のインクジェット式プリンタの電気的構成を示すブロック図。 実施形態において、記録ヘッドの雰囲気温度及びインクジェット式プリンタによる記録用紙の累計印刷枚数と、各湿潤用ノズルからのインクの滲出量及びキャップ部材の往復移動回数との関係を示すテーブル。 実施形態において、メインシール材密着処理ルーチンを示すフローチャート。
符号の説明
11…流体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ、16…流体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、19a…ノズル形成面、21…噴射用ノズル、22…湿潤手段を構成する湿潤用ノズル、24…湿潤手段を構成する滲出手段としての湿潤用圧電素子、26a…弁装置としての左側弁装置、26b…弁装置としての右側弁装置、32…移動手段としての昇降装置、34…移動手段としてのばね、36…移動手段としてのガイド棒、37…移動手段としてのガイド溝、41…サブキャップ、44…メインキャップ、45…キャップ当接部としてのメインキャップ当接部、52…温度測定手段としての温度センサ、53…制御手段としての制御部、P…ターゲットとしての記録用紙、T…雰囲気温度。

Claims (8)

  1. ノズル形成面に形成された噴射用ノズルからターゲットに向けて流体を噴射可能な流体噴射ヘッドと、該流体噴射ヘッドに当接した場合に前記噴射用ノズルを覆うメインキャップとを備えた流体噴射装置であって、
    前記メインキャップが前記流体噴射ヘッドに当接する前に、該流体噴射ヘッドにおける前記メインキャップが当接する部分であるキャップ当接部を湿潤させるための湿潤手段を備えたことを特徴とする流体噴射装置。
  2. 前記キャップ当接部は前記ノズル形成面上に位置しているとともに、該ノズル形成面における前記キャップ当接部よりも内側の位置には前記噴射用ノズルが位置していることを特徴とする請求項1に記載の流体噴射装置。
  3. 前記湿潤手段は、前記ノズル形成面における前記キャップ当接部よりも外側の位置に形成された湿潤用ノズルと、該湿潤用ノズルから前記流体を滲出して前記キャップ当接部を湿潤させる滲出手段とを備えていることを特徴とする請求項2に記載の流体噴射装置。
  4. 前記メインキャップが前記ノズル形成面に当接した場合に、該ノズル形成面に当接して前記湿潤用ノズルを覆うサブキャップをさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載の流体噴射装置。
  5. 前記メインキャップが前記流体噴射ヘッドの前記ノズル形成面に当接した状態で、前記メインキャップを前記ノズル形成面に対して平行に相対移動させる移動手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載の流体噴射装置。
  6. 前記流体噴射ヘッドの雰囲気温度を測定する温度測定手段と、該温度測定手段による測定結果に基づいて前記湿潤用ノズルから滲出させる前記流体の滲出量を算出し、該算出結果に基づいて前記滲出手段を駆動制御する制御手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項3〜請求項5のうちいずれか一項に記載の流体噴射装置。
  7. 前記制御手段は、前記流体が噴射された前記ターゲットの数量を累計し、該累計結果に基づいて前記湿潤用ノズルから滲出させる前記流体の滲出量を算出し、該算出結果に基づいて前記滲出手段を駆動制御することを特徴とする請求項6に記載の流体噴射装置。
  8. 前記流体噴射ヘッドには、前記噴射用ノズルのうち前記湿潤用ノズルに最も近い噴射用ノズルと前記湿潤用ノズルとの間でこれらに供給される前記流体を切り替える弁装置が設けられていることを特徴とする請求項3〜請求項7のうちいずれか一項に記載の流体噴射装置。
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