JP2009012288A - 透明複合樹脂シート、その製造方法、及び、表示素子用基板 - Google Patents

透明複合樹脂シート、その製造方法、及び、表示素子用基板 Download PDF

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Abstract

【課題】透明性に優れ、表面のうねりが小さく、優れた表示品位を有する、ガラスに代替可能な透明複合樹脂シート及び電子デバイスを提供する。
【解決手段】ガラス繊維織布及び透明樹脂から形成されるコア層、並びに、表面平滑化層を有する透明複合樹脂シートであって、上記表面平滑化層は、透明樹脂及び無機フィラーを含む樹脂組成物から形成される樹脂層であり、上記透明樹脂は、脂環式エポキシ樹脂であり、上記無機フィラーは、二次粒子径が20〜100nmであり、上記樹脂組成物固形分100質量%に対して30〜75質量%含まれる透明複合樹脂シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、透明複合樹脂シート、その製造方法、及び、表示素子用基板に関する。
一般に、液晶表示素子や有機EL表示素子用基板(特にアクティブマトリックスタイプ)、カラーフィルター基板、太陽電池基板等としてはガラス板が広く用いられていた。しかしながらガラス板は割れ易い、曲げられない、比重が大きく軽量化に不向きなどの理由から近年その代替としてプラスチック素子が検討されている(特許文献1〜3)。
しかしながら、従来のガラス代替プラスチック材料はガラスと比較して、線膨張係数が大きく、特にアクティブマトリックス表示素子基板に用いるとその製造工程において反りやアルミ配線の断線などの問題が生じ、これらの用途への展開は困難であった。
このような問題を解決する方法として、ガラスクロスを含む透明基板が知られている。特許文献4にはエステル基を有する脂環式エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、酸無水物系硬化剤、及び触媒とガラスクロスからなる透明複合光学シートが開示されている。特許文献5にはエステル基を有する脂環式エポキシ樹脂とジシクロペンタンジエン骨格を有するエポキシ樹脂、酸無水物系硬化剤とガラスクロスからなる透明複合光学シートが開示されている。特許文献6にはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、酸無水物系硬化剤及びガラスクロスからなる透明基板が開示されている。
これらのガラスクロス複合体においては、従来のプラスチック材料よりは大幅な線膨張率の低下が見られるが、表面上にうねりを有しているため、表示素子用基板として用いた場合、像が表面上のうねりにより歪められ、表示品位が低下してしまうといった問題がある。また、コアとなる層の上に表面を平滑化するための樹脂層を形成しても、かえってうねりを増大させることとなっていた。このようにガラスクロス複合体の平面を平滑化することは、従来技術では困難であった。
特開平6−337408号公報 特開2001−59015号公報 特開2001−59014号公報 特開2004−51960号公報 特開2005−146258号公報 特開2004−233851号公報
本発明は、上記現状を鑑みて、透明性に優れ、表面のうねりが小さく、優れた表示品位を有する、ガラスに代替可能な透明複合樹脂シート及び電子デバイスを提供することを目的とする。
本発明は、ガラス繊維織布及び透明樹脂から形成されるコア層、並びに、表面平滑化層を有する透明複合樹脂シートであって、上記記表面平滑化層は、透明樹脂及び無機フィラーを含む樹脂組成物から形成される樹脂層であり、上記透明樹脂は、脂環式エポキシ樹脂であり、上記無機フィラーは、二次粒子径が20〜100nmであり、樹脂組成物固形分100質量%に対して30〜75質量%含まれることを特徴とする透明複合樹脂シートである。
上記無機フィラーは、シリカゾルであることが好ましい。
上記シリカゾルは、溶剤分散性であることが好ましい。
上記透明樹脂は、化学式(1)
Figure 2009012288
で表される水添ビフェニル型脂環式エポキシ樹脂、又は、化学式(2)
Figure 2009012288
で表される水添ビスフェノールA骨格を有する脂環式エポキシ樹脂であることが好ましい。
上記コア層における透明樹脂の含有量は、ガラス繊維織布100質量部に対して樹脂固形分20〜200質量部であることが好ましい。
本発明はまた、上述の透明複合樹脂シートを用いたことを特徴とする表示素子用基板でもある。
本発明はまた、ガラス繊維織布に、透明樹脂を含むコア層形成用組成物を含浸させてコア層を形成する工程、並びに、透明樹脂及び無機フィラーを含む樹脂組成物をコア層の両側に塗布して表面平滑化層を形成する工程を有する透明複合樹脂シートの製造方法であって、上記透明樹脂は、脂環式エポキシ樹脂であり、上記無機フィラーは、二次粒子径が20〜100nmであり、樹脂組成物固形分100質量%に対して30〜75質量%含まれることを特徴とする透明複合樹脂シートの製造方法でもある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、ガラス繊維織布及び透明樹脂から形成されるコア層、並びに、表面平滑化層を有する透明複合樹脂シートであって、上記表面平滑化層は、透明樹脂及び無機フィラー含む樹脂組成物から形成される樹脂層であり、上記透明樹脂は、脂環式エポキシ樹脂であり、上記無機フィラーは、二次粒子径が20〜100nmであり、樹脂組成物固形分100質量%に対して30〜75質量%含まれることを特徴とするものである。このため、良好な透明性を有し、かつ、表面のうねりが小さく、表示品位に優れるものである。
本発明の透明複合樹脂シートは、コア層上に、特定のエポキシ樹脂と、特定粒子径を有する無機フィラーを特定量含む樹脂組成物により形成された表面平滑化層を有する。上記表面平滑化層は、うねりがあるコア層の表面を平滑化するために、コア層上の片面もしくは両面に形成される層である。この表面平滑化層の形成において、特定樹脂と、特定粒子径を有する無機フィラーを特定量含むことにより、表面平滑化層の線膨張係数を好適に小さくすることができ、その結果表面のうねりが小さくなり、平滑な表面を有する層を形成することができるものである。
シート表面にうねりが生ずるのは、コア層作成時におけるシート面内のひずみの不均一性が主要因であると考えられる。すなわち、図3に示すようにガラス繊維織布8は、緯糸9と経糸10で構成されている。このような繊維織布においては、緯糸と経糸とが重なり合う部分、緯糸、経糸単独部分、緯糸・経糸に囲まれている空隙部分が存在する。この織密度の不均一性がシート内の単位体積あたりの樹脂量不均一性をもたらす。
樹脂とガラス繊維織布との複合体は熱線膨張率の異なる材料を複合化するため、シート作製時のプロセス温度や材料の熱膨張差に起因する熱応力が複合材料中で発生する。
生じた熱応力が複合シート面内において均一であれば複合シートのうねりは生じないが、先に述べたように、織密度が不均一であるため樹脂量が不均一となり、その結果熱応力が不均一となって、複合シート面にうねりが生じると考えられる。
また、そのようなうねりを低減させるためにコア層上に表面平滑化層を従来技術により形成した場合、コア層表面の凹凸が存在することによって塗布量が不均一になり、うねりの問題を充分に解決することができないという問題を生じる。また、コア層と表面平滑下層との線膨張係数の差が存在すると、加熱時に上記2つの層の界面において応力が生じ、うねりの原因となる。
特に、コア層と表面平滑層との界面で生じる応力を低減するためには、表面平滑層の線膨張係数を小さくすることが必要となる。コア層は、ガラス繊維織布を有するものであることから、通常の樹脂よりも線膨張係数が低いため、表面平滑層をコア層と同様の線膨張係数とするためには、何らかの手段によって線膨張係数を低くすることが必要とされるためである。
本発明の透明複合樹脂シートは、上記課題を改善するために、特定の透明樹脂及び無機フィラーを含む樹脂組成物から形成される表面平滑化層を設けたものである。本発明においては、透明性、耐熱性が良好であり、かつ、線膨張係数が低い脂環式エポキシ樹脂を樹脂として選択し、上記エポキシ樹脂の線膨張係数を更に低くするために、無機フィラーを添加したものである。
線膨張係数を充分に小さくするためには、樹脂組成物に無機フィラーを比較的多量に添加する必要がある。しかし、無機フィラーを多量に添加すると透明性が悪化することによって表示性能が低下するという問題がある。本発明は、特定の透明樹脂及び特定粒子径の無機フィラーを特定量使用することにより、無機フィラーを比較的多量に添加しても、コア層上に均一に樹脂組成物を塗布することができ、表面が平滑な層を好適に形成することができたものである。
また、コア層においても、特定の透明樹脂を使用することにより、良好な透明性を有しつつ、上記ひずみの不均一性を軽減させ、うねりの発生を抑制することができるものである。
すなわち、本発明は、特定樹脂と特定の無機フィラーとを組み合わせて樹脂の線膨張係数を小さくすることにより、表面のうねりを小さくすることができることを見出したものである。更に、透明性も良好で、表示品位に優れる透明複合樹脂シートを得ることができたものである。
本発明の透明複合樹脂シートは、ガラス繊維織布及び透明樹脂を使用して形成されるコア層、並びに、表面平滑化層を有するものであって、上記表面平滑化層は、透明樹脂及び無機フィラーを含む樹脂組成物から形成される樹脂層である。
上記表面平滑化層をコア層上に形成することにより、シート表面のうねりを小さくして表面を平滑化し、表示品位の良好なシートとすることができる。
上記透明樹脂は、脂環式エポキシ樹脂である。
上記脂環式エポキシ樹脂は、硬化性に優れ、かつ硬化後の線膨張係数が低いため、表面のうねりの発生を抑制し、透明樹脂の特性を更に向上させることができる。
上記脂環式エポキシ樹脂は、環状オレフィン化合物を酸化して得られる、環状骨格にエポキシ基を置換導入した脂環式エポキシ化合物を主成分とした樹脂である。
上記脂環式エポキシ化合物の合成方法としては、例えば環状オレフィン化合物と、過ギ酸、過酢酸、過イソ酪酸等の脂環族過カルボン酸等のエポキシ化剤とを反応させる方法が挙げられる。このような脂環式エポキシ化合物としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ジシクロペンタジエンジオキサイド、シクロオクテンジオキサイド、ε−カプトラクトンオリゴマーの両端に3,4−エポキシシクロヘキシルメタノールと3,4−エポキシシクロヘキシルカルボン酸がエステル結合したもの、エポキシ化されたヘキサヒドロベンジルアルコール、水添ビフェニル骨格を有する脂環式エポキシ化合物、水添ビスフェノールA骨格を有する脂環式エポキシ化合物等を挙げることができる。
なかでも、更に良好な耐熱性を有する点から、耐熱性が要求される用途に使用する場合には、化学式(1)
Figure 2009012288
で表される水添ビフェニル型脂環式エポキシ樹脂、又は、化学式(2)
Figure 2009012288
で表される水添ビスフェノールA骨格を有する脂環式エポキシ樹脂であることが好ましく、上記水添ビフェニル型脂環式エポキシ樹脂であることがより好ましい。
上記無機フィラーは、二次粒子径が20〜100nmである。上記特定粒子径を有する無機フィラーを使用すると、透明樹脂の線膨張係数を小さくするために、多量に添加しても、表面平滑化層を形成するための樹脂組成物の粘度がそれほど増大しないため、シート表面のうねりを増大させることがなく、表面が平滑な層を好適に形成することができる。また、製造工程における作業性も良好である。
上記二次粒子径が20nm未満のものは、製造することが困難である。100nmを超えると、透明性が悪くなったり、樹脂組成物の粘度が増加して、表面平滑化層を形成することが困難になるおそれがある。上記二次粒子径は、20〜50nmであることが好ましい。
ここで、上記二次粒子径とは、一次粒子が凝集した状態の粒子径を表し、メチルエチルケトン(MEK)を分散媒とした動的光散乱法により値を得ることができる。このように二次粒子径が小さいものは、凝集が少なく、より微細に樹脂中に分散した状態にある。
上記無機フィラーとしては、透明性を得ることができる酸化物のナノ粒子であることが好ましく、なかでもシリカゾルであることがより好ましい。
上記無機フィラーの含有量は、上記樹脂組成物固形分(すなわち、表面平滑化層を構成する固形分全量)100質量%に対して30〜75質量%であることが好ましい。30質量%未満であると、被膜を形成するための樹脂組成物の線膨張係数が大きくなり、基板のうねりが大きくなるおそれがある。75質量%を超えると、樹脂組成物の粘度が増加して、表面平滑化層の形成が困難になるおそれがある。上記含有量は、30〜50質量%であることがより好ましい。
上記表面平滑化層の形成は、上記透明樹脂及び無機フィラーを含有する組成物をコア層上に塗布し、樹脂を硬化させることによって行うことができる。
上記塗布組成物の調製において、上記シリカゾルは、溶剤分散性のものを使用することが好ましい。上記溶剤分散性の無機フィラーを使用することにより、溶剤分散したフィラーと上記透明樹脂を混合した後、真空下で脱溶剤するという簡単な操作で、ゾル分散状態とほぼ同じ分散状態のフィラー分散した透明樹脂組成物を得ることができる。
上記シリカゾルの市販品としては、例えば、扶桑化学工業社製高純度オルガノゾル、日産化学工業社製オルガノシリカゾル、触媒化成工業社製オルガノシリカゾル等を挙げることができる。
上記表面平滑化層を形成するための樹脂組成物は、硬化触媒を含むことが好ましい。
上記硬化触媒としては、カチオン系硬化触媒、又は、アニオン系硬化触媒を挙げることができる。なかでもカチオン系硬化触媒であることが好ましい。上記カチオン系硬化触媒を含むことにより、上記透明樹脂を低温で硬化させることができる。低温で硬化できると応力が限りなく0に近くなる温度と室温との温度差が小さくなり、その結果、応力が小さくなるからである。また、硬化物の耐熱性(例えば、ガラス転移温度)を高くすることができる。これは、架橋密度が高くなるためと考えられる。
上記カチオン系硬化触媒としては、例えば、加熱によりカチオン重合を開始させる物質を放出する熱カチオン系硬化触媒(例えば、オニウム塩系カチオン硬化触媒、またはアルミニウムキレート系カチオン硬化触媒)や、活性エネルギー線によってカチオン重合を開始させる物質を放出させる光カチオン系硬化触媒(例えば、オニウム塩系カチオン系硬化触媒等)が挙げられる。
上記熱カチオン系硬化触媒としては、例えば、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、アンモニウム塩、アルミニウムキレート、三フッ化ホウ素アミン錯体等が挙げられる。具体的には、芳香族スルホニウム塩として三新化学工業社製のSI−60L、SI−80L、SI−100L、旭電化工業社製のSP−66やSP−77等のへキサフルオロアンチモネート塩挙げられ、アルミニウムキレートとしてはエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられ、三フッ化ホウ素アミン錯体としては、三フッ化ホウ素モノエチルアミン錯体、三フッ化ホウ素イミダゾール錯体、三フッ化ホウ素ピペリジン錯体等が挙げられる。
上記光カチオン系硬化触媒としては、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩等が挙げられる。具体的には、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロフォスフェート、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロボーレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロフォスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロボーレート、4,4’−ビス[ビス(2−ヒドロキシエトキシフェニル)スルフォニオ]フェニルスルフィドビスヘキサフルオロフォスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨートニウムヘキサフルオロフォスフェート、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルフォニウムヘキサフルオロフォスフェートなどを挙げることができる。これらは、単独又は2種以上を混合して使用してもよい。これらの市販品としては、みどり化学株式会社製のDTS−102、DTS−103、DPI−101、DPI−102、DPI−103、DPI−105、MPI−103、MPI−105、BBI−101、BBI−102、BBI−103、BBI−105、TPS−101、TPS−102、TPS−103、TPS−105、MDS−103、MDS−105、UCC社製のサイラキューアーUVI−6990、サイラキューアーUVI−6974、サイラキューアーUVI−6992、旭電化株式会社製のアデカオプトーマーSP−150、SP−152、SP−170、SP−172、ローディアジャパン社製のPHOTOINITIATOR2074、チバスペシャリティ・ケミカルズ社製のIRGACURE250、GEシリコンズ社製のUV−9380C、日本曹達社製のCIT−1370、CIT−1682、CIP−1866S、CIP−2048S、CIP−2064S等が挙げられる。
これらの中でも、硬化時間が短く生産性が良好である点で、光カチオン系硬化触媒であることが好ましい。
上記カチオン系硬化触媒の含有量は、上記透明樹脂100質量部に対して0.1〜5質量部であることが好ましい。0.1質量部未満であると、硬化性が低下するおそれがある。5質量部を超えると、透明複合体が脆くなるおそれがある。上記含有量は、0.5〜3質量部であることがより好ましい。
また、光硬化によって硬化させる場合は、必要に応じて硬化反応を促進させるため、増感剤、酸増殖剤等も併用してもよい。
上記表面平滑化層を形成するための樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の樹脂、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染顔料、界面活性剤、光重合開始剤等の添加物や溶剤を含んでいてもよい。上記添加物は、特に限定されず、公知のものを使用することができる。上記溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、酢酸エチル等を挙げることができる。
上記表面平滑化層は、表面平滑化層を形成するための樹脂組成物をコア層の片側又は両側に塗布して、これを硬化させることにより形成することができる。
上記樹脂組成物は、上述した透明樹脂、無機フィラー、及び、必要に応じてその他の成分を含んで混合・分散して得ることができる。上記混合及び分散方法については、公知の方法を適用することができる。
上記塗布方法としては、公知の方法であれば特に限定されず、例えば、グラビアコート、キスコート、スピンコート、バーコート、ディップコート、平滑化面転写コート方法等を挙げることができる。
上記硬化方法としては、加熱及び/又は活性エネルギー線照射により樹脂を硬化させる方法を挙げることができる。上記加熱方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いればよく、例えば、30〜270℃で1〜180分間加熱するとよい。上記活性エネルギー線照射としては、紫外線又は電子線による照射を挙げることができる。
上記表面平滑化層のうねり特性値は、50以下であることが好ましく、更に好ましくは40以下である。うねり特性値が上限値を超えるとセルギャップの均一性を保つことが困難となり、表示品位が低下する恐れがある。なお、上記うねり特性値は、後述する測定方法により得ることができる。
上記表面平滑化層の層厚みは、0.1〜10μmであることが好ましい。0.1μm未満であると、コア層を充分に平滑にすることができないおそれがある。10μmを超えると、硬化する時の応力が大きく、基板のうねりが大きくなるおそれがある。
本発明の透明複合樹脂シートは、ガラス繊維織布及び透明樹脂から形成されるコア層を有する。
上記ガラス繊維織布としては、通常のガラス繊維織布を使用することができる。
ガラスの種類としてはEガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Tガラス、Dガラス、NEガラス、クオーツ、低誘電率ガラス、高誘電率ガラス等が挙げられ、中でもアルカリ金属などのイオン性不純物が少なく入手の容易なEガラス、Sガラス、Tガラス、NEガラスが好ましい。
上記ガラス繊維織布の屈折率は、その繊維織布を形成する繊維の直径が100nm以下の場合は、上記繊維と上記透明樹脂との界面における散乱が小さいので特に限定されない。直径が100nmを超える場合は、散乱を抑制するため1.4〜1.6が好ましく、特に1.5〜1.55が好ましい。屈折率が上記範囲内であると、繊維材料のアッベ数に近い透明樹脂を選択することができるからである。また透明樹脂のアッベ赦とガラスのアッベ数が近いほど広い波長領域で屈折率が一致し、広範囲で高い光線透過率が得られるからである。
上記透明樹脂は、脂環式エポキシ樹脂である。上記脂環式エポキシ樹脂は、低温での硬化性に優れ、ガラス繊維織布との樹脂との界面応力が限りなく0に近くなる温度と室温との温度差が小さく、かつ硬化後の線膨張係数が低いため、それぞれの界面の応力を小さくすることができる。その結果、表面のうねりを小さくすることができる。
コア層に使用する透明樹脂は、上記表面平滑化層に使用する透明樹脂と同様に脂環式エポキシ樹脂を使用するが、脂環式エポキシ樹脂であれば、同一の樹脂であっても相違する樹脂であってもよいが、同一の樹脂を使用することが好ましい。具体的には、上記表面平滑化層における透明樹脂と同様、水添ビスフェノールA骨格を有する脂環式エポキシ樹脂であることが好ましく、上記水添ビフェニル型脂環式エポキシ樹脂であることがより好ましい。
上記コア層において、上記透明樹脂の含有量は、上記ガラス繊維織布100質量部に対して20〜200質量部であることが好ましい。20質量部未満であると、樹脂が少なすぎるために、コア層を形成したときにガラス繊維織布に起因する表面粗さが大きく、表面平滑化層を形成しても表面を平滑化することができないおそれがある。200質量部を超えると、コア層を硬化する時の応力が大きく、基板のうねりが大きくなるおそれがある。上記透明樹脂の含有量は、40〜100質量部であることがより好ましい。
上記コア層は、上記ガラス繊維織布に、上記透明樹脂を含むコア層形成用樹脂組成物を含浸させて形成することができる。
上記コア層形成用樹脂組成物は、硬化触媒を含むものであることが好ましい。
上記硬化触媒としては、上記表面平滑化層において使用することができる硬化触媒と同様のものを挙げることができる。これらの中でも、より耐熱性に優れる硬化物を得ることができる点で、熱カチオン系硬化触媒が好ましい。
上記コア層形成用樹脂組成物は、屈折率調整剤を更に含んでいてもよい。上記屈折率調整剤を含むことにより、透明樹脂の屈折率とガラス繊維織布との屈折率との差を調整することができる。上記屈折率調整剤としては、屈折率調整樹脂、屈折率調整無機微粒子及び屈折率調整有機微粒子等を挙げることができる。屈折率調整樹脂として有機成分を添加する場合には、上記透明樹脂と架橋反応する官能基を有することが好ましい。なぜなら、硬化物の線膨張係数が大きくなるため繊維と透明樹脂との線膨張率差が大きくなり、応力が増大するおそれが少ないからである。
具体的にはシルセスキ骨格を有する脂環式エポキシモノマー、シルセスキ骨格を有するオキセタンモノマー、シリケート構造を有するオリゴマー(小西化学社製:PSQレジン、架亜合成社製:オキセタニルシルセスキオキサン、オキセタニルシリケート)、β−(3,4エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のカップリング剤が挙げられる。
上記屈折率調整無機微粒子としてはたとえばナノ粒子、ガラスビーズ等が挙げられる。
具体的には、シリケート構造を有するシリカ微粒子、酸化チタン微粒子、酸化ジルコニア微粒子、又は、アルミナ微粒子等が挙げられる。
上記シリカ微粒子は、表面処理が施されているものがより好ましい。なぜなら微粒子表面にはカチオン重合を促進する活性水素(シラノール基)が存在し、表面処理がない場合、硬化反応が進行し保存安定性が低いからである。
また、上記屈折率調整無機微粒子は、平均分散粒子径が100nm以下となるような粒子であることが好ましい。粒子径が上限値を超えると、透明複合樹脂シートの散乱が大きくなり、透明性が低下するおそれがあるからである。
上記コア層形成用樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の樹脂、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染顔料、界面活性剤、光開始剤等の添加物や溶剤を含んでいてもよい。上記添加物及び溶剤は、上記表面平滑化層において使用することのできるものと同様のものを挙げることができる。
上記コア層形成用樹脂組成物は、上記透明樹脂、及び、必要に応じて上述した成分を混合又は分散することにより得ることができる。上記混合・分散は公知の方法により行うことができる。
上記コア層は、上記コア層形成用樹脂組成物をガラス繊維織布に含浸させた後、これを硬化させることにより形成することができる。上記コア層形成用樹脂組成物をガラス繊維織布に含浸させる方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いればよい。上記硬化方法としては、上述した表面平滑化層の形成における硬化方法と同様の方法を挙げることができる。
上記コア層の層厚みは、20〜200μmであることが好ましい。20μm未満であると、基板の曲げ剛性が低いため、表面平滑化層を積層した時に基板のうねりが大きくなおそれがある。200μmを超えると、基板の複屈折率が大きくなったり、光線透過率が低下するといったおそれがある。
本発明の透明複合樹脂シートは、このようにガラス繊維織布及び特定の透明樹脂から形成されるコア層、並びに、特定の透明樹脂及び無機フィラーを含む樹脂組成物から形成される表面平滑化層を有するものである。
上記透明複合樹脂シートは、30〜150℃における平均線膨張係数が40ppm以下であることが好ましく、30ppm以下であることがより好ましい。例えば、この複合体組成物をアクティブマトリックス表示素子用基板に用いた場合、この上限値を超えると、その製造工程において反りやアルミ配線の断線などの問題が生じる恐れがある。
上記平均線膨張係数は、後述するように、SEIKO電子社製TMA/SS6000型熱応力歪み測定装置を用いて得ることができる。
上記透明複合樹脂シートは、波長400nmにおける光線透過率は、80%以上であることが好ましい。上記波長400nmにおける光線透過率が下限値未満であると表示性能が十分でないおそれがある。上記光線透過率は、85%以上であることがより好ましく、87%以上であることが更に好ましい。
更に、本発明の透明複合樹脂シートを構成する透明複合体組成物は、ガラス転移温度は200℃以上が好ましく、より好ましくは250℃以上である。ガラス転移温度が下限値未満であると高温プロセスにおいて、高温での基板の強度や弾性率が不十分で基板が変形するおそれがある。
本発明の透明複合樹脂シートの製造方法は、ガラス繊維織布に、透明樹脂を含む樹脂組成物を含浸させてコア層を形成する工程、並びに、透明樹脂及び無機フィラーを含む樹脂組成物をコア層の両側に塗布して表面平滑化層を形成する工程を有するものである。
上記コア層を形成する工程は、上述したコア層の形成方法と同様にして行うことができる。
上記透明複合樹脂シートの製造方法は、上記コア層を形成した後、透明樹脂及び無機フィラーを含む樹脂組成物をコア層の両側に塗布して表面平滑化層を形成する工程を有する。
上記透明樹脂は脂環式エポキシ樹脂であり、上記無機フィラーは二次粒子径が20〜100nmであり、上記樹脂組成物固形分100質量%に対して30〜75質量%含まれるものである。
上記透明樹脂及び無機フィラーとしては、上述したものと同様のものを挙げることができる。また、上記表面平滑化層を形成する方法としては、上述した表面平滑化層の形成方法を挙げることができる。
上記表面平滑化層を形成する工程における、表面平滑化層を形成するための樹脂組成物において、透明樹脂として上記化学式(1)で表わされる水添ビフェニル型脂環式エポキシ樹脂を使用すると、実質的に無溶媒の塗布組成物を使用して表面平滑層を形成することができる点で好ましいものである。
すなわち、上記水添ビフェニル型脂環式エポキシ樹脂は低粘度であるという利点を有するため、大量の無機フィラーを含有することで粘度が上昇し、塗布作業性が著しく低下する塗布組成物を使用する場合であっても、無溶媒組成物による塗布を行うことができる。なお、ここでいう「無溶媒」とは実質的に揮発成分を含有しないものであり、揮発成分を10%以下にまで低減したものを指す。無溶媒塗布を行うことによって、表面平滑化層の形成において溶剤の揮散量を低下することができ、作業環境を改善することができるという利点を有する。
実質的に無溶媒の塗布組成物によって表面平滑層を形成する場合、塗布組成物は上記水添ビフェニル型脂環式エポキシ樹脂に有機溶媒中に無機フィラーが分散した分散体を添加し、混合した後、有機溶媒を揮散させることで除去して無溶媒の塗布組成物とすることができる。このような無溶媒の塗布組成物とする場合の無機フィラーは、シリカゾルであることが好ましい。
本発明の透明複合樹脂シートは、上述したように、透明性に優れ、表面のうねりが小さく表示品位が良好なものである。このような本発明の透明複合樹脂シートは、例えば、液晶表示素子用プラスチック基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用プラスチック基板、電子ペーパー用基板、タッチパネル等の表示素子用基板として好適に適用することができる。そのような透明複合樹脂シートを用いた表示素子用基板もまた本発明の一つである。
本発明の透明複合樹脂シートは、上述した構成よりなるので、透明性、耐熱性に優れ、かつ、表面が平滑であるため表示品位にも優れる。従って、透明板、光学レンズ、液晶表示素子用プラスチック基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用プラスチック基板、太陽電池基板、タッチパネル、導光板、光学素子、光導波路、LED封止剤等に好適に利用できる。
以下に本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また実施例中、「部」、「%」は特に断りのない限り「質量部」、「質量%」を意味する。
(実施例1)
NEガラス系ガラスクロス(厚さ90μm、屈折率1.510、日東紡社製)に、水添ビフェニル型脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業社製、「E−BP」;上記化学式(1)で表わされる水添ビフェニル型脂環式エポキシ樹脂)70質量部、オキセタニルシリケート(東亜合成社製、OXT−191)30質量部、芳香族スルホニウム系熱カチオン触媒(三新化学社製、SI−100L)1質量部を混合した樹脂組成物を含浸させ脱泡した。このガラスクロスを銅箔に挟み込んで80℃で2時間加熱後、250℃で更に2時間加熱し厚さ0.1mmの複合樹脂シートのコア層を得た。
次に、「E−BP」100質量部(前出)と、シリカゾル(扶桑化学工業社製、固形分25質量%、二次粒子径80nm、分散媒メチルエチルケトン(MEK))200質量部、光カチオン系重合触媒(旭電化社製、SP170)3質量部を混合した後、25℃、13mmHgで脱溶剤し、固形分33質量%、二次粒子径80nm、粘度900Pa・s(40℃)のフィラー分散液を得た。
得られたフィラー分散液を上記コア層の両面に、ワイヤーバーで、乾燥後の厚みが5μmとなるように番手を調節して塗布した後、UV光を照射し、窒素雰囲気下250℃でさらに2時間加熱し、厚さ4μmの表面平滑化層を形成し、複合樹脂シートを得た。
(実施例2〜5、比較例1〜3)
上記フィラー分散液において、透明樹脂の種類、シリカゾルの二次粒子径又は含量を表1のように代えた以外は、実施例1と同様にして複合樹脂シートを得た。なお、表中の透明樹脂1は、上述したダイセル化学工業社製、「E−BP」であり、透明樹脂2〜3は、以下のとおりである。
透明樹脂2:
Figure 2009012288
透明樹脂3:
Figure 2009012288
(比較例4)
上記フィラー分散液において、透明樹脂を、透明樹脂4:東亜合成株式会社製アロニックスM315(イソシアヌール酸エチレンオキシド変性トリアクリレート)100質量部、光重合開始剤をチバ・スペシャル・ケミカルズ社製イルガキュア184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン)3質量部に代え、シリカゾルの含量を表1のように代えた以外は、実施例1と同様にして複合樹脂シートを得た。
(実施例6、7、比較例5、6)
上記フィラー分散液において、透明樹脂の種類、シリカゾルの二次粒子径又は含量を表2のように代えて混合し、混合後に脱溶剤をしなかった点及び必要量のMEKを添加して粘性を調整した以外は、実施例1と同様にして複合樹脂シートを得た。
実施例、比較例で使用したフィラー分散液、表面平滑化層、及び得られた複合樹脂シートについて、下記の項目にて評価した。結果を表1及び表2に示す。
(a)平均線膨張係数α
フィラー分散液を2枚のガラス板の間に注型してUV光を照射し、窒素雰囲気下250℃で更に2時間加熱して形成した、厚さ200μmの表面平滑化の単独層を、SEIKO電子(株)製TMA/SS6000型熱応力歪み測定装置を用いて、窒素雰囲気下、1分間に5℃の割合で昇温させ、荷重を5gにし引っ張りモードで測定を行い、所定温度範囲(50℃〜200℃)における平均線膨張係数αを算出した。
(b)ワニス粘度
東機産業社製TV−22型、E型粘度計で、測定温度40℃又は25℃におけるフィラー分散液の粘度を測定した。
(c)外観
形成された複合樹脂シートの透明性について、ヘイズ値を測定し、下記の基準にて評価した。なお、ヘイズ値は、日本電色工業株式会社製NDH2000を用いて測定して得た値である。
○:ヘイズ値20%未満
×:ヘイズ値20%以上
(d)うねりの評価
所定の計測面積(S)における複合樹脂シートの基板表面を、レーザー変位計にてスキャンして、計測した基板表面積(S)の計測面積に対する増分率(S−S)/Sをうねり特性値として算出した。上記うねり特性値は、50以下を合格とする。
測定方法の詳細は以下の通りである。図1−aは表面形状計測装置を示す。計測装置は固定されたレーザー変位計3(キーエンス社製:LT−9030M)とX−Yオートステージ2(コムス社製)で構成されている。オートステージ上に基板1を設置し、計測範囲4[X×Y]を設定する。オートステージX方向に移動させることによりレーザー変位計を走査させ、計測ピッチXで基板表面の高さを計測する。この走査をピッチY毎に実施することにより、X、Y(図1−b)間隔での基板表面形状データを得る。今回の計測ではXおよびYを50mm、XおよびYを0.5mmに設定し計測を実施した。
図2−aは所定の範囲で計測された基板表面5を示している。計測した基板形状の表面積を算出するため、隣り合う計測ポイント4点から構成される要素の面積を求める。計測表面の局所部分6を拡大したものを図2−bに示す。隣り合う4点で構成される要素7において、基準点7aを設定し、X側の点7bと基準点の高さ差Zの算出により基準点に対する7bのベクトル(X、0、Z)、Y側の点7cと基準点の高さ差Zの算出により基準点に対する7cのベクトル(0、Y、Z)を得る。この両ベクトルのなす平面の面積を要素7の面積と近似し、外積の大きさを求めることにより面積を得る。計測表面を構成している各要素に対して同様の手法で面積を求め、これらの総和を算出することで計測した基板の表面積(S)を得る。計測された表面形状がフラットであるほど得られた表面積は計測面積X×Yに近づくことから、算出された表面積(S)より計測面積(S)を引き、凹凸に伴う表面積増加量を算出する。表面積増加量(S−S)を計測面積(S)で割ることで正規化した値をうねり特性値とした。
(e)耐熱性
フィラー分散液を2枚のガラス板の間に注型してUV光を照射し、窒素雰囲気下250℃で更に2時間加熱して形成した、厚さ200μmの表面平滑化層の単独層を、SEIKO電子社製DNS210型動的粘弾性測定装置を用いて、1Hzでのtanδの最大値をガラス転移温度(Tg)とした。
Figure 2009012288
Figure 2009012288
表1及び表2より、実施例の複合樹脂シートは、表面のうねりが少なく、透明性に優れ、外観が良好であるのに対し、比較例の複合樹脂シートは、表面のうねりの抑制と透明性の双方に優れるものではなかった。
本発明の透明複合樹脂シートは、透明板、光学レンズ、液晶表示素子用プラスチック基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用プラスチック基板、太陽電池基板、タッチパネル、導光板、光学素子、光導波路、LED封止剤等に好適に適用することができる。
表面形状計測装置の概略図(図1−a)及び計測ピッチ(図1−b) 計測された基板表面(図2−a)及び局所部分の拡大図(図2−b) 繊維織布を模式的に示した上面図
符号の説明
1 基板
2 X−Yオートステージ
3 レーザー変位計
4 計測範囲
5 計測された基板表面
6 計測表面の局所部分
7 隣り合う4点で構成される要素
8 繊維織布
9 緯糸
10 経糸

Claims (7)

  1. ガラス繊維織布及び透明樹脂から形成されるコア層、並びに、表面平滑化層を有する透明複合樹脂シートであって、
    前記表面平滑化層は、透明樹脂及び無機フィラーを含む樹脂組成物から形成される樹脂層であり、
    前記透明樹脂は、脂環式エポキシ樹脂であり、
    前記無機フィラーは、二次粒子径が20〜100nmであり、前記樹脂組成物固形分100質量%に対して30〜75質量%含まれる
    ことを特徴とする透明複合樹脂シート。
  2. 無機フィラーは、シリカゾルである請求項1記載の透明複合樹脂シート。
  3. シリカゾルは、溶剤分散性である請求項2記載の透明複合樹脂シート。
  4. 透明樹脂は、化学式(1)
    Figure 2009012288
    で表される水添ビフェニル型脂環式エポキシ樹脂、又は、化学式(2)
    Figure 2009012288
    で表される水添ビスフェノールA骨格を有する脂環式エポキシ樹脂である請求項1、2又は3記載の透明複合樹脂シート。
  5. コア層の透明樹脂の含有量は、ガラス繊維織布100質量部に対して樹脂固形分20〜200質量部である請求項1、2、3又は4記載の透明複合樹脂シート。
  6. 請求項1、2、3、4又は5記載の透明複合樹脂シートを用いたことを特徴とする表示素子用基板。
  7. ガラス繊維織布に、透明樹脂を含むコア層形成用組成物を含浸させてコア層を形成する工程、並びに、透明樹脂及び無機フィラーを含む樹脂組成物をコア層の両側に塗布して表面平滑化層を形成する工程を有する透明複合樹脂シートの製造方法であって、
    前記透明樹脂は、脂環式エポキシ樹脂であり、
    前記無機フィラーは、二次粒子径が20〜100nmであり、前記樹脂組成物固形分100質量%に対して30〜75質量%含まれる
    ことを特徴とする透明複合樹脂シートの製造方法。
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