JP2009011425A - スライドファスナのスライダー用引手及び、その製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】表面に装飾体が突出せず、且つ装飾体の装填部の裏面に、熱溶着時の焦げ跡が形成されない、スライドファスナのスライダー用引手を提供する。
【解決手段】第1シート部(51)と第2シート部(52)が積層状態に結合一体化された摘み片(8)を具備し、前記積層部に於いて前記第1シート部(51)を表裏に貫通する透孔(50)が形成され、前記透孔(50)には装飾体(3)が落し込み状態に装填されるスライドファスナのスライダー用引手に於いて、前記装飾体(3)は、前記透孔(50)を覆う態様で第1シート部(51)又は第2シート部(52)の積層側の面に熱溶着される熱溶着性シート(4)に固定されていること。
【選択図】図4
【解決手段】第1シート部(51)と第2シート部(52)が積層状態に結合一体化された摘み片(8)を具備し、前記積層部に於いて前記第1シート部(51)を表裏に貫通する透孔(50)が形成され、前記透孔(50)には装飾体(3)が落し込み状態に装填されるスライドファスナのスライダー用引手に於いて、前記装飾体(3)は、前記透孔(50)を覆う態様で第1シート部(51)又は第2シート部(52)の積層側の面に熱溶着される熱溶着性シート(4)に固定されていること。
【選択図】図4
Description
本発明は、スライドファスナのスライダー用引手及び、その製造方法に関するものである。
スライドファスナのスライダー用引手として、図6の如き構成のものがある。
このスライダー用引手は、帯状に裁断された皮革や厚手の柔軟シートを長手方向の中央部で二つ折り状態に重ね合わせた摘み片(25)と、該摘み片(25)の一端に取り付けられた連結金具(10)を具備し、摘み片(25)の他端には、ガラスビーズ等の装飾体(3)が取り付けられている。この装飾体(3)は、保持台(31)に保持された状態で、裏面からカシメ金具(32)で固定されている。
このスライダー用引手は、帯状に裁断された皮革や厚手の柔軟シートを長手方向の中央部で二つ折り状態に重ね合わせた摘み片(25)と、該摘み片(25)の一端に取り付けられた連結金具(10)を具備し、摘み片(25)の他端には、ガラスビーズ等の装飾体(3)が取り付けられている。この装飾体(3)は、保持台(31)に保持された状態で、裏面からカシメ金具(32)で固定されている。
このものでは、摘み片(25)の表面が装飾体(3)で装飾されているから、種々のデザインの装飾体(3)を使用することで、需要者の年齢層や性別を考慮した意匠に仕上げることができる。
ところが、上記のものでは、装飾体(3)が摘み片(25)の表面に突出しているから、該装飾体(3)が障害物に衝突して脱落し易いという問題がある。
ところが、上記のものでは、装飾体(3)が摘み片(25)の表面に突出しているから、該装飾体(3)が障害物に衝突して脱落し易いという問題がある。
かかる問題を解消するために、図7のように改良することも考えられる。
この改良案のものは、裏面に熱溶着層(33)が形成された装飾体(3)を利用するもので、摘み片(25)の表シート部(21)に形成された透孔(20)に装飾体(3)を落とし込むと共に、該装飾体(3)の装填部を超音波溶着装置(a)(b)で挟圧し、前記熱溶着層(33)にて裏シート部(22)に装飾体(3)を溶着する。
このものでは、装飾体(3)が透孔(20)に落し込み状態に装填されるから、該装飾体(3)が障害物に衝突し難く、脱落する心配が少ない。
実用新案登録第3050227号公報
この改良案のものは、裏面に熱溶着層(33)が形成された装飾体(3)を利用するもので、摘み片(25)の表シート部(21)に形成された透孔(20)に装飾体(3)を落とし込むと共に、該装飾体(3)の装填部を超音波溶着装置(a)(b)で挟圧し、前記熱溶着層(33)にて裏シート部(22)に装飾体(3)を溶着する。
このものでは、装飾体(3)が透孔(20)に落し込み状態に装填されるから、該装飾体(3)が障害物に衝突し難く、脱落する心配が少ない。
しかしながら、図7に示す改良案の場合、装飾体(3)の装填部を超音波溶着装置(a)(b)で挟圧して超音波溶着すると、摘み片(25)の裏シート部(22)の表面に、超音波溶着の際の加熱による焦げ跡(23)が形成されるから、美観を損なうという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みて成されたもので、表面に装飾体(3)が突出せず、且つ装飾体(3)の装填部の裏面に、図7のような溶着時の焦げ跡(23)が形成されないようにすることを課題とする。
[請求項1に係る発明]
上記課題を解決する為の請求項1に係る発明の解決手段は、
『第1シート部と第2シート部が積層状態に結合一体化された摘み片を具備し、
前記積層部に於いて前記第1シート部を表裏に貫通する透孔が形成され、
前記透孔に装飾体(3)が落し込み状態に装填されるスライドファスナのスライダー用引手の製造方法に於いて、
前記装飾体(3)に対して外周域が食み出すように熱溶着性シートが固定されたシート付装飾体(D)を用い、
前記熱溶着性シートの前記食み出した外周域を、積層前に於ける前記第1シート部又は前記第2シート部の積層側の面に加熱押圧して熱溶着することにより、前記シート付装飾体(D)を前記第1シート部又は前記第2シート部に固定する熱溶着工程と、
前記熱溶着工程後に、前記第1シート部と第2シート部を前記積層状態に結合一体化することで前記装飾体(3)を前記透孔部に保持する工程と、を具備する』ことである。
上記解決手段は次のように作用する。
シート付装飾体(D)は、装飾体(3)に対して外周域が食み出すように熱溶着性シートが固定された構成である。
前記シート付装飾体(D)の熱溶着性シートが装飾体(3)から食み出した外周域を、積層前に於ける第1シート部又は第2シート部の積層側の面に重ね合わせ、前記食み出した外周域を第1シート部又は第2シート部に加熱押圧して熱溶着する(熱溶着工程)。これにより、シート付装飾体(D)を第1シート部又は第2シート部に固定する。この場合、前記加熱押圧時の熱は、前記第1シート部又は第2シート部の積層側の面と、前記食み出した外周域との重ね合わせ部に作用し、第1シート部や第2シート部の表面は加熱されない。従って、該表面に加熱による焦げ跡が形成される不都合がない。
上記課題を解決する為の請求項1に係る発明の解決手段は、
『第1シート部と第2シート部が積層状態に結合一体化された摘み片を具備し、
前記積層部に於いて前記第1シート部を表裏に貫通する透孔が形成され、
前記透孔に装飾体(3)が落し込み状態に装填されるスライドファスナのスライダー用引手の製造方法に於いて、
前記装飾体(3)に対して外周域が食み出すように熱溶着性シートが固定されたシート付装飾体(D)を用い、
前記熱溶着性シートの前記食み出した外周域を、積層前に於ける前記第1シート部又は前記第2シート部の積層側の面に加熱押圧して熱溶着することにより、前記シート付装飾体(D)を前記第1シート部又は前記第2シート部に固定する熱溶着工程と、
前記熱溶着工程後に、前記第1シート部と第2シート部を前記積層状態に結合一体化することで前記装飾体(3)を前記透孔部に保持する工程と、を具備する』ことである。
上記解決手段は次のように作用する。
シート付装飾体(D)は、装飾体(3)に対して外周域が食み出すように熱溶着性シートが固定された構成である。
前記シート付装飾体(D)の熱溶着性シートが装飾体(3)から食み出した外周域を、積層前に於ける第1シート部又は第2シート部の積層側の面に重ね合わせ、前記食み出した外周域を第1シート部又は第2シート部に加熱押圧して熱溶着する(熱溶着工程)。これにより、シート付装飾体(D)を第1シート部又は第2シート部に固定する。この場合、前記加熱押圧時の熱は、前記第1シート部又は第2シート部の積層側の面と、前記食み出した外周域との重ね合わせ部に作用し、第1シート部や第2シート部の表面は加熱されない。従って、該表面に加熱による焦げ跡が形成される不都合がない。
次に、第1シート部と第2シート部を積層状態に結合一体化し、これにより、第1シート部に形成された透孔内に装飾体(3)が落とし込まれた構造のスライダー用引手を完成させる。すると、完成したスライダー用引手は、第1シート部に形成された透孔内に装飾体(3)が落し込まれた構造であるから、装飾体(3)が障害物に衝突し難く、脱落する心配が少ない。
[請求項2に係る発明]
請求項2に係る発明のように、
『第1シート部と第2シート部が積層状態に結合一体化された摘み片を具備し、
前記第1シート部と第2シート部の夫々には、前記積層状態で合致する位置に前記透孔が各別に形成され、
前記透孔の夫々に装飾体(3)が落し込み状態に装填されるスライドファスナのスライダー用引手の製造方法に於いて、
前記装飾体(3)に対して外周域が食み出すように熱溶着性シートが固定された二個のシート付装飾体(D)を用い、
各シート付装飾体(D)に於ける装飾体(3)を、積層前に於ける第1シート部と第2シート部の積層側の面側から前記透孔に各別に嵌入すると共に、該嵌入した透孔の外周に前記熱溶着性シートの前記食み出した外周域を加熱押圧して熱溶着し、これにより、前記各シート付装飾体(D)を前記第1シート部及び第2シート部に固定する熱溶着工程と、
前記熱溶着工程後に、前記第1シート部と第2シート部を前記積層状態に結合一体化する工程と、を具備する』ものとすれば、第1シート部と第2シート部が積層された状態で合致する各透孔の夫々に装飾体(3)(3)が装填されたスライドファスナのスライダー用引手が製造できる。
このものでも、請求項1の発明と同様、第1シート部及び第2シート部の表面には、シート付装飾体(D)の熱溶着性シートを熱溶着する際の焦げ跡が形成される不都合がない。
又、第1シート部及び第2シート部に形成された各透孔内に装飾体(3)(3)が落し込まれた構造であるから、装飾体(3)が障害物に衝突し難く、脱落する心配が少ない。
請求項2に係る発明のように、
『第1シート部と第2シート部が積層状態に結合一体化された摘み片を具備し、
前記第1シート部と第2シート部の夫々には、前記積層状態で合致する位置に前記透孔が各別に形成され、
前記透孔の夫々に装飾体(3)が落し込み状態に装填されるスライドファスナのスライダー用引手の製造方法に於いて、
前記装飾体(3)に対して外周域が食み出すように熱溶着性シートが固定された二個のシート付装飾体(D)を用い、
各シート付装飾体(D)に於ける装飾体(3)を、積層前に於ける第1シート部と第2シート部の積層側の面側から前記透孔に各別に嵌入すると共に、該嵌入した透孔の外周に前記熱溶着性シートの前記食み出した外周域を加熱押圧して熱溶着し、これにより、前記各シート付装飾体(D)を前記第1シート部及び第2シート部に固定する熱溶着工程と、
前記熱溶着工程後に、前記第1シート部と第2シート部を前記積層状態に結合一体化する工程と、を具備する』ものとすれば、第1シート部と第2シート部が積層された状態で合致する各透孔の夫々に装飾体(3)(3)が装填されたスライドファスナのスライダー用引手が製造できる。
このものでも、請求項1の発明と同様、第1シート部及び第2シート部の表面には、シート付装飾体(D)の熱溶着性シートを熱溶着する際の焦げ跡が形成される不都合がない。
又、第1シート部及び第2シート部に形成された各透孔内に装飾体(3)(3)が落し込まれた構造であるから、装飾体(3)が障害物に衝突し難く、脱落する心配が少ない。
[請求項3に係る発明]
請求項1又は2に係る発明に於いて、
『前記シート付装飾体(D)は、前記装飾体(3)を前記熱溶着性シートに熱溶着することで製造される』ものでは、熱溶着性シートと装飾体(3)の重ね合わせ部を加熱状態で圧接させることにより、シート付装飾体(D)が製造でき、該シート付装飾体(D)が容易に製造できる。
請求項1又は2に係る発明に於いて、
『前記シート付装飾体(D)は、前記装飾体(3)を前記熱溶着性シートに熱溶着することで製造される』ものでは、熱溶着性シートと装飾体(3)の重ね合わせ部を加熱状態で圧接させることにより、シート付装飾体(D)が製造でき、該シート付装飾体(D)が容易に製造できる。
[請求項4に係る発明]
請求項4に係る発明は、請求項1の製造方法により製造されるスライドファスナのスライダー用引手である。
このものでは、『第1シート部と第2シート部が積層状態に結合一体化された摘み片を具備し、
前記積層部に於いて前記第1シート部を表裏に貫通する透孔が形成され、
前記透孔には装飾体(3)が落し込み状態に装填されるスライドファスナのスライダー用引手に於いて、
前記装飾体(3)は、前記透孔を覆う態様で第1シート部又は第2シート部の積層側の面に熱溶着される熱溶着性シートに固定されている』構成を有している。
請求項4に係る発明では、装飾体(3)が固定された熱溶着性シートは、第1シート部又は第2シート部の積層側の面に熱溶着されるから、その製造の際に、第1シート部や第2シート部の表面に熱溶着時の焦げ跡が形成される心配がない。
又、第1シート部に形成された透孔内に装飾体(3)が落し込まれた構造であるから、装飾体(3)が障害物に衝突し難く、脱落する心配が少ない。
請求項4に係る発明は、請求項1の製造方法により製造されるスライドファスナのスライダー用引手である。
このものでは、『第1シート部と第2シート部が積層状態に結合一体化された摘み片を具備し、
前記積層部に於いて前記第1シート部を表裏に貫通する透孔が形成され、
前記透孔には装飾体(3)が落し込み状態に装填されるスライドファスナのスライダー用引手に於いて、
前記装飾体(3)は、前記透孔を覆う態様で第1シート部又は第2シート部の積層側の面に熱溶着される熱溶着性シートに固定されている』構成を有している。
請求項4に係る発明では、装飾体(3)が固定された熱溶着性シートは、第1シート部又は第2シート部の積層側の面に熱溶着されるから、その製造の際に、第1シート部や第2シート部の表面に熱溶着時の焦げ跡が形成される心配がない。
又、第1シート部に形成された透孔内に装飾体(3)が落し込まれた構造であるから、装飾体(3)が障害物に衝突し難く、脱落する心配が少ない。
[請求項5に係る発明]
請求項5に係る発明は、請求項2の製造方法により製造されるスライドファスナのスライダー用引手である。
このものでは、『第1シート部と第2シート部が積層状態に結合一体化された摘み片を具備し、
前記第1シート部と第2シート部の夫々には、前記積層状態で合致する位置に前記透孔が各別に形成され、
前記透孔の夫々に装飾体(3)(3)が各別に落し込み状態に装填されるスライドファスナのスライダー用引手に於いて、
一方の装飾体(3)は、該装飾体(3)を落し込む透孔が形成された第1シート部の積層側の面に熱溶着される熱溶着シートに固定され、
他方の装飾体(3)は、該装飾体(3)を落し込む透孔が形成された第2シート部の積層側の面に熱溶着される熱溶着シートに固定されている』構成を有している。
請求項5に係る発明では、請求項4に係る発明と同様、装飾体(3)が固定された熱溶着性シートは、第1シート部や第2シート部の積層側の面に熱溶着されるから、その製造の際に、第1シート部や第2シート部の表面に熱溶着時の焦げ跡が形成される心配がない。
又、第1シート部及び第2シート部に形成された透孔内に装飾体(3)(3)が落し込まれた構造であるから、装飾体(3)(3)が障害物に衝突し難く、脱落する心配が少ない。
請求項5に係る発明は、請求項2の製造方法により製造されるスライドファスナのスライダー用引手である。
このものでは、『第1シート部と第2シート部が積層状態に結合一体化された摘み片を具備し、
前記第1シート部と第2シート部の夫々には、前記積層状態で合致する位置に前記透孔が各別に形成され、
前記透孔の夫々に装飾体(3)(3)が各別に落し込み状態に装填されるスライドファスナのスライダー用引手に於いて、
一方の装飾体(3)は、該装飾体(3)を落し込む透孔が形成された第1シート部の積層側の面に熱溶着される熱溶着シートに固定され、
他方の装飾体(3)は、該装飾体(3)を落し込む透孔が形成された第2シート部の積層側の面に熱溶着される熱溶着シートに固定されている』構成を有している。
請求項5に係る発明では、請求項4に係る発明と同様、装飾体(3)が固定された熱溶着性シートは、第1シート部や第2シート部の積層側の面に熱溶着されるから、その製造の際に、第1シート部や第2シート部の表面に熱溶着時の焦げ跡が形成される心配がない。
又、第1シート部及び第2シート部に形成された透孔内に装飾体(3)(3)が落し込まれた構造であるから、装飾体(3)(3)が障害物に衝突し難く、脱落する心配が少ない。
本発明は次の特有の効果を有する。
請求項1〜5に係る発明では、装飾体(3)が固定された熱溶着性シートを第1シート部又は第2シート部の積層側の面に熱溶着するから、前記第1シート部や第2シート部の表面が加熱されず、該表面に加熱による焦げ跡が形成される不都合がない。
又、第1シート部や第2シート部に形成された透孔内に装飾体(3)が落とし込まれた構造であるから、装飾体(3)が障害物に衝突し難く、脱落する心配が少ない。
請求項1〜5に係る発明では、装飾体(3)が固定された熱溶着性シートを第1シート部又は第2シート部の積層側の面に熱溶着するから、前記第1シート部や第2シート部の表面が加熱されず、該表面に加熱による焦げ跡が形成される不都合がない。
又、第1シート部や第2シート部に形成された透孔内に装飾体(3)が落とし込まれた構造であるから、装飾体(3)が障害物に衝突し難く、脱落する心配が少ない。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。
本発明の実施の形態に係るスライドファスナのスライダー用引手は、図4のように構成されている。
本発明の実施の形態に係るスライドファスナのスライダー用引手は、図4のように構成されている。
柔軟シート(5)は長手方向の中央部で二つに折り畳まれており、これにより表裏のシート部(51)(52)(既述発明特定事項たる「第1,第2シート部」に対応する。)が積層された摘み片(8)が形成されている。
前記摘み片(8)の折返し側の端部には、スライドファスナのスライダー(7)に連結する為の連結金具(10)が設けられていると共に、前記積層部に於いて表シート部(51)を表裏に貫通する透孔(50)が形成されている。又、透孔(50)に落し込み状態に装填された装飾体(3)は、透孔(50)を覆う態様で表シート部(51)の内面(積層側の面)に熱溶着される熱溶着性シート(4)に固定されている。
前記摘み片(8)の折返し側の端部には、スライドファスナのスライダー(7)に連結する為の連結金具(10)が設けられていると共に、前記積層部に於いて表シート部(51)を表裏に貫通する透孔(50)が形成されている。又、透孔(50)に落し込み状態に装填された装飾体(3)は、透孔(50)を覆う態様で表シート部(51)の内面(積層側の面)に熱溶着される熱溶着性シート(4)に固定されている。
本実施の形態に係るスライダー用引手の製造方法は、装飾体(3)の裏面に熱溶着性シート(4)が溶着固定されたシート付装飾体(D)を製造する工程(図1)と、該シート付装飾体(D)を帯状の柔軟シート(5)に熱溶着した(熱溶着工程)後に該柔軟シート(5)を二つ折りして周縁を縫合する工程(図2〜図4)を備えている。
図1は、シート付装飾体(D)を製造する工程の斜視図である。
布生地(60)とその表面の熱溶着層(61)から成る長尺布(6)と、裏面に熱溶着層(33)が形成されたガラスビーズ等の装飾体(3)を準備し、装飾体(3)を長尺布(6)の表面に載置した後、載置した装飾体(3)と長尺布(6)を一体的に下方ヒータブロック(62)と上方押圧ブロック(63)で加熱挟圧すると、装飾体(3)の熱溶着層(33)と長尺布(6)の熱溶着層(61)が溶融して結合される。尚、長尺布(6)の表面の熱溶着層(61)の溶着力が大きい場合は、装飾体(3)の熱溶着層(33)は必ずしも必要ない。
布生地(60)とその表面の熱溶着層(61)から成る長尺布(6)と、裏面に熱溶着層(33)が形成されたガラスビーズ等の装飾体(3)を準備し、装飾体(3)を長尺布(6)の表面に載置した後、載置した装飾体(3)と長尺布(6)を一体的に下方ヒータブロック(62)と上方押圧ブロック(63)で加熱挟圧すると、装飾体(3)の熱溶着層(33)と長尺布(6)の熱溶着層(61)が溶融して結合される。尚、長尺布(6)の表面の熱溶着層(61)の溶着力が大きい場合は、装飾体(3)の熱溶着層(33)は必ずしも必要ない。
次に、装飾体(3)の外周より一回り大きな輪郭線(C)に沿って抜き型(64)(65)で長尺布(6)を上下から打ち抜くと、該打ち抜きによって形成された熱溶着性シート(4)と、その表面に溶着固定された装飾体(3)とから成るシート付装飾体(D)が得られる。即ち、熱溶着性シート(4)を構成する布生地(60)と装飾体(3)が熱溶着層(61)(33)にて熱溶着されたシート付装飾体(D)が得られる。
次に、図2に示すように、合成皮革や本皮等の厚手のシートを打ち抜いて形成した帯状の柔軟シート(5)に開設された透孔(50)に、シート付装飾体(D)の装飾体(3)を嵌入すると共に、熱溶着性シート(4)の熱溶着層(61)を柔軟シート(5)の内面(53)(折り返し後に内側となる面)に重ね合わせる。その後、熱溶着性シート(4)に熱板を押し付け、これにより、熱溶着製シート(4)の装飾体(3)からの食み出し領域(外周域)を柔軟シート(5)に加熱押圧すると、熱溶着性シート(4)の片面に形成された熱溶着層(61)が柔軟シート(5)に溶着される。この場合、柔軟シート(5)の表面(54)は加熱されないから、該柔軟シート(5)の表面(54)には、図7の焦げ跡(23)に相当するもの形成されず、見苦しくなるのが防止できる。
次に、矩形枠状の連結金具(10)を柔軟シート(5)に外嵌してこれを長手方向の中央部に位置させ、その後、柔軟シート(5)を連結金具(10)の装着部で折返し、重なった表裏のシート部(51)(52)の周縁を縫合すると、図4に示す、スライドファスナのスライダー用引手が完成する。
このものでは、図4に示すスライダー用引手の連結金具(10)をスライドファスナ(7)に適宜連結して使用するが、装飾体(3)は、摘み片(8)の表シート部(51)に形成された透孔(50)内に落し込み状態に装着されており、該装飾体(3)は摘み片(8)の表面に突出しない。従って、装飾体(3)が障害物に衝突し難く、脱落する心配が少ない。
尚、上記実施の形態では、摘み片(8)の表シート部(51)の内面(53)(積層側の面)に於ける透孔(50)の外周に熱溶着性シート(4)を溶着したが、図2の想像線で示すように、熱溶着性シート(4)の布生地(60)側の面に、装飾体(3)を熱溶着層(33)で熱溶着すると共に、熱溶着性シート(4)の裏面(装飾体(3)の反対側の面)の熱溶着層(61)を摘み片(8)の裏シート部(52)の積層側の面(内面)に熱溶着し、その後、裏シート部(52)を表シート部(51)上に折り返した後、裏シート部(52)と表シート部(51)の周縁を縫合してもよい。
図5は、摘み片(8)の表裏シート部(51)(52)の夫々に、積層状態で合致する位置に透孔(50)(50)が各別に形成され、各透孔(50)(50)に装飾体(3)(3)が落し込み状態に装填された状態の断面図である。このものでは、既述図2を用いて説明した製造方法と同様に、表シート部(51)の透孔(50)部分に装飾体(3)を装着する作業を行なうと共に、これと同様の作業を、裏シート部(52)(この場合は、該裏シート部(52)にも装飾体(3)を装填する透孔(50)が形成されている)に対して行なうと、表裏のシート部(51)(52)の積層側の面である内面(53)に於ける透孔(50)(50)の外周域に熱溶着性シート(4)が熱溶着層(61)(61)で溶着され、これら表裏のシート部(51)(52)の透孔(50)(50)に装飾体(3)(3)が落し込み状態に装着される。このものでも、装飾体(3)(3)は、透孔(50)(50)に落とし込まれた構造であるから、これらが障害物に衝突し難く、脱落する心配が少ない。又、表裏のシート部(51)(52)の表面に、熱溶着製シート(4)の熱溶着時に於ける加熱の際の焦げ跡が形成される不都合がない。
上記各実施の形態では、スライドファスナのスライダー用引手に本発明を適用した場合を例示的に説明したが、図4や図5に示す構成のものを、装飾品として、衣服や身の回り品に取り付けるようにしてもよい。
(3)・・・装飾体
(4)・・・熱溶着性シート
(8)・・・摘み片
(50)・・・透孔
(4)・・・熱溶着性シート
(8)・・・摘み片
(50)・・・透孔
Claims (5)
- 第1シート部と第2シート部が積層状態に結合一体化された摘み片を具備し、
前記積層部に於いて前記第1シート部を表裏に貫通する透孔が形成され、
前記透孔に装飾体(3)が落し込み状態に装填されるスライドファスナのスライダー用引手の製造方法に於いて、
前記装飾体(3)に対して外周域が食み出すように熱溶着性シートが固定されたシート付装飾体(D)を用い、
前記熱溶着性シートの前記食み出した外周域を、積層前に於ける前記第1シート部又は前記第2シート部の積層側の面に加熱押圧して熱溶着することにより、前記シート付装飾体(D)を前記第1シート部又は前記第2シート部に固定する熱溶着工程と、
前記熱溶着工程後に、前記第1シート部と第2シート部を前記積層状態に結合一体化することで前記装飾体(3)を前記透孔部に保持する工程と、を具備する、スライドファスナのスライダー用引手の製造方法。 - 第1シート部と第2シート部が積層状態に結合一体化された摘み片を具備し、
前記第1シート部と第2シート部の夫々には、前記積層状態で合致する位置に前記透孔が各別に形成され、
前記透孔の夫々に装飾体(3)が落し込み状態に装填されるスライドファスナのスライダー用引手の製造方法に於いて、
前記装飾体(3)に対して外周域が食み出すように熱溶着性シートが固定された二個のシート付装飾体(D)を用い、
各シート付装飾体(D)に於ける装飾体(3)を、積層前に於ける第1シート部と第2シート部の積層側の面側から前記透孔に各別に嵌入すると共に、該嵌入した透孔の外周に前記熱溶着性シートの前記食み出した外周域を加熱押圧して熱溶着し、これにより、前記各シート付装飾体(D)を前記第1シート部及び第2シート部に固定する熱溶着工程と、
前記熱溶着工程後に、前記第1シート部と第2シート部を前記積層状態に結合一体化する工程と、を具備する、スライドファスナのスライダー用引手の製造方法。 - 請求項1又は請求項2に記載のスライドファスナのスライダー用引手の製造方法に於いて、
前記シート付装飾体(D)は、前記装飾体(3)を前記熱溶着性シートに熱溶着することで製造される、スライドファスナのスライダー用引手の製造方法。 - 第1シート部と第2シート部が積層状態に結合一体化された摘み片を具備し、
前記積層部に於いて前記第1シート部を表裏に貫通する透孔が形成され、
前記透孔には装飾体(3)が落し込み状態に装填されるスライドファスナのスライダー用引手に於いて、
前記装飾体(3)は、前記透孔を覆う態様で第1シート部又は第2シート部の積層側の面に熱溶着される熱溶着性シートに固定されている、スライドファスナのスライダー用引手。 - 第1シート部と第2シート部が積層状態に結合一体化された摘み片を具備し、
前記第1シート部と第2シート部の夫々には、前記積層状態で合致する位置に前記透孔が各別に形成され、
前記透孔の夫々に装飾体(3)(3)が各別に落し込み状態に装填されるスライドファスナのスライダー用引手に於いて、
一方の装飾体(3)は、該装飾体(3)を落し込む透孔が形成された第1シート部の積層側の面に熱溶着される熱溶着シートに固定され、
他方の装飾体(3)は、該装飾体(3)を落し込む透孔が形成された第2シート部の積層側の面に熱溶着される熱溶着シートに固定されている、スライドファスナのスライダー用引手。
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---|---|---|---|
JP2007173884A JP2009011425A (ja) | 2007-07-02 | 2007-07-02 | スライドファスナのスライダー用引手及び、その製造方法 |
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JP2009011425A true JP2009011425A (ja) | 2009-01-22 |
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JP (1) | JP2009011425A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20120284971A1 (en) * | 2011-05-09 | 2012-11-15 | Glenn Edward Roberts | Zipper grip |
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2007
- 2007-07-02 JP JP2007173884A patent/JP2009011425A/ja active Pending
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US20120284971A1 (en) * | 2011-05-09 | 2012-11-15 | Glenn Edward Roberts | Zipper grip |
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