JP2009009034A - 磁性キャリア及び二成分系現像剤 - Google Patents

磁性キャリア及び二成分系現像剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、上述のごとき問題点を解決した磁性キャリア及び二成分系現像剤を提供するものである。即ち、本発明の目的は、本発明の磁性キャリアを使用することで、長期使用時にもトナーに安定した摩擦帯電量を付与し続けることができるとともに、耐久後放置した場合にも、摩擦帯電量の変化を抑制することが可能となる。さらに、安定した階調性を得るためにトナーの摩擦帯電量を高くした場合にも、トナーを効率良く現像し、画像濃度の低下を抑制することができる磁性キャリア及び二成分系現像剤を提供することにある。
【解決手段】 本発明は、磁性体粒子及び結着樹脂を少なくとも含有する磁性キャリアにおいて、該磁性体粒子の等電点がpH4.0以下であることを特徴とする磁性キャリア。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法,静電記録法、静電印刷法に用いられる磁性キャリア及び該磁性キャリアとトナーを有する二成分系現像剤に関するものである。
電子写真法において静電荷像を現像する工程は、帯電させたトナー粒子を静電荷像の静電相互作用を利用して静電荷像上に画像形成を行うものである。静電荷像をトナーを用いて現像するための現像剤のうち、一成分系現像剤と、非磁性トナーを磁性キャリアと混合した二成分系現像剤がある。特に高画質を要求されるフルカラー複写機又はフルカラープリンタには後者が好適に用いられている。
二成分系現像剤のトナーは理想的には静電潜像担持体上の所望の像領域へ優先的に引きつけられるような適切な帯電性および電荷の大きさを有していなければならない。又、磁性キャリアは長期間の使用中、常にトナーを所望とする極性で、かつ、充分な帯電量に摩擦帯電していなければならない。特に磁性キャリアを磁気ブラシ現像法で用いる場合には、磁性キャリアは適切な磁性も帯びなければならない。
そこで、磁気ブラシ現像法で用いる磁性キャリアとして、鉄粉キャリア、フェライトキャリアあるいは磁性体微粒子を分散させた磁性体分散型キャリア等が開発され、実用化されている。
それらの中でも磁性体分散型キャリアは、鉄粉キャリアやフェライトキャリアより真比重やかさ密度が小さいため、トナーのスペント化、機械的な摩耗による特性の変化がしにくい。そのため二成分系現像剤には磁性体分散型キャリアが好適に用いられている(特許文献1〜3)。
また二成分系現像剤は、磁性キャリアの性能により出力画像の品質が大きく左右される。特に磁性キャリア中の磁性体粒子は、磁性キャリアの性能に大きく影響する。それは、磁性キャリア中には磁性体粒子が相当量分散しているため、磁性体粒子の種類が、磁性キャリアの摩擦帯電性、耐摩耗性、流動性に大きく影響している。そのため、従来から磁性体粒子に関して数々の提案が行われている。
特に、磁性体粒子の特性改善のために磁性体粒子の生成反応中にケイ素を添加する製造法の検討が行われている。具体的には、マグネタイト結晶が形成される前に水可溶性リン化合物をFeに対してP換算で0.1質量%以上5.0質量%以下、水可溶性アルミニウム化合物をFeに対してAl換算で0.1質量%以上5.0質量%以下、及び水溶性ケイ素化合物をFeに対してSi換算で5.0質量%以下を添加した磁性体粒子が提案されている(特許文献4)。上記磁性体粒子を用いた磁性キャリアは、飽和磁束密度を損なわない範囲で、残留磁束密度が低い磁性体粒子を得ることが可能となるため、耐磨耗性に優れている。
また、第一鉄塩水溶液のマグネシウム成分に、pHを6〜10の範囲で調整しながらケイ酸化合物を添加した磁性体粒子を磁性キャリアに使用した特許が提案されている(特許文献5)。上記磁性キャリアは残留磁化が低く、且つ流動性が高いので長期耐久時の耐磨耗性、耐スペント性に優れている。
しかしながら、これらの磁性キャリアを写真や印刷物などの画像面積が比較的高い画像で長期耐久すると、トナー及び外添剤の付着による現像性の低下や、耐久後放置した場合に摩擦帯電量が低下するといった問題が生じる場合がある。
このように、磁性キャリアに要求される特性は多様であるが、長期にわたって、トナーに適切な電荷量や電荷分布を安定して付与し続けることが求められいる。そのため、磁性キャリアが好適な電気的性質を有し、トナーや磁性キャリア、現像部材に対する耐衝撃性、耐摩擦性に優れ、長期使用においても、帯電性付与能が変化しないことが重要となる。
特に近年は、プリントオンデマンド(POD)が注目されている。このデジタル印刷技術は、製版工程を経ずに直接印刷するものである。そのため、小ロット印刷、短納期の需要に対応可能で、1枚毎に内容を変えた印刷(バリアブル印刷)や、ひとつのデータから通信機能を利用して複数の出力機を動かす分散印刷にも対応していけることから、従来のオフセット印刷に対してアドバンテージがある。
電子写真方式による画像形成方法のPOD市場では、安定した階調性が得られること、色味安定性は必須条件となっている。安定した階調を形成するには、トナーの摩擦帯電量を上げていくことがひとつの解となるが、トナーの摩擦帯電量を上げていくと、トナーとキャリアの表面との静電的付着力が大きくなるため現像性が低下し、画像濃度の低下が起こることがある。高摩擦帯電量のトナーを効率よく現像し、高解像度、高精細画像を達成し、画像色域、彩度、明度を損なわず、良好な画像品質を、連続使用時にも安定して発現するトナー及び現像剤が待望されている。
特開昭59−31967号 特開昭59−24416号 特開昭58−136052号 特開平10−101339号 特開2002−328493号
本発明の目的は、上述のごとき問題点を解決した磁性キャリア及び二成分系現像剤を提供するものである。
即ち、本発明の目的は、本発明の磁性キャリアを使用することで、長期使用時にもトナーに安定した摩擦帯電量を付与し続けることができるとともに、耐久後放置した場合にも、摩擦帯電量の変化を抑制することが可能となる。さらに、安定した階調性を得るためにトナーの摩擦帯電量を高くした場合にも、トナーを効率良く現像し、画像濃度の低下を抑制することができる磁性キャリア及び二成分系現像剤を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、下記の本発明の構成にすることで、上記要求を満足できることを見いだし、本発明に至った。
(1)本願に係る第1の発明は、磁性体粒子及び結着樹脂を少なくとも含有する磁性キャリアにおいて、該磁性体粒子の等電点がpH4.0以下であることを特徴とする磁性キャリア。
(2)本願に係る第2の発明は、該磁性体粒子の表面に、SiOが0.8質量%以上20.0質量%以下存在することを特徴とする上記(1)に記載の磁性キャリア。
(3)本願に係る第3の発明は、該磁性体粒子の相対蒸気圧50%における吸着水分量が、単位質量当たりの被覆SiO量に対して、1.0質量%以上100.0質量%以下であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の磁性キャリア。
(4)本願に係る第4の発明は、該磁性体粒子を、空気中において温度160℃で1時間熱処理したときに、磁性体粒子中に10質量%以上のFe2+が含有されていることを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の磁性キャリア。
(5)本願に係る第5の発明は、該磁性体粒子の個数平均粒径が0.08μm以上0.50μm以下であることを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の磁性キャリア。
(6)本願に係る第6の発明は、該磁性キャリアは重合法によって得られたものであることを特徴とする上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の磁性キャリア。
(7)本願に係る第7の発明は、結着樹脂、着色剤及び離型剤を少なくとも含有するトナー粒子と外添剤とを有するトナーと、磁性キャリアとを少なくとも有する二成分系現像剤において、該磁性キャリアは、上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の磁性キャリアであることを特徴とする二成分系現像剤。
(8)該トナーは、重量平均粒径(D4)が3.0μm以上8.0μm以下であり、画像処理解像度512×512画素(1画素あたり0.37μm×0.37μm)のフロー式粒子像測定装置によって計測された円形度を、0.200〜1.000の円形度範囲に800分割し解析された平均円形度が0.940以上0.985以下であることを特徴とする上記(7)に記載の二成分系現像剤。
本発明の磁性キャリアによれば、磁性体粒子の等電点をpH4.0以下とし、最表面をSiOにより被覆した磁性体粒子を含むことにより、流動性、離形性に優れた抵抗の高い磁性キャリアを得ることができる。その結果、環境に依らず、長期間使用した場合にも、トナーに安定した摩擦帯電量を付与し、放置による摩擦帯電量の低下が少ない、高画質な画像を提供することができる。さらに、安定した諧調性を得るためにトナーの摩擦帯電量を高くした場合にも、トナーの現像効率を高く維持することができ、十分な濃度の画像を提供する。
本発明者らは、磁性キャリアの構成材料について検討を進め、特に磁性体粒子の等電点、吸着水分量、熱処理後のFe2+含有量が、トナーへの摩擦帯電性、現像性、環境安定性と密接な関係があることを見いだした。
即ち本発明者らは、磁性体粒子の等電点がpH4.0以下であることを特徴とする磁性キャリアが、トナーの立ち上がり性を向上させ、高温高湿下で使用しても高い画像品質が安定して得られ、経時において画像欠陥を生じないということを見いだした。
本発明に用いられる磁性体粒子は、等電点がpH4.0以下、より好ましくはpH3.0以下、即ち酸性領域にある磁性体粒子であるものがよい。
等電点がpH4.0以下、即ち酸性領域にある磁性体粒子は、一般的に結着樹脂との分散性、結着性に良好な傾向を示す。
等電点が4.0より大きいと、流動性が低下しやすくなるために、キャリア中での磁性体の分散性が悪化する場合がある。そのため磁性体の凝集により異形粒子が生成しやすくなり、トナーへの帯電が不均一になり、帯電量の分布がブロードになりやすい。その結果、写真等の高い印字面積の画像を多数枚現像したときに、カブリが発生してしまう場合がある。磁性体粒子の均一な分散により、帯電分布をシャープにすることが可能となり、カブリを抑制することができる。
本発明に用いられる磁性体粒子は、磁性体表面にSiOが0.8質量%以上20.0質量%以下存在するものが良い。
SiOが磁性体粒子表面に存在することにより、離形性の向上によりトナーや外添剤による磁性キャリアへのスペント抑制、そしてトナーと磁性キャリアの付着力低減により効率良くトナー現像することができる。また、非磁性無機化合物であるSiOが磁性体表面に存在することにより、磁性キャリアの体積抵抗が高くなる傾向があり、高湿高温下でも高い帯電量を保持することができる。
SiOが0.8質量%未満であると、SiOが磁性体表面を十分覆うことができないため、長期使用時にトナーや外添剤による磁性キャリアへのスペントが生じやすくなる。その結果、磁性キャリアの帯電付与能力が低下し、カブリが低下する場合がある。
また、SiOが20.0質量%より多いと、磁性キャリアの体積抵抗が高くため、磁性キャリアが感光ドラム上に付着しやすくなる。
即ち、本発明においては、磁性体粒子表面にSiOが0.8質量%以上20.0質量%以下存在することにより、磁性体表面を均一かつ十分に覆うことができる。その結果、長期使用時にも安定した帯電性、高画質な現像性を有することができる。
本発明に用いられる磁性体粒子は、相対蒸気圧50%における吸着水分量が、単位質量当たりの被覆SiO量に対し、1.0質量%以上100.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1.0質量%以上50.0質量%以下である。
相対蒸気圧50%における吸着水分量が、単位質量当たりの被覆SiO量に対して、1.0質量%未満の場合、適度な吸着水分量がないためチャージアップが生じやすく、画像濃度低下の原因となる場合がある。
一方、相対蒸気圧50%における吸着水分量が、単位質量当たりの被覆SiO量に対して、100.0質量%を超える場合、高湿下で長期間放置したときに摩擦帯電量が低下する場合がある。その結果、放置後にプリントしたときにカブリが発生しやすくなる。
相対蒸気圧50%における本発明の磁性体粒子の吸着水分量は、磁性体粒子の平均粒径やSiOの含有量によって調整することが可能である。
さらに、本発明に用いられる磁性体粒子は、表面にSiOによる被覆層を有し、熱処理前においては磁性体粒子中に15質量%以上のFe2+の含有量を有し、熱処理後のFe2+の含有量が磁性体粒子中に10質量%以上であることが好ましい。ここで熱処理とは、空気中において温度160℃で1時間熱処理することである。
磁性体粒子が、熱処理前に15質量%以上のFe2+の含有量を有することにより、十分な磁気特性を有する観点からより一層効果的であり、かつ、熱処理後のFe2+の含有量が10質量%以上であることにより、耐久性に優れる。
熱処理後のFe2+の含有量が10質量%未満の場合、磁気特性が低下するため、キャリア付着が発生しやすくなる場合がある。
Fe2+の含有量は、試料を硫酸にて溶解し、過マンガン酸カリウム標準溶液を使用して酸化還元滴定にて測定することができる。また、Fe2+の含有量は、例えば磁性体粒子の種類や磁性体粒子に配合される非磁性材料の種類及び配合量、磁性体粒子を被覆する材料の種類及び被覆量や被覆状態の制御によって調整することができる。
また、本発明の磁性キャリアで使用する磁性体粒子は、個数平均粒径が0.08μm以上0.50μm以下であることが分散性及び磁気特性等の点で好ましい。個数平均粒径が0.08μm未満となる場合、磁性トナー中における磁性体粒子の再凝集等による分散不良を引き起こやすくなるため、像担持体への画像欠陥(リーク)が起きる場合があり好ましくない。個数平均粒径が0.50μmを超える場合、表面に存在する磁性体粒子が磁性キャリア表面から脱落し、トナーの色味を変化させる場合があり好ましくない。
また、磁性体粒子の個数平均粒径は、例えば、初期アルカリ濃度或いは酸化反応による粒子生成過程の制御によって調整することができる。
本発明における磁性体粒子は、磁気特性としては磁場795.8kA/m下で飽和磁化が10Am/kg以上200Am/kg以下であることが好ましく、より好ましくは70Am/kg以上100Am/kg以下である。また、残留磁化が1Am/kg以上100Am/kg以下であることが好ましく、より好ましくは2Am/kg以上20Am/kg以下である。また、抗磁力が1kA/m以上30kA/m以下であることが好ましく、より好ましくは2kA/m以上15kA/m以下である。このような磁気特性を有することで、磁性キャリアがキャリア付着の抑制と良好な現像性を得る観点から好ましい。
磁性体粒子の磁気特性は、磁性体粒子の種類や平均粒径、磁性体粒子に配合される非磁性体材料の種類及び配合量によって調整することができる。
本発明における磁性体粒子としては、異種元素を含有するマグネタイト、フェライト等の磁性酸化鉄およびその混合物がいずれも使用可能であるが、好ましくはFeO含有量の高いマグネタイトを主成分とするものである。マグネタイト粒子は、一般的に第一鉄塩水溶液とアルカリ溶液とを中和混合して得られた水酸化第一鉄スラリーを酸化することにより得られる。
本発明における被覆前の母体磁性体粒子は、さらに異種元素を含有する酸化鉄微粒子であって、より好ましくは、Si元素を含有していることがより好ましい。Si元素は、母体磁性体粒子の内表面両方に存在することが好ましく、母体磁性体粒子の製造過程において、Si元素を段階的に添加することにより、表面に優先的に存在させることがより好ましい。
母体磁性体粒子の表面がSi元素を含有することにより、表面に多数の細孔が生成しやすくなるため、さらにその外殻にSiOを被覆処理する際に、母体磁性体粒子の表面とSiOとの固着力をより一層向上させることができる。
Si元素の含有量は、Fe元素に対して、好ましくは0.1質量%以上1.5質量%以下、より好ましくは0.2質量%以上1.0質量%以下である。0.1質量%未満の場合、SiOとの固着力が不十分となることがあり、1.5質量%より多い場合には、被覆層との綿密さが損なわれ、母体磁性体粒子の平滑性が失われやすい。
本発明で用いられる磁性体粒子は、一般的なマグネタイト粒子の製造方法を用いて母体磁性体粒子を得たのち、本発明の目的を達成しうる吸着水分量、等電点に調整すべく、SiOで被覆処理することによって得られる。
母体磁性体粒子は、公知の磁性体粒子製造方法を用いても、特に問題は無いが、本発明において好ましい、Siを表面に優先的に有する母体磁性体粒子は、例えば、下記方法で製造される。
まず、第一鉄塩水溶液と、該第一鉄水溶液中のFe2+に対し0.90当量以上0.99当量以下の水酸化アルカリ水溶液とを反応させて得られた水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液に、酸素含有ガスを通気することによりマグネタイト粒子を生成させる。このとき、前記水酸化アルカリ水溶液または前記水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩のいずれかにあらかじめ水可溶性ケイ酸塩を鉄元素に対してSi元素換算で、全含有量(0.1質量%以上3.0質量%以下)の50%以上99%以下を添加し、85℃以上100℃以下の温度範囲で加熱しながら、酸素含有ガスを通気して酸化反応することにより、前記水酸化第一鉄コロイドからSi元素を含有する磁性酸化鉄粒子を生成させる。その後、酸化反応終了後の懸濁液中に残存するFe2+に対して1.00当量以上の水酸化アルカリ水溶液及び残りの水可溶性ケイ酸塩〔全含有量(0.4質量%以上2.0質量%以下)の1%以上50%以下〕を添加して、さらに85℃以上100℃以下の温度範囲で加熱しながら、酸化反応してSi元素を含有した磁性体粒子を生成させる。
次いで、濾過、水洗、乾燥、解砕することにより、本発明に係る母体磁性体粒子を得る。さらに、平滑度、比表面積を好ましい範囲に調整する方法として、例えばミックスマーラー等を用いて圧縮、せん断することが好ましい。
本発明に使用する母体磁性体粒子に使用するSiOは、市販のケイ酸ソーダ等のケイ酸塩類、加水分解等で生じるゾル状ケイ酸等のケイ酸が好ましい。
第一鉄塩としては、一般的に硫酸法チタン製造で副生する硫酸鉄、鋼板の表面洗浄に伴って副生する硫酸鉄の利用が可能である。さらに塩化鉄等の使用も可能である。
更に本発明においてその目的を達成するに好ましい磁性キャリアの構成を以下に詳述する。
本発明の磁性キャリアは、磁性体粒子を含有して用いる。磁性キャリアに用いる磁性体粒子の量としては、前記磁性キャリアに対して60質量%以上99質量%以下含有することが好ましい。99質量%を超えると、結着樹脂が不足するため磁性キャリアの機械的強度が弱くなる。また、60質量%未満の場合は、磁性キャリアの粒径によっては磁気力が小さくなるため、キャリア付着が発生してしまうことがある。
本発明の磁性キャリアに用いるコアは、本発明の磁性体を分散した状態で保持する結着樹脂とを含有する磁性体分散型樹脂キャリア、いわゆる樹脂キャリアを使用できる。
結着樹脂としては、ポリマー鎖中にメチレンユニットを有するビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース樹脂及びポリエーテル樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、混合して使用しても良い。
該ビニル樹脂を形成するためのビニル系モノマーとしては、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きエチレン及び不飽和モノオレフィン;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ジオレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等の如きハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル;メタクリル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;アクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル;マレイン酸、マレイン酸ハーフエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体;アクロレイン等が挙げられる。これらの中から一種又は二種以上使用して重合させたものが、前記ビニル樹脂として用いられる。
また、フェノール樹脂を生成するためのフェノール類としては、フェノール自体の他、m−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、o−プロピルフェノール、レゾルシノール、ビスフェノールAの如きアルキルフェノール類及びベンゼン核又はアルキル基の一部又は全部が塩素原子や臭素原子で置換されたハロゲン化フェノール類の如きフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられる。中でもフェノール(ヒドロキシベンゼン)が、より好ましい。
磁性体分散型樹脂コア粒子を製造する方法としては、バインダー樹脂のモノマーと磁性体を混合し、前記モノマーを重合して磁性体分散型コア粒子を得る方法がある。このとき、重合に用いられるモノマーとしては、前述したビニル系モノマーの他に、エポキシ樹脂を形成するためのビスフェノール類とエピクロルヒドリン;フェノール樹脂を形成するためのフェノール類とアルデヒド類;尿素樹脂を形成するための尿素とアルデヒド類、メラミンとアルデヒド類が用いられる。例えば、硬化系フェノール樹脂を用いた磁性体分散型コア粒子の製造方法としては、水性媒体に磁性体を入れ、この水性媒体中でフェノール類とアルデヒド類を塩基性触媒の存在下で重合して磁性体分散型コア粒子を得る方法がある。
磁性体分散樹脂コア粒子を製造する他の方法としては、まずビニル系又は非ビニル系の熱可塑性樹脂、磁性体、その他の添加剤を混合機により十分に混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き混練機を用いて溶融・混練する。これを冷却後、粉砕・分級を行って磁性体分散型コア粒子を得る方法がある。この際、得られた磁性体分散型コア粒子を熱あるいは機械的に球形化して前記樹脂キャリア用の磁性体分散型コア粒子として用いることが好ましい。本発明において、特にすぐれるコアの製法に用いられるバインダー樹脂としては、前述したなかでも、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂の如き熱硬化性樹脂が、耐久性、耐衝撃性、耐熱性に優れる点で好ましい。バインダー樹脂は、本発明の特性をより好適に発現せしめるためには、フェノール樹脂がより好ましい。
フェノール樹脂を生成するためのフェノール類としては、フェノール自体の他、m−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、o−プロピルフェノール、レゾルシノール、ビスフェノールAの如きアルキルフェノール類及びベンゼン核又はアルキル基の一部又は全部が塩素原子や臭素原子で置換されたハロゲン化フェノール類の如きフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられる。中でもフェノール(ヒドロキシベンゼン)が、より好ましい。
アルデヒド類としては、ホルマリン又はパラアルデヒドのいずれかの形態のホルムアルデヒド及びフルフラール等が挙げられる。中でもホルムアルデヒドが特に好ましい。
アルデヒド類のフェノール類に対するモル比は、1.0以上4.0以下が好ましく、特に好ましくは1.2以上3.0以下である。アルデヒド類のフェノール類に対するモル比が1.0より小さいと、粒子が生成し難しかったり、生成したとしても樹脂の硬化が進行し難いために、生成する粒子の強度が弱くなる傾向がある。一方、アルデヒド類のフェノール類に対するモル比が4.0よりも大きいと、反応後に水系媒体中に残留する未反応のアルデヒド類が増加する傾向がある。
フェノール類とアルデヒド類とを縮重合させる際に使用する塩基性触媒としては、通常のレゾール型樹脂の製造に使用されているものが挙げられる。このような塩基性触媒としては、例えば、アンモニア水、ヘキサメチレンテトラミン及びジメチルアミン、ジエチルトリアミン、ポリエチレンイミンの如きアルキルアミンが挙げられる。これら塩基性触媒のフェノール類に対するモル比は、0.02以上0.30以下が好ましい。
本発明の磁性キャリアは、磁性キャリアと共に用いるトナーの帯電量に合わせて、更に、その表面が適当なコート樹脂で被覆されているものであることが好ましい。コート樹脂で磁性体コアを被覆しても、磁性体粒子の効果を変わらなく発揮することができる。コート樹脂量としては、磁性体コア100質量部に対して0.1質量部以上5.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.1質量部以上2.0質量部以下である。
この際に使用するコート樹脂としては、絶縁性樹脂であることが好ましい。この場合に使用し得る絶縁性樹脂としては、熱可塑性の樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよい。具体的には、熱可塑性の樹脂としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートやスチレン−アクリル酸共重合体等のアクリル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン樹脂、フルオロカーボン樹脂、パーフロロカーボン樹脂、溶剤可溶性パーフロロカーボン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、石油樹脂、セルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、ノボラック樹脂、低分子量ポリエチレン、飽和アルキルポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレートと言った芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂等を挙げることができる。
また、熱硬化性樹脂としては、具体的には、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、或いは、無水マレイン酸とテレフタル酸と多価アルコールとの重縮合によって得られる不飽和ポリエステル、尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素−メラミン樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン、アセトグアナミン樹脂、グリプタール樹脂、フラン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂等を挙げることができる。
上述した樹脂は、単独でも使用できるが、夫々を混合して使用してもよい。また、熱可塑性樹脂に硬化剤等を混合し硬化させて使用することもできる。
特に好ましい形態は、シリコーン系の硬化樹脂であることである。帯電量をコントロールするために、アミノ基を含有するシラン化合物等を混合して用いるとより好ましい。
(現像剤)
本発明の二成分系現像剤に用いられるトナーは、結着樹脂及び着色剤を含有すればどのようなものでもかまわない。
本発明におけるトナー粒子に使用する着色剤としては、従来公知のトナーに使用されている染料や顔料の着色剤は何れも使用できる。本発明のトナー粒子の製造方法は特に限定されず、混練粉砕法、懸濁重合法、懸濁造粒法、乳化重合法、乳化凝集法、分散重合法等が用いられる。
また、トナーの重量平均粒径(D4)が3.0μm以上8.0μm以下であり、円相当径2.0μm以上のトナーに含まれる粒子の平均円形度が0.940以上0.985以下であることが転写性と現像性を両立させる上で好ましい。トナーの平均円形度が0.940より低い場合には、トナーと磁性キャリアの接触が不均一になり、帯電量の分布がブロードになり、カブリが生じやすい。トナーの平均円形度が0.985を超えると、転写効率はかなり良くなる反面、耐久が進むとトナーが徐々に劣化し、転写性も劣るようになるとクリーニング不良を起こしやすくなることがある。トナーの平均円形度は、トナー粒子の製造方法や、トナー粒子に機械的な力や熱をかけることによる公知の球形化処理方法によって調整することが可能である。
前記トナーの重量平均粒径(D4)が、3.0μm以上8.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは5.0μm以上7.0μm以下である。このような重量平均粒径(D4)のトナーを用いることは、ハンドリング性を良好にしつつ、ドットの再現性十分に満足する上で好ましい。トナーの重量平均粒径が3.0μmより小さいと、トナーの比表面積が大きくなることから、帯電量をコントロールすることが難しくなり、現像性を低下させる場合がある。トナーの重量平均粒径が8.0μmを超えると、ドットの再現性に劣り、高画質化に課題を残す。トナーの重量平均粒径は、製造時におけるトナー粒子の分級や、分級品の混合等によって調整することが可能である。
以下、混練粉砕法によるトナー粒子の製造方法について詳しく説明する。
まず、本発明で使用できる結着樹脂について説明する。
本発明で使用する結着樹脂は、市販のものが使用できるが、好ましいのは(a)ポリエステル樹脂、(b)ポリエステルユニットとビニル系共重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂、(c)ハイブリッド樹脂とビニル系共重合体との混合物、(d)ポリエステル樹脂とビニル系共重合体との混合物、(e)ハイブリッド樹脂とポリエステル樹脂との混合物、及び(f)ポリエステル樹脂とハイブリッド樹脂とビニル系共重合体との混合物から選択される樹脂である。
結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いる場合は、多価アルコールと多価カルボン酸、もしくは多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステル等が原料モノマーとして使用できる。
具体的には、例えば二価アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
三価以上のアルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
2価の酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物、琥珀酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物、炭素数6〜12のアルキル基で置換された琥珀酸もしくはその無水物、フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物が挙げられる。
また、架橋部位を有するポリエステル樹脂を形成するための3価以上の多価カルボン酸成分としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸及び、これらの無水物やエステル化合物等が挙げられる。
それらの中でも、特に、下記一般式(イ)で代表されるビスフェノール誘導体をジオール成分とし、二価以上のカルボン酸又はその酸無水物、又はその低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等)を酸成分として、これらを縮重合したポリエステル樹脂が、カラートナーとして、良好な帯電特性を有するので好ましい。
Figure 2009009034
本発明に使用するトナーに含有される結着樹脂において、「ハイブリッド樹脂」とは、ビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットが化学的に結合された樹脂を意味する。具体的には、ポリエステルユニットと(メタ)アクリル酸エステルの如きカルボン酸エステル基を有するモノマーを重合したビニル系重合体ユニットとがエステル交換反応によって形成する樹脂であり、好ましくはビニル系重合体を幹重合体、ポリエステルユニットを枝重合体としたグラフト共重合体(あるいはブロック共重合体)である。なお、本発明において「ポリエステルユニット」とはポリエステルに由来する部分を示し、「ビニル系重合体ユニット」とはビニル系重合体に由来する部分を示す。ポリエステルユニットを構成するポリエステル系モノマーとしては、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分であり、ビニル系重合体ユニットとは、ビニル基を有するモノマー成分である。
ビニル系重合体ユニットを生成するためのビニル系モノマーとしては、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きスチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体等が挙げられる。
さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、前記α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
本発明に使用するトナーにおいて、結着樹脂のビニル系重合体ユニットは、ビニル基を二個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有していてもよい。この場合に用いられる架橋剤には、芳香族ジビニル化合物として例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げられ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられる。
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
本発明ではビニル系重合体ユニット及びポリエステルユニットのいずれか一方又は両方の中に、両樹脂ユニットの成分と反応し得るモノマー成分を含むことが好ましい。ポリエステル樹脂ユニットを構成するモノマーのうちビニル系重合体ユニットの成分と反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物などが挙げられる。ビニル系重合体ユニットを構成するモノマーのうちポリエステルユニットの成分と反応し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
ビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットの反応生成物を得る方法としては、先に挙げたビニル系重合体ユニット及びポリエステルユニットのそれぞれと反応しうるモノマー成分を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方もしくは両方の樹脂の重合反応を行うことにより得る方法が好ましい。
本発明に使用できるビニル系重合体ユニットを製造する場合に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートが挙げられる。
本発明に使用できるトナーに用いられるハイブリッド樹脂を調製できる製造方法としては、例えば、以下の(1)〜(6)に示す製造方法を挙げることができる。
(1)ビニル系重合体、ポリエステル樹脂及びハイブリッド樹脂をそれぞれ製造後にブレンドする方法であり、ブレンド品は、有機溶剤(例えば、キシレン)に前記樹脂成分を溶解・膨潤した後に有機溶剤を留去することによって製造される。尚、ハイブリッド樹脂には、ビニル系重合体とポリエステル樹脂を別々に製造後、少量の有機溶剤に溶解・膨潤させ、エステル化触媒及びアルコールを添加し、加熱することによりエステル交換反応を行って合成されるエステル化合物を用いることができる。
(2)ビニル系重合体製造後に、これの存在下にポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分はビニル系重合体ユニット(必要に応じてビニル系モノマーも添加できる)とポリエステルモノマー(多価アルコール、多価カルボン酸)との反応、及び前記ユニット及びモノマーと必要に応じて添加されるポリエステルとの反応により製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(3)ポリエステル樹脂製造後に、これの存在下にビニル系重合体ユニット及びハイブリッド樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分はポリエステルユニット(必要に応じてポリエステルモノマーも添加できる)とビニル系モノマーとの反応、及び前記ユニット及びモノマーと必要に応じて添加されるビニル系重合体ユニットとの反応により製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(4)ビニル系重合体及びポリエステル樹脂製造後に、これらの重合体ユニット存在下にビニル系モノマー及びポリエステルモノマー(多価アルコール、多価カルボン酸)のいずれか一方又は両方を添加し、添加したモノマーに応じた条件の重合反応を行うことにより、ハイブリッド樹脂成分を製造することができる。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(5)ハイブリッド樹脂を製造後、ビニル系モノマー及びポリエステルモノマー(多価アルコール、多価カルボン酸)のいずれか一方又は両方を添加して、付加重合及び縮重合反応のいずれか一方又は両方を行うことにより、ビニル系重合体ユニット及びポリエステルユニットを製造する。この場合、ハイブリッド樹脂成分には、上記(2)乃至(4)の製造方法により製造されるものを使用することもでき、必要に応じて公知の製造方法により製造されたものを使用することもできる。さらに、適宜、有機溶剤を使用することができる。
(6)ビニル系モノマー及びポリエステルモノマー(多価アルコール、多価カルボン酸等)を混合して付加重合及び縮重合反応を連続して行うことによりビニル系重合体ユニット、ポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂成分が製造される。さらに、適宜、有機溶剤を使用することができる。
上記(1)〜(6)の製造方法において、ビニル系重合体ユニット及びポリエステルユニットには、分子量や架橋度の異なる複数種の重合体ユニットを使用することができる。なお、本発明におけるビニル系重合体又はビニル系重合体ユニットとは、ビニル系単重合体若しくはビニル系共重合体又はビニル系単重合体ユニット若しくはビニル系共重合体ユニットを意味するものである。
また、本発明に使用するトナーは、離型剤としてのワックスを含有していることが、定着性を著しく向上することができるため好適に用いられる。
本発明に用いることができるワックスの一例としては、次のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス、また酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、またはそれらのブロック共重合物;カルナバワックス、ベヘン酸ベヘニル、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、及び脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸等の脂肪酸類とステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール等のアルコール類のエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
本発明において特に好ましく用いることができるワックスとしては、脂肪族炭化水素系ワックス及び脂肪酸とアルコールのエステルであるエステル化物が挙げられる。例えば、アルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触媒又はメタロセン触媒で重合した低分子量のアルキレンポリマー;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポリマー;一酸化炭素及び水素を含む合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から、あるいはこれらを水素添加して得られる合成炭化水素ワックスがよい。さらにプレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により炭化水素ワックスの分別を行ったものが、より好ましく用いられる。母体としての炭化水素は、金属酸化物系触媒(多くは2種以上の多元系)を使用した一酸化炭素と水素の反応によって合成されるもの[例えばジントール法、ヒドロコール法(流動触媒床を使用)によって合成された炭化水素化合物];ワックス状炭化水素が多く得られるアーゲ法(同定触媒床を使用)により得られる炭素数が数百ぐらいまでの炭化水素;エチレンなどのアルキレンをチーグラー触媒により重合した炭化水素が、分岐が少なくて小さく、飽和の長い直鎖状炭化水素であるので好ましい。特にアルキレンの重合によらない方法により合成されたワックスがその分子量分布からも好ましいものである。また、パラフィンワックスも好ましく用いられる。
本発明に使用するトナーに用いられる着色剤としては、公知の染料または/及び顔料が使用される。顔料単独使用でもかまわないが、染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像形成装置を用いた場合、好ましい。
マゼンタトナー用着色顔料しては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペルリン化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、150、163、166、169、177、184、185、202、206、207、209、220、221、254、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35などが挙げられる。
マゼンタトナー用染料としては、C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27、C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28などの塩基性染料が挙げられる。
シアントナー用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、7、15:2、15:3、15:4、16、17、60、62、66;C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45または下記式(ロ)で示される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料などが挙げられる。
Figure 2009009034
〔式中、nは1〜5の整数を示す。〕
イエロー用着色顔料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74,83、93、95、97,109、110、111、120、127、128、129、147、155、168、174、180、181、185、191、C.I.バットイエロー1、3、20などである。また、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、ソルベントイエロー162などの染料も使用することができる。
本発明に用いることができる黒色着色剤としてカーボンブラック、酸化鉄粒子、上記に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用できる。
また、本発明に使用するトナーにおいて、本発明の結着樹脂に予め、着色剤を混合し、マスターバッチ化させたものを用いることが好ましい。そして、この着色剤マスターバッチとその他の原材料(結着樹脂及びワックス等)を溶融混練させることにより、トナー中に着色剤を良好に分散させることが出来る。
本発明に使用可能な樹脂を用い着色剤をマスターバッチ化させる場合、多量の着色剤を用いた場合においても着色剤の分散性を悪化させず、また、トナー粒子中における分散性を良化し、混色性や透明性等の色再現性の優れる。また、転写材上でのカバーリングパワーが大きいトナーを得ることが出来る。また、着色剤の分散性が良化することにより、トナー帯電性の耐久安定性が優れ、高画質を維持した画像を得ることが出来る。
トナー中における着色剤の使用量は、色再現性及び現像性の点で、結着樹脂100質量部に対して好ましくは0.1質量部以上15.0質量部以下、より好ましくは0.5質量部以上12.0質量部以下、最も好ましくは2.0質量部以上10.0質量部以下である。
本発明に使用するトナーには、その帯電性を安定化させるために公知の荷電制御剤を用いることができる。荷電制御剤は、荷電制御剤の種類や他のトナー粒子構成材料の物性等によっても異なるが、一般に、トナー粒子中に結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下含まれることが好ましく、0.1質量部以上5.0質量部以下含まれることがより好ましい。このような荷電制御剤としては、トナーを負帯電性に制御するものと、正帯電性に制御するものとが知られており、トナーの種類や用途に応じて種々のものを一種又は二種以上用いることができる。
負帯電性荷電制御剤としては、サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ダイカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン等が利用できる。正帯電性荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩、前記四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物等が利用できる。荷電制御剤はトナー粒子に対して内添しても良いし外添しても良い。
特に、本発明に使用できるカラートナーでは、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して維持できる芳香族カルボン酸金属化合物が好ましい。
次に、混練粉砕法の製造手順について説明する。
まず、原料混合工程では、トナー内添剤として、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等が挙げられる。
更に、上記で配合し、混合したトナー原料を溶融混練して、結着樹脂類を溶融し、その中に着色剤等を分散させる。その溶融混練工程では、例えば、加圧ニーダー、バンバリィミキサー等のバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。近年では、連続生産できる等の優位性から、1軸または2軸押出機が主流となっており、例えば、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出機、東芝機械社製TEM型2軸押出機、ケイ・シー・ケイ社製2軸押出機、ブス社製コ・ニーダー等が一般的に使用される。更に、トナー原料を溶融混練することによって得られる着色樹脂組成物は、溶融混練後、2本ロール等で圧延され、水冷等で冷却する冷却工程を経て冷却される。
そして一般的には上記で得られた着色樹脂組成物の冷却物は、次いで、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、まず、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミル等で粗粉砕され、更に、川崎重工業社製のクリプトロンシステム、日清エンジニアリング社製のスーパーローター等で粉砕される。その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)等の分級機等の篩分機を用いて分級し、重量平均粒径3.0μm以上11.0μm以下の分級品を得る。
必要に応じて、表面改質工程で表面改質、球形化処理、例えば奈良機械製作所製のハイブリタイゼーションシステム、ホソカワミクロン社製のメカノフージョンシステムを行い、トナー粒子とすることもできる。
また、懸濁重合法によるトナー粒子の製造方法について詳しく説明する。
重合性単量体中に、着色剤、その他必要によりワックスの如き低軟化点物質、極性樹脂、荷電制御剤、重合開始剤を加え、ホモジナイザー又は超音波分散機によって均一に溶解又は分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤を含有する水相中に攪拌機、ホモジナイザー又はホモミキサーにより分散せしめる。この際、好ましくは単量体組成物の液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように、攪拌速度や時間を調整し、造粒する。その後は、分散安定剤の作用により、単量体組成物の粒子状態が維持され、且つ単量体組成物の粒子の沈降が防止される程度の攪拌を行えばよい。重合温度は40℃以上、一般的には50℃以上90℃以下の温度に設定して行うのがよい。重合反応後半に昇温してもよく、更に、トナー定着時の臭いの原因になる未反応重合性単量体や副生成物を除去するために、反応後半又は反応終了時に一部の水又は一部の水系媒体を留去してもよい。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄及び濾過により回収し乾燥する。懸濁重合法においては、通常単量体組成物100質量部に対して水300質量部以上3,000質量部以下を分散媒体として使用するのが好ましい。
トナー粒子の粒度分布制御や粒径の制御は、造粒時の水系媒体のpH調整、難水溶性の無機塩や保護コロイド作用をする分散剤の種類や添加量を変える方法や、機械的装置のローターの周速、パス回数及び攪拌羽根形状、攪拌条件、容器形状又は水溶液中での固形分濃度を制御することにより行える。
懸濁重合に用いられる重合性単量体としては、スチレン;o−(m−、p−)メチルスチレン、m−(p−)エチルスチレンの如きスチレン誘導体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルの如き(メタ)アクリル酸エステル系単量体;ブタジエン、イソプレン、シクロヘキセン、(メタ)アクリロニトリル、アクリル酸アミドが挙げられる。
重合時に添加する極性樹脂としては、スチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体、マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
本発明で使用される低軟化点物質としては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、フィッシャートロプッシュワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、エステルワックス及びこれらの誘導体、又はこれらのグラフト/ブロック化合物が挙げられる。
本発明に用いられる荷電制御剤としては、公知のものが使用できるが、重合阻害性がなく水系媒体への可溶成分のない荷電制御剤が特に好ましい。具体的化合物としては、ネガ系としてサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸、それらの誘導体の金属化合物、スルホン酸を側鎖に持つ高分子化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、珪素化合物、カリックスアレンが挙げられる。ポジ系としては4級アンモニウム塩、該4級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。該荷電制御剤の使用量は重合性単量体100質量部に対し0.2質量部以上10.0質量部以下が好ましい。
本発明で使用される重合開始剤としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチルニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチルニトリルの如きアゾ系重合開始剤、ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロキシペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドの如き過酸化物系重合開始剤が用いられる。該重合開始剤の添加量は、目的とする重合度により変化するが一般的には重合性単量体に対して0.5質量%以上20.0質量%以下(重合性単量体基準)の割合で用いられる。重合開始剤の種類は重合法により若干異なるが、10時間半減期温度を参考に単独又は混合し利用される。
懸濁重合の分散剤としては、無機系酸化物として、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタ珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ、磁性体、フェライトが挙げられる。有機系化合物としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプンが挙げられる。これらの分散剤は、重合性単量体100質量部に対して0.2質量部以上2.0質量部以下の割合で使用するのが好ましい。
分散剤は市販のものをそのまま用いてもよいが、細かい均一な粒度を有する分散粒子を得るために、分散媒中にて高速攪拌下にて無機化合物を生成させて得ることもできる。例えば、リン酸カルシウムの場合は、高速攪拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合することで懸濁重合法に好ましい分散剤を得ることができる。
これら分散剤の微細化のために、懸濁液100質量部に対して0.001質量部以上0.100質量部以下の界面活性剤を併用してもよい。具体的には市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤が使用できる。例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムが挙げられる。
上記の製造方法で作られたトナー粒子は、流動性や現像性を制御するために公知の外添剤を添加することができる。外添剤としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化セリウム等の各種無機酸化微粒子、必要に応じて疎水化処理した微粒子、ビニル系重合体、ステアリン酸亜鉛、樹脂微粒子等が使用できる。外添剤の添加量は、トナー粒子に対して0.02質量%以上5.00質量%以下の範囲が好ましい。
さらには、帯電特性、流動性及び転写性向上を目的として酸化チタンの添加が好ましく、さらに好ましくは、シリカと酸化チタンを併用することが好ましい。
酸化チタンを用いる理由としては、トナーの帯電特性を損ねることなく、流動性付与が十分に行われるためである。シリカのみを添加した場合、ネガ性が強いことから表面チャージアップを生じやすい。一方、その他の金属酸化物の場合、耐久時に帯電を低下させる。
また、本発明に用いられる外添剤の平均一次粒径は、10nm以上200nm以下であることが、流動性付与と耐久時におけるキャリアへの付着による帯電能劣化防止を両立させるために好ましい。
本発明の二成分系現像剤における該トナーの含有量としては、通常、前記静電荷像現像剤100質量部に対して2.0質量部以上15.0質量部以下である。
〔磁性体粒子の等電点の測定方法〕
磁性体粒子を25℃のイオン交換水に溶解あるいは分散させ、試料濃度が1.8体積%になるように調製する。超音波方式ゼータ電位測定装置DT−1200(Dispersion Technology社製)を使用して、1N HClで滴定し、ゼータ電位を測定する。そして、ゼータ電位が0mVのときのpHを等電点とする。
〔磁性体粒子のSiO含有量の測定方法〕
本発明における磁性体粒子のSiOの含有量は、蛍光X線分析装置SYSTEM3080(理学電機工業社製)を使用し、JIS K0119「蛍光X線分析通則」に従って、蛍光X線分析を行うことにより測定する。
〔磁性体粒子の吸着水分量の測定方法〕
本発明における吸着水分量は、対象とする気体(本発明の場合は水)のみが存在する条件下で固−気平衡に到達させ、このときの固体質量と蒸気圧を測定する装置によって測定することができる。このような装置として、例えば吸着平衡測定装置(EAM−02;JTトーシ株式会社製)が挙げられる。後述する実施例では、この装置によって磁性体粒子の吸着水分量を測定する。
磁性体粒子の吸着水分量測定の概略は、JTトーシ株式会社発行の操作マニュアルに記載されているが、以下の通りである。
まず、吸着管内の試料容器に磁性体粒子を約5g充てん後、恒温槽温度、試料部温度を28℃に設定する。その後、空気弁V1(主バルブ)、V2(排気バルブ)を開き真空排気部を作動させ、試料容器内を0.01mmHg程度に真空引きすることにより、試料の乾燥を行う。試料の質量変化がなくなった時点の質量を「乾物質量」とする。
溶媒液(本発明においては水)中には空気が溶解しているため、脱気を行う必要がある。まず、溶媒液(以下、水)を液だめに入れ、真空排気部を作動させ、V3バルブを開き、V2〜V3間に空気を導入し、その後、V3バルブを閉じ、続いてV2バルブを開き、脱気したのち、V2バルブを閉じる。上記操作を数回繰り返し、水中に気泡が見られなくなった時点で脱気終了とする。
乾物質量の測定、水中の溶存空気の脱気に続いて、試料容器内を真空下に保持したまま空気弁V1(主バルブ)、V2(排気バルブ)を閉じ、空気弁(V3バルブ)を開くことによって、液だめから水蒸気をV1〜V3間に導入し、V3(液だめバルブ)を閉める。
ついで、V1(主バルブ)を開くことによって、水蒸気を試料容器内に導入し、その圧力を圧力センサーにより測定する。試料容器内の圧力が設定圧力に達しない場合は、上記操作を繰り返すことにより試料容器内の圧力を設定圧力にする。平衡に達すると、試料容器内の圧力と質量が一定になるので、そのときの圧力と温度、及び試料質量を平衡データとして測定する。
本装置では、圧力の設定は相対蒸気圧(%)で行い、吸・脱着等温線は、吸着量(%)と相対蒸気圧(%)で表示される。吸着量と相対蒸気圧の計算式を以下に示す。
M=(Wk−Wc)/Wc×100
Pk=Q/Q0×100
ここで、Mは吸着量(%)、Pkは相対蒸気圧(%)、Wk(mg)は試料質量、Wc(mg)は試料の乾物質量、Q0(mmHg)は、吸・脱着平衡時の温度Tk(℃)からAntoineの式により求められる水の飽和蒸気圧、Q(mmHg)は平衡データとして測定した圧力、をそれぞれ示す。
〔磁性体粒子の個数平均粒径の測定方法〕
ここで、磁性体粒子の個数平均粒径は、透過電子顕微鏡写真(倍率30000倍)より写真上の粒子を無造作に100個選び、その粒子の長径を計測し、その平均値をもって、個数平均粒径とすることで求めることができる。
〔磁性キャリア及び、磁性体粒子の磁気特性の測定方法〕
磁性キャリア及び、磁性体粒子の磁気特性は、「振動磁場型磁気特性自動記録装置BHV−30」(理研電子(株)社製)を用いて、外部磁場795.8kA/mの下で測定することができる。
〔トナーの平均円形度の測定方法〕
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定した。
具体的な測定方法としては、イオン交換水20mlに、分散剤として界面活性剤、好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸塩を適量加えた後、測定試料0.02gを加え、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散機(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製)を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とした。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調整した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナーを計測して、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径2.00μm以上、200.00μm以下に限定し、トナーの平均円形度を求めた。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えばDuke Scientific社製の「5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用し、解析粒子径を円相当径2.00μm以上、200.00μm以下に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は画像処理解像度512×512画素(1画素あたり0.37μm×0.37μm)で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積Sや周囲長L等が計測される。
次に、上記面積Sと周囲長Lを用いて円相当径と円形度を求める。円形当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、円形度Cは、円形当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、次式で算出される。
Figure 2009009034
粒子像が円形の時に円形度は1になり、粒子像の外周の凹凸程度が大きくなればなるほど円形度は小さい値になる。各粒子の円形度を算出後、円形度0.200〜1.000の円形度範囲を800分割し、得られた円形度の相加平均値を算出し、その値を平均円形度とする。
〔トナーの重量平均粒径(D4)の測定方法〕
トナーの粒度分布測定装置としては、コールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いる。電解液は、約1%NaCl水溶液を用いる。電解液には、1級塩化ナトリウムを用いて調製された電解液や、例えば、ISOTON(登録商標)−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。
測定方法としては、前記電解水溶液100ml以上150ml以下中に分散剤として、界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン塩酸)を、0.1ml以上5.0ml以下を加え、さらに測定試料を2mg以上20mg以下加える。試料を懸濁した電解液を超音波分散器で3分間分散処理し、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、前記測定装置により、試料の体積及び個数を各チャンネルごとに測定して、試料の体積分布と個数分布とを算出する。得られたこれらの分布から、試料の重量平均粒径を求める。チャンネルとしては、2.00μm以上2.52μm以下;2.52μm以上3.17μm以下;3.17μm以上4.00μm以下;4.00μm以上5.04μm以下;5.04μm以上6.35μm以下;6.35μm以上8.00μm以下;8.00μm以上10.08μm以下;10.08μm以上12.70μm以下;12.70μm以上16.00μm以下;16.00μm以上20.20μm以下;20.20μm以上25.40μm以下;25.40μm以上32.00μm以下;32μm以上40.30μm以下の13チャンネルを用いる。
〔無機微粒子の平均一次粒径の測定方法〕
本発明において無機微粒子の平均一次粒径の測定は、走査型電子顕微鏡FE−SEM(日立製作所 S−4700)により10万倍に拡大したトナー粒子表面の写真を撮影し、その拡大写真を必要に応じてさらに拡大を行い、それぞれの粒子について50個以上の粒子について定規、ノギス等を用い、その個数平均一次粒径を測定する。
以上本発明の基本的な構成と特色について述べたが、以下実施例に基づいて本発明について説明する。しかしながら、これによって本発明の実施の態様がなんら限定されるものではない。
実施例中の部数は質量部である。なお、母体磁性体粒子、磁性体粒子ならびに結着樹脂の製造方法については以下のとおりである。
(磁性体粒子の製造例1)
硫酸第一鉄溶液中に、Fe2+に対して、0.95当量の水酸化ナトリウム水溶液を混合した後、Fe(OH)を含む第一鉄塩水溶液の生成を行った。
その後、ケイ酸ソーダをFe元素に対してSi元素換算で、0.5質量%となるように添加した。次いで、Fe(OH)を含む第一鉄塩水溶液に温度90℃において空気を通気してpH6.0以上7.0以下の条件下で酸化反応をすることにより、Si元素を含有する母体磁性体粒子を生成した。
さらに、この懸濁液に(Fe元素に対してSi元素換算)0.2質量%のケイ酸ソーダを溶解した水酸化ナトリウム水溶液を残存Fe2+に対して、1.03当量添加して、さらに温度90℃で加熱しながら、pH8.5以上10.5以下の条件下で酸化反応してSi元素を含有した母体磁性体粒子を生成させた。生成した磁性体粒子を常法により洗浄、ろ過、乾燥し、母体磁性体粒子Aを得た。
次いで、母体磁性体粒子Aを水中に分散させ、100g/lの濃度とした懸濁水溶液を75℃以上に保持し、水酸化ナトリウム水溶液あるいは希硫酸を加えて懸濁水溶液のpHを8.5以上に調整した。この懸濁水溶液を攪拌しながら、これにケイ酸ナトリウム水溶液をSiO/Feとして3.5質量%相当分添加した。ついで希硫酸を添加して、懸濁水溶液のpHを徐々に下げて、約4時間で最終的に懸濁水溶液のpHを中性とする。これを、常法により洗浄、ろ過、乾燥、解砕処理して、高密度シリカ被覆処理の磁性体粒子1を得た。磁性体粒子1の個数平均粒径は0.18μmであった。磁性体粒子1の物性を表1に示す。
(母体磁性体粒子の製造例2〜5)
母体磁性体粒子の製造例1において、ケイ酸ソーダの添加量と粒径を変更した以外は同様にして、母体磁性体粒子2〜5を得た。
(磁性体粒子の製造例2〜5)
磁性体粒子の製造例1において、SiO/Feとしたケイ酸ナトリウム水溶液の添加量と粒径を変更した以外は同様にして、母体磁性体粒子2〜5からそれぞれシリカ被覆処理の磁性体粒子2〜5を得た。それぞれの磁性体粒子の物性を表1に示す。
(磁性体粒子の製造例6〜9)
磁性体粒子の製造例1において、SiO/Feとしたケイ酸ナトリウム水溶液の添加量と粒径を変更した以外は同様にして、母体磁性体粒子1からシリカ被覆処理の磁性体粒子6〜9を得た。磁性体粒子の物性を表1に示す。
(磁性体粒子の製造例10)
磁性体粒子の製造例1において、SiO/Feとしたケイ酸ナトリウム水溶液の添加量と粒径を変更した以外は同様にして、母体磁性体粒子4からシリカ被覆処理の磁性体粒子10を得た。磁性体粒子の物性を表1に示す。
(磁性体粒子の製造例11)
磁性体粒子の製造例1において、マンガン塩を用いて、かつ懸濁水溶液のpHを変更した以外は同様にして、母体磁性体粒子1から、酸化マンガン被覆処理の磁性体粒子11を得た。磁性体粒子の物性を表1に示す。
(磁性体粒子の製造例12)
母体磁性体粒子の製造例1において、粒径を0.15μmに変更した以外は同様にして、被覆処理のされていない、磁性体粒子11を得た。磁性体粒子の物性を表1に示す。
Figure 2009009034
(磁性キャリアの製造例1)
・フェノール樹脂 8質量部
・ホルムアルデヒド溶液 3質量部
・被覆処理磁性体粒子1 89質量部
上記材料と、25%アンモニア水5質量部、水10質量部をフラスコに入れ、攪拌、混合をしながら30分間で90℃まで昇温・保持し、4時間重合反応させて硬化させた。
その後、30℃まで冷却し、更に水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗いした後、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)、50〜60℃の温度で乾燥して、球状の粒子を得た。
上記で得られた粒子の表面に、以下の方法で熱硬化性のシリコーン樹脂をコートした。その際、キャリアコア表面粒子のシリコーンコート樹脂量が0.5質量%になるように、トルエンを溶媒として10質量%のキャリアコート溶液を作製した。このコート溶液をせん断応力を連続して加えながら溶媒を75℃で揮発させて、キャリアコア表面へのコートを行った。このコート磁性粒子を180℃で3時間攪拌しながら熱処理し、冷却後、解砕した後、200メッシュの篩で分級して、磁性キャリア1を得た。得られた磁性キャリア1の個数平均粒径は32.9μmであった。
(磁性キャリアの製造例2)
被覆処理磁性体粒子2に変更した以外は製造例1と同様にして、磁性キャリア2を得た。得られた磁性キャリア2の個数平均粒径は34.1μmであった。
(磁性キャリアの製造例3)
被覆処理磁性体粒子3に変更した以外は製造例1と同様にして、磁性キャリア3を得た。得られた磁性キャリア3の個数平均粒径は36.2μmであった。
(磁性キャリアの製造例4)
被覆処理磁性体粒子4の変更とシリコーン樹脂コートをしないこと以外は製造例1と同様にして、磁性キャリア4を得た。得られた磁性キャリア4の個数平均粒径は30.2μmであった。
(磁性キャリアの製造例5)
被覆処理磁性体粒子5とシリコーン樹脂コートをしないこと以外は製造例1と同様にして、磁性キャリア5を得た。得られた磁性キャリア5の個数平均粒径は31.7μmであった。
(磁性キャリアの製造例6)
被覆処理磁性体粒子6に変更した以外は製造例1と同様にして、磁性キャリア6を得た。得られた磁性キャリア6の個数平均粒径は30.4μmであった。
(磁性キャリアの製造例7)
被覆処理磁性体粒子7に変更した以外は製造例1と同様にして、磁性キャリア7を得た。得られた磁性キャリア7の個数平均粒径は29.9μmであった。
(磁性キャリアの製造例8)
・スチレン樹脂 13質量部
・被覆処理磁性体粒子8 67質量部
・ヘマタイト粒子 20質量部
上記材料を溶融混練して、粉砕し、風力分級を行って、磁性粒子を得た。
上記で得られた粒子の表面に、以下の方法で熱硬化性のシリコーン樹脂をコートした。その際、キャリアコア表面粒子のシリコーンコート樹脂量が0.7質量%になるように、トルエンを溶媒として10質量%のキャリアコート溶液を作製した。このコート溶液をせん断応力を連続して加えながら溶媒を75℃で揮発させて、キャリアコア表面へのコートを行った。このコート磁性粒子を180℃で3時間攪拌しながら熱処理し、冷却後、解砕した後、200メッシュの篩で分級して、磁性キャリア4を得た。得られた磁性キャリア8の個数平均粒径は29.4μmであった。
(磁性キャリアの製造例9)
被覆処理磁性体粒子9に変更した以外は製造例8と同様にして、磁性キャリア9を得た。得られた磁性キャリア9の個数平均粒径は31.1μmであった。
(磁性キャリアの製造例10)
被覆処理磁性体粒子10に変更した以外は製造例1と同様にして、磁性キャリア10を得た。得られた磁性キャリア10の個数平均粒径は36.6μmであった。
(磁性キャリアの製造例11)
被覆処理磁性体粒子11に変更した以外は製造例1と同様にして、磁性キャリア11を得た。得られた磁性キャリア11の個数平均粒径は32.3μmであった。
(磁性キャリアの製造例12)
被覆処理磁性体粒子12に変更した以外は製造例1と同様にして、磁性キャリア12を得た。得られた磁性キャリア12の個数平均粒径は31.8μmであった。
(トナー製造例1)
ビニル系重合体として、スチレン1.9mol、2−エチルヘキシルアクリレート0.21mol、フマル酸0.15mol、α−メチルスチレンの2量体0.03mol、ジクミルパーオキサイド0.05molを滴下ロートに入れた。また、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン7.0mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.0mol、テレフタル酸3.0mol、無水トリメリット酸2.0mol、フマル酸5.0mol及び酸化ジブチル錫0.2gをガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、145℃の温度で撹拌しつつ、先の滴下ロートよりビニル系樹脂の単量体、架橋剤及び重合開始剤を4時間かけて滴下した。次いで200℃に昇温を行い、4時間反応させてハイブリッド樹脂を得た。GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量測定の結果、重量平均分子量Mwが、32000であり、数平均分子量Mnは2800であった。
・ハイブリッド樹脂 100質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 6質量部
・ノルマルパラフィンワックス(最大級熱ピーク:78℃) 6質量部
・ジ−ターシャリブチルサリチル酸のアルミニウム化合物(荷電制御剤) 2質量部
上記材料をヘンシェルミキサーにより十分予備混合し、二軸押出し混練機で任意のバレル温度にて溶融混練した。冷却後ハンマーミルを用いて約1乃至2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で20μm以下の粒径に微粉砕した。さらにコアンダ効果を利用した多分割分級機により分級を行い、さらにハイブリタイザー(奈良機械製作所)により表面改質を行い、粒度分布における重量平均粒径6.2μmのトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部に、イソブチルトリメトキシシランで表面処理した平均一次粒径50nmの酸化チタン微粒子を0.7質量%を添加し、ヘンシェルミキサ(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合して、重量平均粒径6.2μm、2μm以上の粒子における平均円形度0.960のトナー1を得た。
(トナー製造例2)
トナー製造例1において、微粉砕物をハイブリタイザー(奈良機械製作所)による表面改質処理を行う装置において、処理サイクル時間を延長し、トナー製造例1よりも、より球形化されやすい条件で製造した以外は、上記トナー製造例1と同様にしてトナー2を作製した。トナー2の重量平均粒径は6.0μm、2μmより大きい粒子による平均円形度は、0.981である。実施例1よりも、さらに球形化されていることを確認した。
(トナー製造例3)
分散液(M−1)
・スチレン 350質量部
・n−ブチルアクリレート 100質量部
・アクリル酸 25質量部
・t−ドデシルメルカプタン 10質量部
以上の組成を混合及び溶解し、モノマー混合物として準備した。
・融点78℃のパラフィンワックス分散液 100質量部
(固形分濃度30%、分散粒径0.14μm、ワックスのMw=500、Mn=380)
・アニオン性界面活性剤 1.2質量部
(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)
・非イオン性界面活性剤 0.5質量部
(三洋化成(株)製:ノニポール400)
・イオン交換水 1530質量部
上記組成をフラスコ中で分散し、窒素置換を行いつつ加熱を開始する。液温が70℃となったところで、これに6.6質量部の過硫酸カリウムを350質量部のイオン交換水で溶解した溶液を投入した。液温を75℃に保ちつつ、前記モノマー混合物を投入攪拌し、液温を80℃にあげて7時間そのまま乳化重合を継続した後に液温を40℃とした後にフィルターで濾過して分散液Aを得た。こうして、得られた分散液中の粒子径は、平均粒径が0.16μm、固形分のガラス転移点が60℃、重量平均分子量(Mw)が15,000であり、ピーク分子量は、12,000であった。パラフィンワックスは、重合体中6%含有されており、本固形分の薄片を透過電子顕微鏡にて観察した結果、重合体粒子がワックス粒子を内包化していることを確認した。
分散液(M−2)
・スチレン 350質量部
・n−ブチルアクリレート 100質量部
・アクリル酸 25質量部
以上の割合を混合及び溶解し、モノマー混合物として準備した。
・融点105℃のフィッシャートロプシュワックス分散液 100質量部
(固形分濃度30%、分散粒径0.15μm、ワックスのMw=1200、Mn=790)
・アニオン性界面活性剤 1.7質量部
(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)
・非イオン性界面活性剤 0.5質量部
(三洋化成(株)製:ノニポール400)
・イオン交換水 1530質量部
上記組成をフラスコ中で分散し、窒素置換を行いつつ加熱を開始する。液温が70℃となったところで、これに5.85質量部の過硫酸カリウムを300部のイオン交換水で溶解した溶液を投入した。液温を70℃に保ちつつ、前記モノマー混合物を投入攪拌し、液温を75℃にあげて8時間そのまま乳化重合を継続した後に液温を40℃とした後にフィルターで濾過して分散液Bを得た。こうして、得られた分散液中の粒子径は、平均粒径が0.17μm、固形分のガラス転移点が63℃、重量平均分子量(Mw)が700,000であった。炭化水素系ワックスは、重合体中6%含有されており、本固形分の薄片を透過型電子顕微鏡にて観察した結果、ワックス粒子を内包化していることを確認した。
分散液(M−3)
・C.I.ピグメンブルー15:3 11質量部
・アニオン性界面活性剤 2質量部
(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)
・イオン交換水 79質量部
以上を混合し、サンドグラインダーミルを用いて分散し着色剤分散液Cを得た。
前記分散液(M−1)300質量部、分散液(M−2)150質量部及び分散液(M−3)25質量部を、撹拌装置、冷却管及び温度計を装着した1リットルのセパラブルフラスコに投入し撹拌した。この混合液に凝集剤として、10%塩化ナトリウム水溶液180質量部を滴下し、加熱用オイルバス中でフラスコ内を撹拌しながら54℃まで加熱した。48℃で1時間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると径が約5μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
その後の融着工程において、ここにアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)3質量部を追加した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら100℃まで加熱し、3時間保持した。そして、冷却後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、乾燥させることにより、トナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部に、BET比表面積150m2/gの疎水性シリカ0.7質量%を添加し、イソブチルトリメトキシシランで表面処理した平均一次粒径50nmの酸化チタン微粒子を1.0質量%添加し、ヘンシェルミキサ(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合して、2μm以上の粒子における平均円形度0.988のトナー3を得た。
(トナー製造例4)
トナー製造例1において、微粉砕物を分級と機械式衝撃力を用いる表面改質処理を同時に行う装置にて分級および球形化を行わず、得られた微粉砕物を多分割分級機を用いて分級処理を行った以外は、上記トナー製造例1と同様にして重量平均粒径8.2μmのシアン系樹脂微粒子を得た。トナー製造例1と同様にして、平均円形度0.935のトナー4を作製した。
Figure 2009009034
<二成分系現像剤の調製>
磁性キャリアの製造例1〜12で製造した本発明の磁性キャリア1〜12について、トナー1〜4と表3に示すように組み合わせた。トナー濃度が8質量%になるように混合し、これをポリビンに入れてヤヨイ式振とう器により2.5s−1で180秒間振とうすることにより、本発明の現像剤1〜15を作製した。
Figure 2009009034
〔実施例1〜12、比較例1〜3〕
本実施例に用いた画像形成装置について説明する。図1は本実施例に適用される画像形成装置の概略図である。
感光体ドラム28は、350〜500nmの短波長レーザー光に有効感度領域のある特性を有するものが用いられており、基材上に有機光半導体を有する感光層を有しいる。感光体ドラム28は帯電器21により一様に帯電された後、露光手段22により解像度2400dpiの静電潜像が感光体ドラム上に形成される。露光手段22は、400〜450nmに主たる発振波長を有する青色光半導体レーザー発光素子を用い、発光された光束をコリメータレンズで略平行光にし、シリンドリカルレンズにて回転反射体であるポリゴンミラーに集光、反射、偏向させ、これをfθレンズ群により感光体ドラム上にスポット径10.6μmに集光、走査し、デジタル画像情報に応じてこれをオン−オフさせる。
次いで、現像器1を用いてトナーを感光体ドラム28上に反転現像で現像する。尚、ここで使用する感光体ドラム28は、直径が20mmであり、現像時には2.6s−1の速度で回転駆動されている。感光体ドラム28上のトナー画像は、中間転写ベルト24a上に転写され、感光体ドラム28上の転写残トナーはクリーナー26により廃トナーとして回収される。
中間転写ベルト24a上に転写されたトナー像は、転写ローラー(2次転写帯電器)によって転写材27上に各色一括して転写される。中間転写ベルト24aは、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、カーボンブラック、および過塩素酸リチウムからなる組成物を、肉厚120μmに成型加工したものである。
加熱定着装置25にはオフセット防止用液体の塗布機能の無い、熱ロール方式の定着装置を用いた。この時上部ローラー、下部ローラー共にフッ素系樹脂の表面層を有するものを使用し、ローラーの直径は55mmであった。定着温度を175℃、ニップ幅を8mmに設定した。
前記した現像剤1〜15を各々200g現像器に充填した後、それぞれの環境下に一晩放置した。その後、トナー濃度が一定となるようにトナーを逐次補給しながら、転写材として複写機用普通紙(80g/m)を用いて以下の評価を行った。評価結果を表4に示した。
現像条件は、現像スリーブと感光体を現像領域において順方向で回転させ、感光体に対して現像スリーブを2.0倍とし、Vd:−600V、Vl:−110V、Vdc:−450Vとし、Vpp:2kV、周波数:1.8kHzとした。画出し評価の項目と評価基準を以下に示す。
(評価1) 画像濃度
低温低湿下(15℃,10%)で、通常の複写機用普通紙(75g/m)の転写材を用いて、1万枚の複写テストを行い、画出し評価終了時にベタ画像を出力し、その濃度を測定することにより評価した。尚、画像濃度は「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分の画像に対する相対濃度を測定した。
(評価基準)
A:1.40以上
B:1.35以上、1.40未満
C:1.00以上、1.35未満
D:1.00未満
(評価2) 帯電安定性
低温低湿下(15℃,10%)で、画像面積10%のオリジナル画像を使用し、1万枚の複写テストを行い、初期からの現像剤の帯電量変化を評価した。評価は、空回転2分間を行った後、画出しを開始し、その時の帯電量と1万枚時の帯電量の変化幅を%で表わし、以下の基準で評価を行った。
(評価基準)
A:帯電量の変化幅が、0%以上10%未満
B:帯電量の変化幅が、10%以上20%未満
C:帯電量の変化幅が、20%以上30%未満
D:帯電量の変化幅が、30%以上
(評価3) カブリ
低温低湿下(15℃,10%)で、5万枚画出しした時の、反射濃度計(densitometer TC6MC:(有)東京電色技術センター)を用いて、白紙の反射濃度、及び複写機の紙の非画像部の反射濃度を測定し、両者の反射濃度の差を白紙の反射濃度を基準として評価した。
(評価基準)
A:0.5%未満
B:0.5%以上1.0%未満
C:1.0%以上1.5%未満
D:1.5%以上
(評価4) 放置帯電量
高温高湿環境(30℃/80%)下で5%の画像チャートを用いて5万枚の画像出力直後に帯電量を測定する。機内で停止したままの状態で1週間機内放置した後、再度帯電量を測定した時の、耐久直後と放置後の帯電量の変化幅を%で表し、以下の基準で評価を行った。
(評価基準)
A:帯電量の変化幅が、0%以上10%未満
B:帯電量の変化幅が、10%以上20%未満
C:帯電量の変化幅が、20%以上30%未満
D:帯電量の変化幅が、30%以上
(評価5) キャリア付着
常温常湿下(23℃/50%)で、画像面積10%のオリジナル画像を使用し、5万枚の複写テストを行った後、ベタ白画像を画出しし、現像部とクリーナ部との間の感光ドラム上の部分を透明な粘着テープを密着させてサンプリングし、5cm×5cm中の感光ドラム上に付着していた磁性キャリア粒子の個数を算出する。
(評価基準)
A:5個未満/cm
B:5個以上10個未満/cm
C:10個以上20個未満/cm
D:20個以上/cm
(評価6) 像担持体の画像欠陥
現像剤のトナー濃度が4質量%になるように調整した以外は、上記の現像条件で、ベタ画像を連続して5枚画出しした。そのときのベタ画像を以下の項目に従って評価した。
(評価基準)
A:5枚の画像に全く画像不良が見られない。
B:5枚目の画像だけ、A4用紙中に3個以下の画像不良が見られた。
C:4、5枚目の画像に、A4用紙中に10個以下の画像不良が見られた。
D:1枚目の画像から、画像不良が見られた。
(評価7) 転写効率
感光体上に載り量が0.3mg/cmになるように感光体の電位コントラストを調整した。
高温高湿環境(30℃/80%)下で5%の画像チャートを用いて5万枚の画像出力後、ベタ画像を出力し、ベタ画像形成時の感光体電子写真感光体ドラム上の転写残トナーを、マイラーテープによりテーピングしてはぎ取り、はぎ取ったテープを紙上に貼ったものの濃度から、テープのみを紙上に貼ったものの濃度を差し引いた濃度差をそれぞれ算出した。そして、その濃度差の値から、以下のようにして判定した。尚、濃度は前記したX−Riteカラー反射濃度計で測定した。
(評価基準)
A: 0.05未満
B: 0.05以上0.10未満
C: 0.10以上0.20未満
D: 0.20以上
(評価8) クリーニング性
高温高湿環境(30℃/80%)下で図2の画像チャートを用いて5万枚の画像出力を行った。画像チャートの白地部を以下の評価項目に従って評価を行った。
(評価基準)
A:耐久を通して白地部に画像不良が全く見られない。
B:5万枚の時点で、初めて白地部に薄い線がみられた。
C:2万枚の時点で、白地部にトナーのすり抜け跡がはっきりみられた。
Figure 2009009034
本発明の実施例に用いた二成分系現像剤用の画像形成装置の概略的説明図である。 A4 耐久チャートの概要である。
符号の説明
1Y,M,C,K 現像器
21Y,M,C,K 帯電器
22Y,M,C,K 露光手段
28Y,M,C,K 感光体ドラム
23Y,M,C,K 転写ブレード(1次転写帯電器)
23a 転写ローラー(2次転写帯電器)
26Y,M,C,K クリーナー
24a 中間転写ベルト
25 定着装置(定着ローラー)
27 転写材

Claims (8)

  1. 磁性体粒子及び結着樹脂を少なくとも含有する磁性キャリアにおいて、
    該磁性体粒子の等電点がpH4.0以下であることを特徴とする磁性キャリア。
  2. 該磁性体粒子の表面に、SiOが0.8質量%以上20.0質量%以下存在することを特徴とする請求項1に記載の磁性キャリア。
  3. 該磁性体粒子の相対蒸気圧50%における吸着水分量が、単位質量当たりの被覆SiO量に対して、1.0質量%以上100.0質量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性キャリア。
  4. 該磁性体粒子を、空気中において温度160℃で1時間熱処理したときに、磁性体粒子中に10質量%以上のFe2+が含有されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁性キャリア。
  5. 該磁性体粒子の個数平均粒径が0.08μm以上0.50μm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の磁性キャリア。
  6. 該磁性キャリアは重合法によって得られたものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の磁性キャリア。
  7. 結着樹脂、着色剤及び離型剤を少なくとも含有するトナー粒子と外添剤とを有するトナーと、磁性キャリアとを少なくとも有する二成分系現像剤において、該磁性キャリアは、請求項1乃至6のいずれかに記載の磁性キャリアであることを特徴とする二成分系現像剤。
  8. 該トナーが、重量平均粒径(D4)が3.0μm以上8.0μm以下であり、画像処理解像度512×512画素(1画素あたり0.37μm×0.37μm)のフロー式粒子像測定装置によって計測された円形度を、0.200〜1.000の円形度範囲に800分割し解析された平均円形度が0.940以上0.985以下であることを特徴とする請求項7に記載の二成分系現像剤。
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