JP2009006821A - 自動車用窓ガラスへのベ−ス金具の接着装置およびその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】雨滴検出センサーやルームミラーを取付けるための金属製のベース金具を自動車用の湾曲ガラス面上に接着させるにあたり、接着位置ズレを発生させない。
【解決手段】前記ガラス板を吸着保持し、X、Y、Z方向に移動および回転自在なロボットハンドと、ガラス板面の上方よりベース金具を取付る位置マークのXY座標および傾斜角度θを測定する位置角度測定手段と、ベース金具を取付けるガラス板面のZ軸座標を測定する高さ測定手段と、片面に接着剤層を設けた前記ベース金具を整列させ所定位置に供給する供給手段と、供給されるベース金具を挟持する挟持手段と、該ガラス板面に載置したベース金具を上下両面よりの押圧挟持によりガラス板面に接着する押圧手段と、前記位置角度測定手段および高さ測定手段により得た情報を演算し、位置角度のズレを補正する演算手段とからなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車用フロントガラスの室内面に設けるルームミラー、又は、フロントガラスやリアガラスに設ける雨滴検出用センサー等のセンサーを取り付けるためのベース金具を自動的に接着する装置および方法に関する。
従来、自動車等のフロント窓ガラスの室内ガラス面にルームミラーを取り付け固定する場合には、ステンレス等の金属製で略矩形状の板状のベース金具(ミラーベース)をシリコーン系接着剤、ウレタン系接着剤、またはPVB膜(ポリ・ビニール・ブチラール膜)等の接着剤を介して湾曲ガラス板面に接着させ、硬化した後に該ベース金具にルームミラーを取り付け固定する方法が一般的に良く用いられている。
さらに、近年は、雨滴検出センサーをフロントガラスやリアガラスのガラス面に接着によって取り付けるケースもあって、これらのセンサー等を取り付けるためのベース金具の形状もさまざまのものがあり、取り付けるセンサーの形状、目的に合わせた形状、例えば略リング状のベース金具も使われるようになった。
前記ベース金具をガラス板に接着させる装置として、例えば、本出願人による実公昭59−35542号公報には、あらかじめホットメルト型接着剤(PVB)を融着した金属製の台座等の部材を板ガラス面の一部の定位置に接着剤層が板ガラス側となるように載置し、押圧用シリンダを作動させて押圧具で部材をガラス板面に押圧すると共に、接着部近傍に熱風を吹き付けて接着剤を融着させ金属製の部材とガラス板とを接着する装置が開示されている(特許文献1)。
また、同じく本出願人による特開2001−88612号公報には、自動車用フロントガラスの室内面にルームミラー取付用のベース金具を接着する接着装置において、前記ガラス板を位置決めする位置決め手段と、片面に接着剤層を設けた前記ベース金具を整列させ所定位置に供給する供給手段と、供給されるベース金具を開閉チャック等により挟持する挟持手段と、挟持したベース金具をガラス板面の所定位置に載置する移載手段と、該ガラス板面に載置したベース金具を押圧シリンダによって押圧する押圧手段とからなり、押圧手段の先端に回動自在な球状部を備えたことにより前記ベース金具をガラス板面に均一な力で押圧し接着させるようにしたことを特徴とするベース金具の接着装置が開示されている(特許文献2)。
実公昭59−35542号公報 特開2001−88612号公報
前記特許文献1に記載の考案は、ポリビニールブチラール(PVB)等のホットメルト接着剤を熱風加熱するものであるため、接着後車内温度が上昇し、フロントガラスの温度が60度以上になると接着剤が軟化して、接着力が失われルームミラーが落下してしまうという問題点があった。
また、前記特許文献2に記載の発明においては、ミラーベースをフロントガラスに設ける場合に、セラミックペーストのプリント層の表面にベース金具を接着できるため位置きめしたガラス板の所定位置に接着するようにすれば良く、特に問題はない。
しかし、雨滴検出センサーをガラス板面のセラミックペーストによるプリント層上に設ける場合にはセラミックペーストによるプリント層が検出感度に大きく影響を与えるため、センサーの取付位置を白抜(膜抜き)にして、該白抜部に一致するように該センサーを設けるが、接着位置を直接測定してベース金具をズレの無いように一致させるという思想ではないので、前記湾曲形状の位置決め誤差に、さらにプリント層の白抜部の位置の誤差が重なって、白抜き部とブラケット金具の接着位置ズレが生じ、外観上見栄えの悪いものになってしまうという恐れがあった。
また、湾曲ガラス板の高精度の位置決めが必要となり、設備が大掛かりになるという問題点がある。
本発明は、上記問題点の解決を図る、すなわち簡易な構成にして自動車用の湾曲ガラス面上に雨滴検出センサーやルームミラーを取付けるための金属製のベース金具を接着させるにあたり、湾曲ガラス板の接着部の形状が基準と比べて形状ズレがあっても、湾曲ガラス板と金属ベースとを均一で接着強度で強固に接着させ、また、セラミックペーストの白抜き部に一致するように接着させる場合であっても、接着位置ズレを発生させないことを目的とする。
すなわち、本発明は、自動車の窓ガラスの室内面にルームミラーや、雨滴検出センサー等の各種センサーを取り付けるためのベース金具の接着装置において、前記ガラス板を吸着保持し、X、Y、Z方向に移動および回転自在なロボットハンドと、ガラス板面の上方よりベース金具を取付る位置マークのXY座標および傾斜角度θを測定する位置角度測定手段と、ベース金具を取付けるガラス板面のZ軸座標を測定する高さ測定手段と、片面に接着剤層を設けた前記ベース金具を整列させ所定位置に供給する供給手段と、供給されるベース金具を挟持する挟持手段と、該ガラス板面に載置したベース金具を上下両面よりの押圧挟持によりガラス板面に接着する押圧手段と、前記位置角度測定手段および高さ測定手段により得た情報を演算し、位置角度のズレを補正する演算手段と、からなることを特徴とするベース金具の接着装置である。
あるいは、本発明は、前記位置角度測定手段として、ガラス板面上のベース金具の取付位置の上面側の中心の法線方向に二次元カメラを設け、該二次元カメラとガラス板間にリング照明を設けるようにしたことを特徴とする上述のベース金具の接着装置である。
あるいはまた、本発明は、前記位置角度測定手段として、ガラス板面上のベース金具の取付位置の上面側の中心の法線方向に二次元カメラを設け、ガラス板の下面側にリング照明を設けるようにしたことを特徴とする上述のベース金具の接着装置である。
あるいはまた、本発明は、ベース金具を挟持する挟持手段を反転アームの先端に設け、供給コンベアの先端位置のベース金具を掴み、ガラス板面上のベース金具の接着予定位置近傍迄、反転アームを単独で反転可能として、位置角度測定手段、または押圧手段の動作中でも独立して同時に反転動作を可能としたことを特徴とする上述のいずれかに記載のベース金具の接着装置である。
あるいはまた、本発明は、上述の接着装置を用いて自動車の窓ガラスの室内面にルームミラーや、雨滴検出センサー等の各種センサーを取り付けるためのベース金具の接着方法において、三次元方向に移動および回転自在なロボットのハンドにより吸着支持するガラス板の板面に設けたマークの位置座標を、固定位置にある位置角度測定手段、および高さ測定手段によって測定し、測定位置と設定位置とのずれを演算後、前記ガラス板を移動させて挟持されたベース金具の中心位置にガラス板面上のマークを一致させてマーク上にベース金具を仮接着し、さらにベース金具を接着したガラス板面の接着部位を押圧受け部材上に載置するようにガラス板を移動してベース金具の上部から昇降自在な押圧部材とガラス下面の押圧補助台によってベース金具とガラス面とを強固に接着させることを特徴とするベース金具を接着する方法である。
あるいはまた、本発明は、前記ベース金具のガラス板面上の接着位置における前記押圧部材の押圧方向を、該接着位置におけるガラス面の法線方向となるようにして、ベース金具全面をガラス板面に対して均一な押圧力で接着可能としたことを特徴とする上述のベース金具を接着する方法である。
本発明は、湾曲ガラス板面上にセンサー用、またはルームミラー用の金属製のベース金具を接着させる時に、ガラス板毎に接着部の白抜きプリント位置の位置座標角度を直接測定し、湾曲ガラス板の接着部の座標が、基準となるガラス板の座標と比べて形状ズレやセラミックプリント部の印刷ズレがあっても、該ズレを吸収するように湾曲ガラス板の接着部位をXYZ軸、及び角度θも追従移動させて、ベース金具を湾曲ガラス板面の接着面に対して法線方向より圧着するようにして接着させるようにしたので、接着強度を均一、かつ強固とすることができる。
また、ベース金具の挟持手段と、押圧手段を分離して夫々独立して動作可能にしたことによって、押圧手段によってガラス板面とベース金具とを押圧動作中に、同時にベース金具の挟持手段は供給手段からのベース金具の受け取り動作を行うことができる。
さらに、ベース金具をガラス板面に押圧する押圧手段は、架台に固定された押圧受け部材と、同じく架台に固定された押圧シリンダの押圧ヘッドによって押圧されるため、強固に押圧接着できる。
本発明の接着装置1は、前記自動車用の窓ガラス板2を吸着保持し、X、Y、Z方向に移動および回転自在なロボットハンド72と、ガラス板面の上方よりセンサー取付用のベース金具3を取り付ける位置マーク2b、2bのXY座標および傾斜角度θを測定する位置角度測定手段50と、ベース金具3を取付けるガラス板面のZ軸座標を測定する測定する高さ測定手段60と、片面に接着剤層を設けた前記ベース金具3を整列させ所定位置に供給する供給手段10と、供給されるベース金具3を挟持する挟持手段30と、該ガラス板面に載置したベース金具3を上下両面よりの押圧挟持によりガラス板面に接着する押圧手段40と、前記位置角度測定手段50および高さ測定手段60により得た情報を演算し、位置角度のズレを演算する演算手段とからなる。
前記自動車用の窓ガラス2のセンサー取付用の位置マーク2b、2bは、例えば、図7に示したように、フロントガラス板2の上部中央周辺部に設けたセラミックペーストを印刷したプリント層2aの白抜部の境界部に上下2つのV字状の切欠マーク2bを設け、該切欠部2b、2bを結んだ線を中心線となるようにして、センサー用のベース金具3の取付角度を決定するものである。
前記ベース金具3は、図5(c)に示したように、略リング形状であって、外周面の左右の円弧の一部を直線で左右均等サイズに切り取り、切り取られた2つの切断面3a、3aが面平行となるようにしている。
前記供給手段10は、図1に示したように、上面に接着剤層を設けた前記ベース金具3を一列に整列させて搬送する供給コンベア11と、供給コンベア11上の先端位置に到達したベース金具3を1個挟持して把持する受渡し用の供給チャック15と、挟持したベース金具3を昇降させる昇降シリンダ14と、供給コンベア11上の先端位置より反転手段20上に設けた挟持手段30の挟持チャック31の上向きに開いているフィンガー32部分にベース金具3を水平方向に移動させて受け渡す供給シリンダ12とからなる。
前記ベース金具3を挟持する挟持手段30は、反転アーム25の先端に設け、供給コンベア11の先端位置のベース金具3を掴み、ガラス板面上のベース金具3の接着予定位置近傍迄、反転アーム25を単独で反転可能として、位置角度測定手段50の二次元カメラ51がガラス板面のプリント部のマーク位置を撮像して該位置のXY座標を演算している最中であっても、または押圧手段40によってガラス板2とベース金具3とを押圧して接着させる動作中であっても、同時に反転アーム25を反転させる動作を可能とすることができる。
前記反転手段20は、架台の上端部近傍に反転アーム25の一端側を軸着し、該反転アーム25の他端側に挟持手段30を設けるが、該反転アーム25を反転させるための駆動手段は、モーター駆動、あるいはシリンダ駆動等のいずれでも構わない。
一例として、シリンダ駆動の場合は、該反転アーム25の一端側の軸部に軸止した小径プーリー22と架台に設けた大径プーリー21間にベルト23が掛けられ、大径プーリー21は反転シリンダ24のロッドの先端に軸着され、該反転シリンダ24の作動により大径プーリー21を回転させ、ベルト23に伝達させて、小径プーリー21を回転させるが、反転アーム25の反転角度を180度となるように、シリンダのストロークや、各プーリー21、22の径を調整する。
さらに、前記挟持チャック31は、前記反転手段20の反転アーム25の先端に固定され、挟持チャック31の位置が供給手段10の供給コンベア11の先端部近傍にあるときは、フィンガー32は上方に向いて開いており、接着装置側にあるときはフィンガー32の向きは下方に向いている。
前記挟持手段30は、挟持チャック31の一対のフィンガー32からなり、開閉する該フィンガー32よってベース金具3のリング状の外周部を挟んで把持する。該フィンガー32、32は、図5(b)に記載されているように、1対のフィンガー32、32の各先端部に水平方向に伸ばした互いに平行な挟持板32’、32’を設け、該挟持板32’、32’の両端部に金具位置決めピン33、33、・・を計4箇所設け、該4個の金具位置決めピン33、33、・・でリング状のベース金具3を挟んで位置決めすると同時に、1対の挟持板32’、32’をベース金具3の左右の切断面3a、3aを挟持し、ベース金具3の回転方向のズレを防止して位置決めできる。
前記押圧手段40は、ガラス板2の下面と当接するリング状の押圧受部材43と、該ガラス板面の上面に載置したリング状のベース金具3の上方より押圧する押圧ヘッド42によってベース金具3をガラス板2面に押圧させる。前記押圧ヘッド42は、押圧シリンダ41のロッドの先端に設けられ、前記押圧受部材43、及び押圧シリンダ41は、いずれも床部から立設した架台に固定されている。
前記位置角度測定手段50は、ガラス板面上のベース金具3の接着位置の上方に二次元CCDカメラ51を配設し、該二次元カメラ51の視野範囲内に前記ベース金具3の接着位置が納まるようにし、前記二次元カメラ51は、その光軸を、ガラス板面上のベース金具3を取付るためのマーク位置の略中心の法線と一致するように設ける。
ガラス板面上のベース金具3を取付るためのマーク位置は、図7に示したように、フロントガラス2の上部中央部にセラミックペーストで印刷焼付けした部分であり、ルームミラー取り付け用の場合は印刷面上にベース金具3をそのまま接着して取り付けることができるが、雨滴検出センサーを取り付ける場合には該センサー感度を低下させないために、セラミックペースト面に円形で白抜きした白抜き部4の外周部にリング状のベース金具3を接着して取り付ける。白抜き部4が円形のため、接着したリング状のベース金具が回転方向にズレが発生しないように白抜き部の上下2ヶ所にV字状の切欠マーク2b、2bを設けた。
また、該二次元カメラ51とベース金具3の接着位置間にリング照明52を配設し、該二次元カメラ51の光軸とリング照明52の中心軸を一致するように設け、該リング照明52をガラス板面側に照射するようにした。尚、前記リング照明52は、白色、または青色の発光ダイオード素子(LED)を円形状に少なくとも一列配列したものとした。
また、前記位置角度測定手段50は、挟持手段30の近傍にあって、前記押圧手段40と同様に、架台に固定されている。
また、前記リング照明52を、ガラス板2の下部に設け、該リング照明52をガラス板面側に照射するようにしても良い。
前記高さ測定手段60は、ガラス板面のベース金具3の接着位置の下方に測長シリンダ61を設け、該測長シリンダ61のシリンダロッド62の先端に測長子63を取り付け、該測長シリンダを作動させて測長子63を昇降させガラス板2の下面に当接させることによってガラス板面のZ軸方向の位置を実測するものであるが、該高さ測定手段60として、超音波式センサーや光学式センサーを使用するようにしても良い。
尚、前記リング照明52をガラス板2の下方部に設ける場合には、測長シリンダ61の測長子63の昇降に邪魔にならないようにリング状にして、測長子63が該リング照明52内を通過できるようにするのが良い。
前記演算手段は、図示しないが、前記位置角度測定手段50の二次元カメラ51が撮像したガラス板2の面上のベース金具3の接着用のマーク位置の位置座標と、設定した接着位置の座標により、XY軸方向への位置ずれ、及び角度θの角度ズレを算出し、さらに、高さ測定手段60の測長シリンダ61の作動により昇降する測長子をガラス板の下面に当接させることによってガラス板面のZ軸方向の座標を測定し、設定した座標と比較して、Z軸方向の位置ずれを算出することによって、設定座標に比べて前記XYZ軸方向の位置ズレ、角度ズレがなくなる方向にガラス板2を移動補正する。
前記自動車用の窓ガラス2に接着するベース金具3は、ルームミラーの取付用のベース金具3を初めとし、雨滴検出センサー、日中のトンネルの出入口など車外の明るさの急激な変化を検出する等の各種センサーを取り付けるベース金具が考えられる。
次に、本発明のベース金具の接着装置1の作用、および使用例について説明する。
まず、図1に示すように、前記供給手段10の供給コンベア11の上面に、接着剤が塗布された複数のベース金具3、3、・・が一列にほぼ整列した状態で順次送られる。
供給コンベア11の先端部位置に到達した1つのベース金具3を供給チャック15が把持すると、昇降シリンダ14の作動により上昇し、供給シリンダ12の作動により挟持手段30の挟持チャック31の上部位置までベース金具3を移動させ、昇降シリンダ14を下降させて供給チャック15を開き、前記待機中の挟持チャック31上にベース金具3を載置する。
ベース金具3の供給が完了した時点で、供給手段10の供給チャック15は昇降シリンダ14、供給シリンダ12の復動により供給コンベア11の先端上部位置に戻り、供給コンベア11の先端位置に到達した次のベース金具3の移載に備え待機する。
一方、前記供給手段10によってベース金具3を挟持チャック31へ移載するのに先立って、反転手段20の反転アーム25の先端部の前記挟持手段30の挟持チャック31は、前記供給コンベア11の先端部の近傍位置で、フィンガー32、32を上方に向けて開いた状態で待機している。
また、反転手段20の反転アーム25の先端に設けた挟持手段30の挟持チャック31の一対のフィンガー32、32は、以下に示すようにベース金具3を挟持し、ベース金具3の位置決めを行う。
まず、図5(a)、(b)に記載されているように、1対のフィンガー32、32の各先端部に水平方向に伸ばした互いに平行な挟持板32’、32’の両端部に設けた計4箇所の金具位置決めピン33、33、・・によって、図5(c)に示すようなリング状のベース金具3を挟み、同時に、ベース金具3が略円形であるため回転方向にズレが発生し得るため、図5(b)に示すように、1対の挟持板32’、32’によってベース金具3の左右の切断面3a、3aを挟持して、ベース金具3の回転方向のズレを矯正する(図6(a)、(b)参照)。
フィンガー32、32を上向き状態にしてベース金具3を挟持した挟持チャック31は、図1に示したような反転手段20によって180度回転させると、挟持チャック31のフィンガー32はベース金具3を挟持したまま、下向き状態となる。
また、予め正確な位置決めは不要であるが、ある程度の位置揃えを行った自動車用のフロントガラス2の略中央部をガラス移載手段70のロボット71のハンド72に取り付けた複数の吸着パッド73により吸着して保持するが、図2〜図4に示すようにガラス板の所定位置にベース金具3を接着完了させるまで、ガラス板2の保持をロボット71のハンド72によって保ち続ける。
次いで、図2に示したように、該ガラス板2をベース金具の接着装置1のリング照明位置角度測定手段50と高さ測定手段60間に来るように配設し、位置角度測定手段50の二次元カメラの視野内にガラス板面上のベース金具3を取付けるためのマーク位置が概ね入る位置で、ガラス板2を吸着保持状態とする。
ガラス板面上の雨滴検出センサー(図示しない)のベース金具3を取付るためのマーク位置は、図7に示したように、フロントガラスの上部中央部にセラミックペーストで印刷焼付けした部分の円形に白抜きした白抜き部4の外周に沿って、その外周部にリング状のベース金具3を接着して取り付けた。
また、白抜き部4が円形のため、接着するリング状のベース金具3の回転ズレが発生しないように白抜き部4の上下2ヶ所にV字状の切欠マーク2b、2bを設けた。
前記二次元のCCDカメラ51によって前記白抜き部4を撮像し、該撮像データを画像処理装置によって二値化後、前記2つの切欠部2b、2bの座標を演算して求め、該座標により、前記位置決めしたベース金具3のガラス板面上への正規の接着予定位置とのXY軸座標の位置ズレと角度ズレθを求め、さらに、ガラス板2の下方に位置する高さ測定手段60の測長シリンダ61を作動させ、シリンダロッド62の先端に設けた測長子63を上昇させて、ガラス板2に当接させて、ガラス板面のZ軸座標を測定して、ロボット71により前記XY軸座標の位置ズレ、及び角度ズレθがなくなる方向、角度にガラス板の移動距離、回転角度を演算して求める。
続いて、図3に示したように、前記座標測定部にて測定したガラス板面上へのベース金具3の接着予定位置座標に基づき、該座標位置より一定距離離れた位置にある挟持チャックが挟持しているベース金具の位置に一致するようにガラス板を平行移動させ、吸着状態を保ったまま静止させて保持する。
該挟持チャック31が挟持しているベース金具3の位置では、挟持されているベース金具3の下面にアクリルテープによる仮接着層を有しているため、ガラス板2をベース金具3の下面より約1mm程度押付けて当接させ、挟持チャック31がベース金具3を解放すると、ガラス板面上に載置されるが、前記アクリルテープによる仮接着層によって仮接着状態となっている。
挟持チャック31が挟持していたベース金具3をガラス板面上に載置し終わるとすぐに、図1に示したように反転手段20が作動して反転アーム25を180度回転させ、ベース金具3の供給手段10の供給コンベア11の先端部近傍位置に挟持チャック31を移動させ、次のベース金具を受け取る態勢に入る。
さらに続いて、図4に示したように、該座標位置より一定距離離れた位置にある押圧手段40の挟持チャック31が挟持しているベース金具3の位置に一致するようにガラス板2を平行移動させる。
ガラス板2上のベース金具3の載置位置の中心と、押圧手段40の押圧受け部材43の中心とが一致するように、ガラスハンドリング手段70のロボット71によってガラス板2を吸着保持して移動させ、押圧受け部材43上に当接させるようにしてガラス板2を吸着状態を保ったまま静止させる。
押圧受け部材43の最上部のリング状部材にガラス板2を当接させ静止させた状態で、ベース金具3の上方より押圧シリンダ41を作動させると、押圧ヘッド42が下降し、前記押圧受け部材43と押圧ヘッド42によってリング状のベース金具3とガラス板とを接着させる。
この押圧シリンダによる押圧力は、290ニュートン(N)程度の力で少なくとも3秒以上押圧するが、ガラス板2とベース金具3との本接着処理は、後工程の図示しないオートクレーブ内で加圧処理することにより本接着させるものである。
また、前記ベース金具3の挟持手段30と、押圧手段40を分離して夫々独立して動作可能にしたことによって、押圧手段40によってガラス板2面とベース金具3とを押圧動作中に、ベース金具3の挟持手段30は供給手段10からのベース金具3の受け取り動作を同時に行うことができる。
さらに、ベース金具3をガラス板2の面に押圧する押圧手段40は、架台に固定された押圧受け部材43と、同じく架台に固定された押圧シリンダ41の押圧ヘッド42によって押圧されるため、強固な押圧力で接着できる。
前記押圧手段40により所定圧力で所定時間の押圧が完了すると、押圧シリンダ41は復動して押圧ヘッド42が上昇すると、ガラス板2を吸着保持したまま、次工程に搬送し、前工程より新たなガラス板2を吸着によって取り出し、前記の動作を繰り返して行う。
ベース金具3は車両用フロント窓ガラス2に設けるが、車両用フロントガラス2は通常合わせガラスであるので、オートクレーブ内で加圧及び加熱処理され、同時に雨滴検出センサー用ベースとして接着したベース金具3も接着面内の空気泡等がなくなり、接着力が増大する。
以上、好適な実施例について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく種々の応用が考えられる。本発明で使用した各種シリンダー駆動は、これに代えてモーター駆動としても良い。また、ベース金具3としてはステンレス等の錆びない金属が望ましいが、鉄にクロムメッキ、ニッケルメッキ、樹脂塗装等の防錆処理したものでも良い。
ベース金具3の接着剤層4としては、シリコン系接着剤、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤の何れでも良い。
ベース金具3を接着するガラス板2としては車両用としては通常合わせガラスを用いるが、単板強化ガラスや半強化ガラスであっても良く、接着位置に黒色のセラミックペーストによる着色層を設けても良い。
本発明の接着装置の全体側面図。 本発明の接着装置の位置角度測定手段と高さ測定手段による動作状態を説明する側面図。 本発明の接着装置の挟持手段による動作状態を説明する側面図。 本発明の接着装置の押圧手段による動作状態を説明する側面図。 (a)、(b)は、それぞれ本発明の挟持手段の正面図と平面図であり、(c)は、雨滴検出センサー用として用いるベース金具の一実施例の平面図。 (a)、(b)は、それぞれ本発明の挟持手段によってベース金具を挟持した状態を示す正面図と平面図。 ベース金具をガラス板面上に載置した状態を示す平面図。
符号の説明
1 ベース金具の接着装置
2 ガラス板
2a セラミックプリント
2b 切欠マーク
3 ベース金具
3a 切断面
4 白抜き部
10 供給手段
11 供給コンベア
12 供給シリンダ
14 昇降シリンダ
15 供給チャック
20 反転手段
21 大径プーリー
22 小径プーリー
23 ベルト
24 反転シリンダ
25 反転アーム
26 取付部材
30 挟持手段
31 挟持チャック
32 フィンガー
32’ 挟持板
33 金具位置決めピン
40 押圧手段
41 押圧シリンダ
42 押圧ヘッド
43 押圧受け部材
50 位置角度測定手段
51 二次元カメラ
52 リング照明
60 高さ測定手段
61 測長シリンダ
62 シリンダロッド
63 測長子
70 ガラス板ハンドリング手段
71 ロボット
72 ハンド
73 吸着パッド

Claims (6)

  1. 自動車の窓ガラスの室内面にルームミラーや、雨滴検出センサー等の各種センサーを取り付けるためのベース金具の接着装置において、前記ガラス板を吸着保持し、X、Y、Z方向に移動および回転自在なロボットハンドと、ガラス板面の上方よりベース金具を取付る位置マークのXY座標および傾斜角度θを測定する位置角度測定手段と、ベース金具を取付けるガラス板面のZ軸座標を測定する高さ測定手段と、片面に接着剤層を設けた前記ベース金具を整列させ所定位置に供給する供給手段と、供給されるベース金具を挟持する挟持手段と、該ガラス板面に載置したベース金具を上下両面よりの押圧挟持によりガラス板面に接着する押圧手段と、前記位置角度測定手段および高さ測定手段により得た情報を演算し、位置角度のズレを補正する演算手段と、からなることを特徴とするベース金具の接着装置。
  2. 前記位置角度測定手段として、ガラス板面上のベース金具の取付位置の上面側の中心の法線方向に二次元カメラを設け、該二次元カメラとガラス板間にリング照明を設けるようにしたことを特徴とする請求項1記載のベース金具の接着装置。
  3. 前記位置角度測定手段として、ガラス板面上のベース金具の取付位置の上面側の中心の法線方向に二次元カメラを設け、ガラス板の下面側にリング照明を設けるようにしたことを特徴とする請求項1記載のベース金具の接着装置。
  4. ベース金具を挟持する挟持手段を反転アームの先端に設け、供給コンベアの先端位置のベース金具を掴み、ガラス板面上のベース金具の接着予定位置近傍迄、反転アームを単独で反転可能として、位置角度測定手段、または押圧手段の動作中でも独立して同時に反転動作を可能としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のベース金具の接着装置。
  5. 前記請求項1乃至4のいづれかに記載の接着装置を用いて自動車の窓ガラスの室内面にルームミラーや、雨滴検出センサー等の各種センサーを取り付けるためのベース金具の接着方法において、三次元方向に移動および回転自在なロボットのハンドにより吸着支持するガラス板の板面に設けたマークの位置座標を、固定位置にある位置角度測定手段、および高さ測定手段によって測定し、測定位置と設定位置とのずれを演算後、前記ガラス板を移動させて挟持されたベース金具の中心位置にガラス板面上のマークを一致させてマーク上にベース金具を仮接着し、さらにベース金具を接着したガラス板面の接着部位を押圧受け部材上に載置するようにガラス板を移動してベース金具の上部から昇降自在な押圧部材とガラス下面の押圧補助台によってベース金具とガラス面とを強固に接着させることを特徴とするベース金具を接着する方法。
  6. 前記ベース金具のガラス板面上の接着位置における前記押圧部材の押圧方向を、該接着位置におけるガラス面の法線方向となるようにして、ベース金具全面をガラス板面に対して均一な押圧力で接着可能としたことを特徴とする請求項5記載のベース金具を接着する方法。
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