JP2009004430A - 穿孔用当て板、並びに、穿孔用当て板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 樹脂を含浸させた樹脂含浸紙を用いた穿孔用当て板であって、生産性に優れ、表面の平坦性に優れるものを提供する。
【解決手段】 本発明の穿孔用当て板1は、板紙層10と樹脂含浸紙層11、12とを有している。樹脂含浸紙層11、12は樹脂含浸処理された板紙であり、樹脂含浸紙層11、12は、それぞれ板紙層10の両面の最外層に配置されている。
そして、プリント基板などの加工対象板をドリルで穿孔を行う場合に、穿孔用当て板1を加工対象板の下側に重ねて配置し、ドリルの先端が加工対象板の部分を超えることによって穿孔用当て板1が削られる。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の穿孔用当て板1は、板紙層10と樹脂含浸紙層11、12とを有している。樹脂含浸紙層11、12は樹脂含浸処理された板紙であり、樹脂含浸紙層11、12は、それぞれ板紙層10の両面の最外層に配置されている。
そして、プリント基板などの加工対象板をドリルで穿孔を行う場合に、穿孔用当て板1を加工対象板の下側に重ねて配置し、ドリルの先端が加工対象板の部分を超えることによって穿孔用当て板1が削られる。
【選択図】 図1
Description
プリント基板などの加工対象板を台の上に載せて穿孔する場合など、加工対象と台との間に配置して、ドリルや台を保護するために用いられる加工用当て板に関するものである。
プリント基板に貫通孔などを形成する場合、同じ加工を行うものを重ね合わせて、ドリルなどを用いて穿孔することが行われている。
そして、このような加工を行う場合、加工部分のバリの発生を防止し、また、プリント基板が載せられる台とドリルとが接触することを防いで、台やドリルの破損を防止するために、バックアップボードと呼ばれる当て板の上にプリント基板を配置した状態で加工が行われている。
そして、このような加工を行う場合、加工部分のバリの発生を防止し、また、プリント基板が載せられる台とドリルとが接触することを防いで、台やドリルの破損を防止するために、バックアップボードと呼ばれる当て板の上にプリント基板を配置した状態で加工が行われている。
そして、ドリルの先端のテーパー部分が、当て板を削る状態までドリルを進入させて加工し、穿孔によって形成されるプリント基板の貫通孔が均一な形状にしながら、台とドリルとの接触を防ぐことができる。
このような当て板は、表面が平坦であり、適度な硬さを持ち、快削性に優れ、削りカスが細かく、加工時の熱によっても特性が変化しにくい材料が好ましい。このような材料にすることにより、当て板が削られて発生する削りカスが、細かくなるようにして切削性を向上させて、削りカスの吸引性を良好にしながら、バリ状となることを防いでプリント基板を傷つけないようにすることができる。そして、従来は、ベークライト樹脂板などの樹脂板が用いられていた。
また、特許文献1に記載されているように、紙を用いた当て板も開発されており、さらに、特許文献2に記載されているように、紙を基材として合成樹脂を結合剤として用いたものも開発されている。
また、特許文献1に記載されているように、紙を用いた当て板も開発されており、さらに、特許文献2に記載されているように、紙を基材として合成樹脂を結合剤として用いたものも開発されている。
紙などの基材に、樹脂を含浸させた当て板について、より高密度にして硬いものを製造する場合には、基材と樹脂を型内に充填して、高圧で圧縮する方法で行うことが一般的であるが、このような方法で製造したのでは生産性が低かった。
また、特許文献2に記載されているように、長尺状の基材に樹脂を含浸させて、連続的に製造する場合、大きな力で圧縮することが難しいので、樹脂を高密度で含浸させた当て板の製造が難しいものであった。
また、特許文献2に記載されているように、長尺状の基材に樹脂を含浸させて、連続的に製造する場合、大きな力で圧縮することが難しいので、樹脂を高密度で含浸させた当て板の製造が難しいものであった。
厚みが薄ければ、小さな力でも平坦性を確保しながら、高密度に樹脂を含浸させたものを連続的に製造することができる。また、連続的に製造されたものをロール状に巻き取っても、巻き癖などが発生しにくい。
そこで、厚みが薄いものを連続的に製造して樹脂含浸紙層とし、これを積層することが考えられる。しかしながら、樹脂含浸紙層の表面を平坦状としても、積層作業で平坦性を失わせることがあり、特に、高密度に樹脂を含浸させた樹脂含浸紙層は硬いため、層間にの接着剤の厚み方向の不均一さなどが、表面状態に影響して、平坦性を失わせることがあった。
そこで、厚みが薄いものを連続的に製造して樹脂含浸紙層とし、これを積層することが考えられる。しかしながら、樹脂含浸紙層の表面を平坦状としても、積層作業で平坦性を失わせることがあり、特に、高密度に樹脂を含浸させた樹脂含浸紙層は硬いため、層間にの接着剤の厚み方向の不均一さなどが、表面状態に影響して、平坦性を失わせることがあった。
そこで、本発明は、樹脂を含浸させた樹脂含浸紙を用いたものであり、生産性に優れ、表面の平坦性に優れる穿孔用当て板を提供することを課題とするものである。
そして、上記した目的を達成するための請求項1に記載の発明は、プリント基板などの加工対象板をドリルで穿孔を行う場合に、加工対象板に重ねて配置し、ドリルの先端が加工対象板の部分を超えることによって削られる穿孔用当て板であって、板紙層と、樹脂含浸処理された板紙である樹脂含浸紙層とを有し、樹脂含浸紙層は板紙層の両面に配置されるように積層され、両面の樹脂含浸紙層はそれぞれ最外層に配置されるものであることを特徴とする穿孔用当て板である。
請求項1に記載の発明によれば、板紙層と、樹脂含浸処理された板紙である樹脂含浸紙層とを有し、樹脂含浸紙層は板紙層の両面に配置されるように積層され、両面の樹脂含浸紙層はそれぞれ最外層に配置されるものであるので、全体が厚いものであっても樹脂含浸紙層を薄くすることが可能となり、樹脂含浸紙層を連続的に製造した場合にも、平坦性をより優れるものとすることができる。
請求項2に記載の発明は、樹脂含浸紙層に用いられる樹脂は、アクリル系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の穿孔用当て板である。
請求項2に記載の発明によれば、樹脂含浸紙層に用いられる樹脂は、アクリル系樹脂であるので、リサイクル性に優れ、使用後の廃棄処理が容易である。
請求項3に記載の発明は、樹脂含浸紙層に用いられる樹脂のガラス転位点(Tg)は、50℃〜100℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載の穿孔用当て板である。
請求項3に記載の発明によれば、樹脂含浸紙層に用いられる樹脂のガラス転位点(Tg)は、50℃〜100℃であるので、樹脂含浸工程の含浸や硬化処理の際の加工性を向上させることができる。
請求項4に記載の発明は、両面の樹脂含浸紙層の厚みは略同じであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の穿孔用当て板である。
請求項4に記載の発明によれば、両面の樹脂含浸紙層の厚みは略同じであるので、全体としてバランスを取ることができ、カールなどの問題が発生しにくい。
請求項1〜4のいずれかに記載の穿孔用当て板の製造を、長尺状の板紙に連続的に樹脂を含浸処理して長尺状の樹脂含浸紙層を製造する樹脂含浸工程と、長尺状の樹脂含浸紙層と、板紙層となる長尺状の板紙を用いて、連続的に積層して接着する積層工程とによって行うことができる(請求項5)。
本発明によれば、樹脂を含浸させた樹脂含浸紙を用いて、生産性に優れ、表面の平坦性に優れる穿孔用当て板を提供することができる。
本発明の穿孔用当て板1は、図1に示されるように、板紙層10と、2ヵ所の樹脂含浸紙層11、12とを有している。そして、2ヵ所の樹脂含浸紙層11、12は板紙層10の両面に配置されて、板紙層10は2ヵ所の樹脂含浸紙層11、12に挟まれている層構造となっている。さらに、樹脂含浸紙層11、12のそれぞれと、板紙層10との間には、接着剤層13が形成されており、板紙層10と、樹脂含浸紙層11、12のそれぞれとは、接着されている。
板紙層10は、公知の板紙を用いることができるが、板紙層10の表面の平滑性を向上させることができ、穿孔の際の切削粉を微細粉とすることができるので、パルプ繊維長が短いものが望ましい。パルプ繊維長が短いものの例として、広葉樹のパルプを用いた板紙や古紙を使用した板紙があるが、コストの面から古紙を使用した板紙が望ましい。
また、パルプ繊維長が整えられて、均一な地合のよい板紙が望ましいので、バージンパルプを使用する場合には叩解処理をされて抄紙された板紙が望ましい。
また、パルプ繊維長が整えられて、均一な地合のよい板紙が望ましいので、バージンパルプを使用する場合には叩解処理をされて抄紙された板紙が望ましい。
板紙層10の板紙は、坪量平方メートル当たり190〜700gのボール紙を使用するが、板紙層10が厚い場合などには、必要に応じて複数層の貼り合わせとしたものを用いることができる。
そして、板紙層10の板紙は非塗工の白板紙・黄色板紙(黄ボール)・チップボールを使用することができる。このような板紙にはリサイクルのパルプが多く使用されている。
そして、板紙層10の板紙は非塗工の白板紙・黄色板紙(黄ボール)・チップボールを使用することができる。このような板紙にはリサイクルのパルプが多く使用されている。
樹脂含浸紙層11、12は、樹脂含浸処理された板紙が用いられるものであり、板紙層10の表面及び裏面に配置され、両面の樹脂含浸紙層11、12はそれぞれ最外層に配置される。
また、表面に配置される樹脂含浸紙層11と、裏面に配置される樹脂含浸紙層12とは、同じ素材、製造方法及び厚みのものが用いられている。したがって、同じ工程で製造されたものを、樹脂含浸紙層11及び樹脂含浸紙層12の両方に用いることができる。
また、表面に配置される樹脂含浸紙層11と、裏面に配置される樹脂含浸紙層12とは、同じ素材、製造方法及び厚みのものが用いられている。したがって、同じ工程で製造されたものを、樹脂含浸紙層11及び樹脂含浸紙層12の両方に用いることができる。
樹脂含浸紙層11、12に用いられる板紙は、特に限定されるものではないが、パルプ繊維長の短い広葉樹パルプを用いたものが好ましい。また、さらに、この広葉樹パルプに、針葉樹のパルプと混合したパルプを用いたものが好ましい。このようなものを採用することによって、表面が平滑となり、穿孔の際の切削粉が微細粉となる樹脂含浸紙層11、12とすることができる。
樹脂含浸紙層11、12に用いられる樹脂は、特に限定されるものではないが、含浸時は液体状であって、含浸後に硬化するものであればよい。穿孔用当て板1として使用される際に、適度な硬さを有するものが望ましく、この樹脂のガラス転位点(Tg)が45℃以上がよく、また、樹脂含浸工程の含浸や硬化処理の際の加工性を向上させることができるので、50℃〜100℃の範囲が望ましい。そして、ガラス転位点(Tg)が110℃以上となると、高濃度の含浸・硬化処理が難しくなる。
樹脂含浸紙層11、12に用いられる樹脂として、例えば、アクリル系の樹脂を用いることができ、かかる樹脂を用いることにより、他の樹脂などと比べて、使用後の穿孔用当て板1を用いたリサイクルなどが行いやすい。そして、樹脂含浸紙層11、12には、アクリル系の樹脂を用いているので、穿孔用当て板1に用いられる物質を構成する主な元素は、H、C、Oとなり、これを廃棄の際に燃焼させる場合でも、燃焼ガスには、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気が主成分となるので、焼却処理が容易であり、また、埋設処理された場合にも、汚染物質の流出のおそれがない。
また、樹脂に添加される他の成分は環境負荷物質を含まないものが望ましい。
また、樹脂に添加される他の成分は環境負荷物質を含まないものが望ましい。
樹脂含浸紙層11、12は、板紙層10よりも硬いものである。そのため、これらの間に配置される接着剤の厚みに多少の不均一さがあっても、板紙層10で吸収することができ、穿孔用当て板1の表面の平坦性を確保することができる。
また、板紙層10や樹脂含浸紙層11、12の厚みは、特に限定されるものではないが、板紙層10を樹脂含浸紙層11、12よりも厚いものとすることにより、樹脂含浸紙層11、12をより薄くして、樹脂含浸紙層11、12の製造を容易に行うことができる。
接着剤層13となる接着剤は、樹脂含浸紙層11、12と板紙層10との接着を行うことができれば、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸ビニール樹脂エマルジョンを用いることができる。
次に、穿孔用当て板1の製造方法について説明する。
まず、最初に、樹脂を含浸させた板紙である樹脂含浸紙層11、12を製造する樹脂含浸工程が行われる。樹脂含浸工程では、長尺状の板紙を用いて、連続的に樹脂を含浸させて、樹脂含浸紙層11、12を連続的に製造されるものである。具体的には、長尺状の板紙を、液状の樹脂が入っている槽を通過させたり、樹脂を吹きつけたりするなどして含浸させ、その後、この樹脂を硬化させて製造する。
まず、最初に、樹脂を含浸させた板紙である樹脂含浸紙層11、12を製造する樹脂含浸工程が行われる。樹脂含浸工程では、長尺状の板紙を用いて、連続的に樹脂を含浸させて、樹脂含浸紙層11、12を連続的に製造されるものである。具体的には、長尺状の板紙を、液状の樹脂が入っている槽を通過させたり、樹脂を吹きつけたりするなどして含浸させ、その後、この樹脂を硬化させて製造する。
この長尺状の板紙は、ロール状に巻き付けられたものを用いることができ、また、樹脂を含浸させて硬化させたものも、ロール状に巻き付けられられる。
本実施形態の樹脂含浸紙層11、12に用いられる樹脂は、水性エマルジョンタイプのものが用いられているので、樹脂の硬化は加熱により行われる。具体的には、樹脂を含浸させた板紙を所定の温度に上昇させた加熱炉を通過させることにより行われる。
なお、この樹脂の硬化は、樹脂の種類に応じた方法により行うことができる。
なお、この樹脂の硬化は、樹脂の種類に応じた方法により行うことができる。
また、樹脂含浸紙層11、12は穿孔用当て板1の両面に配置されて、樹脂含浸紙層11、12には平坦性が必要である。そのため、樹脂を硬化させる際やその前後で、ローラーなどで連続的に圧縮させて、平坦性を付与する。
次に、上記のように製造された樹脂含浸紙層11、12を両側に配置し、その間に板紙層10となる板紙を配置し、連続的に積層を行う。この積層を行う積層工程では、層の間に接着剤を塗布しながら行われる。
そして、層の間に接着剤を塗布して積層状態とし、接着剤層13を形成する。その後、確実に全体を接着させるために、ローラーなどで連続的に圧縮させる。このようにして、穿孔用当て板1が完成する。
そして、層の間に接着剤を塗布して積層状態とし、接着剤層13を形成する。その後、確実に全体を接着させるために、ローラーなどで連続的に圧縮させる。このようにして、穿孔用当て板1が完成する。
このように製造された穿孔用当て板1は、連続的に製造されるため長尺状となっているので、必要な長さに切断して使用される。したがって、本実施形態の製造方法によれば、同じ製造装置を用いても、切断する長さを変えるだけで異なる長さの穿孔用当て板1を製造することができる。
そして、穿孔用当て板1を切断する工程を、積層工程の最後に行うこともできる。このようにすることにより、積層工程と切断工程を一連の工程として、製造工程を簡略することができるだけでなく、積層された穿孔用当て板1が巻き付けられることがないので、積層状態で厚みのある穿孔用当て板1の完成後に、巻き付けによる巻き癖の発生を防止することができる。
次に、穿孔用当て板1を用いて、加工対象板90に穿孔する方法について説明する。
本実施形態の穿孔の方法では、プリント基板などの加工対象板90は、複数のものが重ねられている。そして、上面当て板92の上側には、エントリーボードと呼ばれる上面当て板92が配置され、加工対象板90の下側には下面当て板93となる穿孔用当て板1が配置している。
本実施形態の穿孔の方法では、プリント基板などの加工対象板90は、複数のものが重ねられている。そして、上面当て板92の上側には、エントリーボードと呼ばれる上面当て板92が配置され、加工対象板90の下側には下面当て板93となる穿孔用当て板1が配置している。
そして、上面当て板92、加工対象板90及び穿孔用当て板1(下面当て板93)が重ねられた状態で、載置台91上に載せられている。したがって、穿孔用当て板1は、加工対象板90と載置台91との間に挟まれた状態となっている。
このような状態で、ドリル95によって上側から穿孔が行われる。この穿孔は、ドリル95の先端のテーパー部95aの根元部分が、一番下側の加工対象板90の下面を超えるまでドリル95を進入させるようにして行われる。
そして、加工が終わると、全ての加工対象板90の孔が同じ形状となり、テーパー部95aによって穿孔用当て板1が削られる。
このようにして、加工対象板90の必要な部分に孔を形成するように穿孔が行われる。
そして、加工が終わると、全ての加工対象板90の孔が同じ形状となり、テーパー部95aによって穿孔用当て板1が削られる。
このようにして、加工対象板90の必要な部分に孔を形成するように穿孔が行われる。
本実施形態の方法では、適度な硬さを有する樹脂が含浸された板紙である樹脂含浸紙層11が表面に配置されているので、穿孔の際にバリなどが発生しにくく、細かい削りカスとなるので、加工対象板90を傷つけにくい。
なお、穿孔を行う際に、上面当て板92や、加工対象板90や、穿孔用当て板1の削りカスが発生するが、ドリル95の近くに吸引器の吸引口を配置させ、この削りカスを吸引する。本実施形態では、穿孔用当て板1が削られることによって発生する削りカスが細かいので、吸引作業を容易に行うことができる。
以下のように、実施例1、2、3の穿孔用当て板を製作し、評価した。なお、本発明はその主旨を超えない限り、以下の記載例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1の穿孔用当て板を以下のようにして製造した。
実施例1の樹脂含浸紙層用の板紙に含浸させる樹脂として、以下の処方のものを用いた。
・サイビノールACF15 ・・・ 70部
・水 ・・・ 30部
なお、サイビノールACF15は、主成分がアクリル共重合水性エマルジョンであり、固形分が45%であり、その樹脂のTgは、60℃である。
実施例1の穿孔用当て板を以下のようにして製造した。
実施例1の樹脂含浸紙層用の板紙に含浸させる樹脂として、以下の処方のものを用いた。
・サイビノールACF15 ・・・ 70部
・水 ・・・ 30部
なお、サイビノールACF15は、主成分がアクリル共重合水性エマルジョンであり、固形分が45%であり、その樹脂のTgは、60℃である。
また、実施例1の樹脂含浸紙層に用いられる板紙は、以下のものを用いた。
・厚み・・・0.40mm
・米坪・・・平方メートル当たり240g
・密度・・・立方センチメートル当たり0.60g
・パルプ配合
N材(針葉樹)・・・25%
L材(広葉樹)・・・75%
・厚み・・・0.40mm
・米坪・・・平方メートル当たり240g
・密度・・・立方センチメートル当たり0.60g
・パルプ配合
N材(針葉樹)・・・25%
L材(広葉樹)・・・75%
上記板紙に含浸用の樹脂を、絞り率120%(平方メートル当たり288g)で含浸させて、140℃で乾燥する。乾燥後、線圧150kgf/cmでカレンダー処理を行って樹脂含浸紙層を形成した。
このように形成された樹脂含浸紙層の物性は以下の通りである。
・厚み・・・0.35mm
・米坪・・・平方メートル当たり330g
・密度・・・立方センチメートル当たり0.94g
したがって、乾燥により、樹脂の付着量は平方メートル当たり90gとなっている。
・厚み・・・0.35mm
・米坪・・・平方メートル当たり330g
・密度・・・立方センチメートル当たり0.94g
したがって、乾燥により、樹脂の付着量は平方メートル当たり90gとなっている。
また、実施例1の板紙層に用いられる板紙は、以下のものを用いた。
・厚み・・・0.90mm
・米坪・・・平方メートル当たり600g
・厚み・・・0.90mm
・米坪・・・平方メートル当たり600g
そして、板紙層の両面に樹脂含浸紙層を配置して三層構造となるように、これらを貼り合わせる。貼り合わせには、酢酸ビニール樹脂エマルジョンの接着剤(ポリゾール1000J 昭和高分子製)を用いた。
このようにして製造された穿孔用当て板の物性は、以下の通りである。
・厚み・・・1.6mm
・米坪・・・平方メートル当たり1400g
・密度・・・立方センチメートル当たり0.94g
・厚み・・・1.6mm
・米坪・・・平方メートル当たり1400g
・密度・・・立方センチメートル当たり0.94g
(実施例2、3)
また、実施例2及び実施例3の穿孔用当て板を製作した。この実施例2及び実施例3の穿孔用当て板は、樹脂含浸層に用いられる樹脂のみを変えたものであり、他の点については実施例1と同じ内容で製作した。
そして、実施例2では、樹脂含浸紙層用の板紙に含浸させる樹脂として、サイビノールSK−202を用い、実施例3では、サイビノールACF−208を用いた。これらの樹脂の比較は、表1の通りである。なお、これらの樹脂は、全て主成分がアクリル共重合水性エマルジョンであり、固形分量は45%で同じである。そして、含浸に用いる場合、実施例1と同様に、これらを70部に対して水30部を加えたものを使用した。
なお、表1には、それぞれの樹脂のTgも合わせて示している。
また、実施例2及び実施例3の穿孔用当て板を製作した。この実施例2及び実施例3の穿孔用当て板は、樹脂含浸層に用いられる樹脂のみを変えたものであり、他の点については実施例1と同じ内容で製作した。
そして、実施例2では、樹脂含浸紙層用の板紙に含浸させる樹脂として、サイビノールSK−202を用い、実施例3では、サイビノールACF−208を用いた。これらの樹脂の比較は、表1の通りである。なお、これらの樹脂は、全て主成分がアクリル共重合水性エマルジョンであり、固形分量は45%で同じである。そして、含浸に用いる場合、実施例1と同様に、これらを70部に対して水30部を加えたものを使用した。
なお、表1には、それぞれの樹脂のTgも合わせて示している。
上記した、実施例1、2、3の穿孔用当て板について評価を行った。
具体的には、加工対象板を6枚重ねた下側に配置し、100,000回転/分のルーターを使用して、穴あけを行い、加工対象板の銅箔のバリの発生状態、穴壁の粗さ、切屑の吸引性を確認した。
評価基準は、従来用いられているベークライト製の穿孔用当て板と比較し、同等又はそれ以上であれば「○」、若干劣るものは「△」、性能が明らかに劣るものは「×」として評価した。
実施例1、2、3の穿孔用当て板の物性と、評価結果を表2に示す。なお、物性の確認の条件や評価基準については、この表に示している。
具体的には、加工対象板を6枚重ねた下側に配置し、100,000回転/分のルーターを使用して、穴あけを行い、加工対象板の銅箔のバリの発生状態、穴壁の粗さ、切屑の吸引性を確認した。
評価基準は、従来用いられているベークライト製の穿孔用当て板と比較し、同等又はそれ以上であれば「○」、若干劣るものは「△」、性能が明らかに劣るものは「×」として評価した。
実施例1、2、3の穿孔用当て板の物性と、評価結果を表2に示す。なお、物性の確認の条件や評価基準については、この表に示している。
その結果、実施例1、2の穿孔用当て板は、全ての評価項目において良好であった。また、実施例3については、一部の評価が実施例1、2に比べて劣っている。
なお、実施例1、2、3について、アクリル系の樹脂を用いているので、廃棄処理の際に、有毒性のガスを発生させることなく、焼却処理を行うことができ、従来用いられているベークライト製の穿孔用当て板等に比べて、焼却処理が容易である。
なお、実施例1、2、3について、アクリル系の樹脂を用いているので、廃棄処理の際に、有毒性のガスを発生させることなく、焼却処理を行うことができ、従来用いられているベークライト製の穿孔用当て板等に比べて、焼却処理が容易である。
1 穿孔用当て板
10 板紙層
11、12 樹脂含浸紙層
90 加工対象板
10 板紙層
11、12 樹脂含浸紙層
90 加工対象板
Claims (5)
- プリント基板などの加工対象板をドリルで穿孔を行う場合に、加工対象板に重ねて配置し、ドリルの先端が加工対象板の部分を超えることによって削られる穿孔用当て板であって、
板紙層と、樹脂含浸処理された板紙である樹脂含浸紙層とを有し、樹脂含浸紙層は板紙層の両面に配置されるように積層され、両面の樹脂含浸紙層はそれぞれ最外層に配置されるものであることを特徴とする穿孔用当て板。 - 樹脂含浸紙層に用いられる樹脂は、アクリル系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の穿孔用当て板。
- 樹脂含浸紙層に用いられる樹脂のガラス転位点(Tg)は、50℃〜100℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載の穿孔用当て板。
- 両面の樹脂含浸紙層の厚みは略同じであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の穿孔用当て板。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の穿孔用当て板を製造する穿孔用当て板の製造方法であって、
長尺状の板紙に連続的に樹脂を含浸処理して長尺状の樹脂含浸紙層を製造する樹脂含浸工程と、長尺状の樹脂含浸紙層と、板紙層となる長尺状の板紙を用いて、連続的に積層して接着する積層工程とを有することを特徴とする穿孔用当て板の製造方法。
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2007
- 2007-06-19 JP JP2007161368A patent/JP2009004430A/ja active Pending
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