JP2009001222A - 車両用シートのハイト機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】ピニオンギヤ、セクターギヤのバックラッシュを低剛性素材のサブギヤで埋めればサブギヤを高い寸法精度のもとで成形する必要があり、孔に嵌合したダンパーを変形させればガタつきや異音の発生を確実に防止できない。
【解決手段】セクターギヤ28は中央の板材28cを左右から板材28L、28Rで挟持する三層構造とされ、中央の板材は左右の板材間に固定された後半部28c1とその先端に歯を持ち左右の板材間に径方向に可動に挟持された前半部28c2とに分断して形成されている。付勢部材36が中央の板材の前半部、後半部間に配置されて径方向の付勢力を前半部に加えることにより、前半部の歯28−1〜3は左右の板材の重複する歯よりも突出され、ピニオンギヤの歯26−1、26−2に押圧され、左右から挟持して噛合されるため、ピニオンギヤ、セクターギヤはバックラッシュのない状態で噛合される。
【選択図】図4
【解決手段】セクターギヤ28は中央の板材28cを左右から板材28L、28Rで挟持する三層構造とされ、中央の板材は左右の板材間に固定された後半部28c1とその先端に歯を持ち左右の板材間に径方向に可動に挟持された前半部28c2とに分断して形成されている。付勢部材36が中央の板材の前半部、後半部間に配置されて径方向の付勢力を前半部に加えることにより、前半部の歯28−1〜3は左右の板材の重複する歯よりも突出され、ピニオンギヤの歯26−1、26−2に押圧され、左右から挟持して噛合されるため、ピニオンギヤ、セクターギヤはバックラッシュのない状態で噛合される。
【選択図】図4
Description
本発明は、シートの高さ調整を可能とする車両用シートのハイト機構、特に、シートのガタつきを防止する車両用シートのハイト機構に関する。
自動車などのシートクッション内部に装着されるハイト機構(シートリフター機構ともいう)は、シートの高さを任意に調節可能に、フロント、リヤのハイトリンクを車床上のシートライザー、シート下端のシートフレーム間でその前後左右に一対ずつ揺動可能に配置して構成されている。ハイト機構においては、駆動レバーや、下方へのハイトリンクの揺動を規制するブレーキユニットなどを有する駆動手段によって、たとえば、リヤのハイトリンク(リヤリンク)を揺動させ、リヤリンクの揺動角度に応じて、シートの高さを調整して設定可能となっている。つまり、ハイトリンク上端にその回動軸の固定されたセクターギヤに、駆動レバーに連動して駆動するピニオンギヤが噛合されており、駆動レバーを操作してピニオンギヤを駆動させれば、セクターギヤがリヤリンクを伴って揺動してシートを昇降させるように構成されている。
通常、ピニオンギヤ、セクターギヤの歯の噛合部分にバックラッシュが必然的に存在する。そのため、駆動レバーを操作してピニオンギヤを駆動させたり、乗員の着座などによってシートクッションに大きな荷重や振動が加わると、バックラッシュに起因するガタや異音がシートクッションに発生する。
ガタや異音の発生を防止するために、たとえば、特開平06−278509号公報には、セクターギヤより低剛性素材からなるサブギヤをセクターギヤと同軸で一体的に設け、サブギヤの歯をセクターギヤの歯よりも大きく形成することにより、サブギヤの歯の間隔がセクターギヤの歯の間隔よりもバックラッシュ相当分だけ小さく設定された構成が記載されている。
また、特開2007−062530号公報では、セクターギヤに長孔と長孔でない挿通孔という2種類の孔を設け、これらの孔に段付ピンを挿通させてサブギヤが、その歯をセクタギヤの歯に対してバックラッシュ相当分だけずらしてセクタギヤに取付けられている。ここで、長孔でない挿通孔には、弾性材からなるダンパーが嵌合され、このバンパーを介在して段付ピンが挿通孔に挿通されている。
特開平06−278509号公報
特開2007−062530号公報
特開平06−278509号公報の構成では、サブギヤがピニオンギヤ、セクターギヤ間のバックラッシュ相当分を埋めることで、ハイト機構の駆動時(駆動レバーの操作時)、非駆動時(乗員の着座時など)に加わる荷重、振動などをサブギヤが弾性的に受け止めて、ガタつきや異音の発生を防止する。しかし、サブギヤが硬質のウレタンやゴムなどの低剛性素材から成形されるとともに、サブギヤを高い寸法精度のもとで成形する必要があるため、コストアップとなる。
また、特開2007−062530号公報の構成においては、挿通孔内のダンパーが弾性変形してハイト機構の駆動時や非駆動時における荷重、振動などを吸収することにより、ガタつきや異音の発生を防止できる。しかし、ダンパーはサブギヤを径方向に均等に付勢しておらず、サブギヤ、ピニオンギヤの噛合位置によってダンパーの変形による影響が相違し、ガタつきや異音の発生を防止する程度が異なるため、ガタつきや異音の発生を確実に防止することができない。すなわち、ダンパーの嵌合された挿通孔付近でのサブギヤ、ピニオンギヤの噛合においては、ダンパーの変形による影響が大きく、ガタつきや異音の発生を十分に防止できる。これに対して、ダンパーから離反した長孔付近でのサブギヤ、ピニオンギヤの噛合においては、ダンパーの変形による影響が少なく、ガタつきや異音の発生を確実に防止できない。
本発明は、サブギヤを高い寸法精度のもとで成形することなく、ガタつきや異音の発生が確実に防止できるシートのハイト機構の提供を目的としている。
請求項1に係る本発明によれば、シートフレーム、シートライザー間に介在されたフロントリンク、リヤリンクの一対のハイトリンクによってシートを昇降可能に支持するとともに、駆動手段の駆動レバーの操作に連動して駆動手段のピニオンギヤを回動させ、ピニオンギヤに噛合するリヤリンクのセクターギヤを駆動させてシートを任意の高さに調整、設定可能とした車両用シートのハイト機構において、中央の板材を左右から板材で挟持する多層構造にセクターギヤが構成され、中央の板材は、左右の板材間に固定された後半部と、その先端に歯を持ち、左右の板材間に径方向に可動に挟持された前半部とに分断されている。そして、付勢部材が中央の板材の前半部、後半部間に配置され、径方向の付勢力を中央の板材の前半部に加え、前半部の歯を左右の板材の重複する歯よりも突出させてピニオンギヤの歯に噛合させている。
請求項1の本発明では、径方向に可動に左右の板材間に挟持されたセクターギヤの中央の板材の前半部は、付勢部材の付勢力のもとで径方向に突出してピニオンギヤと常に噛合され、ピニオンギヤ、セクターギヤ間のバックラッシュを埋めるサブギヤとして機能する。そのため、ハイト機構の非駆動時、駆動時のいずれにおいてもバックラッシュは存在せず、バックラッシュに起因するガタつきや異音の発生が防止される。
そして、付勢部材は、中央の板材の前半部(サブギヤ)、後半部間に配置されて径方向に均等にサブギヤを付勢するため、円周方向でのサブギヤ、ピニオンギヤの噛合位置に関係なく、ガタつきや異音の発生が確実に防止される。
また、中央の板材の前半部(サブギヤ)は付勢部材のもとで径方向に付勢されているため、サブギヤを硬質のウレタンやゴムなどの低剛性素材から成形する必要はない。さらに、中央の板材の前半部(サブギヤ)に成形上の寸法誤差があっても、付勢されることによりその寸法誤差が吸収されるため、サブギヤを高い寸法精度のもとで成形する必要もない。
そして、付勢部材は、中央の板材の前半部(サブギヤ)、後半部間に配置されて径方向に均等にサブギヤを付勢するため、円周方向でのサブギヤ、ピニオンギヤの噛合位置に関係なく、ガタつきや異音の発生が確実に防止される。
また、中央の板材の前半部(サブギヤ)は付勢部材のもとで径方向に付勢されているため、サブギヤを硬質のウレタンやゴムなどの低剛性素材から成形する必要はない。さらに、中央の板材の前半部(サブギヤ)に成形上の寸法誤差があっても、付勢されることによりその寸法誤差が吸収されるため、サブギヤを高い寸法精度のもとで成形する必要もない。
セクターギヤは中央の板材を左右から板材で挟持する多層構造に構成され、中央の板材は、左右の板材間に固定された後半部と、その先端に歯を持ち、左右の板材間に円周方向および径方向に可動に挟持された前半部とに分断して形成されている。そして、付勢部材が中央の板材の前半部、後半部間に配置され、径方向の付勢力を中央の板材の前半部に加え、前半部の歯を左右の板材の重複する歯よりも突出させてピニオンギヤの歯に噛合させている。付勢部材は、たとえば、波形断面の板ばねとされる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施例を詳細に説明する。図1は本発明の一実施例に係る車両用シートのハイト機構の概略平面図、図2は車両用シートのハイト機構の概略正面図、図3は図1の矢印A−Aから見た車両用シートのハイト機構の概略正面図を示す。
図1〜図3に示すように、車両用シートのハイト機構10は、シートフレーム12、シートライザー14間に介在されたフロント、リヤ一対のハイトリンク(フロントリンク、リヤリンク)16F、16Rによってシートフレーム12上のシート13を昇降可能に支持するように構成されている。なお、実施例では、アッパーレール、ロアレールの組み合わせからなるシートスライド装置をシートライザー14としているが、これに限定されない。
ハイト機構10のフロントリンク16F、リヤリンク16Rは、シートフレーム12、シートライザー14間で左右にそれぞれ配置され、左右のフロントリンク16F−1、16F−2がフロントの連結シャフト(リンクシャフト)18Fの端にそれぞれ固定、連結されて左右一体化されている。また、左右のリヤリンク16R−1、16R−2はリヤの連結シャフト(リンクシャフト)18Rに固定、連結されて左右一体化されている。そして、フロントリンク16F、リヤリンク16Rは、シートフレーム12、シートライザー14に、その上下端をそれぞれ連結、枢支することにより、シートをシートライザーに対して昇降可能に支持している。
なお、リヤリンク16Rはセクタカバー19で被覆されている。しかし、内部構造を図示するために、図3ではセクタカバー19は除かれている。
なお、リヤリンク16Rはセクタカバー19で被覆されている。しかし、内部構造を図示するために、図3ではセクタカバー19は除かれている。
図1、図3に示すように、ハイト機構10は駆動手段20を左右いずれかに備え、実施例では、シートの右サイドに駆動手段20が配置され、リヤリンク16R−1を揺動させ、リヤリンク16R−1の揺動角度に応じてシートの高さを調整、設定している。駆動手段20は、駆動レバー22と、左右いずれか(実施例では右サイド)でハイトリンク(フロントリンク16F、リヤリンク16R)の揺動を規制するブレーキ24と、駆動レバーに加えられた動力をリヤリンク16Rに伝達するためのピニオンギヤ26と、ピニオンギヤに噛合するセクターギヤ28とを有して形成されている。ピニオンギヤ26は駆動レバー22と同軸で一体的に回動可能に設けられ、セクターギヤ28はリヤの連結シャフト18Rに固定されてリヤの連結シャフトと一体化されている。
駆動レバー22を操作すれば、その出力が駆動レバーと同軸のピニオンギヤ26を回動させ、ピニオンギヤに噛合するセクターギヤ28をリヤの連結シャフト18Rとともに揺動させる。左右のリヤリンク16R−1、16R−2がリヤの連結シャフト18Rを介して一体化されているため、リヤの連結シャフトの回動に伴って、左右のリヤリンクがその揺動軸17の回りで揺動し、その揺動に追従して左右のフロントリンク16F−1、16F−2も揺動されることにより、シート13がシートフレーム12とともに昇降される。
上記のようなハイトリンク(フロントリンク、リヤリンク)16F、16R、駆動手段20を備えたハイト機構10の基本構成自体は、たとえば、特開2001−088589号公報記載のように公知であり、その基本構成自体は本発明の要旨でないため、ハイト機構の基本構成の詳細な説明は省略する。
図4はピニオンギヤとセクターギヤ(またはサブギヤ)との噛合状態を示し、(A)は概略正面図、(B)は(A)のB部の拡大正面図、(C)は(A)の線C−Cに沿った断面図をそれぞれ示す。
後述するように、本発明では、セクターギヤ28の一部がピニオンギヤ26に噛合してセクターギヤ、ピニオンギヤの間のバックラッシュを埋めるサブギヤとして機能している。
後述するように、本発明では、セクターギヤ28の一部がピニオンギヤ26に噛合してセクターギヤ、ピニオンギヤの間のバックラッシュを埋めるサブギヤとして機能している。
図4(C)に示すように、セクターギヤ28は3枚の板材を重ねた多層構造に構成されている。すなわち、セクターギヤ28は、中央の板材28cを左右(図上では上下)から板材28L、28Rで挟持する多層構造とされ、中央の板材28cは、基部となる後半部28c1と、その先端に歯を持ち、左右の板材間に挟持された前半部28c2とに分断して成形されている。
図5は、セクターギヤの構成部材を分解した平面図を示し、左右の板材は同一形状であるため、一方(28R)のみを示し、他方(28L)は省略されている。
複数の係合穴、たとえば、3つの係合穴29aが、左右の板材28L、28Rおよび中央の板材の後半部28c1を貫通して形成され、係合ピン29bが係合穴29aに係合されることによって中央の板材の後半部28c1は左右の板材28L、28Rに固定されている。
また、大径の係合穴30aが左右の板材28L、28Rおよび中央の板材の後半部28c1を貫通して形成され、この係合穴にリヤの連結シャフト18Rが固定されている。
さらに、非円形のガイド孔31aが左右の板材28L、28Rおよび中央の板材の後半部28c1を貫通して形成されている。図3に示すように、ガイドピン31bがシートフレーム12の内面に固着されて内方に突出し、このガイドピンが左右の板材28L、28Rおよび中央の板材の後半部28c1のガイド孔31aに遊嵌されることにより、セクターギヤ28はガイドピン31bにガイドされてシートフレーム上を揺動される。実施例では、セクターギヤ28の軽量化のために、ガイド孔31aは大きく形成されている。
複数の係合穴、たとえば、3つの係合穴29aが、左右の板材28L、28Rおよび中央の板材の後半部28c1を貫通して形成され、係合ピン29bが係合穴29aに係合されることによって中央の板材の後半部28c1は左右の板材28L、28Rに固定されている。
また、大径の係合穴30aが左右の板材28L、28Rおよび中央の板材の後半部28c1を貫通して形成され、この係合穴にリヤの連結シャフト18Rが固定されている。
さらに、非円形のガイド孔31aが左右の板材28L、28Rおよび中央の板材の後半部28c1を貫通して形成されている。図3に示すように、ガイドピン31bがシートフレーム12の内面に固着されて内方に突出し、このガイドピンが左右の板材28L、28Rおよび中央の板材の後半部28c1のガイド孔31aに遊嵌されることにより、セクターギヤ28はガイドピン31bにガイドされてシートフレーム上を揺動される。実施例では、セクターギヤ28の軽量化のために、ガイド孔31aは大きく形成されている。
また、中央の板材の前半部28c2に2つの係合穴33aが左右の対称位置に形成され、この係合穴と略整列して、係合穴33aよりも小径の係合穴33a’が左右の板材28L、28Rに形成され、係合ピン33bが係合穴33a、33a’に係合されている。
ここで、中央の板材の前半部28c2に形成された係合穴33aは、左右の板材28L、28Rに形成された係合穴33a’よりも大径であるため、係合穴、係合ピン間に隙間が残存し、前半部28c2は、係合ピン33bをガイドピン、係合穴33aをガイド孔として円周方向および径方向に可動となる。すなわち、中央の板材の前半部28c2は、左右の板材28L、28R間で円周方向および径方向に可動に挟持されている。
図4(C)からわかるように、中央の板材の前半部28c2は、左右の板材28L、28Rとの間に可動許容スペースを残すように、その後半部28c1よりも薄く成形されている。
ここで、中央の板材の前半部28c2に形成された係合穴33aは、左右の板材28L、28Rに形成された係合穴33a’よりも大径であるため、係合穴、係合ピン間に隙間が残存し、前半部28c2は、係合ピン33bをガイドピン、係合穴33aをガイド孔として円周方向および径方向に可動となる。すなわち、中央の板材の前半部28c2は、左右の板材28L、28R間で円周方向および径方向に可動に挟持されている。
図4(C)からわかるように、中央の板材の前半部28c2は、左右の板材28L、28Rとの間に可動許容スペースを残すように、その後半部28c1よりも薄く成形されている。
図6は左右の板部材の一方を除いて中央の板材を露出させたセクターギヤの正面図を示す。図6では、左右の板材のうち、板材28Rが除かれている。
径方向の付勢力を中央の板材の前半部28c2に加えるように、付勢部材36が中央の板材の前半部28c2、後半部28c1間に配置されている。付勢部材36は、たとえば、多数の波形を持つ波形断面の板ばねとされる。
図4(A)(B)(C)、図6に示すように、径方向に付勢された中央の板材の前半部28c2の歯が、中央の板材28cを挟持する左右の板材28L、28Rの重複する歯よりも突出するように、係合穴(ガイド孔)33a、係合ピン(ガイドピン)33bの形状が設定されている。
径方向の付勢力を中央の板材の前半部28c2に加えるように、付勢部材36が中央の板材の前半部28c2、後半部28c1間に配置されている。付勢部材36は、たとえば、多数の波形を持つ波形断面の板ばねとされる。
図4(A)(B)(C)、図6に示すように、径方向に付勢された中央の板材の前半部28c2の歯が、中央の板材28cを挟持する左右の板材28L、28Rの重複する歯よりも突出するように、係合穴(ガイド孔)33a、係合ピン(ガイドピン)33bの形状が設定されている。
中央の板材の前半部28c2の歯は付勢部材36の付勢力のもとで径方向に付勢されて左右の板材28L、28Rの重複する歯よりも突出し、ピニオンの対応する歯に常に噛合する。
たとえば、図4(B)に示すように、中央の板材の前半部28c2の隣接する一対の歯28−1、28−2が付勢部材36の径方向の付勢力のもとでピニオン26の対応する歯26−1に押圧され、両側から挟持して噛合する。同様に、隣接する一対の歯28−2、28−3が付勢部材36の径方向の付勢力のもとでピニオン26の対応する歯26−2に押圧され、両側から挟持して噛合する。
たとえば、図4(B)に示すように、中央の板材の前半部28c2の隣接する一対の歯28−1、28−2が付勢部材36の径方向の付勢力のもとでピニオン26の対応する歯26−1に押圧され、両側から挟持して噛合する。同様に、隣接する一対の歯28−2、28−3が付勢部材36の径方向の付勢力のもとでピニオン26の対応する歯26−2に押圧され、両側から挟持して噛合する。
このように、径方向への付勢力のもとで中央の板材の前半部28c2の歯がピニオン26の対応する歯に押圧され、両側から挟持して噛合することにより、ハイト機構の非駆動時、駆動時のいずれにおいても、中央の板材の前半部28c2によってピニオンギヤ26、セクターギヤ28間のバックラッシュ相当分が埋められ、バックラッシュの存在が許されない。つまり、中央の板材の前半部28c2が、ピニオンギヤ26、セクターギヤ28間のバックラッシュ相当分を埋めるサブギヤとして機能する。そのため、ピニオンギヤ26、セクターギヤ28間にバックラッシュは存在せず、ハイト機構の非駆動時、駆動時のいずれにおいてもバックラッシュに起因するガタつきや異音の発生が防止される。
駆動レバー22を操作してピニオンギヤ26を駆動する際には、ピニオンギヤ26の歯にその歯が押圧されてサブギヤ(中央の板材の前半部)28c2が付勢部材36の付勢力に抗して径方向に後退する。そのため、本来のセクターギヤの歯(左右の板材28L、28Rの歯)とピニオンギヤ26の歯とが噛合し、セクターギヤがリヤの連結シャフト18Rとともに揺動して、シート13がシートフレーム12とともに昇降される。
また、ガイド孔(係合穴)33a、ガイドピン(係合ピン)30b間に隙間があり、サブギヤ28c2が、径方向に加えて円周方向にも可動であるため、円周方向にも移動しながらサブギヤは付勢部材36の付勢力に抗して径方向に後退する。
また、径方向だけでなく円周方向にも可動であるため、シートクッションに加わった荷重や振動をサブギヤ28c2が付勢力のもとで円滑に吸収でき、この点からもバックラッシュによるガタつきや異音の発生が防止される。
また、径方向だけでなく円周方向にも可動であるため、シートクッションに加わった荷重や振動をサブギヤ28c2が付勢力のもとで円滑に吸収でき、この点からもバックラッシュによるガタつきや異音の発生が防止される。
中央の板材の後半部28c1、前半部(サブギヤ)28c2の間に付勢部材36を配置する構成では、円周方向でのピニオンギヤ26、サブギヤ28c2の噛合位置に関係なく径方向の付勢力をサブギヤに均等に加えることができる。そのため、サブギヤ、ピニオンギヤの噛合位置と無関係に、サブギヤ28c2によってピニオンギヤ26、セクターギヤ28間のバックラッシュ相当分を埋めることができ、バックラッシュに起因するガタつきや異音の発生を確実に防止できる。
また、中央の板材の後半部28c1、前半部(サブギヤ)28c2の間で付勢部材36の配置スペースを円周方向に広範囲にとることができるため、円周方向でのピニオンギヤ26、サブギヤ28c2の噛合位置に関係なく径方向の付勢力をサブギヤに均等に加える設計が容易に得られる。
付勢部材36は、中央の板材の後半部28c1、前半部(サブギヤ)28c2の間に配置されてサブギヤ(前半部)28c2を径方向で外方に付勢するものであればよく、図示の板ばねに限定されず、圧縮コイルばね、竹の子ばねなどでもよい。また、ばねに限定されず、弾性ゴムなどを付勢部材としてもよい。
しかし、圧縮コイルばね、竹の子ばねなどであれば、配置スペースとして広いスペースが径方向に必要とされ、複数個配置する必要があるのに対して、板ばねであれば径方向の狭いスペースに配置でき、1つの板ばねで必要な付勢力が得られる利点がある。特に、実施例のように多数(たとえば、ほぼ20)の山と谷を持つ波形断面の板ばねを付勢部材36とすれば、僅かな径方向のスペースで配置できるとともに、円周方向のどの位置でも均等な径方向の付勢力をサブギヤに加えることができ、サブギヤ、ピニオンギヤの噛合位置と無関係にバックラッシュを埋めてガタつきや異音の発生を確実に防止できる。多数(たとえば、ほぼ20)の山と谷を持つ波形断面の板ばねが好ましいとはいえ、中央とその左右に対称に1つずつまたは数個(たとえば、2〜5個)ずつの山と谷を持つ波形断面の板ばねを使用してもよい。
サブギヤ(中央の板材の前半部)28c2は左右の板材28L、28Rに挟持されているため、板厚方向でのずれ、ブレが防止され、ずれ、ブレのない状態でその歯がピニオンギヤに噛合するため、この点からもバックラッシュによるガタつきや異音の発生が確実に防止される。
3枚の薄板28c、28L、28Rを重ねた多層構造においては、一枚の厚板からなる1枚構造よりも部品精度が低くてよいため、加工コストが低下し、セクターギヤのコストダウンが可能となる。
セクターギヤ28を構成する3枚の板材28c、28L、28Rは、通常、ピニオンギヤと同じ材料からいずれも成形されるが、ピニオンギヤと異なる材料から成形してもよい。また、サブギヤとなる中央の板材の前半部28c2を他の板材(中央の板材の後半部28c1、左右の板材28L、28R)と別の材料から成形してもよい。
セクターギヤ28を構成する3枚の板材28c、28L、28Rは、通常、ピニオンギヤと同じ材料からいずれも成形されるが、ピニオンギヤと異なる材料から成形してもよい。また、サブギヤとなる中央の板材の前半部28c2を他の板材(中央の板材の後半部28c1、左右の板材28L、28R)と別の材料から成形してもよい。
上記のように、径方向の付勢力をサブギヤに加えているため、ハイト機構の非駆動時、駆動時のいずれにおいても、ピニオンギヤ、セクターギヤ間にバックラッシュが存在せず、バックラッシュによるガタつきや異音の発生が防止される。
サブギヤが付勢部材によってバックラッシュをなくす方向に付勢されているため、サブギヤを硬質のウレタンやゴムなどの低剛性素材から成形する必要はなく、ピニオンギヤ、セクターギヤと同じ材質から成形できる。また、サブギヤに成形上の寸法誤差があっても、付勢されることによりその寸法誤差が吸収されるため、サブギヤを高い寸法精度のもとで成形する必要もない。そのため、コストアップとならず、ガタつきや異音の発生のないシートのハイト機構が安価に得られる。
サブギヤが付勢部材によってバックラッシュをなくす方向に付勢されているため、サブギヤを硬質のウレタンやゴムなどの低剛性素材から成形する必要はなく、ピニオンギヤ、セクターギヤと同じ材質から成形できる。また、サブギヤに成形上の寸法誤差があっても、付勢されることによりその寸法誤差が吸収されるため、サブギヤを高い寸法精度のもとで成形する必要もない。そのため、コストアップとならず、ガタつきや異音の発生のないシートのハイト機構が安価に得られる。
上述した実施例は、この発明を説明するためのものであり、この発明を何等限定するものでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
たとえば、多層構造のセクターギヤは図示の三層構造に限定されず、中央の板材を左右から挟持する板材は中央の板材の前半部(サブギヤ)を可動に挟み込むものであれば足り、図示のように左右から一枚構造の板で中央の板材を挟持する代わりに、多層構造の板材で中央の板材を左右から挟持してもよい。
たとえば、多層構造のセクターギヤは図示の三層構造に限定されず、中央の板材を左右から挟持する板材は中央の板材の前半部(サブギヤ)を可動に挟み込むものであれば足り、図示のように左右から一枚構造の板で中央の板材を挟持する代わりに、多層構造の板材で中央の板材を左右から挟持してもよい。
本発明は、駆動レバーを操作してピニオンギヤを駆動させ、ピニオンギヤと噛合するセクターギヤを揺動させるハイト機構を有する車両用シートに広範囲に応用できる。
10 ハイト機構
12 シートフレーム
13 シート
14 シートライザー
16(16F、16R) ハイトリンク(フロントリンク、リヤリンク)
18(18F、18R) 連結シャフト(フロント連結シャフト、リヤ連結シャフト)
20 駆動手段
22 駆動レバー
26 ピニオンギヤ
26−1、26−2 歯
28 セクターギヤ
28c 中央の板材
28c1 中央の板材の後半部
28c2 中央の板材の前半部(サブギヤ)
28−1〜28−3 サブギヤの歯
28L、28R 左右の板材
33a 係合ピン(ガイドピン)
33b 係合穴(ガイド穴)
36 付勢部材
12 シートフレーム
13 シート
14 シートライザー
16(16F、16R) ハイトリンク(フロントリンク、リヤリンク)
18(18F、18R) 連結シャフト(フロント連結シャフト、リヤ連結シャフト)
20 駆動手段
22 駆動レバー
26 ピニオンギヤ
26−1、26−2 歯
28 セクターギヤ
28c 中央の板材
28c1 中央の板材の後半部
28c2 中央の板材の前半部(サブギヤ)
28−1〜28−3 サブギヤの歯
28L、28R 左右の板材
33a 係合ピン(ガイドピン)
33b 係合穴(ガイド穴)
36 付勢部材
Claims (4)
- シートフレーム、シートライザー間に介在されたフロントリンク、リヤリンクの一対のハイトリンクによってシートを昇降可能に支持するとともに、駆動手段の駆動レバーの操作に連動して駆動手段のピニオンギヤを回動させ、ピニオンギヤに噛合するリヤリンクのセクターギヤを駆動させてシートを任意の高さに調整、設定可能とした車両用シートのハイト機構において、
中央の板材を左右から板材で挟持する多層構造にセクターギヤが構成され、
中央の板材は、左右の板材間に固定された後半部と、その先端に歯を持ち、左右の板材間で径方向に可動に挟持された前半部とに分断して形成され、
付勢部材が中央の板材の前半部、後半部間に配置され、径方向の付勢力を中央の板材の前半部に加え、前半部の歯を左右の板材の重複する歯よりも突出させてピニオンギヤの歯に噛合させたことを特徴とする車両用シートのハイト機構。 - 中央の板材の前半部は、径方向だけでなく円周方向にも可動に左右の板材間で挟持されている請求1記載の車両用シートのハイト機構。
- 付勢部材が板ばねである請求項1または2記載の車両用シートのハイト機構。
- 付勢部材が波形断面の板ばねである請求項1または2記載の車両用シートのハイト機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007166157A JP2009001222A (ja) | 2007-06-25 | 2007-06-25 | 車両用シートのハイト機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007166157A JP2009001222A (ja) | 2007-06-25 | 2007-06-25 | 車両用シートのハイト機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009001222A true JP2009001222A (ja) | 2009-01-08 |
Family
ID=40318088
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007166157A Pending JP2009001222A (ja) | 2007-06-25 | 2007-06-25 | 車両用シートのハイト機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009001222A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2007
- 2007-06-25 JP JP2007166157A patent/JP2009001222A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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