JP2008533391A - Ｐ／ｉ特徴線において圧力の突発的変化を有する比例的な圧力調整バルブ - Google Patents

Abstract

本発明は、乗物変速機内の電磁気比例圧力コントロールバルブ（１）に関する。当該電磁気比例圧力コントロールバルブ（１）は、少なくとも一つの磁石部（２）と、液圧部（３）と、磁石部（２）と液圧部（３）との間を効果的に連結するバネ要素（４）と、を備えている。磁石部（２）は、少なくとも、コイル（５）と、アーマチュア（６）と、アーマチュア棒（７）とを有し、液圧部（３）は、少なくとも、第一および第二閉鎖要素（８，９）を有している。第一閉鎖要素（８）は、好ましくは、平面座部（１０）を形成し、第二閉鎖要素（９）は球状座部（１１）を形成する。閉鎖要素（８，９）は、タペットロッド（１２）によって、開けられ、および／または、閉められる。本発明によれば、第二閉鎖要素（９）は、バルブ（１）に電力が加えられていない状態で閉じ、重複

はバルブ（１）の名目幅（ＮＷ）の７分の１より大きい。さらに、第二閉鎖表面（Ａ＿２）は、前記重複の二倍に対応する直径の円形表面より大きく、タペットロッド（１２）の直径（ｓ）は開口（２１）の直径（ｂ）の０．７倍より小さい。

Description

本発明は、特許請求の範囲の請求項１の上位概念による比例的な圧力調整バルブに関連している。

通常、変速機内、特にモータ乗物のための自動変速機内において、液圧回路内の圧力は、需要に合わせてコントロールされる。この際、変速機部分の潤滑油供給のための圧力レベルは、低く抑えられうる。しかしながら、所定の消費部（消費装置）は、所定の閾値を超えた圧力を、ときどき必要とする。例えば、切換要素が高速に圧力手段で満たされることができるように、切換行程の間、液圧回路内の圧力は高められる。

モータ乗物の液圧回路内の圧力をコントロールするために、通常、圧力調整バルブが用いられる。当該圧力調整バルブは、クラッチ操作のための制御要素を駆動する。制御要素の駆動は、圧力調整バルブ内で、比例的な磁石によって行われる。当該比例的な磁石は、とりわけ、磁気コア、ソレノイドコイル、および、磁気アーマチュアからなっている。ここで、この比例的な磁石によって、出力変数力に比例して、コイル電流が制御される。磁気アーマチュア、そして、クラッチコントロールのための制御要素が、このコイル電流に対応して、制御される。従って、結果的に特徴付けられる圧力調整バルブの磁力−電流−特徴線から、自動変速機の電気液圧制御内で、クラッチ適応のために望まれる圧力−電流−特徴線であるｐ／Ｉ特徴線が生成される。

独国特許出願公開公報DE 102 55414 A1によって、磁石部と液圧部とを有する比例的な圧力調整バルブが知られている。磁石部は、とりわけ、ソレノイドコイルと、磁気アーマチュアと、磁気コアとを有している。磁気アーマチュアは、二つの磁気アーマチュア部を有し、第一部は、アーマチュア棒に堅固に連結され、第二部は、アーマチュア棒上で軸方向にスライド可能に配置されている。アーマチュアの両方の部分は、互いに、バネを介して結合されている。これらの構成によって、ｐ／Ｉ特徴線の累進的な行程（過程）が、可能とされる。ここで、ｐ／Ｉ特徴線の行程は、低い電流値ではかなり平らで、特徴線の明確性（Auflosung）も高い。このため、比例的な圧力調整バルブの提供される圧力は、とても正確に調整されることができる。例えばモータ乗物における切換クラッチのような、ある消費部（消費装置）は、常に第一閾値を超えて存在している圧力で吸気をコントロールする必要がある。この閾値よりも高い圧力を要求するだけで、消費部（消費装置）のコントロールを達成することができる。閾値は、充満圧と呼ばれている。

ここで、コントロールされうる前に、充満圧で消費部が作用（加圧）されなければならないとき、充満圧を発生させるために、従来技術による特徴線における、ｐ／Ｉ特徴線のとても平らな領域が必要である。ｐ／Ｉ特徴線の平らな行程の後、特徴線の傾斜が急な行程が続けられる。この特徴線において、最初に、切換要素の充満圧が調整され、次に、ようやく、コントロールが始まることができ、圧力がとても正確にコントロールされ得る高い明確性（Auflosung）を有する領域がとても小さい。切換要素は、このような特徴線によっては、それほど正確にはコントロールされることができない。

本発明の課題は、比例的な圧力調整バルブを可能にすることにあり、当該比例的な圧力調整バルブは、提供される圧力を第一閾値上に高速で調整し、続いて、連続したｐ／I特徴線を提供する。

この課題は、特許請求の範囲の請求項１の特徴を有する比例的な圧力調整バルブによって解決される。さらなる実施の形態や有利な点は、従属請求項から生じる。

このため、磁石部と液圧部を有する比例的な圧力調整バルブが提案される。磁石部は、少なくとも、ソレノイドコイルと、磁気アーマチュアと、磁気コアとからなり、当該磁気アーマチュアは、アーマチュア棒に堅固に結合されている。液圧部は、さらに、タペットロッドを介してアーマチュア棒に結合され、アーマチュア棒とタペットロッドとの間に、弾性要素が設けられている。第一閉鎖要素が、タペットロッドに堅固に結合されている。この第一閉鎖要素は、座部表面を有し、当該座部表面は、第一閉鎖表面を有する平面座部を形成する。閉鎖表面からの間隙は、座部表面から電流が失われた状態において、重複部と呼ばれる。なお、タペットロッドによって、第二閉鎖要素が操作される。この第二閉鎖要素は、好ましい態様で、球状の形態を有し、第二閉鎖表面を有する球状座部を形成する。球状座部は開口を閉じ、当該開口は、磁石部に向かった方向における貫通方向（Durchstromrichtung）を有する圧力手段によって、貫通される（durchstromt）。電流で比例的な圧力調整バルブが作用されると、タペットロッドが球状座部を開ける。球状部によって密閉されることができる第二閉鎖表面は、このように、開口の直径を有する円形表面に対応している。貫通方向において平面座部より前で、円筒形状の空間が延在しており、当該円筒形状の空間は、圧力手段によって貫通される。前記空間の直径は、バルブの名目幅と呼ばれている。

本発明による特徴線を得るために、液圧部の幾何的構造はとりわけ調整されなければならない。本発明によれば、このことは、球状座部が閉じられた電流のない状態において、平面座部の重複部が名目幅の７分の１よりも大きくなっている。さらに、第二閉鎖表面は、直径として二重重複部を有する円形表面より大きくなっていなければならない。さらに、タペットロッドの部分の直径は、開口内で球状座部を開ける際に、開口直径の０．７倍よりも小さくなっていなければならない。

本発明による実施の形態によれば、圧力の突発的変化を有するｐ／I特徴線を持つ、比例的な圧力調整バルブが形成される。この圧力の突発的変化は、所定の電流値で発生し、０の圧力が、好ましくは消費部の充満圧に相当する閾値まで、上昇する。この圧力の突発的変化の後、ｐ／I特徴線は、累進的な（progressive）行程を有している。このことは、ｐ／I特徴線が、圧力の突発的変化により、低い電流アンペア数の領域で平らになっており、高い電流アンペア数の領域で傾斜が急になる行程を有している、ことを意味している。本発明による比例的な調整バルブによって、消費部はコントロールされることができる。当該消費部は、所定の閾値を超えた際に初めて反応し、消費部で閾値に達成した後、圧力の緻密な調整が可能とされる。

本発明は、以下に、添付された図面に基づいて、例示的に記載される。

発明を実施するための形態

図１によれば、圧力レベルをコントロールするための本発明による比例的な圧力調整バルブ１は、磁石部２と、液圧部３とを有している。磁石部は、少なくとも一つのソレノイドコイル５と、磁気アーマチュア６とを有しており、当該磁気アーマチュア６はアーマチュア棒７に固く連結されている。アーマチュア棒７は、弾性要素４を介して、タペットロッド１２に固く連結されている。当該タペットロッド１２には、第一閉鎖要素８が連結されている。この第一閉鎖要素８は、平面座部１０を第一閉鎖表面によって形成する。さらに、タペットロッド１２によって、第二閉鎖要素９が操作される。この第二閉鎖要素９は、球状の形状を有しており、球状座部１１を第二閉鎖表面によって形成している。球状座部１１は、開口２１を閉じ、当該開口２１は、圧力手段によって、軸方向に、磁石部に向かって貫通（durchstromt）されている。比例的な圧力調整バルブ１に電流が提供されると、タペットロッド１２は球状座部１１を開ける。二つの範囲Ｘ，Ｙの詳細な内容が、図２および図３に示されている。

図２は、磁石部１の詳細な部分断面Ｘを示している。アーマチュア６が示されており、当該アーマチュア６は、アーマチュア棒７に堅固に連結されている。さらに、ピックアップ要素２０がタペットロッド１２に堅固に連結されている。このピックアップ要素２０とアーマチュア棒７との間に、弾性要素４、好ましくはバネ、が設けられている。ピックアップ要素２０は、もちろん、別の形態、すなわち純粋な半径方向の拡張、も有することができる。さらに、変化可能な間隙ａが、タペットロッド１２とアーマチュア棒７との間に存在する。バネ構成によって、一方で、バルブ１内の振動が減衰され、他方で、低いアンペア数（電流量）の領域内におけるｐ／Ｉ特徴線の平らな勾配が可能とされる。二つの部分の間のこのバネ連結によって、操作力は、磁石部２から、もちろん、減少されて、タペットロッド１２に設けられた第一閉鎖要素８に、伝達される。この際、アーマチュア棒７とタペットロッド１２との間の間隙は、減少される。バネ構成により、タペットロッド１２の軸方向の振動によって生じる平面座部１０での座部衝突の危険が、相当減少される。

図３は、電流のない状態におけるバルブ１の液圧部２の詳細な部分断面Ｙを示している。第二の球形状の閉鎖要素９が示されており、当該第二の球形状の閉鎖要素９は、第二閉鎖表面Ａ＿２を閉じるとともに、直径１４を有している。閉鎖表面Ａ＿２は、開口２１の前面部を直径ｂで形成している。さらに、図３は、タペットロッド１２を示しており、当該タペットロッド１２には、第一閉鎖要素８が堅固に連結されている。タペットロッド１２は、それ自身の、第二閉鎖要素９に向いた端部に、小さくなった直径ｓを有し、当該直径ｓの部分は開口２１内に突出している。バルブ１に電流が流されると、直径ｓを有するタペットロッドの当該端部が開口２１内へとさらに押され、圧力媒体の流れ方向１４に抗して第二閉鎖要素９が移動される。さらに、第一閉鎖要素８は、流れ方向１４に対向する側に、座部表面１３を有している。座部表面１３は、それに隣接する（対向する）第一閉鎖表面Ａ＿１とともに、平面座部１０を形成している。座部表面１３から第一表面Ａ＿１までの間隙は、表面座部間隙

に相当している。平面座部１０から、第二閉鎖要素９に向かう方向に延びている円筒形状空間の直径は、名目幅（Nennweite）ＮＷと呼ばれる。

本発明による比例的な圧力調整バルブ１の液圧部２は、ｐ／Ｉ特徴線１６において、所定の電流アンペア数の際に、圧力の突発的変化１７が生じるように、幾何的に調整される。これを達成するには、以下の条件が維持される必要がある。

重複部

は、本発明によれば、バルブの名目幅ＮＷの７分の１よりも大きくならなければならない。

さらに、第二閉鎖表面Ａ＿２は、重複部

の二倍に相当する直径を有する円形表面よりも大きくなっていなければならない。

さらに、タペットロッド１２の小さくなった直径は、開口２１の直径ｂの０．７倍よりも小さくなっていなければならない。

この幾何的構造によって、所定のアンペア数Ｉ＿１の際に、バルブ１の与えられた圧力ｐが、０から第一圧力値ｐ＿１まで突発的に変化する。当該第一圧力値ｐ＿１は、好ましい態様では、消費部（消費装置）の充満圧に相当する。

図４において、本発明によるｐ／Ｉ特徴線が示されている。比例的な圧力調整バルブ１によって消費部に与えられる圧力ｐは、電流アンペア数Ｉを介して、バルブ１に適用され、加えられる。電流Ｉは、最初は、所定の第一電流アンペア数Ｉ＿１まで、圧力ｐが変化されることなく、増加される。第一電流アンペア数Ｉ＿１に至るとすぐに、圧力ｐが、充満圧に相当する第一圧力値ｐ＿１まで突発的に変化する（上昇する）。この突発的変化（上昇）は、圧力の突発的変化１７として示されており、この圧力の突発的変化１７は、電流値が１５０から２００ｍＡ、特に好ましい態様では１７０ｍＡ、で発生する。この際、圧力は、０．２から０．７bar、好ましい態様では０．３barまで増加する。圧力の突発的変化１７の後、ｐ／Ｉ特徴線は累進的（progressiv）に上昇する。すなわち、ｐ／Ｉ特徴線は、電流アンペア数の低い領域１８では、小さな勾配を有し、電流アンペア数の高い領域１９では、大きな勾配を有している。好ましくは、ｐ／Ｉ特徴線の勾配は、低い電流アンペア数の領域１８においては、概ね０から４．０bar／Ａとなり、電流アンペア数の高い領域１９では、１６bar／Ａまでとなっている。

圧力の突発的変化１７は、例えば好ましくは、クラッチを高速で満たすためである。このため、圧力の突発的変化１７のない特徴線においては、クラッチの充満圧ｐ＿１が達成されるまで、平らな特徴線領域の大部分が連続されるであろう。ｐ／Ｉ特徴線１６の平らな領域の直線は、所望の圧力ｐを正確に調整することができるためには好ましい。このように、圧力の突発的変化１７を有し、その後に累進的に変化するｐ／Ｉ特徴線が続けられる、本発明によるｐ／Ｉ特徴線１６は、自動車クラッチの駆動のためには特に好ましい。

本発明によるバルブの部分断面図。 本発明によるバルブの磁石部の部分断面図。 本発明によるバルブの液圧部の部分断面図。 本発明によるバルブの特徴線。

符号の説明

１ 圧力調整バルブ
２ 磁石部
３ 液圧部
４ バネ
５ ソレノイドコイル
６ 磁気アーマチュア
７ アーマチュア棒
８ 閉鎖要素
９ 第二閉鎖要素
１０ 平面座部
１１ 球状座部
１２ タペットロッド
１３ 座部表面
１４ 流れ方向
１６ ｐ／I−特徴線
１７ 圧力の突発的変化
１８ 低い電流値の領域
１９ 高い電流値の領域
２０ ピックアップ要素
２１ 開口間隙
ａ 間隙
ｂ 直径開口

Ａ＿１ 第一閉鎖表面
Ａ＿２ 第二閉鎖表面
Ｐ 圧力
Ｐ＿１ 充満圧
Ｉ 電流アンペア数
Ｉ＿１ 第一電流値
ＮＷ 名目幅
Ｘ 磁石部の詳細部
Ｙ 液圧部の詳細部

Claims (8)

1. 乗物変速機内の電磁気による比例的な圧力調整バルブ（１）において、
   少なくとも一つの磁石部（２）と、
   液圧部（３）と、
   磁石部（２）と液圧部（３）との間を作用接続するバネ要素（４）と、を備え、
   磁石部（２）は、少なくとも、コイル（５）と、アーマチュア（６）と、アーマチュア棒（７）とからなり、
   液圧部（３）は、少なくとも、第一および第二閉鎖要素（８，９）からなり、
   第一閉鎖要素（８）は、好ましくは、平面座部（１０）を形成し、
   第二閉鎖要素（９）は、球状座部（１１）を形成し、
   閉鎖要素（８，９）は、タペットロッド（１２）によって、開けられ、および／または、閉められ、
   第二閉鎖要素（９）は、バルブ（１）に電力が加えられていない状態で閉じられ、
   重複
   

   

   は、バルブ（１）の名目幅（ＮＷ）の７分の１より大きくなり、
   第二閉鎖表面（Ａ＿２）は、前記重複の二倍に対応する直径の円形表面より大きくなり、
   タペットロッド（１２）の直径（ｓ）は、開口（２１）の直径（ｂ）の０．７倍より小さい、ことを特徴とするバルブ（１）。
2. バルブ（１）の磁石部（２）内のバネ要素（４）は、アーマチュア棒（７）とタペットロッド（１２）との間に設けられていることを特徴とする請求項１によるバルブ（１）。
3. バネ要素（４）は、ピックアップ要素（２０）とアーマチュア棒（７）との間に固定され、
   ピックアップ要素（２０）は、タペットロッド（１２）上に固定されていることを特徴とする請求項１または２のいずれかによるバルブ（１）。
4. バルブ（１）のｐ／Ｉ特徴線（１６）の行程は、０barから０．２乃至０．７barまでの圧力の突発的変化（１７）を有していることを特徴とする請求項１乃至３のいずれかによるバルブ（１）。
5. バルブ（１）のｐ／Ｉ特徴線（１６）の行程における圧力の突発的変化（１７）は、１５０ｍＡから２００ｍＡの領域内にあることを特徴とする請求項４によるバルブ（１）。
6. 圧力の突発的変化（１７）によるｐ／Ｉ特徴線（１６）は、連続する行程を有することを特徴とする請求項４または５によるバルブ（１）。
7. ｐ／Ｉ特徴線（１６）の勾配は、圧力の突発的変化（１７）の後、低いアンペア数の領域（１８）で、０から４．０bar/Aとなり、中間および高いアンペア数の領域（１９）で１６bar/Aまでになることを特徴とする請求項４乃至６のいずれかによるバルブ（１）。
8. 自動車クラッチのコントロールおよび駆動のために、請求項１乃至７のいずれかによるバルブ（１）を使用する方法。

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