JP2008529015A - Hcv抗体を検出するためのキットおよびその調製方法 - Google Patents

Hcv抗体を検出するためのキットおよびその調製方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008529015A
JP2008529015A JP2007553436A JP2007553436A JP2008529015A JP 2008529015 A JP2008529015 A JP 2008529015A JP 2007553436 A JP2007553436 A JP 2007553436A JP 2007553436 A JP2007553436 A JP 2007553436A JP 2008529015 A JP2008529015 A JP 2008529015A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protein
antigen
hcv
biotin
tag
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2007553436A
Other languages
English (en)
Inventor
鵬 崔
Original Assignee
鵬 崔
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 鵬 崔 filed Critical 鵬 崔
Publication of JP2008529015A publication Critical patent/JP2008529015A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/569Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for microorganisms, e.g. protozoa, bacteria, viruses
    • G01N33/56983Viruses

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

二重抗原サンドイッチ法に関するキットおよびその調製方法を、HCVに対する抗体の検出に用い、その検出様式は、「支持体-第一抗原-検出されるべきHCVに対する抗体-第二抗原-マーカー-識別可能なシグナル」である。該キットおよびその調製方法は、第二抗原がHCVとタグの複合体であることを特徴とする。

Description

本発明は免疫診断に関する。特に、本発明はHCV抗体診断キットおよびその調製方法に関する。
C型肝炎は、C型肝炎ウイルス(HCV)により引き起こされる重篤な肝臓疾患である。世界中で約1億7千万人の患者がHCVに感染しており、中国におけるその数は4千万人を超えている。HCVに感染した個体のうち50〜85%は後に慢性肝炎に進行し、そのうち10〜15%は悪化して肝硬変になる。従ってHCVはヒトの健康に重大な害を及ぼし、我々の社会に重い負担をもたらす。
1989年にHCV遺伝子がChooらによってクローニングされてから、HCV診断は非常に進歩した。現在は主に3つのHCV診断法が存在する:ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によりHCV RNAを検出する;モノクローナル抗体を用いてHCV抗原を検出する;ELISAおよびウェスタンブロッティングによりHCV抗体を検出する。
HCV抗体を検出するためのELISAは第三世代へと発展した。初期のElisa-1キットはOrtho Diagnosis社(U.K)により開発され、抗原はChiron社(U.S.A)提供のC100-3と称するHCV NS4組換え抗原であったが、その感受性および特異性はあまり満足のいくものではなかった。その後、Elisa-1キットに替わりElisa-2キットが現れた。Ortho Diagnosis社およびAbbott Diagnosis社(U.S.A)はElisa-2キットにCORE、NS3およびNS4抗原を用い、その感受性および特異性がElisa-1キットと比較して向上していることを見出した。臨床における使用では、Elisa-2キットを慢性の肝炎患者に適用した場合、92〜95%の陽性率が示された。さらに、血清のHCV血清陽性転換の平均空白期間は約10週間で、Elisa-1キット(16週間)よりも非常に短かった。Elisa-3キットはOrtho Diagnosis社(U.K)、Abbott Diagnosis社(U.S.A)およびSanofi Diagnosis社(France)によって世界的に展開された。このキットに用いた抗原にはCORE、NS3、NS4およびNS5が含まれた。供血者および感染の危険性が高い対象においてELISA-3キットを用いたHCV検出では、感受性が97%に増加し、血清のHCV血清陽性転換の平均空白期間は約7〜8週間であることが示された。
Elisaは自動化が可能であり、操作、分析およびデータ保存が簡単であり、さらに再現性がよく、費用が比較的低い。それ故、最近は、HCV抗体を検出するための市販の試薬は主にElisa-2およびElisa-3キットである。Elisa-3キットは優れた点も多くあるが、不都合な点も多く残っており、例えば、偽陰性、偽陽性および結果が不確か、などである。これは間接法に生来存在する方法論的欠陥に起因する可能性がある。以下はその短所である:
1. 特異性の乏しさ。直接法において二次抗体(SA)が一次抗体を特異的に認識せず、このことが特異性を低くすることが分かっている。
2. 感受性の低さ。特異性が乏しいため、被覆抗原(coating antigen)および標識化SAの濃度は低くなければならず、よって試料体積をより少なくし、希釈倍率を高くせねばならないので、結果として感受性がより低くなる。
3. 空白時間の長さ。一般的なSAは抗IgG抗体であり、これはHCV抗体のIgGを検出するのみであり、他の抗体、特に初期に出現するIgM抗体を診断することができない。このことが感受性の低さを引き起こし、空白期間が長くなる。
現在、輸血後肝炎を起こしている個体の70%が、輸血後にHCVに感染した個体である。HCVキャリアのうち80〜90%が輸血後に感染する。このゆゆしき現象は、利用可能なHCV抗体検出用診断キットに多くの欠陥があることを示しており、よって高感受性および特異性のキットが必要である。
二重抗原サンドイッチアッセイでは、間接法における標識化SAの替わりに標識化抗原を用いるので、間接法による不都合を解消できる。サンドイッチELISAがHCV抗体の検出に現在一般に用いられている方法であることは周知であるが、その方法を用いたキットはない。これには主に2つの理由がある:
1.HCVタンパク質の標識化後の活性喪失
現在、抗原と、例えば、西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)などの主な標識をコンジュゲートさせる、優勢酵素標識法(dominant enzyme labeling method)があるが、この方法をHCV抗原に適用した場合、いくつか問題がある。第一に、HCVの主な抗原エピトープ領域としてのNS3抗原は、その高次構造に強く依拠している抗原であり、西洋わさびペルオキシダーゼまたはアルカリフォスファタ−ゼのような高分子量の「柔軟性(flexible)」標識で標識化した場合、高次構造がかなり変化し、その活性エピトープが暴露しにくくなる。これら全てのことが、標識化NS3抗原の活性をかなり減少させる。HCV CORE抗原エピトープ領域の主な活性部位は、COREの活性に不可欠な多数のリシンを含み、側鎖の遊離アミノ基はNaIO4酸化によるHRP標識化の標的となる。よって、CORE抗原の活性が標識化後に減少すると、結果的として、上記のように作製したキットの感受性は間接法の感受性よりさらに低くなり、重大な診断ミスを招く。
2.高バックグラウンド
CORE抗原は、非常に強力なインビボ結合能またはインビトロでの相同および異種結合能を有する(Matsumoto, M. etc., Virology, 218:P43-51,1996; Kunkel, M. etc., Virology, 294: P239-245, 2002; Majeau, N. etc., Journal of General Virology, 85: P971-981, 2004))。二重抗原のサンドイッチ法における標識化抗原(第二抗原)は、被覆抗原(第一抗原(primary antigen))と相同的に結合可能であり、これにより診断キットのバックグラウンドが高くなる。
これまで、HCV抗体のための二重抗原サンドイッチアッセイ検出試薬について多数の報告が広く存在しているが、それぞれの検出試薬にはいくつか欠陥があり、その主な点は以下の通りである。
米国特許6096319号、同6270960号、同6306579号明細書において、NS3抗原のジスルフィドのミスマッチを解消するために二重抗原サンドイッチアッセイおよびいくつかの方法が記載されているが、酵素(特に西洋わさびペルオキシダーゼ)標識HCV NS3抗原、におけるミスマッチ・ジスルフィドをいかに解消するかについては全く触れられていない。
米国特許6613530号明細書、中国特許出願公開1548958A号明細書において、記載されているHCV抗原のための二重抗原サンドイッチアッセイには、被覆NS3抗原または酵素標識NS3抗原におけるミスマッチ・ジスルフィドを解消する方法について一切触れられていない。
米国特許6630298号明細書において、二重抗原サンドイッチアッセイによりHCV抗原とHCV抗体を同時に検出するキット。1,4-ジチオスレイトールが記載されているが、DTTは変性試薬としてのみ用いられ、DTTはNS3のエピトープの高次構造を破壊し得ることを指摘している。彼らは、ジチオスレイトールのミスマッチ・ジスルフィドを分解する働きおよび組換えNS3抗原の抗原性を増加させる働きについて言及していない。
本発明は、HCV抗体検出キットの研究に二重抗原サンドイッチアッセイを利用する。我々は間接法の方法論的な多数の欠点を克服するだけでなく、現在の二重抗原サンドイッチアッセイキットにおける多くの技術的問題を解決し、二重抗原サンドイッチアッセイによる臨床検出用のHCV抗体検出キットを開発する。このキットにより、HCV検出について非常に強力な選択肢を提供することができる。
[本発明の目的]
本発明の目的は、HCV二重抗原サンドイッチキットのCORE抗原に起因する高バックグラウンドの問題を解決すること、そしてHCVタンパク質の標識後の活性喪失の問題を解決すること、さらに、ビオチン-アビジン増幅系(magnifying system)を組み合わせ、現在の市販試薬より感受性および特異性が非常に優れたHCV抗体のための新規な二重抗原サンドイッチ試験キットを提供することである。
[本発明の概要]
本発明は、HCV抗体試験キットを提供する。このキットでは検出を、支持体-第一抗原-HCV抗体の形態で、-第二抗原(secondary antigen)-標識-検出可能シグナルにより検出させて行い、ここで第二抗原は標識と1以上の結合反応を起こす。このキットは、該第二抗原がHCVタンパク質とタグとのコンジュゲートであることを特徴とする。
本発明の一実施態様において、タグはペプチドタグまたは非ペプチドタグである。
本発明のさらなる実施態様において、非ペプチドタグは、化合物、ハプテン、ビタミン、ステロイド、色素、ホルモン、抗生物質、核酸または前記全ての成分とペプチドまたはタンパク質とのコンジュゲートである。
本発明の好ましい実施態様において、該化合物は、ジニトロフェノール、ブロモデオキシウリジンであり;ビタミンは、ビオチンまたはその誘導体であり;ステロイドは、ジゴキシンであり;色素は、アクリジニウムエステル、ローダミン、ダンシルクロライド、ジヒドロキシフルオラン、オレゴングリーン、ルシファーイエロー、アレクサフルオロ(Alexa Fluor)、カスケードブルーである。
本発明のさらに好ましい実施態様において、非ペプチドタグは、ビオチンまたはその誘導体、ビオチンまたはその誘導体とペプチドまたはタンパク質とのコンジュゲートである。
本発明のさらなる実施態様において、ペプチドタグは、Hisタグ、T7タグ、Sタグ、Flagタグ、HAタグまたはHCVペプチドフラグメントを含有するペプチドまたはタンパク質である。
本発明の好ましい実施態様において、ペプチドタグが異種タンパク質である場合、その分子量は30KDより小さく、好ましくは20KDより小さく、さらに好ましくは15KDより小さく、さらに好ましくは10KDより小さく、さらに好ましくは5KDより小さい。
本発明の好ましい実施態様において、異種タンパク質ペプチドタグがHCVタンパク質のN末端にある場合、その分子量は5KDより小さく;該ペプチドタグがC末端にある場合、分子量は20KDより小さい。
本発明の一実施態様において、第一抗原および第二抗原は、NS3およびCOREのタンパク質セグメントを含有する。NS3セグメントはa.a.1201±5からa.a.1465±8のあらゆるセグメントであり、元の抗原性を保ちつつ変異を持つことができる。COREタンパク質は、a.a.10-17の完全配列を含有するセグメントであり、さらに、a.a.7-21の完全配列を含有するセグメントであり、さらに、a.a.6-23の完全配列を含有するセグメントであり;さらには、該セグメントはa.a.29-90の完全配列セグメントを含有せず、さらに、a.a.29-70の完全配列セグメントを含有せず、さらに、a.a.29-59の完全配列セグメントを含有せず、さらに、a.a.32-48の完全配列セグメントを含有しない。上記タンパク質セグメントは、元の抗原活性および結合能を保ちつつ変異を持つことができる。
本発明の好ましい実施態様において、第一抗原のCOREセグメントはa.a.2-59であり;第二抗原のCOREセグメントはa.a.1-28であり;第一および第二抗原のNS3セグメントは両方ともa.a.1201-1465である。
本発明の一実施態様において、前記タグの結合パートナーは、タグ抗体またはタグ受容体である。
本発明のさらなる実施態様において、タグとして、ビオチンまたはその誘導体、ビオチンまたはその誘導体とペプチドまたはタンパク質とのコンジュゲートを選択する場合、それらの結合パートナーは、アビジン、ストレプトアビジン、中性鎖ストレプトアビジン、それらのアナログ、抗生物質またはその誘導体の抗体であり;タグとしてペプチドを選択する場合、その結合パートナーは、そのペプチドに対するモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体である。
本発明はまた、前記キットを調製する方法であって、HCVタンパク質とタグをコンジュゲートさせる工程を含む方法を提供する。この方法は以下を含む:
1. HCVタンパク質のビオチン化:インビボにおける酵素学的ビオチン化、インビトロにおけるビオチン化、間接的ビオチン化、アミノ酸のビオチン化を含む;
2. HCVタンパク質およびペプチドのキメラ発現。
本発明のさらなる実施態様において、インビボにおける酵素学的ビオチン化方法は以下の通りである:
HCVタンパク質およびビオチン受容体タンパク質をコードするキメラ遺伝子(Xとする)、およびビオチン-[アセチル-CoAカルボキシラーゼ]合成酵素をコードする遺伝子(Yとする)を宿主において同時発現させ、宿主において発現されたビオチン-[アセチル-CoAカルボキシラーゼ]合成酵素のインビボ酵素反応により、キメラ遺伝子Xがコードするタンパク質の特定のリシン残基とビオチンを結合させる。具体的な発現方法は以下を含む:
1) ポリシストロン性発現;
2) 同時形質転換発現;
3) ポリプロモーター発現;
4) モノシストロン性発現;
5) 宿主のビオチン-[アセチル-CoAカルボキシラーゼ]合成酵素遺伝子との同時発現。
本発明の他の実施態様において、インビトロにおけるビオチン化を活性化ビオチンの結合またはインビトロにおける酵素反応により行い、HCVタンパク質のビオチン化を行う。
本発明の一実施態様において、ビオチン受容体タンパク質は、ビオチンカルボキシルキャリアタンパク質ファミリーまたはそのドメインセグメント、配列番号3のポリペプチドまたはそのドメインアナログである。
本発明の一実施態様において、ビオチン-[アセチル-CoAカルボキシラーゼ]合成酵素は、分類番号がEC6.3.4.15の酵素またはそのドメインセグメントおよびドメインアナログである。
[発明の内容]
定義
以下の定義は、本発明において用いる様々な用語および語句を説明するためのものである。
本明細書にて用いる「第一抗原」なる用語は、本発明における被覆抗原を意味する。
本明細書にて用いる「第二抗原」なる用語は、HCVタンパク質とタグのコンジュゲートを意味し、本明細書において用いる第二抗原は1つまたは数個であり得、その各タグは、本発明の限定条件を満足するものである。
本明細書にて用いる「標識」なる用語は、検出可能物質により明らかとなる物質(agent)を意味する。該検出可能物質には以下が含まれるが、これらに限定されない:酵素、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリフォスファタ−ゼ、β-ガラクトシダーゼ;化学発光体(chemical illuminant)、例えば、アクリジニウムエステル;蛍光剤、例えば、フルオレセインイソチオシアネート、ユーロピウム、ナノ粒子など;放射性物質、例えば、125Iなど;コロイド、例えば、金コロイド、エマルジョンなど。検出可能物質は、本発明における1以上の上記各物質の組合せであり得る。
本明細書にて用いられる「異種タンパク質」なる用語は、本発明においてHCVタンパク質とともにキメラ発現するHCVタンパク質以外のペプチドまたはタンパク質部分を意味する。
本明細書にて用いられる「ビオチンまたはその誘導体」なる用語は、以下を含むがこれらに限定されないビオチンまたはその機能性誘導体を意味し、アビジンと結合可能なイミダゾロン環または機能的類似構造を含むという共通の特徴を有する:D-ビオチン、活性化ビオチン、ビオサイチン、エチレンジアミンビオチン、カダベリンビオチン、デスチオビオチンなど。
本明細書にて用いられる「ペプチド」および「タンパク質」なる用語は、当業者が理解している一般的な意味を有し、ほとんど同じ意味で用いてよい。
本明細書にて用いられる「CORE」および「NS3」なる用語は、それぞれHCVコアタンパク質および非構造タンパク質3を意味する。前者は完全長遺伝子によってコードされたタンパク質のa.a.1-191セグメントを意味し(a.a.はアミノ酸を簡単化した文字であり、本発明においてa.a.A-Bは、完全長遺伝子によってコードされたHCVタンパク質における番号Aから番号Bまでのアミノ酸セグメントを意味し、ここでB>Aである。)、後者は、完全長遺伝子によってコードされたタンパク質のa.a.1027-1657セグメントを意味する。
本明細書にて用いられる「ビオチン受容体タンパク質」なる用語は、ビオチンカルボキシルキャリアタンパク質(BCCP)ファミリーまたはその機能ドメイン、配列番号3のポリペプチドまたはその機能的アナログ(詳細はPeter, J.S. et.al., Biotechnology, 11:11381143,1993を参照のこと)を意味し、本発明において、選択されたビオチンカルボキシルキャリアタンパク質は、1つまたは数個の上記ペプチドまたはタンパク質またはそれらの組み合わせであり得る。
本明細書にて用いられる「ビオチン-[アセチル-CoA-カルボキシラーゼ]合成酵素」なる用語は、分類番号がEC6.3.4.15の酵素またはそのドメインセグメントおよび機能的アナログを含む。
本明細書にて用いられる「結合パートナー」なる用語は、本発明におけるタグと結合可能なリガンドまたは受容体を意味する。非ペプチドタグを選択する場合、その結合パートナーはタグ特異的受容体または抗体であり;タグとしてビオチンまたはその誘導体、またはそれらとペプチドまたはタンパク質とのコンジュゲートを選択する場合、それらの結合パートナーは、アビジン、ストレプトアビジン、中性鎖ストレプトアビジン、それらのアナログ、抗ビオチン抗体または抗ビオチン誘導体抗体であり;タグとしてペプチドを選択する場合、それらの結合パートナーは、そのペプチドまたはタンパク質に対するモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体である。
「高バックグラウンド」なる用語は、HCV陰性試料の検出OD値が、本発明のキットの正常なバックグラウンド極限を超えて、正常状態における強い陽性試料のOD値に達する程であることを意味する。
本明細書にて用いられる「柔軟性」および「剛性」なる用語は主に、物質の構造の歪みに関して用いられる。HRPなどのようなマクロ分子タンパク質がHCV抗原と架橋結合した場合、そのタンパク質はHCV抗原とよじれる可能性があり、その結果HCV抗原の構造が変化し、その活性に影響する。この種の物質は「柔軟性」物質である;反対に、ポリスチロール、金コロイドなどがHCV抗原と架橋結合した場合、双方は互いによじれないのでHCV抗原の高次構造はほとんど変化せず、この種の物質は「剛性」物質である。
本明細書にて用いられる「発現宿主」なる用語は、原核、真核発現系宿主を含み、以下を含むがこれらに限定されない:細菌、例えば、大腸菌(Escherichia coli)、枯草菌(bacillus subtilis)など;酵母、例えば、ピキア・メタノリカ(Pichia methanolica)、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)など;真核細胞、例えば、昆虫細胞、哺乳類細胞など;ウイルス;組織、器官、インビボにおけるバイオリアクターなど。
本明細書にて用いられる「支持体」なる用語は、ELISAプレート、ビーズ、微粒子、スライド、アレイ、プラスチック、膜などを含むがこれらに限定されず、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、セルロース、ニトロセルロース、アセチルセルロース、シリサイドなどから調製される。
本明細書にて用いられる「検出すべき試料/試料」なる用語は、HCVに感染し得る種のあらゆる体液を含み、以下を含むがこれらに限定されない:全血液、血清、血漿、分泌物、尿、唾液、脳脊髄液、リンパ液、組織液、糞便浸出液、細胞培養液、または細胞、組織、器官のホモジネートなど。
タグ
本明細書にて用いられる「タグ」なる用語は、HCVタンパク質と結合でき、且つ結合パートナーと特異的に結合可能であり、さらに、後の検出反応過程を引き出すことができる物質であり、ペプチドタグおよび非ペプチドタグを含む。
ペプチドタグはペプチドまたはタンパク質であり、Hisタグ、T7タグ、Sタグ、Flagタグ、HAタグ(多数のペプチドが選択できる。詳細は、Abcam社エピトープタグ切片産物紹介(epitope tags sections product introduction)http://www.abcam.comを参照のこと。)またはHCVペプチドセグメントなどを含有するタンパク質またはペプチドを含み、該HCVペプチドセグメントは、第一抗原には存在せず、高バックグラウンドを引き起こす結合能を持たず、対応する結合パートナーペプチドまたはタンパク質が存在する、または調製可能である。これらは、「結合パートナーと特異的に結合可能」であり、さらに、「後の検出反応過程を引き出すことができる」コア物質が、ペプチドまたはタンパク質であることを特徴とする。Hisタグとは6つの連続するHis、すなわち6×Hisを意味する。
該ペプチドタグは、異種タンパク質であり、分子量が30KDより小さい、好ましくは20KDより小さい、さらに好ましくは15KDより小さい、さらに好ましくは10KDより小さい、さらに好ましくは5KDより小さい。
該ペプチド異種タンパク質タグは、HCVタンパク質のN末端にある場合は分子量が5KDより小さく、;C末端にある場合は分子量は20KDより小さい。
非ペプチドタグは、化合物(例えば、ジニトロフェノール、ブロモデオキシウリジン)、ハプテン、ビタミン(例えば、ビオチンまたはその誘導体)、ステロイド(例えば、ジゴキシン)、色素(例えば、アクリジニウムエステル、ローダミン、ダンシルクロライド、ジヒドロキシフルオラン、オレゴングリーン、ルシファーイエロー、アレクサフルオロ、カスケードブルー)、ホルモン、抗生物質、核酸など(多数の非ペプチドが選択できる。詳細は、インビトロゲン社の分子プローブ産物紹介(molecular probe product introduction) http://www.probes.comを参照のこと。)であり、対応する非ペプチド結合パートナーが存在する、または調製可能である。これらは、結合パートナーと特異的に結合可能であり、さらに後の検出反応過程を引き出すことができるコア物質が、非ペプチドまたは非タンパク質であることを特徴とする。
タグは、1つのタグ、数個のタグまたは数個のタグの組合せであってもよく、HCV抗原のN末端、C末端、両末端または内部に存在し得る。
タグは、HCV抗原活性の減少を抑えるために、可能な限り小さくあるべきである。
本発明のキットの調製および検出原理
本発明のキットは、「支持体-第一抗原-検出すべきHCV抗体-第二抗原-標識-検出可能シグナル」の形態で検出を行い、ここで第二抗原は標識と1以上の結合反応を起こし、主な調製および検出過程は以下の通りである:
被覆:第一抗原を支持体上に被覆する。
ブロック:第一抗原で被覆されていない支持体上の非占有領域を不活性タンパク質でブロックし、後の反応における非特異的吸着を防ぐ。
第一抗原が抗体を捕らえる:分析試料を加えてインキュベートし、第一抗原に試料抗体を捕らえさせる。
抗体が第二抗原を捕らえる:第二抗原を加えてインキュベートし、HCV抗体に第二抗原を捕らえさせる。
検出する:タグを用いて1以上のインキュベート工程を経て標識を導入し、次いで検出する。
本発明のキットの重要な利点は以下の通りである:
1. HCVタンパク質のための高い活性標識が達成できる:HCVタンパク質標識後に活性が損なわれる問題に直接着目した場合、特に好ましいのは、HCVタンパク質をビオチン化する方法、またはペプチドタグとHCVタンパク質をキメラ発現させる方法により、HCVタンパク質の間接的な標識化を行うことである。ビオチンまたはペプチドタグの分子量は小さいので、間接的標識の後、抗原の空間的構造はほとんど影響されず、さらに、酵素反応によるビオチン化により、ビオチンは、HCVタンパク質とキメラ発現されたビオチン受容体タンパク質の特定のリシン残基に部位特異的に結合可能である。HCVタンパク質とのキメラ発現によって、該ペプチドはHCVタンパク質の特定部位に部位特異的に挿入可能であり、こうしてHCV第二抗原の活性をより良い状態に保つことができる。
2. 二重抗原サンドイッチ法におけるHCV抗体検出物質の高バックグラウンド問題を解決する:CORE抗原の上記結合特性に直接着目して、高活性で、弱く、非特異的に結合するCORE抗原を排除し、高バックグラウンド問題を解決する。
3. ビオチン-アビジン増幅系:感受性の増大
アビジンとビオチンは非常に強い親和性を持ち、その親和定数(Ka:1015mol-1)は、抗原と抗体の親和定数(Ka:105-11mol-1)よりも少なくとも1万倍と非常に高いので、この2物質は素早くコンジュゲートすることができ、その反応は外部からの干渉を受けない。この系は高パフォーマンスの生物学的反応拡大系であり、免疫学的に後期の70年代以後に用いられている。本発明のキットの好ましい調製方法は、ストレプトアビジンを西洋ワサビペルオキシダーゼで標識化し、この標識によりビオチン化HCV第二抗原を認識する方法であり、つまり、ビオチン-アビジン増幅系を架橋に利用して標識による第二抗原の間接的認識を行うものであり、この系を取り込むことでキットの感受性が実質的に増大する。
4. 3段階の特異的認識で特異性を増大させる:本発明の検出過程の3段階反応は全て特異的認識反応である:試料のHCV抗体は、第一抗原を特異的に認識し;第二抗原は、HCV抗体を特異的に認識し;標識は第二抗原を特異的に認識する。このことは、本発明の物質の特異性が、伝統的な二重抗原サンドイッチ物質の2段階の特異的認識よりも、明らかにはるかに改善されており、また間接法における1段階の特異的認識と比較して明らかに非常に優れていることを意味している。
さらに、本発明の検出原理は、いくつかのイムノアッセイ法、例えば、酵素が関係するイムノアッセイ、発光イムノアッセイ、蛍光イムノアッセイ、放射性イムノアッセイ、微粒子イムノアッセイまたはイムノゴールドアッセイなどに適用でき、幅広い適用範囲を有する。
第一抗原および第二抗原における好ましいHCVタンパク質領域
本発明において用いるHCV遺伝子型はHCV 1bであり、別の領域における遺伝子型分布情報については別の遺伝子型セグメントまたはいくつかの遺伝子型セグメントの組合せを用いることができるが、選択したアミノ酸セグメントは一定に保つことができ、当業者であれば通常の知識からこのことを理解できる。
HCVタンパク質において、COREおよびNS3はHCVの主要エピトープセグメントであり、それらのエピトープ領域はそれぞれN末端およびC末端、すなわちCOREのa.a.1-90およびNS3のa.a.1192-1657に位置する。上記セグメントの分析およびスクリーニング後、そのコアエピトープセグメントはCOREのa.a.7-21、29-48、49-90およびNS3のa.a.1359-1454であることが確認されている。スクリーニングによって、我々は最終的にa.a.1201-1465(以下Gとする)をNS3抗原として選択する。
さらに、研究を通して、我々はCOREタンパク質凝集を誘発する重要なセグメントはa.a.1-90であることを見出している。二重抗原サンドイッチHCV抗体検出キットのCORE抗原によって引き起こされる高バックグラウンド問題を解決するため、我々は、CORE抗原遺伝子セグメントの範囲をスクリーニングするために、COREセグメントとNS3 Gセグメントの数種のキメラ発現抗原を第一抗原および第二抗原として設計し、これによりCORE抗原の高感受性が保たれ、かつ、改良中の二重抗原サンドイッチHCV抗体検出キットに影響しない結合能が保証される。また我々は、満足のいく二重抗原サンドイッチ法のHCV抗原COREセグメントの特性を得ている:a.a.10-17完全配列セグメントを含有する、特にa.a.7-21完全配列セグメントを含有する、特にa.a.6-23完全配列セグメントを含有する;と同時に、a.a.29-90完全配列セグメントを含有しない、特にa.a.29-70完全配列セグメントを含有しない、特にa.a.29-59完全配列セグメントを含有しない、特にa.a.32-48完全配列セグメントを含有しない。このタンパク質セグメントは、元の抗原性および結合能を保ちつつ変異を持つことができる。
上記規定は本発明のキットにとって重要な規定であり、またCOREセグメントを含有する抗原を用いる他の改良中の二重抗原サンドイッチHCV抗体検出キットにとって重要である。
最終的に、我々は第一抗原のCOREセグメントはa.a.2-59に、第二抗原のCOREセグメントはa.a.1-28に決定した。
第二抗原におけるHCVタンパク質とタグとのコンジュゲート
本発明はHCVタンパク質の間接的標識化を行うためにタグと結合パートナーを導入するが、タグの選択におけるひとつの主な判断基準は、タグは、HCV抗原活性の損失を抑えるためにできる限り小さくあるべきであるということである。タグは1つであっても、数個であっても、または単一のタグの組み合わせであってもよく、HCVタンパク質のN末端、C末端、両末端、または内部と結合し得る。
全てのタグは、対応する結合パートナーの非ペプチド物質、例えば、化合物(ジニトロフェノール、ブロモデオキシウリジン);ビタミン(ビオチンまたはその誘導体);ステロイド(ジゴキシン);色素(アクリジニウムエステル、ローダミン、ダンシルクロライド、ジヒドロキシフルオラン、オレゴングリーン、ルシファーイエロー、アレクサフルオロ、カスケードブルー)などと共に、存在する、または調製でき、あるいはペプチドまたはタンパク質とのコンジュゲートが本発明のタグであり得る。
対応する結合パートナーのペプチドまたはタンパク質に応じて存在する、または調製できるペプチドは、本発明のタグとなり得、例えば、Hisタグなどがある。
いくつかのミクロ分子は、化学発光剤(例えば、アクリジニウムエステル)、蛍光剤(例えば、フルオレセインイソチオシアネート、ユーロピウム)、放射性同位体(例えば、125I)などを検出することができ、または、例えば金コロイド、ラテックス粒子、標識とナノ粒子との結合体などの「剛性」マクロ分子が検出でき、直接標識化HCVタンパク質による抗原の標識化のために調製でき、二重抗原サンドイッチ検出法において使用できる。これらの被検出物質は、本発明においてある程度特別なタグとなり得る。
タグの選択に関しては、この領域において、一般的な技術者は、利用できる実験的方法を採用して上記原理の基礎を演繹することができるので、本明細書ではもはや詳述しない。また、本明細書ではペプチドの代表としてHisタグを用い、非ペプチドとしてビオチンまたはその誘導体を用いて説明する。
HCVタンパク質をタグと結合させる本発明の好ましい方法は以下である:HCVタンパク質のビオチン化;HCVタンパク質とペプチドのキメラ発現。
1、HCVタンパク質のビオチン化
HCVタンパク質のビオチン化の具体的な方法は以下を含む:
インビボにおける酵素学的ビオチン化;
インビトロにおけるビオチン化;
間接的ビオチン化;
アミノ酸のビオチン化。
1.1 インビボにおける酵素学的ビオチン化
本発明において、主に、ビオチン受容体とHCVタンパク質をコードするキメラ遺伝子Xおよびビオチン-[アセチル-CoAカルボキシラーゼ]合成酵素をコードする遺伝子Yを宿主細胞で同時発現させ、キメラ遺伝子Xによってコードされていたタンパク質の特定のリシン残基を、宿主において発現されたビオチン-[アセチル-CoAカルボキシラーゼ]合成酵素による酵素学的インビボ反応によって、ビオチンと結合させ、ビオチン化HCVタンパク質を調製する。
天然のビオチン受容体タンパク質は主に、ビオチンカルボキシルキャリアタンパク質ファミリーに存在し、そのコアセグメントはビオチンと結合する特定のリシンを含有するタンパク質またはペプチドである。配列番号3のポリペプチドは人工配列であり、ビオチンカルボキシルキャリアタンパク質と同等のビオチン結合能を有する。この2つのビオチン受容体タンパク質に共通する特性は、ビオチン-[アセチル-CoAカルボキシラーゼ]合成酵素の作用によりビオチンと結合可能であることであり、両方ともこの検出系に用いることができる。本発明の説明においては、ビオチン受容体として配列番号3の遺伝子がコードする産物を選択する。
タンパク質のビオチン化を触媒可能なビオチン-[アセチル-CoAカルボキシラーゼ]合成酵素は、様々な起源を持つ。これらはこれに限定されるものではないが以下を含む:細菌、例えば、大腸菌、枯草菌、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、根粒菌(Rhizobium)、乳酸菌(Lactobacillus)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)、シネコシスティス種(Synechocystis sp.)、連鎖球菌(streptococcus)および脱膣細菌(Paracoccusdenitrificane)BirA遺伝子コード産物、リケッチア・モオセリ(Rickettsia mooseri)BirA遺伝子コード産物、メタン生成菌(Methanococcus jannaschii)MJ1619遺伝子コード産物、梅毒トレポネーマ(Treponema Pallidum)TP0357遺伝子コード産物;酵母、例えば、分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)SPBC30D10.07c遺伝子コード産物、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)BPL1遺伝子コード産物;植物、例えば、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)BirA遺伝子コード産物;動物、例えば、ヒト(Homo sapiens)またはマウス(Mus musculus)HLCS遺伝子コード産物。ビオチン-[アセチル-CoAカルボキシラーゼ]合成酵素また、上記酵素のドメインセグメントまたはそのドメインアナログを含む。本発明の説明において、大腸菌ER2566のBirA遺伝子産物を選択する。
1.1.1 ポリシストロン性発現
これは、遺伝子XおよびYが、発現ベクターの同じプロモーターの作用下で、宿主においてポリシストロンの形態で発現される、ビオチン化を行う方法である。
オペロンは、原核生物の遺伝子発現調節の重要な組織的形態である。ほとんどの大腸菌遺伝子はオペロンの形態で遺伝子発現調節単位を構成する。オペロン内で調節される、タンパク質をコードする遺伝子は、構造遺伝子である。1つのオペロンは2つより多い構造遺伝子を持ち、10を超える場合もある。あらゆる構造遺伝子は連続するオープンリーディングフレームであり、5末端に翻訳開始コードを持ち、翻訳終止コードを3末端に持つ。あらゆる構造遺伝子は初めから終わりまで繋がっており、共に一列に配列されて構造遺伝子群を形成する。少なくとも初めの構造遺伝子の5末端にリボソーム結合部位があり、従ってこのいくつかの構造遺伝子を含有するDNAがポリシストロン性mRNAへ転写されると、リボソームに認識されて結合し、次いで翻訳が開始される。リボソームはmRNAに沿って移動し;初めにコードされたポリペプチドの合成を終えた後、リボソームは、ポリシストロン性mRNAがコードする全てのポリペプチドの合成を終えるまで、mRNAを逸脱することなく次の遺伝子にコードされたポリペプチドの翻訳および合成を続けることができる。
上記ポリシストロン性発現形態は多くの生物系に存在する。上記原理に従い、XおよびYを発現ベクター内でバイシストロンの形態でライゲートさせ、発現宿主に形質転換した後、宿主の生体物質および環境と、Yにより発現したビオチン-[アセチル-CoAカルボキシラーゼ]合成酵素により、HCVタンパク質とともにキメラ発現されたビオチン受容体タンパク質の特定のリシン部位に、培地に加えたビオチンを結合させ、このようにしてHCVタンパク質の部位特異的結合ビオチン化を終える。
該ポリシストロンは、N末端またはC末端にXを持ち得、また、1つのXといくつかのY、1つのYといくつかのXの形態、および、いくつかのXといくつかのYのあらゆる配列形態などのポリシストロンであり得る。
本発明のあらゆる抗原ビオチン化方法において、「ポリシストロン性発現」は、最も確実であり、簡便であり、また費用が最低限の方法であり;抗原をビオチン化し、本発明のHCVタンパク質をタグと結合させる好ましい方法として、この方法を用いる。
1.1.2 同時形質転換発現
これは、それぞれ遺伝子Xおよび遺伝子Yを含有する2種の発現ベクターを発現宿主に同時に導入することにより、ビオチン化を達成する方法である。
遺伝子XおよびYは、2種の発現ベクター内にそれぞれクローニングされ、これらのベクターは、それぞれ、対応する耐性選択条件下でHCV抗原とキメラのビオチン受容体タンパク質およびビオチン-[アセチル-CoAカルボキシラーゼ]合成酵素を発現させることができ、またビオチン-[アセチル-CoAカルボキシラーゼ]合成酵素がHCV抗原を最大程度にビオチン化するのを保証できるのであれば、同じ特性または別の特性を持つものであっても良い。
1.1.3 ポリプロモーター発現
これは、それぞれ同じ発現ベクター内の異なるプロモーターにより宿主における遺伝子XおよびYの転写および同時発現が開始される、ビオチン化を達成する方法である。
遺伝子Xおよび遺伝子Yは、同じ発現ベクターの2つのプロモーターの制御下にクローニングされ、異なるオペロンにより制御されて、効果的な転写および翻訳が行われ、さらに、HCV抗原とキメラのビオチン受容体タンパク質およびビオチン-[アセチル-CoAカルボキシラーゼ]合成酵素の同宿主内での同時発現が行われ、最終的にHCV抗原のビオチン化が完遂される。
1.1.4 モノシストロン性発現
これは、遺伝子Xおよび遺伝子Yを異なる方法でモノシストロンの形態でキメラ発現し、ビオチン化を達成する方法である。
遺伝子XおよびYは、異なる形態でキメラ発現することができ、発現されたキメラタンパク質は、合成機能を有するのみならず、ビオチン受容体の能力も有し、キメラタンパク質間で互いにビオチン化を行うことができる。ここで異なる形態とは、N末端またはC末端にXが存在する形態があり得、また、1つのXといくつかのY、1つのYといくつかのX、いくつかのXといくつかのYのあらゆる組み合わせ、などがあり得る。
1.1.5 宿主のビオチン-[アセチル-CoAカルボキシラーゼ]合成酵素遺伝子との同時発現
これは、発現宿主において遺伝子Yと同類の遺伝子により発現されたビオチン-[アセチル-CoAカルボキシラーゼ]合成酵素によって、遺伝子Xによりコードされたタンパク質を最大程度にビオチン化する方法である。
遺伝子工学的方法を用いて、ビオチン-[アセチル-CoAカルボキシラーゼ]合成酵素をコードする内在性または異種遺伝子を発現宿主に組み込む、または、発現宿主に内在するビオチン-[アセチル-CoAカルボキシラーゼ]合成酵素遺伝子を特定の方法により活性化することにより、その発現レベルを増加させ、結果として、HCVタンパク質とビオチン受容体タンパク質の融合タンパク質が、発現されたビオチン-アセチル-CoAカルボキシラーゼ合成酵素により最大限にビオチン化される。もしくは、Y遺伝子と同類の発現宿主の内在性遺伝子によってコードされたビオチン-[アセチル-CoAカルボキシラーゼ]合成酵素によって、HCVタンパク質の部分的ビオチン化を達成する。一般に、発現宿主に内在する、Y遺伝子と同類の遺伝子は、宿主における発現が低レベルであり、結果的に、遺伝子工学的に操作していない元の宿主は、インビボにてビオチンとタンパク質またはペプチドを結合させるビオチン化を低効率で行うのみとなる。よって、反応において非ビオチン化抗原を第二抗原として用いる場合、非ビオチン化抗原とビオチン化抗原との競合をできる限り排除するため、ほとんどの非ビオチン化抗原を除去する近年の方法が必要となり、また他のビオチン化方法も非ビオチン化抗原を除去して感受性を増大させるために必要である。
1.2 インビトロでのビオチン化
1.2.1 活性化ビオチンによるHCVタンパク質の標識化
活性化ビオチンをHCVタンパク質に直接的に結合させる直接結合法、HCVタンパク質のいかなる基と結合させられるか、および特定の活性化ビオチンの選択および結合方法について、米国PIERCE社のカタログを参照することができる。
1.2.2 インビトロにおける酵素反応を用いてHCVタンパク質にビオチンを付加する
一般に酵素反応とは、Xによってコードされた産物とビオチン-[アセチル-CoAカルボキシラーゼ]合成酵素をインビトロで混合し、一定の酵素反応環境を提供し、ビオチン-[アセチル-CoAカルボキシラーゼ]合成酵素のインビトロ酵素反応によりHCVタンパク質のビオチン化を行うことを意味する。
1.3 間接的ビオチン化
間接的ビオチン化とは、HCVタンパク質を物質Aと結合させ、物質Bを物質Aとコンジュゲートさせ、次いで、物質Cを物質Bとコンジュゲートさせ、場合により残りは類似の方法で演繹して、Aの一段階または多段階認識を行い、最終段階のコンジュゲートでは、上記ビオチン化方法によりビオチンを結合させ、最後に、HCVタンパク質-A(-B-C……)-ビオチンの形態をとって、HCVタンパク質の間接的ビオチン化を行うことを意味する。
1.4 アミノ酸のビオチン化
アミノ酸のビオチン化は、特定のまたはいくつかのアミノ酸をビオチン化し(shenzongxuan et.al., synthetic chemistry, 10(4): 59 361, 2002)、次いでこれを宿主の培養成分として発現系に加え、宿主のタンパク質翻訳過程を用いてビオチンをHCVタンパク質ペプチドに組み込み、ビオチン化第二抗原を調製することである。
2、HCVタンパク質およびペプチドのキメラ発現
ビオチンタグの他に、ペプチドも第二抗原タグとなり得る。ペプチドタグは、遺伝子工学的キメラ発現法を用いてHCVタンパク質のN末端、C末端、両末端または内部に組み込むことができる。この時、タグ結合パートナーはペプチド特異的認識物質、例えば、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体である。
HCV抗原特有の性質、すなわち、異種タンパク質の分子量が増加するとHCV抗原活性が減少し、異種タンパク質がN末端に融合した場合により明確にこの現象が起きることに表れる性質のため、タグとして選択されるペプチドの分子量は本発明においてできる限り小さい方がよい。
本発明において選択するペプチドタグはHisタグである。
2.1 非HCVペプチドタグ
本明細書において、非HCVペプチドとしてHisタグを選択し、遺伝子工学的方法により、Hisタグをコードする遺伝子とHCVタンパク質をコードする遺伝子をキメラ発現させて第二抗原を調製し、標識化抗Hisタグモノクローナル抗体を用いて第二抗原を認識し検出を行う。
2.2 HCVペプチドタグ
HCVペプチドをタグとして選択する場合、以下の2つの事柄に注意しなければならない:
1) 標識が第一抗原と結合するのを防ぐために、HCVペプチドフラグメントは、第一抗原との特異的親和性を有さない抗体のフラグメントであらねばならない。
2) キットが高バックグラウンドとなるのを避けるために、HCVペプチドには、凝集傾向が非常に強いHCVタンパク質セグメントは避けた方がよい。
その具体的な調製および検出過程は、上記と同様である。
具体的実施態様およびさらなる詳細な説明を以下に示す。
第一抗原の調製
本発明は、wenxin luo et al, Chinese Journal of Biotechnology, 16(5): P578-581, 2000の方法を参照して再構築ベクターpTO-T7を得る。NdeIとBamHI部位間の配列を増幅するためのプライマーを合成し、ここでフォワードプライマーはNdeI部位およびBamHIおよびEcoRI部位を有し、リバースプライマーはBamHI部位およびEcoRI部位を有する。抽出後(分子生物学的抽出および精製用キットは全て、本発明においては、Watson Biotechnologies, Incから購入した。)、フラグメントを制限エンドヌクレアーゼNdeI/EcoRI(あらゆる種類の分子生物学的酵素は本発明においては、TAKARA Biotechnology (Dalian) Co., Ltd.から購入した。)で切断し、同じエンドヌクレアーゼで切断したpTO-T7ベクターにライゲートする。陽性クローンを制限エンドヌクレアーゼBamHIで切断し、次いで、抽出し、互いにライゲートさせ(これは、pTO-T7ベクターのNdeIとBamHI部位間に存在するT7タグ遺伝子を除去するためである。)、このベクターをP1と名付ける。
P1ベクターのT7プロモーターの上流に、本発明のクローンにとって不利であるBglIIポイントが1つあるため、P1ベクターのBglIIおよびXbaI間のセグメントを増幅するための合成プライマーを合成する(センスプライマーはBamHIポイントを有し、アンチセンスプライマーはそのXbaIポイントを有する)。このセグメントをBamHIとXbaIにより切断し、次いで同様にBamHIとXbaIによって切断されたP1ベクターにクローニングし、生じた陽性クローンはBglIIポイントがブロックされたP2発現プラスミドであり、そして本発明のクローニングベクターである。本発明を実施するにあたり、P1およびP2は必須の発現ベクターではなく、またその上流エンハンサーは本発明において実質的には影響せず、これらのベクターの構築は単にクローニングにおける便利のためで、多くの他の発現ベクター、例えば、pET-24a(+)(America Novagen Co., 物品No. 69749-3)も本発明の実施に用いられる。
a.a.1201-1465遺伝子(配列番号2)をPCRで増幅する、この際、そのセンスプライマーはBamHIポイントを持つ;アンチセンスプライマーはBglIIポイントおよびEcoRIポイント並びに2ポイント間に終止コドンTAAを有する。a.a.2-59遺伝子(配列番号1の4番目から177番目のヌクレオチド)をPCRで増幅する、この際、そのセンスプライマーはBamHIポイントを有し、アンチセンスプライマーはBglIIポイントおよびEcoRIポイント並びに2ポイント間に終止コドンTAAを有する。BamHI/EcoRIにより切断されたa.a.1201-1465遺伝子を、同じ酵素で切断したP2発現ベクター内にクローニングし、P2-Gを得る。BglII/EcoRIで切断したa.a.2-59遺伝子をBglII/EcoRIで切断した発現ベクターに挿入し、陽性クローンP2-G-CORE(a.a.2-59)を得、これはまた、本発明の第一抗原の発現プラスミドであり、P2-HCVAg1と名付ける。このプラスミドを含有するER2566株を、中国タイプカルチャーコレクションセンター(China Center for Type Culture Collection)(Wuhan University, Luojia hill, Wuchang district, Wuhan, Hubei province, China)に2005年1月21日に、保存番号CCTCC M 205009で、発現抗原名はHCVAg1で保存した。本発明の第一抗原のスクリーニングに設計したクローンを同様に構築した。
大腸菌ER2566(America New England Biolabs, Inc.)をP2-HCVAg1で形質転換し、100μg/mlのカナマイシン(Shanghai Sangon Biological Engineering Technology & Services Co., Ltd., 以下略してSangon、物品No. KE170)を含有するLBプレートに播種し、一晩置いて37℃で培養し、次いで分離コロニーを採取し、同じ濃度のカナマイシンを含有する500mlのLB培養液内でOD600が約1.0になるまで振盪培養する。その後IPTG(Sangon, 物品No. IB0168)を加えて誘導を行う、この際、その終濃度は0.5mMである;誘導条件は、37℃、200rpm、4時間である。誘導された細胞を5000rpmで20分間遠心分離して収集し、分子生物学的に操作した細菌の培養液1リットルにつき10mlの溶解バッファー(50mM Tirs-HCl、1mM EDTA、100mM NaCl、pH8.0)内に再懸濁する。細胞を超音波処理し、次いで2000rpm、4℃で20分間遠心分離して封入体を回収し、2%のTriton X-100(Sangon, 物品No. T0694)を含有する溶液I(20mM Tirs-HCl、5mM EDTA、100mM NaCl、pH8.5)に再懸濁する。12000rpm、4℃で20分間遠心分離して封入体を回収し、4Mカルバミド/溶液Iに溶解し、次いで100倍容積のPBバッファー(20mM, pH7.0)に透析し、PBバッファーは3回交換し、遠心分離して沈降物を除去して生の抗原を得る。Sephacryl S-200(America Amersham Biosciences Inc.)を上記と同じPBバッファーで平衡化し、次いで上記の生の抗原を加える。目的のタンパク質を含む流出物を回収し、貯留する。その後、CM-Sepharose (America Amersham Biosciences Inc.)で精製し、HCV抗原をCM-Sepharose上に吸着させ、PBSバッファーで(20mM PB, 50mM NaCl, pH7.0)溶出させて吸着したタンパク質でなく不純物のタンパク質を除去し、次いで目的のタンパク質をPBSバッファー(20mM PB, 500mM NaCl, pH7.0)で溶出させる。最後に、タンパク質濃度を測定して4℃または-20℃で保存する。
第二抗原の調製
1. ビオチン化第二抗原の調製。
1.1 インビボにおける酵素学的ビオチン化
1.1.1 同時形質転換および発現
HCV抗原をコードするa.a.1-28遺伝子(配列番号1の一番目のヌクレオチドから84番目のヌクレオチド)を増幅する。センスプライマーはBamHI部位を有し、アンチセンスプライマーはBglIIおよびEcoRI部位およびそれらの間に終止コドンTAAを有する。ビオチン受容体タンパク質をコードする遺伝子セグメントL(配列番号3)を増幅する、この際、センスプライマーはBamHIポイントを有し、アンチセンスプライマーはBglIIおよびEcoRIポイントおよびこの2ポイント間に終止コドンTAAを有する。
その後、制限エンドヌクレアーゼBamHI/EcoRIで切断したタンパク質a.a.1-28をコードする配列を、制限エンドヌクレアーゼBglII/EcoRIで切断した発現ベクターP2-Gにライゲートし、陽性クローンP2-G-CORE(a.a.1-28)を得、P2-HCVAg2と名付け、発現抗原をHCVAg2と名付ける。エンドヌクレアーゼBamHI/EcoRIで切断した遺伝子LをBglII/EcoRIで切断した発現ベクターP2-G-CORE(a.a.1-28)にライゲートし、陽性クローンP2-G-CORE(a.a.1-28)-Lを得、P2-Xと名付ける。
本発明のビオチン受容体タンパク質は、ビオチンカルボキシルキャリアタンパク質ファミリーまたはその機能ドメインセグメント、さらに配列番号3にコードされるペプチドまたはドメインアナログであり得る。ビオチンカルボキシルキャリアタンパク質をコードする遺伝子を増幅するプライマーを設計し、その遺伝子を遺伝子Lに置き換えて用いてクローンを完成させる。以下はそのプライマーである:

センスプライマー1:5’- CGCGGATCCATGAAACTAAAGGTAACAGTCAACGGC A -3’
センスプライマー2:5’-GGCAGGATCCCCGGGTAAGGCAGGAGAGGGCGAGA TTC-3’
アンチセンスプライマー:
5'-CGCGAATTCTTAAGATCTACCACCTTCTATTAACTCTAAATCCCCGATCTTGATGAG-3'
センスプライマーはBamHI部位を有し、アンチセンスプライマーはBglIIおよびEcoRI部位並びにそれらの間に終止コドンTAAを有する。PCRテンプレートとしてPinpoint(商標)Xa-1 (Promega, ロット番号V2031)を、PCRプライマーとしてセンスプライマー1およびアンチセンスプライマーを用いて、ビオチンカルボキシルキャリアタンパク質(BCCP)の128アミノ酸残基を含むセグメントをコードする遺伝子Xalを得ることができる。また、PCRプライマーとしてセンスプライマー2およびアンチセンスプライマーを用いて、ビオチンカルボキシルキャリアタンパク質の81アミノ酸残基を含むセグメントをコードする遺伝子Xasを得ることができる。遺伝子Lと同様に、それらがコードするタンパク質はビオチンと結合可能な特定のリシン部位を有する。3つのタンパク質のビオチン結合能を比較し、以下のことを見出している:XalはXasよりも強力であり、XasはLよりも強力であり、それはインタクトであり、大分子量のBCCPは非常に強力な結合能を有し、しかしながら、HCV抗原はBCCP分子量の増加に伴いその活性を失う。よって、ビオチン化の後、3つのタンパク質は、HCVタンパク質のC末端に結合して、第二抗原として同様の活性を持つ。以下の実験において、遺伝子LをBCCP遺伝子として用い、クローンを説明する。
アセチル-CoAカルボキシラーゼ合成酵素をコードするBirA遺伝子(配列番号4)を増幅するためのテンプレートとして大腸菌ER2566の全DNAを抽出する。以下はプライマーである:

プライマー1:5'-CCC GAA TTC ATG AAG GAT AAC ACC GTG CC-3'
プライマー2:5'-GGG AAG CTT TTA TTT TTC GGC ACT ACG CAG GGA TAT TTC ACC-3'
センスプライマーにはEcoRI部位があり、アンチセンスプライマーにはHindIII部位がある。増幅された遺伝子YをエンドヌクレアーゼEcoRI/HindIIIで切断し、次いで、同じエンドヌクレアーゼで切断したプラスミドベクターpET-32a(+)(Novagen Company, ロット番号70785-3)にクローニングし、新たなプラスミドを得、pET-32a-Yと名付ける。
発現ベクターP2-Xはカナマイシン耐性遺伝子を有し、PET-32a-Yはアンピシリン耐性遺伝子を有する。2つのベクターは発現宿主の大腸菌ER2566に同時形質転換される。カナマイシン濃度が100μg/mlで、アンピシリン濃度はカナマイシンと同じである、二重耐性LBを用いて、陽性クローンをスクリーニングできる。その後100μg/mlのカナマイシン、100μg/mlアンピシリン、20μM D-ビオチン(Sigma-Aldrich company, ロット番号B-4501)の500ml LB培養培地に陽性クローンを培養し、温度は37℃でOD600値が約1.0になるまで振盪し、次いでIPTG(終濃度0.5mM)で誘導し、37℃、200rpmで4時間振盪する。遠心分離して細菌細胞を回収し、溶解バッファーに細胞を1Lに対し10mlの割合で再懸濁し、細胞を超音波破砕機で破壊し、次いで12000rpm、4℃で20分間遠心分離し、その後10%-30%飽和硫酸アンモニウムを用いて上清を沈殿させ、PBバッファー(100mM, pH7.0)を用いて沈降物を溶解させ、その溶液を12000rpm、4℃で10分間遠心分離して沈降物を取り除き、SoftLink Soft Release Avidin (精製工程についてはPromega社のパンフレットを参照のこと、ロット番号V2012)を含有するアフィニティークロマトグラフィーを用いてタンパク質を精製し、5mM D-ビオチンを含有するPBバッファー(100mM, pH7.0)で溶出させ、その後精製ビオチン化抗原を得る。次いで、遊離ビオチンを除去するために抗原を100倍の体積のPBバッファーに透析し、三回繰り返し、上清を遠心分離し、タンパク質濃度を測定し、将来の使用のために4℃または-20℃で保存する。
1.1.2 ポリシストロン性発現
遺伝子フラグメントYをエンドヌクレアーゼEcoRI/HindIIIで切断した後、同じエンドヌクレアーゼで切断したプラスミドベクターP2-Xにライゲートする。すると新しい陽性クローンP2-X-Yを得ることができ、これは、本発明の第二抗原のための好ましい発現プラスミドである。このプラスミドを含む細菌株ER2566は中国タイプカルチャーコレクションセンターに保存した(Wuhan University, Luojia mountain, Wuchang district, Wuhan, Hubei province, P.R.China, 430072)。保存番号はCCTCC M 205010である。遺伝子XおよびY間には終止コドンが存在するので、遺伝子XおよびYは、プラスミドP2-X-Yの同じ発現および調節エレメント下で二重シストロンを構成する。発現過程で第二抗原をスクリーニングする場合、クローンの設計と同じ方法で行う。
P2-X-Yを大腸菌ER2566に形質転換し、上記の方法により精製抗原HCVAgを得る。
ビオチン化過程において、遺伝子Xの終止コドンと遺伝子Yの開始コドンの間にSD配列を加えることを試みて(全ての方法は通常の遺伝子工学的技術であり、Tsao, K.L., Gene, 169; P59-64, 1996の方法を参照することもできる。)、遺伝子Yの発現を増加させ、これによりビオチン化の効率を上昇させ、本発明の診断キットの感受性を増大させることができる。
1.1.3 マルチプロモーター発現
増幅してエンドヌクレアーゼEcoRI/HindIIIで切断した遺伝子Yを、同じエンドヌクレアーゼで切断したプラスミドベクターP1にクローニングし、発現プラスミドP1-Yを得る。上流はT7プロモーターから、下流は終止コドンに至る一対のプライマーを以下の通りに設計することができる:
プライマー1: 5'-GGCAGATCTTAATACGACTCACTATAGGG-3'
プライマー2: 5'-CCCAGATCTTGCTAGTTATTGCTCAGCGG-3'
センスプライマーとアンチセンスプライマーの両方はBglII部位を含有する。プラスミドP2-Xをテンプレートに用いて遺伝子Xを含有する全T7オペレーターエレメントを増幅させることができる。次いで、BglIIで切断したフラグメントを同じエンドヌクレアーゼで切断した発現ベクターP1-Yにクローニングし、遺伝子Xおよび遺伝子Yがそれら自身のオペレーターエレメントの制御下で転写および翻訳される、二重プロモーターを含有する発現ベクターP1-X/Yを得ることが出来る。
P1-X/Yを大腸菌ER2566に形質転換して、目的タンパク質の発現および精製を行う。
1.1.4 モノシストロン性発現
ER2566のトータルDNAとしての遺伝子Yをテンプレートとして増幅し、その際プライマーは以下の通りである:
プライマー1:5'-CCC AGA TCT ATG AAG GAT AAC ACC GTG CC-3'
プライマー2:5'-GGG GAA TTC TTA TTT TTC GGC ACT ACG CAG GGA TAT TTC ACC-3'
センスプライマーはBglII部位を含有し、アンチセンスプライマーはEcoRI部位を含有する。PCRで増幅しBglII/EcoRIで切断した遺伝子Yを、同じエンドヌクレアーゼで処理したプラスミドベクターP2-Xにクローニングし、発現プラスミドP2-XYを得る。エンドヌクレアーゼ部位は、遺伝子Xの3末端のBglIIおよびEcoRIであり、これらの部位の間には終止コドンTAAが存在するので、P2-XをBglII/EcoRIで切断すると、終止コドンが切り出された。よって遺伝子Xおよび遺伝子Yはキメラ発現遺伝子XYであるモノシストロンを構成する。
P2-XYを大腸菌ER2566に形質転換し、目的タンパク質の発現および精製を行う。
1.1.5 宿主におけるビオチンアセチル-CoAカルボキシラーゼ合成酵素をコードする遺伝子との同時発現
P2-Xを大腸菌ER2566に形質転換して目的タンパク質を発現させる。ER2566がインビボで自己発現するビオチン-アセチル-CoAカルボキシラーゼ合成酵素を用いて、HCV抗原を部分的にビオチン化する。その後上記のSoftLink Soft Release Avidinを用いてアフィニティー精製を行う。
上記のインビボにおける酵素学的ビオチン化方法において、HCVキメラ抗原とビオチンアセチル-CoAカルボキシラーゼ合成酵素を可溶性形態で発現させる一連の方法であって、低い温度で発現を誘導し、上流シストロンとなる分子シャペロンまたは異種タンパク質などを導入することを含む方法を試みると、可溶性発現によりビオチン化の効率を上昇させることができる。この可溶性発現を促進する方法は、当分野の通常の技術者は身につけているものなので、ここでは詳細には説明しない。
1.2 インビトロにおけるビオチン化
1.2.1 カップリングによるインビトロにおけるHCV抗原のビオチン化
本明細書において、HCV抗原のアミノ基をスルホ-NHS-LC-ビオチンで標識化する方法を説明する。以下は標識過程である:
1) 1mgのHCVAg2抗原を2M PBS(100Mm PB, 150mM NaCl, pH7.2)に一晩透析する;
2) ビオチン溶液を調製する:2.2mgのスルホ-NHS-LC-ビオチンを0.4mlの超純水(本発明において用いる水は全て超純水である。)に溶解させる。これは使用する直前に調製する;
3) タンパク質溶液とビオチン溶液を1:10-20の割合で混合し、2時間0-4℃で、または30分間室温で架橋結合させる。
4) 反応溶液を0.05%SDS(100mM PB, pH7.2)を含有するPBバッファーに透析し、遊離ビオチンを除去する。
5) グリセロールを終濃度50%まで加え、将来の使用のために-20℃で保存する。
HCV抗原の種々の基、例えばメルカプト基、カルボキシルを標識するために、種々の活性化ビオチンを選択することもできる。Pierce社, USAの製品カタログを参照することができる。
1.2.2 酵素触媒によるインビトロにおけるHCV抗原のビオチン化
ATPおよびD-ビオチンを含有する特別なバッファー中でも、ビオチン-アセチル-CoAカルボキシラーゼは、細胞内のビオチン受容体タンパク質(BCP)を有するHCV抗原にビオチンを結合させる機能を果たすことができる。
ビオチン-アセチル-CoAカルボキシラーゼをコードする遺伝子YをpET-32a(+)にクローニングし、それを発現させ、次いでCo-金属アフィニティークロマトグラフィーカラムによりそのカルボキシラーゼを精製し、BCPを有するHCV抗原をビオチン化する。精製HCV抗原といくつかのビオチン-アセチル-CoAカルボキシラーゼを、10mMのATP(sangon, ロットAB0020)、50μM D-ビオチン、50mMバイシン(Bicine)(Sangon,ロット番号BB0266)、10mM MgOAc (Sangon,ロット番号MB0326)を含有するpH 8.3のビオチン化バッファーに加え、12時間室温でビオチン化反応を行う。その後、該抗原をPBバッファー(100mM, pH 7.0)に1:100の割合で透析し、バッファーを3回交換して、遊離ビオチンを除去し、該抗原を遠心分離して上清液をSoftLink Soft Release Avidin resinのアフィニティークロマトグラフィーカラムで精製する。次いで5mM D-ビオチンを含有するPBバッファーでカラムを溶出させ、ビオチン化抗原を得る。精製抗原は透析後に使用できる。
1.3 間接的ビオチン化
Hisタグを物質A、抗Hisタグモノクローナル抗体(Novagen社, USA, ロット番号 70796-3)を物質Bとし、B上のビオチンを例としてHCV抗原の間接的ビオチン化を説明する。
上記の方法によって、クローンP2-G-CORE(a.a.1-28)-His、名付けてP2-HCVAg3を得、それを発現させ精製し、対応する抗原HCVAg3を得る。ここでHisはHisタグを表す。同じ命名法を他のキメラポリペプチドにも用いる。
ビオチン標識は、上記方法と同じように、Hisタグモノクローナル抗体を活性化ビオチンにカップリングすることにより認識できる。酵素標識化モノクローナル抗体はHCV抗原と特異的に結合でき、HCV抗原の間接的ビオチン化を認識する。
ビオチンの結合パートナー(つまりストレプトアビジン)を酵素学的に標識化する方法は、NaIO4酸化であることが知られている。10mgのHRPを検量し、1mlの超純水に溶解させ、1mlの5mg/ml NaIO4溶液(Sangon, ロット番号ST1244)を超純水にゆっくりと加え、遮光下室温で40分間穏やかに攪拌し、その後0.05mlの20%グリコール(Sangon, ロット番号E0582)を加え、遮光下で40分間攪拌する。混合物を100mM、pH 9.51の炭酸塩バッファーに、遮光下4℃で一晩透析し、2.5mg/mlのストレプトアビジン(Sangon, ロット番号SE497)を加えた後、100mM、pH9.51の炭酸塩バッファーに2時間透析する。翌日、0.1mlの新鮮な4mg/ml NaBH4(Sangon, ロットST1268)溶液を加えて混合し、4℃で2時間保存した後、溶液を透析バッグに入れて、PBSバッファー(150mM, pH7.4)に4℃で一晩透析する。酵素保護剤を加え、グリセロールを終濃度50%まで加える。その後将来の使用のために混合物を遮光下-20℃で保存する。
第二抗原がビオチン化HCVタンパク質である場合、このキットの検出様式は以下である:
1) 直接的ビオチン化様式「支持体-第一抗原-HCV抗体分析物-ビオチン化第二抗原-HRP標識化ストレプトアビジン-HRP基質、この色が検出シグナルとなり得る」
2) 間接的ビオチン化様式「支持体-第一抗原-HCV抗体分析物-第二抗原(HisタグとHCVタンパク質のキメラ遺伝子の発現産物)-ビオチン標識化抗Hisタグモノクローナル抗体-HRP標識化ストレプトアビジン-HRP基質、この色が検出シグナルとなり得る」。
2. ペプチドタグを有する第二抗原の調製
Hisタグを例としてその方法を説明する。上記の実施例において、HCV抗原のカルボキシル末端がHisタグを含有する、クローンP2-HCVAg3を構築し、抗原HCVAg3を調製した。また、HCV抗原のアミノ末端、両末端、およびNS3およびCORE間にHisタグを結合させることを試みる。それらは全て本発明の第二抗原となると判明する。同様にして、この4つの方法を用いて、ビオチン受容体タンパク質をHCV抗原に結合させることもできる。同じタグまたは異なるタグの融合物により感受性がある程度改善でき、これは本発明にて証明されている。遺伝子の融合および発現についての上記の全ての方法は、全て通常の技術者が習得している通常の技術である。本明細書においては詳述しない。
ペプチドタグはまたHCVペプチドでもあり得、これは第一抗原には含まれず、強い結合傾向もない。その原理はペプチドタグと同様である。本明細書においては詳述しない。
HRPによりモノクローナル抗体を標識化する方法は、ストレプトアビジンをHRPで標識化する方法と同様である。主な相違点はモノクローナル抗体とHRPの質量の比率が1:1-2であること、および標識化時間が3-6時間であることである。
第二抗原がペプチドタグとHCV抗原のキメラ遺伝子の発現産物である場合、本発明のキットの検出様式は:「支持体-第一抗原-HCV抗体分析物-第二抗原(HisタグとHCVタンパク質のキメラ遺伝子の発現産物)-ビオチン標識抗Hisタグモノクローナル抗体-HRP標識ストレプトアビジン-HRP基質、この色が検出シグナルとなる」。
HRPに加え、検出可能な物質は多種多様であり、例えば、酵素、例えば、アルカリフォスファタ−ゼ、β-ガラクトシダーゼ;化学発光物質(irradiance agent)、例えば、アクリジンエステル;蛍光剤、例えば、フルオレセインイソチオシアネート、ユーロピウム、ユーロピウムナノ顆粒;放射性物質、例えば、125I;コロイド、例えば、コロイド金、ラテックスなどがある。異なる検出物質を選択することは、異なる免疫診断法、つまり、酵素結合免疫吸着測定法、化学発光イムノアッセイ、蛍光イムノアッセイ、時間分解蛍光イムノアッセイ、放射性イムノアッセイ、金標識イムノアッセイなどを選択することを意味する。ストレプトアビジンまたはモノクローナル抗体をそれらの検出物質で標識化する方法および各種イムノアッセイはさまざまであるが、全て通常の技術者が習得している通常の実験方法に属するものである。本明細書においては詳述しない。
本発明のキットの特異性が改善するように2つの抗原間のギャップを増大させるために、第一抗原と第二抗原を結合させる様々な方法、様々な発現ベクターおよび様々な精製方法を試す。全ての試行は特定の結果に到達した。これらの方法は全て通常の技術者が習得している通常利用できる方法である。本明細書においては詳述しない。
第一抗原および第二抗原のためのHCVタンパク質フラグメントのスクリーニング
初めに、NS3抗原フラグメントをスクリーニングする。前記方法に従ってクローンP2-G(a.a.1201から1465までのNS3フラグメントを含有する)を得、抗原NS3Gを発現させ、精製し、間接的ELISAにより抗原の活性を検出する。Chiron社の欧州特許出願公開第0450931号明細書のC33C(NS3 a.a.1192-1457)、およびRoche社の米国特許第6096319号明細書のD26(NS3 a.a.1207-1488)と比較すると、NS3Gの特異性が改善され(データを表1に示す)、感受性が対応していることが分かる。a.a.1201±5およびa.a.1465±8位にプライマーを設計し、クローンP2-NS3 (a.a.1196-1473)、P2-NS3(a.a.1206-1457)を得る。これらのクローンを発現させ、精製し、検出する。これらの抗原の反応性はNS3Gと同等であることが分かる。最後に、フラグメントa.a.1201-1465(略してGとする)を本発明のNS3抗原フラグメントとして選択する。スクリーニング方法は、全て通常の技術者が習得している通常の実験方法であり、また、米国特許第6096319号明細書の方法を参照することもできる。よって、本明細書においては詳述しない。
Figure 2008529015
COREタンパク質フラグメントによる非特異的反応を解決するために、前記の方法に従い異なるクローンを設計し、HCVAg1を第一抗原として得、異なるCOREフラグメントを第二抗原として用いる。以下は第二抗原としての種々のCOREフラグメントの感受性の比較結果である。
Figure 2008529015
第一抗原のためにCOREフラグメントに関して同じクローンを設計し、第二抗原としてHCVAgを検出した後、表2と同様の感受性の結果を得る。
上記の結果は、サンドイッチELISAにおいて、HCVのCORE第一抗原または第二抗原が配列a.a.6-23、さらにa.a.7-21、さらにa.a.10-17を欠く場合、その感受性はより低いことを示している。
第二抗原のCOREフラグメントの種々のクローンを設計し、HCVAg1を第一抗原として用い、同じキット系を用いて検出すると、第二抗原の種々のCOREフラグメントにおいてバックグラウンドに差異が生じる。その結果は表3を参照のこと。
Figure 2008529015
上記の結果は以下を示している:HCV COREの第一のエピトープは配列a.a.1-28(略してa)、第二のエピトープはa.a.32-48(略してb)、第三のエピトープはa.a.49-70(略してc)である。これらのエピトープは全て結合傾向があり、bが一番強い。第二抗原に2つ以上のエピトープが存在し、そのフラグメントが完全に露出している場合、キットのバックグラウンドは非常に高い。
第一抗原のCOREフラグメントに対して同様の実験を行う。キットのバックグラウンドは、COREのカルボキシル末端がより長いと、より高くなる。しかし、第二抗原のそれと比較してあまり明解ではない。全ての実験が、HCVサンドイッチELISAキットの高バックグラウンドは第二抗原のCOREフラグメントに起因することを示している。
上記これらの実験の結果は、第二抗原のCOREフラグメントがa.a.32-48、さらにa.a.29-59、さらにa.a.29-70、さらにa.a.29-90を含む場合、キットのバックグラウンドはより高いことを示している。
従って、本発明のHCV COREタンパク質の特性は、a.a.10-17、さらにa.a.7-21、さらにa.a.6-23のフラグメントを含有し、a.a.29-90、さらにa.a.29-70、a.a.29-59、さらにa.a.32-48を含まないということである。該タンパク質フラグメントは、変異導入後も抗原活性および結合能を保つことができる。
高バックグラウンドはCORE抗原の結合に起因するということをさらに証明するために、以下の実験を行う:
1) 相同凝集の確認:第一抗原としてHCVAg1を選択する。
2) 異種凝集の確認:第一抗原としてHIVgp41抗原、梅毒Tp17抗原、ウシ血清アルブミンV(BSA, Shanghai Weiqun bio-technology Co., Ltd)を選択する。
第二抗原として、P2-G-CORE(a.a.1-70)-L-Yの発現産物を、分析試料としてヒトHCV陰性血清(HCV陰性または陽性血清は全て健康な人から採取する。)を選択し、20%新生仔ウシ血清(NBS)、1%BSA、検出のために分析物非含有試料(試料希釈液を試料に換える)を用いる。表4は実験結果である:
Figure 2008529015
第一抗原としてP2-Gの発現産物、第二抗原としてP2-G-L-BirAまたはP2-G-CORE(a.a.1-70)-L-Yの発現産物のみを用いる場合、前者について高バックグラウンドは消え、後者については高バックグラウンドである。
上記の結果は、HCV抗体ELISAキット(二重抗原サンドイッチ)の高バックグラウンドは、CORE抗原の相同凝集および異種凝集傾向に起因することを示している。その反応様式は「支持体-第一抗原-第二抗原-標識物質-同定可能シグナル」である。
従って、サンドイッチELSIAのためのHCV抗原のCOREフラグメントを選択する原理は、抗原の活性を保証することを前提条件に、フラグメントが短いほどその効果は高く、また初めはアミノ末端を選択するということである。
上記のスクリーニングの後、第一抗原のCOREフラグメントはa.a.2-59、第二抗原のCOREフラグメントはa.a.1-28であることを確認できる。
抗原の活性を保証することを前提条件に、第一抗原および第二抗原のCOREフラグメントをより短くすることをさらに試みる。キットのバックグラウンドはある程度改善され、NS3抗原の活性はある程度改善された。
異種ペプチドタグの分子量の測定
異種ペプチドタグのHCV抗原の活性に対する影響を調べるために、本発明において、N末端またはC末端に異なる長さのペプチドタグを有するHCVクローンを設計した。クローンの構築、タンパク質の発現および精製は実施例1および2の方法を用いる。第一抗原としてHCVAg1、第二抗原として上記クローンの精製抗原、酵素コンジュゲートとしてHRP標識MAb抗Hisタグを用い、2つの正常血清で希釈した100のHCV陽性血清を検出し、間接的HCV試薬(InTec Products, Inc.(Xiamen))およびAbbott社のMurex Anti-HCV 4.0 kitと比較する。その結果を表5および6に示した。
Figure 2008529015

注:
HCVAg-N1はP2-His-G-CORE (a.a.1-28) の発現産物;
HCVAg-N2はP2-His-T7-G-CORE (a.a.1-28)の発現産物;
HCVAg-N3はpET-30a-G-CORE(a.a.1-28)の発現産物;
HCVAg-N4はP2-His-Xas-G-CORE(a.a.1-28)の発現産物;
HCVAg-N5はP2-His-Xal-G-CORE(a.a.1-28)の発現産物;
HCVAg-N6はP2-His-Xas-Xas-G-CORE(a.a.1-28)の発現産物。

Figure 2008529015

注:
HCVAg-C1はP2-G-CORE(a.a.1-28)- Hisの発現産物;
HCVAg-C2はP2 -G-CORE(a.a.1-28)- T7- Hisの発現産物;
HCVAg-C3はP2 -G-CORE(a.a.1-28)- L-L- Hisの発現産物;
HCVAg-C4はP2 -G-CORE(a.a.1-28)- Xas- Hisの発現産物;
HCVAg-C5はP2 -G-CORE(a.a.1-28)-Xal- Hisの発現産物;
HCVAg-C6はP2 -G-CORE(a.a.1-28)- Xas-Xas- Hisの発現産物;
HCVAg-C7はP2 -G-CORE(a.a.1-28)- Xas-Xas-Xas- Hisの発現産物。
この実験では、HCV抗原の活性の低下はペプチドタグに誘導されることが確認された。この結果を参照して、異種ペプチドタグの分子量が高くなるほど、HCV抗原、特にペプチドタグがN末端に融合したHCV抗原の活性がより低下することが結論づけられる。この作用は第一抗原についても起こることを確認した。本発明は、融合異種タンパク質を選択する以下の基準を引き出した:融合異種タンパク質の分子量はより低いほど望ましい;分子量の基準は30KD、20KD、15KD、10KDおよび5KDに最適化できる。
ビオチンとBCCPの複合体を第二抗原のタグとして用いた場合、BCCPのビオチン結合能を考慮するべきである。ビオチン化が影響しないことを確かにするため、BCCPの分子量はできる限り小さくするべきであり、ビオチン受容体タンパク質の分子量は上記の限定に完全には限定されない。
本発明の製品およびその使用
1. 第二抗原としてビオチン標識HCV抗原を使用する
ポリスチレンマイクロタイター96穴プレート(Shenzhen Jincanhua Industry Co. Ltd.)を、炭酸塩バッファー(50mM、pH9.51、0.02%SDSを含む)で希釈した100μl/ウェルのHCV第一抗原で一晩(4℃、24時間)被覆する。プレートをPBST (10mM pH7.4PB, 150mM NaCl, 0.05% Tween-20)で2回洗浄する。翌日、PBSTで2回洗浄し、パッティングして乾燥させ、30%牛血清アルブミン(Beijin Yuanheng Shengma Biotechnology Institute)、8%スクロース、0.5%カゼイン(Sigma-Aldrich, USA, 物品番号C-8645)、0.1%β-メルカプトエタノール(Sangon, 物品ロット番号M0482)、150mM NaCl、pH7.4、10mM PBを含有する120μlのブロックバッファーにより37℃で2時間ブロックし、パッティングして乾燥させ、20-25℃、湿度55%-65%で乾燥させる。プレートを乾燥アルミホイルバックにパックする。抗原被覆が完成した。アッセイは2または3段階の方法で行うことができる。
1.1 2段階方法:
抗原被覆ウェルの各ウェルに50μlの試料、陰性(正常陰性血清)またはHCV陽性血清を加え、次いで0.1%β-メルカプトエタノール、0.05%TritonX-100、20%NBS、0.5%カゼイン、150mM NaClを含有する50μlの20mM pH7.4 PBSおよびビオチン標識化第二抗原を加え、次いでプレートを37℃で90分間インキュベートする。プレートをPBSTで5回洗浄し、パッティングして乾燥させ、0.1%カゼイン、20%NBSを含有する100μlの20mM pH7.4リン酸バッファーおよびHRP標識化ストレプトアビジンを各ウェルに加え、プレートを37℃で30分間インキュベートする。プレートをPBSTで5回洗浄し、パッティングしてウェルを乾燥させ、1ウェルにつき50μlの色素Aおよび色素Bをそれぞれ加える(色素Aは、0.05%過酸化水素カルバミド(Sangon, 物品No. UB1753)、0.476%酢酸ナトリウム三水和物、0.09%酢酸を含有し、色素Bは、0.032%TMB(Sangon, 物品No. TB0514)、5mMクエン酸、0.5mM EDTA-2Na、5%メタノール、0.2% N,N-ジメチルホルムアミドを含有する)。その後、遮光下37℃で30分間展開させ、反応を止めるために2M硫酸を含有する50μlの停止溶液を加える。ELISAにおいて波長450nmでブランクコントロールによりゼロ補正を行った後(参照波長は630nm)、そのOD値を測定する。計算カットオフ値(COV):COV=ネガティブコントロールOD値の平均×2.0(ネガティブコントロールOD値<0.075の場合、0.075で計算され、ネガティブコントロールOD値>0.075の場合、実際の測定値で計算される)。分析試料のOD値≧COVの場合、陽性となり;分析試料のOD値<COVの場合、陰性となる。
1.2 3段階方法:
50μlの試料希釈バッファー(20mM pH7.4 PB。0.1%β-メルカプトエタノール、0.1%TritonX-100、20%NBSを含有する。)および50μlの試料または陰性または陽性血清をプレートの各ウェルに加え、37℃で60分間インキュベートし、次いでPBSTで5回洗浄し、パッティングして乾燥させた後、0.1%β-メルカプトエタノール、0.05%TritonX-100、20%NBS、0.5%カゼイン、150mM NaClを含有する100μlの20mM pH7.4 PBS、およびビオチン標識HCV抗原(使用前に希釈)を各ウェルに加える。他の段階は二段階方法と同じである。
ビオチン化HCV抗原と酵素標識化ストレプトアビジンの希釈率は、最大の効果が得られるよう実施に基づいて探索すべきである。希釈率と各段階の反応時間は、作用効率を上げるために検出効果が確保され検出時間が短くなるように、実施製品において調整できる。探索および調整技術については、通常の技術者は習得しているものであり、本明細書においてはもはや詳述しない。
3段階方法は本発明において好ましい。
2. Hisタグ標識化HCVAg3抗原の第二抗原としての使用
具体的方法については、第二抗原としてビオチン化HCV抗原を用いるキットの製品および使用法を参照する。
本発明のキットの評価
(1) 感受性
第二抗原としてビオチン化HCVタンパク質を用いるサンドイッチキットと市販の間接的ELISAキットを感受性について比較し、表6と同様の結果を得る。この結果は、本発明のキットと市販の間接的ELISAキットとの間の、様々な希釈レベルで希釈した血清についての反応感受性の差異は、統計学的に有意である(P<0.05)ことを示している。これは、本発明のキットの感受性が既存の間接的試薬より優れている証拠である。
(2) 特異性
三段階で特異的認識を行うので、サンドイッチキットは、一段階の特異的認識のみの間接的試薬よりも非常に優れている。本発明のキットおよびInTec products, Inc. (Xiamen)のHCV間接的キットを用いて、それぞれ3000の臨床陰性血清を検出すると、前者の偽陽性血清の割合は0.067%であり、後者は0.67%である。さらに、Murex Anti-HCV 4.0間接的ELISAキットを用いて後者の偽陽性血清を検出すると、その割合は0.4%である。
(3) 疑わしい血清
スクリーニングによって、我々が所有する間接的試薬により陽性と診断され、HCV RIBA確認試薬(confirmatory reagent)(Singapore Genelabs Inc., 物品No. 11130-018)により疑わしいと診断され、PCR検出(Switzerland ROCHE Inc. COBAS Ampliscreen(商標) HCV 2.0)により陰性と診断され、その提供者らには何ら臨床的な肝炎症状がない、以下の12の疑わしい血清を得る(データを表7に示す)。C5以外の11の血清はサンドイッチ法による検出では陰性であり、間接法の被覆抗原としてサンドイッチ法の被覆抗原および標識化抗原をそれぞれ用いる間接法による検出では、これらは全て陽性である。RIBAの結果ではC4が単独で陽性であるが、上記2つの抗原は両方ともNS4セグメントを持たない。臨床を組み合わせた上記の結果から、9の血清が我々所有の間接的試薬について偽陽性であるはずであると結論づけることができる。C5はこれら9の血清と同様であり、サンドイッチ方法の検出で陽性を示すが、OD値は間接法の検出値よりも明らかに低い。従って、C5はサンドイッチ方法と間接法の共通の偽陽性であると結論する。同様に、C4とC6以外の他の10の血清は、Murex Anti-HCV 4.0 kitの偽陽性である。結局のところ、本発明のキットは、既存の市販の試薬および我々が所有する間接的試薬よりも、疑わしい血清を検出するにあたり正確である。
Figure 2008529015
(4) 再現性
本発明の再現性を評価するために、240の陰性および陽性分析試料をそれぞれ、種々の回数、種々のバッチを用いて、また各操作者によって検出し、その結果、本発明の陰性および陽性評価結果の再現性は100%であることが示されている。これは、本発明の検出結果の再現性は良好であり、評価結果は信頼がおけることを示している。
(5) 安定性
全セットの試薬(被覆ELISAプレート、試料希釈液、酵素希釈液、β-メルカプトエタノール、ビオチン化HCV抗原、ネガティブコントロール、ポジティブコントロール、色素AおよびB、停止溶液)を37℃に72時間置いた後、取り出して、同時間4℃で保存した他の試薬と同条件で、陰性および陽性のコントロール血清試料を検出し、その結果を表8に示す。実験は発明が良好な安定性を有することを示している。
Figure 2008529015
(6) 精度
10以上のウェルの平行繰り返し検出を、同じ反応プレート内で同じ既知の陽性試料について行い、各ウェルのOD値を測定し、CV値を計算する。CV値は全て15%未満であり、これは本発明のキット精度は良好であることを示している。
図1は、標識が第二抗原を直接認識する検出法を示す図である。 図2は、標識が第二抗原を間接的に認識する検出法を示す図である。 図3は、発現ベクターP2を表すプラスミドプロファイルである。 図4は、第一抗原の発現プラスミドP2-HCVAg1を表すプラスミドプロファイルである。 図5は、発現第二抗原のバイシストロン性発現プラスミドP2-X-Yを表すプラスミドプロファイルである。
配列番号1:HCV遺伝子のa.a.1-90をコードする完全配列
配列番号2:HCV遺伝子のa.a.1196-1473をコードする完全配列
配列番号3:ビオチン受容体タンパク質をコードする遺伝子の配列
配列番号4:ビオチン-[アセチル-CoAカルボキシラーゼ]合成酵素をコードするBirA遺伝子の配列

Claims (19)

  1. HCV抗体を検出するための診断キットであって、「支持体-第一抗原-検出すべき抗体-第二抗原-標識-検出可能シグナル」の形態で検出を行い、第二抗原は検出過程において1以上の段階の結合反応を行い、また該第二抗原はHCVタンパク質とタグのコンジュゲートであり、タグはペプチドタグまたは非ペプチドタグである、診断キット。
  2. 非ペプチドタグが、化合物、ハプテン、ビタミン、ステロイド、色素、抗生物質、核酸またはこれらの物質とペプチドまたはタンパク質との組合せである、請求項1に記載の診断キット。
  3. 該化合物が、ジニトロフェノールまたはブロモデオキシウリジン;ビタミンが、ビオチンまたはその誘導体;ステロイドが、ジゴキシン;色素が、アクリジニウムエステル、ローダミン、ダンシルクロライドまたはフルオレセインである、請求項2に記載の診断キット。
  4. ペプチドタグが、Hisタグ、T7タグ、Sタグ、Flagタグ、HAタグまたはHCVフラグメントを含有するペプチドまたはタンパク質である、請求項1に記載の診断キット。
  5. ペプチドタグが異種タンパク質であり、その分子量は30KDより小さい、請求項4に記載の診断キット。
  6. 異種タンパク質の分子量が20KDより小さい、請求項5に記載の診断キット。
  7. 異種タンパク質の分子量が15KDより小さい、請求項6に記載の診断キット。
  8. 異種タンパク質の分子量が10KDより小さい、請求項7に記載の診断キット。
  9. 異種タンパク質の分子量が5KDより小さい、請求項8に記載の診断キット。
  10. 異種タンパク質が、HCVタンパク質のアミノ末端に存在する場合、その分子量は5KDより小さく;カルボキシル末端に存在する場合、その分子量は20KDより小さい、請求項5に記載の診断キット。
  11. 第一抗原および第二抗原がHCV NS3およびCOREタンパク質フラグメントを含み、該NS3タンパク質フラグメントは、a.a.1201±5からa.a.1465±8までのあらゆるフラグメントであり、内部に変異を有する場合もその抗原活性を保つことができ;該COREタンパク質フラグメントは、a.a.10-17フラグメントを含有し、さらにa.a.7-21フラグメントを含有し、さらにa.a.6-23フラグメントを含有し、またa.a.29-90フラグメントを含まず、さらにa.a.29-70フラグメントを含まず、さらにa.a.29-59フラグメントを含まず、さらにa.a.32-48フラグメントを含まず、内部に変異を有する場合も抗原活性および結合能を保つことができる、請求項1から10のいずれかに記載の診断キット。
  12. 第一抗原のCOREタンパク質フラグメントがa.a.2-59であり;第二抗原のCOREタンパク質フラグメントがa.a.1-28であり;第一抗原および第二抗原のNS3タンパク質フラグメントが両方ともa.a.1201-1465である、請求項1から10のいずれかに記載の診断キット。
  13. タグがビオチンまたはその誘導体、またはビオチンまたはその誘導体とペプチドまたはタンパク質とのコンジュゲートである場合、その結合パートナーは、アビジン、ストレプトマイシン、中性鎖アビジン、それらのアナログ、ビオチンまたはその誘導体に対する抗体であり;タグがペプチドまたはタンパク質である場合、その結合パートナーはそのペプチドまたはタンパク質に対するモノクローナルまたはポリクローナル抗体である、請求項1から12のいずれかに記載の診断キット。
  14. HCVタンパク質とタグの結合工程を含み、該結合工程が以下を含む、請求項1に記載の診断キットの調製方法:
    1) HCVタンパク質のビオチン化、
    2) HCVタンパク質とペプチドのキメラ発現。
  15. HCVタンパク質のビオチン化方法が以下を含む、請求項14に記載の方法:
    1) インビボにおける酵素学的ビオチン化;
    2) インビトロにおけるビオチン化;
    3) 間接的ビオチン化;
    4) アミノ酸のビオチン化。
  16. インビボにおける酵素学的ビオチン化方法が、HCVタンパク質およびビオチン受容体タンパク質をコードするキメラ遺伝子Xと、ビオチン-アセチル-CoAカルボキシラーゼ合成酵素をコードする遺伝子Yを、宿主細胞において同時発現させること、および、その発現宿主において、ビオチン-アセチル-CoAカルボキシラーゼ合成酵素によるインビボ酵素反応により、ビオチンを特定のリシンと結合させることであり、具体的に以下を含む、請求項15に記載の方法:
    1) ポリシストロン性発現;
    2) 同時形質転換発現;
    3) ポリプロモーター発現;
    4) モノシストロン性発現;
    5) 宿主のビオチン-アセチル-CoAカルボキシラーゼ合成酵素との同時発現。
  17. インビトロにおけるビオチン化が、活性化ビオチンの結合またはインビトロ酵素反応により、HCVタンパク質をビオチン化することである、請求項15に記載の方法。
  18. ビオチン受容体タンパク質が、ビオチンカルボキシルキャリアタンパク質ファミリーまたはそれらの機能的フラグメント、配列番号3のペプチドまたはその機能的アナログである、請求項16に記載の方法。
  19. ビオチン-アセチル-CoAカルボキシラーゼ合成酵素が、EC6.3.4.15の酵素、その機能的フラグメントまたは機能的アナログである、請求項16に記載の方法。
JP2007553436A 2005-02-02 2005-02-02 Hcv抗体を検出するためのキットおよびその調製方法 Withdrawn JP2008529015A (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/CN2005/000149 WO2006081701A1 (fr) 2005-02-02 2005-02-02 Kit de detection de l'anticorps du vhc et procede de preparation de celui-ci

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008529015A true JP2008529015A (ja) 2008-07-31

Family

ID=36776925

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007553436A Withdrawn JP2008529015A (ja) 2005-02-02 2005-02-02 Hcv抗体を検出するためのキットおよびその調製方法

Country Status (5)

Country Link
US (2) US7658930B2 (ja)
EP (1) EP1845378A4 (ja)
JP (1) JP2008529015A (ja)
CN (2) CN101287989B (ja)
WO (2) WO2006081701A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180082597A (ko) * 2015-11-30 2018-07-18 에프. 호프만-라 로슈 아게 Fc 영역 변형 항체의 측정을 위한 면역 분석

Families Citing this family (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20080220448A1 (en) * 2006-09-01 2008-09-11 Blincko Stuart J Antigenic protein conjugates and process for preparing same
CN101363849A (zh) * 2008-09-24 2009-02-11 深圳市菲鹏生物股份有限公司 间接标记纳米颗粒的抗体检测捕获法及其试剂盒
CN101363848B (zh) * 2008-09-24 2013-05-29 深圳市菲鹏生物股份有限公司 间接标记纳米颗粒的抗体检测双抗原夹心法及其试剂盒
CN101968483A (zh) * 2009-07-27 2011-02-09 深圳市菲鹏生物股份有限公司 一步半双抗原夹心免疫检测法
CN101614739A (zh) * 2009-07-30 2009-12-30 杭州艾力康医药科技有限公司 丙型肝炎病毒抗体唾液快速检测试纸条
CN102109523A (zh) * 2009-12-29 2011-06-29 北京库尔科技有限公司 丙型肝炎病毒IgG、IgM抗体联检试剂盒及其制备方法
CN103869077A (zh) * 2012-12-14 2014-06-18 北京和杰创新生物医学科技有限公司 提升包被抗原反应活性的工艺方法
EP2989463B1 (en) 2013-04-26 2018-11-21 Bio-Rad Laboratories, Inc. Multiplex hepatitis b assay
CN105277711B (zh) * 2014-07-21 2017-11-21 广州瑞博奥生物科技有限公司 一种用于检测he4的酶联免疫试剂盒
CN105467113A (zh) * 2015-11-10 2016-04-06 国家纳米科学中心 一种基于荧光素和萤光素酶生物发光反应的免疫分析方法
CN105486856A (zh) * 2015-12-24 2016-04-13 泰州泽成生物技术有限公司 一种定性检测丙型肝炎抗体的试剂盒及其制备方法和应用
CN106153905A (zh) * 2016-06-21 2016-11-23 广西中医药大学附属瑞康医院 一种检测艾滋病病毒的试剂盒
CN105974115A (zh) * 2016-07-07 2016-09-28 苏州新波生物技术有限公司 一种丙型肝炎病毒抗体时间分辨检测试剂盒及其制备方法
CN107402304A (zh) * 2017-06-26 2017-11-28 中国农业科学院兰州兽医研究所 一种流产衣原体抗体双抗原夹心elisa检测方法
CN109678954B (zh) * 2018-12-29 2022-01-07 山东莱博生物科技有限公司 一对能够特异性识别hcv ns3蛋白的单克隆抗体及其应用
CN110261616B (zh) * 2019-04-30 2021-07-20 广东菲鹏生物有限公司 一种丙型肝炎病毒检测试剂盒
CN110456073B (zh) * 2019-08-21 2023-09-22 广东菲鹏生物有限公司 双抗原夹心检测抗体的方法及试剂盒
CN111218438B (zh) * 2019-11-22 2022-11-15 东方海洋(北京)医学研究院有限公司 一种链球菌dna酶b抗原及其应用
CN111965356B (zh) * 2019-11-28 2023-09-08 上海荣盛生物药业股份有限公司 巯基还原组合物及荧光微球层析试纸和应用
CN111579781A (zh) * 2020-05-21 2020-08-25 深圳市宇诺生物技术有限公司 丙型肝炎病毒抗体检测试剂盒、制备方法及检测方法
CN114184784A (zh) * 2020-09-14 2022-03-15 深圳普门科技股份有限公司 新型冠状病毒抗体检测试剂盒及新型冠状病毒抗体检测装置
CN113219169B (zh) * 2021-05-22 2021-12-17 北京金诺百泰生物技术有限公司 生物检测用封闭剂及其制备方法、包被板及应用该包被板的试剂盒

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03287069A (ja) * 1990-04-02 1991-12-17 Kuraray Co Ltd 測定試薬
US6312889B1 (en) * 1990-04-04 2001-11-06 Chiron Corporation Combinations of hepatitis c virus (HCV) antigens for use in immunoassays for anti-HCV antibodies
JP3287069B2 (ja) 1993-08-13 2002-05-27 住友電気工業株式会社 全反射蛍光x線分析の測定方法及びその装置
DE4430972A1 (de) * 1994-07-25 1996-02-01 Boehringer Mannheim Gmbh Bestimmung von spezifischem Immunglobulin unter Verwendung multipler Antigene
DE4428705A1 (de) 1994-08-12 1996-02-15 Boehringer Mannheim Gmbh Rekombinantes Antigen aus der NS3-Region des Hepatitis C Virus
US5861264A (en) * 1996-05-21 1999-01-19 Axys Pharmaceuticals, Inc. Anti-tryptase detection as a diagnostic for inflammatory diseases
GB2339018B (en) * 1998-06-22 2003-07-30 Ortho Clinical Diagnostics Specific binding assays using methyl orange
US20030027214A1 (en) * 1999-02-17 2003-02-06 Kamb Carl Alexander Methods for substrate-ligand interaction screening
US6632601B2 (en) * 2000-06-15 2003-10-14 Chiron Corporation Immunoassays for anti-HCV antibodies
US6984494B2 (en) * 2000-08-15 2006-01-10 Genentech, Inc. Analytical method
KR100434117B1 (ko) * 2000-11-03 2004-06-04 동화약품공업주식회사 Hcv유래 재조합 혼합항원을 이용한 c형 간염바이러스의 검출방법과 진단키트
US20030170618A1 (en) * 2001-02-02 2003-09-11 Chien David Y. Buffers for stabilizing antigens
US20030108563A1 (en) * 2001-11-07 2003-06-12 Chander Bahl Reagents for the simultaneous detection of HCV core antigens and antibodies
US7332269B2 (en) * 2001-11-11 2008-02-19 Ortho-Clinical Diagnostics, Inc. HCV core protein sequences
US7172877B2 (en) * 2003-01-09 2007-02-06 Massachusetts Institute Of Technology Methods and compositions for peptide and protein labeling
EP1452601A1 (en) * 2003-02-28 2004-09-01 Roche Diagnostics GmbH Enhanced expression of fusion polypeptides with a biotinylation tag
CN100401067C (zh) * 2003-05-09 2008-07-09 李晨阳 丙型肝炎病毒抗体桥式双抗原夹心elisa检测法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180082597A (ko) * 2015-11-30 2018-07-18 에프. 호프만-라 로슈 아게 Fc 영역 변형 항체의 측정을 위한 면역 분석
JP2018536881A (ja) * 2015-11-30 2018-12-13 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲーF. Hoffmann−La Roche Aktiengesellschaft Fc領域改変抗体を測定するためのイムノアッセイ法
KR102628570B1 (ko) 2015-11-30 2024-01-23 에프. 호프만-라 로슈 아게 Fc 영역 변형 항체의 측정을 위한 면역 분석

Also Published As

Publication number Publication date
US7658930B2 (en) 2010-02-09
US20090029348A1 (en) 2009-01-29
CN101287989B (zh) 2016-04-13
CN101160413A (zh) 2008-04-09
WO2006081718A1 (fr) 2006-08-10
EP1845378A4 (en) 2008-09-17
CN101287989A (zh) 2008-10-15
US20080193955A1 (en) 2008-08-14
EP1845378A1 (en) 2007-10-17
CN101160413B (zh) 2010-12-29
WO2006081701A1 (fr) 2006-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008529015A (ja) Hcv抗体を検出するためのキットおよびその調製方法
US9841427B2 (en) HCV antigen-antibody combination assay and methods and compositions for use therein
US10125177B2 (en) Treponema pallidum triplet antigen
US20170327803A1 (en) Hcv ns3 recombinant antigens and mutants thereof for improved antibody detection
JPH07508411A (ja) Cks融合タンパク質の使用方法
US11078241B2 (en) Multi-epitope fusion protein of an HCV antigen and uses thereof
Yurkova et al. Characterisation of bacterially expressed structural protein E2 of hepatitis C virus
CN118344492A (zh) 一种纳米荧光素酶融合抗原在非洲猪瘟病毒抗体检测中的应用

Legal Events

Date Code Title Description
A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20090803

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090803