JP2008518619A - 抗体エンジニアリングのための方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、その結合活性を著しく低下させることなく改変されうる抗体の位置を同定するための方法を提供する。多くの態様において、本方法は、親抗体における置換可能な位置を、そのアミノ酸配列と、それぞれが親抗体と同じ抗原に結合する多数の関連抗体のアミノ酸配列とを比較することによって同定する段階を含む。置換可能な位置にあるアミノ酸は、抗体の活性に著しく影響を及ぼすことなく別のアミノ酸と置換することができる。本方法は、ヒト化法において、または他の抗体エンジニアリング法において、抗体の親和性を著しく低下させることなくCDRのアミノ酸配列を変化させるために使用することができる。本発明は、さまざまな治療的、診断的および研究的な用途に利用される。

Description

序論
発明の分野
本発明の分野は抗体であり、特に、モノクローナル抗体のエンジニアリング、例えばヒト化のための方法である。
発明の背景
事実上あらゆる分子を非常に高い特異性で標的としうる能力のために、モノクローナル抗体は、将来の主な治療薬の一つとなる潜在能力がある。この潜在能力は何年も前から認識されていたものの、しかし、その潜在能力を発揮させようとした最初の試みは、治療に用いられたモノクローナル抗体が患者における強い免疫応答を誘発し(Schroff, 1985 Cancer. Res. 45: 879-85、Shawler. J Immunol 1985 135: 1530-5)、低用量でさえもそうであったため(Dillman, Cancer Biother. 1994 9: 17-28)、期待外れに終わった。科学者は、ヒト抗体ならばそのような有害な免疫応答を引き起こさないだろうと予想している。しかし、ヒトのモノクローナル抗体を産生するために適した方法は存在しない。例えばファージディスプレイおよびトランスジェニック動物などを用いて、ヒト抗体を作り出すための代替的な技術が最近開発されているが、治療目的に広く用いられてはいない。
抗体の免疫原性は、投与の方法、注射の回数、投与量、結合の性質、利用する具体的なフラグメント、凝集の状態および抗原の性質を含む、多くの要因に依存する(例えば、Kuus-Reichel, Clin. Diagn. Lab. Immunol. 1994 1: 365-72)。これらの要因の多くまたは大部分を、免疫応答を低下させるために操作することができる。しかし、元の抗体配列が「危険がある」または「外来性」として認識されるならば、おそらく、遅かれ早かれ、強い免疫応答のためにその抗体は治療に用いられなくなるであろう。
これらの応答を低下させるために、組換えDNA技術を用いて、抗体の非ヒト配列のできるだけ多くをヒトの配列と置き換える取り組みが行われている。この目的に向けて、ヒト抗体の軽鎖および重鎖の定常ドメインがマウス抗体の軽鎖および重鎖の可変ドメインと連結されたものを含むキメラ抗体が用いられている。これらのキメラ抗体は依然として可変領域に多数の非ヒトアミノ酸配列を含んでおり、このため、このような抗体に対して著しい免疫応答が開始する可能性がある。CDR移植は、モノクローナル抗体の抗原結合部分または「相補性決定領域」(CDR)を、組換えDNA技術によって、ヒト抗体の重鎖および軽鎖のフレームワーク(すなわち、非CDR領域)をコードするDNA配列に移植するという、もう1つのヒト化手法である。CDR移植抗体の1つの技術的な問題は、それらが通常、親和性のかなりの低下を示すことである。CDR移植抗体の高い親和性を回復させるためには、元のいくつかの重要なフレームワーク残基(例えば、CDRの立体配座の決定に関与すると考えられている残基)が、CDR移植抗体に再び導入される。Roguskaは、異なるヒト化アプローチを用いて、ヒト抗体の露出残基とは異なる露出残基のみを置換する、マウス抗体に対する「表面再建(resurfacing)」戦略を考案している。
しかし、上記の方法によってヒト化された抗体は、ヒト患者における免疫原性の低下を示す場合があるものの(Moreland, Arthritis Rheum 1993 36: 307-18)、多くのヒト化抗体は患者の大部分に対して依然として高い免疫原性を有する。これは、CDRそれ自体が免疫原性であるためと考えられている(Ritter, Cancer Res 2001 61: 6851-9;Welt, Clin Cancer Res 2003 9: 1338-46)。
上記の方法はすべて、抗体の特異性および親和性を維持するために、非ヒト抗体のCDR領域がヒト化の工程において不変のままであることを必要とする。しかし、非ヒトCDR領域はそれ自体がヒトにおいて免疫原性であるため、抗体の結合活性を著しく低下させることなく非ヒト抗体のCDR領域をヒト化するための方法が非常に望まれる。非ヒト抗体のCDR領域のヒト化のための方法の同定は、医学界および研究界にとって、不可能性ではないにしても非常に困難である。
したがって、ヒトおよび他の哺乳動物宿主における免疫原性が低下した非ヒト抗体を作製するための改良された方法に対しては継続した需要がある。特に、ヒトにおける非ヒト抗体のCDR領域の免疫原性を低下させるヒト化の方法に対しては需要がある。本発明は上記およびその他の需要に応える。
文献
関心対象の参考文献には、以下のものが含まれる:米国特許第6,331,415 B1号、第5,225,539号、第6,342,587号、第4,816,567号、第5,639,641号、第6,180,370号、第5,693,762号、第4,816,397号、第5,693,761号、第5,530,101号、第5,585,089号、第6,329,551号、ならびに以下の刊行物、Morea et al., Methods 20: 267-279 (2000)、Ann. Allergy Asthma Immunol. 81: 105-119 (1998)、Rader et al,. J. Biol. Chem. 276: 13668-13676 (2000)、Steinberger et al., J. Bio. Chem. 275: 36073-36078 (2000)、Roguska et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 91: 969-973 (1994)、Delagrave et al., Prot. Eng. 12: 357-362 (1999)、Rogusca et al., Prot. Eng. 9: 895-904 (1996)、Knight and Becker, Cell 60: 963-970 (1990);Becker and Knight, Cell 63: 987-997 (1990)、Popkov, J Mol Biol 325: 325-35 (2003);Rader et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 95: 8910-8915;Mehr et al., J Immunol. 172: 4790-6 (2004)およびDe Pascalis et al. J Imm. 2002, 169: 3076-3084。
発明の概要
本発明は、抗体の結合活性を著しく低下させることなく改変しうる抗体の位置を同定するための方法を提供する。多くの態様において、本方法は、親抗体における置換可能な位置を、そのアミノ酸配列と、それぞれが親抗体と同じ抗原と結合する多数の関連抗体のアミノ酸配列とを比較することによって同定する段階を含む。置換可能な位置にあるアミノ酸は、抗体の活性に著しく影響を及ぼすことなく異なるアミノ酸と置換することができる。主題(subject)方法は、ヒト化の方法において、または他の抗体エンジニアリングの方法において、抗体の抗体の親和性を著しく低下させることなくCDRのアミノ酸配列を変化させるために使用することができる。本発明は、さまざまな治療的、診断的および研究的な用途に利用される。
本発明の上記およびその他の利点および特徴は、以下にさらに詳細に説明される本発明の詳細を読むことによって当業者には明らかになると考えられる。
定義
本発明についてさらに記載する前に、本発明が、記載された特定の態様には限定されず、これらは当然ながら異なりうることが理解される必要がある。また、本明細書で用いる専門用語は特定の態様のみを説明することが目的であり、本発明の範囲を限定することは意図しておらず、これは添付された特許請求の範囲のみによって限定されることも理解される必要がある。
別に定義する場合を除き、本明細書で用いるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する当業者が一般に理解しているものと同じ意味を持つ。本発明の実施または検査のために本明細書に記載したものと同様または同等の方法および材料を用いることができるが、好ましい方法および材料は以下に説明するものである。本明細書で言及するすべての刊行物は、その刊行物の引用と関係のある方法および/または材料の開示および記載のために参照として本明細書に組み入れられる。
本明細書および添付された特許請求の範囲において用いる場合、単数形の「1つの(a)」「1つの(and)」および「その(the)」は、その文脈で明らかに別の指示がなされない限り、複数のものに関する言及も含むことに留意されたい。したがって、例えば、「1つの抗原」に対する言及は複数のこのような抗原を含み、「1つのフレームワーク領域」に対する言及は1つまたは複数のフレームワーク領域および当業者に知られたその等価物に関する言及を含み、その他も同様である。
本明細書で論じている刊行物は、本出願の提出日の以前にさかのぼってそれらの開示を提供する目的のみで提供される。本明細書中のいかなる記載も、本発明者らが先行発明によるこのような開示に先行する権利を持たないことを認めたものとみなされるべきではない。さらに、提供される刊行物の日付は実際の刊行日とは異なる可能性があり、それらは個別に確認される必要があると考えられる。
「抗体」および「免疫グロブリン」という用語は、本明細書において互換的に用いられる。これらの用語は当業者には十分に理解されており、抗原と特異的に結合する1つまたは複数のポリペプチドからなるタンパク質のことを指す。抗体の1つの形態は、抗体の基本的な構造単位を構成する。この形態は四量体であり、それぞれの対が1つの軽鎖および1つの重鎖を有する、抗体鎖の2つの同一な対からなる。それぞれの対において、軽鎖および重鎖の可変領域はともに抗原に対する結合を担当し、定常領域は抗体のエフェクター機能を担う。
一般に認められている免疫グロブリンポリペプチドには、κおよびλ軽鎖、ならびにα、γ(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、δ、εおよびμ重鎖、または他の種における等価物が含まれる。(約25kDaまたは約214アミノ酸の)完全長免疫グロブリン「軽鎖」は、約110アミノ酸の可変領域をNH2末端に含み、κまたはλ定常領域をCOOH-末端に含む。(約50kDaまたは約446アミノ酸)の完全長免疫グロブリン「重鎖」は同様に、(約116アミノ酸の)可変領域、および前記の重鎖定常領域のうち1つ、例えば(約330アミノ酸の)γを含む。
「抗体」および「免疫グロブリン」という用語には、任意のアイソタイプの抗体または免疫グロブリン、抗原に対する特異的結合性を保っているFab、Fv、scFvおよびFd断片を非限定的に含む抗体の断片、キメラ抗体、ヒト化抗体、一本鎖抗体、ならびに抗体の抗原結合部分および非抗体タンパク質を含む融合タンパク質が含まれる。抗体を、例えば、放射性同位体、検出可能な産物を生成する酵素、蛍光性タンパク質などにより、検出可能なように標識してもよい。抗体をさらに、特異的結合対のメンバー、例えばビオチン(ビオチン−アビジン特異的結合対のメンバー)などの他の部分と結合させてもよい。抗体をまた、ポリスチレン製プレートまたはビーズなどを非限定的に含む固体支持体と結合させてもよい。この用語に同じく含まれるものには、Fab'、Fv、F(ab')2、およびまたは抗原に対する特異的結合を保っているその他の抗体断片、およびモノクローナル抗体がある。
抗体が、例えば、Fv、Fabおよび(Fab')2、さらには二価(すなわち、二重特異的)ハイブリッド抗体(例えば、Lanzavecchia et al., Eur. J. Immunol. 17, 105 (1987))を含む種々の他の形態として、および一本鎖(例えば、Huston et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 85、5879-5883 (1988)およびBird et al., Science, 242, 423-426 (1988)、これらは参照として本明細書に組み入れられる)として存在してもよい(全般的には、Hood et al., "Immunology", Benjamin, N.Y., 2nd ed. (1984)およびHunkapiller and Hood, Nature, 323, 15-16 (1986)を参照のこと)。
免疫グロブリンの軽鎖または重鎖の可変領域は、「フレームワーク」領域(FR)が、「相補性決定領域」または「CDR」とも呼ばれる3つの超可変領域によって分断されたものからなる。フレームワーク領域およびCDRの範囲は正確に定められている("Sequences of Proteins of Immunological Interest", E. Kabat et al., U.S. Department of Health and Human Services, (1991)を参照)。異なる軽鎖または重鎖のフレームワーク領域の配列は、単一の種の内部では比較的保存されている。抗体のフレームワーク領域、すなわち構成要素である軽鎖および重鎖が組み合わされたフレームワーク領域は、CDRを配置させて整列させる働きをする。CDRは主として、抗原のエピトープに対する結合の原因となる。
キメラ抗体とは、その軽鎖および重鎖遺伝子が、異なる種に属する抗体可変領域遺伝子および定常領域遺伝子から、典型的には遺伝子操作によって構築された抗体のことである。例えば、マウスモノクローナル抗体由来の可変セグメントを、ヒトの定常セグメント、例えばγ1およびγ3などと連結することができる。治療用キメラ抗体の一例は、ウサギ抗体由来の可変ドメインまたは抗原結合ドメイン、およびヒト抗体由来の定常ドメインまたはエフェクタードメインから構成されるハイブリッドタンパク質であるが(例えば、A.T.C.C.寄託物アクセッション番号CRL 9688の細胞によって作製された抗Tacキメラ抗体)、他の哺乳動物種を用いることもできる。
本明細書で用いる場合、「ヒト化抗体」または「ヒト化免疫グロブリン」という用語は、対応する位置にあるヒト抗体由来のアミノ酸によって置換された1つまたは複数のアミノ酸(例えば、フレームワーク領域、定常領域またはCDR中に)を含む、非ヒト(例えば、マウスまたはウサギ)抗体のことを指す。一般に、ヒト化抗体がヒト宿主において生じさせる免疫応答は、ヒト化されていない同じ抗体に比べて低い。
本発明によって設計および作製がなされたヒト化抗体が、抗原結合にもその他の抗体機能にも実質的に影響を及ぼさないそのほかの保存的アミノ酸置換を有しうることは了解されている。保存的置換とは、以下の群からのものなどの組み合わせのことを意図している:gly、ala;val、ile、leu;asp、glu;asn、gln;ser、thr;lys、arg;およびphe、tyr。同じ群に存在しないアミノ酸は、「実質的に異なる」アミノ酸である。
「特異的結合」という用語は、種々の分析物の均質な混合物中に存在する1つの特定の分析物と選好的に結合する、抗体の能力のことを指す。ある態様において、特異的な結合相互作用は、試料中の望ましい分析物と望ましくない分析物とを識別すると考えられ、いくつかの態様においては、約10〜100倍を上回る、またはそれ以上である(例えば、約1000倍または10,000倍を上回る)。
ある態様において、捕捉物質と分析物との間の親和性は、それらが捕捉物質/分析物複合体として特異的に結合する場合には、KD(解離定数)が10-6M未満である、10-7M未満である、10-8M未満である、10-9M未満である、10-9M未満である、10-11M未満である、または約10-12M未満もしくはそれ未満であることによって特徴づけられる。
別のアミノ酸残基と「密に接している」、「極めて近い距離にある」または「非常に近接している」アミノ酸残基とは、別のアミノ酸の側鎖の近く、すなわち7、6、5または4オングストローム以内にある側鎖を有するアミノ酸残基のことである。例えば、CDRに近接しているアミノ酸とは、CDR中のアミノ酸の側鎖の近くにある側鎖を有する非CDRアミノ酸のことである。
抗体の重鎖または軽鎖の「可変領域」とは、鎖のN末端の成熟ドメインのことである。すべてのドメイン、CDRおよび残基の番号は、配列アラインメントおよび構造の知識に基づいて割り当てられる。フレームワークおよびCDR残基の同定および付番方式は、Chothiaら(Chothia Structural determinants in the sequences of immunogloblin variable domain. J Mol Biol 1998;278:457-79)によって記載されている通りである。
VHは抗体重鎖の可変ドメインである。VLは抗体軽鎖の可変ドメインであり、これはκ(K)またはλアイソタイプのものでありうる。K-1抗体はκ-1アイソタイプを有し、一方、K-2抗体はκ-2アイソタイプを有し、VLは可変λ軽鎖である。
「埋没残基」とは、その側鎖の相対的溶媒露出度(relative solvent accessibility)が50%未満であるアミノ酸残基のことであり、これは伸長したGGXGGペプチド中に配置された同じ残基Xのそれに対する相対的な溶媒露出度のパーセンテージとして算出される。溶媒露出度を算出するための方法は当技術分野で周知である(Connolly 1983 J. appl. Crystallogr, 16, 548-558)。
本明細書で用いる場合、「決定すること」、「測定すること」および「評価すること」および「アッセイすること」という用語は互換的に用いられ、これには量的および質的な決定の両方が含まれる。
本明細書において互換的に用いられる「ポリペプチド」および「タンパク質」という用語は、任意の長さの多量体形態のアミノ酸のことを指し、これはコード化されているアミノ酸およびコード化されていないアミノ酸、化学的または生化学的に修飾または誘導体化されたアミノ酸、ならびに修飾されたペプチド骨格を有するポリペプチドを含みうる。この用語には、異種アミノ酸配列との融合タンパク質、N末端メチオニン残基を有するまたは有しない異種および同種リーダー配列を有する融合物;免疫学的なタグ付加がなされたタンパク質;検出可能な融合パートナーとの融合タンパク質、例えば、融合パートナーとして蛍光性タンパク質、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼその他を含む融合タンパク質;などを非限定的に含む、融合タンパク質が含まれる。ポリペプチドは任意のサイズであってよく、「ペプチド」という用語は、長さが8〜50残基(例えば、8〜20残基)であるポリペプチドのことを指す。
本明細書で用いる場合、「単離された」という用語は、単離された抗体の文脈において用いられる場合、精製の前にその抗体に付随している他の成分を少なくとも60%含まない、少なくとも75%含まない、少なくとも90%含まない、少なくとも95%含まない、少なくとも98%含まない、さらには少なくとも99%含まない、関心対象の抗体のことを指す。
「治療」「治療すること」などの用語は、本明細書において、哺乳動物における、例えば、特にヒトまたはマウスにおける、任意の疾患または病状の任意の治療のことを指すために用いられ、これには以下のものが含まれる:a)疾患、病状または疾患もしくは病状の症状が、その疾患に対する素因があってもよいがまだそれを有するとは診断されていない対象において起こるのを予防すること;b)疾患、病状または疾患もしくは病状の症状を抑制すること、例えば、患者におけるその進展を停止させること、および/またはその発現もしくは症状発現を遅延させること;ならびに/またはc)疾患、病状または疾患もしくは病状の症状を緩和すること、例えば、病状または疾患および/またはその症状の消退を引き起こすこと。
「対象」、「宿主」、「患者」および「個体」という用語は、本明細書において、それに対する診断または治療法が望まれる任意の哺乳動物対象、特にヒトを指すために互換的に用いられる。他の対象には、ウシ、イヌ、ネコ、モルモット、ウサギ、ラット、マウス、ウマなどが含まれうる。
「対応するアミノ酸」とは、以下にさらに詳細に記載するように、2つまたはそれ以上のアミノ酸配列のアラインメントを行った場合に、同一な位置にある(すなわち、それらが互いに真向かいにある)アミノ酸残基のことである。抗体配列のアラインメントおよび番号付けのための方法は、Chothia、前記、Kabat 前記およびその他において、さらに詳細に示されている。当技術分野で公知であるように(例えば、Kabat 1991 Sequences of Proteins of Immunological Interest, DHHS, Washington, DCを参照のこと)、アラインメントを実現するために、一方または両方の抗体のアミノ酸に対して、時には、最大で1つ、2つ、3つもしくは4つの残基である、または最大で約15残基(特にL3およびH3 CDRにおいて)である、1つ、2つまたは3つのギャップおよび/または挿入を加えてもよい。
「天然」の抗体とは、例えばファージディスプレイによって作製された非天然的に対合した抗体とは対照的に、抗体の免疫グロブリン重鎖および軽鎖が多細胞生物の免疫系によって天然に選択されている抗体のことである。このため、主題の親抗体は通常、ウイルス(例えば、バクテリオファージM13)由来の配列を全く含まない。脾臓、リンパ節および骨髄は、天然の抗体を産生する組織の例である。
「置換可能な位置」とは、以下にさらに詳細に記載するように、抗体の結合活性を著しく低下させることなく、異なるアミノ酸によって置換されうる抗体の特定の位置のことである。置換可能な位置を同定するための方法、およびそれらをいかにして置換するかについては以下で非常に詳細に述べる。置換可能な位置を「変異寛容位置(variation tolerant position)」と呼ぶこともできる。
「親」抗体とは、以下にさらに詳細に記載するように、アミノ酸置換の標的となる抗体のことである。ある態様においては、改変抗体を作製するために、アミノ酸が「ドナー」抗体によって親抗体に「供与」される。
「関連抗体」とは、以下にさらに詳細に記載するように、類似した配列を有していて、かつ共通のB細胞祖先を有する細胞によって産生される抗体のことである。このようなB細胞祖先は、再配列された軽鎖VJC領域および再配列された重鎖VDJC領域を有するゲノムを含み、親和性成熟をまだ受けていない抗体を産生する。脾臓組織中に存在する「ナイーブ」または「処女」B細胞は、例示的な共通B細胞祖先である。関連抗体は抗原の同じエピトープと結合し、典型的には配列が非常に類似しており、特にL3およびH3 CDRにおいてそうである。関連抗体のH3およびL3 CDRは長さが同一であり、ほぼ同一な配列を有する(すなわち、0個、1個または2個の残基が異なる)。関連抗体は、ナイーブB細胞祖先において産生される抗体である共通の抗体祖先によって関連づけられる。「関連抗体」という用語は、B細胞によって産生される共通の抗体祖先を有しない一群の抗体を記載することを意図してはいない。
好ましい態様の詳細な説明
本発明は、抗体の結合活性を著しく低下させることなく改変しうる抗体の位置を同定するための方法を提供する。多くの態様において、本方法は、親抗体における置換可能な位置を、そのアミノ酸配列と、それぞれが親抗体と同じ抗原と結合する多数の関連抗体のアミノ酸配列とを比較することによって同定する段階を含む。置換可能な位置にあるアミノ酸は、抗体の活性に著しく影響を及ぼすことなく異なるアミノ酸と置換することができる。主題方法は、ヒト化の方法において、または他の抗体エンジニアリングの方法において、抗体の抗体の親和性を著しく低下させることなくCDRのアミノ酸配列を変化させるために使用することができる。本発明は、さまざまな治療的、診断的および研究的な用途に利用される。
主題方法についてさらに説明していくが、変異寛容位置を同定する方法をまず考察し、続いてそのような方法を利用する種々のプロトコールを記載する。
抗体の変異寛容位置を同定するための方法
上述したように、本発明は、抗体の変異寛容性の、すなわち置換可能な位置を同定するための方法を提供する。ひとたびこのような位置が同定されれば、抗体の結合活性を著しく低下させることなく、その位置にあるアミノ酸を異なるアミノ酸と置換することができる。主題方法は、通常であれば抗原結合のために必須であると考えられる抗体の領域内にある置換可能な残基を同定することが望ましいような方法に特に使用することができる。例えば、主題方法は、抗体のCDR領域における置換可能な位置を同定するために使用することができる。特定の態様において、主題方法は、ヒト化しようとする抗体のCDR領域における置換可能な位置を同定するために用いることができる。ひとたび同定されれば、その位置にあるアミノ酸を、「ヒト」アミノ酸(例えば、ヒト化しようとする抗体と類似した配列を有するヒト生殖系列抗体の等価な位置を占めるアミノ酸)と置換することができる。したがって、主題方法はヒト化の方法に特に利用されるが、以下にさらに詳細に記載するように、主題方法は非常にさまざまな抗体エンジニアリングの方法に容易に用いることができる。
図1を参照してごく一般的にいうと、主題方法は、抗体を産生する動物を抗原2によって免疫化すること、および抗原4と結合するいくつかのモノクローナル抗体のアミノ酸配列を入手することを含む。続いて、これらの抗体のアミノ酸配列を比較し(例えば、そのような配列のアラインメントにより)、抗体を互いに対するその類似性に従って分類して、関連抗体の群6を同定する。関連抗体の各群の中の抗体は一般に共通の祖先抗体を有し、その祖先抗体から、体細胞超変異、遺伝子変換、ならびに親和性成熟およびB細胞発生の最終段階の際に起こるその他の細胞変異生成機構を介して生じたものである。ひとたび関連抗体の群が確立されれば、ある群の中の抗体のアミノ酸配列を比較して、置換可能な位置8を同定することができる。個々の抗体の置換可能な位置は、その位置にあるアミノ酸の実体が関連抗体の群の個々の抗体の間で異なるという事実によって同定することができる。ひとたび同定されれば、個々の抗体の置換可能な位置にあるアミノ酸を、抗体の親和性10を著しく低下させることなく、異なるアミノ酸と置換することができる。これらの置換可能な位置にアミノ酸置換を含む抗体は元々、免疫化された最初の動物の免疫系によって産生され、有効性が検証されたものであるため、そのような位置での置換に対して抗体は寛容性であるはずである。特定の態様において、アミノ酸置換は、ヒト化置換(すなわち、アミノ酸配列をヒト抗体のそれにさらに類似させる置換)12、指定置換(例えば、抗体のアミノ酸配列を関連抗体のそれにさらに類似させる置換)14、ランダム置換(例えば、20種の天然アミノ酸の任意のものによる置換)または保存的置換(例えば、置換されるものと類似した生化学的特性を有するアミノ酸による置換)であってよい。
上述したように、主題方法は、適した動物を抗原によって免疫化する段階、およびその動物由来のいくつかの抗原応答性抗体のアミノ酸配列を入手する段階を含む。抗体のアミノ酸配列は通常、そのような抗体の重鎖および軽鎖をコードするcDNAの配列決定によって入手することができる。このようなcDNAは動物の抗体産生細胞から得られる。
任意の適した動物、例えば、温血動物、特にウサギ、マウス、ラット、ラクダ、ヒツジ、ウシもしくはブタなどの哺乳動物またはニワトリもしくはシチメンチョウなどの鳥類を、免疫応答を生じさせるのに適した当技術分野で周知の手法の任意のものを用いて、選択された抗原によって免疫化することができる。動物の免疫化のための手順は当技術分野で周知であり、Harlow(Antibodies: A Laboratory Manual, First Edition (1988) Cold Spring Harbor, N.Y.)およびWeir(Handbook of Experimental Immunology Vol 4, Blackwell Scientific Publishers, Oxford, England, 1986)に記載されている。特定の態様において、遺伝子型が特定されていない、または特定されているウサギを用いることができる。
本発明の文脈において、「選択された抗原」という語句には、それに対して抗体を作製することができる任意の物質が含まれ、これには特に、ポリペプチド(ペプチドを含む)、炭水化物、無機または有機分子、酵素プロセスにおける中間体に類似している遷移状態類似体、核酸、癌細胞を含む細胞、細胞抽出物、生ウイルスまたは弱毒化ウイルス、細菌などを含む病原体が含まれる。当業者には理解されるであろうが、免疫原性の低い抗原に、免疫応答を高めるためのアジュバントもしくはハプテン(例えば、完全または不完全フロイントアジュバント)を、またはキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)などの担体を付随させてもよい。適した抗原には、Her2、GD2、EGF-R、CEA、CD52、CD20、Lym-1、CD6、補体活性化受容体(CAR)、EGP40、VEGF、腫瘍関連糖タンパク質TAG-72AFP(α-フェトプロテイン)、BLyS(TNFおよびAPOLに関連したリガンド)、CA125(癌抗原125)、CEA(癌胎児性抗原)、CD2(T細胞表面抗原)、CD3(TCRと会合するヘテロ多量体)、CD4、CD11a(インテグリンα-L)、CD14(単球分化抗原)、CD20、CD22(B細胞受容体)、CD23(低親和性IgE受容体)、CD25(IL-2受容体α鎖)、CD30(サイトカイン受容体)、CD33(骨髄性細胞表面抗原)、CD40(腫瘍壊死因子受容体)、CD44v6(白血球の接着を媒介する)、CD52(CAMPATH-1)、CD80(CD28およびCTLA-4に対する補助刺激因子)、補体成分C5、CTLA、EGFR、エオタキシン(サイトカインA11)、HER2/neu、HLA-DR、HLA-DR10、HLAクラスII、IgE、GPiib/iiia(インテグリン)、インテグリンaVβ3、インテグリンa4β1およびa4β7、インテグリンB2、IFN-γ、IL-1β、IL-4、IL-5、IL-6R(IL6受容体)、IL-12、IL-15、KDR(VEGFR-2)、lewisy、メソテリン、MUC1、MUC18、NCAM(神経細胞接着分子)、癌胎児性フィブロネクチン、PDGFβR(β血小板由来増殖因子受容体)、PMSA、腎癌抗原G250、RSV、E-セレクチン、TGFβ1、TGFβ2、TNFα、TRAIL-RI、VAP-1(血管接着タンパク質1)またはVEGFなどの、細胞外に露出される断片が含まれる。
多くの態様においては、以上に列挙されたタンパク質のうち1つの細胞外ドメインの一部分に対応するアミノ酸配列を有するペプチドが、抗原として用いられる。
ひとたび適した動物が免疫化され、抗原に対する免疫応答が動物によって成立したところで、所望の活性を有する抗体を産生する細胞を同定するために、その動物からの抗体産生細胞をスクリーニングする。多くの態様において、これらの方法はハイブリドーマ技術を用いることができる。しかし、また別の態様において、これらの方法が、例えば、細胞を標識抗ウサギIgGとともにインキュベートして、FACSVantage SE細胞選別装置(Becton-Dickinson, San Jose, CA)を用いて標識細胞を選別することによる、ウサギの脾臓、骨髄、リンパ節、血漿または他のリンパ器官から得られた細胞集団のフローサイトメトリー(FACS)を用いてもよい。
多くの態様においては、抗体のVHおよびVLドメインをコードする核酸を、抗体を産生するハイブリドーマ細胞から単離する。抗体を産生するハイブリドーマ系統を作製するためには、動物を抗原によって免疫化し、ひとたびウサギの特異的免疫応答が成立したところで、免疫化された動物の脾臓由来の細胞を、適した不死細胞(例えば、NIH 3T3細胞、DT-40細胞または240E細胞など;Spieker−Polet et al, Proc. Natl. Acad. Sci. 92: 9348-9352, 1995)と融合させて、ハイブリドーマ細胞を作製する。標準的な手順に従って、これらのハイブリドーマ細胞からの上清を固相酵素免疫アッセイ(ELISA)によって抗体分泌に関してスクリーニングして、抗原に対して特異的なモノクローン抗体を分泌する陽性クローンを選択して増殖させることができる(Harlow et al, Antibodies: A Laboratory Manual, First Edition (1988) Cold spring Harbor, N.Y.;およびSpieker-Polet et al., 前記)。適したモノクローナル抗体をさらに、その結合特異性、結合親和性、結合力を含む結合活性、遮断活性、または何らかの影響(例えば、細胞の表現型、例えば細胞成長、細胞増殖、細胞移動、細胞の生存度(例えば、アポトーシス)、細胞分化、細胞の付着、細胞の形状変化(例えば、管状細胞形成)、補体依存性細胞傷害CDC、抗体依存性細胞細胞障害ADCC、受容体活性化、遺伝子発現変化、翻訳後修飾(例えば、リン酸化)の変化、タンパク質ターゲティング(例えば、NFκB局在など)の変化の促進もしくは阻害、または受容体多量体化(例えば、二量体化または三量体化)もしくは受容体-リガンド相互作用の阻害)を引き起こす任意の他の活性に基づいて選択してもよい。
抗体をコードする核酸を、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)または逆転写PCR(RT-PCR)などの標準的な分子生物学の手法を用いて、これらの細胞から単離する(Ausubel, et al, Short Protocols in Molecular Biology, 3rd ed., Wiley & Sons, 1995;Sambrook, et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition (1989) Cold Spring Harbor, N.Y.)。
特定の態様においては、重鎖および軽鎖の少なくとも可変領域をコードする配列を、当技術分野で周知の手法、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などを用いて、cDNAから増幅する。Mullis, 米国特許第4,683,195号;Mullis et al., 米国特許第4,683,195号;Polymerase Chain Reaction: Current Communication in Molecular Biology, Cold Springs Harbor Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1989を参照のこと。手短に述べると、抗体の可変ドメインをコードするcDNAセグメントを、DNAポリメラーゼを用いた連続反応を行うことによって指数的に増幅する。反応は5'および3'DNAプライマーによって開始される。いくつかの態様において、3'アンチセンスプライマーは免疫グロブリン鎖の定常(または連結)領域内のDNA配列に対応し、5'プライマー(または一団の関連プライマー)は免疫グロブリン鎖の可変領域内のDNA配列に対応する。オリゴヌクレオチドプライマーのこの組み合わせは、配列が未知であるマウス免疫グロブリンcDNAのPCR増幅のために用いられている(Sastry et al., Proc Natl. Acad. Sci. 86: 5728-5732, 1989およびOrlandi et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 86: 3833-3837, 1989を参照)。または、「係留ポリメラーゼ連鎖反応」を行うこともできる(Loh et al., Science 243: 217-220, 1989を参照)。この手順では、第1鎖cDNAを上記のように3'DNAプライマーを用いて伸長させ、続いてターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼを用いてポリ(dG尾部)を鎖の3'末端に付加する。続いてこの産物を、特異的3'DNAプライマー、およびポリ(dC)尾部が便利な制限部位を有する配列と結合したものからなる別のオリゴヌクレオチドを用いるPCRによって増幅する。しかし、多くの態様においては、両方の免疫グロブリンcDNAの開始コドンおよび終止コドンの範囲にわたるプライマーを用いて、重鎖または軽鎖をコードするポリヌクレオチド全体を増幅するが、所望の増幅産物によっては、適したプライマーを用いてもよい。1つの代表的な態様においては、ウサギ抗体をコードする核酸を、以下のプライマーを用いて増幅することができる。
Figure 2008518619
クローニングおよび増幅産物のさらなる加工処理を容易にするために、適した制限部位およびその他の尾部を、増幅オリゴヌクレオチド中に操作して導入してもよい。ネステッドプライマーを用いる増幅手順を用いることもでき、このようなネステッドプライマーは当業者に周知である。抗体の可変ドメインは、PCR産物またはクローニングされたDNA断片から直接配列決定が可能である。
配列のアラインメントを容易にするために加えられたギャップまたは挿入を無視した上で、このようにして動物を抗原で免疫化し、その抗原と結合する複数(例えば、2種またはそれ以上、3種またはそれ以上、5種またはそれ以上、10種またはそれ以上、15種またはそれ以上、20種またはそれ以上、30種またはそれ以上、50種またはそれ以上、80種またはそれ以上、100種またはそれ以上、通常は最大で500種または1000種またはそれ以上)のモノクローナル抗体のアミノ酸配列を得る。ある態様において、モノクローナル抗体は、抗原により免疫化された単一の動物の細胞から得られる。
ひとたび抗原結合性抗体のセットのVHおよびVLドメインのアミノ酸配列が決定されたところで、類似した配列を有する関連抗体の群を同定するためにアミノ酸を比較する。これは、ChothiaまたはKabat 前記によって提示されているような適した付番方式を用いて各抗体のアミノ酸配列に番号を付けることによって行いうる。CDRおよび/またはフレームワーク残基を、これらの方法を用いて同定することができる。番号が付けられた配列のアラインメントは、肉眼により、またはCLUSTALプログラムスイート(Thompson et al Nucleic Acids Research, 22: 4673-4680)のものなどのアラインメントプログラムにより、行うことができる。関連抗体の群の中にある抗体の可変領域は、極めて類似性の高いアミノ酸配列を有する。例えば、関連抗体の群における抗体のVHまたはVLドメインは、配列のアラインメントを容易にするために加えられたギャップまたは挿入を無視した上で、少なくとも約90%同一な(例えば、少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%同一な)アミノ酸配列を有する。関連抗体の群の中にある抗体は互いに類似したVLドメインならびに互いに類似したVHドメインを有する。換言すれば、ある態様において、2つの異なる関連抗体のVHまたはVLドメインは通常、最大で約5個(すなわち、1個、2個、3個、4個または5個またはそれ以上)のアミノ酸の違いを含む。アミノ酸の違いは、任意のCDRまたは任意のフレームワーク領域におけるものを含め、可変ドメインの任意の位置に存在しうる。関連性のある複数のウサギ抗体は、ほとんど同一なH3 CDR、ならびにほとんど同一なL3 CDRを有する。これらの態様において、関連性のある任意の2つの抗体は、それぞれ長さが同一であって、ほぼ同一な配列(すなわち、0個、1個または2個のアミノ酸の変化を含む)を有するL3およびH3 CDRを有すると考えられる。換言すれば、2つの抗体のL3 CDRは長さが同一であって配列がほぼ同一であり、2つの抗体のH3 CDRは長さが同一であって配列がほぼ同一である。関連抗体の2つの例示的なセットは図4に示されており、関連性のないウサギ抗体の20種の例示的なVH3領域が比較のために示されている。
用いる具体的な抗原に依存するが、用いる動物の種および遺伝子型、ならびに配列決定される抗体コード性核酸の数は、比較的少数である(例えば、約5個または10個未満の群を同定するとよい)。ある態様においては、1つまたは2つのみの群を同定するとよい。各群の中の抗体は、抗体の可変ドメインの全長にわたって、互いに90%を上回る配列を呈するが、任意の2つの異なる群の2つの抗体は典型的には互いに90%未満のそれを呈する。
抗体の置換可能な位置を同定するためには、その抗体のアミノ酸配列を、その抗体と同じ群に属する他の抗体の配列と比較する。アミノ酸の実体が1つの群の異なる関連抗体の間で任意の特定の位置で異なるならば、その位置は抗体の置換可能な位置である。換言すれば、置換可能な位置とは、アミノ酸の実体が関連抗体の間で異なる位置のことである。定常的なアミノ酸を含む位置は置換可能な位置ではない。
本発明のこの局面は、図2を参照すると例示されている。図2は、10種の異なる例示的で仮想的な抗体の関連づけられている例示的なアミノ酸配列のアラインメントを示している。これらの抗体のフレームワーク領域(FW)のアミノ酸配列は図2から除外されているが、以上および以下で考察されている原理をフレームワーク配列に容易に適用することができる。それぞれの位置で、アミノ酸は1つの抗体と別のそれとの間で不変(すなわち、定常的)であるか、または可変的(変化しうる)でありうる。図2に示された例において、位置a、b、d、e、g、h、i、j、k、m、n、o、q、r、s、u、v、w、x、zおよびαのアミノ酸は定常的であり、一方、位置c、f、l、p、tおよびyのアミノ酸は可変的である。位置c、f、l、p、tおよびyは置換可能な(または変異寛容的な)位置であり、一方、位置a、b、d、e、g、h、i、j、k、m、n、o、q、r、s、u、v、w、x、zおよびαは置換可能な位置ではない。
さらにもう1つの態様において、上記の方法を、コンセンサス抗体配列を得るために用いることもできる。このようなコンセンサス配列において、置換可能でない位置はその位置に存在するアミノ酸によって示され、置換可能な位置は「X」として示される。抗体をいかにして用いるかに依存するが、Xは、a)任意のアミノ酸、b)その群の中の関連抗体の任意のものにおいてその位置に存在する任意のアミノ酸、もしくは保存的に置換されたその変異体、またはc)その群の中の関連抗体の任意のものにおいてその位置に存在する任意のアミノ酸であってよい。例えば、図2に示された例において、抗体コンセンサスは、配列:RTXATXCLFQ-FW1-RXWTVXA-FW2-PSXSHTVXIT(SEQ ID NO:54)を有し、ここでXは任意のアミノ酸、関連抗体においてその位置に存在する任意のアミノ酸、または関連抗体においてその位置に存在する保存的に置換されたアミノ酸でありうる。コンセンサスの範囲に含まれる配列を有する任意の抗体は、関連抗体の任意のものと同じ抗原と結合するはずである。TNFαと結合する関連抗体の3つのセットの重鎖および軽鎖に関する例示的なコンセンサス配列は図7に示されている。Xでないアミノ酸は、図4に示されている抗体配列の等価な位置に示されているものと同じである。ある態様において、コンセンサス配列が、抗体のCDR領域のアミノ酸配列のみを含んでもよい。
置換可能な位置にあるアミノ酸の置換
上記の方法は、親抗体の抗原結合活性を少なくとも維持する(すなわち、維持するか上昇させる)親抗体の変異体を設計して作製するための方法に用いることができる。置換可能な位置に置換を含む抗体が免疫化された動物によってすでに産生および検証されているため、そのような位置での置換を、それらが抗体の結合活性を著しく低下させないはずであることを知った上で作製することができる。一般に、親抗体の抗体変異体は、特定の抗原に対する親抗体の結合親和性の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%または少なくとも100%(例えば、少なくとも150%、少なくとも200%、少なくとも500%、少なくとも1000%、通常は最大で少なくとも10,000%)である抗原結合親和性を有する。
図1に図示されているように、親抗体の置換可能な位置は、a)ランダム置換を生じさせるために、20種の天然にみられるアミノ酸の任意のものにより、b)保存的置換を生じさせるために、置換可能な位置にすでに存在するアミノ酸に類似した生化学特性を有するアミノ酸により、c)指定的置換を生じさせるために、関連抗体における同じ位置に存在するアミノ酸により、またはd)ヒト化置換を生じさせるために、類似のヒト抗体における同じ位置に存在するアミノ酸により、置換することができる。置換は、任意のフレームワーク領域またはCDRを含む、抗体可変領域の任意の部分に施すことができる。ある態様においては、単一の置換可能なアミノ酸を置換してよい。しかし、また別の態様においては、複数の置換可能なアミノ酸(例えば、最大で約5個または10個またはそれ以上)を置換してもよい。特定の態様において、それぞれの置換可能な位置に施しうる置換のタイプは、関連抗体においてその位置に存在するアミノ酸のタイプによって示されうる。例えば、関連性のないアミノ酸(例えば、ala、gly、cys、gluおよびthr)が関連抗体の群の特定の位置に存在するならば、抗体の結合活性を著しく低下させることなく、その位置で任意のアミノ酸に置換することができる。同様に、非極性アミノ酸のサブセット(例えば、val、ile、alaおよびmet)が関連抗体のセットの特定の位置に存在するならば、抗体の結合活性を著しく低下させることなく、その位置で他の非極性アミノ酸(例えば、leu)に置換することができる。
これらの方法の任意のものにおいて、どの結合活性も置換によって著しく低下していないことを確かめるために、結果的に生じる抗体変異体を試験することができる。さらに、以下にさらに詳細に記載するように、活性が改良された抗体を得るために、複数の置換アミノ酸を含む変異抗体のライブラリーを作製してスクリーニングすることもできる。例えば、改良された結合活性を有する抗体を同定するためにそれぞれが個別に試験される変異体のライブラリーを作製するために、抗体の1つまたは複数の置換可能な位置を、ランダム、保存的または指定的置換の任意の組み合わせによって置換することができる。
保存的置換
抗体の置換可能な位置にあるアミノ酸を、置き換えようとするアミノ酸と類似の特性(サイズ、極性、疎水性などに基づく)を有するアミノ酸によって置き換えてもよい。換言すれば、抗体の置換可能な位置にあるアミノ酸は、同じクラスの異なるアミノ酸によって置き換えることができ、この際、アミノ酸は以下のように分類しうる:芳香族:phe、tyr、trp;非極性:ieu、val、ile、ala、met;脂肪族:ala、val、leu、ile;酸性:asp、glu;塩基性:his、lys、arg;極性:gln、asn、ser、thr、tyr。ある態様において、抗体の置換可能な位置にあるアミノ酸は、以下の表に従って置き換えることができる:
Figure 2008518619
指定的置換
抗体の置換可能な位置にあるアミノ酸を、関連抗体(すなわち、関連抗体)において同じ位置に存在する異なるアミノ酸によって置き換えてもよい。例えば、図2を参照すると、抗体1における置換可能な位置cにあるalaは、gly、cys、gluまたはthrによって置き換えうると考えられるが、それはこれらのアミノ酸がそれぞれ抗体3、5、7および10において置換可能な位置cに認められるためである;抗体1における置換可能な位置fにあるmetはvalまたはileによって置き換えうると考えられるが、それはこれらのアミノ酸がそれぞれ抗体4および8において置換可能な位置fに認められるためである;抗体1における置換可能な位置lにあるpheはtyrまたはtrpによって置き換えうると考えられるが、それはこれらのアミノ酸がそれぞれ抗体6および9において置換可能な位置lに認められるためであり、抗体1の位置p、tおよびyについても同様である。
ヒト化置換
親抗体の置換可能な位置にあるアミノ酸を、ヒト抗体の同じ位置に存在する異なるアミノ酸によって置き換えてもよい。これらの態様においては、親抗体の可変ドメインのアミノ酸配列を通常、ヒト抗体配列のデータベースと比較し、親抗体のそれに類似したアミノ酸配列を有するヒト抗体を選択する。親抗体およびヒト抗体のアミノ酸配列を比較し(例えば、整列させ)、親抗体の1つまたは複数の置換可能なアミノ酸を、ヒト抗体における対応する位置にあるアミノ酸によって置換する。この態様は図3の上のパネルに例示されており、そこではすべての置換可能なアミノ酸が、そのヒトでの対応物に置換されている。ヒト化配列(hmAb)の下線が施された太字のアミノ酸は、置換されたアミノ酸を表している。二重下線が施された太字のアミノ酸は、親抗体に「ヒト」アミノ酸がすでに存在したために置換されていない。
この態様の改良されたものにおいて、ヒト化置換は、置換可能な位置にあるアミノ酸が、ヒト抗体および関連抗体の両方に存在するアミノ酸で置換される指定的置換であってもよい。この態様は、図3の下のパネルに図示されている。この図において、抗体1の位置cにあるalaはthrによって置換されており、この際、thrは抗体10(図2に示されている)および類似のヒト抗体の両方においてその位置に認められる。さらに、抗体1の位置yにあるglnはtyrによって置換されており、この際、tyrは抗体9(図2に示されている)および類似のヒト抗体の両方においてその位置に認められる。その他の置換可能なアミノ酸(すなわち、位置f、l、pおよびtにあるもの)はこの態様では置換されていないが、それはどの関連抗体もこの位置ではヒト抗体と同じアミノ酸を有していないためである。
また別の態様において、置換するアミノ酸を、他のアミノ酸よりも極性が低く、そのため免疫原性が低いという理由から選択してもよい。
これらの方法に用いるのに適したヒト抗体は、親抗体の重鎖および軽鎖可変ドメイン配列(または関連抗体のセットのコンセンサス配列)を、ヒト抗体配列のデータベースと比較することによって同定される。典型的には、アミノ酸配列同一性(一致度(percent identity)またはP値のいずれかによる)の点で最も類似している10種の配列のうち1つが、アミノ酸残基ドナーとして使用されると考えられる。ある態様においては、親抗体配列と、アミノ酸配列同一性(一致度またはP値)の点で最も類似している3種の抗体のうち1つ(すなわち、最も類似性が高い)を、アミノ酸残基ドナーとして用いることができる。選択されたヒト抗体および親抗体は、配列決定される鎖の一方または両方における可変ドメイン全体にわたって、典型的には少なくとも約55%、少なくとも約65%の同一性、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性を有すると考えられる。ある態様においては、同じヒト抗体由来の軽鎖および重鎖の両方をアミノ酸ドナーとして用いてもよい。ほとんどの態様において、親抗体はヒト生殖系列抗体配列と比較される。
所定のウサギ免疫グロブリン配列に対して最も相同性の高いヒト抗体免疫グロブリンを同定するために、さまざまな抗体データベースを検索することができる。National Center for Biotechnology Information(NCBI)のデータベースに加えて、最も一般的に用いられるデータベースのいくつかを以下に列挙している:
V BASE - Database of Human Antibody Genes:このデータベースはCambridge UKの医学研究会議(medical research council)(MRC)によって維持されており、ウェブサイト:www.mrc-cpe.cam.ac.ukを通じて提供されている。このデータベースは、GenbankおよびEMBLのデータライブラリーの最新リリースにおけるものを含め、1000種を上回る既発表の配列からまとめられた、すべてのヒト生殖系列可変領域配列の包括的要覧である。
Kabat Database of Sequences of Proteins of Immunological Interest(Johnson, G and Wu, TT (2001) Kabat Database and its applications: future directions. Nucleic Acids Research, 29: 205-206)、これはNorthwestern University, Chicagoのウェブサイト(immuno.bme.nwu.edu)で見られる。
Immunogenetics Database:European Bioinformatics Instituteによって維持されており、そのウェブサイト:www.ebi.ac.ukで見られる。このデータベースは、免疫系の機能に重要な遺伝子のヌクレオチド配列情報を含む、特化した統合データベースである。これは、免疫認識に関与する免疫グロブリンスーパーファミリーに属する配列を収集し、注釈付けを行っている。
ABG:Germline gene directories of the mouse―マウスのVHおよびVK生殖系列セグメントの要覧であり、これはInstituto de Biotecnologia, UNAM(National Univfrsity of Mexico)の抗体群のウェブサイトの一部である。
ほとんどの類似した配列をアミノ酸配列の相同性に関して検索するためには、組込み式の検索エンジンを用いることができる。本発明の方法においては、BLAST(Altschul et al., J. Mol. Biol. 215: 403-10, 1990)が、BLOSUM62マトリックス、期待値閾値(expect threshold)10、低複雑度フィルターオフ、ギャップ許容およびワードサイズ3を選択することを含め、デフォルトのパラメーターを用いて行われる。
主題ヒト化方法の過程においては、1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つまたはそれ以上、通常は最大で約10個またはそれ以上のヒト化アミノ酸置換が作製される。これらの方法では一般に不連続的なアミノ酸が置換される。
抗体におけるヒト化置換を作製するための上記の方法は、序論において考察したCDRグラフティングおよび表面再建法などの公知の抗体ヒト化方法に代わって、それらと組み合わせて、またはそれらに加えて、使用することができる。
例えば、主題ヒト化方法は、親抗体にアミノ酸置換を作製することを必要とする任意のヒト化方法(例えば、いずれも2003年8月7日に提出された米国特許出願第10/638,210号および第10/637,317号、ならびにその背景において言及されている他の参考文献を参照のこと。これらはすべてその全体が参照として本明細書に組み入れられる)に、それを公知のヒト抗体にさらに類似させるために組み入れることができる。例えば、多くの先行技術のヒト化方法は、ヒトアミノ酸(すなわち、ヒト抗体における同じ位置に認められるアミノ酸)によって置換しうる親抗体における特定のアミノ酸を同定することを対象とする。これらの先行技術の方法の改良されたものとして、本方法は、置換可能なアミノ酸であって、そのため変異寛容性である特定のアミノ酸を同定するために使用しうる。これらの置換可能な位置でのアミノ酸置換は抗体にとって直ちに寛容性である(すなわち、それらは結合親和性を著しくは低下させない)ため、抗体活性を著しく低下させることなく、ヒト化アミノ酸置換を作製することができる。例えば、抗体の表面にあり、二次構造の重要な領域にはない置換可能な位置のみを、ヒトアミノ酸によって置換することができる。さらに、本方法を、抗体からヘルパーT細胞エピトープを除去するための方法、例えば、公開されている米国特許米国特許第20030153043号および他のものに記載されている「脱免疫化(deimmunization)」法などと組み合わせて使用することもできる。例えば、置換可能な位置に起こる脱免疫化性のアミノ酸変化のみを作製することができる。このような変化は抗体活性を消失させないはずである。
特定の態様において、主題方法は抗体のCDRをヒト化するために使用することができる。これらの態様は、例えば、抗体のフレームワーク領域および他の非CDR領域をヒト化することを対象とする他のヒト化方法に加えて使用することができる。
置換に対して寛容性であることが知られた抗体の位置のみを置換するために使用しうる他のヒト化方法はないため、上記のヒト化方法は、抗体のヒト化の技術分野に対して大きな貢献を果たすものである。
さらに、本方法は、免疫化された動物の免疫系によって強い結合活性(親和性成熟による)を有するとして選択された変異抗体のアミノ酸配列を効果的に使用するため、上記の方法によって同定された抗体の置換可能な位置にあるアミノ酸を置換することは、しばしば結合活性の向上につながる。これは特に、上記のように、指定的置換に供せられた抗体について当てはまる。したがって、一般に、本ヒト化方法は、親抗体よりも抗原に対する結合親和性が高いヒト化抗体を作製する目的で、親抗体をヒト化するために使用することができる。
抗体活性を改良する方法
特に興味深い1つの態様において、本置換方法は、親抗体の結合活性を改良するために使用することができる。上述したように、主題方法によって同定された置換可能な位置は、親和性成熟の過程で抗体前駆体の結合活性を改良するために使用される部位である。関連抗体の群におけるそのような位置、およびそのような位置に存在するアミノ酸を、特定の抗原に対する抗体の親和性を高めるものとして選択した。親和性成熟の過程で抗体に加えられた個別的な変化を組み合わせることにより、抗原に対する親和性が向上した抗体を作製することができる。このため、ある態様においては、親抗体に対して、その抗体の親和性を高めるために複数の指定的置換を作製することができる。例えば、親抗体を、関連抗体の群の置換可能な位置のそれぞれに最も頻度の高い置換を含むように改変することができる。
1つの関連した方法においては、十分な数の抗体(例えば、20種を上回り、最大で約50種またはそれ以上である)の配列決定が行われるならば、そのような抗体の特定の抗体活性(例えば、抗体結合親和性、抗体結合結合力、抗体結合特異性など)を、特定のアミノ酸変化と相関付けることができる。この知見は、選択された結合活性の組み合わせを有する抗体を設計して作製することを可能にする。
さらに、上述したように、抗体の置換可能な位置の同定は、所望の結合活性を有する抗体を同定するためにスクリーニングされる、候補抗体のライブラリーの作製を容易にする。一例を挙げると、この方法は、改良された特性を有する抗体を同定するためにスクリーニングしうる抗体ライブラリーを作製するために、抗体の置換可能な位置にアミノ酸置換(例えば、指定的、ランダムおよび/または保存的な置換など)のあらゆる可能な組み合わせを作製することを含む。
抗体のスクリーニングのために適した方法は当技術分野で公知であり、これには以下のものが非限定的に含まれる。
結合アッセイ
これらのアッセイでは、対象ライブラリーの各抗体を、基質と特異的に結合する能力に関して試験する。抗体結合の文脈における「特異的に」という用語は、特異的抗原、例えばポリペプチドまたはエピトープに対する、抗体の高い結合力および/または高親和性結合のことを指す。多くの態様において、特異的抗原は、抗体産生細胞を単離する動物宿主を免疫化するために用いた抗原(または抗原の断片もしくは亜画分)である。抗体の抗原との特異的結合は、同じ抗体の他の抗原に対する結合よりも強い。あるポリペプチドと特異的に結合する抗体は、他のポリペプチドと、弱いものの検出可能なレベル(例えば、関心対象のポリペプチドに対して示される結合の10%またはそれ未満)で結合可能であってもよい。このような弱い結合またはバックグラウンド結合は、例えば、適切な対照を用いることにより、対象ポリペプチドに対する特異的抗体結合とは容易に識別しうる。一般に、特異的抗体は抗原と、KDが10-7Mまたはそれ未満、例えば、10-8Mまたはそれ未満(例えば、10-9Mまたはそれ未満、10-10またはそれ未満、10-11またはそれ未満、10-12またはそれ未満、または10-13未満など)である結合親和性で結合する。一般に、KDが10-7Mまたはそれ以上である結合親和性を有する抗体は、現在用いられている従来の方法を用いて検出可能なレベルでは抗原と結合しないと考えられる点で、有用ではない。
典型的には、スクリーニングアッセイを行う際には、抗体を産生する宿主細胞のライブラリーによって産生された抗体試料を、それぞれの抗体が同定されうるような方式で、例えば、プレート番号およびプレート上の位置、または抗体を産生した宿主細胞培養物の同定を可能にすると考えられる別の識別子を用いて、固体支持体上に付着させる。
本発明の抗体は、当技術分野で公知の任意の方法により、免疫特異的結合に関してスクリーニングすることができる。用いうるイムノアッセイには、いくつかを挙げると、ウエスタンブロット法、ラジオイムノアッセイ、ELISA(固相酵素結合アッセイ)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫沈降アッセイ、沈降素反応、ゲル拡散沈降素反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体固定アッセイ、免疫放射定量アッセイ、蛍光イムノアッセイおよびプロテインAイムノアッセイなどの手法を用いる競合的および非競合的なアッセイ系が非限定的に含まれる。このようなアッセイは当技術分野でルーチン的であって周知である(例えば、Ausubel et al, eds, 1994, Current プロトコール in Molecular Biology, Vol. 1, John Wiley & Sons, Inc., New Yorkを参照のこと。これはその全体が参照として本明細書に組み入れられる)。例示的なイムノアッセイについて以下に簡単に説明する(しかし、これは限定を意図したものではない)。
免疫沈降プロトコールは一般に、細胞の集団を、溶解緩衝液中、例えばRIPA緩衝液(1% NP-40またはTriton X-100、1%デオキシコール酸ナトリウム、0.1% SDS、0.15M NaCl、0.01Mリン酸ナトリウム pH 7.2、1% Trasylol)にプロテインホスファターゼおよび/またはプロテアーゼ阻害薬(例えば、EDTA、PMSF、アプロチニン、バナジン酸ナトリウム)を添加したものの中で溶解させ、関心対象の抗体を細胞溶解物に添加し、ある期間(例えば、1〜4時間)にわたって4℃でインキュベートし、プロテインAおよび/またはプロテインGセファロースビーズを細胞溶解物に添加し、4℃で約1時間またはそれ以上にわたってインキュベートし、溶解緩衝液中でビーズを洗浄し、SDS/試料緩衝液中にビーズを再懸濁させることを含む。関心対象の抗体が特定の抗原を免疫沈降させる能力は、例えばウエスタンブロット分析によって評価することができる。当業者は、抗原に対する抗体の結合性を高めるため、およびバックグラウンドを減少させるために改変しうるパラメーターについて精通していると考えられる(例えば、細胞溶解物をセファロースビーズであらかじめ浄化すること)。
ウエスタンブロット分析は一般に、タンパク質試料を調製し、その後にポリアクリルアミドゲル(例えば、抗原の分子量に応じて8%〜20%のSDS-PAGE)中でタンパク質試料の電気泳動を行い、分離されたタンパク質試料をポリアクリルアミドゲルからニトロセルロース、PVDFまたはナイロンなどの膜に移行させることを含む。移行の後に、膜をブロッキング溶液(例えば、3% BSAまたは脱脂乳を含むPBS)中でブロックし、洗浄緩衝液(例えば、PBS-Tween 20)で洗浄して、ブロッキング緩衝液中に希釈した一次抗体(関心対象の抗体)とともにインキュベートする。このインキュベーションの後に、膜を洗浄緩衝液中で洗浄し、酵素基質(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼ)または放射性分子(例えば、32Pまたは125I)と結合させた二次抗体(一次抗体を認識するもの、例えば抗ヒト抗体)とともにインキュベートして、さらに洗浄した後に、抗原の存在を検出する。当業者は、検出されるシグナルを増加させてバックグラウンドノイズを低下させるために改変しうるパラメーターについて精通していると考えられる。
ELISAは、抗原を調製し、96ウェルマイクロタイタープレートのウェルを抗原でコーティングし、関心対象の抗体を酵素基質(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼ)などの検出可能な化合物と結合させたものを添加して、ある期間にわたってインキュベートし、抗原の存在を検出することを含む。ELISAでは、関心対象の抗体を検出可能な化合物と結合させる必要はない;その代わりに、第2の抗体(関心対象の抗体を認識するもの)を検出可能な化合物と結合させたものをウェルに添加するとよい。さらに、ウェルを抗原でコーティングする代わりに、抗体でウェルをコーティングするとよい。この場合には、コーティングされたウェルに対する関心対象の抗原の添加の後に、検出可能な化合物と結合させた第2の抗体を添加するとよい。当業者は、検出されるシグナルを増加させるために改変しうるパラメーター、ならびに当技術分野で公知のELISAの変法について精通していると考えられる。
抗原に対する抗体の結合親和性および抗体-抗原相互作用の解離速度は、競合結合アッセイによって決定することができる。競合結合アッセイの一例はラジオイムノアッセイであり、これは種々の量の非標識抗原の存在下における標識抗原(例えば、3Hまたは125I)と関心対象の抗体とのインキュベーション、および標識抗原と結合した抗体の検出を含む。特定の抗原に対する関心対象の抗体の親和性および結合解離速度は、そのデータからスキャッチャードプロット分析によって決定することができる。また、第2の抗体との競合をラジオイムノアッセイを用いて決定することもできる。この場合には、抗原を、標識化合物(例えば、3Hまたは125I)と結合させた関心対象の抗体とともに、標識されていない種々の量の第2の抗体の存在下でインキュベートする。
本発明の抗体を、当技術分野で一般に知られる手法を用いて、抗原の発現を可能にするベクターまたはベクターのみがトランスフェクトされた細胞(例えば、CHO細胞などの哺乳動物細胞)に対する免疫細胞化学の方法を用いてスクリーニングすることもできる。抗原がトランスフェクトされた細胞とは結合するが、ベクターのみがトランスフェクトされた細胞とは結合しない抗体は、抗原特異的である。
しかし、ある態様において、アッセイは抗原捕捉アッセイであり、この目的には抗体のアレイまたはマイクロアレイを用いることができる。ポリペプチドのマイクロアレイの作製および使用のための方法は当技術分野で公知である(例えば、米国特許第6,372,483号、第6,352,842号、第6,346,416号および第6,242,266号を参照のこと)。
阻害アッセイ
ある態様において、アッセイは、第1の化合物と第2の化合物(例えば、2つのバイオポリマー化合物)との間の相互作用に対する、または反応(例えば、酵素反応)を特異的に阻害する、抗体の特異的阻害を測定する。相互作用阻害アッセイでは、一方の相互作用基質、通常はタンパク質、例えば受容体などのバイオポリマー化合物を、反応容器内で固体支持体に結合させる。抗体を反応容器に添加し、その後に、基質に対する検出可能な結合パートナー、通常はタンパク質、例えば、受容体に対する放射標識リガンドなどのバイオポリマー化合物を添加する。容器を洗浄した後に、容器内に存在する検出可能な結合パートナーの量を決定することにより、相互作用の阻害を測定することができる。相互作用の阻害は、結合パートナーの結合が、抗体を含まない対照アッセイと比較して、約20%を超えて、約50%を超えて、約70%を超えて、約80%を超えて、または約90%もしくは95%もしくはそれ以上を超えて低下した場合に起こる。
反応阻害アッセイでは、酵素を反応容器内で固体支持体と結合させる。抗体を通常は反応容器に添加し、続いて酵素の基質を添加する。多くの態様において、酵素と基質との間の反応の産物は検出可能であり、ある特定の時間の後に、通常は反応を停止させる。反応が停止された後に、容器内に存在する検出可能な反応産物のレベルを決定することにより、反応の阻害を測定することができる。反応の阻害は、反応の速度が、抗体を含まない対照アッセイと比較して、約20%を超えて、約50%を超えて、約70%を超えて、約80%を超えて、または約90%もしくは95%もしくはそれ以上を超えて低下した場合に起こる。
インビボアッセイ
ある態様においては、抗体をインビボで試験する。一般に、本方法は、対象モノクローナル抗体を疾患または病状に関する動物モデルに対して投与すること、およびモデル動物の疾患または病状に対するモノクローナル抗体の効果を決定することを含む。本発明のインビボアッセイは対照を含み、適した対照には、モノクローナル抗体の非存在下の試料が含まれる。一般に、種々の濃度に対する反応の違いを得るために、複数の異なる抗体濃度を用いて複数のアッセイ混合物を同時並行的に供する。典型的には、これらの濃度のうち1つは陰性対照、すなわちゼロ濃度または検出水準以下としての役割を果たす。
置換抗体
本発明は、以上に示された方法によって置換された置換抗体を提供する。
一般に、置換抗体は、親抗体と比較して、抗原に対する特異性を保っており、その抗原に対してかなりの親和性(例えば、少なくとも107M-1、少なくとも108M-1または少なくとも109M-1〜1010M-1またはそれ以上)を有し、さらにヒト化されている場合には、通常は親抗体と比較してヒト宿主における免疫原性が低い。
ヒト宿主における親ウサギ抗体と比較したヒト化抗体の免疫原性のレベルは、単一のヒト宿主に対して2つの単離された抗体の等モル量を含む配合物を投与すること、および抗体のそれぞれに対してヒト宿主の免疫応答を測定することを含む、数多くの手段のうち任意のものによって決定することができる。または、親抗体および改変抗体を異なるヒト宿主に別々に投与し、宿主の免疫応答を測定する。抗体のそれぞれに対する宿主の免疫応答を測定するのに適した1つの方法は、ELISAによるものであり(Ausubel, et al, Short Protocols in Molecular Biology, 3rd ed., Wiley & Sons, 1995, UNIT 11-4に記載)、この場合には、適した等量の各抗体をマイクロタイタープレートのウェルに対して滴下し、ヒト宿主由来のポリクローナル抗血清についてアッセイを行う。ほとんどの態様において、主題ヒト化抗体は、改変されていない親抗体よりも免疫原性が約10%低い、約20%低い、約30%低い、約40%低い、約50%低い、約60%低い、約80%低い、約90%低い、またはさらには約95%低い。
用いられる定常領域および他の領域に応じて、当技術分野で公知であるいくつかのタイプの抗体を作製することができる。完全長抗体のほかに、抗体の抗原結合断片を主題方法によって作製することができる。これらの断片には、Fab、Fab'およびF(ab')2、Fd、一本鎖Fv(scFv)、一本鎖免疫グロブリン(例えば、重鎖またはその一部分、および軽鎖またはその一部分が融合されている)、ジスルフィドで連結されたFv(sdFv)、二重特異性抗体(diabody)、三重特異性抗体(triabody)、四重特異性抗体(tetrabody)、scFvミニボディ(minibody)、Fabミニボディ、および二量体scFv、ならびに特異的抗原結合領域が形成されるような立体配座にあるVLおよびVHドメインを含む任意の他の断片が非限定的に含まれる。一本鎖抗体を含む抗体断片は、可変領域のみを含んでもよく、または以下のものの全体もしくは部分との組み合わせを含んでもよい:重鎖定常ドメインまたはその部分、例えば、重鎖上のCH1、CH2、CH3、膜貫通および/または細胞質ドメイン、ならびに軽鎖上の軽鎖定常ドメイン、例えば、CκまたはCλドメインまたはその部分。同じく本発明に含まれるのは、可変領域ならびにCH1、CH2、CH3、Cλ、Cκ、膜貫通および細胞質ドメインの任意の組み合わせである。「抗体」という用語は、以上に説明したように重鎖および軽鎖が自然下で対になっている、すなわち、いわゆる「ファージディスプレイ」抗体を除外した、以上に列挙したものを含む、任意のタイプの抗体のことを意味する。
置換抗体をコードする核酸
本発明はさらに、主題改変抗体をコードするヌクレオチド配列を含む核酸、ならびに、軽鎖または重鎖、軽鎖または重鎖可変ドメイン、または軽鎖または重鎖可変ドメインのフレームワーク領域を含む、その部分を提供する。主題核酸は主題方法によって作製される。多くの態様において、本核酸はまた、任意のヒト抗体の定常ドメインなどの、定常ドメインに関するコード配列も含む。抗体鎖の分泌を可能にするために、ヒト免疫グロブリンのリーダーペプチド(例えば、MEFGLSWVFLVAILKGVQC、SEQ ID NO:53)をコードする核酸を人工的に作製することもできる。
遺伝暗号、および核酸を操作するための組換え手法が公知であって、主題抗体のアミノ酸配列を上記の方法を用いて入手しうることから、置換抗体をコードする核酸の設計および作製は当業者には周知である。ある態様においては、標準的な組換えDNA技術(Ausubel, et al, Short Protocols in Molecular Biology, 3rd ed., Wiley & Sons, 1995;Sambrook, et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, (1989) Cold Spring Harbor, N.Y.)の方法が用いられる。例えば、本明細書中に記載する必要のないさまざまな組換え方法の任意の1つまたは組み合わせを用いて、抗体コード配列を抗体産生細胞から単離することができる。その後の、タンパク質をコードする核酸配列におけるヌクレオチドの置換、欠失、および/または付加も、標準的な組換えDNA手法を用いて行うことができる。
例えば、部位指定変異誘発およびサブクローニングを、抗体をコードするポリヌクレオチドにおける核酸残基の導入/除去/置換のために用いることができる。また他の態様においては、PCRを用いることもできる。また、関心対象のポリペプチドをコードする核酸を、オリゴヌクレオチドからすべて化学合成によって作製することもできる(例えば、Cello et al., Science (2002) 297: 1016-8)。
ある態様において、関心対象のポリペプチドをコードする核酸のコドンは、特定の種、特に哺乳動物、例えば、ヒトの種の細胞における発現用に最適化される。
本発明はさらに、主題核酸を含むベクター(「構築物」とも呼ばれる)も提供する。本発明の多くの態様において、主題核酸配列は、その配列が、例えばプロモーターを含む発現制御配列と機能的に結合された後に、宿主において発現されると考えられる。主題核酸はまた、典型的には、エピソームまたは宿主染色体DNAに組み込まれた部分のいずれかとして宿主細胞において複製されうる発現ベクター中に配置される。一般的には、発現ベクターは、所望のDNA配列によって形質転換された細胞の検出を可能にする選択マーカー、例えばテトラサイクリンまたはネオマイシンを含むと考えられる(例えば、米国特許第4,704,362号を参照のこと。これは参照として本明細書に組み入れられる)。単一および二重発現カセットベクターを含むベクターが当技術分野で周知である(Ausubel, et al, Short Protocols in Molecular Biology, 3rd ed., Wiley & Sons, 1995;Sambrook, et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual、Second Edition, (1989) Cold Spring Harbor, N.Y.)。適したベクターには、ウイルスベクター、プラスミド、コスミド、人工染色体(ヒト人工染色体、細菌人工染色体、酵母人工染色体など)、ミニ染色体などが含まれる。レトロウイルス性、アデノウイルス性およびアデノ随伴ウイルス性のベクターを用いてもよい。
当業者はさまざまな発現ベクターを、関心対象のポリペプチドを細胞内で産生させる目的に利用することができる。1つの適したベクターはpCMVであり、これはある態様において用いられる。このベクターは、特許手続きを目的とする微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の条項に基づき、1998年10月13日にAmerican Type Culture Collection(ATCC)(10801 University Blvd., Manassas, VA 20110-2209 USA)に寄託されている。そのDNAはATCCによって検証され、有効であると判定されている。ATCCはpCMVに対して以下の寄託番号を割り当てている:ATCC #203351。
主題核酸は通常、主題抗体をコードする単一のオープンリーディングフレームを含むが、ある態様においては、関心対象のポリペプチドの発現のための宿主細胞が、例えば、ヒト細胞などの哺乳動物細胞といった真核細胞でありうるため、オープンリーディングフレームがイントロンによって分断されてもよい。主題核酸は典型的には転写単位の一部であり、これは主題核酸に加えて、RNAの安定性、翻訳効率などを導く3'および5'非翻訳領域(UTR)を含んでもよい。また、主題核酸が、主題核酸に加えて関心対象のポリペプチドの転写および発現を導くプロモーターならびに転写ターミネーターを含む発現カセットの一部であってもよい。
真核生物プロモーターは、ウイルスプロモーター、および真核生物または原核生物遺伝子に由来するプロモーターを含む、真核性または任意の他の宿主細胞において機能的である任意のプロモーターでありうる。例示的な真核プロモーターには、以下のものが非限定的に含まれる:マウスメタロチオネインI遺伝子配列のプロモーター(Hamer et al., J. Mol. Appl. Gen. 1: 273-288,1982);ヘルペスウイルスのTKプロモーター(McKnight, Cell 31: 355-365, 1982);SV40初期プロモーター(Benoist et al., Nature(London)290: 304-310, 1981);酵母gall遺伝子配列プロモーター(Johnston et al., Proc. Natl. Acad. Sci.(USA)79:6971-6975, 1982);Silver et al., Proc. Natl. Acad. Sci.(USA)81: 5951-59SS, 1984)、CMVプロモーター、EF-1プロモーター、エクジソン応答プロモーター、テトラサイクリン応答プロモーターなど。ウイルスプロモーターは、一般に強力なプロモーターであることから特に関心が持たれているものでもよい。ある態様においては、標的病原体のプロモーターであるプロモーターが用いられる。本発明に用いるためのプロモーターは、それらが導入される細胞種(および/または動物)において機能的であるように選択される。ある態様において、プロモーターはCMVプロモーターである。
ある態様において、主題ベクターが選択マーカーの発現をもたらしてもよい。適したベクターおよび選択マーカーは当技術分野で周知であり、Ausubel, et al,(Short Protocols in Molecular Biology, 3rd ed., Wiley & Sons, 1995)およびSambrook, et al,(Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Third Edition, (2001) Cold Spring Harbor, N.Y.)で考察されている。さまざまな異なる遺伝子が選択マーカーとして用いられており、選択マーカーとして主題ベクター中で使用される具体的な遺伝子は、主として便宜上から選択される。公知の選択マーカー遺伝子には以下のものが含まれる:チミジンキナーゼ遺伝子、ジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子、キサンチン-グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子、CAD、アデノシンデアミナーゼ遺伝子、アスパラギンシンテターゼ遺伝子、抗生物質耐性遺伝子、例えば、tetr、ampr、Cmrまたはcat、kanrまたはneor(アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ遺伝子)、ハイグロマイシンBホスホトランスフェラーゼなど。
また、主題核酸が、通常はヒト化ウサギ抗体をコードする核酸の構築を容易にする目的で、制限部位、マルチクローニング部位、プライマー結合部位、連結可能末端、組換え部位などを含んでもよい。
一般に、抗体をコードする核酸の作製のためには、米国特許第6,180,370号、第5,693,762号、第4,816,397号、第5,693,761号および第5,530,101号に見られるものを含む、いくつかの方法が当技術分野では公知である。1つのPCR方法では、重鎖および軽鎖をコードする核酸用の発現カセットを作り出すために、「重複伸長(overlapping extension)PCR」(Hayashi et al., Biotechniques. 1994:312, 314-5)を利用する。この方法では、抗体産生細胞から得られたcDNA産物およびテンプレートとしての他の適した核酸を用いる多数の重複性PCR反応により、発現カセットが生成される。
抗体を産生するための方法
多くの態様においては、主題モノクローナル抗体をコードする核酸を宿主細胞に直接導入し、コードされる抗体の発現を誘導するのに十分な条件下で細胞をインキュベートする。
発現カセットの発現のために適した任意の細胞を宿主細胞として用いることができる。例えば、酵母、昆虫、植物などの細胞。多くの態様においては、通常は抗体を産生しない哺乳動物宿主細胞系が用いられ、その例には以下のものがある:サル腎細胞(COS細胞)、SV40によって形質転換されたサル腎臓CVI細胞(COS-7、ATCC CRL 165 1);ヒト胎児腎細胞(HEK-293、Graham et al. J. Gen Virol. 36: 59 (1977));ベビーハムスター腎細胞(BHK、ATCC CCL 10);チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO、Urlaub and Chasm, Proc. Natl. Acad. Sci.(USA)77: 4216, (1980);マウスセルトリ細胞(TM4、Mather, Biol. Reprod. 23: 243-251 (1980));サル腎細胞(CVI ATCC CCL 70);アフリカミドリザル腎細胞(VERO-76、ATCC CRL-1587);ヒト子宮頸癌細胞(HELA、ATCC CCL 2);イヌ腎細胞(MDCK、ATCC CCL 34);バッファローラット肝細胞(BRL 3A、ATCC CRL 1442);ヒト肺細胞(Wl38、ATCC CCL 75);ヒト肝細胞(hep G2、HB 8065);マウス乳腺腫瘍(MMT 060562、ATCC CCL 51);TRI細胞(Mather et al., Annals N. Y. Acad. Sci 383: 44-68 (1982));NIH/3T3細胞(ATCC CRL1658);およびマウスL細胞(ATCC CCL-1)。そのほかの細胞系も当業者には明らかになると考えられる。非常にさまざまな細胞系が、American Type Culture Collection、10801 University Boulevard, Manassas, Va. 20110-2209から入手可能である。
核酸を細胞に導入する方法は当技術分野で周知である。適した方法には、電気穿孔、微粒子銃技術、リン酸カルシウム沈降、直接微量注入などが含まれる。方法の選択は一般に、形質転換される細胞のタイプ、および形質転換が起こる環境(すなわち、インビトロ、エクスビボまたはインビボ)に依存する。これらの方法についての一般的な考察は、Ausubel, et al, Short Protocols in Molecular Biology, 3rd ed., Wiley & Sons, 1995に記載されている。いくつかの態様においては、リポフェクタミンおよびカルシウムを介した遺伝子導入技術が用いられる。
主題核酸が細胞に導入された後に、典型的には細胞を、抗体の発現を可能にするために約1〜24時間の期間にわたり、37℃でインキュベートするが、これは時には選択下で行われる。ほとんどの態様において、抗体は典型的には、細胞が増殖している培地の上清中に分泌される。
哺乳動物宿主細胞では、主題抗体を発現させるために、さまざまなウイルスベースの発現系を利用することができる。アデノウイルスを発現ベクターとして用いる場合には、関心対象の抗体コード配列をアデノウイルスの転写/翻訳制御複合体、例えば後期プロモーターおよび3つの部分からなるリーダー配列と連結する。続いて、このキメラ遺伝子をインビトロまたはインビボ組換えによってアデノウイルスゲノムに挿入する。ウイルスゲノムの非必須領域(例えば、領域E1またはE3)における挿入は、生存可能であって、感染宿主において抗体分子を発現させることが可能な組換えウイルスを生じさせると考えられる(例えば、Logan & Shenk, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81: 355-359 (1984)を参照)。発現の効率は、適切な転写エンハンサーエレメント、転写ターミネーターなどを含めることによって高めることができる(Bittner et al., Methods in Enzymol. 153: 51-544 (1987)を参照)。
組換え抗体の長期的な高収量産生のためには、安定的な発現を用いるとよい。例えば、抗体分子を安定的に発現する細胞系を人工的に作製することができる。ウイルス複製起点を含む発現ベクターを用いるのではなく、宿主細胞を免疫グロブリン発現カセットおよび選択マーカーによって形質転換させることができる。外来性DNAの導入の後に、操作された細胞を強化培地中で1〜2日間増殖させ、その後に選択培地に交換する。組換えプラスミド中の選択マーカーは選択に対する耐性を付与し、細胞が染色体中にプラスミドを安定的に組み込み、増殖して巣を形成することを可能にするが、それは続いてクローニングして細胞系として増殖させることができる。このような操作された細胞系は、抗体分子と直接的または間接的に相互作用する化合物のスクリーニングおよび評価において特に有用である。
ひとたび本発明の抗体分子が産生されれば、それを、免疫グロブリン分子の精製のための当技術分野で公知の任意の方法によって、例えば、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、アフィニティー、特にプロテインAによる特異的抗原に対するアフィニティー、およびサイジングカラムクロマトグラフィー)、遠心分離、溶解性の違い、またはタンパク質の精製のための任意の他の標準的な手法によって精製することができる。多くの態様において、抗体は細胞から培地中に分泌され、培地から採取される。
抗体の結合親和性の決定
ひとたび改変抗体が産生されれば、それを、以下のような任意の方法を用いて、親和性に関して試験することができる:1)標識(放射性標識または蛍光標識)された親抗体、改変抗体および親抗体によって認識される抗原を用いる競合結合分析;2)抗体の結合特性を得るための、例えばBIACore装置を用いる表面プラスモン共鳴。この方法を用いて、抗原を固相チップ上に固定化し、液相における抗体の結合をリアルタイム様式で測定する;および3)細胞表面抗原に対する抗体結合を調べるための、例えば蛍光活性化細胞分取(FACS)分析を用いるフローサイトメトリー;4)ELISA;5)平衡透析またはFACS。このFACS方法では、抗原を発現するトランスフェクトされた細胞および元のままの細胞の両方を用いて抗体結合を調べることができる。結合親和性を測定するための方法は一般に、Harlow et al,. Antibodies: A Laboratory Manual, First Edition (1988) Cold spring Harbor. N.Y.;Ausubel, et al, Short Protocols in Molecular Biology, 3rd ed., Wiley & Sons, 1995)に記載されている。
親和性分析により、改変抗体について、その親抗体と比較して抗体結合性の低下が判明したならば、親和性を高めるために「微調整」を行うことができる。これを行う1つの方法は、部位指定変異誘発により、それぞれの改変残基を体系的に元に復帰するように変化させることである。これらの復帰変異抗体を発現させて分析することにより、親和性を低下させずに改変することができない需要な残基を予測することができる。
有用性
本方法によって作製された抗体は、診断法、抗体撮像法、およびモノクローナル抗体に基づく治療法によって治療可能な疾患の治療に利用される。具体的には、本方法によってヒト化された抗体は、受動免疫、または補体依存性溶解もしくは抗体依存性細胞傷害(ADCC)などによる望ましくない細胞もしくは抗原の除去のために用いることができ、これらはすべて、多くの先行技術の抗体に伴う実質的な免疫反応(例えば、アナフィラキシー性ショック)を伴わない。例えば、本発明の抗体を、望ましくない細胞の表面に、抗体により認識されるタンパク質(例えば、HER2または任意の他の癌特異的マーカー)が特異的に発現されるような疾患に対する治療として用いることもでき、または抗体を、望ましくない毒素、刺激物質もしくは病原体を中和するために用いることもできる。ヒト化抗体は、癌が特定の細胞マーカーの発現を伴うような、例えば結腸癌、肺癌、乳癌、前立腺癌などの多くのタイプの癌の治療のために特に有用である。すべてではないにせよ、疾患に関連したほとんどの細胞および病原体は、抗体の標的となる可能性のある分子マーカーを有するため、多くの疾患はヒト化抗体の適応症となる可能性がある。これらには、特定のタイプの免疫細胞が自己抗原を攻撃する自己免疫疾患、例えばインスリン依存性糖尿病、全身性エリテマトーデス、悪性貧血、アレルギーおよび関節リウマチ;移植に関連した免疫活性化、例えば移植片拒絶反応および移植片対宿主病;その他の免疫系疾患、例えば敗血性ショック;感染症、例えばウイルス感染症または細菌感染症;心血管疾患、例えば血栓症、ならびに神経疾患、例えばアルツハイマー病が含まれる。
特に関心が持たれる抗体は、動物モデルの疾患または病状の症状を、抗体の非存在下における対照と比較した場合に、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%またはそれ以上、調節する、すなわち軽減するか増強させるものである。一般に、関心対象のモノクローナル抗体は、対象動物を、疾患または病状に罹患していない同等の動物により類似したものにさせると考えられる。本発明の方法および組成物を用いて同定された、治療的価値を有するモノクローナル抗体は、「治療用」抗体と呼ばれる。
キット
同じく主題発明によって提供されるものは、上記のような主題方法を実施するためのキットである。主題キットは、以下のうち1つまたは複数を少なくとも含む:上記の方法に従って作製された置換抗体、それをコードする核酸、またはそれを含む細胞。置換抗体はヒト化されていてもよい。キットのその他の任意の構成要素には以下のものが含まれる:制限酵素、対照プライマーおよびプラスミド;緩衝液;その他。また、キットの核酸が、非ウサギ抗体CDRをコードする核酸との連結を容易にするための制限部位、マルチクローニング部位、プライマー部位などを含んでもよい。キットの種々の構成要素は別々の容器内に存在してもよく、または適合性のある特定の構成要素を必要に応じて単一の容器内にあらかじめ合わせておいてもよい。
上述した構成要素に加えて、主題キットは典型的には、主題方法を実施するためにキットの構成要素を用いるための説明書をさらに含む。主題方法を実施するための説明書は一般に、適した記録媒体上に記録される。例えば、説明書が紙または合成樹脂などの基質上に印刷されていてもよい。このため、説明書は、添付文書として、キットまたはその構成要素の容器(すなわち、パッケージまたはサブパッケージに伴うもの)のラベル中に存在してもよい。また別の態様において、説明書が、適したコンピュータ可読式保存媒体、例えば、CD-ROM、ディスケットなどに存在する電子保存データファイルとして存在する。さらに他の態様において、実際の説明書がキット中に存在せず、遠隔的な供給源から、例えばインターネットを介して説明書を得るための手段が提供される。この態様の一例は、説明書を閲覧すること、および/または説明書をダウンロードすることが可能なウェブアドレスを含むキットである。説明書の場合と同様に、説明書を入手するためのこの手段は、適した基質上に記録される。
同じく本発明によって提供されるものは、以上に考察したプログラムおよび説明書を含むコンピュータ可読式媒体を少なくとも含むキットである。説明書はインストールおよびセットアップの指示を含んでもよい。説明書が、上記のような選択肢または選択肢の組み合わせとともに本発明を用いるための指示を含んでもよい。ある態様において、説明書は両方のタイプの情報を含む。
ソフトウエアおよび説明書をキットとして提供することは、数多くの目的に役立つ。その組み合わせをパッケージ化し、親抗体またはそのヌクレオチド配列よりも非ウサギ宿主において免疫原性が低いウサギ抗体を産生するための手段として購入することもできる。
説明書は一般に、適した記録媒体上に記録される。例えば、説明書が紙または合成樹脂などの基質上に印刷されていてもよい。このため、説明書は、添付文書として、キットまたはその構成要素の容器(すなわち、パッケージまたはサブパッケージに伴うもの)のラベル中に存在してもよい。また別の態様において、説明書は、プログラムが供給されるものと同じ媒体を含む、適したコンピュータ可読式保存媒体、例えば、CD-ROM、ディスケットなどに存在する電子保存データファイルとして存在する。
実施例
以下の実施例は、本発明の実施および使用の方式に関する完全な開示および説明を当業者に提供するために記載されており、本発明者らが発明とみなしている内容の範囲を限定することを意図したものではなく、示された実験が実施したすべてまたは唯一の実験に過ぎないことを表現または意味することを意図したものでもない。使用する数字(例えば、量、温度など)に関して正確であるように努力は払っているが、ある程度の実験的誤差および偏差は許容されるべきである。別に指示する場合を除き、各部分は総重量に占める部分であり、分子量は加重平均された分子量であり、温度は℃であり、圧力は大気圧またはその近傍圧である。
実施例1
抗TNFαウサギモノクローナル抗体における変異寛容性アミノ酸の同定
ウサギをTNFαによって免疫化し、そのウサギの脾臓をハイブリドーマ細胞の作製のために用い、抗TNFαモノクローナル抗体を発現するハイブリドーマ細胞を単離した。そのようなモノクローナル抗体の重鎖および軽鎖をコードするcDNAを、単離された細胞から単離して、配列決定を行った。これらのcDNAによってコードされるポリペプチドを、それらの構造上の特徴に従って整列させ、このアラインメントを図4に示した。図4は、関連性のある抗TNFαウサギモノクローナルAbの2つの群が得られたことを示している。抗体52、63および115は一方の群に属する。抗体1および204は異なる群に属する。星印(*)によって表された位置は非変異位置であり、ピリオド(.)またはコロン(:)によって表された位置は変異寛容位置である。多くの変異寛容位置はCDRの内部にある。
図2は、関連性のない抗体において予想される変異を図示するためにKabatデータベースから抽出された10種のウサギ抗体配列のH3領域の多配列アラインメントである。
実施例2
抗TNFαウサギモノクローナル抗体のヒト化
ウサギ抗TNFαウサギモノクローナル抗体A52の配列を、最も類似性の高いヒト生殖系列抗体L20と整列させ、ウサギ抗TNFαウサギモノクローナル抗体の変異寛容位置を、L20抗体の対応する位置にあるアミノ酸によって置換して、ヒト化ウサギ抗体(HZD)を作製した。置換されたアミノ酸には星印を付している。図4によれば、位置31(CDRの内部)は、それがNまたはSであるため変異寛容位置である。Nを選択したが、その理由はそれがヒト生殖系列抗体においてその位置で認められるためである。図4によれば、位置48(CDRのすぐ外側)は、それがMまたはIであるため変異寛容位置である。Iを選択したが、その理由はそれがヒト生殖系列抗体においてその位置で認められるためである。図4によれば、位置50(CDRの内部)は、それがLまたはVであるため変異寛容位置である。この位置をAによって置換したが、その理由はAがヒト生殖系列抗体においてその位置で認められるアミノ酸であるためである。図4によれば、位置70(フレームワーク領域の内部)は、それがEまたはQであるため変異寛容位置である。この位置をDによって置換したが、その理由はDがヒト生殖系列抗体においてその位置で認められるアミノ酸であるためである。図4によれば、位置95B(CDRの内部)は、それがDまたはNであるため変異寛容位置である。この位置をNによって置換したが、その理由はNがNよりも極性が低く、そのため免疫原性が低い可能性が高いためである。
以上の結果および考察から、主題発明が、抗体に対してアミノ酸変化を加えるための重要な新たな手段を提供することは明白である。このため、主題の方法およびシステムは、研究、農業、治療および他の用途を含む、さまざまな異なる用途に利用される。特に、本発明は、非ヒト化抗体の抗原結合領域(例えば、CDR領域)のヒト化のための手段を提供する。したがって、本発明は、当技術分野に対して大きな貢献を果たすものである。
本発明を、その具体的な態様を参照しながら説明してきたが、当業者には、本発明の真の精神および範囲を逸脱することなく、さまざまな変更を加えうること、および等価物を代わりに用いうることが理解されるものと考えられる。さらに、特定の状況、材料、物質組成、工程、工程の1つまたは複数の段階を本発明の目的、精神および範囲に適合させるために、多くの変更を加えることも可能である。このような変更はすべて本明細書に添付される請求の範囲に含まれるものとする。
本発明の1つの態様を図示した流れ図である。 CDR領域内部の置換可能な位置を同定しうる例示的な方法を図示している、アミノ酸配列のアラインメントである。図2に示されているアミノ酸配列は、上から下に向かって、SEQ ID NO:1〜11である。 抗体のCDR領域をヒト化しうる例示的な方法の1つの局面を図示している、例示的なアミノ酸配列のアラインメントを示した2つの図面である。図3に示されているアミノ酸配列は、上から下に向かって、SEQ ID NO:12;SEQ ID NO:13;SEQ ID NO:14;SEQ ID NO:12;SEQ ID NO:13;SEQ ID NO:15である。 例示的なアミノ酸配列のアラインメントである。上から下に向かって、図4に示されているアミノ酸配列は、SEQ ID NO:16〜25である。β鎖の位置が最上部に示されている。採用されている付番方式(以下のChothiaを参照のこと)が、最上部の近くに示されている。以下の位置が示されている:c:これはCDRの接触点である;i:これはVK/VHの境界部である;b:これは内部埋没残基(以下のPadlanを参照のこと)であり、CはCDR残基である。配列には本発明に従って標識が付されている。 ウサギ抗体の20種の例示的なVH3領域のアミノ酸配列を示している。図5に示されているアミノ酸配列は、上から下に向かって、SEQ ID NO:26〜45である。 ウサギ抗体をヒト化しうる例示的な方法の1つの局面を図示している、例示的なアミノ酸配列のアラインメントである。図6に示されているアミノ酸配列は、上から下に向かって、SEQ ID NO:46〜48である。 抗体のコンセンサス配列をいかにして作製しうるかを図示している、例示的なアミノ酸配列のアラインメントである。

Claims (36)

  1. 抗体を設計するための方法であって、
    親抗体における変異寛容位置(variation tolerant position)を、そのアミノ酸配列と、それぞれが該親抗体と同じ抗原と結合する複数の関連抗体のアミノ酸配列とを比較することによって同定する段階、および
    該変異寛容位置に存在するアミノ酸を置換して、該抗原と結合しかつ該関連モノクローナル抗体のそれとは異なるアミノ酸配列を有する抗体を作製する段階
    を含む方法。
  2. 上記親抗体のCDRのアミノ酸配列を上記関連親抗体のCDRと比較する段階、および
    該CDRにおけるアミノ酸を置換する段階
    を含む、請求項1記載の方法。
  3. 上記親抗体のフレームワーク領域のアミノ酸配列を上記関連親抗体の同じフレームワーク領域と比較する段階、および
    該フレームワーク領域におけるアミノ酸を置換する段階
    を含む、請求項1記載の方法。
  4. 上記関連親抗体および上記親抗体が、上記抗原によって免疫化された単一の動物からの細胞を用いて作製される、請求項1記載の方法。
  5. 単一の動物が単一のウサギ、マウスまたはニワトリである、請求項1記載の方法。
  6. 変異寛容位置のアミノ酸が、上記関連抗体の1つにおける対応する位置に存在するアミノ酸によって置換される、請求項1記載の方法。
  7. 変異寛容位置のアミノ酸が、類似のヒト抗体における対応する位置に存在するアミノ酸によって置換される、請求項1記載の方法。
  8. 類似のヒト抗体がヒト生殖系列抗体配列で構成される、請求項7記載の方法。
  9. 比較が、配列アラインメントを作成するために上記抗体アミノ酸配列を整列させることを含む、請求項1記載の方法。
  10. 複数の関連抗体が少なくとも3種の関連抗体である、請求項1記載の方法。
  11. 上記親抗体の少なくとも2つの非連続的アミノ酸が置換される、請求項1記載の方法。
  12. 上記親抗体のフレームワークにおけるアミノ酸が置換される、請求項1記載の方法。
  13. 請求項1記載の方法によって設計された抗体をコードする核酸。
  14. 請求項13記載の核酸を含みコードするベクター。
  15. 請求項14記載のベクターを含む宿主細胞。
  16. 抗体を産生する方法であって、
    請求項15記載の宿主細胞を、該細胞における該抗体の作製のために適した条件下で培養する段階
    を含む方法。
  17. 請求項1記載の方法によって設計された抗体。
  18. モノクローナル抗体をヒト化する方法であって、
    モノクローナル抗体の変異寛容位置を、そのアミノ酸配列と、それぞれが該モノクローナル抗体と同じ抗原と結合する複数の関連モノクローナル抗体のアミノ酸配列とを比較することによって同定する段階、および
    該変異アミノ酸におけるアミノ酸を、類似のヒト抗体の対応する位置に存在する異なるアミノ酸と置換する段階
    を含む方法。
  19. CDR領域の内部のアミノ酸が置換される、請求項18記載の方法。
  20. フレームワーク領域の内部のアミノ酸が置換される、請求項18記載の方法。
  21. モノクローナル抗体がウサギ、マウスまたはニワトリのモノクローナル抗体である、請求項18記載の方法。
  22. 類似のヒト抗体がヒト生殖系列抗体配列で構成される、請求項18記載の方法。
  23. 改良された活性を有するモノクローナル抗体に関してスクリーニングする方法であって、
    モノクローナル抗体の変異寛容位置を、そのアミノ酸配列と、それぞれが該モノクローナル抗体と同じ抗原と結合する複数の関連モノクローナル抗体のアミノ酸配列とを比較することによって同定する段階、
    該変異寛容位置にあるアミノ酸を異なるアミノ酸と置換して、被験抗体を作製する段階;および
    該被験抗体を改良された活性に関してスクリーニングする段階
    を含む方法。
  24. モノクローナル抗体のCDRのアミノ酸が異なるアミノ酸によって置換される、請求項23記載の方法。
  25. モノクローナル抗体のフレームワーク領域のアミノ酸が異なるアミノ酸によって置換される、請求項23記載の方法。
  26. 被験抗体が、親和性、結合力または特異性の向上に関してスクリーニングされる、請求項23記載の方法。
  27. スクリーニングがELISAによって行われる、請求項23記載の方法。
  28. 変異寛容位置のアミノ酸が、関連モノクローナル抗体の1つにおける対応する位置にある異なるアミノ酸によって置換される、請求項23記載の方法。
  29. モノクローナル抗体の活性を改良する方法であって、
    モノクローナル抗体の変異寛容位置を、該モノクローナル抗体のアミノ酸配列と、それぞれが該ウサギモノクローナル抗体と同じ抗原と結合する複数の関連モノクローナル抗体のアミノ酸配列とを比較することによって同定する段階、
    該変異寛容位置のアミノ酸を、該関連モノクローナル抗体の1つにおける対応する位置に存在する異なるアミノ酸と置換する段階
    を含む方法。
  30. モノクローナル抗体のCDRのアミノ酸が異なるアミノ酸によって置換される、請求項29記載の方法。
  31. モノクローナル抗体のフレームワーク領域のアミノ酸が異なるアミノ酸によって置換される、請求項29記載の方法。
  32. アミノ酸置換が、親和性、結合力または特異性が改良された抗体を提供する、請求項29記載の方法。
  33. 特定の抗原と結合する抗体に関するコンセンサス配列を産生する方法であって、
    それぞれが同じ抗原と結合する複数の関連モノクローナル抗体のアミノ酸配列を、該抗原と結合する抗体に関するアミノ酸コンセンサス配列を同定するために比較する段階
    を含む方法。
  34. アミノ酸コンセンサス配列に含まれるアミノ酸配列を有する抗体を作製する段階をさらに含む、請求項33記載の方法。
  35. 抗体が関連モノクローナル抗体のいずれか1つと比較して単一の変化を含む、請求項34記載の方法。
  36. 抗体が関連モノクローナル抗体のいずれか1つと比較して複数の変化を含む、請求項34記載の方法。
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