JP2008518214A - 同重体干渉物を分離する方法および機器 - Google Patents

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Abstract

本発明は、質量分析(MS)において、希少な安定同位元素または放射性同位元素を、それらの原子または分子の同重体から分離する方法および機器に関する。本発明において、原子同重体を取り除くためにとられる手法は、RFイオンガイド内で、イオン分子反応または近共鳴電子移動など低エネルギー反応と組み合わせて、イオンを減速させるための高伝達率装置を利用する。同重体は、低エネルギーの与圧されたRFイオンガイド内でのアニオンとガス状ターゲットの間の電子移動または他の反応により、選択的に激減させられる。エネルギーは、対象となるイオンの反応を防止するような方法で制御されるが、不要な同重体干渉物との反応を誘起する。この技法は、必要な端子電圧を大幅に低減させることができる加速器質量分析(AMS)に特に関係する。その効果は、AMS設置のサイズおよび費用を低減できることである。

Description

本特許出願は、2004年10月28日出願の米国特許仮出願第60/622,617号に関し、その優先権の利益を主張し、参考として全体を本明細書に援用する。
本発明は、質量分析において、希少な安定同位元素または放射性同位元素を、それらの原子または分子の同重体から分離する方法および機器に関し、より詳細には、本発明は、加速器質量分析(AMS)の前に同重体干渉物の強度を低減させる方法、およびその方法を組み込む加速質量分析計に関する。
質量分析における一般的な問題は、分析される原子または分子(検体)と質量がほとんど(実質上)同じである原子または分子である同重体に起因する干渉である。このような干渉は、陽イオン(正に帯電したイオン)、アニオン(負に帯電したイオン)、またはその両方を分析するシステムにおいて発生する。
加速器質量分析(AMS)とは、アニオン、タンデム型加速器、および10-12をはるかに下回る同位体比の測定を可能にする質量分析法の使用に基づく一群の技法に、しばしば適用される用語である。各方法は、たとえば、K.H. Purserの米国特許第4,037,100号、A.E. Litherland著「Ultrasensitive Mass Spectrometry with Accelerators」、Ann Rev Nucl. and Particle Sci., 30、437〜473頁 (1980年) に記載されてきた。長寿命同位元素の濃度測定に適用されるAMS技法の最近のレビューが、Elmore,DおよびPhillips, F.M.著「Ultra-sensitive Mass Spectrometry」、Science, 296,543(1987年)によって提供されている。
希少な安定原子または放射性原子のAMS超高感度検出についての中心問題は、分析対象となる希少原子(検体原子)の質量と実質上質量が同じである原子同重体が、一般に存在することである。これらの同重体は、原子番号が互いに異なり、入念な化学反応により完全に除去されることになると期待されるが、AMSの感度は非常に高いので、精製されたサンプル内には、原子同重体の微量な残留物が、しばしば依然として残る。やはり、各同重体の間の質量差はきわめて小さいので、分散偏向電磁界の高伝達率装置(high transmission arrangements)は、同重体分離を実現するのに必要となる分散をほとんど有しない。したがって、必要とされている希少イオンおよび同重体のバックグラウンドイオンは、AMSシステム全体を減衰せずに通過し、最終検出器に至ることができる。
このような同重体問題の用途の一例は、地下の帯水層内に存在する長寿命の同位元素36Clの測定である。36Clは、宇宙線による40Arの破砕により生物圏にもたらされ、水のサンプルが地表面から離れていた時間を導き出すのに使用することができる。放射性の36Cl 原子の2つの安定同重体には、36Arおよび36Sがある。36Arは、アニオンを形成しないので問題ではない。しかし、36Sは、電気陰性が強く、厄介なバックグラウンドをもたらす。入念な化学的分離の後でさえ、毎秒数カウント以下の、必要とされている36Clの計数率と比較して、36S 同重体からのバックグラウンド計数率は、毎秒何千になることがある。
このバックグラウンドを除去するために現在使用されている手順は、少なくとも30MeVのエネルギーにまでイオンを加速すること、ならびにエネルギー損失率法(rate-of-energy-loss methods)(dE/dx技法)、距離法(range methods)、完全な電子剥離(electron stripping)、または個々の36Cl および36Sの事象を区別するためのガス充填型電磁石を使用することである。このようなエネルギーを実現するには、6〜10百万ボルトの間の電圧で動作する高価な核物理加速器の使用が必要となり、36S/36Clの比が高いときには、より大きい電圧が好ましい。このような装置は、物理的に大きく、非常に高価であり、主要な原子力施設のみに見られ、操作および保守については多くの専門家スタッフのサービスを必要とする。比較的軽い検体イオンに対しては、これらの技法を使用する同重体分離が可能であるが、比較的重いイオンに対しては、同重体のバックグラウンドが、最終的な検出限界に対して、しばしば著しい制限をもたらす。
加速器質量分析の一般的でよく知られた使用法は、炭素年代測定を目的とした、微量の炭素14の分析である。同重体の除去には、適度な加速電圧、通常は500kV〜3MVを必要とするだけであるが、14C AMS機器は、依然として大きく、複雑で、高価である。現在、これら従来のAMS機器を使用して、14C 分析の重要で新規の用途が開発されている。具体的には、14C トレーサで標識付けされた薬品が、非常に低レベルの濃度で人間の患者に投与され、AMSによって分析されて、それらの代謝経路が判定される。この技法はマイクロドージングと呼ばれ、薬品の発見および開発への取り組み方に大きな衝撃を与えることが期待される。
普通、AMS用にスパッタイオン源が使用される。スパッタイオン源は、適度な高エネルギー、通常は20〜30kV で大電流イオンビームを生成し、イオンエネルギーの広がりは数十eVである。近接熱源からのイオンビームについての同重体の分離に対する従来技術の手法は、はるかに低い速度の入力ビームから同重体を分離する。これらの手法では、AMSの感度は高くない。
コンパクトマイクロ波源はまた、気相の試料物質から大きいイオン電流を効率的に生成するので、AMS システムとともに使用するために開発されている。しかし、マイクロ波源は、アニオンを効率的に生成するだけであり、したがって14Cの同重体分離(14N)に必要となるアニオンを生成し、加速質量分析計の加速器セクションへの注入を行うための電荷変化カナル(charge change canal)が続かなければならず、結果として効率が損なわれる。S-W Kim, R.J. Schneider、K.F. von Reden、J.M. HayesおよびJ.S.C. Wills著「Test of negative ion beams from a microwave ion source with a charge exchange canal for accelerator mass spectrometry applications」Rev. Scientific Instruments 73 (2002年)846〜848頁、およびその中の参考資料を参照されたい。
したがって、従来のAMS 分離技法に関連する、サイズ、安全性および費用での不利な点がほとんどなく、比較的高いエネルギーのイオン源を使用して同重体干渉物を分離するための装置が必要である。このような装置および方法はまた、質量分析計の感度および有用性を改善し、広い適用範囲、および一般に使用可能な従来の方法よりも高い感度を有することになる。
本発明は、質量分析(MS)において、希少で安定なまたは放射性の検体の同位元素を、それらの原子または分子の同重体から分離する方法および機器に関する。この方法および機器は、検体の同位元素が、MSによる分析のために選択される分子内に含まれる場合にも適用可能である。本発明では、同重体を取り除くのにとられる手法は、高周波(RF)イオンガイドにおいて、イオン分子反応または近共鳴電子移動(near resonant electron transfer)などの低エネルギー反応と組み合わせてイオンを減速するための高伝達率装置を利用する。同重体は、与圧されたRFイオンガイド内における低エネルギーでの、イオンとガス状ターゲットの間の電子移動、分子断片化、または他の反応により、選択的に激減させられる。エネルギーは、対象となる放射性核種の反応を防止するような方法で制御され、不要な同重体干渉物との反応を誘起する。この技法は、AMSに適用されるとき、AMS分析計の必要な端子電圧の大幅な低減を可能にする。この効果は、AMS設置のサイズおよび費用を低減できることである。
本発明の一態様では、
a)検体イオンを含むイオンビームを生成するステップと、
b)前記イオンビーム内のイオンの運動エネルギーを、事前に選択された平均運動エネルギーまで低減させるステップと、
c)i)前記イオンビーム内に存在する前記同重体を反応させ、それにより前記イオンビーム内の検体イオンに対して同重体を激減させること、およびii)前記検体を反応させ、それによりそれらの質量対電荷の値を前記同重体の質量対電荷の値から離れた値にシフトすることのうちの1つにより、各検体をそれらの同重体干渉物から選択的に分離するように選ばれる反応ガスに前記イオンビームをさらすステップと、
d)前記検体イオンを検出するステップとを含む、検体イオンを同重体から分離する方法が提供される。
本発明の他の態様では、
a)入口および出口を有し、入口はイオンのビームを受け取るためのものであるハウジングと、
b)前記ハウジング内の前記入口の下流に配置されるイオンエネルギー低減手段であって、そこを通過する前記イオンビームのイオンビーム運動エネルギーを、事前に選択された運動エネルギーまで低減させる手段と、
c)前記イオンビームを受け取るための入口およびイオンビームが出る出口を有し、i)前記イオンビーム内に存在する前記同重体を反応させ、それにより前記イオンビーム内の検体イオンに対して同重体を激減させること、およびii)前記検体を反応させ、それによりそれらの質量対電荷の値を前記同重体の質量対電荷の値から離れた値にシフトすることのうちの1つにより、各検体をそれらの同重体干渉物から選択的に分離するように選ばれる反応性ガスを含む、前記エネルギー低減手段の下流に配置される反応セルとを備える、検体イオンを原子または分子の同重体イオンから分離する機器が提供される。
前記イオンビームは、36Cl-という放射性同位元素のイオンおよびその原子同重体36S-を含んでもよく、反応性ガスはNO2であり、反応は、希少36Cl-放射性同位元素を、その36S-原子同重体から分離することであり、望ましくない36S-原子同重体を検体のイオンビームから激減させるための反応は以下の通りである。
36S-+NO236S+NO2 -
14Cの検体イオンを含むイオンビームは、コンパクトマイクロ波イオン源によって生成される。14Cの陽イオンは、マイクロドージングのプロセスにおいて非常に低レベルの濃度で人間の患者に投与される14C トレーサで標識付けされた医薬品を起源としてもよく、前記14C は人間の患者の体液から得られる。
次に、加速器質量分析(AMS)において、同重体干渉物の強度を大幅に低減させるための方法および機器を、単に例として添付図を参照して説明する。
本明細書では、「検体イオン」という用語は、本発明の方法および機器を使用して分析される、対象となるイオンを意味する。
本明細書では、「同重体イオン」または「同重体干渉物」という用語は、分析される原子または分子(検体)と質量がほとんど(実質上)同じである原子または分子を指す。
本明細書では、「イオンビーム運動エネルギー」という用語は、分析される検体イオンを含むイオンビーム内での、イオンの集団の運動エネルギーのおおよその平均値を意味する。
本開示は、所望の検体イオンの高伝達率を実現しながら、同重体干渉物の強度を大幅に低減させる方法および機器を記述する。この技法を質量分析に適用することにより、検体イオンの検出感度が増大する。これを加速器質量分析に適用することにより、AMS 分析計の必要な端子電圧を大幅に低減させることもできる。これによる効果は、AMS設置のサイズおよび費用を低減できることである。
本発明では、本明細書で開示される同重体を取り除く方法は、反応性ガスで与圧されたRFイオンガイド内で、イオン分子反応または近共鳴電子移動など、低エネルギー反応と組み合わせて、イオンを減速させるための高伝達率装置を利用する。イオンビームは、まず減速させられ、静電レンズとRFイオンガイドの組合せを使用して熱化させられる(通常は300K近くに)。同重体干渉物は、与圧されたRFイオンガイド内のイオンとガス状ターゲットの間の反応により、選択的に取り除かれる。検体から同重体干渉物を分離するような方法で、適切なイオンビーム運動エネルギーを選択することにより、反応エネルギーは、入念に制御される。不要な同重体干渉物との反応を誘起し、同重体干渉物の濃度を激減させながら、反応セル内での検体イオンの反応を防止することにより、これを達成することができる。これはまた、反応の生成物が同重体干渉物と大幅に異なる分子の質量対電荷の値を有するような方法で、反応セル内で検体を選択的に反応させることによって達成することができる。この手法は、適当な低暗電流検出器とともに、装置のサイズ、費用および複雑さを大幅に低減させて、より小さいAMS システムまたは他のMSシステムに組み込むことができ、電圧要求がはるかに低い計器類を構築することが可能になってもよく、研究室内で大幅に費用を抑えて、AMSを使用することが可能になる。
具体的には、大電流のイオン源によって形成される強いイオンビームが生成され、軸方向の高い運動エネルギー、通常は20〜30kVにまで加速される。ここで、軸方向の運動エネルギーは値1/2mvz 2を指し、mはイオンの質量であり、vzはイオンビームの軸に沿ったイオンの速度であり、zはイオンビームの軸の方向である。イオンビーム形成の機構の性質により、イオンビームはまた、すべての方向x、y およびzでイオンビーム運動エネルギーが大量に分布し、x およびyは軸と交差する方向である。たとえば、セシウムイオンのスパッタリング源については、イオンビーム運動エネルギーの分布は大きくなる傾向にあり、平均して約30eVであり、100Vの大きさにまで達する。
加速の後、強いイオンビームは、狭帯域のエネルギーを有するイオンを選択するために、エネルギー分析器を介して送られてもよい。次いで、ビームは質量セレクタ(mass selector)を介して送られる。この質量セレクタは、検体のイオンビームから大量の豊富な同位元素を取り除く。次いで、軸方向の大きい運動エネルギー、ならびに軸方向および横方向の大きいエネルギー分布は、所望の検体のイオンビームから不要な同重体干渉物を取り除くイオン反応を選択的に誘起するために、よく知られ制御された値にまで低減させられる。
イオンは、静電レンズ、真空RFイオンガイド、および与圧されたRFイオンガイドの組合せを使用して、軸方向に減速させられる。RFイオンガイドは、イオンガイド軸周りでイオンを振動させることによってイオンを封じ込める働きをする。静電レンズは、数万ボルト程度の最初の減速をもたらす。真空RFイオンガイドは、減速されたイオンに対してRFの閉込め場(containment field)を提供し、2次減速をもたらすように構成することができ、通常は数キロエレクトロンボルト(keV)程度の運動エネルギーの削減を可能にする。非反応性ガスで与圧され、真空RFイオンガイドの下流に配置される後続のRFイオンガイドは、イオンビーム運動エネルギーをさらに低減させるのに利用されてもよい。この場合、イオンの軸方向および横方向の運動エネルギー、ならびにそれらの内部エネルギーは、非反応性の緩衝ガスとのエネルギー伝達衝突を経て、熱エネルギー近く(通常は300Kであるが、他の温度を使用してもよい)にまで、さらに低減させられてもよい。したがって、初期ビームの運動エネルギーの大きい分布は、非常に低い値(kT程度であり、kはボルツマン定数、Tは周囲温度である)にまで低減させることができ、ビームの軸方向のエネルギーは、よく制御される。適切なDC 電圧をイオンガイドに加えることにより、イオンの運動エネルギーは、イオンガイドを出るときには、非常に入念に制御することができる。
静電レンズとRFイオンガイドのこの組合せにより、ビームの発散による損失が最小になり、したがって伝達が最大になるイオンビーム運動エネルギーでの一連の段階的な降下が生じる。通常は10eVよりも小さい結合エネルギーを有し、したがって非反応性の緩衝ガスとのエネルギー衝突による電子損失の影響を受けやすいアニオン、またはより高いエネルギーで容易に分解することができる分子イオンなど、脆弱なイオンの減速および反応に対して、この手法は特に重要である。
イオンビーム(検体イオン、およびそれらの同重体干渉物を含む)は、減速されると、イオンが事前に選択された反応ガスと接触する反応セルに転送される。同重体干渉物を取り除くために、反応は、イオンの運動エネルギーまたは内部エネルギーに基づいて選択的に誘起される。このような反応には、イオン/中性、イオン/イオン、またはイオン/電子の反応、ならびに電荷移動、電荷剥離(charge stripping)、結合性脱離、結合、イオン/電子、イオン/陽電子、および衝突誘起解離が含まれ得る。反応物質は、原子、分子、電子、または陽電子でもよい。
反応セル内の検体から不要な同重体干渉物を実質上すべて選択的に分離した後に、次いで、イオンは、質量分析され、適当な低暗電流検出器内で検出され、またはAMS システム内でそれらの分析を完了するために再加速されてもよい。
このようにして、希少な放射性同位元素をそれらの同重体から分離する技法が開発される。より具体的には、このような技法の1つは、希少な36Cl-放射性同位元素を、その36S-原子同重体から分離することである。Fergusonおよび共同研究者による初期の研究では、NO2が存在する場合、S-/Cl-を選択的に激減させることが可能であることを偶然に実証した(Dunkin, D.B.、Fehsenfeld, F.C.、Ferguson, E.E.の、Chem. Phys. Lett. 15 257 (1972年)、Fehsenfeld, F.C.およびFergusen, E.E.の、Plane. Space Sci. 16 701 (1968年))。両方のイオンは、NO2ガスとの電荷移動を受けるが、速度が異なる。各反応は以下の通りである。
S-+NO2→S+NO2 - (1)
Cl-+NO2→Cl+NO2 - (2)
NO2とのCl-についての反応(2)は、速度定数が<6×10-12cm3/s (1.34eVの吸熱反応)であるが、NO2とのS-の反応(1)は、1.3×10-9cm3/s (0.2eVの発熱反応)である。したがって、イオンの運動エネルギーを入念に制御および調整することにより、Cl-の反応についての閾値を超えながら、選択的にS-を反応させることが可能である。ビーム内のイオンの運動エネルギーの広がりを大幅に低減させることにより、検体ビームの高伝達率を維持しながら、望ましくない同重体を高い効率で選択的に激減させることが可能である。
このような他の技法は、同重体干渉物から14Cを分離することである。たとえば、14Cの陽イオン(14C+)は、コンパクトマイクロ波源によって生成されてもよく、第1の例に記載の機器内で反応ガスとして水素を使用して、同重体干渉物14N+12CH2 +および13CH+を含むイオンビームから分離されてもよい。これらの同重体は、以下のプロセスによって除去される。
14N++H214NH++H (速い反応速度、10-9cm3/s)
13CH++H213CH2 ++H (速い反応速度、10-9cm3/s)
12CH2 ++H212CH3 ++H (速い反応速度、10-9cm3/s)
(J.B. Marquette、C. RebrionおよびB.R. Roweの、Reactions of N+(3P) ions with normal, Para and deuterated hydrogens at low temperatures、J. Chem. Phys. 89(4)(1988年)2041〜2047頁、およびD.C. Clary、C.E. DateoおよびD. Smithの、Rates for the reactions of open-shell ions with molecules、Chemical Physics Letters 167(1,2)(1990年)1〜6頁を参照)。一方で、検体イオン(14C+)を用いる同等な反応、
14C++H214CH2 + (非常に遅い反応速度、10-16cm3/s)
は7桁遅く、検体イオンのほとんどが、減衰することなく反応セルを通過できるようにすることになる。
この技法は、一連の検体およびそれらの同重体に対して一般化することができる。36Cl および14Cの分析に加えて、たとえば、同様の反応セルの手法は、分子イオンを含む他の希少な検体の測定に適用されることになる。
このような例は、強く束縛されたスーパーハロゲン化物(MXn-)の例である。BeF3 -およびCaF3 -は、高いF-および電子結合のエネルギーを有するが、比較すると同重体のイオンBF3 -およびKF3 -の束縛は非常に弱い。したがって、反応セル内の弱く束縛されたイオンの選択的断片化を使用して、安定同位元素10Bおよび41Kから、希少放射性同位元素10Beおよび41Caを分離することができる。10Bおよび41Kをも含む他の残留アニオンも、一般に反応セル内で破壊されることになり、それにより、小さいAMS 加速器を用いて低レベルの10Beおよび41Caの検出が可能になる。MOn-など他のスーパーアニオン(super-anions)の選択的反応も可能である。
図1を参照すると、本発明による同重体分離器を組み込む加速質量分析計が、60で全体的に示してある。加速質量分析計60は、初めにイオン源からのイオンをエネルギーEo (通常は5kVから40kVの間)まで加速するイオン源10と、イオン源10によって生成されるイオンの中から、事前設定された質量数(質量/電荷)を有するイオンを優先的に選択するための、イオン源10の下流にある磁気フィルタ12と、豊富な同位元素(たとえば35Cl および37Cl)のビームを捕獲し、それらの電流を測定するための1組の軸外しファラデーカップ14と、ビーム位置を横方向および垂直方向に微調整するための1組の水平および垂直の舵取り板(steerer plates)16とを備える。ファラデーカップ14、舵取り板16、および24から44までの表示がある以下の構成部品は、真空格納筐体の内部に配置され、そのハウジングは、全体的に18として示され、高真空ポンプ15によって排気される。同位元素のエネルギー分布の尾部からの、過大な数の豊富な同位元素が、所望の検体のイオンビーム内に存在する場合、単一エネルギービームを選択するための電気分析器(図示せず)を、イオン源10と磁石12の間に加えてもよい。ハウジング47内の真空は、電気的に絶縁されたパイプを介してハウジング47に接続された大容量の真空ポンプ48によって排気されて、ハウジング内の残留ガス圧力を最小限に抑え、したがってイオンビームの望ましくない散乱を低減させる。
前述の各構成部品は、High Voltage Engineering Europa B.V、オランダ、アメルスフォールト、またはNational Electrostatics Corp.、ウィスコンシン州、マディソンなどの製造業者から市販されている機器である加速質量分析計にとって標準である。
標準の加速質量分析計を含み、以下に同重体セレクタとして知られ、図1において全体的に70で示される、本発明を実施するための質量分析計の修正形態が、以下に記述される。
同重体セレクタ70は、適切な静電位が加えられ舵取り板16の下流のハウジング47内に配置されるギャップレンズ(gap lens)20を備え、側面54および56がハウジング47の内部に伸びている円錐形の電極を備える。ギャップレンズ20は、2つの目的にかない、第1の目的は、イオンの軸方向の運動エネルギーを、イオン源10によって提供されるE0から数百eV (E1)まで低減させることであり、第2の目的は、その円錐形の電極54/56によってイオンを集束させることであり、したがって、その電位を横切って減速されるイオンは、主軸22に向かって集束され、後に続く下流段に注入する準備がなされる。ギャップレンズ20は、1つまたは複数のレンズ電極から成ってもよい。ギャップレンズ20は、真空ハウジング18を介してポンプ15によって排気されてもよく、ハウジング47を介してポンプ48によって排気されてもよく、または追加の排気を使用してもよい。
同重体セレクタ70は、ギャップレンズ20の下流に配置される減速用RFイオンガイド24も備える。イオンガイド24の目的は、イオンの軸方向の運動エネルギーを、ギャップレンズ20によるエネルギー低減により得られるE1から、数エレクトロンボルト(E2)まで低減することである。例示的なイオンガイド24は、軸22の周りに対称に配置された4本、6本、8本またはそれより多くの偶数のロッド(またはポール)25から成り、ロッドにはDC静電位およびRF電位が加えられ、交互位相のRFが隣接するロッドに加えられ、またイオンガイド24は、分割された電極ポールによって形成される1つまたは複数のセグメント26を備え、各セグメント26は、その他のセグメントから電気的に絶縁される。ガイド24を介して軸22に沿った下流の軸方向に進むイオンを減速させるための減速用の軸方向の電界を形成するために、ガイド24の1つまたは複数のセグメント26は、別のDC静電位に設定することができる。DC 電位の設定は、軸方向に減速場をもたらすが、ガイド24によって生成されるRF場は、必要なイオン閉込め電位場(confining potential field)を提供し、それにより、イオンは、セグメント化されたイオンガイド24の中心に沿って、軸22の周りで振動してもよい。セグメント化された多重極RFイオンガイド24は図1に示されるが、ほんの1つの実行可能な実施形態に過ぎず、さらに、正味の軸方向の減速場が軸に沿って生成される限り、他の構成または幾何学的形状が可能である。
同重体セレクタ70はまた、非反応性ガスを含む与圧されたセルであることが好ましい(しかし必ずしも必要ではない)冷却器28を備え、非反応性ガス内において、与圧されたセル内でのイオンビームとの相互作用の結果、イオンエネルギーの熱化に至ることが好ましい。非反応性ガスを含むことに加えて、冷却器28は、4本、6本、8本またはそれより多くの偶数のロッド30を備えるセグメント化された多重極RFイオンガイドから成り、ロッドの各々は、ロッド30内のすべての他のセグメント32から各々電気的に絶縁された1つまたは複数のセグメント32を備える。ロッド30は、軸22の周りに対称に配置され、イオンガイド24のようにRF電位が加えられ、DC静電位がセグメント32に提供されて、イオンビーム内のイオンの基準電位を定義し、イオンビーム運動エネルギーをさらに制御する。
冷却器28は、非反応性ガスを含むような方法で格納装置34内に密封されたロッド30から成る。非反応性ガスは、格納装置34に接続された入口を介して冷却器28に引き渡される。非反応性ガスを冷却器28の内部に閉じ込めるために、ロッド30は、格納装置34から電気的に絶縁された開口板27および29によって閉じ込められた格納装置34内に収容され、格納装置34には適切な電位が加えられる。板27および29内の開口は十分に小さいので、非反応性ガスのほとんどは格納装置34から抜け出さない。開口板27および29は、イオンがRFイオンガイド28に入って出ていくように、ハウジング47の軸22に沿って位置合わせされた格納装置34の両端に配置される。格納装置34内の圧力の範囲は、通常、約1から100mトルである。
イオンは、ガイド24を離れるとき、およそ数エレクトロンボルトから数十エレクトロンボルト程度の軸方向の運動エネルギーを有する。横方向および軸方向におけるイオン運動エネルギーの分布はまた、およそ数十エレクトロンボルト程度でもよい。冷却器28の一般的な目的は、イオンの合計の運動エネルギーを熱エネルギー近く(およそ3/2kT程度であり、kはボルツマン定数であり、Tは周囲温度で通常は300Kである)までさらに低減させるために、イオンを冷却器内に含まれる非反応性の緩衝ガスと衝突させながら、イオンをRF電界内に閉じ込めることである。イオンは、非反応性ガスと衝突するとき、エネルギーを全体的に非反応性ガスに渡し、熱平衡に達するまで、それらの運動エネルギーを失う。使用してもよい非反応性ガスの例には、アルゴン、ヘリウム、キセノンなどの希ガス、ならびにN2などの非常に安定な2原子分子、およびSF6などの安定な多原子分子が含まれる。RF電界内での衝突に起因するこのイオンエネルギーの低減は、ポールトラップ(Paul trap)装置において十分に記載されてきた(Douglas and French、米国特許第4,963,736号、R.E. March and J.F.J. Todd (Eds.)、1995年、Practical Aspects of Ion Trap Mass Spectrometry: Fundamentals、Modern Mass Spectrometry Series, vol.1. (Boca Raton, FL: CRC Press))。
場合によっては、冷却器28内部のイオンの運動エネルギー、ならびに冷却器28を介するイオン伝達を制御することが望ましい。このことは、軸22に沿った下流の軸方向に冷却器28を通過するイオンを加速するための加速電界を形成するために、冷却器28の2つ以上のセグメント32を別のDC静電位に設定することによって行うことができる。
例示的な同重体セレクタ70は、冷却器28の下流に配置される反応セル36も備える。反応セル36は与圧されたセルであり、その主な目的は、検体から望ましくない同重体干渉物を分離する反応を誘起するために、イオンを反応性ガスと相互作用させながら、イオンを効率的に閉じ込め伝達することである。反応セル36は、4本、6本、8本またはそれより多くの偶数のロッド38から成るセグメント化された多重極RFイオンガイドを備え、各ロッドは、格納装置42の内部に収容される1つまたは複数のセグメント40を備え、DC 電圧およびRF電圧が冷却器28と同様にロッド38に加えられることが好ましい。
反応性ガスを反応セル36内部に閉じ込めるために、格納装置34から電気的に絶縁され、適切な電位が加えられる開口板37および39を使用して、格納装置34内のロッド30と同様に、ロッド38が格納装置42内に収容される。開口板37および39は、軸22に沿って位置合わせされた格納装置42の入口および出口の開口に配置される。
反応性ガスは、格納装置42に接続された入口を介して反応セル36に導入される。反応性ガスは、板37および39内の反応セル36の入口および出口の開口を介して反応セル36から漏れ出すとき、次いでポンプ48により直ちに排出される。この場合、圧力の範囲はまた、通常1から100mトル以内であるが、反応の性質に応じて、それよりも高いまたは低い圧力を使用してもよい。反応性ガスは、NO2、または36Clを選択的に伝達するための緩衝ガスと反応性ガスの組合せ、あるいは具体的ではないが、適切な反応速度をもたらすどんな反応性ガスから成ってもよい。
このような格納装置34または42は費用対効果が大きいが、他の構成が可能であり、たとえばロッド30または38は、コンダクタンスを制限し、それにより開口の必要性を低減させるような方法で、配置され構成されてもよい。
次に、具体的に反応セル36内の反応を見ると、特定の反応に特有の事前に選択されたイオンビーム運動エネルギーで、熱化されたイオンビームが反応セル36に入る。たとえば、
S-+NO2→S+NO2 - (1)
Cl-+NO2→Cl+NO2 - (2)
の上記の例では、2つの反応(1)および(2)は非常に異なる。反応(1)は、約0.2eVの発熱性であり、近共鳴電荷移動機構(near-resonant charge transfer mechanism)を介して発生し、反応を生じるのに、衝突相手同士のS-とNO2の余分な相対運動エネルギーはほとんど必要とされない。反応(2)は、約1.34eVの吸熱性であり、1.34eV近くまたはそれを超える、衝突相手同士のCl-とNO2の相対運動エネルギーを必要とする、非共振性の電荷移動を受ける。
したがって、硫黄のアニオンを選択的に激減させるために、硫黄および塩素のアニオンが、1.3eVよりも大幅に小さく、好ましくは0.5eVよりも小さい相対運動エネルギーで反応セル36に入るように、相対運動エネルギーが制御される。他の反応は、それよりも多くのまたは少ないエネルギーによって変化してもよい。
質量、速度がmi、viのイオン、および質量、速度がmg、Vgのガス種の合計の運動エネルギーは次式の通りである。
Figure 2008518214
相対運動エネルギーおよび質量中心のエネルギーに関する計算は次式の通りである。
Figure 2008518214
したがって、反応セル36内のイオンおよびガスの運動エネルギーを制御することにより、反応に利用可能な相対運動エネルギーを制御することができる。
上記の例については、ガス状のNO2は300℃近くに保たれ、入力イオンビームに対して、ほぼ静止している。冷却器28のロッド30と反応セル36のロッド38のDC静電位の差を制御することにより、反応セル36に入るイオンの運動エネルギーが制御される。具体的には、冷却器28のセグメント32と反応セル36のセグメント40との間のDC静電位の差によって定義される軸方向の運動エネルギーと、冷却器28の非反応性ガスの周囲温度によってほぼ決定される熱運動エネルギー分布で、イオンは反応セル36に入る。
たとえば、ロッド30上のDC静電位がE1であり、ロッド38上の静電位がE2である場合、イオンビーム内の単一電荷(z=1)のイオンの実験室系の運動エネルギーは、大ざっぱに(E1-E2)eV である(より一般的には、n個の電荷、z=nのイオンについては、実験室系の運動エネルギーはn×(E1-E2)である)。このようにして、相対運動エネルギーを正確に調整し、最適の選択度を可能にしてもよい。場合によっては、運動エネルギー内の軽微な変化は、大きなインパクトを持ち、たとえば吸熱(endothermicity)におけるほんの小さな差によって異なる反応の選択となる。したがって、ある範囲にわたってイオンエネルギーに段階的に傾斜をつけること、またはあらかじめ対象となる反応に対して実験室系の衝突エネルギーを較正することは、有用であってもよい。
ガイド24内のロッド25のセグメント26について前述したのとやはり同様の方式で、ロッド38の1つまたは複数のセグメント40を別の静電位に設定することにより、反応セル36内部のイオンビーム運動エネルギー、ならびに反応セル36を介するイオン伝達の制御を行うことができる。このことは、たとえば反応に先立って反応物質に内部エネルギーを加えるための加熱に対して、追加の手段を提供する。
格納装置34、冷却器28および反応セル36の格納装置42の、入口および出口の開口板27、29、37および39は、入口レンズおよび出口レンズの役割を果たしてもよい。これらのレンズは、冷却器28および反応セル36を介するイオン伝達効率を最適化するために使用してもよい。
場合によっては、格納装置34または42内に一時的にイオンを捕捉するために、時間変化する電位を開口板27、29、37または39に加えて、入口および出口に一時的な反発電位(repelling potential)を提供してもよい。場合によっては、時間変化する電位はまた、冷却器28内のロッド30の1つまたは複数のセグメント32、または反応セル36内のロッド38のセグメント40に加えて、格納装置34または42内に一時的な反発電位を提供してもよい。このようにイオンガイド内でイオンを静電的に捕捉することは、当技術分野では一般的であり、反応時間のさらなる制御を可能にすること、または、たとえば追加の質量選択性の励起手段(mass-selective excitation means)と併用してイオンビーム内のイオンのさらなる操作を可能にすること、あるいはパルスイオンビームを出口で提供することを含む目的のために、イオンガイド内での滞留時間を制御する。
たとえば、時間変化する電位は、レンズ37およびレンズ39上に設定されて、反応セル36内のイオンを質量選択的に励起するための時間を提供してもよい。最初に、期間τ1の間、イオンが格納装置42に入ることができるようにするために、電位が加えられてもよい。次いで、時間τ2の間、格納装置34内で一時的にイオンを減速または捕捉するための反発電界(repulsive electric field)を提供するために、電位が加えられる。この時間の間、質量選択性加熱、質量選択性排出、または同様のものを含む励起方法を適用してもよい。最後に、イオンを前方に加速し、次いで格納装置34の出口からイオンを排出するために、電位をレンズ39上に設定してもよい。冷却器28の板27および29上の、時間変化する電位は、反応セル36の板37および39上の、時間変化する電位と同期して、たとえば最大のデューティサイクルを実現することができる。
四重極型RFイオンガイドを使用する質量選択性の励起手段は、当技術分野では一般的であり、特定の質量電荷比のイオンを共振励起または排出するために、補助的な周波数を加えること、あるいは分離DC電位(resolving DC potentials)などを加えることを含む(Dawson P H (ed)、Quadrupole Mass Spectrometry and Its Applications (American Institute of Physics Press、Woodbury、NY、1995年)。これらは、冷却器28内のロッド30または反応セル36内のロッド38に加えられてもよく、冷却器28または反応セル36内のイオンの静電的な捕捉を用いるまたは用いない質量選択性排出、質量選択性衝突誘起解離、または質量選択性RF加熱を含むがそれらに限定されない利益をもたらすが、イオンの捕捉は、滞留時間の最適制御にとっては、しばしば好ましい。
冷却器28と反応セル36の間での追加の排気を可能にするために、追加のイオンガイディング装置35が、イオン冷却器28と反応セル36の間に配置されてもよく、図1において、補助のRFイオンガイドとして示されることが好ましいが、1つまたは複数の静電レンズのセットを備えてもよい。
例示的な同重体セレクタ70には、質量セレクタ(分離器)44も含まれ得る。反応セル36を出るイオンビームは、第1の質量分析器の後で、反応セル36を含め、分析器から下流側の構成部品のいずれにおいても形成される潜在的に有害なイオンを依然として含んでもよく、反応セル36は、セレクタ70の下流でさらなる干渉物を生成してもよい。質量セレクタ44は、事前設定された質量数のイオンをフィルタにかけ、それらをセレクタ44の下流に続くギャップ電極46に送り、セレクタ44において、通常は事前に選択された質量範囲が伝達される。したがって、下流で反応することができ、不利なことに同重体干渉物を形成する水素化物などの分子イオンが選び出されることになる。
質量セレクタ44は、好ましくは四重極型RFイオンガイド、またはRF/DC分離四重極(resolving quadrupole)内での付加的な励起によって、選択的伝達を実現するが、他の形態の質量選択性フィルタも可能である。四重極型RFイオンガイドにおける質量選択の理論はよく知られており、このような装置は実際に広く使用される(Dawson P H (ed)、Quadrupole Mass Spectrometry and Its Applications (American Institute of Physics Press、Woodbury、NY 1995年)。これらの質量セレクタの動作原理は、四重極場内での荷電粒子の動きに基づく。このイオンの動きは、イオンの質量電荷比(m/z)、および加えられるRFおよびDCの電圧の振幅を含むいくつかのパラメータに基づいて、安定または不安定のいずれかとすることができる。用途によっては、この段階の後に、さらなる質量選択は必要とされなくてもよい。
RFイオンガイド24、冷却器28、イオンガイディング装置35、反応セル36、および質量セレクタ44は、1〜10×10-5トル近くの圧力を得るために、真空ポンプ48によって排気される真空ハウジング47内に密封される。セレクタ70の下流および上流で追加の排気を使用する場合、より強い圧力が可能である。
セグメント化されたイオンガイド24、冷却器28、反応セル36および質量セレクタ44内の多重極RFイオンガイドの幾何学的形状は、同様の機能を提供しながら、図1に示される形状から変更されてもよいことが当業者には自明となろう。たとえば、ビームをもう1つのの軸の方にわずかに向けると有利になることがある場合、多重極RFイオンガイドのロッドはまっすぐでなく、代わりに、傾けられてもまたはオフセットされてもよい。セグメント化されたイオンガイド24のロッド25の各セグメント26、および冷却器28内のセグメント化されたイオンガイドのロッド30の各セグメント32はまた、様々なセグメントについてV2に比例する閉込めポテンシャルを選択するために、それらに加えられる別のRF電圧レベルVを有してもよい。
ガイド24、冷却器28および反応セル36は、好ましい実施形態として、セグメント化された多重極RFイオンガイドを備えるが、RF電界内に同様にイオンを含む他の幾何学的形状または構成も可能であることが、当業者には理解されよう。たとえば、RFおよびDCの電圧が加えられる一連のリング電極を備えるRFイオンガイドを使用してもよい。内径が次第に小さくなる一連の開口板から成るイオンファンネル(ion funnel)を使用してもよい。セグメントではなく、加えられる交流RFとともに軸の周りに配置される一連の円盤を使用してもよい。
ワイヤの1つまたは複数のセグメント、あるいは多重極の隣接する各ロッド間に配置されるくさびなど、軸方向の場を提供するための、ロッドのセグメント以外の手段を提供することにより、ガイド24、冷却器28または反応セル36を介してイオンエネルギーを制御することも可能である。
非反応性および反応性ガス内のイオン、分子または原子の運動エネルギーまたは内部エネルギーをさらに制御することにより、反応のために使用可能なエネルギーをさらに低減または増大させることは、時々有利になることがある。たとえば、格納装置34および42は、さらに冷却するための冷却手段を含んでもよい。他の例として、格納装置34または42は、分子イオンの振動または回転の内部モードに周波数出力が一致したレーザまたはランプの光源などの選択的加熱源、または加熱コイルなどの非選択的加熱源を含んでもよい。
反応物質は、通常は中性ガスであるが、ガス状イオン、光子、電子、または陽電子を含むがそれらには限定されない他の反応物質を使用することは、時々有利になることがある。
反応セル36内での選択的反応を高めてもよい前駆体反応を導入するための前駆体反応(precursor reaction)手段を設けることは、時々有利になることがある。たとえば、反応セル36内の反応を誘起するため、または高めるために、前駆体反応物質は、冷却器28または反応セル36の格納装置34または42に取り付けられた入口を介して組み込まれてもよく、電子、イオン、表面、光子、陽電子、または追加のガスを含むがそれらには限定されない。同様に、反応物質は、イオンガイディング装置35に導入されてもよい。同重体セレクタ70が、反応セル36に対して前駆体反応セルの役割を果たす追加の反応セルを含むことは、有利になることがある。
次に、従来の加速器質量分析の用途に戻ると、一連のギャップ電極46は、ハウジング47の端に配置されて、反応セル36および質量セレクタ44から出る選択されたイオンを、加速質量分析計の加速器および高エネルギー分析器セクション50の受入れに一致するのに適したエネルギーまで、軸方向に再加速する(通常は20〜40keV)。加速器および高エネルギー分析器、セクション50を介して、検出器52に至るイオン経路は、真空ハウジング64内に含まれ、1つまたは複数の真空ポンプ66によって排気される。
ギャップ電極20と一連のギャップ電極46の間の真空ハウジング47のセクション、およびその中に配置されたすべての構成部品(24〜44)は、-Eo近くに高められた負のDC 電位Vに保持される。セグメント化されたRF多重極イオンガイド24用の電源および制御電子装置、および冷却器28および反応セル36内に含まれる装置は、この電位を基準にする。それらの装置は、絶縁トランスを介して電力を受け取り、光ファイバリンクを介して制御信号を受け取る。
前述の通り、ハウジング47内の真空は、大容量の真空ポンプ48によって排気されて、ハウジング内の残留ガス圧力を最小限に抑え、したがって、イオンビームの望ましくない散乱を低減させる。次いで、イオンは、加速質量分析計50の残りの部分を介して進む。加速質量分析計は、通常、エネルギーEa(通常は0.5から10Mevの間)への加速、負のイオンから正のイオンへの電荷変化(典型的な電荷状態nは、1≦n<原子核上の電荷Zである)、n×Eaのエネルギーを加えるためのさらなる加速、ならびにさらなる電気的および/または磁気的な分析を含む。
加速質量分析計の最終要素は、低圧力ガスおよび電荷収集電極を含む室を備える、ガスイオン化検出器52である。選択されたイオンは、検出器52に入るとき、ガス中で失うエネルギーに比例する電子の電荷を生成する。この電荷を集めることによって生じる信号は、イオンの存在を示し、何らかの識別情報を提供する。
図1において全体的に60で示されるような加速質量分析計は、製造時に、同重体セレクタ70を直接組み込んで製造されてもよいことが理解されるであろう。あるいは、既存の加速質量分析計は、同重体セレクタユニット70を備えるように改造されてもよい。これらのユニットは、モジュールとして構成されてもよく、既存の質量分析計に改造して取り付けられてもよい。
イオン検出器と組み合わされた同重体セレクタ70は、何らかの用途に適した質量分析計として、あるいはイオントラップ、単一または3重の四重極質量フィルタシステム、扇形磁場型、ICR セル、または飛行時間型を含む、他の質量分析計システム内の構成部品として独立していてもよく、加速質量分析計での同重体選択に限定されないことが、当業者には理解されるであろう。スパッタリング、コンパクトマイクロ波、誘導結合プラズマ、マトリックス支援MALDI などのイオン源が、適していることもある。
イオンビームを減速させ、熱化するための一実施形態は前述の通りであるが、一連の減速装置は、いくつかの方式で構成できることが理解されるであろう。たとえば、各反応を区別するために反応種が大きな熱化を必要としない場合、または反応効率に影響を与えることなく熱化衝突を確実にするような方法で、与圧された反応セル内のガスを非反応性ガスと混合することができる場合、場合によっては、冷却器28は必要でなくてもよい。さらに、たとえば、初期イオンビーム内のイオンを解離することが非常に難しい場合、イオンガイド24を必要とせずにイオンビームを効率的に減速させることが可能であってもよい。さらに、場合によっては、冷却器28は、与圧されずに、代わりに排気されて、反応セル36の前に追加の補助イオンガイドを設けてもよいことが理解されるであろう。
共鳴励起、境界活性励起(boundary-activated excitation)、またはRF/DCフィルタリングなどの質量選択性手段を、排気された冷却器28に適用して、イオンビームのm/zをさらに事前選択してもよい。質量選択性手段は、補助の前駆体反応セルおよびイオンガイディング装置35に適用してもよい。
次いで、より具体的には、前述の通り、希少36Cl-放射性同位元素を、その36S-原子同重体から分離するために、NO2(反応セル36内に含まれる反応性ガス)が存在する場合、制御されたイオンビーム運動エネルギーを使用して、Cl-を上回ってS-を選択的に激減させることができる。というのも、両方のイオンは、NO2ガスとの電荷移動を受けるが、異なる速度で行われるからである。前述の反応は、以下の通りである。
S-+NO2→S+NO2 - (1)
Cl-+NO2→Cl+NO2 - (2)
イオン源10は、塩素のアニオン、ならびにサンプル中の汚染物質として存在してもよいあらゆる硫黄のアニオンのビームを生成する。これらのイオンは、エネルギーE0を有し、通常は20から40keVの間である。磁石12は、イオンビーム内のイオンを質量で分離し、したがって、質量35および質量37の塩素の豊富な同位元素は、軸外しファラデーカップに送られ、質量36のイオンは、同重体分離器の軸22に沿って送られる。このイオンビーム内の微少な偏向は、水平および垂直の舵取り板16によって補正される。
次に、36Cl-放射性同位元素および同重体干渉物36S-を含むイオンビーム運動エネルギーは、最初、ギャップレンズ20内で、E0からE1、通常は数キロボルトに低減させられ、この減速が発生しながら、ギャップレンズ20の円錐形は、減速器イオンガイド24への入口においてビームを同重体分離器の軸に集束し、出口におけるイオンの運動エネルギーをE2、通常は〜10eVに低減させる。イオンは、それらの運動エネルギーの分布を依然として保持しているので、冷却器28を介して送られ、冷却器28において、非反応性の緩衝ガスとの制御された衝突により、イオンの軸方向および横方向の運動エネルギー分布が、両方ともエネルギーE3まで低減させられる。
次いで、イオンは反応セル36に入り、そこで、イオンの実験室系の運動エネルギーE4は、冷却器28の下流セグメント32と反応セル36の上流セグメント40の間の電圧差によって定義され、ほぼ0.5eVの相対運動エネルギーを生じるように事前選択される。硫黄のアニオンは、二酸化窒素ガスとの電荷中和反応を受けて、イオンビームから取り除かれるが、塩素のアニオンは減衰させられない。次いで、ビームは、反応セル36内の下流セグメント40と質量セレクタ44の間の電圧差によって定義されるエネルギーE5で、質量分離器44に入る。この場合、イオン源10内のサンプルを起源とした、または反応セル36内の2次反応によって生成された、他のどんな汚染物質イオンも取り除かれる。次いで、イオンは、ギャップレンズ46を介して再加速され、質量分析計の加速器および高エネルギー分析器セクション50の残りの部分に注入される。
セクション50は、さらなるどんな分子干渉物をも取り除き、追加の質量およびエネルギーの分析を実行して、このような分子の断片を取り除く。次いで、希少(36Cl)イオンは、ガスイオン化検出器52でカウントされる。
同重体セレクタ70は、四重極質量フィルタ、飛行時間型、四重極イオントラップ、オービトラップ型(Orbitrap)、扇形磁場型、およびフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴を含む、様々なタイプの質量分析器の上流に挿入できることが理解されるであろう。質量分析計に入るイオンビームの速度および位置が、質量分析計の受入れ基準に一致する限り、セレクタ70は、スパッタリング、コンパクトマイクロ波、誘導結合プラズマ、エレクトロスプレー、マトリックス支援レーザ脱離イオン化、電子サイクロトロン共鳴など、いくつかのイオン源と結合することもできる。たとえば、図2における装置600では、同重体の分離器70は、コンパクトマイクロ波イオン源72の下流に挿入され、検体およびそれらの同重体を含む陽イオンの高エネルギービームを生成する。磁石12は、イオンを質量分離し、安定同位元素は、軸外しファラデーカップ14に送られるが、検体および同重体イオンは、軸22に沿って送られ、水平および垂直の舵取り板16によって補正される。
イオンビーム運動エネルギーは、ギャップレンズ20、減速器イオンガイド24、および冷却器28の組合せを使用して低減させられる。次いで、イオンは、制御されたイオン運動エネルギーで反応セル36に入り、そこで同重体が選択的に激減させられる。次いで、伝達された検体イオンは、RF四重極前置フィルタ74およびRF四重極質量フィルタ76として本明細書に示される質量分析器を通過させられる。次いで、検体イオンは、電子増倍管または非常に低い暗電流の検出器、あるいは、必要ならば、簡略化されたシングルエンド形(高電圧デッキ(high voltage deck)に取り付けられたガスイオン化検出器を含む)、またはタンデム型のAMS システムの構成部品から成る検出器78によって検出される。
本明細書では、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(including)」、および「含む(includes)」は、包括的であり制限がなく、また排他的ではないと解釈すべきである。具体的には、特許請求の範囲を含む本明細書において使用されるとき、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(including)」、および「含む(includes)」、ならびにそれらの変形は、指定された特徴、ステップ、または構成部品が含まれることを意味する。これらの用語は、他の特徴、ステップ、または構成部品の存在を除外するものと解釈すべきではない。
本発明の好ましい実施形態の前述の説明は、本発明の原理を示すために提示されてきたものであり、本発明を、示される特定の実施形態に制限するものではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲、およびそれらの均等物に含まれる実施形態のすべてによって定義されるものである。
加速器質量分析(AMS)において、同重体干渉物の強度を低減させることにより、同位元素を分離する機器を示す図である。 分離器の下流にあり、適当な低暗電流検出器が後に続く、通常の四重極型質量分析器を使用して、高エネルギーイオン源からの同重体干渉物の強度を低減させることにより、同位元素を分離する機器を示す図である。

Claims (86)

  1. a)入口および出口を有し、入口はイオンのビームを受け取るためのものであるハウジングと、
    b)前記ハウジング内の前記入口の下流に配置されるイオンエネルギー低減手段であって、そこを通過する前記イオンビームのイオンビーム運動エネルギーを、事前に選択された運動エネルギーまで低減させる手段と、
    c)前記イオンビームを受け取るための入口、および前記イオンビームが出る出口を有し、i)前記イオンビーム内に存在する同重体を反応させ、それにより前記イオンビーム内の前記検体イオンに対して前記同重体を激減させること、およびii)前記検体を反応させ、それによりそれらの質量対電荷の値を前記同重体の質量対電荷の値から離れた値にシフトすることのうちの1つにより、各検体をそれらの同重体干渉物から選択的に分離するように選ばれる反応性ガスを含む、前記エネルギー低減手段の下流に配置される反応セルと
    を備える、検体イオンを原子または分子の同重体イオンから分離する機器。
  2. 前記イオンエネルギー低減手段は、初期運動エネルギーが100eVから100KeVの範囲にあるイオンの前記ビームの前記運動エネルギーを低減させる手段を含む、請求項1に記載の機器。
  3. 前記イオンエネルギー低減手段は、初期運動エネルギーが10KeVから50KeVの範囲にあるイオンの前記ビームの前記運動エネルギーを低減させる手段を含む、請求項1に記載の機器。
  4. 質量分離器は、前記反応セル内の出口の下流、および前記出口の上流に配置される、請求項1、2または3に記載の機器。
  5. 前記ハウジング内の前記入口の下流に配置される前記エネルギー低減手段は、前記イオンを減速させるために電位がその両端に加えられるギャップ電極を備える、請求項1、2、3または4に記載の機器。
  6. 前記ギャップ電極は、前記入口に隣接して配置される円錐形の電極部材を備え、前記円錐形の電極は、各イオンがその電位を横切って前記ギャップ電極の軸に向かうように前記イオンを集束するよう配置され、前記イオンビームは、前記ギャップ電極の前記軸に沿って送られる、請求項5に記載の機器。
  7. 前記エネルギー低減手段は、高周波(RF)イオンガイドを備え、前記RFイオンガイドは、前記RFイオンガイドを介して前記下流方向の軸方向に進む前記イオンビーム内の前記イオンを減速させる軸方向の減速電界を形成するための電圧源を備え、前記RFイオンガイドは、閉込め電位場を提供するためのRF電界を生成する、請求項1に記載の機器。
  8. 前記RFイオンガイドは、多重極RFイオンガイドである、請求項7に記載の機器。
  9. 前記多重極RFイオンガイドは、前記軸方向の減衰電界を形成するために、事前に選択されたDC静電位を各セグメントに加えるためのDC電圧源を含み、前記閉込め電位場を生成するために、RF電圧を各多重極イオンガイドセグメントに加えるためのRF電圧源を含む、事前に選択された数の多重極イオンガイドセグメントを備える、請求項8に記載の機器。
  10. 前記エネルギー低減手段は、入口および出口を有するイオンガイド格納装置内に配置される高周波(RF)イオンガイドを備え、前記RFイオンガイドは、閉込め電位を生成するために、事前に選択されたDC静電位およびRF電界を前記イオンガイドに加えるための電圧源を備え、前記イオンガイド格納装置は、非反応性ガスを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の機器。
  11. 前記格納装置は、前記イオンビーム運動エネルギーをさらに制御するために、前記格納装置の温度を制御するための温度制御装置を備える、請求項10に記載の機器。
  12. 前記RFイオンガイドは、多重極RFイオンガイドである、請求項10または11に記載の機器。
  13. 前記多重極RFイオンガイドは、事前に選択された数の多重極イオンガイドセグメントを備えるセグメント化された多重極RFイオンガイドであり、前記電圧源は、事前に選択されたDC静電位を各セグメントに加えるためのDC 電圧源を備え、前記電圧源は、前記閉込め電位場を生成するために、RF電圧を各多重極イオンガイドセグメントに加えるためのRF電圧源を備える、請求項12に記載の機器。
  14. 前記ハウジングは、前記反応セルの前記入口に隣接して配置される少なくとも1つガイディング手段を備える、請求項1から13のいずれか一項に記載の機器。
  15. 前記少なくとも1つのガイディング手段は、静電レンズおよび多重極RFイオンガイドのうちの1つである、請求項14に記載の機器。
  16. 前記反応セルは、反応セル内に配置される高周波(RF)イオンガイドを備え、前記RFイオンガイドは、閉込め電位場を生成するために、事前に選択されたDC静電位およびRF電界を前記イオンガイドに加えるための電圧源を備える、請求項1から15のいずかれ一項に記載の機器。
  17. 反応セルは、前記イオンビーム運動エネルギーをさらに制御するために、前記格納装置の温度を制御するための温度制御装置を備える、請求項1から16のいずれか一項に記載の機器。
  18. 前記反応セルは、反応を生成または促進するために、追加の反応前駆体(reaction precursors)を導入するための手段が提供される、請求項1から17のいずれか一項に記載の機器。
  19. 前記追加の反応前駆体には、電子、イオン、光子、陽電子、またはガスが含まれる、請求項18に記載の機器。
  20. 前記反応セル内の前記RFイオンガイドは、多重極RFイオンガイドである、請求項16に記載の機器。
  21. 前記多重極RFイオンガイドは、事前に選択された数の多重極イオンガイドセグメントを備える、セグメント化された多重極RFイオンガイドであり、前記電圧源は、事前に選択されたDC静電位を各セグメントに加えるためのDC 電圧源を備え、前記電圧源は、前記閉込め電位場を生成するために、RF電圧を各多重極イオンガイドセグメントに加えるためのRF電圧源を備える、請求項20に記載の機器。
  22. 反応セルは、前記反応性ガスに加えて非反応性ガスを含む、請求項1から21のいずれか一項に記載の機器。
  23. 前記高周波(RF)イオンガイドは、第1の高周波(RF)イオンガイドであり、前記エネルギー低減手段は、入口および出口を有するイオンガイド格納装置内、および前記第1の高周波(RF)イオンガイドの下流に配置される第2の高周波(RF)イオンガイドを備え、前記第2のRFイオンガイドは、閉込め電位場を生成するために、事前に選択されたDC静電位およびRF電界を前記第2のRFイオンガイドに加えるための電圧源を備え、前記イオンガイド格納装置は、前記イオンの前記運動エネルギーをさらに低減させ、または制御するための非反応性ガスを含む、請求項7に記載の機器。
  24. 前記反応セル内に配置された第3の高周波(RF)イオンガイドを備え、前記第3のRFイオンガイドは、閉込め電位場を生成するために、事前に選択されたDC静電位およびRF電界を前記第3のイオンガイドに加えるための電圧源を備える、請求項23に記載の機器。
  25. 前記第1、第2および第3のRFイオンガイドは、多重極RFイオンガイドである、請求項24に記載の機器。
  26. 前記第1、第2および第3の多重極RFイオンガイドは、各々が事前に選択された数の多重極イオンガイドセグメントを備える、セグメント化された多重極RFイオンガイドであり、事前に選択されたDC静電位およびRF電界を、前記第1、第2、第3のイオンガイドに加えるための前記電圧源は、前記閉込め電位場を生成するために、事前に選択されたDC静電位およびRF電界を、前記第1、第2および第3のイオンガイドの各々の前記多重極イオンガイドセグメントの各セグメントに加える、請求項25に記載の機器。
  27. 事前に選択されたDC静電位を前記第2の多重極イオンガイドの各多重極イオンガイドセグメントに加えるための前記DC 電圧源は、事前に選択された反応エネルギーを提供するために、事前に選択されたDC静電位を前記第3の多重極RFイオンの各多重極イオンガイドセグメントに加えるための前記DC 電圧源を基準とする、請求項26に記載の機器。
  28. 前記事前に選択された反応エネルギーは、1つまたは複数の範囲にまたがって傾斜がつけられる、請求項27に記載の機器。
  29. 前記ハウジングは、前記第2のイオンガイドの前記格納装置の前記出口と、前記反応セルの前記入口との間に配置される、前記イオンビームを案内するための、少なくとも1つのガイディング手段を備える、請求項24に記載の機器。
  30. 前記少なくとも1つのガイディング手段は、静電レンズおよび第4の多重極RFイオンガイドのうちの1つである、請求項29に記載の機器。
  31. 前記イオンガイド格納装置は、室部分、および前記室部分の各端に1枚配置される対向した端板を備え、前記端板は、前記室部分から電気的に絶縁され、前記対向した端板は、その中に開口を有し、前記開口は、前記イオンビームの軸を定義する前記室の軸に沿って位置合わせされ、前記開口のうちの1つは、前記イオンガイド格納装置への前記入口であり、前記もう一方の開口は、前記イオンガイド格納装置からの前記出口であり、事前に選択された電位を前記対向した端板に加えるように構成された追加の電源を備える、請求項23に記載の機器。
  32. 前記第1の高周波(RF)イオンガイド、前記イオンガイド格納装置内に配置される前記第2の高周波(RF)イオンガイド、および前記反応セルは、前記ハウジング内の真空を生成するための排気手段を備える前記ハウジング内に取り付けられる、請求項24に記載の機器。
  33. 前記反応セルは、室部分、および前記室部分の各端に1枚の端板を配置される対向した端板を備え、前記端板は、前記室部分から電気的に絶縁され、前記対向した端板は、その中に開口を有し、前記開口は、前記イオンビームの軸を定義する前記室の軸に沿って位置合わせされ、前記開口のうちの1つは、前記反応セルへの前記入口であり、前記もう一方の開口は、前記反応セルからの前記出口であり、事前に選択された電位を前記対向した端板に加えるように構成された追加の電源を備え、前記端板は、前記イオンガイド格納装置および前記反応セルを出入りする前記イオンビームを案内するための入口および出口のレンズの役割を果たすように構成される、請求項24に記載の機器。
  34. 前記追加の電源は、捕捉および排出の電圧波形を、前記反応セルの前記端板のうちの前記1つまたは両方に加えるように構成される、請求項33に記載の機器。
  35. 前記追加の電源は、捕捉および排出の電圧波形を、前記イオンガイド格納装置の前記端板のうちの前記1つまたは両方に加えるように構成される、請求項31に記載の機器。
  36. 事前に選択されたDC静電位およびRF電界を、前記第2および第3のイオンガイドに加えるための前記電圧源は、捕捉および排出の電圧波形を、前記イオンガイド格納装置および前記反応セルの前記入口および出口に、同期したやり方で加えるように構成される、請求項33に記載の機器。
  37. 前記反応セルの下流の前記ハウジング内に配置され、事前設定された質量数のイオンをフィルタリングし、それらのイオンを前記ハウジングの前記出口に送るための質量セレクタを備える、請求項24に記載の機器。
  38. 前記質量セレクタの下流に配置され、前記イオンビーム内の前記イオンを事前に選択された平均運動エネルギーレベルまで再加速するためのギャップ電極を備える、請求項37に記載の機器。
  39. 検体イオンを含む前記イオンビームを生成するためのイオン源と、前記イオン源によって生成されるイオンの中より事前設定された質量数(質量/電荷)を有するイオンをフィルタリングして磁石を通過させるための磁気フィルタと、前記検体イオンおよびそれらの同重体を含む前記フィルタリングされたイオンビームを受け取るように配置された前記ハウジングの前記入口と、加速器および高エネルギー分析セクションに注入するために、前記イオンビーム内の前記イオンを事前に選択された平均運動エネルギーレベルに再加速するための、前記反応セルおよび質量分離器の下流の前記出口に配置されたエネルギー増大手段を備える前記ハウジングと、どんな残留分子同重体をも破壊し、低暗電流検体イオン検出を提供するための、前記第1のハウジングの前記出口から下流に配置された検出手段とを備える加速質量分析計に挿入される、請求項1から38のいずれか一項に記載の機器。
  40. 前記イオン源は、スパッタ源、電子サイクロトロン共鳴源、およびコンパクトマイクロ波源から成るグループから選ばれる、請求項39に記載の機器。
  41. 前記イオンビームのm/zを事前選択すること、質量選択性の排出、質量選択性の衝突誘起解離、および質量選択性のRF加熱を行うことのうちの1つまたは複数を行うために、追加の質量選択性の励起手段が前記多重極RFイオンガイドに加えられ、前記追加の質量選択性の励起手段は、共鳴励起、境界活性励起、およびRF/DCフィルタリングのうちのいずれか1つまたは組合せを含む、請求項12に記載の機器。
  42. 前記多重極RFイオンガイドは、四重極型RFイオンガイドである、請求項12に記載の機器。
  43. 前記イオンビームのm/zを事前選択すること、質量選択性の排出、質量選択性の衝突誘起解離、および質量選択性のRF加熱を行うことのうちの1つまたは複数を行うために、追加の質量選択性の励起手段が前記四重極型RFイオンガイドに加えられ、前記追加の質量選択性の励起手段は、共鳴励起、境界活性励起、およびRF/DCフィルタリングのうちのいずれか1つまたは組合せを含む、請求項42に記載の機器。
  44. 前記イオンビームのm/zを事前選択すること、質量選択性の排出、質量選択性の衝突誘起解離、および質量選択性のRF加熱を行うことのうちの1つまたは複数を行うために、追加の質量選択性の励起手段が前記セグメント化された多重極RFイオンガイドに加えられ、前記追加の質量選択性の励起手段は、共鳴励起、境界活性励起、およびRF/DCフィルタリングのうちのいずれか1つまたは組合せを含む、請求項13に記載の機器。
  45. 前記多重極RFイオンガイドは、四重極型RFイオンガイドである、請求項13に記載の機器。
  46. 前記イオンビームのm/zを事前選択すること、質量選択性の排出、質量選択性の衝突誘起解離、および質量選択性のRF加熱を行うことのうちの1つまたは複数を行うために、追加の質量選択性の励起手段が前記四重極型RFイオンガイドに加えられ、前記追加の質量選択性の励起手段は、共鳴励起、境界活性励起、およびRF/DCフィルタリングのうちのいずれか1つまたは組合せを含む、請求項45に記載の機器。
  47. 前記イオンビームのm/zを事前選択すること、質量選択性の排出、質量選択性の衝突誘起解離、および質量選択性のRF加熱を行うことのうちの1つまたは複数を行うために、追加の質量選択性の励起手段が前記多重極RFイオンガイドに加えられ、前記追加の質量選択性の励起手段は、共鳴励起、境界活性励起、およびRF/DCフィルタリングのうちのいずれか1つまたは組合せを含む、請求項16に記載の機器。
  48. 前記多重極RFイオンガイドは、四重極型RFイオンガイドである、請求項16に記載の機器。
  49. 前記イオンビームのm/zを事前選択すること、質量選択性の排出、質量選択性の衝突誘起解離、および質量選択性のRF加熱を行うことのうちの1つまたは複数を行うために、追加の質量選択性の励起手段が前記四重極型RFイオンガイドに加えられ、前記イオンビームのm/zをさらに事前選択する選択的励起手段は、共鳴励起、境界活性励起、およびRF/DCフィルタリングのうちのいずれか1つまたは組合せを含む、請求項45に記載の機器。
  50. 前記イオンビームのm/zを事前選択すること、質量選択性の排出、質量選択性の衝突誘起解離、および質量選択性のRF加熱を行うことのうちの1つまたは複数を行うために、追加の質量選択性の励起手段が前記多重極RFイオンガイドに加えられ、前記追加の質量選択性の励起手段は、共鳴励起、境界活性励起、およびRF/DCフィルタリングのうちのいずれか1つまたは組合せを含む、請求項20に記載の機器。
  51. 前記多重極RFイオンガイドは、四重極型RFイオンガイドである、請求項20に記載の機器。
  52. 前記イオンビームのm/zを事前選択すること、質量選択性の排出、質量選択性の衝突誘起解離、および質量選択性のRF加熱を行うことのうちの1つまたは複数を行うために、追加の質量選択性の励起手段が前記四重極型RFイオンガイドに加えられ、前記追加の質量選択性の励起手段は、共鳴励起、境界活性励起、およびRF/DCフィルタリングのうちのいずれか1つまたは組合せを含む、請求項51に記載の機器。
  53. 前記イオンビームのm/zを事前選択すること、質量選択性の排出、質量選択性の衝突誘起解離、および質量選択性のRF加熱を行うことのうちの1つまたは複数をさらに行うために、追加の質量選択性の励起手段が前記第2および第3の多重極RFイオンガイドに加えられ、前記追加の質量選択性の励起手段は、共鳴励起、境界活性励起、およびRF/DCフィルタリングのうちのいずれか1つまたは組合せを含む、請求項25に記載の機器。
  54. 前記第2および第3の多重極RFイオンガイドは、四重極型RFイオンガイドである、請求項25に記載の機器。
  55. 前記イオンビームのm/zを事前選択すること、質量選択性の排出、質量選択性の衝突誘起解離、および質量選択性のRF加熱を行うことのうちの1つまたは複数を行うために、追加の質量選択性の励起手段が前記第2および第3の四重極型RFイオンガイドに加えられ、前記追加の質量選択性の励起手段は、共鳴励起、境界活性励起、およびRF/DCフィルタリングのうちのいずれか1つまたは組合せを含む、請求項54に記載の機器。
  56. 前記イオンビームのm/zを事前選択すること、質量選択性の排出、質量選択性の衝突誘起解離、および質量選択性のRF加熱を行うことのうちの1つまたは複数を行うために、追加の質量選択性の励起手段が前記第4の多重極RFイオンガイドに加えられ、前記追加の質量選択性の励起手段は、共鳴励起、境界活性励起、およびRF/DCフィルタリングのうちのいずれか1つまたは組合せを含む、請求項31に記載の機器。
  57. 前記第4の多重極RFイオンガイドは、四重極型RFイオンガイドである、請求項31に記載の機器。
  58. 前記イオンビームのm/zを事前選択すること、質量選択性の排出、質量選択性の衝突誘起解離、および質量選択性のRF加熱を行うことのうちの1つまたは複数を行うために、追加の質量選択性の励起手段が前記第4の四重極型RFイオンガイドに加えられ、前記追加の質量選択性の励起手段は、共鳴励起、境界活性励起、およびRF/DCフィルタリングのうちのいずれか1つまたは組合せを含む、請求項57に記載の機器。
  59. 前記ハウジングは、電子、イオン、光子、陽電子、またはガスを導入するための入口を備える前記反応セル内で選択的反応を促進するために、前駆体反応を導入するための前駆体反応手段を備える、請求項1に記載の機器。
  60. 事前に選択されたDC静電位を、前記第2のイオンガイドに加えるための前記DC電圧源は、事前に選択された反応エネルギーを提供するために、事前に選択されたDC静電位を前記第3のRFイオンに加えるための前記DC電圧源を基準にする、請求項24に記載の機器。
  61. 前記事前に選択された反応エネルギーは、1つまたは複数の範囲にまたがって傾斜がつけられる、請求項60に記載の機器。
  62. a)検体イオンを含むイオンビームを生成するステップと、
    b)前記イオンビーム内のイオンの運動エネルギーを、事前に選択された平均運動エネルギーまで低減させるステップと、
    c)i)前記イオンビーム内に存在する同重体を反応させ、それにより前記イオンビーム内の前記検体イオンに対して前記同重体を激減させること、およびii)前記検体を反応させ、それによりそれらの質量対電荷の値を前記同重体の質量対電荷の値から離れた値にシフトすることのうちの1つにより、検体をそれらの同重体干渉物から選択的に分離するように選ばれる反応ガスに前記イオンビームをさらすステップと、
    d)前記検体イオンを検出するステップと
    を含む、検体イオンを同重体から分離する方法。
  63. 前記イオンビーム内のイオンの前記運動エネルギーを、事前に選択された平均運動エネルギーまで低減させる前記ステップは、電界中で前記イオンを減速させるステップを含む、請求項62に記載の方法。
  64. 前記イオンビーム内のイオンの運動エネルギーを、事前に選択された平均運動エネルギーまで低減させる前記ステップは、前記イオンビームを放射状に閉じ込めながら、前記イオンビームを非反応性ガスにさらし、それによりエネルギー伝達衝突が、前記イオンと前記非反応性ガスの間に起きるステップを含む、請求項62または63に記載の方法。
  65. 前記イオンビーム内のイオンの運動エネルギーを事前に選択された平均運動エネルギーまで低減させる前記ステップは、100eVから100KeVの範囲の初期運動エネルギーを有するイオンの前記ビームの前記運動エネルギーを低減させるステップを含む、請求項62、63または64に記載の方法。
  66. 前記検体イオンは、放射性同位元素である、請求項62、63、64または65に記載の方法。
  67. 前記非反応性ガスおよび前記反応ガスは、共通の容積内に含まれる、請求項62、63、64、65または66に記載の方法。
  68. 前記非反応性ガスは、第2の容積内に含まれる前記反応性ガスの上流に配置される第1の容積内に含まれる、請求項62、63、64、65または66に記載の方法。
  69. 前記検体イオンを分析する前記ステップは、前記検体イオンをカウントするステップを含む、請求項62から68のいずれか一項に記載の方法。
  70. 前記反応性ガスの前記同重体との反応は、イオン分子反応、イオン/原子反応、イオン/イオン反応、イオン/電子反応、イオン/陽電子反応、およびそれらの組合せのうちの1つであり、電荷移動、電荷剥離、衝突誘起解離および結合を含む、請求項62から69のいずれか一項に記載の方法。
  71. ステップa)の後に、またステップb)に先立って、前記イオンビーム内のイオンから事前設定された質量数(質量/電荷)を有するイオンを選択するための磁気フィルタを介して、前記イオンビームを送って前記磁石を通過させ、ステップc)の後に、前記反応性ガスと前記原子同重体の間に生成される反応生成物を前記イオンビームから取り除くための質量分離器を介して、前記イオンビームを送るステップ、および前記イオンビーム内に残っている前記イオンを事前に選択された平均運動エネルギーまで再加速し、前記同重体が激減させられた前記イオンビームを、前記ビーム内に残っている前記イオンを分析するための質量分析計に送るステップを含む、請求項62から70のいずれか一項に記載の方法。
  72. 前記イオンビームは、36Cl-という放射性同位元素のイオン、およびその原子同重体36S-を含み、前記反応性ガスはNO2であり、不要な36S-原子同重体を前記イオンビームから激減させるために、前記希少36Cl-放射性同位元素の、その36S-原子同重体からの前記分離は、次式による反応を介して達成される、請求項62から71のいずれか一項に記載の方法。
    36S-+NO236S+NO2 -
  73. 前記イオンビームは、強く束縛された希少スーパーアニオンの分子アニオン、および前記スーパーアニオンの弱く束縛された同重体を含み、前記反応性ガスは、前記弱く束縛された同重体と反応し、それにより、前記イオンビームからそれらを取り除く、請求項62から72のいずれか一項に記載の方法。
  74. 前記スーパーアニオンは、スーパーハロゲン化物イオン(XFn -)である、請求項73に記載の方法。
  75. 強く束縛された希少スーパーハロゲン化物イオンの前記分子アニオンは、BeF3 -およびCaF3 -であり、前記弱く束縛された同重体のイオンは、BF3 -およびKF3 -であり、したがって、放射性同位元素10Be および41Ca は、同重体10B および41Kから分離することができる、請求項74に記載の方法。
  76. 検体イオンを含むイオンビームを生成する前記ステップは、スパッタ源、電子サイクロトロン共鳴源、コンパクトマイクロ波源から成るグループから選択されるイオン源を使用するステップを含む、請求項62から75のいずれか一項に記載の方法。
  77. 前記検体イオンは、14Cの陽イオンであり、前記反応ガスは水素であり、前記検出器は低暗電流検出器である、請求項62から76のいずれか一項に記載の方法。
  78. 前記14C の検体イオンを含む前記イオンビームは、コンパクトマイクロ波イオン源によって生成される、請求項77に記載の方法。
  79. 前記14Cの陽イオンは、マイクロドージングのプロセスにおいて、非常に低レベルの濃度で人間の患者に投与された、14C トレーサで標識付けされた医薬品を起源とし、前記14Cは、前記人間の患者の体液から得られる、請求項77に記載の方法。
  80. 前記イオンビーム内のイオンの運動エネルギーを事前に選択された平均運動エネルギーまで低減させる前記ステップは、前記イオンビームを1つまたは複数の高周波(RF)イオンガイドを介して送るステップを含み、前記1つまたは複数のRFイオンガイドは、前記1つまたは複数のRFイオンガイドを介して軸方向の下流に進む前記イオンビーム内の前記イオンを減速させるために、軸方向の減速電界を形成するための電圧源を備え、前記RFイオンガイドは、閉込め電位場を提供するためのRF電界を生成する、請求項62から79のいずれか一項に記載の方法。
  81. 前記1つまたは複数の高周波(RF)イオンガイドは、多重極RFイオンガイドである、請求項80に記載の方法。
  82. 前記1つまたは複数の多重極RFイオンガイドは、事前に選択された数の多重極イオンガイドセグメントを各々備え、前記軸方向の減衰電界を形成するために、事前に選択されたDC静電位を各セグメントに加えるステップを含み、前記閉込め電位場を生成するために、RF電圧を各多重極イオンガイドセグメントに加えるステップを含む、請求項81に記載の方法。
  83. 検体を、それらの同重体干渉物から選択的に分離するように選ばれる反応ガスに前記イオンビームをさらす前記ステップc)は、格納装置内に密封された前記1つまたは複数の多重極RFイオンガイドのうちの1つにおいて実行される、請求項81に記載の方法。
  84. 捕捉および排出の電圧波形を前記反応セルの前記格納装置に加えるステップを含む、請求項83に記載の方法。
  85. 前記格納装置内に密封された前記イオンガイドに加えられる電圧を、事前に選択された反応エネルギーを提供するために直前のイオンガイドに加えられる電圧に基準づけるステップを含む、請求項82に記載の方法。
  86. 前記事前に選択された反応エネルギーは、1つまたは複数の範囲にまたがって傾斜がつけられる、請求項85に記載の方法。
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