JP3573464B2 - 閉じ込められたイオンビームの中の選択されたイオンの強度を減少させる方法 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、概略的に言えば、キャリアガスのイオン(キャリアガス・イオン)に比較して分析されるイオン(分析物イオン)の割合が高いイオンビームを発生させる方法に関する。より詳細に言えば、本発明は、選択的に中和するキャリアガス・イオンを生じさせる工程を備えている。更に詳細に言えば、本発明は、キャリアガス・イオンからは電荷を受容するが分析物からは電荷を殆ど受容しない電荷移動ガスをキャリア/分析物の結合体に加え、これにより、キャリアガス・イオンを選択的に中和する工程を備えている。
発明の背景
多くの分析プロセス又は工業プロセスは、特定の物質又は分析物のイオンから成るビームを発生させることを必要とする。例えば、イオンビームは、イオン銃、イオン注入装置、衛星姿勢制御用イオンスラスタ、レーザ融解プルーム、並びに、線形四重極質量分析計、イオントラップ四重極質量分析計、イオンサイクロトロン共鳴質量分析計、飛行時間質量分析計及び扇形電場及び/又は扇形磁場質量分析計を含む種々の質量分析計(MS)に使用されている。そのようなイオンビームを発生させるための幾つかの機構が当業界で知られており、例えば、電子衝撃、レーザ照射、イオンスプレー(ionspray)、エレクトロスプレー(electrospray)、サーモスプレー(thermospray)、誘導結合高周波プラズマ源、グロー放電、及び、中空陰極放電が挙げられる。代表的な装置は、分析物をキャリアガス又はサポートガスと組み合わせ、分析物の輸送又はイオン化、あるいは、輸送及びイオン化の両方を行うために上記キャリアガスを利用している。
例えば、代表的な装置においては、分析物を電界の中のキャリアガスと組み合わせ、その後、上記分析物及びキャリアガスを強い電場又は磁場の中でイオン化させ、後に分析プロセス又は工業プロセスで使用する。別の代表的な装置においては、上記キャリアガスを最初に強い電場又は磁場の中でイオン化させ、その後、分析物をイオン化したキャリアガスの中に導入する。電界は、当業界で周知の種々の方法によって発生され、そのような方法としては特に限定するものではないが、静電結合及び誘導結合を挙げることができる。
誘導結合型の装置においては、無線周波数(RF)電圧を導電材料(一般的には真鍮)から成るコイルに与える。このコイルの内部では、1又はそれ以上の管が、アルゴンの如きキャリアガスと任意の物質とすることのできる分析物とを供給する。上記分析物は、種々の形態で供給することができ、そのような形態としては特に限定するものではないが、気体状の形態、液体の形態、エーロゾルの如き液滴の形態、又は、レーザ融解されたエーロゾルの形態が挙げられる。大きな電界が、上記コイルの中に生ずる。この電界の中では、あらゆる自由電子が、分析物の連鎖反応を開始させ、また、キャリアガスは、電子の喪失を生じさせ、従って、キャリアガス及び分析物のイオン化を生じさせる。特に限定するものではないが、テスラコイルの使用、グラファイト棒の使用又は電子の熱放出を含む幾つかの方法が、連鎖反応を開始させる自由電子を与える。その結果、上記自由電子とキャリアガス及び分析物の帯電した及び帯電していない種との両方から成る弱くイオン化したガス又はプラズマが発生する。このプラズマ中のキャリアガス及び分析物の両方の種は、キャリアガス及び分析物として使用されるように選択された特定の種に応じて、粒子、原子又は分子の形態として、あるいは、粒子、原子及び分子から成る混合物の形態として存在することができる。
上記キャリアガス及び分析物は、当業界で周知の種々の方法によって組み合わせることができる。例えば、上述のように、エーロゾル中の分析物及びキャリアガスを組み合わせ、その後、誘導結合高周波プラズマとしてコイルの内部に導かれる。他の代表的な装置は、液体クロマトグラフの如き供給源から分析物の液体サンプルを受け取るニードルを使用している。このニードルを管が包囲し、この管は、アルゴンの如きキャリアガスを高速で霧化するキャリアガスとして供給する。上記ニードル及び管は共に、チャンバの中に入れられている。分析物液体は、上記ニードルから放出されると蒸発して、アルゴン・キャリアガスの中に霧化する。蒸発した液体分析物及びアルゴン・キャリアガスの両方のイオンは、上記チャンバの中に電界を生じさせることにより発生される。上記電界は、上記ニードルと上記チャンバとの間に電圧差を形成することにより発生させることができる。電圧差は、上記ニードルに電圧を与えると共に上記チャンバを接地することによって、形成することができる。
上述のいずれかの方法によって発生されたプラズマは、一般的に、分析装置又は反応ゾーンに導かれ、そこでキャリアガス及び分析物イオンは、分析されるか、他の反応を生ずるか、あるいは、何等かの形態で利用される。この結果生じたプラズマは、一般的に、電場又は磁場によって、あるいは、差圧によって、若しくは、電場又は磁場及び差圧の両方によって導かれる。プラズマは、導かれる際に、プラズマからイオンビームに転換される。本明細書で使用する「イオンビーム」という用語は、正に帯電した種及び中性の種から主として構成される流れを意味する。プラズマ中の負に帯電した種の大部分は、一般的に電子であり、これら電子は、プラズマとして急速に分散し、電場又は磁場あるいは差圧によって導かれる。しかしながら、イオンビームの重要な分散が行われた後でも、負に帯電した種をイオンビームから完全に排除することはできない。プラズマが進行するに連れて、自由電子は、正に帯電したイオンよりも質量が小さいので、プラズマから分散する傾向があり、従って、プラズマをイオンビームに転換する。また、イオンビーム自体も、幾つかの効果によって、分散する傾向を有している。そのような効果の中でも最も顕著な効果は、イオンビーム中の帯電した種の斥力である。ビームも自由噴流の膨張により分散する。イオンビーム中の組成種の分散の効果は、そのような種の間の電荷分離であり、当業界では周知である。従って、その結果生じたイオンビームは、一般的に、正に帯電したキャリアガス・イオンの比較的高い存在量に主として起因する高い正の総電荷密度を有するという特徴を備えている。
多くの用途において、正に帯電したキャリアガス・イオンの存在、及び/又は、その結果生ずる高い電荷密度は、望ましくない可能性がある。例えば、分析物イオンを例えば質量分析計で分析する場合には、イオンビームを小さい開口に集中させることが望ましい場合が多い。イオンビームが開口を通して導かれるそのような装置においては、高い電荷密度は、空間電荷限界を与えられた開口を通過することのできるイオンビームの量に規定する。空間電荷限界に到達すると、残りのビームは、上記開口を通過することができなくなり、従って喪失される。多くの用途において、ビームの喪失された部分は、分析物イオンを含む。実際に、ビームの一部の喪失は、分析物イオンの一部又は全部の不均等な喪失を生じさせる。その理由は、分析物イオンは、イオンビーム全体にわたって均等に分布することができず、あるいは、キャリアガス・イオンと同じ態様で種々の分散力に応答することができないからである。
キャリアガス・イオンの存在が望ましくない別の例は、イオントラップが限定されたイオン貯蔵能力を有するイオントラップ質量分析計における場合である。イオントラップに導かれるイオンビームの中では、イオントラップの貯蔵能力が限定されているので、キャリアガス・イオンは分析物イオンと競合する。従って、キャリアガス・イオンをイオンビームから選択的に除去することができる範囲で、分析物イオンのためのイオントラップの貯蔵能力が増大する。
キャリアガス・イオンの存在が望ましくない第3の例は、キャリアガス・イオンにより阻害される可能性のあるプロセス又は反応に分析物イオンを使用するあらゆる用途である。別の例として、多くの集積回路及びチップの製造プロセスにおいては、イオンビームをシリコンウエーハの如き目標物質に向かって導いて、該目標物質に電気的性質又は物理的性質を与えることができる。望まれる性質は、一般的に、上述の目標物質に導かれる特定のイオンに大きく依存する。従って、キャリアガス・イオンは、目標物質に望ましくない効果を生じさせる可能性がある。
従って、キャリアガス及び分析物を含むイオンビームにおいては、分析物イオンを除去する又は中和させることなく、キャリアガス・イオンを選択的に除去する方法が必要とされている。
発明の概要
従って、本発明の一つの特徴における本発明の目的は、分析物イオンを殆ど除去することなくあるいは分析物イオンを殆ど中和させることなくキャリアガス・イオンを中和させることによって、分析物イオンの割合が高く、これに応じてキャリアガス・イオンの数が少ないイオンビームを生成する方法を提供することである。この目的は、所望の運動エネルギのイオンビームを準備し、このイオンビームをある体積の試薬ガスに導き、これにより、キャリアガスが試薬ガスに選択的に電荷を移動させるようにして、試薬ガスを帯電した種にすると共に、キャリアガスを中性の種にすることによって、達成される。本明細書で使用する「選択的」という用語は、キャリアガスのイオンから試薬ガスへの電荷の移動が分析物ガスのイオンから試薬ガスへの電荷の移動速度の少なくとも10倍(好ましくは、1,000倍以上)の速度で進行することを意味する。上記電荷移動の後に、帯電した試薬ガスは選択的に分散し、全イオンに対して分析物イオンの割合が最も高いイオンビームが残る。本明細書で使用する「電荷移動」という用語は、帯電した種と中性の種との間の電荷の交換を行うことが総ての効果であるあらゆる経路を意味している。この経路は、単数又は複数の電荷移動反応ではない工程を含むことができる。上記経路の中の工程は、特に限定するものではないが、共鳴電荷移動、電子移動、陽子移動、及び、オージェ中和の如き、単独又は一連の単数又は複数の化学反応を含むことができる。本明細書で使用する「分析物イオン」という用語は、任意の手段によって発生される任意のイオンを意味しており、上記手段は、特に限定するものではないが、熱イオン化、イオンビーム、電子衝撃イオン化、レーザ照射、イオンスプレー、エレクトロスプレー、サーモスプレー、誘導結合高周波プラズマ、マイクロ波プラズマ、グロー放電、アーク/火花放電、及び、中空陰極放電を含む。本発明で使用する「試薬ガス」という用語は、任意の手段によって行われる電荷移動を受け入れるのに適した任意のガスを意味しており、上記ガスは、特に限定するものではないが、気体の形態で提供される市販の物質及びその混合物、並びに、凝縮した物質の蒸発又は凝縮した物質のレーザ融解によって発生されるガスを含む。また、本明細書で使用する「試薬ガス」は、上述の任意の方法によって発生される分析物イオンの中性種を含むことができる。更に、当業者には分かるように、本発明の方法は、キャリアガス自体を含む系に限定されるものではない。一般的に、上記2つのガス種は、分析物及びキャリアガスである。しかしながら、本発明の方法は、2又はそれ以上のイオン種を含み、これらイオン種のいずれもがキャリアガスとして与えられていない、あらゆる系においても良好に機能する。例えば、任意の帯電した種の解離によって発生する娘イオンが望ましくない用途において、適宜な試薬を選択し、電荷移動によって上述の娘イオンを除去又は中和させることができる。同様に、分析物は、別の妨害物質と混合された対象物質を含むことができる。適宜な試薬を選択し、電荷移動によって上記別の妨害物質を除去し又は中和させることができる。
本発明の好ましい実施例においては、選択されるキャリアガスは、アルゴンであり、また、選択される試薬ガスは、水素である。従って、本発明の一つの特徴における本発明の目的は、分析物イオンを除去することなく又は中和させることなく、アルゴンのキャリアガスのイオンを中和させることによって、イオンビームの電荷密度を選択的に低下させるための方法を提供することである。この目的は、イオンビームをある体積の水素にある運動エネルギで導き、上記アルゴンイオンが水素に電荷を選択的に移動させるようにすることによって、達成される。このように、大部分のイオンビームは、40(Ar+)の質量対電荷比(m/z)から3(H3 +)のm/z及び2(H2 +)のm/zまで選択的に転換されることが理論化される。従って、本発明の一つの特徴における本発明の別の目的は、Ar+からH2への選択的な電荷移動を行わせる方法を提供することである。水素の分子量が小さいので、分析物イオンを放出又は除去することなくイオンビームからAr+イオンを選択的に放出することが困難又は不可能であったと思われる多くの用途において、分析物イオンを放出することなくイオンビームからH3 +及びH2 +を急速に且つ選択的に放出することが可能となる。従って、本発明の一つの特徴における本発明の別の目的は、分析物イオンを殆ど減少又は放出させることなく、イオンビームからH3 +及びH2 +を急速に放出させる方法を提供することである。
従って、本発明の一つの特徴における本発明の別の目的は、分析物のイオン密度を殆ど減少させることなく、Ar+が選択的に減少され、従って、かなり低い全イオン密度を有するビームを生成するための方法を提供することである。
本発明の主題は、本明細書の結論部分に特に述べられていて明確に請求されている。しかしながら、本発明の構成及び作動方法、並びに、本発明の別の利点及び目的は、同様の参照符号により同様の構成要素を示している添付の図面を参照して以下の記載を読むことにより、最も良く理解することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の第1の好ましい実施例に使用される装置の概略図である。
図2は、本発明の第1の好ましい実施例で使用された装置において実施された実験から得た2つの質量スペクトルを示している。
図3は、本発明の第2の好ましい実施例で使用される装置の概略図である。
図4は、本発明の第3の好ましい実施例で使用される装置の概略図である。
図5は、本発明の第3の好ましい実施例で使用された装置において実施された実験から得た2つの質量スペクトルを示している。
図6は、本発明の第3の好ましい実施例で使用された装置において実施された実験から得た2つの質量スペクトルを示している。
図7は、本発明の第4の好ましい実施例で使用される装置の概略図である。
好ましい実施例の説明
2以上をイオン種を有するイオンビームの中の選択されたイオンから試薬ガスへ電荷を移動させ、その後、帯電した試薬ガスを優先的に分散させる方法を、誘導結合高周波プラズマ質量分析計(以下の記載において、ICP/MSと呼ぶ)において証明した。ICP/MSは、キャリアガス(一般的には、アルゴン)及び分析物から成るプラズマを誘導結合高周波プラズマ(ICP)の中に発生させ、質量分析計を用いて組成原子及び同位体を分離し且つ識別する装置である。動作の便宜を図ると共に、プラズマの温度を望ましい温度に維持するために、上記ICPは、一般的に、大気圧で作動される。プラズマから質量分析計へイオンを移動させるために、プラズマを2つの開口を通して導き、その後、レンズスタック(レンズの列)に導く。これにより、プラズマは、分析物イオン及びキャリアガス・イオンを含むイオンビームに転換される。レンズスタックは、一般的に、一連の金属部品から構成されており、これら金属部品は、一般的に、電位が与えられると共にイオンビームが通される開口を有しているプレート及び/又は円筒形の管である。イオンビームは、上記帯電したプレート(帯電プレート)を通って導かれ、これら帯電プレートは、一般的には線形四重極であるイオン識別ユニットに導かれる狭い流れの中にイオンビームを集中させる。本明細書で使用される「イオン識別ユニット」という用語は、帯電された種(帯電種)をそれぞれのm/z及び/又は運動エネルギに従って分離する任意の装置を意味している。イオン識別ユニットは、特に限定するものではないが、線形四重極と、イオントラップと、飛行時間チューブと、扇形磁場と、扇形電場と、扇形磁場及び扇形電場の複合体と、レンズスタックと、DC電圧プレートと、rf/dc多重極イオンガイドと、rf多重極イオンガイドとを備えている。変更したICP/MS装置を構成した。このICP/MS装置は、三次元RF四重極イオントラップを、単独で、あるいは、イオン識別ユニットとしての線形RF四重極と組み合わせて使用している。上記レンズスタックを励起すると、イオンビームは、イオン識別ユニットの中に導かれる。イオンは、それぞれの質量対電荷比(m/z)及び/又は連動エネルギに従って、イオン識別ユニットから選択的に放出される。これらの選択的に放出されたイオンは、次に、帯電粒子検知器に導かれる。このようにして、ICP/MSは、分析物の中の選択されたイオンの存在をそれぞれのイオンの(m/z)及び/又は運動エネルギに従って決定することができる。上記イオン識別ユニットを真空中に維持することが重要であり、その理由は、イオン識別ユニットの中に存在するイオン及び総てのガスは、イオンを帯電粒子検知器から離れる方向に偏向させる、すなわち、分析物のイオンを中和させる傾向を有するからである。上記帯電粒子検知器を真空中に維持することが重要であり、その理由は、検知器の前後の高い電位が十分な圧力(一般的には、約10-4トール)の中に存在する総てのガスに放電を生じさせる傾向を有するからである。従って、一般的には1又はそれ以上のポンプを用いて、ICPと帯電粒子検知器との間にある一連のチャンバの真空排気を行う。上記チャンバは、1又はそれ以上の開口によって分離されていて、ICPにおける大気圧から帯電粒子検知器における高真空(一般的には、約10-7と10-4トールとの間)までの圧力遷移を行っている。圧力差を大きくするために、ICP/MS装置は、一般的に、約0.5mmと約2mmとの間の開口を採用する。
作動の際には、キャリアガス及び分析物を有するイオンビームの中に試薬ガスを導入して、キャリアガス・イオンの電荷を試薬ガスに移動させ、これにより帯電された試薬ガスをイオンビームから選択的に分散させることができる。上記電荷移動の反応の度合い又は完全性は、少なくとも4つのファクタによって支配される。第一に、選択された任意の2つの種が、特有の反応速度を有しており、この反応速度が、他の総ての条件を一定に維持した場合に、与えられた時間の間の電荷移動の完全性に影響を与える。第二に、キャリアガス・イオンの速度が小さければ、反応ゾーンにおけるキャリアガス・イオンの滞留時間が長くなり、従って、反応の度合いが高くなる。第三に、一般的には与えられた反応種によって異なる反応断面積に関する速度依存性が存在し、これにより、与えられた反応に関して、最適速度は小さいか又は大きい可能性がある。このように、与えられた時間の間の電荷移動の完全性は、キャリアガス・イオンと反応ガス種との間の衝突の確率が減少するに連れて、高くなる。従って、電荷移動の完全性は、試薬ガスの圧力、並びに、上記2つのガスが接触する時間に依存する。試薬ガス種が低い濃度又は圧力で存在する場合には、キャリアガス・イオンは、試薬ガスと接触する十分な機会を有する必要がある。すなわち、長い滞留時間を採用する必要がある。
当業者には分かるように、ICP/MSに採用されるものとして本発明を上に説明したが、本発明の方法は、キャリアガス及び分析物ガスを含んでいてキャリアガス・イオンを除去する又は中和させることが望まれるあらゆる系に効果的に応用することができる。上記ICP/MS装置は、後に説明する好ましい実施例に示す機器と共に、本発明を実施すると共に本発明の実証例である。その理由は、上記ICP/MS装置及び機器は、キャリアガス・イオンの選択的な中和又は除去を確認する検知方法を含んでいるからである。
第1の好ましい実施例
図1に示す第1の好ましい実施例においては、現在はFisons(英国チェシャー州Winsford:モデルPQ−I)になっているVG Elementalによって製造された通常のICP/MSを、線形四重極及びその関連する電子部品(図示せず)をRF多重極イオントラップ10及びその関連する電子部品(図示せず)で置き換えることによって、変更した。イオントラップ10には、イオン入側端及びイオン出側端を取り付けられており、これらイオン入側端及びイオン出側端は、レンズスタック60からイオントラップ10へのイオン移動効率を最大限にするために逆転されている。使用するイオントラップ10を、Finnigan MAT(カリフォルニア州San Jose)によって製造されたイオントラップ質量分析計から取り外した。電子銃(図示せず)及び注入ゲート電極アセンブリ(図示せず)を取り外して、レンズスタック60からイオントラップ10へイオンが移動できるようにした。真空装置をFisonsの標準的な真空装置から変更し、2つの開口によって分離された3つの真空領域から構成した。これらの真空領域は、標準的な真空ポンプ(図示せず)によって真空排気された。第1の真空領域15は、第1の開口20と第2の開口30との間に設けられており、一般的には、0.1乃至10トールで作動される。第2の真空領域25は、第2の開口30と第3の開口40との間に設けられており、一般的には、10-5乃至10-3トールで作動される。第3の開口40は、レンズスタック60の中でFisonsの標準的なICP/MSの場合と実質的に同じ箇所に位置している。第3の真空領域35は、第3の開口40によって第2の真空領域25から分離されている。第3の真空領域35は、レンズスタック60の一部と、イオントラップ10と、帯電粒子検知器50とを収容している。第3の真空領域35は、一般的に、10-8乃至10-3トールで作動される。
実験 1
上述の第1の好ましい実施例で説明した装置を用いて、一連の実験を行った。種々の構成要素の形態は、図1に示されている。真空領域15、25、35は、上述のように通常の条件で作動された。レンズスタック60に与えられた電位は、ICP/MS(Fisons)のメーカーによって推奨された範囲内とした。第1及び第2の開口20、30は共に研磨された。第3の開口40は、約−120VのDC電位でバイアスされた。レンズスタックのプレート70、80に作用する電位は、イオントラップ10へのイオンの移動効率が最大になるように最適化され、通常のICP/MSに使用される電位とは異なる電位とした。イオンは、レンズスタック60のプレート80に作用する電位を切り換えることによって、イオントラップ10に入れられた。メーカー(Fisons)によってレンズ要素L3と称されているプレート80に作用する電位は、イオンをイオントラップ10の中に入れるために使用される約−10Vと約−500Vとの間の範囲の負の値(−35Vであるのが好ましい)とイオンがイオントラップ10に入るのを阻止するために使用される約+10と約+500Vとの間の正の値(+10Vすなわちイオンの運動エネルギよりも高いのが好ましい)との間で切り換えられた。プレート80に作用する電圧を切り換えるために使用される電子的なゲート制御装置(図示せず)は、FinniganのMAT ITMSによってゲート電子に与えられる標準信号を反転させることにより、作動された。上記反転は、プリント回路基板(図示せず)に設けられていてゲート制御を行う特別なインバータ(図示せず)を用いて行った。
イオントラップ10には、ヘリウムの如きバッファガスを導入するために一般的に使用されるポート90が設けられた。試薬ガスは、これら試薬ガスをヘリウムに加えることによって、イオントラップ10に導入された。代表的なヘリウムのバッファガスの圧力は、約10-5と10-3トールとの間の範囲であった。試薬とバッファガスとの圧力比は、約0.01%と100%との間の範囲であった。この機器において実験を行い、Ar、H2、Xe又はKrを試薬ガスとしてイオントラップ10に導入した。
分析物及びイオンの信号に対する試薬ガスの効果は、イオントラップの質量スペクトルを記録することにより観察された。添加されたH2の効果を示す代表的な質量スペクトルが、図2に示されている。図2の上方のトレース100は、純粋なヘリウムのバッファガスを用いて得たものであって、図2においては、明瞭にするためにゼロから片寄って離されている。図2の下方のトレース110は、約5%のH2及び約95%のヘリウムを用いて得たものである。上方のトレース100は、種々のピーク強度を示しており、極めて顕著なピーク強度は、m/z18におけるH2O+のピーク強度102、m/z19におけるH3O+のピーク強度104、m/z40におけるAr+のピーク強度106、及び、m/z41におけるArH+のピーク強度108である。H2を試薬ガスとして加えた場合には、下方のトレース110の適宜なm/zにおけるピーク強度の減少によって示されるように、Ar+、H2O+、ArH+及びH3O+が大幅に減少し、これらの帯電種がほぼ又は完全に除去されたことを示している。
上述の帯電種の除去に加えて、添加されたあらゆる試薬ガスの分析物イオンに対する効果にも注意する必要がある。上述の第1の好ましい実施例による装置の中でアルゴンをキャリアガスとして用い、H2と反応する分析物イオンとして以下の元素を試験した。すなわち、その元素とは、Mg、Al、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、As、Se、Rb、Sr、Ag、Cd、In、Xe、Cs、Ba、Tl、Pb、Bi、及び、Uである。総ての実験において、Ar+の強度の減少は、上述の分析物イオンのいずれの強度の減少の少なくとも100,000倍であった。
第2の好ましい実施例
図3に示す第2の好ましい実施例においては、現在はFisons(英国チェシャー州Winsford)であるVG Elementalによって製造された通常のICP/MSを、線形四重極200と帯電粒子検知器50との間にRF四重極イオントラップ210を介挿することによって、変更した。イオントラップ210に使用する電極(図示せず)は、Finnigan MAT(カリフォルニア州San Jose)によって製造されたITMS電極の比率になるようにカスタム・ビルトされたが、標準的なイオントラップ電極が良好に動作した。カスタム・ビルトのイオントラップ210の電極は、FinniganのMAT ITMSの電極よりも44%大きく、純粋な四重極として、すなわち、拡張されない幾何学的形状として組み立てられた。Finnigan MATによって製造される標準的なITMSの電極パッケージ(図示せず)は、後に述べる電圧を用いて、上記第1の好ましい実施例で説明した変更例と共に使用された。
標準的なレンズスタック240は、メーカーによって推奨される電位で作動される。標準的なレンズスタック240に加えて、第2のレンズスタック250が、第3の開口220と第4の真空領域230のイオントラップ210との間に介挿されている。第2のレンズスタック250は、Fisonsの標準的なレンズスタックから取った3つのプレート(すなわち、2つのL3プレート、及び、一つのL4プレート)252、254、256から構成された。第2のレンズスタック250は、線形四重極200とイオントラップ210との間に高いイオン移動効率をもたらすように製作された。約−10Vと約−300Vとの間の電位(約−30Vが好ましい)が、第2のレンズスタック250の両端部のプレート252、256に与えられた。中央のプレート254は、イオンをイオントラップ210に入れるために使用され、与えられた電位を、開放電位の約−180Vと閉鎖電位の約+180Vとの間で変化させた。第2のレンズスタック250の中央プレート254に使用される電子的なゲート制御装置(図示せず)は、FinniganのMAT IYMSによってゲート電子に与えられる表示信号を反転させることによって、作動された。上記反転は、プリント回路基板(図示せず)に設けられていてゲート制御を行う特殊なインバータ(図示せず)を用いて行った。
真空装置は、標準的なFisonsの装置であって、3つの開口によって分離された4つの真空領域と、第4の真空領域230に設けられる追加のポンプとによって構成された。上記各真空領域は、標準的な真空ポンプ(図示せず)によって真空排気される。第1の真空領域15は、第1の開口20と第2の開口30との間に設けられていて、一般的には、0.1乃至10トールで作動される。第2の真空領域25は、第2の開口30と第3の開口40との間に設けられていて、一般的には、10-5乃至10-3トールで作動される。第3の開口40は、レンズスタック240の中に設けられている。第3の真空領域215は、第3の開口40と第4の開口220との間に設けられていて、一般的には、10-8乃至10-4トールで作動される。第3の真空領域215は、線形四重極200を収容している。第4の真空領域230は、第4の開口220によって第3の真空領域215から分離されている。第4の真空領域230は、イオントラップ210と、帯電粒子検知器50とを収容している。第4の真空領域230は、一般的には、10-8乃至10-3トールで作動される。
図3で示すように、約1.59mm(1/16インチ)の直径を有する金属チューブ260が設けられていて、第1の真空領域15を包囲するハウジング270に設けられている2つのポート280を通して第2の真空領域25の中に試薬ガスを導入できるようになっている。上記チューブ260は、レンズスタック240との電気的な接触を防止し、また、該チューブ260の端部が第2の開口30の基部の後方約1cmで且つ4つの開口20、30、40、220によって画成される中心軸線から約1cmに位置するような形状を有している。このようにすると、試薬ガスは、可能な限り第2の開口30に接近して第2の真空領域25に導入され、その際に、サンプリングされたプラズマの気体力学が阻害されることはなく、また、レンズスタック240によって発生される電界の歪みは殆ど生ずることはない。
実験 2
種々の試薬ガス及びアルゴンのキャリアガスを用いて、図3に示す上述の装置で一連の実験を行った。試薬ガスH2、Ar、Xe、Kr及びAr/Xe/Kr混合物を、チューブ260を介して第2の真空領域25に導入した。真空領域25の中で0及び約1ミリトールと約10ミリトールとの間に分圧を有する試薬ガスに関して、質量スペクトルを得た。下の表Iは、この表のそれぞれの列の一番上に示す試薬ガスの圧力を増大させた場合の、キャリアガス、及び、表の最初の列に示す分析物イオンに関する反応の相対速度を示している。例えば、「H2」の項目の下の2列目に示す各値は、H2の圧力が増大するに連れて、Ar+のイオン強度が、In+のイオン強度よりも約10倍速く低下することを示しており、従って、キャリアガス・イオンの選択的な除去が行われることが確認できる。
Figure 0003573464
第3の好ましい実施例
図4に示す第3の好ましい実施例においては、現在はFisons(英国チェシャー州Winsford:モデルPQ−II+)になっているVG Elementalによって製造された通常のICP/MSを、約1.59mm(1/16インチ)の直径を有する金属チューブ260を設けることによって変更し、これにより、上記第2の好ましい実施例と同じ態様で第2の真空領域25に試薬を導入できるようにした。図4に示すように、ICP/MSの残りの部分は、メーカーによって提供された状態から変更しなかった。アルゴンのキャリアガス、及び、試薬ガスとしてのH2を用い、これらガスをチューブ260を介して第2の真空領域25に導入することによって、一連の実験を行った。第2の真空領域25の中の0と約2ミリトールとの間の圧力のH2に関して質量スペクトルを得たが、これについては下に要約する。
実験 3
分析物及びイオンの信号に対するH2圧力の効果を、メーカーが準備したICP/MSのアナログ及びパルスによる両方のカウント動作モードで質量スペクトルを記録することによって、観察した。H2を第2の真空領域25に加えない状態で記録された2つの質量スペクトルが、図5に示されている。図5の上方のトレース500は、アナログ動作モードを用いて得たものである。図5の下方のトレース510は、パルスカウント動作モードを用いて得たものである。上方のトレース500は、種々のピーク強度を示しており、特に顕著なピーク強度は、m/z14におけるN+のピーク強度502、m/z16におけるO+のピーク強度504、m/z17におけるOH+のピーク強度506、m/z18におけるH2O+のピーク強度508、m/z40におけるAr+のピーク強度512、m/z41におけるArH+のピーク強度514、m/z2におけるH2 +のピーク強度516、及び、m/z3におけるH3 +のピーク強度518である。第2の真空領域25の中に約2ミリトールの圧力のH2を加えて記録した2つの質量スペクトルが、図6に示されている。図6の上方のトレース600は、アナログ動作モードを用いて得たものである。図6の下方のトレース610は、パルスカウント動作モードを用いて得たものである。図5及び図6の垂直方向及び水平方向の目盛は同じである。同じイオンのピークが図6において図5と同様に参照符号が付されている。すなわち、そのようなピークは、、m/z14におけるN+のピーク強度602、m/z16におけるO+のピーク強度604、m/z17におけるOH+のピーク強度606、m/z18におけるH2O+のピーク強度608、m/z40におけるAr+のピーク強度612、m/z41におけるArH+のピーク強度614、m/z2におけるH2 +のピーク強度616、及び、m/z3におけるH3 +のピーク強度618である。
図5及び図6の質量スペクトルが示すように、この実施方法は、Ar+がH2と反応することにより生ずるH3 +を直接検知することを可能にする。上記イオンの生成は、上記第1及び第2の実施例による装置で実施した実験から強く推測されるが、H3 +は、FinniganのMATイオントラップ質量分析計を用いて検知することはできなかった。この方法は、通常のICP/MS機器と同様の態様で質量スペクトルを発生するので、通常のICP/MSで通常観察されるが、上記第1及び第2の好ましい実施例による方法を用いては観察されない多原子イオンもこの方法で観察することができる。従って、例えば、真空領域25の中のH2の圧力のAr+に対して評価された効果を、ArO+及びAr2 +に対する効果と共に観察することができる。
H2を加えることによる極めて顕著な効果は、H3 +のピーク強度618を約200倍に増大させる。H2を加えることによって、Ar+のピーク強度612を約10倍減少させ、また、ArH+のピーク強度614を約2倍増大させる。これらの質量スペクトルは、他の分析物(図示せず)に関するピーク強度の減少が極めて少ない(10%未満)ことを示している。従って、上記質量スペクトルは、Ar+の選択的な除去、及び、H3 +の増大を示しており、従って、H2がAr+と反応する際の電荷移動のメカニズムが確認される。
実験 4
通常の作動条件においてイオンの運動エネルギを代表的な値から減少させるようにレンズスタック240の電位を調節することを除いて変更を加えていないICP/MSを用いた一連の実験も行った。試薬ガスとしてのH2を、圧力測定を行うためにメーカーが準備した真空ポート400を通して第2の真空領域25に導入した。H2の圧力を約0.1ミリトールから約1ミリトールまで変化させた。測定されたAr+の強度は、H2の試薬ガスを導入することにより、2の係数で減少し、H2を変更されていないICP/MSの第2の真空領域25に導入することにより、Ar+のイオン強度を減少させることができることが証明された。本発明者等は、更に、m/z41における信号が約10の係数で増大することを観察した。これは、上記第1の実施例の装置による実験的な観察に一致するArH+の生成を示している。
下の表IIは、上述の第1、第2及び第3の好ましい実施例による装置を用いて行った実験から選択したデータを示している。この表の各列は、Ar+及び分析物イオンの減少係数、並びに、これら減少係数の比を示している。この比は、質量スペクトルのAr+の強度が分析物イオンの強度と相対的に減少する選択性である。表IIの一列目には、各行に示すデータを得るために使用した好ましい実施例が示されている。表IIの二列目には、使用した試薬ガスが示されている。試薬ガスをイオントラップ20に導入して、上記第1の好ましい実施例に関して表IIに示す結果を得た。試薬ガスを真空領域25に導入して、第2及び第3の実施例に関して表IIに示す結果を得た。従って、例えば、表IIの三列目は、キャリアガス・イオン(Ar+)の反応が、Sc+の強度を2の係数で減少させる条件において、Ar+の強度を30倍減少させることを示している。
Figure 0003573464
第4の好ましい実施例
図7に示す第4の好ましい実施例においては、イオン源700から発生したキャリアガス・イオン及び分析物イオンを第1の開口710を通してセル720の中に導き、上記イオンを試薬ガスと反応させる。適宜なイオン源としては、特に限定するものではないが、電子衝撃、レーザ照射、イオンスプレー、エレクトロスプレー、サーモスプレー、誘導結合高周波プラズマ源、アーク/火花放電、グロー放電、中空陰極放電、及び、マイクロ波プラズマ源を挙げることができる。ここで説明する第4の好ましい実施例は、その必須的な構成要素と考えられるものに限定されるが、この第4の好ましい実施例は、上の好ましい実施例で説明したように通常のICP/MSの構成要素を用いて容易に構成することができることは、当業者には明らかであろう。上記セルは、第1の真空領域730の中に収容されている。セル720は、イオンを第1の真空領域730に導入する開口710に接近した領域にイオンを閉じ込める。このようにして、イオンが分散する機会を最小限にして、イオンをイオン源700からセル720へ導く。第1の真空領域730は、最適圧力の試薬ガスを収容するように構成されており、上記最適圧力とは、セル720を通るイオン移動を行わせると共に、キャリアガス・イオンと試薬ガスとの間の十分な電荷移動を行わせるような圧力を意味する。
セル720は、また、イオンの運動エネルギを調節するようにも構成されている。従って、セル720を用いて、キャリアガス・イオンが試薬ガスと接触する滞留時間を増大させ、従って、電荷移動の程度を増大させることができる。また、セル720は、適宜なDC電界を与えるような、速度又は運動エネルギ識別法を応用することによって、遅いイオンを識別するすなわち移動させないように構成することができる。このようにすると、速いキャリアガス・イオンと遅い試薬ガスとの間の電荷交換を用いて、選択されたキャリアガス・イオンをイオンビームから除去することができる。セル720の中のイオンの運動エネルギを可能な限り高い状態に維持して、イオンの空間電荷膨張を極力少なくするが、上記運動エネルギは、与えられた試薬ガスの圧力が十分な電荷移動を可能にするに十分な程度に低くなければならない。試薬ガスの最適圧力は、上記セルの中で許容される分析物イオンの散乱損失、及び、ポンピングの要件の如き実際的な考慮事項によって制限されることになる。
一例として、第4の好ましい実施例は、アルゴンをキャリアガスとして用いて作動させることができる。セル720は、第1の真空領域730の中にイオンを閉じ込めるのに適した任意の装置として準備することができ、特に限定するものではないが、イオントラップ、長飛行チューブ、レンズスタック、又は、RF多重極イオンガイドとすることができる。例えば、セル720をRF多重極イオンガイドとして選択することによって、セル720は、イオンビームからの試薬ガスイオンを選択的に分散させるように作動することができる。H2の如き小さな質量を有する試薬ガスを選択することによって、RF多重極イオンガイドは、m/z3よりも大きい小さな質量のカットオフで作動させることができる。このようにして、電荷移動の産物として形成されたH2 +及びH3 +は、その低いm/zによって、イオンビームから選択的に分散される。
その結果生じたイオンビームは、特に限定するものではないが、イオン銃又はイオン注入装置を含む多数の最終用途の一つとして利用することができる。また、その結果生じたビームは、特に限定するものではないが、光学式分光計、並びに、線形四重極質量分析計、イオントラップ四重極質量分析計、イオンサイクロトロン共鳴質量分析計、飛行時間質量分析計及び扇形磁場及び/又は扇形電場質量分析計を含む質量分析計(MS)を含む種々の装置で分析することができる。最後に、その結果生じたイオンビームは、電気式又は磁気式の任意のイオン集中装置又はイオン指向装置を通して導くことができ、そのようなイオン集中装置又はイオン指向装置は、特に限定するものではないが、レンズスタック、RF多重極イオンガイド、扇形静電気、又は、扇形磁場を含む。
上述のように、その結果生じたイオンビームは、キャリアガス・イオンに比較して増大された割合の分析物イオンを含む。従って、生じたイオンビームを空間電荷密度限界にある開口を通して導く上述のいずれかの用途において、キャリアガス・イオンに比較して割合が高くなった分析物イオンを上記開口に導くことにより、該開口を通過する分析物イオンの速度が増大する。
本発明の好ましい実施例を図面に示して上に説明したが、本発明の広い特徴から逸脱することなく、多くの変形及び変更を行うことができることは、当業者には明らかであろう。従って、添付の請求の範囲は、本発明の真の精神及び範囲に入るそのような総ての変形及び変更を含むことを意図している。

Claims (14)

  1. 分析物ガスイオン及びアルゴン・キャリアガス・イオンの混合物を含む誘導結合高周波プラズマ質量分析計において、前記分析物ガスイオンの前記アルゴ ン・キャリアガス・イオンに対する比を増大させるための方法であって、
    (a) 前記混合物を水素を含む試薬ガスに暴露する工程と、
    (b) 前記アルゴン・キャリアガス・イオンから前記水素へ電荷を選択的に移動させ、これにより、前記アル ゴン・キャリアガス・イオンを中和させると共に、前記 アルゴン・キャリアガス・イオンに関する信号強度の減 少が前記分析物ガスイオンに関する信号強度の減少より 少なくとも100倍大きいものとなるよう前記水素に電荷を移動させる工程と、
    を備える方法。
  2. 試薬ガスがさらにN 2 、He、Ne、Kr、Xe及び これらの複合物から成る群から選択されるガスを含む請求項1に記載の方法。
  3. 試薬ガスが水素とヘリウムの混合物を含む 請求項1に記載の方法。
  4. アルゴン・キャリアガス・イオンがAr + たはArH + から選択される少なくとも1つのイオンである 請求項1に記載の方法。
  5. 誘導結合高周波プラズマ質量分析計がイオ ンビームを発生する請求項1の方法において、前記イオ ンビームから分析物ガスイオンを実質的に除去すること なく、前記イオンビームから少なくとも帯電した水素を 選択的に除去する工程をさらに含む方法。
  6. 分析物ガスイオンとアルゴン・キャリアガ スイオンの混合物を含む誘導結合高周波プラズマ質量分 析計において、前記分析物ガスイオンの前記アルゴン・ キャリアガス・イオンに対する比を増大させる方法であ って、
    (a) 前記混合物と水素を含む試薬ガスをセル内に導 入し、前記セルが画成した真空領域内に配置されてお り、前記セル内の前記混合物と前記試薬ガスを実質的に 閉じ込める工程と、
    (b) 前記セル内で電荷を前記アルゴン・キャリアガ スイオンから前記水素へ選択的に移動させ、これにより 前記アルゴン・キャリアガスイオンを中和させるととも に電荷を前記水素に移動させる工程
    とを備える方法。
  7. 前記セルがイオントラップ、長飛行チュー ブ、レンズタックまたはRF多重極イオンガイドを含む請 求項6に記載の方法。
  8. 誘導結合高周波プラズマ質量分析計がイオ ンビームを発生するものであり、かつ前記セルがRF多重 極イオンガイドを含む請求項7に記載の方法であって、 前記方法がさらに、前記イオンビームから分析物ガスイ オンを実質的に除去することなく、前記イオンビームか ら帯電した水素を、RF多重極イオンガイドによって、選 択的に除去する工程を含む方法。
  9. 前記アルゴン・キャリアガスイオンから前 記水素への電荷の移動が、前記アルゴン・キャリアガス イオンに関する信号強度の減少が分析物ガスイオンの信 号強度減少よりも少なくとも100倍大きいものとする。 請求項7に記載の方法。
  10. 前記アルゴン・キャリアガスイオンに関 する信号強度の減少が分析物ガスイオンの信号強度減少 よりも少なくとも100,000倍大きいものとする、請求項 9に記載の方法。
  11. 試薬ガスが水素とヘリウムの混合物を含 む請求項9に記載の方法。
  12. 試薬ガスがさらにN 2 、He、Ne、Kr、Xe及 びこれらの複合物からなる群から選択されるガスを含む 請求項6に記載の方法。
  13. 前記水素がH 2 、D 2 、HD及びこれらの混合 物から選択される形態である請求項1に記載の方法。
  14. 前記水素がH 2 、D 2 、HD及びこれらの混合 物から選択される形態である請求項6に記載の方法。
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