JP2002526027A - 反応性バンドパス衝突セル - Google Patents

反応性バンドパス衝突セル

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Abstract

(57)【要約】 イオン源からイオン輸送器、一般には四重極衝突セルを通り、次いで分析質量分光計にイオンを輸送することによる同重干渉を、除去しなければ反応して同重干渉を形成しやすい中間イオンを除去する通過帯域をもって衝突セルを動作させて低減する方法。衝突セルにおける反応ガスとしてアンモニアを用いることが好ましい。関与する化学種及びその化学的特性に応じて、適切なレベルに低質量カットオフを設定して衝突セルを作動させるか、あるいはより一般的には、衝突セルにRF及びDCをともに印加することにより定められる高質量及び低質量カットオフの双方を通過帯域が有する。衝突セルは飛行時間型(TOF)質量分光計にイオンを輸送するための通過帯域をもって作動させることもでき、よってTOFに入るイオンの質量範囲を限定し、従ってTOFのデューティサイクルを改善できる。

Description

【発明の詳細な説明】発明の分野 本発明は検体に関するイオン信号を同重及び非スペクトル性の干渉により生じ るイオン信号から分解するための方法及び装置に関する。さらに詳しくは、本発 明は通過帯域のm/z値を有するイオンを続いて行われる分析のために衝突セル のような装置を通して輸送することに関する。発明の背景 質量分光においては、対象とする検体イオンが公称質量対電荷(m/z)値が 同じイオンにより、すなわち用いられる質量分光計では検体イオンから分解でき ないm/z値を有するイオンにより、隠されるかあるいは干渉されることが普通 である。これは同重またはスペクトル性干渉とよばれる。このような干渉は、例 えばプラズマイオン源を用いるか、グロー放電イオン源を用いるか、エレクトロ スプレーないしイオンスプレー源を用いる質量分析器を含む、多くの形式の質量 分析器において普通に生じる。 同重またはスペクトル性背景干渉は一般にプラズマ自体から生じ、代表的干渉 イオンはAr+,ArO+,Ar2 +,ArCl+,ArH+,ClO+及びMAr+( ここでMは試料マトリックス元素、すなわちイオンの集まりの内の優勢イオン種 ),MO+等である。このような干渉イオンはまた、(おそらくは、一部は真空 中への膨張時のプラズマ冷却により、またサンプラーないしスキマーオリフィス との干渉により)引出過程で、あるいはサンプラーまたはスキマーの縁に存在す る運動量境界内で生じることもある。 衝突セルにおける多原子イオンの開裂は、同重(スペクトル性)干渉をさらに 引きおこすかあるいは強める。プラズマイオンと多重極装置あるいは衝突セルに 用いられる衝突ガスとの反応もまた、衝突セルまたは真空チャンバから生じるか あるいは衝突ガス中の汚染物から生じる汚染種のイオン化のような、スペクトル 性背景干渉を生じ得る。 同重干渉問題の一解決法は質量分解能の高い質量分析器を使用することである と一般に考えられているが、この手法は必ずしも有効ではなく、また高分解能法 に固有なイオン信号損失が付随することよっても制限を受ける。 質量分析においてはまた、非スペクトル性干渉にも一般に遭遇する。このよう な干渉は通常準安定中性種から生じ、上昇した連続背景、すなわちある質量範囲 にわたって(よって非スペクトル性である)上昇されている背景を生じる。この 背景は装置の検出限界に悪影響を与える。 よって、一態様における本発明の目的は同重及び非スペクトル性の干渉を、イ オン信号損失を低減しながら効率的に、また必要であれば比較的高い分解能で、 低減する方法を提供することにある。発明の概要 すなわち本発明はその一態様において、試料イオンがイオン輸送器を通して輸 送され、この試料イオンのいくらかは選ばれるべきイオンであり、その他の試料 イオンはイオン輸送器内で反応して前記選択されるイオンと同重または非スペク トル性干渉を生じ得るイオンまたは準安定体を形成させる前駆イオンである、質 量分光計装置の動作方法を提供することにあり、本方法は前記イオン輸送器を運 転して前駆イオンの少なくともいくらかをイオン輸送器から排除し、よって上記 の干渉を低減する工程を含む。 別の態様において、本発明はイオンが衝突セルを通して分析質量分光計に輸送 される質量分光計装置の動作方法を提供し、本方法は前記衝突セルにアンモニア を衝突ガスとして供給する工程を含む。 また別の態様において、本発明はイオンがイオン輸送器内に注入され、この輸 送器からのイオンが分析のために飛行時間型質量分光計に入れられる質量分光計 装置の動作方法で、前記イオン輸送器を高質量カットオフをもつ帯域通過モード で運転して飛行時間型質量分光計に入るイオンの質量範囲を限定し、よって飛行 時間型質量分光計のデューティサイクルを改善する工程を含む方法を提供する。 さらに別の態様において、本発明は試料イオンを生成するイオン源、この試料 イオン源を受け取る入口及び出口を有するイオン輸送器、並びにイオン輸送器の 出口からのイオンを受け取るための分析質量分光計、反応ガス供給源、及び反応 ガス供給源からの反応ガスをイオン輸送器の前記入口に送り、よってイオン輸送 器に入るイオンがイオン輸送器内に進みながら反応ガスを通過するようにするた めの導管を有する質量分光計装置を提供する。 本発明のさらなる目的及び利点は、添付図面とともになされる以下の説明によ り明らかになるであろう。図面の簡単な説明 図1は、本発明に従う質量分析装置の概略図である。 図1Aは、四重極質量分光計の通常の安定度図である。 図2は、干渉が存在する代表的な質量スペクトルを示す。 図3は、質量干渉があり、また背景雑音がある別の代表的な質量スペクトルを 示す。 図4は、本発明の特徴を用いて得られた質量スペクトルを示す。 図5は、本発明の特徴を用いて得られた2つの質量スペクトルを示す。 図5aは、イオン輸送率を縦軸にとり、m/z(及び“q”)を横軸にとって 示したグラフである。 図5bは、イオン輸送率を縦軸にとり、m/z(並びに“q”及び“a”)を 横軸にとって示した別のグラフである。 図6は、本発明の特徴を用いて得られた別の2つの質量スペクトルを示す。 図6aは、衝突セル及びその後の分析器の概略図であり、その下にそれぞれの 通過帯域特性をグラフで示す。 図7は、本発明の特徴を用いて得られたまた別の2つの質量スペクトルを示す 。 図8は、本発明の特徴を用いて得られたさらに別の2つの質量スペクトルを示 す。 図9は、衝突ガスを用いずに得られた2つの質量スペクトルを示す。 図10は、一方は衝突ガスを用い、もう一方は衝突ガスを用いずに得られた、 図9と同様の2つの質量スペクトルを示す。 図11は、衝突セルにDCを印加した場合としない場合で得られたさらに2つ の質量スペクトルを示す。 図12は、一方は検体試料を用い、他方は脱イオン蒸留水を用い、さらにいず れも衝突ガスは用いていない、2つの質量スペクトルを示す。 図13は、図12とほぼ同様の条件下であるが衝突セルにDCを印加して得ら れた2つの質量スペクトルを示す。 図14は、図12と同様の条件下であるが衝突ガスを用いて得られた2つの質 量スペクトルを示す。 図15は、図14と同様の条件下であるが相異なるqを用いて得られた2つの 質量スペクトルである。 図16は、図15と同様の条件下であるが分解DCを印加して(また図13と 同様であるが衝突ガスを用いて)得られた2つの質量スペクトルを示す。 図17は、アルミニウムについて得られた2つの質量スペクトルである。 図18は、図17と同様の条件下であるが、qを上げて得られた2つの質量ス ペクトルである。 図19は、分解DCが印加されていることを除き、図18と同様の条件下で得 られた2つの質量スペクトルである。 図20は、図1の装置の変形の概略図である。 図21は、本発明に従って使用される別の質量分光計装置の概略図である。 図22は、交流電源及びこれにより生成される波形を示すブロック図である。 図23は、連続するセル間の容量結合を低減するために用いられるワッシャー 及びメッシュを示す平面図である。 図24は、本発明の衝突セルからその後の真空チャンバへの通気のための集成 装置を、一部を破断して示す透視図である。 図25は、相異なる安定領域に対するマスフィルタのマシュー(Mathie u)安定度図を示す。 図26は、第2の安定領域におけるマシュー安定度図を示す。発明の詳細な説明 本発明に従う質量分光計装置10の概要を示す、図1をまず参照する。本質量 分光計装置10にはイオン源12が含まれ、これは一般的には通常の誘導結合高 周波プラズマ源、グロー放電源、あるいはその他周知のどのような形式のイオン 源でもよい。このイオン源12は(必ずしもそうではないが)一般的には大気圧 で作動し、サンプラー板16のオリフィス14を通して、イオン流をメカニカル ポンプ20により例えば3Torr(399Pa)の圧力まで排気された第1の 真空チャンバ18内に注入する。続いてこのイオンはスキマー板24のオリフィ ス22を通り、(メカニカルポンプ32によりバックアップされる)ターボポン プ30により例えば1mTorr(133mPa)の圧力まで排気された第2の 真空チャンバ28内の所望のいずれかの通常のイオン光学系26を通って、多重 極装置34内に進む。多重極装置34は四重極(すなわち4本のロッドを有する )が一般的であるが、八重極、六重極、あるいは他の多重極型であってもよい。 四重極34は、イオンが四重極34に入り出て行くための入口及び出口アパー チャ38及び40を有する“ケーシング”36に収められている。四重極34及 びケーシング36の複合体は衝突セル41と称される構造体を形成する。反応性 衝突ガスは供給源42からケーシング36内部に供給される。図に示されるよう に、供給源42からの衝突ガスは導管44を通って流れ、オリフィス38を囲む 環状開口46を通って流出して、カーテンをつくり、よってイオン源12からの ガスのケーシング36への流入を少なくするかまたは妨げる。供給源42からの 第2の導管48は、後に説明する目的のために、イオン流が四重極34に入る前 に反応性衝突ガスがイオン流に向けられるように、オリフィス38の直前の位置 50で終端する。位置50はオリフィス38の上流でイオン源12の下流であれ ば実際上どの位置であってもよい。 四重極34は、RF単独装置として、すなわち低質量カットオフ帯域通過装置 であるイオン輸送器として作動させてもよいが、(後に説明するように)低DC 電圧を印加することもできる。これらの電圧は電源56から供給される。 オリフィス40を通過する四重極34からのイオンは、やはりメカニカルポン プ32でバックアップされた高真空ターボポンプ62により排気された第3の真 空チャンバ60に入る。これらのイオンはプレフィルタ64(一般にはRF単独 短ロッド四重極)を通って(一般には四重極であるが、飛行時間型質量分光計、 扇形質量分離器、イオントラップ等のような形式の異なる質量分析器であっても よい)質量分析器66に進む。四重極66にはRF及びDCが通常の方法で電源 68から四重極ロッドに印加される。一般にプレフィルタ64は、通常通り、コ ンデンサC1により四重極66と容量結合され、よってプレフィルタ64用の別 電源は必要とされない。 四重極66からイオンはインターフェース板72のオリフィス70を通って検 出器74に進み、そこでイオン信号が検出され分析及び表示のためにコンピュー タ76に渡される。 図1Aは通常の四重極質量分光計の標準的a/q安定度図を示す。パラメータ a及びqがそれぞれ縦軸及び横軸にとられており: である。ここでUはロッドに印加されるDC電圧、Vはロッドに印加されるRF 電圧、r0はロッド間内接円の半径、ΩはRF電圧の角周波数(ラジアン/秒) 、またmはイオンの質量である。a/q図に示される安定限界の外側のa及びq 値を有するイオンは、振動振幅が増加してロッド側に失われる。 質量分光計66の場合のように、四重極質量分光計がAC及びDCの双方が印 加される標準分解モードで作動していれば、質量分光計の動作線は通常前記安定 度図の頂点80を通過する。ここでq=0.707及びa=0.234である。 RF振幅及びDC電圧を連続的に上げてゆくにつれて、頂点80を通過して輸送 されるイオンの質量は連続的に増加し、その他の質量のイオンは排除される。 質量分光計がRF単独四重極すなわちイオン輸送器として作動する場合はDC は印加されず、四重極はq軸(a=0)上で作動する。q≦0.908(これは q軸上の点82に現れる)に相当する質量のイオンが輸送され、一方質量がより 小さいイオンはロッド側に排除され、よって輸送されない。四重極より多い多重 極についても同様の動作モードを定めることができるが、安定領域を明確に定め ることは難しくなる。 次にプラズマイオン源をもつ通常の(衝突セル41をもたない)質量分光計装 置を用いて得られた、通常の質量スペクトル90を示す図2を参照する。0.1 %のHNO3を試料に用いた。92で示される背景は比較的小さいことがわかる であろう。しかし、m/z=40,41,56及び80にある優勢イオン信号は 、それぞれプラズマイオンAr+,ArH+,ArO+及びAr2 +である。これら の信号は、Ca,K,Fe,及びSeから現れるはずの信号と干渉する(及び実 際上完全に覆い隠す)。 次いで、図1の装置を用いるが、四重極すなわち衝突セル34にはセル内に侵 入するプラズマガスによる圧力のみがかかっている状態で得られた、質量スペク トル94を示す図3を参照する。セル圧力(すなわちケーシング36内部の圧力 )は1mTorr(133mPa)程度であったと考えられる。分解質量分光計 66との容量結合により、衝突セルにはRFのみが印加されていた。10億分の 10(10ppb)のMg,Sc,Cu及びGeを図の質量スペクトル範囲の外 側のm/z値を有するその他の検体種とともに含有する試料を用いた。装置は( 四重極66にRF及びDCが印加される)標準の分析条件の下で作動させた。m /z=40,41,56及び80にある干渉は、主として図2に関して述べたプ ラズマイオンによるものである。衝突セル内の背景ガス及び汚染物のイオン化に よる非常に大きな化学的背景雑音96が存在して、その他の質量のほとんどを覆 い隠している。 次に、図3と同じ試料を用いたが、図1に関して説明した方法で衝突セルに加 えられた(すなわち反応性衝突ガスが導管44を通してセル内部に加えられ、ま たセルの前面の位置50にも与えられた)反応性衝突ガス、特にアンモニア(N H3)を用いて得られた質量スペクトル98を示す図4を参照する。反応性衝突 ガスの存在は、Ar+,ArH+,及びArO+のイオン信号を、反応性衝突ガス との反応によるこれらのイオンの変換のため、劇的に低減する。しかしイオンN H4 +,NO+,NH4 +NH3による新しい干渉が見られ、さらにほとんどの質量に おいてかなりの大きさの背景干渉があり、微量元素分析を妨害している。 次いで、用いた試料が異なり、また衝突セル34に低分解DC電圧(17.5 ボルトDC)を印加したことを除いて、図4の場合と全く同様にして得られた2 つの質量スペクトル100,102を示す図5を参照する。図5の上側のスペク トル100は100ppbのMn,Fe及びCoを含有する試料に対応する。下 側のスペクトル102は蒸留脱イオン水(DDIW)試料で得られた。RFは電 源56により1.5MHz,ピーク間(p−p)300ボルトRFを印加した。 これらのRF及びDC電圧は、m/z=56でq=0.671及びa=0.07 8を与える。前記a及びq条件下では、45<m/z<163であるようなm/ zを有するイオンが無衝突条件下で安定である。 図5から、検体信号が図4に比較して4ないし5分の1に減少したが、背景干 渉は104分の1に減少したことがわかるであろう。すなわち、(スペクトル性 及び非スペクトル性干渉の双方を含む)背景干渉信号が事実上除去されて、Mn ,Fe及びCoを実際上干渉を受けずに測定できることがわかるであろう。 図5のスペクトルが図4に比較してこれだけ改善された理由は、Mn,Fe及 びCoのような必要な元素は衝突ガス(NH3)と反応しないが、対象としてい る質量範囲で干渉をつくりだしていたはずの反応シーケンス中間体は排除されて しまったためであると考えられる。例えば、NH3は反応してNH4 +を形成する 。NH4 +は比較的安定である(よって“終端”イオンである)が、(後に説明す るように)衝突セル41の“帯域通過”領域の外側にあり、よって排除される。 NH3はまたアルゴンイオンと反応してArH+を形成し、質量41にあるArH+ は衝突セルの通過帯域(45<m/z<163)に近接しているが、ArH+は 陽子転移により反応して(上述したように問題にはならない)NH4 +を形成し、 また中性であるから干渉を生じない、中性アルゴンを形成する。 一般的には、衝突セル41内に(イオン源からのガス、例えばプラズマイオン 源のアルゴンが含まれることもある)衝突ガスが存在する場合に、試料イオンが 衝突セルに導入されたとき、ある試料イオンは衝突ガスと反応して新しいイオン を形成し、次いでこの新しいイオンが存在する有機汚染物と反応して同重干渉を さらに形成することがある。おこり得る反応シーケンスは様々であって複雑であ り、完全にはわかっていない。しかし、反応シーケンスが必要なm/z値にある 同重干渉を形成するイオンを生成する前に、前駆イオンまたは中間イオンを(す なわち反応シーケンスで形成されるいかなるイオンも)除くように衝突セル41 を作動させれば装置の性能は大きく改善される。 説明として、縦軸にイオン輸送率をとり横軸に質量をとってプロットしてある 図5aを参照する。質量は横軸の右に向かって増加し、質量はqに反比例してい るから、qは図5aの横軸の左に向かって増加する。 通常の場合と同様に、図5aはq=0.908にステップ112を有する曲線 110を示す。RF電圧振幅V及び周波数Ωは曲線110に合わせてあるとする 。q≦0.908においては、質量が大きいほど安定であって輸送されやすいが 、q>0.908においては(すなわち、ステップすなわちカットオフ112の 左側では)、質量が小さくなるほど不安定になりやすく、排除されやすい。ある 中間イオンが図5Aのq<0.908におけるm/z値“x”を偶然にもってい たとすると、曲線110a及びステップ112aに示されるように、低質量カッ トオフを右に(より高質量側に)シフトさせることにより、このイオンを排除す ることができる。このことは、RF電圧VまたはRF周波数Ωあるいはこれらの 双方を調節することにより達成される。この調節は、(q=0.908にある) ステップ112aを“x”より大きなm/z値にシフトし、除かれなければ同重 干渉を生じるはずの中間イオンを排除しやすくする。実際上、衝突セル41は干 渉中間イオンを包含する除去帯域(q>0.908である低質量域)及びその他 のイオンを全て包含する(衝突セル41の質量範囲の上限までの)通過帯域(q ≦0.908である高質量域)をもって作動する。 排除されるべき中間イオンが(よくあるように)観測されるべき所望の質量の 上側と下側の両方に生じやすい場合には、図5に関して述べたように、所望の帯 域通過を生じさせるために分解DCを印加することができる。このことが、イオ ン輸送率を縦軸にとり、m/zを、右に向かって増加するように、横軸にとって 、RF電圧振幅及びDC電圧が固定されまたRF周波数も固定されているとして 、プロットした図5bの曲線120に示されている(q及びaはm/zに反比例 するから、q及びaはやはり横軸の左に向かって増加する)。 図5bには、帯域通過領域すなわちピーク122が示されている。この帯域通 過領域122内のm/z値をもつイオンは輸送されやすいが、一方帯域通過領域 122の外側のイオンは排除されやすい。ピークすなわち領域122の左端12 4が低質量カットオフであり、一方右端126がここでは高質量カットオフにな っている。 他のイオンと反応して干渉を形成するかもしれないイオンであっても、通過帯 域122の限界外にあるイオンは排除されることが図5bを参照して理解される であろう。従って干渉を生じるような反応シーケンスは妨げられ、遮断されるが 、一方分析されるべきイオンであって、所望の通過m/z値窓にあるイオンは分 析のために輸送される。 図5のスペクトルは図4のスペクトルに比較して、上述の理由により、干渉が 大きく低減されているが、衝突セル41へのDCの印加は、例えばイオンをセル から散乱させることにより、損失を生じる効果を与え得ることに注意しなければ ならない。このような損失は、q値を変えずに、できるだけ低いDC電圧を印加 することにより低減できる。図6は、図5と回じ試料を用いているが、供給RF は1.2MHz,(ピーク間)205ボルトRFとし、また分解DCを8ボルト まで下げて得られた2つの質量スペクトル130,132を示す。このRF及び DC値は、m/z=56で定めて、q=0.716及びa=0.056を与える 。上記q及びa条件下では、47<m/z<280であるようなm/zを有する イオンが無衝突条件下で安定である。上記条件は衝突セル41での分解能が図5 で与えられる分解能よりも若干低くなる(通過帯域が広くなる)ことに相当する が、かなり強度の大きくなった検体イオン信号(スペクトル130)を、おそら く若干大きくなった干渉イオン信号とともに与える。 DDIW試料で観測されるスペクトル132のほとんどは、イオン信号比から わかるように、明らかに洗浄不足による先行試料からの残留Mn,Fe及びCo から生じたものであることに注意しなければならない。図5及び図6のいずれに おいても主検体試料は検体イオン(Mn,Fe,Co)を100ppbしか含ん でおらず、さらにDDIW試料は100ppbよりはるかに少ない検体しか含ん でいないことから、用いた方法及び装置の感度が高いことは明らかであろう。 図5a,5bに関して示した方法において、帯域通過すなわちイオン輸送窓の 低質量端は主として衝突セル41に印加されるRF振幅及び周波数により定まり 、一方帯域通過の高質量端は主に印加DC電圧により定まることがわかるであろ う。その目的は高分解能を得ることではもちろんなく(実際上衝突セル内圧力で は高分解能は一般に達成されない)、むしろ干渉イオンの中間体(前駆体)が同 重のまたは同様の干渉を生じる機会を得る前にこれらを除去することである。 好ましい反応ガスとしてアンモニアを(比較的安定なNH4 +を形成するので) 示したが、関与する試料の特有の化学的性質に依存して別の反応ガスを用いるこ ともできる。さらに、衝突セル内圧力もやはり(一部は関与する化学種及びその 化学的性質に依存する)目的に応じて変わり得る。好ましい圧力範囲は5から3 0mTorr(3990mPa)であるが、衝突セル内の圧力は、やはり関与す る特有の化学的性質及び検体に依存して、1から100mTorr(133から 13300mPa)の範囲、あるいはさらに広い範囲で変わり得る。 選択される帯域通過窓の幅も、それぞれの特定の場合に関与する化学種及びそ の化学的性質に応じて選ばれる。窓帯域幅は、観測されるべき所望のイオンの質 量、用いられる衝突セルの形式、及びそれら自体であるいは引き続く反応により 同重干渉を生じ得る干渉イオンの質量に依存する。排除されるべきイオンの全て が観測されるべきイオンより質量が小さければ、低質量カットオフが適切に設定 された、RF単独動作で十分であろう。(より一般的にみられるように)除かれ るべきイオンに観測されるべきイオンより高い質量と低い質量をもつもののいず れもがある場合は、低質量及び高質量カットオフを有する帯域通過窓が望ましい 。 図5bに関して説明した帯域通過窓122は通常の分解RF及びDC印加によ りつくられるとして示したが、帯域通過窓122はその他の様々な方法でつくる ことができる。例えば帯域通過窓はフィルタリングされた雑音電場を衝突セルに 与えることによりつくることができる。ここでフィルタリングされた雑音電場は 、輸送がおこるべき帯域通過窓に対応する周波数を除く全有意周波数における周 波数成分を含んでいる。対象としている帯域通過の外側のm/z値をもつイオン は、よく知られているように、フィルタリングされた雑音電場からエネルギーを 得て、排除される。対象とするm/z値の外側のイオンの除去のためにフィルタ リングされた雑音電場(FNF)を用いることは周知であり、例えばラングミュ ア(L angmuir)等の米国特許第3,065,640号を含む、いくつかの米国 特許に記述されている。図1にはFNF源134が点線で示されている。 実質的に帯域通過窓をつくる利用可能な方法は他にもある。例えば干渉イオン の前駆体を除くために電源56からのRF及びDCを急速にノッチすなわち通過 帯域まで、次いでこのノッチすなわち通過帯域の上まで、連続的に上げてゆくこ とによるノッチフィルタ法を例えば用いることができる。 帯域通過窓122内のm/z値を有するイオンが衝突セル41を通して輸送さ れ、次いで通常は狭い輸送ピーク138をもつ分解分光計66に入り、対象とし ているイオンが分解されるという、図6aに示される結果が得られる。前述した ように、分解分光計66は四重極またはその他の多重極であってよく、あるいは 飛行時間型質量分光計、扇形質量分離器、またはその他のいかなる形式の質量分 析器であってもよい。 次に10ppbのK及びCaを含有する試料を用いて得られた質量スペクトル 140並びに蒸留脱イオン水を用いて得られた第2の質量スペクトル142を示 す図7を参照する。図7の質量スペクトルは、衝突ガスとしてアンモニアを用い 、1.2MHz,135ボルトRF(p−p)で衝突セルを作動させ、分解DC を10ボルトとして、図5と同様にしてして得られた。このRF及びDC電圧は 、m/z=40で定めてq=0.660及びa=0.098を与える。上記q及 びa条件下では、33<m/z<90であるようなm/zを有するイオンが無衝 突条件下で安定である。 図7において、質量が40のカルシウムが背景信号よりはるかに大きくなって いることがわかるであろう。K39及びK40も実験室環境のカリウム汚染より 十分大きい(プラズマを比較的低温にして作動させることにより、1兆分の30 (30ppt)までのカルシウムを検出できるが、非常に干渉を受けやすいこと を発明者等は見いだしたことを記しておく)。図7において、また図示される他 の質量スペクトルに対しても、標準的な高温プラズマを使用した。例えば図7に おいて、検出限界は数pptという小ささであった。 図8は、10ppbのNaを含有する試料で得られた質量スペクトル144及 びDDIWを用いて得られたもう1つののスペクトル146を示す。反応性衝突 ガスとしてやはりアンモニアを用い、分解DCを11.9ボルトとして、1.6 8MHz,139ボルトRF(p−p)で、衝突セルを作動させている。これら のRF及びDC電圧は、m/z=23で定めてq=0.603及びa=0.10 3を与える。このq及びa条件下では、17<m/z<40であるようなm/z を有するイオンが非衝突条件下で安定である。 上部のトレースすなわちスペクトル144は、m/z=23で明瞭に分解され たNaを示している。Na近傍の背景信号は大きく抑えられ、事実上干渉を受け ることなくNaを測定できる。DDIW試料から得られた残留信号から、不十分 な洗浄のため、やはり先行試料によるかなりの汚染があることは明らかである。 次いで、1つは1ppbのLi試料で得られたスペクトル148であり、もう 1つはDDIWを用いて得られたスペクトル150である、2つの質量スペクト ルを示す図9を参照する。この場合には、反応性衝突ガスは加えていなかった。 従って衝突セルにはそこに侵入したプラズマガスしか含まれていなかった。この 場合、分解DCを3.1ボルトとして1.68MHz,39ボルトRF(p−p )で衝突セルを作動させた。これらのRF及びDC電圧は、m/z=7で定めて q=0.556及びa=0.088を与える。このq及びa条件下では、5<m /z<12であるようなm/zを有するイオンが無衝突条件下で安定である。m /z=7のLi近傍の背景信号がかなり抑えられており、事実上干渉を受けるこ となくLiを測定できることがわかるであろう。蒸留脱イオン水試料における残 留信号から、不十分な洗浄のため、やはり先行Li試料によるかなりの汚染があ ることは明らかである。 図10は、試料として100ppbのLiを用いて得られた2つの質量スペク トル152,154を示す。上部のトレース152は、衝突ガスを加えていない (よって衝突セル41には衝突セルに侵入したプラズマガスしか含まれていない )図9に示した状況に対応し、リチウムに対する大きなピーク156を示す。下 部のトレース154はセルに反応性衝突ガスを加えた場合(ここではNH3で、 セル内圧力は約20mTorr(266mPa)になっている)に対応している 。反応性衝突ガスを加えたことにより、明らかに散乱損失のため、Li検体信号 が(衝突ガスがない場合の)ピーク156から(反応性ガスを用いた場合の)ピ ー ク158まで抑えられたことがわかるであろう。 図11は、やはり100ppbのLiを含有する試料を用いた2つの質量スペ クトル160,162を示す。質量スペクトル160,162のいずれについて も、衝突ガスを加えずに、1.68MHz,39ボルトRF(p−p)で衝突セ ルを動作させたが、トレース162については分解DCを印加せず、一方トレー ス160については(極間)3.1ボルトDCを印加した。3.1ボルトの分解 DCを印加して得たスペクトル160はかなり良く分解されて、非スペクトル性 背景が低減されている。分解がかなり悪く、もちあげられた非スペクトル性背景 164をもつスペクトル162は、分解DCを用いずに得られた。 Ar+は、(検出器に衝突することにより)直接的にあるいは(検出器に打ち 当たる光子を放出することにより)間接的に背景信号をつくりだす、Ar+*及び Ar*を含む準安定イオン及び中性種を生成することにより、連続背景に寄与し 得ることに注意しなければならない。背景信号源が(マスフィルタには影響され ない)準安定中性種であれば、背景は連続体となるであろう。図11において、 衝突セルへの分解DCの印加により作られた帯域通過がアルゴンイオンを除去し 、よって準安定アルゴンからの干渉を低減している。 図12は2つの質量スペクトル166,168を示す。第1の質量スペクトル 166は、それぞれ1ppbのTi,Cr,Mn,Fe,Ni,Cu,Zn及び Asを、図の質量スペクトル範囲の外側のm/z値を有するその他の検体種とと もに含有する試料を用いて得られた。第2のスペクトル168はDDIWを用い て得られた。いずれの場合にも衝突ガスは用いられず、よって衝突セルには約1 mTorr(133mPa)の圧力のプラズマガスしか含まれていない(これは 、衝突セルが分解質量分光計へのイオン注入器として用いられるときの一般的条 件である)。いずれの場合にも、周波数1.586MHz,VRF=200ボル トp−pのRFが単独(DC無)で印加されている。上記q及びa条件下では、 m/z>25amu(原子質量単位)のm/z値を有するイオンが無衝突条件下 で安定である。いずれのスペクトルにおいても、主として衝突セル内での反応か ら生じたスペクトル性背景により、検体信号が隠されている。 図13は、図12の試料と同じ試料を用い、やはり衝突ガスを用いずに(よっ て図12の場合と同様にセルにはプラズマガスしか含まれていない)得られた2 つのスペクトル170,172を示す。しかしここでは、VDC=14.5ボル トの分解DC電圧が衝突セルに印加されている。RFは1.194MHz,VR F=200ボルトp−pであり、m/z=56で定めてq=0.7及びa=0. 1を与える。このq及びa条件下では、49<m/z<138であるようなm/ zを有するイオンが無衝突条件下で安定である。 DCを印加してm/z=56近くに帯域通過窓をつくることによりスペクトル 性背景が非常に大きく低下し、よって今では試料信号を観測できることがわかる であろう。質量56の酸化アルゴンは除去されなかったが、有機同重干渉による 成分は除去された。 図14は、図12と同じ試料を再び用いているが、ここでは反応性衝突セルが NH3で約30mTorr(3990mPa)の圧力まで加圧されている。分解 DCは印加されていない。1.586MHz,VRF=200ボルトのRFが印 加され、q=0.4及びa=0を与える。このq及びa条件下では、m/z>2 5amuのm/z値を有するイオンが無衝突条件下で安定である。図12で見ら れたスペクトル性背景信号が抑えられ、検体信号は図12に比較して強められて いることがわかるであろう。 図15は、図14の条件と同じ(反応性衝突ガスにやはりNH3を用いた)条 件下であるが、(1.194MHz,VRF=200ボルトのRFを用いて)q をq=0.7まで上げ、a=0(DC無)で得られた、2つのスペクトル178 ,180を示す。このq及びa条件下では、m/z>44amuのm/z値を有 するイオンが無衝突条件下で安定である。この場合、スペクトル178において は背景が大きく低下しており、これは明らかにqが大きくなり低質量カットオフ が高質量側にシフトして、干渉イオンを生成し得る中間イオンが除去されたため であることがわかるであろう。 図16は、図15の試料と同じ試料を用い、低電圧の分解DCが印加されてい る(当然“a”がゼロから有限値に増加する)ことを除いて図15と同じ条件下 で得られた2つの質量スペクトル182,184を示す。図15の場合と同様に RFは1.194MHz,VRF=200ボルトであるが、14.5ボルトDC が印加されて、q=0.7及びa=0.1を与える。このq及びa条件下では、 49<m/z<138であるようなm/zを有するイオンが無衝突条件下で安定 である。この場合、いくつかの干渉イオンを排除する高質量カットオフの結果と して、検体信号の背景信号に対する比をある程度改善できた。 図17は、それぞれ1ppbのNa,Mg及びAlを(図の質量スペクトル範 囲の外側のm/zを有するその他の検体種とともに)含有する試料について、代 表的な衝突セル条件下で図1の装置を用いて得られた質量スペクトル186を示 す。図17はまた、同じ条件下ではあるがDDIWを用いて得られた第2の質量 スペクトル188も示す。図17で用いた代表的衝突セル条件においては、q= 0.4(RFは2.28MHz,VRF=200ボルトp−p)であり、一方で a=0であった。このq及びa条件下では、m/z>12amuのm/zを有す るイオンが無衝突条件下で安定である。He中に40%のH2を含む混合衝突ガ スを約10mTorr(1330mPa)の衝突ガス圧で用いた。m/z=27 における大きな同重干渉がm/z=27のAlの測定を妨げていることがわかる であろう。通常の衝突セルではこれが一般的である。 図18は、図17の質量スペクトルにそれぞれ対応する、qをq=0.57ま で上げたことを除いて図17と同じ条件下でとられた2つのスペクトル190, 192を示す。この場合、印加RFは1.91MHz,VRF=200ボルトp −pであり、a=0である。このq及びa条件下では、m/z>17amuのm /zを有するイオンが無衝突条件下で安定である。同じくHe中に40%のH2 を含む衝突ガスを用いた。この場合、qの増大がm/z=27の背景信号を十分 には抑えていないことがわかるであろう。 図19は、図17及び18のスペクトルにそれぞれ対応し、同じ試料を用い、 図18と同じqを与えているが、この場合は(アルミニウムに対する)m/z= 27で定めてq=0.57及びa=0.08となるような分解DCを印加した2 つの質量スペクトル194,196を示す。印加RFは同じく1.91MHz, VRF=200ボルトp−pであるが、14.25ボルトの分解DCを印加して いる。このq及びa条件下では、19<m/z<55であるようなm/zを有す るイオンが無衝突条件下で安定である。 図19より、分解DC成分の印加によりm/z=27における背景信号はかな り抑えられるが、一方Al検体について得られる正味の信号は影響されていない ことがわかるであろう。この結果はAl測定能力における大きな改善であった。 この場合、帯域通過窓の高質量カットオフが明らかに同重干渉を取り除いた。 上述した実施の形態においては、分析器66からのイオンが分析のために検出 されるとしていた。しかし必要であれば、これらのイオンをさらに様々なプロセ スにかけることができる。例えば、分析器66により選択されたイオンが図20 (プライムの付けられた参照数字は図1に対応する部品を示す)に200で示さ れる通常の衝突セルに導かれ、そこで開裂して娘イオンを形成し(あるいはそこ で反応して生成イオンを形成し)、次いで別の分析器202を通過した後に、最 終的に検出されて分析される。 さらに、必要であれば、質量分析器66’を除去し、(用いられる検体に応じ て)イオンの選択を帯域通過衝突セル41’に行わせることもできる。例えば、 問題にしている検体が2つのイオンしか生成せず、そのうちの1つが対象とする イオンであり、残る1つが干渉イオンあるいは干渉イオンの前駆体であれば、セ ル41’を用いてこの干渉イオンあるいは干渉イオンの前駆体を取り除くことが できる。この場合、反応性衝突セル41’からの対象とするイオンは開裂のため に直接通常の衝突セル200に輸送され、開裂後娘イオンは図1の場合と同様に (多重極として図示されているが、もちろんいかなる種類の分析器であってもよ い)分析器202で分析される。 さらに、2重プライムが付けられた参照数字が図1及び20と対応する部品を 示す図21を参照する。図からわかるように、図21は分析のために(必要であ れば(図示されていない)セル41のようなイオン輸送器が前にあってもよい) 分解質量分光計Q1にイオン流を供給する通常のイオン源12”を示す。分解分 光計Q1は対象とする親イオンを選択し、選択された親イオンは次いでガス源2 10から衝突ガスが供給される標準の衝突セルQ2に注入される。分析器Q1, Q2は四重極質量分光計が一般的であるが必ずしもこれである必要はない。 分析器Q1を通して輸送された親イオンは、衝突セルQ2において開裂して娘 イオンを形成し、次いでこの娘イオンが検出器74”による検出及びコンピュー タ76”による分析のため、通常の飛行時間(TOF)型質量分光計212に注 入される。 よく知られているように、TOF型質量分光計においてはイオンはパルスとし て分析管216内に注入され、検出器74”に到達するまでの飛行時間がそれぞ れ異なる。重いイオンほど軽いイオンより分析管を通って進む速度が遅い。次の イオンパルスを分析管内に導入できるようになるまでには、最も速度の遅いイオ ンが分析管を通って検出器74”まで通過するに十分な時間をかけなければなら ないことが、TOF型質量分析器のデューティサイクル限界の1つである。この ことは、第1のパルスの最も重いイオンの飛行時間が第2のパルスの最も軽いイ オンの飛行時間と重なり合わないようにするために必要である。 本発明に従えば、分析管216内に導入されるイオン質量範囲の上限を制限す るために、衝突セルQ2を高質量カットオフにより定まる適切な帯域通過で作動 させることができる。これにより、デューティサイクルを大きく改善することが できる。(これに限定するつもりはない)例として、衝突セルQ2でつくられる 最重娘イオンのm/z値が2,000amuであり、高質量カットオフがm/z =200amuを限界にしていれば、TOF212のデューティサイクルは1/ 10に短縮でき、これは極めて実質的な改善である。 主としてRFにより定まる安定限界で与えられる衝突セルQ2の低質量カット オフは、同様ではあるがおそらくそれほど重要ではない改善をデューティサイク ルに与えるであろう。 本用途に対しては、衝突セルQ2を衝突ガスを用いるかあるいは用いないで作 動させ得ることに気づくであろう。衝突ガスを用いないで作動させる場合、衝突 セルQ2は実質的に、輸送されるイオンを選択された通過帯域内のm/z値範囲 に制限するイオン輸送器として機能する。選択される通過帯域の幅は関与する特 定の化学種及びその化学的性質に依存するであろう。 前述したように、衝突セルQ2の通過帯域は、適切なRF及びDC電圧の印加 によるか、フィルタリングされた雑音電場(FNF)の使用によるか、ノッチフ ィルタリングによるか、あるいはその他の適切な手段により定めることができる ことにも気づくであろう。 本発明に従うイオン輸送器で、通過帯域を設定するために、RF及びDC電圧 が用いられる場合、DC電圧は通常の分析DC四重極に用いられる電圧より普通 はかなり低い。通常の分析四重極においてDC電圧はa=0.234となるよう に設定されるのが普通である。本発明の帯域通過装置においては、必要な帯域通 過特性は得ながらこの装置のイオン輸送能力を改善するために、比較的低いDC 電圧を用いることが望ましい。一般に“a”は約0.15以下であり、(説明し た例に示されるように)かなり小さくすることができる。 低質量及び高質量カットオフの確定に用いられる特定の方法には関わらず、低 質量及び高質量カットオフ間の通過帯域幅は用途に応じて変えることができる。 例えば、通過帯域幅は図6に関する233amuという大きい値から図9に関す る7amuという小さい値まで変わる。(低質量及び高質量カットオフがある) 通過帯域の幅は、装置がRF単独モードで動作する場合に輸送し得る質量範囲よ り必ず狭いが、装置が通常の分解モードで(ほとんどの装置が今では約1amu ないしそれ以下まで分解できる、安定度図の頂点において)作動する場合に輸送 され得る質量範囲よりは広い。 DCは電源56内の通常のDC源を用いて四重極34のロッドに印加されると していたが、実際上DCは所望のいかなる方法でも供給できる。例えば、図22 に示されるように電源300は、RF周波数で、0.5から大きくとも小さくと もよい可変デューティサイクルを有する方形波302を発生する、方形波発生器 とすることができる。デューティサイクルを(例えば正側パルスが負側パルスよ り広くなるように)0.5からずらすことは平均DC電圧の印加と等価であり、 低DC電圧の使用に関して前述した利点が得られる。 多くの場合には、四重極34のような反応性衝突セルを必要とせずまた反応性 衝突セルにより装置を複雑にすることなく、検体を有用なレベルで容易に測定で きることにも気づくであろう。実際に、たとえ衝突ガスを加えなくとも、衝突セ ルの存在によりある検体の測定が困難になる場合がある。すなわち、反応性衝突 セル34をAC単独のプレフィルタモードに変換することが望ましく、また分析 の途中でそうすることが望ましい、作動モードがある。以下の説明では本発明の 上記態様を扱う。 さらに詳しくは、反応性衝突セル34は普通、圧力の異なる2つの真空チャン バー間の(例えば、図1のチャンバ28内におかれた反応性衝突セル34への入 口及び図1のチャンバ60への出口をもつ)インタフェースとしての位置におか れる。衝突セルに衝突ガスが(例えば導管44を通して)加えられなければ、衝 突セル内の圧力はチャンバ28と60の圧力の中間値となるであろう。本明細書 で前記したようにこのような条件下でセル34に含まれるガスは高圧側チャンバ 、例えばチャンバ28にあるガスである。このガスは主としてスキマーオリフィ ス22を通るプラズマ流から得られる。このプラズマガスには、ある種の検体イ オンに反応する成分(例えば、O,H,NO,H2O等)が含まれていることが ある。さらにプラズマガスは主として、前述したように、Ar+のようなエネル ギーをもつイオンとの衝突による準安定中性種への励起のためにもちあげられた 連続(非スペクトル性)背景に寄与し得る、(アルゴンICP(誘導結合プラズ マ)用の)Arからなる。 上記状況下においては、衝突セル34内圧力は衝突セルの入口及び出口アパー チャの直径に比例するであろう。低圧チャンバ(例えばチャンバ60)に導くア パーチャの直径が高圧チャンバ(例えばチャンバ28)に開口するアパーチャの 直径よりかなり大きくない限り、衝突セル内はかなりの化学反応を促進するに十 分な圧力になり得る。このような反応は、プラズマガス成分のイオン化による、 あるいはセル内の汚染分子との反応による、スペクトル性干渉を形成し得る。さ らに、ある種の検体イオンはセル内に含まれるプラズマガスと反応して、これら の反応性検体イオンに対する検体信号損失を生じることもある。従って、衝突ガ スを加えない場合であってさえ、ある種の分析環境においては、衝突セルの作動 によりもちあげられた背景(非スペクトル性)及び大きなスペクトル性背景が生 じ、またおそらくある種の検体の信号損失が生じ得る。 すなわち、衝突ガスが衝突セルに加えられない場合であっても、衝突ガスが用 いられていない衝突セル内の圧力を低めるために、衝突セル34を高真空チャン バ(例えばチャンバ60)側に通気することが望ましい状況があり得る。衝突セ ルを高真空チャンバ側に十分通気することにより、新規のスペクトル性背景は低 減できるかあるいは排除できる。これを達成するには、衝突セルの出口アパーチ ャ直径を大きくすることによるのが最も簡便であろう。しかし衝突セルは、プレ フィルタが使用されない場合には、プレフィルタ多重極64または分析多重極6 6とは異なるRF周波数または実質的に異なるRF振幅で作動することもある。 拡張された出口アパーチャ直径が十分大きく、衝突セル多重極がプレフィルタま たは分析多重極と容量結合し得る場合には、この容量結合を防ぐための手段が与 えられなければならない。 容量結合を低減する1つの方法は、衝突セル34と後続の多重極(例えば多重 極64または66)との間に適切な寸法の導電性メッシュフィルタを入れること である。しかし出口アパーチャ直径が大きいと、連続(非スペクトル性)背景信 号の増加が見られる。この上昇した背景信号は、衝突セルの出口面を少なくとも 部分的に遮断することにより低減ないし排除できることがわかった。これは、衝 突セル(例えば四重極34)とプレフィルタ64との間の軸上に、ワッシャータ イプのアパーチャ板を装着することにより簡便に達成できる。図23に示される ように、衝突セル34をプレフィルタ64から隔離するためにメッシュ材304 を用いるならば、ワッシャータイプのアパーチャ板306をメッシュ材304に 付けることができる。このワッシャータイプアパーチャ板306は中心に小開口 308を有し、衝突セル34の軸近傍を進むイオンを通過させることができる。 アパーチャ板306の外径が、連続背景信号を低減するには十分大きいが、アパ ーチャ板の周りから、すなわちメッシュ材304を通して、衝突セルを有効に排 気するには十分小さければ、得られるスペクトルは、さもなければ圧力が高くな るために衝突セル内で発生するはずの連続(非スペクトル性)干渉及び、またス ペクトル性干渉からもほとんど免れることができる。 図23において、絶縁用メッシュ材304の外径は衝突セル34を納めるケー シング36の直径に等しいか、それより大きいことが望ましい。ワッシャータイ プアパーチャ板306の外径は多重極衝突セル34の内接円直径にほぼ等しいか 、若干大きい。アパーチャ板306の開口308の内径は、連続背景を低く保ち ながら、セル34からイオンを十分に輸送できるに十分な大きさである。 加圧動作に用いられる全面アパーチャ板を装着したままで衝突セル34に径方 向通気を与える、別の実施の形態が図24に示されている。図24の実施の形態 において、ケーシング36とチャンバ60との間の壁となるアパーチャ板が32 0で示され、このアパーチャ板は通常の開口40をもつ。通気は、ケーシング3 6の出口端に、フランジ326,338により定まるスロット325内で回転可 能な一対の環322,324を備えることにより得られる。環322,324は それぞれ穴すなわち開口330,332を含む。これらの環はスロット325内 で回転できるように取り付けられているから、これらの環を回転させ、よって図 24に示されるように一対の環のそれぞれにある穴の位置を合わせることにより 、通気を得ることができる。セルは、それぞれの環の穴が互いに遮られるように 環322,324を回転し、次いで衝突ガスをセルに加えることにより、加圧動 作に切り換えることができる。 図24の実施の形態の使用においては、必要なときに衝突セルが高真空チャン バに適切に通気されるように、開口330,332が必ず高真空チャンバ60内 におかれることは当然である。 必要なときに衝突セル34の通気調節を可能にする1つの方法が、一対の回転 同心環を使用することにより得られるが、このような通気は他の方法でも達成で きる。例えば、通気穴330をもつ内環332のみを残し、この環の周りに(図 示していない)板金のバンドを巻くこともできる。このバンドを強く締めるとバ ンドが内環の穴を封じ、バンドを緩めると穴が開いて高真空チャンバ60と通気 する。 その他の適切な手段も、衝突セル34を衝突セルとしては用いずAC単独プレ フィルタとして用いることが必要な場合に、衝突セル34を衝突セルに続く高真 空チャンバに選択的に通気するために用いることができる。 本発明のまた別の態様は化学的背景雑音の最小化に関する。衝突セル内のイオ ンは、印加RF振幅に比例する量の運動エネルギーを獲得することに注目する。 代表的な実験構成においては、200ボルトRFのRF振幅がほぼ0.3eVの 実効運動エネルギー増分をイオンに与える。イオンの運動エネルギーが増加する と、(吸熱イオン−分子反応、すなわち生成イオンが反応イオンより大きなエネ ルギーをもつ反応は一般に進行しないかあるいは低速で進行することに注意して )吸熱または近吸熱であるか、あるいは活性障壁が高いか、さもなければ妨げら れ ている、イオン−分子反応が促進され得る。 このような吸熱反応は、進行すれば、さらに生成イオンがつくられるために、 化学的(スペクトル性)背景を増加させ得る。従って、RF振幅を小さく、例え ば500ボルトより低く保つことは、スペクトル性(化学的)背景の最小化に役 立つ。RF振幅は150ないし200ボルトピーク間(本明細書で示されるRF 電圧は全てピーク間値である)、あるいはさらに小さく保つことが望ましい。 しかし、RF振幅を500ボルトあるいはさらに高く調節することに利点があ る場合があることもわかるであろう。RF振幅を大きくするとイオンの運動エネ ルキーが増加して、そうでなければ妨げられていた反応が促進されるが、公称質 量は等しいが熱化学的性質は異なる2つのイオンを弁別したい場合には、これが 利点となり得る。 例えば、対応する中性種が、相異なり、反応性衝突ガスのイオン化ポテンシャ ルより小さいイオン化ポテンシャルを有する、2つのイオンを考える。このよう な状況の例としてイオンS+及びO2 +を考える。それぞれのイオンに対応する中 性種のイオン化ポテンシャルは(Sについて)10.4eV、また(O2につい て)12.063eVである。電荷交換は吸熱的であるため、イオン化ポテンシ ャルが12.6eVをもつ(考え得る反応性衝突ガスの1つである)CH4と上 記イオンのいずれかが電荷交換により反応することは、通常は期待できない。し かし、上記イオンにさらに0.6eVを与えるに十分なまでにRF振幅が大きく なれば、O2 +イオン(m/z=32)はCH4分子と反応し、CH4分子をCH4 + (m/z=16)に転化してO2分子となり、従って、S+のCH4との反応は吸 熱的の(よって妨げられている)ままであるから、S+(m/z=32)に対す る干渉は取り除かれる。RF振幅の調節により同重イオンを弁別する(すなわち 識別する)可能性については、多くの実例が心に浮かぶであろう。 本発明のまた別の態様は、交互安定領域における四重極質量分析器の動作にと もなう問題を軽減するための衝突セル34の動作に関する。よく知られているよ うに、四重極質量分析器は第2安定領域で作動させることができ、実際には無限 個の安定領域が存在する。図25は四重極マスフィルタについての、様々な“x ”及び“y”方向における同時安定領域に関する周知のマシュー安定度図を示す 。 領域I,II,III,π1及びπ2は全て安定領域である。領域Iはほとんど の四重極マスフィルタが動作している第1安定領域であり、図1に示した安定領 域である。第2安定領域のより詳細な図が図26に示されている。第2安定領域 は非常に小さく、0から0.03の間の“a”値及び約7.51から7.58の 間の“q”値に対応していることがわかるであろう(図26の破線は等β線であ り、無視してよい)。よく知られているように、所望の安定領域は(印加RF及 びDC電圧並びにRF周波数を設定することにより)“a”及び“q”を適切に 設定することによって選ばれる。 図26に示される第2安定領域における動作により高質量分解能を得る機会が 得られるが、“エイリアシング”として知られる問題を生じることも周知である 。このエイリアシング問題とは、第2安定領域において分析されるm/z値のほ ぼ9倍の重さのm/z値を有するイオンも、これらのイオンの“q”値が同じマ スフィルタの第1安定領域における安定値に対応するために、マスフィルタ内で 安定であることである。エイリアシング問題は、セル34のような、第1安定領 域帯域通過衝突セルを第2領域四重極マスフィルタと組み合せることにより軽減 できる。例えば図1のような実施の形態において、セル34を第1安定領域で作 動させ、図1のマスフィルタ66は第2安定領域で動作させるとする。第1安定 領域における帯域通過衝突セル34の動作は、第2領域四重極66の前であって も後であっても、(衝突セルに非ゼロの“a”を与えることにより達成される) 通過帯域を対象とするm/zより重いイオンを除去するように設定できるから、 エイリアシング問題を軽減する。すなわち、上記イオンがエイリアス信号として 現れることはない。衝突セル内の対象とするm/zのほぼ9倍をこえるm/zを 有するイオンを除去することしか必要ではないから、通過帯域が非常に広くとも この手法を実行し得る。衝突セル及び第2領域マスフィルタが直列で(さらに別 の素子が検出器との間に組み合わされていてもいなくとも、検出器と直列で)あ る限り、上記利点を達成する上で衝突セルと第2領域マスフィルタとの相対位置 または順序は問題にはならない。 第2の利点は、上述した種類の第1安定領域衝突セルを第2領域四重極の前に おいたときに、ICPMS(誘導結合プラズマ質量分光計)の場合には、Ar+ が 衝突セル内で除去されることから連続背景信号を低減できることにより得られる 。本明細書で前述したように、Ar+は、Ar+*及びAr*を含む準安定なイオン 及び中性種(すなわち、分析に影響を与えるに十分な時間励起状態にある1つ以 上の電子をもつイオン及び中性種)を生成することにより、連続背景に寄与し得 る。Ar+*またはAr*は(検出器に衝突することにより)直接的に、また(検 出器に打ち当たる光子を放出することにより)間接的に背景信号をつくりだすこ とができる。この背景は、背景信号源が(マスフィルタに影響されない)準安定 中性種であれば、連続になる。連続背景への上記寄与は、Ar+イオンが加速さ れていれば、準安定Ar*に関する“出現ポテンシャル”(すなわちAr*が出現 し始めるポテンシャル)が15eV程度であるため、さらに重大になる。 第2領域マスフィルタは一般に20eV程度のイオンエネルギーで動作し、第 2領域マスフィルタの前にあるイオン光学系全体にわたってイオンエネルギーを このレベルより高く保つことが有利である。このことは、準安定Ar*起因背景 問題が第1安定領域質量分析器よりも第2安定領域質量分析器に対して厳しいこ とを意味する。しかし、連続背景信号は反応性衝突セル内でAr+イオンを排除 することにより減衰させることができる。Ar+イオンがセルから除去されれば 、Ar+イオンは準安定中性種の生成にあずかることはできない。さらに、Ar+ の排除前に生成された準安定中性種はセル内での衝突ガスとの衝突により消滅す ると考えられる。 帯域通過衝突セルがAr+イオンの排除により背景信号を軽減する機構は少な くとも2つある。その第1は(前述したように)Ar+と反応する適切な反応ガ スの選択による。第2は、たとえ衝突ガスを意識的に加えなくともAr+を除去 する帯域通過モードでセルを作動させ得ることである。これは通過帯域にAr+ が含まれていない場合に有効であり、よって質量分析器が、例えば図8に示した ように、Ar+から大きく離れたm/z値に設定されている状態で適している。 第1安定領域衝突セルが第2安定領域質量分析器に結合されている場合には、衝 突セルは(衝突ガスの有無に関わらず)低質量及び高質量カットオフの双方並び に第2領域質量分析器に輸送されるm/zを含む通過帯域をもって作動し得るか ら、上記の構成には重要な価値がある。 衝突セルが高質量カットオフをもたず、また衝突セルの低質量カットオフが4 0amuより小さい質量に質量分析器が設定されていれば(これは衝突セルのq に依存する;例えば衝突セルのqが0.3であれば、質量分析器が0.908/ 0.3×40amu=120amuより小さい質量に設定されている場合に低質 量カットオフは40amuより小さくなる)、Ar+はセルを通り、第2安定領 域質量分析器に導く光学系に輸送され(そこでAr+はおそらく加速されてAr+ 及びAr+*の出現ポテンシャルよりエネルギーが高くなり)、よって連続背景は 大きくなるであろう。一方、衝突セルが低質量カットオフ及び高質量カットオフ の双方をもって作動すれば、セルを通り質量分析器の前にある光学系へのAr+ 輸送により大きくなる連続背景は、Ar+が衝突セルの通過帯域内にある場合に のみ得られるであろう。すなわち、上昇した連続背景は40amu近傍で(この 近傍は帯域通過質量窓により定められる)分析する場合にのみ観測されることに なる。すなわち、通常の低質量カットオフ衝突セルでは広い質量範囲にわたって (提示した例では、120amuより下の全質量に対して)連続背景が上昇され るが、低質量及び高質量カットオフをもつ帯域通過で作動する衝突セルは(質量 範囲のほとんどにわたって帯域通過はAr+を排除するから)非常に狭い分析器 質量窓にわたってのみ、上記の上昇した連続背景を示すであろう。 質量分析器を第2安定領域より高次の安定領域で作動させる場合にも、適切な 方法論をもって、同じ手法を用いることができる。 本明細書では主として、プラズマイオン源を例に用いて、無機化学に関連して 説明したが、本発明は有機分析に用いられる装置にも適用が可能である。 本発明の好ましい実施の形態を説明したが、本発明の範囲内及び添付した請求 の範囲内で種々の変更がなされ得ることは当然である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.試料イオンがイオン輸送器を通して輸送され、前記試料イオンのいくらかは 選択されるべきイオンであり、その他の前記試料イオンは前記イオン輸送器内で 反応して前記選択されるイオンに同重または非スペクトル性干渉を生じ得るイオ ンまたは準安定種を形成させる前駆イオンである質量分光計装置の作動方法にお いて、前記方法が前記イオン輸送器から前記前駆イオンの少なくともいくらかを 排除し、よって前記干渉を低減するように、前記イオン輸送器を作動させる工程 を含むことを特徴とする方法。 2.前記イオン輸送器が多重極であることを特徴とする請求の範囲第1項記載の 方法。 3.前記前駆イオンのいくらかが第1のm/z値を有し、前記イオン輸送器が前 記第1のm/z値より大きなm/z値を有する低質量カットオフをもって作動す ることを特徴とする請求の範囲第2項記載の方法。 4.前記前駆イオンのいくらかが第1のm/z値を有し、またその他の前駆イオ ンが前記第1のm/z値より大きい第2のm/z値を有し、前記イオン輸送器が 前記第1及び第2のm/z値を含まない前記第1及び第2のm/z値の間のm/ z値の帯域通過をもって作動し、よって前記選択されるイオンを通過させ、前記 前駆イオンは排除することを特徴とする請求の範囲第2項記載の方法。 5.前記イオン輸送器が四重極であることを特徴とする請求の範囲第1項から第 4項のいずれかに記載の方法。 6.前記イオン輸送器が、RFのみが前記イオン輸送器に印加される四重極であ ることを特徴とする請求の範囲第1項から第3項のいずれかに記載の方法。 7.前記イオン輸送器が、RF及びDCのいずれもが前記イオン輸送器に印加さ れる四重極であることを特徴とする請求の範囲第4項記載の方法。 8.前記帯域通過が広帯域励起により達成されることを特徴とする請求の範囲第 4項記載の方法。 9.前記帯域通過が前記多重極にRF及びDCを印加し、前記帯域通過に対応す る前記RF及びDCのノッチをもって前記RF及びDCを急速に走査すること により達成されることを特徴とする請求の範囲第4項記載の方法。 10.前記試料イオンがプラズマにより生成されることを特徴とする請求の範囲第 1項から第4項のいずれかに記載の方法。 11.前記イオン輸送器からのイオンが選択のための分析質量分光計内に導かれ、 前記分析質量分光計が多重極であることを特徴とする請求の範囲第1項から第4 項のいずれかに記載の方法。 12.前記イオン輸送器からのイオンが選択のための分析質量分光計内に導かれ、 前記分析質量分光計が飛行時間型質量分光計であることを特徴とする請求の範囲 第1項から第4項のいずれかに記載の方法。 13.前記イオン輸送器からのイオンが選択のための分析質量分光計内に導かれ、 前記分析質量分光計がイオントラップであることを特徴とする請求の範囲第1項 から第4項のいずれかに記載の方法。 14.前記イオン輸送器からのイオンが選択のための分析質量分光計内に導かれ、 前記分析質量分光計が扇形質量分光計であることを特徴とする請求の範囲第1項 から第4項のいずれかに記載の方法。 15.前記イオン輸送器からのイオンを衝突セル内に導き、前記衝突セル内でイオ ンを開裂して娘イオンを形成し、前記娘イオンの少なくともいくらかを分解質量 分析器による選択のために前記分解質量分析器内に導く工程をさらに含むことを 特徴とする請求の範囲第1項から第4項のいずれかに記載の方法。 16.前記イオン輸送器からの選択されるべき前記イオンを分析質量分光計内に導 き、前記分析質量分光計でイオンを選択し、次いで前記分析分光計で選択された イオンを衝突セル内に導き、前記衝突セル内でイオンを開裂して娘イオンを形成 し、前記娘イオンの少なくともいくらかを分解質量分析器による選択のために前 記分解質量分析器内に導く工程をさらに含むことを特徴とする請求の範囲第1項 から第4項のいずれかに記載の方法。 17.前記試料イオンが前記選択されるイオンの少なくともいくらかと質量が同じ 干渉イオンを含み、前記干渉イオンを反応させて前記選択されるイオンとはm/ z値が異なる新規のイオンを形成するために前記イオン輸送器に反応ガスを供給 する工程を含むことを特徴とする請求の範囲第1項記載の方法。 18.前記前駆イオンのいくらかが第1のm/z値を有し、前記イオン輸送器が前 記第1のm/z値より大きいm/z値を有する低質量カットオフをもって作動す ることを特徴とする請求の範囲第17項記載の方法。 19.前記前駆イオンのいくらかが第1のm/z値を有し、またその他の前駆イオ ンが前記第1のm/z値より大きい第2のm/z値を有し、前記イオン輸送器が 前記第1及び第2のm/z値を含まない前記第1及び第2のm/z値の間のm/ z値の帯域通過をもって作動し、よって前記選択されるイオンを通過させ、前記 前駆イオンは排除することを特徴とする請求の範囲第17項記載の方法。 20.前記反応ガスがアンモニアであることを特徴とする請求の範囲第17項,第 18項または第19項記載の方法。 21.前記イオン輸送器にDCを印加する工程を含むことを特徴とする請求の範囲 第4項または第19項記載の方法。 22.前記イオン輸送器にDCを印加する工程を含み、前記イオン輸送器が四重極 質量分光計衝突セルであり、前記DC電圧が対象とするイオンに関して前記衝突 セルに対する“a”が0から0.15の間になるような電圧であることを特徴と する請求の範囲第4項または第19項記載の方法。 23.前記帯域通過が広帯域励起により達成されることを特徴とする請求の範囲第 19項記載の方法。 24.ピーク間が約500ボルトより小さい振幅のRF電圧が、吸熱反応によるス ペクトル性背景の形成を低減するために、前記イオン輸送器に印加されることを 特徴とする請求の範囲第1項から第4項及び第17項から第19項のいずれかに 記載の方法。 25.前記イオン輸送器が前記プラズマからのガスを含み、衝突ガスが前記イオン 輸送器に追加されないことを特徴とする請求の範囲第1項から第4項及び第17 項から第19項のいずれかに記載の方法。 26.イオンが衝突セルを通して輸送されて分析質量分光計内に導かれる質量分光 計装置の作動方法において、前記方法が衝突ガスとしてアンモニアを前記衝突セ ルに供給する工程を含むことを特徴とする方法。 27.前記衝突セルがイオンを受け取るための入口端を有し、前記アンモニアが前 記入口端に注入されることを特徴とする請求の範囲第26項記載の方法。 28.イオン流が衝突セル内に輸送され、前記衝突セルが入口端を有する質量分光 計装置の作動方法において、前記方法が前記入口端の前面の間隔をおいた位置で 前記イオン流に反応性衝突ガスを供給し、よって前記イオンが前記衝突セル内に 入る前に前記反応性衝突ガスと前記イオンとの間の反応を増進する工程を含むこ とを特徴とする方法。 29.前記反応性衝突ガスがさらに前記入口端にも注入されることを特徴とする請 求の範囲第28項記載の方法。 30.前記反応性衝突ガスが環を通して前記衝突セルの前記入口端に注入されるこ とを特徴とする請求の範囲第29項記載の方法。 31.前記反応性衝突ガスがアンモニアであることを特徴とする請求の範囲第28 項,第29項または第30項記載の方法。 32.前記衝突セルが低質量及び高質量カットオフを有し、前記低質量及び高質量 カットオフの間のイオンを通過させる帯域通過モードで作動することを特徴とす る請求の範囲第28項,第29項または第30項記載の方法。 33.試料イオンがイオン輸送器を通して輸送される質量分光計装置の作動方法に おいて、前記イオン輸送器が低質量及び高質量カットオフを有する帯域通過モー ドで動作し、よって前記低質量及び高質量カットオフの間のm/z値範囲にある イオンが前記イオン輸送器を通して輸送されることを特徴とする方法。 34.前記イオン輸送器を通して輸送されるイオンのm/z値範囲が前記イオン輸 送器の分解能より大きいことを特徴とする請求の範囲第33項記載の方法。 35.前記イオン輸送器が輸送特性値“a”及び“q”を有する四重極であり、輸 送されるイオンの前記範囲が0.15以下の“a”値により定められることを特 徴とする請求の範囲第33項記載の方法。 36.イオンがイオン輸送器に注入され、前記イオン輸送器からのイオンが分析の ために飛行時間型質量分光計に入れられる質量分光計装置の作動方法において、 前記イオン輸送器を高質量カットオフを有する通過帯域モードで作動させ、よっ て前記飛行時間型質量分光計に入るイオンの質量範囲を制限して前記飛行時間型 質量分光計のデューティサイクルを改善する工程を含むことを特徴とする 方法。 37.前記通過帯域がさらに低質量カットオフも有することを特徴とする請求の範 囲第36項記載の方法。 38.前記通過帯域が前記イオン輸送器へのRF及びDC電圧の印加により達成さ れることを特徴とする請求の範囲第36項または第37項記載の方法。 39.前記通過帯域が前記イオン輸送器への広帯域励起の印加により達成されるこ とを特徴とする請求の範囲第36項または第37項記載の方法。 40.試料イオンを生成するためのイオン源、前記試料イオンを受け取るための入 口を有するイオン輸送器、反応ガス供給源、及び前記反応ガスを前記イオン輸送 器に入れるために前記反応ガス供給源から前記反応ガスを送るための導管、並び に低質量及び高質量カットオフを前記イオン輸送器に設定して前記低質量及び高 質量カットオフの間の帯域通過をもたせるために前記イオン輸送器に励起を印加 するための手段を有することを特徴とする質量分光計装置。 41.前記導管が前記反応ガスを前記イオン源と前記入口との間の位置に送るため に配置され、前記位置は前記入口の上流側で前記入口と間隔をおいた位置である ことを特徴とする請求の範囲第40項記載の装置。 42.前記導管が前記反応ガスを前記イオン輸送器の前記入口内に送るための導管 部分をさらに含むことを特徴とする請求の範囲第41項記載の方法。 43.前記導管部分が前記イオン輸送器の前記入口内に環状の前記反応ガス流を供 給するための形状をもつことを特徴とする請求の範囲第42項記載の装置。 44.前記反応ガス供給源が反応ガスとしてアンモニアを収容することを特徴とす る請求の範囲第40項,第41項,第42項または第43項記載の装置。 45.試料イオンを生成するためのイオン源、前記試料イオンを受け取るための入 口及び出口を有するイオン輸送器、前記イオン輸送器の前記出口からイオンを受 け取るための分析質量分光計、反応ガス供給源、及び前記反応ガス供給源から前 記イオン輸送器の前記入口に前記反応ガスを送るための導管を有し、よって前記 イオン輸送器に入るイオンが前記輸送器内に進みながら前記反応ガスを通過する ことを有することを特徴とする質量分光計装置。 46.前記反応ガス供給源が反応ガスとしてアンモニアを収容することを特徴とす る請求の範囲第45項記載の装置。 47.前記イオン輸送器が第1のチャンバ内圧力を有するチャンバからのイオンの ための入口及び第2のチャンバ内圧力を有する第2のチャンバへのイオンのため の出口を有し、前記第1の圧力が前記第2の圧力より高く、前記イオン輸送器の 前記第2のチャンバへの通気を選択的に制御する工程を含むことを特徴とする請 求の範囲第1項記載の方法。 48.前記イオン輸送器の前記出口端にある通気穴、及び前記イオン輸送器の前記 出口端における通気を選択的に制御するために、前記通気穴の大きさを制御する ための機構を含むことを特徴とする請求の範囲第45項記載の質量分光計装置。 49.RFが前記イオン輸送器に印加され、前記イオン輸送器内のイオンに選ばれ たエネルギーを付加するように前記RFの振幅を設定し、よって熱化学的特性の 異なる同重イオン間を弁別する工程を含むことを特徴とする請求の範囲第1項記 載の方法。 50.前記イオン輸送器に反応性衝突ガスを加える工程を含み、前記同重イオンの 前記弁別が前記反応性衝突ガスに対する前記同重イオンの熱化学的特性の差に関 してなされることを特徴とする請求の範囲第49項記載の方法。 51.直列に組み合わされたイオン輸送器及びマスフィルタ、並びに前記直列組合 せに直列に配された検出器を有する質量分光計装置の作動方法において、前記マ スフィルタを第1安定領域より高次の安定領域で作動させ、前記イオン輸送器を 前記検出器のエイリアシングを低減するために設定された高質量カットオフをも つ第1安定領域で作動させる工程を含むことを特徴とする方法。 52.前記マスフィルタが第2安定領域で作動することを特徴とする請求の範囲第 51項記載の方法。 53.前記試料イオンが誘導結合アルゴンプラズマにより生成され、Ar+イオン を除去するために前記イオン輸送器を前記マスフィルタの前に配して作動させる 工程を含むことを特徴とする請求の範囲第52項記載の方法。 54.前記試料イオンが誘導結合アルゴンプラズマにより生成され、Ar+イオン を前記イオン輸送器から取り除くために前記イオン輸送器に反応性ガスを加え る工程を含むことを特徴とする請求の範囲第52項記載の方法。 55.前記質量分光計装置が前記イオン輸送器と直列に配されたマスフィルタ及び 検出器を含み、前記マスフィルタを第2ないしより高次の安定領域で作動させ、 前記イオン輸送器を前記検出器におけるエイリアシングを低減するために高質量 カットオフをもつ第1安定領域で作動させる工程を含むことを特徴とする請求の 範囲第1項記載の方法。 56.前記イオンが誘導結合プラズマにより生成され、Ar+イオンを除去するよ うに設定された帯域通過をもって前記イオン輸送器を作動させる工程を含むこと を特徴とする請求の範囲第55項記載の方法。 57.前記試料イオンが誘導結合アルゴンプラズマにより生成され、Ar+イオン を前記イオン輸送器から取り除くために前記イオン輸送器に反応ガスを供給する 工程を含むことを特徴とする請求の範囲第55項記載の方法。 58.ピーク間が約200ボルトより小さい振幅のRF電圧が、吸熱反応によるス ペクトル性背景の形成を低減するために、前記イオン輸送器に印加されることを 特徴とする請求の範囲第1項から第4項及び第17項から第19項のいずれかに 記載の方法。 59.ピーク間が150から200ボルトの範囲の振幅のRF電圧が、吸熱反応に よるスペクトル性背景の形成を低減するために、前記イオン輸送器に印加される ことを特徴とする請求の範囲第1項から第4項及び第17項から第19項のいず れかに記載の方法。
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