JP3759291B2 - ディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、分配型燃料噴射ポンプによるディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5に従来のディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置の概略構成、図6に従来の燃料噴射ポンプにおけるポンプ回転速度に対する燃圧を表すグラフを示す。
【0003】
図5に示すように、分配型燃料噴射ポンプ101はディーゼルエンジンに装着され、一本のポンピングエレメントによって圧送される燃料を、回転するピストン(プランジャ)によって供給するものである。この燃料噴射ポンプ101の吸入側にはフューエルフィルタ102及び燃料/水分離器103を介して燃料タンク104に接続されている。一方、燃料噴射ポンプ101の吐出側には図示しないディーゼルエンジンの噴射ノズル105が接続されており、所定量、所定圧の燃料を所定時期に圧送して噴射ノズル105から噴射することができる。また、燃料噴射ポンプ101にはオーバーフローした燃料を燃料タンク104に戻すオーバーフロー通路106が設けられている。
【0004】
この燃料噴射ポンプ101において、ポンプハウジング111内の一方にはドライブシャフト112の軸端部が嵌入して回転自在となっており、このドライブシャフト112の中間部にはフィードポンプ113が装着(図5では90度展開状態で図示)され、このフィードポンプ113には燃料タンク104からの吸入通路114が接続されている。また、このフィードポンプ113の吐出側は吐出通路115を介してポンプ室116に接続されており、この吐出通路115の中途部にはレギュレーティングバルブ117が介装され、このレギュレーティングバルブ117は戻し通路118を介して吸入通路114に接続されている。
【0005】
ドライブシャフト112の先端部にはカップリング119を介してカムプレート120が一体回転自在で、且つ、軸方向相対移動自在に連結され、このカムプレート120にはプランジャ121が固結されている。また、ポンプハウジング111にはドライブシャフト112が貫通してカップリング119の外周辺に位置するようにローラリング122が固定されており、このローラリング122内には複数のローラ123が枢着されている。そして、ポンプハウジング111とカムプレート120との間には圧縮スプリング124が介装され、この圧縮スプリング124の付勢力によってカムプレート120及びプランジャ121を軸方向一方(図5にて左方)に付勢することで、カムプレート120のカム面がローラリング122の各ローラ123に圧接されている。
【0006】
このプランジャ121内には内部に軸方向に沿った燃料通路121aが形成されると共に、吸入ポート121b、分配ポート121c、スピルポート121dが形成されており、プランジャ121の軸方向位置と周方向回転位置により、ポンプ室116の燃料を吸入ポート121bから燃料通路121aに吸入したり、燃料通路121aに吸入した燃料を分配ポート121cから分配通路125に吐出したり、あるいは、スピルポート121dからポンプ室116に戻したりすることができる。なお、分配通路125はデリバリバルブ126を介して噴射ノズル105に接続されている。
【0007】
また、ポンプハウジング111の下部にはドライブシャフト112と直交する方向に移動自在なタイマピストン127が設けられて(図5では90度展開状態で図示)おり、低圧室127aと高圧室127bが区画されている。この低圧室127aは燃料タンク104からの吸入通路114に連通路146を介して連通する一方、高圧室127bはポンプ室116に連通路144及びオリフィス145を介して連通している。そして、このタイマピストン127にはローラリング122のスライドピン128が係合する一方、低圧室127aには圧縮スプリング129が装着されており、この圧縮スプリング129の付勢力によってタイマピストン127を軸方向一方(図5にて右方)に付勢することで、ローラリング122を周方向に回動してプランジャ121による噴射時期を遅らせる方向に付勢している。なお、ポンプハウジング111の吸入溝130にはフューエルカットソレノイド131が設けられている。
【0008】
更に、ポンプハウジング111の側部にはガバナレバー132が装着されており、このガバナレバー132にはテンションレバー133とコントロールレバー134が枢着されており、このテンションレバー133とコントロールレバー134との各上部間に圧縮スプリング135が介装される一方、コントロールレバー134の下部はプランジャ121に嵌合したスピルリング136に係合している。また、ドライブシャフト112には駆動ギヤ137が固結され、この駆動ギヤ137はガバナシャフト138の従動ギヤ139と噛み合っている。このガバナシャフト138はフライウエイト140を介してガバナスリーブ141が移動自在に嵌合している。そして、ポンプハウジング111の上部にはアジャスティングレバー(アクセルレバー)142が装着されており、このアジャスティングレバー142とテンションレバー133との間に引張スプリング143が架設されることで、その付勢力によってコントロールレバー134がガバナスリーブ141の先端部に当接している。
【0009】
従って、ディーゼルエンジンが駆動すると、その1/2 回転でドライブシャフト112が駆動回転し、フィードポンプ113が回転すると燃料タンク104内に設けられた図示しない低圧ポンプから燃料が圧送される。その後、フィードポンプ113によってポンプ室116に圧送される高圧の燃料の燃料圧力を所定値に保つために、レギュレーティングバルブ117によって燃料圧力(燃料圧力)が制御されながら、燃料は吐出通路115を介してポンプ室116に送給される。一方、プランジャ121はドライブシャフト112にカップリング119で連結されたカムプレート120によって回転し、また、このカムプレート120はエンジンのシリンダ数と同じ数のフェイスカムをもっており、ドライブシャフト112によって回転させられると、ローラリング122に取付けられた各ローラ123上をカムリフト量だけ往復運動する。従って、カムプレート120に連結されたプランジャ121は回転運動を行うと共に往復運動を行う。
【0010】
即ち、燃料の吸入はプランジャ121の下降時に吸入溝130と吸入ポート121bとが合致したときに行われ、その後、プランジャ121が回転して分配ポート121cと分配通路125が合致すると、デリバリバルブ126を通って噴射ノズル105から噴射されるが、コントロールレバー134によってスピルリング136が開いたときに、プランジャ121内の燃料がスピルポート121dからポンプ室116に開放されて燃料噴射量が制御され、そのときに噴射は終わる。また、ポンプ室116の燃料圧が連通路144及びオリフィス145を介して高圧室127bに作用し、この高圧室127bの燃料圧が増大することによってタイマピストン127がスプリング129 を圧縮する方向に作動することで、このタイマピストン127がローラリング122を回転させて進角させ、噴射タイミングを制御している。そして、図示しないイグニッションスイッチをオフにすると、フューエルカットソレノイド131への電流が遮断されて分配通路125を閉じて燃料をカットする。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の分配型燃料噴射ポンプ101にあって、タイマピストン127の低圧室127aには吸入通路114を通して燃料タンク104内の燃料圧が作用する一方、タイマピストン127の高圧室127bにはフィードポンプ113による吐出燃圧(ポンプ室116の燃力)が作用しており、このタイマピストン127の移動によってローラリング122を回転させることで進角あるいは遅角させて噴射タイミングを制御している。近年、この燃料噴射ポンプ101を電子制御するものが提案されており、この場合、タイマピストン127の低圧室127aと高圧室127bとの間にバイパス通路を設けると共に、このバイパス通路に電磁弁を介装したものがある。従って、エンジンの運転状態に応じてこの電磁弁によってバイパス通路をデューティ駆動することでタイマピストン127を移動し、噴射タイミングをきめ細かく制御することができる。
【0012】
ところで、フィードポンプ113が回転すると、燃料がポンプ室116に送給されるが、このとき、レギュレーティングバルブ117によって燃圧が制御されるようになっている。即ち、図6に示すように、フィードポンプ113の回転速度が上昇すると、ポンプ室116の燃圧は同図に一点鎖線で示すように上昇するが、この燃圧はレギュレーティングバルブ117によって制御されることで同図に実線で示すように制御される。この場合、フィードポンプ113の回転速度がN1 のときに噴射時期を制御可能な燃圧P1 となるが、近年では、エンジンのより低回転時にこの制御を行いたい、つまり、ポンプ室116の圧力を低回転速度時においても高圧に保ちたいという要望がある。そのため、ポンプハウジング111におけるポンプ室116とオーバーフロー通路106との連結部にチェックバルブを設けることで、フィードポンプ113によるポンプ室116内の加圧時に所定圧まで燃料のオーバーフローを抑制している。すると、図6に点線で示すように、フィードポンプ113の回転速度が上昇し、フィードポンプ113の回転速度がN1 より低いN2 のときに噴射時期を制御可能な燃圧P1 となる。
【0013】
一般に、イグニッションキースイッチをオフにしてエンジンを停止すると、ポンプ室116内の高圧燃料をオーバーフロー通路106からオーバーフローさせることで、ポンプ室116、つまり、高圧室127bの燃料圧を低下させ、タイマピストン127の低圧室127a内に設けられた圧縮スプリング129の付勢力によってこのタイマピストン127を高圧室127b側に移動する。ところが、エンジンを停止すると、タイマピストン127をデューティ制御する電磁弁によってバイパス通路が閉塞され、また、特に低温時には、レギュレーティングバルブ117及びチェックバルブの機能により、ポンプ室116内の高圧燃料が十分に抜けずにタイマピストン127が始動時の噴射時期位置に戻らないこと、また、低温時は燃料の粘度が大きいためタイマピストン127とその外壁部分との間の抵抗が増大し易くなり、タイマピストン127が始動時の噴射時期位置に戻らない場合もある。従って、タイマピストン127が始動時の噴射時期位置に戻らない状態では、イグニッションキースイッチをオンにしたとき、エンジンの始動性が悪化するという問題があった。
【0014】
ところで、上述したような分配型燃料噴射ポンプにおいて、例えば、イグニッションスイッチをオフすると同時にポンプ室内に充満している燃料の内圧を低下させるものとして、実開平7−35759号公報に開示されたものがある。これは、フィードポンプの吐出側より吸入側へ挿通するバイパス通路を設け、イグニッションスイッチをオフしたときに、燃料噴射ポンプのレギュレーティングバルブのピストンが押し上げられてこのバイパス通路を開放することで、ポンプ室内に充満している燃料の内圧を低下させ、燃料カットを行うものである。
【0015】
この公報に開示されたものにあっては、イグニッションスイッチをオフすると、レギュレーティングバルブのバイパス通路を開放してポンプ室内の燃料圧を低下させることができる。ところが、ポンプ室とタイマピストンの高圧室との間には燃料圧の脈動によってタイマピストンが微小に移動して噴射時期の制御精度が悪化するのを防止する目的でオリフィスが介在しており、ポンプ室内の燃料圧を低下させてもタイマピストンの高圧室の燃料をポンプ室には抜きにくく、確実性が不十分である。
【0016】
また、噴射ノズルから噴射される燃料を燃焼室内に直接供給する直接噴射式ディーゼルエンジンにおいては、噴射圧力を高めるためにカムプレートに設けられたフェイスカムのプロフィールを高くする傾向にある。そのため、カムプレートが回転してフェイスカムがローラを乗り越える際に、タイマピストン位置を振動させる外力が大きくなりやすい。従来、フェイスカムのプロフィールが比較的低いディーゼルエンジンに比べて、オリフィス径を小径にすることにより燃料圧が急激に高圧室に作用してこの振動を増幅することを防止している。そのため、フェイスカムのプロフィールが高いような直接噴射式ディーゼルエンジンにおいては、ポンプ室内の燃料圧を低下させてもタイマピストンの高圧室の燃料をポンプ室には非常に抜きにくく、確実性が不十分である。
【0017】
更に、タイマピストンの高圧室に対してポンプ室の容積は大きく、タイマピストンの高圧室の燃料をポンプ室に抜くのに長時間を要してしまい、その間、レギュレーティングバルブを継続して駆動することで、バッテリの消費電力が増大してしまうという問題がある。
【0018】
本発明はこのような問題を解決するものであって、簡単且つ低コストな構造で確実にタイマピストンを始動時の噴射時期位置に位置させることにより始動性の向上を図ったディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するための請求項1の発明のディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置は、燃料タンクに貯留された燃料を一定量吸い上げて送給するフィードポンプと、該フィードポンプから送給された燃料を所定の燃料圧に調圧するポンプ室と、該ポンプ室内の燃料を所定量吸入して噴射ノズルに分配圧送するポンププランジャと、前記フィードポンプの上流側に連通する低圧室と前記ポンプ室に連通する高圧室とを有して前記ポンププランジャによる燃料噴射時期を制御するタイマピストンと、該タイマピストンの低圧室と高圧室とを連通するバイパス通路と、該バイパス通路の開閉状態を制御するコントロールバルブと、エンジンが停止したときに前記コントロールバルブによって前記バイパス通路を開放して前記タイマピストンの低圧室と高圧室とを所定時間だけ連通することでタイマピストンを始動時の噴射時期位置としての最大遅角位置に変更する燃料噴射時期変更手段とを具えたことを特徴とするものである。
【0020】
従って、フィードポンプが駆動すると、燃料タンクに貯留された燃料が一定量吸い上げられてポンプ室に送給され、ここで所定の燃料圧に調圧され、ポンププランジャの駆動によってこのポンプ室内の燃料が所定量吸入しされて噴射ノズルに分配圧送される。このとき、タイマピストンはフィードポンプの上流側に連通する低圧室とポンプ室に連通する高圧室との圧力差によってポンププランジャによる燃料噴射時期を制御する。そして、エンジンが停止すると、コントロールバルブによってバイパス通路を開放してタイマピストンの低圧室と高圧室とを所定時間だけ連通することで、タイマピストンを始動時の噴射時期位置としての最大遅角位置に戻し、ポンププランジャによる燃料噴射時期を始動時の噴射時期位置としての最大遅角位置に変更することとなり、次のエンジン始動時には、確実に始動することとなる。
【0023】
また、請求項2の発明のディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置において、前記ポンプ室と前記高圧室は絞りを介して連通することを特徴とするものである。
【0024】
従って、絞りがあることによってポンプ室の燃料圧を低下させてもタイマピストンの高圧室の燃料圧が低下しにくい燃料噴射ポンプであっても、速やかにタイマピストンを始動時の噴射時期位置に戻し、バッテリの消費電力を低減しつつ、ポンププランジャによる燃料噴射時期を始動時の噴射時期位置に変更することとなり、バッテリを保護すると共に、次のエンジン始動時には確実に始動することとなる。
【0026】
従って、レギュレーティングバルブやオーバーフローバルブが装着されていても、タイマピストンを確実に始動時の噴射時期位置に移動し、ポンププランジャによる燃料噴射時期を始動時の噴射時期位置に変更することができる。
【0027】
また、請求項3の発明のディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置において、前記タイマピストンの位置を検出するピストン位置検出手段を設け、前記タイマピストン位置が始動時の噴射時期位置になったことが前記ピストン位置検出手段により検出されると、前記燃料噴射時期変更手段によるタイマピストン位置の変更を停止することを特徴とするものである。
【0028】
従って、実際のタイマピストン位置に基づいて噴射時期変更手段を制御することが可能となり、噴射時期変更手段の過剰な制御によるバッテリの消費電力の増加、及び、噴射時期変更手段の制御が不足することによるタイマピストンの遅角不足を防止しつつ、タイマピストンを始動時の噴射時期位置に戻し、ポンププランジャによる燃料噴射時期を始動時の噴射時期位置に変更することとなり、次のエンジン始動時には確実に始動することとなる。
【0029】
また、請求項4の発明のディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置において、前記タイマピストンの位置を検出するピストン位置検出手段を設け、前記タイマピストン位置が最大遅角位置になったことが前記ピストン位置検出手段により検出されると、前記燃料噴射時期変更手段によるタイマピストン位置の変更を停止することを特徴とするものである。
【0030】
従って、実際のタイマピストン位置に基づいて噴射時期変更手段を制御することが可能となり、噴射時期変更手段の過剰な制御によるバッテリの消費電力の増加、及び、噴射時期変更手段の制御が不足することによるタイマピストンの遅角不足を防止しつつ、タイマピストンを最大遅角位置に戻し、ポンププランジャによる燃料噴射時期を最大遅角位置に変更することとなり、次のエンジン始動時には確実に始動することとなる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0032】
図1に本発明の一実施形態に係るディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置の概略構成、図2に燃料噴射ポンプの概略断面、図3に燃料噴射時期制御装置による制御のフローチャートを示す。
【0033】
本実施形態のディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置において、図1に示すように、分配型燃料噴射ポンプ11はディーゼルエンジン12に装着され、吸入側には燃料タンク13が接続されており、この燃料タンク13内に貯留されている燃料を所定量吸い上げることができる。一方、燃料噴射ポンプ11の吐出側にはディーゼルエンジン12の各噴射ノズル14が接続されており、所定量、所定圧の燃料を所定時期に圧送して各噴射ノズル14から噴射することができる。また、ディーゼルエンジン12にはエンジンコントロールユニット15が接続されており、このエンジンコントロールユニット15によるエンジン運転状態及びイグニッションスイッチ16の操作に基づいて噴射時期変更手段17を制御し、燃料噴射ポンプ11による燃料噴射時期を変更することができる。
【0034】
ここで、この燃料噴射ポンプ11について詳細に説明する。図2に示すように、ポンプハウジング21内の一方にはドライブシャフト22の軸端部が嵌入して回転自在となっており、このドライブシャフト22の中間部にはフィードポンプ23が装着(図2では90度展開状態で図示)され、このフィードポンプ23には燃料タンク13からの吸入通路24が接続されている。また、このフィードポンプ23の吐出側は吐出通路25を介してポンプ室26に接続されており、この吐出通路25の中途部にはレギュレーティングバルブ27が介装され、このレギュレーティングバルブ27は戻し通路28を介して吸入通路24に接続されている。
【0035】
ドライブシャフト22の先端部にはカップリング29を介してカムプレート30が一体回転自在で、且つ、軸方向相対移動自在に連結され、このカムプレート30にはプランジャ31が固結されている。また、ポンプハウジング21にはドライブシャフト22が貫通してカップリング29の外周辺に位置するようにローラリング32が固定されており、このローラリング32内には複数のローラ33が枢着されている。そして、ポンプハウジング21とカムプレート30との間には圧縮スプリング34が介装され、この圧縮スプリング34の付勢力によってカムプレート30及びプランジャ31を軸方向一方(図2にて左方)に付勢することで、カムプレート30のカム面がローラリング32の各ローラ33に圧接されている。
【0036】
このプランジャ31内には内部に軸方向に沿った燃料通路31aが形成されると共に、吸入ポート31b、分配ポート31c、スピルポート31dが形成されており、プランジャ31の軸方向位置と周方向回転位置により、ポンプ室26の燃料を吸入ポート31bから燃料通路31aに吸入したり、燃料通路31aに吸入した燃料を分配ポート31cから分配通路35に吐出したり、あるいは、スピルポート31dからポンプ室26に戻したりすることができる。なお、ポンプハウジング31の吸入溝36にはフューエルカットソレノイド37が設けられており、分配通路35はデリバリバルブ38を介して噴射ノズル14に接続されている。
【0037】
また、ポンプハウジング21の下部にはドライブシャフト22と直交する方向に移動自在なタイマピストン39が設けられて(図2では90度展開状態で図示)おり、低圧室39aと高圧室39bが区画されている。この低圧室39aは燃料タンク13からの吸入通路24に連通路59を介して連通する一方、高圧室39bはポンプ室26に連通路60及びオリフィス61を介して連通している。そして、このタイマピストン39にはローラリング31のスライドピン40が係合する一方、低圧室39aには圧縮スプリング41が装着されており、この圧縮スプリング41の付勢力によってタイマピストン39を軸方向一方(図2にて右方)に付勢することで、ローラリング32を周方向に回動してプランジャ31による噴射時期を遅らせる方向に付勢している。
【0038】
そして、このタイマピストン39には低圧室39aと高圧室39bとを連通するバイパス通路42が設けられると共に、このバイパス通路42を開閉するコントロールバルブ43が設けられている。従って、前述した噴射時期変更手段17はエンジン運転状態に応じてこのコントロールバルブ43の通電時間を制御し、バイパス通路42を連通状態を制御して低圧室39aと高圧室39bとを連通することで、燃料噴射ポンプ11による燃料噴射時期を制御することができる。また、この噴射時期変更手段17はエンジンが停止したときに、コントロールバルブ43によってバイパス通路42を開放することで、タイマピストン39の低圧室39aと高圧室39bとを所定時間連通し、タイマピストン39の位置を始動時の噴射時期位置(通常、ディーゼルエンジンでは、始動性を向上させるために、ほぼ最大遅角位置にすることが多い。)にでき、ポンププランジャ31による燃料噴射時期を始動時の噴射時期位置に変更することができる。
【0039】
更に、ポンプハウジング21の側部にはガバナレバー44が装着されており、このガバナレバー44にはテンションレバー45とコントロールレバー46が枢着されており、このテンションレバー45とコントロールレバー46との各上部間に圧縮スプリング47が介装される一方、コントロールレバー46の下部はプランジャ31に嵌合したスピルリング48に係合している。また、ドライブシャフト22には駆動ギヤ49が固結され、この駆動ギヤ49はガバナシャフト50の従動ギヤ51と噛み合っている。このガバナシャフト50はフライウエイト52を介してガバナスリーブ53が移動自在に嵌合している。そして、ポンプハウジング21の上部にはアジャスティングレバー(アクセルレバー)54が装着されており、このアジャスティングレバー54とテンションレバー45との間に引張スプリング55が架設されることで、その付勢力によってコントロールレバー46がガバナスリーブ53の先端部に当接している。
【0040】
なお、燃料噴射ポンプ11のポンプハウジング21にはポンプ室26からオーバーフローした燃料を燃料タンク13に戻すオーバーフロー通路56が設けられており、この連結部にはオーバーフローバルブ57が設けられている。
【0041】
ここで、本実施形態のディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置による燃料噴射制御について説明する。
【0042】
図1及び図2に示すように、イグニッションスイッチ16をオンにするとディーゼルエンジン12が駆動し、その1/2 回転でドライブシャフト22が駆動回転してフィードポンプ23が回転駆動する。このフィードポンプ23が回転駆動すると、レギュレーティングバルブ27によって燃圧が制御されながら、燃料は吐出通路25を介してポンプ室26に送給される。一方、プランジャ31はドライブシャフト22にカップリング29で連結されたカムプレート30によって回転し、また、このカムプレート30はエンジン12のシリンダ数と同じ数のフェイスカムをもっており、ドライブシャフト22によって回転させられると、ローラリング32に取付けられた各ローラ33上をカムリフトだけが往復運動する。従って、カムプレート30に連結されたプランジャ31は回転運動を行うと共に往復運動を行う。
【0043】
即ち、プランジャ31が下降行程に入るとき、吸入溝36と吸入ポート31bとが合致し、ポンプ室26内の燃料が吸入溝36及び吸入ポート31bを通して燃料通路31aに吸入される。そして、プランジャ31が回転すると、吸入ポート31bが閉じて分配ポート31cと分配通路35が合致し、且つ、プランジャ31がカムプレート30のカム面によって軸方向に移動するとプランジャ31内の燃料が高圧となり、デリバリバルブ38を通して噴射ノズル14に送給されて噴射が開始される。プランジャ31がカムプレート30のカム面によって更に移動すると、スピルポート31dがスピルリング48との干渉範囲外に出るので、このスピルポート31dが開いてプランジャ31内の燃料がスピルポート31dからポンプ室26に開放され、そのときに噴射は終わる。
【0044】
また、アジャスティングレバー54を回動すると、ガバナレバー44とテンションレバー45とコントロールレバー46との作用によってスピルリング48が移動し、プランジャ31の有効ストロークが変わる。つまり、スピルリング48を図2にて左方に移動すると、スピルポート31dの開放が早まって燃料圧送量が少量となり、スピルリング48を図2にて右方に移動すると、スピルポート31dの開放が遅れて燃料圧送量が多量となり、このようにして燃料噴射量を制御することができる。
【0045】
更に、タイマピストン39の低圧室39aには圧縮スプリング41が装着され、この圧縮スプリング41の付勢力によってタイマピストン39を一方に付勢することで、ローラリング32を周方向に回動してプランジャ31による噴射時期を遅らせる方向に付勢している。一方、ポンプ室26の燃料圧は連通路60及びオリフィス61を介してタイマピストン39の高圧室39bに作用している。従って、エンジン12の回転数が上昇してフィードポンプ23の吐出圧が高くなると、タイマピストン39は圧縮スプリング41の付勢力に打ち勝って移動し、タイマピストン39がローラリング32を回転させて進角させ、噴射タイミングを制御することができる。また、コントロールバルブ43への通電時間を短縮すると、高圧室39bの燃圧が高くなって進角し、コントロールバルブ43への通電時間を増大すると、高圧室39bの燃圧が低くなって遅角し、このように燃料噴射時期を制御することができる。
【0046】
そして、イグニッションスイッチ16をオフにしてエンジン12を停止させると、コントロールバルブ43はバイパス通路42を開放してタイマピストン38の低圧室39aと高圧室39bとを所定時間連通することで、タイマピストン38を始動時の噴射時期位置に戻すことができる。即ち、図3に示すように、ステップS1において、イグニッションスイッチがオフされているかどうかを判定し、オン状態であれば元に戻る。このステップS1にて、イグニッションスイッチがオフされていれば、ステップS2に移行し、タイマをスタートさせる。ステップS3では、このタイマがスタートしてからの経過時間tが予め設定された遅延時間t0 より大きいかどうかを判定し、ステップS4にてコントロールバルブ43をオンとし、ステップS5にてバイパス通路42を開放し、ステップS3に戻る。そして、このステップS3,S4,S5にて、経過時間tが遅延時間t0 を越えるまで処理を繰り返し、経過時間tが遅延時間t0 を越えたら、タイマピストン39が始動時の噴射時期位置まで遅角したものと判定し、ステップS6にてコントロールバルブ43をオフとし、ステップS7にてバイパス通路42を閉塞する。
【0047】
このようにイグニッションスイッチ16をオフとしてエンジン12を停止させたときに、コントロールバルブ43によってバイパス通路42を開放してタイマピストン39の低圧室39aと高圧室39bとを所定時間連通することで、低圧室39aと高圧室39b(ポンプ室26)との差圧がすみやかになくなり、タイマピストン39は圧縮スプリング41の付勢力によって始動時の噴射時期位置に移動し、ローラリング32を介してプランジャ31により燃料噴射時期を始動時の噴射時期位置にすることができ、また、バッテリに生じる負荷を低減でき、バッテリ劣化を低減できる。
【0048】
なお、エンジン12を停止したときに、コントロールバルブ43へ所定時間通電してバイパス通路42を開放することで、タイマピストン39の低圧室39aと高圧室39bとを所定時間連通させ、タイマピストン39を圧縮スプリング41の付勢力によって始動時の噴射時期位置に戻すようにしたが、タイマピストン39に位置センサを装着し、この位置センサの検出結果に基づいてコントロールバルブ43への通電時間を制御してもよい。
【0049】
図4に他の実施形態に係る燃料噴射時期制御装置による制御のフローチャートを示す。
【0050】
図4に示すように、ステップS11において、イグニッションスイッチがオフされているかどうかを判定し、オン状態であれば元に戻る。このステップS11にて、イグニッションスイッチがオフされていれば、ステップS12に移行し、タイマをスタートさせる。ステップS13では、位置センサによって現在のタイマピストン39の位置Pを検出し、ステップS14では、現在のタイマピストン39の位置Pが始動位置PS より小さい(遅角されている)かどうかを判定し、現在のタイマピストン39の位置Pが始動位置PS より小さい場合は、タイマピストン39が始動時の噴射時期位置まで遅角されたものと判定し、ステップS22に進む。このステップS22では、コントロールバルブ43をオフとし、ステップS23にてバイパス通路42を閉塞する。
【0051】
ステップS14にて、現在のタイマピストン39の位置Pが始動位置PS より大きい場合は、タイマピストン39が始動時の噴射時期位置まで遅角されていないものと判定し、ステップS15では、タイマがスタートしてからの経過時間tが予め設定された遅延時間t0 より大きいかどうかを判定し、ステップS16にてコントロールバルブ43をオンとし、ステップS17にてバイパス通路42を開放し、ステップS13に戻る。そして、このステップS13,S14,S15,S16,S17にて、タイマピストン位置Pが始動位置PS を越えるか、または、経過時間tが遅延時間t0 を越えるまで処理を繰り返し、経過時間tが遅延時間t0 を越えたら、ステップS18に進む。
【0052】
このステップS18では、再び、現在のタイマピストン39の位置Pが始動位置PS より小さいかどうかを判定し、現在のタイマピストン39の位置Pが始動位置PS より小さい場合は、タイマピストン39が始動時の噴射時期位置まで遅角されたものと判定し、ステップS22、ステップS23にて、コントロールバルブ43をオフとしてバイパス通路42を閉塞する。一方、ステップS18にて、現在のタイマピストン39の位置Pが始動位置PS より大きい場合は、タイマピストン39が始動時の噴射時期位置まで遅角されていないものと判定し、ステップS19にて、タイマがスタートしてからの経過時間tが遅延時間t0 より長時間に設定された第2遅延時間t2 より大きいかどうかを判定し、経過時間tが第2遅延時間t2 より小さい場合は、ステップS20にてコントロールバルブ43をオンとし、ステップS21にてバイパス通路42を開放し、ステップS18に戻る。そして、このステップS18,S19,S20,S21にて、タイマピストン位置Pが始動位置PS を越えるか、または、経過時間tが第2遅延時間t2 を越えるまで処理を繰り返し、経過時間tが第2遅延時間t2 を越えたら、バッテリの消費電力が大きくなったと判定し、タイマピストン39の位置Pに拘らず、ステップS22、ステップS23にて、コントロールバルブ43をオフとしてバイパス通路42を閉塞することによってバッテリの消費電力が大きくなるのを防止する。
【0053】
このような構成によれば、低温時のように燃料の粘度が大きいためにタイマピストン39とその外壁部分との間の抵抗が増大して、タイマピストン39が始動時の噴射時期位置や最大遅角位置に戻りにくい場合であっても、タイマピストン位置に基づいてコントロールバルブ43を制御することにより、タイマピストン39を確実に始動時の噴射時期位置や最大遅角位置に戻すことができると共に、、タイマピストン39とその外壁部分とのかじりによって、タイマピストン39が始動時の噴射時期位置や最大遅角位置に戻らない場合であっても、タイマピストン位置に基づいてコントロールバルブ43を制御することにより、バッテリの消費電力の増加を防止することができる。
【0054】
【発明の効果】
以上、実施形態において説明したように請求項1の発明のディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置によれば、エンジンが停止しても、バイパス通路を開放して低圧室と高圧室とを所定時間だけ連通することで、高圧室の燃料圧は低圧室を介して抜けることとなり、タイマピストンを始動時の噴射時期位置に移動してポンププランジャによる燃料噴射時期を確実に始動時の噴射時期位置に変更することができる。その結果、簡単且つ低コストな構造で、しかも、短時間で確実にタイマピストンを始動時の噴射時期位置に位置させることによって始動性の向上を図ることができる。
【0055】
また、請求項1の発明のディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置では、タイマピストンを始動時の噴射時期位置としての最大遅角位置に戻し、ポンププランジャによる燃料噴射時期を最大遅角位置に変更することとなり、次のエンジン始動時には確実に始動することができる。
【0056】
また、請求項2の発明のディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置によれば、ポンプ室と高圧室との間に絞りがあることにより、ポンプ室の燃料圧を低下させてもタイマピストンの高圧室の燃料圧が低下しにくい燃料噴射ポンプであっても、速やかにタイマピストンを始動時の噴射時期位置に戻し、バッテリの消費電力を低減しつつ、ポンププランジャによる燃料噴射時期を始動時の噴射時期位置に変更することとなり、バッテリを保護することができると共に、次のエンジン始動時には確実に始動することができる。
【0058】
また、請求項3の発明のディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置によれば、実際のタイマピストン位置に基づいて噴射時期変更手段を制御することが可能となり、噴射時期変更手段の過剰な制御によるバッテリの消費電力の増加、及び、噴射時期変更手段の制御が不足することによるタイマピストンの遅角不足を防止しつつ、タイマピストンを始動時の噴射時期位置に戻し、ポンププランジャによる燃料噴射時期を始動時の噴射時期位置に変更することとなり、次のエンジン始動時には確実に始動することができる。
【0059】
また、請求項4の発明のディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置によれば、実際のタイマピストン位置に基づいて噴射時期変更手段を制御することが可能となり、噴射時期変更手段の過剰な制御によるバッテリの消費電力の増加、及び、噴射時期変更手段の制御が不足することによるタイマピストンの遅角不足を防止しつつ、タイマピストンを最大遅角位置に戻し、ポンププランジャによる燃料噴射時期を最大遅角位置に変更することとなり、次のエンジン始動時には確実に始動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置の概略構成図である。
【図2】燃料噴射ポンプの概略断面図である。
【図3】燃料噴射時期制御装置による制御のフローチャートである。
【図4】他の実施形態に係る燃料噴射時期制御装置による制御のフローチャートである。
【図5】従来のディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置の概略構成図である。
【図6】従来の燃料噴射ポンプにポンプ回転速度に対する燃圧を表すグラフである。
【符号の説明】
11 燃料噴射ポンプ
12 ディーゼルエンジン
13 燃料タンク
14 噴射ノズル
15 エンジンコントロールユニット
16 イグニッションキースイッチ
17 噴射時期変更手段
23 フィードポンプ
26 ポンプ室
27 レギュレーティングバルブ
31 ポンププランジャ
39 タイマピストン
39a 低圧室
39b 高圧室
42 バイパス通路
43 コントロールバルブ
61 オリフィス(絞り)
【発明の属する技術分野】
本発明は、分配型燃料噴射ポンプによるディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5に従来のディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置の概略構成、図6に従来の燃料噴射ポンプにおけるポンプ回転速度に対する燃圧を表すグラフを示す。
【0003】
図5に示すように、分配型燃料噴射ポンプ101はディーゼルエンジンに装着され、一本のポンピングエレメントによって圧送される燃料を、回転するピストン(プランジャ)によって供給するものである。この燃料噴射ポンプ101の吸入側にはフューエルフィルタ102及び燃料/水分離器103を介して燃料タンク104に接続されている。一方、燃料噴射ポンプ101の吐出側には図示しないディーゼルエンジンの噴射ノズル105が接続されており、所定量、所定圧の燃料を所定時期に圧送して噴射ノズル105から噴射することができる。また、燃料噴射ポンプ101にはオーバーフローした燃料を燃料タンク104に戻すオーバーフロー通路106が設けられている。
【0004】
この燃料噴射ポンプ101において、ポンプハウジング111内の一方にはドライブシャフト112の軸端部が嵌入して回転自在となっており、このドライブシャフト112の中間部にはフィードポンプ113が装着(図5では90度展開状態で図示)され、このフィードポンプ113には燃料タンク104からの吸入通路114が接続されている。また、このフィードポンプ113の吐出側は吐出通路115を介してポンプ室116に接続されており、この吐出通路115の中途部にはレギュレーティングバルブ117が介装され、このレギュレーティングバルブ117は戻し通路118を介して吸入通路114に接続されている。
【0005】
ドライブシャフト112の先端部にはカップリング119を介してカムプレート120が一体回転自在で、且つ、軸方向相対移動自在に連結され、このカムプレート120にはプランジャ121が固結されている。また、ポンプハウジング111にはドライブシャフト112が貫通してカップリング119の外周辺に位置するようにローラリング122が固定されており、このローラリング122内には複数のローラ123が枢着されている。そして、ポンプハウジング111とカムプレート120との間には圧縮スプリング124が介装され、この圧縮スプリング124の付勢力によってカムプレート120及びプランジャ121を軸方向一方(図5にて左方)に付勢することで、カムプレート120のカム面がローラリング122の各ローラ123に圧接されている。
【0006】
このプランジャ121内には内部に軸方向に沿った燃料通路121aが形成されると共に、吸入ポート121b、分配ポート121c、スピルポート121dが形成されており、プランジャ121の軸方向位置と周方向回転位置により、ポンプ室116の燃料を吸入ポート121bから燃料通路121aに吸入したり、燃料通路121aに吸入した燃料を分配ポート121cから分配通路125に吐出したり、あるいは、スピルポート121dからポンプ室116に戻したりすることができる。なお、分配通路125はデリバリバルブ126を介して噴射ノズル105に接続されている。
【0007】
また、ポンプハウジング111の下部にはドライブシャフト112と直交する方向に移動自在なタイマピストン127が設けられて(図5では90度展開状態で図示)おり、低圧室127aと高圧室127bが区画されている。この低圧室127aは燃料タンク104からの吸入通路114に連通路146を介して連通する一方、高圧室127bはポンプ室116に連通路144及びオリフィス145を介して連通している。そして、このタイマピストン127にはローラリング122のスライドピン128が係合する一方、低圧室127aには圧縮スプリング129が装着されており、この圧縮スプリング129の付勢力によってタイマピストン127を軸方向一方(図5にて右方)に付勢することで、ローラリング122を周方向に回動してプランジャ121による噴射時期を遅らせる方向に付勢している。なお、ポンプハウジング111の吸入溝130にはフューエルカットソレノイド131が設けられている。
【0008】
更に、ポンプハウジング111の側部にはガバナレバー132が装着されており、このガバナレバー132にはテンションレバー133とコントロールレバー134が枢着されており、このテンションレバー133とコントロールレバー134との各上部間に圧縮スプリング135が介装される一方、コントロールレバー134の下部はプランジャ121に嵌合したスピルリング136に係合している。また、ドライブシャフト112には駆動ギヤ137が固結され、この駆動ギヤ137はガバナシャフト138の従動ギヤ139と噛み合っている。このガバナシャフト138はフライウエイト140を介してガバナスリーブ141が移動自在に嵌合している。そして、ポンプハウジング111の上部にはアジャスティングレバー(アクセルレバー)142が装着されており、このアジャスティングレバー142とテンションレバー133との間に引張スプリング143が架設されることで、その付勢力によってコントロールレバー134がガバナスリーブ141の先端部に当接している。
【0009】
従って、ディーゼルエンジンが駆動すると、その1/2 回転でドライブシャフト112が駆動回転し、フィードポンプ113が回転すると燃料タンク104内に設けられた図示しない低圧ポンプから燃料が圧送される。その後、フィードポンプ113によってポンプ室116に圧送される高圧の燃料の燃料圧力を所定値に保つために、レギュレーティングバルブ117によって燃料圧力(燃料圧力)が制御されながら、燃料は吐出通路115を介してポンプ室116に送給される。一方、プランジャ121はドライブシャフト112にカップリング119で連結されたカムプレート120によって回転し、また、このカムプレート120はエンジンのシリンダ数と同じ数のフェイスカムをもっており、ドライブシャフト112によって回転させられると、ローラリング122に取付けられた各ローラ123上をカムリフト量だけ往復運動する。従って、カムプレート120に連結されたプランジャ121は回転運動を行うと共に往復運動を行う。
【0010】
即ち、燃料の吸入はプランジャ121の下降時に吸入溝130と吸入ポート121bとが合致したときに行われ、その後、プランジャ121が回転して分配ポート121cと分配通路125が合致すると、デリバリバルブ126を通って噴射ノズル105から噴射されるが、コントロールレバー134によってスピルリング136が開いたときに、プランジャ121内の燃料がスピルポート121dからポンプ室116に開放されて燃料噴射量が制御され、そのときに噴射は終わる。また、ポンプ室116の燃料圧が連通路144及びオリフィス145を介して高圧室127bに作用し、この高圧室127bの燃料圧が増大することによってタイマピストン127がスプリング129 を圧縮する方向に作動することで、このタイマピストン127がローラリング122を回転させて進角させ、噴射タイミングを制御している。そして、図示しないイグニッションスイッチをオフにすると、フューエルカットソレノイド131への電流が遮断されて分配通路125を閉じて燃料をカットする。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の分配型燃料噴射ポンプ101にあって、タイマピストン127の低圧室127aには吸入通路114を通して燃料タンク104内の燃料圧が作用する一方、タイマピストン127の高圧室127bにはフィードポンプ113による吐出燃圧(ポンプ室116の燃力)が作用しており、このタイマピストン127の移動によってローラリング122を回転させることで進角あるいは遅角させて噴射タイミングを制御している。近年、この燃料噴射ポンプ101を電子制御するものが提案されており、この場合、タイマピストン127の低圧室127aと高圧室127bとの間にバイパス通路を設けると共に、このバイパス通路に電磁弁を介装したものがある。従って、エンジンの運転状態に応じてこの電磁弁によってバイパス通路をデューティ駆動することでタイマピストン127を移動し、噴射タイミングをきめ細かく制御することができる。
【0012】
ところで、フィードポンプ113が回転すると、燃料がポンプ室116に送給されるが、このとき、レギュレーティングバルブ117によって燃圧が制御されるようになっている。即ち、図6に示すように、フィードポンプ113の回転速度が上昇すると、ポンプ室116の燃圧は同図に一点鎖線で示すように上昇するが、この燃圧はレギュレーティングバルブ117によって制御されることで同図に実線で示すように制御される。この場合、フィードポンプ113の回転速度がN1 のときに噴射時期を制御可能な燃圧P1 となるが、近年では、エンジンのより低回転時にこの制御を行いたい、つまり、ポンプ室116の圧力を低回転速度時においても高圧に保ちたいという要望がある。そのため、ポンプハウジング111におけるポンプ室116とオーバーフロー通路106との連結部にチェックバルブを設けることで、フィードポンプ113によるポンプ室116内の加圧時に所定圧まで燃料のオーバーフローを抑制している。すると、図6に点線で示すように、フィードポンプ113の回転速度が上昇し、フィードポンプ113の回転速度がN1 より低いN2 のときに噴射時期を制御可能な燃圧P1 となる。
【0013】
一般に、イグニッションキースイッチをオフにしてエンジンを停止すると、ポンプ室116内の高圧燃料をオーバーフロー通路106からオーバーフローさせることで、ポンプ室116、つまり、高圧室127bの燃料圧を低下させ、タイマピストン127の低圧室127a内に設けられた圧縮スプリング129の付勢力によってこのタイマピストン127を高圧室127b側に移動する。ところが、エンジンを停止すると、タイマピストン127をデューティ制御する電磁弁によってバイパス通路が閉塞され、また、特に低温時には、レギュレーティングバルブ117及びチェックバルブの機能により、ポンプ室116内の高圧燃料が十分に抜けずにタイマピストン127が始動時の噴射時期位置に戻らないこと、また、低温時は燃料の粘度が大きいためタイマピストン127とその外壁部分との間の抵抗が増大し易くなり、タイマピストン127が始動時の噴射時期位置に戻らない場合もある。従って、タイマピストン127が始動時の噴射時期位置に戻らない状態では、イグニッションキースイッチをオンにしたとき、エンジンの始動性が悪化するという問題があった。
【0014】
ところで、上述したような分配型燃料噴射ポンプにおいて、例えば、イグニッションスイッチをオフすると同時にポンプ室内に充満している燃料の内圧を低下させるものとして、実開平7−35759号公報に開示されたものがある。これは、フィードポンプの吐出側より吸入側へ挿通するバイパス通路を設け、イグニッションスイッチをオフしたときに、燃料噴射ポンプのレギュレーティングバルブのピストンが押し上げられてこのバイパス通路を開放することで、ポンプ室内に充満している燃料の内圧を低下させ、燃料カットを行うものである。
【0015】
この公報に開示されたものにあっては、イグニッションスイッチをオフすると、レギュレーティングバルブのバイパス通路を開放してポンプ室内の燃料圧を低下させることができる。ところが、ポンプ室とタイマピストンの高圧室との間には燃料圧の脈動によってタイマピストンが微小に移動して噴射時期の制御精度が悪化するのを防止する目的でオリフィスが介在しており、ポンプ室内の燃料圧を低下させてもタイマピストンの高圧室の燃料をポンプ室には抜きにくく、確実性が不十分である。
【0016】
また、噴射ノズルから噴射される燃料を燃焼室内に直接供給する直接噴射式ディーゼルエンジンにおいては、噴射圧力を高めるためにカムプレートに設けられたフェイスカムのプロフィールを高くする傾向にある。そのため、カムプレートが回転してフェイスカムがローラを乗り越える際に、タイマピストン位置を振動させる外力が大きくなりやすい。従来、フェイスカムのプロフィールが比較的低いディーゼルエンジンに比べて、オリフィス径を小径にすることにより燃料圧が急激に高圧室に作用してこの振動を増幅することを防止している。そのため、フェイスカムのプロフィールが高いような直接噴射式ディーゼルエンジンにおいては、ポンプ室内の燃料圧を低下させてもタイマピストンの高圧室の燃料をポンプ室には非常に抜きにくく、確実性が不十分である。
【0017】
更に、タイマピストンの高圧室に対してポンプ室の容積は大きく、タイマピストンの高圧室の燃料をポンプ室に抜くのに長時間を要してしまい、その間、レギュレーティングバルブを継続して駆動することで、バッテリの消費電力が増大してしまうという問題がある。
【0018】
本発明はこのような問題を解決するものであって、簡単且つ低コストな構造で確実にタイマピストンを始動時の噴射時期位置に位置させることにより始動性の向上を図ったディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するための請求項1の発明のディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置は、燃料タンクに貯留された燃料を一定量吸い上げて送給するフィードポンプと、該フィードポンプから送給された燃料を所定の燃料圧に調圧するポンプ室と、該ポンプ室内の燃料を所定量吸入して噴射ノズルに分配圧送するポンププランジャと、前記フィードポンプの上流側に連通する低圧室と前記ポンプ室に連通する高圧室とを有して前記ポンププランジャによる燃料噴射時期を制御するタイマピストンと、該タイマピストンの低圧室と高圧室とを連通するバイパス通路と、該バイパス通路の開閉状態を制御するコントロールバルブと、エンジンが停止したときに前記コントロールバルブによって前記バイパス通路を開放して前記タイマピストンの低圧室と高圧室とを所定時間だけ連通することでタイマピストンを始動時の噴射時期位置としての最大遅角位置に変更する燃料噴射時期変更手段とを具えたことを特徴とするものである。
【0020】
従って、フィードポンプが駆動すると、燃料タンクに貯留された燃料が一定量吸い上げられてポンプ室に送給され、ここで所定の燃料圧に調圧され、ポンププランジャの駆動によってこのポンプ室内の燃料が所定量吸入しされて噴射ノズルに分配圧送される。このとき、タイマピストンはフィードポンプの上流側に連通する低圧室とポンプ室に連通する高圧室との圧力差によってポンププランジャによる燃料噴射時期を制御する。そして、エンジンが停止すると、コントロールバルブによってバイパス通路を開放してタイマピストンの低圧室と高圧室とを所定時間だけ連通することで、タイマピストンを始動時の噴射時期位置としての最大遅角位置に戻し、ポンププランジャによる燃料噴射時期を始動時の噴射時期位置としての最大遅角位置に変更することとなり、次のエンジン始動時には、確実に始動することとなる。
【0023】
また、請求項2の発明のディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置において、前記ポンプ室と前記高圧室は絞りを介して連通することを特徴とするものである。
【0024】
従って、絞りがあることによってポンプ室の燃料圧を低下させてもタイマピストンの高圧室の燃料圧が低下しにくい燃料噴射ポンプであっても、速やかにタイマピストンを始動時の噴射時期位置に戻し、バッテリの消費電力を低減しつつ、ポンププランジャによる燃料噴射時期を始動時の噴射時期位置に変更することとなり、バッテリを保護すると共に、次のエンジン始動時には確実に始動することとなる。
【0026】
従って、レギュレーティングバルブやオーバーフローバルブが装着されていても、タイマピストンを確実に始動時の噴射時期位置に移動し、ポンププランジャによる燃料噴射時期を始動時の噴射時期位置に変更することができる。
【0027】
また、請求項3の発明のディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置において、前記タイマピストンの位置を検出するピストン位置検出手段を設け、前記タイマピストン位置が始動時の噴射時期位置になったことが前記ピストン位置検出手段により検出されると、前記燃料噴射時期変更手段によるタイマピストン位置の変更を停止することを特徴とするものである。
【0028】
従って、実際のタイマピストン位置に基づいて噴射時期変更手段を制御することが可能となり、噴射時期変更手段の過剰な制御によるバッテリの消費電力の増加、及び、噴射時期変更手段の制御が不足することによるタイマピストンの遅角不足を防止しつつ、タイマピストンを始動時の噴射時期位置に戻し、ポンププランジャによる燃料噴射時期を始動時の噴射時期位置に変更することとなり、次のエンジン始動時には確実に始動することとなる。
【0029】
また、請求項4の発明のディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置において、前記タイマピストンの位置を検出するピストン位置検出手段を設け、前記タイマピストン位置が最大遅角位置になったことが前記ピストン位置検出手段により検出されると、前記燃料噴射時期変更手段によるタイマピストン位置の変更を停止することを特徴とするものである。
【0030】
従って、実際のタイマピストン位置に基づいて噴射時期変更手段を制御することが可能となり、噴射時期変更手段の過剰な制御によるバッテリの消費電力の増加、及び、噴射時期変更手段の制御が不足することによるタイマピストンの遅角不足を防止しつつ、タイマピストンを最大遅角位置に戻し、ポンププランジャによる燃料噴射時期を最大遅角位置に変更することとなり、次のエンジン始動時には確実に始動することとなる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0032】
図1に本発明の一実施形態に係るディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置の概略構成、図2に燃料噴射ポンプの概略断面、図3に燃料噴射時期制御装置による制御のフローチャートを示す。
【0033】
本実施形態のディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置において、図1に示すように、分配型燃料噴射ポンプ11はディーゼルエンジン12に装着され、吸入側には燃料タンク13が接続されており、この燃料タンク13内に貯留されている燃料を所定量吸い上げることができる。一方、燃料噴射ポンプ11の吐出側にはディーゼルエンジン12の各噴射ノズル14が接続されており、所定量、所定圧の燃料を所定時期に圧送して各噴射ノズル14から噴射することができる。また、ディーゼルエンジン12にはエンジンコントロールユニット15が接続されており、このエンジンコントロールユニット15によるエンジン運転状態及びイグニッションスイッチ16の操作に基づいて噴射時期変更手段17を制御し、燃料噴射ポンプ11による燃料噴射時期を変更することができる。
【0034】
ここで、この燃料噴射ポンプ11について詳細に説明する。図2に示すように、ポンプハウジング21内の一方にはドライブシャフト22の軸端部が嵌入して回転自在となっており、このドライブシャフト22の中間部にはフィードポンプ23が装着(図2では90度展開状態で図示)され、このフィードポンプ23には燃料タンク13からの吸入通路24が接続されている。また、このフィードポンプ23の吐出側は吐出通路25を介してポンプ室26に接続されており、この吐出通路25の中途部にはレギュレーティングバルブ27が介装され、このレギュレーティングバルブ27は戻し通路28を介して吸入通路24に接続されている。
【0035】
ドライブシャフト22の先端部にはカップリング29を介してカムプレート30が一体回転自在で、且つ、軸方向相対移動自在に連結され、このカムプレート30にはプランジャ31が固結されている。また、ポンプハウジング21にはドライブシャフト22が貫通してカップリング29の外周辺に位置するようにローラリング32が固定されており、このローラリング32内には複数のローラ33が枢着されている。そして、ポンプハウジング21とカムプレート30との間には圧縮スプリング34が介装され、この圧縮スプリング34の付勢力によってカムプレート30及びプランジャ31を軸方向一方(図2にて左方)に付勢することで、カムプレート30のカム面がローラリング32の各ローラ33に圧接されている。
【0036】
このプランジャ31内には内部に軸方向に沿った燃料通路31aが形成されると共に、吸入ポート31b、分配ポート31c、スピルポート31dが形成されており、プランジャ31の軸方向位置と周方向回転位置により、ポンプ室26の燃料を吸入ポート31bから燃料通路31aに吸入したり、燃料通路31aに吸入した燃料を分配ポート31cから分配通路35に吐出したり、あるいは、スピルポート31dからポンプ室26に戻したりすることができる。なお、ポンプハウジング31の吸入溝36にはフューエルカットソレノイド37が設けられており、分配通路35はデリバリバルブ38を介して噴射ノズル14に接続されている。
【0037】
また、ポンプハウジング21の下部にはドライブシャフト22と直交する方向に移動自在なタイマピストン39が設けられて(図2では90度展開状態で図示)おり、低圧室39aと高圧室39bが区画されている。この低圧室39aは燃料タンク13からの吸入通路24に連通路59を介して連通する一方、高圧室39bはポンプ室26に連通路60及びオリフィス61を介して連通している。そして、このタイマピストン39にはローラリング31のスライドピン40が係合する一方、低圧室39aには圧縮スプリング41が装着されており、この圧縮スプリング41の付勢力によってタイマピストン39を軸方向一方(図2にて右方)に付勢することで、ローラリング32を周方向に回動してプランジャ31による噴射時期を遅らせる方向に付勢している。
【0038】
そして、このタイマピストン39には低圧室39aと高圧室39bとを連通するバイパス通路42が設けられると共に、このバイパス通路42を開閉するコントロールバルブ43が設けられている。従って、前述した噴射時期変更手段17はエンジン運転状態に応じてこのコントロールバルブ43の通電時間を制御し、バイパス通路42を連通状態を制御して低圧室39aと高圧室39bとを連通することで、燃料噴射ポンプ11による燃料噴射時期を制御することができる。また、この噴射時期変更手段17はエンジンが停止したときに、コントロールバルブ43によってバイパス通路42を開放することで、タイマピストン39の低圧室39aと高圧室39bとを所定時間連通し、タイマピストン39の位置を始動時の噴射時期位置(通常、ディーゼルエンジンでは、始動性を向上させるために、ほぼ最大遅角位置にすることが多い。)にでき、ポンププランジャ31による燃料噴射時期を始動時の噴射時期位置に変更することができる。
【0039】
更に、ポンプハウジング21の側部にはガバナレバー44が装着されており、このガバナレバー44にはテンションレバー45とコントロールレバー46が枢着されており、このテンションレバー45とコントロールレバー46との各上部間に圧縮スプリング47が介装される一方、コントロールレバー46の下部はプランジャ31に嵌合したスピルリング48に係合している。また、ドライブシャフト22には駆動ギヤ49が固結され、この駆動ギヤ49はガバナシャフト50の従動ギヤ51と噛み合っている。このガバナシャフト50はフライウエイト52を介してガバナスリーブ53が移動自在に嵌合している。そして、ポンプハウジング21の上部にはアジャスティングレバー(アクセルレバー)54が装着されており、このアジャスティングレバー54とテンションレバー45との間に引張スプリング55が架設されることで、その付勢力によってコントロールレバー46がガバナスリーブ53の先端部に当接している。
【0040】
なお、燃料噴射ポンプ11のポンプハウジング21にはポンプ室26からオーバーフローした燃料を燃料タンク13に戻すオーバーフロー通路56が設けられており、この連結部にはオーバーフローバルブ57が設けられている。
【0041】
ここで、本実施形態のディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置による燃料噴射制御について説明する。
【0042】
図1及び図2に示すように、イグニッションスイッチ16をオンにするとディーゼルエンジン12が駆動し、その1/2 回転でドライブシャフト22が駆動回転してフィードポンプ23が回転駆動する。このフィードポンプ23が回転駆動すると、レギュレーティングバルブ27によって燃圧が制御されながら、燃料は吐出通路25を介してポンプ室26に送給される。一方、プランジャ31はドライブシャフト22にカップリング29で連結されたカムプレート30によって回転し、また、このカムプレート30はエンジン12のシリンダ数と同じ数のフェイスカムをもっており、ドライブシャフト22によって回転させられると、ローラリング32に取付けられた各ローラ33上をカムリフトだけが往復運動する。従って、カムプレート30に連結されたプランジャ31は回転運動を行うと共に往復運動を行う。
【0043】
即ち、プランジャ31が下降行程に入るとき、吸入溝36と吸入ポート31bとが合致し、ポンプ室26内の燃料が吸入溝36及び吸入ポート31bを通して燃料通路31aに吸入される。そして、プランジャ31が回転すると、吸入ポート31bが閉じて分配ポート31cと分配通路35が合致し、且つ、プランジャ31がカムプレート30のカム面によって軸方向に移動するとプランジャ31内の燃料が高圧となり、デリバリバルブ38を通して噴射ノズル14に送給されて噴射が開始される。プランジャ31がカムプレート30のカム面によって更に移動すると、スピルポート31dがスピルリング48との干渉範囲外に出るので、このスピルポート31dが開いてプランジャ31内の燃料がスピルポート31dからポンプ室26に開放され、そのときに噴射は終わる。
【0044】
また、アジャスティングレバー54を回動すると、ガバナレバー44とテンションレバー45とコントロールレバー46との作用によってスピルリング48が移動し、プランジャ31の有効ストロークが変わる。つまり、スピルリング48を図2にて左方に移動すると、スピルポート31dの開放が早まって燃料圧送量が少量となり、スピルリング48を図2にて右方に移動すると、スピルポート31dの開放が遅れて燃料圧送量が多量となり、このようにして燃料噴射量を制御することができる。
【0045】
更に、タイマピストン39の低圧室39aには圧縮スプリング41が装着され、この圧縮スプリング41の付勢力によってタイマピストン39を一方に付勢することで、ローラリング32を周方向に回動してプランジャ31による噴射時期を遅らせる方向に付勢している。一方、ポンプ室26の燃料圧は連通路60及びオリフィス61を介してタイマピストン39の高圧室39bに作用している。従って、エンジン12の回転数が上昇してフィードポンプ23の吐出圧が高くなると、タイマピストン39は圧縮スプリング41の付勢力に打ち勝って移動し、タイマピストン39がローラリング32を回転させて進角させ、噴射タイミングを制御することができる。また、コントロールバルブ43への通電時間を短縮すると、高圧室39bの燃圧が高くなって進角し、コントロールバルブ43への通電時間を増大すると、高圧室39bの燃圧が低くなって遅角し、このように燃料噴射時期を制御することができる。
【0046】
そして、イグニッションスイッチ16をオフにしてエンジン12を停止させると、コントロールバルブ43はバイパス通路42を開放してタイマピストン38の低圧室39aと高圧室39bとを所定時間連通することで、タイマピストン38を始動時の噴射時期位置に戻すことができる。即ち、図3に示すように、ステップS1において、イグニッションスイッチがオフされているかどうかを判定し、オン状態であれば元に戻る。このステップS1にて、イグニッションスイッチがオフされていれば、ステップS2に移行し、タイマをスタートさせる。ステップS3では、このタイマがスタートしてからの経過時間tが予め設定された遅延時間t0 より大きいかどうかを判定し、ステップS4にてコントロールバルブ43をオンとし、ステップS5にてバイパス通路42を開放し、ステップS3に戻る。そして、このステップS3,S4,S5にて、経過時間tが遅延時間t0 を越えるまで処理を繰り返し、経過時間tが遅延時間t0 を越えたら、タイマピストン39が始動時の噴射時期位置まで遅角したものと判定し、ステップS6にてコントロールバルブ43をオフとし、ステップS7にてバイパス通路42を閉塞する。
【0047】
このようにイグニッションスイッチ16をオフとしてエンジン12を停止させたときに、コントロールバルブ43によってバイパス通路42を開放してタイマピストン39の低圧室39aと高圧室39bとを所定時間連通することで、低圧室39aと高圧室39b(ポンプ室26)との差圧がすみやかになくなり、タイマピストン39は圧縮スプリング41の付勢力によって始動時の噴射時期位置に移動し、ローラリング32を介してプランジャ31により燃料噴射時期を始動時の噴射時期位置にすることができ、また、バッテリに生じる負荷を低減でき、バッテリ劣化を低減できる。
【0048】
なお、エンジン12を停止したときに、コントロールバルブ43へ所定時間通電してバイパス通路42を開放することで、タイマピストン39の低圧室39aと高圧室39bとを所定時間連通させ、タイマピストン39を圧縮スプリング41の付勢力によって始動時の噴射時期位置に戻すようにしたが、タイマピストン39に位置センサを装着し、この位置センサの検出結果に基づいてコントロールバルブ43への通電時間を制御してもよい。
【0049】
図4に他の実施形態に係る燃料噴射時期制御装置による制御のフローチャートを示す。
【0050】
図4に示すように、ステップS11において、イグニッションスイッチがオフされているかどうかを判定し、オン状態であれば元に戻る。このステップS11にて、イグニッションスイッチがオフされていれば、ステップS12に移行し、タイマをスタートさせる。ステップS13では、位置センサによって現在のタイマピストン39の位置Pを検出し、ステップS14では、現在のタイマピストン39の位置Pが始動位置PS より小さい(遅角されている)かどうかを判定し、現在のタイマピストン39の位置Pが始動位置PS より小さい場合は、タイマピストン39が始動時の噴射時期位置まで遅角されたものと判定し、ステップS22に進む。このステップS22では、コントロールバルブ43をオフとし、ステップS23にてバイパス通路42を閉塞する。
【0051】
ステップS14にて、現在のタイマピストン39の位置Pが始動位置PS より大きい場合は、タイマピストン39が始動時の噴射時期位置まで遅角されていないものと判定し、ステップS15では、タイマがスタートしてからの経過時間tが予め設定された遅延時間t0 より大きいかどうかを判定し、ステップS16にてコントロールバルブ43をオンとし、ステップS17にてバイパス通路42を開放し、ステップS13に戻る。そして、このステップS13,S14,S15,S16,S17にて、タイマピストン位置Pが始動位置PS を越えるか、または、経過時間tが遅延時間t0 を越えるまで処理を繰り返し、経過時間tが遅延時間t0 を越えたら、ステップS18に進む。
【0052】
このステップS18では、再び、現在のタイマピストン39の位置Pが始動位置PS より小さいかどうかを判定し、現在のタイマピストン39の位置Pが始動位置PS より小さい場合は、タイマピストン39が始動時の噴射時期位置まで遅角されたものと判定し、ステップS22、ステップS23にて、コントロールバルブ43をオフとしてバイパス通路42を閉塞する。一方、ステップS18にて、現在のタイマピストン39の位置Pが始動位置PS より大きい場合は、タイマピストン39が始動時の噴射時期位置まで遅角されていないものと判定し、ステップS19にて、タイマがスタートしてからの経過時間tが遅延時間t0 より長時間に設定された第2遅延時間t2 より大きいかどうかを判定し、経過時間tが第2遅延時間t2 より小さい場合は、ステップS20にてコントロールバルブ43をオンとし、ステップS21にてバイパス通路42を開放し、ステップS18に戻る。そして、このステップS18,S19,S20,S21にて、タイマピストン位置Pが始動位置PS を越えるか、または、経過時間tが第2遅延時間t2 を越えるまで処理を繰り返し、経過時間tが第2遅延時間t2 を越えたら、バッテリの消費電力が大きくなったと判定し、タイマピストン39の位置Pに拘らず、ステップS22、ステップS23にて、コントロールバルブ43をオフとしてバイパス通路42を閉塞することによってバッテリの消費電力が大きくなるのを防止する。
【0053】
このような構成によれば、低温時のように燃料の粘度が大きいためにタイマピストン39とその外壁部分との間の抵抗が増大して、タイマピストン39が始動時の噴射時期位置や最大遅角位置に戻りにくい場合であっても、タイマピストン位置に基づいてコントロールバルブ43を制御することにより、タイマピストン39を確実に始動時の噴射時期位置や最大遅角位置に戻すことができると共に、、タイマピストン39とその外壁部分とのかじりによって、タイマピストン39が始動時の噴射時期位置や最大遅角位置に戻らない場合であっても、タイマピストン位置に基づいてコントロールバルブ43を制御することにより、バッテリの消費電力の増加を防止することができる。
【0054】
【発明の効果】
以上、実施形態において説明したように請求項1の発明のディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置によれば、エンジンが停止しても、バイパス通路を開放して低圧室と高圧室とを所定時間だけ連通することで、高圧室の燃料圧は低圧室を介して抜けることとなり、タイマピストンを始動時の噴射時期位置に移動してポンププランジャによる燃料噴射時期を確実に始動時の噴射時期位置に変更することができる。その結果、簡単且つ低コストな構造で、しかも、短時間で確実にタイマピストンを始動時の噴射時期位置に位置させることによって始動性の向上を図ることができる。
【0055】
また、請求項1の発明のディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置では、タイマピストンを始動時の噴射時期位置としての最大遅角位置に戻し、ポンププランジャによる燃料噴射時期を最大遅角位置に変更することとなり、次のエンジン始動時には確実に始動することができる。
【0056】
また、請求項2の発明のディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置によれば、ポンプ室と高圧室との間に絞りがあることにより、ポンプ室の燃料圧を低下させてもタイマピストンの高圧室の燃料圧が低下しにくい燃料噴射ポンプであっても、速やかにタイマピストンを始動時の噴射時期位置に戻し、バッテリの消費電力を低減しつつ、ポンププランジャによる燃料噴射時期を始動時の噴射時期位置に変更することとなり、バッテリを保護することができると共に、次のエンジン始動時には確実に始動することができる。
【0058】
また、請求項3の発明のディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置によれば、実際のタイマピストン位置に基づいて噴射時期変更手段を制御することが可能となり、噴射時期変更手段の過剰な制御によるバッテリの消費電力の増加、及び、噴射時期変更手段の制御が不足することによるタイマピストンの遅角不足を防止しつつ、タイマピストンを始動時の噴射時期位置に戻し、ポンププランジャによる燃料噴射時期を始動時の噴射時期位置に変更することとなり、次のエンジン始動時には確実に始動することができる。
【0059】
また、請求項4の発明のディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置によれば、実際のタイマピストン位置に基づいて噴射時期変更手段を制御することが可能となり、噴射時期変更手段の過剰な制御によるバッテリの消費電力の増加、及び、噴射時期変更手段の制御が不足することによるタイマピストンの遅角不足を防止しつつ、タイマピストンを最大遅角位置に戻し、ポンププランジャによる燃料噴射時期を最大遅角位置に変更することとなり、次のエンジン始動時には確実に始動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置の概略構成図である。
【図2】燃料噴射ポンプの概略断面図である。
【図3】燃料噴射時期制御装置による制御のフローチャートである。
【図4】他の実施形態に係る燃料噴射時期制御装置による制御のフローチャートである。
【図5】従来のディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置の概略構成図である。
【図6】従来の燃料噴射ポンプにポンプ回転速度に対する燃圧を表すグラフである。
【符号の説明】
11 燃料噴射ポンプ
12 ディーゼルエンジン
13 燃料タンク
14 噴射ノズル
15 エンジンコントロールユニット
16 イグニッションキースイッチ
17 噴射時期変更手段
23 フィードポンプ
26 ポンプ室
27 レギュレーティングバルブ
31 ポンププランジャ
39 タイマピストン
39a 低圧室
39b 高圧室
42 バイパス通路
43 コントロールバルブ
61 オリフィス(絞り)
Claims (4)
- 燃料タンクに貯留された燃料を一定量吸い上げて送給するフィードポンプと、該フィードポンプから送給された燃料を所定の燃料圧に調圧するポンプ室と、該ポンプ室内の燃料を所定量吸入して噴射ノズルに分配圧送するポンププランジャと、前記フィードポンプの上流側に連通する低圧室と前記ポンプ室に連通する高圧室とを有して前記ポンププランジャによる燃料噴射時期を制御するタイマピストンと、該タイマピストンの低圧室と高圧室とを連通するバイパス通路と、該バイパス通路の開閉状態を制御するコントロールバルブと、エンジンが停止したときに前記コントロールバルブによって前記バイパス通路を開放して前記タイマピストンの低圧室と高圧室とを所定時間だけ連通することでタイマピストンを始動時の噴射時期位置としての最大遅角位置に変更する燃料噴射時期変更手段とを具えたことを特徴とするディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置。
- 請求項1のディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置において、前記ポンプ室と前記高圧室は絞りを介して連通することを特徴とするディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置。
- 請求項1のディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置において、前記タイマピストンの位置を検出するピストン位置検出手段を設け、前記タイマピストン位置が始動時の噴射時期位置になったことが前記ピストン位置検出手段により検出されると、前記燃料噴射時期変更手段によるタイマピストン位置の変更を停止することを特徴とするディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置。
- 請求項1のディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置において、前記タイマピストンの位置を検出するピストン位置検出手段を設け、前記タイマピストン位置が最大遅角位置になったことが前記ピストン位置検出手段により検出されると、前記燃料噴射時期変更手段によるタイマピストン位置の変更を停止することを特徴とするディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置。
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