JP6817201B2 - 不要イオンを抑制するシステム及び方法 - Google Patents

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Description

優先権出願
本出願は、2014年11月3日に出願された、米国特許出願第14/531,661号の優先権と利益とを主張し、その全開示が、ここに、参照により本明細書に組み込まれる。
特定の特徴、態様、及び実施形態は、不要イオンまたは妨害イオンを抑制するように構成されたシステムを対象としている。特定の実施形態では、システムは、セルを、質量分析器の下流に含むことができる。
質量分析は、種を、質量対電荷比の違いに基づいて分ける。同じ質量対電荷比を有する種は、特定の場合では、互いに区別可能でないことがある。
本明細書で説明する特定の態様は、検体イオンと同じ質量対電荷比を有する妨害イオンを除去するのに効果的なシステムを対象としている。システムのさまざまな構成は、1つまたは複数のセルを、質量分析器の下流に含むことができる。いくつかの場合では、システムは、単一質量分析器のみを使用することによって、妨害イオンを除去するのに効果的であり得る。
一態様では、イオン源と、イオン源に流体的に連結されたイオン光学素子と、イオン光学素子に流体的に連結された質量分析器であって、システムにおける唯一の質量分析器である、質量分析器と、質量分析器に流体的に連結され、質量分析器の下流にある、セルと、セルに流体的に連結された検出器と、を備えるシステムが、提供される。
特定の構成では、セルは、反応セル、衝突セル、または反応/衝突セルとして構成されている。他の構成では、セルは、複数の電極を備える。いくつかの場合では、複数の電極は、共に、四重極場をセル内に提供するように構成されている。いくつかの実施形態では、複数の電極の各々は、ロッドとして構成されている。他の実施例では、システムは、イオン源とイオン光学素子との間のインターフェースを含むことができる。特定の実施例では、イオン源は、誘導結合プラズマと、アークと、スパークと、グロー放電と、フレームと、から成るグループから選択される。他の実施例では、イオン源は、誘導結合プラズマの温度未満の温度を有するイオン源である。いくつかの実施例では、質量分析器は、スキャン質量分析器と、磁気セクター分析器と、四重極質量分析器と、イオントラップ分析器と、飛行時間分析器と、から成るグループから選択される。他の実施形態では、検出器は、ファラデーカップと、電子増倍管と、マイクロチャネルプレートと、から成るグループから選択される。
別の態様では、イオン源と質量分析器とを備えるシステムが、提供される。いくつかの構成では、質量分析器は、イオン源に流体的に連結されており、イオンビームをイオン源から受け取るように構成されており、イオンビームは、異なる質量対電荷比を有する複数のイオンを備え、質量分析器は、さらに、ネイティブイオンをイオンビームから選択するように構成されており、ネイティブイオンは、1つの質量対電荷比を備え、検体イオンと妨害イオンとを備え、質量分析器は、システム内に存在する唯一の質量分析器である。いくつかの場合では、システムは、さらに、質量分析器に流体的に連結され、ネイティブイオンを質量分析器から受け取るように構成された、セルを備え、セルは、さらに、変質された妨害イオンをネイティブイオンから除去するように構成されている。他の実施形態では、システムは、また、セルに流体的に連結され、検体イオンをセルから受け取り、受け取った検体イオンを検出するように構成された、検出器を含むことができる。
特定の実施形態では、システムは、さらに、イオン源と質量分析器とに流体的に連結され、イオン源と質量分析器との間に配置された、イオン光学素子を備える。他の実施形態では、セルは、反応セル、衝突セル、または反応/衝突セルとして構成されている。いくつかの構成では、セルは、複数の電極を備える。追加的な実施例では、複数の電極は、共に、四重極場をセル内に提供するように構成されている。いくつかの場合では、システムは、さらに、イオン源とイオン光学素子との間のインターフェースを備える。いくつかの実施例では、イオン源は、誘導結合プラズマと、アークと、スパークと、グロー放電と、フレームと、から成るグループから選択される。特定の実施形態では、イオン源は、誘導結合プラズマの温度未満の温度を有するイオン源である。さらなる実施例では、質量分析器は、スキャン質量分析器と、磁気セクター分析器と、四重極質量分析器と、イオントラップ分析器と、飛行時間分析器と、から成るグループから選択される。いくつかの場合では、検出器は、ファラデーカップと、電子増倍管と、マイクロチャネルプレートと、から成るグループから選択される。
追加的な態様では、単一質量分析器を備える質量分析システムを説明する。いくつかの実施例では、システムは、イオン源と、イオン源とイオン源の下流とに流体的に連結されたイオン光学素子と、イオン光学素子とイオン光学素子の下流とに流体的に連結された単一質量分析器であって、イオン光学素子がイオン源と単一質量分析器との間にあるようにし、システム内に存在する唯一の質量分析器である、単一質量分析器と、単一質量分析器と単一質量分析器の下流とに流体的に連結されたセルであって、単一質量分析器がセルとイオン光学素子との間にあるようにする、セルと、セルとセルの下流とに流体的に連結された検出器であって、セルが単一質量分析器と検出器との間にあるようにする、検出器と、を備える。
特定の実施形態では、セルは、反応セル、衝突セル、または反応/衝突セルとして構成されている。他の実施形態では、セルは、複数の電極を備える。追加的な実施例では、複数の電極は、共に、四重極場をセル内に提供するように構成されている。さらなる実施形態では、システムは、追加セルを、単一質量分析器の上流に備え、追加セルは、単一質量分析器とイオン光学素子との間にある。他の実施例では、システムは、イオン源とイオン光学素子との間のインターフェースを備える。いくつかの構成では、イオン源は、誘導結合プラズマと、アークと、スパークと、グロー放電と、フレームと、から成るグループから選択される。追加的な実施例では、イオン源は、誘導結合プラズマの温度未満の温度を有するイオン源である。他の実施例では、質量分析器は、スキャン質量分析器と、磁気セクター分析器と、四重極質量分析器と、イオントラップ分析器と、飛行時間分析器と、から成るグループから選択される。いくつかの場合では、検出器は、ファラデーカップと、電子増倍管と、マイクロチャネルプレートと、から成るグループから選択される。
別の態様では、イオンビーム内の妨害種を、質量分析器を備える質量分析計システム内で抑制する方法であって、イオンビームを、質量分析器から下流にある質量分析計のセルに提供して、イオンビーム内の妨害種を除去することを備える方法、を説明する。
特定の実施形態では、方法は、単一ターゲット質量のイオンをセルに提供するように、質量分析器を構成すること、を含むことができる。他の実施形態では、質量分析器は、四重極を用いて構成され得る。さらなる実施例では、質量分析器は、システム内で唯一の質量分析器である。いくつかの実施例では、方法は、第2のセルを、セルの下流に配置することを含むことができる。他の実施形態では、方法は、第2のイオンビームをセルから下流の検出器に提供する前に、質量分析器からセルに提供される第1のイオンビーム内の実質的にすべての多原子種を除去するように、セルを構成すること、を含むことができる。いくつかの実施形態では、方法は、セルを、反応セル、衝突セル、または反応/衝突セルとして構成すること、を含むことができる。追加的な実施形態では、方法は、システムを、質量分析器の上流の追加セルを有して構成すること、を含むことができる。いくつかの構成では、方法は、上流の、追加セルを、反応セル、衝突セル、または反応/衝突セルとして構成すること、を含むことができる。他の実施例では、方法は、イオンビーム内の妨害種を除去するのに効果的な四重極場を提供するようにセルを構成すること、を含むことができる。
追加的な態様では、1つの質量対電荷比を備えるネイティブイオンを、異なる質量対電荷比を有する複数のイオンを備えるイオンビームからの選択することと、選択されたネイティブイオンを下流のセルに提供することと、を備える方法を、提供する。
特定の実施例では、方法は、ネイティブイオンを、質量分析器を使用して選択すること、を備える。他の実施例では、方法は、ネイティブイオン内の妨害イオンを除去するようにセルを構成すること、を備える。特定の実施形態では、方法は、セルを反応セルとして構成すること、を備える。いくつかの実施例では、方法は、セルを衝突セルとして構成すること、を備える。特定の構成では、方法は、衝突モードと反応モードとの両方で動作するようにセルを構成すること、を備える。他の実施例では、方法は、システムを、下流セルの上流の追加セルを有して構成すること、を備える。いくつかの実施例では、方法は、システムを、イオン源と質量分析器と検出器とを有して構成すること、を備え、イオン源は、質量分析器の上流にあり、質量分析器は、下流セルの上流にあり、イオン源と下流セルとの間にあり、検出器は、下流セルの下流にある。追加的な実施例では、方法は、選択されたネイティブイオンを、選択されたネイティブイオン内の妨害イオンと反応するのに効果的な反応ガスと反応させること、を備える。いくつかの実施形態では、方法は、選択されたネイティブイオンを、選択されたネイティブイオン内の妨害イオンを変質させるのに効果的な衝突ガスと衝突させること、を備える。
追加的な属性と、特性と、態様と、実施形態と、構成とを、本明細書でより詳細に説明する。
システムの特定の特性と、態様と、実施形態とを、添付の図面を参照して説明する。
特定の構成による、セルを、質量分析器の下流に備えるシステムのブロック図である。 特定の構成による、セルを、質量分析器の下流に備える別のシステムのブロック図である。 特定の構成による、セルを、質量分析器の下流と、セルを、質量分析器の上流と、に備える別のシステムのブロック図である。 特定の構成による、2つのセルを、質量分析器の下流に備える別のシステムのブロック図である。 特定の構成による、2つのセルを、質量分析器の上流と、セルを、質量分析器の下流と、に備えるシステムの概略図である。 特定の構成による、セルを、質量分析器の上流と、2つのセルを、質量分析器の下流と、に備えるシステムの概略図である。 特定の構成による、セルを、質量分析器の下流に備える質量分析計の概略図である。 特定の構成による、図7に示した質量分析計システム内に含まれ得る補助電極のセットを例示した正面断面図である。 特定の構成による、図8Aに示した補助電極のセットを例示した背面断面図である。 特定の実施例による、非加圧セル内のイオンのシミュレーションを示した図である。 特定の実施例による、妨害イオンの除去のシミュレーションを示した図である。 特定の実施例による、妨害イオンの除去のシミュレーションを示した図である。 特定の実施例による、検体イオンの通路のシミュレーションを示した図である。 特定の実施例による、質量分析器/セル配置のためのシミュレーション概略図である。 特定の実施例による、質量分析器/セル配置のためのシミュレーション概略図である。 特定の実施例による、質量分析器/セル配置のためのシミュレーション概略図である。 特定の実施例による、質量分析器/セル配置のためのシミュレーション概略図である。
本開示の利益を所与として、図中の構成要素は、限定するものでなく、追加的な構成要素を、また、本明細書で説明する技術の精神と範囲とから逸脱することなく含むことができる、ということを当業者は認識する。
本明細書で説明する特定の特性、態様、及び実施形態は、イオンビーム内の不要イオンまたは妨害イオンを抑制するように構成されたシステムを対象としている。「上流」及び「下流」という用語は、一般に、システム内でのイオンの流れの方向を指している。たとえば、下流構成要素は、イオンを、上流構成要素から受け取る。
従来の質量分析計では、質量分析器は、セルの下流に配置される。セル内に作られるスペクトル干渉は、達成可能な検出限界を制限し得る。たとえば、従来のシステムでは、すべてのイオンは、まず、加圧セルに入る。イオンは、興味を有する特定の検体と重複するマトリックスまたは妨害種を含むことがある。加えて、セルが生成イオンを生成する場合、生成イオンの多くは、妨害イオンであり得る。所望のイオンと妨害イオンとの両方を、下流の質量分析器に提供することができる。妨害イオン及び興味を有するイオンが同じ質量対電荷を有するため、両方のイオンが検出され、それにより、不正確な測定値になる。
本明細書で説明する特定の構成では、セルは、質量分析器から下流に配置され、イオンビーム内の種が、セルに提供される前に、質量分析器によって最初に選択されるようにする。最初にイオンを質量分析器に、セルへの導入前に、導入することによって、実質的により多くのマトリクス干渉を除去することができる。たとえば、本明細書でより詳細に説明する通り、興味を有するイオンと妨害種とを備えるサンプルストリームが、最初にセルに導入され、その後質量分析器に導入されると、結果として生じる質量分析器からの出力は、しばしば、興味を有するイオンと妨害イオンとを含む。システムから検出器へ出力されるストリームは、妨害イオンを含み、それが、検出器による不正確な測定値を提供する。興味を有するイオンと妨害種とを備える同じサンプルストリームが、最初に質量分析器に、次にセルに導入されると、興味を有する特定のイオンが選択され、出力ストリーム内に妨害種のいずれも存在することなく、セルから出力される。この第2の構成における出力は、より正確な測定を可能にし、それは、興味を有するイオンのみが検出器に提供されるからである。いくつかの場合では、1つの質量対電荷比を有するネイティブイオン(または検体イオンを備えるイオン)を、質量分析器によって選択することができ、すべての他のイオンは、拒絶される。本明細書で使用する「ネイティブイオン」という用語は、反応ガスとの反応または衝突ガスとの衝突にさらされていない、イオン源からのイオンを指す。ネイティブイオンは、通常、イオン化源、たとえば、プラズマ、フレーム、アーク、スパーク、グロー放電、などを使用して生成される。イオン源からのネイティブイオンは、一般に、異なる質量対電荷比を有する複数のイオンを含み、検体イオンと妨害イオンとを含むことができる。いくつかの構成では、単一質量分析器のみが、本明細書で説明するシステム内に存在する。
特定の構成では、本明細書で説明するセルと質量分析器との配置は、従来の三連四重デバイスを使用して得られ得るものと同様のイオン選択を可能にするが、それは、コストがより低く、よりシンプルな設計で、より小さな全体設置面積を有する。たとえば、(三連四重の設計と比較して、)質量分析器の下流に配置された四重極場を有するセルを使用したよりシンプルな設計は、三連四重設計で必要とされる、電気パラメータを同期する必要性を回避し、第2の質量分析器を駆動するために必要なインフラストラクチャの量を減らす。そのような構成を使用することで、1つの質量対電荷比が、興味を有する検体を含んで、三連四重デバイスの動作と同様に、上流質量分析器からセルに受け入れられる。次に、干渉除去が、セルの反応モードまたは衝突モードのいずれかにおいて実行される。開示の構成の1つの属性は、不要種(たとえば、セル内に形成される新しい生成種、または反応を経なかった種)を、その場で、その四重極場を使用して、また所与の質量に対して適切なRF電圧とDC電圧とを設定することによって、拒絶するというセルの能力を、望ましく活用する。この構成は、セルの下流の第2の質量分析器の必要性を排除することができ、それは、セル自体が、興味を有する検体を他の妨害種から分離するのに適切な分解能を有する帯域通過同調を提供することができるからである。さらに、四重極場と軸方向電場とを有し、質量分析器から下流に配置されたセルの使用は、高速過渡信号の測定を可能にし、たとえば、軸方向電極を備えるセルは、測定が三連四重の動作によって減速されないために、非常に高速な過渡を捕らえることを可能にする。質量分析器/セルの配置は、また、システム内の第2の質量分析器を削除することを可能にし、それにより、動作のコストと複雑さがさらに削減される。セルが質量分析器から下流に配置されているシステムの追加的な属性を、以下でより詳細に説明する。
特定の場合において、また図1を参照すると、1つのシステムのブロック図が示されている。システム100は、質量分析器120に流体的に連結されたイオン源110を備える。質量分析器120は、イオン源110の下流であり、たとえば、イオンは、イオン源110から質量分析器120に流れる。質量分析器120は、セル130に流体的に連結されている。セル130は、質量分析器120の下流であり、質量分析器120によって選択されたイオンを受けとる。本明細書で述べる通り、セル130を質量分析器の下流に配置することによって、興味を有する単一イオンのみを、興味を有するイオンと妨害種とを備えるサンプルから選択することが可能である。セル130は、セル130の下流に配置された検出器140に流体的に連結されている。いくつかの構成では、質量分析器120は、システム100内に存在する唯一の質量分析器であってよい。以下でより詳細に説明する通り、セル130は、反応セル、衝突セル、反応/衝突セル、または他の適切なセルであってよい。
第2のシステムの別のブロック図が、図2に示されている。システム200は、イオン光学素子215に流体的に連結されたイオン源210を備える。イオン光学素子215は、質量分析器220に流体的に連結されている。質量分析器220は、イオン光学素子215の下流であり、たとえば、イオンは、イオン光学素子215から質量分析器220に流れる。質量分析器220は、セル230に流体的に連結されている。セル230は、質量分析器220の下流であり、質量分析器220によって選択されたイオンを受け取る。たとえば、質量分析器を使用して、選択された質量対電荷比を有する種を選択することができる。これらのイオンはセルに提供され、セルを使用して妨害種を除去して、セルの出力が、実質的に興味を有するイオンのみを備えるようにすることができ、興味を有するイオンは、ネイティブ型で、または反応生成物、たとえば、酸素またはアンモニアなどの反応ガスとの反応生成物として、存在し得る。セル230は、セル230の下流に配置された検出器240に流体的に連結されている。いくつかの場合では、質量分析器220は、システム200内に存在する唯一の質量分析器であってよい。以下でより詳細に説明する通り、セル230は、反応セル、衝突セル、反応/衝突セル、または他の適切なセルであってよい。特定の構成では、本明細書で説明するシステム内に存在するイオン光学素子は、以下の図7に関連して述べる通り、イオン源からのイオンを、質量分析器または他の下流構成要素に提供されるイオンビームに集中させるように、構成することができる。イオン光学素子の正確な構成は、異なっていてよく、イオンレンズ、帯電板、または他の適切な構成要素を含むことができる。イオン光学素子は、一般に、適切なポンプ、たとえば、ターボ分子ポンプを使用して、低圧に維持されている。
別のシステムのブロック図が、図3に示されている。システム300は、第1のセル320に流体的に連結されたイオン源310を備える。第1のセル320は、質量分析器330に流体的に連結されている。質量分析器330は、第1のセル320の下流であり、たとえば、イオンは、第1のセル320から質量分析器330に流れる。質量分析器330は、第2のセル340に流体的に連結されている。セル340は、質量分析器330の下流であり、質量分析器330によって選択されたイオンを受け取る。セル340は、第2のセル340の下流に配置された検出器350に流体的に連結されている。いくつかの構成では、質量分析器330は、システム300内に存在する唯一の質量分析器であってよい。以下でより詳細に説明する通り、セル320、340の各々は、個別に、反応セル、衝突セル、反応/衝突セル、または他の適切なセルであってよい。たとえば、セル320は、反応セルであってよく、セル340は、衝突セルであってよい。他の場合では、セル320は、衝突セルであってよく、セル340は、反応セルであってよい。異なる構成では、セル320及びセル340は、両方とも反応セルであってよく、同じまたは異なる反応ガスを、セル320、340の各々の中に導入することができる。他の場合では、セル320及びセル340は、それぞれ衝突セルであってよく、セル320、340の各々の中に導入される衝突ガスは、同じであってよく、または異なってよい。いくつかの場合では、セル320は、反応セルであり、セル340は、反応/衝突セルである。他の場合では、セル320は、反応/衝突セルであり、セル340は、反応セルである。他の構成では、セル320は、衝突セルであり、セル340は、反応/衝突セルである。さらなる場合では、セル320は、反応/衝突セルであり、セル340は、衝突セルである。特定の実施例では、セル320、340の各々は、反応/衝突セルであってよく、セル320、340は、所望のシステム構成と用途とによって、同じモードまたは異なるモードで動作することができる。必要に応じて、(図示しない)イオン光学素子が、イオン源310とセル320との間に存在してよい。いくつかの構成では、質量分析器330は、システム300内に存在する唯一の質量分析器であってよい。質量分析器をセル320、340の上流に配置することによって、興味を有する単一イオン(またはその反応生成物)のみを、検出器350に提供することができる。セル320、340の両方が質量分析器330から上流にある構成では、妨害種は、検出器350に導入される前に、効果的に除去されないことがある。
図4を参照すると、別のシステムのブロック図が示されている。システム400は、質量分析器420に流体的に連結されたイオン源410を備える。質量分析器420は、第1のセル430に流体的に連結されている。第1のセル430は、質量分析器420の下流であり、たとえば、イオンは、質量分析器420から第1のセル430に流れる。第1のセル430は、第2のセル440に流体的に連結されている。セル440は、セル430の下流であり、イオンをセル430から受け取る。セル430は、セル440の下流に配置された検出器450に流体的に連結されている。いくつかの構成では、質量分析器420は、システム400内に存在する唯一の質量分析器であってよい。以下でより詳細に説明する通り、セル430、440の各々は、個別に、反応セル、衝突セル、反応/衝突セル、または他の適切なセルであってよい。たとえば、セル430は、反応セルであってよく、セル440は、衝突セルであってよい。他の場合では、セル430は、衝突セルであってよく、セル440は、反応セルであってよい。異なる構成では、セル430及びセル440は、両方とも反応セルであってよく、同じまたは異なる反応ガスを、セル430、440の各々の中に導入することができる。他の場合では、セル430及びセル440は、それぞれ、衝突セルであってよく、セル430、440の各々の中に導入される衝突ガスは、同じであってよく、または異なってよい。いくつかの場合では、セル430は、反応セルであり、セル440は、反応/衝突セルである。他の場合では、セル430は、反応/衝突セルであり、セル440は、反応セルである。他の構成では、セル430は、衝突セルであり、セル430は、反応/衝突セルである。さらなる場合では、セル430は、反応/衝突セルであり、セル440は、衝突セルである。特定の実施例では、セル430、440の各々は、反応/衝突セルであってよく、セル430、440は、所望のシステム構成と用途とによって、同じモードまたは異なるモードで動作することができる。必要に応じて、(図示しない)イオン光学素子が、イオン源410と質量分析器420との間に存在してよい。両方のセル430、440を質量分析器420の下流に配置することによって、妨害種を、1つまたは複数の、興味を有するイオンと妨害種、たとえば、興味を有するイオンと同じ質量対電荷比を有する妨害種とを備えるサンプルから、除去することがより容易であり得る。
特定の構成では、本明細書で説明するシステムは、奇数個のセルを、より多くのセルを質量分析器の上流または下流に有して、備えることができる。図5を参照すると、2つのセルを質量分析器の上流と、1つのセルを質量分析器の下流と、に有するシステム500のブロック図が、示されている。システム500は、第1のセル520に流体的に連結されたイオン源510を備える。第1のセル520は、第2のセル530に流体的に連結されている。第2のセル530は、第1のセル520の下流にある。第2のセル530は、質量分析器540に流体的に連結されている。第3のセル550は、質量分析器540に流体的に連結されており、質量分析器540の下流にある。セル550は、セル550の下流に配置された検出器560に流体的に連結されている。いくつかの構成では、質量分析器540は、システム500内に存在する唯一の質量分析器であってよい。以下でより詳細に説明する通り、セル520とセル530とセル550との各々は、個別に、反応セル、衝突セル、反応/衝突セル、または他の適切なセルであってよい。必要に応じて、(図示しない)イオン光学素子が、イオン源510とセル520との間に存在してよい。
奇数個のセルを有するシステムの別の構成が、図6に示されている。システム600は、第1のセル620に流体的に連結されたイオン源610を備える。第1のセル620は、質量分析器630に流体的に連結されている。質量分析器630は、質量分析器630の下流の第2のセル640に流体的に連結されている。第3のセル650は、第2のセル640に流体的に連結されている。セル650は、セル650の下流に配置された検出器660に流体的に連結されている。いくつかの構成では、質量分析器630は、システム600内に存在する唯一の質量分析器であってよい。以下でより詳細に説明する通り、セル620とセル640とセル650との各々は、個別に、反応セル、衝突セル、反応/衝突セル、または他の適切なセルであってよい。必要に応じて、(図示しない)イオン光学素子が、イオン源610とセル620との間に存在してよい。図示されていないが、全ての3つの、セル620とセル640とセル650とを、必要に応じて、質量分析器620の下流に配置することができる。
特定の構成では、本明細書で説明するシステムのイオン源は、以下でより詳細に説明する通り、アーク、スパーク、フレーム、誘導結合プラズマ、容量結合プラズマ、または他のイオン源であってよい。金属検体と他の無機検体との分析を、誘導結合プラズマ(ICP)イオン源を使用して有利に実行することができ、それは、ICP−MSにおいて達成され得る比較的高いイオン感度のためである。10億分の1未満のイオン濃度が、ICPイオン源を用いて達成される。誘導結合プラズマイオン源では、3つの同心チューブ、通常石英、から成るトーチの端部を、高周波電流を供給された誘導コイルの中に置くことができる。アルゴンガスの流れを、その後、トーチの2つの最も外側のチューブ間に導入することができ、そこで、アルゴン原子を、誘導コイルの高周波磁場と相互作用させて、電子をアルゴン原子から解放することができる。ほんのわずかのアルゴンイオンと自由電子とを有し、大部分にアルゴン原子を備える、非常に高温(おそらく10、000K以上)のプラズマを、生成することができる。検体サンプルを、その後、たとえば、液体の噴霧化ミストまたは霧状ミストとして、アルゴンプラズマに通すことができる。霧状サンプルの水滴は、液体中に溶解した固体を原子に分解ながら蒸発し得、プラズマ内が非常に高温なために、それらの最も緩く結合された電子が奪われて、一価イオンを形成する。ICPイオン源によって生成されたイオンストリームは、興味を有する検体イオンに加えて、しばしば、高濃度のアルゴンとアルゴンベースのスペクトル干渉イオンとを含む。より一般的なスペクトル干渉のうちのいくつかは、Ar+と、ArO+と、Ar2+と、ArCl+と、ArH+と、MAr+、(Mは、サンプルがイオン化のために縣濁されたマトリックス金属を意味する)と、を含むが、また、ClO+、MO+、などの他のスペクトル干渉を含むことができる。グロー放電イオン源と電気スプレーイオン源とを含む他の種類のイオン源は、また、無視できない濃度のスペクトル干渉を生成することができる、ということが理解される。スペクトル干渉を、MS内の他の源から、たとえば、源からのイオン抽出中に、(たとえば、ICPの外の真空圧にさらされるとプラズマが冷えることにより、またはおそらくサンプラーオリフィスまたはスキマーオリフィスとの相互作用のために、)生成することができることがさらに理解される。サンプラーまたはスキマーの縁に存在する運動量境界は、スペクトル干渉の別の可能性のある源を提示する。
他の構成では、本明細書で説明するセル、たとえば、図1〜図6に示すものは、反応セル、衝突セル、または反応/衝突セルのうちの1つまたは複数であってよい。セルが反応セルの形態、本明細書では動的反応セル(DRC)とも呼ばれる、を取る場合では、反応セルは、セル内のイオンと反応するための反応ガスを提供するように構成され得る。たとえば、イオンストリーム内のスペクトル干渉の影響を緩和する1つの方法は、干渉イオンを、検出器ステージの上流で選択的に除去することである。セルを、不要干渉イオンと反応するが、検体イオンに対しては事実上不活性のままである、選択されたガスで充填することができる。イオンストリームがDRC内の反応ガスと衝突すると、干渉イオンは、検体イオンと実質的に同じまたは類似のm/z比をもはや有さない生成イオンを、形成することができる。生成イオンの質量対電荷(m/z)比が、検体イオンのそれと実質的に異なる場合、従来の質量フィルタリングをセルによって適用して、検体イオンの流れを大きく乱すことなく、生成干渉イオンを除去することができる。言い換えると、イオンストリームを帯域通過質量フィルタに通して、検体イオンのみを、検出器ステージに相当な割合で伝達することができる。干渉イオンを除去するためにDRCを使用することは、米国特許第6,140,638号と米国特許第6,627,912号とでより完全に説明されており、それらの全内容は、参照により、本明細書に組み込まれる。DRCは、非常に低い検出限界を提供することができ、それは、興味を有する検体により、おそらく1兆分の1またはそれ以下の大きさでさえある。異なる反応ガスを、異なる検体に対して使用することができる。特定の場合では、イオンの放射状閉じ込めが、放射状のRF場を細長いロッドのセット内に形成することによって、セル内に提供される。この性質の閉じ込め場は、一般に、異なる大きさであってよいが、一般的には、四重極場または、六重極場または八重極場などのいくつかの他のより大きな場のいずれかである。たとえば、小さな直流電圧を四重極ロッドセットに印加することは、四重極RFを適用することと併せて、狭い調整可能な範囲の外のm/z比のイオンを不安定化し、それによって、イオンのための質量フィルタという形態を作ることができる。
他の場合では、セルは、衝突セルの形態を取ることができる。衝突セルは、運動エネルギー弁別(KED)を可能にするように構成されている。たとえば、イオンストリームを、衝突セル内で、実質的な不活性ガスと衝突させることができる。検体イオンと干渉イオンとの両方を、不活性ガスと衝突させて、イオン内の運動エネルギーの平均損失を引き起こすことができる。衝突により失われる運動エネルギーの量は、一般に、イオンの衝突断面積に関連し得、衝突断面積は、イオンの元素組成に関連し得る。2つ以上の結合原子から成る(分子イオンとしても知られている)多原子イオンは、単原子イオンよりも大きな衝突断面積を有する傾向があり、単原子イオンは、一価原子のみから成っている。結果として、不活性ガスは、多原子原子と優先的に衝突して、同じm/z比の単原子原子で見られるものよりも、平均してより大きな運動エネルギーの損失を引き起こすことができる。衝突セルの下流端に作られる適切なエネルギー障壁は、その後、かなりの量の多原子干渉を捕らえ、下流検出器への伝達を防ぐことができる。KEDは、一般により多用途で、操作がより簡単であるという利点を有し、それは、不活性ガスの選択が、興味を有する特定の干渉イオン及び/または検体イオンに大幅に依存しない限りにおいてである。しばしばヘリウムである単一不活性ガスは、干渉イオンと検体イオンとの相対衝突断面積が、上記で説明した通りである限り、異なるm/z比の多くの異なる多原子干渉を除去することにおいて効果的であり得る。不活性ガスとの衝突は、ロッドセット内における、イオンの放射状散乱を引き起こす。六重極場と八重極場とを含むより大きな閉じ込め場が望ましいことがあり、それは、それらが、四重極場よりも深い放射状ポテンシャル井戸を提供することができ、したがって、より良い放射状閉じ込めを提供できるからである。四重極場は、KEDに対しては厳密に必要とされおらず、それは、質量フィルタが、通常、生成干渉イオンを区別するために活用されないからである。KEDでは、下流エネルギー障壁は、干渉イオンを、検体イオンの平均運動エネルギーに対するそれらの平均運動エネルギーの観点から、区別する。利用可能であるより大きな極を使用することは、また、ビームの幅及びビーム内の各イオン集団のエネルギー分布などの、イオンストリームの品質に対する要件を緩和する傾向があり、それが、今度は、質量分析計内の他のイオン光学素子に対する要件を緩和し、全体としてより広い多用途性を提供することができる。
セルが反応/衝突セルである構成では、セルは、同一出願人による米国特許第8,426,804号で説明されているセルの形態を取ることができ、その全開示は、ここに、参照により、本明細書に組み込まれる。反応/衝突セルは、セルがどのように構成されているかにより、反応モード(DRCモード)または衝突モード(KEDモード)のいずれかで動作することができる。質量分析計に連結された任意のモードコントローラは、衝突セルに繋がれた気体源と電源とを制御して、2つの説明したモードでの、質量分析計の選択可能で交互の動作を可能にすることができる。
図7を参照すると、不要イオンを抑制するためにICP−MS内で使用され得る質量分析計システム710が、示されている。質量分析計システム710は、ICPイオン源であり得るが、さまざまな知られている無機スペクトル干渉を含む相当なスペクトル干渉を生成するいくつかの他の種類のイオン源でもあり得る、イオン源712を備えることができる。イオン源712は、たとえば、プラズマトーチ内の検体サンプルを蒸発させて、イオンを生成することができる。イオン源712から放射されると、イオンは、サンプラープレート714とスキマー716との開口部を連続して通過することによって、イオンストリームまたはイオンビームに抽出され得る。サンプラープレート714とスキマー716とによって提供されるイオン抽出は、細く、非常に集中したイオンストリームをもたらすことができる。スキマー716を、機械ポンプ722によって、たとえば、約3トールの大気圧にされている真空室720内に収納することができる。いくつかの実施形態では、スキマー716を通過すると、イオンは、二次スキマー718を収納する第2の真空室724の中に入ることができる。第2のポンプ726は、第2の真空室724を、真空室720よりも低い大気圧にすることができる。たとえば、第2の真空室を、約1から100ミリトールに維持することができる。イオン源712が誘導結合プラズマ源である場合、スキマー716とスキマー718とを通過するイオンストリームは、スペクトル干渉に悩まされることがある。つまり、イオンストリームは、異なる種類のイオンの集団から構成され得、それには、テストサンプルからイオン化された1つまたは複数の種類の検体イオンが含まれる。しかしながら、イオンストリームは、また、ICP内でのイオン化中にイオンストリーム内に不可避的に導入される、1つまたは複数の種類の干渉イオンの集団を含むことができる。上記で説明した通り、テストサンプルを通常アルゴンである非常に高温なプラズマに曝す誘導結合プラズマ源では、上記で挙げた無機スペクトル干渉(つまり、Ar+、ArO+、Ar2+、ArCl+、ArH+、及びMAr+)が、イオンストリーム内に特に存在し得る。当業者は、本開示の利益を所与として、リストが限定するものではなく、スペクトル干渉の他の種類または源が、イオンストリーム内に存在し得る、ということを認識する。干渉イオンの種類は、質量分析計710内に含まれるイオン源712の種類と、選択された検体イオン種と、に依存し得る。さらに、上記で説明した通り、他の非スペクトル干渉も、イオンストリーム内に存在し得、それには、光の光子と、中性粒子と、他の気体分子とが含まれる。
イオンストリーム内のイオンの各集団(またはグループ)は、各集団を作っている同じ種の個別イオンを備えることができる。異なる種類のイオンから成るさまざまな異なる集団は、他の潜在的な干渉と共に、イオンストリームまたはイオンビームを作ることができる。イオンストリーム内に存在する各特定の種類のイオンは、対応するm/z比を有するが、それは、必ずしもイオンストリーム内で固有でなく、なぜなら、干渉種のイオンは、検体イオンと同じまたは類似のm/z比を有することができるからである。たとえば、イオンストリームは、56Fe+検体イオンの集団を、ICPによって生成される40Ar16干渉イオンの集団と共に、備えることができる。これらの2つのイオン種の各々は、56のm/z比を有する。別の非限定的な例として、検体イオン種は、80Seであり得、その場合、40Ar は、干渉イオン種を構成し、それぞれのm/zは80である。いくつかの実施形態では、干渉イオン種は、多原子種のイオンであり得る。たとえば、40Ar16イオン及び40Ar イオンは、多原子干渉イオンの2つの例である。検体イオン種、つまり、ネイティブ検体イオンは、他方で、1つのイオン化原子のみを備える単原子種のイオンであり得る。上記の実施例では、56Feイオン及び80Seイオンは、単原子検体イオンの2つの対応する例である。干渉型のイオンが多原子種であり、検体イオンが単原子種であり得るために、いくつかの実施形態では、干渉型イオンは、また、検体イオンよりも大きな平均衝突断面積を有することができる。
イオン源712から放射されたイオンストリーム内の各イオン集団は、また、その集団を作る個別イオンのエネルギーに対して、対応するエネルギー分布を定めることができる。言い換えると、各集団内の各個別イオンを、特定の運動エネルギーを有して、イオン源712から放射することができる。イオン集団から受け継いだ個別イオンエネルギーは、その集団のエネルギー分布を提供することができる。これらのエネルギー分布を、任意の数の方法で、たとえば、平均イオンエネルギー及び平均イオンエネルギーからのエネルギー偏差の大きさを提供する適切な測定基準という観点から、定めることができる。他の適切な測定基準は、半値全幅(FWHM)で測定したエネルギー分布の範囲であってよい。
イオンストリームがイオン源712から放射されると、ストリーム内のイオンの各集団は、対応する初期範囲によって部分的に定められる、各初期エネルギー分布を有することができる。これらの初期エネルギー分布は、保たれる必要はなく、なぜなら、イオンストリームは、イオン源712から、質量分析計710に含まれる下流構成要素に伝達されるからである。イオン集団内でのいくつかのエネルギー分離が予測され、それは、たとえば、他の粒子との衝突、場相互作用、などのためである。イオンストリームを、質量分析計710内の異なる場所における、その構成要素であるイオン集団の各エネルギー分布という観点から説明することが、便利であり得る。いくつかの実施形態では、各イオン集団は、イオン源712から放射された時には、実質的に同じ初期範囲のエネルギー分布を有する。
いくつかの実施形態では、スキマー718を通過するイオンを、インターフェースゲート728を通して、図7に示す四重極イオン偏向器などのイオン偏向器732を囲んでいる第3の真空室730に伝達することができる。第3の真空室730内の大気圧を、機械ポンプ734によって、第2の真空室724よりもさらに低いレベルに保つことができる。入射軌道に沿ってイオン偏向器732に遭遇するイオンストリームを、偏向角度を通して偏向することができ、イオンストリームが、イオン偏向器732から、入射軌道とは異なる出射軌道に沿って、追加的な下流構成要素での処理のために、出るようにする。
特定の実施形態では、イオン偏向器732を、四重極ロッドセットを備える四重極イオン偏向器として構成することができ、四重極ロッドセットの縦軸は、イオンストリームの入射軌道と出射軌道とに大よそ垂直な方向(図7の平面に垂直な方向)に伸びる。イオン偏向器732内の四重極ロッドに、適切な電圧を、(電源であり得る)動力供給装置から提供して、偏向場をイオン偏向器四重極内に作ることができる。四重極ロッドの構成と印加電圧とのために、結果として生じる偏向場は、入射イオンストリーム内の荷電粒子を約90度の角度に偏向するのに効果的であり得る。イオンストリームの出射軌道は、したがって、入射軌道(と四重極の縦軸と)に対して大まかに直交であり得る。図示の四重極構成に配置されたイオン偏向器732は、イオンストリーム内のさまざまなイオン集団(検体型イオンと干渉型イオンの両方)を、選択的に偏向して出口を通すことができるが、他の中性的に荷電された非スペクトル干渉は、区別される。イオン偏向器732は、光量子と、(中性子、または他の中性原子または中性分子などの)中性粒子と、イオンストリームからの他の気体分子と、を選択的に除去することができ、それらは、それらの中性電荷のために、四重極内に形成される偏向場との大きな相互作用を、ほとんど有さず、または有さない。イオン偏向器732を、質量分析計710内に、非スペクトル干渉をイオンストリームから除去する1つの可能性のある手段として含むことができ、同じ結果を達成する他の手段がない質量分析計710の実施形態では、便利であり得る。当業者によって選択され得る通り、本開示の利益を所与として、イオンビームをセルに導入する前に、非スペクトル干渉をイオンストリームから除去するまたは減少させる他の手法がある。
出射軌道に沿ってイオン偏向器732からいったん出たイオンストリームを、加圧セル736の上流に配置された質量分析器750の入口端に、前置フィルタロッド735により伝達することができる。質量分析器750は、一般に、任意の種類の適切な質量分析器であってよく、それには、分解四重極質量分析器、六重極質量分析器、飛行時間(TOF)質量分析器、線形イオントラップ分析器、またはこれらの要素のいくつかの組み合わせを、限定せずに含む。図7に示す通り、質量分析器750は、四重極を備え、米国特許第6,177,668号で説明されている質量選択的軸方向放出(MSAE)のために構成され得、その全内容は、参照により、本明細書に組み込まれる。したがって、電源756を上流質量分析器750に繋げて、適切なRF/DC電圧と、任意で、米国特許第6,177,668号で説明されているMSAE内で使用するための補助電圧と、を供給することができる。質量分析器750内で受け取られたイオンは、質量で区別され(MSAEの場合、時間ではなく空間で)、加圧セル736に、反応、衝突、または反応/衝突のために伝達される。電源756は、また、オフセット(dc)バイアス電圧を質量分析器750に供給することができる。質量分析器750を、機械ポンプ758によって作られる真空室内に収納することができる。
質量分析器750によって選択されたネイティブ検体イオンは、加圧セル736に、後置フィルタロッド752によって提供され得、それによって、加圧セル736の入口端に配置された、入口レンズ738などの加圧セル736の適切な入口メンバを通して、加圧セル736の中に受け入れられ得る。入口レンズ738は、加圧セル736へのイオンストリームを受け取るためのイオン流入口を提供することができる。加圧セル736の出口端の入口レンズ738の下流に、出口レンズ746などの適切な出口メンバを、また、提供することができる。出口レンズ746は、開口部を提供することができ、そこを通って加圧セル736を横断するイオンは、質量分析計710の下流構成要素、たとえば、検出器754に放出され得る。入口レンズ738は、出口レンズ746の3mm出口レンズオリフィスと比較して、たとえば、4.2mm入口レンズオリフィスを有することができるが、他の大きさのオリフィスも同様に、加圧セル736からのイオンストリームを受け取り、放出するために実行可能であり得る。また、加圧セル736を、一般に、真空室730から密閉して、以下でより詳細に説明する通り、多量の衝突(反応性または不活性)ガスを収納するために適切な内部空間を画定することができる。
いくつかの構成では、加圧セル736は、四重極ロッドセット740を内部空間内に囲んでいる四重極加圧セルであってよい。四重極ロッドセット740は、質量分析器750から入ってくるイオンストリームの経路と同一線上にある共通の縦軸について均等に配置された、4つの円柱ロッドを備えることができる。四重極ロッドセット740を、たとえば、電力接続744を使用して電源742に繋いで、そこから、四重極場を四重極ロッドセット740内に作るために適切である、RF電圧を受け取ることができる。理解される通り、四重極ロッドセット740内に形成される場は、その長さに沿って、加圧セル736の入口端から出口端に向かって伝達されるイオンのための、放射状囲い込みを提供することができる。図8A〜図8Bでより良く例示される通り、四重極ロッドセット740内ではす向かいになったロッドを連結して、異相RF電圧を、それぞれ、電源742から受け取ることができる。DCバイアス電圧を、また、いくつかの場合では、四重極ロッドセット740に提供することができる。電源742は、また、セルオフセット(dcバイアス)電圧を加圧セル736に供給することができる。必要に応じて、四重極ロッドセット740を、入口レンズ738と出口レンズ746と同一線上に、その縦軸に沿って揃えることができ、それによって、加圧セル736を通る完全な横断経路を、イオンストリーム内のイオンのために提供する。四重極ロッドセット740の入口楕円を入口レンズ738に揃えて、入射イオンストリームを受け取ることができる。入口レンズ738を、また、約(たとえば、4.2mm)の大きさにして、入口楕円内のイオンストリームを全部、または少なくとも大部分を方向付け、たとえば2mmから3mmの範囲のであるが、限定されない、選択された最大空間幅を有するイオンストリームを提供することができる。入口レンズ738を、イオンストリームのほとんどまたは全部であるが、最低でも相当な部分が、四重極ロッドセット740の受け入れ楕円の中に向けられるような大きさにすることができる。スキマー716とスキマー718とを、また、イオンストリームの空間幅に影響を与えるような大きさにすることができる。
気体注入口747を、また、加圧セル736内に含んで、気体源748と加圧セル736の内部空間との間の流体通信を提供することができる。気体源748は、特定の量の選択された気体を、加圧セル736の中に、イオンストリーム内のイオンと衝突するように、投入するように動作可能であり得る。気体源748は、実施形態によると、複数の異なる種類の気体間で選択可能であってよい。たとえば、気体源748は、加圧セル736内の特定の量の不活性ガスを所定の圧力にすることができ、ガスは、たとえば、ヘリウムまたはネオンである。より一般的には、不活性ガスは、イオンストリーム内の検体イオン種と干渉イオン種との両方に対して実質的に不活性な、任意の気体であってよい。イオンストリーム内の第1のグループのイオンが、第1の多原子干渉種であり、イオンストリーム内の第2のグループのイオンが、第2の単原子検体種であると仮定すると、選択された不活性衝突ガスは、第2のグループのイオンよりも相当に大きな割合で第1のグループのイオンと衝突して、第2のグループ内の個別イオンよりも平均してより大きな度合いで、第1のグループ内の個別イオンのエネルギーを減らすことができる。したがって、不活性ガスは、加圧セル736をKEDのために動作させるのに適切な種類であってよい。気体源748は、また、加圧セル736に、複数の異なる反応ガス種から選択された反応ガスを多量に提供することができる。反応ガスを、たとえば、干渉イオン種と反応的でありながら同時に1つまたは複数の検体イオン種に対しては不活性であるように、選択することができる。代替的に、選択された反応ガスは、干渉イオン種に対して不活性であり、検体イオンのうちの1つまたは複数と反応的であってよい。本発明の実施形態は、いずれかのシナリオを対象とすることができる。たとえば、以下に限定しないが、気体源748は、加圧セル736内の選択された反応ガスを、米国特許第6,140,638号と米国特許第6,627,912号とで説明する方法で提供することができる。したがって、反応ガスが、干渉イオン種と反応的であるように選択された場合、質量フィルタリングを加圧セル736内で実行して、検体イオン種のみを伝達するようにすることができる。代替的に、興味を有する検体生成イオンを生成するために、反応ガスを、スペクトル干渉種以外のイオンの集団と反応的であるように、選択することができる。選択され得る反応ガスの1つの種類は、アンモニア(NH)であるが、酸素や他の適切な反応ガスなどの他の反応ガスも、使用することができる。反応ガスを、また、加圧セル736内で、所定の圧力まで提供することができ、所定の圧力は、不活性ガスと同じ所定の圧力であってよいが、また、異なる所定の圧力であってもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、不活性ガスと反応ガスとの両方を、加圧セル736内で、1ミリトールから40ミリトールの範囲内の所定の圧力まで、提供することができる。
ポンプ737は、ポンプ722、ポンプ726、及びポンプ734などの機械ポンプであってよく、また、加圧セル736に流体的に連結されていてよく、加圧セル736内に収納されている気体を抜くように動作可能であってよい。ポンプと気体源748との同期動作を通して、質量分析計710の動作中に、加圧セル736を、繰り返し、また選択的に、適切な衝突ガスで充填し、その後、抜くことができる。たとえば、加圧セル736を、特定の量の不活性ガスで充填し、その後それを抜き、交代で、気体源748によって提供される、特定の量の選択された反応ガスで充填し、その後それを抜くことができる。このようにして、加圧セル736を、DRCモードとKEDモードとにおける交互で選択的な動作のために、適切にすることができる。理解される通り、しかしながら、以下でより詳細に説明する通り、質量分析計710の他の構成要素の他のパラメータも、また、動作モードに基づいて調整することができる。必要に応じて、入口レンズ738を、地電位で、または地電位よりもわずかに低く、維持することができ、それによって、入口レンズ738におけるイオン場相互作用を最小限にし、そうでなければ、イオン集団内のエネルギー分離が引き起こされ得る。たとえば、入口レンズ738に、動力供給装置742によって、−5Vと+2Vとの間の範囲にある入口電位を供給することができる。代替的に、入口レンズ738に供給される入口電位は、−3Vと0(地電位)との間の範囲内であってよい。入口電位の大きさを比較的低レベルに維持することで、イオンストリーム内の異なるイオングループの対応するエネルギー分布を、比較的小さな範囲に留める役に立つことできる。出口レンズ746に、また、電源742によってDC電圧を供給して、選択された出口電位に維持されるようにすることができる。いくつかの実施形態では、出口レンズ746は、入口レンズ738に提供される入口電位よりも低い(つまり、より負の)出口電位を受け取って、加圧セル736内の正電荷イオンを、加圧セル736の出口端に引き付けることができる。さらに、出口電位の絶対的な大きさは、供給される入口電位よりも、大きくてよく、おそらく非常に大きくさえもある。出口レンズ746において維持され得る出口電位は、いくつかの実施形態では、−40Vと−18Vとの間で定められる範囲内であってよい。出口電位は、より具体的には、−35Vから−25Vの範囲内のどこかであってよい。出口レンズ746及び入口レンズ738が、同じ電源、この場合電源742によって供給されることは必須ではない、ということを理解すべきである。1つまたは複数の異なる電源をこれらの構成要素(またはシステム710内の他の構成要素)に繋げて、電圧を提供することができる。
後置フィルタ752を、加圧セル736と上流質量分析器750との間に、これらの2つの構成要素間の伝達要素として使用するために、置くことができる。したがって、後置フィルタ752は、RFオンリーモードで動作して、加圧セル736と上流質量分析器750との間でイオンストリームの放射状囲い込みを提供し、そうしなければ起こり得る、フィールドフリンジング効果を減少させることができる。他の実施形態では、後置フィルタ752は、また、たとえば、空間電荷の問題などを扱うために、DC電圧を受け取って、加圧セル736への伝達前に、イオンの追加的な質量フィルタリングを提供することができる。本明細書の上記で説明した通り、加圧セル736に、セルオフセット電圧を供給することができ、質量分析器750(または検出器754)に、下流オフセット電圧を供給することができ、下流オフセット電圧は、対応する構成要素に繋がれた1つまたは複数の異なる電源によって供給されるDC電圧であり得る。各印加オフセット電圧の大きさは、完全に制御可能であってよい。間接的に、したがって、またはおそらく直接的に、セルオフセット電圧と下流電圧との間の差も、また、制御され得る。
1つの構成では、検出器オフセット電圧は、セルオフセット電圧よりもより正であってよく、それによって、セル736を、検出器754より高い電位に維持することができる。加圧セル736から検出器754に伝達する正イオンでは、この電位差は、イオンが乗り越えなければならない正のポテンシャル障壁を提示することができる。言い換えると、相対的に正の差は、セル736の下流端において、イオンが貫通しなければならない出口障壁を作ることができる。したがって、少なくとも特定の最低運動エネルギーを有するイオンは、出口障壁を貫通することができ、一方で、十分な運動エネルギーを有さないより遅いイオンは、加圧セル736内に捕らわれ得る。出口障壁の強度が、たとえば、検出器754と加圧セル736との間の電位差の大きさの制御を通して、適切に選択されている場合、出口障壁は、1つの集団またはグループのイオンを、別のものに対して選択的に区別することでき、他に対するよりも大きな割合の1つのグループのイオンを、障壁によって捕らえ、加圧セル736から出ることを防ぐことができる。下流オフセット電圧を、セルオフセット電圧よりもより正であるように制御することは、質量分析計710を、たとえば、KED動作のために、適切な状態にすることができる。
別の場合では、下流オフセット電圧とセルオフセット電圧とを(したがって、それらの間の差も)制御して、セルオフセット電圧を下流オフセット電圧よりもより正にすることができる。オフセット電圧をこのように制御することで、質量分析計710は、DRC動作に適切であり得る。出口障壁を上記で説明した場合でのように提供するのではなく、検出器754を加圧セル736よりも低い電位に維持することで、加圧セル736から検出器754の中に入るイオンを加速し、これら2つのステージ間でのより効率的な検体イオンの伝達を提供することができる。上述した通り、干渉イオンは、反応ガスと反応して生成イオンを形成することができ、生成イオンを、その後、加圧セル736を調整することによって、不安定化し、排出して、検体イオンのm/zの周辺に狭帯域フィルタを適用することができる。このようにして、検体イオンのみを加速して、検出器754の中に入れることができる。捕獲要素が加圧セル736の下流に提供される場合、電位降下によって提供される加速力は、また、時々、たとえば、分裂が望まれる場合、検体イオンのイントラップイオン分裂を誘導する効果的な方法であり得る。
任意のモードコントローラ760は、デュアルKED/DRC動作のために、質量分析計710の動作を制御し、調整することができる。この目的のために、モードコントローラ760を、気体源748と、ポンプと、加圧セル736用の電源742と、上流質量分析器750用の電源756と、質量分析計710内に含まれる図7に図示しない他の電源または気体源と、の各々に繋ぐことができる。したがって、モードコントローラ760は、KED動作モードからDRC動作モードに切り替えるように、さらに、DRC動作モードからKED動作モードに戻るように、セル736を切り替えるように動作可能であってよい。より一般的には、モードコントローラ760は、これら2つの動作モード間で選択的に切り替えることができる。より詳細に説明する通り、1つの動作モードから他方に切り替えるために、モードコントローラ760は、必要に応じて、質量分析計710の1つまたは複数の設定またはパラメータを、1つまたは複数の他の設定またはパラメータに基づいて、設定、調整、リセット、または制御することができる。モードコントローラ760は、ハードウェア構成要素またはソフトウェア構成要素の両方を備えることができ、それには、プロセッサと、プロセッサに繋がったメモリと、が含まれる。知られている通り、プロセッサを、中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラまたはマイクロプロセッサ、汎用コンピュータ、特殊用途向け処理装置、などの形態で提供することができる。メモリは、揮発性ストレージ媒体と非揮発性ストレージ媒体との両方を備えることができ、それらの上で、プロセッサのための実行可能命令と他のシステムデータとを、非一時的な形式で格納することができる。モードコントローラ760は、また、原子、分子、イオン、などについての情報のデータベースを備えることができ、それには、これらの異なる化合物のm/z比と、イオン化エネルギーと、他の共通情報と、が含まれ得る。データベースは、2つの化合物が分子を形成するかどうか、または互いに対して不活性であるかどうかなどの、異なる化合物の他の化合物との反応性に関するさらなるデータを含むことができる。メモリ内に格納されている命令は、質量分析計710のためのソフトウェアモジュールまたは制御ルーチンを実行することができ、それにより、実質的に、システムの制御可能なモデルを提供することができる。以下でより詳細に説明する通り、モードコントローラ760は、データベースからアクセスした情報を、プロセッサ内で実行される1つまたは複数のソフトウェアモジュールと共に使用して、KED動作モードとDRC動作モードとを含む質量分析計710の異なる動作モードのための制御パラメータまたは制御値を決定することができる。制御命令を受け取るための入力インターフェースと、質量分析計710内の異なるシステム構成要素に繋がった出力インターフェースと、を使用して、モードコントローラ760は、システムに対して、アクティブ制御を実行することができる。
たとえば、KED動作モードでは、モードコントローラ760は、ヘリウムなどの不活性気体源を気体源748内で有効にし、その後、気体源748を動かして、加圧セル736を特定の量の不活性ガスで所定の圧力まで充填することができる。モードコントローラ760は、また、下流オフセット電圧を、セルオフセット電圧よりもより正になるように設定することができ、それによって、加圧セル736の出口端に出口障壁を形成する。たとえば、モードコントローラ760は、KEDモードで動作している時に、下流電圧を、セルオフセット電圧よりも2Vから5Vの間でより正にするように制御することができる。加圧セル36の中に収容されたイオンは、不活性衝突ガスと衝突し、それらの各運動エネルギーの減少を経験する。運動エネルギーの平均的な減少は、イオン種の平均衝突断面積に依存し得、より大きな衝突断面積のイオンは、より小さな断面積のイオンに対して、より大きな運動エネルギーの減少を経験する傾向を有し、それは、2つの種類のイオンが、実質的に同じまたは類似のm/z比を有する場合でさえそうである。したがって、不活性ガスとの衝突により、多原子干渉イオンのグループは、その平均運動エネルギーを、単原子検体イオンのグループよりも大きな度合いで減少させ得る。これらの2つのグループのイオンの対応するエネルギー分布が、イオン源712から加圧セル736への伝達中に、質量分析計710のために選択された最大範囲内になるように制御される場合、不活性ガスとの衝突は、2つのグループ間でのエネルギー分離を導入することができる。検体イオングループに対してより大きな割合の干渉イオングループが、エネルギーの減少を経験し、モードコントローラ760が出口障壁の大きさを制御することにより、検体イオンよりもより大きな割合の干渉イオンが、出口障壁を貫通することができない。
出口障壁の所望の大きさは、一般に、干渉イオン種と検体イオン種とに依存し得、したがって、モードコントローラ760は、下流オフセット電圧とセルオフセット電圧との間の差を、干渉イオン種と検体イオン種とのうちの1つまたは両方に基づいて、制御することができる。たとえば、モードコントローラ760は、2Vから5Vの上記で挙げた範囲の電圧差を、干渉イオン種及び/または検体イオン種に基づいて、決定することができる。加えて、モードコントローラ760は、差を、入口レンズ738と出口レンズ746とにそれぞれ印加される入口電位または出口電位などの他のシステムパラメータに基づいて、制御することができる。モードコントローラ760は、また、出口障壁を形成する下流オフセット電圧とセルオフセット電圧とを調整して、干渉イオンと検体イオンとの間の運動エネルギー弁別を改善するように構成され得る。さらに、モードコントローラ760は、また、加圧セル736の中に入ってくる構成イオン集団のエネルギー分布の範囲を制御するために、入口レンズ738に印加される入口電位を調整するように構成され得る。モードコントローラ760は、また、四重極閉じ込め場の強度を設定または調整するために、四重極ロッドセット740に供給されるRF電圧を、電源742によって制御することができる。このようにして、モードコントローラ760は、四重極ロッドセット740内の四重極閉じ込め場を、不活性ガスとの衝突により分散した時に、検体イオンの少なくとも相当な部分を四重極ロッドセット740内に閉じ込めるのに十分な強度に、設定することができる。モードコントローラ760による上記の決定のうちの任意のものは、干渉イオン種及び/または検体イオン種に基づくことができる。
KED動作モードからDRC動作モードに切り替えるために、モードコントローラ760は、ポンプに、不活性ガスを加圧セル736から抜くように指示することができ、気体源748内の選択された反応ガスを加圧セル736内に、たとえば、所定の圧力まで供給することを可能にすることができる。選択された反応ガスは、検体イオンに対して実質的に不活性であるが、干渉イオンと反応性である(またはその逆である)ものであってよい。モードコントローラ760は、また、たとえば、繋げられているデータベースにアクセスすることによって、1つまたは複数の種類の潜在的な干渉イオンを、1つまたは複数の識別された興味を有する検体イオンに基づいて、決定することができる。モードコントローラ760によって決定された干渉イオン種は、検体イオン種と実質的に同じまたは類似のm/z比を有することができる。モードコントローラ760は、また、適切な反応ガスを、同様な方法で選択することができる。いったん適切な反応ガスが選択され、気体源748内で有効にされると、モードコントローラは、気体源748を制御して、特定の量の反応ガスを加圧セル736の中に投入することができる。
DRCモードでの動作では、モードコントローラ760は、質量分析計710の動作を、実質的に米国特許第6,140,638号と米国特許第6,627,912号とで説明されている通りに、制御することができる。加えて、モードコントローラ760を、セルオフセット電圧よりもより負の下流オフセット電圧を供給するように、電源742に指示するように構成することができる。たとえば、これら2つの電圧間の差を、4Vと6Vとの間の範囲内にあるように、モードコントローラ760によって制御して、セル736が、検出器754よりも、4Vから6Vより負である電位にあるようにすることができる。差の決定を、やはり、干渉イオン種及び/または検体イオン種に基づいて、行うことができる。モードコントローラ760を、また、オフセット電圧差を調整するように構成することができる。
DRC動作モードをKED動作モードに戻すために、モードコントローラ760は、ポンプに、選択された反応ガスを加圧セルから抜くように指示し、その後、特定の量の不活性ガスを加圧セル内に提供するように気体源748を制御することができる。下流オフセット電圧とセルオフセット電圧と、他のシステムパラメータとを、また、モードコントローラ760によって、上記で説明した通り、KED動作に対して適切であるように調整することができる。
ここで図8A〜図8Bを参照すると、本明細書で例示されているものは、それぞれ正面断面図と後面断面図とにおける、代替的な実施形態内に含まれ得る補助電極862である。これらの図は、四重極ロッドセット840と電源842と、その間の接続と、を例示している。対のロッド840aを一緒に連結し(図8A)、対のロッド840b(図8B)も同様にして、四重極閉じ込め場を提供することができる。たとえば、対のロッド840aに、Vo+A cos ωtに等しい電圧を供給することができ、式中、Aは、供給されるRFの大きさであり、Voは、dcバイアス電圧である。四重極動作では、対のロッド84bに、その後、−Vo−A cos ωtに等しい電圧を供給することができる。補助電極862は、四重極閉じ込め場を、軸方向電場、つまり、四重極ロッドセット内の軸方向位置に依存する場を用いて補助するように、加圧セル736内に含むことができる。図8A〜図8Bに例示する通り、補助電極は、一般的に、上部と、四重極ロッドセットの縦軸に向かって半径方向内向き伸びる後部と、を備える、T字形の断面を有することができる。ステムブレード部の半径方向深さは、縦軸に沿って変化して、先細り形状を補助電極862の長さに沿って提供することができる。図8Aは、補助電極を、加圧セル736の下流端から上流の入口端に向かって見たところを示し、図8Bは、入口端から下流の出口端を見た逆の視点を示している。したがって、ステム部分の内向き半径方向の伸びは、補助電極862に沿って下流に行くにつれて減少する。
各個別の電極を、電源742に連結して、DC電圧を受け取ることができる。理解される通り、補助電極862のこの配置及び正のDC電圧の印加は、正電荷イオンを加圧セル736の出口端に向けて押す極性の軸方向電場を作ることができる。また、補助電極の他の配置を使用して、等しい効果を得ることができ、それには、分割補助電極と、分岐ロッドと、傾斜ロッドと、先細りロッドの他の配置と、長さを短くしたロッドと、を含むが、これらに限定されない、ということを理解すべきである。ロッドの端部でのフリンジ効果と他の実際的制限とを無視すると、補助電極によって作られる軸方向電場は、実質的に線形の形状を有することができる。線形場の勾配は、また、印加DC電圧と電極構成とに基づいて、制御可能であってよい。たとえば、印加DC電圧を、0.1V/cmと0.5V/cmとの間の範囲内の軸方向電場勾配を提供するように制御することができる。いくつかの実施形態では、軸方向電場勾配を、軸方向電場勾配が0.15V/cmと0.25V/cmとの間の範囲内であるように制御することができる。所与の電極配置では、所望の軸方向電場勾配を達成するために必要なDC電圧を決定する方法は、良く理解されている。しかし、たとえば、限定をせずに、0から475Vの範囲内のDC電圧を使用することができる。
モードコントローラ760は、また、補助電極862への供給DC電圧が、たとえば、その軸勾配に関して定められる選択された場強度の軸方向電場を形成するように、電源742を制御することができる。補助電極862に、異なる場強度であるが、KED動作モードとDRC動作モードとの各々のための電圧を加えることができる。モードコントローラ760は、各動作モードの相対場強度を制御することができる。いずれの動作モードでも、補助電極762は、イオンを加圧セル736の出口端に向けて押すことによって、エネルギーが減少したイオンを四重極場の外に出すことにおいて効果的であり得る。加えられる軸方向電場強度の大きさを、モードコントローラ760によって、イオンストリーム内の干渉イオン種と検体イオン種と、本明細書で説明する他のシステムパラメータと、に基づいて、決定することができる。
1つまたは複数のセルが存在する場合、各セルを、他のセルから独立して制御することができる。たとえば、任意の1つのセルを、衝突モードと反応モードとを備える少なくとも2つのモード間で切り替わることを可能にするように、構成することができる。セルを、衝突ガスを衝突モードにおいて受け取ってセルに加圧するように構成することができ、反応ガスを反応モードにおいて受け取ってセルに加圧するように構成することができる。必要に応じて、セルは、四重極ロッドセットを備えることができる。コントローラを、セルの四重極ロッドセットに電気的に連結することができ、波形を電源から四重極セットに提供して、四重極場をセル内に提供するように構成することができる。たとえば、コントローラを、電源からの実効電圧をセルに衝突モードにおいて提供して、障壁エネルギーよりも大きなエネルギーを備えるイオンを選択し、電源からの実効電圧を反応モードにおいて提供して、質量フィルタリングを使用してイオンを選択するように構成することができる。いくつかの構成では、衝突モードと反応モードとにおいてセルに提供される実効電圧は、オフセット電圧である。いくつかの場合では、第3のモードまたはベントモードを、セルによる、検出器または他の下流構成要素へのイオンの伝達を可能にするように実装することができる。いくつかの場合では、システムは、セルに連結され、衝突ガスを衝突モードにおいて、また反応ガスを反応モードにおいて、提供するように構成された気体マニホールドを含むことができる。必要に応じて、セルの入口及び/または出口開口部を、コントローラに電気的に連結することができる。コントローラは、反応ガスをセルの中に導入する前にセルを空にすることによって、セルを衝突モードと反応モードとの間で切り替えるように構成され得る。代替的に、コントローラは、衝突ガスをセルの中に導入する前にセルを空にすることによって、セルを反応モードと衝突モードとの間で切り替えるように構成され得る。いくつかの構成では、セルは、セルを衝突モードで動作させた時に、下流構成要素、たとえば、検出器または第2のセルのオフセット電圧よりもより正のオフセット電圧を備えることができる。他の構成では、セルは、セルを反応モードで動作させた時に、下流構成要素、たとえば、検出器または第2のセルのオフセット電圧よりもより負のオフセット電圧を備えることができる。2つ以上のセルが存在する場合、セルのうちの1つを、衝突モードまたは反応モードで動作させることができ、他方のセルを、ベントモードで動作させるように構成することができる。
特定の構成では、本明細書で説明するセルは、第1のイオンストリームをセルに導入することによって、モード間で独立して切り替わることができ、セルは、衝突ガスを衝突モードにおいて受け取ってセルを加圧するように構成され、反応ガスを反応モードにおいて受け取ってセルを加圧するように構成され、セルは、四重極場をセル内に提供するように動作可能な四重極ロッドセットを備える。導入された第1のイオンストリームからの障壁エネルギーよりも大きなエネルギーを備える、イオンストリーム/ビーム内に導入されたイオンは、衝突ガスをセルの中に衝突モードにおいて導入することによって選択され得、セルは、障壁エネルギーよりも大きなエネルギーを備えるイオンの選択を可能にするために効果的な電圧を備える。第1のイオンストリームを、その後、セルから出すことができる。第2のイオンストリームを、その後、セルに導入することができる。イオンは、質量フィルタを使用して、導入された第2のイオンストリームから、反応ガスを反応モードにおいて導入することによって選択され得、セルは、質量フィルタを使用するイオンの選択を可能にするために効果的な電圧を備える。このプロセスは、繰り返すことができ、セルごとに異なってよい。たとえば、2つ以上の加圧セルがシステム内に存在する場合、各セルを、図7のセルを参照して説明する通り、制御することができる。セルを個別に制御して、それらが異なる機能を実行するようにし、または同じ機能を実行するようにすることができる。複数のセルがDRCセルとして構成されている場合、異なる反応ガスを異なるセルに導入して、イオン間をさらに区別ことができる。同様に、必要に応じて、異なる衝突ガスを異なるセルに導入することができる。
特定の実施形態では、本明細書で説明するイオン源は、多くの異なる種類の誘導デバイスまたは容量性デバイスを使用して維持され得る。たとえば、誘導コイルを使用して、誘導結合プラズマを維持することができる。他の場合では、1つまたは複数の平板電極を使用して、誘導結合プラズマ、容量結合プラズマ、または誘導結合エネルギーと容量結合エネルギーとの両方を使用して維持されるプラズマを、維持することができる。2つ以上の平板電極が存在するいくつかの実施形態では、板間の間隔は、同じ、たとえば、対称な間隔であってよく、または異なる、たとえば、非対称な間隔であってよい。例示の誘導デバイス及び容量性デバイスは、同一出願人による、米国特許第7,106,438号と、米国特許第8,263,897号と、米国特許第8,633,416号と、米国特許公報第20110273260号と、で説明されており、それらの各々の全開示は、参照により、本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、グロー放電イオン源を、本明細書で説明するシステムで使用することができる。特定の理論によって拘束されることを望まずに、グロー放電源は、一般に、電流を低圧ガスに通すことによって維持されているプラズマを備える。電圧は、気体を備えるガス管内の2つの電極間に印加される。気体は、管内でイオン化し、輝く。グロー放電源は、グロー放電イオン源のより低い温度により、それらが相当な量の妨害イオンを提供する傾向を有するという意味で、「汚れた」源である。本明細書で説明するシステム内のセルの上流における質量分析器の存在は、グロー放電源の使用を可能にし、グロー放電源は、より安価であり得、携帯可能で、低電力または低気流のアプリケーションにおいて、有益であり得る。たとえば、サンプルをグロー放電源を使用してイオン化することによって、興味を有するイオンを、相当な数の妨害種と共に、最初に質量分析器に提供し、その後下流セルに提供して、実質的に(またはすべての)妨害種を、興味を有するイオンから除去することができる。より非効率であるが、興味を有する単一イオンの正確な検出をそれでも可能にするイオン化源の使用は、全体的な計装コスト及び/または運営コストを削減することができる。いくつかの実施形態では、イオン源は、たとえば、マイクロ波誘導プラズマ、ドリフトイオンデバイス、気相イオン化(電子イオン化、化学イオン化、脱離化学イオン化、負イオン化学イオン化)を使用してサンプルをイオン化することができるデバイス、電界脱離デバイス、電界イオン化デバイス、高速原子衝撃デバイス、二次イオン質量分析デバイス、電気スプレーイオン化デバイス、プローブ電気スプレーイオン化デバイス、ソニックスプレーイオン化デバイス、大気圧化学イオン化デバイス、大気圧フォトイオン化デバイス、大気圧レーザーイオン化デバイス、マトリックス支援レーザー脱離イオン化デバイス、エアロゾルレーザー脱離イオン化デバイス、表面増強レーザー脱離イオン化デバイス、グロー放電、共鳴イオン化、熱イオン化、サーモスプレーイオン化、放射性イオン化、イオン結合イオン化、液体金属イオンデバイス、レーザー切断電気スプレーイオン化、またはこれらの例示のイオン化デバイス/源の任意の2つ以上のものの組み合わせ、であってよい。
一定の構成では、本明細書で説明するシステムの質量分析器は、(図7に関連して述べた)四重極質量フィルタ、磁場型質量分析器、飛行時間質量分析器、イオントラップ、たとえば、四重極イオントラップ、オービトラップ、サイクロトロン、または他の適切な質量分析器であってよい。本明細書で述べる通り、いくつかの場合では、単一質量分析器のみがシステム内に存在することが望ましい。
特定の場合では、本明細書で説明するシステムの検出器を、イオンをセルから受け取り、イオンを検出するように構成することができる。検出器の正確な構成は、システム毎に変化してよく、特定の場合では、検出器は、電子増倍管、ファラデーカップ、マイクロチャネルプレート、誘導検出器、または入射イオンから生じる誘導電荷または誘導電流を検出することができる他の適切な検出器を備えることができる。例示的な種類の検出器は、たとえば、同一出願による、米国特許出願第14/082,512号と、米国特許出願第14/082,685号と、米国特許出願第61/909,091号と、で説明されており、それらの各々の全開示は、ここに、参照により、本明細書に組み込まれる。
特定の具体的な実施例を以下で説明して、本明細書で説明する技術の新しい態様のうちのいくつかを、より良く例示する。
実施例1
イオンシミュレーションが、図9に示すシステム構成要素に基づいて、SimIon(登録商標) Ion and Electron Opticsシミュレータソフトウェアを使用して、実行された。シミュレーションされたシステムは、偏向器920に流体的に連結されたイオン源910を含んでいた。前置フィルタ922は、偏向器920と下流質量分析器930とに流体的に連結されている。セル940は、下流にあり、質量分析器930に後置フィルタ932を通して流体的に連結されている。検出器950は、セル940に流体的に連結されている。シミュレーションのターゲットイオンは、56amuの質量を有していた。使用されたセルは、加圧されておらず、0.1パスカルのセル圧を有していた。システムを通るイオンの流れは、図9に、濃い線で示されている。全イオンは、検出器950に伝達された。
実施例2
別のイオンシミュレーションが、加圧セルとSimIon(登録商標)ソフトウェアとを使用して実行された。実施例1のシミュレーションと同じ構成要素を使用した。図10Aは、アンモニアガスを使用した反応モードにおいて、0.66パスカルのセル圧で56amuのターゲット質量を有するシミュレーションを示している。図10Bは、1.33パスカルのセル圧で56amuのターゲット質量を有するシミュレーションを示している。シミュレーションされたイオンは、干渉40Ar16であった。シミュレーションで示す通り、妨害種は、アンモニアガスとの反応で除去された。
実施例3
イオンシミュレーションは、1.33パスカルで加圧されたセルとSimIon(登録商標)ソフトウェアとを使用して実行された。実施例1のシミュレーションと同じ構成要素が使用された。ターゲットイオンは、56amuの質量を有するイオンであった。セルの反応モードが使用された。400ボルトの軸方向電場電圧が使用された。反応ガスとの2回の連続した衝突の後、セルを通した56Feの伝達は成功し、それは、56Fe+が、反応ガスと著しい程度で反応しないためである。
実施例4
イオンシミュレーションは、セル1210が質量分析器1220の上流にある従来のシステム(図12A)と、セル1240が質量分析器1230の下流にある新しいシステム(図12B)と、の結果を比較するために実行された。アンモニアをとの亜鉛(64のm/z)反応生成物のシミュレーションが実行された。セル1210(図12A)内に導入されたマトリックスは、115Inと、116Snと、64Znと、32162+と、32+と、48Tiと、を含む。結果として生じるアンモニアとの反応生成物は、115Inと、116Snと、64Zn(14NH3+と、32162+と、32+と、48Ti14NH14NH3+と、を含む。反応生成物を、その後、質量分析器1220に提供する。マトリクス干渉がm/z115を示すために、4つの生成物が選択される(115In116Sn64Zn(14NH3+48Ti14NH14NH3+)。質量分析器1220からの出力は、所望の亜鉛種以外の種を含む。これらの追加的な種は、また、(図示しない)検出器に提供され、それが、不正確な測定結果をもたらす。
同じシミュレーションが、セル1240(図12B)の上流の質量分析器1230を用いて実行される時には、64のm/zを有するイオンが、マトリックスから最初に選択されて、64Zn+と、32162+と、32 と、を提供することができる。これらの3つの種を、その後、反応セル1240に提供する。アンモニアは亜鉛イオンと反応し、それが、64Zn(14NH3+の形態で通過することを可能にし、硫黄種は、セル1240に提供されるサンプルストリームから除去される。セル1240の出力は、亜鉛イオンのみを(反応生成物として)備え、それを、検出器に、検出のために提供することができる。
実施例5
イオンシミュレーションは、セル1310が質量分析器1320の上流にある従来のシステム(図13A)と、セル1340が質量分析器1330の下流にある新しいシステム(図13B)と、の結果を比較するために実行された。酸素とのセレン(80のm/z)反応生成物のシミュレーションが、実行された。セル1310(図13A)に導入されたマトリックスは、80Ar と、160Gd++と、160Dy++と、80Seと、96Moと、96Zrと、96Ruと、を含む。結果として生じる酸素との反応生成物は、80Ar と、160Gd++と、160Dy++と、80Se16と、96Moと、96Zrと、96Ruと、を含む。反応生成物を、その後、質量分析器1320に提供する。マトリクス干渉がm/z96を有して存在するために、4つの生成物を選択する(80Se1696Mo96Zr、及び96Ru)。質量分析器1320からの出力は、所望のセレン種以外の種を含む。これらの追加的な種は、また、(図示しない)検出器に提供され、それが、不正確な測定結果をもたらす。
同じシミュレーションが、セル1340(図13B)の上流の質量分析器1330を用いて実行される時には、80のm/zを有するイオンが、最初にマトリックスから選択されて、80Ar と、160Gd++と、160Dy++と、80Seと、を提供することができる。これらの4つの種を、その後、反応セル1340に提供する。酸素は、セレンイオンと反応し、それらが80Se16の形態で通過することを可能にし、アルゴン種、ガドリニウム種、及びジスプロシウム種が、セル1340に提供されるサンプルストリームから除去される。セル1340の出力は、セレンイオンのみを備え、それを、検出器に、検出のために提供することができる。
実施例6
イオンシミュレーションは、セル1410が質量分析器1420の上流にある従来のシステム(図14A)と、セル1440が質量分析器1430の下流にある新しいシステム(図14B)との、結果を比較するために実行された。酸素とのチタニウム同位体(47と48と49とのm/z)反応生成物のシミュレーションが、実行された。セル1410(図14A)の中に導入されたマトリックスは、3216と、3214NHと、3216OHと、47Tiと、48Tiと、49Tiと、63Cuと、65Cuと、64Znと、を含む。結果として生じる酸素との反応生成物は、47Ti16と、48Ti16と、49Ti16と、63Cuと、65Cuと、64Znと、を含む。反応生成物を、その後、質量分析器1420に提供する。マトリクス干渉が、m/z63と64と65とを有して存在するために、セル1410からの全部の6つの種が、質量分析器1420によって選択される。質量分析器1420からの出力は、所望のチタニウム同位体以外の種を含む。これらの追加的な種は、また、(図示しない)検出器に提供され、それが、不正確な測定結果を生じる。
同じシミュレーションが、セル1440(図15B)の上流の質量分析器1430を用いて実行される時には、47と48と49とのm/zを有するイオンを、最初にマトリックスから選択して、47Tiと、48Tiと、49Tiと、を提供することができる。これらの3つの種を、その後、反応セル1440に提供する。酸素は同位体と反応し、それらが、47Ti1648Ti1649Ti16という形態で通過することを可能にする。質量分析器1430をセル1440の上流に配置することによって、マトリックス内のすべての妨害種を、サンプルから除去することができる。セル1440の出力は、チタニウムイオン反応生成物のみを備え、それを、検出器に、検出のために提供することができる。
実施例7
イオンシミュレーションは、セル1510が質量分析器1520の上流にある従来のシステム(図15A)と、セル1540が質量分析器1530の下流にある新しいシステム(図15B)と、の結果を比較するために実行された。酸素との硫黄(32のm/z)反応生成物のシミュレーションが、実行された。セル1510(図15A)内に導入されたマトリックスは、48Caと、48Tiと、32と、16 と、1416OH と、を含む。結果として生じる酸素との反応生成物は、48Ca16と、48Ti16と、3216と、48Caと、48Tiと、を含む。反応生成物を、その後、質量分析器1520に提供して、48のm/zを有する種を選択する。マトリクス干渉が存在するために、セルからの3つの種(321648Ca、及び48Ti)は、質量分析器1520によって選択される。質量分析器1520からの出力は、所望の硫黄反応生成物以外の種を含む。これらの追加的な種は、また、(図示しない)検出器に提供され、それが、不正確な測定結果をもたらす。
同じシミュレーションを、セル1540(図15B)の上流の質量分析器1530を用いて実行する時には、32のm/zを有するイオンを最初にマトリックスから選択して、32と、16 と、1416OH と、を提供することができる。これらの3つの種を、その後、反応セル1540に提供する。酸素は硫黄と反応し、他の2つの種が除去される。結果として生じる3216は、セル1540から出て、マトリックス内の全ての妨害種が、サンプルから除去されている。セル1540の出力は、硫黄反応生成物のみを備え、それを、検出器に、検出のために提供することができる。
本明細書で開示した態様と実施形態と実施例との要素を導入する時、「1つ(a)」、「1つ(an)」、「前記(the)」、及び「前記(said)」という冠詞は、要素のうちの1つまたは複数があるということを意味するように意図されている。「備える」、「含む」、及び「有する」という用語は、オープンエンドであることを意図されており、挙げられた要素以外の追加的な要素があり得る、ということを意味する。本開示の利益を所与として、実施例のさまざまな構成要素を、他の実施例のさまざまな構成要素と交換し、それらで代用することができるということが、当業者によって認識される。
特定の態様と実施例と実施形態とを上記で説明したが、本開示の利益を所与として、開示の例示的な態様と実施例と実施形態とに対する追加、代用、変更、及び修正が可能である、ということが当業者によって認識される。

Claims (15)

  1. システムであって、
    検体イオン及び干渉イオンを含むイオンビームを生成するように構成されているイオン源であって、前記干渉イオンは前記検体イオンの検出を干渉する、イオン源と、
    前記イオン源に流体的に連結されたイオン光学素子と、
    前記イオン光学素子に流体的に連結された質量分析器であって、前記イオン光学素子を介して前記イオン源から前記イオンビームを受けとるように構成され、前記システム内で唯一の質量分析器である、前記質量分析器と、
    前記質量分析器に流体的に連結され、前記質量分析器の下流にあり、前記質量分析器によって選択されたイオンを受けとるように構成されている、セルと、
    前記セルに流体的に連結された検出器と、
    を備え、
    前記セルは、衝突モードと反応モードとの両方で動作するように構成されていて、かつ、複数の電極を備え、
    前記反応モードにおいて、前記セルは前記干渉イオンに対して反応性であり且つ前記検体イオンに対しては不活性である反応ガスで充填され、前記質量分析器から選択されたイオン内の前記干渉イオンは反応することで除去され、前記検体イオンの質量対電荷比とは異なる質量対電荷比を有する反応生成物を形成し、
    前記反応モードにおいて、前記セルは、前記複数の電極を使用して、前記反応生成物及び前記検体イオンを質量フィルタリングするように構成されていて、
    前記衝突モードにおいて、前記セルは不活性ガスで加圧され、運動エネルギー弁別を利用して、前記セルの端部において下流エネルギー障壁によって前記干渉イオンは除去され、前記下流エネルギー障壁は前記複数の電極によって提供される、前記システム。
  2. 前記セルが前記反応モードである場合、前記複数の電極のそれぞれに直流電圧及びラジオ周波数を適用することで前記複数の電極が、共に、四重極場を前記セル内に提供するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記複数の電極の各々が、ロッドとして構成されている、請求項2に記載のシステム。
  4. 前記イオン源と前記イオン光学素子との間のインターフェースをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
  5. 前記イオン源が、誘導結合プラズマと、アークと、スパークと、グロー放電と、フレームと、から成るグループから選択される、請求項1に記載のシステム。
  6. 前記イオン源が、誘導結合プラズマの温度未満の温度を有するイオン源である、請求項1に記載のシステム。
  7. 前記質量分析器が、スキャン質量分析器と、磁気セクター分析器と、四重極質量分析器と、イオントラップ分析器と、飛行時間分析器と、から成るグループから選択される、請求項1に記載のシステム。
  8. 前記検出器が、ファラデーカップと、電子増倍管と、マイクロチャネルプレートと、から成るグループから選択される、請求項1に記載のシステム。
  9. 前記反応モードと前記衝突モードとの間で前記セルを切り替えるように構成されているプロセッサを更に備える、請求項1に記載のシステム。
  10. 前記セルが前記反応モードである場合、前記複数の電極のそれぞれに直流電圧及びラジオ周波数を適用することで前記複数の電極が、共に、四重極場を前記セル内に提供するように構成されている、請求項9に記載のシステム。
  11. 前記イオン源と前記イオン光学素子との間のインターフェースをさらに備える、請求項9に記載のシステム。
  12. 前記イオン源が、誘導結合プラズマと、アークと、スパークと、グロー放電と、フレームと、から成るグループから選択される、請求項9に記載のシステム。
  13. 前記イオン源が、誘導結合プラズマの温度未満の温度を有するイオン源である、請求項9に記載のシステム。
  14. 前記質量分析器が、スキャン質量分析器と、磁気セクター分析器と、四重極質量分析器と、イオントラップ分析器と、飛行時間分析器と、から成るグループから選択される、請求項9に記載のシステム。
  15. 前記検出器が、ファラデーカップと、電子増倍管と、マイクロチャネルプレートと、から成るグループから選択される、請求項9に記載のシステム。
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