本発明は、ガス作動加熱装置で使用するガス触媒燃焼素子、およびガス作動加熱装置に関する。本発明は、燃料ガス供給中断期間中にガス触媒燃焼素子の一部分の温度をガス触媒燃焼素子の点火温度またはそれ以上に維持するよう、ガス触媒燃焼素子を動作させる操作方法にも関する。
ガス触媒燃焼素子との触媒反応によって、燃料ガスを熱に変換するガス作動加熱装置が周知である。通常は、そのようなガス作動加熱装置は、はんだごて、グルーガン、髪カール用の鋏(やっとこ)、ヘアドライヤ、および装置の携帯性が要求される他の装置として使用される。ただし、当業者に知られているように、燃料ガスを触媒反応によって熱に変換する装置は、必ずしも携帯性がある必要はない。一般に、はんだごてやグルーガンの形式で提供されるこの種のガス作動加熱装置は、熱伝導性材料からなる本体部材を備え、この本体部材内に燃焼室を形成し、この燃焼室内にガス触媒燃焼素子を配置する。燃料ガス/空気の混合気体を燃焼室に供給し、この燃焼室でガス触媒燃焼素子と反応させ、ガス触媒燃焼素子の触媒反応によって熱に変換する。本体部材は、ガス触媒燃焼素子から熱の放射、対流および伝導によって加熱されて蓄熱体として作用し、この蓄熱体は、ガス触媒燃焼素子の温度には比較的幅広い変動があるにも関わらず、比較的狭い温度帯域幅内に維持され得るが、このことは、触媒燃焼素子への燃料ガス/空気の混合気体の供給を定期的に中断するからであり、この中断は本体部材の温度をほぼ一定に維持するのに必要である。
比較的狭い温度帯域幅内で本体部材の温度を制御することが望ましい場合、温度応答性バルブを、本体部材に配置するか、または本体部材に対して熱伝導係合状態にし、燃料ガスもしくは燃料ガス/空気の混合気体をこの温度応答性バルブに通過させて、燃焼室へのフローを制御するのが一般的である。本体部材がガス触媒燃焼素子の点火温度の近く、もしくは、それ以下の温度帯域幅内で作動する場合、燃焼室への燃料ガス供給を定期的に中断して、本体部材の温度を所望の温度帯域幅内に維持するのは一般的ではない。ガス触媒燃焼素子の熱容量は比較的低いので、燃料ガス供給中断期間中、ガス触媒燃焼素子の温度は比較的急速に低下する。また、本体部材が維持されている温度帯域幅がガス触媒燃焼素子の点火温度に近い場合、ガス触媒燃焼素子の温度は燃料ガス供給中断期間中にその点火温度以下に低下することもある。
さらに、本体部材が維持されている温度帯域幅が、触媒燃焼素子の点火温度より低いか、かなり低い場合、ガス触媒燃焼素子は一般に、本体部材と接触しているため、ガス触媒燃焼素子の燃料ガス供給中断が起きるとすぐに、ガス触媒燃焼素子の温度は急速に点火温度以下に急速に低下する。したがって、温度応答性バルブが、燃焼室への燃料ガス供給を再開したとき、点火温度以下になっているガス触媒燃焼素子は再点火することができず、ひいては、燃料ガス/空気の混合気体を熱に変換することができなくなる。このような場合、燃料ガス/空気の混合気体は、単に燃焼室を通過し、熱に変換されずに、排出されるだけである。したがって、ガス触媒燃焼素子の温度を点火温度まで上昇させるため、例えば、スパーク点火装置、圧電点火装置、もしくは他のこのような手動点火装置によって、燃料ガス/空気の混合気体を手動で点火し、火炎を上げて燃焼させなければならない。このことは、満足できるものではない。
ガス作動加熱装置は、ガス作動の髪カール用の鋏(やっとこ)、およびヘアドライヤ等の形式で提供され、また、ガス作動触媒燃焼素子により燃料ガスを熱に変換することで動作するものであり、典型的には、細長い胴部を有し、この胴部内にガス触媒燃焼素子を配置する。このような場合、ガス触媒燃焼素子は、一般に、その胴部に対して直接熱伝導係合状態にすることはない。髪カール用の鋏(やっとこ)において、ガス触媒燃焼素子は胴部の壁から離して配置し、熱はガス触媒燃焼素子から胴部の壁へ放射される。ヘアドライヤの場合、ガス触媒燃焼素子は、胴部内のエアダクトに位置し、ダクトの壁から離して配置する。熱は、放射および対流によってダクトを通って吹き抜ける空気流に伝達される。温度応答性バルブは、髪カール用の鋏(やっとこ)の場合は胴部温度に、ヘアドライヤの場合は空気流の温度に応答してガス触媒燃焼素子への燃料ガス供給を制御し、これによって胴部または、場合によっては胴部から送給される空気流の温度を制御する。
一般に、ガス触媒燃焼素子に対する燃料ガス供給を、温度応答性バルブによって周期的に中断して、胴部または空気流の温度を所望の温度に維持する。ガス触媒燃焼素子の熱容量が比較的小さいために、ガス触媒燃焼素子への燃料ガス供給が中断すると、ガス触媒燃焼素子の温度は比較的急速に低下を開始する。したがって、比較的短時間以内にガス触媒燃焼素子への燃料ガス供給が再開されないと、ガス触媒燃焼素子の温度がその点火温度以下に下がり、燃料ガス供給が再開したときに点火できず、燃料ガス/空気の混合気体が点火されず、熱に変換されることなく、触媒燃焼素子を通り抜けることになる。これもまた、望ましくない。
したがって、装置の温度制御を可能とするガス作動加熱装置、もしくはこのような既知のガス作動加熱装置の課題を解決する装置の態様に対する必要性がある。同様に、これらの課題に解決するガス触媒燃焼素子に対する必要性もあり、ガス触媒燃焼素子への燃料ガス供給中断期間中に、ガス触媒燃焼素子の一部分の温度をガス触媒燃焼素子の点火温度以上に維持するようガス触媒燃焼素子を動作させる操作方法に対する必要性もある。
本発明の目的は、ガス作動加熱装置、ガス触媒燃焼素子、および燃料ガス供給中断期間中にガス触媒燃焼素子の温度をガス触媒燃焼素子の点火温度以上に維持するようガス触媒燃焼素子を動作させる操作方法を提供すし、従来技術の装置および方法の課題を解決するにある。
本発明によれば、燃料ガスを熱に変換するガス触媒燃焼素子を提供し、このガス触媒燃焼素子は、ガス触媒燃焼素子に関連して設けた蓄熱体を有し、この蓄熱体の寸法は、ガス触媒燃焼素子への燃料ガス供給中断期間中にこの蓄熱体が隣接するガス触媒燃焼素子の隣接部分を点火温度またはそれ以上に維持するのに十分な大きさを有し、ガス触媒燃焼素子への燃料ガス供給が再開した時に、蓄熱体に隣接するガス触媒燃焼素子の前記隣接部分が触媒作用により燃料ガスから熱への変換を開始し、ガス触媒燃焼素子における残りの部分の温度もその点火温度に上昇させる。
本発明の一つの実施形態において、蓄熱体をガス触媒燃焼素子に対して熱伝達関係となる状態にし、それによって、ガス触媒燃焼素子が燃料ガスを熱に変換している期間中には、熱がガス触媒燃焼素子から蓄熱体へと伝達され、燃料ガス供給中断期間中は、熱が蓄熱体からガス触媒燃焼素子へと伝達されるようにする。
好ましくは、蓄熱体は、ガス触媒燃焼素子の内部に配置する。
本発明の他の実施例において、蓄熱体を、ガス触媒燃焼素子に対して熱伝導係合状態にする。
本発明の一つの実施形態において、ガス触媒燃焼素子を細長いガス触媒燃焼素子とし、蓄熱体をガス触媒燃焼素子における両側の端部の中間に配置する。
本発明の他の実施形態において、ガス触媒燃焼素子に孔が形成する。
より有利には、蓄熱体とガス触媒燃焼素子との間で燃料ガスの通過を容易にするために、蓄熱体をガス触媒燃焼素子に対して相対配置する。
本発明の一つの実施形態では、蓄熱体をガス触媒燃焼素子の隣接部分にクランプし、その部分の温度を点火温度またはそれ以上に維持する。
本発明の他の実施形態においては、蓄熱体をクランプするガス触媒燃焼素子の隣接部分を、ガス触媒燃焼素子のタブ状部分によって形成する。望ましくは、ガス触媒燃焼素子の前記タブ状部分を、ガス触媒燃焼素子に形成した孔内で延在させ、都合よくは、そのガス触媒燃焼素子のタブ状部分を、ガス触媒燃焼素子に形成した孔内で、孔を横切る方向に延在させる。
本発明の一つの実施形態において、蓄熱体は、ヘッドおよびこのヘッドから突出するねじ山付きのシャンクを有するねじを備え、このねじ山付きのシャンクにナットを設け、ガス触媒燃焼素子の隣接部分をヘッドとナットとの間にクランプする。
好ましくは、蓄熱体を、ガス触媒燃焼素子の孔内に配置する。
あるいは、蓄熱体は、栓部材を有する構成とする。
本発明の一つの実施形態において、栓部材を、この栓部材の周りに互いに離れた位置でガス触媒燃焼素子と係合する横断面を有する構成とする。
本発明の他の実施形態において、栓部材を、前記互いに離れた位置でガス触媒燃焼素子に対して熱伝導係合状態にし、ガス触媒燃焼素子と連携して、その栓部材がガス触媒燃焼素子と係合する互いに離れた位置間で、その栓部材と前記ガス触媒燃焼素子との間に燃料ガスの通路を生ずる構成にする。
より有利には、栓部材の横断面を、蓄熱体を配置するガス触媒燃焼素子内に形成する孔の横断面と異ならせる。
本発明の一つの実施形態において、栓部材の横断面を、円形形状にする。
本発明の他の実施形態において、栓部材の横断面を、多角形形状にする。
本発明の一つの実施形態において、ガス触媒燃焼素子の横断面を、多角形形状にする。
本発明の他の実施形態において、ガス触媒燃焼素子の横断面を、正方形形状にする。
本発明の別の実施形態において、ガス触媒燃焼素子の横断面を、長方形の形状にする。
本発明のさらに別の実施形態において、ガス触媒燃焼素子の横断面を、円形形状にする。
望ましくは、蓄熱体を、熱伝導性材料で形成する。より有利には、蓄熱体を金属で形成し、また、本発明の一つの実施形態において、蓄熱体をスチールで形成する。
本発明の他の実施形態において、ガス触媒燃焼素子を、軸線方向に延在する細長い孔を有する管状構造にする。
本発明の一つの実施形態において、上述の任意の請求項に記載のガス触媒燃焼素子は、サブストレートと、このサブストレート上に被覆した触媒材料を備える構成としたことを特徴としている。
本発明の一つの実施形態において、サブストレートは、金属メッシュ材を有する構成とする。
本発明の他の実施形態において、サブストレートは、繊維様材料を有する構成とする。
本発明の別の実施形態において、サブストレートは、セラミック材を有する構成とする。
本発明の一つの実施形態において、前記触媒材料は、貴金属を有する構成とする。
本発明の別の実施形態において、蓄熱体を、サブストレートの一部によって形成する。
本発明は、本発明によるガス触媒燃焼素子を備えたガス作動加熱装置もまた提供する。
本発明は、さらに、燃料ガスを熱に変換するためのガス触媒燃焼素子と、ガス触媒燃焼素子と関連付けて設けた蓄熱体とを備えたガス作動加熱装置を提供し、この蓄熱体の寸法を、ガス触媒燃料素子への燃料ガス供給中断期間中にこの蓄熱体に隣接するガス触媒燃焼素子の隣接部分をガス触媒燃焼素子の点火温度またはそれ以上に維持するために十分な熱を蓄積する大きさにし、それによって、ガス触媒燃焼素子への燃料ガス供給が再開したときに、前記蓄熱体に隣接したガス触媒燃焼素子の前記隣接部分が、触媒反応による燃料ガスから熱への変換を開始し、ガス触媒燃焼素子における残りの部分の温度を点火温度まで上昇させる。
本発明の一つの実施形態において、蓄熱体を、ガス触媒燃焼素子と熱伝達関係となる状態にし、それによって、ガス触媒燃焼素子が燃料ガスを熱に変換しているときは、熱がガス触媒燃焼素子から蓄熱体に伝達され、そして、燃料ガスが中断している期間中は、熱が蓄熱体からガス触媒燃焼素子に伝達されるようにする。
本発明の一つの実施形態において、ガス触媒燃焼素子を、本体部材に形成した燃焼室内に配置する。
本発明の他の実施形態において、蓄熱体をガス触媒燃焼素子内に配置し、これによってこの蓄熱体が本体部材に対して直接的な熱伝達関係となる状態にする。
本発明の他の実施形態において、蓄熱体をガス触媒燃焼素子内に配置し、これによってこの蓄熱体を、ほぼ本体部材から熱的に分離する。
好ましくは、ガス触媒燃焼素子を、ガス触媒燃焼素子と本体部材との間で燃料ガスの通過を容易にするよう燃焼室に配置する。
本発明の一つの実施形態において、燃焼室を本体部材内に延びる細長い孔によって形成し、燃焼室を形成する孔の横断面を、ガス触媒燃焼素子の横断面と異ならせ、ガス触媒燃焼素子と本体部材との間の接触を最小限にする。
好ましくは、燃焼室を形成する孔を、円形の横断面形状にする。
本発明の一つの実施形態において、本体部材を熱伝導性材料で形成し、ガス触媒燃焼素子を燃焼室内に配置し、このガス触媒燃焼素子から本体部材への熱伝達を容易にする。
より有利には、ガス触媒燃焼素子を燃焼室内に配置し、放射熱伝達によってこのガス触媒燃焼素子から本体部材への熱伝達を容易にする。
より有利には、燃焼室は長手方向に延びる中心軸線を画定し、また、ガス触媒燃焼素子は長手方向に延びる中心軸線を画定し、これは、燃焼室の中心軸線に一致させる。
本発明の一つの実施形態において、装置をグルーガンとし、1本の熱溶融接着剤を収容する室を本体部材に形成し、この室内で棒状の接着剤を溶融する構成とする。
本発明の他の実施形態において、前記装置をはんだごてとし、本体部材の終端部をはんだごての先端部分とする。
さらに、本発明は、ガス触媒燃焼素子への燃料ガスの供給が周期的に中断する期間中に、ガス触媒燃焼素子の一部分の温度をガス触媒燃焼素子の点火温度以上に維持するようガス触媒燃焼素子を動作させる操作方法を提供し、この方法は、ガス触媒燃焼素子に関連させた蓄熱体であって、燃料ガス供給中断期間中に、蓄熱体に隣接するガス触媒燃焼素子の隣接部分の温度をその点火温度以上に維持するために十分な熱を蓄積する大きさの体蓄熱体を設け、これによって、ガス触媒燃焼素子への燃料ガス供給が再開されると、蓄熱体に隣接したガス触媒燃焼素子の前記隣接部分により燃料ガスから熱への変換を開始し、ガス触媒燃焼素子における残りの部分の温度をその点火温度まで上昇させる。
本発明には多数の効果がある。ガス触媒燃焼素子への燃料ガス供給中断期間中に、ガス触媒燃焼素子の一部分の温度がガス触媒燃焼素子の点火温度またはそれ以上に維持されるという事実によって、ガス触媒燃焼素子はこのガス触媒燃焼素子への燃料ガスが再開されると、その点火温度まで急速に温度上昇することができ、ガス触媒燃焼素子の温度を点火温度まで上昇させる火炎燃焼や他の手段を必要としない。このように、本発明によるガス触媒燃焼素子は、装置の一部の温度が比較的低い温度で、そして、比較的狭い温度帯域幅内で制御し、その温度の制御のためにガス触媒燃焼素子への燃料ガスの供給を定期的に中断することを必要とされる装置における使用に特に適している。本発明によるガス触媒燃焼素子は、ガス作動加熱装置の温度がガス触媒燃焼素子の点火温度以下に維持され、実際には、ガス触媒燃焼素子の点火温度よりかなり低い温度に維持される、ガス作動加熱装置における使用に特に適している。したがって、本発明によるガス触媒燃焼素子およびガス作動加熱装置は、特にグルーガンの内部で、あるいは、グルーガンとして特に適しており、そこにおいて、接着剤の溶融温度は、概して、140°C程度かそれ以下である。そのような場合、接着剤を溶かす室が位置する本体部材は、ほぼ接着剤の溶融温度かまたはそれより僅かに高い温度に維持しなければならない。この種の温度は、一般に、ガス触媒燃焼素子の点火温度よりかなり低い。このように、ガス触媒燃焼素子の一部分が燃料ガス供給中断期間中にガス触媒燃焼素子の点火温度またはそれ以上に維持されるという事実によって、ガス触媒燃焼素子への燃料ガスが回復すると、ガス触媒燃焼素子は、触媒作用によって自動的に燃料ガスから熱への変換を開始し、手動による燃料ガスの再点火を必要としない。
本発明は、以下のいくつかの好ましい実施例からより明確に理解することができ、それら実施例は添付の図面を参照して例としてのみ与えられる。
まず、図1〜図4を参照して説明すると、これら図面には、本発明によるガス作動加熱装置を示し、この場合全体的に参照符号1で示す可搬式手持ちサイズのグルーガンである。グルーガン1は、参考として本明細書に付記する国際公開第02/48591号に記載のグルーガンとほぼ類似している。しかし、グルーガン1の本発明に関連する部分のみを詳述する。簡潔には、グルーガン1は、熱伝導性材料、この実施例ではダイカスト亜鉛を使用して形成した本体部材3を備える。接着剤の収容および溶解を行う細長い室4を、本体部材3に貫通する円形横断面を有する細長いテーパ付きの孔5によって形成し、この孔5に熱溶融接着剤の棒を収容し、孔内部で溶融させる。孔5は、棒状接着剤を挿入する上流端部6から、溶融した接着剤を押し出される下流端部まで延びている。細長い燃焼室10を、本体部材3内で孔5に平行に延在する、円形横断面を有する細長い平行孔11によって形成し、この燃焼室10は長手方向に延びる主中心軸線12を画定する。
また、触媒反応により燃料ガス/空気の混合気体を熱に変換する、本発明による細長い管状のガス触媒燃焼素子14を、燃焼室10内に配置する(図3および4参照)。ガス触媒燃焼素子14は、正方形横断面を有し、やはり正方形横断面長手方向に延びる孔15を有し、燃焼室10が画定する主中心軸線12に一致する中心軸線を画定する。燃料ガスを、グルーガン1に取り付けた(図示しない)リザーバから、燃焼室10の上流端部17に位置するベンチュリ混合器16に供給し、このベンチュリ混合器によって燃料ガスを空気と混合する。燃料ガス/空気の混合気体は、ベンチュリ混合器16から(図示しない)ノズルを経て燃焼室10の上流端部17に供給し、つぎに、ガス触媒燃焼素子14を内側および外側の表面に沿って通過し、これら表面で、触媒反応によって熱に転換する。燃焼室10の下流側端部20における排気ポート19により、燃焼室10から燃焼済み燃料ガスを排出する。
燃料ガスは、温度応答性バルブ25を介してベンチュリ混合器16に供給し、この温度応答性バルブを本体部材3に対して熱伝導掛合させ、温度応答性バルブ25によりベンチュリ混合器16への、さらには、燃焼室10への燃料ガス供給を制御し、これによって、本体部材3の温度を制御する。温度応答性バルブ25は、参考として本明細書に付記する国際公開第02/48591号に記載の温度応答性バルブと類似する。本発明のこの実施例において、温度応答性バルブ25を、ベンチュリ・ミキサー16への燃料ガスの流れを制御するようセットし、これによって、本体部材3の温度を140゜Cから約+5゜C〜−20Cの帯域幅内に維持し、この温度は一般的にはガス触媒燃焼素子の典型的な点火温度である200゜C〜400゜Cよりもかなり低い。本発明のこの実施例において、ガス触媒燃焼素子14の点火温度は、ほぼ275゜Cである。本体部材3を140゜Cの望ましい温度に維持するため、ベンチュリ混合器16への、さらに燃焼室への燃料ガス供給を、周期的に温度応答性バルブ25によって一時中断する。
蓄熱体26は、本発明のこの実施例では端部28と29との中間に位置するガス触媒燃焼素子14の孔15内に配置するねじによって設ける。この蓄熱体26を、ガス触媒燃焼素子14の一部分、すなわちタブ状部分30に熱伝導掛合させ、これにより、ガス触媒燃焼素子14が燃料ガス/空気の混合気体を熱に変換するとき、熱がガス触媒燃焼素子14から蓄熱体26に伝達され、また、燃焼室10への燃料ガスが中断される期間中には蓄熱体26からガス触媒燃焼素子14へと熱が伝達される。蓄熱体26を形成するねじ27は、ヘッド31と、このヘッド31から突出するねじ山付きのシャンク32と、ねじ山付きのシャンク32に係合させるナット33とを備える。タブ状部分30を、ヘッド31とナット33との間にクランプし、その結果、ネジ27はタブ状部分30に熱伝導掛合する。
本発明のこの実施例において、タブ状部分30を、ガス触媒燃焼素子14と長細い同様の長さを有するガス触媒燃焼材料34から形成し、ガス触媒燃焼素子14の点火温度と同様の点火温度を有する。ガス触媒燃焼材料34は、部分35で曲げてタブ状部分30を形成し、このタブ状部分30はガス触媒燃焼素子14の孔15を横切って延在させ、脚部36はガス触媒燃焼素子14に沿って延在させ、このガス触媒燃焼素子に熱伝導掛合させる。ねじ27のヘッド31およびシャンク32、ならびにナット33を有する蓄熱体26は、ガス触媒燃焼素子14が燃焼ガスを熱に変換している期間中、十分な熱を蓄積するような熱容量を有する寸法とし、この構成により、燃料ガス供給中断期間中熱が蓄熱体26からガス触媒燃焼素子14に伝達されるとき、タブ状部分30の温度がガス触媒燃焼素子14の約275゜Cの点火温度以上に維持され、温度応答性バルブ25による燃料ガス供給が再開したときは、タブ状部分30が触媒反応により燃焼室10内で燃料ガス/空気の混合気体の熱への変換を開始し、これにより脚部36の温度が急激に上昇し、次にガス触媒燃焼素子14の温度を点火温度まで上昇させ、これによって、燃料ガス/空気の混合気体をガス触媒燃焼素子14により熱に変換する。
ガス触媒燃焼素子14は、サブストレートを備え、本発明のこの実施例ではこのサブストレートを鉄およびアルミニウムの合金の金属メッシュキャリアとし、このサブストレートを、適切な触媒材料、この場合貴金属ねすなわちプラチナにより被覆する。タブ状部分30およびタブ状部分から延びる脚部36も、同様な金属メッシュ材で、同様な触媒材料で被覆する。
上述のように、ガス触媒燃焼素子14は、正方形の横断面を有し、長手方向に延びた周縁の4個のコーナー端縁38を画定し、このコーナー端縁38は燃焼室10を形成する本体部材3の内面に掛合し、したがって、ガス触媒燃焼素子14は、コーナー端縁38によって画定される4個の線接触に沿ってのみ本体部材3に掛合する。ガス触媒燃焼素子14が、コーナー端縁38で画定される4個の線接触に沿ってのみ本体部材3に係合するという事実によって、約140゜Cの温度に維持される本体部材3と点火温度が約275゜Cであるガス触媒燃焼素子との間の熱伝導を、燃料ガス供給中断期間は最小限に抑えることができる。さらに、蓄熱体26は、本体部材3とは直接には熱伝導掛合しておらず、ガス触媒燃焼素子14と本体部材3との間における伝導による熱損失がほとんどないため、燃料ガス供給中断期間中に蓄熱体26から本体部材3への熱損失はほとんどない。このようにして、タブ状部分30の温度を点火温度である275゜Cまたはそれ以上に維持することを意図する蓄熱体26の大きさを小さくできる。
さらに、ガス触媒燃焼素子14の横断面および燃焼室10の横断面を異ならせる、この場合はそれぞれ正方形および円の横断面形状にすることによって、ガス触媒燃焼素子14と燃焼室10を画定する本体部材3の内面39との間に燃料ガス/空気の混合気体が通過し易くなり、これにより、ガス触媒燃焼素子14の熱変換効率がさらに向上する。蓄熱体26およびタブ状部分30のは、ガス触媒燃焼素子14と蓄熱体26との間でガス触媒燃焼素子14の孔15に燃料ガス/空気の混合気体を通過させることができる寸法とする。
使用にあたり、接着剤収容および溶融室4に棒状接着剤を配置し、接着剤収容および溶融室4内に押し込んだ状態で、燃料ガスを(図示しない)リザーバから温度応答性バルブ25を経てベンチュリ混合器16に供給し、空気と混合し、この燃料ガス/空気の混合気体を、ベンチュリ混合器16から(図示しない)ノズルを経て、燃焼室10に送給する。最初に、燃料ガス/空気の混合気体が発火して炎とともに燃焼し、ガス触媒燃焼素子14の温度を点火点まで上昇させる。概して、燃料ガス/空気の混合気体は、最初は、排気ポート19を通過することができ、発火して炎とともに燃焼し、これにより火炎の根幹部は排気ポート19に隣接したガス触媒燃焼素子14の一部に位置する。火炎の根幹部が、ガス触媒燃焼素子14の隣接する部分の温度をその点火温度まで上昇させると、排気ポート19に隣接したガス触媒燃焼素子のその部分は、触媒反応により燃料ガスを熱に変換し始め、これによってガス触媒燃焼素子14における残りの部分の温度が点火温度まで急速に上昇する。一旦ガス触媒燃焼素子14がその点火温度に上昇すると、火炎は燃料ガスが不足し消失する。
代案として、点火システム、代表的には圧電式点火装置を設け、燃焼ガス/空気の混合気体を点火して燃焼室10内で火炎とともに燃焼をさせ、これにより、ガス触媒燃焼素子14の温度を点火温度まで上昇させるため、することができ、ガス触媒燃焼素子14が点火温度まで上昇する際に火炎が消失するようにすることができる。この種の圧電式点火装置の動作は当業者にとって周知であり、そのような燃料ガス/空気の混合気体に点火し燃焼室内の火炎を燃焼させて燃焼室内のガス触媒燃焼素子の温度をその点火温度まで上昇させる圧電式点火装置については、参考として本明細書に付記した国際特許出願公開第97/38265号の出願明細書に記載されている。
ガス触媒燃焼素子14が点火温度まで上昇すると、ガス触媒燃焼素子14は触媒反応により燃料ガス/空気の混合気体の熱への変換を続ける。本体部材の温度が上昇し140゜Cに到達すると、温度応答性バルブ25により燃焼室10への燃料ガスを周期的に中断することによって、140゜Cの温度が約+5゜C〜−20゜Cの温度帯域幅内で維持される。ガス触媒燃焼素子14に燃料ガス/空気の混合気体を供給している間に、この燃料ガス/空気の混合気体は触媒反応によって熱に変換され、ガス触媒燃焼素子14の温度がその点火温度よりかなり高くなり、したがって、蓄熱体26の温度は点火温度よりかなり高く上昇する。燃料ガス供給中断期間中に、熱が蓄熱体26からタブ状部分30に伝達され、タブ状部分30の温度をガス触媒燃焼素子14の点火温度かそれ以上に維持する。このようにして、温度応答性バルブ25によって燃料ガスの供給が再開されると、タブ状部分30は直ちに燃料ガス/空気の混合気体の熱への変換を開始し、このようにして、ガス触媒燃焼素子14の温度を急速に点火温度まで上昇させ、再び燃料ガス/空気の混合気体の熱への変換を開始し、それによってグルーガン1の動作が継続する。
つぎに、特に図5につき説明すると、この図は、本体部材3、タブ状部分30およびガス触媒燃焼素子14のタブ状部分30から離れた部分の温度を、グルーガンの始動時から経時的にプロットした波形を示す。この場合は、グルーガンは、ガス触媒燃焼素子の構造および形状に関しては図1〜図4につき説明したグルーガン1のガス触媒燃焼素子14と同一である一方、ガス触媒燃焼素子の点火温度はより高く、この場合、約380゜Cとした点で異なる。380゜Cの点火温度を有するガス触媒燃焼素子を選んだのは、例えガス触媒燃焼素子の点火温度がグルーガンの本体部材3が維持されるべき温度よりも240゜C高いという極端な状況下であっても、なお、本発明のグルーガンおよび本発明のガス触媒燃焼素子が本発明に従って機能することを示すためである。温度を゜C単位でY軸にプロットし、時間を秒単位でX軸にプロットした。波形Aは、経時的にプロットした本体部材の温度を示す。波形Bは、経時的にプロットしたガス触媒燃焼素子14のタブ状部分30から離れた部分の温度を表す。波形Cは、経時的にプロットした蓄熱体26に近接するタブ状部分30の温度を表す。波形Aで表され、本体部材3の温度を表す温度を導き出す(図示しない)温度センサは、本体部材3の下流端部7に隣接させて配置した。本体部材3の下流側端部7は、温度応答性バルブ25よりも燃焼室10から遠いため、始動からの初期期間中に下流端部7に隣接する本体部材3の温度は、温度応答性バルブ25に隣接した本体部材3の温度に遅れる。このように、始動から最初の200秒の間に、波形A、BおよびCからは、本体部材3の温度が140゜Cの動作温度に達する前に、温度応答性バルブ25がガス触媒燃焼素子14への燃料ガス供給を中断したことを示す。しかし、それは事実でなく、すなわち本体部材3の下流端部7よりも燃焼室10に近い位置にある温度応答性バルブ25の温度が、本体部材3の下流端部7よりも一層急速に動作温度140゜Cに到達したからである。ガス触媒燃焼素子の全般の温度をモニタするための温度センサであり、波形Bで表される温度が導き出される温度センサ(図示せず)は、触媒燃焼素子14の下流端部29に向けガス触媒燃焼素子14に固定する。このように、波形Bは、ガス触媒燃焼素子14全般の温度を比較的正確に表す。波形Cによって表される温度を導き出す温度センサ(図示せず)は、蓄熱体26のヘッド31とタブ30との間に固定する。
初期段階では、ガス触媒燃焼素子14の温度を、前述した適切な点火手段によって約380゜Cの点火温度まで上昇させた。ガス触媒燃焼素子14の温度がその点火温度まで上昇した後は、それが触媒的に燃料ガス/空気の混合気体を熱に変換し始め、ガス触媒燃焼素子14の温度は急激に約650゜Cまで上昇し、この約650゜Cの温度に維持され、この温度維持は、温度応答性バルブ25による最初の燃料ガス供給中断まで持続される。波形Cから分かるように、蓄熱体26が、タブ状部分30の温度の上昇を遅らせるが、しかし、タブ状部分30がガス触媒燃焼素子14の内側に位置することによって、タブ状部分の温度は初期的に700゜Cを上回る温度まで上昇した。
ほぼ125秒後に、温度応答性バルブ25に隣接した本体部材3の温度は、本体部材3の動作温度の上限である145゜Cに到達し、温度応答性バルブ25が燃焼室10への燃料ガス供給を中断した。直ちに、ガス触媒燃焼素子14の温度は、比較的急速にその点火温度まで下降しはじめ、その点火温度以下になるとより緩慢に下降した。しかしながら、タブ状部分30の温度は、ガス触媒燃焼素子14の全般の温度よりもかなり緩やかに下降し、これは蓄熱体26からタブ状部分30への熱の伝導によるものである。図5から分かるように、始動時間から165秒後に、温度応答性バルブ25により燃料ガス供給が再開されたとき、タブ状部分30の温度は約500゜Cであり、これはその点火温度を十分上回っていた。したがって、燃料ガス供給再開時に、タブ状部分30は燃焼室10内に供給される燃料ガス/空気の混合気体を熱へ変換し始めた。タブ状部分30の熱変換動作は、ガス触媒燃焼素子14の温度をその点火温度へ急激に上昇させ、そして、このガス触媒燃焼素子14もまた燃料ガス/空気の混合気体の熱への変換を開始し、ガス触媒燃焼素子14の温度はちょうど600゜Cを超えるまで上昇した。始動から175秒後に、温度応答性バルブ25により燃料ガス供給が再び停止し、そして始動から195秒後に再開された。しかしながら、温度応答性バルブ25により、燃料ガス供給が中断されていた175秒〜195秒の期間中、タブ状部分30の温度は430゜C以下には下降せず、それはガス触媒燃焼素子14の点火温度の380゜Cをはるかに上回っている。
始動から200秒後までに、グルーガンは安定した定常状態での動作を開始し、下流端部7を含め本体部材3の温度が約140゜Cの動作温度となった。定常動作状態では、ガス触媒燃焼素子の全般の温度は、200゜Cと丁度600゜Cを超える温度との間で変動する一方、タブ状部分30の温度は400゜Cと500゜Cとの間で変動し、ガス触媒燃焼素子14およびタブ状部分30の380゜Cの点火温度を決して下回らなかった。したがって、燃料ガス供給中断の間タブ状部分30の温度は点火温度を上回り、燃料ガス供給が再開した時には燃料ガス/空気の混合気体を直ぐに熱へ変換する準備が出来ており、これによりガス触媒燃焼素子14の残りの部分を点火温度にした。
タブ状部分30の温度がガス触媒燃焼素子14の全般の温度に遅れるという事実は、蓄熱体26がタブ状部分30にもたらすヒステリシス効果による。
図6および7では、本発明の他の実施例によるグルーガンの一部分40を示す。グルーガン40はグルーガン1にほぼ類似しており、類似の構成部材は同一の参照符号によって示す。グルーガン40とグルーガン1との主要な違いは蓄熱体の部分にある。本発明のこの実施例において、蓄熱体は、熱伝導性材料(この実施例においては銅)製の中実円形断面形状の栓部材42により設け、この栓部材をガス触媒燃焼素子14の孔15内に配置する。ガス触媒燃焼素子14は、この場合もまた、正方形の横断面を有している。栓部材42の周囲の周面43は、この周面43の周りに周方向に互いに離れるガス触媒燃焼素子14の部分45に対して熱伝導接触し、これによって、燃焼室10への燃料ガス供給中断の期間中に、ガス触媒燃焼素子14の部分45を点火温度より高い温度に保つ。その他の点では、グルーガン40はグルーガン1と類似し、そして、その動作も同様に類似する。
本発明によるグルーガンの双方の実施例において、すなわち、グルーガン1およびグルーガン40において、蓄熱体26および42を、それぞれ、管状のガス触媒燃焼素子14の孔内に配置し、これによって、ガス触媒燃焼素子14の内面に沿って燃料ガス/空気の混合気が通過し易くなる。さらに、本体部材3と蓄熱体26、42との間の熱伝導を少なくするために、蓄熱体26および42を、ガス触媒燃焼素子14の孔15内に位置し、これによって、本体部材の温度は、蓄熱体26および42の温度からほとんどあるいは全く影響を受けないようにしている。
ガス触媒燃焼素子と熱伝導接触を有する蓄熱体の特定の構成について記載してきたが、蓄熱体がガス触媒燃焼素子と熱伝導接触を有する他の任意の適当な構成にすることができることは、当業者にとっては直ちに明らかであろう。実際、蓄熱体がガス触媒燃焼素子と、熱伝導関係以外の形式による他の熱伝達形式もありうる。例えば、蓄熱体が、ガス触媒燃焼素子に対して熱輻射伝達関係に配置することができる。
さらに、個別の蓄熱体を設ける代わりに、蓄熱体をガス触媒燃焼素子のサブストレートに一体的に形成することもできる。例えば、場合によっては、ガス触媒燃焼素子のサブストレートの一部が蓄熱体を形成するように形成することができる。例えば、このサブストレートの一部をサブストレートの残り部分よりも厚く設け、この基材の厚くした部分が蓄熱体を形成するようにもできる。
本発明によるガス触媒燃焼素子は燃焼室内に配置すると記載してきたが、場合によっては、ガス作動装置は燃焼室を設けないタイプとすることも想定され、この場合は、ガス触媒燃焼素子を適切に配置し、また、蓄熱体を適切な熱伝達関係になるようガス触媒燃焼素子に対して相対配置し、これによって、蓄熱体に隣接するガス触媒燃焼素子の少なくとも一部を、ガス触媒燃焼素子への燃料ガス供給中断期間中に点火温度かそれ以上の温度に維持するよう構成する。
加熱装置はグルーガンであるとして説明してきたが、加熱装置は、任意のタイプのガス作動加熱装置でよいことは、当業者にとって明らかであろう。例えば、はんだごて、髪カール用鋏(やっとこ)、ヘアドライヤあるいは、任意の他のガス作動加熱装置とすることができる。また、加熱装置は、ハーブなどから揮発性物質を蒸発させる加熱装置、および人がそのような蒸気を吸い込むことを容易にするための、加熱装置として設けることもできる。特に、加熱装置は、タバコ中の揮発性物質を蒸発させて吸入するためにタバコを加熱する加熱装置として設けることができる。
ガス触媒燃焼素子は、横断面が正方形であると説明してきたが、ガス触媒燃焼素子は任意の適切な横断面を有することができる。しかし、ガス触媒燃焼素子の横断面は、燃焼室の横断面とは異なることが望ましく、それによって、ガス触媒燃焼素子と燃焼室を形成する本体部材との間の接触を最小限とし、特に、本体部材をガス触媒燃焼素子の点火温度またはそれ以下に、特に低い温度に維持すべき場合に、横断面を異ならせる。さらに、ガス触媒燃焼素子は、鉄およびアルミニウム合金のメッシュ材料の形式としたサブストレートを有するものと説明してきたが、ガス触媒燃焼素子は触媒材料を担持するのに適した他の任意の適当な形式のサブストレートを設けることができ、また触媒材料を貴金属すなわちプラチナを有する材料と説明してきたが、任意の他の適当な触媒材料を使用することもできる。サブストレートを、金属メッシュキャリアとして設ける代わりに、繊維材料の形式で、またはセラミック材料として設けることができる。典型的には、ガス触媒燃焼素子をセラミック材料とする場合、ハニカム構造にし、蓄熱体は、ガス触媒燃焼素子に対して適切に相対配置し、代表的には、ガス触媒燃焼素子の内部、例えば、セラミック材料のハニカム構造により生ずる孔のうち1個の孔内に配置する。さらに、蓄熱体はガス触媒燃焼素子内に配置するのが一般的である。
蓄熱体をナットとねじによって設けると説明してきたが、蓄熱体はリベットによって設けることもでき、このリベットは、ガス触媒燃焼素子に、典型的にはガス触媒燃焼素子に形成したタブに、リベット止めする。
本発明によるガス作動グルーガンの一部の斜視図である。
図1のガス作動グルーガンの一部を切除して示す斜視図である。
図1におけるIII‐III線上のグルーガンの一部分を示す断面図である。
図3におけるIV‐IV線上の図1に示すグルーガンの断面図である。
図1に示すガス作動グルーガンの動作中の温度変化を示すグラフである。
本発明の他の実施例によるグルーガンの一部における図3と同様な図である。
図6に示すグルーガンの図4と同様な横断面である。