JP2008513568A - 極性官能基を有する環状オレフィン重合体製造用の触媒システム、これを利用した重合体製造方法とこの方法により製造されたオレフィン重合体及び該重合体を含む光学異方性フィルム - Google Patents

極性官能基を有する環状オレフィン重合体製造用の触媒システム、これを利用した重合体製造方法とこの方法により製造されたオレフィン重合体及び該重合体を含む光学異方性フィルム Download PDF

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Abstract

単量体に含まれた極性官能基による触媒非活性化がなく、極性官能基を有する環状オレフィン重合体を高分子量及び高い収率で製造できる触媒システム及びこれを利用した重合体製造方法が提供される。
本発明によるオレフィン重合用触媒とこれを利用した重合体製造方法によれば、優れた熱的化学的安定性を有する触媒システムにより、モノマーの極性官能基による触媒の非活性化を抑えることが可能であるため、ポリオレフィン重合時に高分子量及び高い重合収率でポリオレフィンを製造でき、触媒の活性が優秀であるため、触媒対モノマーの使用量を1/5000未満の範囲で使用できて、触媒残渣を除去する段階が必要ない。

Description

本発明は、極性環状オレフィン系重合体製造用の触媒と重合体製造方法とに係り、さらに詳細には、極性官能基を含む環状オレフィン系重合体製造用の触媒システム及びこれを利用した重合体重合方法、この方法により製造されたオレフィン重合体及び前記重合体を含む光学異方性フィルムに関する。
高分子重合で使われる触媒システムにおいて、従来の一般的な複数活性点触媒である均一系チーグラー・ナッタ(Ziegler−Natta)触媒系は、触媒の反応性を向上させるための助触媒としてメチルアルミンオキサン(MAO)を使用したが、触媒前駆体対比で過量に使用しなければならないため、経済性及び後処理の問題があった。
以後、メタロセン系列として代表される単一活性点触媒が登場することにより、かかる問題の解決策として触媒前駆体に単一陽イオン活性種を付与できる−1あるいは−2程度の低い電荷と、電荷の非局在化に容易なパーフルオロアリールボレート形態の非配位陰イオンが助触媒として登場するようになった(Chem.Rev.1988,Vol.88,1405−1421;Chem.Rev.1993,Vol.93,927−942)。
このような陰イオンは、アルキド(alkide)あるいはハイドライド(hydride)除去反応をするトリチル(trityl)あるいは陽性子化反応(protonolysis)をするジアルキルアンモニウム陽イオンと共に塩形態で使われる。代表的なホウ酸塩助触媒化合物として、[PhC][B(C]や[PhNmeH][B(C]などが挙げられる。
重合反応時に助触媒の陽イオン部分が金属前駆体の離脱基と反応して金属前駆体に陽イオン性を付与し、助触媒の陰イオン部分とイオン対を形成する。このとき、陰イオンは、金属と弱く配位されており、オレフィン単量体と容易に交換され、その結果として重合反応が起こる。
しかし、このようなイオン対は、実質的な触媒活性種の役割を行う一方、熱的及び化学的に不安定な状態であるので、溶媒、単量体に敏感に反応して触媒の反応性を低下させ易い。特に、窒素含有助触媒化合物の場合、触媒活性反応過程で中性アミン化合物が生成され、このようなアミン化合物は、陽イオン形態の有機金属触媒活性と強い相互作用を行え、これは、重合活性の低下を引き起こす。これを防止するために、アンモニウム陽イオンの代わりにカルベニウム、オキソニウム及びスルホニウムの陽イオンを使用する場合が知られている(ヨーロッパ特許第EP0426,637号)。
一方、助触媒としてMAOあるいは有機アルミニウムを使用して環状オレフィンを重合する場合、ほとんどノルボルネン、アルキルノルボルネン、シリルノルボルネンのような非極性ノルボルネン重合に高い重合活性を示す一方、エステルあるいはアセチルノルボルネンのような極性ノルボルネンに対して顕著に低い重合活性を示した(米国特許5,468,819、5,569,730、5,912,313、6,031,058、6,455,650号明細書)。
前記ノルボルネン重合体は、ノルボルネンのような環型単量体からなる重合体であって、既存のオレフィン系重合体に比べて透明性、耐熱性、耐薬品性に優れ、複屈折率及び水分吸収率が非常に低くて、CD、DVD、POF(Plastic Optical Fiber)のような光学素材、キャパシタフィルム、低誘電体のような情報電子素材、低吸水性注射器、ブリスターパッケージング(Blister Packaging)のような医療用素材として多様に応用できる。しかし、情報電子素材用途に使われるためには、シリコン、シリコン酸化物、窒化ケイ素、アルミナ、銅、アルミニウム、金、銀、白金、チタン、ニッケル、タンタル、クロムのような金属表面に対する接着性が要求されるので、前記ノルボルネン系重合体の金属付着性及びさまざまな電気的、光学的、化学的物理的特性を調節するために、ノルボルネン系単量体に極性官能基を導入することが必要であった。しかし、このような場合、前記のような反応性低下の問題が発生した。
すなわち、極性官能基を有する環状オレフィン重合用触媒システムの場合に、さまざまな助触媒を使用して触媒システムを製造したが、触媒が単量体に敏感に反応して、極性官能基によって触媒が非活性化されるか、熱的安定性が低下し、高温重合に使用し難いという問題点が露出されて、極性官能基を有する一般的なオレフィンの場合のように実用的に要求されるレベルをいずれも満足させる重合収率、収得される重合体の分子量、触媒使用量が得られなかった。また、過量の触媒を使用する場合、得られた重合体が着色されるか、透明性に問題が発生した。
したがって、助触媒の構造と前触媒の構造とを同時に適切に調節して、溶媒、単量体、少量の水分及び酸素などに対して熱的化学的安定性を提供でき、少量の触媒量で極性官能基を含む環状オレフィン重合体の商業的な製造が可能な新しい触媒システムの開発が必要となった。
本発明が解決しようとする第1の技術的課題は、前記従来技術の問題点を解決するために、優れた熱的化学的安定性を有して極性官能基による触媒の非活性化がなく、極性官能基を有する環状オレフィン重合体を高分子量及び高い収率で製造できる触媒システムを提供することである。
本発明が解決しようとする第2の技術的課題は、前記触媒システムを利用して極性官能基を有する環状オレフィン重合体を高分子量及び高い収率で製造できる重合方法を提供することである。
本発明が解決しようとする第3の技術的課題は、ガラス転移温度が高く、熱安定性、酸化安定性、耐化学性及び金属接着性に優れた極性官能基を有する環状オレフィン重合体を提供することである。
本発明が解決しようとする第4の技術的課題は、前記オレフィン重合体を含んで製造された光学異方性フィルムを提供することである。
本発明は、前記第1の技術的課題を達成するために、極性官能基を含む環状オレフィン系重合体製造用の触媒システムにおいて、下記化学式1で表示される金属に直接配位されるヘテロ原子を含むリガンドを有する10族金属含有前触媒と、下記化学式2で表示されるホスホニウムを有する塩化合物を含む助触媒とからなる極性官能基を含む環状オレフィン系重合体製造用の触媒システムを提供する。
Figure 2008513568
前記化学式1で、
Xは、それぞれS、O及びNのうちから選択されたヘテロ原子であり、Rは、−CH=CHR20、−OR20、−SR20、−N(R20、−N=NR20、−P(R20、−C(O)R20、−C(R20)=NR20、−C(O)OR20、−OC(O)OR20、−OC(O)R20、−C(R20)=CHC(O)R20、−R21C(O)R20、−R21C(O)OR20または−R21OC(O)R20であり、前記でR20は、水素、ハロゲン、線形または分枝型炭素数1ないし5のアルキル、線形または分枝型炭素数1ないし5のハロアルキル、炭素数5ないし10のシクロアルキル、線形または分枝型炭素数2ないし5のアルケニル、線形または分枝型炭素数2ないし5のハロアルケニル、置換または非置換の炭素数7ないし24のアラルキルであり、R21は、炭素数1ないし20のヒドロカルビレンであり、Rは、炭素数1ないし20の線形または分枝型アルキル、アルケニルまたはビニル;炭化水素に置換または非置換の炭素数5ないし12のシクロアルキル;炭化水素に置換または非置換の炭素数6ないし40のアリール;炭化水素に置換または非置換の炭素数7ないし15のアラルキル;または炭素数3ないし20のアルキニルであり、Mは、10族金属であり、pは、0ないし2である。
[(R)−P(R(R4’[Z(R][Ani] <化2>
前記化学式2で、a、b、cは、0ないし3の整数であり、a+b+c=3であり、Zは、酸素、硫黄、シリコン、または窒素であり、dは、Zが酸素または硫黄である場合に1であり、Zが窒素である場合に2であり、Zがシリコンである場合に3であり、Rは、水素またはアルキル、アリール基であり、R及びR4’、Rは、それぞれ独立して水素;炭素数1ないし20の線形または分枝型アルキル、アルコキシ、アリル、アルケニル、またはビニル;炭化水素に置換または非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキル;炭化水素に置換または非置換の炭素数6ないし40のアリール;炭化水素に置換または非置換の炭素数7ないし15のアラルキル;炭素数3ないし20のアルキニル;トリ(炭素数1ないし10の線形または分枝型アルキル)シリル、トリ(炭素数1ないし10の線形または分枝型アルコキシ)シリル;トリ(置換または非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキル)シリル;トリ(置換または非置換の炭素数6ないし40のアリール)シリル;トリ(置換または非置換の炭素数6ないし40のアリールオキシ)シリル;トリ(炭素数1ないし10の線形または分枝型アルキル)シロキシ;トリ(置換または非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキル)シロキシ;トリ(置換または非置換の炭素数6ないし40のアリール)シロキシであり、このとき、前記それぞれの置換基は、ハロゲンまたは炭素数1ないし20のハロアルキルであり、[Ani]は、前記化学式1の金属Mに弱く配位されうる陰イオンであり、ホウ酸塩、アルミン酸塩、[SbF]−、[PF]−、[AsF]−、パーフルオロ酢酸([CFCO]−)、パーフルオロプロピオン酸塩( [CCO]−)、パーフルオロ酪酸塩( [CFCFCFCO]−)、過塩素酸塩( [ClO]−)、p−トルエンスルホン酸塩( [p−CHSO]−)、[SOCF]−、ボラタベンゼン、及びハロゲンに置換または非置換のカルボランからなる群から選択いずれか一つである。
本発明の一具現例によれば、極性官能基を含む環状オレフィン系重合体製造用の触媒システムにおいて、前記化学式2のホウ酸塩またはアルミン酸塩が、下記化学式2aまたは2bで表示される陰イオンからなることが望ましい。
[M’(R] <化2a>
[M’(OR] <化2b>
前記化学式2a、及び2bで、M'は、ホウ素またはアルミニウムであり、Rは、それぞれ独立してハロゲン;ハロゲンに置換または非置換の炭素数1ないし20の線形または分枝型アルキル、アルケニル;ハロゲンに置換または非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキル;炭化水素に置換または非置換の炭素数6ないし40のアリール;炭素数3ないし20の線形または分枝型トリアルキルシロキシまたは炭素数18ないし48の線形または分枝型トリアリールシロキシに置換された炭素数6ないし40のアリール;ハロゲンに置換または非置換の炭素数7ないし15のアラルキルである。
本発明の他の具現例によれば、極性官能基を含む環状オレフィン系重合体製造用の触媒システムにおいて、前記化学式1で表示される前触媒及び前記化学式2で表示される助触媒が、それぞれ下記化学式3で表示される10族金属含有前触媒及び下記化学式4で表示される助触媒であることが望ましい。
Figure 2008513568
前記化学式3で、X’及びY’は、それぞれS及びOのうちから選択されたヘテロ原子であり、R’、R’、R’’及びR’’’は、それぞれ独立して炭素数1ないし20の線形または分枝型アルキル、アルケニルまたはビニル;炭化水素に置換または非置換の炭素数5ないし12のシクロアルキル;炭化水素に置換または非置換の炭素数6ないし40のアリール;炭化水素に置換または非置換の炭素数7ないし15のアラルキル;または炭素数3ないし20のアルキニルであり、Mは、10族金属であり、r及びsは、0ないし2であり、r+sは2である。
[H−P(R][Ani] <化4>
前記化学式4で、Rは、それぞれ独立して水素;炭素数1ないし20の線形または分枝型アルキル、アルコキシ、アリル、アルケニル、またはビニル;置換または非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキル;置換または非置換の炭素数6ないし40のアリール;置換または非置換の炭素数7ないし15のアラルキル;炭素数3ないし20のアルキニルであり、このとき、前記それぞれの置換基は、ハロゲンまたは炭素数1ないし20のハロアルキルであり、[Ani]は、前記化学式1の金属Mに弱く配位されうる陰イオンであり、ホウ酸塩、アルミン酸塩、[SbF]−、[PF]−、[AsF]−、パーフルオロ酢酸([CFCO]−)、パーフルオロプロピオン酸([CCO]−)、パーフルオロ酪酸塩([CFCFCFCO]−)、過塩素酸塩([ClO]−)、p−トルエンスルホン酸塩([p−CHSO]−)、[SOCF]−、ボラタベンゼン、及びハロゲンに置換または非置換のカルボランからなる群から選択いずれか一つである。
本発明の他の具現例によれば、極性官能基を含む環状オレフィン系重合体製造用の触媒システムにおいて、前記化学式1で表示される前触媒及び前記化学式2で表示される助触媒が、それぞれ下記化学式3aで表示されるPd金属含有前触媒及び下記化学式4で表示される助触媒であることが望ましい。
Figure 2008513568
前記化学式3aで、R’、R’、R’’及びR’’’は、それぞれ独立して炭素数1ないし20の線形または分枝型アルキル、アルケニルまたはビニル;炭化水素に置換または非置換の炭素数5ないし12のシクロアルキル;炭化水素に置換または非置換の炭素数6ないし40のアリール;炭化水素に置換または非置換の炭素数7ないし15のアラルキル;または炭素数3ないし20のアルキニルであり、r及びsは0ないし2であり、r+sは2である。
[H−P(R][Ani] <化4>
前記化学式4で、R4及び[Ani]は、前記と同様である。
本発明の他の具現例によれば、極性官能基を含む環状オレフィン系重合体製造用の触媒システムにおいて、前記化学式1で表示される前触媒で、金属がPdであり、p=2であり、金属に直接配位されるヘテロ原子を含むリガンドがアセチルアセトネートまたはアセテートであり、前記化学式2表示されるホスホニウムを有する塩化合物の助触媒でb=0、c=0、RがHであり、Rがシクロへキシル、イソプロピル、t−ブチル、n−ブチルまたはエチルであることが望ましい。
本発明の他の具現例によれば、極性官能基を含む環状オレフィン重合体製造用の触媒システムにおいて、前記10族の遷移金属を含有する前触媒に対する助触媒の比率が、前触媒1モルに対して0.5ないし10モルでなることが望ましい。
本発明の他の具現例によれば、極性官能基を含む環状オレフィン系重合体製造用の触媒システムにおいて、前記前触媒及び助触媒からなる触媒混合物を微粒子支持体上に担持させたことが望ましい。
本発明の他の具現例によれば、極性官能基を含む環状オレフィン系重合体製造用の触媒システムにおいて、前記微粒子支持体は、シリカ、チタニア、シリカ/クロミア、シリカ/クロミア/チタニア、シリカ/アルミナ、リン酸アルミニウムゲル、シラン化されたシリカ、シリカヒドロゲル、モンモリロナイト粘土またはゼオライトであることが望ましい。
本発明の他の具現例によれば、極性官能基を含む環状オレフィン系重合体製造用の触媒システムにおいて、前記前触媒及び助触媒からなる触媒混合物をジクロロメタン、ジクロロエタン、トルエン、クロロベンゼン及びその混合物からなる群から選択された有機溶媒に溶解させて使用することが望ましい。
本発明の他の具現例によれば、極性官能基を含む環状オレフィン系重合体製造用の触媒システムにおいて、前記前触媒及び助触媒からなる触媒混合物は、前記前触媒と助触媒とからなる金属触媒錯化合物を含むことが望ましい。
本発明は、前記第2の技術的課題を達成するために、極性官能基を含む環状オレフィン系重合体製造方法において、前記による触媒システム混合物を製造する段階と、前記触媒システム混合物存在下に、80℃ないし150℃の温度で、極性官能基を含む環状オレフィン系単量体を含む単量体溶液を付加重合させる段階と、を含む極性官能基を含む環状オレフィン系重合体の製造方法を提供する。
本発明の一具現例によれば、極性官能基を含む環状オレフィン系重合体の製造方法において、前記極性官能基を含む環状オレフィン単量体が下記化学式5で表示される化合物であることが望ましい。
Figure 2008513568
前記化学式5で、mは、0ないし4の整数であり、R、R’、R’’及びR’’’のうち少なくとも一つは、極性官能基を表し、残りは非極性官能基であり、R、R’、R’’及びR’’’は、互いに連結されて炭素数4ないし12の飽和または不飽和環基、または炭素数6ないし24の芳香族環を形成でき、前記非極性官能基は、水素;ハロゲン;炭素数1ないし20の線形または分枝型アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル;炭素数3ないし20の線形または分枝型アルキニル、ハロアルキニル;アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、またはハロアルキニルに置換または非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキル;アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、またはハロアルキニルに置換または非置換の炭素数6ないし40のアリール;またはアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、またはハロアルキニルに置換または非置換の炭素数7ないし15のアラルキルであり、
前記極性官能基は、少なくとも一つ以上の酸素、窒素、リン、硫黄、シリコン、またはホウ素を含む非炭化水素極性基であって、−ROR、−OR、−OC(O)OR、−ROC(O)OR、−C(O)R、−RC(O)OR、−C(O)OR、−RC(O)R、−OC(O)R、−ROC(O)R、−(RO)−OR、−(OR−OR、−C(O)−O−C(O)R、−RC(O)−O−C(O)R、−SR、−RSR、−SSR、−RSSR、−S(=O)R、−RS(=O)R、−RC(=S)R、−RC(=S)SR、−RSO、−SO、−RN=C=S、−NCO、R−NCO、−CN、−RCN、−NNC(=S)R、−RNNC(=S)R、−NO、−RNO
Figure 2008513568
であり、
前記極性官能基で、それぞれのR及びR11は、炭素数1ないし20の線形または分枝型アルキレン、ハロアルキレン、アルケニレン、ハロアルケニレン;炭素数3ないし20の線形または分枝型アルキニレン、ハロアルキニレン;アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニルに置換または非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキレン;アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニルに置換または非置換の炭素数6ないし40のアリーレン;またはアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニルに置換または非置換の炭素数7ないし15のアラルキレンであり、それぞれのR、R10、R12及びR13は、水素;ハロゲン;炭素数1ないし20の線形または分枝型アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル;炭素数3ないし20の線形または分枝型アルキニル、ハロアルキニル;アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、またはハロアルキニルに置換または非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキル;アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、またはハロアルキニルに置換または非置換の炭素数6ないし40のアリール;アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、またはハロアルキニルに置換または非置換の炭素数7ないし15のアラルキル;またはアルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシであり、kは、1ないし10の整数である。
本発明の他の具現例によれば、極性官能基を含む環状オレフィン系重合体の製造方法において、反応系中の有機溶媒の総量が前記単量体溶液中の総単量体重量対比50ないし800%であることが望ましい。
本発明の他の具現例によれば、極性官能基を含む環状オレフィン系重合体の製造方法において、前記触媒混合物が固相で単量体溶液に投入されることが望ましい。
本発明の他の具現例によれば、極性官能基を含む環状オレフィン系重合体の製造方法において、前記触媒混合物が、前記前触媒成分基準に、前記単量体溶液中の総単量体モル量対比1/2,500ないし1/200,000の量で反応系に投入されることが望ましい。
本発明の他の具現例によれば、極性官能基を含む環状オレフィン系重合体の製造方法において、前記単量体溶液が極性官能基を含まない環状オレフィン系化合物をさらに含むことが望ましい。
本発明の他の具現例によれば、極性官能基を含む環状オレフィン系重合体の製造方法において、前記単量体溶液が炭素数1ないし20の線形または分枝型オレフィンをさらに含むことが望ましい。
本発明は、前記第3の技術的課題を達成するために、前記による方法で製造された重合体であって、下記化学式5で表示される極性官能基を含む環状オレフィン系単量体の付加重合体であり、重量平均分子量Mが、10,000ないし1,000,000である極性官能基を含む環状オレフィン系重合体を提供する。
Figure 2008513568
前記化学式5で、
m、R、R’、R’’及びR’’’は、前記と同様である。
本発明の一具現例によれば、前記極性官能基を含む環状オレフィン系重合体が極性官能基を含む環状オレフィン系ホモ重合体、互いに異なる極性官能基を含む環状オレフィン系単量体の共重合体、または極性官能基を含む環状オレフィン系単量体と極性官能基を含まない環状オレフィン系単量体との共重合体を含むことが望ましい。
本発明は、前記第4の技術的課題を達成するために、前記による極性官能基を含む環状オレフィン系重合体を含む光学異方性フィルムを提供する。
本発明の一具現例によれば、前記光学異方性フィルムが、下記数式1で表示されるリタデーション値Rthが70ないし1000nmであることが望ましい。
Figure 2008513568
前記数式1で、nは、波長550nmで測定される面内の高速軸の屈折率であり、
は、波長550nmで測定される厚さ方向の屈折率であり、dは、フィルムの厚さである。
本発明の他の具現例によれば、前記光学異方性フィルムの屈折率は、下記数式:
Figure 2008513568
(nは、面内の低速軸の屈折率であり、
は、高速軸の屈折率であり、
は、厚さ方向の屈折率である。)
で表される関係を満足する液晶ディスプレイ用のネガティブCプレート型光学補償フィルムであることが望ましい。
本発明によるオレフィン重合用触媒とこれを利用した重合体製造方法によれば、優れた熱的化学的安定性を有する触媒システムによって、モノマーの極性官能基による触媒の非活性化を抑えることが可能であるため、ポリオレフィン重合時に高分子量及び高い重合収率でポリオレフィンを製造でき、触媒の活性が優秀であるため、触媒対モノマーの使用量を1/5000未満の範囲で使用できて、触媒残渣を除去する段階が必要ない。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明によるオレフィン重合用触媒とこれを利用した重合体製造方法によれば、優れた熱的化学的安定性を有する触媒システムによって、モノマーの極性官能基による触媒の非活性化を抑えることが可能であるため、高収率で高分子量の重合体を製造でき、単量体対応触媒の使用量を節減させることができて、触媒残渣を除去する段階が別途に必要ない。
本発明に使われる触媒システムは、i)前記化学式1で表示される金属に直接配位されるヘテロ原子を含むリガンドを有する10族金属含有前触媒と、ii)前記化学式2で表示されるホスホニウムを含有する塩化合物を含む助触媒とからなることを特徴とし、前記前触媒は、極性官能基を持つ単量体に対して安定性が高く、前記助触媒は、アンモニウムホウ酸塩の場合のように、触媒反応性を低下させるアミンを発生させない。その代わりに、ホスホニウム助触媒は、10族金属前触媒と反応して前触媒を陽イオン形態の触媒に活性化し、同時にホスフィンを発生して陽イオン形態の触媒を安定化させて、極性モノマーの極性基による触媒の非活性化を抑える役割を果たす。
前記化学式2のホウ酸塩またはアルミン酸塩は、下記化学式2aまたは化学式2bで表示される陰イオンでありうる。
[M’(R] <化2a>
[M’(OR] <化2b>
前記化学式2a、及び2bで、M'は、ホウ素またはアルミニウムであり、Rは、それぞれ独立してハロゲン;ハロゲンに置換または非置換の炭素数1ないし20の線形または分枝型アルキル、アルケニル;ハロゲンに置換または非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキル;炭化水素に置換または非置換の炭素数6ないし40のアリール;炭素数3ないし20の線形または分枝型トリアルキルシロキシまたは炭素数18ないし48の線形または分枝型トリアリールシロキシに置換された炭素数6ないし40のアリール;ハロゲンに置換または非置換の炭素数7ないし15のアラルキルである。
前記極性官能基を含む環状オレフィン系重合体製造用の触媒システムにおいて、前記化学式1で表示される前触媒及び前記化学式2で表示される助触媒は、それぞれ下記化学式3で表示される10族金属含有前触媒及び下記化学式3で表示される助触媒であることが望ましい。
Figure 2008513568
前記化学式3で、X’及びY’は、それぞれS及びOのうちから選択されたヘテロ原子であり、R’、R’、R’’及びR’’’は、それぞれ独立して炭素数1ないし20の線形または分枝型アルキル、アルケニルまたはビニル;炭化水素に置換または非置換の炭素数5ないし12のシクロアルキル;炭化水素に置換または非置換の炭素数6ないし40のアリール;炭化水素に置換または非置換の炭素数7ないし15のアラルキル;または炭素数3ないし20のアルキニルであり、Mは、10族金属であり、r及びsは、0ないし2であり、r+sは2である。
[H−P(R][Ani] <化4>
前記化学式4で、Rは、それぞれ独立して水素;炭素数1ないし20の線形または分枝型アルキル、アルコキシ、アリル、アルケニル、またはビニル;置換または非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキル;置換または非置換の炭素数6ないし40のアリール;置換または非置換の炭素数7ないし15のアラルキル;炭素数3ないし20のアルキニルであり、このとき、前記それぞれの置換基は、ハロゲンまたは炭素数1ないし20のハロアルキルであり、[Ani]は、前記化学式1の金属Mに弱く配位されうる陰イオンであり、ホウ酸塩、アルミン酸塩、[SbF]−、[PF]−、[AsF]−、パーフルオロ酢酸([CFCO]−)、パーフルオロプロピオン酸([CCO]−)、パーフルオロ酪酸塩([CFCFCFCO]−)、過塩素酸塩([ClO]−)、p−トルエンスルホン酸塩([p−CHSO]−)、[SOCF]−、ボラタベンゼン、及びハロゲンに置換または非置換のカルボランからなる群から選択いずれか一つである。
また、前記極性官能基を含む環状オレフィン系重合体製造用の触媒システムにおいて、前記化学式1で表示される前触媒及び前記化学式2で表示される助触媒は、それぞれ下記化学式3aで表示されるPd金属含有前触媒及び下記化学式4で表示される助触媒であることがさらに望ましい。
Figure 2008513568
前記化学式3aで、R’、R’、R’’及びR’’’は、それぞれ独立して炭素数1ないし20の線形または分枝型アルキル、アルケニルまたはビニル;炭化水素に置換または非置換の炭素数5ないし12のシクロアルキル;炭化水素に置換または非置換の炭素数6ないし40のアリール;炭化水素に置換または非置換の炭素数7ないし15のアラルキル;または炭素数3ないし20のアルキニルであり、r及びsは0ないし2であり、r+sは2である。
[H−P(R3][Ani] <化4>
前記化学式4で、R4及び[Ani]は、前記と同様である。
最後に、前記極性官能基を含む環状オレフィン系重合体製造用の触媒システムにおいて、前記化学式1で表示される前触媒で金属が Pdであり、p=2であり、金属に直接配位されるヘテロ原子を含むリガンドがアセチルアセトネートまたはアセテートであり、前記化学式2で表示されるホスホニウムを有する塩化合物の助触媒でb=0、c=0、R3がHであり、Rがシクロへキシル、イソプロピル、t−ブチル、n−ブチルまたはエチルであることが最も望ましい。
本発明による触媒システムを構成する触媒混合物は、i)前記化学式1で表示される10族金属含有前触媒と、ii)前記化学式2で表示されるホスホニウムを含有する塩化合物を含む助触媒からなることを特徴とし、80ないし150℃の重合温度で熱分解されず、高い活性を示す。
本発明に助触媒として使われるホスホニウムを含有する化合物は、電子的安定化能を有し、遷移金属化合物を熱的、化学的に活性化させる役割を果たす。前記10族の遷移金属を含有する前触媒に対する助触媒の比率は、前触媒1モルに対して0.5ないし10モルであるが、前記助触媒のモル数が0.5モル未満である場合には、前触媒の活性化効果が小さく、10モルを超える場合には、過量のホスホニウムが金属に配位して、立体的にノルボルネン単量体配位を抑え、電子的に陽イオン形態の触媒活性種が過度に安定化して、ノルボルネン単量体の二重結合と相互作用が弱くなり、その結果、重合収率と分子量とがいずれも減少するという問題点があるために望ましくない。
本発明による前記前触媒及び助触媒からなる触媒混合物は、微粒子支持体上に担持させて使用することが可能であり、前記微粒子支持体は、シリカ、チタニア、シリカ/クロミア、シリカ/クロミア/チタニア、シリカ/アルミナ、リン酸アルミニウムゲル、シラン化されたシリカ、シリカヒドロゲル、モンモリロナイト粘土またはゼオライトでありうる。このように微粒子支持体上に担持させて使用する場合には、用途に応じて分子量分布を調節でき、得られる高分子の見かけ密度を向上させることができるという利点がある。
本発明による前記前触媒及び助触媒からなる触媒混合物は、溶媒を使用せずに固相で直接投入することができるが、溶媒上にこれらを混合して活性化した触媒溶液を製造した後に投入でき、前記前触媒と助触媒とを別の溶液に溶解させて重合時に投入してもよい。前記触媒混合物を溶媒に溶解させる場合に使われうる溶媒としては、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トルエン、クロロベンゼンまたはその混合物などが挙げられる。
本発明による前記触媒混合物は、前記前触媒と助触媒とからなる金属触媒錯化合物でありうる。
また、本発明は、i)前記化学式1で表示される金属に直接配位されるヘテロ原子を含むリガンドを有する10族金属含有前触媒と、ii)前記化学式2で表示されるホスホニウムを含有する塩化合物を含む助触媒とからなる触媒混合物を製造した後、前記触媒混合物の存在下に、80℃ないし150℃の温度で極性官能基を含む環型単量体を付加重合させる極性官能基を含む環状オレフィン重合体の製造方法を提供する。
本発明の温度限定と関連してさらに具体的に説明すれば、一般的な有機金属重合触媒の場合に重合温度を上げれば、重合収率が増加する一方、重合体の分子量が減少するか、触媒が熱分解されて重合活性を示さない傾向がある(Kaminsky et al.Angew.Chem.Int.Ed.,1985,vol 24,507;Brookhart et al.Chem.Rev.2000,vol 100,1169;Resconi et al.Chem.Rev.2000,vol 100,1253)。このように重合温度が上昇するにつれて分子量が減少することは、触媒に結合された高分子のβ−位置に置かれた水素が触媒に移動することで、高分子鎖が触媒から分離されるためである。
これに対して、ノルボルネン単量体の極性官能基は、常温では陽イオン型触媒と相互作用してノルボルネンの二重結合が挿入する触媒活性点を防ぐことで重合収率および分子量が低くなるが、重合温度を上昇させれば、触媒に結合されたノルボルネン高分子のβ−位置に置かれた水素の場合、ノルボルネン単量体固有の特性上、触媒と相互作用できる立体構造的な環境を形成し難く、β−水素が触媒に移動し難いため分子量が増加する(Kaminsky et al.Macromol.Symp.1995,vol 97,225)。したがって、重合温度を上昇させる必要があるが、既知の極性官能基を含むノルボルネン重合体を製造する時に使われる触媒は、重合温度を80℃以上に上げれば、ほとんど熱分解されて活性が低くて高分子量の重合体を得ることができなかった。
しかし、本発明に使われる触媒の場合、80℃以上の温度で分解されない程度に熱的に安定して、高温でノルボルネン単量体の極性官能基と陽イオン型触媒との相互作用を妨害することによって、触媒活性点を形成させるか、回復させることができるので、高分子量の極性官能基を含む環状オレフィン系重合体を高い収率で製造できる。一方、重合温度が150℃を超える場合には、前記触媒成分が熱分解されて活性が低くなって、高分子量の極性官能基を含む環状オレフィン系重合体を製造し難い。
本発明で極性官能基を含む環状オレフィン系付加重合体を製造する時に使われる単量体は、極性官能基を含むノルボルネン系単量体である。環型のノルボルネン系単量体またはノルボルネン誘導体は、最小限一つのノルボルネン(ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン)単位を含む単量体を意味する。このような、極性官能基を有するノルボルネン系単量体は、下記化学式5で表示される化合物であることが望ましい。
Figure 2008513568
前記化学式5で、mは、0ないし4の整数であり、R、R’、R’’及びR’’’のうち少なくとも一つは、極性官能基を表し、残りは非極性官能基であり、R、R’、R’’及びR’’’は、互いに連結されて炭素数4ないし12の飽和または不飽和環基、または炭素数6ないし24の芳香族環を形成でき、前記非極性官能基は、水素;ハロゲン;炭素数1ないし20の線形または分枝型アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル;炭素数3ないし20の線形または分枝型アルキニル、ハロアルキニル;アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、またはハロアルキニルに置換または非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキル;アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、またはハロアルキニルに置換または非置換の炭素数6ないし40のアリール;またはアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、またはハロアルキニルに置換または非置換の炭素数7ないし15のアラルキルであり、前記極性官能基は、少なくとも一つ以上の酸素、窒素、リン、硫黄、シリコン、またはホウ素を含む非炭化水素極性基であって、−ROR、−OR、−OC(O)OR、−ROC(O)OR、−C(O)R、−RC(O)OR、−C(O)OR、−RC(O)R、−OC(O)R、−ROC(O)R、−(RO)−OR、−(OR−OR、−C(O)−O−C(O)R、−RC(O)−O−C(O)R、−SR、−RSR、−SSR、−RSSR、−S(=O)R、−RS(=O)R、−RC(=S)R、−RC(=S)SR、−RSO、−SO、−RN=C=S、−NCO、R−NCO、−CN、−RCN、−NNC(=S)R、−RNNC(=S)R、−NO、−RNO
Figure 2008513568
であり、
前記極性官能基で、それぞれのR及びR11は、炭素数1ないし20の線形または分枝型アルキレン、ハロアルキレン、アルケニレン、ハロアルケニレン;炭素数3ないし20の線形または分枝型アルキニレン、ハロアルキニレン;アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニルに置換または非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキレン;アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニルに置換または非置換の炭素数6ないし40のアリーレン;またはアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニルに置換または非置換の炭素数7ないし15のアラルキレンであり、それぞれのR、R10、R12及びR13は、水素;ハロゲン;炭素数1ないし20の線形または分枝型アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル;炭素数3ないし20の線形または分枝型アルキニル、ハロアルキニル;アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、またはハロアルキニルに置換または非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキル;アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、またはハロアルキニルに置換または非置換の炭素数6ないし40のアリール;アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、またはハロアルキニルに置換または非置換の炭素数7ないし15のアラルキル;またはアルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシであり、kは、1ないし10の整数である。
本発明による製造方法において、反応系中の有機溶媒の総量は、前記単量体溶液中の総単量体重量に対して50%ないし800%であり、50%ないし400%であることが望ましいが、50%未満であるときには、重合反応中に溶液粘度が高すぎて撹拌し難くなり、未反応単量体が残って重合収率が低下し、粘度が高すぎて過量の溶媒を入れて溶液を薄くする必要があるために、商業化に問題があり、800%を超えるときには、重合反応速度が遅くて重合収率と分子量とがいずれも減少する傾向がある。
本発明による製造方法において、前記触媒混合物の使用量は、前記前触媒成分を基準に、前記単量体溶液中の総単量体モル量対比1/2,500ないし1/200,000の範囲内でありうる。すなわち、従来の触媒システムよりはるかに少量の触媒を使用しながらも、極性官能基を有するノルボルネン系単量体を高い収率で重合できる。前記使用量は、さらに望ましくは、1/5000ないし1/20000である。
本発明による製造方法において、前記単量体溶液が極性官能基を含まない環状オレフィン系化合物をさらに含むことが望ましい。
本発明の付加重合は、一般的なノルボルネン系重合体の製造方法のように、ノルボルネン系単量体、及び触媒を溶媒に溶解混合して重合する。本発明の製造方法において、極性官能基を含む環状オレフィン系付加重合体を製造すれば、少なくとも40%以上の高収率で製造でき、製造される付加重合体の分子量Mは、少なくとも10,000ないし1,000,000の高分子量を有することができる。また、付加重合体を利用して光学フィルムで製造するならば、分子量は100,000ないし1,000,000に調節することが望ましい。分子量を調節するために、炭素数1ないし20の線形または分枝型、環型のオレフィンをさらに含みうる。具体的に、前記オレフィンの例としては、1−ヘキセン、1−オクテン、シクロペンテン、エチレンなどがある。このようなオレフィンが成長する重合体鎖の末端に挿入され、挿入されたオレフィンのβ−位置の水素が容易に除去される反応により、所望の分子量を持つポリマー鎖が形成される。
したがって、従来には極性官能基を含む環状オレフィン系付加重合体を極めて低い収率で、低い分子量でのみ製造することが可能であったが、本発明の製造方法は、高い収率で高い分子量の極性官能基が導入された環状オレフィン系付加重合体を製造できる。
本発明は、前記製造方法で製造された重合体であって、前記化学式5で表示される極性官能基を含む環状オレフィン系単量体の付加重合体であり、重量平均分子量が10,000ないし1,000,000である極性官能基を含む環状オレフィン系重合体を提供する。
前記極性官能基を含むノルボルネン付加重合体は、極性官能基を含むノルボルネン系単量体を少なくとも0.1ないし99.9モル%含み、このとき、極性基を含むノルボルネンは、エンド、エキソ異性質体の混合物からなっており、混合物の組成比は関係ない。
前記極性官能基を有する環状オレフィン系付加重合体は、少なくとも一つ以上の極性官能基を含むノルボルネン系単量体を、前述した触媒システムの存在下で付加重合してホモ重合体を製造するか、互いに異なる極性官能基を含むノルボルネン系単量体を付加重合して、極性官能基を含むノルボルネン系単量体らからなる二元または三元共重合体を製造するか、または極性官能基を含むノルボルネン系単量体と極性官能基を含んでいないノルボルネンとを付加重合して共重合して二元または三元共重合体を製造できる。
前記本発明の製造方法によって製造された極性官能基を有するノルボルネン系重合体は、透明で金属や他の極性官能基を持つ重合体に対する付着性に優れ、絶縁性電子材料として使われうる誘電定数が低く、熱安定性及び強度に優れた環状オレフィン重合体である。また、この重合体は、カップリング剤なしに電子素材の基質に付着でき、銅、銀、または金のような金属基質によく付着し、偏光板の保護フィルムとして使われうるほど光学的特性に優れ、集積回路、回路印刷基板または多重チップモジュールのような電子素材に使われうる。
本発明は、前記重合体を利用して従来には製造できなかった複屈折率を調節できる光学異方性フィルムで製造できる。
一般的な環状オレフィンの形態的なユニットは、一つまたは二つの安定した回転状態を有するので、硬いフェニル環を主鎖としたポリイミドのように延びた形態をなすことができる。このような延びた形態を持つノルボルネン系高分子に極性基を導入すれば、単純な形態を有する高分子の場合より、極性基の導入で分子間の相互作用が増大し、したがって、分子間の充填に指向順序を有するようになって、光学的及び電気的に異方性を持つことができる。
前記複屈折率は、環状オレフィン系付加重合体に導入される極性官能基の種類及び含有量によって調節でき、特に、製造される厚さ方向の屈折率の調節が容易であって多様なモードのLCD(Liquid crystal display)用の光学補償フィルムとして製造できる。
前記光学異方性フィルムは、本発明による前記極性官能基を含む環状オレフィン系付加重合体を溶媒に溶かして、溶媒キャスティング法でフィルムまたはシート状に製造でき、1種以上のこれら環状オレフィン系重合体のブレンドからフィルムを製造することもできる。
環状オレフィン系付加重合体を溶媒に溶かして溶媒キャスティング法でフィルムを製造する方法は、環状オレフィン系付加重合体を高分子含有量5ないし95重量%、さらに望ましくは、10ないし60重量%で溶媒に投入して常温で撹拌して製造することが望ましい。このとき、製造された溶液の粘度は、100ないし10000cpsであることが溶媒キャスティングに望ましく、さらに望ましくは、300ないし8000cpsである。また、前記フィルム製造時には、フィルムの機械的な強度と耐熱性、耐光性、取扱性を改善するために、可塑剤、劣化防止剤、紫外線安定剤、または帯電防止剤のような添加剤を添加できる。
このように製造されたフィルムは、下記数式1で表示されるリタデーション値Rthが70ないし1000nmである光学異方性フィルム特性を有する。
Figure 2008513568
前記数式1で、nは、波長550nmで測定される面内の高速軸の屈折率であり、nは、波長550nmで測定される厚さ方向の屈折率であり、dは、フィルムの厚さである。
このような光学異方性特性を有するフィルムは、フィルムの屈折率が下記数式:
Figure 2008513568
(nは、面内の低速軸の屈折率であり、
は、高速軸の屈折率であり、
は、厚さ方向の屈折率である)
で表わされる関係を満足する液晶ディスプレイ用のネガティブCプレート型光学補償フィルムとして使用できる。
以下、望ましい実施例を挙げて発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれによって制限されるものではない。
下記の製造例及び実施例において、空気や水に敏感な化合物を扱うあらゆる作業は、標準シュレンク技術(standard Schlenk technique)またはドライボックス技術を使用して実施した。核磁気共鳴スペクトルは、ブルカー300スペクトロメータを使用して得、H NMRは300MHzで、そして13C NMRは75MHzで測定した。重合体の分子量及び分子量分布は、GPC(Gel Permeation Chromatography )を使用して測定し、このとき、ポリスチレンサンプルを標準とした。TGA及びDSCのような熱分析は、TA Instrument(TGA2050;heating rate 10K/min)を利用して実施した。トルエンは、カリウム/ベンゾフェノンで蒸留して精製し、ジクロロメタン及びクロロベンゼンは、CaHで蒸留精製して使用した。
極性官能基を含む単量体の製造
製造例1:5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
2Lの高圧反応器にジシクロペンタジエン(DCPD、アルドリッチ社製、256.5mL、1.9mol)、メチルアクリレート(アルドリッチ社製、405mL、4.5mol)、ヒドロキノン(3.2g、0.03mol)を入れた後、温度を220℃まで上昇させた。これを300rpmで撹拌しながら5時間反応させた後、終了すれば、反応物を冷却させて蒸留装置に移した。真空ポンプを利用して1torrで減圧蒸留して50℃で生成物を得た(収率:57.6%、エキソ/エンド=58/42)。
H−NMR(600MHz,CDCl),エンド:δ6.17(dd,1H),5.91(dd,1H),3.60(s,3H),3.17(b,1H),2.91(m,1H),2.88(b,1H),1.90(m,1H),1.42(m,2H),1.28(m,1H);エキソ:δ6.09(m,2H),3.67(s,3H),3.01(b,1H),2.88(b,1H),2.20(m,1H),1.88(m,1H),1.51(d,1H),1.34(m,2H)。
製造例2:5−ノルボルネン−2−酢酸アリルの製造
2Lの高圧反応器にDCPD(アルドリッチ社製、248mL、1.852mol)、酢酸アリル(アルドリッチ社製、500mL、4.63mol)、ヒドロキノン(0.7g、0.006mol)を入れた後、温度を190℃まで上昇させた。これを300rpmで撹拌しながら5時間反応させた後、終了すれば反応物を冷却させて、蒸留装置に移した。真空ポンプを利用して1torrで減圧蒸留を2次にわたって実施して、56℃で生成物を得た(収率:30%、エキソ/エンド=57/43)。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ6.17〜5.91(m,2H),4.15〜3.63(m,2H),2.91〜2.88(m,2H),2.38(m,1H),2.05(s,3H),1.83(m,1H),1.60〜1.25(m,2H),0.57(m,1H)。
助触媒の製造
製造例3:[HP(Cy) ][Cl]の製造
P(Cy)(2.02g、7.2mmol、Cyはシクロヘキシル)を250mLのシュレンクフラスコに投入し、ジエチルエーテル(150ml)を入れて溶解させた。次に、常温でHCl(14.4mL,1.0M in ether)を投入して反応が進む間に白色の沈殿物が形成され、約20分程度反応させて白色の沈殿物をガラスフィルタを通じてろ過し、ジエチルエーテル(80ml)で3回ほど洗浄した後、常温で残留溶媒を真空状態で溶媒を除去して[HP(Cy)][Cl](86%、1.95g)を得た。
H−NMR(600MHz,CDCl):δ7.02〜6.23(d,1H,JH−P=470Hz),2.56〜1.30(m,33H);13C−NMR(600MHz,CDCl):δ28.9(d),28.5(d),26.8(d),25.6(s).31P−NMR(600MHz,CDCl):δ22.98(d,JP−H=470Hz)。
製造例4:[HP(n−Bu) ][Cl]の製造
(n−Bu)P(2.0g、10.0mmol)を250mLのシュレンクフラスコに投入し、ジエチルエーテル(150ml)を入れて溶解させた。次に、常温でHCl(20.0mL、1.0M in ether)を投入して、反応が進む間に白色の沈殿物が形成され、約20分程度反応させて白色の沈殿物をガラスフィルタを通じてろ過してジエチルエーテル(80ml)で3回ほど洗浄した後、常温で残留溶媒を真空状態で溶媒を除去して[HP(n−Bu)][Cl](90%、2.15g)を得た。
製造例5:[HP(Cy) ][B(C ]の製造
グローブボックス内で製造例3で得た[HP(Cy)][Cl](0.56g、1.75mmol)と[Li][B(C](1.0g、1.46mmol)とをそれぞれ100mLのシュレンクフラスコに投入し、ジクロロメタン(20ml)を入れて溶解させた。次に、常温で[HP(Cy)][Cl]溶液を[Li][B(C]溶液側に徐々に滴加した。1時間程度の反応後に、未反応物をガラスフィルタを通じてろ過し、溶媒5ml程度になるまで真空下に溶媒を除去した後、−78℃に温度を下げてジエチルエーテル(30ml)を入れて再結晶した。最後に、前記溶液を注いでジエチルエーテル(30ml)で3回ほど洗浄した後、常温で残留溶媒を真空状態で溶媒を除去し、[HP(Cy)][B(C](90%、1.26g)(トリシクロへキシルホスホニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ホウ酸)を得た。
H−NMR(600MHz,CDCl):δ5.32〜4.65(d,1H,JH−P=440Hz),2.43〜1.33(m,33H);13C−NMR(600MHz,CDCl):δ149.7,148.1,139.7,139.2,138.1,138.0,137.8,136.2,125.1,124.9,29.0,28.8,26.7(d),25.4(s);31P−NMR(600MHz,CDCl):31.14(d,JP−H=440Hz);19F−NMR(600MHz,CDCl):−130.90,−161.51,−163.37。
製造例6:[HP(Cy) ][B(C ]の製造
[Li][B(C]の代わりに、[Na][B(C]または[MgBr][B(C]を使用したことを除いては、製造例5と同じ方法で[HP(Cy)][B(C](トリシクロへキシルホスホニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩)を製造した。合成収率は製造例5と同様に90%程度を得た。
製造例7:[HP(n−Bu) ][B(C ]の製造
グローブボックス内で製造例4で得た[HP(n−Bu)][Cl](0.42g、1.75mmol)と[Li][B(C](1.0g、1.46mmol)とをそれぞれ100mLのシュレンクフラスコに投入し、ジクロロメタン(20ml)を入れて溶解させた。次に、常温で[HP(Cy)][Cl]溶液を[Li][B(C]溶液側に徐々に滴加した後、1時間程度の反応後に未反応物をガラスフィルタを通じてろ過し、溶媒5ml程度になるまで真空下に溶媒を除去した。次に、−78℃に温度を下げてジエチルエーテル(30ml)を入れて再結晶した後、前記溶液を注いでジエチルエーテル(30ml)で3回ほど洗浄した。最後に、常温で残留溶媒を真空状態で溶媒を除去し、[HP(Cy)][B(C](87%、1.12g)(トリn−ブチルホスホニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩)を得た。
製造例8:[(t−Bu) PH][B(C ]の製造
(t−Bu)P(0.35g、1.73mmol、t−Buはtert−ブチル)を250mLのシュレンクフラスコに投入し、ジエチルエーテル(30ml)を入れて溶解させた。次に、常温で無水HCl(1.9mL、1.0M in ether)を投入して反応が進む間に白色の沈殿物が形成され、約20分程度反応させて白色の沈殿物をガラスフィルタを通じてろ過し、ジエチルエーテル(30ml)で洗浄した後、常温で残留溶媒を真空状態で溶媒を除去し、(t−Bu)PHClを白色固体として得た。
(t−Bu)PHClをジクロロメタン(10ml)を入れて溶解させ、グローブボックス内で[Li][B(C](1.07g、1.56mmol)を100mLのシュレンクフラスコに投入し、ジクロロメタン(20ml)を入れて溶解させる。次に、常温で(t−Bu)PHCl溶液を[Li][B(C]溶液側に徐々に滴加した。1時間程度の反応後、副反応物であるLiClをガラスフィルタを通じてろ過し、溶媒を真空下に除去した後、[(t−Bu)PH][B(C](67%、1.05g)(トリt−ブチルホスホニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩)を得た。
H−NMR(600MHz,CDCl):δ5.34〜4.63(d,1H,JH−P=440Hz),1.61(d,27H);13C−NMR(600MHz,CDCl):δ149.5,147.9,139.6,138.0,137.7,136.0,124.4,38.3,30.4;31P−NMR(600MHz,CDCl):63.0(d,JP−H=440Hz);19F−NMR(600MHz,CDCl):−133.3,−163.9,−167.8。
製造例9:[(Et) PH][B(C ]の製造
(Et)P(0.8g、6.77mmol、Etはエチル)を250mLのシュレンクフラスコに投入し、ジエチルエーテル(50ml)を入れて溶解させた。次に、常温で無水HCl(7.4mL、1.0M in ether)を投入して反応が進む間に白色の沈殿物が形成され、約20分程度反応させて溶媒を真空下で除去してヘキサン(30ml)で洗浄した後、常温で残留溶媒を真空状態で溶媒を除去し、(Et)PHClを白色固体として得た。
(Et)PHClをジクロロメタン(10ml)を入れて溶解させ、グローブボックス内で[Li][B(C](4.41g、6.43mmol)を100mLのシュレンクフラスコに投入し、ジクロロメタン(50ml)を入れて溶解させた。次に、常温で(Et)PHCl溶液を[Li][B(C]溶液側に徐々に滴加した。1時間程度の反応後、副反応物であるLiClをガラスフィルタを通じてろ過し、溶媒を真空の下に除去した後、[(Et)PH][B(C](54%、2.91)(トリエチルホスホニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩)を得た。
H−NMR(600MHz,CDCl):δ6.06(m,0.5H),5.30(m,0.5H),2.28(m,6H),1.40(m,9H);13C−NMR(600MHz,CDCl):δ149.5,147.9、139.7,138.0、137.9,137.7,136.1,124.6,10.6(d),6.8(d);31P−NMR(600MHz,CDCl):26.3(d);19F−NMR(600MHz,CDCl):−133.5,−163.7,−167.8。
付加重合体の製造
実施例1:5−ノルボルネン−2−酢酸アリルの重合
5−ノルボルネン−2−酢酸アリル(NB−CH−O−C(O)−CH)(5mL、30.9mmol、NBはノルボルネン)とトルエン(18ml)とを250mLのシュレンクフラスコに投入した。酢酸パラジウム(Pd(OAc))(OAc=acetate、0.46mg、2.06μmol)とトリシクロへキシルホスホニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩([(Cy)PH][B(C])(5.0mg、5.2μmol)とにジクロロメタン1mLを入れて溶かした後、
単量体溶液に投入した。反応温度を90℃に上げて18時間撹拌した。18時間の反応後に100mLのトルエンを入れて粘度の高い重合体溶液を薄くし、これを過量のエタノールに投入して白色の共重合体沈殿物を得た。この沈殿物をガラス漏斗でろ過して回収した共重合体を真空オーブンで80℃で24時間乾燥して、5−ノルボルネン−2−酢酸アリル重合体4.73g(投入された単量体総量基準で92.2重量%)を得た。この重合体の重量平均分子量Mは250,071であり、Mw/Mnは2.70であった。
実施例2:5−ノルボルネン−2−酢酸アリルの重合
触媒量を、酢酸パラジウム(Pd(OAc))(0.14mg、0.62μmol)とトリシクロへキシルホスホニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩([(Cy)PH][B(C])(1.2mg、1.24μmol)とで使用し、重合温度100℃で実施例1の方法と同様に5−ノルボルネン−2−酢酸アリルを重合した。重合結果、重合体は4.00g(投入された単量体総量基準で78重量%)を得た。この重合体の重量平均分子量Mは262,149であり、Mw/Mnは2.09であった。
実施例3:5−ノルボルネン−2−酢酸アリルとブチルノルボルネンとの共重合
5−ノルボルネン−2−酢酸アリル(NB−CH−O−C(O)−CH)(5mL、30.9mmol)、ブチルノルボルネン(1.3mL、7.7mmol)、トルエン(7.3mL)を250mLのシュレンクフラスコに投入した。酢酸パラジウム(Pd(OAc))(0.17mg、0.77μmol)とトリシクロへキシルホスホニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩([(Cy)PH][B(C])(1.48mg、1.55μmol)とにジクロロメタン1mLを入れて溶かした後、単量体溶液に投入した。反応温度を90℃に上げて18時間撹拌した。18時間の反応後に120mLのトルエンを入れて粘度の高い重合体溶液を薄くし、これを過量のエタノールに投入して白色の共重合体沈殿物を得た。この沈殿物をガラス漏斗でろ過して回収した共重合体を真空オーブンで80℃で24時間乾燥して、5−ノルボルネン−2−酢酸アリル/ブチルノルボルネン共重合体4.35g(投入された単量体総量基準で69.2重量%)を得た。この重合体の重量平均分子量Mは303,550であり、Mw/Mnは2.16であった。
実施例4:5−ノルボルネン−2−酢酸アリルとブチルノルボルネンとの共重合
触媒量を、酢酸パラジウム(Pd(OAc))(0.09mg、0.39μmol)と、トリシクロへキシルホスホニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩([(Cy)PH][B(C])(0.74mg、0.77μmol)とで使用し、実施例3の方法と同様に5−ノルボルネン−2−酢酸アリルとブチルノルボルネンとを共重合した。重合結果重合体は2.9g(投入された単量体総量基準で46重量%)を得た。この重合体の重量平均分子量Mは362.680であり、Mw/Mnは1.96であった。
実施例5:5−ノルボルネン−2−酢酸アリル、ブチルノルボルネン、5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチルエステルの共重合
5−ノルボルネン−2−酢酸アリル(5mL、30.9mmol)、ブチルノルボルネン(1.2mL、6.6mmol)、5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチルエステル(1mL、6.6mmol);トルエン(12.4mL)を250mLのシュレンクフラスコに投入した。酢酸パラジウム(Pd(OAc))(0.66mg、2.94μmol)と、トリシクロへキシルホスホニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩([(Cy)PH][B(C])(5.65mg、5.88μmol)とにジクロロメタン1mLを入れて溶かした後、単量体溶液に投入した。反応温度を90℃に上げて18時間撹拌した。18時間の反応後に120mLのトルエンを入れて粘度の高い重合体溶液を薄くし、これを過量のエタノールに投入して白色の共重合体沈殿物を得た。この沈殿物をガラス漏斗でろ過して回収した共重合体を真空オーブンで80℃で24時間乾燥して、5−ノルボルネン−2−酢酸アリル/ブチルノルボルネン/5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチルエステル共重合体6.45g(投入された単量体総量基準で90.5重量%)を得た。この重合体の重量平均分子量Mは211,891であり、Mw/Mnは2.67であった。
実施例6:5−ノルボルネン−2−酢酸アリル、ブチルノルボルネン、5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチルエステルの共重合
触媒量を、酢酸パラジウム(Pd(OAc))Pd(OAc)(0.20mg、0.88μmol)と、トリシクロへキシルホスホニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩([(Cy)PH][B(C])(1.70mg、1.77μmol)とで使用し、実施例5の方法と同様に5−ノルボルネン−2−酢酸アリル、ブチルノルボルネン、5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチルエステルを共重合した。重合結果、重合体は3.3g(投入された単量体総量基準46.7重量%)を得た。この重合体の重量平均分子量Mは261,137であり、Mw/Mnは2.01であった。
実施例7ないし13:5−ノルボルネン−2−酢酸アリルの重合
トリシクロへキシルホスホニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩([(Cy)PH][B(C])量を酢酸パラジウム(Pd(OAc))モル対比2:1、1:1、2:3、1:2、1:4、1:8にそれぞれ変化させて、5−ノルボルネン−2−酢酸アリルを重合した。5−ノルボルネン−2−酢酸アリル(4mL、24.7mmol)とトルエン(12mL)とを100mLのシュレンクフラスコに投入し、触媒として酢酸パラジウム(Pd(OAc))(1.1mg、4.9μmol)と、色々な当量比に変化したトリシクロへキシルホスホニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩([(Cy)PH][B(C])とをジクロロメタン(1ml)に溶かした後、単量体溶液に投入して4時間90℃で撹拌しつつ反応させた。重合反応及びポリマー回収過程は、実施例1と同じ方法で実施して5−ノルボルネン−2−酢酸アリルの重合体を製造し、その結果を表1に示した。
Figure 2008513568
実施例14ないし16:5−ノルボルネン−2−酢酸アリルの重合
シクロペンテン量を5−ノルボルネン−2−酢酸アリルをモル対比で10:1、5:1、7:3にそれぞれ変化させて5−ノルボルネン−2−酢酸アリルを重合した。5−ノルボルネン−2−酢酸アリル(10mL、61.7mmol)とトルエン(20ml)とを250mLのシュレンクフラスコに投入し、触媒として酢酸パラジウム(Pd(OAc))量をシクロペンテンと単量体との総合モル数対比5000:1の量で使用し、トリシクロへキシルホスホニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩([(Cy)PH][B(C])量は、Pd(OAc)モル数対比で2倍を使用した。重合温度は90℃であり、反応時間は18時間であった。重合反応及びポリマー回収過程は、実施例1と同じ方法で実施して5−ノルボルネン−2−酢酸アリルの重合体を製造し、その結果を表2に示した。
Figure 2008513568
実施例17:5−ノルボルネン−2−酢酸アリルの重合
空気中に露出した状態で5−ノルボルネン−2−酢酸アリル(10mL、61.7mmol)と工業用トルエン(35mL)とを250mLのシュレンクフラスコに投入した。酢酸パラジウム(Pd(OAc))(0.92mg、4.11μmol)と、トリシクロへキシルホスホニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩([(Cy)PH][B(C])(7.9mg、8.23μmol)とにジクロロメタン1mLを入れて溶かした後、単量体溶液に投入した。反応温度を90℃に上げて18時間撹拌した。18時間の反応後に280mLのトルエンを入れて粘度の高い重合体溶液を薄くし、これを過量のエタノールに投入して白色の共重合体沈殿物を得た。この沈殿物をガラス漏斗でろ過して回収した共重合体を真空オーブンで80℃で24時間乾燥して、5−ノルボルネン−2−酢酸アリル重合体9.74g(投入された単量体総量基準で95重量%)を得た。この重合体の重量平均分子量Mは271,010であり、Mw/Mnは2.40であった。
実施例18ないし20:5−ノルボルネン−2−酢酸アリルの重合
重合溶媒として工業用トルエン量と触媒量を変化させて、実施例17と同じ方法で5−ノルボルネン−2−酢酸アリルの重合を行った。重合結果は表3に示した。
Figure 2008513568
実施例21ないし23:5−ノルボルネン−2−酢酸アリルの重合
単量体は5−ノルボルネン−2−酢酸アリル(3mL、18.5mmol)を使用し、重合溶媒はトルエン(11ml)を使用した。トリシクロへキシルホスホニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩([(Cy)PH][B(C])量は、酢酸パラジウム(Pd(OAc))モル対比で2倍を使用し、触媒溶液は、ジクロロメタンを使用して1.23mM濃度で黄色の溶液を製造した。前記触媒溶液を製造した後、それぞれ24ないし48時間(aging time)放置した後に反応させた。反応温度は90℃であり、反応時間は18時間であった。重合反応及びポリマー回収過程は、実施例1と同じ方法で実施して5−ノルボルネン−2−酢酸アリルの重合体を製造し、その結果を表4に示した。
Figure 2008513568
表4の結果から、トリシクロへキシルホスホニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩を含む触媒溶液は、48時間の間黄色を維持し、これを重合した時に、48時間の間重合収率面で90%以上、分子量面で25万ないし29万程度に維持されることを観察できた。トリシクロへキシルホスホニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩を含む触媒は、一定時間が経過した場合にも触媒活性を保存して安定性に優れていた。
実施例24及び25:5−ノルボルネン−2−酢酸アリルの重合
5−ノルボルネン−2−酢酸アリル(5mL、30.9mmol)とトルエン(18ml)とを250mLのシュレンクフラスコに投入した。酢酸パラジウム(Pd(OAc))(0.46mg、2.06μmol)と、トリシクロへキシルホスホニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩([(Cy)PH][B(C])(5.0mg、5.2μmol)とにジクロロメタン1mLを入れて溶かした後、単量体溶液に投入して重合温度を80、150℃に変化させつつ18時間反応させた。重合方法及び重合体の回収過程は実施例1と同様であった。その結果は、下記表5に示した。実施例1の結果も参考のために併記した。
Figure 2008513568
比較例1ないし3:5−ノルボルネン−2−酢酸アリルの重合
触媒系は、酢酸パラジウム(Pd(OAc))、ジメチルアニリウム(テトラキス−ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩([(PhNMeH)[B(C]])、トリシクロへキシルホスフィン(P(Cy))からなる。ジメチルアニリウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩([(PhNMeH)[B(C]]量は、Pd(OAc)モル対比2倍を使用し、P(Cy)をPd(OAc)モル対比で1倍を使用し、触媒溶液は、ジクロロメタンを使用して1.23mMの濃度でオレンジ色溶液を製造した。単量体及び反応条件は、実施例21ないし23と類似した条件で重合を行った。その結果を下記表6に示した。
Figure 2008513568
表6の結果から、ジメチルアニリウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩を含む触媒溶液は、10分程度の経過後にオレンジ色から緑色に変わり、このような緑色の触媒溶液を使用して重合テストを行った場合、触媒製造後の経過時間が24時間程度で80%の重合収率を維持する一方、それ以後には重合収率が次第に減少して48時間には10%以下の収率を示した。結果として、ジメチルアニリウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩を含む比較例1ないし3の触媒溶液は、トリシクロへキシルホスホニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩を含む実施例21ないし23の触媒溶液に比べて不安定であるということを示す。
比較例4:5−ノルボルネン−2−酢酸アリルの重合
シュレンクフラスコに5−ノルボルネン−2−酢酸アリル(5.0g、30mmol)と[Li][B(C](20.6mg、0.0030mmol)とを入れた。[(アリル)PdCl](0.55mg、0.0015mmol)とP(Cy)(0.84mg、0.0030mmol)とをトルエン0.1mLに溶かして単量体側に滴加した。90℃で18時間の反応後、反応溶液を過量のエタノールに投入したが、重合体を得られなかった。
比較例5:5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチルエステルの重合
5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチルエステル(MENB(NB−C(O)−O−CH)、5mL、34.4mmol)とトルエン18mlとを250mLのシュレンクフラスコに投入し、酢酸パラジウム(Pd(OAc))(0.772mg、3.44μmol)と[HP(Cy)][B(C](6.61mg、6.88μmol)とを他の100mlフラスコに投入し、ジクロロメタン1mLを入れて溶解させた。次に、90℃で触媒溶液をシリンジを通じて前記単量体溶液に滴加し、90℃で18時間反応させた。反応後に反応溶液を過量のエタノールに投入して白色の重合体沈殿物を得た。この沈殿物をガラス漏斗でろ過して回収した重合体を真空オーブンで80℃で24時間乾燥して、5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチルエステルの重合体0.8g(投入された単量体総量基準15重量%)を得た。
比較例6:5−ノルボルネン−2−カルボン酸ブチルエステルの重合
5−ノルボルネン−2−カルボン酸ブチルエステル(MENB(NB−C(O)−O−CHCHCHCH)、5mL、34.4mmol)とトルエン17mLとを250mLのシュレンクフラスコに投入し、酢酸パラジウム(Pd(OAc))(0.56mg、2.51μmol)と[HP(Cy)][B(C](4.82mg、5.02μmol)とを他の100mlフラスコに投入し、ジクロロメタン1mLを入れて溶解させた。次に、90℃で触媒溶液をシリンジを通じて前記単量体溶液に滴加し、90℃で18時間反応させた。反応後に反応溶液を過量のエタノールに投入したが、重合体を得られなかった。
比較例7:5−ノルボルネン−2−酢酸アリルの重合
5−ノルボルネン−2−酢酸アリル(5mL、30.9mmol)とトルエン(18ml)とを100mLのシュレンクフラスコに投入した。触媒として酢酸パラジウム(Pd(OAc))(0.69mg、3.09μmol)と[HP(Cy)][B(C](5.94mg、6.18μmol)とをジクロロメタン(1mL)に溶かした後、AlEt(18.5μl、18.5μmol)を添加した。このとき、触媒溶液が黒色に変わる。黒色の触媒溶液を単量体溶液に投入して90℃で撹拌しつつ反応させた。18時間反応させた後、エタノール溶媒を使用して沈殿させたが、ほとんど重合体を得られなかった。
比較例8:5−ノルボルネン−2−酢酸アリルの重合
5−ノルボルネン−2−酢酸アリル(5mL、30.9mmol)とトルエン(18ml)とを100mLのシュレンクフラスコに投入した。触媒として酢酸パラジウム(Pd(OAc))(0.69mg、3.09μmol)と、ジメチルアニリウム(テトラキスペンタフルオロ)ホウ酸塩([PhNMeH][B(C])(5.94mg、6.18μmol)とをジクロロメタン(1mL)に溶かした後、(Cy)P(0.87mg、3.09μmol)とAlEt(3.09μl、3.09μmol)とで製造した(Cy)P・AlEt無色錯体溶液を添加した。このとき、触媒溶液が黒色に変わった。黒色の触媒溶液を単量体溶液に投入して90℃で撹拌しつつ反応させた。18時間反応させた後、反応溶液を過量のエタノールに投入して白色の重合体沈殿物を得た。この沈殿物をガラス漏斗でろ過して回収した重合体を真空オーブンで80℃で24時間乾燥して、重合体0.5g(投入された単量体総量基準10重量%)を得た。
比較例9及び10:5−ノルボルネン−2−酢酸アリルの重合
5−ノルボルネン−2−酢酸アリル(5mL、30.9mmol)とトルエン(18ml)とを250mLのシュレンクフラスコに投入した。酢酸パラジウム(Pd(OAc))(0.46mg、2.06μmol)と、トリシクロへキシルホスホニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩([(Cy)PH][B(C])(5.0mg、5.2μmol)とにジクロロメタン1mLを入れて溶かした後、単量体溶液に投入して重合温度を50℃、170℃に変化させながら18時間反応させた。重合方法及び重合体の回収過程は実施例1と同様であった。その結果を表7に示した。
Figure 2008513568
前記表7に示すように、本発明で限定する温度範囲を外れた場合に、反応収率が大きく低下した。このような収率低下の理由は、詳細な説明に記載した通りである。
比較例11:5−ノルボルネン−2−カルボン酸の重合
5−ノルボルネン−2−カルボン酸10gと[Pd(CCN)Cl] 100mgとを反応フラスコに満たし、140℃で10.5時間反応させて、5.75gの重合体を得た。分子量は1129であった。
比較例12:5−ノルボルネン−2−メチル−酢酸デカニルの重合
5−ノルボルネン−2−メチル−酢酸デカニル(1.03g、3.7mmol)をシュレンクフラスコに入れ、他のフラスコに[(アリル)PdCl](13.15mg、3.60×10−2mmol)とAgSbF(35mg、10.1×10−2mmol)とを入れ、クロロベンゼン2mLを入れて溶かした。AgCl沈殿物をろ過して常温で単量体側に滴加し、24時間反応させた。重合収率は1.01g(98%)であり、重量平均分子量は58,848であった。
比較例13:5−ノルボルネン−2−酢酸アリルの重合
シュレンクフラスコに5−ノルボルネン−2−酢酸アリル(5.0g、30mmol)にLi[B(C]を入れた。[(アリル)PdCl](0.55mg、0.0015mmol)と P(Cy)(0.84mg、0.0030mmol)とをトルエン0.1mLに溶かし、単量体側に滴加した。65℃で4時間反応させて、0.25g(5%)の重合体を得た。
比較例14:5−ノルボルネン−2−酢酸アリルの重合
250mLのシュレンクフラスコに5−ノルボルネン−2−酢酸アリル(5mL、30.9mmol)とトルエン(15ml)とを投入した。このフラスコにジクロロメタン(1mL)に溶かした触媒として、Pd(OAc)(1.4mg、6.2mol)とジメチルアニリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩(10.9mg、13.6mol)とを投入し、18時間90℃で撹拌しつつ反応させた。18時間反応させた後、反応物を過量のエタノールに投入したが、重合体沈殿物を得られなかった。
光学異方性フィルムの製造
実施例26及び27
前記実施例1及び3で得た重合体を下記の表8の組成のように混合してコーティング溶液を製造し、このコーティング溶液をナイフコーターまたはバーコーターを利用してガラス基板上でキャスティングした後、常温で1時間乾燥し、さらに窒素雰囲気下で100℃で18時間乾燥した。乾燥した後に−10℃で10秒間保管した後、ナイフでガラス基板上のフィルムを剥離して厚さ偏差が2%未満である均一な厚さの透明フィルムを得た。これらフィルムに対する厚さ及び400ないし700nmでの透光度を下記の表8に共に表した。
Figure 2008513568
前記表8で、THFはテトラヒドロフランであり、MCは塩化メチレンである。
光学異方性測定
試験例1及び2
前記実施例26及び27による透明フィルムは、それぞれアッベ(Abbe)屈折計を利用して屈折率nを測定し、自動複屈折系(Oji scientific instrument社製;KOBRA−21 ADH)を利用して、面内の位相差値Rを測定し、入射光とフィルム面との角度が50゜である場合の位相差値Rθを測定し、下記数式2によってフィルム厚さ方向と面内のx軸との位相差値Rthを求めた。
Figure 2008513568
またR及びRth値でフィルムの厚さを割って屈折率差(n−n)と屈折率差(n−n)とを求めた。下記の表9にそれぞれの透明フィルムの(n−n)、Rθ、Rth、(n−n)を示した。
また、R及びRth値でフィルムの厚さを割って屈折率差(n−n)と屈折率差(n−n)とを求めた。下記表9にそれぞれの透明フィルムの(n−n)、Rθ、Rth、(n−n)を示した。
Figure 2008513568
また、n>nであるトリアセテートセルロースフィルムを重ねてRθを測定した場合、いずれの環状オレフィン系フィルムのRθ値も増大し、これは、環状オレフィン系フィルムのRthは、厚さ方向にネガティブ複屈折率(n>n)によるものであることを示す。
トリシクロへキシルホスホニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩)化合物の構造を示す写真である。

Claims (22)

  1. 極性官能基を含む環状オレフィン系重合体製造用の触媒システムであって、
    下記化学式1で表示される金属に直接配位されるヘテロ原子を含むリガンドを有する10族金属含有前触媒と、
    下記化学式2で表示されるホスホニウムを有する塩化合物を含む助触媒とからなる極性官能基を含んでなる、環状オレフィン系重合体製造用の触媒システム。
    Figure 2008513568
    〔前記化学式1で、
    Xは、それぞれS、O及びNのうちから選択されたヘテロ原子であり、
    は、−CH=CHR20、−OR20、−SR20、−N(R20、−N=NR20、−P(R20、−C(O)R20、−C(R20)=NR20、−C(O)OR20、−OC(O)OR20、−OC(O)R20、−C(R20)=CHC(O)R20、−R21C(O)R20、−R21C(O)OR20または−R21OC(O)R20であり、前記でR20は、水素、ハロゲン、線形または分枝型炭素数1ないし5のアルキル、線形または分枝型炭素数1ないし5のハロアルキル、炭素数5ないし10のシクロアルキル、線形または分枝型炭素数2ないし5のアルケニル、線形または分枝型炭素数2ないし5のハロアルケニル、置換または非置換の炭素数7ないし24のアラルキルであり、R21は、炭素数1ないし20のヒドロカルビレンであり、
    は、炭素数1ないし20の線形または分枝型アルキル、アルケニルまたはビニル;炭化水素に置換または非置換の炭素数5ないし12のシクロアルキル;炭化水素に置換または非置換の炭素数6ないし40のアリール;炭化水素に置換または非置換の炭素数7ないし15のアラルキル;または炭素数3ないし20のアルキニルであり、
    Mは、10族金属であり、
    pは、0ないし2である。〕
    [(R)−P(R(R4’[Z(R][Ani] <化2>
    〔前記化学式2で、
    a、b、cは、0ないし3の整数であり、a+b+c=3であり、
    Zは、酸素、硫黄、シリコン、または窒素であり、
    dは、Zが酸素または硫黄である場合に1であり、Zが窒素である場合に2であり、Zがシリコンである場合に3であり、
    は、水素またはアルキル、アリール基であり、
    及びR4’、Rは、それぞれ独立して水素;炭素数1ないし20の線形または分枝型アルキル、アルコキシ、アリル、アルケニル、またはビニル;炭化水素に置換または非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキル;炭化水素に置換または非置換の炭素数6ないし40のアリール;炭化水素に置換または非置換の炭素数7ないし15のアラルキル;炭素数3ないし20のアルキニル;トリ(炭素数1ないし10の線形または分枝型アルキル)シリル、トリ(炭素数1ないし10の線形または分枝型アルコキシ)シリル;トリ(置換または非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキル)シリル;トリ(置換または非置換の炭素数6ないし40のアリール)シリル;トリ(置換または非置換の炭素数6ないし40のアリールオキシ)シリル;トリ(炭素数1ないし10の線形または分枝型アルキル)シロキシ;トリ(置換または非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキル)シロキシ;トリ(置換または非置換の炭素数6ないし40のアリール)シロキシであり、このとき、前記それぞれの置換基は、ハロゲンまたは炭素数1ないし20のハロアルキルであり、
    [Ani]は、前記化学式1の金属Mに弱く配位されうる陰イオンであり、ホウ酸塩、アルミン酸塩、[SbF]−、[PF]−、[AsF]−、パーフルオロ酢酸([CFCO]−)、パーフルオロプロピオン酸塩( [CCO]−)、パーフルオロ酪酸塩( [CFCFCFCO]−)、過塩素酸塩( [ClO]−)、p−トルエンスルホン酸塩( [p−CHSO]−)、[SOCF]−、ボラタベンゼン、及びハロゲンに置換または非置換のカルボランからなる群から選択いずれか一つである。〕
  2. 前記化学式2のホウ酸塩またはアルミン酸塩が、下記化学式2aまたは2b:
    [M’(R] <化2a>
    [M’(OR] <化2b>
    〔前記化学式2a、及び2bで、
    M'は、ホウ素またはアルミニウムであり、
    は、それぞれ独立してハロゲン;ハロゲンに置換または非置換の炭素数1ないし20の線形または分枝型アルキル、アルケニル;ハロゲンに置換または非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキル;炭化水素に置換または非置換の炭素数6ないし40のアリール;炭素数3ないし20の線形または分枝型トリアルキルシロキシまたは炭素数18ないし48の線形または分枝型トリアリールシロキシに置換された炭素数6ないし40のアリール;ハロゲンに置換または非置換の炭素数7ないし15のアラルキルである。〕
    で表示される陰イオンからなることを特徴とする、請求項1に記載の極性官能基を含む環状オレフィン系重合体製造用の触媒システム。
  3. 前記化学式1で表示される前触媒及び前記化学式2で表示される助触媒が、それぞれ下記化学式3で表示される10族金属含有前触媒及び下記化学式4で表示される助触媒であることを特徴とする、請求項1に記載の極性官能基を含む環状オレフィン系重合体製造用の触媒システム。
    Figure 2008513568
    〔前記化学式3で、
    X’及びY’は、それぞれS及びOのうちから選択されたヘテロ原子であり、
    ’、R’、R’’及びR’’’は、それぞれ独立して炭素数1ないし20の線形または分枝型アルキル、アルケニルまたはビニル;炭化水素に置換または非置換の炭素数5ないし12のシクロアルキル;炭化水素に置換または非置換の炭素数6ないし40のアリール;炭化水素に置換または非置換の炭素数7ないし15のアラルキル;または炭素数3ないし20のアルキニルであり、
    Mは、10族金属であり、
    r及びsは、0ないし2であり、r+sは2である。〕
    [H−P(R][Ani] <化4>
    〔前記化学式4で、
    は、それぞれ独立して水素;炭素数1ないし20の線形または分枝型アルキル、アルコキシ、アリル、アルケニル、またはビニル;置換または非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキル;置換または非置換の炭素数6ないし40のアリール;置換または非置換の炭素数7ないし15のアラルキル;炭素数3ないし20のアルキニルであり、このとき、前記それぞれの置換基は、ハロゲンまたは炭素数1ないし20のハロアルキルであり、
    [Ani]は、前記化学式1の金属Mに弱く配位されうる陰イオンであり、ホウ酸塩、アルミン酸塩、[SbF]−、[PF]−、[AsF]−、パーフルオロ酢酸([CFCO]−)、パーフルオロプロピオン酸([CCO]−)、パーフルオロ酪酸塩([CFCFCFCO]−)、過塩素酸塩([ClO]−)、p−トルエンスルホン酸塩([p−CHSO]−)、[SOCF]−、ボラタベンゼン、及びハロゲンに置換または非置換のカルボランからなる群から選択いずれか一つである。〕
  4. 前記化学式1で表示される前触媒及び前記化学式2で表示される助触媒が、それぞれ下記化学式3aで表示されるPd金属含有の前触媒、及び下記化学式4で表示される助触媒であることを特徴とする、請求項1に記載の極性官能基を含む環状オレフィン系重合体製造用の触媒システム。
    Figure 2008513568
    〔前記化学式3aで、
    ’、R’、R’’及びR’’’は、それぞれ独立して炭素数1ないし20の線形または分枝型アルキル、アルケニルまたはビニル;炭化水素に置換または非置換の炭素数5ないし12のシクロアルキル;炭化水素に置換または非置換の炭素数6ないし40のアリール;炭化水素に置換または非置換の炭素数7ないし15のアラルキル;または炭素数3ないし20のアルキニルであり、
    r及びsは0ないし2であり、r+sは2である。〕
    [H−P(R][Ani] <化4>
    〔前記化学式4で、R4及び[Ani]は、前記と同様である。〕
  5. 前記化学式1で表示される前触媒で、金属がPdであり、p=2であり、金属に直接配位されるヘテロ原子を含むリガンドがアセチルアセトネートまたはアセテートであり、前記化学式2表示されるホスホニウムを有する塩化合物の助触媒でb=0、c=0、RがHであり、Rがシクロへキシル、イソプロピル、t−ブチル、n−ブチルまたはエチルであることを特徴とする、請求項1に記載の極性官能基を含む環状オレフィン系重合体製造用の触媒システム。
  6. 前記10族の遷移金属を含有する前触媒に対する助触媒の比率が、前触媒1モルに対して0.5ないし10モルでなることを特徴とする、請求項1に記載の極性官能基を含む環状オレフィン重合体製造用の触媒システム。
  7. 前記前触媒及び助触媒からなる触媒混合物を微粒子支持体上に担持させたことを特徴とする、請求項1に記載の極性官能基を含む環状オレフィン系重合体製造用の触媒システム。
  8. 前記微粒子支持体は、シリカ、チタニア、シリカ/クロミア、シリカ/クロミア/チタニア、シリカ/アルミナ、リン酸アルミニウムゲル、シラン化されたシリカ、シリカヒドロゲル、モンモリロナイト粘土またはゼオライトであることを特徴とする、請求項7に記載の極性官能基を含む環状オレフィン系重合体製造用の触媒システム。
  9. 前記前触媒及び助触媒からなる触媒混合物をジクロロメタン、ジクロロエタン、トルエン、クロロベンゼン及びその混合物からなる群から選択された有機溶媒に溶解させて使用することを特徴とする、請求項1に記載の極性官能基を含む環状オレフィン系重合体製造用の触媒システム。
  10. 前記前触媒及び助触媒からなる触媒混合物は、前記前触媒と助触媒とからなる金属触媒錯化合物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の極性官能基を含む環状オレフィン系重合体製造用の触媒システム。
  11. 極性官能基を含む環状オレフィン系重合体の製造方法であって、
    請求項1〜10のいずれか一項に記載の触媒システム混合物を製造する段階と、
    前記触媒システム混合物存在下に、80℃ないし150℃の温度で、極性官能基を含む環状オレフィン系単量体を含む単量体溶液を付加重合させる段階とを含んでなる、極性官能基を含む環状オレフィン系重合体の製造方法。
  12. 前記極性官能基を含む環状オレフィン単量体が、下記化学式5で表示される化合物であることを特徴とする、請求項11に記載の極性官能基を含む環状オレフィン系重合体の製造方法。
    Figure 2008513568
    〔前記化学式5で、
    mは、0ないし4の整数であり、
    、R’、R’’及びR’’’のうち少なくとも一つは、極性官能基を表し、残りは非極性官能基であり、
    、R’、R’’及びR’’’は、互いに連結されて炭素数4ないし12の飽和または不飽和環基、または炭素数6ないし24の芳香族環を形成でき、
    前記非極性官能基は、水素;ハロゲン;炭素数1ないし20の線形または分枝型アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル;炭素数3ないし20の線形または分枝型アルキニル、ハロアルキニル;アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、またはハロアルキニルに置換または非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキル;アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、またはハロアルキニルに置換または非置換の炭素数6ないし40のアリール;またはアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、またはハロアルキニルに置換または非置換の炭素数7ないし15のアラルキルであり、
    前記極性官能基は、少なくとも一つ以上の酸素、窒素、リン、硫黄、シリコン、またはホウ素を含む非炭化水素極性基であって、
    −ROR、−OR、−OC(O)OR、−ROC(O)OR、−C(O)R、−RC(O)OR、−C(O)OR、−RC(O)R、−OC(O)R、−ROC(O)R、−(RO)−OR、−(OR−OR、−C(O)−O−C(O)R、−RC(O)−O−C(O)R、−SR、−RSR、−SSR、−RSSR、−S(=O)R、−RS(=O)R、−RC(=S)R、−RC(=S)SR、−RSO、−SO、−RN=C=S、−NCO、R−NCO、−CN、−RCN、−NNC(=S)R、−RNNC(=S)R、−NO、−RNO
    Figure 2008513568
    であり、
    前記極性官能基で、
    それぞれのR及びR11は、炭素数1ないし20の線形または分枝型アルキレン、ハロアルキレン、アルケニレン、ハロアルケニレン;炭素数3ないし20の線形または分枝型アルキニレン、ハロアルキニレン;アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニルに置換または非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキレン;アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニルに置換または非置換の炭素数6ないし40のアリーレン;またはアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニルに置換または非置換の炭素数7ないし15のアラルキレンであり、
    それぞれのR、R10、R12及びR13は、水素;ハロゲン;炭素数1ないし20の線形または分枝型アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル;炭素数3ないし20の線形または分枝型アルキニル、ハロアルキニル;アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、またはハロアルキニルに置換または非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキル;アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、またはハロアルキニルに置換または非置換の炭素数6ないし40のアリール;アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、またはハロアルキニルに置換または非置換の炭素数7ないし15のアラルキル;またはアルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシであり、
    kは、1ないし10の整数である。〕
  13. 反応系中の有機溶媒の総量が、前記単量体溶液中の総単量体重量対比50ないし800%であることを特徴とする、請求項11に記載の極性官能基を含む環状オレフィン系重合体の製造方法。
  14. 前記触媒混合物が、固相で単量体溶液に投入されることを特徴とする、請求項11に記載の極性官能基を含む環状オレフィン系重合体の製造方法。
  15. 前記触媒混合物が、前記前触媒成分を基準に、前記単量体溶液中の総単量体モル量対比1/2,500ないし1/200,000の量で反応系に投入されることを特徴とする、請求項11に記載の極性官能基を含む環状オレフィン系重合体の製造方法。
  16. 前記単量体溶液が、極性官能基を含まない環状オレフィン系化合物をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の極性官能基を含む環状オレフィン系重合体の製造方法。
  17. 前記単量体溶液が、炭素数1ないし20の線形または分枝型オレフィンをさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載の極性官能基を含む環状オレフィン系重合体の製造方法。
  18. 請求項11に記載の方法で製造された重合体であって、
    下記化学式5で表示される極性官能基を含む環状オレフィン系単量体の付加重合体であり、
    重量平均分子量Mが、10,000ないし1,000,000である極性官能基を含む環状オレフィン系重合体。
    Figure 2008513568
    〔前記化学式5で、
    mは、0ないし4の整数であり、
    、R’、R’’及びR’’’のうち少なくとも一つは、極性官能基を表し、残りは非極性官能基であり、
    、R’、R’’及びR’’’は、互いに連結されて炭素数4ないし12の飽和または不飽和環基、または炭素数6ないし24の芳香族環を形成でき、
    前記非極性官能基は、水素;ハロゲン;炭素数1ないし20の線形または分枝型アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル;炭素数3ないし20の線形または分枝型アルキニル、ハロアルキニル;アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、またはハロアルキニルに置換または非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキル;アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、またはハロアルキニルに置換または非置換の炭素数6ないし40のアリール;またはアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、またはハロアルキニルに置換または非置換の炭素数7ないし15のアラルキルであり、
    前記極性官能基は、少なくとも一つ以上の酸素、窒素、リン、硫黄、シリコン、またはホウ素を含む非炭化水素極性基であって、
    −ROR、−OR、−OC(O)OR、−ROC(O)OR、−C(O)R、−RC(O)OR、−C(O)OR、−RC(O)R、−OC(O)R、−ROC(O)R、−(RO)−OR、−(OR−OR、−C(O)−O−C(O)R、−RC(O)−O−C(O)R、−SR、−RSR、−SSR、−RSSR、−S(=O)R、−RS(=O)R、−RC(=S)R、−RC(=S)SR、−RSO、−SO、−RN=C=S、−NCO、R−NCO、−CN、−RCN、−NNC(=S)R、−RNNC(=S)R、−NO、−RNO
    Figure 2008513568
    であり、
    前記極性官能基で、
    それぞれのR及びR11は、炭素数1ないし20の線形または分枝型アルキレン、ハロアルキレン、アルケニレン、ハロアルケニレン;炭素数3ないし20の線形または分枝型アルキニレン、ハロアルキニレン;アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニルに置換または非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキレン;アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニルに置換または非置換の炭素数6ないし40のアリーレン;またはアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニルに置換または非置換の炭素数7ないし15のアラルキレンであり、
    それぞれのR、R10、R12及びR13は、水素;ハロゲン;炭素数1ないし20の線形または分枝型アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル;炭素数3ないし20の線形または分枝型アルキニル、ハロアルキニル;アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、またはハロアルキニルに置換または非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキル;アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、またはハロアルキニルに置換または非置換の炭素数6ないし40のアリール;アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、またはハロアルキニルに置換または非置換の炭素数7ないし15のアラルキル;またはアルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシであり、
    kは、1ないし10の整数である。〕
  19. 前記極性官能基を含む環状オレフィン系重合体が、極性官能基を含む環状オレフィン系ホモ重合体、互いに異なる極性官能基を含む環状オレフィン系単量体の共重合体、または極性官能基を含む環状オレフィン系単量体と極性官能基を含まない環状オレフィン系単量体との共重合体を含むことを特徴とする、請求項18記載の極性官能基を含む環状オレフィン系重合体。
  20. 請求項18に記載の極性官能基を含む環状オレフィン系重合体を含む、光学異方性フィルム。
  21. 前記光学異方性フィルムが、下記数式1:
    Figure 2008513568
    〔前記数式1で、
    は、波長550nmで測定される面内の高速軸の屈折率であり、
    は、波長550nmで測定される厚さ方向の屈折率であり、
    dは、フィルムの厚さである。〕
    で表示されるリタデーション値Rthが70ないし1000nmであることを特徴とする、請求項20に記載の光学異方性フィルム。
  22. 前記光学異方性フィルムの屈折率が、下記数式
    Figure 2008513568
    〔nは、面内の低速軸の屈折率であり、
    は、高速軸の屈折率であり、
    は、厚さ方向の屈折率である。〕
    で表される関係を満足する液晶ディスプレイ用のネガティブCプレート型光学補償フィルムであることを特徴とする、請求項21に記載の光学異方性フィルム。
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