JP2008512997A - プラスミドdnaの安定な液体製剤 - Google Patents

プラスミドdnaの安定な液体製剤 Download PDF

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Abstract

本発明は、+4℃ないし室温で長期間、安定であり、分解されない状態に留まり、このため、研究、DNAワクチン及び遺伝子治療などのプラスミドを基礎とした治療で使用されるプラスミドDNAの保存に有用であるプラスミドDNA液体製剤に関する。本発明は、+4℃ないし室温で、長期間、プラスミドDNAを安定な形態に保つ方法にも関する。本発明は、DNAワクチン接種又は遺伝子治療などのプラスミドを基礎とする治療によって、ヒト又は動物の身体を治療する方法における、安定なプラスミドDNA液体組成物にも関する。

Description

本発明は、+4℃ないし室温で長期間、安定であり、プラスミドが分解されない状態に留まるプラスミドDNA液体製剤に関する。このような製剤は、このため、DNAワクチン及び遺伝子治療など、研究において、又はプラスミドを基礎とする治療において使用されるプラスミドDNAの保存のために有用である。
分子生物学の発達は、プラスミドを基礎とする治療が、特に、DNAワクチン及び遺伝子治療の分野において、疾病を治療するための有効な方法を補助し得ることを明瞭に示唆する。正常な遺伝子をヒト細胞中に安全且つ有効に送達する1つの有望な方法は、プラスミドDNAを介することである。プラスミドDNAは、その中に目的のDNA配列を挿入することが可能である、細菌DNAの共有結合的に閉じた環状(ccc)又はスーパーコイル状形態である。哺乳類細胞中に導入され得る目的のDNA配列の例には、外来遺伝子、機能的遺伝子、又は変異体遺伝子、アンチセンス配列、RNAi若しくはdsRNAi配列、リボザイム、及び、例えば、ウイルス感染に対するDNAワクチンにおいて、又は心血管疾患、血管新生関連疾患若しくは癌の治療において使用するためのDNA配列が含まれる。一旦、ヒト細胞へ送達されると、プラスミドDNAは、挿入されたDNA配列の複製及びそのコピーの産生を開始する。このように、活性な薬学的成分(API;active pharmaceutical ingredient)としてプラスミドDNAを使用する有望性は、様々な病状を治療するために多大なものであるが、本技術に対する重大な障害として、保存が出現した。実際、プラスミドDNAを最適でない条件中に保つと、その構造は分解し、分子のスーパーコイル状(ccc)トポロジーは、酸化的損傷を介して非活性な形態(開環及び直鎖)へと変換され得る。酸化剤、例えば、フェントン型反応を通じて生成される過酸化水素、スーパーオキシド及びヒドロキシルラジカルが、DNAの酸化的分解の原因である。特に、フリーラジカル酸化経路及び脱プリン化及びβ−脱離が、水性製剤中の高度に精製されたプラスミドDNAに対するDNA分解の主要な原因であり、DNA一本鎖切断又はニッキングを引き起こし、その後、共有結合的に閉じた環状(ccc)二本鎖スーパーコイル状DNAを、弛緩した環状又は開放した環状及び直鎖形態へと変換させる。
プラスミドDNAは、通常、リン酸又はTris緩衝化水溶液中に調合されるが、溶液中には、リン酸又はTris緩衝液が約10mMの濃度で存在する。しかしながら、このような組成物は、一般に、保存中に水溶液中で起こる分解プロセスを被る。これらのプラスミドDNA溶液は、約+4℃及び+25℃の両方で、極めて乏しい安定性を有する。特に、これらの脱プリン化速度は、+4℃ないし室温(RT)では極めて高い。分解過程は、通常、スーパーコイル状DNA、環状DNA及び直鎖DNAの含量の測定によって、並びに、脱プリン化(すなわち、脱プリン部位の蓄積)の速度によって、及び酸化(すなわち、経時的な8−ヒドロキシグアニンの形成)によってモニターされる。
このため、プラスミドDNA薬物製品の長期保存によって、DNAの安定性に影響を与える多くの分解反応がもたらされる。これらの問題を克服するために、室温に及ぶ温度での保存のために、プラスミドDNAは一般的に凍結乾燥されるが、次いで、再調合の操作工程がさらに必要となり、汚染及び/又は分解のさらなる危険性が生じる。
プラスミドDNA中に起こるあらゆる鎖切断が品質及び性能に影響を与えるので、プラスミドDNAの保存及び操作中に経時的に起こる損傷に対して対処すること、及び+4℃から室温にわたる幅広い温度で、プラスミドDNAの長期保存安定性と安全な操作を確保する保存組成物を提供することが重要である。
このように、出願人は、幅広い温度範囲(例えば、最高室温まで)に対して、長期間、安定であり、及び耐性があり、このため、対象への安全な投与の前に、DNAを基礎とする薬物、DNAワクチン又は遺伝子治療の保存、輸送、操作及び配布を容易にするプラスミドDNA用新規液体組成物を発見した。特に、このような液体製剤は、研究及びプラスミドを基礎とする治療(例えば、遺伝子治療及びDNAワクチン)に対して使用され得る高度に精製されたプラスミドDNAに対して有用である。
本発明の第一の主題は、最高+25℃の温度で、長期間、液体製剤中にプラスミドDNAを保存するための組成物である。
要するに、本発明は、プラスミドDNA及びプラスミドDNA組成物のpHを6と9の間に維持するのに十分である最大5mM、最大4mMもしくは最大3mM又は2mMの濃度の緩衝液を含む安定なプラスミドDNA液体保存組成物に関し、これにより、少なくとも80%のスーパーコイル状含量及び20%未満の脱プリン化及びニッキングを受けたプラスミド含量を有するプラスミドDNAを保存することが可能となる。
本発明は、プラスミドDNAと、前記製剤又は組成物のpHを6.2と8.5の間及び/又はこれらの値の一方又は両方から約+/−0.3に維持するのに十分な最大2mMの濃度の緩衝溶液とを含む安定なプラスミドDNA液体保存組成物にも関し、これにより、約+4℃で保存したときに、プラスミドDNAは5%/年未満の脱プリン化速度及びニッキング速度を保持し、及び約+25℃で保存したときに、プラスミドDNAは5%/月未満の脱プリン化速度及びニッキング速度を保持する。
本発明は、プラスミドDNAと、前記製剤又は組成物のpHを6.7と8.0の間及び/又はこれらの値の一方又は両方から約+/−0.3に維持するのに十分な最大2mMの濃度の緩衝溶液とを含む安定なプラスミドDNA液体保存組成物にも関し、これにより、約+4℃で保存したときに、プラスミドDNAは2%/年未満の脱プリン化速度及びニッキング速度を保持し、及び約+25℃で保存したときに、プラスミドDNAは2%/月未満の脱プリン化速度及びニッキング速度を保持する。
本発明は、さらに、プラスミドDNAと、前記製剤又は組成物のpHを7.0と7.5の間約+/−0.3に維持するのに十分な最大2mMの濃度の緩衝溶液とを含む安定なプラスミドDNA液体保存組成物にも関し、これにより、約+4℃で保存したときに、プラスミドDNAは1%/年未満の脱プリン化速度及びニッキング速度を保持することが可能になり、及び約+25℃で保存したときに、プラスミドDNAは1%/月未満の脱プリン化速度及びニッキング速度を保持することが可能になる。
本発明の別の目的は、保存液体組成物中に、安定な形態でプラスミドDNAを保存する方法であり、(i)プラスミドDNAの精製された試料を調製すること、(ii)プラスミドDNAの前記精製された試料と、得られた組成物のpHを6と9の間に保つのに十分な最大2mMの濃度の緩衝溶液とを合わせること、及び(iii)プラスミドDNAを保存すること、を含む前記方法である。
本発明の方法は、約+4℃ないし+25℃の温度で、5%/月未満ないし5%/年未満の脱プリン化及びニッキング速度を有するように、保存溶液組成物中で安定な形態にプラスミドDNAを保持する方法であり、(i)プラスミドDNAの精製された試料を調製すること、(ii)プラスミドDNAの前記精製された試料と、得られた組成物のpHを6.2と8.5の間及び/又はこれらの値の一方若しくは両方から約+/−0.3に保つのに十分な最大2mMの濃度の緩衝溶液とを合わせること、並びに(iii)選択された温度でプラスミドDNAを保存すること、を含む前記方法に関する。
本発明は、約+4℃ないし+25℃の温度で、2%/月未満ないし2%/年未満の脱プリン化及びニッキング速度を有するように、保存溶液組成物中で安定な形態にプラスミドDNAを保持する方法であり、(i)プラスミドDNAの精製された試料を調製すること、(ii)プラスミドDNAの前記精製された試料と、得られた組成物のpHを6.7と8の間又はこれらの値の一方若しくは両方から約+/−0.3に保つのに十分な最大2mMの濃度の緩衝溶液とを合わせること、並びに(iii)選択された温度でプラスミドDNAを保存すること、を含む前記方法にも関する。
本発明は、さらに、約+4℃ないし+25℃の温度で、1%/月未満ないし1%/年未満の脱プリン化及びニッキング速度を有するように、液体組成物中で安定な形態にプラスミドDNAを保持する方法であり、(i)プラスミドDNAの精製された試料を調製すること、(ii)プラスミドDNAの前記精製された試料と、得られた組成物のpHを7.0と7.5の間及び/又はこれらの値の一方若しくは両方から約+/−0.3に保つのに十分な最大2mMの濃度の緩衝溶液とを合わせること、並びに(iii)選択された温度でプラスミドDNAを保存すること、を含む前記方法に関する。
プラスミドDNAの組成物によれば、5mM未満又は4mM未満又は3mM未満の濃度で緩衝溶液を含む。好ましくは、安定なプラスミドDNA保存組成物は、微量レベルで又は最大2mMまで、より好ましくは1mMと2mMの間の極めて希釈された濃度の緩衝溶液を含む。最も好ましくは、緩衝溶液は、6と9の間、又は6.2と8.5の間、好ましくは6.7と8の間、最も好ましくは7と7.5の間に、及び/又はこれらの値の任意の1つ以上から約+/−0.3に前記製剤又は組成物のpHを保つために、1mM未満、250μMと1mMの間又は400μMと1mMの間の濃度で存在する。
本発明の安定な組成物は、混在する染色体DNA、RNA、タンパク質及び内毒素の極めて低レベルを有する高度に精製されたプラスミドDNAを保存するのに特に有用である。このような高度に精製されたプラスミドDNAは、約0.01%未満の宿主細胞RNA夾雑物及び/又は約0.01%未満の宿主細胞タンパク質夾雑物及び/又は約0.01%未満の宿主細胞ゲノムDNA夾雑物を有する。好ましい高度に精製されたプラスミドDNAは、約0.001%未満の宿主細胞RNA夾雑物及び/又は約0.001%未満の宿主細胞タンパク質夾雑物及び/又は約0.001%未満の宿主細胞ゲノムDNA夾雑物を有する。最も好ましい高度に精製されたプラスミドDNAは、約0.0001%未満の宿主細胞RNA夾雑物及び/又は約0.0001%未満の宿主細胞タンパク質夾雑物及び/又は約0.0001%未満の宿主細胞ゲノムDNA夾雑物を有する。
本発明のさらに別の目的は、最大約25℃の温度で安定なプラスミドDNA組成物を調製する方法であり、(1)(a)細胞懸濁液を、細胞を溶解する溶液と迅速に混合するための乱流用の手段及び(b)(a)で形成された混合物を実質的な撹拌なしにインキュベートすることを可能とする層流用の手段を通して、細胞を流動させることを含み、(a)で形成された混合物は、乱流用の手段から層流用の手段中へ流動し、及び(c)プラスミドDNAを細胞から放出させるために、溶解溶液(この溶解溶液は層流用手段から第二の溶液を添加するための手段中へ流動する、(b)でインキュベートされた混合物である。)を中和する第二の溶液を添加するための手段を場合によってさらに含む、細胞を溶解する工程と、(2)このようにして放出されたプラスミドDNAを精製するためのクロマトグラフィーの1段階と、(3)前記精製されたプラスミドDNAと、得られた組成物のpHを6と9の間に保つのに十分な最大2mMの濃度の緩衝溶液を合わせることと、及び(4)プラスミドDNA組成物を最大約25℃の温度に保つこととを含む前記方法である。
本発明は、最大約25℃の温度で保存するための、安定なプラスミドDNA液体製剤を調製する方法であり、(1)(a)細胞懸濁液を、細胞を溶解する溶液と迅速に混合するための乱流用の手段及び(b)(a)で形成された混合物を実質的な撹拌なしにインキュベートすることを可能とする層流用の手段を通して、細胞を流動することを含み、(a)で形成された混合物は、乱流用の手段から層流用の手段中へ流動し、及び(c)プラスミドDNAを細胞から放出させるために、溶解溶液(この溶解溶液は層流用手段から第二の溶液を添加するための手段中へ流動する、(b)でインキュベートされる混合物である。)を中和する第二の溶液を添加するための手段を場合によってさらに含む、細胞を溶解する工程と、(2)このようにして放出されたプラスミドDNAを精製するためのクロマトグラフィーの工程を実施する工程と、(3)透析ろ過及び/又は緩衝液交換の工程を実施する工程と、(4)前記精製されたプラスミドDNAを、得られた組成物のpHを6と9の間に保つのに十分な最大2mMの濃度の緩衝溶液と合わせることと並びに(5)プラスミドDNA液体組成物をバイアルに充填し、最大約25℃の温度でプラスミドDNA組成物を保存することとを含む前記方法にも関する。
本発明の方法によれば、緩衝溶液は、5mM未満、又は4mM未満、又は3mM未満の濃度でプラスミドDNAの組成物に添加される。好ましくは、前記方法は、緩衝溶液の微量レベルの添加、又は最大2mMまで、より好ましくは1mMと2mMの間の極めて希釈された濃度の緩衝溶液の添加とを含む。最も好ましくは、緩衝溶液は、6と9の間又は6.2と8.5の間、好ましくは6.7と8の間、最も好ましくは7と7.5の間に、及び/又はこれらの値の任意の1つ以上から約+/−0.3に前記製剤又は組成物のpHを保つために、1mM未満、250μMと1mMの間又は400μMと1mMの間の濃度で存在する。
本発明のさらなる目的は、研究又は遺伝子治療若しくはDNAワクチンなどのプラスミドを基礎とする治療で使用するための活性な薬学的成分として安定なプラスミドDNA液体製剤を含有するバイアルである。
本発明のさらなる目的は、FGF−1遺伝子をコードする発現カセットを担持するpCORプラスミドである、NV1 FGFと表記されるプラスミドであり、末梢動脈障害(PAOD又はPAD)及び重症虚血肢(CLI)を含む末梢虚血肢(CLI)の治療に有用である精製されたプラスミドDNAを含有するバイアルである。
本発明のさらなる目的及び利点は、以下の記述中に一部が記載されており、一部はこの記述から明白であり、又は本発明の実施によって習得され得る。本発明の目的及び利点は、添付の特許請求の範囲で具体的に指摘された要素及び組み合わせを用いて実現及び達成され得る。
先述した一般的記述及び以下の詳細な記述は何れも例示及び説明的なものにすぎず、特許請求の範囲に記載されている本発明を制限するものではないことを理解しなければならない。本発明に組み込まれ、本発明の一部を構成する添付の図面は、本発明の幾つかの実施形態を例示し、記述とともに、本発明の原理を説明する役割を果たす。
定義
プラスミドDNA製剤又は組成物とは、遺伝子治療又はDNAワクチンなど、研究又はプラスミドを基礎とする治療において使用するための、プラスミドDNAの効率的な量を含む組成物又は効率的な量で存在するプラスミドDNAの製剤を意味する。
安定な保存プラスミドDNA製剤とは、研究又はプラスミドを基礎とする治療のため、それ自体、使用前に長期間安定な形態でプラスミドDNAを保存するために使用され得る製剤を意味する。保存時間は、+5℃から+25℃までの温度範囲(RT:室温)で、数ヶ月、1年、5年、10年、15年又は最長20年の長さであり得る。
一般的に、安定なプラスミドDNA製剤又は組成物とは、少なくとも80%のスーパーコイル状二本鎖DNAの割合を有し、残りが、開環又は/及び直鎖プラスミドの形態である、プラスミドDNA製剤を意味する。
以下において、安定なプラスミドDNA製剤とは、+25℃で保存したときに、5%/月未満の脱プリン化及びニッキング速度(開環プラスミド形態の形成)を有し、及び+5℃で保存したときに5%/年未満の脱プリン化及びニッキング速度を有するプラスミドDNAを含む組成物を意味する。好ましくは、以下において、安定なプラスミドDNA製剤とは、+25℃で保存したときに、2%/月未満の脱プリン化及びニッキング速度(開環プラスミド形態の形成)を有し、及び+5℃で保存したときに2%/年未満の脱プリン化及びニッキング速度を有するプラスミドDNAを含む組成物を意味する。さらに好ましくは、以下において、安定なプラスミドDNA製剤とは、+25℃で保存したときに、1%/月未満の脱プリン化及びニッキング速度(開環プラスミド形態の形成)を有し、及び+5℃で保存したときに1%/年未満の脱プリン化及びニッキング速度を有するプラスミドDNAを含む組成物を意味する。
酸性とは、酸に関連し、又は酸を含有し、7未満のpHを有することを意味する。
アルカリとは、アルカリ若しくは塩基に関連し、又はアルカリ若しくは塩基を含有し、7より大きなpHを有することを意味する。
連続的とは、分断されないこと、分断を有しないことを意味する。
ゲノムDNA(gDNAと短縮される。)とは、染色体から由来し、又は染色体中に存在するDNAを意味する。
層流とは、各粒子が全ての粒子に対して平行な方向に移動する溶液水の流れにおける流動の種類を意味する。
可溶化液とは、細胞溶解の過程によって産生される材料を意味する。溶解するという用語は、溶解剤を含有する溶液を用いた化学的処理を通じて、緩衝溶液中に存在する細胞の細胞壁及び/又は細胞膜(すなわち、細胞懸濁物)を破裂させる作用を表す。溶解剤には、例えば、アルカリ、界面活性剤、有機溶媒及び酵素が含まれる。好ましい実施形態において、細胞の溶解は、完全な状態のプラスミドを宿主細胞から放出するために行われる。
中和するとは、(溶液を)中性にすること、又は(酸又は/塩基アルカリ)に中和を受けさせることである。本用語によって、本発明者らは、溶液を中和する何らかのもの、溶液のpHを5と7の間のpH、好ましくは約7のpH、さらに好ましくは、これらより、より7に近いpHにする、何らかのものを意味する。
ニュートン流体とは、当該流体中においてせん断応力が速度勾配に比例し、及びせん断面に垂直である流体である。比例定数は、粘度として知られている。ニュートン流体の例には、液体及び気体が含まれる。非ニュートン流体とは、当該流体中においてせん断応力が速度勾配のみには比例せず、及びせん断面に垂直である流体である。
非ニュートン流体は、明確に確定される粘度を有し得ない。非ニュートン流体には、可塑性固体、ベキ乗則流体、粘弾性流体(粘性特性と弾性特性を併せ持つ。)及び時間依存性粘性流体が含まれる。プラスミドDNAとは、非内在性DNA断片をその中に挿入する能力を有し得る、染色体でないDNAの環からなる小細胞封入体を意味する。
本明細書において使用されるプラスミドDNAは、例えば、切れ目の入った環状プラスミドDNA、弛緩した環状プラスミドDNA、スーパーコイル状プラスミドDNA、切断プラスミドDNA、直鎖化された又は直鎖のプラスミドDNA及び一本鎖プラスミドDNAの何れか、又は何れかの組み合わせを含む、非染色体DNAの、切断され、加工され、又はその他の操作を施された形態のような、プラスミドDNAのあらゆる形態であることも可能である。プラスミドを構築するための手技には、「Maniatis et al., Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2d, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)」に記載されている手技が含まれる。本分野において周知である、プラスミドDNAミニプレップのためのプロトコール(Birnboim and DoIy, Nucleic Acids Research 7:1513 (1979))は、本発明の幾つかの態様を通じてその後加工するためのプラスミドDNAをまず単離するために使用することが可能であり、本発明の方法から作製された、高度に精製された試料を用いて構築することが可能である。好ましくは、プラスミドDNAの形態は、本発明の精製法による調製後には、実質的に閉環形態のプラスミドDNA、又は約80%、85%、90%、95%、又は約99%超の閉環形態プラスミドDNAであり、少なくとも実質的に閉環形態のプラスミドDNA、又は約80%、85%、90%、95%もしくは約99%超の閉環形態プラスミドDNAである。あるいは、プラスミドDNAのスーパーコイル状の共有結合的に閉じられた形態(ccc)が、幾つかの治療法では好ましい場合があり、この場合、開環、直鎖又は多量体形態より効果的であり得る。従って、医薬等級のプラスミドDNAh、プラスミドの1つ以上の形態から単離又は分離することができ、実質的に1つ以上の所望の形態を含み得る。
本発明において、流動するとは、通常はポンプの作用によって、混合機を通して、ある流速(例えば、リットル/分)で液体を通過させることを表す。混合機を通した流速は、溶解、沈殿及び混合の効率に影響を与えると考えられることに留意すべきである。
「ニックが導入された」及び「弛緩した」DNAという用語は、スーパーコイル状でないDNAを意味する。「スーパーコイル状」DNAとは、プラスミドDNAの特定の単離された形態を記述する上で、本分野において十分に理解されている用語である。プラスミドDNAの他の形態も、本分野において公知である。
「夾雑不純物」とは、それからDNAを分離又は単離することが望まれるあらゆる物質である。夾雑不純物には、宿主細胞タンパク質、内毒素、染色体DNA若しくはゲノムDNAなどの宿主細胞DNA及び/又は宿主細胞RNAが含まれるが、これらに限定されない。夾雑不純物であるもの又は夾雑不純物と考えられるものは、本発明の方法を実施する文脈に依存し得ることが理解される。「夾雑不純物」は、宿主細胞由来であり、又は宿主細胞由来でない場合があり得る。すなわち、夾雑不純物は、宿主細胞不純物であり、又は宿主細胞不純物でない場合があり得る。
第一の成分(DNAなど)を「単離する」又は「精製する」とは、第一の成分が当初一緒に見出された他の成分から第一の成分を濃縮することを意味する。所望される精製及び/又は取得可能な精製の程度は、本明細書に記載されている。
「実質的に存在せず、高度に精製された」という用語は、約95%及び好ましくは98.99%超純粋であり、若しくは夾雑物が存在しないこと、又は5%未満、好ましくは1−2%の夾雑物を有することとして定義される。
本明細書において、医薬等級のDNAとは、細胞成分(細胞膜など)の約5%以下、好ましくは約1−2%を含有するDNA調製物として定義される。
夾雑物が実質的に存在せず、このため医薬等級のDNAである高度に精製されたプラスミドDNAを製造及び単離する方法も記載されている。本発明の方法によって製造及び単離されたプラスミドDNAは、極めて低レベル、すなわち、夾雑している染色体DNA、RNA、タンパク質及び内毒素の百万分率(ppm)を含有し、多くは、閉環形態のプラスミドDNAを含有する。本発明に従って製造されたプラスミドDNAは、研究及びプラスミドを基礎とする治療で使用し、並びにヒト臨床試験材料及びヒト遺伝子治療実験及び臨床試験で場合によって使用するのに十分な純度である。
本発明の「医薬等級プラスミドDNA組成物」とは、本発明の方法によって製造された組成物及び/又は、「医薬等級プラスミドDNA」として以下に定義されている純度レベルの少なくとも1つを有する組成物である。好ましくは、本発明の「医薬等級プラスミドDNA組成物」は、「医薬等級プラスミドDNA」として以下に特定されている少なくとも2つによって定義される純度レベル(例えば、約0.01%未満の染色体又はゲノムDNA、及び約0.01%未満のタンパク質夾雑物、又は例えば約0.01%未満の染色体若しくはゲノムDNA及び約0.1EUの内毒素)の組成物である。医薬等級のプラスミドDNAは、好ましくは、約0.001%未満の染色体又はゲノムDNA及び約0.001%未満のタンパク質夾雑物、又は例えば、約0.001%未満の染色体若しくはゲノムDAN及び約0.1EU/mg未満の内毒素を含有する。より好ましくは、医薬等級のプラスミドDNAは、好ましくは、約0.0001%未満の染色体又はゲノムDNA及び約0.0001%未満のタンパク質夾雑物、又は例えば、約0.0001%未満の染色体若しくはゲノムDAN及び約0.1EU/mg未満の内毒素を含有する。最も好ましい医薬等級のプラスミドDNAは、好ましくは、約0.00008%未満の染色体又はゲノムDNA及び約0.00005%未満のタンパク質夾雑物、又は例えば、約0.00008%未満の染色体若しくはゲノムDAN及び約0.1EU/mg未満の内毒素を含有する。純度レベルの他の組み合わせが、この定義下に含まれる。もちろん、医薬等級のプラスミドDNA組成物は、さらに、組み合わせ治療、組成物及び療法における使用など、何れかの特定の使用に対して所望される添加される成分を含み又は含有することが可能である。染色体若しくはゲノムDNA、RNA、内毒素又はタンパク質のレベルは、精製プロセスから得られるプラスミド又はその他の夾雑物の、細胞を基礎とした産生から得られる夾雑物を表す。
も好ましくは、「医薬等級のプラスミドDNA」は、本明細書において、ゲノムDNA、RNA及び/又はタンパク質夾雑物の1百万分率又はppm(<0.0001%、すなわち、<0.0001mg/プラスミドDNA100mg)以下のレベルで含有するDNA調製物として定義される。同じく、又はより正確には、本明細書における「医薬等級のプラスミドDNA」は、染色体DNA又はゲノムDNAの約0.01%未満、又は0.001%未満、好ましくは0.0001%未満、又は好ましくは0.00008%未満(<0.00008%、すなわち、0.00008mg/プラスミドDNA100mg)を含有するDNA調製物を意味することが可能である。
「医薬等級のプラスミドDNA」は、RNA夾雑物の約0.01%未満、又は0.001%未満、好ましくは0.0001%未満、又は好ましくは0.00002%未満(<0.00002%、すなわち、0.00002mg/プラスミドDNA100mg)を含有するDNA調製物を意味することが可能である。
「医薬等級のプラスミドDNA」は、タンパク質夾雑物の約0.0001%未満、最も好ましくは0.00005%未満(<0.00005%、すなわち、0.00005mg/プラスミドDNA100mg)を含有するDNA調製物も意味することが可能である。
「医薬等級のプラスミドDNA」は、0.1EU/mg内毒素未満を含有するDNA調製物も意味することが可能である。
医薬等級のプラスミドDNAは、本明細書において、好ましくは、主に環状形態であるDNA調製物、より正確には、閉環形態プラスミドDNAの80%超、85%超、90%超、95%超又は99%超を含有するDNAを意味する。
Tチューブとは、管類のT字形状を表し、T字形状は、この形状で作製された管類の単一片によって、又はこの形状を作製するように組み合わされた管類の2以上の片によって形成される。Tチューブは、3つのアーム及びアームが合流する中央部位を有している。2つの流体が、それぞれ、Tのアームの1つに流入し、中央部で合流し、第3のアームへ流出することが可能なので、Tチューブは、成分を混合するために使用され得る。流体が合流するにつれて、混合が生じる。
乱流とは、主流の方向に対して横断する方向への、流体粒子の不規則でランダムな動きを意味し、所定の点での速度の大きさ及び方向は、不規則に変動する。
粘弾性とは、粘性特性と弾性特性の両方を有する流体を表す。
発明の詳細な説明
本発明は、室温で長期間、安定であり、プラスミドDNAが分解されない状態に留まるプラスミドDNA液体製剤に関する。このようなプラスミドDNA製剤は、このため、研究、遺伝子治療及びDNAワクチンなど、プラスミドを基礎とする治療においてプラスミドDNAの保存に対して有用である。
本発明によれば、安定なプラスミドDNA液体保存組成物は、プラスミドDNAと、前記組成物のpHを6と9の間に維持するのに十分である最大5mM又は最大4mM又は最大3mM又は2mMの濃度の緩衝溶液とを含み、前記組成物は、数ヶ月間、1年間、2年間、3年間、4年間、5年間及び最長10年間、約4℃ないし25℃の温度で、プラスミドDNAのスーパーコイル状形態を主に含む。
プラスミドのスーパーコイル状形態を主に有するプラスミドDNAの組成物は、スーパーコイル状又は閉環プラスミドDNAの少なくとも80%又は約85%及び好ましくは約90%又は約95%を含む。最も好ましくは、安定なプラスミドDNAの組成物は、スーパーコイル状又は閉環形態のプラスミドDNAの約99%を含有する。あるいは、プラスミドDNA保存用の安定な組成物は、5%/月未満の脱プリン化及びニッキング速度を与える。
本発明の安定なプラスミドDNA液体保存製剤は、このため、プラスミドDNAと、組成物のpHを少なくとも約6及び最大9に、又は6.2と8.5の間に、及び好ましくは6.7と8の間に、及びより好ましくは7と7.5の間に、及び/又はこれらの値の一方又は両方から約+/−0.3に保つのに十分な最大2mMの濃度の極めて希釈された緩衝溶液緩衝溶液とを含む。
安定なプラスミドDNA液体組成物は、前記製剤又は組成物のpHを6.2と8.5の間及び/又はこれらの値の一方又は両方から約+/−0.3に維持するための最大2mMの濃度の緩衝溶液を含み、これにより、約+4℃で保存したときに、5%/年未満の脱プリン化速度及びニッキング速度での、及び約+25℃で保存したときに、5%/月未満の脱プリン化速度及びニッキング速度でのプラスミドDNAの保存が可能となる。
好ましくは、安定なプラスミドDNA液体組成物は、前記製剤又は組成物のpHを6.7と8の間及び/又はこれらの値の一方又は両方から約+/−0.3に維持するための最大2mMの濃度の緩衝溶液を含み、これにより、約+4℃で保存したときに、2%/年未満の脱プリン化速度及びニッキング速度での、及び約+25℃で保存したときに、2%/月未満の脱プリン化速度及びニッキング速度でのプラスミドDNAの保存が可能となる。
さらに好ましくは、安定なプラスミドDNA液体組成物は、前記製剤又は組成物のpHを7と7.5の間及び/又はこれらの値の一方又は両方から約+/−0.3に維持するための最大2mMの濃度の緩衝溶液を含み、これにより、約+4℃で保存したときに、1%/年未満の脱プリン化速度及びニッキング速度での、及び約+25℃で保存したときに、1%/月未満の脱プリン化速度及びニッキング速度でのプラスミドDNAの保存が可能となる。
緩衝溶液のモル濃度は、pH値が6と9の間に、又は6.2と8.5の間に、好ましくは6.7と8の間に、最も好ましくは7と7.5の間に、及び/又はこれらの値の何れかから約+/−0.3に安定化される限度内及び容量で緩衝効果を発揮するように決定される。緩衝溶液は、このため、5mM未満の濃度で添加され得る。好ましくは、安定なプラスミドDNA保存組成物は、緩衝溶液の微量又は最大2mMまで、より好ましくは1mMと2mMの間の極めて希釈された濃度の緩衝溶液を含む。最も好ましくは、緩衝溶液は、6と9の間、又は6.2と8.5の間、好ましくは6.7と8の間、最も好ましくは7と7.5の間に、及び/又はこれらの値の任意の1つ以上から約+/−0.3に前記製剤又は組成物のpHを保つために、1mM未満、250μMと1mMの間、又は400μMと1mMの間の濃度で存在する。
緩衝溶液は、最大2mM又は1と2mMの間の濃度で存在する。好ましくは、緩衝溶液は、1mM未満の濃度で存在する。最も好ましくは、緩衝溶液は250μMの低濃度及び最大1mMの濃度の微少レベルとして存在する。緩衝溶液の微少レベルは約400μMであり得、本明細書中に上記された範囲にpHを維持するのに十分であり得る。
本発明の組成物中で使用され得る緩衝溶液は、トリス[トリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタン]若しくはリジン及び強酸(例えば、塩酸)又は弱酸(例えば、マレイン酸、リンゴ酸又は酢酸)から選択される酸を含む酸/塩基系、又はHepes[2−(4−(2−ヒドロキシエチルピペラジン)−1−イル)エタンスルホン酸]及び強塩基(例えば、水酸化ナトリウム)若しくはリン酸ナトリウム若しくはリン酸カリウムなどのリン酸緩衝液を含む酸/塩基系の何れかからなる。緩衝溶液は、トリス/HCl、リジン/HCl、トリス/マレイン酸、トリス/リンゴ酸、トリス/酢酸又はHepes/水酸化ナトリウムも含み得る。好ましくは、本発明の安定なプラスミドDNA保存組成物中では、トリス緩衝液が使用される。
以下の実施例で示されているように、本発明のプラスミドDNA製剤は、4℃及び室温(RT)、例えば、20℃又は25℃の両方で、優れた安定性を示す。
本発明の組成物は、生理的食塩水賦形剤をさらに含み得る。本発明の組成物中で使用され得る生理的食塩水賦形剤は、アセタート、ホスファート、カルボナート、SO −4、Cl、Br、NO 、Mg2+、Li、Na、K及びNH からなる群から選択される陰イオン及び陽イオン、並びに以前に入手可能な又は使用された薬学的化合物のあらゆるその他の塩又は形態を含み得る。好ましい生理的食塩水賦形剤は、100と200mMの間、好ましくは約150mMの濃度のNaClである。
本発明の安定な組成物は、混在する染色体DNA、RNA、タンパク質及び内毒素の極めて低レベルを有する高度に精製されたプラスミドDNA又は医薬等級のプラスミドDNAを保存するのに特に有用である。このような高度に精製されたプラスミドDNAは、約0.01%、若しくは0.001%、若しくは0.0001未満の宿主細胞RNA夾雑物、及び/又は約.01%、若しくは0.001%、若しくは0.0001未満の宿主細胞タンパク質夾雑物、及び/又は約.01%、若しくは0.001%、若しくは0.0001未満の宿主細胞ゲノムDNA夾雑物を有する。
本発明の組成物は、さらに、例えば、ポリエチレングリコール、Pluronic又はポリソルベート糖から選択されるポリマー又はアルコールなどの、補助剤をさらに含み得る。
別の態様によれば、本発明は、組成物中のプラスミドDNAを保持する方法であり、a)プラスミドDNAの精製された試料を調製すること;及びb)プラスミドDNAの前記精製された試料と、得られた組成物のpHを6.2と9の間に保つ最大2mMの濃度の緩衝溶液とを合わせること、を含む前記方法に関する。好ましくは、pHは、6.5と8.5の間、好ましくは6.7と8の間、最も好ましくは7と7.5の間、より具体的には約7.2に維持される。
本発明は、組成物中のプラスミドDNAを保持する方法であり、a)プラスミドDNAの精製された試料を調製すること、b)プラスミドDNAの前記精製された試料と、得られた組成物のpHを6と9の間に保つのに十分な最大2mMの濃度緩衝溶液を合わせること;及びc)プラスミドDNAを保存すること、を含む前記方法にも関する。本発明の方法によって、少なくとも80%のスーパーコイル状プラスミドDNAを有するようにプラスミドDNAを保存することが可能となる。
得られた組成物のpHは、6.2と8.5の間に、及びこれらの値の一方又は両方の約+/−0.3に維持され得、これにより、約+4℃ないし+25℃の温度で、5%/月未満ないし5%/年未満の脱プリン化及びニッキング速度を有するようにプラスミドDNAを保存することが可能となる。
好ましくは、得られた組成物のpHは、6.7と8の間に、及び約+/−0.3に維持され得、これにより、約+4℃ないし+25℃の温度で、2%/月未満ないし2%/年未満の脱プリン化及びニッキング速度を有するようにプラスミドDNAを保存することが可能となる。
最も好ましくは、得られた組成物のpHは、7と7.5の間に、及びこれらの値の一方又は両方の約+/−0.3に維持され得、これにより、約+4℃ないし+25℃の温度で、1%/月未満ないし1%/年未満の脱プリン化及びニッキング速度を有するようにプラスミドDNAを保存することが可能となる。
本発明の方法によれば、緩衝溶液は、最大1mM、又は1mMと2mMの間の濃度でプラスミドDNAの組成物に添加される。好ましくは、緩衝溶液は、1mM未満の濃度に達するように添加される。最も好ましくは、緩衝溶液は250μMの低濃度及び最大1mMの濃度の微少レベルとして存在する。緩衝溶液の微少レベルは約400μMであり得、本明細書中に上記された範囲にpHを維持するのに十分であり得る。
本発明の方法によれば、生理的食塩水賦形剤は、プラスミドDNA及び緩衝溶液にさらに添加され得る。これらは、本明細書に上記されている。好ましい生理的食塩水賦形剤は、100と200mMの間、好ましくは約150mMの濃度のNaClである。
本発明の組成物中に調合されるプラスミドDNAは、単離された形態であり得る。本発明の組成物中に調合され得るプラスミドDNAは、細菌細胞溶解及び本明細書に記載されている精製を介して単離され得るか、又は自動化された核酸合成装置を介して合成され得る。
プラスミドDNAは、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むことができ、ポリヌクレオチドは、例えば、げっ歯類又はヒト遺伝子などの哺乳類由来の治療用遺伝子などの導入遺伝子であり得、プロモーター配列へ作用可能に連結される。プラスミドDNA内に挿入されるポリヌクレオチドは、ゲノム由来であり得、従って、そのゲノム機構中に反映されるようにエキソン及びイントロンを含有するか、又は相補的DNA由来であり得る。ポリヌクレオチドは、免疫原ペプチド若しくはタンパク質、血管新生因子、エリスロポエチン、アデノシンデアミナーゼ、第VIII因子、第IX因子、ジストロフィン、β−グロビン、LDL受容体、CFTR、インシュリン、抗血管新生因子、成長ホルモン、α1−アンチトリプシン、フェニルアラニン水酸化酵素、チロシン水酸化酵素、インターロイキン及びインターフェロンなど(これらに限定されない。)、様々なあらゆるポリペプチドをコードすることが可能である。好ましくは、プラスミドDNAは、FGF遺伝子(FGF−1ないしFGF22)、VEGF、HGF又はHIF−1などの血管新生因子をコードするポリヌクレオチドを含む。ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの使用に対する代替として、ポリヌクレオチドは、標的遺伝子の発現を阻害するために使用し得るsiRNAをコードすることが可能であり、例えば、この場合、遺伝子発現は望ましくないか(例えば、病原体の遺伝子)、又は遺伝子発現のレベルは細胞中で望ましくないほど高い。様々な脊椎動物系中での使用に適したプロモーターは周知であり、例えば、RSV、LTR、MPSV、LTR、SV40、メタロチオネインプロモーターが含まれ、CMV IEPを有利に使用し得る。
プラスミドDNAは、原核細胞及び真核細胞ベクター並びにpBR322及びpUCベクター及びこれらの派生物などの発現ベクターを含み得る。これらは、様々な複製起点、例えば、pMB1及びCo1E1など、原核細胞の複製起点、又は酵母、真菌、昆虫及び哺乳類細胞中での複製を促進する複製起点(例えば、SV40 ori)など、真核細胞の複製起点を取り込み得る。
挿入物は、あらゆる生物由来のDNAを含み得るが、好ましくは、哺乳類起源のDNAであり、治療タンパク質をコードする遺伝子に加えて、プロモーター、エンハンサー、遺伝子座調節領域、選択可能な遺伝子、導入遺伝子を挿入するためのポリリンカー、リーダーペプチド配列、イントロン、ポリアデニル化シグナル又はこれらの組み合わせを含み得る。ベクター、起点及び遺伝的要素の選択は、必要に応じて変動し、当業者の範疇に十分属する。選択可能なマーカーは、例えば、抗生物質耐性遺伝子、例えば、SupPhe tRNA、テトラサイクリン、耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子、ピューロマイシン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子及びチミジンキナーゼ耐性であり得る。プラスミドの骨格は、哺乳動物、他の真核生物、原核生物又はウイルスのDNAの断片の挿入を可能とし、得られたプラスミドは精製し、インビボ又はエキソビボの、プラスミドを基礎とした療法で使用され得る。
好ましくは、米国公開出願2003/1618445号に記載されているpCORプラスミドなどの条件的複製起点が使用される。得られた高コピー数は、染色体DNA、RNA、細胞タンパク質及び補因子に対するプラスミドDNAの比を大幅に増加させ、プラスミド収率を改善させ、より容易な下流での精製を促進する。従って、本発明に従って、任意のプラスミドDNAを使用し得る。代表的なベクターには、NV1FGFプラスミドが含まれるが、これに限定されない。NV1FGFは、末梢動脈閉塞障害(PAOD)又は末梢動脈障害(PAD)を有する患者を治療するのに有用な、酸性繊維芽細胞増殖因子又は繊維芽細胞増殖因子1型(FGF−1)をコードするプラスミドである。「Camerota et al.(J Vase.Surg., 2002, 35, 5:930−936)」は、再構築不能な終末期のPADを有し、静止時の疼痛又は組織壊死を有する51人の患者が、NV1FGFの単回又は反復漸増用量を虚血状態の腿及びふくらはぎ中に筋肉内注射されたことを記載している。続いて、経皮酸素圧、足首及び足指上腕血圧比、痛みの評価及び潰瘍の治癒などの様々なパラメータが評価された。NV1FGF投与後に、上腕血圧比の顕著な増加、痛みの軽減、潰瘍サイズの転換及び血流の改善が観察された。
別の態様によれば、本発明は、治療によるヒトの身体又は動物の身体の処置方法において使用するための、本明細書に上記されている組成物を提供する。好ましくは、本発明の組成物は、末梢虚血、末梢動脈疾患(例えば、PAOD又はPAD)、重症虚血肢(CLI)及び間欠性跛行(IC)などの心血管疾患のために、FGF又はVEGFファミリーの血管新生遺伝子をコードするpCORプラスミドを含有する。
別の好ましい使用として、プラスミドDNAは、免疫ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、DNAワクチンとして使用され得る。本発明は、このため、ヒト又は動物のワクチン接種のための組成物を提供し、これにより、細胞内ウイルスなどの感染性因子に対して、及び腫瘍細胞に対しても有効な免疫を生成する。実際、プラスミドDNA安定組成物は、ある種のウイルスタンパク質及び本来乏しい免疫応答を惹起する癌特異的抗原の免疫原性を大幅に強化するためのDNAワクチンとして使用され得る。これらは、ヘルペスウイルス、非A非B肝炎及びHIVから得られる免疫原性が乏しいウイルスタンパク質に対して細胞傷害性T細胞免疫の誘導のために有用である。
プラスミドDNAは、内在性免疫原として作用して、液性若しくは細胞性応答若しくは両応答を誘発することが可能な免疫付与ポリペプチド又は抗体をコードし得る。これに関して、「抗体」という用語は、あらゆるクラスの完全な免疫グロブリン、2重又は多重抗原又はエピトープ特異性を有するキメラ抗体及びハイブリッド抗体、並びにF(ab)、Fab’、Fabなどの断片(ハイブリッド断片を含む。)を包含する。「抗体」の意味には、このような断片のコンジュゲート、及び、例えば米国特許第4,704,692号(その内容は、参照により、本明細書に組み込まれる。)に記載されているような、いわゆる抗原結合タンパク質(一本鎖抗体)である。このため、抗体の可変領域をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドDNAは、インサイチュで抗体を製造するために使用し得る。抗体をコードするポリヌクレオチドの取得に関連する例示的な方法については、「Ward et al. Nature, 341 :544−546 (1989); Gillies et al., Biotechnol. 7:799−804 (1989); and Nakatani et al., loc. cit., 805−810 (1989)」を参照。抗体は、順次、例えば、病原体を伴っている表面抗原に結合することによって、治療的効果を発揮する。あるいは、コードされた抗体は、例えば、米国特許第4,699,880号には記載されている抗イディオタイプ抗体(他の抗体に結合する抗体)であることが可能である。このような抗イディオタイプ抗体は、治療された個体中の内在性又は外来抗体に結合することができ、これにより、例えば自己免疫疾患との関連において、免疫応答を伴う病的症状を軽減又は予防する。
本発明の組成物は、このため、ヒト又は動物中にインビボで投与されることができ、筋肉、皮膚、脳、肺、肝臓、脾臓又は血液の細胞など、動物の身体の様々な細胞へとプラスミドDNAを送達することが可能となる。インビボでのポリヌクレオチドの直接的送達は、好ましくは、筋肉又は皮膚の細胞への送達である。注射は、対象の有効な免疫化を提供するために、例えば、注射器又はワクチン銃を用いて、筋肉又は皮膚内に行い得る。実際に、対象の細胞(抗原を今発現している形質移入された細胞)中に導入されている抗原に関する遺伝子は、加工されて、正常な細胞経路によって細胞系に提示される。アジュバント又はリンホカインは、おそらく、免疫化をさらに強化するために同時注射され得る。
例えば、本プラスミドDNA安定組成物は、例えばB型肝炎、HIV及びヘルペスウイルス群の要素など、ウイルスが不活性な形態又は部分的に活性な形態で細胞内に維持されている潜伏性ウイルス感染症を治療するために、ウイルスに対するワクチン接種用に、又はDNAワクチンとして使用され得る。本発明のプラスミドDNA組成物は、さらに、悪性状態、発癌遺伝子、胎児抗原又は活性化マーカーに対して特異的なタンパク質に対する細胞免疫応答を強化するために、悪性疾病の治療用に使用され得る。
本発明の長期保存のために調合されたプラスミドDNA(pDNA)は、通常、細菌細胞中で産生され、次いで、溶解に供されて、pDNAがそこから単離される細胞内容物を放出する。
このプロセスは、一般に、細胞再懸濁、細胞溶解、宿主夾雑物の中和及び沈降を含む3つの工程を伴う。細胞再懸濁は、通常、手動撹拌又は磁気撹拌機、及び再懸濁緩衝液中に細胞を再懸濁するためにホモゲナイザー又は羽根車混合機を使用する。
細胞溶解は、再懸濁された細胞を溶解溶液(リゾチーム又は希釈されたアルカリ(塩基)、例えば、アルカリ又は酢酸カリウム(KOAc)など、及び界面活性剤からなる。)と混合するための手動旋回又は磁気撹拌、次いで、室温(20−25℃)又は氷上で、5分など一定期間、混合物を保持して溶解を完結することによって実施され得る。細菌懸濁物のRNAを分解するために、RNアーゼも一般的に添加される。第3段階は、宿主夾雑物の中和及び沈殿である。第2の段階から得られる可溶化液は、通常、高分子量染色体DNA、宿主タンパク質及びその他の宿主分子の変性及び沈殿を促進するために、10−30分間、氷中に設置する前に、可溶化液を酸性化するための穏やかな旋回又は磁気撹拌によって、冷たい中和溶液と混合される。
リゾチーム処理を用いて、細胞溶解を実施する場合、細菌をリゾチームと接触させ、次いで適切な緩衝液中で20ないし40秒間、約100℃で沸騰させ、ゲノムDNA、タンパク質及び破片の不溶性塊を形成し、RNAを主要夾雑物として有する溶液中のプラスミドを残存させる。次に、細胞質膜を溶解する目的のために、NaOH及びドデシル硫酸ナトリウム(SDS)の混合された溶液を添加する。NaOHは、部分的にDNAを変性させ、及び部分的にRNAを分解し、SDSは、膜及び変性タンパク質を溶解するように作用する。続いて、5N酢酸カリウム(pH4.8)を添加することによって、SDS−タンパク質複合体及び細胞破片を沈降させる。この時点で、前記操作で使用されたNaOHを中和するために、及びプラスミドを再生するために、pHが重要である。その後、沈殿物を除去するために遠心を適用して、上清中の目的のプラスミドDNAを取得する。
あるいは、アルカリ溶解が実施され、アルカリ溶解は、細菌細胞の懸濁液をアルカリ溶解溶液と混合することからなる。アルカリ溶解溶液は、細菌細胞を溶解し、細胞内物質を放出させるための界面活性剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS))並びに細胞のタンパク質及び核酸(特にgDNA及びRNA)を変性させるためのアルカリ(例えば、水酸化ナトリウム)からなる。細胞が溶解され、DNAが変性されるにつれて、溶解の粘度は劇的に上昇する。変性後、水酸化ナトリウムを中和するために酸性溶液(例えば、酢酸カリウム(溶液3))を添加し、核酸の再生を誘導する。gDNAの長い断片はランダムに再会合し、毛くずのように沈殿するネットワークを形成し、タンパク質、脂質及びその他の核酸を封入する。ドデシル硫酸のカリウム塩も沈殿し、これと会合しているタンパク質を取り除く。互いに絡み合ったpDNA(プラスミドDNA)の2本鎖は、通常、再会合して、溶液中に残存する当初のプラスミドを再形成する。
これらの化学工程は、5リットル未満の細菌発酵の小規模又は小容量で細胞を溶解するのに適し得るが、粘度の増加は、大規模なプロセッシングをより困難とし得る。
溶解技術は、バッチモードで実施され得る、すなわち、溶液を容器又はタンクへ順次添加することによって異なる溶液が混合される。細胞懸濁液を含有する溶液が溶解溶液と混合された後、粘弾性アルカリ可溶化液を中和溶液と混合する。一連の静的混合機を用いて、様々な細胞溶解溶液を連続的に混合することは、特に、大規模なプラスミド作製が想定される場合、バッチ法に対する代替法として使用され得る。これらの方法に従って、細胞懸濁溶液及び細胞溶解溶液は、静的混合機へ同時に添加される。第一の静的混合機を出る溶解された細胞溶液及び沈殿溶液を、次いで、第2の静的混合機へ添加する。この第2の混合機を出る溶液は、沈殿された可溶化液及びプラスミドを含有する。細胞を溶解する他の連続法には、懸濁された細胞が70から100℃まで加熱されるフロースルー式熱交換機の使用が含まれる。熱交換機中での細胞溶解の後、排出流を連続フロー又はバッチ式遠心にかけ、この間、細胞破片及びゲノムDNAが沈殿し、プラスミドDNAは上清中に残存する。
特に大規模なスケールでの、細菌細胞懸濁液の連続的アルカリ溶解のための好ましい方法は、国際特許公開WO05/026331号(参照により組み込まれる。)中に記載されている。この好ましい方法は、流体の粘弾性特性及び混合工程中に伴われるせん断力によって引き起こされる問題に対処し、せん断力を制限する上で大きな利点を与える。従って、本明細書にさらに記載されている、宿主細胞の連続アルカリ溶解の拡張可能な方法を用いて、プラスミドDNAの高収量を調製し得る。
第1段階として、宿主細胞を接種する。すなわち、指数的増殖期細胞をプラスミドDNAで形質転換し、テトラサイクリンなどの抗生物質を含有するLB培地を含有するプレート上に画線する。次いで、プレートから得られる単一のコロニーを、別々の滅菌プラスチックエルレンマイヤーフラスコ中の適切な抗生物質テトラサイクリンを補充した20mLのLB培地中にそれぞれ接種し、12〜16時間、37℃で、振盪インキュベータ中で増殖させる。次いで、2Lのエルレンマイヤーフラスコ中に補充された滅菌LB培地200mLを接種するために、これらの培養物の1つを使用した。振盪インキュベータ中にて、37℃及び200rpmで、これを増殖させ、2個の5Lのエルレンマイヤーフラスコを接種するために使用し、振盪インキュベータ中において、30℃及び200rpmで増殖させ、5時間後及び2単位のOD600nmで、対数中期にあるときに、発酵容器を接種するために使用した。
宿主細胞培養及び接種は、本分野において周知である。一般に、宿主細胞は、高バイオマスに到達するまで増殖させ、プラスミドDNAの大量を有するために、細胞は指数増殖にある。2つの異なる方法、すなわち、バッチ及びフェド−バッチ発酵を使用し得る。
バッチ発酵は、使用される増殖温度及び炭素源の操作を通じて、増殖速度を調節できる。本明細書において使用される「バッチ発酵」という用語は、細胞増殖及び培養される細胞中に含有されるプラスミドの製造に必要とされる全ての栄養素が、接種の時点で、容器中に大過剰(例えば、栄養素の10倍過剰濃度など)で存在し、これにより、滅菌後添加後に滅菌容器へ付加する必要、及び複雑なフィーディングモデルと戦略の必要を回避する細胞培養プロセスである。特に、バッチ培地中の酵母抽出物の量は、5g/L(LB培地中のように)から20g/Lまで濃縮されるため、増殖因子及び核酸前駆体が大量に得られる。培地には、有機窒素源として作用する硫酸アンモニウム(5g/L)も補充される。
発酵の別の種類は、細胞増殖中の培養物への栄養素の添加によって細胞増殖速度が調節される、フェドバッチ発酵である。本明細書において使用される「フェドバッチ発酵」は、発酵中の培養物へ、代謝物をモニターして慎重に添加することにより、増殖速度が調節される細胞培養プロセスを表す。本発明のフェドバッチ発酵によって、細胞培養物はバッチ発酵より高いバイオマスに到達することが可能となる。発酵プロセス及びフィード添加の典型的な速度の例が、50Lの調製物に対して以下に記載されている。しかしながら、他の容量、例えば、10L、50L、又は500L超も、装置の規模に応じて、以下に記載されている典型的なフィード速度を用いて処理され得る。高度に濃縮されたバッチ培地及びフェドバッチ培地発酵は、特異的なプラスミド収量を最大化するため、及びなお指数増殖状態にある際に高いバイオマスで採集することを可能とする。フェドバッチ発酵は、炭素源として、グルコース又はグリセロールを使用する。発酵は、当初の炭素基質(グルコース)が全て消費されるまで、バッチモードで実行される。この点は、DOの突然の上昇によって示され、この現象の直後に採取された試料のグルコース分析によって確認される。次いで、予め準備を整えたフィード培地ポンプを開始する。ポンプ速度は、「Curless et al.(Bioeng.38:1082−1090, 1991)」(参照により、その全部が本明細書中に組み込まれる。)から誘導されたモデルによって決定される。このモデルは、フェドバッチプロセスのフィード相の調節を促進するように設計されている。最初のバッチプロセスでは、基質の非阻害的濃度が、最大特異的増殖速度で増殖している細胞によって消費され、接種後バイオマスレベルの急速な上昇が得られる。毒性代謝物の蓄積のために、培養物は、この速度で無限に増殖することはできない(Fieschio et al., “Fermentation Technology Using Recombinant Microorganisms.” In Biotechnology, eds. H. J. Rhem and G. Reed. Weinheim:VCH Verlagsgesellschaft mbH 7b:117−140, 1989)。継続的な対数増殖を可能とするために、このモデルは、フィードバック対照を必要とせずに、増殖制限炭素基質の時間に基づいた供給速度を計算して、操作者による設定で増殖のフェドバッチ相を与える。これは、阻害的異化産物の蓄積を引き起こず、高バイオマスを与えるのに十分であるレベルで選択される。フェドバッチ発酵におけるフィーディングプロセス中の前駆体(硫酸アンモニウムの形態の有機窒素)の添加は、プラスミドの品質に対する有害な効果を抑制するように設計される。
本分野で周知の溶解法には、例えば、プラスミドを含有する微生物細胞のフロースルー加熱溶解が含まれ、使用することができる。このプロセスは、とりわけ、国際特許公開WO96/02658に記載されている。具体的な熱交換機は、コイル形状の外径10フィート×0.2インチのステンレス鋼チューブからなった。定常の高温水浴中に、コイルを完全に浸漬する。コイルのホールドアップ容積は、約50mLである。それぞれ、入口及び出口温度並びに水槽温度を測定するために、熱電対及び温度計を使用した。シリコーンの配管を有するMasterflex蠕動ポンプを用いて、産物流を加熱コイル中にポンプで注ぎ込む。細胞可溶化液はコイルを出た後、清澄化のためにBeckman J−21バッチ遠心機中で遠心される。遠心後、本発明の精製法用いて、プラスミドDNAを精製し得る。
別の細胞溶解は、直列の静止型混合機を使用し得る。WO97/23601(参照により、本明細書に組み込まれる。)に記載されているように、第1の静止型混合機を通して細胞を溶解するため、及び、第2の静止型混合機を通して細胞可溶化液を沈殿させるための第1の静止型混合機を、本発明のプラスミドDNAを精製する方法の前に細胞を溶解する別の方法として使用し得る。細胞の大容量は、静止型混合機を用いて、直列にして、穏やか且つ連続的に溶解することが可能であり、その他の静止型混合機は、希釈及び沈殿など他の機能を達成するために直列に配置される。本発明の方法において有用な適切な静止型混合機には、本発明の方法を可能とするのに十分の長さの、本分野において、静止型又は固定混合機と称される装置を通じたあらゆるフローが含まれる。例えば、細胞を溶解するために、静止型混合機は、混合機を通過する間に5が対象細胞の溶解を引き起こすように、溶解溶液と細胞間に十分な接触時間を与え得る長さを有する必要があるであろう。適切な静止型5混合機は、2つの液体を反対方向の回転流中で互いに接触するようにして、液体を乱流中で一緒に混合させる内部螺旋構造を含有する。
細胞溶解のための最も好ましい方法又は装置は、(a)細胞懸濁液(図1では溶液1)を、細胞を溶解する溶液(図1では溶液2)と迅速に混合するための乱流用の手段及び(b)(a)で形成された混合物を、実質的な撹拌なしにインキュベート可能とするための層流用手段を含み、(a)で形成された混合物は、乱流用の手段から層流用の手段中へ流動する。さらに、これは、溶解溶液(図1では溶液3)を中和する第3の溶液を添加するための手段を含むことができ、(b)中でインキュベートされた混合物は、層流用手段から、第2の溶液を添加するための手段中へ流動する。このため、例えば、このプロセスは、細胞からプラスミドDNAを単離するために使用することができ、(a)細胞を乱流用手段中のアルカリ溶解溶液と混合すること、及び(b)酸性溶液を添加することによってアルカリ溶解溶液を中和することを含む。
このプロセスは、細胞懸濁液(溶液1)とアルカリ溶液(溶液2)を、粘弾性流体が出現する前に均一且つ極めて迅速に混合することにより、せん断力を限定する上で主要な利点を与えるためのTチューブを使用している。Tチューブは、混合された流体の接触時間を増加するために、一般的に小さな直径の管を有し、通常、1cm、好ましくは約2と8mm、より好ましくは約6mmの内径を有するが、この方法は、管の通過によって誘導される混合を使用しない。本明細書の下表1は、それぞれ、乱流、層流及び乱流用手段のパラメータB1a、B1b、B2のバリエーション及び図1に表示されているような対応する流速S1、S2及びS3を示している。
Figure 2008512997
本方法は、細胞の溶解溶液中への分散を可能とするチューブを有する混合機又は注入機を、Tの代わりに使用し得る。従って、チューブを通過する流体に対する機械的応力は、例えば、タンク中の羽根によって液体を撹拌したときと比べて、大幅に減少する。この流体は未だ粘弾性特性を有しておらず、小さな直径の管によって実現された混合は極めて効率的であるので、混合の当初の効率性が、その後の数秒内に、ずっとおおきな効率性をもたらす。これに対して、混合のためにTチューブが使用される場合、液体が急速に粘弾性になるにつれて、当初の混合は穏やかなものにすぎず、チューブ内を流動する間、かなりの問題が生じる。この部分的混合は、細胞の一部のみの溶解をもたらし、従って、中和前に、プラスミドの一部を放出することができるにすぎない。溶解は、溶解中に2つの相(相I及び相II)に分割され得る。これらの2つの相は、I)細胞の溶解及びII)核酸の変性に対応し、粘弾性流体をもたらす流動学的挙動の大きな変化を引き起こす。チューブの直径を調整することによって、これら2つの相の必要性を満たすことを可能とする。小さな直径のチューブ(B1a)内では、混合が増加される。これは、相Iに対して使用された構成である。大きな直径のチューブ(B1b)内では、混合(このため、せん断応力)が減少する。これは、相IIに対して使用される構成である。
使用される好ましい混合機は、図2に図示されているような、M1と称される混合機であるが、本発明に従って細胞懸濁液の分散物を与えるために、任意のT字形状の装置を使用することもできる。この混合機を用いて溶解を実施する1つの方法は、効率的な分散を得るために、1つ以上の小さな直径の開口部を通じて、現時点で、溶液1カウンターをアルカリ溶解溶液中に注入することである。これらの開口部の直径は、約0.5mmないし2mmであり得、好ましくは、図示された構成で約1mmであり得る。次いで、混合物は、混合機M1を出て、(約2.5秒の)短時間、小さな直径のチューブを通過する(図1)。乱流を維持するために、直径と流動時間の組み合わせを容易に計算し得る。これらのパラメータのバリエーションの例は、表1に記載されている。チューブの直径の表記は全て、チューブの内径であって、外径ではなく、内壁自体の厚さを含む。チューブ内でのこの短い滞留時間によって、溶液1及び2の極めて迅速なホモゲナイズが可能となる。溶液1と溶液2が、相Iの間に、なおニュートン流体であると仮定すると、流動モードは、ホモゲナイゼーション相の間、乱流である。このチューブから出ると、溶液1と2はホモゲナイズされ、懸濁液中での細胞の溶解が始まる。
次いで、ホモゲナイズされた混合物は、より大きな直径(図1)の第2のチューブ(B1b)を通過し、この中で、細胞の溶解と粘弾性流体の形成が起こる。この相の間、混合は最小限に抑えられ得、最小限に抑えなければgDNAを断片化してしまうせん断応力を最小限に抑えるために、溶液は、「休息」されて、可能な限り乱流を制限し得る。約1ないし3分、約2分、好ましくは1分20秒の接触時間は、細胞溶解を完結し、核酸を変性させるのに十分であり得る。変性相の間、流体のフロー様式は層流であり得、SDS及び水酸化ナトリウムの、細胞成分方向へのゆっくりとした拡散を促進する。
このようにして得られた可溶化液及び中和溶液3は、次いで、M2と称されるY混合機と混合され得る。本発明の1つの実施形態において、Y混合機の内径は約4ないし15mm、又は6ないし10mmであり、約6mm又は約10mmであり得る。迅速(1秒未満)で、効率的な、溶液3との可溶化液の混合を可能とするために、小さな直径のチューブ(例えば、約6mmのチューブ)が、Y混合機の出口に配置される。次いで、採集タンク中で、中和された溶液を集める。中和の間、迅速にpHを低下させることにより、凝塊の形成(すなわち、塊又は集合物の形成)を誘導する。これに対して、部分的に変性したプラスミドは、極めて素早く再生し、溶液中に残存する。浮氷は、採集タンク中で、徐々に沈下し、夾雑物の大半を除去する。図1の模式図は、連続溶解(CL)システムの1つの実施形態を示している。連続溶解は、単独で、又はさらなるプロセスとともに使用し得る。
その後精製するために、所望のプラスミドDNAを標的細胞から放出させるなど、溶解に関連する任意の目的のために、細胞のあらゆる種類、すなわち、原核細胞又は真核細胞を、このプロセスで溶解させ得る。
連続アルカリ溶解工程のこのプロセスは、定常相にまだ到達しておらず、このため、指数的増殖状態(2−10g乾燥重量/L)にある細胞のバイオマスまで増殖した発酵物から採集された細胞に対して実施し得る。連続アルカリ溶解工程は、細胞の高バイオマスへと増殖しており、もはや指数的増殖状態にないが、定常相に達しており、約10〜200g乾燥重量/L、好ましくは12〜60g乾燥重量/Lの細胞濃度を有する発酵物から採集された細胞に対しても実施し得る。
プラスミドDNAは、本発明の安定保存組成物中に調合される前に、様々な方法を使用して精製され得る。実際に、細菌調製物から製造されるプラスミドDNA調製物は、しばしば、緩和したプラスミドDNAとスーパーコイル状プラスミドDANの混合物を含有する。プラスミドDNAの精製方法は、本分野において周知である。
一般に、細菌発酵物からプラスミドDNAを単離及び精製するための方法は、上記のように、プラスミドを含有する細菌宿主細胞を破壊すること、並びに、宿主細胞のゲノムDNA及びタンパク質を沈殿させるために、アセタートによる中和で可溶化液を中和することからなり、宿主細胞のゲノムDNA及びタンパク質は、その後、例えば、遠心によって除去される。液体相は、アルコール沈殿された後、プラスミドDNAの様々な形態(すなわち、スーパーコイル状、ニックが導入された環状及び直鎖状)を分離するために、臭化エチジウムの存在下でCsClを用いた等密度遠心に供せられるプラスミドDNAを含有する。ブタノールによるさらなる抽出は、残存する臭化エチジウムを除去した後、アルコールを用いたDNA沈降のために必要とされる。宿主細胞タンパク質を除去するために、さらなる精製工程を経る。これらの方法は、一般的に、小規模な又は実験室規模のプラスミド調製物に適している。
別の方法には、例えば、サイズ排除クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイト上でのクロマトグラフィー、及び逆相又は陰イオン交換を基礎とした様々なクロマトグラフィー法が含まれる。これらの代替法は、実験室規模で研究材料の少量を産生するのに十分であり得るが、プラスミドDNAの大量を産生するために容易に拡張できない場合があり得る。例えば、プラスミドDNAを分離するために使用可能な方法は、ポリエチレングリコール(PEG)、界面活性剤及びヘキサミンコバルト、スペルミジン及びポリビニルピロリドン(PVP)などの他の成分などの添加物の使用と組み合わされた、イオン交換クロマトグラフィー(Duarte et al., Journal of Chromatography A, 606 (1998), 31−45)又はサイズ排除クロマトグラフィー(Prazeres, D.M., Biotechnology Techniques Vol. 1, No. 6, June 1997, p 417−420)を使用する。プラスミドDNAのスーパーコイル状形態及び緩和した形態を分離するための別の公知の方法は、処理の間に、アセトニトリル、エタノール並びにトリエチルアミン及びテトラブチルアンモニウムホスファートのような他の成分などの、樹脂及び溶媒を使用する。
核酸又はプラスミドDNAが、治療に関連して、ヒト又は動物中に導入されるケースでは、高度に精製された医薬等級のプラスミドDNAが必要とされ、このため、精製された核酸は、安全性、有効性及び効力の薬品品質基準を充足しなければならない。夾雑内毒素の除去は、プラスミドDNAが内毒素の高レベルを有するグラム陰性細菌源から精製される場合に特に必要とされ得る。これらの内毒素は、一般的に、グラム陰性細菌の外膜の成分であるリポ多糖又はそれらの断片であり、宿主細胞のDNA調製物及び宿主細胞の膜又は巨大分子中に存在する。内毒素は、プラスミドDNAを与えた宿主中に発熱又は敗血症など、炎症性反応を引き起こし得る。このため、内毒素の除去は、治療的使用又は予防的使用のためのプラスミドDNAの精製における、重要及び必要な工程であり得る。プラスミドDNA溶液からの内毒素の除去は、主として、内毒素の負に帯電した構造を使用する。しかしながら、プラスミドDNAも負に帯電しているため、これらの分子を両方結合し、ある種の条件下において、内毒素を結合しつつ、プラスミドDNAを優先的に溶出する陰イオン交換樹脂を用いて、通常、分離が達成される。患者に投与したときに有毒な応答を惹起し得る夾雑内毒素を含まない核酸を調製することに加えて、有毒な化学物質、変異原、有機溶媒又は得られた核酸の安全性若しくは効力を損ない得る他の試薬を含有しない高度に純粋な核酸を作製することが望ましい場合があり得る。
本発明に従って、長期保存のために、安定な水溶液中にプラスミドDNAを調合する前に、プラスミドDNAは、クロマトグラフィー工程の組み合わせを介して精製されることが好ましく、夾雑染色体DNA、RNA、タンパク質及び内毒素の低レベル(すなわち、百万分率(ppm))を含有するプラスミドDNA調製物を得ることが可能となる。より好ましくは、国際公開WO95/026331号及び国際特許出願PCT/EP2005/005213号に記載されている精製法が、遺伝子治療とDNAワクチンなどの研究及びプラスミドを基礎とする治療に適用するためのプラスミドDNAを調製するために使用される。
精製法は、場合によって、又は典型的に、最終精製工程として、又は少なくともプラスミド精製スキームの終了時若しくは終了付近に、少なくとも1つの追加のクロマトグラフィー技術が先行又は後続する三重螺旋アフィニティークロマトグラフィーの使用を含む。三重螺旋アフィニティークロマトグラフィーは、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、ゲル浸透又はサイズ排除クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイト(I型及びII型)クロマトグラフィー、逆相及びアフィニティークロマトグラフィーなどの、1つ以上のクロマトグラフィー工程と組み合わせて使用される。核酸分離を伴うあらゆる利用可能なアフィニティークロマトグラフィープロトコールは、使用のために適合させることが可能である。使用される陰イオン交換クロマトグラフィー又は他のクロマトグラフィー工程若しくは技術のあらゆる1つ以上は、固定相、置換クロマトグラフィー法、擬似移動床技術及び/又は連続床カラム若しくはシステムを使用することが可能である。さらに、工程又は技術のあらゆる1つ以上は、高性能クロマトグラフィー技術又はシステムを使用することが可能である。
したがって、本発明は、イオン交換クロマトグラフィーのさらなる工程を有する三重螺旋アフィニティークロマトグラフィーを含む精製工程を含み、疎水性相互作用クロマトグラフィー又はゲル浸透クロマトグラフィーをさらに含み得る。イオン交換クロマトグラフィーの工程は、流動床イオン交換クロマトグラフィー並びに軸方向及び/又は放射状高分解陰イオン交換クロマトグラフィー中の両方であり得る。最も好ましい方法は、イオン交換クロマトグラフィー、三重螺旋アフィニティークロマトグラフィー及び疎水性相互作用クロマトグラフィー工程の組み合わせを含み、この順序で行われる。可溶化液ろ過又は他の凝塊の除去は、第1のクロマトグラフィーに先行し得る。
したがって、連続溶解は、上で列記された精製工程と組み合わされてもよく、pDNAを含有する高純度産物をもたらす。例えば、凝塊除去(可溶化液ろ過、沈下又は遠心など)、イオン交換クロマトグラフィー(陽イオン又は陰イオン交換など)、三重螺旋アフィニティークロマトグラフィー及び疎水性相互作用クロマトグラフィーの少なくとも1つと組み合わされ得る。1つの実施形態において、連続的溶解の後には、陰イオン交換クロマトグラフィー、三重螺旋クロマトグラフィー及び疎水性相互作用クロマトグラフィーが、この順序で続く。別の連続的溶解では、可溶化液のろ過、陰イオン交換クロマトグラフィー、三重螺旋クロマトグラフィー及び疎水性相互作用クロマトグラフィーが、この順序で続く。これらの工程は、真に拡張可能なプラスミド製造方法を可能とし、この方法は、前例のない純度を有するpDNAを大量に製造することが可能である。宿主DNA及びRNA並びにタンパク質は、ppmを下回る範囲である。
本方法は、本発明に従って、本明細書中に記載されている工程と組み合わせて、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、逆相クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー及び/又は他の利用可能なクロマトグラフィー技術、方法又はシステムのさらなる工程も使用し得る。
得られるpDNA産物に対してより高い純度を与えるために、凝塊の除去を使用し得る。この工程は、沈殿した材料の塊(凝塊)を除去するために使用され得る。凝塊の除去を行う1つの機構は、1ないし5mm、好ましくは3.5mm格子のフィルターなど、可溶化液のろ過工程に続く、研磨ろ過工程としての深層ろ過による機構である。凝塊の除去を行う別の方法は、遠心又は沈下による方法である。
イオン交換クロマトグラフィーは、得られるpDNA産物に対してより高い純度を与えるために使用し得る。陰イオン交換は、夾雑物の特性及び溶液のpHに応じて選択され得る。
陰イオン交換クロマトグラフィーは、得られるpDNA産物に対してより高い純度を与えるために使用し得る。陰イオン交換クロマトグラフィーは、負に帯電した(又は酸性)分子を、正に帯電した支持体に結合することによって機能する。次いで、イオン交換クロマトグラフィーの使用によって、分子の電化に基づいて、分子を分離することが可能となる。分子のファミリー(酸性、塩基性及び中性)は、この技術によって容易に分離することが可能である。多くの夾雑物が初期の画分中に溶出され、pDNAが後期の画分中に溶出される、段階式溶出スキームを使用してもよい。陰イオン交換は、pDNA調製物からタンパク質と内毒素を除去するのに極めて効率的である。
イオン交換クロマトグラフィーの場合、材料の充填、このような材料を調製する方法並びに陰イオン交換クロマトグラフィーを調製し、重合し、及び官能化し、並びにこれを通してプラスミドDNAを溶出し、及び分離する方法は、本分野において周知である。
陰イオン交換クロマトグラフィー用材料を充填するために使用される基材の合成に使用すべき化合物は、基材を合成した後に、疎水性を示す様々な官能基又は様々なイオン交換基を、後反応によって導入できれば、任意の化合物であり得る。1官能性モノマーの例には、スチレン、o−ハロメチルスチレン、m−ハロメチルスチレン、p−ハロメチルスチレン、o−ハロアルキルスチレン、m−ハロアルキルスチレン、p−ハロアルキルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−o−ハロメチルスチレン、α−メチル−m−ハロメチルスチレン、α−メチル−p−ハロメチルスチレン、α−メチル−o−ハロアルキルスチレン、α−メチル−m−ハロアルキルスチレン、α−メチル−p−ハロアルキルスチレン、o−ヒドロキシメチルスチレン、m−ヒドロキシメチルスチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、o−ヒドロキシアルキルスチレン、m−ヒドロキシアルキルスチレン、p−ヒドロキシアルキルスチレン、α−メチル−o−ヒドロキシメチルスチレン、α−メチル−m−ヒドロキシメチルスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシメチルスチレン、α−メチル−o−ヒドロキシアルキルスチレン、α−メチル−m−ヒドロキシアルキルスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシアルキルスチレン、グリシジルメタクリラート、グリシジルアクリラート、ヒドロキシエチルアクリラート、ヒドロキシメタクリラート及び酢酸ビニルが含まれる。最も好ましい化合物は、芳香環上で置換されたハロアルキル基、Cl、Br、I及びFなどのハロゲン、並びに2ないし15個の炭素原子を有する直鎖及び/又は分岐飽和炭化水素である。多官能性単量体の例には、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、トリビニルトルエン、ジビニルナフタレン、トリビニルナフタレン、エチレングリコール、ジメタクリラート、エチレングリコールジアクリラート、ジエチレングリコールジメタクリラート、ジエチレングリコールジアクリラート、メチレンビスメタクリルアミド及びメチレンビスアクリルアミドが含まれる。
様々なイオン交換基を、後反応によって導入し得る。基材の調製には、1官能性単量体及び多官能性単量体を適切な比率で計量し、形成された粒子中の孔を調整する目的で使用される正確に計量された希釈剤又は溶媒及び同様に正確に計量された重合開始剤を添加した後、十分に撹拌する第1の工程が含まれる。次いで、混合物を水中油型懸濁液重合に供し、水中油型懸濁液重合において、混合物は、予め正確に計量された、水溶液に溶解された懸濁安定化剤中に添加され、撹拌機を用いた混合によって目的とするサイズを有する油滴が形成され、徐々に加温する混合された溶液によって重合を実施する。多官能性単量体に対する1官能性単量体の比率は、一般に、基剤の柔らかな粒子を得るために、1官能性単量体約1モル、及び多官能性単量体約0.01ないし0.2モルである。重合開始剤は、特に限定されず、一般的に使用されているアゾビス型及び/又は過酸化型が使用される。
油滴自体の間での凝集を防ぐために、イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及び両親媒性特性を有するポリマー又はこれらの混合物などの懸濁安定化剤も使用し得る。
プラスミドDNAを試製するためのイオン交換クロマトグラフィーに使用すべき充填材料は、比較的大きな孔径、特に、1500から4000オングストロームまでの範囲内の孔径を有することが好ましい。基材にイオン交換基を導入するための表面修飾は、本分野において周知である。
イオン交換クロマトグラフィーのために、溶出液の2種類を使用し得る。塩の低濃度を含有する第1の溶出液及び塩の高濃度を含有する第2の溶出液を使用し得る。溶出法は、第1の溶出液から第2の溶出液へと段階的に交換することにあり、グラジエント溶出法は、第1の溶出液から第2の溶出液へと組成物を連続的に変化することにある。イオン交換クロマトグラフィー用のこれらの溶出液中で一般に使用される緩衝液及び塩を使用し得る。塩の低濃度を含有する第1の溶出液の場合、10ないし50mMの緩衝液の濃度及び6ないし9のpH値を有する水溶液が特に好ましい。塩の高濃度を含有する第2の溶出液の場合、溶出液Cに対して添加された0、1ないし2Mのナトリウム塩を有する水溶液が特に好ましい。ナトリウム塩の場合、塩化ナトリウム及び硫酸ナトリウムを使用し得る。
さらに、E.コリの可溶化液中のDNA分解酵素によるプラスミドの分解を阻害するために、例えば、エチレンジアミン4酢酸などの、2価の金属イオンに対するキレート剤を使用し得る。2価の金属イオンに対するキレート剤の濃度は、好ましくは0.1ないし100mMである。
POROS Anion Exchange Resins、Qiagen、Toso Haas、Sterogene、Spherodex、Nucleopac及びPharmaciaなどの(これらに限定されない。)様々な市販の陰イオン交換マトリックスが、本発明での使用に適している。例えば、まず、20mM Bis/TRISプロパン、pH7.5及び0.7M NaClで、カラム(Poros II PI/M、4.5mm×100)を平衡化する。試料を負荷し、同じ最初の緩衝液で洗浄する。次いで、約25カラム容量の0.5Mないし0.85M NaClの溶出グラジエントを与え、画分を集める。好ましい陰イオン交換クロマトグラフィーには、Fractogel TMAE HiCapが含まれる。
三重螺旋アフィニティークロマトグラフィーは、とりわけ、米国特許第6,319,672号、第6,287,762号及びWO−2/77274号で公開された、本出願人の国際特許出願中に記載されている。
三重螺旋アフィニティークロマトグラフィーは、オリゴヌクレオチドと2重螺旋DNA内の標的配列の特異的ハイブリダイゼーションに基づく。これらのオリゴヌクレオチドは、以下の塩基を含有し得る。
−チミジン(T)、2本鎖DNAのA.Tダブレットとトリプレットを形成することができる(Rajagopal et al., Biochem 28 (1989)7859)。
−アデニン(T)、2本鎖DNAのA.Tダブレットとトリプレットを形成することができる。
−グアニン(G)、2本鎖DNAのG.Cダブレットとトリプレットを形成することができる。
−シチジン(C+)、2本鎖DNAのG.Cダブレットとトリプレットを形成することができる(Rajagopal et al.,上記)。
−ウラシル(U)、A.U又はA.T塩基対とトリプレットを形成することができる。
好ましくは、使用されるオリゴヌクレオチドは、シトシンが豊富なホモピリミジン配列を含み、DNA中に存在する特異的配列は、ホモプリン−ホモピリミジン配列である。シトシンの存在によって、シトシンがプロトン化される酸pHで安定な三重螺旋を有することが可能となり、シトシンが中性化されるアルカリpHで脱安定化される。
オリゴヌクレオチド及びDNA中に存在する特異的配列は、好ましくは、三重螺旋の形成を可能とするために相補的である。最高の収率及び最高の選択性は、オリゴヌクレオチド及び完全に相補的な特異的配列を使用することによって取得し得る。例えば、オリゴヌクレオチドポリ(CTT)及び特異的配列ポリ(GAA)。好ましいオリゴヌクレオチドは、5’−GAGGCTTCTTCTTCTTCTTCTTCTT−3’(GAGG(CTT)(配列番号1)を有し、ここにおいて、塩基GAGGは三重螺旋を形成しないが、オリゴヌクレオチドをカップリングアーム配列(CTT)から離して配置できるようにする。これらのオリゴヌクレオチドは、相補的単位(GAA)を含有する特異的配列を有する三重螺旋を形成することが可能である。問題の配列は、特に、実施例に記載されているように、7、14又は17個のGAA単位を含有する領域であり得る。
特に興味が持たれる別の配列は、配列5’−AAGGGAGGGAGGA GAGGAA−3’(配列番号2)である。この配列は、オリゴヌクレオチド配列5’−AAGGAGAGGAGGGAGGGAA−3’(配列番号3)又は5’−TTGGTGTGGTGGGTGGGTT−3’(配列番号4)と三重螺旋を形成する。この事例では、オリゴヌクレオチドは、ポリプリン鎖に対して逆平行の配位で結合する。これらの三重螺旋は、Mg2+の存在下でのみ安定である(Vasquez et al., Biochemistry, 1995, 34, 7243−7251 ; Beal and Dervan, Science, 1991, 251 , 1360−1363)。
上述のように、特異的配列は、2本鎖DNA中に自然に存在する配列又は後者に人工的に導入された合成配列とすることができる。2本鎖DNA中、例えば、プラスミドの複製起点中又はマーカー遺伝子中に自然に存在する配列と三重螺旋を形成することが可能なオリゴヌクレオチドを使用することが特に有利である。これに関して、これらのDNAの幾つかの領域は、特に、複製起点中に、ホモプリン−ホモピリミジン領域を有し得ることが配列解析を通じて知られている。これらの天然のホモプリン−ホモピリミジン領域と三重螺旋を形成することが可能なオリゴヌクレオチドの合成によって、本発明の方法を、非修飾プラスミド、特に、pUC、pBR322、pSV種などの市販のプラスミドへ適用することが有利に可能となる。2本鎖DNA中に自然に存在するホモプリン−ホモピリミジン配列としては、E.コリプラスミドColE1の複製起点中に存在する配列5’−CTTCCCGAAGGGAGAAAGG−3’(配列番号5)の全部又は一部を含む配列を挙げることができる。この場合、三重螺旋を形成するオリゴヌクレオチドは、配列:5’−GAAGGGCTTCCCTCTTTCC−3’(配列番号6)を有し、「Beal and Dervan (J. Am. Chem. Soc. 1992, 114, 4976−4982)」及び「Jayasena and Johnston (Nucleic Acids Res. 1992, 20, 5279−5288)」に記載されているように、2重螺旋の2つの鎖へ交互に結合する。プラスミドpBR322β−ラクタマーゼ遺伝子の配列5’−GAAAAAGGAAGAG−3’(配列番号7)(Duval− Valentin et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1992, 89, 504−508)も挙げることができる。
特定のオリゴヌクレオチドと三重螺旋構造を形成することができる適切な標的配列は、プラスミドColE1及びプラスミドpCORの複製起点中に同定されている。pCORプラスミドは、条件的複製起点を有するプラスミドであり、とくに、US2004/142452号及びUS2003/161844号に記載されている。COlE1由来のプラスミドは、プラスミド複製に関与するRNA−II転写物の上流にマップされる12マーのホモプリン配列(5’−AGAAAAAAAGGA−3’)(配列番号8)を含有する。この配列は、12マーの相補的5’−TCTTTTTTTCCT−3’(配列番号9)オリゴヌクレオチドと安定な三重螺旋構造を形成する。pCOR骨格は、pCORのγオリジンレプリコンのA+T豊富なセグメント中に位置する14個の非反復塩基のホモプリンの連(5’−AAGAAAAAAAAGAA−3’)(配列番号10)を含有する(Levchenko et al., 1996, Nucleic Acids Res., 24, 1936)。この配列は、14マーの相補的オリゴヌクレオチド5’−TTCTTTTTTTTCTT−3’(配列番号11)オリゴヌクレオチドと安定な三重螺旋構造を形成する。対応するオリゴヌクレオチド5’−TCTTTTTTTCCT−3’(配列番号8)及び5’−TTCTTTTTTTTCTT−3’(配列番号11)は、ColE1 ori又はpCOR(oriγ)のうち何れかの複製起点内に位置するこれらの各相補的配列を、効率的及び特異的に標的とする。実際、単一の非正準三連構造(TGC又はCAT)は、三重螺旋構造の完全な不安定化をもたらし得る。
複製起点又はマーカー遺伝子中に存在する配列と三重螺旋を形成することが可能なオリゴヌクレオチドの使用は、同じオリゴヌクレオチドを用いて、前記複製起点又は前記マーカー遺伝子を含有するあらゆるDNAを精製することを可能とするので、特に有利である。このため、その中に人工の特異的配列を取り込むために、プラスミド又は2本鎖DNAを修飾する必要はない。
完全に相補的な配列が好ましいが、親和性の極めて大きな喪失をもたらさなければ、オリゴヌクレオチドの配列とDNA中に存在する配列との間には、幾らかのミスマッチが許容され得る。E.コリのβ−ラクタマーゼ遺伝子中に存在する配列5’−AAAAAAGGGAATAAGGG−3’(配列番号12)を挙げることができる。この場合、ポリプリン配列を分断するチミンは、3番目の鎖のグアニンによって認識され得、これにより、2つのTATトリプレットが隣接したときに安定なGTAトリプレットが形成される(Kiessling et al., Biochemistry, 1992, 31,2829−2834)。
特定の実施形態によれば、本発明のオリゴヌクレオチドは、配列(CCT)、配列(CT)又は配列(CTT)を含み、nは1以上15以下の整数である。(CT)又は(CTT)型の配列を使用することが特に有利である。本出願人は、実際に、精製収率が、オリゴヌクレオチド中のCの量によって影響を受けることを示した。特に、実施例7に示されているように、精製収率は、オリゴヌクレオチドが、より少ないシトシンを含有している場合に増加する。本発明のオリゴヌクレオチドは、(CCT)、(CT)又は(CTT)単位も含有できることが理解される。
使用されるオリゴヌクレオチドは、天然であり(非修飾の天然塩基から構成される。)、又は化学的に修飾され得る。特に、オリゴヌクレオチドは、ある種の化学的修飾を有利に有することができ、ヌクレアーゼへのその耐性若しくはヌクレアーゼに対するその保護、又は特異的配列に対するその親和性を増加させることが可能である。オリゴヌクレオチドは、ヌクレオチドに対してこれをより耐性にする目的で、骨格が修飾されたヌクレオシドのあらゆる連結された連続を意味することも理解される。可能な修飾として、DNAと三重螺旋を形成することが可能なオリゴヌクレオチドホスホロチオアート(Xodo et al., Nucleic Acids Res., 1994, 22, 3322−3330)、及びホルムアセタール又はメチルホスホナート骨格を有するオリゴヌクレオチド(Matteucci et al., J. Am. Chem. Soc, 1991, JJl, 7767−7768)を挙げることができる。同じくDNAと三重螺旋を形成する、ヌクレオチドのαアノマーを用いて合成されたオリゴヌクレオチドを使用することも可能である(Le Doan et al., Nucleic Acids Res., 1987, 15, 7749−7760)。骨格の別の修飾は、ホスホルアミダート連結である。例えば、GryaznovとChenによって記載されたN3’−P5’ヌクレオチド間ホスホルアミダート連結を挙げることができ、これは、DNAと特に安定な三重螺旋を形成するオリゴヌクレオチドを与える(J.Am.Chem.Soc.,1994,116,3143−3144)。骨格の他の修飾としては、リボヌクレオチド、2’−O−メチルリボース、ホスホジエステル(Sun and Helene, Curr. Opinion Struct. Biol., 116, 3143−3144)などの使用も挙げることができる。最後に、リンを基礎とした骨格は、同じく三重螺旋を形成することができる、PNA(ペプチド核酸)中におけるようなポリアミド骨格によって(Nielsen et al., Science, 1991, 254, 1497−1500; Kim et al., J. Am. Chem. Soc, 1993, 115, 6477−6481)、又はDNG(デオキシリボ核酸グアニジン、Proc Natl. Acad. Sci. USA, 1995, 92, 6097−6101)におけるようなグアニジンを基礎とした骨格によって、又は同じく三重螺旋を形成する、DNAのポリ陽イオン性類縁体によって置換され得る。
第3の鎖のチミンは、5−ブロモウラシルによっても置換することができ、これによって、DNAに対するオリゴヌクレオチドの親和性が増加する(Povsic and Dervan, J. Am. Chem. Soc, 1989, 11 1, 3059−3061)。3番目の鎖は、非天然塩基を含有することもでき、7−デアザ−2’−デオキシキサントシン(Milligan et al., Nucleic Acids Res., 1993, 21, 327−333)、1−(2−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−3−メチル−5−アミノ−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(Koh and Dervan, J. Am. Chem. Soc, 1992, 114, 1470−1478)、8−オキソアデニン、2−アミノプリン、2’−O−メチルシュードイソシチジン又は当業者に公知の他のあらゆる修飾を挙げることができる(総説については、Sun and Η?lene, Curr.Opinion Struct. Biol., 1993, 3, 345−356)を参照)。
オリゴヌクレオチドの修飾の別の種類は、さらに特別に、オリゴヌクレオチドと特異的配列間での相互作用及び/又は親和性を改善するという目的を有する。特に、本発明の最も有利な修飾は、オリゴヌクレオチドのシトシンをメチル化することに存する。このようにしてメチル化されたオリゴヌクレオチドは、より中性に近いpH範囲(>5)で特異的配列と安定な三重螺旋を形成するという特筆すべき特性を示す。このため、従来技術のオリゴヌクレオチドより高いpH値で、すなわち、プラスミドDNAの分解のリスクがずっと小さなpH値で機能することが可能となる。
本発明の方法で使用されるオリゴヌクレオチドの長さは、5と30の間である。10塩基より大きな長さのオリゴヌクレオチドが有利に使用される。この長さは、相互作用の所望の選択性と安定性に適合するように、当業者によって、個別の各事例に対して採用することができる。
本発明のオリゴヌクレオチドは、あらゆる公知の技術によって合成され得る。特に、本発明のオリゴヌクレオチドは、核酸合成機を用いて調製され得る。当業者に公知の任意の他の方法が、極めて明白に使用され得る。
支持体へ共有結合可能であるために、オリゴヌクレオチドは一般に官能化される。このため、オリゴヌクレオチドは、5’又は3’位において、チオール、アミン又はカルボキシル末端基によって修飾され得る。特にチオール、アミン又はカルボキシル基の付加によって、例えば、ジスルフィド、マレイミド、アミン、カルボキシル、エステル、エポキシド、臭化シアン又はアルデヒド官能基を有する支持体へオリゴヌクレオチドを結合させることが可能となる。これらの結合は、ジスルフィド、チオエーテル、エステル、アミド又はアミン結合の確立によって、オリゴヌクレオチドと支持体の間に連結を形成する。例えば、二官能性結合試薬など、当業者に公知の他のあらゆる方法を使用し得る。
さらに、結合されたオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションを改善するために、オリゴヌクレオチドが塩基の「アーム」及び「スペーサー」を含有することが有利であり得る。アームの使用によって、実際に、支持体から選択された距離でオリゴヌクレオチドを結合させることが可能となり、DNAとの相互作用の条件を改善することができる。アームは、有利に、1ないし18個、好ましくは6又は12(CH)基を含む直鎖炭素鎖、及びカラムへの結合を可能とするアミンからなる。アームは、オリゴヌクレオチドのホスファート又はハイブリダイゼーションを妨害しない塩基から構成される「スペーサー」のホスファートに連結される。このため、「スペーサー」は、プリン塩基を含むことが可能である。例として、「スペーサー」は、配列GAGGを含むことが可能である。アームは、6又は12個炭素原子を含む直鎖炭素鎖から有利に構成される。
三重螺旋アフィニティークロマトグラフィーは、DNA及びゲノムDNAの除去に対して極めて効率的である。これらは、カラム、官能化されたプラスチック表面又は官能化されたラテックスビーズ、磁石その他の中に、まとめた又は予め充填された、官能化されたクロマトグラフィー支持体とすることが可能である。好ましくは、クロマトグラフィー支持体が使用される。一例として、使用可能なクロマトグラフィー支持体は、アガロース、アクリルアミド又はデキストラン及びこれらの誘導体(Sephadex、Sepharose、Superoseなど)、ポリ(スチレン/ジビニルベンゼン)などのポリマー、又は、例えば、グラフトされた若しくはグラフトされていないシリカである。クロマトグラフィーカラムは、拡散又は灌流で作動することが可能である。
よりよい精製収率を得るために、プラスミド上に、オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーション位置を数個含有する配列を使用することが特に有利である。実際に、数個のハイブリダイゼーション位置が存在することによって、前記配列とオリゴヌクレオチド間の相互作用が促進され、これにより、精製収率の改善がもたらされる。(CCT)、(CT)又は(CTT)モチーフのn個の反復を含有するオリゴヌクレオチドの場合、少なくともn個の相補的モチーフ、好ましくはn+1個の相補的モチーフを含有するDNA配列を使用することが好ましい。n+1個の相補的モチーフを有する配列は、このため、オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションの位置を2つ与える。有利なことに、DNA配列は、最大11個のハイブリダイゼーション位置、すなわちn+10個の相補的モチーフを含有する。
本発明の方法は、2本鎖DNAのあらゆる種類を精製するために使用することが可能である。後者の例は、プラスミドなど、一般に、治療的に重要な1つ以上の遺伝子を有する環状DNAである。このプラスミドは、複製起点、マーカー遺伝子なども有し得る。本発明の方法は、細胞可溶化液に対して直接適用され得る。この実施形態において、形質転換後の細胞培養によって増幅されたプラスミドは、細胞の溶解後、直接精製される。本発明の方法は、透明な可溶化液(すなわち、細胞可溶化液の中和及び遠心後に得られた上清)に対しても適用し得る。本発明の方法は、公知の方法によって予め精製された溶液に対しても、極めて明らかに適用し得る。この方法は、重要な配列を有する直鎖又は環状DNAを、異なる配列のDNAを含む混合物から精製することも可能とする。本発明の方法は、2本鎖DNAの精製のために使用することも可能である。
細胞可溶化液は、原核細胞又は真核細胞の可溶化液であることが可能である。
原核細胞に関して、最近E.コリ、B.ズブチリス、S.チフィムリウム又はストレプトミセスが例として挙げられる。真核細胞に関して、動物細胞、酵母、真菌などが例として挙げられ、より具体的には、クルイベロミセス又はサッカロミセス酵母又はCOS、CHO、C127、NIH3T3などの細胞が例として挙げられる。
三重螺旋アフィニティークロマトグラフィーの少なくとも1工程を含む本発明の方法は、得られたpDNA産物に対してより高い純度を与えるために使用され得る。三重螺旋アフィニティークロマトグラフィーでは、オリゴヌクレオチドは、クロマトグラフィー樹脂又はその他のマトリックスなどの支持体へ結合される。次いで、精製されている試料は、クロマトグラフィー樹脂へ結合されたオリゴヌクレオチドを含有するクロマトグラフィーカラムに試料を与えることによるなど、結合されたオリゴヌクレオチドと混合される。試料中の所望のプラスミドはオリゴヌクレオチドに結合し、三重螺旋を形成する。オリゴヌクレオチドとプラスミド間の結合は、Hoogsteen結合であり得る。この工程は、20分以上の接触時間、高い塩濃度、5以下のpHで起こり得る。洗浄工程を使用し得る。最後に、シトシン脱保護が、中性緩衝液中で起こり、オリゴヌクレオチドによって結合された樹脂からプラスミドを溶出する。
疎水的相互作用クロマトグラフィーは、精製のために、試料中の分子中に存在する疎水性領域を誘引するために、基質上の疎水性部分を使用する。これらのHIC支持体は、「クラスタリング」効果によって機能し、これらの分子が会合するときに、共有結合又はイオン結合が形成又は共有されないことに注目すべきである。疎水性相互作用クロマトグラフィーは、他の環状プラスミド形態及びgDNA、RNA及び内毒素などの他の夾雑物を極めて効率的に除去するので有益である。
疎水的相互作用クロマトグラフィー用基材の合成並びに疎水性相互作用クロマトグラフィーを調製し、重合し、及び官能化し、疎水性相互作用クロマトグラフィーを通じてプラスミドDNAを溶出及び分離する方法は本分野において公知であり、特に、米国特許第6,441,160号(参照により、本明細書中に組み込まれる。)に記載されている。
疎水性相互作用クロマトグラフィー用材料を充填するために使用される基材の合成に使用すべき化合物は、基材を合成した後に、疎水性を示す様々な官能基又は様々なイオン交換基を、後反応によって導入できれば、任意の化合物であり得る。1官能性モノマーの例には、スチレン、o−ハロメチルスチレン、m−ハロメチルスチレン、p−ハロメチルスチレン、o−ハロアルキルスチレン、m−ハロアルキルスチレン、p−ハロアルキルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−o−ハロメチルスチレン、α−メチル−m−ハロメチルスチレン、α−メチル−p−ハロメチルスチレン、α−メチル−o−ハロアルキルスチレン、α−メチル−m−ハロアルキルスチレン、α−メチル−p−ハロアルキルスチレン、o−ヒドロキシメチルスチレン、m−ヒドロキシメチルスチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、o−ヒドロキシアルキルスチレン、m−ヒドロキシアルキルスチレン、p−ヒドロキシアルキルスチレン、α−メチル−o−ヒドロキシメチルスチレン、α−メチル−m−ヒドロキシメチルスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシメチルスチレン、α−メチル−o−ヒドロキシアルキルスチレン、α−メチル−m−ヒドロキシアルキルスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシアルキルスチレン、グリシジルメタクリラート、グリシジルアクリラート、ヒドロキシエチルアクリラート、ヒドロキシメタクリラート及び酢酸ビニルが含まれる。最も好ましい化合物は、芳香環上で置換されたハロアルキル基、Cl、Br、I及びFなどのハロゲン、並びに2ないし15個の炭素原子を有する直鎖及び/又は分岐飽和炭化水素である。
多官能性単量体の例には、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、トリビニルトルエン、ジビニルナフタレン、トリビニルナフタレン、エチレングリコール、ジメタクリラート、エチレングリコールジアクリラート、ジエチレングリコールジメタクリラート、ジエチレングリコールジアクリラート、メチレンビスメタクリルアミド及びメチレンビスアクリルアミドが含まれる。
様々な疎水性官能基又は様々なイオン交換基を、後反応によって導入し得る。基材そのものによって生じる疎水性に起因する、分離を望む目的の産物に対する影響を最小化し、又は塩濃度の変化及びpH値の変化による基材そのものの膨潤若しくは縮小を最小化するために、基材は、好ましくは、グリシジルメタクリラート、グリシジルアクリラート、ヒドロキシエチルアクリラート、ヒドロキシメタクリラート及び酢酸ビニルなどの比較的親水性の単量体を用いて調製される。基材の調製には、1官能性単量体及び多官能性単量体を適切な比率で計量し、形成された粒子中の孔を調整する目的で使用される正確に計量された希釈剤又は溶媒及び同様に正確に計量された重合開始剤を添加した後、十分に撹拌する第1の工程が含まれる。次いで、混合物を水中油型懸濁液重合に供し、水中油型懸濁液重合において、混合物は、予め正確に計量された、水溶液に溶解された懸濁安定化剤中に添加され、撹拌機を用いた混合によって目的とするサイズを有する油滴が形成され、徐々に加温する混合された溶液によって重合を実施する。多官能性単量体に対する1官能性単量体の比率は、一般に、基剤の柔らかな粒子を得るために、1官能性単量体約1モル、及び多官能性単量体約0.01ないし0.2モルである。多官能性単量体の比は、基材の固い粒子を得るために、約0.2ないし0.5モルまで増加し得る。さらに固い粒子を得るために、多官能性単量体のみを使用し得る。
重合開始剤は、特に限定されず、一般的に使用されているアゾビス型及び/又は過酸化型が使用される。
油滴自体の間での凝集を防ぐために、イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及び両親媒性特性を有するポリマー又はこれらの混合物などの懸濁安定化剤も使用し得る。
形成された粒子の直径は、一般に、約2ないし500μmである。粒子の好ましい直径は、2ないし30μm、より好ましくは約2ないし10μmから構成される。高い純度での核酸の大規模精製を目的とする場合には、これは、約10ないし100μmであり、未精製原溶液から目的の産物を分離する場合には、これは、100ないし500μm、より好ましくは約200ないし400μmであり得る。粒径を調整する場合、撹拌機の回転速度は、重合化の間に調整され得る。小さな直径を有する粒子が必要とされる場合には、回転数は増加することができ、大きな粒子が望まれる場合には、回転数は減少させ得る。ここでは、使用されるべき希釈剤は、形成された粒子中の孔を調整するために使用されるので、希釈剤の選択は特に重要である。基本的な概念として、重合のために使用されるべき溶媒については、単量体に対して不良な溶媒である溶媒を、単量体に対して優れた溶媒である溶媒と様々に組み合わせることによって調整される。粒径のサイズは、分離のために設計された核酸の分子サイズに応じて、適切に選択されることができるが、疎水性相互作用クロマトグラフィー用材料を充填する場合、500ないし4000オングストロームの範囲内であることが好ましく、イオン交換クロマトグラフィー用材料を充填する場合、1500から4000オングストロームまでの範囲内であることが好ましい。
疎水性相互作用クロマトグラフィーでは、好ましくは、それぞれ、異なる疎水性を有する充填材料を使用することによって、異なる疎水性を有する核酸を分離する場合、基材の表面修飾は重要である。
疎水性基は、2ないし20個の炭素原子を有する飽和炭化水素基又は不飽和炭化水素基を含む、長鎖または分岐の中から選択し得る。芳香環も、炭化水素基の中に含有され得る。
疎水性基は、以下の式:
Figure 2008512997
(n=0ないし約20、メチレン基は、直鎖又は分岐のものであり得、m=0ないし約3、炭化水素基は、直鎖又は分岐のものであり得、Aは、C=O基又はエーテル基であるが、メチレン基は、Aなしに、基材へ直接結合され得る。)
疎水性基は、さらに、0ないし10の反復単位からなる、2ないし20の炭素原子を有するアルキレングリコールのエーテル基を含んでもよく、基材と反応した官能基の反対末端は、そのまま残存したOH基であり得、又は、1ないし4の炭素原子を有するアルキル基でキャップしてもよい。
上記疎水性基は、単独で、又は表面を修飾するために混合して使用し得る。
プラスミドのような低疎水性の場合、6ないし20個の炭素原子の炭素原子を有するアルキル基の鎖が好ましい。E.コリ起源のRNA並びにヒト及び動物の細胞中のRNAなど、高い疎水性を有する化合物を分離する場合、アルキル基の長鎖は2ないし15の炭素原子を有する。E.コリ起源のDNA並びにヒト及び動物の細胞中のDNAなど、低い疎水性を有する化合物を分離する場合、4ないし18個の炭素原子のアルキル基。
これらの化合物を分離する際、前記例示に限定されることなく、化合物は、表面を修飾するために適切に選択され得る。実際、充填材料の疎水性の程度は、媒体中の塩の濃度又は吸着用溶出液中の塩の濃度に応じて変動する。さらに、重点材料の疎水性の程度は、基材中に導入される基の量に応じて異なる。
疎水性相互作用クロマトグラフィー用基材の孔径は、特に好ましくは、500ないし4000オングストロームであるが、分離が望まれる核酸の分子サイズに応じて、前記範囲から適切に選択することが可能である。一般に、充填材料上への核酸の保持及び吸着能(試料leading)は、孔径に応じて異なるので、大きな分子サイズを有する核酸に対しては、大きな孔径を有する基材を使用することが好ましく、小さな分子サイズを有する核酸に対しては、小さな孔径を有する基材を使用することが好ましい。
例えば、スチレン基材は、ハロゲン含有化合物及び/又はハロゲン化カルボニル及びFeCl、SnCl又はAlClなどの触媒を用い、Friedel−Craft反応を使用して、アルキル基の長鎖を含む親水性基と反応され得、脱ハロゲン化された化合物及び/又はアシル化された化合物として、基材中の芳香環へ直接添加することが可能である。基材がハロゲン基を含有する粒子であり、例えば、ブタノールのような、付加されるべき官能基中に含有されるOHを有する化合物を使用し、NaOH又はKOHなどのアルカリ触媒とのWilliamson反応を使用する場合には、エーテル結合を通じて官能基を導入することが可能である。付加が望まれる官能基が、ヘキシルアミンのようなアミノ基含有化合物である場合には、NaOH又はKOHなどのアルキル触媒を使用し、脱ハロゲン酸反応を使用して付加することが可能である。OH基を含有する基材の場合には、逆に、付加が望まれる官能基中に、予め、エポキシ基、ハロゲン基又はハロゲン化カルボニル基を導入すれば、エーテル又はエステル結合を通じて官能基を導入することが可能である。エポキシ基を含有する基材の場合には、付加が望まれる官能基中に含有されるOH基又はアミノ基を有する化合物と反応するのであれば、エーテル又はアミノ結合を通じて、官能基を導入することが可能である。さらに、付加が望まれる官能基がハロゲン基を含有する場合には、酸触媒を用いて、エーテル結合を通じて官能基を付加することが可能である。基材中に導入されるべき官能基の割合は、分離が望まれる対象産物の疎水性によって影響を受けるので、限定することはできないが、一般的には、乾燥された基材1g当り付加される官能基約0.05ないし4.0mmolを有する充填材料が適切である。
表面修飾に関しては、基材又は粒子の形成後、後反応を通じて、官能基を付加する方法は記載されているとおりである。表面修飾は、前記官能基が重合前に付加された単量体を用いる重合後に基材が形成される同じ方法に従って実施される。
基材は、多孔性シリカゲルでもあり得る。シリカゲルを製造する方法は、「“Latest High−Speed Liquid Chromatography”, page 289 ff. (written by Toshio Nambara and Nobuo Ikegawa, published by Tokyo Hirokawa Bookstore in 1988)」に記載されている方法に従って製造された粒子上にアルキルトリメトキシシランなどの化合物を直接使用するシランカップリングを含む。エポキシ基含有シランカップリング剤を用いてシランをカップリングする前又は後に、先述された方法に従って、官能基を付加し得る。導入される官能基の割合は、乾燥された基材1g当り付加される官能基約0.05ないし4.0mmolが適切である。
疎水性相互作用クロマトグラフィー分離又は精製工程においては、溶出液が使用される。一般的には、溶出液の2つの種類が使用される。1つの溶出液は塩の高濃度を含有するが、第2の溶出液は塩の低濃度を含有する。溶出方法は、塩の高濃度を有する溶出液から、段階的に、塩の低濃度を有する溶出液へと交換することを含み、1つの溶出液から別の溶出液へと組成を連続的に変化させるグラジエント溶出法を使用し得る。疎水性相互作用クロマトグラフィーに対して一般的に使用される緩衝液及び塩を使用することが可能である。塩の高濃度を含有する溶出液の場合、1.0ないし4.5Mの塩濃度及び6ないし8のpH値を有する水溶液が特に好ましい。塩の低濃度を含有する溶出液の場合、0.01ないし0.5Mの塩濃度及び6ないし8のpH値を有する水溶液が特に好ましい塩である。一般的に、硫酸アンモニウム及び硫酸ナトリウムを塩として使用し得る。
疎水性相互作用クロマトグラフィープラスミドDNA精製工程は、弱い疎水性を有する官能基が導入された充填材料を、順次、強い疎水性を有する官能基が導入された充填材料と組み合わせることによって実施し得る。実際に、培地培養されたエシェリヒア・コリは、多糖、エシェリヒア・コリゲノムDNA、RNAプラスミド及びタンパク質など疎水性が異なる様々な成分を大量に含有する。核酸そのものにさえ、疎水性の差が存在することも知られている。不純物となるタンパク質は、プラスミドと比べてより高い疎水性を有する。
Fractogelプロピル、Toyopearl Sourceイソプロピル、又は疎水性基を有する他のあらゆる樹脂など、多くの疎水性相互作用クロマトグラフィー樹脂が市販されている。最も好ましい樹脂は、Toyopearlバルク多量体媒体である。Toyopearlは、高い機械的及び化学的安定性を取り込んだメタクリル酸ポリマーである。官能化されていない「HW」系列樹脂として、樹脂を入手することが可能であり、イオン交換クロマトグラフィー又は疎水性相互作用のための表面化学で誘導化し得る。異なる表面化学と疎水性のレベルを備えたToyopearl HIC樹脂の4種類を使用し得る。Toyopearl HIC樹脂の疎水性は、系列:エーテル、フェニル、ブチル及びヘキシルを通じて増加する。好ましいToyopearl HIC樹脂、すなわち、1000オングストロームの孔径を有するToyopearl HW−65が以下に示されている。
Figure 2008512997
上記されたToyopearl樹脂は、様々な粒径等級を有し得る。Toyopearl650Cは、約50ないし150μm、好ましくは約100μmの粒径を有するのに対して、Toyopearl650Mは、約40ないし90μm、好ましくは約65μmの粒径を有し、Toyopearl650Sは、約20ないし50μm、好ましくは約35μmの粒径を有する。粒径は分離能に影響を与えること、すなわち、CからMへ、MからSへの粒径等級で、分離能が改善し、このため、より小さな粒径とともに分離能が増加することが周知である。本発明に従うプラスミドDNAの分離及び精製法内で、HICクロマトグラフィー工程において使用される最も好ましいToyopearl樹脂は、Tosoh Bioscienceによって市販されているToyopearlブチル−650Sである。
さらなる透析ろ過工程を行い得る。標準的な市販の透析ろ過材料が、本分野で公知の標準的な技術に従って、本方法において使用するのに適している。好ましい透析ろ過法は、プラスミドサイズに応じて、30,000ないし500,000の範囲の分子量カットオフを有する限界ろ過膜を用いる透析ろ過である。透析ろ過のこの工程は、緩衝液交換を可能とし、次いで、濃縮が行われる。溶出液は、接線流ろ過(膜カットオフ、30kDa)によって、約2.5ないし3.0mg/mLの目標濃度まで、3ないし4倍濃縮され、生理的食塩水の10倍容量を用いる一定容量での透析ろ過によって、濃縮液を緩衝液交換し、生理的食塩水で目標プラスミド濃度になるように調整する。プラスミドDNA濃度は、濃縮液の試料の260nmでの吸光度から算出される。プラスミドDNA溶液は、0.2μmのカプセルフィルターを通してろ過され、数個の分取試料へ分割され、分取試料は、さらなる処理まで、2〜8℃の低温室中で、容器に入れて保存される。これによって、スーパーコイル状プラスミドのプラスミドDNA濃度が約70%、75%、80%、85%、90%、95%、好ましくは99%である精製された濃縮液が得られる。この方法による総プラスミド回収率は、少なくとも35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、及び80%であり、平均回収率は60%である。
このような透析ろ過工程は、以下の条件に従って実施される。工程a)に対する、及び工程b)に対する緩衝液が使用される。
i)50mM Tris/HCl、150mM、pH7.4の12.5ないし13.0容量(緩衝液Iと命名)に対する第1の透析ろ過(工程a)、及び
ii)生理的食塩水賦形剤(150mM NaCl)の3.0ないし3.5容量に対して、上記工程a)から得られた保持液の第2の透析ろ過を行う(工程b)。本発明のこの好ましい透析ろ過工程は、効率的且つ徹底的に硫酸アンモニウムを除去し、EDTAを徹底的に除去する。また、この透析ろ過工程に引き続き、適切な生理的NaCl濃度(約150mM)及び1mM未満の最終Tris濃度(200μMと1mMの間)が得られる。
好ましくは、使用されるプラスミドDNA組成物は、実質的に夾雑物を含まないか、又はppmを下回る夾雑物の範囲であり、このため医薬等級DNAである精製されたプラスミドDNAを含有する。医薬等級のプラスミドDNA組成物は、ppm未満(<0.0001%、すなわち、<0.0001mg/プラスミドDNA100mg)のgDNA、RNA及びタンパク質夾雑物を含むことが可能である。
医薬等級のプラスミドDNA組成物は、染色体DNA又はゲノムDNAの約0.01%未満、又は0.001%未満、好ましくは0.0001%未満、又は好ましくは0.00008%未満(<0.00008%、すなわち、0.0008mg/プラスミドDNA100mg)を含むことが可能である。
医薬等級のプラスミドDNA組成物は、RNA夾雑物の約0.01%未満、又は0.001%未満、好ましくは0.0001%未満、又は好ましくは0.00002%未満(<0.0002%、すなわち、0.0002mg/プラスミドDNA100mg)を含むことが可能である。
医薬等級のプラスミドDNA組成物は、宿主細胞タンパク質夾雑物の約0.0001%未満、最も好ましくは0.00005%未満(<0.00005%、すなわち、0.00005mg/プラスミドDNA100mg)を含有するプラスミドDNA調製物も含むことが可能である。
医薬等級のプラスミドDNA組成物は、0.1EU/mg未満の内毒素を含有するプラスミドDNA調製物も含むことが可能である。
医薬等級のプラスミドDNA組成物は、このため、主に環状の形態を含有し、より正確には、閉環形態プラスミドDNAの80%超、85%超、90%超、95%超又は99%超を含有する。
薬学的組成物は、約0.01%未満の宿主細胞ゲノムDNAの検出可能なレベルを有し、本発明では、約0.001%宿主細胞RNAを含むことが可能である。最も好ましくは、医薬等級のプラスミドDNA組成物は、約0.00008%未満の宿主細胞ゲノムDNA及び約0.00002%未満の宿主細胞RNA及び約0.00005%未満の宿主細胞タンパク質を有することが可能である。実際、本発明においては、あらゆる医薬等級のプラスミドDNA組成物に対して、上記純度レベルの任意の組み合わせを使用することが可能である。組成物は、薬学的に許容される他の成分、緩衝液、安定化剤又は細胞若しくは生物中への遺伝子転移、特にプラスミドDNAの転移を改善するための化合物を含むことも可能である。
次いで、このようにして得られたプラスミドDNAは、生理的食塩水賦形剤としてのNaCl、及びpH値を6.2と9の間、好ましくは6.5と8の間、より好ましくは7と7.5の間に維持又は調節するためのTris緩衝液の適切な濃度中で、本発明に従って調合され得る。本願のプラスミドDNA製剤は、驚くべきことに、5℃で、及び最大25℃、すなわち室温で、長期間にわたって、これらの条件において、安定な非分解形態で保存され得るので、本願のプラスミドDNA製剤は特に有用である。
上述のように、精製されたプラスミドDNAは、0.1EU/mg未満又は約0.1EU/mgの内毒素、約0.00005%未満又は約0.00005%の宿主細胞タンパク質夾雑物、0.00002%未満又は約0.00002%の宿主細胞RNA夾雑物、及び約0.00008%未満又は約0.00008%の宿主細胞ゲノムDNA夾雑物とともに、溶液中に存在する。医薬等級のプラスミドDNA組成物は、ppm未満(<0.00001%)の宿主細胞gDNA、RNA及びタンパク質夾雑物を含む。より正確には、検出可能なgDNA、RNA及びタンパク質夾雑物が実質的に存在しない医薬等級のプラスミドDNA組成物。また、医薬等級のプラスミドDNA組成物は、検出可能な細菌宿主染色体DNAを実質的に含まず、このため、染色体DNA又はゲノムDNAの約0.01%未満又は約0.001%未満、又は約0.0001%未満、又は好ましくは0.00008%未満を含む。さらに、検出可能な宿主細胞RNAを実質的に含まない医薬等級のプラスミドDNA組成物は、より正確には、宿主細胞RNA夾雑物の約0.01%未満又は約0.001%未満、及び好ましくは約0.0001%未満、又は好ましくは0.00002%未満を含む。さらに、医薬等級のプラスミドDNA組成物は、検出可能な宿主細胞タンパク質夾雑物を実質的に含まず、より正確には、宿主細胞タンパク質夾雑物の約0.0001%未満、最も好ましくは0.00005%未満を含む。最後に、医薬等級のプラスミドDNA組成物は、測定可能な内毒素夾雑物を実質的に含まず、より正確には、0.1EU/mg未満の内毒素を含む。プラスミドDNAは、実質的にスーパーコイル状の形態で存在し、より正確には、閉環形態のプラスミドDNAの約99%又は99%超を含む。
精製されたプラスミドDNAをバイアルに充填する前に無菌ろ過の工程を実施してもよい。これらの方法によって取得可能な精製されたプラスミドDNAのバイアルも提供される。
様々なサイズを有するあらゆる種類の精製が実施され得る。分離され得るプラスミドDNAのサイズ範囲は、約5kbから約50kbまで、好ましくは15kbないし50kbであり、このDNAは、約3kbのベクター骨格、治療用遺伝子及び随伴する制御配列を含む。このように、本発明において有用なベクター骨格は、約10ないし50kb以上の挿入物を有することが可能であり得る。挿入物は、あらゆる生物由来のDNAを含み得るが、好ましくは、哺乳類起源のDNAであり、治療タンパク質をコードする遺伝子に加えて、プロモーター、ポリアデニル化配列、エンハンサー、遺伝子坐調節領域などの制御配列を含み得る。治療用タンパク質をコードする遺伝子は、ゲノム由来であり得、従って、そのゲノム機構中に反映されるようにエキソン及びイントロンを含有するか、又は相補的DNA由来であり得る。このようなベクターは、例えば、治療用遺伝子、選択可能なマーカー(例えば、SupPhe tRNA)をコードする遺伝子、テトラサイクリンカナマイシン耐性遺伝子を挿入するためのポリリンカーを有する、高コピー数複製で複製可能なベクター骨格を含むことができ、物理的に小さく、安定である。ベクタープラスミドの骨格は、哺乳動物、他の真核生物、原核生物又はウイルスのDNAの断片の挿入を可能とし、得られたプラスミドは精製し、インビボ又はエキソビボの、プラスミドを基礎とした療法で使用され得る。比較的高いコピー数、すなわち、20〜40コピー/細胞の範囲、最大1000〜2000コピー/細胞を有するベクターを、本発明の方法によって分離及び精製し得る。例えば、pUC複製起点を含むベクターが、本発明の方法では好ましい。pUC複製起点は、プラスミドDNAのより効率的な複製を可能とし、例えば、pBR322起源に比べて、プラスミドコピー数/細胞を10倍増加させる。好ましくは、US2003/1618445号に記載されているような、条件的複製起点を有するプラスミドDNA又はpCORは、本発明の方法によって分離され得る。得られた高コピー数は、染色体DNA、RNA、細胞タンパク質及び補因子に対するプラスミドDNAの比を大幅に増加させ、プラスミド収率を改善させ、より容易な下流での精製を促進する。従って、本発明に従って、あらゆるベクター(プラスミドDNA)を使用し得る。代表的なベクターには、NV1FGFプラスミドが含まれるが、これに限定されない。NV1FGFは、末梢動脈閉塞障害(PAOD)又は末梢動脈障害(PAD)を有する患者を治療するのに有用な、酸性繊維芽細胞増殖因子又は繊維芽細胞増殖因子1型(FGF−1)をコードするプラスミドである。「Camerota et al.(J Vase.Surg., 2002, 35, 5:930−936)」は、再構築不能な終末期のPADを有し、静止時の疼痛又は組織壊死を有する51人の患者が、NV1FGFの単回又は反復漸増用量を虚血状態のもも及びふくらはぎ中に筋肉内注射されたことを記載している。続いて、経皮酸素圧、足首及び足指上腕血圧比、痛みの評価及び潰瘍の治癒などの様々なパラメータが評価された。NV1FGF投与後に、上腕血圧比の顕著な増加、痛みの軽減、潰瘍サイズの転換及び血流の改善が観察された。
プラスミドDNA組成物は、さらに、細胞中へのプラスミドDNA転移を改善するための少なくとも1つのポリマーを含み得る。プラスミドDNA組成物は、薬学的に許容されるビヒクル又は賦形剤も含み得る。プラスミドDNA組成物は、注射、静脈内注射、筋肉内注射、腫瘍内注射、小粒子衝突又は組織への局所適用による送達のために調合され得る。これらの組成物内のプラスミドDNAは、実質的に、スーパーコイル状閉環DNAの形態である。本発明において有用な宿主細胞は、あらゆる細菌株、すなわち、E.コリ及びサルモネラ・チピムリウム又は上記プラスミドの高コピー数(例えば、20−200コピー)を維持することができるバチルスなど、グラム陽性株とグラム陰性株の両方であり得る。E.コリ宿主株は、本発明に従って使用することができ、HB101、DH1及びDH5αF、XAC−1及びXAC−1pir 116、TEX2及びTEX2pir42(WO04/033664号)が含まれる。Fプラスミドは治療用プラスミド産物とともに同時精製し得るので、Fプラスミド又はFプラスミド誘導体(例えば、JM109)を含有する株は、一般に好ましくない。
(実施例)
クローニング及び分子生物学の一般的な技術
制限酵素による切断、ゲル電気泳動、大腸菌(E.coli)における形質転換、核酸及びそれらの類似物の沈殿等の分子生物学の伝統的な方法が文献に記載されている(Maniatis et al., 1., E.F. Fritsch, and J. Sambrook, 1989. Molecular cloning:a laboratory manual, second edition. Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York; Ausubel F.M., R. Brent, R.E. Kinston, D.D. Moore, J.A. Smith, J.G. Seidman and K. Struhl. 1987. Current protocols in molecular biology 1987−1988. John Willey and Sons, New York.)。既刊のプロトコール(Ausubel et al., 1987)に従ったチェーンターミネーション(chain termination)法によって、ヌクレオチド配列を決定した。
制限酵素をNew England Biolabs, Beverly, MA (Biolabs)により供給した。
連結を実施するため、ファージT4DNAリガーゼ(Biolabs)の存在下にある50mMトリス−HCl、pH7.4、10mMMgCl、10mMDTT、2mMATPを含む緩衝液中で、DNA断片をインキュベートする。
製造者の推奨を使用して、Biosearch8600自動DNA合成装置により、シアノエチル基によってβ位が保護されたホスホラミダイトを使用するホスホラミダイト化学作用を使用して(Sinha, N.D., J. Biernat, J. McManus and H. Koster, 1984. Polymer support oligonucleotide synthesis, XVIII: Use of β−cyanoethyl−N,N−dialkylamino−/N−morpholino phosphoramidite of deoxynucleosides for the synthesis of DNA fragments simplifying deprotection and isolation of the final product. Nucl. Acids Res., 12, 4539−4557: Giles, J. W. 1985. Advances in automated DNA synthesis. Am. Biotechnol., Nov./Dec.)、オリゴヌクレオチドを合成する。
連結されたDNA又は、形質転換の効率性について検査されるべきDNAを使用して、コンピテントとなった以下の株を形質転換する。すなわち、
(全てのCol E1プラスミドについて)大腸菌DH5α[F/endAl、hsdR17、supE44、thi−1、recA1、gyrA96、relA1、Δ(lacZYA−arqF)U169、deoR、φ80dlac(lacZΔM15)]、又は
(全てのpCor由来のプラスミドについて)大腸菌XAC−pir
である。
プラスミドDNAの微量標本を、「Klein et al.,1980」のプロトコールに従って作製する。
大腸菌系の成長のために、LB培地を使用する(Maniatis et al., 1982)。系を37℃でインキュベートする。適切な抗生物質で補充したLB培地の皿の上にバクテリアを播種する。
使用される流速に対する直径の調整は、連続溶解系のコイルにおけるレイノルド数の算出に従う。以下の分析は、流体の挙動がニュートン流体であると仮定するため、以下に報告される図が完全に妥当であるのはB1aだけであり、B2においてはある程度妥当であるにすぎない。
レイノルド数の値によって、当業者は遭遇する挙動のタイプを特定できる。ここで、本発明者らは、チューブの中での流体流(水圧工学)のみを取り扱う。
1)非ニュートン流体
産業上最も共通して遭遇する非ニュートン流体の2つのタイプは、ビンガム及びオストワルドデワール(Ostwald de Waele)である。
この場合、レイノルド数(Re)は、次のように算出する。
Reは、一般化されたレイノルド数である。
ReN=(1/(2n-3))×(n/3n+1)n×((ρ×Dn×w2-n)/m) (1)
D:断面(m)の内径
ρ:流体の容量(kg/m
w:流体の空間的速度(m/s)
n:流体挙動指数(無次元)
m:流体一致係数(dyn.s/cm
並びにn及びmを経験的に決定する(流体力学的挙動の研究)
2)ニュートン流体
第一のセクションと同様に、等式(1)において、本発明者らは、
n及びmがμの関数であるため、Re=f(内径、μ、ρ、及びu)
を有する。
Re=(u×D×ρ)/μ (2)
ρ:流体の容量(kg/m
μ:流体の粘性(Pa.s及び1mPa.s=1cP)
D:断面の内径(m)
u:流体の平均空間的速度(m/s)
n=1の場合、等式(1)は、等式(2)になる。
Q=流速(m/時)及びS=断面の表面積(m)であり、μがcPにおいて付与される場合、
Re=(4×(Q/3600)×ρ)/((μ/1000)×Π×D) (3)
である。
環状の導管では、2500を下回るレイノルド数に対して、流れは層状であり、2000ないし500,000のレイノルド数に対して、水圧上滑らかな乱流である。限界は、2000ないし2500と意図的にあいまいとなっており、この場合、後に生じうることを決定するために、挙動の両タイプを使用して、事後的に選択を行う。
3)算出
n及びmが一般には公知ではないため、以下の近似値を使用して傾向を推測した。
(横断面全てにおける)ニュートン流体
ρ=1000kg/m(流体全部について)
μ=B1aにおいて5cP及びB1bについて40cP(本発明者らのデータ)
B2において2.5cP(本発明者らのデータ)
配置1及び配置2と呼ばれる検査された2つの標準的なチューブ配置(B1bチューブなし)について、等式(3)を使用して以下の算出を実施した。
Figure 2008512997
これら二つの配置において、流れは全ての段階において層状であり、溶液を互いに十分には混合しない。
他のチューブ配置(B1bチューブなし)について、本発明者らは、以下を有する。
Figure 2008512997
B1a及びB1bの両チューブが存在するさまざまなチューブ配置について、等式(3)を使用して同様の算出を実施した。
Figure 2008512997
明らかに、チューブ直径及び流速を調整することによって、予め定義されたレイノルド値を得ることができる。
当業者は、B2又はB1の二つのセクション(B1a及びB1b)についての直径及び長さの多くの組み合わせを想定することが可能である。例えば、B1の第一セクションは、長さを縮小するために6mmから3mmへと縮小でき、撹拌を増大できる。さらに、n及びmを、流体の流動学的挙動に関する研究から決定することができ、チューブの正しい特性を決定するのに使用し得る。
撹拌の効率性のほかに、当業者は撹拌の時間も考慮することができ、これは、本発明のいくつかの態様において、コイルの長さを調整することによって得られる。
チューブの直径又は流体速度は、非ニュートン流体の場合、等式(1)において支配的であるようには見えない(データ非表示)。言い換えれば、等式(1)をB1b及びB2内での算出に使用する場合、流速を変化させるよりも直径を変化させるほうがより効果的であるようには見受けられない。大きな流速が望ましい場合、直径は流速とともに変動しうる。
gDNAの断片化を回避するため、B1b及びB2においてできるだけ多く撹拌を制限するための基礎として、これらの原理を使用できる。
溶解の間、gDNAを変性しない限り、撹拌を非常に激しく行うことができる。B1の開始において直径を縮小することによって、溶液2を細胞と十分に混合するために、撹拌を増大できる(Reの増大)。その一方で、細胞を溶解するとき、撹拌及び壁に対する摩擦力は、核酸の断片化を回避するように低下されうる。直径を増大させることによって、撹拌を低下でき(Reの低下)、摩擦を低下できる(速度の低下)。
M1:流体を混合すること
B1a:溶解の開始時に混合を微調整すること:対流現象(マクロ混合)
B1b:変性させること+拡散現象(ミクロ混合)
古典的なレイノルド数がニュートン流体について有するのと同じ意味を、一般化されたレイノルド数が非ニュートン流体について有することが仮定される。特に、環状断面の導管における層状水量状況についての限界がRe<2300であると仮定される。
中和をB2内で実施する。大きな流速は、あまりにも激しい撹拌を生じることによって、及び壁での摩擦力(機械的ストレス)によって、ゲノムDNAの断片化を増大させる傾向がある。大きな直径のチューブを使用することによって、撹拌(Re)及び摩擦力(粘性)を低下できる。本発明者らは、十分ではない撹拌を回避するために小さな直径のチューブ(6mm)を本明細書で位置づけた。本発明者らの観察は、中和された可溶化液を「激しく」及び「迅速に」撹拌するために、B2について小さな直径のチューブのみを有するのが最良であることを示している。
本発明者らは、CL系を5段階に分解できる。ある特定の実施形態において、配置は次のとおりである。
1)混合:(溶液1中の)細胞+溶液2(M1+6mmチューブ3m)。SDSによる細胞の溶解の開始で、変性しない限りDNAを断片化する危険性はない。
2)溶解の終了及びgDNAの変性(16mmチューブ13m)。
3)混合:可溶化液+溶液3(M2+6mmチューブ3m)。
4)中和した可溶化液を4℃で回収すること。
5)gDNAの綿状沈殿物及び大きな断片を4℃で一晩沈殿させること。
以下の条件を使用して、連続的な溶解を実施しうる。
−溶液1:EDTA10mM、グルコース(Glc)9g/L及びTris HCl 25mM、pH7.2
−溶液2:SDS1%及びNaOH0.2N
−溶液3:酢酸2M及び酢酸カリウム3M
−流速60L/時:溶液1及び溶液2
−流速90L/時:溶液3
38.5g/となるように、細胞を溶液1で調整する。
溶液1中の細胞は、細胞を溶液2へ分散する3つのノズルを通過し、溶液2は反対方向から到達する。
−ミキサーM1は2つの流体の混合を最適化できる幾何学的構造を有する(図2のミキサーの模式図を参照)。
−ミキサーM1後のチューブの第一セクションはB1aであり、次のセクションはB1bである。
B1a: 3m長、6mm直径、2.5秒残存時間
B1b: 13m長、16mm直径、77秒残存時間
本発明の工程は、効率性の点で利点を提供し、その利点は次のように要約される。すなわち、分散、短い激しい混合、拡散による温和な混合である。
本発明の工程を使用すると、溶解される細胞の数は増加し、それゆえ、回収されるプラスミドDNAの質は向上する。
これらの流体の特性、特に粘弾性によるこれらの流体の混合の困難さのため、拡散という考え方は特に重要である。
本発明の工程によって、剪断ストレスを制限できるので、gDNAの断片化を制限でき、その後のクロマトグラフィー精製の間にそれを除去するのを容易にする。
次に、問題は溶液3との混合であり、4℃へ冷却しうる。ある実施形態において、本発明の工程は以下を使用する。
−約10mmの内径のYであるミキサーM2
−ミキサーM2の後に設置されるチューブB2のセクション
B2: 6mmチューブ2m、残存時間1秒
表5は以下に、バッチ溶解と比較した、本発明者らの連続溶解工程の利点を示す比較検査において得られた結果を与える。
Figure 2008512997
使用されるカラムは、ペリスタポンプ(出力1ml/分未満)へ接続され、NHS(N−ヒドロキシスクシンイミド、Pharmacia)により活性化された1mlのHiTrapカラムである。使用される特異的オリゴヌクレオチドは、5’末端にNH基を有し、その配列は次のとおりである。
5’−GAGGCTTCTTCTTCTTCTTCTTCTT−3’(配列番号1)
本実施例において使用される緩衝液は次のとおりである。
カップリング緩衝液:0.2MNaHCO、0.5MNaCl、pH8.3
緩衝液A:0.5Mエタノールアミン、0.5MNaCl、pH8.3
緩衝液B:0.1M酢酸塩、0.5MNaCl、pH4
カラムを1mM HCl6mLで洗浄し、カップリング緩衝液中に希釈されたオリゴヌクレオチド(1mL中に50nmol)を次にカラムへ適用し、室温で30分間放置する。カラムを緩衝液A6mLで、次に緩衝液B6mLで連続して3回洗浄する。従って、CONH連結を通じてオリゴヌクレオチドをカラムへ共有結合する。カラムを4℃で、PBS、0.1%NaN中に保存し、少なくとも4回使用しうる。
以下の2つのオリゴヌクレオチドを合成した。すなわち、オリゴヌクレオチド4817:5’−GATCCGAAGAAGAAGAAGAAGAAGAAGAAGAAGAAGAAGAAGAAGAAGAAGAAGAAGG−3’(配列番号13)及びオリゴヌクレオチド4818:5’−AATTCCTTCTTCTTCTTCTTCTTCTTCTTCTTCTTCTTCTTCTTCTTCTTCTTCTTCG−3’(配列番号14)である。
これらのオリゴヌクレオチドは、ハイブリダイズされ、プラスミドへクローンニングされると、上述のように、ホモプリン−ホモピリミジン配列(GAA)17(配列番号15)を対応するプラスミド中に導入する。
これら2つのハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドに対応する配列を、アンピシリン耐性遺伝子を運搬するプラスミドpBKS+(Stratagene Cloning System, La Jolla CA)の多重クローニング部位にクローニングする。この目的のため、オリゴヌクレオチドを次の方法でハイブリド形成させる。これら2つのオリゴヌクレオチド1μgを、50mM Tris−HCl、pH7.4、10mMMgClを含有する最終緩衝液40mL中に、一緒に配置する。この混合物を95℃へ加熱した後、室温に置き、これにより温度がゆっくり低下する。ハイブリド形成したオリゴヌクレオチドの混合物10ngを、30μL最終量中のBamHI及びEcoRIで切断したプラスミドpBKS+(Stratagene Cloning System, La Jolla CA)200ngと連結する。連結の後、一定分量をDH5aへ形質転換する。形質転換混合物を、アンピシリン(50mg/l)及びX−gal(20mg/l)で補充したL培地上に播種する。組換えクローンは、大腸菌β−ガラクトシダーゼの断片ωのα相補を可能とする親プラスミド(pBKS+)とは対照的に、この培地上で青色発色しないことを示すはずである。6個のクローンからプラスミドDNAを微量調製した後、これらはすべて、pBKS+のEcoRI部位とBamHI部位の間に位置するPstI部位の消失、及び多重クローニング部位を含有する448塩基対のPvuIIバンドの分子量の増加を示した。1個のクローンを選択し、対応するプラスミドをpXL2563と命名する。プラスミドpBKS+(Stratagene Cloning System, La Jolla CA)に対してプライマー−20(5’−TGACCGGCAGCAAAATG−3’)(配列番号16)を使用する配列決定(Viera J. and J. Messing. 1982. The pUC plasmids, an M13mp7−derived system for insertion mutagenesis and sequencing with synthetic universal primers. Gene, 19, 259−268)により、クローニングした配列を確認する。供給者の推奨に従って、ウィザードメガプレップキット(Promega社、Madison,WI)に従って、プラスミドpXL2563を精製する。このプラスミドDNA調製物を、以下に記載されている実施例において使用する。
1.1に記載されるように、オリゴヌクレオチドへ連結したHiTrapカラム上で、プラスミドpBKS+も含有する溶液からプラスミドpXL2563を精製する。
この精製において使用される緩衝液は、次のものである。
緩衝液F:2M NaCl、0.2M酢酸塩、pH4.5ないし5
緩衝液E:1M Tris−HCl、pH9、0.5mM EDTA
カラムを緩衝液F6mLで洗浄し、プラスミド(緩衝液F400μl中のpXL2563の20μg及びpBKS+の20μg)をカラムへ適用し、室温で2時間インキュベートする。カラムを緩衝液F10mlで洗浄した後、溶出を緩衝液Eで実施する。1%アガロースゲル上での泳動及び臭化エチジウム染色後に、プラスミドを検出する。溶液中のプラスミドの割合は、大腸菌に関するそれらの形質転換活性を測定することによって推測する。
pXL2563の30%及びpBKS+の70%を含有する混合物から出発して、pXL2563の100%を含有する溶液をカラム出口で回収する。260nm及び280nmでのOD比により推測される純度は1.9から2.5へ上昇し、このことは、夾雑しているタンパク質はこの方法により除去されることを示す。
オリゴヌクレオチド(5’−GAGGCTTCTTCTTCTTCTTCTTCTT−3’)(配列番号1)のカラムへの連結を、実施例3に記載されるとおり実施する。連結のため、6個の炭素原子を含有するアームによって、スペーサーのリン酸塩へ連結されたアミン基を用いて、オリゴヌクレオチドの5’末端を修飾する(Modified oligonucleotide Eurogentec SA,Belgium)。供給者の推奨に従って、ウィザードメガプレップキット(Promega社、Madison,WI)を使用して、プラスミドpXL2563を精製する。
この実施例において使用される緩衝液は、次のものである。
緩衝液F:0ないし2MNaCl、0.2M酢酸塩、pH4.5ないし5
緩衝液E:1Mトリス−HCl、pH9、0.5mMEDTA
カラムを緩衝液F6mLで洗浄した後、緩衝液F400μL中に希釈したプラスミドpXL2563の100μgをカラムへ適用し、室温で2時間インキュベートする。カラムを緩衝液F10mlで洗浄した後、緩衝液Eで溶出を実施する。260nmでの光学密度を測定することによってプラスミドを定量する。
本実施例では、NaClに関する容積モル濃度が0Mから2Mまで変動する緩衝液(緩衝液F)中で結合を実施する。精製の収量は、NaClの容積モル濃度が低下すると減少する。結合緩衝液のpHは、4.5から5まで変動でき、精製収量は4.5で、より良好である。塩基性pHの別の溶出緩衝液を使用することも可能であり、従って、50mMホウ酸塩、pH9、0.5mMEDTAを含む緩衝液で溶出を実施する。
カラムへのオリゴヌクレオチド(5’−GAGGCTTCTTCTTCTTCTTCTTCTT−3’)(配列番号1)の連結は、実施例3に記載されるとおり実施する。供給者の推奨に従って、ウィザードメガプレップキット(Promega社、Madison,WI)を使用して、プラスミドpXL2563を精製する。本実施例において使用される緩衝液は、次のものである。
緩衝液F:0.1MNaCl、0.2M酢酸塩、pH5
緩衝液E:1Mトリス−HCl、pH9、0.5mMEDTA
カラムを緩衝液F6mLで洗浄した後、緩衝液F400μL中に希釈したプラスミドpXL2563の100μgをカラムへ適用し、室温で1時間インキュベートする。カラムを緩衝液F10mlで洗浄した後、緩衝液Eで溶出を実施する。オリゴヌクレオチドカラムを通過する前後のプラスミド試料に存在するゲノム又は染色体大腸菌DNAの含有量を測定する。このゲノムDNAを大腸菌galK遺伝子においてプライマーを使用するPCRにより定量する。以下のプロトコールに従う。これらのプライマーの配列は、Debouck et al. (Nucleic Acids Res. 1985, 13, l841−1853)によって記載される。すなわち、
5’−CCGAATTCTGGGGACCAAAGCAGTTTC−3’(配列番号17)
及び5’−CCAAGCTTCACTGTTCACGACGGGTGT−3’(配列番号18)
である。
反応液は、PCR緩衝液(Promega France,Charbonnieres)25μl中に、1.5mMMgCl、0.2mMdXTP(Pharmacia,Orsay)、0.5μMプライマー、20U/mlTaqポリメラーゼ(Promega)を含む。次の一連に従って反応を実施する。
95℃で5分
95℃で10秒間の30周期
60℃で30秒間
78℃で1分間
78℃で10分間
長さ124塩基対の増幅したDNA断片をSybrGreen I(Molecular Probes,Eugene,USA)の存在下での3%アガロースゲル電気泳動により分離した後、大腸菌B系由来の超純粋ゲノムDNAシリーズ(Sigma,refD4889)に対する参照により定量する。
本実施例は、いわゆる「ミニプレップ」スケールのバクテリア培養物の透明な可溶化液から得られるプラスミドDNAの精製を記載する。プラスミドpLX2563を含有するDH5α系の一晩培養したもの1.5mlを遠心分離し、ペレットを50mMグルコース、25mM トリス−HCl、pH8、10mM EDTAの100μLに再懸濁する。0.2MNaOH、1%SDSの200μLを添加し、チューブを転倒混和した後、3M酢酸カリウム、pH5の150μLを添加し、チューブを転倒混和する。遠心分離後、上清を回収し、実施例1に記載されるとおり得られたオリゴヌクレオチドカラムへ負荷する。結合、洗浄及び溶出は、実施例3に記載されるものと同一である。プラスミド約1μgを培養物1.5mLから回収する。得られたプラスミドをアガロースゲル電気泳動及び臭化エチジウム染色によって分析すると、「スーパーコイル状の」環状DNAの単一バンドの形態を取る。高分子量(染色体)DNA又はRNAの痕跡は、本方法によって精製されるプラスミドにおいて検出できない。
本実施例は、プラスミドpXL2563を含有するDH5α系のバクテリア培養物20mlから出発する、実施例5と同一条件下で実施されるプラスミドDNA精製実験を記載する。50mM グルコース、25mM Tris−HCl、pH8、10mM EDTAの1.5mLに細胞ペレットを採取する。0.2M NaOH、1%SDSの2mlで溶解を実施し、3M酢酸カリウム、pH5の1.5mLで中和する。次に、DNAを2−プロパノール3mLで沈殿させ、0.2M酢酸ナトリウム、pH5、0.1M NaClの0.5mLにペレットを採取し、上述の実施例に記載されるとおり得られたオリゴヌクレオチドカラムへ負荷する。洗浄緩衝液のNaClの容積モル濃度が0.1Mであることを除き、カラムの結合、洗浄及び溶出を上述の実施例に記載されるとおり実施する。得られたプラスミドをアガロースゲル電気泳動及び臭化エチジウム染色によって分析すると、「スーパーコイル状」の環状DNAの単一バンドの形態を取る。高分子量(染色体)DNA又はRNAの痕跡は、精製されたプラスミドには検出できない。制限酵素によるプラスミドの切断は、3キロベースの予想分子量で単一のバンドを付与する。プラスミドは、サイトメガロウィルスプロモーター、ルシフェラーゼをコードする遺伝子、及びプラスミドpXL2563から誘導されるホモプリン−ホモピリミジン配列(GAA)17(配列番号15)を含有するカセットを含有する。このプラスミドを含有するDH1系(Maniatis et al., 1989)を、7Lの発酵槽中で培養する。透明な可溶化液を細胞200gから調製する。25mM Tris、pH6.8、50mMグルコース、10mM EDTAの2Lに細胞ペレットを採取し、これに0.2MNaOH、1%SDSの2lを添加する。3M酢酸カリウム1Lを添加することによって可溶化液を中和する。透析ろ過後、この可溶化液4mlを、実施例3に記載されている方法に従って、配列5’−GAGGCTTCTTCTTCTTCTTCTTCTT−3’(配列番号1)のオリゴヌクレオチドへ連結されたHiTrap−NHSカラム5mlへ適用する。洗浄及び溶出を、上述の実施例に記載されているとおりに実施する。
本実施例は、メチル化されたシトシンを運搬するオリゴヌクレオチドの使用を記載する。使用されるオリゴヌクレオチドの配列は次のとおりである。
5’−GAGGMeCTTMeCTTMeCTTMeCTTMeCCTMeCTTMeCTTMe−3’(配列番号19)
このオリゴヌクレオチドは、5’末端にNH基を有する。MeC=5メチルシトシンである。本オリゴヌクレオチドによって、プラスミドpXL2563は、pH5の結合緩衝液を使用して実施例1の条件下で精製できる(プラスミドの変性の危険性はそれにより低下する。)。
上述の実施例において、使用されるオリゴヌクレオチドを、6個の炭素原子を含有するアームNH−(CHを通じてリン酸塩へ連結されたアミン基を使用して、5’末端で修飾する。本実施例では、12個の炭素原子を含有するアームNH−(CH12を通じて5’末端のリン酸塩へアミン基を連結する。オリゴヌクレオチドの連結及びカラムの通過を実施例3に記載されるとおり実施し、緩衝液Fすなわち2MNaCl、0.2M酢酸塩、pH4.5を使用する。このオリゴヌクレオチドによって、より良好な精製収量を有することができ、53%収率を得るのに対し、6個の炭素原子を含有するオリゴヌクレオチドを使用すると、この収率は同一条件下で45%のオーダーである。
実施例3に記載されているクローニング戦略の後、ホモプリン−ホモピリミジン配列を運搬する別の2つのプラスミドを構築する。すなわち、配列(GGA)16(配列番号20)を含有するプラスミドpXL2725及び配列(GA)25(配列番号21)を含有するプラスミドpXL2726である。
プラスミドpXL2563と類似したプラスミドpXL2725及びpXL2726を、実施例3に記載されるクローニング戦略に従って構築し、次のオリゴヌクレオチド対を使用する。
5986: 5’−GATCC(GA)25GGG−3’(配列番号22)
5987: 5’−AATTCCC(TC)25G−3’(配列番号23)
5981: 5’−GATCC(GGA)17GG−3’(配列番号24)
5982: 5’−AATT(CCT)17CCG−3’(配列番号25)
オリゴヌクレオチド対5986及び5987を使用して、pBKS+(Stratagene Cloning System,La Jolla CA)のBamHI部位及びEcoRI部位にオリゴヌクレオチドをクローニングすることによって、プラスミドpXL2726を構築する一方、オリゴヌクレオチド5981及び5982を使用して、プラスミドpXL2725を構築する。プラスミドpXL2563の構築についてと同一の実験条件を使用し、オリゴヌクレオチド対のみを変化させる。同様に、プラスミドに関する配列決定により、クローニングされた配列を確認する。このことによって、プラスミドpXL2725が予想される配列に対する修飾を有することが明らかとなり、配列GGAが17回繰り返される代わりに、GGAGA(GGA)15(配列番号26)が存在する。
これらのホモプリン配列を使用して三重螺旋を形成するオリゴヌクレオチドを、実施例1.1に記載される技術に従ってHiTrapカラムへ連結する。配列5’−AATGCCTCCTCCTCCTCCTCCTCCT−3’(配列番号27)のオリゴヌクレオチドを使用してプラスミドpXL2725を精製し、配列5’−AGTGCTCTCTCTCTCTCTCTCTCTCT−3’(配列番号28)を使用してプラスミドpXL2726を精製する。
これらにより得られた二つのカラムによって、実施例2に記載される技術に従って対応するプラスミドが精製でき、以下の緩衝液を使用した。
緩衝液F: 2MNaCl、0.2M酢酸塩、pH4.5
緩衝液E: 1Mトリス−HCl、pH9、0.5mMEDTA
得られた収率は、pX2725及びpXL2726についてそれぞれ23%及び31%である。
本実施例は、プラスミド中に存在する特異的な配列の長さが精製収量に及ぼす影響について説明する。
本発明の組成物の活性を示すための本実験において使用されるリポーター遺伝子は、ルシフェラーゼ(Luc)をコード遺伝子である。
プラスミドpXL2621は、ベクターpGL塩基性ベクター(Promega社、Madison,WI)へのMluI部位及びHindIII部位でルシフェラーゼをコード化する遺伝子の上流をクローニングした661塩基対のサイトメガロウィルス(CMV)プロモーターを含有するカセットを含有する。分子生物学の標準的な技術を使用して、このプラスミドを構築する。
プラスミドpXL2727−1及びpXL2727−2を以下の方法で構築する。
プラスミドpXL2621の2μgをBamHIで直鎖化し、65℃で10分間の処理により酵素を不活性化し、同時に、プラスミドpXL2563の構築について記載されているとおりに、オリゴヌクレオチド6006及び6008をハイブリダイズする。
6006: 5’−GATCT(GAA)17CTGCAGATCT−3’(配列番号29)
6008: 5’−GATCAGATCTGCAG(TTC)17A−3’(配列番号30)
このハイブリダイゼーション混合物をプラスミドpXL2621のBamHI末端にクローニングし、DH5αへと形質転換した後、これらオリゴヌクレオチドはPstI部位を導入するので、PstI酵素制限分析によって組換えクローンを同定する。2つのクローンを選択し、プライマー(6282、5’−ACAGTCATAAGTGCGGCGACG−3’(配列番号31))を配列決定反応プライマーとして使用して、クローニング断片のヌクレオチド配列を確認する(Viera J. and J.Messing, 1982)。pUCプラスミドは、挿入変異誘発及び合成の汎用プライマーによる配列決定のための、M13mp7由来のシステムである(Gene 19:259−268)。
第1のクローン(pXL2727−1)は、10回繰り返される配列GAAを含有する。第2(pXL2727−2)は、配列5’−GAAGAAGAG(GAA)GGAAGAGAA−3’(配列番号32)を含有する。
実施例3において記載されているような、オリゴヌクレオチド5’−GAGGCTTCTTCTTCTTCTTCTTCTT−3’(配列番号1)へ連結されたカラムを使用する。
プラスミドpXL2727−1は、配列GAAの14回繰り返しを保有する。従って、対応するハイブリダイゼーション配列CTTの7回繰り返しのみを含有する上述のオリゴヌクレオチドは、8個の異なる位置でプラスミトとハイブリド形成できる。対照的に、プラスミドpXL2727−2は、カラムへ結合されたオリゴヌクレオチドと同一の長さのハイブリダイズ配列(GAA)(配列番号36)を有する。このオリゴヌクレオチドはそれゆえ、pXL2727−2上のたった1つの位置でハイブリド形成できる。
本実験は、実施例4に記載されるものと同一であり、以下の緩衝液を使用する。
緩衝液F: 2MNaCl、0.2M酢酸塩、pH4.5
緩衝液E: 1Mトリス−HCl、pH9、0.5mMEDTA
精製収率は、プラスミドpXL2727−1で29%、pXL2727−2で19%である。
使用される細胞はNIH3T3細胞であり、実験前日に50,000個細胞/ウェルに基づいて24ウェル培養プレートへと接種される。150mMNaCl中にプラスミドを希釈し、リポフェクタントRPR115335と混合する。6に等しいリポフェクタント陽性負荷/DNA陰性負荷の比を使用する。混合物を渦巻攪拌し、室温で10分間放置し、ウシ胎児血清を含まない培地中に希釈した後、培養ウェル当たりDNA1μgの割合で細胞へ添加する。37℃で2時間後、仔牛胎児血清の10%容積/容積を添加し、細胞をCO2の5%の存在下において、37℃で48時間インキュベートする。細胞をPBSで2回洗浄し、記載されるプロトコール(プロメガキット、Promega社、Madison,WI)に従って、Lumat LB9501ルミノメーター(EG and G Berthold,Evry)でルシフェラーゼ活性を測定する。実施例8.2に記載されているように精製されたプラスミドpXL2727−1は、ウィザードメガプレップキット(Promega社、Madison,WI)を使用して精製される同一のプラスミドで得られるものの2倍の形質移入収量を付与する。
以下の実施例は、三重螺旋アフィニティークロマトグラフィーを使用するpCOR由来のプラスミドの精製を示す。この技術は、従来のクロマトグラフィー法で達成されなかったレベルまで核酸夾雑物質(特に宿主ゲノムDNA及びRNA)を除去することが示されている。
クロマトグラフィーマトリクスとしてセファクリルS−1000SF(Amersham−Pharmacia Biotech)を用いて、三重螺旋アフィニティゲルを合成する。まず、セファクリルS−1000を0.2M酢酸ナトリウム(pH4.7)中のm−過ヨウ素酸ナトリウム(3mM、室温、1時間)で活性化する。次に、オリゴヌクレオチドを、その5’−NH末端部分を通じて、活性化されたマトリクスのアルデヒド基へ、タンパク質のカップリングについて上述のとおり、アスコルビン酸(5mM)の存在下での還元的アミノ化によって連結する(Hornsey et al., J. Immunol. Methods, 1986, 93, 83−88)。これらの実験について使用されるホモピリミジンオリゴヌクレオチド(Eurogentec社製、HPLC精製済み)は、pCORプラスミドの複製開始点(oriγ)に存在する短い14マーのホモプリン配列(5’−AAGAAAAAAAAGAA−3’)(配列番号10)に対して相補的な配列を有した(Soubrier et al., Gene Therapy, 1999, 6, 1482−1488)。上述のように、ホモピリミジンオリゴヌクレオチドの配列は、5’−TTCTTTTTTTTCTT−3’(配列番号11)である。
以下のプラスミドをクロマトグラフィーにかける。すなわち、pXL3296(導入遺伝子を有さないpCOR、2.0kpb)、pXL3179(pCOR−FGF、2.4kpb)、pXL3579(pCOR−VEGFB、2.5kbp)、pXL3678(pCOR−AFP、3.7kbp)、pXL3227(pCOR−lacZ、5.4kbp)及びpXL3397(pCOR−B欠失FVIII、6.6kbp)である。これらのプラスミドを全て、実施例4に記載されるように得られた透明な可溶化液から2段階の陰イオン交換クロマトグラフィーによって精製する。ColEI由来のプラスミドであり、CsCl中の超遠心分離によって精製されるプラスミドpBKS+(Stratagene製pBluescript II KS+)も調べる。使用されるプラスミドは全て、スーパーコイル(95%超)状のトポロジー状態又は形態にある。
各プラスミドDNA精製実験において、2MNaCl、0.2M酢酸カリウム(pH5.0)の6ml中のプラスミドDNA300μgを、上述のオリゴヌクレオチド5’−TTCTTTTTTTTCTT−3’(配列番号11)を含有するアフィニティーカラム上に30cm/時の流速で負荷する。カラムを同一緩衝液5容積で洗浄した後、結合したプラスミドを1Mトリス/HCl、0.5mMEDTA(pH9.0)で溶出し、紫外線(260nm)及びミリポアGen−Pakカラムを使用するイオン交換クロマトグラフィーにより定量する(Marquet et al., BioPharm, 1995, 8, 26−37)。回収された画分中のプラスミド回収物は、pXL3296について207μg、pXL3179について196μg、pXL3579について192μg、pXL3678について139μg、pXL3227について97μg、及びpXL3397について79μgである。
このカラムで、pBKSをクロマトグラフィー精製すると、プラスミドの結合は検出できなかった(3μg未満)。このことは、オリゴヌクレオチド5’−TTCTTTTTTTTCTT−3’(配列番号11)がpCOR(oriγ)に存在する相補的な14マーの配列5’−AAGAAAAAAAAGAA−3’(配列番号10)と安定した三重螺旋構造を採るが、pBKSに存在する密接に関連した配列5’−AGAAAAAAAGGA−3’(配列番号8)とは三重螺旋構造を採らないことを示す。このことは、単一の基準外の三連構造(この場合はTGC)の導入が、三重螺旋の完全な不安定化をもたらすことを示す。
対照として、厳密に同様の条件下であるが、オリゴヌクレオチドなしで合成されたブランクカラム上でpXL3179をクロマトグラフィー精製すると、プラスミドの結合は観察されなかった(1μg未満)。
本明細書で報告される条件において本アフィニティー精製カラムを操作することによって、宿主ゲノムDNAによる夾雑のレベルをpXL3296の調製について2.6%から0.07%まで低下した。同様に、試料を同一のアフィニティーカラムを通じてクロマトグラフィー精製すると、宿主DNAによる夾雑のレベルは、pXL3179の調製について0.5%から0.008%まで低下する。
以下の実施例は、三重螺旋アフィニティークロマトグラフィーを使用するColE1由来のプラスミドの精製を示す。本技術は、従来のクロマトグラフィー法で達成されなかったレベルまで核酸夾雑物質(特に宿主ゲノムDNA及びRNA)を除去することが示されている。
上述の実施例において記載される過ヨウ素酸により酸化されるセファクリルS−1000SFへ、配列5’−TCTTTTTTTCCT−3’(配列番号9)を有するオリゴヌクレオチドの連結によって、三重螺旋アフィニティーゲルを合成する。
プラスミドpXL3296(導入遺伝子を持たないpCOR)及びColE1由来のプラスミドであるpBKSを、実施例9に記載されている条件下でオリゴヌクレオチド5’−TCTTTTTTTCCT−3’(配列番号9)を含有する1mlカラム上でクロマトグラフィー精製する。回収される画分中のプラスミド回収物は、pBKSについて175μgであり、pXL3296について1μg未満である。このことは、オリゴヌクレオチド5’−TCTTTTTTTCCT−3’(配列番号9)がpBKSに存在する相補的な12マーの配列(5’−AGAAAAAAAGGA−3’)(配列番号8)と安定した三重螺旋構造を形成するが、pCORに存在する非常に密接に関連した12マーの配列(5’−AGAAAAAAAAGA−3’)(配列番号34)とは形成しないことを示す。このことは、単一の基準外の三連構造(この場合はCAT)の導入が、三重螺旋の完全な不安定化をもたらすことを示す。
次の方法によって、調節されていないエルレンマイヤーフラスコ中で種培養物を生じる。作業する細胞バンクを、M9modG5培地を含有するエルレンマイヤーフラスコへ、0.2%v/vの播種速度で接種する。グルコースが枯渇するまで、37±1℃で約18±2時間、回転式振とう器で、220rpmで、本系を培養する。これにより、200mLの種培養物が得られる。培養物の光学密度は、A600約2ないし3であると予想される。
次に、第一発酵槽中に前培養物を作製する。M9modG5培地を含有する前発酵槽へ種培養物を無菌的に移し、0.2%(v/v)の播種速度を確保し、通気及び撹拌下で培養する。pOを飽和の40%超に維持する。16時間後にグルコースを消費すると、培養物を回収する。このことは結果的に、前培養物約30Lを生じる。培養物の光学密度は、A600約2ないし3であると予想される。
次に、第二発酵槽中に主要培養物を作製する。滅菌したFmodG2培地270Lで満たした発酵槽へ前培養物30lを無菌的に移し、約10%(v/v)の播種速度を確保する。バッチモードで培養を開始し、いくらかのバイオマスを作製する。一旦、当初の糖が約4時間後に消費されたら、グルコース供給を開始する。特異的成長速度を0.09時−1近くに維持するために、通気、撹拌、pO(40%)、pH(6.9±0.1)、温度(37±1℃)及びグルコース供給を調節する。供給の約35時間後に培養を終止する。これにより、培養物約400Lが生じる。培養物の光学密度は、約100のA600であると期待される。
細胞回収と呼ばれる第1の分離段階を実施する。バイオマスを分離板型(disk stack)遠心分離で回収する。ブロスを3ないし4倍濃縮し、使用済み培地を除去し、滅菌S1緩衝液400L中に連続して再懸濁する。これにより、予め馴化されたバイオマス約500Lを生じる。DCW=25±5g/Lである。
濃縮段階と呼ばれる第2の分離段階を実施する。S1緩衝液中に再懸濁/ホモゲナイゼーション後、細胞を再度分離装置で処理し、濃縮したスラリーを生じる。このことは結果的に、洗浄及び濃縮されたスラリー約60ないし80Lを生じる。DCW=150±30g/Lであり、プラスミドDNA=300±60mg/Lである。
次に凍結段階を実施する。スラリーを20Lのフレックスボーイ(登録商標)バッグへ無菌的に移し(バッグの容量の50%まで満たした。)、その後、さらなる下流の工程前に−20±5℃で凍結する。これにより、バイオマスが凍結した。pDNA=300±60mg/Lであり、スーパーコイル形態は95%超である。
次に細胞解凍段階を実施する。凍結したバッグを20℃まで加温し、細胞スラリーを100mM塩酸トリス、10mMEDTA、20mMグルコースで40g/L、pH8.0へ希釈し、細胞が溶解しないよう撹拌しながら、懸濁液を20±2℃で1時間放置する。これにより、バイオマススラリーを解凍させる。pH=8.0±0.2である。
約20℃の温度をこの段階の間に使用しうる。
次に、アルカリ溶解段階を実施する。細胞溶解段階は、0.2N NaOH―35mM SDSの溶液(溶液S2)を使用して、インラインミキサーを介して、希釈した細胞懸濁液をくみ出すことを含み、これにコイル状のチューブ中での連続的な接触段階が続く。連続的な接触段階は、完全な細胞溶解並びにゲノムDNA及びタンパク質の変性を確実にするためにある。溶解した細胞の溶液を冷却した3M酢酸カリウム―2N酢酸の溶液3(S3)とインラインで混合した後、冷却し撹拌した容器中に回収する。溶液S3の添加は結果的に、ゲノムDNA、RNA、タンパク質及びKDSを沈殿させる。
次に、可溶化液のろ過を実施する。次に、中和した可溶化液を5±3℃で2ないし24時間撹拌せずにインキュベートし、3.5mm格子のフィルターを通じてろ過し、沈殿した材料のバルク(綿状沈殿物相)を除去した後、研磨ろ過段階として閉塞ろ過(depth filtration)を実施する。これにより、透明な可溶化液が生じ、スーパーコイル状のプラスミドの濃度は90%超である。
次に、陰イオン交換クロマトグラフィーを実施する。精製水を用いて、50mS/cmの標的伝導率値となるように透明な可溶化液を希釈し、二層フィルター(3μm―0.8μm)を通じてろ過し、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムへ負荷する。フラクトゲル(登録商標)TMAE HiCap(M)樹脂(Merck;1.10316.5000番)11.0Lを充填した300mmカラムを使用する。透明な可溶化液をカラムへ負荷し、NaClの段階勾配を使用して溶出を実施する。カラムへ結合した夾雑物質のバルクを、約61mS/cmで、NaCl溶液を用いて溶出し、DNAプラスミドを、約72mS/cmで、NaCl溶液を用いて溶出する。これによって、プラスミドDNAの高濃度を有するイオン交換クロマトグラフィー溶出液が得られる。
これに三重螺旋アフィニティークロマトグラフィーが続く。陰イオン交換クロマトグラフィーカラムからの溶出液を、4.8M NaClを含有する500mM酢酸ナトリウムの溶液(pH4.2)の約0.5容積で希釈し、2M NaClを含有する50mM酢酸ナトリウム(pH4.5)で平衡化した三重螺旋アフィニティークロマトグラフィーカラムを通じて送液する。カラムは直径300mmであり、THACセファクリル(登録商標)S−1000ゲル(Amersham Biosciences; Piscataway,NJ)10.0Lを含有する。1MNaCl及びNV1FGFを含有する50mM酢酸ナトリウムの溶液(pH4.5)でカラムを洗浄し、0.5mMEDTAを含有する100mMトリス(pH9.0)でNV1FGFを溶出する。これにより、高濃度のプラスミドを有する三重アフィニティークロマトグラフィー溶出液が得られる。
疎水性相互作用カラムクロマトグラフィー段階が続く。アフィニティークロマトグラフィーカラムの溶出液を、トリス中の3.8M硫酸アンモニウムの溶液(pH8.0)の3.6容積で希釈する。0.45μmフィルターを通じてのろ過後、トヨパール(登録商標)ブチル−650S樹脂(TosoH社、Grove City,OH)9.0Lで充填した疎水性相互作用カラム(直径300mm)へ、ろ液を60cm/時で負荷する。カラムを硫酸アンモニウムの溶液で約240mS/cmで洗浄し、NV1FGFを硫酸アンモニウムで220mS/cmで溶出する。これにより、弛緩した形態を含まないHIC溶出液が生じる。
好ましい態様に従って、さらなる透析ろ過段階を実施する。標準的な、商業上入手可能な透析ろ過材料は、本分野で公知の標準的な技術に従ったこの工程において使用するのに適している。好ましい透析ろ過方法は、プラスミドのサイズに応じて30,000ないし500,000の範囲の分子量をカットオフする超ろ過膜を使用する透析ろ過である。透析ろ過の本段階によって緩衝液交換が可能になり、次に濃縮を実施する。段階12の溶出液を、接線方向の流量ろ過(膜のカットオフは30kDa)によって、約2.5ないし3.0mg/mLの標的濃度へ3ないし4倍濃縮し、生理的食塩水の10容積を有する定常容積での透析ろ過によって濃縮液を緩衝液交換し、生理的食塩水で標的プラスミド濃度を調整する。NV1FGF濃度を、濃縮液の試料の260nmでの吸光度から算出する。0.2μmカプセルフィルターを通じてNV1FGF溶液をろ過し、2ないし8℃の冷却室にある容器中でさらなる処理まで保存する。これにより、精製された濃縮液が得られ、スーパーコイル状のプラスミドのプラスミドDNAの濃度は約70%、75%、80%、85%、90%、95%、及び好ましくは99%である。この工程による全体的なプラスミド回収は、少なくとも35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、及び80%であり、平均回収率は60%である。
イオン交換クロマトグラフィー(AEC)段階、三重螺旋アフィニティークロマトグラフィー段階(THAC)、及び疎水性クロマトグラフィー段階(HIC)を含む上述の実施例の方法は、既知の方法と比較してより精製されたプラスミドDNA調製物をもたらす。この新たな方法を既知の方法と比較し、ゲノムDNA、RNA、タンパク質、及び内毒素の量が非常に低いプラスミドDNA調製物を生じた。これは、図3に反映される。本実験は、AEC、THAC及びHICが夾雑物質全体の効果的な除去のために、二段階の組み合わせのいくつかと比較して驚くべきことに高い精製量を提供する。これらの段階の組み合わせは、タンパク質及び内毒素、RNA及びゲノムDNA、並びに開環状プラスミドなどの他の生物材料及び夾雑物質からプラスミドDNAを分離する効率性の点で明らかな相乗効果を与える。さらに、相乗的な段階の組み合わせ、つまり本発明に従ったAEC/THAC/HICによって、高度に精製された医薬等級のプラスミドDNAを得ることができるだけでなく、80%、85%、90%、95%を超える、及び99%を超えるプラスミドDNAの高度に純粋で十分にスーパーコイル状の組成物も得ることができる。
高度に精製されたプラスミドDNA調製物の調製のための、イオン交換クロマトグラフィー段階、三重螺旋アフィニティークロマトグラフィー段階、及び疎水性クロマトグラフィー段階を含む上述の実施例の方法を、既知の方法と比較する。図4に示されているように、本発明の方法は、驚くべきことに、ppmを下回る範囲で、ゲノムDNA、RNA、タンパク質及び内毒素を非常に少量有するpDNA調製物を生じる。また、図4に示されているように、本発明の工程は、最大10gまで得られた生成物の品質を示す。
実施例14に記載されている透析ろ過段階を、次の条件に従って実施する。段階a及び段階bに対する緩衝液を使用して、以下に対する最良の条件を決定した。
iii)50mM Tris/HCl、150mMNaCl、pH7.4(いわゆる緩衝液I)の12.5ないし13.0容積に対する第一透析ろ過(段階a)、及び
iV)生理的食塩水賦形剤(150mMNaCl)の3.0ないし3.5容積に対して、上記段階a)から得られた残余物の第二透析ろ過(段階b)を実施することである。
本発明に係るこの代替透析ろ過段階は、硫酸アンモニウム及びEDTAを効率よく大量に除去する。また、この透析ろ過段階の後、約150mMの適切な標的NaCl濃度及び400μMないし1mMのTrisの最終濃度を得る。プラスミドDNA製剤組成物の実施例を、以下の表6に提供する。
Figure 2008512997
LS06と命名されたプラスミドDNAのNV1FGF API(医薬活性成分)の技術的バッチを、実施例13及び17に従って製造し、透析ろ過工程段階を実施例17に記載する。まず、溶出液を緩衝液Iの約13容積に対して約2mgAPI/mLで透析ろ過し、生じた残余物を生理的食塩水賦形剤の約3容積に対して透析ろ過した。次に、最終的な残余物を、0.2μmフィルターを通じてろ過し、1mg/mLになるように調整した。最終的なAPI(pH7.24)をガラス瓶の中で+5℃で、DP製造まで保存した。
製薬に使用されるデュランガラス瓶(API)並びに8mLバイアル中に保存されるLS06の試料に関して、安定性の研究を実施した。+5℃で90日後、試料全部についての脱プリン及び開環状化の両者がほとんど検出できなかった(0.3%以下)。+25℃で90日後、LS06試料の脱プリン及び開環状の割合も非常に低かった。本研究から算出される脱プリン及び開環状化の割合は、1ヶ月につき1%以下であった(図8)。
本研究は、プラスミドDNAのNV1FGFの安定性特性が本発明の製剤において非常に安定であり、pH値を約7.0ないし7.5に維持することを示した。このことは、プラスミドDNAが+25℃で長期間、脱プリン及びプラスミドニッキングの割合が低いまま、分解されていない形態で安定にとどまることを明らかに示す。
LS04と命名されたプラスミドDNAのNV1FGF API(医薬活性成分)のバッチを実施例13に従って製造し、透析ろ過工程段階を実施例17に記載した。まず、緩衝液Iの約13容積に対して、約2mgAPI/mlで、溶出液を透析ろ過し、得られた残余物を生理的食塩水賦形剤の約3容積に対して透析ろ過した。次に、0.2μmフィルターを通じて最終的な残余物をろ過し、8mlバイアル中での保存のために1mg/mlになるように調整した。約150mMのNaCl濃度及び1mMないし2mMのTris最終濃度を有するプラスミドDNAを得る。製薬のために使用される8mLバイアル中に保存される上述に引用される試料全てに関して安定性の研究を実施した。
+25℃で150日間にわたり、プラスミドDNA組成物のpHは、図6Aに示すように変化を検出できなかった。LS04のpHは、203日後、6.54まで有意に低下した(−0.27単位)。
LS04以外の全てのバッチについて、+25℃での脱プリン及びニッキングの割合は1ヶ月当たり約1.0%であり、140日間にわたって時間に直線的に依存しているように見えた。LS04の脱プリンの割合は、このAPIバッチのpHが有意に低下するため(Tで0.4単位超)、有意に高かった(1ヶ月当たり2.7%)。LS04のニッキングの割合は、その脱プリンの割合よりもわずかに低かった(1ヶ月当たり2.4%)。
+5℃で、全ての溶液のpHは時間とともに安定のままであり、脱プリン及びニッキングの程度は非常に低かった(200日後で0.5%未満;図6B)。
本研究は、プラスミドDNAのNV1FGFの安定性の特性が、本発明の製剤中で+5℃及び+25℃で経時的に非常に安定であり、脱プリン及びニッキングの割合が非常に低いことを示した。
図1は、本発明の連続様式細胞溶解に対して使用し得る装置の模式図である。 図2は、連続細胞溶解装置中のミキサーM1の模式図である。 図3は、陰イオン交換クロマトグラフィー(AEC)又は三重螺旋アフィニティークロマトグラフィー(THAC)と組み合わせ陰イオン交換クロマトグラフィーの工程を有する2工程法、並びに陰イオン交換クロマトグラフィーの工程、三重螺旋アフィニティークロマトグラフィー及び疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)の工程を組み合わせて含む3工程法を用いて、gDNA、RNA、タンパク質、内毒素夾雑物に関して精製収率を比較する表である。NDは、検出されないことを意味する:低感受性分析法。 図4は、単独又は組み合わせの、陰イオン交換クロマトグラフィー(AEC)、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー(HAC)、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、逆相クロマトグラフィー(RPC)、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、三重螺旋アフィニティークロマトグラフィー(THAC)のような、プラスミドDNAを分離及び精製する様々な方法及び本発明の方法を比較する表である。本明細書中には、精製されたプラスミドDNAの品質に関する結果が記されている。ND、検出されず(低感受性分析法)。 図5A及び5Bは、+25℃及び+5℃で、最大90日間保存されたプラスミドDNAの脱プリン化及びニッキング速度(開放環状プラスミド形態の形成)を示すグラフである。 図6A及び6Bは、+25℃及び+5℃で、最大150日間保存されたプラスミドDNAの脱プリン化及びニッキング速度(開放環状プラスミド形態の形成)を示すグラフである。

Claims (93)

  1. プラスミドDNA及び緩衝溶液を含む安定なプラスミドDNA液体保存組成物であり、前記緩衝液は、前記組成物のpHを6と9の間に維持するために2mM未満の濃度で存在し、前記組成物は、主として、プラスミドDNAのスーパーコイル状形態を含む、前記組成物。
  2. 前記プラスミドDNAが約4℃ないし25℃の温度で安定である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記プラスミドDNAが、数ヶ月、1年、2年、3年、4年、5年及び最長10年間安定である、請求項1ないし2の何れか一項に記載の組成物。
  4. 前記プラスミドDNAが約4℃で、数ヶ月、1年、2年、3年、4年、5年、10年、15年及び最長20年間安定である、請求項1ないし3の何れか一項に記載の組成物。
  5. スーパーコイル状又は閉環状のプラスミドDNAの少なくとも80%を含む、請求項1ないし4の何れか一項に記載の組成物。
  6. スーパーコイル状又は閉環形態プラスミドDNAの約80%、約85%、約90%、約95%及び約99%又は99%超を含む、請求項1ないし5の何れか一項に記載の組成物。
  7. 脱プリン化及びニッキング速度が5%/月未満である、請求項1ないし6の何れか一項に記載の組成物。
  8. 前記緩衝液が最大2mMの濃度で存在する、請求項1ないし7の何れか一項に記載の組成物。
  9. 前記緩衝液が2mMと1mMの間の濃度で存在する、請求項1ないし8の何れか一項に記載の組成物。
  10. 前記緩衝液が1mM未満の濃度で存在する、請求項1ないし9の何れか一項に記載の組成物。
  11. 前記緩衝液が250μMと1mMの間の濃度で存在する、請求項1ないし10の何れか一項に記載の組成物。
  12. 前記緩衝液が約400μMの濃度で存在する、請求項1ないし11の何れか一項に記載の組成物。
  13. 前記緩衝溶液が、前記製剤又は組成物のPHを6.2と8.5の間に又はこれらの値の一方又は両方から約+/−0.3に保つ濃度で存在する、請求項1ないし12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. 前記緩衝溶液が、前記製剤又は組成物のPHを6.2と8.5又はこれらの値の一方又は両方から約+/−0.3に保つ濃度で存在し、前記プラスミドDNAが、約+4℃で保存された場合に、5%/年未満の脱プリン化及びニッキング速度を有し、並びに約+25℃で保存したときに5%/月未満の脱プリン化及びニッキング速度を有する、請求項1ないし13のいずれか一項に記載の組成物。
  15. 前記緩衝溶液が、前記製剤又は組成物のPHを6.7と8.0の間に又はこれらの値の一方又は両方から約+/−0.3に保つ濃度で存在する、請求項1ないし14のいずれか一項に記載の組成物。
  16. 前記緩衝溶液が、前記製剤又は組成物のPHを6.7と8.0又はこれらの値の一方又は両方から約+/−0.3に保つ濃度で存在し、前記プラスミドDNAが、約+4℃で保存された場合に、2%/年未満の脱プリン化及びニッキング速度を有し、並びに約+25℃で保存したときに2%/月未満の脱プリン化及びニッキング速度を有する、請求項1ないし15のいずれか一項に記載の組成物。
  17. 前記緩衝溶液が、前記製剤又は組成物のPHを7.0と7.5の間に又はこれらの値の一方又は両方から約+/−0.3に保つ濃度で存在する、請求項1ないし16のいずれか一項に記載の組成物。
  18. 前記緩衝溶液が、前記製剤又は組成物のPHを7.0と7.5の間に又はこれらの値の一方又は両方から約+/−0.3に保つ濃度で存在し、前記プラスミドDNAが、約+4℃で保存された場合に、1%/年未満の脱プリン化及びニッキング速度を有し、並びに約+25℃で保存したときに1%/月未満の脱プリン化及びニッキング速度を有する、請求項1ないし17のいずれか一項に記載の組成物。
  19. 前記緩衝溶液が、(a)Tris若しくはリジン、及び強酸若しくは弱酸から選択される酸;(b)Hpes及び強塩基;又は(c)リン酸緩衝液を含む、請求項1ないし18のいずれか一項に記載の組成物。
  20. 前記緩衝溶液が、Tris/HCl、リジン/HCl、Tris/マレイン酸、Tris/リンゴ酸、Tris/酢酸又はHepes/水酸化ナトリウムを含む、請求項1ないし19のいずれか一項に記載の組成物。
  21. 前記緩衝液がTrisである、請求項1ないし20の何れか一項に記載の組成物。
  22. 生理食塩水賦形剤をさらに含む、請求項1ないし21の何れか一項に記載の組成物。
  23. 前記生理食塩水賦形剤がNaClである、請求項22に記載の組成物。
  24. NaClが、100と200mMの間の濃度、好ましくは約150mMの濃度で存在する、請求項23に記載の組成物。
  25. 前記プラスミドDNAが高度に精製されているか、又は医薬等級のプラスミドDNAである、請求項1ないし24の何れか一項に記載の組成物。
  26. 前記緩衝溶液が、約+4℃から最大+25℃までの温度で、安定な形態のプラスミドDNAを保つのに十分な濃度で存在する、プラスミドDNA及び緩衝溶液を含む安定なプラスミドDNA組成物。
  27. 前記緩衝溶液が、約+4℃の温度で、最長少なくとも約4年、プラスミドDNAを、スーパーコイル状プラスミドDNAの少なくとも80%に保つのに十分な濃度で存在する、プラスミドDNA及び緩衝溶液を含む安定なプラスミドDNA組成物。
  28. 前記緩衝溶液が、約+4℃から最大+25℃の温度で保存したときに、プラスミドDNAが、5%/年未満ないし5%/月の脱プリン化及びニッキング速度を有するように保つのに十分な濃度で存在する、プラスミドDNA及び緩衝溶液を含む安定なプラスミドDNA組成物。
  29. 4℃ないし25℃で、長期間、プラスミドDNAをスーパーコイル状プラスミドDNAの少なくとも80%の安定な形態を保つのに十分な濃度で、緩衝溶液が存在する、プラスミドDNA及び緩衝溶液を含む安定なプラスミドDNA生理的食塩水組成物。
  30. 4℃ないし25℃で、最長20ヶ月、プラスミドDNAをスーパーコイル状プラスミドDNAの少なくとも80%の安定な形態を保つのに十分な濃度で、緩衝溶液が存在する、プラスミドDNA及び緩衝溶液を含む安定なプラスミドDNA組成物。
  31. 生理食塩水賦形剤をさらに含む、請求項26ないし30の何れか一項に記載の組成物。
  32. 前記生理的食塩水賦形剤が、100と200mMの間の濃度、好ましくは約150mMの濃度で存在するNaClである、請求項31に記載の組成物。
  33. 前記プラスミドDNAが高度に精製されているか、又は医薬等級のプラスミドDNAである、請求項26ないし32の何れか一項に記載の組成物。
  34. 組成物中でプラスミドDNAを安定な形態に保つ方法であり、
    プラスミドDNAの精製された試料を調製すること;
    プラスミドDNAの前記精製された試料と、得られた組成物のpHを6と9の間に保つのに十分な最大2mMの濃度の緩衝溶液を合わせること;及び
    プラスミドDNAを保存すること、
    を含む前記方法。
  35. 前記プラスミドDNAが少なくとも80%のスーパーコイル状プラスミドDNAを含有する、請求項34に記載の方法。
  36. 緩衝溶液が、前記組成物のpHを6.2と8.5の間又はこれらの値の一方若しくは両方から約+/−0.3に保つ濃度で存在する、請求項34及び35に記載の方法。
  37. プラスミドDNAが、約+4℃ないし+25℃の温度で、5%/月未満ないし5%/年未満の脱プリン化及びニッキング速度を有するように保たれる、請求項36に記載の方法。
  38. 緩衝溶液が、前記組成物のpHを6.7と8.0の間又はこれらの値の一方若しくは両方から約+/−0.3に保つ濃度で存在する、請求項34ないし37の何れか一項に記載の方法。
  39. プラスミドDNAが、約+4℃ないし+25℃の温度で、2%/月未満ないし2%/年未満の脱プリン化及びニッキング速度を有するように保たれる、請求項38に記載の方法。
  40. 緩衝溶液が、前記組成物のpHを7.0と7.5の間又は約+/−0.3に保つ濃度で存在する、請求項34ないし39の何れか一項に記載の方法。
  41. プラスミドDNAが、約+4℃ないし+25℃の温度で、1%/月未満ないし1%/年未満の脱プリン化及びニッキング速度を有するように保たれる、請求項40に記載の方法。
  42. 緩衝液が最大2mMの濃度で添加される、請求項34ないし41の何れか一項に記載の方法。
  43. 緩衝液が2mMと1mMの濃度で添加される、請求項42に記載の方法。
  44. 緩衝液が1mM未満の濃度で添加される、請求項43に記載の方法。
  45. 緩衝液が250μMと1mMの濃度で添加される、請求項43に記載の方法。
  46. 緩衝液が約400μMの濃度で添加される、請求項45に記載の方法。
  47. 生理的食塩水賦形剤がプラスミドDNA及び緩衝溶液にさらに添加される、請求項34ないし46の何れか一項に記載の方法。
  48. 生理食塩水賦形剤がNaClである、請求項47に記載の方法。
  49. NaClが、100と200mMの間の濃度、好ましくは約150mMの濃度で存在する、請求項48に記載の方法。
  50. 高度に精製されたプラスミドDNA又は医薬等級のプラスミドDNAが、緩衝溶液と組み合わせられる、請求項34ないし49の何れか一項に記載の方法。
  51. プラスミドDNAを、液体組成物中、最大約25℃の温度で、数ヶ月間、スーパーコイル状プラスミドDNAの少なくとも80%を有する安定な形態に保つ方法であり、
    プラスミドDNAの精製された試料を調製すること;
    プラスミドDNAの精製された試料と、2mM未満の濃度で存在する緩衝溶液を合わせること;及び
    プラスミドDNA組成物を最大約25℃の温度で保存すること、
    を含む前記方法。
  52. プラスミドDNAを、液体組成物中、最大約25℃温度で、数ヶ月間、スーパーコイル状プラスミドDNAの少なくとも80%を有する安定な形態に保つ方法であり、
    プラスミドDNAの精製された試料を調製すること;
    プラスミドDNAの精製された試料と、1mMと2mMの間の濃度で存在する緩衝溶液を合わせること;及び
    プラスミドDNA組成物を最大約25℃の温度で保存すること、
    を含む前記方法。
  53. プラスミドDNAを、液体組成物中、最大約25℃温度で、数ヶ月間、スーパーコイル状プラスミドDNAの少なくとも80%を有する安定な形態に保つ方法であり、
    プラスミドDNAの精製された試料を調製すること;
    プラスミドDNAの精製された試料と、最大1mMの濃度で存在する緩衝溶液を合わせること;及び
    プラスミドDNA組成物を最大約25℃の温度で保存すること、を含む前記方法。
  54. プラスミドDNAを、液体組成物中、最大約25℃温度で、数ヶ月間、スーパーコイル状プラスミドDNAの少なくとも80%を有する安定な形態に保つ方法であり、
    プラスミドDNAの精製された試料を調製すること;
    プラスミドDNAの精製された試料と、約250μMと1mMの間の濃度で存在する緩衝溶液を合わせること;及び
    プラスミドDNA組成物を最大約25℃の温度で保存すること、
    を含む前記方法。
  55. プラスミドDNAが、約+4℃ないし約+25℃の温度で、5%/月未満ないし5%/年未満の脱プリン化及びニッキング速度を有するように保たれる、請求項51ないし54の何れか一項に記載の方法。
  56. 生理的食塩水賦形剤がプラスミドDNA組成物にさらに添加される、請求項51ないし55の何れか一項に記載の方法。
  57. 生理的食塩水賦形剤がNaClである、請求項56に記載の方法。
  58. NaClが、100と200mMの間の濃度、好ましくは約150mMの濃度で存在する、請求項57に記載の方法。
  59. 請求項34ないし58の何れか一項に記載されている方法によって得られる安定なプラスミドDNA組成物。
  60. 前記プラスミドDNAが高度に精製されているか、又は医薬等級である、請求項59に記載の安定なプラスミドDNA組成物。
  61. 最大約25℃の温度で安定なプラスミドDNA組成物を調製する方法であり、
    −(a)細胞懸濁液を、細胞を溶解する溶液と迅速に混合するための乱流用の手段及び(b)(a)で形成された混合物を実質的な撹拌なしにインキュベートすることを可能とする層流用の手段を通して、細胞を流動させることを含み、(a)で形成された混合物は、乱流用の手段から層流用の手段中へ流動し、及び(c)プラスミドDNAを細胞から放出させるために、溶解溶液(この溶解溶液は層流用手段から第二の溶液を添加するための手段中へ流動する(b)でインキュベートされた混合物である。)を中和する第二の溶液を添加するための手段を場合によってさらに含む、細胞を溶解する工程、
    −このようにして放出されたプラスミドDNAを精製するためのクロマトグラフィーの1段階、
    前記精製されたプラスミドDNAと、得られた組成物のpHを6と9の間に保つのに十分な最大2mMの濃度の緩衝溶液を合わせること;及び
    プラスミドDNA組成物を最大約25℃の温度で保存すること、
    を含む前記方法。
  62. 最大約25℃の温度で安定なプラスミドDNA組成物を調製する方法であり、
    −(a)細胞懸濁液を、細胞を溶解する溶液と迅速に混合するための乱流用の手段及び(b)(a)で形成された混合物を実質的な撹拌なしにインキュベートすることを可能とする層流用の手段を通して、細胞を流動させることを含み、(a)で形成された混合物は、乱流用の手段から層流用の手段中へ流動し、及び(c)プラスミドDNAを細胞から放出させるために、溶解溶液(この溶解溶液は層流用手段から第二の溶液を添加するための手段中へ流動する(b)でインキュベートされた混合物である。)を中和する第二の溶液を添加するための手段を場合によってさらに含む、細胞を溶解する工程、
    −このようにして放出されたプラスミドDNAを精製するためのクロマトグラフィーの1段階、
    −精製されたプラスミドDNAと、得られた組成物のpHを6.2と8.5の間又はこれらの値の一方若しくは両方から約+/−0.3に保つのに十分な最大2mMの濃度の緩衝溶液を合わせること;及び
    プラスミドDNA組成物を最大約25℃の温度で保存すること、を含む前記方法。
  63. 最大約25℃の温度で安定なプラスミドDNA組成物を調製する方法であり、
    −(a)細胞懸濁液を、細胞を溶解する溶液と迅速に混合するための乱流用の手段及び(b)(a)で形成された混合物を実質的な撹拌なしにインキュベートすることを可能とする層流用の手段を通して、細胞を流動させることを含み、(a)で形成された混合物は、乱流用の手段から層流用の手段中へ流動し、及び(c)プラスミドDNAを細胞から放出させるために、溶解溶液(この溶解溶液は層流用手段から第二の溶液を添加するための手段中へ流動する(b)でインキュベートされた混合物である。)を中和する第二の溶液を添加するための手段を場合によってさらに含む、細胞を溶解する工程、
    −このようにして放出されたプラスミドDNAを精製するためのクロマトグラフィーの1段階、
    −精製されたプラスミドDNAと、得られた組成物のpHを6.7と8.0の間又はこれらの値の一方若しくは両方から約+/−0.3に保つのに十分な最大2mMの濃度の緩衝溶液を合わせること;及び
    プラスミドDNA組成物を最大約25℃の温度で保存すること、
    を含む前記方法。
  64. 最大約25℃の温度で安定なプラスミドDNA組成物を調製する方法であり、
    −(a)細胞懸濁液を、細胞を溶解する溶液と迅速に混合するための乱流用の手段及び(b)(a)で形成された混合物を実質的な撹拌なしにインキュベートすることを可能とする層流用の手段を通して、細胞を流動させることを含み、(a)で形成された混合物は、乱流用の手段から層流用の手段中へ流動し、及び(c)プラスミドDNAを細胞から放出させるために、溶解溶液(この溶解溶液は層流用手段から第二の溶液を添加するための手段中へ流動する(b)でインキュベートされた混合物である。)を中和する第二の溶液を添加するための手段を場合によってさらに含む、細胞を溶解する工程、
    −このようにして放出されたプラスミドDNAを精製するためのクロマトグラフィーの1段階、
    −精製されたプラスミドDNAと、得られた組成物のpHを7.0と7.5の間又はこれらの値の一方若しくは両方から約+/−0.3に保つ最大2mMの濃度の緩衝溶液を合わせること;及び
    プラスミドDNA組成物を最大約25℃の温度で保存すること、を含む前記方法。
  65. 前記緩衝液が2mM未満の濃度で存在する、請求項61ないし64の何れか一項に記載の方法。
  66. 緩衝溶液が約1ないし2mMの濃度で存在する、請求項61ないし65の何れか一項に記載の方法。
  67. 緩衝溶液が、プラスミドDNA組成物中、約250μMないし1mM未満の濃度に達するように添加される、請求項61ないし66の何れか一項に記載の方法。
  68. 最大約25℃の温度で安定なプラスミドDNA組成物を調製する方法であり、
    −(a)細胞懸濁液を、細胞を溶解する溶液と迅速に混合するための乱流用の手段及び(b)(a)で形成された混合物を実質的な撹拌なしにインキュベートすることを可能とする層流用の手段を通して、細胞を流動させることを含み、(a)で形成された混合物は、乱流用の手段から層流用の手段中へ流動し、及び(c)プラスミドDNAを細胞から放出させるために、溶解溶液(この溶解溶液は層流用手段から第二の溶液を添加するための手段中へ流動する(b)でインキュベートされた混合物である。)を中和する第二の溶液を添加するための手段を場合によってさらに含む、細胞を溶解する工程、
    −このようにして放出されたプラスミドDNAを精製するためのクロマトグラフィーの1段階、
    前記精製されたプラスミドDNAと、2mM未満又は1mM未満又は250μMと1mMの間、及び好ましくは400μMの濃度で存在する緩衝溶液を合わせること、並びに
    プラスミドDNA組成物を最大約25℃の温度で保存すること、
    を含む前記方法。
  69. 生理的食塩水賦形剤がプラスミドDNA組成物にさらに添加される、請求項61ないし68の何れか一項に記載の方法。
  70. 生理食塩水賦形剤がNaClである、請求項69に記載の方法。
  71. NaClが、100と200mMの間の濃度、好ましくは約150mMの濃度で存在する、請求項70に記載の方法。
  72. 溶解溶液が、アルカリ、界面活性剤、有機溶媒及び酵素又はこれらの混合物からなる群から選択される溶解剤を含有する溶液である、請求項61ないし71の何れか1項に記載の方法。
  73. プラスミドDNAが、陰イオン交換クロマトグラフィー、三重螺旋アフィニティークロマトグラフィー又は疎水性相互作用クロマトグラフィーを含む少なくとも1つのクロマトグラフィー工程を通して精製される、請求項61ないし72の何れか一項に記載の方法。
  74. 陰イオン交換クロマトグラフィーの工程が、工程プラスミドDNA精製用三重螺旋クロマトグラフィーと組み合わされる、請求項73に記載の方法。
  75. 疎水性相互作用クロマトグラフィーの工程をさらに含む、請求項74に記載の方法。
  76. プラスミドDNAが、陰イオン交換クロマトグラフィー、三重螺旋アフィニティークロマトグラフィー及び疎水性相互作用クロマトグラフィーの順で行われることを含む3段階のクロマトグラフィープロセスを通して精製される、請求項61ないし75の何れか一項に記載の方法。
  77. 実施される第1のクロマトグラフィーが可溶化液ろ過に先行される、請求項61ないし76の何れか一項に記載の方法。
  78. 実施される第1のクロマトグラフィーが凝集塊除去に先行される、請求項61ないし77の何れか一項に記載の方法。
  79. 最後のクロマトグラフィー工程の後に、透析ろ過及び/又は緩衝液交換の工程が続く、請求項61ないし78の何れか一項に記載の方法。
  80. 凝集塊除去の先行する工程が、溶液をグリッドフィルター及び深層ろ過に通すことによって行われる、請求項61ないし79の何れか一項に記載の方法。
  81. 適切な塩、緩衝液及びpH標的値に到達するための透析ろ過工程、請求項61ないし80の何れか一項に記載の方法。
  82. 透析ろ過工程が、
    最後のクロマトグラフィー工程から溶液を採集する工程、
    Tris/NaCl緩衝液に対する第1の透析ろ過工程を実施する工程、
    最終緩衝液濃度を調節するのに適し、及び最終プラスミドDNA製剤のpHを安定化するのに適した条件で、生理的食塩水に対して第2の透析ろ過工程を実施する工程
    を含む、請求項61ないし81の何れか1項に記載の方法。
  83. 滅菌ろ過、調合、及び精製されたプラスミドDNAのバイアルへの充填の工程をさらに含む、請求項61ないし82の何れか一項に記載の方法。
  84. 請求項83の方法によって得られる高度に精製されたプラスミドDNAのバイアル。
  85. 精製されたプラスミドDNAが、FGF−1遺伝子をコードする発現カセットを担持するpCORプラスミドである、NV1 FGFと表記されるプラスミドである、請求項84に記載のバイアル。
  86. 末梢動脈障害(PAOD又はPAD)及び重症虚血肢(CLI)を含む末梢虚血肢(CLI)の治療において使用するための、請求項85に記載のバイアル。
  87. クロマトグラフィー工程が、タンパク質、変性したゲノムDNA、RNA、タンパク質、オリゴヌクレオチド、オリゴデオキシリボヌクレオチド、変性したプラスミドDNA及びリポ多糖などの不純物の除去を可能とする、請求項61ないし83の何れか1項に記載の方法。
  88. クロマトグラフィー工程が、クロマトグラフィー分離に適した、多孔性、超多孔性又は非多孔性の、あらゆる有機、無機又は複合材料であり、ポリ(アルケングリコール)、アルカン、アルケン、アルキン、アレーン又は支持体に疎水性特性を付与する他の分子で誘導体化された支持体上で行われる、請求項61ないし83の何れか一項に記載の方法。
  89. 前記プラスミドDNAが治療的及び/又は免疫原コード配列を含む、請求項1ないし33の何れか一項に記載の組成物。
  90. 治療用遺伝子が哺乳類遺伝子である、請求項89に記載の組成物。
  91. DNAワクチンとしての、請求項89に記載の組成物。
  92. 遺伝子治療などの、プラスミドを基礎とする治療としての、請求項89又は90に記載の組成物。
  93. 治療によるヒト又は動物の身体の治療法において使用するための、請求項1ないし33の何れか一項に記載の組成物。
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