JP2003516741A - コドン最適化HIV−1Nef及び修飾HIV−1Nefを発現するポリヌクレオチドワクチン - Google Patents

コドン最適化HIV−1Nef及び修飾HIV−1Nefを発現するポリヌクレオチドワクチン

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Abstract

(57)【要約】 HIV Nef DNAワクチンを含む医薬組成物とこれらのDNAワクチンの製造及び使用を開示する。本発明のnef系DNAワクチンは脊椎動物生組織、好ましくはヒトに直接投与すると、HIV Nefタンパク質又はその生体関連部分を発現し、ヒト免疫不全ウイルス−1(HIV−1)を特異的に認識する細胞性免疫応答を誘導する。これらのDNAワクチンのオープンリーディングフレームを含むDNA分子はコドン最適化HIV−1 Nefと、アミノ末端リーダーペプチドの付加、アミノ末端ミリスチル化部位の除去及び/又はNefジロイシンモチーフの修飾を含むnef変異体等の最適化HIV−1 Nefの誘導体をコードする合成DNA分子である。これらの修飾はミリスチル化や宿主CD4のダウンレギュレーション等のNefの野生型特性を変えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は脊椎動物生組織、好ましくはヒト又は商業的もしくは家畜として重要
な非ヒト哺乳動物等の哺乳動物宿主に直接導入すると、HIV Nefタンパク
質又はその生体関連部分を動物の体内で発現し、ヒト免疫不全ウイルス−1(H
IV−1)を特異的に認識する細胞性免疫応答を誘導するHIV Nefポリヌ
クレオチド医薬製剤とその製造及び使用に関する。本発明のポリヌクレオチドは
コドン最適化HIV−1 Nefと、ミリスチル化や宿主CD4のダウンレギュ
レーション等のNefの野生型特性を変えるnef突然変異体を含む最適化HI
V−1 Nefの誘導体をコードする合成DNA分子である。本発明のポリヌク
レオチドワクチンは未感染個体に予防効果を与えるか及び/又は感染個体内のウ
イルス負荷レベルを下げることにより治療効果を提供し、HIV−1感染の無症
候期を延ばすと思われる。
【0002】 発明の背景 ヒト免疫不全ウイルス−1(HIV−1)は後天性ヒト免疫不全症候群(AI
DS)及び関連障害の原因物質である。HIV−1はレトロウイルスファミリー
のRNAウイルスであり、全レトロウイルスで5’LTR−gag−pol−e
nv−LTR3’構成を示す。プロウイルスとして知られる組込み形HIV−1
は約9.8Kb長である。ウイルスゲノムの各末端は末端反復配列(LTR)と
して知られるフランキング配列を含む。HIV遺伝子は少なくとも9種のタンパ
ク質をコードし、主要構造タンパク質(Gag、Pol及びEnv)、調節タン
パク質(Tat及びRev)及び補助タンパク質(Vpu、Vpr、Vif及び
Nef)の3種類に分類される。
【0003】 gag遺伝子は未スプライスウイルスmRNAから発現されてpol遺伝子の
産物であるHIVプロテアーゼによりタンパク分解プロセシングされる55キロ
ダルトン(kDa)前駆体タンパク質(p55)をコードする。成熟p55タン
パク質産物はp17(マトリックス)、p24(キャプシド)、p9(ヌクレオ
キャプシド)及びp6である。
【0004】 pol遺伝子はウイルス複製に必要なタンパク質である逆転写酵素、プロテア
ーゼ、インテグラーゼ及びRNAseHをコードする。これらのウイルスタンパ
ク質はリボソームフレームシフトにより生成される160kDa前駆体タンパク
質であるGag−Pol融合タンパク質として発現される。ウイルスにコードさ
れているプロテアーゼはGag−Pol融合からPolポリペプチドをタンパク
分解により切断し、更にPolポリペプチドを切断して成熟タンパク質とし、プ
ロテアーゼ(Pro、P10)、逆転写酵素(RT、P50)、インテグラーゼ
(IN、p31)及びRNAseH(RNAse、p15)活性を提供する。
【0005】 nef遺伝子はCD4発現のダウンレギュレーション、T細胞活性化の阻害及
びHIV感染刺激等の数種の活性をもつことが分かっている初期補助HIVタン
パク質(Nef)をコードする。
【0006】 env遺伝子は160キロダルトン(kDa)前駆体(gp160)として翻
訳された後に細胞プロテアーゼにより切断されて外部120kDaエンベロープ
糖タンパク質(gp120)と膜貫通型41kDaエンベロープ糖タンパク質(
gp41)を生じるウイルスエンベロープ糖タンパク質をコードする。gp12
0とgp41は会合したままであり、ウイルス粒子とHIV感染細胞の表面に見
られる。
【0007】 tat遺伝子はHIV−1複製に必須の転写トランスアクチベーターであるR
NA結合タンパク質であるTatタンパク質の短形態と長形態をコードする。
【0008】 rev遺伝子はRNA結合タンパク質である13kDa Revタンパク質を
コードする。Revタンパク質はRev応答エレメント(RRE)と呼ばれるウ
イルスRNAの領域と結合する。Revタンパク質は核から細胞質への未スプラ
イシングウイルスRNAの移動を助長する。Revタンパク質はHIV後期遺伝
子発現に必要であり、従って、HIV複製に必要である。
【0009】 gp120は他のコレセプター分子以外にヘルパーTリンパ球、マクロファー
ジ及び他のターゲット細胞の表面に存在するCD4/ケモカインレセプターと結
合する。X4(向マクロファージ性)ウイルスはCD4/CXCR4複合体に向
性を示し、R5(向T細胞系性)ウイルスはCD4/CCR5レセプター複合体
と相互作用する。gp120がCD4と結合した後、gp41はウイルス侵入の
原因となる融合を媒介する。ウイルスはターゲット細胞と融合してこれに侵入し
、その後、その1本鎖RNAゲノムはRNA依存性DNAポリメラーゼにより2
本鎖DNAに逆転写される。プロウイルスとして知られるウイルスDNAは細胞
核に侵入し、ここでウイルスDNAは核内で新規ウイルスRNAの増殖、初期及
び後期HIVウイルスタンパク質の発現、次いで新規ウイルス粒子の産生と細胞
内放出を誘導する。近年、宿主体内のウイルス負荷を検出する技術が進歩した結
果、一次感染によるウイルスの非常に高度な生成と組織分布を生じた後に(この
期間も継続的ウイルス産生とターンオーバーは続くが)ウイルスが定常状態レベ
ルとなり、最終的にウイルス負荷が激増して臨床AIDSの発病に至ることが分
かっている。増殖性感染細胞の半減期は数日間であり、慢性又は潜在感染細胞の
半減期は3週間であり、これに続く非増殖性感染細胞は半減期が長い(100日
を越える)が、全疾病期間を通して見られる日々のウイルス負荷はさほど増加し
ない。
【0010】 免疫防御に非常に重要なCD4ヘルパーTリンパ球の破壊はHIV感染の特徴
である進行性免疫機能不全の主要原因である。CD4T細胞が減少すると、身体
の殆どの侵入物に対する抵抗力は著しく低下するが、ウイルス、真菌、寄生虫及
び所定細菌(例えばマイコバクテリア)に対する防御に特に重大な影響がある。
【0011】 最近ではHIV−1感染個体に有効な治療薬が入手可能になっている。しかし
、これらの薬剤は世界の多くの場所でこの疾患に顕著な効果があるのではなく、
人口母集団で感染の伝搬を止めるのに最小限の効果しかない。他の多くの感染性
疾患と同様に、有効なワクチンの開発と導入なしにHIV−1感染の伝搬に顕著
な疫学的効果は得られない。今まで有効なワクチン開発に至っていないのは多く
の理由がある。上述のように、慢性感染者では抗HIV−1体液性及び細胞性免
疫応答の存在とウイルス感染細胞の破壊にも拘わらず、定常的ウイルス生産が存
在することが現在明らかである。他の感染性疾患の場合と同様に、疾患転帰は免
疫応答の速度及び大きさと病原体複製速度及び免疫応答アクセシビリティのバラ
ンスの結果である。定着感染に対して生じる免役応答よりも急性感染に対する既
存免疫のほうが有効な場合がある。第2の要因はウイルスの遺伝子変動が大きい
ことである。細胞培養でHIV−1感染性を中和することができる抗HIV−1
抗体は存在するが、これらの抗体は一般にその活性がウイルス分離株に特異的で
ある。従来方法を使用してHIV−1の血清学的群別を決定するのは不可能であ
ることが分かっている。逆に、ウイルスは個々の中和抗体応答がせいぜい少数の
ウイルス変異体にしか有効でないように血清学的「連続」を形成するように思わ
れる。この点に鑑みると、抗HIV−1細胞性免疫応答を誘導する可能性のある
免疫原と関連送達技術を同定することが有用であろう。CTL応答を生じるため
には、抗原を細胞内で合成するか又は細胞に導入した後、プロテアソーム複合体
によりプロセシングして小ペプチドとし、小胞体/ゴルジ体分泌経路に送り、最
終的に主要組織適合性複合体(MHC)クラスIタンパク質と会合させる必要が
あることが知られている。CD8Tリンパ球はT細胞レセプター(TCR)と
CD8細胞表面タンパク質を介してクラスIMHCと会合した抗原を認識する。
ナイーブCD8T細胞を活性化して活性化エフェクター又はメモリー細胞とす
るには、一般に上記のような抗原のTCR関与と同時刺激タンパク質の関与の両
者が必要である。CTL応答の最適誘導にはTCR及びCD4関与を介してMH
CクラスII分子と会合した抗原を認識するCD4Tリンパ球からのサイトカ
イン形態の「補助」が一般に必要である。
【0012】 冒頭に述べたように、nef遺伝子はCD4発現のダウンレギュレーション、
T細胞活性化の妨害及びHIV感染性の刺激等の数種の活性をもつことが分かっ
ている初期補助HIVタンパク質(Nef)をコードする。Zazopoulo
sとHaseltine(1992,Proc.Natl.Acad.Sci.
89:6634−6638)はウイルス複製速度を変えるHIV−1 nef遺
伝子の突然変異を開示している。同著者によると、Gly−2の代わりにAla
−2をコードするように突然変異させたnefオープンリーディングフレームは
タンパク質のミリスチル化を阻害し、その結果、ジャーカット細胞とPBMCに
おけるウイルス複製速度が低下する。
【0013】 Kaminchikら(1991,J.Virology 65(2):58
3−588)はMet−Gly−Glyの代わりにMet−Ala−Alaをコ
ードするように突然変異させたアミノ末端nefオープンリーディングフレーム
を開示している。同著者によると、この突然変異体はミリスチル化が不十分であ
る。
【0014】 Sakselaら(1995,EMBO J.14(3):484−491)
とLeeら(1995,EMBO J.14(20):5006−5015)は
Hckタンパク質のSH3ドメインとの結合を媒介するプロリン高含有モチーフ
のHIV−1 Nefにおける重要性を示している。同著者はこのモチーフがウ
イルス複製の増進に重要であるが、CD4発現のダウンレギュレーションには重
要でないと結論している。
【0015】 Calarotaら(1998,The Lancet 351:1320−
1325)は野生型Nefを発現するDNAプラスミドで3人のHIV感染個体
を免疫したヒト臨床データを示している。同著者はNefをコードするDNAプ
ラスミドで免疫すると3人の個体で細胞性免疫応答が誘導されたと結論している
。しかし、3人の患者のうちの2人は試験中に他の治療を受けており、同著者は
CTL応答が既存CTL応答を促進した可能性が高いと結論している。更に、試
験期間中に3人の患者のうちの2人でウイルス負荷が実質的に増加している。
【0016】 Toberyら(1997,J.Exp.Med.185(5):909−9
20)はNef開始メチオニンをコードするものとNefオープンリーディング
フレームのアミノ末端にArg残基をもつものとの2種のユビキチン−nef(
Ub−nef)融合構築物を構築した。同著者はアミノ末端にArg残基を含む
Ub−nef構築物でワクシニア又はプラスミドを介してマウスを免疫するとN
ef特異的CTL応答が誘導されると述べている。同著者は発現された融合タン
パク質がより効率的にMHCクラスI抗原提示経路に提示され、その結果、細胞
性免疫応答が改善されると示唆している。
【0017】 Kimら(1997,J.Immunol.158(2):816−826)
はIL−12を発現するプラスミドDNA構築物とNefを発現するプラスミド
構築物を同時投与すると、Nef構築物を単独接種した場合に比較してマウスの
細胞性免疫応答が改善されることを開示している。同著者の報告によると、Ne
f/IL−12同時投与からの体液性応答はNefを発現するプラスミド構築物
の単独投与に比較して低下する。
【0018】 Moynierら(1998,Vaccine 16(16):1523−1
530)はNefをコードするDNAプラスミドで免疫したマウスの体液性応答
がフロイントアジュバントの有無に応じて変化することを示している。上記DN
A構築物を単独でワクチン接種したマウスの細胞性免疫応答に関するデータは開
示されていない。
【0019】 Hannaら(1998,Cell 95:163−175)は野生型Nef
がAIDS発病に重要な役割を果たすらしいと示唆している。
【0020】 AIDSと闘うにはHIV感染に対して強い細胞性免疫応答を生じる予防及び
/又は治療型HIVワクチンを製造することが極めて重要である。本発明は初期
HIV遺伝子であるnefの宿主送達と発現に基づく類のDNAワクチンを開示
することによりこの必要に取組み、これに応えるものである。
【0021】 発明の要約 本発明は霊長類、特にヒトと商業的もしくは家畜として重要な非ヒト哺乳動物
を含む哺乳動物宿主等の宿主に投与すると、CTL応答を誘導する合成DNA分
子(本明細書では「ポリヌクレオチド」とも言う)及び関連DNAワクチン(本
明細書では「ポリヌクレオチドワクチン」とも言う)に関する。本発明のCTL
指向ワクチンは未感染個体への伝達速度を低下させるか及び/又は感染個体内の
ウイルス負荷レベルを下げ、HIV−1感染の無症候期を延ばすと思われる。特
に、本発明は種々の形態のHIV−1 Nefをコードし、目的HIV−1 n
ef遺伝子の投与、細胞内送達及び発現により宿主CTL及びTh応答を誘導す
るDNAワクチンに関する。本発明の好ましい合成DNA分子はコドン最適化形
態の野生型HIV−1 Nef、コドン最適化形態のHIV−1 Nef融合タ
ンパク質及びコドン最適化形態のHIV−1 Nef誘導体(例えばアミノ末端
リーダー配列の導入、アミノ末端ミリスチル化部位の除去及び/又はジロイシン
モチーフ突然変異の導入を含むnef変異体が挙げられるが、これらに限定され
ない)をコードする。本明細書に開示するNef系融合及び改変タンパク質は宿
主MHC I複合体に適正に提示され、宿主CTL及びTh応答を誘導する能力
を維持しながら改変トラフィッキング及び/又は宿主細胞機能をもつことができ
る。
【0022】 本発明の特定態様はHIV−1 jfrl分離株からのHIV−1 Nefを
コードし、コドンがヒト等の哺乳動物系で発現されるように最適化されたDNA
分子に関する。このタンパク質をコードするDNA分子を本明細書では配列番号
1として開示し、発現されるオープンリーディングフレームを本明細書では配列
番号2として開示する。
【0023】 本発明の別態様はHIV−1 NefポリペプチドのNH末端に融合したヒ
トプラスミノーゲンアクチベーター(tpa)リーダーペプチドを含むタンパク
質をコードするコドン最適化DNA分子に関する。このタンパク質をコードする
DNA分子を本明細書では配列番号3として開示し、発現されるオープンリーデ
ィングフレームを本明細書では配列番号4として開示する。
【0024】 付加態様では、本発明はオープンリーディングフレームがアミノ末端ミリスチ
ル化部位の変異(Gly−2→Ala−2)とLeu−174−Leu175ジ
ロイシンモチーフからAla−174−Ala−175への置換をコードする最
適化HIV−1 NefをコードするDNA分子に関し、この分子を本明細書で
opt nef(G2A,LLAA)と言う。このタンパク質をコードするDN
A分子を本明細書では配列番号5として開示し、発現されるオープンリーディン
グフレームを本明細書では配列番号6として開示する。
【0025】 本発明の別の付加態様はアミノ末端ミリスチル化部位とジロイシンモチーフを
欠失しており、tPAリーダーペプチドを含む最適化HIV−1 Nefをコー
ドするDNA分子に関する。このDNA分子opt tpanef(LLAA)
はHIV−1 Nef(jfrl)のアミノ酸残基6〜216に融合したtPA
リーダー配列を含み、Leu−174とLeu175をAla−174とAla
−175で置換したNefタンパク質をコードするオープンリーディングフレー
ムを含み、この分子を本明細書ではopt tpanef(LLAA)と言い、
このタンパク質をコードするDNA分子を本明細書では配列番号7として開示し
、発現されるオープンリーディングフレームを本明細書では配列番号8として開
示する。
【0026】 本発明は本明細書に開示するHIV Nefタンパク質の種々の野生型及び修
飾型をコードする非コドン最適化形態のDNA分子と関連DNAワクチンにも関
する。部分又は完全コドン最適化DNAワクチン発現ベクター構築物が好ましい
が、本明細書に開示する構築物の「非コドン最適化」形態、特に宿主投与後に実
質的な細胞性免疫応答を助長することが明らかなHIV Nefの修飾形態を使
用することも本発明の範囲に含まれる。
【0027】 本発明のDNAワクチンのDNA骨格はDNAプラスミド発現ベクターが好ま
しい。本発明で使用されるDNAプラスミド発現ベクターとしては、イントロン
A配列を含むサイトメガロウイルスプロモーター(CMV−intA)とウシ成
長ホルモン転写終結配列が挙げられるが、これらに限定されない。更に、本発明
のDNAプラスミドベクターは抗生物質耐性マーカーを含むことが好ましく、例
えばアンピシリン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子又は他の任意の医薬的に
許容可能な抗生物質耐性マーカーが挙げられるが、これらに限定されない。更に
、適当なポリリンカークローニング部位と原核複製配列起点も好ましい。本発明
の特定DNAベクターとしてはV1、V1J(配列番号14)、V1Jneo(
配列番号15)、V1Jns(図1A、配列番号16)、V1R(配列番号26
)、及びリーダーペプチド、好ましくはヒトtPAリーダーをコードするヌクレ
オチド配列をCMV−intAプロモーターの下流に直接融合した上記ベクター
の任意のもの(例えば図1Bと配列番号19に示すようなV1Jns−tpaが
挙げられるが、これに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】 本発明は特にDNAワクチンとこのDNAワクチンを含む医薬的に活性なワク
チン組成物、及びHIV感染を予防又はHIV発症と闘うための宿主免疫、好ま
しくはヒト宿主免疫用予防及び/又は治療ワクチンとしての使用に関する。これ
らのDNAワクチンは機能的リーダーペプチドをコードするヌクレオチド配列を
加えるか又は加えない適当なDNAプラスミドベクター内に連結した生物活性N
ef修飾体又はNef含有融合タンパク質のHIV−1 Nefをコードするコ
ドン最適化DNA分子である。本発明のDNAワクチンはDNAベクターV1、
V1J(配列番号14)、V1Jneo(配列番号15)、V1Jns(図1A
、配列番号16)、V1R(配列番号26)又はリーダーペプチド、好ましくは
ヒトtPAリーダーをコードするヌクレオチド配列をCMV−intAプロモー
ターの下流に直接融合した上記ベクターの任意のもの(例えば図1Bと配列番号
19に示すようなV1Jns−tpaが挙げられるが、これに限定されない)に
連結した生物活性Nef変異体又はNef含有融合タンパク質のHIV−1 N
efをコードするコドン最適化DNA分子にも関する。本発明の特に好ましいD
NAワクチンとしては実施例2に例示するようなコドン最適化DNAワクチン構
築物V1Jns/nef、V1Jns/tpanef、V1Jns/tpane
f(LLAA)及びV1Jns/(G2A LLAA)が挙げられるが、これら
に限定されない。
【0029】 本発明は接種に対する体液性応答を増すことにより本発明のDNAポリヌクレ
オチドワクチンの免疫原性を増加することが可能なアジュバントを加えてDNA
ワクチンを処方したHIV Nefポリヌクレオチド医薬製剤とその製造及び使
用にも関する。好ましいアジュバントはリン酸アルミニウム系アジュバント又は
リン酸カルシウム系アジュバントであり、リン酸アルミニウムアジュバントが特
に好ましい。別の好ましいアジュバントは非イオンブロックコポリマーであり、
POE−POP−POEブロックコポリマーのようにポリオキシエチレン(PO
E)とポリオキシプロピレン(POP)のブロックを含むものが好ましい。本明
細書に開示するDNAワクチンにこれらのアジュバントを加えた形態は適当な細
胞性免疫応答に負の効果を与えることなくDNAワクチン接種に対する体液性応
答を増すのに有用である。
【0030】 本明細書で使用するDNAワクチン又はDNAポリヌクレオチドワクチン又は
ポリヌクレオチドワクチンとは脊椎動物生細胞に導入すると本発明の各種nef
遺伝子によりコードされる翻訳産物を細胞機構に生産させることができるような
必須調節エレメントを含むDNA分子(即ち「核酸」、「ポリヌクレオチド」)
である。
【0031】 図面の簡単な説明 図1A〜BはHIV−1 nef及びHIV−1修飾nef構築物に使用した
DNAワクチン発現ベクターV1Jns(A)及びV1Jns/tpaの模式図
を示す。
【0032】 図2A〜Bは野生型nef(jrfl)とコドン最適化nefのヌクレオチド
配列比較を示す。jrfl分離株からの野生型nef遺伝子は216アミノ酸ポ
リペプチドをコードすることが可能な648ヌクレオチドから構成される。WT
は野生型配列(配列番号9)、optは(配列番号1に含まれる)コドン最適化
配列を示す。Nefアミノ酸配列は1文字コードで示す(配列番号2)。
【0033】 図3A〜Cはnef発現ベクターV1Jns/nef(図3A)、V1Jns
/nef(G2A,LLAA)(図3B)、V1Jns/tpanef(図3C
)及びV1Jns/tpanef(LLAA)(同じく図3C)のnefコード
配列とプラスミド骨格の結合部のヌクレオチド配列を示す。コドン最適化nef
又はコドン最適化nef突然変異遺伝子の5’及び3’フランキング配列を太字
/斜体で示し、nef及びnef突然変異体コード配列を細字で示す。各nef
発現ベクターの構築に使用した制限エンドヌクレアーゼ部位も(下線で)示す。
V1Jns/tpanefとV1Jns/tpanef(LLAA)は結合部に
同一配列をもつ。
【0034】 図4はnef及びnef誘導体の模式図を示す。Nef誘導体に含まれるアミ
ノ酸残基を示す。グリシン2とロイシン174及び175は夫々ミリスチル化と
ジロイシンモチーフに関与する部位である。tpanef融合遺伝子の両形態で
は推定リーダーペプチド切断部位を「*」で示し、突然変異体の構築中に導入さ
れた外来セリン残基を下線で示す。
【0035】 図5はトランスフェクトした293細胞で発現されたnef及び修飾nefタ
ンパク質のウェスタンブロット分析を示す。100mm培養皿で増殖させた29
3細胞に各種コドン最適化nef構築物をトランスフェクトした。トランスフェ
クションから60時間後に上清と細胞を別々に集め、減圧条件下に10%SDS
−PAGEで分離した。タンパク質をPVDF膜に移し、いずれも2000倍に
希釈したGag mAbとNef mAbの混合物でプローブした。タンパク質
シグナルはECLで検出した。(A)V1Jns/gag単独をトランスフェク
トした細胞、(B)V1Jns/gagとV1Jns/nefをトランスフェク
トした細胞、(C)V1Jns/gagとV1Jns/nef(G2A,LLA
A)をトランスフェクトした細胞、(D)V1Jns/gagとV1Jns/t
panefをトランスフェクトした細胞、(E)V1Jns/gagとV1Jn
s/tpanef(LLAA)をトランスフェクトした細胞。下段の文字c及び
mは夫々細胞フラクションと培地フラクションを表す。M.W.=分子量マーカ
ー。
【0036】 図6はNefペプチドに対する細胞媒介応答のElispotアッセイを示す
。Balb/c、C57BL/6及びC3Hの3種のマウスをV1Jns/ne
f(コドン最適化)50μgで免疫し、2週間隔で2回ブースター免疫した。最
終免疫から2週間後に脾細胞を抽出し、各種Nefペプチドプールに対してEl
ispotアッセイで試験した。対照として非免疫ナイーブマウスから脾細胞を
抽出して平行試験した。NefペプチドプールAは全21種のNefペプチドか
ら構成され、NefペプチドプールBは残基1から開始する11種のオーバーラ
ップしないペプチドから構成され、NefペプチドプールCは残基11から開始
する10種のオーバーラップしないペプチドから構成される。SFCはINF−
γ分泌スポット形成細胞である。
【0037】 図7A〜CはNef特異的CD8及びCD4エピトープマッピングを示す。免
疫手順は図6に示した通りである。マウス脾細胞を抽出し、Miltenyiの
磁気細胞分離器を使用してCD8細胞とCD8細胞に分画した。次に、得ら
れたCD8細胞とCD8細胞を各Nefペプチドに対してElispotア
ッセイで試験した。SFCはINF−γ分泌スポット形成細胞である。試験した
マウス系統はBalb/cマウス(図7A)、C57BL/6マウス(図7B)
及びC3Hマウス(図7C)である。
【0038】 図8A〜CはNef CTLエピトープの同定を示す。nefで免疫したC5
7BL/6マウスからの脾細胞をペプチドバルス放射線照射ナイーブ脾細胞で7
日間in vitro刺激した。in vitro刺激後に細胞を回収し、ペプ
チドパルスEL−4細胞をターゲットとして使用して標準51Cr放出アッセイ
で試験した。白記号はペプチドの不在下のEL−4細胞の特異的死滅率であり、
黒記号はペプチドの存在下のEL−4細胞の特異的死滅率である。パネルAはペ
プチドNef51〜70、パネルBはペプチドNef60〜68、パネルCはペ
プチドNef58〜70である。
【0039】 図9A〜BはNefと修飾型Nefを発現するコドン最適化DNAワクチンベ
クターの免疫原性の比較を示す。各群5頭のC57BL/6マウスを指定nef
構築物100μgで免疫した。免疫から14日後に脾細胞を集め、Nef CD
8(aa58〜66)及びCD4(aa81〜100)ペプチドに対して試験し
た。両方の実験に同一免疫手順を使用した。実験1(パネルA)ではV1Jns
/nef、V1Jns/tpanef(LLAA)及びV1Jns/nef(G
2A,LLAA)の3種のコドン最適化nef構築物を試験し、実験2(パネル
B)では全4種のコドン最適化nef構築物を試験した。データは各群5頭のマ
ウスの平均+標準偏差を表す。
【0040】 発明の詳細な説明 本発明は霊長類、特にヒトを含む宿主に投与すると、CTL及び体液性応答を
誘導する合成DNA分子(本明細書では「核酸分子」又は「ポリヌクレオチド」
とも言う)及び関連DNAベクターワクチン(本明細書では「ポリヌクレオチド
ワクチン」とも言う)に関する。特に、本発明は種々の形態のHIV−1 Ne
fをコードし、目的HIV−1 nef遺伝子の投与、細胞内送達及び発現によ
り宿主CTL及びTh応答を誘導するDNAベクターワクチンに関する。本発明
の合成DNA分子はコドン最適化形態の野生型HIV−1 Nef、コドン最適
化形態のHIV−1 Nef融合タンパク質及びコドン最適化形態のHIV−1
Nef誘導体(例えばアミノ末端リーダー配列の導入、アミノ末端ミリスチル
化部位の除去及び/又はジロイシンモチーフ突然変異の導入を含むnef修飾体
が挙げられるが、これらに限定されない)をコードする。場合により、本明細書
に開示するNef系融合及び改変タンパク質は宿主MHC I複合体に適正に提
示される能力を維持しながら改変トラフィッキング及び/又は宿主細胞機能をも
つ。当業者に自明の通り、HIV−1 Nefに類似の機能をもつNefタンパ
ク質を発現するHIV−2株からのnef遺伝子を使用してもHIV−1構築物
について本明細書に記載すると同様の免疫応答を生じると期待される。
【0041】 CTL応答を生じるためには、免疫原を細胞内で合成する(MHCI提示)か
又は細胞に導入する(MHCII提示)必要がある。細胞内合成免疫原では、タ
ンパク質を発現させた後にプロテアソーム複合体によりプロセシングして小ペプ
チドとし、小胞体/ゴルジ体分泌経路に送り、最終的に主要組織適合性複合体(
MHC)クラスIタンパク質と会合させる。CD8Tリンパ球はT細胞レセプ
ター(TCR)を介してクラスIMHCと会合した抗原を認識する。ナイーブC
D8T細胞を活性化して活性化エフェクター又はメモリー細胞とするには、一
般に上記のような抗原のTCR関与と同時刺激タンパク質の関与の両者が必要で
ある。CTL応答の最適誘導にはTCRを介してMHCクラスII分子と会合し
た抗原を認識するCD4Tリンパ球からのサイトカイン形態の「補助」が一般
に必要である。
【0042】 HIV−1ゲノムは高度に発現されるヒト遺伝子に比較して主に低頻度のコド
ンを使用する。従って、ヒト発現に最適なコドンを使用してnefオープンリー
ディングフレームを合成操作した。上述のように、本発明の好ましい態様は完全
長nefをコードするか本明細書に記載するような変異又は融合をコードするか
に拘わらずHIV−1 nefオープンリーディングフレームを含み、コドン使
用を哺乳動物、特にヒトでの発現に最適化したDNA分子に関する。
【0043】 本発明の特定態様はHIV−1 jfrl分離株からのHIV−1 Nefを
コードし、コドンがヒト等の哺乳動物系で発現されるように最適化されたDNA
分子に関する。コドン最適化形態のHIV−1 jfrl nef遺伝子のヌク
レオチド配列を本明細書では下記配列番号1として開示する。
【0044】
【化1】
【0045】 図2A〜Bで天然と最適化コドン使用を比較すると明らかなように、哺乳動物
最適化には次のコドン使用が好ましい:Met(ATG)、Gly(GGC)L
ys(AAG)、Trp(TGG)、Ser(TCC)、Arg(AGG)、V
al(GTG)、Pro(CCC)、Thr(ACC)、Glu(GAG)、L
eu(CTG)、His(CAC)、Ile(ATC)、Asn(AAC)、C
ys(TGC)、Ala(GCC)、Gln(CAG)、Phe(TTC)及び
Tyr(TAC)。哺乳動物(ヒト)コドン最適化に関するその他の考察につい
ては参考資料として本明細書に組込むWO97/31115(PCT/US97
/02294)を参照されたい。
【0046】 上記配列番号1のオープンリーディングフレームはヌクレオチド12〜14の
開始メチオニン残基とヌクレオチド660〜662の「TAA」停止コドンを含
む。配列番号1のオープンリーディングフレームはコドン最適化DNAワクチン
ベクターの使用により発現される216アミノ酸HIV−1 Nefタンパク質
を提供する。216アミノ酸HIV−1 Nef(jfrl)タンパク質を本明
細書では下記配列番号2として開示する。
【0047】
【化2】
【0048】 HIV−1 NefはGly−2のミリスチル化により宿主細胞原形質膜の内
面と会合する206アミノ酸サイトゾルタンパク質である(Franchini
ら,1986,Virology 155:593−599)。考えられる全N
ef機能が解明されている訳ではないが、HIV−1生活環の初期段階を助長す
るように宿主細胞内環境を改変すると共に子孫ウイルス粒子の感染性を増すこと
によりNefを内部原形質膜に正しくトラフィッキングすると、ウイルス複製が
促進されることが明らかになっている。コドン最適化タンパク質修飾ポリペプチ
ドに関する本発明の1側面では、発現されるタンパク質のアミノ末端領域がリー
ダーペプチドを含むように異種リーダーペプチドをコードするヌクレオチド配列
を含むようにDNAワクチンベクター分子又はHIV−1 nef構築物を修飾
する。真核細胞の特徴である機能の多様性はその膜境界の構造差に依存する。こ
れらの構造を生成及び維持するためには、小胞体内のその合成部位から細胞内を
予定された目的地までタンパク質を輸送しなければならない。このためには、ト
ラフィッキングタンパク質が主トラフィッキング経路までのアクセス点に配置さ
れた経路選択に関与する分子機構により認識される選別シグナルを示す必要があ
る。殆どのタンパク質はその機能を実施する細胞部位であるその最終目的地がそ
の永住地になるので、生合成経路を通る間に一度だけ選別決定を行う必要がある
。細胞内完全性の維持はタンパク質の選択的選別とその正しい目的地への正確な
輸送にも依存する。「アドレスラベル」として作用することが可能なタンパク質
には明確な配列モチーフが存在する。膜タンパク質の細胞質ドメインに関連して
多数の選別シグナルが見出されている。CTL応答を有効に誘導するには、多く
の場合に抗原の高レベル内因性発現を維持することが必要であった。その生体活
性の多様性に鑑みて、野生型Nefから構成されるワクチンは宿主細胞に潜在的
に有害な作用があると思われる。ミリスチル化による膜会合はNef機能の大半
の必須要件であるので、本明細書に記載するようにグリシン→アラニン置換、ジ
ロイシンモチーフの変異及び/又はtpaリーダー配列置換によりミリスチル化
を欠失する突然変異体は機能的に欠損しており、従って、野生型Nefと比較し
てHIV−1ワクチン成分として使用するために安全性プロフィルが改善される
【0049】 本発明のこの部分の好ましい例示態様では、ヒト組織特異的プラスミノーゲン
アクチベーター(tPA)リーダーを含むようにDNAベクター又はHIV−1
nefヌクレオチド配列を改変する。DNAベクターV1Jnsについて図1
A〜Bに示すように、本発明を実施するために使用可能なDNAベクターは、目
的改変HIV−1タンパク質の下流クローニングにより修飾HIV−1 tPA
/Nefタンパク質をコードするヌクレオチド配列が得られるような目的リーダ
ーシグナルペプチドを含むように公知組換えDNA技術により修飾することがで
きる。あるいは、上述のように目的Nefタンパク質のオープンリーディングフ
レームを含むDNAベクターにリーダーペプチドをコードするヌクレオチド配列
を挿入してもよい。クローニングストラテジーに関係なく、最終結果は目的修飾
HIV−1 Nefタンパク質(例えばリーダーペプチドを含むHIV−1 N
efタンパク質であるが、これに限定されない)をコードするヌクレオチド配列
と共に有効な遺伝子発現のためのベクター成分を含むポリヌクレオチドワクチン
である。本発明で使用するヒトtPAリーダーのアミノ酸配列は、MDAMKR
GLCCVLLLCGAVFVSPSEISS(配列番号19)である。
【0050】 エンドサイトーシスを介してNefに誘導されるCD4のダウンレギュレーシ
ョンにはタンパク質のカルボキシ領域のジロイシンモチーフと共にGly−2の
ミリスチル化が必須であることが示されている(Aikenら,1994,Ce
ll 76:853−864)。Nef発現がエンドサイトーシスを介してMH
CIのダウンレギュレーションを促進することも示されている(Schwart
zら,1996,Nature Medicine 2(3):338−342
)。本発明はトラフィッキング及び/又は機能性を改変した修飾Nefタンパク
質をコードするDNAワクチンにも関する。本発明のDNAワクチンに導入され
る変異としては、アミノ末端リーダーペプチド付加と、アミノ酸末端ミリスチル
化部位の変異又は欠失と、Nefタンパク質内のジロイシンモチーフの変異又は
欠失を含む修飾Nefタンパク質を発現して感染宿主細胞内の機能を修飾するn
efオープンリーディングフレームの付加、欠失又は置換が挙げられるが、これ
らに限定されない。従って、本発明のDNA分子及びDNAワクチンの中心的な
主題は(1)コドン最適化nef系DNAベクターワクチンの宿主投与と細胞内
輸送、(2)CTL及びTh応答を誘導するという点で免疫原性である修飾Ne
fタンパク質の発現、並びに(3)感染宿主内でHIV−1複製及び負荷を促進
することが分かっているNefの公知初期ウイルス機能を抑制又は少なくとも修
飾することにある。
【0051】 本発明の別の好ましい例示態様では、アミノ末端Gly−2ミリスチル化残基
を欠失するか又は代替アミノ酸残基を発現するように変異させた修飾Nefタン
パク質を発現するDNAワクチンが得られるようにnefコーディング領域を改
変する。
【0052】 本発明の別の好ましい例示態様では、ジロイシンモチーフが欠失するか又は代
替アミノ酸残基を発現するように変異させた修飾Nefタンパク質を発現するD
NAワクチンが得られるようにnefコーディング領域を改変する。
【0053】 従って、本発明はコドン使用に関係なく野生型又は本明細書に記載するような
修飾Nefタンパク質(例えばGly2の欠失又は置換、Leu174とLeu
175の欠失又は置換及び/又はリーダー配列の付加を含む修飾Nefタンパク
質が挙げられるが、これらに限定されない)を発現する単離DNA分子に関する
【0054】 本発明は本発明のDNAポリヌクレオチドワクチンから発現される実質的に精
製されたタンパク質、特に配列番号2、4、6及び8として以下に記載する精製
タンパク質にも関する。これらの精製タンパク質はタンパク質系HIVワクチン
として有用であると思われる。
【0055】 HIV−1の修飾型をコードするDNAワクチンに関する本発明の特定態様で
は、HIV−1 Nef(jfrl)のアミノ酸残基6〜216に融合したtP
Aリーダー配列を含むNefタンパク質をコードするオープンリーディングフレ
ームを本明細書ではopt tpanefと言う。opt tpanefのオー
プンリーディングフレームを含むヌクレオチド配列を本明細書では下記配列番号
3として開示する。
【0056】
【化3】
【0057】 配列番号3のオープンリーディングフレームはヌクレオチド2〜4の開始メチ
オニン残基とヌクレオチド713〜715の「TAA」停止コドンを含む。配列
番号3のオープンリーディングフレームはアミノ酸残基174及び175にジロ
イシンモチーフを含むHIV−1 Nefのアミノ酸6〜216に融合したtP
Aリーダー配列を含む237アミノ酸HIV−1 Nefタンパク質を提供する
。この237アミノ酸tPA/Nef(jfrl)融合タンパク質を本明細書で
は下記配列番号4として開示する。
【0058】
【化4】
【0059】 従って、この例示Nefタンパク質Opt tPA−NefはtPAリーダー
配列を含むと共に、HIV−1 jfrl分離株からのHIV−1 Nefをコ
ードするGly−2A DNA分子のミリスチル化部位を欠失しており、コドン
はヒト等の哺乳動物系での発現に最適化されている。
【0060】 本発明の別の特定態様では、オープンリーディングフレームがアミノ末端ミリ
スチル化部位の修飾(Gly−2→Ala−2)とLeu−174−Leu17
5ジロイシンモチーフからAla−174−Ala−175への置換をコードす
る最適化HIV−1 NefをコードするDNA分子を開示する。このオープン
リーディングフレームを本明細書ではopt nef(G2A,LLAA)と言
い、ヌクレオチド12〜14の開始メチオニン残基とヌクレオチド660〜66
2からの「TAA」停止コドンを含む配列番号5として開示する。上記修飾を加
えたHIV−1 jrfl nef遺伝子のこのコドン最適化形態のヌクレオチ
ド配列を本明細書では下記配列番号5として開示する。
【0061】
【化5】
【0062】 配列番号5のオープンリーディングフレームは本明細書に下記配列番号6とし
て開示するNef(G2A,LLAA)をコードする。
【0063】
【化6】
【0064】 本発明の付加態様はアミノ末端ミリスチル化部位とジロイシンモチーフを欠失
しており、tPAリーダーペプチドを含む最適化HIV−1 Nefをコードす
る別のDNA分子に関する。このDNA分子opt tpanef(LLAA)
はHIV−1 Nef(jfrl)のアミノ酸残基6〜216に融合したtPA
リーダー配列を含み、Leu−174とLeu175をAla−174とAla
−175(このtPA系融合タンパク質のAla−195とAla−196)で
置換したNefタンパク質をコードするオープンリーディングフレームを含む。
opt tpanef(LLAA)のオープンリーディングフレームを含むヌク
レオチド配列を本明細書では下記配列番号7として開示する。
【0065】
【化7】
【0066】 tPA−Nef(LLAA)をコードする配列番号7のオープンリーディング
フレームを下記配列番号8として開示する。
【0067】
【化8】
【0068】 本発明はコドン使用に関係なく野生型又は本明細書に記載するような修飾Ne
fタンパク質(例えばGly2の欠失又は置換、Leu174とLeu175の
欠失又は置換及び/又はリーダー配列の付加を含む修飾Nefタンパク質が挙げ
られるが、これらに限定されない)を発現する任意DNA分子にも関する。従っ
て、宿主での発現を増進させると思われることから部分又は完全コドン最適化D
NAワクチン発現ベクター構築物が好ましい。しかし、本明細書に開示する構築
物の「非コドン最適化」形態、特に宿主投与後に実質的な細胞性免疫応答を助長
することが明らかなHIV Nef修飾形を使用することも本発明の範囲に含ま
れる。
【0069】 本発明のDNAワクチンのDNA骨格はDNAプラスミド発現ベクターが好ま
しい。DNAプラスミド発現ベクターは当分野で周知であり、本発明のDNAベ
クターワクチンは少なくともRNAポリメラーゼ転写プロモーターとHIV n
efコード配列の3’転写ターミネーターを含むこのような任意発現骨格から構
成することができる。一好適態様では、プロモーターは強力な転写プロモーター
であるラウス肉腫ウイルス(RSV)末端反復配列(LTR)である。より好ま
しいプロモーターはイントロンA配列をもつサイトメガロウイルスプロモーター
(CMV−intA)である。好ましい転写ターミネーターの1例はウシ成長ホ
ルモンターミネーターである。更に、HIV nef DNAベクターワクチン
の大規模製造を助長するためには、発現ベクターに抗生物質耐性マーカーも加え
ることが好ましい。アンピシリン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子又は他の
任意の医薬的に許容可能な抗生物質耐性マーカーを使用することができる。本発
明の一好適態様では、抗生物質耐性遺伝子はネオマイシン耐性の遺伝子産物をコ
ードする。更に、原核生物での発酵による薬剤の高レベル生産を助長するために
は、ベクターに複製起点を加え、高コピー数にすると有利である。これらの効果
は多数の市販原核クローニングベクターの任意のもので得られる。本発明の1好
適態様では、これらの機能はpUCとして知られる市販ベクターにより提供され
る。非必須DNA配列を除去することが望ましい。従って、本発明の1態様では
pUCのlacZ及びlacIコード配列を除去する。
【0070】 本明細書に例示するDNA発現ベクターは参考資料として本明細書に組込むP
CT国際出願第PCT/US94/02751号、国際公開第WO94/217
97号にも開示されている。第1のDNA発現ベクターはラウス肉腫ウイルス(
RSV)末端反復配列(LTR)をプロモーターとして使用する発現ベクターp
nRSVである。第2の態様はCMVプロモーターとBGH転写ターミネーター
をクローニングした突然変異pBR322ベクターであるプラスミドV1である
。DNAベクター骨格に関する別の態様はプラスミドV1Jである。プラスミド
V1JはプラスミドV1から誘導され、プロモーター及び転写ターミネーターエ
レメントを取出してより明確なコンテキストに配置し、よりコンパクトなベクタ
ーを形成し、プラスミド精製収率を改善したものである。従って、V1Jも本明
細書に開示するHIV nef系遺伝子の発現を制御するCMVintAプロモ
ーター及び(BGH)転写終結エレメントを含む。V1Jの骨格はpUC18に
より提供される。これは高収率のプラスミドを生産することが知られており、配
列と機能により特定されており、最小サイズである。lacオペロンを完全に除
去し、残りのプラスミドをアガロース電気泳動ゲルから精製し、T4 Dnaポ
リメラーゼで平滑末端し、ウシ腸アルカリホスファターゼで処理し、CMVin
tA/BGHエレメントに連結した。別のDNA発現ベクターでは、アンピシリ
ン耐性遺伝子をV1Jから除去し、ネオマイシン耐性遺伝子で置換し、V1Jn
eoとした。本明細書に具体的に例示するDNA発現ベクターの1例はV1Jn
sであり、固有Sfi1制限部位をV1J−neoの2114位の単一Kpn1
部位に挿入した以外はV1Jと同一である。ヒトゲノムDNAにおけるSfi1
部位の頻度は非常に低い(約1部位/100,000塩基)。従って、このベク
ターは抽出したゲノムDNAのSfi1消化するだけで宿主DNAへの発現ベク
ター組込みを細かくモニターすることができる。本発明のHIV−1 nef系
DNAワクチンの骨格として使用する別のDNA発現ベクターはV1Rである。
このベクターでは非常にコンパクトなベクターを得るように最大限の非必須DN
Aをベクターから「トリミング」した。このベクターはV1Jnsの誘導体であ
る。このベクターはより大きいインサートを使用することができ、望ましくない
配列がコードされる心配が少なく、特定インフルエンザウイルス遺伝子をコード
する構築物を周囲組織に導入すると細胞による取込みを最適化する。
【0071】 本明細書の教示から明らかなように、多数のベクター/Nef抗原構築物を作
製することができる。例示した構築物(V1Jns/nef、V1Jns/tp
anef、V1Jns/tpanef(LLAA)及びV1Jns/(G2A
LLAA))が好ましいが、任意数のベクター/Nef抗原組合せが本発明の範
囲に含まれ、特に野生型Nefタンパク質又はGly2の欠失もしくは置換、L
eu174とLeu175の欠失もしくは置換及び/又はリーダー配列の付加を
含む修飾Nefタンパク質を含む。従って、本発明は特にDNAワクチンとこの
DNAベクターワクチンを含む医薬的に活性なワクチン組成物、及びHIV感染
を予防又はHIV発症と闘うための宿主免疫、好ましくはヒト宿主免疫用予防及
び/又は治療ワクチンとしての使用に関する。これらのDNAワクチンは機能的
リーダーペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むか又は含まない適当なD
NAプラスミドベクターに連結された生物活性Nef修飾体又はNef含有融合
タンパク質のHIV−1 Nefをコードするコドン最適化DNA分子である。
本発明のDNAワクチンはDNAベクターV1、V1J(配列番号14)、V1
Jneo(配列番号15)、V1Jns(図1A、配列番号16)、V1R(配
列番号26)又はリーダーペプチド、好ましくはヒトtPAリーダーをコードす
るヌクレオチド配列をCMV−intAプロモーターの下流に直接融合した上記
ベクターの任意のもの(例えば図1Bと配列番号19に示すようなV1Jns−
tpaが挙げられるが、これに限定されない)に連結した生物活性Nef修飾体
又はNef含有融合タンパク質のHIV−1 Nefをコードするコドン最適化
DNA分子が挙げられるが、これに限定されない。本発明の特に好ましいDNA
ワクチンとしては実施例2に例示するようなV1Jns/nef、V1Jns/
tpanef、V1Jns/tpanef(LLAA)及びV1Jns/(G2
A LLAA)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0072】 本発明のDNAベクターワクチンは宿主投与に医薬的に有効な任意製剤に処方
することができる。このような任意製剤としては例えばリン酸緩衝塩類(PBS
)等の塩類溶液が挙げられる。本発明のDNAベクターワクチンの長期安定性も
提供する医薬的に許容可能な製剤を使用すると有用であろう。医薬品として保存
中にDNAプラスミドワクチンは物理化学的変化を受け、スーパーコイルプラス
ミドは開環直鎖形となる。このプロセスは種々の保存条件(低pH、高温、低イ
オン強度)により促進される。従って、(琥珀酸もしくはリンゴ酸、又は多重リ
ン酸リガンドを含むキレート剤を使用して)DNAプラスミド溶液、製剤緩衝液
又はバイアル及びクロージャーから微量金属イオンを除去及び/又はキレート化
し、保存中のこの分解経路からDNAプラスミドを安定化させる。更に、エタノ
ールやグリセロール等の非還元性フリーラジカル補足剤を加えると、見掛けは金
属を含まない溶液中にもまだ発生する可能性があるフリーラジカル形成からDN
Aプラスミドの損傷を防ぐために有用である。更に、緩衝液種、pH、塩濃度、
露光量及びバイアルを作製するために使用する滅菌法の種類を製剤で調節し、D
NAワクチンの安定性を最適化させることもできる。従って、DNAワクチンの
最高安定性を提供する製剤はpH7〜8の緩衝液(リン酸又は重炭酸)、100
〜200mMの塩(NaCl、KCl又はLiCl)、金属イオンキレート剤(
例えばEDTA、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、リンゴ酸塩、イノ
シトール六リン酸、トリポリリン酸塩又はポリリン酸)、非還元性フリーラジカ
ルスカベンジャー(例えばエタノール、グリセロール、メチオニン又はジメチル
スルホキシド)を含む脱金属溶液を含み、高純度無ヌクレアーゼDNAを光から
保護するように充填した滅菌ガラスバイアル中で最適DNA濃度を提供するもの
である。本発明のDNAベクターワクチンの長期安定性を増進する特に好ましい
製剤はpH約8.0〜約9.0のTris−HCl緩衝液、約3%w/vのエタ
ノール又はグリセロール、約5mMまでの濃度範囲のEDTA又はDTPA、及
び約50mM〜約500mMの濃度のNaClを含む。このような安定化DNA
ベクターワクチンとこの好適製剤範囲の種々の代替例は参考資料として本明細書
に組込むPCT国際出願第PCT/US97/06655号、PCT国際公開第
WO97/40839号に詳細に記載されている。
【0073】 本発明のDNAベクターワクチンは強いCTL性免疫応答を生じることに加え
、免疫後に測定可能な体液性応答も提供することができる。この応答は各ワクチ
ン製剤のアジュバントの添加の有無にかかわらず起こりうる。この目的のために
、本発明のDNAポリヌクレオチドワクチンの免疫原性を増すことが可能なアジ
ュバントを加えて本発明のDNAベクターワクチンを処方してもよい。多数のこ
れらのアジュバントが当分野で公知であり、DNAワクチンで使用することがで
き、例えばDNA被覆金ビーズを使用するボンバード粒子、サイトカイン、ケモ
カイン又は共刺激分子を発現するプラスミドDNAとDNAワクチンの同時投与
、カチオン脂質又は実験アジュバント(例えばサポニン、モノホスホリル脂質A
もしくはDNAワクチンの免疫原性を増加する他の化合物)を加えたDNAの処
方が挙げられるが、これらに限定されない。本発明のDNAベクターワクチンで
使用するのに好ましいアジュバントの1例は1種以上の形態のリン酸アルミニウ
ム系アジュバントである。リン酸アルミニウムは生ワクチン、不活化ワクチン又
はサブユニットワクチンでの使用が当分野で公知であるが、DNAワクチン製剤
で有用なアジュバントであることが開示されたのはごく最近のことである。当業
者は最適免疫応答を得るようにDNAとリン酸アルミニウムの比を変えることが
できる。更に、リン酸アルミニウム系アジュバントはPO/Alモル比が約0
.9であり、同様に最適免疫応答を得るように当業者が改変することができる。
1種以上の形態のリン酸カルシウムから別の無機系アジュバントを調製すること
もできる。これらの無機系アジュバントは適切な細胞性免疫応答に負の効果を与
えることなくDNAワクチン接種に対する体液性応答を増すのに有用である。D
NAワクチンアジュバントとしてのこれらの無機系化合物の完全な使用指針は参
考資料として全体を本明細書に組込むPCT国際出願第PCT/US98/02
414号、PCT国際公開第WO98/35562号に開示されている。別の好
ましいアジュバントはDNAワクチンにアジュバント活性を示す非イオン性ブロ
ックコポリマーである。基本構造はPOE−POP−POEブロックコポリマー
のようにポリオキシエチレン(POE)とポリオキシプロピレン(POP)のブ
ロックを含む。Newmanら(1998,Critical Reviews
in Therapeutic Drug Carrier Systems
15(2):89−142)はアジュバント活性を示す非イオン性ブロックコ
ポリマー類について記載している。基本構造はPOE−POP−POEブロック
コポリマーのようにポリオキシエチレン(POE)とポリオキシプロピレン(P
OP)のブロックを含む。Newmanらは所定のPOE−POP−POEブロ
ックコポリマー即ち分子量約9000ダルトン〜約20,000ダルトンの中心
POPブロックとコポリマーの合計分子量の約20%までに相当する両側のPO
Eブロックを含む高分子量POE−POP−POEブロックコポリマーがインフ
ルエンザタンパク質系ワクチンのアジュバントとして有用であり得ると開示して
いる(これらのPOE−POP−POEブロックコポリマーについてはいずれも
Emanueleら名義の米国再発行特許第36,665号、米国特許第5,5
67,859号、米国特許第5,691,387号、米国特許第5,696,2
98号及び米国特許第5,990,241号も参照)。WO96/04932は
更に界面活性特徴をもち、ワクチンアジュバントとしての生体効力を示す高分子
量POE/POPブロックコポリマーを開示している。このパラグラフに挙げた
上記引用文献はその開示内容全体を参考資料として本明細書に組込む。従って、
アジュバントを加えないポリヌクレオチドワクチンの投与に比較して本発明のポ
リヌクレオチドワクチンの免疫応答を増すことが可能な利用可能なアジュバント
を使用することは当業者がなし得る範囲内である。
【0074】 本発明のDNAベクターワクチンは腸管及び腸管外経路等の当分野で公知の任
意手段により宿主に投与される。これらの送達経路としては筋肉内注射、腹膜組
織内注射、静脈内注射、吸入又は鼻腔内送達、経口輸送、舌下投与、皮下投与、
経皮投与又は任意形態のボンバード粒子(例えば「遺伝子銃」等のパーティクル
ガン装置)や任意市販無針注射装置の使用が挙げられるが、これらに限定されな
い。本明細書に開示するHIV−1 Nef系DNAワクチンの好ましい送達方
法は筋肉内注射と無針注射である。特に好ましい方法は筋肉内輸送である。
【0075】 ワクチンレシピエントに導入する発現可能なDNAの量はDNA構築物で使用
される転写及び翻訳プロモーターの強度と発現される遺伝子産物の免疫原性によ
り異なる。一般に、約1μg〜約20mgを越える値まで、好ましくは約1mg
〜約5mgの免疫又は予防的に有効な用量を筋肉組織に直接投与する。上述のよ
うに、皮下注射、皮内導入、皮膚圧入及び他の投与方法(例えば腹膜組織内、静
脈内、吸入及び経口送達)も予想される。本発明のNef系DNAベクターワク
チンに対する総ての免疫応答を最適化するようにブースターワクチン接種するこ
とも予想される。
【0076】 上記ポリヌクレオチドは脊椎動物に直接in vivo導入すると、動物の体
内で各HIV−1 Nefタンパク質を発現し、発現されるNef抗原に対する
細胞傷害性Tリンパ球(CTL)応答を宿主体内で誘導する。従って、本発明は
有効な免疫予防を提供するため、このウイルスに暴露後のHIV−1感染の定着
を防ぐため、又は急性HIV−1感染を緩和してウイルス負荷の定着をより低く
し、有益な長期結果を得るためのHIV感染後治療用ワクチンとしての本発明の
HIV−1 Nef系ポリヌクレオチドワクチンの使用方法にも関する。上述の
ように、本発明はタンパク質の発現を誘導するために生組織にポリヌクレオチド
を導入する任意公知経路を使用する本発明のDNA nef系ワクチンの投与又
は使用方法を予想する。
【0077】 従って、本発明は本明細書に開示する種々のパラメーターと、哺乳動物組織に
導入するとこれらのDNA nef系ワクチンの細胞内発現をin vivo誘
導する当分野で公知の任意付加パラメーターを使用するDNA nef系ワクチ
ンの使用方法を提供する。Nef系免疫原のこの細胞内発現は既存HIV−1感
染に対する実質的レベルの防御を提供するか又は未感染宿主で将来の感染に対す
る実質的レベルの防御を提供するCTL及び体液性応答を誘導する。
【0078】 以下、実施例により本発明を更に説明するが、以下の実施例により本発明を制
限するものではない。
【0079】 実施例1 ワクチンベクター V1−ワクチンベクターV1はpCMVIE−AKI−DHRF(Whang
ら,1987,J.Virol.61:1796)から構築した。ベクターをE
coRIで切断して自己連結することによりAKI及びDHFR遺伝子を除去し
た。このベクターはCMVプロモーターにイントロンAを含まないので、内部S
acI部位[Chapmanら,(1991,Nuc.Acids Res.1
9:3979)のナンバリングによる1855位]を欠失したPCRフラグメン
トとして加えた。PCR反応に使用した鋳型はpCMVintA−Luxであり
、hCMV−IE1エンハンサー/プロモーターとイントロンAを含むpCMV
6a120(Chapmanら,前出)からのHindIII−NheIフラグ
メントをpBL3のHindIII及びXbaI部位に連結してpCMVInt
BLとすることにより作製した。RSV−Lux(de Wetら,1987,
Mol.Cell Biol.7:725)からの1881塩基対ルシフェラー
ゼ遺伝子フラグメント(クレノウ充填したHindIII−SmaI)をクレノ
ウ充填してホスファターゼ処理したpCMVIntBLのSalI部位に連結し
た。イントロンA部分のプライマーは5’プライマー:5’−CTATATAA
GCAGAGCTCGTTTAG−3’(配列番号10)と、3’プライマー:
5’−GTAGCAAAGATCTAAGGACGGTGACTGCAG−3’
(配列番号11)である。SacI部位を除去するために使用したプライマーは
センスプライマー5’−GTATGTGTCTGAAAATGAGCGTGGA
GATTGGGCTCGCAC−3’(配列番号12)とアンチセンスプライマ
ー5’−GTGCGAGCCCAATCTCCACGCTCATTTTCAGA
CACATAC−3’(配列番号13)である。PCRフラグメントをSacI
とBglIIで切断し、同一酵素で予め切断しておいたベクターに挿入した。
【0080】 V1J−ベクターV1からプロモーター及び転写ターミネーターエレメントを
除去してより明確なコンテキストに配置し、よりコンパクトなベクターを形成し
、プラスミド精製収率を改善するようにワクチンベクターV1Jを作製した。V
1JはベクターV1と市販プラスミドベクターpUC18から誘導される。V1
をSspI及びEcoRI制限酵素で消化し、2個のDNAフラグメントを生成
した。異種遺伝子の発現を制御するCMVintAプロモーター及びウシ成長ホ
ルモン(BGH)転写終結エレメントを含むこれらのフラグメントの小さいほう
をアガロース電気泳動ゲルから精製した。T4 DNAポリメラーゼ酵素を使用
してこのDNAフラグメントの両端を「平滑化」し、別の「平滑末端」DNAフ
ラグメントに連結し易くした。pUC18は発現ベクターの「骨格」を提供する
ために選択した。配列と機能により特定された小サイズのプラスミドを高収率で
製造することは公知である。HaeII制限酵素で部分消化することによりこの
ベクターから完全lacオペロンを除去した。残りのプラスミドをアガロース電
気泳動ゲルから精製し、ウシ腸アルカリホスファターゼで処理したT4 DNA
ポリメラーゼで平滑末端し、上記CMVintA/BGHエレメントに連結した
。pUC骨格の内側にプロモーターエレメントの可能な2方向の一方を示すプラ
スミドが得られた。これらのプラスミドの1種は大腸菌でDNA収率が著しく高
く、これをV1Jと命名した。このベクターの構造を結合領域の配列分析により
確認後、V1と同等以上の異種遺伝子発現を生じることが判明した。V1Jのヌ
クレオチド配列は以下の通りである。
【0081】
【化9】
【0082】 V1Jneo−ワクチンベクターV1Jneo発現ベクターの構築はamp 遺伝子を除去し、kan遺伝子を挿入することにより行った(ネオマイシンホ
スホトランスフェラーゼ)。SspI及びEam1105I制限酵素で消化する
ことによりV1JのpUC骨格からamp遺伝子を除去した。残りのプラスミ
ドをアガロースゲル電気泳動により精製し、T4 DNAポリメラーゼで平滑末
端化した後、ウシ腸アルカリホスファターゼで処理した。トランスポゾン903
に由来し、pUC4Kプラスミドに含まれる市販kan遺伝子をPstI制限
酵素で切出し、アガロースゲル電気泳動により精製し、T4 DNAポリメラー
ゼで平滑末端化した。このフラグメントをV1J骨格と連結し、いずれかの方向
にkan遺伝子をもつプラスミドを得、V1Jneo#1及び3と命名した。
これらのプラスミドの各々を制限酵素消化分析、結合領域のDNAシークエンシ
ングにより確認し、V1Jと同等量のプラスミドを生じることが判明した。これ
らのV1Jneoベクターは異種遺伝子産物の発現もV1Jと同等であった。V
1Jのamp遺伝子と同一方向にkan遺伝子を含み、ネオマイシン、カナ
マイシン及びG418に対する耐性を提供するV1Jneo#3(以下、V1J
neoと言う)を発現構築物として選択した。V1Jneoのヌクレオチド配列
は以下の通りである。
【0083】
【化10】
【0084】 V1Jns−組込み試験を容易にするようにV1JneoにSfiI部位を加
えて発現ベクターV1Jnsを作製した。ベクターのBGH配列内のKpnI部
位に市販13塩基対SfiIリンカー(New England BioLab
s)を加えた。V1JneoをKpnIで直鎖化し、ゲル精製し、T4 DNA
ポリメラーゼで平滑化し、平滑SfiIリンカーに連結した。クローン分離株を
制限マッピングにより選択し、リンカーのシークエンシングにより確認した。新
規ベクターをV1Jnsと命名した。(SfiIをもつ)V1Jnsにおける異
種遺伝子の発現は(KpnIをもつ)V1Jneoにおける同一遺伝子の発現と
同等であった。
【0085】 V1Jnsのヌクレオチド配列は以下の通りである。
【0086】
【化11】
【0087】 配列番号16の下線で示したヌクレオチドはV1JneoのKpnI部位に導
入したSfiI部位である。
【0088】 V1Jns−tPA−本発明のnef DNA構築物に異種リーダーペプチド
を融合するようにワクチンベクターV1Jns−tPAを構築した。より具体的
に説明すると、ヒト組織特異的プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)リー
ダーを含むようにワクチンベクターV1Jnsを修飾した。アミノ末端リーダー
配列を含むnef DNA構築物の作製を限定するものではないが、1例として
、ヒト組織特異的プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)リーダーを含むよ
うにプラスミドV1Jneoを修飾した。2種の合成相補オリゴマーをアニール
した後、BglIIで消化しておいたV1Jneoに連結した。センス及びアン
チセンスオリゴマーは5’−GATCACCATGGATGCAATGAAGA
GAGGGCTCTGCTGTGTGCTGCTGCTGTGTGGAGCAG
TCTTCGTTTCGCCCAGCGA−3’(配列番号17)と5’GAT
CTCGCTGGGCGAAACGAAGACTGCTCCACACAGCAG
CAGCACACAGCAGAGCCCTCTCTTCATTGCATCCAT
GGT−3’(配列番号18)であった。センスオリゴマー中のコザック配列を
下線で示す。これらのオリゴマーはBglIIで切断した配列との連結に適した
突出塩基をもつ。連結後に下流BglIIを後期連結に残しながら上流BglI
I部位を破壊する。両者結合部位と完全tPAリーダー配列をDNAシークエン
シングにより確認した。更に、V1Jns(=SfiI部位をもつV1Jneo
)と一致させるために、KpnI部位をT4 DNAポリメラーゼで平滑化した
後にSfiIリンカー(カタログ#1138,New England Bio
labs)と連結してV1Jns−tPAとすることによりV1Jneo−tP
AのBGHターミネーター領域内のKpnI部位にSfiI制限部位を配置した
。この変異を制限消化とアガロースゲル電気泳動により確認した。V1Jns−
tpaベクターヌクレオチド配列は以下の通りである。
【0089】
【化12】
【0090】 配列番号9の下線で示したヌクレオチドはV1JneoのKpnI部位に導入
したSfiI部位であり、下線/斜体で示したヌクレオチドはヒトtPAリーダ
ー配列である。
【0091】 V1R−V1JとV1Jnsにより得られる総合的な最適化異種遺伝子発現特
性と高いプラスミド収率を維持しながら不要なDNA配列を除去した最小寸法の
ワクチンベクターを得るようにワクチンベクターV1Rを構築した。(1)細菌
からのプラスミド収率を変えずに大腸菌複製起点を含むpUC骨格内の領域を除
去することができ、(2)細菌ターミネーターをその場所に挿入するならばカナ
マイシンオープンリーディングフレームに続くkan遺伝子の3’領域を除去
することができ、(3)その調節機能を変えずに(BGHエレメント内の元のK
pnI制限酵素部位に続く)BGHターミネーターの3’側半分から〜300b
pを除去できることが判明した。V1RはPCRを使用してCMVintAプロ
モーター/BGHターミネーター、複製起点及びカナマイシン耐性エレメントに
夫々相当するV1Jnsからの3個のDNAセグメントを合成することにより構
築した。PCRオリゴマーを使用して各セグメントに固有の制限酵素即ちCMV
intA/BGHにはSspIとXhoI、kan遺伝子にはEcoRVとB
amHI、oriにはBclIとSalIを加えた。これらの酵素部位を選択
したのはPCRにより誘導されるDNAセグメントの各々を各部位の後期欠損な
しに指向的に連結できるためであり、EcoRVとSspIは連結に適した平滑
末端DNAを残し、BamHIとBclI及びSalIとXhoIは付着末端を
残す。PCRによりこれらのセグメントを得た後に、各セグメントを適当な上記
制限酵素で消化し、その後、全体を連結し、全3個のDNAセグメントを含む単
一反応混合物とする。oriの5’末端はこの領域に通常存在するT2rho
独立ターミネーター配列を含むように設計し、カナマイシン耐性遺伝子に終結情
報を提供できるようにした。連結産物は制限酵素消化(>8種酵素)と連結結合
部のDNAシークエンシングにより確認した。V1R内のウイルス遺伝子を使用
したDNAプラスミド収率と異種発現はV1Jnsと同等であると思われる。得
られたベクター寸法の純減少は1346bp(V1Jns=4.86kb、V1
R=3.52kb)であった。V1Rを合成するために使用したPCRオリゴマ
ー配列は以下の通りである(制限酵素部位を下線で示し、配列の後の括弧内に配
列番号を示す)。(1)5’−GGTACAAATATTGGCTATTGGC
CATTGCATACG−3’(配列番号20)[SspI]、(2)5’−C
CACATCTCGAGGAACCGGGTCAATTCTTCAGCACC−
3’(配列番号21)[XhoI](CMVintA/BGHセグメント)、(
3)5’−GGTACAGATATCGGAAAGCCACGTTGTGTCT
CAAAATC−3’(配列番号22)[EcoRV]、(4)5’−CACA
GGATCCGTAATGCTCTGCCAGTGTTACAACC−3’(
配列番号23)[BamHI](カナマイシン耐性遺伝子セグメント)、(5)
5’−GGTACATGATCACGTAGAAAAGATCAAAGGATC
TTCTTG−3’(配列番号24)[BclI]、(6)5’−CCACAT GTCGAC CCGTAAAAAGGCCGCGTTGCTGG−3’(配列番
号25)[SalI](大腸菌複製起点)。
【0092】 ベクターV1Rのヌクレオチド配列は以下の通りである。
【0093】
【化13】
【0094】 実施例2 DNAベクターワクチンとしてのコドン最適化HIV−1 Nef及びHIV
−1 Nef誘導体 HIV−1 Nefワクチンベクター−オーバーラップする相補合成オリゴヌ
クレオチドからポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によりHIV−1 jrfl分
離株の野生型Nefタンパク質をコードするコドン最適化nef遺伝子を構築し
た。使用したPCRプライマーはBglII部位が5’プライマーの延長部に含
まれ、SrfI部位とBglII部位が3’プライマーの延長部に含まれるよう
に設計した。PCR産物をBglIIで消化し、ヒトサイトメガロウイルス初期
プロモーター系発現ベクターV1Jns(図1A)のBglII部位にクローニ
ングした。発現カセットのコンテキスト内でnefフラグメントが正しい方向で
あるかどうかを非対称制限マッピングにより調べた。得られたプラスミドがV1
Jns/nefである。コドン最適化V1Jns/nefの5’及び3’ヌクレ
オチド配列結合部を図3Aに示す。
【0095】 突然変異nef(G2A,LLAA)も合成オリゴヌクレオチドから作製した
。クローニングし易くするために、5’及び3’PCRプライマーの延長部に夫
々PstI部位とSrfI部位を加えた。PCR産物をPstIとSrfIで消
化し、V1Jns/nefのPstI及びSrfI部位にクローニングし、元の
nefをnef(G2A,LLAA)フラグメントで置換した。こうしてV1J
ns/nef(G2A,LLAA)を得た。コドン最適化V1Jns/nef(
G2A,LLAA)の5’及び3’ヌクレオチド配列結合部を図3Bに示す。
【0096】 ヒト組織プラスミノーゲンアクチベーターリーダーペプチドとnef融合遺伝
子を含む発現ベクター即ちV1Jns/tPAnefを構築するために、V1J
ns/nefを鋳型として使用して5個のアミノ末端残基のコード配列を欠失す
る切断nef遺伝子フラグメントをまずPCR増幅した。この反応で使用した5
’及び3’PCRプライマーはいずれもBglII延長部を含んでいた。次にP
CR増幅フラグメントをBglIIで消化し、発現ベクターV1Jns/tpa
(図1B)のBglII部位にクローニングした。tpaリーダーペプチドコー
ド配列の3’末端をnef PCR産物の5’末端に連結してBglII部位を
復元し、2種の遺伝子のインフレーム融合体を得た。コドン最適化V1Jns/
tPAnefの5’及び3’ヌクレオチド配列結合部を図3Cに示す。
【0097】 V1Jns/tpanef(LLAA)の構築はnef遺伝子の3’側半分と
ベクター骨格の部分を含むV1Jns/tpanefのBsu36−SacII
フラグメントをV1Jns/nef(G2A,LLAA)からのBsu36−S
acIIフラグメントで置換することにより実施した。コドン最適化V1Jns
/tpanef(LLAA)の5’及び3’ヌクレオチド配列結合部を図3Cに
示す。
【0098】 全nef構築物はシークエンシングにより確認した。これらの構築物のアミノ
酸結合部を図4に模式的に示す。
【0099】 トランスフェクション及びタンパク質発現−100mm培養皿で10%ウシ胎
仔血清(FBS,GIBCO)を加えた最少必須培地(MEM,GIBCO,G
rand Island,MD)で約30%集密に増殖させた293細胞(アデ
ノウイルス形質転換ヒト胚性腎細胞系293)にgag発現ベクターV1Jns
/gag4μg又はgag発現ベクター4μgとnef発現ベクター4μgの混
合物を製造業者のプロトコール(GIBCO)に従ってLipofectinに
よりトランスフェクトした。トランスフェクションから12時間後に細胞を無血
清培地Opti−MEMI(GIBCO)10mlで1回洗浄し、Opti−M
EMI5mlを補充した。更に60時間インキュベーション後に培養上清と細胞
を別々に採取し、ウェスタンブロット分析に使用した。
【0100】 ウェスタンブロット分析−サンプル50μlを減圧条件下に10%SDS−ポ
リアクリルアミドゲル(SDS−PAGE)で分離した。タンパク質をPVDF
膜1枚にブロットし、いずれも2000倍に希釈したgag mAb(#18;
Intracel,Cambridge,MA)とNef mAb(aa64〜
68、aa195〜201;Advanced Biotechnologie
s,Columbia,MD)の混合物及び西洋ワサビペルオキシダーゼ(HR
P)結合ヤギ抗ウサギIgG(Zymed,San Francisco,CA
)と反応させた。タンパク質バンドを製造業者のプロトコール(Amersha
m,Arlington Heights,IL)に従ってECLウェスタンブ
ロッティング検出試薬により可視化した。
【0101】 酵素免役定量法(ELISA)−96穴Immulon II丸底プレートを
4℃で重炭酸緩衝液(pH9.8)中2μg/ml濃度のNefタンパク質50
μl/ウェルで一晩被覆した。0.05%Tween−20を加えたPBS(P
BST)でプレートを3回洗浄し、24℃でPBST中5%スキムミルク(ミル
ク−PBST)で2時間ブロックした後、試験サンプルのミルク−PBST連続
希釈液を加えて24℃で2時間インキュベートした。プレートをPBSTで3回
洗浄し、HRP結合ヤギ抗マウスIgG(Zymed)50μl/ウェルを加え
、24℃で1時間インキュベートした。この後、3回洗浄し、1mg/mlAB
TS[(2,2’−アミノ−ジ−(3−エチルベンズチオゾリンスルホネート)
)(KPL,Gaithersburg,MD)100μl/ウェルを加えた。
24℃で1時間後にELISAプレートリーダーを使用して波長405nmでプ
レートを読取った。
【0102】 酵素スポットアッセイ(Elispot)−ニトロセルロース膜でバッキング
した96穴プレート(MSHAプレート;Millipore,Bedford
,MA)を4℃でPBS中5μg/ml濃度のラット抗マウスINF−γmAb
捕獲抗体(R4−6A2;PharMingen,San Diego,CA)
50μl/ウェルで一晩被覆した。プレートをPBSTで3回洗浄し、CO
ンキュベーターで37℃でRPMI−1640(FBS−RPMI)中10%F
BSで2〜4時間ブロックした。10%FBSを加えたRPMI−1640に脾
細胞を4×10個/mlで懸濁した。細胞100μlを各ウェルに加え、プレ
ートを37℃で20時間インキュベートした。各サンプルをウェル3個ずつで試
験した。インキュベーション後にプレートを蒸留水で短時間濯ぎ、PBSTで3
回洗浄した。次に、PBST中1%BSAで濃度2μg/mlに希釈したビオチ
ン化ラット抗マウスINF−γmAb検出抗体(XMG1.2;PharMin
gen)50μlを各ウェルに加えた。プレートを24℃で2時間インキュベー
トした後、PBSTで洗浄した。FBS−RPMIに1000倍に希釈したスト
レプトアビジン結合アルカリホスファターゼ(KPL)50μlを各ウェルに加
えた。プレートを24℃で更に1時間インキュベートした。BPSTで十分に洗
浄後、BCIT/NBT基質(KPL)100μlを15分間加え、プレートを
水道水で洗浄して色反応を停止した。プレートを風乾し、解剖用顕微鏡を使用し
てスポットを数えた。
【0103】 細胞傷害性T細胞(CTL)アッセイ−免疫したマウスからの脾細胞を同一遺
伝子型のペプチドをパルスして放射線照射したナイーブ脾細胞と7日間同時培養
した。51Cr−クロム酸ナトリウムの存在下に指定ペプチド20μg/mlを
加えるか又は加えずに37℃で1時間EL−4細胞をインキュベートし、ターゲ
ット細胞として使用した。アッセイのために、ターゲット細胞10個を種々の
数の脾細胞と共に96穴プレートに加えた。プレートを37℃で4時間インキュ
ベートした。インキュベーション後、上清を集め、Wallacγカウンターで
計数した。([実験放出−自然放出]/[最大放出−自然放出])×100%と
して特異的溶解を計算した。自然放出はターゲット細胞を培地単独中でインキュ
ベートすることにより測定し、最大放出はターゲット細胞を2.5%Trito
nX−100中でインキュベートすることにより測定した。アッセイは各サンプ
ル3回ずつ実施した。
【0104】 動物実験−6〜10週齢雌マウス(Charles River Labor
atories,Wilmington,MA)4頭にPBS中DNA100μ
lを注射した。免疫から2週間後に各マウスからの脾臓を集め、CTL及びEl
ispotアッセイに使用した。
【0105】 結果(DNAベクターワクチン構築)−例示Nefタンパク質配列はHIV−
1クレードB jrfl分離株に基づく。コドン最適化nef遺伝子をワクチン
構築と他の例示構築物の親遺伝子として使用するのに選択した。図2A〜Bは野
生型nef(jrfl)とコドン最適化nef(jrfl)のコード配列の比較
を示す。Gly2Ala置換を含むものと、ヒト組織プラスミノーゲンアクチベ
ーター(tpa)リーダー配列をNefの6番目の残基Serに融合したもの(
tpanef)の2種類のミリスチル化部位突然変異体を構築した。ジロイシン
モチーフ突然変異体はLeu174Ala置換とLeu175Ala置換を導入
することにより作製した。図4はNefとNef突然変異体の模式図を示す。i
n vitro発現及びin vivo免疫原性試験のためにnef遺伝子を発
現ベクターV1Jnsにクローニングした。野生型nef、tpanef、ジロ
イシンモチーフ突然変異をもつtpanef及びGly2Alaミリスチル化部
位とジロイシンモチーフの突然変異をもつnef突然変異体を含むプラスミドが
得られ、V1Jns/nef、V1Jns/tpanef、V1Jns/tpa
nef(LLAA)及びV1Jns/(G2A,LLAA)と夫々命名した。
【0106】 結果−発現及びウェスタンブロット分析−コドン最適化nef構築物の発現を
評価するために、アデノウイルス形質転換ヒト腎性293細胞に各nefプラス
ミドとgag発現ベクターV1Jns/gagを同時トランスフェクトした。ト
ランスフェクションから72時間後に細胞と培地を別々に集め、Nef及びGa
g特異的mAbを使用してウェスタンブロッティングにより分析した。結果を図
5に示す。V1Jns/gagのみをトランスフェクトした細胞は約55Kdの
明白な単一バンドを示し、gagプラスミドとnefプラスミドを同時トランス
フェクトした細胞は55Kdバンドの他に主要30Kdバンドと数個の微小バン
ドを示した。このパターンは55Kd種がGagポリペプチドであり、30Kd
及び他の微小種がNef関連産物であることを裏付ている。従って、トランスフ
ェクトした細胞で全nef構築物が発現された。基準として比較的安定したGa
gシグナルに対して測定すると、4種のnef遺伝子が降順にtpanef、n
ef、tpanef(LLAA)及びnef(G2A,LLAA)の順で異なる
レベルで発現するようである。nef(G2A,LLAA)を除き、nef、t
panef、tpanef(LLAA)の産物は細胞画分と培地画分の両者で検
出することができた。
【0107】 マウスにおけるNef特異的CD8及びCD4エピトープのマッピング−マウ
スにおけるNef(jrfl)の細胞性免疫応答誘発性については情報が得られ
なかった。そこで、本明細書に例示するNef及びNef突然変異体の免疫原性
を決定するためにCD8及びCD4エピトープをマッピングした。完全216a
aNefポリペプチドを含む1組のオーバーラップするnefペプチドを作製し
た。20種の20量体と1種の16量体を含む合計21種のペプチドを作製した
。Balb/c、C3H及びC57BL/6の3種のマウスをプラスミドV1J
ns/Nefで免疫し、免疫したナイーブマウスから脾細胞を抽出し、Elis
potアッセイによりNef特異的INF−γ分泌細胞(SFC)を測定した。
図6はNefペプチドの別個プールに対してElispotアッセイを実施した
場合を示す。免疫した全3種のマウスがNefプラスミド免疫に応答し、各々陽
性Nefペプチド特異的INF−γSFCを生じた。これに基づき、各ペプチド
に対して分画CD8及びCD4細胞で更に試験を行った。結果を図7A〜Cに示
す。Balb/cマウス(図7A)では4種のNefペプチド即ちaa11〜3
0、aa61〜80、aa191〜210及びaa200〜216が相当数のC
D4 SFCを誘導できることが判明した。C57BL/6マウス(図7B)で
は、相当数のCD4 SFCを誘導したのはただ1種のペプチド即ちaa81〜
100のみであった。Balb/c及びC57BL/6マウスに比較してC3H
マウス(図7C)は特定ペプチドで主要なCD4 SFC応答を示さず、aa2
1〜40、aa31〜50、aa121〜140、aa131〜150、aa1
81〜200及びaa191〜210を含む一連のペプチドに応答して発生した
SFCは少数であった。CD8細胞については、C57BL/6マウスのみで単
一ペプチドaa51〜70で相当SFC応答が検出された。
【0108】 Elispotアッセイの結果からNefペプチドaa51〜70はH−2b
に制限されるCD8細胞エピトープを含むことが示唆された。このCD8エピト
ープが細胞傷害性T細胞(CTL)エピトープでもあるかどうかを確認するため
に、慣用CTLアッセイを実施した。ペプチドaa51〜70(図8A)は低レ
ベルの特異的死滅率しか誘導しなかった。典型的CTLエピトープの9アミノ酸
よりも長いペプチドはMHCクラスI分子に対する結合親和性が低いことが多い
。ペプチドaa51〜70で観察される低い特異的死滅率はこの20アミノ酸ペ
プチドの結合親和性が低いためであると予想された。従って、2種の短縮ペプチ
ド即ちaa60〜68とaa58〜70を合成し、CTLアッセイで試験した。
ペプチドaa60〜68は特異的死滅を誘導しなかった(図8B)が、ペプチド
aa58〜70はその長い対応ペプチドaa61〜80に比較して特異的死滅率
の著しい増加を示した(図8C)。例えば、5:1のエフェクター/ターゲット
比でペプチドaa58〜70により誘導される特異的死滅率はエフェクター/タ
ーゲット比45でaa51〜80により誘導される特異的死滅率と同等であった
。即ち、ペプチドaa58〜70とペプチドaa51〜70を比較すると、前者
のほうがNef特異的死滅の誘導に関してほぼ10倍有効であった。従って、C
TLアッセイの結果から、Elispotアッセイにより検出されるCD8エピ
トープは確かにCTLエピトープであることが確認された。Nef CTLエピ
トープの最小アミノ酸配列を更にマッピングするために、更に5種のペプチドを
合成してElispotアッセイにより分析した処、表1に示すようにCTLエ
ピトープはNef aa58〜66にマッピングされた。
【0109】
【表1】
【0110】 結果(マウスにおけるnef突然変異体の免疫原性の評価)−H−2bに制限
されるCTL及びCD4細胞エピトープが同定されたので、C57BL/6マウ
スで種々のコドン最適化nef構築物の免疫原性を試験した。これは2回の別々
の実験で同一免疫手順を使用して実施した。第1の実験はnef、tpanef
(LLAA)及びnef(G2A,LLAA)を試験し、第2の実験はnef、
tpanef、tpanef(LLAA)及びnef(G2A,LLAA)を試
験した。これらの各コドン最適化nef遺伝子を含むプラスミドでマウスを免疫
した。免疫から2週間後に各マウスから脾細胞を抽出し、夫々Nefペプチドa
a58〜66及びaa81〜100を使用してElispotアッセイによりN
ef特異的CD8及びCD4 INF−γSFCを分析した。結果を図9A〜B
に示す。実験1(図9A)では試験した3群のうちでコドン最適化tpanef
(LLAA)構築物を接種したマウスが最高のCD8及びCD4細胞応答を生じ
、tpanef(LLAA)とnefを比較すると、前者のほうが約40倍のC
D8 SFCと10倍のCD4 SFCを誘導した。tpanef(LLAA)
と比較すると、nef(G2A,LLAA)突然変異体は免疫原性が低く、この
突然変異体を接種したマウスは試験条件下でCD8及びCD4 SFCを殆ど検
出できなかった。実験2でも3種の突然変異体間で同様の応答プロフィルが観察
された(図9B)が、tpanef(LLAA)を接種したマウスの総CD8応
答は実験1で観察されるよりも実験2のほうが約10倍高かった。tPAnef
突然変異体はtpanef(LLAA)と同等の応答を示した。従って、この結
果からコドン最適化tpanef及びtpanef(LLAA)はいずれも非常
に高い免疫原性をもつことが判明した。
【0111】 結果(アカゲザルにおけるnef突然変異体の免疫原性の評価)−0、4及び
8週に指定コドン最適化プラスミド5mgでサルを免疫した。各免疫から4週間
後に末梢血単核細胞を採取し、本実施例でマウス試験について記載したようにN
ef特異的INF−γ分泌細胞を試験した。結果を表2に示す。マウス試験と同
様に、tpanef(LLAA)はtPAnefに比較して非常に高い免疫原性
を示す。
【0112】
【表2】
【0113】 HIV−1 jrfl分離株Nefポリペプチドをコードするコドン最適化n
ef遺伝子を合成した。得られた合成nef遺伝子はin vitroトランス
フェクトした細胞で良好に発現された。この合成遺伝子を親分子として使用し、
ミルスチル化部位とジロイシンモチーフに突然変異を含むnef突然変異体を構
築した。単一Gly2Ala置換を含むものとヒトプラスミノーゲンアクチベー
ター(tpa)リーダーペプチドをNefポリペプチドのN末端に融合したもの
の2種のミルスチル化部位突然変異体を作製した。ジロイシンモチーフ突然変異
はLeu174AlaとLeu175Alaの置換により導入した。得られたn
ef構築物をnef、tpanef、tpanef(LLAA)及びnef(G
2A,LLAA)と命名した。tpaリーダーペプチド配列を加えると、nef
遺伝子のin vitro発現が著しく増加したが、Gly2Ala突然変異又
はジロイシン突然変異ではnef遺伝子発現が低下した。nef及びnef突然
変異体の免疫原性を決定するために、マウスでnefCTL及びThエピトープ
をマッピングする実験を行った。いずれもH−2bに制限される単一CTLエピ
トープと主要Thエピトープが同定された。従って、C57BL/6マウスをD
NA免疫手段により種々のnef構築物で免疫し、免疫したマウスから脾細胞を
抽出し、Elispotアッセイと明確なT細胞エピトープを使用してNef特
異的CTL及びTh応答を測定した。その結果、tpanefとtpanef(
LLAA)はCTL及びTh応答の両者の誘導に関してnefよりも免疫原性が
非常に高いことが判明した。
【0114】 従って、これらの上記ポリペプチドは霊長類やヒト等の哺乳動物を含む脊椎動
物に直接in vivo投与すると、動物の体内で各種HIV−1 Nefタン
パク質を発現し、発現されたNef抗原に対して少なくとも細胞傷害性Tリンパ
球(CTL)応答を宿主体内で誘導すると思われる。
【0115】 本発明は本明細書に記載した特定態様に範囲を限定しない。実際に、本明細書
に記載した態様に加えて本発明の種々の変形が上記記載から当業者に自明である
。このような変形も特許請求の範囲に含むものとする。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1A】 図1AはHIV−1 nef構築物に使用したDNAワクチン発現ベクターV
1Jnsの模式図を示す。
【図1B】 図1BはHIV−1修飾nef構築物に使用したDNAワクチン発現ベクター
V1Jns/tpaの模式図を示す。
【図2A】 図2Aは野生型nef(jrfl)とコドン最適化nefのヌクレオチド配列
比較を示す。jrfl分離株からの野生型nef遺伝子は216アミノ酸ポリペ
プチドをコードすることが可能な648ヌクレオチドから構成される。WTは野
生型配列(配列番号9)、optは(配列番号1に含まれる)コドン最適化配列
を示す。Nefアミノ酸配列は1文字コードで示す(配列番号2)。
【図2B】 図2Bは野生型nef(jrfl)とコドン最適化nefのヌクレオチド配列
比較を示す。jrfl分離株からの野生型nef遺伝子は216アミノ酸ポリペ
プチドをコードすることが可能な648ヌクレオチドから構成される。WTは野
生型配列(配列番号9)、optは(配列番号1に含まれる)コドン最適化配列
を示す。Nefアミノ酸配列は1文字コードで示す(配列番号2)。
【図3A】 図3Aはnef発現ベクターV1Jns/nefのnefコード配列とプラス
ミド骨格の結合部のヌクレオチド配列を示す。コドン最適化nef又はコドン最
適化nef突然変異遺伝子の5’及び3’フランキング配列を太字/斜体で示し
、nef及びnef突然変異体コード配列を細字で示す。各nef発現ベクター
の構築に使用した制限エンドヌクレアーゼ部位も(下線で)示す。V1Jns/
tpanefとV1Jns/tpanef(LLAA)は結合部に同一配列をも
つ。
【図3B】 図3BはV1Jns/nef(G2A,LLAA)のnefコード配列とプラ
スミド骨格の結合部のヌクレオチド配列を示す。コドン最適化nef又はコドン
最適化nef突然変異遺伝子の5’及び3’フランキング配列を太字/斜体で示
し、nef及びnef突然変異体コード配列を細字で示す。各nef発現ベクタ
ーの構築に使用した制限エンドヌクレアーゼ部位も(下線で)示す。V1Jns
/tpanefとV1Jns/tpanef(LLAA)は結合部に同一配列を
もつ。
【図3C】 図3CはV1Jns/tpanef及びV1Jns/tpanef(LLAA
)のnefコード配列とプラスミド骨格の結合部のヌクレオチド配列を示す。コ
ドン最適化nef又はコドン最適化nef突然変異遺伝子の5’及び3’フラン
キング配列を太字/斜体で示し、nef及びnef突然変異体コード配列を細字
で示す。各nef発現ベクターの構築に使用した制限エンドヌクレアーゼ部位も
(下線で)示す。V1Jns/tpanefとV1Jns/tpanef(LL
AA)は結合部に同一配列をもつ。
【図4】 図4はnef及びnef誘導体の模式図を示す。Nef誘導体に含まれるアミ
ノ酸残基を示す。グリシン2とロイシン174及び175は夫々ミリスチル化と
ジロイシンモチーフに関与する部位である。tpanef融合遺伝子の両形態で
は推定リーダーペプチド切断部位を「*」で示し、突然変異体の構築中に導入さ
れた外来セリン残基を下線で示す。
【図5】 図5はトランスフェクトした293細胞で発現されたnef及び修飾nefタ
ンパク質のウェスタンブロット分析を示す。100mm培養皿で増殖させた29
3細胞に各種コドン最適化nef構築物をトランスフェクトした。トランスフェ
クションから60時間後に上清と細胞を別々に集め、減圧条件下に10%SDS
−PAGEで分離した。タンパク質をPVDF膜に移し、いずれも2000倍に
希釈したGag mAbとNef mAbの混合物でプローブした。タンパク質
シグナルはECLで検出した。(A)V1Jns/gag単独をトランスフェク
トした細胞、(B)V1Jns/gagとV1Jns/nefをトランスフェク
トした細胞、(C)V1Jns/gagとV1Jns/nef(G2A,LLA
A)をトランスフェクトした細胞、(D)V1Jns/gagとV1Jns/t
panefをトランスフェクトした細胞、(E)V1Jns/gagとV1Jn
s/tpanef(LLAA)をトランスフェクトした細胞。下段の文字c及び
mは夫々細胞フラクションと培地フラクションを表す。M.W.=分子量マーカ
ー。
【図6】 図6はNefペプチドに対する細胞媒介応答のElispotアッセイを示す
。Balb/c、C57BL/6及びC3Hの3種のマウスをV1Jns/ne
f(コドン最適化)50μgで免疫し、2週間隔で2回ブースター免疫した。最
終免疫から2週間後に脾細胞を抽出し、各種Nefペプチドプールに対してEl
ispotアッセイで試験した。対照として非免疫ナイーブマウスから脾細胞を
抽出して平行試験した。NefペプチドプールAは全21種のNefペプチドか
ら構成され、NefペプチドプールBは残基1から開始する11種のオーバーラ
ップしないペプチドから構成され、NefペプチドプールCは残基11から開始
する10種のオーバーラップしないペプチドから構成される。SFCはINF−
γ分泌スポット形成細胞である。
【図7A】 図7AはNef特異的CD8及びCD4エピトープマッピングを示す。免疫手
順は図6に示した通りである。マウス脾細胞を抽出し、Miltenyiの磁気
細胞分離器を使用してCD8細胞とCD8細胞に分画した。次に、得られた
CD8細胞とCD8細胞を各Nefペプチドに対してElispotアッセ
イで試験した。SFCはINF−γ分泌スポット形成細胞である。試験したマウ
ス系統はBalb/cマウスである。
【図7B】 図7BはNef特異的CD8及びCD4エピトープマッピングを示す。免疫手
順は図6に示した通りである。マウス脾細胞を抽出し、Miltenyiの磁気
細胞分離器を使用してCD8細胞とCD8細胞に分画した。次に、得られた
CD8細胞とCD8細胞を各Nefペプチドに対してElispotアッセ
イで試験した。SFCはINF−γ分泌スポット形成細胞である。試験したマウ
ス系統はC57BL/6マウスである。
【図7C】 図7CはNef特異的CD8及びCD4エピトープマッピングを示す。免疫手
順は図6に示した通りである。マウス脾細胞を抽出し、Miltenyiの磁気
細胞分離器を使用してCD8細胞とCD8細胞に分画した。次に、得られた
CD8細胞とCD8細胞を各Nefペプチドに対してElispotアッセ
イで試験した。SFCはINF−γ分泌スポット形成細胞である。試験したマウ
ス系統はC3Hマウスである。
【図8A】 図8AはNef CTLエピトープの同定を示す。nefで免疫したC57B
L/6マウスからの脾細胞をペプチドバルス放射線照射ナイーブ脾細胞で7日間
in vitro刺激した。in vitro刺激後に細胞を回収し、ペプチド
パルスEL−4細胞をターゲットとして使用して標準51Cr放出アッセイで試
験した。白記号はペプチドの不在下のEL−4細胞の特異的致死率であり、黒記
号はペプチドの存在下のEL−4細胞の特異的致死率である。パネルAはペプチ
ドNef51〜70である。
【図8B】 図8BはNef CTLエピトープの同定を示す。nefで免疫したC57B
L/6マウスからの脾細胞をペプチドバルス放射線照射ナイーブ脾細胞で7日間
in vitro刺激した。in vitro刺激後に細胞を回収し、ペプチド
パルスEL−4細胞をターゲットとして使用して標準51Cr放出アッセイで試
験した。白記号はペプチドの不在下のEL−4細胞の特異的致死率であり、黒記
号はペプチドの存在下のEL−4細胞の特異的致死率である。パネルBはペプチ
ドNef60〜68である。
【図8C】 図8CはNef CTLエピトープの同定を示す。nefで免疫したC57B
L/6マウスからの脾細胞をペプチドバルス放射線照射ナイーブ脾細胞で7日間
in vitro刺激した。in vitro刺激後に細胞を回収し、ペプチド
パルスEL−4細胞をターゲットとして使用して標準51Cr放出アッセイで試
験した。白記号はペプチドの不在下のEL−4細胞の特異的致死率であり、黒記
号はペプチドの存在下のEL−4細胞の特異的致死率である。パネルCはペプチ
ドNef58〜70である。
【図9A】 図9AはNefと修飾型Nefを発現するコドン最適化DNAワクチンベクタ
ーの免疫原性の比較を示す。各群5頭のC57BL/6マウスを指定nef構築
物100μgで免疫した。免疫から14日後に脾細胞を集め、Nef CD8(
aa58〜66)及びCD4(aa81〜100)ペプチドに対して試験した。
両方の実験に同一免疫手順を使用した。実験1(パネルA)ではV1Jns/n
ef、V1Jns/tpanef(LLAA)及びV1Jns/nef(G2A
,LLAA)の3種のコドン最適化nef構築物を試験した。データは各群5頭
のマウスの平均+標準偏差を表す。
【図9B】 図9BはNefと修飾型Nefを発現するコドン最適化DNAワクチンベクタ
ーの免疫原性の比較を示す。各群5頭のC57BL/6マウスを指定nef構築
物100μgで免疫した。免疫から14日後に脾細胞を集め、Nef CD8(
aa58〜66)及びCD4(aa81〜100)ペプチドに対して試験した。
両方の実験に同一免疫手順を使用した。実験2(パネルB)では全4種のコドン
最適化nef構築物を試験した。データは各群5頭のマウスの平均+標準偏差を
表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 リアン,シヤオピン アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065−0907、ローウエイ、イースト・リ ンカーン・アベニユー・126 (72)発明者 フー,トン−ミン アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065−0907、ローウエイ、イースト・リ ンカーン・アベニユー・126 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA35 CA01 DA03 EA02 EA04 GA11 GA18 HA03 4C085 AA03 AA38 BB23 CC31 EE06 FF01 FF11 4H045 AA10 AA30 BA10 CA05 DA86 EA31 FA74

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)DNA発現ベクターと、 (b)Nefタンパク質又はその免疫原性Nef誘導体をコードするコドン最適
    化オープンリーディングフレームを含むDNA分子を含む医薬的に許容可能なD
    NAワクチンであって、DNAワクチンを宿主に投与すると、Nefタンパク質
    又は免疫原性Nef誘導体が発現され、HIV−1感染に対する実質的レベルの
    保護を提供する免疫応答を生じる前記DNAワクチン。
  2. 【請求項2】 DNA分子が野生型Nefをコードする請求項1に記載のD
    NAワクチン。
  3. 【請求項3】 DNA分子が配列番号1に示すヌクレオチド配列を含む請求
    項2に記載のDNAワクチン。
  4. 【請求項4】 V1Jns−opt nef(jrfl)である請求項3に
    記載のDNAワクチン。
  5. 【請求項5】 DNA分子が配列番号2に示すアミノ酸配列を含む野生型N
    efタンパク質を発現する請求項2に記載のDNAワクチン。
  6. 【請求項6】 DNA分子がリーダーペプチドをコードするヌクレオチド配
    列を含む免疫原性Nef誘導体をコードする請求項1に記載のDNAワクチン。
  7. 【請求項7】 DNA分子がヒト組織プラスミノーゲンアクチベーターリー
    ダーペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む免疫原性Nef誘導体をコー
    ドする請求項6に記載のDNAワクチン。
  8. 【請求項8】 DNA分子が配列番号3に示すヌクレオチド配列を含む請求
    項7に記載のDNAワクチン。
  9. 【請求項9】 V1Jns−opt tpanefである請求項8に記載の
    DNAワクチン。
  10. 【請求項10】 DNA分子が配列番号4に示すアミノ酸配列を含む免疫原
    性Nef誘導体を発現する請求項7に記載のDNAワクチン。
  11. 【請求項11】 DNA分子がアミノ酸残基174及びアミノ酸残基175
    のジロイシンモチーフを修飾させた免疫原性Nef誘導体をコードする請求項6
    に記載のDNAワクチン。
  12. 【請求項12】 DNA分子がヒト組織プラスミノーゲンアクチベーターリ
    ーダーペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む免疫原性Nef誘導体をコ
    ードする請求項11に記載のDNAワクチン。
  13. 【請求項13】 DNA分子が配列番号7に示すヌクレオチド配列を含む請
    求項12に記載のDNAワクチン。
  14. 【請求項14】 V1Jns−opt tpanef(LLAA)である請
    求項13に記載のDNAワクチン。
  15. 【請求項15】 DNA分子が配列番号8に示すアミノ酸配列を含む免疫原
    性Nef誘導体を発現する請求項11に記載のDNAワクチン。
  16. 【請求項16】 DNA分子がグリシン以外のアミノ酸残基をコードするよ
    うにNefのアミノ酸残基2のグリシン残基を修飾させたNefタンパク質をコ
    ードする請求項11に記載のDNAワクチン。
  17. 【請求項17】 DNA分子が配列番号5に示すヌクレオチド配列を含む請
    求項16に記載のDNAワクチン。
  18. 【請求項18】 V1Jns−opt nef(G2A LLAA)である
    請求項17に記載のDNAワクチン。
  19. 【請求項19】 DNA分子が配列番号6に示すアミノ酸配列を含む免疫原
    性Nef誘導体を発現する請求項16に記載のDNAワクチン。
  20. 【請求項20】 更にアジュバントを含む請求項1に記載のDNAワクチン
  21. 【請求項21】 アジュバントがリン酸アルミニウム、リン酸カルシウム及
    び非イオンブロックコポリマーから構成される群から選択される請求項20に記
    載のDNAワクチン。
  22. 【請求項22】 (a)DNA発現ベクターと、 (b)Nefタンパク質又はその免疫原性Nef誘導体をコードするオープンリ
    ーディングフレームを含むDNA分子を含む医薬的に許容可能なDNAワクチン
    であって、DNAワクチンを宿主に投与すると、Nefタンパク質又は免疫原性
    Nef誘導体が発現され、HIV−1感染に対する実質的レベルの保護を提供す
    る免疫応答を生じる前記DNAワクチン。
  23. 【請求項23】 DNA分子が配列番号2、配列番号4、配列番号6及び配
    列番号8から構成される群に示すアミノ酸配列を含む野生型Nefタンパク質を
    発現する請求項22に記載のDNAワクチン。
  24. 【請求項24】 更にアジュバントを含む請求項22に記載のDNAワクチ
    ン。
  25. 【請求項25】 アジュバントがリン酸アルミニウム、リン酸カルシウム及
    び非イオンブロックコポリマーから構成される群から選択される請求項23に記
    載のDNAワクチン。
  26. 【請求項26】 HIVのビルレント株に起因する感染又は疾患に対する細
    胞媒介免疫(CTL)応答を誘導する方法であって、DNA発現ベクターと、N
    efタンパク質又はその免疫原性Nef誘導体をコードするコドン最適化オープ
    ンリーディングフレームを含むDNA分子を含み、脊椎動物宿主に投与すると、
    Nefタンパク質又は免疫原性Nef誘導体が発現され、細胞媒介免疫(CTL
    )応答を生じる医薬的に許容可能なDNAワクチン組成物を脊椎動物宿主の組織
    に投与することを特徴とする前記方法。
  27. 【請求項27】 脊椎動物宿主がヒトである請求項26に記載の方法。
  28. 【請求項28】 DNAワクチンがV1Jns−opt nef(jrfl
    )、V1Jns−opt tpanef、V1Jns−opt tpanef(
    LLAA)及びV1Jns−opt nef(G2A LLAA)から構成され
    る群から選択される請求項26に記載の方法。
  29. 【請求項29】 配列番号4、配列番号6及び配列番号8から構成される群
    から選択されるアミノ酸配列を含む実質的に精製されたタンパク質。
JP2001544634A 1999-12-17 2000-12-15 コドン最適化HIV−1Nef及び修飾HIV−1Nefを発現するポリヌクレオチドワクチン Withdrawn JP2003516741A (ja)

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