JP2008509708A - ニトリラーゼ突然変異体を使用した3−ヒドロキシカルボン酸の生成 - Google Patents

ニトリラーゼ突然変異体を使用した3−ヒドロキシカルボン酸の生成 Download PDF

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Abstract

本発明は、3−ヒドロキシニトリルを3−ヒドロキシカルボン酸に転換する改善されたニトリラーゼ活性を有するニトリラーゼ突然変異体に関する。より具体的には変異性PCRおよび部位特異的変異誘発を使用してアシドボラックス・ファシリス(Acidovorax facilis)72W(ATCC 55746)ニトリラーゼ遺伝子を突然変異させ、3−ヒドロキシニトリル(例えば3−ヒドロキシブチロニトリルまたは3−ヒドロキシバレロニトリル)を対応する3−ヒドロキシカルボン酸に転換するための改善されたニトリラーゼ活性を有するニトリラーゼ酵素が作り出される。改善された突然変異体を使用して、3−ヒドロキシカルボン酸を生成する方法もまた提供される。

Description

本発明は分子生物学および微生物学分野に関する。より具体的には本発明は、3−ヒドロキシニトリルを3−ヒドロキシカルボン酸に転換する改善されたニトリラーゼ活性を有する突然変異ニトリラーゼに関する。
(関連出願の相互参照)
本願は、2004年8月16日に出願された米国非仮出願第10/919182号の優先権の利益を主張する。
優れた性能、ユニークな特性、改善された費用効率、品質、および生態学的影響が小さい新しいポリマーは、工業にとって持続的な関心の対象である。特に分枝した緻密な構造および末端に位置する反応性基を有する官能性ポリマーは、従来の直鎖ランダムコポリマーと比べてより低い固有粘度およびより高い反応性のために需要がある。
このような優れたポリマーは、超分枝ヒドロキシカルボン酸コモノマー(超分枝ABタイプ、式中、AおよびBはヒドロキシル−またはカルボキシル由来反応性基がある部分であり、nは2以上である)((非特許文献1)および(非特許文献2))、および3−ヒドロキシ吉草酸(3−HVA)および3−ヒドロキシ酪酸(3−HBA)をはじめとする多様な直鎖ヒドロキシカルボン酸コモノマー(直鎖ABタイプ)を共重合させて調製できる。
3−ヒドロキシカルボン酸は、直鎖ポリエステルを作成するための(コ)モノマーとして有用である。ポリエステルは熱可塑性、熱硬化性、半晶質、非晶質、硬質、およびエラストマー材料として有用である。それらは繊維、フィルム、成形品、およびコーティングのベースである(非特許文献3)。
3−ヒドロキシ吉草酸が、カンジダ・ルゴーサ(Candida rugosa)を使用した発酵中で、吉草酸の3−ヒドロキシル化によって調製されており(非特許文献4)(特許文献1)、そしてシュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)、アルスロバクター・オキシダンス(Arthrobacter oxydans)、およびアルスロバクター・クリスタロピエテス(Arthrobacter crystallopietes)(米国特許公報(特許文献2))による吉草酸の発酵性3−ヒドロキシル化によって、3−ヒドロキシ吉草酸の単一鏡像異性体が同様に調製された。吉草酸の発酵性酸化のためのこれらの方法は、典型的に3−ヒドロキシ吉草酸を低生成物濃度で生成し、発酵液からの3−ヒドロキシ吉草酸の手の込んだ高価な分離を必要とする。(R)−(−)−3−ヒドロキシ吉草酸が、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸/3−ヒドロキシ吉草酸)の化学分解(非特許文献5)、または発酵性自己分解(特許文献3)によって調製されているが、ヒドロキシ酪酸/ヒドロキシ吉草酸共重合体の分解は、副産物3−ヒドロキシ吉草酸からの3−ヒドロキシ酪酸の困難な分離もまた必要とする。(R)−(−)−3−ヒドロキシ吉草酸はまた、3−オキソ吉草酸の酵素的還元(非特許文献6)、またはメチル3−オキソ吉草酸の非対称性水素付加と続く鹸化(非特許文献7)によって調製されている。
ニトリルは多様な化学プロセスによって、容易に対応するカルボン酸に転換される。これらのプロセスは、典型的に強度に酸性または塩基性の反応条件および高い反応温度を必要とし、通常望まれない副産物および/または望まれない廃棄物として大量の無機塩を生成する。3−ヒドロキシバレロニトリルから3−ヒドロキシ吉草酸への転換など、水酸基をさらに有するニトリルの化学加水分解のための反応条件は、第一級、第二級、または第三級水酸基の通常望ましくない排除をもたらし、炭素−炭素二重結合を生成する。
ニトリルから対応するカルボン酸への酵素触媒加水分解は、反応が周囲温度で実施されることが多く、強度に酸性または塩基性の反応条件を必要せず、高転換率で高選択性に所望の生成物を生じるため、化学的方法が好ましいことが多い。ニトリルヒドラターゼおよびアミダーゼの2つの酵素の組み合わせを使用して、水溶液中で脂肪族ニトリルを対応するカルボン酸に転換できる。脂肪族ニトリルは最初にニトリルヒドラターゼによってアミドに転換され、次に引き続いてアミダーゼによってアミドが対応するカルボン酸に転換される。ロドコッカス(Rhodococcus)、シュードモナス(Pseudomonas)、アルカリゲネス(Alcaligenes)、アルスロバクター(Arthrobacter)、バシラス(Bacillus)、バクテリディウム(Bacteridium)、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)、コリネバクテリウム(Corynebacterium)、およびミクロコッカス(Micrococcus)をはじめとする多種多様な細菌遺伝子が、多様なスペクトルのニトリルヒドラターゼおよびアミダーゼ活性を有することで知られている(非特許文献8)。真菌フザリウム・メリスモイデス(Fusarium merismoides)TG−1もまた、脂肪族ニトリルおよびジニトリルの加水分解のための触媒として使用されている(非特許文献9)。ノボ・インダストリ(Novo Industri)からのロドコッカス(Rhodococcus)種(SP409)からの固定化ニトリルヒドラターゼおよびアミダーゼを使用して、3−ヒドロキシプロピオニトリル、3−ヒドロキシヘプタンニトリル、および3−ヒドロキシノナンニトリルが、それぞれ63%、62%および83%の収率で、対応する3−ヒドロキシカルボン酸に加水分解された(非特許文献10)。対応するアミドの形成はまた、TLCによっても観察された。対照的にバシラス・パリダス(Bacillus pallidus)Dac521の精製されたニトリルヒドラターゼは多様な脂肪族ニトリルを加水分解したが、3−ヒドロキシプロピオニトリルを加水分解しなかった(非特許文献11)。
単一酵素、ニトリラーゼ、もまた水溶液中でニトリルを対応するカルボン酸およびアンモニアに転換するが、アミド(式1および2)の中間体形成がない。
Figure 2008509708
(非特許文献12)および(非特許文献13)は、ロドコッカス・ロドクラウス(Rhodococcus rhodochrous)K22から単離されて、多様な脂肪族ニトリルの対応するカルボン酸への加水分解を触媒する脂肪族ニトリラーゼについて述べている。コマモナス・テストステローニ(Comamonas testosteroni)からニトリラーゼが単離されており、それは一連の脂肪族α,ω−ジニトリルを対応するω−シアノカルボン酸またはジカルボン酸に転換できる(特許文献4)(非特許文献14)。脂肪族ニトリラーゼはまた、ロドコッカス・ロドクラウス(Rhodococcus rhodochrous)NCIMB11216(非特許文献15)(非特許文献16)、ロドコッカス・ロドクラウス(Rhodococcus rhodochrous)PA−34(非特許文献17)、フザリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)分化型メロニス(melonis)(非特許文献18)、アシネトバクター(Acinetobacter)種AK226(非特許文献19)、アルカリゲネス・フェカーリス(Alcaligenes faecalis)ATCC 8750(非特許文献20)、およびアシドボラックス・ファシリス(Acidovorax facilis)72W(非特許文献21)によっても生成される。
A.ファシリス(facilis)72W(ATCC 55746)ニトリラーゼをコード化している遺伝子は、クローンされて組み換え発現されている(米国特許公報(特許文献5)に相当する(特許文献6)および(非特許文献22))。A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼは、3−ヒドロキシニトリルを対応する3−ヒドロキシカルボン酸に高収率で転換する(米国特許公報(特許文献7))。生成する3−ヒドロキシ酸は、高度に分枝したコポリエステルをはじめとするポリマー調製のための基質として有用である。2つの特に有用な3−ヒドロキシカルボン酸は、3−ヒドロキシ吉草酸(3−HVA)および3−ヒドロキシ酪酸(3−HBA)である。100%転換に至る高収率で、3−ヒドロキシバレロニトリル(3−HVN)または3−ヒドロキシブチロニトリル(3−HBN)を対応する3−ヒドロキシカルボン酸に転換する、改善されたニトリラーゼ活性を有するニトリラーゼは、工業生産コストを低減するために非常に有用であろう。
特公昭59−053838 B4号公報 米国特許第3,553,081号明細書 国際公開第9929889号パンフレット カナダ特許第2,103,616号明細書 米国特許第6,870,038号明細書 国際公開第01/75077号パンフレット 米国特許第6,562,603号明細書 EP546049号明細書 国際公開第9324631号パンフレット 米国特許第5,605,793号明細書 米国特許第5,811,238号明細書 米国特許第5,830,721号明細書 米国特許第5,837,458号明細書 J.C.サロモネ(Salomone)編、「ポリマー材料小百科事典(Concise Polymeric Materials Encyclopedia)」よりハルト(Hult)ら著、656〜658頁、CRC Press、New York、1999年 J.C.サロモネ(Salomone)編、「ポリマー材料小百科事典(Concise Polymeric Materials Encyclopedia)」よりウォイト(Voit)ら著、658〜659頁、CRC Press、New York、1999年 J.I.クロシュヴィッツ(Kroschwitz)編、「ポリマー科学・工学小百科事典(Concise Encyclopedia of Polymer Science and Engineering)」よりグッドマン(Goodman)著、793〜799頁、John Wiley & Sons、New York、1990年 ハセガワ(Hasegawa)ら著、J.Ferment.Technol.59:257〜262頁(1981年) ゼーバッハ(Seebach)ら著、Helv.Chim.Acta 77:2007〜2034頁(1994年) バイヤー(Bayer)ら著、Appl.Microbiol.Biotechnol.42:543〜547頁(1994年) バーク(Burk)ら著、Organometallics 9:2653〜2655頁(1990年) スガイ(Sugai)ら著、Biosci.Biotech.Biochem.61:1419〜1427頁(1997年) アサノ(Asano)ら著、Agric.Biol.Chem.44:2497〜2498頁(1980年) デ・ラット(de Raadt)ら著、J.Chem.Soc.Perkin Trans.1、137〜140(1992年) クランプ(Cramp)ら著、Biochim.Biophys.Acta 1431:249〜260頁(1999年) コバヤシ(Kobayashi)ら著、Tetrahedron 46:5587〜5590頁(1990年) コバヤシ(Kobayashi)ら著、J.Bacteriology 172:4807〜4815頁(1990年) レヴィ・シル(Levy−Schil)ら著、Gene 161:15〜20頁(1995年) ベンジス−ガーバー(Bengis−Garber)ら著、Appl.Microbiol.Biotechnol.32:11〜16頁(1989年) グラッドレー(Gradley)ら著、Biotechnology Lett.16:41〜46頁(1994年) バーラ(Bhalla)ら著、Appl.Microbiol.Biotechnol.37:184〜190頁(1992年) ゴールドラスト(Goldlust)ら著、Biotechnol.Appl.Biochem.11:581〜601頁(1989年) ヤマモト(Yamamoto)ら著、Agric.Biol.Chem.55:1459〜1473頁(1991年) ヤマモト(Yamamoto)ら著、J.Ferment、Bioeng.73:425〜430頁(1992年) ガバガン(Gavagan)ら著、J.Org.Chem.63:4792〜4801頁(1998年) チャウハン(Chauhan)ら著、Appl Microbiol Biotechnol、61:118〜122頁(2003年) フォード(Ford),J.H.著、Org.Synth.Coll.vol.III:34〜36頁(1955年) ブラウン(Brown),G.B.著、Org Synth.Coll.vol.III:615〜617頁(1955年) トロルザス(Trollsas)ら著、Macromolecules、30:8508頁(1997年) トロルザス(Trollsas)ら著、J.Polym.Sci.Part(A):Polymer Chemistry 36:2793頁(1998年) トゥオング(Thuong)ら著、Biochimie(1985年)7〜8月67(7〜8):673〜684頁 オーチコウロフ(Outchkourov)ら著、Protein Expr Purif、24(1):18〜24頁(2002年) フェング(Feng)ら著、Biochemistry、39(50):15399〜15409頁(2000年) コーワン(Cowan)ら著、Extremophiles、2:207〜216頁(1998年) ペース(Pace),H.およびブレンナー(Brenner),C.著、Genome Biology、2(1):レビュー1〜9頁(2001年) オレイリー(O’Reilly),C.およびターナー(Turner),P.著、J Appl Microbiol、95:1161〜1174頁(2003年) 「生物工学手技(Methods in Biotechnology)」Vol.1:「酵素および細胞の固定(Immobilization of Enzymes and Cells)」;ゴードンF.ビッカースタッフ(Gordon F.Bickerstaff)編、Humana Press、Totowa,NJ,USA;1997年 「工業および農業用組み換え微生物(Recombinant Microbes for Industrial and Agricultural Applications)」ムローカ(Murooka)ら編、Marcel Dekker,Inc.、New York,NY(1994年) メルニコフ(Melnikov)ら著、Nucleic Acids Research、27(4):1056〜1062頁(1999年) クームズ(Coombs)ら著、Proteins、259〜311頁、図版1、アンジェレッティ,ルース・ホーグ(Angeletti,Ruth Hogue)編、Academic:San Diego,CA)(1998年) フロマント(Fromant)ら著、Anal Biochem、224(1):347〜53頁(1995年) リン−ゲオルケ(Lin−Goerke)ら著、Biotechniques、23(3):409〜12頁(1997年) サムブルック(Sambrook),J.、フリッチュ(Fritsch),E.F.、およびマニアティス(Maniatis),T.著、「分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)」、第二版、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor,NY(1989年) ニクソン(Nixon)ら著、PNAS、94:1069〜1073頁(1997年) トーマスD.ブロック(Thomas D.Brock)著、「バイオテクノロジー:工業微生物学テキストブック(Biotechnology:A Textbook of Industrial Microbiology)第二版(1989年)Sinauer Associates,Inc.:Sunderland,MA(1989年) デシュパンデ,ムカンド(Deshpande,Mukund)V.著、Appl.Biochem.Biotechnol.、36(3):227〜234頁(1992年) 「一般微生物学方法マニュアル(Manual of Methods for General Bacteriology」、フィリップ・ゲアハルト(Phillipp Gerhardt)、R.G.E.マレー(R.G.E.Murray)、ラルフN.コスティロウ(Ralph N.Costilow)、ユージーンW.ネスター(Eugene W.Nester)、ウィリスA.ウッド(Willis A.Wood)、ノエルR.クリーグ(Noel R.Krieg)、およびG.ブリッグス・フィリップス(G.Briggs Phillips)編、米国微生物学会、Washington,D.C.(1994年) T.J.シルハビー(Silhavy)ら著、「遺伝子融合実験(Experiments with Gene Fusions)」、(1984年)Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring,NY オースベル(Ausubel)ら著、「分子生物学現代プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)」(1994〜1998年)John Wiley & Sons,Inc.、New York ハマナ(Hamana)ら著、Chem.Lett.1401〜1404頁(1982年) イトウ(Itoh)ら著、J.Org.Chem.62:9165〜9172頁(1997年)
したがって解決すべき問題は、3−ヒドロキシニトリルをそれらの対応するカルボン酸に高収率で転換するための有用な活性がある、ニトリラーゼ酵素を提供することである。より具体的には、3−ヒドロキシニトリル(例えば3−ヒドロキシバレロニトリルまたは3−ヒドロキシブチロニトリル)から、それぞれの3−ヒドロキシカルボン酸への転換のためのニトリラーゼ活性の顕著な改善(A.ファシリス(facilis)72Wのニトリラーゼ活性と比較して)を有するニトリラーゼ酵素は、工業生産コストを下げるのに有用であろう。
アシドボラックス・ファシリス(Acidovorax facilis)72Wニトリラーゼを突然変異させ、3−ヒドロキシニトリルを3−ヒドロキシ酸に転換する際のニトリラーゼ活性改善についてスクリーンした。A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼの活性と比較してニトリラーゼ活性を改善する、いくつかのアミノ酸置換が同定された。したがってA.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼと比較して、改善されたニトリラーゼ活性を有するポリペプチドをコード化している単離された核酸分子が提供され、該単離された核酸分子は、配列番号4で表される配列の少なくとも1つのアミノ酸の置換をコード化しており、該置換は、
a)210位におけるアラニン、イソロイシン、またはシステインでの置換、
b)65位におけるシステインでの置換、
c)168位におけるリジン、バリンまたはロイシンでの置換、および
d)174位におけるイソロイシンでの置換
からなる群から選択される。
本発明の実施形態は、酵素的に活性のニトリラーゼポリペプチドをコード化している単離された核酸断片であり、該ポリペプチドは、配列番号6、8、12、14、16、および18からなる群から選択されるポリペプチド配列を有し、3−ヒドロキシバレロニトリルを3−ヒドロキシ吉草酸に転換する際に、同一反応条件下でのA.ファシリス(facilis)72W(ATCC 55746)ニトリラーゼのニトリラーゼ活性よりも少なくとも1.8倍高いニトリラーゼ活性を有する。
本発明はまた、配列番号5、7、11、13、15、および17からなる群から選択される単離された核酸断片中で具現化され、単離された核酸断片は、同一水性反応条件下で3−ヒドロキシバレロニトリルを3−ヒドロキシ吉草酸に転換する際に、A.ファシリス(facilis)72W(ATCC 55746)ニトリラーゼの活性と比較して、少なくとも1.8倍さらに高い改善をニトリラーゼ活性に有するポリペプチドをコード化している。本発明のさらに別の実施形態としては、本発明の核酸断片によってコード化されているポリペプチド、適切な調節塩基配列に作動可能に結合する単離された本発明の核酸断片を含むキメラ遺伝子、本発明のキメラ遺伝子を含む発現カセット、本発明のキメラ遺伝子を含む形質転換された微生物、および本発明の発現カセットを含む形質転換された微生物が挙げられる。
さらに別の実施形態は、(a)水性反応混合物中の3−ヒドロキシニトリルと、改善されたニトリラーゼ触媒とを接触させるステップであって、該ニトリラーゼ触媒が、同一反応条件下でのA.ファシリス(facilis)72W(ATCC 55746)ニトリラーゼの活性と比較して、少なくとも1.8倍、ニトリラーゼ活性を改善させることを特徴とする、本発明の単離された核酸断片によってコード化されているものであるステップと、(b)ステップ(a)で生成された3−ヒドロキシカルボン酸を任意選択的に単離するステップを含む、3−ヒドロキシニトリルを3−ヒドロキシカルボン酸に加水分解するための改善されたプロセスである。
さらに別の発明の実施形態は、(a)水性反応混合物中の3−ヒドロキシバレロニトリルと、ニトリラーゼ触媒とを接触させるステップであって、該ニトリラーゼ触媒が、同一反応条件下でのA.ファシリス(facilis)72W(ATCC 55746)ニトリラーゼの活性と比較して、少なくとも1.8倍、ニトリラーゼ活性を改善させることを特徴とする、本発明の単離された核酸断片によってコード化されているものであるステップと、(b)ステップ(a)で生成された3−ヒドロキシ吉草酸を任意選択的に単離するステップを含む、3−ヒドロキシバレロニトリルを3−ヒドロキシ吉草酸に加水分解するための改善されたプロセスである。
さらに別の発明の実施形態は、(a)水性反応混合物中の3−ヒドロキシブチロニトリルと、配列番号6のポリペプチド配列を有する酵素的に活性のニトリラーゼ触媒とを接触させるステップであって、該ニトリラーゼ触媒が、同一反応条件下でのA.ファシリス(facilis)72W(ATCC 55746)ニトリラーゼの活性と比較して、少なくとも1.9倍、ニトリラーゼ活性を改善させることを特徴とするものであるステップと、(b)ステップ(a)で生成された3−ヒドロキシ酪酸を任意選択的に単離するステップを含む、3−ヒドロキシブチロニトリルを3−ヒドロキシ酪酸に加水分解するための改善されたプロセスである。
(提供配列の簡単な説明)
次の詳細な説明、およびその内容を本願の一部として参照により本明細書に援用する、添付のコンピュータ可読形式の配列一覧から本発明をより完全に理解できる。
以下の配列は、37C.F.R.1.821〜1.825(「ヌクレオチド配列および/またはアミノ酸配列開示を含む特許出願の要件−配列規則」)を満たし、世界知的所有権機関(WIPO)標準ST.25(1998)およびEPCおよびPCTの配列表要件(規則5.2および49.5(aの2)、および実施細則第208号および附属書C)に沿っている。ヌクレオチドおよびアミノ酸配列データのために使用される記号および型式は、37C.F.R.§1.822で述べられる規則に従う。
配列番号1は、変異性PCR、およびA.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼを増幅するために使用されるプライマーの核酸配列である。
配列番号2は、変異性PCR、およびA.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼを増幅するために使用されるプライマーの核酸配列である。
配列番号3は、プラスミドpNM18中で対照として使用されるA.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼコード配列の核酸配列である。配列は、大腸菌(E.coli)中での発現を容易にするためのGTGからATGへの開始コドンの変化以外は、野生型A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼ配列と同一である。
配列番号4は、プラスミドpNM18から発現されるA.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼの推定アミノ酸配列である。
配列番号5は、プラスミドpNM18/B2およびpNM18/H9中に見いだされる突然変異ニトリラーゼコード配列の核酸配列である。
配列番号6は、プラスミドpNM18/B2およびpNM18/H9から発現される突然変異ニトリラーゼの推定アミノ酸配列である。
配列番号7は、プラスミドpNM18/B4中に見いだされる突然変異ニトリラーゼコード配列の核酸配列である。
配列番号8は、プラスミドpNM18/B4から発現される突然変異ニトリラーゼの推定アミノ酸配列である。
配列番号9は、A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼの残基210位に単一アミノ酸置換(Thr210→Met)を有する突然変異ニトリラーゼを作り出すのに使用されるプライマーの核酸配列である。
配列番号10は、A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼの残基210位に単一アミノ酸置換(Thr210→Met)を有する突然変異ニトリラーゼを作り出すのに使用されるプライマーの核酸配列である。
配列番号11は、A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼの残基210位に単一アミノ酸置換(Thr210→Cys)をもたらすコドン変化を含有する突然変異ニトリラーゼの核酸配列である。
配列番号12は、A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼの残基210位に単一アミノ酸置換(Thr210→Cys)を含有する突然変異ニトリラーゼの推定アミノ酸配列である。
配列番号13は、A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼの残基168位に単一アミノ酸置換(Phe168→Lys)をもたらすコドン変化を含有する突然変異ニトリラーゼの核酸配列である。
配列番号14は、A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼの残基168位に単一アミノ酸置換(Phe168→Lys)を含有する突然変異ニトリラーゼの推定アミノ酸配列である。
配列番号15は、A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼの残基168位に単一アミノ酸置換(Phe168→Val)をもたらすコドン変化を含有する突然変異ニトリラーゼの核酸配列である。
配列番号16は、A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼの残基168位に単一アミノ酸置換(Phe168→Val)を含有する突然変異ニトリラーゼの推定アミノ酸配列である。
配列番号17は、A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼの残基168位に単一アミノ酸置換(Phe168→Leu)をもたらすコドン変化を含有する突然変異ニトリラーゼの核酸配列である。
配列番号18は、A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼの残基168位に単一アミノ酸置換(Phe168→Leu)を含有する突然変異ニトリラーゼの推定アミノ酸配列である。
(生物学的寄託の簡単な説明)
出願人は、ブダペスト条約の取り決めの元に次の生物学的寄託を行った。
Figure 2008509708
本明細書における用法では、「ATCC」は、米国ヴァージニア州20110−2209マナッサスのユニバーシティ・ブールヴァード10801のATCCに所在する米国微生物系統保存機関国際寄託局を指す。「国際寄託番号」は、ATCCに寄託された培養物の受入番号である。
列挙した寄託株は、表示された国際受託機関に少なくとも30年間保存され、それを開示する特許の付与時に一般に公開される。寄託株の利用可能性は、政府の行動によって付与された特許権から逸脱して主題発明を実施する認可とはみなされない。
3−ヒドロキシニトリルを3−ヒドロキシカルボン酸に100%転換に至る高収率で転換する際に、A.ファシリス(facilis)72W(ATCC 55746)ニトリラーゼの活性と比較して顕著に改善されたニトリラーゼ活性があるいくつかのニトリラーゼ酵素が提供される。本ニトリラーゼを使用して、3−ヒドロキシカルボン酸(3−HVAおよび3−HBA)を生成する方法もまた提供される。
A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼを変異性PCRおよび/または部位特異的変異誘発によって変異させて、3−ヒドロキシニトリルをそれぞれの3−ヒドロキシカルボン酸に転換するための改善されたニトリラーゼ活性を示す一酸の突然変異ニトリラーゼを作り出す。3−ヒドロキシカルボン酸生成のためのニトリラーゼ活性の改善は、付随の実施例で述べられるように、形質転換された微生物の宿主細胞(非固定化および固定化)を使用して測定される。
3−ヒドロキシニトリルのニトリル官能基を対応するカルボン酸に転換する能力を有するニトリラーゼ酵素は、顕著な利点を提供する。本ニトリラーゼを使用したニトリルの加水分解は、比較的安価なおよび容易に入手できる出発原料から、化学またはその他の酵素的方法との比較で非常にわずかな副産物および廃棄物生成を伴う高収率の3−ヒドロキシ酸合成をするために有用である。
3−ヒドロキシ吉草酸または3−ヒドロキシ酪酸を調製するための特許請求されるプロセスは、わずかな廃棄物または反応副産物しか発生させず、3−ヒドロキシカルボン酸は容易に生成混合物から回収される。3−ヒドロキシニトリルから3−ヒドロキシカルボン酸への加水分解のための既知の化学的方法は、酵素触媒ニトリル加水分解を使用して得られる高収率および選択性を生じることができない。非酵素的ニトリル加水分解反応は、典型的に、多くの場合強酸または塩基の存在下でニトリル溶液を高温で加熱することを伴うのに対し、酵素触媒反応は、酸または塩基の添加なしに中性pHで水溶液中において周囲温度で実施される。例えば水性水酸化バリウムが使用されて、85〜90%の収率で3−アミノプロピオニトリルが3−アラニンに(非特許文献23)、および72%の収率で3−シアノ酪酸がメチルコハク酸に(非特許文献24)加水分解されている。これらの2つの手順の最初のものを3−ヒドロキシバレロニトリルで反復しても、検出可能な3−ヒドロキシ吉草酸(比較例参照)はほとんど生成されない。
本発明によって生成される3−ヒドロキシ吉草酸および3−ヒドロキシ酪酸は、ポリエステル(特に超分枝ヒドロキシカルボキシル(コ)モノマーと組み合わさった高度に分枝したポリエステル)を調製するための成分として有用であり、生分解性ポリエステル生成における(コ)モノマーとして有用である(米国特許公報(特許文献7))。ジメチロールプロピオン酸を分枝コモノマーとして、そして多様な直鎖ヒドロキシカルボン酸およびラクトンを使用して、いくつかのクラスの高度に分枝したコポリエステルポリオールが調製されている。これらポリマーのいくつかは魅力的な特性を示す。同様の全体的組成である(が異なる微細構造の)対応するブロック共重合体が報告されている(例えば(非特許文献25)および(非特許文献26)で述べられるDMPA/ε−カプロラクトンブロック共重合体)。ジメチロールプロピオン酸またはトリメチロール酢酸との共重合における直鎖コモノマーとして、ε−カプロラクトンを3−ヒドロキシ吉草酸などの3−ヒドロキシカルボン酸で置換した場合に、望ましい顕著に増強されたTがある反応性コーティングのための高度に分枝したコポリエステルポリオール基質が報告されている(米国特許公報(特許文献7))。より高いTは、分枝コポリエステルが応用できる用途の範囲を顕著に広げる。
本開示ではいくつかの用語および略語が使用される。次の定義が提供される。
飽和「ヒドロカルビルラジカル」とは、炭素および水素からのみ構成されるあらゆるラジカルと定義され、そこでは単一結合が排他的に使用されて、炭素原子を共に結びつける。したがって少なくとも1つの炭素原子を有する炭素および水素原子のあらゆる安定配置が、飽和ヒドロカルビルラジカルの範囲内に含まれる。
「ハイパーブランチした」、「高度に分枝した」、および「樹状巨大分子」(デンドリマー)という用語は、樹状構造を有する三次元の高度に分枝した分子として概して説明できる。デンドリマーが高度に対称性であるのに対し、ハイパーブランチしたまたは高度に分枝したと称される同様の巨大分子は、ある程度まで非対称性を保持しながら、なおも高度に分枝した樹状構造を維持してもよい。デンドリマーは、ハイパーブランチした巨大分子の単分散バリエーションであると言うことができる。ハイパーブランチした、高度に分枝した、および樹状の巨大分子は、常態ではイニシエーターまたは核を有する1つまたは複数の反応性部位、およびいくつかの周囲分枝層、および任意選択的に連鎖終結分子層からなる。層は通常、世代と称される。
「ニトリラーゼ触媒」は、ここではニトリラーゼ活性を特徴とする酵素触媒を指す。酵素触媒は、微生物のホールセル、透過化処理微生物細胞、微生物細胞抽出物の1つまたは複数の細胞構成要素、部分的に精製された酵素、または精製された酵素の形態であってもよい。「改善されたニトリラーゼ」、「突然変異ニトリラーゼ」、および「タンパク質工学ニトリラーゼ」という用語は、同義的に使用され、同一反応条件下におけるA.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼのニトリラーゼ活性との比較で、3−ヒドロキシニトリル(例えば3−ヒドロキシバレロニトリルまたは3−ヒドロキシブチロニトリル)から対応する3−ヒドロキシカルボン酸への転換に対して顕著に改善されたニトリラーゼ活性を有する本ニトリラーゼを指す。本明細書における用法では、「同一の反応条件」とは、同一のおよび/または実質的に同様の反応条件を指し、ここで、測定されるニトリラーゼ活性の違いは、ここで述べられるアミノ酸置換によって表されるように、本ニトリラーゼの構造的な差違いの結果であると考えられる。A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼは配列番号3によって表される。これは、(大腸菌(E.coli)中での発現を容易にするために導入される)GTGからATGへの開始コドンの変化以外は、野生型A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼと同一である。本発明ではpNM18から発現されるA.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼ(配列番号3)のコード配列は、ニトリラーゼ活性比較のための適切な対照とみなされる。
本発明では、「1単位の酵素活性」または「1単位の活性」または「U」は、規定の温度で1分あたり1μmolの規定の3−ヒドロキシカルボン酸生成物を生成するのに必要な酵素活性量として定義される。本発明では、生成される例証の3−ヒドロキシカルボン酸は、3−ヒドロキシ吉草酸および3−ヒドロキシ酪酸である。
本発明では、「ニトリラーゼ活性」という用語は、タンパク質、乾燥細胞重量、またはビーズ重量の単位質量(例えばミリグラム)あたりの酵素活性を指す。ニトリラーゼ活性の比較は、乾燥細胞重量またはビーズ重量に比例して測定される。SDS−PAGEゲルのレーザーデンシトメトリー分析を使用した定量では、A.ファシリス(facilis)72W対照(配列番号4)と改善された突然変異体の間のニトリラーゼ発現レベルは識別不能であるので、ニトリラーゼ活性の比較および報告された改善は、乾燥細胞重量またはビーズ重量と比較して測定された。
本明細書における用法では、「相対ニトリラーゼ活性」という用語は、基準(対照)ニトリラーゼ活性の複数(または一部)として発現されるニトリラーゼ活性を指す。本発明では、相対ニトリラーゼ活性の「顕著な改善」とは、同一反応条件下における対照のニトリラーゼ活性と比較して、少なくとも1.2倍高いニトリラーゼ活性の改善である。別の実施形態では、改善は同一反応条件下における対照のニトリラーゼ活性と比較して、少なくとも1.8倍高いニトリラーゼ活性である。さらに別の実施形態では、改善は同一反応条件下における対照のニトリラーゼ活性と比較して、少なくとも5倍高いニトリラーゼ活性である。
「3−ヒドロキシニトリル」は、「β−ヒドロキシニトリル」の同等物である。「3−ヒドロキシニトリル」としては次の化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。3−ヒドロキシプロピオニトリル、3−ヒドロキシブチロニトリル、3−ヒドロキシバレロニトリル、3−ヒドロキシヘキサンニトリル、3−ヒドロキシヘプタンニトリル、3−ヒドロキシノナンニトリル、3−ヒドロキシ−3−イソプロピル−4−メチルペンタンニトリル、3−ヒドロキシ−3−フェニルプロパンニトリル、2−プロピル−3−ヒドロキシペンタンニトリル、および3−ヒドロキシ−3−メチル−n−ペンタンニトリル。本発明で好ましい3−ヒドロキシニトリルとしては、3−ヒドロキシバレロニトリルおよび3−ヒドロキシブチロニトリルが挙げられる。
「3−ヒドロキシカルボン酸」は、「β−ヒドロキシカルボン酸」の同等物である。「3−ヒドロキシカルボン酸」としては次の化合物をが挙げられるが、これに限定されるものではない。3−ヒドロキシプロピオン酸、3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシペンタン酸、3−ヒドロキシヘキサン酸、3−ヒドロキシ−3−イソプロピル−4−メチルペンタン酸、3−ヒドロキシ−3−フェニルプロパン酸、2−プロピル−3−ヒドロキシペンタン酸、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピオン酸、および3−ヒドロキシ−3−メチル−n−吉草酸。本発明で生成される3−ヒドロキシカルボン酸としては、3−ヒドロキシ吉草酸および3−ヒドロキシ酪酸が挙げられる。生成される3−ヒドロキシカルボン酸は、酸またはその対応するアンモニウム塩の形態であってもよい。
「3−ヒドロキシバレロニトリル」はまた、3−ヒドロキシペンタンニトリルおよび3−HVNとしても知られている。
「3−ヒドロキシ吉草酸」はまた、3−ヒドロキシペンタン酸および3−HVAとしても知られている。
「3−ヒドロキシブチロニトリル」はまた、3−ヒドロキシブタンニトリルおよび3−HBNとしても知られている。
「3−ヒドロキシ酪酸」はまた、3−ヒドロキシブタン酸および3−HBAとしても知られている。
「宿主細胞」、「異種の宿主細胞」、および「宿主生物体」という用語は、外来性または異種遺伝子、遺伝子断片、またはDNA断片を受容できる細胞を指す。
「組み換え生物体」、「形質転換宿主」、「形質転換体」、「組換え生物体」、および「形質転換された微生物宿主」という用語は、異種のまたは外来性DNAで形質転換された宿主生物体を指す。本発明の組み換え生物体は、活性ニトリラーゼ酵素をコード化している外来性コード配列または遺伝子を発現する。「形質転換」とは、宿主生物体中へのDNA断片の転移を指す。転換されたDNA断片は、染色体性にまたは染色体外性に(すなわちベクターを経由して)宿主生物体に組み込むことができる。「形質転換カセット」とは、通常はプラスミドの一部として、宿主細胞への挿入のために都合良く配列された1組の遺伝的要素を含有するDNAの特定断片を指す。「発現カセット」は、通常はプラスミドの一部として、宿主細胞中への挿入のために都合良く配列された1組の遺伝的要素を含有するDNAの特定断片を指し、それはまた、宿主中での増強された遺伝子発現も可能にする。
「プラスミド」および、「ベクター」という用語は、多くは細胞の中心的代謝の一部でない遺伝子を保有して、通常、環状二本鎖DNA分子の形態である染色体外要素を指す。このような要素は、あらゆる供給源に由来する、一本鎖または二本鎖DNAまたはRNAの直線または環状の自律的複製配列、ゲノム組み込み配列、ファージまたはヌクレオチド配列であってもよく、その中でいくつかのヌクレオチド配列はユニークな構造に結合され、または組み込まれる。
「遺伝子」とは、コード配列に先行する制御配列(5’非コード配列)およびその後ろの制御配列(3’非コード配列)を含めた特異性タンパクを発現する核酸断片を指す。「天然遺伝子」とは、自然界に見いだされるような配列のそれ自体の制御配列を有する遺伝子を指す。「キメラ遺伝子」とは、自然界には一緒に見られない制御およびコード配列を含む天然遺伝子でないあらゆる遺伝子を指す。したがってキメラ遺伝子は、異なる供給源から誘導される制御配列およびコード配列、あるいは同一供給源から誘導されるが、自然界に見られるのとは異なるやり方で配列された制御配列およびコード配列を含んでいてもよい。「内在性遺伝子」とは、天然生物のゲノム中の自然な部位にある天然遺伝子を指す。「外来性遺伝子」または「異種の遺伝子」とは、常態では宿主生物に見られないが、遺伝子移入によって宿主生物中に導入される遺伝子を指す。外来遺伝子は、非天然生物に挿入された天然遺伝子、またはキメラ遺伝子を含むことができる。「導入遺伝子」とは、形質転換手順によってゲノム中に導入された遺伝子である。
「核酸」という用語は、生細胞中に出現する高分子量の複合化合物を指し、その基本単位はリン酸架橋で結合するヌクレオチドである。核酸はリボ核酸(RNA)およびデオキシリボ核酸(DNA)の2タイプにさらに分割される。
核酸文脈で言及される場合、「A」、「G」、「T」、および「C」の文字は、それぞれプリン塩基(アデニン(C)およびグアニン(CO))およびピリミジン塩基(チミン(C)およびシトシン(CO))を意味する。
「コード配列」または「コード領域」という用語は、特定アミノ酸配列をコード化しているNA配列を指す。「ORF」および「読み取り枠」および「コード配列」および「コード領域」という用語は同義的に使用されて、タンパク質に翻訳されるDNA配列の一部を指す。ORFは通常、配列中では開始を指定する3つの塩基対(開始コドン)によって、タンパク質配列中へのDNA配列の翻訳中では、停止を指定する3つの塩基対(停止コドン)によって輪郭を描き出される。
本明細書における用法では、「単離された核酸分子」または「断片」は、場合により合成、非天然または修飾ヌクレオチド塩基を含有する一本鎖または二本鎖であるRNAまたはDNAのポリマーを指す。DNAポリマーの形態の単離された核酸分子は、1つまたは複数のcDNA、ゲノムDNAまたは合成DNAの断片を含んでいてもよい。
「制限エンドヌクレアーゼ」および「制限酵素」という用語は、二本鎖DNA中の特定ヌクレオチド配列内で加水分解開裂を触媒する酵素を指す。
「オリゴヌクレオチド」という用語は、プライマー、プローブ、検出されるオリゴマー断片、標識複製遮断プローブ、およびオリゴマー対照を指し、総称的にポリデオキシリボヌクレオチド(2−デオキシ−D−リボースを含有する)と、ポリリボヌクレオチド(D−リボースを含有する)と、プリンまたはピリミジン塩基(ヌクレオチド)、または変性プリンまたはピリミジン塩基のN−グリコシドであるあらゆるポリヌクレオチドとを指す。また「オリゴヌクレオチド」の定義には、核酸類似体(例えばペプチド核酸)および構造的に変性されたもの(例えばホスホロチオレート結合)も含まれる((非特許文献27)もまた参照されたい)。「核酸」、「ポリヌクレオチド」、または「オリゴヌクレオチド」の長さの区別は意図されない。
「プライマー」という用語は、相補鎖の合成がポリメラーゼによって触媒される条件下に置かれると、相補鎖に沿って核酸合成または複製の開始点として作用する(合成または天然)オリゴヌクレオチドを指す。
「適切な調節塩基配列」とは、転写、RNAプロセシング、RNA安定性、または関連コード配列の翻訳に影響し、コード配列の上流(5’非コード配列)、内部、または下流(3’非コード配列)に位置するヌクレオチド配列を指す。調節塩基配列としては、プロモーター、翻訳リーダー配列、イントロン、およびポリアデニル化認識配列が挙げられる。
「プロモーター」とは、コード配列または機能性RNAの発現を調節できるDNA配列を指す。概してコード配列は、プロモーター配列に対して3’に位置する。プロモーターはそっくりそのまま天然遺伝子から誘導されてもよく、あるいは自然界に見られる異なるプロモーターから誘導される異なる要素からなってもよく、あるいは合成DNAセグメントを含んでいてもよい。異なるプロモーターは、異なる組織または細胞タイプ中で、あるいは異なる発達段階において、あるいは異なる環境条件に呼応して、遺伝子の発現を導いてもよいことが当業者には理解される。ほとんどの細胞タイプ中で、ほとんどの場合に、またはほとんどの環境条件下で、遺伝子の発現を引き起こすプロモーターは、一般に「構成プロモーター」と称される。特定の化合物または環境条件の存在下での遺伝子の発現を引き起こすプロモーターは、一般に「誘導可能プロモーター」と称される。ほとんどの場合、制御配列のはっきりした境界は完全に画定されていないので、異なる長さのDNA断片が同一のプロモーター活性を有してもよい。
本明細書における用法では、「作動可能に連結した」と言う用語は、1つの機能が他方の機能によって影響される、単一核酸断片上の核酸配列のつながりを指す。例えばプロモーターはコード配列の発現に影響できる場合、そのコード配列と作動可能に連結する(すなわちコード配列がプロモーターの転写調節の下にある)。コード配列は、センスまたはアンチセンス方向で制御配列に作動可能に連結できる。
「3’非コード配列」は、コード配列の下流に位置するDNA配列を指し、ポリアデニル化認識配列(常態では真核細胞に限られる)およびmRNAプロセッシングまたは遺伝子発現に影響できる調節シグナルをコード化しているその他の配列を含む。ポリアデニル化シグナル(常態では真核細胞に限られる)は、通常、mRNA前駆物質の3’末端へのポリアデニル酸トラクトの付加に影響することを特徴とする。
当業者は、任意のアミノ酸を特定化するためのヌクレオチドコドンの使用において、特定の宿主細胞によって示される「コドンバイアス」を十分承知している。したがって宿主細胞中における改善された発現のために遺伝子を合成する場合、コドン使用が、宿主細胞の好ましいコドンバイアスに近くなるように、遺伝子をデザインすることが望ましい。配列情報が入手できる場合の宿主細胞に由来する遺伝子の調査によって、そのコドンバイアスを判定できる。コドン最適化は当該技術分野でよく知られており、酵母(非特許文献28)および大腸菌(E.coli)(非特許文献29)をはじめとするが、これに限定されるものではない、様々なシステムについて述べられる。
「発現」という用語は、通常、タンパク質である遺伝子産物の配列をコード化している遺伝子から遺伝子産物への転写および翻訳意味する。
「タンパク質」、「ポリペプチド」、および「ペプチド」という用語は同義的に使用されて、発現される遺伝子産物を指す。
「コドン縮重」とは、コード化されているポリペプチドのアミノ酸配列に影響しないヌクレオチド配列のバリエーションを可能にする、遺伝的コードにおける多様性を意味する。例えばトリプレットコドンCTT、CTC、CTA、およびCTGは、全てアミノ酸ロイシンをコード化することが当該技術分野でよく知られている。また所定部位において化学的に同等のアミノ酸を生じるが(「保存的変化」)、コード化されているタンパク質の機能特性に影響しない遺伝子中の変更が一般的であることも当該技術分野でよく知られている。したがって疎水性アミノ酸であるアミノ酸アラニンのコドンをコード化されているタンパク質の機能特性に影響することなく、別のより疎水性が低い残基(グリシンなど)または疎水性がより高い残基(バリン、ロイシン、またはイソロイシンなど)をコード化しているコドンによって置換してもよい。同様に、1つの負に帯電した残基を別のものにする(グルタミン酸からアスパラギン酸など)、または1つの正に帯電した残基を別のものにする(アルギニンからリジンなど)置換も機能的に等しい生成物を生じることが期待できる。タンパク質分子のN−末端およびC−末端部分に変更をもたらすヌクレオチド変化もまた、タンパク質を活性変更することは予期されない。提案される各修正は当該技術分野における日常的技術の十分範囲内であり、コード化されている生成物の生物学的活性が保持されるかどうかを決定する。
(アシドボラックス・ファシリス(Acidovorax facilis)72W(ATCC 55746)ニトリラーゼ)
A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼ(EC3.5.5.1)は、脂肪族または芳香族ニトリルからカルボン酸を生成するための頑強な触媒である(米国特許公報(特許文献5)、および(非特許文献22))。それはまた3−ヒドロキシニトリルから3−ヒドロキシカルボン酸への転換を触媒することも示されている(米国特許公報(特許文献7))。
A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼはじめとする全ての既知のニトリラーゼは、酵素活性部位中に求核性システインを有し(非特許文献30)(非特許文献31)および(非特許文献22)、全てチオール試薬(それぞれA.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼ酵素活性に大幅な減少を生じる、1.0mM濃度の塩化銅、硝酸銀、酢酸第二水銀、または塩化第二鉄)によって不活性化を被る。システイン残基はまた、スルフィン酸に不可逆的に酸化されることができ、酵素活性が失われる。様々な不活性化機序に対するニトリラーゼ酵素の感受性にも関わらず、固定化A.ファシリス(facilis)72W細胞は頑強であり、多数のリサイクル反応後にそれらのニトリラーゼ活性のほとんどを保持する(米国特許公報(特許文献5))。
A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼとその他の細菌ニトリラーゼとの配列比較が報告されている(非特許文献22)。72Wニトリラーゼは、アミノ末端(配列番号4のアミノ酸残基40〜55)近くの16個のアミノ酸領域と、必須システイン残基を含有する触媒領域(配列番号4のアミノ酸残基160〜173)とをはじめとするいくつかの保存シグネチャ領域を有する。このシステイン残基(配列番号4のCys164)は保存グルタミン酸(配列番号4のGlu48)およびリジン残基(配列番号4のLys130)と共に、全てのニトリラーゼ中に見いだされる触媒の三つ組モチーフを形成する(非特許文献31)。報告されているニトリラーゼ間で保存されるいくつかの構造的な類似性にもかかわらず、酵素の基質特異性は大きく異なる(非特許文献32)。
(酵素特性)
3−ヒドロキシバレロニトリルから3−ヒドロキシ吉草酸、または3−ヒドロキシブチロニトリルから3−ヒドロキシ酪酸への転換に対する改善された相対ニトリラーゼ活性を有する突然変異体72Wニトリラーゼを規定条件下でアッセイした。3−HVNから3−HVAへの転換を測定するスクリーニング法は、改善されたニトリラーゼ活性を有するニトリラーゼ突然変異体の選択に用いた。
ニトリラーゼ活性の改善は、対照(A.ファシリス(facilis)72W(ATCC 55746)ニトリラーゼ)のニトリラーゼ活性との比較によって判定した。ニトリラーゼ活性は、測定された活性(U)単位を触媒重量で除して計算した。触媒重量は、精製タンパク質重量、細胞湿重量、乾燥細胞重量または固定化触媒重量(すなわちGA/PEI−架橋触媒/アルギン酸ビーズ)に関して測定できる。本発明では、乾燥細胞重量(U/g DCW)1グラムあたりの活性単位、または触媒ビーズ(固定化触媒比較)1グラムあたりの活性単位としてニトリラーゼ活性が報告された。単位触媒重量としての乾燥細胞重量に基づくニトリラーゼ活性比較では、ニトリラーゼタンパク質生成のレベルを考慮すべきである。様々な形質転換体と対照の間の発現レベルが測定され、本質的に同一であることが観察された。したがって様々な突然変異体で報告されているニトリラーゼ活性の改善は、酵素に対する構造的な変更に起因すると考えられる。
本突然変異ニトリラーゼの(およびA.ファシリス(facilis)72W(ATCC 55746)ニトリラーゼ対照、配列番号4の)コード配列を同一のベクター(pTrcHis2−TOPO)および宿主(大腸菌(E.coli)TOP10)または大腸菌(E.coli)FM5背景中で発現させた。SDS−PAGE分析(レーザーデンシトメトリーを使用して定量)は、各突然変異体(そして対照)中のニトリラーゼタンパク質発現レベルが、(同一の発現システムおよび宿主を使用したことから予期されたように)本質的に等しいことを実証した。A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼ(配列番号4)を発現する相対酵素活性は、大腸菌(E.coli)対照形質転換体(pNM18)中で測定されたニトリラーゼ活性と比較した、様々な突然変異体触媒について測定されたニトリラーゼ活性の増加倍数として報告された。
非固定化触媒では、乾燥細胞重量1グラムあたりの25℃(pH7.0)における0.5Mの3−ヒドロキシニトリル溶液から3−ヒドロキシカルボン酸への転換率を測定して、突然変異ニトリラーゼ(U/g乾燥細胞重量)のニトリラーゼ活性を判定した。固定化触媒比較では、35℃(pH7.0)における0.4Mの3−HVN溶液から3−HVAへの転換率を測定して、1グラムのビーズ(U/gビーズ)あたりのニトリラーゼ活性単位として報告して比活性を判定した。1単位のニトリラーゼ活性(U)は、25℃(または固定化触媒では35℃)における1μモルの3−ヒドロキシカルボン酸/分の生成と同等である。本発明では、3−ヒドロキシ吉草酸または3−ヒドロキシ酪酸の生成を基準にしてニトリラーゼ活性の単位を報告する。
特定の突然変異ニトリラーゼでは、DNAコード領域内の点置換突然変異および得られるアミノ酸変化は、アシドボラックス・ファシリス(Acidovorax facilis)72Wアミノ酸配列(配列番号4)に準拠して、次の形式の1つを使用して特定される。
1.拡張形式:配列番号4内の対応するアミノ酸残基の位置と共に野生型アミノ酸が提供され(標準3文字略語を使用する)、それに同一残基位置で突然変異体中に見いだされた新しいアミノ酸が続く。例えば「Thr210からAla」または「Thr210→Ala」は、突然変異の結果としてスレオニンがアラニンに変化する、アミノ酸残基位置210における配列番号4の突然変異を表現する。
2.省略形式:野生型アミノ酸(標準1文字略語によって示される)に配列番号4のアミノ酸残基位置が続き、それに突然変異体アミノ酸(これも標準1文字略語によって示される)が続く。例えば「T210A」は、突然変異の結果としてスレオニンがアラニンに変化する、配列番号4中のアミノ酸残基位置210の突然変異を表現する。
(3−ヒドロキシニトリルから3−ヒドロキシカルボン酸への加水分解)
3−ヒドロキシニトリル(例えば3−ヒドロキシバレロニトリルまたは3−ヒドロキシブチロニトリル)と酵素触媒の水性懸濁液とを混合することで、加水分解反応が実施される。組み換え微生物のホール細胞(本突然変異ニトリラーゼを発現する)が、いかなる前処理もなしに酵素触媒として使用できる。代案としてはポリマーマトリックス(例えばアルギン酸ビーズまたはポリアクリルアミドゲル(PAG)粒子)内、または不溶性固体担体(例えばセライト)上に微生物細胞を固定化して、酵素触媒の再生および再使用を容易にすることができる。精製されたまたは部分的に精製された酵素はまた、ホールセルから単離して触媒として直接使用でき、または酵素はポリマーマトリックス内、または不溶性担体上に固定化できる。A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼの固定化については、以前に報告されている(米国特許公報(特許文献5))。細胞または単離された酵素の固定化方法については広く報告されており、当業者によく知られている(非特許文献33)。
水性反応混合物中の酵素触媒の濃度は、酵素触媒の特定触媒活性に左右され、所望の反応速度を得るように選択される。加水分解反応中で触媒として使用される微生物細胞の細胞湿重量は、典型的に総反応体積1mLあたり0.001g〜0.250gの湿潤細胞、好ましくは1mLあたり0.002g〜0.050gの湿潤細胞の範囲である。
加水分解反応温度は、反応速度および酵素触媒活性安定性の双方を最適化するように選択される。反応温度は反応混合物の氷点(およそ0℃)のすぐ上から65℃の範囲であってもよく、反応温度の好ましい範囲は5℃〜35℃である。微生物細胞触媒懸濁液は、蒸留水に、または反応初期pHを5.0〜10.0、好ましくは6.0〜9.0に保つ水性緩衝溶液に、細胞を懸濁して調製してもよい。反応が進むにつれて反応混合物のpHは、対応するニトリル官能基からのカルボン酸のアンモニウム塩形成のために変化するかもしれない。反応は、pH調節なしで3−ヒドロキシバレロニトリルまたは3−ヒドロキシブチロニトリルが完全に転換にするまで実施でき、または反応経過中に適切な酸または塩基を添加して所望のpHを維持できる。
3−ヒドロキシバレロニトリルおよび3−ヒドロキシブチロニトリルは、25℃においてあらゆる比率で水と完全に混和性であることが分かった。3−ヒドロキシニトリルの溶解性もまた、溶液温度および/または水相中の塩濃度(緩衝液または生成物3−ヒドロキシカルボン酸アンモニウム塩)によって左右されるように反応条件が選択される場合、反応混合物が最初に酵素触媒と溶解3−ヒドロキシニトリルとを含有する水相、および有機相(未溶解3−ヒドロキシニトリル)の2相から構成されてもよい。反応が進むにつれて、3−ヒドロキシニトリルは水相に溶解し、最終的に単相生成混合物が得られる。反応はまた、酵素加水分解反応速度とほぼ等しい速度で3−ヒドロキシニトリルを反応混合物に添加することで単相水性反応混合物を維持し、高出発原料濃度における酵素の基質阻害の潜在的問題を避けて実施してもよい。
(生成混合物からの3−ヒドロキシカルボン酸の単離)
3−ヒドロキシ吉草酸または3−ヒドロキシ酪酸が、プロトン化カルボン酸およびその対応するアンモニウム塩(生成混合物のpH依存性)の混合物として生成混合物中に存在するかもしれず、カルボン酸と生成混合物にさらに存在するかもしれないあらゆる緩衝液との塩として、さらに存在するかもしれない。3−ヒドロキシカルボン酸生成物は、必要に応じてプロトン化カルボン酸としてまたはカルボン酸の塩として、反応混合物から単離してもよい。
3−ヒドロキシニトリルの完全な転換時における生成混合物中の3−ヒドロキシカルボン酸の最終濃度は、0.001Mから3−ヒドロキシカルボン酸生成物の溶解限度の範囲であってもよい。好ましくは3−ヒドロキシ吉草酸の濃度は、0.10M〜2.0Mの範囲である。3−ヒドロキシ吉草酸は、濃塩酸で反応混合物のpHを1.0〜2.5に調節し、塩化ナトリウムによる得られた溶液の飽和、およびメチルt−ブチルエーテル、エチルエーテル、またはジクロロメタンなどの適切な有機溶剤による3−ヒドロキシ吉草酸の抽出により、生成混合物から(触媒除去後に)単離してもよい。次に合わせた有機抽出物を合わせて適切な乾燥剤(例えば硫酸マグネシウム)と共に撹拌し、濾過して(例えば回転蒸発によって)溶剤を除去し、所望の生成物を高収率かつ高純度(典型的に純度98〜99%)で生成する。所望ならば、再結晶化または蒸留によって生成物をさらに精製できる。
3−ヒドロキシバレロニトリルについて上で述べたのと類似の方法を使用して、3−ヒドロキシブチロニトリルから3−ヒドロキシ酪酸への酵素的加水分解を実施し(付随する実施例を参照されたい)、3−ヒドロキシ酪酸を3−ヒドロキシブチロニトリルの100%転換までの100%収率で生成した。
(3−ヒドロキシカルボン酸を使用したポリマー合成)
直鎖3−ヒドロカルボン酸またはそのエステルを使用した高度に分枝したコポリエステルの合成が、以前に報告されており(米国特許公報(特許文献7))、そこでは少なくとも2つの反復単位が、構造RO−CRCRC(O)ORの少なくとも1つの直鎖3−ヒドロキシカルボン酸またはそのエステル、および構造(RO)−R−[C(O)ORの少なくとも1つの超分枝ヒドロキシカルボン酸またはそのエステル次から誘導される。式中、Rは自由原子価がn+mのC1〜12ヒドロカルビルラジカルまたは部分的にまたは完全に置換されたヒドロカルビルラジカルであり、そこではいくつかのまたは全ての水素原子が炭素原子で置換されていてもよく、RはH、C1〜12またはヒドロキシル置換されたC1〜12ヒドロカルビルラジカルであり、R、R、R、R、RはHまたはC1〜12ヒドロカルビルラジカルであり、RはHまたは(O)CRであり、n+mは3以上であり、nおよびmの1つが1であるという条件で、これらの反復単位はまたヒドロキシカルボン酸のエステルなどのポリエステルを形成する同等化合物から誘導されてもよい。化合物(RO)−R−[C(O)ORは、3以上の官能性に基づいて超分枝モノマーと称されることもある。このような重合中にこのようなモノマーの1つ以上が存在してもよい。n+mは3または4であることが好ましい。これらのモノマーと一緒に当該技術分野でよく知られている通常のエステル化触媒を使用して、ポリエステル(例えばプロトン酸と、ルイス酸と、またはスルホン酸、リン酸、およびホスホン酸、チタンアルコキシド、ジアルキルスズ酸化物、そしてスズ、亜鉛、マンガン、カルシウム、マグネシウム、またはアンチモンの酸化物、炭酸塩およびカルボン酸塩をはじめとする基礎的触媒)を形成してもよい。ポリエステルを製造する方法は当該技術分野でよく知られている。
(3−ヒドロキシカルボン酸の分析)
3−ヒドロキシカルボン酸の生成を分析するのに適した分析法は当該技術分野でよく知られており、HPLC、CE、GC、およびMSが挙げられるが、これに限定されるものではない。例えば屈折率検出器、および移動相として水性10mM酢酸/10mM酢酸ナトリウム中の7.5%(v/v)メタノール(3−ヒドロキシバレロニトリル反応のための)を用いたスペルコ(Supelco)LC−18−DBカラム(15cm×4.6mm径)、または50℃で移動相として0.001N硫酸(3−ヒドロキシブチロニトリル反応のための)を用いたバイオ・ラッド(Bio−Rad)HPX−87Hカラム(30cm×7.8mm径)のいずれかを使用して、3−ヒドロキシ吉草酸生成量を判定するためにHPLC分析が使用されている。
(微生物の発現)
本ニトリラーゼ突然変異体は、異種の宿主細胞中、好ましくは微生物宿主中で生成されてもよい。本発明で特に有用なのは、大規模発酵法に容易に適応できる細胞である。このような生物体は工業バイオプロセシングの当該技術分野でよく知られており、その例は(非特許文献34)に見られ、発酵性細菌ならびに酵母および糸状菌類が挙げられる。宿主細胞としては、コマモナス(Comamonas)種、コリネバクテリウム(Corynebacterium)種、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)種、ロドコッカス(Rhodococcus)種、アゾトバクター(Azotobacter)種、シトロバクター(Citrobacter)種、エンテロバクター(Enterobacter)種、クロストリジウム(Clostridium)種、クレブシエラ(Klebsiella)種、サルモネラ(Salmonella)種、乳酸桿菌(Lactobacillus)種、アスペルギルス(Aspergillus)種、サッカロミセス(Saccharomyces)種、チゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)種、ピチア(Pichia)種、クルイヴェロミセス(Kluyveromyces)種、カンジダ(Candida)種、ハンゼヌラ(Hansenula)種、デュナリエラ(Dunaliella)種、デバリオミセス(Debaryomyces)種、ケカビ(Mucor)種、トルロプシス(Torulopsis)種、メチロバクテリア(Methylobacteria)種、バシラス(Bacillus)種、エシェリキア(Escherichia)種、シュードモナス(Pseudomonas)種、リゾビウム(Rhizobium)種、およびストレプトミセス(Streptomyces)種が挙げられるが、これに限定されるものではない。特に好ましいのは大腸菌(E.coli)である。その中で突然変異ニトリラーゼ遺伝子が発現できる適切な大腸菌(E.coli)宿主細胞の例としては、ここで特定される宿主細胞およびMG1655(ATCC 47076)、FM5(ATCC 53911)、W3110(ATCC 27325)、MC4100(ATCC 35695)、W1485(ATCC 12435)、およびそれらの誘導体が挙げられるが、これに限定されるものではない。
A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼの異種性発現については、以前に報告されている(非特許文献22)および米国特許公報(特許文献5)。チャウハン(Chauhan)らは、活性A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼを発現した大腸菌(E.coli)株(大腸菌(E.coli)SS1001(ATCC PTA−1177))について報告する。組み換え的に発現された(大腸菌(E.coli)SS1001)ニトリラーゼのコード配列は、野生型72Wニトリラーゼ配列(配列番号3)と比較して、2つの小さな配列変化を含有した。開始コドンはGTGからATGに変化して組み換え発現を容易し、クローニング中にC−末端近くの単一アミノ酸変化をもたらすアーチファクト(Pro367[CCA]→Ser[TCA])が導入された。
配列番号5、7、11、13、15、および17によって提供されるコード配列で表される本突然変異ニトリラーゼは、組み換え宿主(大腸菌(E.coli))中で発現された。工業的に適切な宿主中での組み換え発現はいくつかの利点を有する。第1にそれから目的とする遺伝子が得られた微生物の多くで利用できる遺伝的ツールと比較して、一般に使用される産生宿主の多くでは遺伝的ツールボックスが通常よく開発されている。これらの宿主における組み換え発現は、常態では天然宿主における発現よりも費用効率が高い。例えばA.ファシリス(facilis)72W細胞は、発酵によって生育させると比較的高価な炭素基質であるグリセロール上で生育し、安価なグルコースを使用しては成功裏に生育しないことが示されている。対照的に、大腸菌(E.coli)形質転換体は、約半分の時間でA.ファシリス(facilis)72W細胞と同一細胞密度にグルコースで生育させることができ、生触媒生成のコストを顕著に下げる(米国特許公報(特許文献5))。
外来性タンパクの高レベル発現を導く制御配列を含有する微生物発現システムおよび発現ベクターは、当業者にはよく知られている。これらを使用して、本突然変異ニトリラーゼの遺伝子産物生成のために、キメラ遺伝子を構築できる。次に形質転換を通じてこれらのキメラ遺伝子を適切な微生物に導入し、突然変異ニトリラーゼ酵素の高レベル発現を提供できる。本発明のヌクレオチドを使用して、天然A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼ(pNM18対照、配列番号4)と比較して、増強または改変された活性レベルを有する遺伝子産物を生成する。
さらにキメラ遺伝子は、宿主細胞の特性を改変するのに効果的である。例えば適切なプロモーターの制御下にある本ニトリラーゼをコード化しているキメラ遺伝子の少なくとも1つのコピーを宿主細胞に導入して、3−ヒドロキシバレロニトリルまたは3−ヒドロキシブチロニトリルをそれぞれ3−ヒドロキシ吉草酸または3−ヒドロキシ酪酸に転換する改善された能力を宿主細胞に与える。本発明のキメラ遺伝子は、本突然変異ニトリラーゼ配列の遺伝子発現を推進するのに有用な適切な調節塩基配列を含む。調節塩基配列としては、プロモーター、翻訳リーダー配列、およびリボソーム結合部位が挙げられるが、これに限定されるものではない。これらの配列が宿主生物体に由来すれば好ましいが、当業者はまた、異種の調節塩基配列を使用してもよいことを認識する。
キメラ遺伝子はそれを適切な発現ベクター中にクローニングすることで、適切な宿主中に導入できる。適切な宿主細胞の形質転換に有用なベクターまたはカセットは、当該技術分野でよく知られている。典型的にベクターまたはカセットは、関連した遺伝子、選択可能マーカー、および配列の転写および翻訳を導いて、自律複製または染色体の組み込みを可能にする配列を含有する。適切なベクターは、転写開始制御を有するコード配列の5’領域および転写終了を制御するDNA断片の3’領域を含む。双方の制御領域が宿主細胞に相同的な遺伝子から誘導されることが最も好ましいが、このような制御領域は、生成宿主として選択された特定種に天然の遺伝子から必ずしも誘導されなくてよい。
一実施形態では、調節塩基配列はプロモーターを誘導する。プロモーターは、構成要素でもまたは誘導可能であってもよい。誘導可能なプロモーターは、概して特定刺激に対して応答性である(例えばIPTGはlacプロモーターを誘導する)。誘導可能プロモーターは、少数の例を挙げると化学薬品、生育サイクル、温度変化、pH変化、およびモル浸透圧濃度変化をはじめとする多様な刺激に対して応答性であってもよい。
所望の宿主細胞中での本突然変異ニトリラーゼの発現を推進するのに有用な開始制御領域またはプロモーターは多数あって、当業者にはなじみが深く、CYC1、HIS3、GAL1、GAL10、ADH1、PGK、PHO5、GAPDH、ADC1、TRP1、URA3、LEU2、ENO、TPI(サッカロミセス(Saccharomyces)中での発現に有用)と、AOX1(ピチア(Pichia)中での発現に有用)と、lac、trp、lP、lP、T7、tac、PBAD、npr、およびtrc(大腸菌(Escherichia coli)中での発現に有用)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。実例は、大腸菌(E.coli)のトリプトファンオペロンプロモーターPtrp、大腸菌(E.coli)の乳糖オペロンプロモーターPlac、大腸菌(E.coli)のPtacプロモーター、ファージλライトプロモーターP、ファージλレフトプロモーターPと、T7プロモーター、およびピチア・パストリス(Pichia pastoris)からのGAP遺伝子のプロモーターからなる群から選択されるプロモーターの少なくとも1つを含み、またはそれはコマモナス(Comamonas)、コリネバクテリウム(Corynebacterium)、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)、ロドコッカス(Rhodococcus)、アゾトバクター(Azotobacter)、シトロバクター(Citrobacter)、エンテロバクター(Enterobacter)、クロストリジウム(Clostridium)、クレブシエラ(Klebsiella)、サルモネラ(Salmonella)、乳酸桿菌(Lactobacillus)、アスペルギルス(Aspergillus)、サッカロミセス(Saccharomyces)、ピチア(Pichia)、チゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)、クルイヴェロミセス(Kluyveromyces)、カンジダ(Candida)、ハンゼヌラ(Hansenula)、デュナリエラ(Dunaliella)、デバリオミセス(Debaryomyces)、ケカビ(Mucor)、トルロプシス(Torulopsis)、メチロバクテリア(Methylobacteria)、バシラス(Bacillus)、エシェリキア(Escherichia)、シュードモナス(Pseudomonas)、リゾビウム(Rhizobium)、およびストレプトミセス(Streptomyces)からなる微生物群から選択される少なくとも1つの強力なプロモーターである。
終止制御領域はまた、好ましい宿主に天然の様々な遺伝子から誘導されてもよい。任意選択的に終止部位は不必要であってもよいが、含まれれば最も好ましい。
さらに挿入された遺伝的材料は、リボソーム結合部位を含んでもよい。リボソーム結合部位は、ファージλCII遺伝子からのものであってもよく、またはコマモナス(Comamonas)、コリネバクテリウム(Corynebacterium)、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)、ロドコッカス(Rhodococcus)、アゾトバクター(Azotobacter)、シトロバクター(Citrobacter)、エンテロバクター(Enterobacter)、クロストリジウム(Clostridium)、クレブシエラ(Klebsiella)、サルモネラ(Salmonella)、乳酸桿菌(Lactobacillus)、アスペルギルス(Aspergillus)、サッカロミセス(Saccharomyces)、チゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)、ピチア(Pichia)、クルイヴェロミセス(Kluyveromyces)、カンジダ(Candida)、ハンゼヌラ(Hansenula)、デュナリエラ(Dunaliella)、デバリオミセス(Debaryomyces)、ケカビ(Mucor)、トルロプシス(Torulopsis)、メチロバクテリア(Methylobacteria)、バシラス(Bacillus)、エシェリキア(Escherichia)、シュードモナス(Pseudomonas)、リゾビウム(Rhizobium)、およびストレプトミセス(Streptomyces)の遺伝子からのリボソーム結合部位からなる群から選択される。
任意選択的に本遺伝子産物は、好ましくは形質転換宿主の分泌産物であってもよい。増殖培地中への所望のタンパク質の分泌は、精製手順を簡単にしてコストを下げる。分泌シグナル配列は、発現可能タンパク質の細胞膜を横切る能動輸送を促進するのに有用なことが多い。分泌できる形質転換された宿主は、分泌シグナルをコード化しているDNA配列を宿主に組み込んで作り出してもよい。適切なシグナル配列を選択する方法は、当該技術分野でよく知られている(例えば(特許文献8)、(特許文献9))を参照されたい。分泌シグナルDNAは、発現制御DNAと本コード配列またはコード配列断片との間、および後者の読み枠内に位置してもよい。
(タンパク質操作)
本突然変異ニトリラーゼは、変異誘発によって生成された。本ヌクレオチドを使用して、さらに向上されたまたは改変された活性を有する遺伝子産物を製造できるかもしれないことが考察される。1)ランダム変異誘発、2)ドメイン交換(亜鉛フィンガードメインまたは制限酵素を使用した)、3)変異性PCR(非特許文献35)、4)部位特異的変異誘発(非特許文献36)、および5)「遺伝子シャフリング」(参照により本明細書に援用する米国特許公報(特許文献10)、米国特許公報(特許文献11)、米国特許公報(特許文献12)、および米国特許公報(特許文献13))をはじめとするが、これに限定されるものではない、天然遺伝子配列を変異させて活性が改変または向上された遺伝子産物を生成する様々な方法が知られている。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して、ヌクレオチドの誤取り込みによる同時の多数の突然変異生成と共に、DNA断片を増幅できる。これはdNTPの比率を変更するまたは反応に様々な量の塩化マンガンを添加するなど、PCR条件を修正して達成できる(非特許文献37)(非特許文献38)。次に突然変異DNA断片のプールをクローンして、突然変異プラスミドのライブラリーを得ることができ、それを次に大腸菌(E.coli)などの宿主中での発現に続いてスクリーンできる。
遺伝子シャッフリング法は、その容易な実行、および高率な変異誘発と容易なスクリーニングのために特に魅力的である。遺伝子シャフリングのプロセスは、目的とする遺伝子との類似性および/または相違性を有するDNA領域の追加的集団存在下における、目的とする遺伝子の特定サイズの断片への制限エンドヌクレアーゼ開裂を伴う。次に断片のプールを変性させ再アニールして、変異遺伝子を作り出す。次に変異した遺伝子を変更した活性についてスクリーニングする。
本発明の本微生物の配列を変異させて、この方法によって変更されまたは増強される活性についてスクリーニングしてもよい。配列は二本鎖であるべきで、50bp〜10kBの範囲の様々な長さであることができる。配列は当該技術分野でよく知られている制限エンドヌクレアーゼを使用して、約10bp〜1000bpの範囲の断片に無作為に消化されてもよい(非特許文献39)。本微生物の配列に加えて、微生物の配列の全部または部分とハイブリッド形成可能な断片集団を添加してもよい。同様に、本配列とハイブリッド形成可能でない断片集団を添加してもよい。典型的にこれらの追加的断片集団は、総核酸と比較して重量で約10〜20倍過剰に添加される。一般にこのプロセスに従えば、混合物中の異なる特定の核酸断片の数は約100〜約1000個になる。無作為核酸断片の混合集団は、変性されて一本鎖核酸断片を形成し、次に再アニールされる。その他の一本鎖核酸断片との相同性領域を有する一本鎖核酸断片のみが再アニールする。無作為核酸断片は、加熱によって変性されてもよい。当業者は、二本鎖核酸を完全に変性するのに必要な条件を判定できる。好ましくは温度は、約80℃〜100℃である。核酸断片を冷却によって再アニールしてもよい。好ましくは温度は約20℃〜75℃である。再生は、ポリエチレングリコール(「PEG」)または塩の添加によって加速できる。適切な塩濃度は、0mM〜200mMの範囲であってもよい。次にアニールされた核酸断片は、核酸ポリメラーゼおよびdNTP(すなわちdATP、dCTP、dGTPおよびdTTP)存在下でインキュベートされる。核酸ポリメラーゼは、クレノウ断片、Taqポリメラーゼまたは当該技術分野で知られているあらゆるその他のDNAポリメラーゼであってもよい。アニールに先だって、アニールと同時に、またはアニール後に、ポリメラーゼを無作為核酸断片に添加してもよい。変性、再生、およびポリメラーゼ存在下でのインキュベーションのサイクルは、所望の回数反復される。好ましくはサイクルは約2〜50回反復され、より好ましくは手順は10〜40回反復される。得られる核酸は約50bp〜約100kBの範囲のより大きな二本鎖ポリヌクレオチドであり、標準クローン化および発現プロトコルによって、発現および変更された活性についてスクリーニングしてもよい(非特許文献39)。
さらにハイブリッドタンパク質は、遺伝子シャフリング(エクソンシャフリング)法を使用した、機能性領域の融合によってアセンブルできる(非特許文献40)。本遺伝子の機能性領域は、その他の遺伝子の機能性領域と組み合わせて、所望の触媒機能を有する新しい酵素を作り出すことができる。PCRオーバーラップ伸長法を使用してハイブリッド酵素を構築し、当業者によく知られている技術を使用して、様々な発現ベクター中にクローン化してもよい。
(3−ヒドロキシカルボン酸の工業生産)
本突然変異ニトリラーゼ遺伝子を使用して3−ヒドロキシカルボン酸の商業生産が所望される場合、ニトリラーゼ触媒を生成するための多様な培養法を適用してよい。発酵は、当該技術分野で一般的であり、よく知られているバッチ、流加、または連続様式で実行してもよい(非特許文献41)(非特許文献42)。
古典的なバッチ培養法は閉鎖システムであり、そこでは培養液の組成が発酵の最初に設定され、培養プロセス中の人為的変化を受けない。したがって培養プロセス開始時に培養液に所望の生物体または生物体群を接種して、システムには何も添加せずに生育または代謝活動を生じさせる。しかし典型的には「バッチ」培養は、炭素源の添加に関するバッチであり、pHおよび酸素濃度などの因子の調節が試みられることが多い。バッチシステムでは、システムの代謝産物および生物質量組成は、培養が終結する時点まで常に変化する。バッチ培養内で細胞は、静的な遅滞期から高い対数増殖期へ、そして最後に成長率が減退または停止する静止期へ調節される。処置を施さない場合、静止期にある細胞はやがて死滅する。システムによっては対数期にある細胞が、最終生成物または中間体の生産の大部分を担うことが多い。その他のシステムでは、静止または対数期後生成を得ることができる。
標準バッチシステムのバリエーションが、流加バッチシステムである。流加バッチ培養プロセスも本発明において適切であり、培養の進行と共に基材が段階的に添加されること以外は、典型的なバッチシステムを含む。流加バッチシステムは、異化代謝産物抑制が細胞の代謝を阻害する傾向があって、培養液中に限定量の基材を有することが望ましい場合に有用である。流加バッチシステム中の実際の基材濃度の測定は困難であるので、pH、溶存酸素、およびCOなどの排ガス分圧などの測定可能因子の変化に基づいて推定される。バッチおよび流加バッチ培養法は、当該技術分野で一般的であり周知であって、実例は(非特許文献41)および(非特許文献42)にある。
ニトリラーゼ触媒の商業生産は、連続培養によって達成してもよい。連続培養は開放システムであり、規定の培地をバイオリアクターに連続的に添加して、等量の慣熟培地をプロセシングのために同時に除去する。連続培養は、概して細胞を恒常的な高い液相密度に維持し、そこでは細胞が主に対数増殖期にある。代案としては連続培養を固定細胞で実施してもよく、そこでは炭素および養素が連続的に添加され、価値ある生成物、副産物または老廃物は細胞集団から連続的に除去される。細胞固定化は、天然および/または合成材料から構成される広範囲の固体担体を使用して実施してもよい。
連続または半連続培養は、細胞生育または最終細胞濃度に影響する1つの因子または任意の数の因子の調節を可能にする。例えば一方法では、炭素源または窒素レベルなどの制限的栄養物質を固定された割合に維持し、その他の全パラメーターの調節ができるようにする。別のシステムでは、培地濁度によって測定される細胞濃度を一定に保ちながら、生育に影響するいくつかの因子を連続的に変化させることができる。連続システムは定常状態生育条件を維持することを目指すので、培地が抜き取られることによる細胞損失は、培養中の細胞生育率に対してバランスが取れていなくてはならない。連続的培養プロセスのために栄養素および成長因子を調節する方法、ならびに細胞形成速度を最大化する技術は工業微生物学の当該技術分野でよく知られており、多様な方法が(非特許文献41)で詳述される。
本発明における発酵培地は、適切な炭素基質を含有しなくてはならない。適切な基質としては、グルコースおよびフルクトースなどの単糖類と、ラクトースまたはスクロースなどの二糖類と、デンプンまたはセルロースまたはそれらの混合物などの多糖類と、乳清透過液、コーンスティープリカー、甜菜モラセス、および大麦の麦芽などの再生可能な供給材料からの未精製混合物とが挙げられるが、これに限定されるものではない。したがって本発明で利用される炭素源は、多種多様な炭素含有基質を包含してもよく、生物体の選択によってのみ制限されることが考察される。
細菌培養の維持および生育に適した材料および方法は、当該技術分野でよく知られている。以下の実施例で使用するのに適した技術は、以下で述べられる。(非特許文献43)または(非特許文献41)。
PCR増幅、DNAクローニングのための所望の末端を生じるためのエンド−およびエキソ−ヌクレアーゼによるDNA改変、ライゲーション、および細菌形質転換に必要な手順は、当該技術分野でよく知られている。ここで使用される標準組み換えDNAおよび分子クローン化技術は当該技術分野でよく知られており、(非特許文献39)、および(非特許文献44)、および(非特許文献45)で述べられている。
細菌細胞の生育および維持に使用した全ての試薬、および材料は、特に断りのない限りウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカルズ(Aldrich Chemicals(Milwaukee,WI))、ミシガン州デトロイトのディフコラボラトリーズ(DIFCO Laboratories(Detroit,MI))、メリーランド州ゲイサーズバーグのギブコ/BRL(GIBCO/BRL(Gaithersburg、MD))、またはミズーリ州セントルイスのシグマ・ケミカル社(Sigma Chemical Company(St.Louis,MO))から得られた。3−ヒドロキシバレロニトリルは、トリエチルアルミニウム(FR1446127)の存在下で水素シアン化物と1,2−エポキシブタンとを反応させて、およびトリフル酸ジ−n−ブチルボリルの存在下でのアセトニトリルおよびプロピオンアルデヒドの反応によって調製された(非特許文献46)。光学活性3−ヒドロキシバレロニトリルは、酢酸2−シアノ−1−メチルエチルのリパーゼ触媒加水分解によって調製された(非特許文献47)。
明細書中の略語は次のような測定単位、技術、特性、または化合物に対応する。「s」は秒を意味し、「min」は分を意味し、「h」は時間を意味し、「d」は日を意味し、「μL」はマイクロリットルを意味し、「mL」はミリリットルを意味し、「L」はリットルを意味し、「mM」はミリモル濃度を意味し、「M」はモル濃度を意味し、「mmol」はミリモルを意味し、「amp」はアンピシリンを意味し「kb」はキロベースを意味し、「kd」はキロダルトンを意味し、「nm」はナノメートルを意味し、および「wt」は重量を意味し、「ORF」は読み取り枠を意味し、「PCR」はポリメラーゼ連鎖反応を意味し、「SSC」はクエン酸ナトリウム緩衝液を意味し、「HPLC」は高性能液体クロマトグラフィーを意味し、「ca.」はおよそを意味し、「rxn」は反応を意味し、「dcw」は乾燥細胞重量を意味し、「OD」は指定波長での光学濃度を意味し、「AU」は吸光度単位を意味し、「rpm」は分あたり回転数を意味し、「slpm」は分あたり標準リットルを意味し、「U」は単位を意味し、「IU」は国際単位を意味し、および「IPTG」はイソプロピルβ−D−チオガラクトピラノシドを意味する。
(実施例1)
(変異性ポリメラーゼ連鎖反応によるA.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼランダム変異誘発ライブラリーの構築)
製造業者の取扱説明書(ミネソタ州ミネアポリスのジェントラシステムズ(Gentra Systems(Minneapolis,MN)))に従って、ピュアジーン(Puregene)DNA単離キットを使用してA.ファシリス(facilis)72W(ATCC 55746)からゲノムDNAを調製した。カリフォルニア州ラ・ホーヤのストラタジーン(Stratagene(La Jolla,CA))からのジーンモルフ(GeneMorph)PCR変異誘発キットと共に提供される取扱説明書に従って、配列番号1(5’−GCGCATATGGTTTCGTATAACAGCAAGTTCC−3’)および配列番号2(5’−ATAGGATCCTTATGGCTACTTTGCTGGGACCG−3’)として同定されたプライマーを使用して、A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼ遺伝子(コード配列;配列番号3)上で変異性PCRを実施した。低い突然変異頻度(0〜3個の突然変異/kb)および中程度の突然変異頻度(3〜7個の突然変異/kb)を生じるのに奨励される反応条件を用いた。カリフォルニア州カールスバッドのインビトロジェン(Invitrogen(Carlsbad,CA))からのpTrcHis2 TOPOTA発現キットと共に提供される取扱説明書に従って、1.1kb PCR生成物の10%を発現ベクターpTrcHis2 TOPO中にライゲートした。供給元インビトロジェン(Invitrogen)の推奨に従って、ライゲーション混合物の半分を大腸菌(E.coli)TOP10中に形質転換した。形質転換混合物の1%を50mg/Lアンピシリン添加LBプレート上に播種した。得られた形質転換体は200〜400個のコロニーに達し、生成した全PCR生成物は、改善された酵素活性をスクリーンする必要数には十分すぎる400,000〜800,000個のコロニーを生じられることが示唆された。突然変異頻度はクローンの無作為選択サンプルのヌクレオチド配列分析によって確認された。配列分析からはまた、予期されたように挿入物のおよそ50%が正方向であることが確認された。SDS−PAGE分析からは、インビトロジェン(Invitrogen)によって推奨されるように生育および誘導すると、正方向挿入のある本質的に全てのクローンが41kDのニトリラーゼタンパク質を発現することが確認された。
さらに配列番号1および配列番号2として同定されたプライマーを使用して、標準PCRによってA.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼ遺伝子を増幅し、製造業者の推奨に従って得られたDNA生成物をインビトロジェン(Invitrogen)からのpTrcHis2−TOPO中にクローンし、プラスミドpNM18を生じさせた。pNM18での大腸菌(E.coli)TOP10の形質転換からは、対照として有用な株が生じた。pNM18(配列番号3)中のA.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼ「対照」配列は、大腸菌(E.coli)中での発現を容易にするGTGからATGへの開始コドンの変化以外は、野生型A.ファシリス(facilis)72Wのコード配列と同一であった。
(実施例2)
(ニトリラーゼ活性増大についてのA.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼランダム変異誘発ライブラリーのスクリーニング)
各変異性PCRライブラリーからのおよそ5,000個のコロニーを50mg/Lアンピシリン添加LB寒天上に播種した。ロボット工学を使用して、96−ウェルマイクロタイタープレート内でハイスループットスクリーニングを実施した。50mg/Lアンピシリンおよび1mM IPTG添加液体LB中で、個々のコロニーを37℃で200rpmの振盪で18時間生育させた後、培養に10mMの3−ヒドロキシバレロニトリル(3−HVN)を37℃で1時間添加し80Hz往復振盪した。細菌を濾過して除去し反応を停止して、分析する上清をマイクロタイタープレート内に密封し、分析まで4℃で保存した。質量分析法(APCI−MRM、5mL/分の移動相95%MeOH/5%HO、ニードルあたり4mL/分の50%MeOH/50%HOでのニードル洗浄)によって、3−ヒドロキシ吉草酸(3−HVA)の生成を測定した。対照(大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18)のおよそ5倍を超える3−HVNの転換を示す3個のクローンが同定され、大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18/B4、大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18/B2および大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18/H9と命名された。
(実施例3)
(ニトリラーゼ活性に関する大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18(対照)、大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18/B4、大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18/B2および大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18/H9のアッセイ)
滅菌125mLフラスコに、50mg/Lアンピシリン含有LB培地50mLを入れて、次に凍結細胞原液を掻き取ってフラスコ内に入れ、得られた混合物を37℃および200rpmで12〜16時間インキュベートして接種材料を調製した。得られた培養の光学濃度を記録し、次に水中80%のグリセロールを最終濃度15%(v/v)に添加して、得られた接種材料の14.3mLのアリコートを50mL遠心管に入れ、使用まで−80℃で凍結保存した。4L滅菌フラスコに、1.80LのLBブロス、0.9mLのアンピシリン水溶液(100mg/mL)、および1.8mLのIPTG(1.0M)水溶液を添加した。次にフラスコに87.5mLの大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18(対照)、大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18/B4、大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18/B2または大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18/H9接種材料を添加し、フラスコ内容物を混合して、得られた混合物の250mLのアリコートを6個の各滅菌1Lフラスコに移した。培養を、200rpmで回転混合しながら37℃で8時間インキュベートして、各フラスコからの細胞を4℃で遠心分離して収集し−80℃で凍結保存した。
磁気撹拌棒を装着した4mLガラスバイアルに1.0mLの水中の1.0M 3−ヒドロキシバレロニトリルを添加して、バイアルとその内容物を温度調節水浴内で25℃に平衡化した。撹拌しながら、25℃に予備平衡化した400mg湿潤細胞ペーストを含有する1.0mLの0.100Mカリウムリン酸緩衝液(pH7.0)をバイアルに添加した。所定時間にサンプル(0.100mL)を採取して、0.100mLの水、0.020mLの6.0N酢酸、および0.200mLの水中の0.20M酪酸ナトリウム(HPLC外標準)を含む溶液と混合した。得られた混合物を遠心分離して、スペルコ(Supelco)LC−18−DBカラム(15cm×4.6mm):移動相:水性10mM酢酸ナトリウム(NaOAc)、10mM酢酸(AcOH)、7.5%(v/v)メタノールを使用して、得られた上清を3−ヒドロキシ吉草酸についてHPLCによって分析した。アッセイで使用した各細胞ペーストの乾燥細胞重量(dcw)を使用して、3−ヒドロキシ吉草酸の生成速度に基づいて、大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18(表1)、大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18/B4(表2)、大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18/B2(表3)、および大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18/H9(表4)のニトリラーゼ活性を判定した。大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18(対照)、大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18/B4、大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18/B2、および大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18/H9の相対ニトリラーゼ活性の比較を表5に示す。
Figure 2008509708
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(実施例4)
(ニトリラーゼ活性を増大させるA.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼにおける突然変異の同定)
ヌクレオチド配列分析を使用して、ニトリラーゼ活性増大を有する3つのクローン(TOP10/pNM18/B4、TOP10/pNM18/B2、およびTOP10/pNM18/H9)それぞれに存在する突然変異を判定し、対応するアミノ酸変化を推定した。TOP10/pNM18対照(配列番号3および4)と比べて、同一であるTOP10/pNM18/B2およびTOP10/pNM18/H9(配列番号5および6)は1つのアミノ酸変化(Thr210からAla、T210A)を有し、TOP10/pNM18/B4(配列番号7および8)は、3つのアミノ酸変化(Tyr65からCys(Y65C)、Phe174からIle(F174I)、およびThr210からIle(T210I))を有する。これらの変化のいずれもこの酵素の触媒領域内、または多数のニトリラーゼ酵素中の概して保存された領域内には含有されず、これらの特定の残基における変化がニトリラーゼ活性の改善を生じるかを先験的に予期する方法がないことが示唆された。SDS−PAGEゲルのレーザーデンシトメトリー分析による定量では、これらの変化のいずれもニトリラーゼタンパク質生成に対して検出可能な効果を有さなかった。
(実施例5)
(スレオニン残基210における飽和変異誘発)
カリフォルニア州ラ・ホーヤのストラタジーン(Stratagene(La Jolla,CA))からのクイックチェンジ(Quik Change)部位特異的変異誘発キットを使用して、72Wニトリラーゼ酵素の210位のスレオニン残基を別の19個の各アミノ酸に変化させた。製造業者の取扱説明書に従って変性オリゴヌクレオチドを使用し、得られたコドン変化の同定をヌクレオチドシーケンシングによって判定した。この方法によって得られなかったあらゆるコドン変化は、所望の特定コドン変化を組み込んだ非変性オリゴヌクレオチドを使用して生じさせた。例えば210Met(T210M)は、配列番号9(5’−CGAAGCCAACGCGACGGTCATGCGCTCGTACGCAATCGAAGG−3’)、および配列番号10(5’−CCTTCGATTGCGTACGAGCGCATGACCGTCGCGTTGGCTTCG−3’)として同定されたプライマーを使用して得られた(下線付きヌクレオチドは、新規コドンを示す)。
全ての20個の酵素変異型からニトリラーゼ活性を測定した。以前に同定された210Ala(T210A)の改善(実施例3および4)に加えて、対照(pNM18)と比較して増大した活性が210Cysについて観察された(T210C、配列番号11および12)(表6および7)。210Cysの変化は、SDS−PAGE分析による判定でニトリラーゼタンパク質生成に対して検出可能な効果を有さなかった。本発明者らは残基210で、ニトリラーゼ活性に改善を生じるその他の変化を見いださず、ニトリラーゼ活性に対していくつかの変化は効果を有さず(例えば210Val(T210V))、いくつかの変化は有害効果を有した(例えば210Gly(T210G))。これらの結果は、残基210におけるいかなる特定の突然変異の効果も先験的に予期する方法がないことを示唆する。
Figure 2008509708
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(実施例6)
(大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18細胞(対照)または大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18/H9細胞のカルシウム−架橋アルジネート中の固定化)
4.0L滅菌フラスコに、1.80LのLBブロス、0.9mLのアンピシリン(100mg/mL)溶液、および1.8mLのIPTG(1.0M)水溶液を添加した。次にフラスコに、87.5mLの大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18(対照)または大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18/H9接種材料を添加してフラスコ内容物を混合し、得られた混合物の250mLのアリコートを7個の各滅菌1Lフラスコに移した。培養を200rpmで回転混合して37℃で8時間インキュベートし、得られた細胞懸濁液を合わせて4℃で遠心分離によって細胞を収集し、−80℃で凍結保存した。大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18(対照)では600nmにおける平均初期ODが0.133AU、8時間後の平均最終ODは2.13AUであり、約6gの細胞ペーストが生じた。大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18/H9では、平均最終ODが1.68AUであり、約5gの細胞ペーストが生じた。
磁気撹拌棒を装着し、50℃で7.46gの蒸留脱イオン水を含有する100mLの培養液ボトル内に、迅速に撹拌しながら0.413gのFMCバイオポリマープロタナール(BioPolymer Protanal)(登録商標)LF 10/60アルジネートを緩慢に添加した。アルジネートが完全に溶解するまで混合物を迅速に撹拌しながら75〜80℃に加熱して、得られた溶液を水浴中で25℃に冷却した。アルジネート懸濁液に、4.75gの大腸菌(E.coli)(pNM18)湿潤細胞ペースト(乾燥細胞重量23.7%)および2.37mLの蒸留水、または4.97gの大腸菌(E.coli)(pNM18/H9)湿潤細胞ペースト(乾燥細胞重量22.6%)および2.15mLの蒸留水のいずれかを撹拌しながら添加した。25℃で撹拌しながら80mLの0.20M酢酸カルシウム緩衝液(pH7.0)に、細胞/アルジネート混合物をシリンジで滴下して添加した。2時間撹拌した後、得られたビーズから緩衝液をデカントし、それを25℃で30mLの0.20M酢酸カルシウム緩衝液(pH7.0)に再懸濁した。撹拌しながら0.61gの水中の25重量%グルタルアルデヒド(GA)を添加してビーズを25℃で1.0時間混合した。次に懸濁液に2.42gの水中の12.5重量%ポリエチレンイミン(PEI)(BASFルパゾール(Lupasol)(登録商標)PR971L、平均分子量約750,000)を添加して、25℃でビーズをさらに1時間混合した。次に架橋ビーズを25℃で30mLの5mM酢酸カルシウム緩衝液(pH7.0)で2回洗浄し、5℃で1.0M酢酸アンモニウム、4mM酢酸カルシウム、および10mM炭酸水素アンモニウムを含有する水性緩衝液(pH7.1)中に保存した。
(実施例7)
(3−ヒドロキシバレロニトリルの加水分解触媒としてのアルジネート−固定化大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18/H9または大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18(対照)の比較)
オーバーヘッド撹拌機を装着した50mLのジャケット付反応容器内(再循環温度浴で35℃に温度調節される)に、実施例6で述べるようにして調製された6.0gのGA/PEI−架橋大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18細胞/アルジネートビーズ(対照)を入れた。反応容器に13.4mLの蒸留脱イオン水、0.2mLの0.20M酢酸カルシウム緩衝液(pH7.0、反応混合物中の最終カルシウムイオン濃度2.0mM)および0.40mL(0.386g)の3−ヒドロキシバレロニトリル(総濃度0.400M)を添加して、混合物を35℃で撹拌した。サンプル(0.200mL)を0.200mLの200mM酪酸ナトリウム(HPLC外標準)と共に混合し、上清をHPLCで分析した。25時間後、3−HVNの転換は100%であり、3−HVAの収率は100%であった。大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18細胞/アルジネートビーズ触媒(対照)のニトリラーゼ活性は0.449 3−HVNU/gビーズであった。
触媒が実施例6で述べるようにして調製された6.0gのGA/PEI−架橋大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18/H9細胞/アルジネートビーズであったこと以外は、すぐ上で述べた反応を繰り返した。19時間後、3−HVNの転換は100%であり、3−HVAの収率は100%であった。大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18/H9細胞/アルジネートビーズ触媒のニトリラーゼ活性は、2.85 3−HVNU/gビーズ(対照と比べて6.35倍の改善)であった。反応終了時に、生成混合物を触媒ビーズからデカントし、さらに13.3mLの蒸留脱イオン水、0.2mLの0.20M酢酸カルシウム緩衝液(pH7.0、反応混合物中の最終カルシウムイオン濃度2.0mM)、および0.40mL(0.386g)の3−ヒドロキシバレロニトリル(総濃度0.400M)を固定化細胞触媒と共に35℃で混合した。20時間後、3−HVNの転換は100%であり、3−HVAの収率は100%であった。触媒のニトリラーゼ活性は2.99U/gビーズであった。このリサイクル手順を合計21回の連続反応を繰り返し、各反応における触媒のニトリラーゼ活性および活性再生%を表11に示す。反応21(表8)では、20時間後に3−HVNの転換は100%、3−HVAの収率は100%であり、触媒のニトリラーゼ活性は初期触媒活性の81%であった。
Figure 2008509708
(実施例8)
(大腸菌(Escherichia coli)FM5/pNM18(対照)およびFM5/pNM18/H9細胞の構築および発酵)
当該技術分野でよく知られている塩化カルシウム手順を使用して、プラスミドspNM18(実施例1)およびpNM18/H9(実施例2)で、大腸菌(E.coli)株FM5(ATCC 53911)を独立に形質転換させた。
ドイツ国メルズンゲンのB.ブラウン・バイオテック・インターナショナル社(B.Braun Biotech International Gmbh(Melsungen,Germany))からの14Lブラウン・バイオスタット(Braun Biostat)C発酵槽内において、グルコース、アンモニア、酵母抽出物、および塩添加ミネラル培地中で、ニトリラーゼの生成を行った。発酵槽の接種に先だって大腸菌(E.coli)株FM5/pNM18(対照)と、それぞれ(実施例1および2で述べるように)プラスミドpNM18およびpNM18/H9を有するFM5/pNM18/H9とを10〜20時間、種培養中で生育させた。IPTGを規定時間に添加して、細胞をIPTG添加の24時間後に収集した。
(発酵プロトコル)
80gの酵母抽出物、160gのカゼアミノ酸、8.0gのMgSO*7HO、8.0gの(NHSO、およびのニュージャージー州マウントオリーブのBASF社(BASF Corporation(Mount Olive,NJ))からの10mLのメイズ(Mazu)DF204消泡剤を含有する7.5Lの初期バッチで、容器培地を調製した。滅菌に続いて369gのグルコース溶液(60%w/w)、160mLの微量元素溶液(表9)、200mLのPO溶液(200mLの蒸留HO中の21.0gのKHPOおよび11.0gのKHPO、pH6.8に調節、蒸気滅菌済み)、および100mg/Lのアンピシリンを添加した。NHOH(40%w/v)および20%w/vのHPOをpH対照に使用した。撹拌、通気、pH、圧力、溶存酸素濃度(DO)、および温度の設定点を下の表10に示す。最初に増大する酸素要求と共に上昇する撹拌、およびそれに続く通気によって、溶存酸素濃度を空気飽和の25%に調節した。2Lのフラスコ内で500mLの種培養をODλ=550が>2.0になるまで36℃、300rpmで10〜20時間生育させた。培養密度20から30ODで、発酵槽にさらにAMPを100mg/Lに添加した。IPTGをFM5/pNM18(対照)では0.1mMに、FM5/pNM18/H9では1mMに、FM5/pNM18では35〜40ODλ=550で、FM5/pNM18/H9では20〜30ODλ=550で添加した。グルコース供給を<5g/Lで開始して、計画速度は表11に示す。グルコースが2g/Lを超えて蓄積する場合、グルコース供給速度を低下させた。IPTG添加の24時間後、細胞を5〜10℃に冷却して遠心分離によって収集した。
Figure 2008509708
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実施例3で述べるようにして、3−HVNニトリラーゼ活性について大腸菌(E.coli)FM5形質転換体をアッセイした。二連発酵ランで生成された大腸菌(E.coli)FM5株のニトリラーゼ活性を下の表12に示し、A.ファシリス(facilis)72Wおよび大腸菌(E.coli)SS1001(ATCC PTA−1177、米国特許公報(特許文献5))のニトリラーゼ活性と比べた。A.ファシリス(facilis)72Wと比べた大腸菌(E.coli)SS1001のニトリラーゼ触媒改善(先に述べた)は、改善されたニトリラーゼ酵素発現に起因する。対照的に大腸菌(E.coli)FM5/pNM18(対照)と比べて大腸菌(E.coli)FM5/pNM18/H9で実証される顕著な改善は、酵素構造の改変から得られた改善されたニトリラーゼ酵素活性に起因する。大腸菌(E.coli)FM5/pNM18(対照)と比べた、大腸菌(E.coli)FM5/pNM18/H9のニトリラーゼ活性の約5.5倍の改善に加えて、大腸菌(E.coli)FM5/pNM18/H9のニトリラーゼ活性が、大腸菌(E.coli)SS1001よりも約4.2倍高いことは注目に値する。
Figure 2008509708
(実施例9)
(3−HBNおよび3−HVNの加水分解に関する大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18(対照)および大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18/H9のニトリラーゼ活性の比較)
実施例3で述べる手順に従って、大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18(対照)および大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18/H9の調製を繰り返し、実施例3で述べるようにして、0.5M 3−ヒドロキシバレロニトリル(3−HVN)または0.5M 3−ヒドロキシブチロニトリル(3−HBN)の加水分解に関するニトリラーゼ活性(表13)について得られた細胞をアッセイした。3−HBNに関する大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18/H9のニトリラーゼ活性は、大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18(対照)と比較して約1.9倍であった。
Figure 2008509708
(実施例10)
(72Wニトリラーゼの触媒領域の標的飽和変異誘発)
変性オリゴヌクレオチド、およびカリフォルニア州ラ・ホーヤのストラタジーン(Stratagene(La Jolla,CA))からのクイックチェンジ(QuikChange)部位特異的変異誘発キットを使用して、製造業者の取扱説明書に従って、既知の細菌ニトリラーゼ中では一般には保存されない残基(下線)のA.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼ(配列番号4)触媒領域(160G 161 162L 163 164C 165 166E 167 168 169 170 171L 172 173)内の飽和変異誘発を完了した。具体的には、標的となる各活性部位残基について1つずつ、9個のミニライブラリー(500〜1000個のコロニー)を構築した。前述(実施例2)のようにして、これらの各ライブラリーを3−HVNニトリラーゼ活性増大についてスクリーンした。11個のクローン(全て168F(Phe168)ミニライブラリーから)が同定され、各クローンは対照(pNM18)のおよそ2〜3倍の3−HVA生成を示した。ヌクレオチドシーケンシングを使用して、ニトリラーゼ活性増大をもたらす特定のコドン変化を判定した(表14)。ニトリラーゼ活性は直接測定されないが、SDS−PAGE分析は各突然変異体から、実質的に等しいレベルのニトリラーゼタンパク質が生成されたことを判定した。したがって突然変異体からの3−HVAの増大する生成は、酵素のニトリラーゼ活性増大に起因すると結論された。
Figure 2008509708

Claims (14)

  1. 配列番号4のアミノ酸配列で表される酵素的に活性なポリペプチドをコード化している単離された核酸分子であって、
    該単離された核酸分子は、配列番号4の少なくとも1つのアミノ酸の置換をもたらす少なくとも1つの突然変異をさらに含み、該置換は、
    a)210位におけるアラニン、イソロイシン、またはシステインでの置換、
    b)65位におけるシステインでの置換、
    c)168位におけるリジン、バリンまたはロイシンでの置換、および
    d)174位におけるイソロイシンでの置換
    からなる群から選択され、
    該単離された核酸分子は、3−ヒドロキシバレロニトリルを3−ヒドロキシ吉草酸に転換する際に、同一反応条件下でのアシドボラックス・ファシリス(Acidovorax facilis)72W(ATCC 55746)ニトリラーゼの活性よりも少なくとも1.8倍高いニトリラーゼ活性を有するポリペプチドをコード化していることを特徴とする単離された核酸分子。
  2. 配列番号6、8、12、14、16、および18からなる群から選択されるアミノ酸配列をコード化していることを特徴とする請求項1に記載の単離された核酸分子。
  3. 配列番号5、7、11、13、15、および17からなる群から選択される核酸配列を有することを特徴とする請求項1に記載の単離された核酸分子。
  4. 適切な調節塩基配列に作動可能に結合する請求項1〜3のいずれか一項に記載の単離された核酸分子を含むことを特徴とするキメラ遺伝子。
  5. 請求項4に記載のキメラ遺伝子を含むことを特徴とする発現カセット。
  6. 請求項4に記載のキメラ遺伝子を含むことを特徴とする形質転換された微生物。
  7. 請求項5に記載の発現カセットを含むことを特徴とする形質転換された微生物。
  8. 請求項6に記載の形質転換された微生物であって、
    前記微生物が、コマモナス(Comamonas)種、コリネバクテリウム(Corynebacterium)種、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)種、ロドコッカス(Rhodococcus)種、アゾトバクター(Azotobacter)種、シトロバクター(Citrobacter)種、エンテロバクター(Enterobacter)種、クロストリジウム(Clostridium)種、クレブシエラ(Klebsiella)種、サルモネラ(Salmonella)種、乳酸桿菌(Lactobacillus)種、アスペルギルス(Aspergillus)種、サッカロミセス(Saccharomyces)種、チゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)種、ピチア(Pichia)種、クルイヴェロミセス(Kluyveromyces)種、カンジダ(Candida)種、ハンゼヌラ(Hansenula)種、デュナリエラ(Dunaliella)種、デバリオミセス(Debaryomyces)種、ケカビ(Mucor)種、トルロプシス(Torulopsis)種、メチロバクテリア(Methylobacteria)種、バシラス(Bacillus)種、エシェリキア(Escherichia)種、シュードモナス(Pseudomonas)種、リゾビウム(Rhizobium)種、およびストレプトミセス(Streptomyces)種からなる群から選択されることを特徴とする微生物。
  9. 請求項8に記載の形質転換された微生物であって、
    前記形質転換された微生物が、MG1655(ATCC 47076)、FM5(ATCC 53911)、W3110(ATCC 27325)、MC4100(ATCC 35695)、およびW1485(ATCC 12435)からなる群から選択される大腸菌(Escherichia coli)株であることを特徴とする微生物。
  10. 3−ヒドロキシニトリルを3−ヒドロキシカルボン酸に加水分解する方法であって、
    (a)水性反応混合物中の3−ヒドロキシニトリルとニトリラーゼ触媒とを同一反応条件下で接触させ、それによって前記3−ヒドロキシニトリルが対応する3−ヒドロキシカルボン酸に加水分解されるステップであって、該ニトリラーゼ触媒が請求項1〜3のいずれか一項に記載の単離された核酸分子によってコード化されているものであるステップと、
    (b)ステップ(a)で生成された3−ヒドロキシカルボン酸を任意選択的に単離するステップと
    を含むことを特徴とする方法。
  11. 請求項10に記載の方法であって、
    前記3−ヒドロキシニトリルが3−ヒドロキシバレロニトリルまたは3−ヒドロキシブチロニトリルであることを特徴とする方法。
  12. 請求項10に記載の方法であって、
    前記ニトリラーゼ触媒が、A.ファシリス(facilis)72W(ATCC 55746)ニトリラーゼの活性と比較して、少なくとも5倍、ニトリラーゼ活性を増大させることを特徴とする方法。
  13. 3−ヒドロキシバレロニトリルを3−ヒドロキシ吉草酸に加水分解する方法であって、
    (a)水性反応混合物中の3−ヒドロキシバレロニトリルと、請求項1〜3のいずれか一項に記載の単離された核酸分子によってコード化されているニトリラーゼ触媒とを接触させ、それによって前記3−ヒドロキシバレロニトリルが3−ヒドロキシ吉草酸に加水分解されるステップと、
    (b)ステップ(a)で生成された3−ヒドロキシ吉草酸を任意選択的に単離するステップと
    を含むことを特徴とする方法。
  14. 3−ヒドロキシブチロニトリルを3−ヒドロキシ酪酸に加水分解する方法であって、
    (a)水性反応混合物中の3−ヒドロキシブチロニトリルと、配列番号6のポリペプチド配列を含むニトリラーゼ触媒とを接触させ、それによって前記3−ヒドロキシブチロニトリルが3−ヒドロキシ酪酸に加水分解されるステップであって、該ニトリラーゼ触媒が、同一反応条件下でのA.ファシリス(facilis)72W(ATCC 55746)ニトリラーゼの活性と比較して、ニトリラーゼ活性に少なくとも1.8倍の改善を有するものであるステップと、
    (b)ステップ(a)で生成した3−ヒドロキシ酪酸を任意選択的に単離するステップと
    を含むことを特徴とする方法。
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