JP4928467B2 - ホルムアルデヒドおよびシアン化水素からグリコール酸を製造するための方法 - Google Patents
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Description
(3)HCN+HCHO → HOCH2CN
a)特定可能な時間にわたって約90℃〜約150℃の温度に加熱された水性ホルムアルデヒド供給流れを提供するステップと、
b)(a)の加熱された水性供給流れをグリコロニトリル合成に適切な温度でシアン化水素と接触させ、それによってグリコロニトリルが製造されるステップと、
c)ステップ(b)で製造されるグリコロニトリルを適切な水性反応混合物中でニトリラーゼ活性を有するポリペプチドを含む酵素触媒と接触させるステップであって、前記ポリペプチドが、
(1)アミノ酸残基168でのリシン、メチオニン、トレオニン、またはバリンによる置換、および
(2)アミノ酸残基201でのグルタミン、グリシン、ヒスチジン、リシン、アスパラギン、セリン、アラニン、システイン、またはトレオニンによる置換
からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換された配列番号6のアミノ酸配列を有し、それによってグリコール酸が塩または酸の形で製造され、前記酵素触媒が、同一の反応条件下でグリコロニトリルをグリコール酸に変換する場合に、アシドボラックス・ファシリス(Acidovorax facilis)72Wニトリラーゼ触媒のニトリラーゼ活性に対して少なくとも1.5倍の増加を提供するステップと、
d)塩または酸の形で(c)において製造されるグリコール酸を回収するステップと
を含むホルムアルデヒドおよびシアン化水素からグリコール酸を製造する方法を提供することによって解決されている。
(a)特定可能な時間にわたって約90℃〜約150℃の温度に加熱された水性ホルムアルデヒド供給流れを提供するステップと、
(b)(a)の加熱された水性供給流れをグリコロニトリル合成に適切な温度でシアン化水素と接触させ、それによってグリコロニトリルが製造されるステップと、
(c)ステップ(b)のグリコロニトリルを適切な水性反応混合物中でニトリラーゼ活性を有するポリペプチドを含む酵素触媒と接触させ、それによってグリコール酸が製造されるステップと、
(d)イオン交換によって(c)において製造されたグリコール酸を回収するステップであって、前記グリコール酸が少なくとも99.9%の純度を有するステップと
を含む、ホルムアルデヒドおよびシアン化水素からグリコール酸を製造するための方法が提供される。
本発明は、図面、配列表、生物寄託、および本出願を同時に形成する詳細な説明からより完全に理解されうる。
以下の配列の説明および本明細書に添付された配列表は、37C.F.R.§1.821〜1.825に記載された特許出願におけるヌクレオチドおよび/またはアミノ酸配列の開示を規定する規則に従うものである。配列の説明は、参照により本明細書で援用される、(非特許文献5)および(非特許文献6)に記載されたIUPAC−IYUB標準に従って定義されたヌクレオチド配列の特徴を表す1文字表記およびアミノ酸を表す3文字表記を含む。ヌクレオチドおよびアミノ酸配列データに使用される記号および書式は、37C.F.R.§1.822に記載された規則に従うものである。
以下の生物寄託は、特許手続きのための微生物寄託の国際認識に関するブダペスト条約の下に行われた。すなわち、
(a)アミノ酸残基168でのリシン、メチオニン、トレオニン、またはバリンによる置換、および
(b)アミノ酸残基201でのグルタミン、グリシン、ヒスチジン、リシン、アスパラギン、セリン、アラニン、システイン、またはトレオニンによる置換
からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換による配列番号6のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むニトリラーゼ活性の大幅な改善を有する。
本開示において、多くの用語および略語が使用される。以下の定義が、別段の規定がない限り適用される。
本明細書で使用される「反応性抽出法」という語は、グリコール酸(すなわち、第2の相)を含む水溶液を水非混合性有機溶媒(すなわち、第1の相)と接触(すなわち、混合)し、それによってグリコール酸が第3トリアルキルアミンと反応してグルコール酸、すなわち、トリアルキルアミン錯体を形成する方法を指す。錯体は有機相において可溶性であり、グリコール酸を水相(すなわち、実質的な量の不純物を含む第2の相)から有機相へ抽出し、「グリコール酸充填第1の相」を形成する。グリコール酸充填第1の相は、その後に水性の第2の相から単離される。次いで、逆抽出法を使用し、グリコール酸を有機相から元の水相(すなわち、「第3の相」)に抽出する。反応性抽出法に使用される時間の長さおよび温度は、抽出効率を最適化するために調節されうる。1つの実施形態において、第1および第2の相の混合時間は約5分〜約8時間、好ましくは、約5分〜約1時間、より好ましくは、約10分〜約30分である。温度は、約5℃〜約90℃、より好ましくは、約25℃〜約75℃、かつ最も好ましくは、約25℃〜約50℃でありうる。
メチルイソブチルケトン、1−オクタノール、1−デカノール、塩化メチレン、1−クロロブタン、クロロベンゼン、クロロホルム、ケロシン、トルエン、混合キシレン、トリブチルリン酸、およびそれの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの希釈剤と
を含む有機溶媒混合物を記載するために使用される。
本明細書で使用される「直接脱アンモニア」、「熱塩クラッキング」、「熱塩分解」、「熱分解」および「塩クラッキング」は、酸のアンモニウム塩を遊離有機酸およびアンモニアへ分解する期間、熱処理が有機酸のアンモニウム塩(すなわち、グリコール酸アンモニウム)に適用される方法を指す。本発明において、熱分解は主にグリコール酸およびアンモニアを製造するために使用される。グリコールアミドおよびグリコール酸のオリゴマーなどさまざまな副産物が、生成物混合物においても形成されうる。
本明細書で使用される「アルコール分解」は、エステル化剤およびストリッピング気体として作用する加熱アルコール蒸気とグリコール酸アンモニウムの水溶液を反応させ、グリコール酸エステルを含む蒸気生成物流れをもたらす方法を指す(同時係属中の米国仮特許出願第60/638,126号明細書を参照)。本明細書で使用される「メタノリシス」は、アルコールがメタノールであり、対応するエステルがグリコール酸メチルであるアルコール分解の方法を指す。
ホルムアルデヒドおよびシアン化水素の水溶液を反応させることによるグリコロニトリルを合成する方法は以前に報告されている(米国特許公報(特許文献2)、米国特許公報(特許文献3)、および米国特許公報(特許文献4)、式3)。
グリコール酸を製造する本方法は、グリコロニトリル合成に適切な反応温度で加熱処理ホルムアルデヒドおよびシアン化水素を接触させることによって水性グリコロニトリルを製造する方法を含む(比較例Aおよび実施例1−10を参照)。ホルムアルデヒドはシアン化水素と反応させる前に加熱され、グリコロニトリルを製造する。ホルムアルデヒドの開始濃度は一般的に約5wt%〜約70wt%ホルムアルデヒドの水溶液である。1つの実施形態において、ホルムアルデヒド供給流れは約20wt%〜約55wt%ホルムアルデヒドからなる。別の実施形態において、ホルムアルデヒド供給流れは約37wt%ホルムアルデヒド(例えば、ホルマリン)からなる。ホルムアルデヒド供給流れは、場合により、約0.1wt%〜約15wt%(一般的に6−8wt%)メタノール(一般的に約37wt%溶液に存在する添加剤)から成りうる。
本方法のステップによって製造されるグリコロニトリルは、その後に本酵素触媒と接触し、グリコール酸へ変換される(一般的にグリコール酸のアンモニウム塩の形で)。1つの実施形態において、本方法のステップによって製造されるグリコロニトリルは、鉱酸(例えば、HCl、H2SO4、またはH3PO4)により安定化され(一般的にグリコロニトリルが酵素変換前の一定期間、保存されることになる場合)、7以下のグリコロニトリルのpHを維持する(グリコロニトリルは塩基条件下で分解することが報告されている)。グリコロニトリルを安定化する必要は、保存時間および条件を含むさまざまな因子で決定される。当業者は、本方法のステップを使用して製造されるグリコロニトリルが酸安定化されるべきかどうか容易に判定することができる。別の好ましい実施形態において、グリコール酸は本方法によって得られるグリコロニトリル混合物に添加され、7以下のグリコロニトリルのpHを維持する。さらなる実施形態において、グリコール酸添加の量は、約6以下、好ましくは、約5以下、より好ましくは、約4以下、かつ最も好ましくは、約3.5以下のグリコロニトリルのpHを維持するために十分である。グリコール酸による安定化は、グリコロニトリルがその後に酵素触媒を使用してグリコール酸に変換される場合に好ましい実施形態である。この場合にpHを調節するグリコール酸の使用は、鉱酸の添加を回避し、ここで、グリコロニトリルのグリコール酸への変換とともに、鉱酸の存在および/または対応する鉱酸塩の製造は、グリコール酸生成物から鉱酸および/または対応する塩を除去する精製ステップを必要としうる。酸安定化グリコロニトリル溶液のpHは一般的に、グリコロニトリルのグリコール酸への酵素変換(一般的にグリコール酸のアンモニウム塩の形で)前に塩基でより中性のpH範囲(すなわち、約6〜約8のpH)に調節される。
A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼ(EC3.5.5.1)は脂肪族または芳香族ニトリルからカルボン酸を製造するための強固な触媒である((特許文献28)、米国特許公報(特許文献27)、およびチャーハン(Chauhan)ら、上記)。これはα−ヒドロキシニトリル(すなわち、グリコロニトリル)のα−ヒドロキシカルボン酸(すなわち、グリコール酸)の変換を触媒することも証明されている(米国特許公報(特許文献30)および米国特許公報(特許文献29)を参照)。しかし、改善されたニトリラーゼ活性および/または安定性(A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼに対して)を有するニトリラーゼ触媒は、グリコロニトリルをグリコール酸に変換する場合、グリコール酸を製造する費用を削減することになる。かかるものとして、改善されたニトリラーゼ触媒を使用するグリコール酸を製造する方法が、グリコール酸を製造する費用を削減するために必要である。
A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼ由来のいくつかの変異ニトリラーゼ(ニトリラーゼ活性を有するポリペプチド)は以前に報告されている(米国特許公報(特許文献31)、参照により本明細書で援用される)。米国特許公報(特許文献31)において、さまざまな変異ニトリラーゼが選択され、3−ヒドロキシルニトリルを3−ヒドロキシ酸に変換するためのニトリラーゼ活性における相対的改善(組換え発現された天然72Wニトリラーゼの活性に対して)についてスクリーニングした。
a)アミノ酸位置168でのリシン、メチオニン、トレオニン、またはバリンの置換、および
b)アミノ酸位置201でのグルタミン、グリシン、ヒスチジン、リシン、アスパラギン、セリン、アラニン、システイン、またはトレオニンの置換
からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換をもたらす少なくとも1つの突然変異を伴う配列番号6のアミノ酸を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列含んで成り、前記変異は、グリコロニトリルをグリコール酸に変換する場合にニトリラーゼ活性の少なくとも1.5倍の改善を有する。
1.拡張フォーマット:野生型アミノ酸は(標準3文字略号を使用して)配列番号6内の対応するアミノ酸残基位置の後、同一の残基位置での変異内に存在する新しいアミノ酸ととともに提供される。例えば、「Phe168からLys」または「Phe168→Lys」により、フェニルアラニンが突然変異の結果としてリシンに変化したアミノ酸残基位置168での配列番号6における突然変異が記載される。
2.短略フォーマット:野生型アミノ酸(標準単一文字略号によって表示)には配列番号6のアミノ酸残基位置が続いた後、変異アミノ酸(やはり標準単一文字略号によって表示)が続く。例えば、「F168K」により、フェニルアラニンが突然変異の結果としてリシンに変化したアミノ酸残基位置168での配列番号6における突然変異が記載される。
グリコロニトリルのグリコール酸(酸および/または対応するアンモニウム塩の形で)への酵素変換を、以下に記載した適切な一連の酵素反応条件(pH範囲、温度、濃度等)を使用するグリコロニトリルを含む適切な水性反応混合物と(ニトリラーゼ活性を有するポリペプチドを含む)酵素触媒を接触させることによって実行した。1つの実施形態において、全組換え微生物細胞がいかなる前処置もなしに酵素触媒として使用される。別の実施形態において、微生物細胞触媒は反応混合物に直接添加され、または中空繊維膜カートリッジもしくは限外ろ過膜を使用してバルク反応混合物から別々に維持されうる。さらなる実施形態において、微生物細胞はポリマーマトリックス(例えば、カラゲナンまたはポリアクリルアミドゲル(PAG)粒子)または不溶性固体支持体(例えば、セリット)に固定化され、酵素触媒の回収および再利用を促進する(米国特許公報(特許文献27)、参照により本明細書で援用される))。さらに別の実施形態において、精製酵素または部分的精製酵素も全細胞から単離し、触媒として直接使用することができ、または触媒は、ポリマーマトリックスもしくは不溶性支持体に固定化されうる。細胞の固定化または単離酵素のための方法は広く報告されており、当業者に公知である(非特許文献11)。A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼ触媒の固定化は以前に報告されている(米国特許公報(特許文献27))。
本ニトリラーゼ変異は、異種宿主細胞、好ましくは、微生物宿主において製造されうる。本発明において特に有用となるのは、大規模な発酵方法に容易に適合される細胞である。かかる微生物は工業的バイオプロセスの当技術分野で公知であり、その例は、(非特許文献12)において確認することができ、発酵性細菌のほか酵母および糸状菌を含む。宿主細胞としては、コマモナス(Comamonas)種、コリネバクテリウム(Corynebacterium)種、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)種、ロドコッカス(Rhodococcus)種、アゾトバクター(Azotobacter)種、シトロバクター(Citrobacter)種、エンテロバクター(Enterobacter)種、クロストリジウム(Clostridium)種、クレブシエラ(Klebsiella)種、サルモネラ(Salmonella)種、ラクトバチルス(Lactobacillus)種、アスペルギルス(Aspergillus)種、サッカロミセス(Saccharomyces)種、チゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)種、ピチア(Pichia)種、クルイベロミセス(Kluyveromyces)種、カンジダ(Candida)種、ハンセニュウラ(Hansenula)種、デュナリエラ(Dunaliella)種、デバリオミセス(Debaryomyces)種、ケカビ(Mucor)種、トルロプシス(Torulopsis)種、メチロバクテリア(Methylobacteria)種、バチルス(Bacillus)種、エシェリキア(Escherichia)種、シュードモナス(Pseudomonas)種、リゾビウム(Rhizobium)種、およびストレプトミセス(Streptomyces)種が挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましいのは、大腸菌(E.coli)である。変異ニトリラーゼ遺伝子が発現されうる適切な大腸菌(E.coli)宿主細胞の例としては、本明細書に規定されている宿主細胞、およびMG1655(ATCC47076)、FM5(ATCC53911)、W3110(ATCC27325)、MC4100(ATCC35695)、W1485(ATCC12435)、およびその誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。別の態様において、好ましい大腸菌(E.coli)宿主株は、MG1655(ATCC47076)またはFM5(ATCC53911)である。
(安定化剤)
グリコロニトリルはホルムアルデヒドをシアン化水素と反応させることによって合成されうる(米国特許公報(特許文献2)、米国特許公報(特許文献3)、米国特許公報(特許文献4)、および米国仮特許出願第60/638,127号明細書)。反応物質の純度およびグリコロニトリルを製造するために使用される反応条件によって、さまざまな不純物が最終生成物に存在しうる。これらの不純物は、グリコロニトリルをグリコール酸に変換する効率を阻害しうる。1つの実施形態において、グリコロニトリル水溶液は、場合により、酵素的にグリコール酸に変換される前に望ましくない不純物を除去するために処理されうる。好ましい実施形態において、本方法において製造されるグリコロニトリルは、本酵素触媒と接触する前に追加の精製ステップを必要としない。
ニトリラーゼ安定性を増大させる別の方法は、水性反応混合物におけるグリコロニトリルの最大濃度の制御である(米国仮特許出願第60/638176号明細書)。以前に記載された通り、グリコロニトリルは極性溶媒で分解し、ホルムアルデヒドおよびシアン化水素を放出する。反応混合物におけるホルムアルデヒドは酵素触媒と反応し、早すぎる不活性化、および触媒生産性の減少をもたらす。溶液中のグリコロニトリルの濃度の制御は、触媒安定性および触媒の生産性(触媒のグラム当りで製造されるグリコール酸のグラム)を増大させうる。実施例22−25に示されているように(表10)、アシドボラックス・ファシリス(Acidovorax facilis)72W由来のニトリラーゼ触媒は、わずか3つのリサイクル反応後に3Mグリコロニトリルを含有する反応におけるその活性を迅速に喪失する。濃度を1Mに減少させ、および/または1M増分で3Mグリコロニトリルの段階的な添加(以前のグリコロニトリルの添加がグリコール酸アンモニウムに変換された後添加される)は、触媒生産性を大幅に増加させる(表10)。1つの実施形態において、グリコロニトリルの水性反応混合物への段階的な添加(アリコート)が触媒の生産性を増加させる。別の実施形態において、グリコロニトリルは段階的に水性反応混合物に添加され、グリコロニトリルの総濃度は反応中に約1M以下のままである。
本方法のニトリラーゼ触媒を使用する反応は一般的に約5〜約10、好ましくは、5.5〜約8、より好ましくは、約5.5〜約7.7、かつ最も好ましくは、約6〜約7.7のpHで実行される。
本変異ニトリラーゼ遺伝子を使用する本ニトリラーゼの商業的製造が望ましい場合、さまざまな培養方法が使用されうる。一連の発酵は、バッチ、フェドバッチ、または連続的様式、当技術分野で公知の方法で実行されうる((非特許文献13)、(非特許文献14))。
グリコール酸の製造を分析するために適切な分析方法は、1HNMR、13C NMR、HPLC、CE、GC、およびMSを含むが、これらに限定されず、当技術分野で公知である。例えば、HPLC分析を使用し、屈折率検出器およびBio−Rad HPX−87Hカラム(30cm×7.8mm直径)および50℃下に移動相として1.0mL/分(等張)で0.01N硫酸を使用してグリコール酸生産量を測定した。HPLC方法は基質(グリコロニトリル)および生成物(グリコール酸)の定量化に適切であった。
イオン交換(陰イオンおよび/または陽イオン)、電気透析、反応性溶媒抽出、アルコール分解(エステル化後にグリコール酸エステルのグリコール酸への加水分解陰)、熱塩クラッキング、およびそれらの組合せを含むがこれらに限定されない、グリコール酸アンモニウムを含む水溶液からα−ヒドロキシ酸(すなわち、グリコール酸)を回収/単離することができる多くの方法がある。
陽イオン交換は、溶解イオン種が化学量論的に固体によって吸収される可逆性の方法である。陽イオン交換は当技術分野で公知である。本方法において、グリコール酸アンモニウムは陽イオン交換樹脂に供給されるが、そこでアンモニウムイオンは陽子と交換され、グリコール酸を形成する(実施例38を参照)。グリコール酸はカラムを通過し、収集される。
陰イオン交換も当技術分野で公知である。陰イオン交換は、弱陰イオン樹脂が使用されることを除き陽イオン交換と同様である((非特許文献15)を参照)。前と同様、樹脂の選択は供給濃度に影響を及ぼしうるが、これは約0.02wt%〜約90wt%グリコール酸アンモニウム、好ましくは、約0.02wt%〜約40wt%でありうる。樹脂の再生では一般的に弱酸が使用される。
カルボン酸を単離するために使用されている1つの方法が反応性抽出である。この方法は、乳酸アンモニウムから乳酸を抽出するために有用であることが報告されている((非特許文献16))。反応性抽出は、水相で酸と複合体を形成する反応性有機溶媒(すなわち、アミン)の使用を含む。この方法における第1のステップは一般的に所望の酸の塩を含有する水溶液の酸性化を含む。次いで、酸性化水溶液は、一般的に反応性第3アミンおよび1つまたは複数の希釈剤からなる有機溶媒と接触する。反応性アミン(一般的に、Alamine(登録商標)336、コグニス社(Cognis Corp)、オハイオ州シンシナティ(Cincinnati、OH)など第3C8−C10トリアルキルアミン)は、有機相で優先的に可溶性である酸/アミン錯体を形成するカルボン酸と反応される((非特許文献17)、(非特許文献18))。第3アルキルアミンの使用は一般的に、通常の溶媒抽出物で得られるであろうものより高い分配係数を提供する。次いで、逆抽出を使用し、有機相から酸を回収する。
a)第1の相を提供するステップであって、前記第1の相が、
i)前記第1の相の約30体積パーセント〜約99体積パーセントが、式
ii)前記第1の相の約1体積パーセント〜約70体積パーセントが、メチルイソブチルケトン、1−オクタノール、1−デカノール、塩化メチレン、1−クロロブタン、クロロベンゼン、クロロホルム、ケロシン、トルエン、混合キシレン、トリブチルリン酸、およびそれの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの希釈剤である
を含む水不混和有機混合物であるステップと、
b)第2の相を提供するステップであって、前記第2の相が、約3以下のpHを有するグリコール酸を含む水溶液であり、前記第2の相が、
i)グリコール酸アンモニウムの水溶液を提供する方法であって、前記グリコール酸アンモニウムの水溶液が約5重量%〜約40重量%の濃度のグリコール酸アンモニウムを有する方法と、
ii)(b)(i)のグリコール酸アンモニウム水溶液のpHを約3以下に低下させるのに十分な量の鉱酸を添加し、それによってグリコール酸を含む水溶液が形成される方法と
によって形成されるステップと、
c)前記第1の相を反応性抽出方法で前記第2の相と接触させ、それによってグリコール酸充填第1の相を形成するステップと、
d)前記グリコール酸充填第1の相を単離するステップと、
e)前記グリコール酸充填第1の相を逆抽出方法で第3の相と接触させ、それによってグリコール酸充填第1の相のグリコール酸が前記第3の相へ抽出されるステップであって、前記第3の相が前記グリコール酸充填第1の相で非混合性であるステップと、
f)前記第3の相からグリコール酸を回収するステップと
を含む。
コックレム(Cockrem)(米国特許公報(特許文献35))は、酸、エステル、および未反応アンモニウム塩を含有する液体流れを製造するアルコールとの有機酸のアンモニウム塩の混合物の迅速な加熱を開示している。コックレム(Cockrem)は、酸およびエステルからの未反応塩の分離に対処できない。しかし、この課題に対処する、グリコール酸アンモニウムを含む水溶液から(蒸気として)グリコール酸エステルを分離するアルコール分解(エステル化剤およびストリッピング気体として作用する加熱アルコール蒸気)を使用する方法が記載されている(本実施例67−74、および米国特許仮出願第60/638,126号明細書、参照により本明細書で援用される)。
(4)HOCH2CO2 -NH4 ++R2OH → HOCH2CO2R2+NH3+H2O
(a)(i)グリコール酸アンモニウムを含む水溶液と、
(ii)式
R2−OH
[式中、R2はC1〜C4直鎖または分岐アルキル基である。]を有するアルコールを含む加熱アルコール蒸気供給流れと、
(iii)反応管と、を提供するステップと、
(b)グリコール酸アンモニウムを含む前記水溶液を前記反応管における前記加熱アルコール蒸気供給流れと接触させ、それによってグリコール酸エステルを含む第1の蒸気生成物流れが生成されるステップと、
(c)前記第1の蒸気生成物流れからグリコール酸エステルを回収するステップと、
(d)(c)のグリコール酸エステルをグリコール酸へ加水分解するステップと、
(e)ステップ(d)で生成されたグリコール酸を回収するステップと
を含むグリコール酸アンモニウムを含む水溶液からグリコール酸を得る方法を提供する。
双極膜による電気透析(EDBM)が対応するアンモニウム塩からの有機酸の回収に提案されている。EDBMを作動するために、溶液は導電性でなければならない。弱酸のアンモニウム塩のために、EDBMの生成物(有機酸および水酸化アンモニウム)はきわめて弱い導体であり、結果として溶液の高い抵抗および低い生産速度が生じる。これを弱めるために、導電性塩(すなわち、塩化アンモニウム)が塩基ループ(水酸化アンモニウム流れ)に添加される。塩基濃度が増加するとともに、アンモニアは溶液から除去され、アンモニウム塩はリサイクルされ、導電性を維持しうる。
ヒドロキシル基からなるカルボン酸のアンモニウム塩は、凝縮重合を受け、二量体、オリゴマー、およびポリマーを形成すると同時に、アンモニアを遊離しうる。結果として生じるポリマーは、任意の数の方法を使用する反応混合物から分離されうる。反応混合物から分離されると、脱重合を使用して遊離酸を得ることができる。
熱分解(「塩クラッキング」)を使用し、グリコール酸を含む生成物を得ることができる(本実施例62−66、および同時係属中の米国仮特許出願第60/638,148号明細書、参照により全体として本明細書で援用される、を参照)。この方法は、実質的に無水グリコール酸アンモニウム塩を熱分解する前に1つまたは複数の化学薬品を添加する必要がない。
a)グリコール酸アンモニウムの水溶液を含む供給流れを提供するステップと、
b)自由水を供給流れから除去し、グリコール酸アンモニウムの実質的に無水塩を製造するステップと、
c)ステップb)の生成物をアンモニアを除去するのに十分な真空下に約140℃未満の温度に加熱し、それによってグリコール酸からなる第1の液体生成物混合物が製造されるステップと
を含む。
1つの実施形態において、この方法は、
d)ステップ(c)の第1の液体生成物混合物に水を添加し、第1の再水和液体生成物混合物を形成し、前記再水和液体生成物混合物がグリコール酸、グリコール酸オリゴマー、グリコールアミド、グリコール酸オリゴマーアンモニウム塩、および未反応グリコール酸アンモニウムを含むステップと、
e)ステップ(d)の再水和液体生成物混合物を、グリコール酸オリゴマーの一部が遊離グリコール酸ヘ加水分解される条件下で加熱し、グリコール酸を含む第2の液体生成物混合物が形成されるステップと
をも含みうる。
(5)HOCH2CO2 -NH4 + → NH3 + HOCH2CO2H
グリコールアミドの形成は、グリコール酸アンモニウムからグリコール酸を製造する場合に(使用される回収方法によって)ときに発生する望ましくない副産物である。グリコールアミドは、アンモニアのグリコール酸との反応によって形成される。式6。
(6)HOCH2CO2H + NH3 → HOCH2CONH2+H2O
(7)HOCH2CONH2+H2O → HOCH2CO2H+NH3
(8)HOCH2CONH2+R2OH → HOCH2CO2R2+NH3
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すために提供されている。当業者によって評価されるように、以下の実施例で開示された方法は、本発明の実施において十分に機能するために発明者によって発見された方法を表し、したがって、その実施のための好ましい様態であるとみなされうる。しかし、当業者は、本開示を踏まえて、開示され、かつ本発明の精神および範囲を逸脱せずに類似または同様の結果をさらに得る特定の実施形態において多くの変更がなされうることを評価する。
(HPLC分析)
反応生成物混合物を以下のHPLC法によって分析した。反応混合物のアリコート(0.01mL)を水1.50mLに添加し、HPLC(HPX 87Xカラム、30cm×7.8mm、0.01 NH2SO4移動相、50℃下、流量1.0mL/分、10μL注入体積、RI検出器、分析時間20分)によって分析した。アルドリッチ(Aldrich)から購入した市販のグリコロニトリルを使用して一連の濃度でのグリコロニトリルについて方法を較正した。
量的13C NMRスペクトルを400MHzで作動するバリアン・ユニティー・イノバ(Varian Unity Inova)分光計(バリアン社(Varian Inc.))、カリフォルニア州パロアルト(Palo Alto、CA))を使用して得た。D2O 0.5mLとともに反応生成物3.0mLを10mmNMR管に取ることによって試料を調製した。13C NMRスペクトルは一般的に100ppm、128Kポイント、および90度パルス(pw90=56dbのトランスミッタ出力で10.7マイクロ秒)で配置したトランスミッタで26kHzのスペクトル幅を使用して獲得された。最長の13C T1(23秒)は、GLNニトリル炭素と関連し、総リサイクル時間はこの値の10倍以上にセットされた(リサイクル遅延d1=240秒、捕捉時間=2.52秒)。360スキャンの信号加算平均は26.3時間の総実験時間を示した。核オーバーハウザー効果(NOE)は、捕捉時間(at)中のみ切断するワルツ(Waltz)変調1Hで開閉することによって抑制された。
(予熱0%のホルムアルデヒド連続的供給)
52wt%のホルムアルデヒド水溶液(<1%メタノール、本願特許出願人、デラウェア州ウィルミントン(Wilmington,DE))およそ10.18gを水12.81gと混合し、混合物が透明な均一の液体溶液になるまで約40分間約76℃にスラリーを加熱した。溶液を周囲温度に冷却させ、均一の液体を残した。次いで、16.7wt%水性NaOH溶液0.14mLをホルムアルデヒド溶液に添加した。結果として生じる溶液(23wt%ホルムアルデヒド)1.56gを反応管に配置し、残りを連続的ホルムアルデヒド供給に使用した。
50wt%の水性HCN溶液(d=0.86g/mL)を4.41mL/時
23wt%の水性ホルムアルデヒド、上記(d=1.07g/mL)を7.00mL/時。
(予熱90%のホルムアルデヒド連続的供給)
52wt%のホルムアルデヒド水溶液(<1%メタノール、本願特許出願人)およそ10.18gを水12.81gと混合し、混合物が透明な均一の液体溶液になるまで約40分間約76℃にスラリーを加熱した。溶液を周囲温度に冷却させ、均一の液体を残した。次いで、16.7wt%水性NaOH溶液0.16mLをホルムアルデヒド溶液に添加した。結果として生じる溶液(23wt%ホルムアルデヒド)1.56gを反応管に配置し、残りを連続的ホルムアルデヒド供給に使用した。
50wt%の水性HCN溶液(d=0.86g/mL)を4.41mL/時
23wt%の水性ホルムアルデヒド、上記(d=1.07g/mL)を7.00mL/時。
(予熱100%のホルムアルデヒド連続的供給)
52wt%のホルムアルデヒド水溶液(<1%メタノール、本願特許出願人)およそ10.18gを水12.81gと混合し、混合物が透明な均一の液体溶液になるまで約40分間約76℃にスラリーを加熱した。溶液を周囲温度に冷却させ、均一の液体を残した。次いで、16.7wt%水性NaOH溶液0.14mLをホルムアルデヒド溶液に添加した。結果として生じる溶液(23wt%ホルムアルデヒド)を連続的ホルムアルデヒド供給に使用した。
50wt%の水性HCN溶液(d=0.86g/mL)を4.41mL/時
23wt%の水性ホルムアルデヒド、上記(d=1.07g/mL)を7.67mL/時。
(予熱100%のホルムアルデヒド連続的供給)
37wt%のホルムアルデヒド水溶液(10−15%メタノール、アクロス・オルガニクス(Acros Organics)、ニュージャージー州モリスプレーンズ(Morris Plains,NJ))およそ14.20gを水8.78gおよび16.7wt%の水性NaOH 0.14mLと混合した。結果として生じる溶液(23wt%ホルムアルデヒド)を連続的ホルムアルデヒド供給に使用した。
50wt%の水性HCN溶液(d=0.86g/mL)を4.21mL/時
23wt%の水性ホルムアルデヒド、上記(d=1.07g/mL)を7.67mL/時。
(予熱100%のホルムアルデヒド連続的供給)
実施例4−8において、以下のグリコロニトリル合成手順を別々に5回反復した。
50wt%の水性HCN溶液(d=0.86g/mL)を82.4mL/時
37wt%の水性ホルムアルデヒド、上記(d=1.09g/mL)を92.7mL/時。
(予熱100%のホルムアルデヒド連続的供給)
16.7wt%の水性NaOH溶液およそ0.27mLを(7%〜8wt%のメタノールを含有する)37wt%のホルムアルデヒド水溶液54.5gに添加した。結果として生じる溶液を連続的ホルムアルデヒド供給ために使用した。
50wt%の水性HCN溶液(d=0.86g/mL)を7.02mL/時
37wt%の水性ホルムアルデヒド、上記(d=1.09g/mL)を7.67mL/時。
(予熱100%のホルムアルデヒド連続的供給)
16.7wt%の水性NaOH溶液およそ0.40mLを(7%〜8%のメタノールを含有する)37wt%のホルムアルデヒド水溶液58.0gに添加した。結果として生じる溶液を連続的ホルムアルデヒド供給のために使用した。
50wt%の水性HCN溶液(d=0.86g/mL)を7.02mL/時
37wt%の水性ホルムアルデヒド、上記(d=1.09g/mL)を7.67mL/時。
(高複製ニトリラーゼ発現プラスミドの構成)
合成オリゴヌクレオチドプライマー165(5’−CGACTGCAGTAAGGAGGAATAGGACATGGTTTCGTATAACAGCAAGTTC−3’、配列番号1)および
166(5’−TGATCTAGAGCTTGGAGAATAAAGGGGAAGACCAGAGATG−3’、配列番号2)
(これらは、それぞれ、PstlおよびXbal制限部位(下線)を組込む)を使用し、A.ファシリス(facilis)72W(ATCC55746)ゲノムDNA(配列番号5)からのニトリラーゼ遺伝子をPCR増幅した。
ステップ1:95℃で5分
ステップ2:95℃で0.5分(変性)
ステップ3:55℃で0.5分(アニーリング)
ステップ4:74℃で1分(伸長)
ステップ2−4は25サイクル反復される
(大腸菌(E.coli)における活性ニトルラーゼの発現)
プラスミドpSW138を使用し、大腸菌(E.coli)MG1655(ATCC47076)および大腸菌(E.coli)FM5(ATCC53911)を変換し、それぞれ、(1)MG1655/pSW138および(2)FM5/pSW138で識別された2つの株を生成した。各々の株を以下に記載した通り、ニトリラーゼ活性(グリコロニトリルのグリコール酸への変換)のために増殖、誘発、および分析した。6つの複製を各々の株について実行する。
1.細菌増殖
株接種材料をアンピシリン(50mg/L)を補充したLB培地で37℃下、振盪させて(200rpm)16−18時間、増殖させた。
2.ニトリラーゼ発現の誘導
十分な接種材料をアンピシリン(50mg/L)およびIPTG(1mM)を補充した新鮮LB培地に添加し、およそ0.1の初期OD(600nm)を得た。培養物を37℃下、振盪させて(200rpm)およそ6−8時間インキュベートした。
3.細菌回収
細菌細胞を遠心分離によって回収し、できる限り多くの液体を除去し、細胞ペレットを−70℃下に凍結した。
4.ニトリラーゼ活性のアッセイ
マイクロ攪拌バーを備えた温度調節された(25℃)20mLガラス製シンチレーションバイアルへ基質溶液(0.667Mグリコロニトリル、TCI)3.0mLおよび細胞懸濁液(100mMピロリン酸ナトリウムpH6.0中400mg湿細胞重量/mL、0.1μg/mL DNAse)1.0mLを添加した。最終グリコロニトリル濃度は500mMであり、最終細胞濃度は100mg/mLであった。試料(100μL)を5、10、15、30、45、および60分の時点で除去し、アッセイ混合物(脱イオン水100μL、6.0N HCl 3μL、200mM n−プロパノール200μL)に添加した後、ボルテックスし、遠心分離した。結果として生じる上清をHPLC(HPX 87Hカラム、30cm×7.8mm、0.01N H2SO4移動相、50℃で1.0mL/分の流れ、10μL注入体積、20分分析時間)によってグリコロニトリル(GLN)およびグリコール酸(GLA)について分析した。乾燥細胞重量(dcw)をマイクロ波乾燥によって複製サンプルで測定した。ニトリラーゼ活性をU/g dcwとして報告したが、ここで1単位(U)は25℃下1分での1μmolのGLNをGLAへ変換する(表2)。
(変異性ポリメラーゼ連鎖反応によるA.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼランダム突然変異誘発ライブラリの構成)
Puregene(登録商標)DNA単離キットをメーカーの指示(ジーントラ・システムズ(Gentra Systems)、ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis,MN)に従って使用することによりA.ファシリス(facilis)72W(ATCC55746)からゲノムDNAを調製した。GeneMorph(登録商標)PCR突然変異誘発キット(ストラタジーン(Stratagene)、カリフォルニア州ラホーヤ(La Jolla,CA))により供給された指示に従って配列番号3(5’−GCGCATATG GTTTCGTATAACAGCAAGTTCC3’)および配列番号4(5’−ATAGGATCCTTATGGCTACTTTGCTGGGACCG−3’)として識別されたプライマーを使用することにより、A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼ遺伝子(コード配列、配列番号5)で変異性PCRを実行した。低い突然変異頻度(0−3突然変異/kb)および中間の突然変異頻度(3−7突然変異/kb)を誘発するために推奨される反応条件を使用した。10パーセントの1.1kb PCR生成物をpTrcHis2 TOPO(登録商標)TA発現キット(インビトロジェン(Invitrogen)、カリフォルニア州カールスバッド(CA,Carlsbad))により供給された指示に従って発現ベクターpTrcHis2 TOPO(登録商標)へライゲートした。ライゲーション混合物の半分を供給元の勧告(インビトロジェン(Invitrogen)に従って大腸菌(E.coli)TOP10ヘ形質転換した。1パーセントの形質転換混合物を50mg/Lアンピシリンで補充したLBプレートへプレーティングした。結果として生じる形質転換体は合計200−400コロニーとなり、生成された総PCR生成物が、改善された酵素活性をスクリーニングにするのに必要な十分すぎる400,000−800,000コロニーをもたらすことが可能であることを示した。突然変異の頻度はクローンのランダム選択試料のヌクレオチド配列解析によって確認された。配列解析では、およそ50%の挿入が、予想通り順方向の配向にあったことも確認された。SDS−PAGE分析では、順方向の配向の挿入を有する本質的にすべてのクローンが、勧告通り(インビトロジェン(Invitrogen))増殖および誘発されると、約41kDaのニトリラーゼタンパク質を発現することが確認された。
(ニトリラーゼ活性の増大に対するA.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼランダム突然変異誘発ライブラリのスクリーニング)
低い突然変異頻度の変異性PCRライブラリ(実施例13に記載された通り構成)からおよそ10,000コロニーを50mg/Lアンピシリンを補充したLB寒天上にプレーティングした。高い処理量のスクリーニングをロボットを使用する96ウェルマイクロタイタープレートにおいて実行した。37℃下、200rpm振盪で18時間、50mg/Lアンピシリンおよび1mM IPTG(イソプロピル−β−D−チオガラクトピラニシド)を補充した液体LB中で個々のコロニーの増殖後、培養物には37℃下、80Hz線形振盪で1時間50mMグリコロニトリル(GLN)を供給した。細菌細胞をろ過して除去することによって反応を停止し、分析すべき上清をマイクロタイタープレートに密閉し、分析まで4℃下に保存した。
(ニトリラーゼ活性の増大を与えるA.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼにおける突然変異の識別)
ヌクレオチド配列解析を使用し、実施例14に記載された通り単離された7つのTOP10変異株のニトリラーゼ遺伝子に存在する突然変異を識別し、対応するアミノ酸変化を推定した。7つの株すべては同一のニトリラーゼ配列(配列番号8)を示し、pNM18−201Qとして識別されるプラスミドにおけるGLNに変化した位置201で単一のアミノ酸変化、Leu(L201Q)を有した。この変化は、SDS−PAGE分析によって測定される通り、ニトリラーゼタンパク質生成に対する検出可能な効果を(天然酵素と比べ)示さなかった。
(アミノ酸残基位置201でのニトリラーゼの飽和突然変異誘発)
A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼ酵素のアミノ酸位置201での飽和突然変異誘発ライブラリを縮重オリゴヌクレオチドおよびQuikChange(登録商標)部位特異的突然変異誘発キット(ストラタジーン(Stratagene)、カリフォルニア州ラホーヤ(La Jolla,CA))をメーカーの指示に従って使用することにより構成した。このライブラリのおよそ500のメンバーを以前に記載した通り(実施例14)ニトリラーゼ活性の増大ついてスクリーニングした。ヌクレオチド配列解析を使用し、ニトリラーゼ活性の増大を与える位置201でのアミノ酸変化を判定した。L201Q(配列番号8)に加えて、ニトリラーゼ活性の増大を与える以下の突然変異をスクリーニングから識別した。すなわち、それぞれ、pNM18−201G、pNM18−201H、pNM18−201K、pNM18−201N、pNM18−201S、pNM18−201A、pNM18−201C、およびpNM18−201Tとして識別されたプラスミドにおけるL201G(配列番号16)、L201H(配列番号18)、L201K(配列番号20)、L201N(配列番号22)、L201S(配列番号24)、L201A(配列番号10)、L201C(配列番号12)、およびL201T(配列番号14)。
(A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼ触媒ドメインの標的飽和突然変異誘発)
われわれは、A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼ(配列番号6)内の触媒ドメインが、2−ヒドロキシニトリル、すなわちグリコール酸へのニトリラーゼ活性を増大させる試みにおいて突然変異する適切な部位であると仮定した。
(MG1655/pSW138−168K、MG1655/pSW138−168M、MG1655/pSW138−168T、MG1655/pSW138−168V、MG1655/pSW138−201Q、MG1655/pSW138−201G、MG1655/pSW138−201H、MG1655/pSW138−201K、MG1655/pSW138−201N、およびMG1655/pSW138−201Sの構成)
プラスミドpNM18−168K、pNM18−168M、pNM18−168T、pNM18−168V、pNM18−201Q、pNM18−201G、pNM18−201H、pNM18−201K、pNM18−201N、およびpNM18−201Sの各々をEcoRIで切断し、より小さなEcoRl断片(907bp)をプラスミドpSW138にサブクローン化し(実施例11に記載)、これもEcoRlで切断されていたが、それぞれ、プラスミドpSW138−168K、pSW138−168M、pSW138−168T、pSW138−168V、pSW138−201Q、pSW138−201G、pSW138−201H、pSW138−201K、pSW138−201N、およびpSW138−201Sを生成した。プラスミドpSW138−168K、pSW138−168M、pSW138−168T、pSW138−168V、pSW138−201Q、pSW138−201G、pSW138−201H、pSW138−201K、pSW138−201N、およびpSW138−201Sの各々を使用し、大腸菌(E.coli)MG1655を変換し、それぞれ、株MG1655/pSW138−168K、MG1655/pSW138−168M、MG1655/pSW138−168T、MG1655/pSW138−168V、MG1655/pSW138−201Q、MG1655/pSW138−201G、MG1655/pSW138−201H、MG1655/pSW138−201K、MG1655/pSW138−201N、およびMG1655/pSW138−201Sを生成した。
(10リットル発酵によって生成される突然変異のニトリラーゼ活性)
大腸菌(E.coli)種培養を発酵槽の接種前に30℃下、振盪して(300rpm6−10時間(OD550=1−2)mL当り0.1mgのアンピシリンを補充したLB培地500mL中で増殖させた。
(大腸菌(E.coli)TOP10/pNM18、大腸菌TOP10/pNM18−201A、大腸菌TOP10/pNM18−201C、および大腸菌TOP10/pNM128−201Tのニトリラーゼ活性の測定(振盪フラスコ))
複製で、一夜培養物(LB+50μg/mLアンピシリン、振盪により37℃)10mLを200mL(LB+50μg/mlアンピシリン+1mM IPTG)に添加し、37℃下、振盪して4−5時間インキュベートした(最終OD600およそ2.0)。細胞を4℃下に遠心分離によって収集し、80℃下に保存した。
(固定化大腸菌(E.coli)SS1001(ATCC PTA−1177)の調製)
大腸菌(E.coli)株SS1001(ATCCPTA−1177)は、アシドボラックス・ファシリス(Acidovorax facilis)72Wニトリラーゼを発現する形質転換大腸菌(E.coli)株である(米国特許公報(特許文献27)、参照により本明細書で援用される)。組換え発現(大腸菌(E.coli))SS1001)ニトリラーゼのコード配列(配列番号37−38)は、野生型72Wニトリラーゼ配列(配列番号5)と比較して2つの小さな配列変化を含有する。開始コドンはGTGからATGに変化して組換え発現を促進し、アーチファクトがクローニング中に導入され、これは結果としてC末端の近くに単一アミノ酸変化をもたらした(Pro367[CCA]→Ser[TCA])。
(1Mグリコロニトリル(GLN)のグリコール酸アンモニウム(NH4GLA)への変換)
オーバーヘッド攪拌器を備えた50−mLジャケット付き反応管に大腸菌(E.coli)SS1001ビーズ(実施例21)4g、脱イオン化水13.73mL、5M NH4GLA 0.4mL、およびGLN(水中約52wt%(TCI))1.87mL、0.89M GLN最終濃度、pH7.6に調節したpHを充填し、混合物を25℃下に攪拌し、アリコート0.2mLを取出し、HPLCによる反応経過に従った。すべてのGLNがNH4GLAに変換された場合、生成物溶液を静かに注ぎ、脱イオン水14.13mLおよびGLN 1.87mLをpH7.6にpH調節したバイオ触媒に添加し、かつバイオ触媒リサイクルを反復した。最初のバイオ触媒リサイクルでのNH4GLA合成の初速度は143mM/時であった。NH4GLA合成対リサイクル回数の初速度の減少率は表10に示されている(「1M」)。
(およそ3Mグリコロニトリル(GLN)のグリコール酸アンモニウム(NH4GLA)への変換)
オーバーヘッド攪拌器を備えた50−mLジャケット付き反応管に大腸菌(E.coli)SS1001ビーズ(実施例11)4g、脱イオン化水6.39mL、1M KHCO3 4mL、およびGLN(水中約52wt%(TCI))5.61mL、2.68M GLN最終濃度、pH7.6に調節したpHを充填し、混合物を25℃下に攪拌し、アリコート0.2mLを取出し、HPLCによる反応経過に従った。すべてのGLNがNH4GLAに変換された場合、生成物溶液を静かに注ぎ、脱イオン水6.39mL、1M KHCO3 4mL、およびGLN 5.61mLをpH7.6にpH調節したバイオ触媒に添加し、かつバイオ触媒リサイクルを反復した。最初のバイオ触媒リサイクルでのNH4GLA合成の初速度は207mM/時であった。NH4GLA合成対リサイクル回数の初速度の減少率は表10に示されている(「3M」)。
(グリコール酸アンモニウム(NH4GLA)を得るおよそ1M増分(1M+1M+1M)でのおよそ3Mグリコロニトリルの添加)
オーバーヘッド攪拌器を備えた50−mLジャケット付き反応管に大腸菌(E.coli)SS1001ビーズ(実施例21)4g、脱イオン化水8.13mL、1M KHCO3 4mL、およびGLN(水中約52wt%(TCI))1.87mL、0.89M GLN最終濃度、pH7.6に調節したpHを充填し、混合物を25℃下に攪拌し、アリコート0.2mLを取出し、HPLCによる反応経過に従った。すべてのGLNがNH4GLAに変換された場合、GLN 1.87mLの第2の部分を添加し、pHをpH7.6に調節し、すべてのGLNが消費された場合、GLN 1.87mLの第3の部分を添加し、pHをpH7.6に調節し、反応を完了し、およそ3M NH4GLA溶液を得た。生成物溶液を静かに注ぎ、脱イオン水8.13mL、1M KHCO3 4mL、およびGLN 1.87mLをpH7.6にpH調節したバイオ触媒に添加し、GLN変換を完了に進め、GLN、水、および緩衝剤の添加、pH調節、かつGLN変換の完了をさらに2回反復し、リサイクル(3つのおよそ1M増分でのGLNの段階的変換)を終了し、バイオ触媒リサイクルを反復した。最初のリサイクル(リサイクル当りGLNの3つの約1M部分)における最初の1M GLN溶液でのNH4GLA合成の初速度は155mM/時であった。NH4GLA合成対リサイクル回数の初速度の減少率は表10に示されている(「1M+1M+1M)=3M」)。
(グリコール酸アンモニウム(NH4GLA)を得るグリコロニトリルの0.2M GLNへの連続的添加)
オーバーヘッド攪拌器を備えた50−mLジャケット付き反応管に大腸菌(E.coli)SS1001ビーズ(実施例21)4g、脱イオン化水8mL、1M KHCO3 4mL、およびGLN(水中約52wt%(TCI))0.4mLを充填し、pHをpH7.6に調節し、混合物を25℃下に撹拌し、GLN溶液を連続的に0.2M前後のGLN濃度を維持するために消費されるGLN消費の速度で3MまでGLNを添加し、アリコート0.2mLを取出し、HPLCによる反応経過に従った。すべてのGLNがNH4GLAに変換された場合、生成物溶液を静かに注ぎ、脱イオン水8mL、1M KHCO3 4mL、およびGLN 0.4mLをpH7.6にpH調節したバイオ触媒に添加し、かつ新しいバイオ触媒リサイクルをGLN消費の速度で3M GLNまでのGLNの添加により反復した。最初のバイオ触媒リサイクル(リサイクル総当り3M GLN)のNH4GLA合成の初速度は144mM/時であった。NH4GLA合成対リサイクル回数の初速度の減少率は表10に示されている(「0.2M連続」)。
(さまざまなレベルの架橋からなるGA/PEI架橋カラギナン/大腸菌(E.coli)FM5/pNM18−210Aビーズの調製)
プラスミドpTrcHis2−TOPO(登録商標)からニトリラーゼ変異210Ala(配列番号34)を発現するプラスミドpNM18−210Aを使用し、大腸菌(E.coli)FM5を変換し、FM5/pNM18−21として識別される株を生成した。この株を以前に記載した通り(米国特許公報(特許文献31)の実施例8を参照、参照により本明細書で援用される)10−L発酵で増殖させ、細胞ペーストを以下の通りGLNをグリコール酸(GLA)に変換する方法で使用した。
(空気中の添加剤なしのグリコロニトリル(GLN)のグリコール酸アンモニウム(NH4GLA)への変換)
オーバーヘッド攪拌器を備えた50−mLジャケット付き反応管にバイオ触媒1 4g、脱イオン化水12.42mL、4M NH4GLA 0.5mL、およびGLN(水中約52wt%(フルカ(Fluka))1.78mL、1M GLN最終濃度、pH7.6を充填し、混合物を25℃下に攪拌し、アリコート0.2mLを取出し、HPLCによる反応経過に従った。すべてのGLNがNH4GLAに変換された場合、GLN 1.78mLの第2の部分を添加し、pHを水酸化アンモニウムでpH7.6に調節し、すべてのGLNが消費された場合、GLN 1.78mLの第3の部分を添加し、pHをpH7.6に調節し、反応を完了し、3.1M NH4GLA溶液を得た。生成物溶液を静かに注ぎ、脱イオン水12.42mL、およびGLN 1.78mLをpH7.6にpH調節したバイオ触媒に添加し、GLN変換を完了に進め、GLNの添加、pH調節、かつGLN変換の完了をさらに2回反復し、リサイクル(3つの1M増分でのGLNの段階的変換)を終了し、バイオ触媒リサイクルを反復した。リサイクル対リサイクル回数における最初の1M FLN溶液の変換の初速度の減少率は表11に示されている(リサイクル反応は反応2〜8である)。
(酸素を含まない環境下に添加剤なしのグリコロニトリル(GLN)のグリコール酸アンモニウム(NH4GLA)への変換)
窒素下オーバーヘッド攪拌器を備えた50−mLジャケット付き反応管にバイオ触媒1 4g、脱イオン化水12.42mL、4M NH4GLA 0.5mL、およびGLN(水中約52wt%(フルカ(Fluka))1.78mL、1M GLN最終濃度、pH7.6を充填し、混合物を25℃下に攪拌し、アリコート0.2mLを取出し、HPLCによる反応経過に従った。すべてのGLNがNH4GLAに変換された場合、GLN 1.78mLおよび水0.2mLを添加し、pHを水酸化アンモニウムでpH7.6に調節し、すべてのGLNが消費された場合、GLN 1.78mLの第3の部分を添加し、pHをpH7.6に調節し、反応を完了し、3.1M NH4GLA溶液を得た。生成物溶液を静かに注ぎ、脱イオン水12.46mL、およびGLN 1.78mLをpH7.6にpH調節したバイオ触媒に添加し、GLN変換を完了に進め、GLN 1.78mL、脱イオン水 0.2mL、および緩衝剤の添加、pH調節、かつGLN変換の完了をさらに2回反復し、リサイクル(3つの1M増分でのGLNの段階的変換)を終了し、バイオ触媒リサイクルを反復した。リサイクル対リサイクル回数における最初の1M GLN溶液の変換の初速度の減少率は表11に示されている(リサイクル反応は反応2〜8である)。
(酸素を含まない環境下チオ硫酸または亜ジオチン酸の存在下のグリコロニトリル(GLN)のグリコール酸アンモニウム(NH4GLA)への変換))
バイオ触媒リサイクルを脱イオン水12.42mLの代わりに、脱イオン水12.22mLおよび水中添加剤(チオ硫酸カリウム、K2S2O3または亜ジオチン酸ナトリウム、K2S2O4)の1M溶液を添加してリサイクルを開始し、かつ水0.2mLの代わりに、水中添加剤の1M溶液0.2mLをGLN 1.78mLの各々の添加とともに反応管に添加することを除き、実施例28に記載された通りに実行した。リサイクル対リサイクル回数における最初の1M GLN溶液の変換の初速度の減少率は表11に示されている(リサイクル反応は反応2〜8である)。
(pH6.0での空気中添加剤なしのグリコロニトリル(GLN)のグリコール酸アンモニウム(NH4GLA)への変換))
オーバーヘッド攪拌器を備えた50−mLジャケット付き反応管にバイオ触媒1 4g、脱イオン化水12.42mL、4M NH4GLA 0.5mL、およびGLN(水中約52wt%(フルカ(Fluka))1.78mL、1M GLN最終濃度、pH6.0を充填し、混合物を25℃下に攪拌し、アリコート0.2mLを取出し、HPLCによる反応経過に従った。すべてのGLNがNH4GLAに変換された場合、GLN 1.78mLの第2の部分を添加し、pHを水酸化アンモニウムでpH6.0に調節し、すべてのGLNが消費された場合、GLN 1.78mLの第3の部分を添加し、pHをpH6.0に調節し、反応を完了し、3.1M NH4GLA溶液を得た。生成物溶液を静かに注ぎ、脱イオン水12.42mL、およびGLN 1.78mLをpH6.0にpH調節したバイオ触媒に添加し、GLN変換を完了に進め、GLNの添加、pH調節、かつGLN変換の完了をさらに2回反復し、リサイクル(3つの1M増分でのGLNの段階的変換)を終了し、バイオ触媒リサイクルを反復した。バイオ触媒1についてのリサイクル対リサイクル回数における最初の1M GLN溶液の変換の初速度の減少は表12に示されている(リサイクル反応は反応2〜4である)。
(さまざまな反応pHでA.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼを発現する固定化大腸菌(E.coli)MG1655/pSW138細胞を使用するグリコロニトリル(GLN)のグリコール酸アンモニウム(NH4GLA)への変換)
オーバーヘッド攪拌器および温度調節器を備えた50−mLジャケット付き反応管にGA/PEI架橋カラギナンビーズ(実施例21に記載された方法を使用して調製)4gを充填し、A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼ(配列番号6)を発現する5%(dcw)大腸菌(E.coli)MG1655/pSW138を含有する0.1M NH4GLA(pH7.0)の72mL)で15分間2回洗浄した。次いで管には蒸留水10.88gおよび4.0M NH4GLA(pH7.5)2.98mL、70wt%グリコール酸(GLA)(アルドリッチ(Aldrich)または水中1:4希釈の水酸化アンモニウム(28−30wt%)のいずれかの適量を添加し(表13)、反応管を窒素で洗い流した。混合物を25℃下に攪拌し、水中49.88wt%グリコロニトリル(GLN)2.15mL(2.25g、19.6mmol(フルカ(Fluka))を添加し、pH4.0、4.7、5.5、6.7、または7.5で1M GLNを得た(表14)。
(シアン化水素(HCN)の存在または非存在下にA.ファシリス(facilis)72ニトリラーゼを発現する固定化大腸菌(E.coli)FM5/pNM18を使用するグリコロニトリルのグリコール酸アンモニウムへの加水分解)
オーバーヘッド攪拌器および温度調節器を備えた50−mLジャケット付き反応管にGA/PEI架橋カラギナンビーズ(実施例21に記載された方法を使用して調製)4gを充填し、A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼ(配列番号6)を発現する5%(dcw)大腸菌(E.coli)FM5/pNM18を含有する0.1M NH4GLA(pH7.5)72mL)で15分間2回洗浄した。次いで管には蒸留水10.9gおよび4.0M NH4GLA(pH7.5)3.0mLを添加し、反応管を窒素で洗い流した。混合物を25℃下に攪拌し、水中50wt%HCN0.063mL(0.054g、1mmol)の有無による水中60.51wt%グリコロニトリル(GLN)の1.777mLのアリコート(1.885g、20.0mmol(フルカ(Fluka)、再蒸留))を最初に添加した直後に水中水酸化アンモニウム(28−30wt%)の1:16希釈0.320mLを添加した。4つの0.100−mL反応試料を最初のGLN添加後の所定の時間に除去し、HPLCによって分析し、初期反応速度を測定した。GLN変換の完了時、GLNおよび水酸化アンモニウムの各々の第2のアリコートを添加してGLNの濃度を<1MおよびpHを7.0−7.5の範囲内に維持し、GLN変換が完了した後、GLNおよび水酸化アンモニウムの各々の第3のアリコートを添加した。反応の完了時、>99%の収量でグリコール酸(アンモニウム塩として)を生成するGLNの100%変換が認められ、添加GLNから生成されたグリコール酸アンモニウムの濃度はおよそ2.5Mであった(約23.7mLの最終反応体積で初期グリコール酸アンモニウム緩衝液を含む、3.0M総グリコール酸アンモニウム)。
(A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼを発現する固定化大腸菌(E.coli)FM5/pNM18を使用するグリコロニトリルのグリコール酸アンモニウムの加水分解の連続バッチ反応におけるホルムアルデヒドまたはシアン化水素のいずれかの添加の影響)
反応を実行し、特徴づけ、かつ水中60.51wt%グリコロニトリル(GLN)1.777mL(1.885g、20.0mmol(フルカ(Fluka)、再蒸留))の各々のアリコートが、水中37wt%HCHO 0.074mL(0.081g、1mmol)(リサイクル1、2、3、および6)または水中50wt%HCN 0.063mL(0.054g、1mmol)(リサイクル4、5、およ7)のいずれかを含むことを除き、HCNの添加なしの反応のために実施例32に記載された通りバイオ触媒をリサイクルした(表16)。HCHOまたはHCNの添加なしの反応のデータは比較のために表15から反復されている。
(A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼ突然変異L201Qを発現する大腸菌(E.coli)FM5/pNM18−L201Q細胞を使用するグリコロニトリルのグリコール酸アンモニウムへの加水分解)
50−mL遠心分離管にA.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼ変異L201Q(配列番号8)を発現する大腸菌(E.coli)FM5/pNM18−L201Q 6gおよび0.35M Na2HPO4(pH7.5)7.54mL、0.35M Na2HPO4(pH7.5)35mLを添加し、管を5000rpmで20分間遠心分離し、上清を注意深く、かつ完全に細胞ペーストから除去し、遠心分離細胞ペースト935mgをオーバーヘッド攪拌器および温度調節器を備えた150−mLジャケット付き反応管に移した。次いで管には0.3M NH4GLA(pH7.5)52.54mL、4.0M NH4GLA(pH7.5)7.88mL、および蒸留水9.63mLを添加し、反応管を窒素で洗い流した。混合物を25℃下に攪拌し、水中54.61wt%グリコロニトリル(GLN)7.82mL(8.18g、78.3mmol(フルカ(Fluka))を添加し、pHを水中水酸化アンモニウム(28−30wt%)の1:4希釈によってpH7.5に調節した。初期反応速度を測定するために、4つの0.050−mL反応試料を第1のGLNの添加後の所定の時間に除去し、アッセイ混合物(6.0N HCl 0.025mLおよび0.18M n−プロパノール0.800mL)に添加し、ボルテックスし、12,000rpmで6分間、遠心分離し、上清を実施例12に記載されている通りHPLCによって分析した。GLN変換の完了時、GLNの第2のアリコートを添加し、pHを水酸化アンモニウムで7.5に調節し、GLN変換が完了した後、第3のGLNアリコートを添加し、pHをpH7.5に調節した。反応の完了時、>99%収量でグリコール酸(アンモニウム塩として)を生成するGLNの100%変換が認められ、添加GLNから生成されたグリコール酸アンモニウムの濃度はおよそ2.5Mであった(約94.05mLの最終反応体積で初期グリコール酸アンモニウム緩衝液を含む、2.9M総グリコール酸アンモニウム)。
(A.ファシリス(facilis)72WニトリラーゼまたはA.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼ突然変異を発現する固定化大腸菌(E.coli)MG1655/pSW138形質転換体を使用するグリコロニトリルのグリコール酸アンモニウムへの加水分解)
オーバーヘッド攪拌器および温度調節器を備えた50−mLジャケット付き反応管にGA/PEI架橋カラギナンビーズ(実施例21に記載された方法を使用して調製)8gを充填し、A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼ(配列番号6)、またはA.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼ変異F168V(配列番号32)、F168M(配列番号28)、F168K(配列番号26)、F168T(配列番号30)、およびL201Q(配列番号8)を発現する5%(dcw)大腸菌(E.coli)MG1655/pSW138形質転換体を含有する0.1M NH4GLA(pH7.0)72mL)で15分間2回洗浄した。次いで管には蒸留水14.632gおよび4.0M NH4GLA(pH7.0)6.0mLを添加し、反応管を窒素で洗い流した。混合物を25℃下に攪拌すると同時にプログラム可能な注射器ポンプを使用し、水中59wt%グリコロニトリル(GLN)(1.14g、12.0mmol(フルカ(Fluka)、再蒸留)1.08mLおよび水(合計2.304mL)中水酸化アンモニウム(28−30wt%)の1:16希釈0.288mLの8つのアリコートを添加し、GLNおよび水酸化アンモニウムの各々1つのアリコートを2時間毎に同時に添加し、GLNの濃度を<400mMおよびpHを6.5−7.5の範囲内に維持した。4つの0.050−mL反応試料をGLN添加後の所定の時間に除去し、HPLCによって分析し、初期反応速度を測定した。反応の完了時、>99%の収量でグリコール酸(アンモニウム塩として)を生成するGLNの100%変換が認められ、添加GLNから生成されたグリコール酸アンモニウムの濃度はおよそ2.4Mであった(約39.5mLの最終反応体積で初期グリコール酸アンモニウム緩衝液を含む、3.0M総グリコール酸アンモニウム)。
(A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼ変異F168Vを発現する固定化大腸菌(E.coli)MG1655/pSW138形質転換体を使用するGLNの変換によって得られるグリコール酸アンモニウムの特性化)
固定化MG1655/pSW138−F168Vバイオ触媒によるGLN(フルカ(Fluka)、再蒸留)加水分解(実施例35、表18を参照)によって得られる生成物溶液の組成物を評価するために、反応5、10、および38で生成された生成物溶液をHPLCおよび1H NMR分光法によって特性化した。HPLCによって測定されたグリコール酸の濃度は3.1Mであった。量的1H NMRスペクトルを500MHzで作動するバリアン・ユニティー・イノバ(Varian Unity Inova)分光計(バリアン(Varian)社(Inc.)、カリフォルニア州パロアルト(Palo Alto、CA))を使用して得た。反応生成物150μLをD2O 400μLとともに5mmのNMR管に添加することによって試料を調製した。
(A.ファシリス(facilis)72Wニトリラーゼ突然変異F168Vを発現する固定化大腸菌(E.coli)MG1655/pSW138形質転換体を使用するシアン化水素およびホルムアルデヒドから得られるグリコロニトリルのグリコール酸アンモニウムへの加水分解)
以下の反応のために使用されるグリコロニトリルを、実験設定を変更し、反応器へのHCHO供給の開始時に反応フラスコおよび対応する槽/攪拌プレートアセンブリの上昇を回避するよう変更したことを除き、実施例4−8に記載された通り調製した。HCHO供給ラインの加熱部の出口を3方向ボール弁に直接接続したが、これはHCHO供給を分離ラインを通じて反応管または外部シンチレーションバイアルのいずれかへ方向づけることもできる。合成手順の開始時、HCHO供給を3方向弁によってシンチレーションバイアルに方向づけた。HCHO供給の2相流れの装置開始とともに、3方向弁はHCHO供給を反応フラスコへ方向づけ始めた。
(固定床イオン交換クロマトグラフィーによるグリコール酸アンモニウムからのグリコール酸の単離)
実施例4−8に記載された通りシアン化水素およびホルムアルデヒドから合成されたGLN(高純度GLNの合成)を、添加剤(反応体積が18倍に拡大したことを除く)なしに実施例22に記載された通りグリコール酸アンモニウムに変換し、固定床イオン交換を使用し、グリコール酸アンモニウム生成物溶液をグリコール酸に変換した。
(25℃下に10%メチルイソブチルケトンおよび20%ケロシンと組合せておよそ70%C8−C10トリアルキルアミンを使用する溶媒抽出)
磁気攪拌バーを備えた4−mLガラス反応器に70%(体積/体積)のトリアルキルアミン(アラミン(Alamine)(登録商標)336、コグニス社(Cognis Corp.)、オハイオ州シンシナティ(Cincinnati、OH))、10%(体積/体積)メチルイソブチルケトン(MIBK)、および20%(体積/体積)ケロシンを含有する混合溶媒1mLを配置した。グリコール酸アンモニウムの水溶液(5wt%〜40wt%)のpHを濃縮硫酸(H2SO4)で約pH2〜3に調節し、次いで結果として生じる水溶液1mLを反応器に添加した。結果として生じる混合物を25℃下に30分間攪拌した。攪拌を停止し、2相を分離させ、次いで有機相および水相を各々サンプリングし、HPLCによってグリコール酸濃度について分析した。各々の初期グリコール酸濃度について、表21は、結果として生じる混合物の各々相におけるグリコール酸の最終濃度、および初期グリコール酸濃度の各々について計算された分配係数を示す。
(50℃下に10%メチルイソブチルケトンおよび20%ケロシンと組合せておよそ70%C8−C10トリアルキルアミンを使用する溶媒抽出)
磁気攪拌バーを備えた4−mLガラス反応器に70%(体積/体積)のアラミン(Alamine)(登録商標)336(コグニス(Cognis))、10%(体積/体積)メチルイソブチルケトン(MIBK)、および20%(体積/体積)ケロシンを含有する混合溶媒1mLを配置した。グリコール酸アンモニウムの水溶液(5wt%〜40wt%)のpHを濃縮硫酸で約pH2〜3に調節し、次いで結果として生じる水溶液1mLを反応器に添加した。結果として生じる混合物を50℃下に30分間攪拌した。攪拌を停止し、2相を分離させ、次いで有機相および水相を各々サンプリングし、HPLCによってグリコール酸濃度について分析した。各々の初期グリコール酸濃度について、表22は、結果として生じる混合物の各々相におけるグリコール酸の最終濃度、および初期グリコール酸濃度の各々について計算された分配係数を示す。
(75℃下に10%メチルイソブチルケトンおよび20%ケロシンと組合せておよそ70%C8−C10トリアルキルアミンを使用する溶媒抽出)
磁気攪拌バーを備えた4−mLガラス反応器に70%(体積/体積)のアラミン(Alamine)(登録商標)336(コグニス(Cognis))、10%(体積/体積)メチルイソブチルケトン(MIBK)、および20%(体積/体積)ケロシンを含有する混合溶媒1mLを配置した。グリコール酸アンモニウムの水溶液(5wt%〜40wt%)のpHを濃縮硫酸でpH2〜3に調節し、次いで結果として生じる水溶液1mLを反応器に添加した。結果として生じる混合物を75℃下に30分間攪拌した。攪拌を停止し、2相を分離させ、次いで有機相および水相を各々サンプリングし、HPLCによってグリコール酸濃度について分析した。各々の初期グリコール酸濃度について、表23は、結果として生じる混合物の各々相におけるグリコール酸の最終濃度、および初期グリコール酸濃度の各々について計算された分配係数を示す。
(25℃下に10%メチルイソブチルケトンと組合せておよそ90%C8−C10トリアルキルアミンを使用する溶媒抽出)
磁気攪拌バーを備えた4−mLガラス反応器に90%(体積/体積)のアラミン(Alamine)(登録商標)336(コグニス(Cognis))、10%(体積/体積)メチルイソブチルケトン(MIBK)を含有する混合溶媒1mLを配置した。グリコール酸アンモニウムの水溶液(5wt%〜40wt%)のpHを濃縮硫酸でpH2〜3に調節し、次いで結果として生じる水溶液1mLを反応器に添加した。結果として生じる混合物を25℃下に30分間攪拌した。攪拌を停止し、2相を分離させ、次いで有機相および水相を各々サンプリングし、HPLCによってグリコール酸濃度について分析した。各々の初期グリコール酸濃度について、表24は、結果として生じる混合物の各々相におけるグリコール酸の最終濃度、および初期グリコール酸濃度の各々について計算された分配係数を示す。
(75℃下に10%メチルイソブチルケトンと組合せておよそ90%C8−C10トリアルキルアミンを使用する溶媒抽出)
磁気攪拌バーを備えた4−mLガラス反応器に90%(体積/体積)のアラミン(Alamine)(登録商標)336(コグニス(Cognis))、10%(体積/体積)メチルイソブチルケトン(MIBK)を含有する混合溶媒1mLを配置した。グリコール酸アンモニウムの水溶液(5wt%〜40wt%)のpHを濃縮硫酸でpH2〜3に調節し、次いで結果として生じる水溶液1mLを反応器に添加した。結果として生じる混合物を75℃下に30分間攪拌した。攪拌を停止し、2相を分離させ、次いで有機相および水相を各々サンプリングし、HPLCによってグリコール酸濃度について分析した。各々の初期グリコール酸濃度について、表25は、結果として生じる混合物の各々相におけるグリコール酸の最終濃度、および初期グリコール酸濃度の各々について計算された分配係数を示す。
(25℃下に10%メチルイソブチルケトンおよび40%ケロシンと組合せておよそ50%C8−C10トリアルキルアミンを使用する溶媒抽出)
磁気攪拌バーを備えた4−mLガラス反応器に50%(体積/体積)のアラミン(Alamine)(登録商標)336(コグニス(Cognis))、10%(体積/体積)メチルイソブチルケトン(MIBK)、および40%(体積/体積)ケロシンを含有する混合溶媒1mLを配置した。グリコール酸アンモニウムの水溶液(5wt%〜40wt%)のpHを濃縮硫酸でpH2〜3に調節し、次いで結果として生じる水溶液1mLを反応器に添加した。結果として生じる混合物を25℃下に30分間攪拌した。攪拌を停止し、2相を分離させ、次いで有機相および水相を各々サンプリングし、HPLCによってグリコール酸濃度について分析した。各々の初期グリコール酸濃度について、表26は、結果として生じる混合物の各々相におけるグリコール酸の最終濃度、および初期グリコール酸濃度の各々について計算された分配係数を示す。
(75℃下に10%メチルイソブチルケトンおよび40%ケロシンと組合せておよそ50%C8−C10トリアルキルアミンを使用する溶媒抽出)
磁気攪拌バーを備えた4−mLガラス反応器に50%(体積/体積)のアラミン(Alamine)(登録商標)336(コグニス(Cognis))、10%(体積/体積)メチルイソブチルケトン(MIBK)、および40%(体積/体積)ケロシンを含有する混合溶媒1mLを配置した。グリコール酸アンモニウムの水溶液(5wt%〜40wt%)のpHを濃縮硫酸でpH2〜3に調節し、次いで結果として生じる水溶液1mLを反応器に添加した。結果として生じる混合物を75℃下に30分間攪拌した。攪拌を停止し、2相を分離させ、次いで有機相および水相を各々サンプリングし、HPLCによってグリコール酸濃度について分析した。各々の初期グリコール酸濃度について、表27は、結果として生じる混合物の各々相におけるグリコール酸の最終濃度、および初期グリコール酸濃度の各々について計算された分配係数を示す。
(25℃下に10%1−オクタノールと組合せておよそ90%C8−C10トリアルキルアミンを使用する溶媒抽出)
磁気攪拌バーを備えた4−mLガラス反応器に90%(体積/体積)のアラミン(Alamine)(登録商標)336(コグニス(Cognis))、10%(体積/体積)1−オクタノールを含有する混合溶媒1mLを配置した。グリコール酸アンモニウムの水溶液(5wt%〜40wt%)のpHを濃縮硫酸でpH2〜3に調節し、次いで結果として生じる水溶液1mLを反応器に添加した。結果として生じる混合物を25℃下に30分間攪拌した。攪拌を停止し、2相を分離させ、次いで有機相および水相を各々サンプリングし、HPLCによってグリコール酸濃度について分析した。各々の初期グリコール酸濃度について、表28は、結果として生じる混合物の各々相におけるグリコール酸の最終濃度、および初期グリコール酸濃度の各々について計算された分配係数を示す。
(75℃下に10%1−オクタノールと組合せておよそ90%C8−C10トリアルキルアミンを使用する溶媒抽出)
磁気攪拌バーを備えた4−mLガラス反応器に90%(体積/体積)のアラミン(Alamine)(登録商標)336(コグニス(Cognis))、10%(体積/体積)1−オクタノールを含有する混合溶媒1mLを配置した。グリコール酸アンモニウムの水溶液(5wt%〜40wt%)のpHを濃縮硫酸でpH2〜3に調節し、次いで結果として生じる水溶液1mLを反応器に添加した。結果として生じる混合物を75℃下に30分間攪拌した。攪拌を停止し、2相を分離させ、次いで有機相および水相を各々サンプリングし、HPLCによってグリコール酸濃度について分析した。各々の初期グリコール酸濃度について、表29は、結果として生じる混合物の各々相におけるグリコール酸の最終濃度、および初期グリコール酸濃度の各々について計算された分配係数を示す。
(25℃下に30%1−オクタノールと組合せておよそ70%C8−C10トリアルキルアミンを使用する溶媒抽出)
磁気攪拌バーを備えた4−mLガラス反応器に70%(体積/体積)のアラミン(Alamine)(登録商標)336(コグニス(Cognis))、30%(体積/体積)1−オクタノールを含有する混合溶媒1mLを配置した。グリコール酸アンモニウムの水溶液(5wt%〜40wt%)のpHを濃縮硫酸で約pH2〜3に調節し、次いで結果として生じる水溶液1mLを反応器に添加した。結果として生じる混合物を25℃下に30分間攪拌した。攪拌を停止し、2相を分離させ、次いで有機相および水相を各々サンプリングし、HPLCによってグリコール酸濃度について分析した。各々の初期グリコール酸濃度について、表30は、結果として生じる混合物の各々相におけるグリコール酸の最終濃度、および初期グリコール酸濃度の各々について計算された分配係数を示す。
(75℃下に30%1−オクタノールと組合せておよそ70%C8−C10トリアルキルアミンを使用する溶媒抽出)
磁気攪拌バーを備えた4−mLガラス反応器に70%(体積/体積)のアラミン(Alamine)(登録商標)336(コグニス(Cognis))、30%(体積/体積)1−オクタノールを含有する混合溶媒1mLを配置した。グリコール酸アンモニウムの水溶液(5wt%〜40wt%)のpHを濃縮硫酸でpH2〜3に調節し、次いで結果として生じる水溶液1mLを反応器に添加した。結果として生じる混合物を75℃下に30分間攪拌した。攪拌を停止し、2相を分離させ、次いで有機相および水相を各々サンプリングし、HPLCによってグリコール酸濃度について分析した。各々の初期グリコール酸濃度について、表31は、結果として生じる混合物の各々相におけるグリコール酸の最終濃度、および初期グリコール酸濃度の各々について計算された分配係数を示す。
(25℃下に10%トルエンと組合せておよそ90%C8−C10トリアルキルアミンを使用する溶媒抽出)
磁気攪拌バーを備えた4−mLガラス反応器に90%(体積/体積)のアラミン(Alamine)(登録商標)336(コグニス(Cognis))、10%(体積/体積)トルエンを含有する混合溶媒1mLを配置した。グリコール酸アンモニウムの水溶液(5wt%〜40wt%)のpHを濃縮硫酸でpH2〜3に調節し、次いで結果として生じる水溶液1mLを反応器に添加した。結果として生じる混合物を25℃下に30分間攪拌した。攪拌を停止し、2相を分離させ、次いで有機相および水相を各々サンプリングし、HPLCによってグリコール酸濃度について分析した。各々の初期グリコール酸濃度について、表32は、結果として生じる混合物の各々相におけるグリコール酸の最終濃度、および初期グリコール酸濃度の各々について計算された分配係数を示す。
(75℃下に10%トルエンと組合せておよそ90%C8−C10トリアルキルアミンを使用する溶媒抽出)
磁気攪拌バーを備えた4−mLガラス反応器に90%(体積/体積)のアラミン(Alamine)(登録商標)336(コグニス(Cognis))、10%(体積/体積)トルエンを含有する混合溶媒1mLを配置した。グリコール酸アンモニウムの水溶液(5wt%〜40wt%)のpHを濃縮硫酸でpH2〜3に調節し、次いで結果として生じる水溶液1mLを反応器に添加した。結果として生じる混合物を75℃下に30分間攪拌した。攪拌を停止し、2相を分離させ、次いで有機相および水相を各々サンプリングし、HPLCによってグリコール酸濃度について分析した。各々の初期グリコール酸濃度について、表33は、結果として生じる混合物の各々相におけるグリコール酸の最終濃度、および初期グリコール酸濃度の各々について計算された分配係数を示す。
(25℃下に10%キシレンと組合せておよそ90%C8−C10トリアルキルアミンを使用する溶媒抽出)
磁気攪拌バーを備えた4−mLガラス反応器に90%(体積/体積)のアラミン(Alamine)(登録商標)336(コグニス(Cognis))、10%(体積/体積)キシレンを含有する混合溶媒1mLを配置した。グリコール酸アンモニウムの水溶液(5wt%〜40wt%)のpHを濃縮硫酸でpH2〜3に調節し、次いで結果として生じる水溶液1mLを反応器に添加した。結果として生じる混合物を25℃下に30分間攪拌した。攪拌を停止し、2相を分離させ、次いで有機相および水相を各々サンプリングし、HPLCによってグリコール酸濃度について分析した。各々の初期グリコール酸濃度について、表34は、結果として生じる混合物の各々相におけるグリコール酸の最終濃度、および初期グリコール酸濃度の各々について計算された分配係数を示す。
(75℃下に10%キシレンと組合せておよそ90%C8−C10トリアルキルアミンを使用する溶媒抽出)
磁気攪拌バーを備えた4−mLガラス反応器に90%(体積/体積)のアラミン(Alamine)(登録商標)336(コグニス(Cognis))、10%(体積/体積)キシレンを含有する混合溶媒1mLを配置した。グリコール酸アンモニウムの水溶液(5wt%〜40wt%)のpHを濃縮硫酸でpH2〜3に調節し、次いで結果として生じる水溶液1mLを反応器に添加した。結果として生じる混合物を75℃下に30分間攪拌した。攪拌を停止し、2相を分離させ、次いで有機相および水相を各々サンプリングし、HPLCによってグリコール酸濃度について分析した。各々の初期グリコール酸濃度について、表35は、結果として生じる混合物の各々相におけるグリコール酸の最終濃度、および初期グリコール酸濃度の各々について計算された分配係数を示す。
(10%メチルイソブチルケトンおよび20%ケロシンと組合せておよそ70%C8−C10トリアルキルアミンの充填溶媒からの水を使用する逆抽出)
実施例1の手順に従い、抽出ミキサー(垂直に前後に回転させることによって混合)上の1−L円筒ガラス管に70%(体積/体積)のアラミン(Alamine)(登録商標)336(コグニス(Cognis))、10%(体積/体積)メチルイソブチルケトン(MIBK)、および20%(体積/体積)ケロシンを含有する混合溶媒100mLを配置した。グリコール酸アンモニウムの水溶液(10wt%〜50wt%)のpHを濃縮硫酸で約pH2〜3に調節し、次いで結果として生じる水溶液100mLを抽出ミキサーに添加した。結果として生じる混合物を室温下に60分間攪拌した。混合を停止し、2相を分離させ、次いで有機相および水相を各々サンプリングし、HPLCによってグリコール酸濃度について分析した。有機相を収集し、逆抽出において使用した。グリコール酸を含有するこの有機相を以下で「充填溶媒」と呼ぶ。
(10%メチルイソブチルケトンおよび20%ケロシンと組合せておよそ70%C8−C10トリアルキルアミンの充填溶媒からの逆抽出)
磁気攪拌バーおよび二重浸漬管を備えた85−mL圧力反応ガラス管(圧力反応管、アンドリュース・ガラス社(Andrews Glass Co.)製)にグリコール酸(20wt%または40wt%)の水溶液10mLおよび充填溶媒10mLを配置した(実施例54参照)。次いで管を閉鎖し、ヘッドスペースを窒素でパージした。結果として生じる混合物を40psig(約275.8kPa)窒素下、120℃下に60分間攪拌した。攪拌を停止し、2相を120℃下に分離させ、次いで有機相を上部浸漬管からホークシリンダへ加圧下にサンプリングし、水相を下部浸漬管から別のホークシリンダへ加圧下にサンプリングした。両相をHPLCによってグリコール酸濃度について分析した。
(10%メチルイソブチルケトンおよび20%ケロシンと組合せておよそ70%C8−C10トリアルキルアミンの充填溶媒からの水を使用する逆抽出)
磁気攪拌バーおよび二重浸漬管を備えた85−mL圧力反応ガラス管(圧力反応管、アンドリュース・ガラス社(Andrews Glass Co.)製)に脱イオン化水10mLおよび充填溶媒10mLを配置した(実施例54を参照)。次いで管を閉鎖し、ヘッドスペースを窒素でパージした。結果として生じる混合物を40psig(約275.8kPa)窒素下、140℃下に60分間攪拌した。攪拌を停止し、2相を140℃下に分離させ、次いで有機相を上部浸漬管からホークシリンダへ加圧下にサンプリングし、水相を下部浸漬管から別のホークシリンダへ加圧下にサンプリングした。両相をHPLCによってグリコール酸濃度について分析した。
(10%メチルイソブチルケトンおよび20%ケロシンと組合せておよそ70%C8−C10トリアルキルアミンの充填溶媒からの逆抽出)
磁気攪拌バーおよび二重浸漬管を備えた85−mL圧力反応ガラス管(圧力反応管、アンドリュース・ガラス社(Andrews Glass Co.)製)にグリコール酸(20wt%または40wt%)の水溶液10mLおよび充填溶媒10mLを配置した(実施例54を参照)。次いで管を閉鎖し、ヘッドスペースを窒素でパージした。結果として生じる混合物を40psig(約275.8kPa)窒素下、140℃下に60分間攪拌した。攪拌を停止し、2相を140℃下に分離させ、次いで有機相を上部浸漬管からホークシリンダへ加圧下にサンプリングし、水相を下部浸漬管から別のホークシリンダへ加圧下にサンプリングした。両相をHPLCによってグリコール酸濃度について分析した。
(30%トルエンと組合せておよそ70%C8−C10トリアルキルアミンの充填溶媒からの水を使用する逆抽出)
磁気攪拌バーおよび二重浸漬管を備えた85−mL圧力反応ガラス管(圧力反応管、アンドリュース・ガラス社(Andrews Glass Co.)製)に脱イオン化水10mLおよび充填溶媒10mLを配置した(実施例54を参照)。次いで管を閉鎖し、ヘッドスペースを窒素でパージした。結果として生じる混合物を40psig(約275.8kPa)窒素下、120℃下に60分間攪拌した。攪拌を停止し、2相を120℃下に分離させ、次いで有機相を上部浸漬管からホークシリンダへ加圧下にサンプリングし、水相を下部浸漬管から別のホークシリンダへ加圧下にサンプリングした。両相をHPLCによってグリコール酸濃度について分析した。
(30%トルエンと組合せておよそ70%C8−C10トリアルキルアミンの充填溶媒からの逆抽出)
磁気攪拌バーおよび二重浸漬管を備えた85−mL圧力反応ガラス管(圧力反応管、アンドリュース・ガラス社(Andrews Glass Co.)製)にグリコール酸(20wt%または40wt%)の水溶液10mLおよび充填溶媒10mLを配置した(実施例54を参照)。次いで管を閉鎖し、ヘッドスペースを窒素でパージした。結果として生じる混合物を40psig(約275.8kPa)窒素下、120℃下に60分間攪拌した。攪拌を停止し、2相を120℃下に分離させ、次いで有機相を上部浸漬管からホークシリンダへ加圧下にサンプリングし、水相を下部浸漬管から別のホークシリンダへ加圧下にサンプリングした。両相をHPLCによってグリコール酸濃度について分析した。
(30%トルエンと組合せておよそ70%C8−C10トリアルキルアミンの充填溶媒からの水を使用する逆抽出)
磁気攪拌バーおよび二重浸漬管を備えた85−mL圧力反応ガラス管(圧力反応管、アンドリュース・ガラス社(Andrews Glass Co.)製)に脱イオン化水10mLおよび充填溶媒10mLを配置した(実施例54を参照)。次いで管を閉鎖し、ヘッドスペースを窒素でパージした。結果として生じる混合物を40psig(約275.8kPa)窒素下、140℃下に60分間攪拌した。攪拌を停止し、2相を140℃下に分離させ、次いで有機相を上部浸漬管からホークシリンダへ加圧下にサンプリングし、水相を下部浸漬管から別のホークシリンダへ加圧下にサンプリングした。両相をHPLCによってグリコール酸濃度について分析した。
(30%トルエンと組合せておよそ70%C8−C10トリアルキルアミンの充填溶媒からの逆抽出)
磁気攪拌バーおよび二重浸漬管を備えた85−mL圧力反応ガラス管(圧力反応管、アンドリュース・ガラス社(Andrews Glass Co.)製)にグリコール酸(20wt%または40wt%)の水溶液10mLおよび充填溶媒10mLを配置した(実施例54を参照)。次いで管を閉鎖し、ヘッドスペースを窒素でパージした。結果として生じる混合物を40psig(約275.8kPa)窒素下、140℃下に60分間攪拌した。攪拌を停止し、2相を140℃下に分離させ、次いで有機相を上部浸漬管からホークシリンダへ加圧下にサンプリングし、水相を下部浸漬管から別のホークシリンダへ加圧下にサンプリングした。両相をHPLCによってグリコール酸濃度について分析した。
(3.5時間約133℃まで加熱された融解グリコール酸アンモニウム塩の熱分解)
25wt%グリコール酸アンモニウム溶液およそ54.65gを100−mL3口フラスコに添加し、蒸留によって水を除去した。フラスコ中の液体の重量が13.63gに減少した場合、透明な粘性の液体を分析した。すなわち、12%(モル/モル)のグリコール酸アンモニウムがグリコールアミドに変換され、13%(モル/モル)のグリコール酸アンモニウムがグリコール二量体(複合グリコール酸二量体およびグリコール酸アンモニウム二量体として)に変換され、グリコール酸(複合グリコール酸およびグリコール酸アンモニウムとして)およびアンモニウム回収は、それぞれ、70%(モル/モル)および73%(モル/モル)であった(グリコール酸アンモニウムおよび生成物の最終モル濃度に対して生成物の最終モル濃度に基づき計算された収量)。試料がHPLC、イオン電極、GC等によって分析のために除去された後(以後「サンプリング」と呼ぶ)、透明な粘性の液体12.06gがフラスコ中に残った。254mmHgの真空をかけ、加熱を3.5時間にわたって133度まで継続した。結果として生じる生成物の分析は、開始グリコール酸アンモニウムのグリコールアミドへの24%(モル/モル)変換、開始グリコールアミノ酸へのグリコール二量体への32%(モル/モル)の変換(複合グリコール酸二量体およびグリコール酸アンモニウム二量体として)、20%(モル/モル)のグリコール酸回収(複合グリコール酸およびグリコール酸アンモニウムとして)、および27%(モル/モル)のアンモニウムイオンが残存していることを示した。グリコール酸およびグリコール酸二量体(存在するグリコール酸アンモニウムおよびグリコール酸アンモニウム二量体から分離)の複合収量は、少なくともおよそ9%であることが計算された。
(およそ6時間約140−150℃まで加熱した後、グリコール酸オリゴマーの加水分解した融解グリコール酸アンモニウム塩の熱分解)
25wt%グリコール酸アンモニウム溶液およそ54.82gを100−mL3口フラスコに添加し、蒸留によって水を除去した。フラスコ中の液体の重量が21.15gに減少した場合、約8(モル/モル)%アンモニアが除去されていた。サンプリング後、透明な粘性の液体19.91gがフラスコ中に残った。74mmHgまでの真空をかけ、温度を5時間以内に140−150℃に上昇させ、1時間維持した。フラスコ中の残留液体の重量は10.33gであった。この生成物の分析では、24%(モル/モル)のグリコール酸アンモニウムがグリコールアミドに変換され、28%(モル/モル)のグリコール酸アンモニウムがグリコール二量体(複合グリコール酸二量体およびグリコール酸アンモニウム二量体として)に変換され、グリコール酸(複合グリコール酸およびグリコール酸アンモニウムとして)およびアンモニウム回収は、それぞれ、20%および11%(モル/モル)であった。およそ7000ppmのグリコリドも生成された。サンプリング後、液体9gを水9gと混合した。結果として生じる溶液を約105℃に加熱し、2時間還流した。アンモニウムイオンのさらなる削減は確認されず、二量体およびオリゴマーはグリコール酸に変換された。グリコールアミド濃度は有意に変化することはなかった。グリコール酸二量体(複合グリコール酸二量体およびグリコール酸アンモニウム二量体として)の収量は、24%(モル/モル)から4%(モル/モル)に低下した。最終グリコール酸回収(複合グリコール酸およびグリコール酸アンモニウムとして)は56%(モル/モル)であった。グリコール酸の収量は少なくとも45%であった。
(およそ1時間約140−150℃まで加熱した後、170℃下に加熱した融解グリコール酸アンモニウム塩の熱分解)
25wt%グリコール酸アンモニウム溶液およそ54.85gを100−mL3口フラスコに添加し、真空(633〜379mm−Hg)下に蒸留によって水を除去した。フラスコ中の液体の重量が13.33gに減少した場合、10%(モル/モル)のグリコール酸アンモニウムがグリコールアミドに変換され、かつ13%(モル/モル)のグリコール酸アンモニウムがグリコール二量体(複合グリコール酸二量体およびグリコール酸アンモニウム二量体として)に変換され、グリコール酸(複合グリコール酸およびグリコール酸アンモニウムとして)およびアンモニウム回収は、それぞれ、72%および76%(モル/モル)であった。サンプリング後、透明な粘性の液体11.98gがフラスコ中に残った。127mmHgの真空をかけ、温度を1時間140−150℃に維持した。次いで、温度を170℃に上昇させた。液体の色は数分以内に褐色になった。この生成物の分析は、29%(モル/モル)のグリコール酸アンモニウムがグリコールアミドに変換され、16%(モル/モル)のグリコール酸アンモニウムがグリコール二量体(複合グリコール酸二量体およびグリコール酸アンモニウム二量体として)に変換され、グリコール酸(複合グリコール酸およびグリコール酸アンモニウムとして)およびアンモニウムイオン回収は、それぞれ、30%および16%(モル/モル)であることを示した。グリコール酸およびグリコール酸二量体は、少なくともおよそ22%であった。
(およそ3時間80℃下に加熱した後、3時間130℃下に加熱した融解グリコール酸アンモニウム塩の熱分解)
25%グリコール酸アンモニウム溶液およそ29.1gを大腸菌(E.coli)FM5/pNM18−H9細胞を使用するグリコロニトリルの酵素加水分解から生成した(米国仮特許出願第60/638176号明細書を参照、参照により全体として本明細書で援用される)。固定化バイオ触媒を生成物溶液から静かに注いだ。次いで、溶液を100−mL3口フラスコに添加し、真空(635〜381mm−Hg)下に70−80℃で水を蒸留した。フラスコ中の液体の重量が7.02gに減少した場合、3%(モル/モル)のグリコール酸アンモニウムがグリコールアミドに変換され、かつ12%(モル/モル)のグリコール酸アンモニウムがグリコール二量体(複合グリコール酸二量体およびグリコール酸アンモニウム二量体として)に変換され、グリコール酸(複合グリコール酸およびグリコール酸アンモニウムとして)およびアンモニウム回収は、それぞれ、85%および76%(モル/モル)であった。サンプリング後、透明な粘性の液体4.2gがフラスコ中に残った。127mmHgの真空をかけ、温度を3時間80℃に維持した。次いで、3時間130℃下に維持した。この生成物の分析は、グリコール酸からグリコールアミドの26(モル/モル)%の変換、グリコール酸からグリコール二量体(複合グリコール酸二量体およびグリコール酸アンモニウム二量体として)への28%(モル/モル)の変換、44%(モル/モル)のグリコール酸(複合グリコール酸およびグリコール酸アンモニウム)回収、および27%(モル/モル)のアンモニウムイオンが残った。およそ1.7wt%のグリコリドも生成された。グリコール酸およびグリコール酸二量体の複合収量は、少なくともおよそ31%であった。
(6時間およそ80−90℃に(凍結乾燥)加熱した融解グリコール酸アンモニウム塩の熱分解)
40wt%グリコール酸アンモニウム溶液およそ341.7gを凍結乾燥させ、水を除去した。次いで、凍結乾燥グリコール酸アンモニウム146.4gをフラスコに添加し、80−90℃に加熱し、次いで50mm−Hgの真空をかけた。6時間後、それより多くのアンモニアは放出されなかった。透明な粘性の液体の最終重量は104.4gであり、3%(モル/モル)のグリコール酸アンモニウムがグリコールアミドに変換され、6%(モル/モル)のグリコール酸アンモニウムがグリコール二量体(複合グリコール酸二量体およびグリコール酸アンモニウム二量体として)に変換され、グリコール酸(複合グリコール酸およびグリコール酸アンモニウムとして)およびアンモニウム回収は、それぞれ、66%(モル/モル)および62%(モル/モル)であった。およそ1.4wt%のグリコリドも生成された。グリコール酸およびグリコール酸二量体の複合収量は、少なくともおよそ6%であった。
(エステル化剤およびストリッピングガスとして加熱メタノール蒸気を使用するグリコール酸のグリコール酸メチルへの変換)
実施例67の目的は、エステル化剤およびストリッピングガスとして加熱メタノール蒸気を使用する、グリコール酸の水溶液をグリコール酸メチルに変換する本方法の能力を例示することである。グリコール酸メチル生成物は、部分コンデンサを使用することにより反応室から除去し、蒸気生成物流れから選択的に単離された。
試料(0.40mL)のアリコートを0.1%TMS(テトラメチルシラン)を含有する等体積のCDCl3と混合し、結果として生じる溶液を1H NMR分光法(500MHz)および13C NMR分光法(125MHz)によって分析した。試料は、メタノール、グリコール酸メチル、グリコール酸アンモニウム、およびグリコール酸を含有することがわかったが、これらの化合物のそれぞれのメチレンおよび/またはメトキシ水素原子のTMSに対する1H NMR化学シフトは表44(アンモニウムが試料中に存在していない場合)および表45(アンモニウムが試料中に存在している場合)に示されている。
(エステル化剤およびストリッピングガスとして加熱メタノール蒸気を使用するグリコール酸のグリコール酸メチルへの変換)
実施例68の目的は、エステル化剤およびストリッピングガスとして加熱メタノール蒸気を使用する、グリコール酸の水溶液をグリコール酸メチルに変換する本方法の能力を例示することである。グリコール酸メチル生成物は、部分コンデンサを使用することにより反応室から除去し、蒸気生成物流れから選択的に単離された。
(エステル化剤およびストリッピングガスとして加熱メタノール蒸気を使用するグリコール酸アンモニウムのグリコール酸メチルへの変換)
(反応器温度約200℃、熱コンデンサ約130℃)
実施例69の目的は、エステル化剤およびストリッピングガスとして加熱メタノール蒸気を使用する、グリコール酸アンモニウムの水溶液のグリコール酸メチルへの直接変換を示すことである。
(エステル化剤およびストリッピングガスとして加熱メタノール蒸気を使用するグリコール酸アンモニウムのグリコール酸メチルへの変換)
(反応器温度約170℃、熱コンデンサ約100℃)
器具および手順は、反応器(オートクレーブ)の温度を170℃に維持し、熱コンデンサを100℃に維持したことを除き、実施例69と同一であった。グリコール酸アンモニウム溶液Aを60分間供給し、試料が実施例68に記載されている通り混合され、試料「7A」および「7B」を調製した。結果は表47に要約されている。
(エステル化剤およびストリッピングガスとして加熱メタノール蒸気を使用するグリコール酸アンモニウムのグリコール酸メチルへの変換)
(熱導電流体として鉱油、反応器温度約170℃、熱コンデンサ約100℃)
器具および手順は、別段の指示がない限り実施例70に記載されたものと同一であった。
(エステル化剤およびストリッピングガスとして加熱メタノール蒸気を使用するグリコール酸アンモニウムのグリコール酸メチルへの変換)
(熱導電流体として鉱油、反応器温度約200℃、熱コンデンサ約130℃)
器具および手順は、別段の指示がない限り実施例69に記載されたものと同一であった。
(エステル化剤およびストリッピングガスとして加熱メタノール蒸気を使用するグリコール酸アンモニウムのグリコール酸メチルへの変換)
(高い沸点の流体なし、反応器温度約200℃、熱コンデンサ約130℃)
器具および手順は、高い沸点の流体を使用しなかったことを除き実施例69と同一であった。その代わり、攪拌機を除去し、パッキング材料(Hastelloy(登録商標)C276製の「ProPak」1/4インチ高効率包装、エース・ガラス社(Ace Glass Inc.))を反応器(オートクレーブ)に添加した。メタノール供給ラインをパッキングを通じて挿入し、メタノールの添加はオートクレーブの下部であった。グリコール酸アンモニウム溶液(グリコール酸アンモニウム「溶液C」)を、等質量の70wt%グリコール酸水溶液(シグマ・アルドリッチ(Sigma Aldrich)および30wt%水酸化アンモニウム水溶液(EMDケミカルズ(Chemicals))を混合した後、GLAおよびアンモニウムで微調整し、7.0と7.5との間のpHを達成することによって調製した。グリコール酸アンモニウム供給を反応器のパッキングの上部に添加した。
(エステル化剤およびストリッピングガスとして加熱メタノール蒸気を使用するグリコール酸アンモニウムのグリコール酸メチルへの変換)
(熱導電流体なし、反応器温度約170℃、熱コンデンサ約100℃)
器具および手順は、オートクレーブ温度が170℃に維持され、熱コンデンサが100℃に維持されたことを除き実施例73と同一であった。グリコール酸アンモニウム「溶液C」を60分間供給し、試料を実施例69のように混合し、試料「13A」および「13B」を調製した。結果は表47に要約されている。
(1) ホルムアルデヒドおよびシアン化水素からグリコール酸を製造するための方法であって、
(a)特定可能な時間にわたって約90℃〜約150℃の温度に加熱された水性ホルムアルデヒド供給流れを提供するステップと、
(b)(a)の加熱された水性供給流れをグリコロニトリル合成に適切な温度でシアン化水素と接触させ、それによってグリコロニトリルが製造されるステップと、
(c)ステップ(b)のグリコロニトリルを適切な水性反応混合物中でニトリラーゼ活性を有するポリペプチドを含む酵素触媒と接触させるステップであって、前記ポリペプチドが、
1)アミノ酸残基168でのリシン、メチオニン、トレオニン、またはバリンによる置換、および
2)アミノ酸残基201でのグルタミン、グリシン、ヒスチジン、リシン、アスパラギン、セリン、アラニン、システイン、またはトレオニンによる置換
からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換された配列番号6のアミノ酸配列を有し、それによってグリコール酸が製造されるステップと、
(d)塩または酸の形で(c)において製造されるグリコール酸を回収するステップを含み、前記酵素触媒が、同一の反応条件下でグリコロニトリルをグリコール酸に変換する場合、アシドボラックス・ファシリス(Acidovorax facilis)72Wニトリラーゼのニトリラーゼ活性に対してニトリラーゼ活性の少なくとも1.5倍の増加を提供することを特徴とする方法。
(2) 前記グリコール酸が、反応性溶媒抽出、イオン交換、電気透析、重合、熱分解、アルコール分解、およびそれらの組合せからなる群から選択される回収方法を使用して回収されることを特徴とする(1)に記載の方法。
(3) 前記回収方法がイオン交換および反応性溶媒抽出からなる群から選択されることを特徴とする(2)に記載の方法。
(4) ある量の水酸化ナトリウムが水性ホルムアルデヒド供給流れを加熱する前に水性ホルムアルデヒド供給流れに添加され、水酸化ナトリウムとホルムアルデヒドとのモル比が約1:50〜約1:2000であることを特徴とする(1)に記載の方法。
(5) シアン化水素とホルムアルデヒドとのモル比が少なくとも1.01〜約1.15:1であることを特徴とする(1)に記載の方法。
(6) 加熱された水性ホルムアルデヒド供給流れが約0℃〜約70℃の反応温度でシアン化水素と反応されることを特徴とする(1)に記載の方法。
(7) 加熱された水性ホルムアルデヒド供給流れが約10℃〜約30℃の反応温度でシアン化水素と反応されることを特徴とする(6)に記載の方法。
(8) 水性ホルムアルデヒド供給流れが約0.1wt%〜約15wt%メタノールを含むことを特徴とする(1)に記載の方法。
(9) 前記アミノ酸配列が配列番号8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、および32からなる群から選択されることを特徴とする(1)に記載の方法。
(10) 前記酵素触媒が、同一の反応条件下でアシドボラックス・ファシリス(Acidovorax facilis)72W(ATCC55746)ニトリラーゼの活性に対して、グリコロニトリルをグリコール酸に変換する場合に、ニトリラーゼ活性の少なくとも約2倍の改善を提供することを特徴とする(1)に記載の方法。
(11) 前記酵素触媒が、同一の反応条件下でアシドボラックス・ファシリス(Acidovorax facilis)72W(ATCC55746)ニトリラーゼの活性に対して、グリコロニトリルをグリコール酸に変換する場合に、ニトリラーゼ活性の少なくとも約4倍の改善を提供することを特徴とする(10)に記載の方法。
(12) 前記酵素触媒が全微生物細胞、透過性微生物細胞、微生物細胞抽出物の1つまたは複数の成分、部分的に精製された酵素、または精製酵素の形であることを特徴とする(1)に記載の方法。
(13) 前記全微生物細胞が前記ポリペプチドを組換え発現する形質転換微生物宿主細胞であることを特徴とする(12)に記載の方法。
(14) 前記形質転換微生物宿主細胞が、コマモナス(Comamonas)種、コリネバクテリウム(Corynebacterium)種、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)種、ロドコッカス(Rhodococcus)種、アゾトバクター(Azotobacter)種、シトロバクター(Citrobacter)種、エンテロバクター(Enterobacter)種、クロストリジウム(Clostridium)種、クレブシエラ(Klebsiella)種、サルモネラ(Salmonella)種、ラクトバチルス(Latobacillus)種、アスペルギルス(Aspergillus)種、サッカロミセス(Saccharomyces)種、チゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)種、ピチア(Pichia)種、クルイベロミセス(Kluyveromyces)種、カンジダ(Candida)種、ハンセニュウラ(Hansenula)種、デュナリエラ(Dunaliella)種、デバリオミセス(Debaryomyces)種、ケカビ(Mucor)種、トルロプシス(Torulopsis)種、メチロバクテリア(Methylobacteria)種、バチルス(Bacillus)種、エシェリキア(Escherichia)種、シュードモナス(Pseudomonas)種、リゾビウム(Rhizobium)種、およびストレプトミセス(Streptomyces)種からなる群から選択されることを特徴とする(13)に記載の方法。
(15) 前記形質転換微生物宿主細胞が大腸菌(Escherichia coli)であることを特徴とする(14)に記載の方法。
(16) 前記形質転換微生物宿主細胞が、国際寄託番号ATCC47076を有する大腸菌(E.coli)MG1655および国際寄託番号ATCC53911を有する大腸菌(E.coli)FM5からなる群から選択される大腸菌(Escherichia coli)株であることを特徴とする(15)に記載の方法。
(17) 前記酵素触媒が可溶性または不溶性支持体中にもしくはその上で固定化されることを特徴とする(12)から(16)のいずれか一項に記載の方法。
(18) 前記水性反応混合物において製造されるグリコール酸アンモニウムの濃度が約0.02wt%〜約90wt%であることを特徴とする(1)に記載の方法。
(19) 前記水性反応混合物において製造されるグリコール酸アンモニウムの濃度が約0.02wt%〜約40wt%であることを特徴とする(18)に記載の方法。
(20) 前記水性反応混合物におけるグリコロニトリル濃度が約5mM〜約1Mの範囲であることを特徴とする(1)に記載の方法。
(21) 前記水性反応混合物におけるグリコロニトリル濃度が連続的またはアリコート添加によって維持されることを特徴とする(20)に記載の方法。
(22) 前記水性反応混合物におけるpHが約5.5〜約7.7に維持されることを特徴とする(1)に記載の方法。
(23) グリコロニトリルのグリコール酸への酵素変換が実質的に酸素を含まない条件下で起こることを特徴とする(1)に記載の方法。
(24) 前記水性反応混合物が、5wt%未満の濃度でチオ硫酸カリウムおよび亜ジオチオン酸ナトリウムからなる群から選択される安定剤をさらに含むことを特徴とする(1)に記載の方法。
(25) 前記水性反応混合物が、5wt%未満の濃度でチオ硫酸カリウムおよび亜ジオチオン酸ナトリウムからなる群から選択される安定剤をさらに含むことを特徴とする(1)に記載の方法。
(26) 前記酵素触媒が、酵素触媒のグラム乾燥細胞重量当たり少なくとも300グラムのグリコール酸の触媒生産性を提供することを特徴とする(1)に記載の方法。
(27) 前記酵素触媒が、酵素触媒のグラム乾燥細胞重量当たり少なくとも450グラムのグリコール酸の触媒生産性を提供することを特徴とする(26)に記載の方法。
(28) 前記酵素触媒が、酵素触媒のグラム乾燥細胞重量当たり少なくとも1000グラムのグリコール酸の触媒生産性を提供することを特徴とする(27)に記載の方法。
(29) ホルムアルデヒドおよびシアン化水素からグリコール酸を製造するための方法であって、
(a)特定可能な時間にわたって約90℃〜約150℃の温度に加熱された水性ホルムアルデヒド供給流れを提供するステップと、
(b)(a)の加熱された水性供給流れをグリコロニトリル合成に適切な温度でシアン化水素と接触させ、それによってグリコロニトリルが製造されるステップと、
(c)ステップ(b)のグリコロニトリルを適切な水性反応混合物中でニトリラーゼ活性を有するポリペプチドを含む酵素触媒と接触させ、それによってグリコール酸が製造されるステップと、
(d)イオン交換によって(c)において製造されたグリコール酸を回収するステップを含み、前記グリコール酸が少なくとも99.9%の純度を有する方法。
(30) 前記ポリペプチドが、配列番号39のアミノ酸配列を有する触媒部位を含むことを特徴とする(29)に記載の方法。
(31) ニトリラーゼ活性を有する前記酵素触媒が、
(a)アミノ酸残基168でのリシン、メチオニン、トレオニン、またはバリンによる置換、および
(b)アミノ酸残基201でのグルタミン、グリシン、ヒスチジン、リシン、アスパラギン、セリン、アラニン、システイン、またはトレオニンによる置換
からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換された配列番号6のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含むことを特徴とする(30)に記載の方法。
Claims (2)
- ホルムアルデヒドおよびシアン化水素からグリコール酸を製造するための方法であって、
(a)10秒から24時間、90℃〜150℃の温度に加熱された水性ホルムアルデヒド供給流れを提供するステップと、
(b)(a)の加熱された水性供給流れをグリコロニトリル合成に適切な70℃以下の温度でシアン化水素と接触させ、それによってグリコロニトリルが製造されるステップと、
(c)ステップ(b)のグリコロニトリルを適切な水性反応混合物中でニトリラーゼ活性を有するポリペプチドを含む酵素触媒と接触させるステップであって、前記ポリペプチドが、
1)アミノ酸残基168でのリシン、メチオニン、トレオニン、またはバリンによる置換、および
2)アミノ酸残基201でのグルタミン、グリシン、ヒスチジン、リシン、アスパラギン、セリン、アラニン、システイン、またはトレオニンによる置換からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換された配列番号6のアミノ酸配列を有し、それによってグリコール酸が製造されるステップと、
(d)塩または酸の形で(c)において製造されるグリコール酸を回収するステップを含み、前記酵素触媒が、同一の反応条件下でグリコロニトリルをグリコール酸に変換する場合、アシドボラックス・ファシリス(Acidovorax facilis)72Wニトリラーゼのニトリラーゼ活性に対してニトリラーゼ活性の少なくとも1.5倍の増加を提供することを特徴とする方法。 - ホルムアルデヒドおよびシアン化水素からグリコール酸を製造するための方法であって、
(a)10秒から24時間、90℃〜150℃の温度に加熱された水性ホルムアルデヒド供給流れを提供するステップと、
(b)(a)の加熱された水性供給流れをグリコロニトリル合成に適切な70℃以下の温度でシアン化水素と接触させ、それによってグリコロニトリルが製造されるステップと、
(c)ステップ(b)のグリコロニトリルを適切な水性反応混合物中でニトリラーゼ活性を有するポリペプチドを含む酵素触媒と接触させ、それによってグリコール酸が製造されるステップと、
(d)イオン交換によって(c)において製造されたグリコール酸を回収するステップを含み、前記グリコール酸が少なくとも99.9%の純度を有する方法。
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