JP2008505657A - 組換え微生物によるフラボノイドの生成 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、国立科学基金(the National Science Foundation)からの登録番号BES-0331404下の政府基金により支援された。当該政府が本発明の所定の権利を有する。
フラボンは、ヘテロ環ピロンにより連結される2つのベンゼン環から成る(Middleton等、Pharmacol. Rev. 52:673-751, 2000)。クリシン、アピゲニンおよびルテオリン等のフラボンは、抗不安効果(Viola等、1995, Planta Med., 61:213-216; Wolfman等、Pharmacol. Biochem.47:1-4,1994; Wolfman等、1995, J. Neurochem.65;S167)、虚血後の心機能の改善(Lebeau, 2001, Bioorg.Med.Chem.Lett. 11:23-27; Rump等、1994, Gen.Pharmacol.25: 1137-1142; Schussler等、1995, Gen.Pharmacol.26:1565-1570)および乳癌細胞培養物における抗エストロゲン効果(Miksicek, 1995. P.Soc.Exp.Biol.Med.208:44-50)を含む一連の薬理学的特性を示す。フラボンは、パセリ、タイム、セロリおよび赤ピーマンを含む比較的少数の食品群にのみ見出される(Ross等、2002, Annu.Rev.Nutr.22: 19-34)。
フラボノールの生合成では、(2S)-フラバノンは前記のように形成される。次いで天然(2R,3R)-トランス-ジヒドロフラボノールが、(2S)-フラバノンから、フラバノン3β-ヒドロキシラーゼ(FHT)の活性により形成される。最終的に、フラボノール・シンターゼ(FLS)、2-オキソグルタレート-依存性ジオキシゲナーゼがジヒドロフラボノールのフラボノールへの脱飽和を触媒する。
つまり、異種システムでフラボノイドを生成するためのシステムの必要性の現実化および種々の植物由来のフラボノイドの生合成経路に関与する多数の酵素のcDNAの解明にも関わらず、微生物システムにおける種々のフラボノイドの合成のための適切なシステムおよび方法は開発されていない。それゆえ、これらの化合物に関して増加している必要性を満たし得る有用量のフラボノイドを生成可能な、化学変換を必要としない方法およびシステムの開発が今なお必要とされている。
他の態様では、フラバノンを種々の他のフラボノイドに変換し得る酵素をコードする遺伝子のセットが提供される。これらフラボノイドには、フラボン、フラバン-3-オール、フラバン-4-オール、フラボノールおよびアントシアニン、および前記化合物の合成における中間体が含まれる。そのような中間体には、ジヒドロフラボノール、ロイコアントシアニジンおよびアントシアニジンが含まれる。
他の態様では、フェニルプロパノイドを、フラバノン、フラボン、フラボノール、ジヒドロフラボノール、フラバン-3-オール、フラバン-4-オール、アントシアニンおよびアントシアニジンから成る群から選択されるフラボノイドに変換し得る酵素をコードする遺伝子のセットが提供される。
図1は、種々のフラボノイドの生合成のための経路を示す。遺伝子のセットは、宿主細胞に提供される基質および所望される最終生成物フラボノイドに基づき選択できる。
フラボノイドの生成のために最も便利な宿主細胞には細菌および酵母が含まれる。この目的に適した細菌細胞の例はエスケリキア.コリである。本発明に適した酵母細胞の例は、サッカロマイセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)である。
特定の酵素のための遺伝子は異なる植物源から得ることができる。そのような植物源には、限定するものではないが、ペトロセリナム・クリスパム(Petroselinum crispum)、アラビドプシス・サリアナ(Arabidopsis thaliana)、メディカゴ・サティバ(Medicago sativa)、ダイズ、ペチュニア、ペチュニア・ヒブリダ(Petunia hybrida)、カサランサス・ロゼウス(Catharanthus roseus)、キンギョソウ、マルス・ドメスティカ(Malus domestica)、リリウム・ヒブリダ(Lilium hybrida)、ニンジン、イポモエア・パープレア(Ipomoea purpurea)、イポモエア・ニル(Ipomoea nil)、アンスリアム・アンドレアナム(Anthurium andreanum)、ストロベリー、ローザ・ヒブリダ(Rosa hybrida)、ダイアンサス・グラチアノポリタナス(Dianthus gratianopolitanus)およびデスモジウム・アンシナタム(Desmodium uncianatum)が含まれる。
他の態様では、前記遺伝子クラスターには、フェニルプロパノイドの、フラボン、フラバノン、フラバン-4-オール、ジヒドロフラボノール、フラボノール、ロイコアントシアニジン、フラバン-3-オール、アントシアニジンおよびアントシアニンを含む種々のフラボノイドまでの完全な経路のための酵素をコードする遺伝子が含まれる。
本発明を以下の実施例によりさらに記載するが、これは説明のためのものであり、いかにしても限定を意図するものではない。
本実施例では、イー.コリ中での4つの植物由来遺伝子の発現によるアントシアニンの合成を記載する。これら遺伝子は下流アントシアニン生合成経路に関与する。下流アントシアニン生合成経路の4つの遺伝子であって、フラバノン、ナリンゲニンをこの経路の最初の着色されかつ安定なアントシアニンの一つ、即ちペラルゴニジン3-O-グルコシドに変換するものを含む人工遺伝子クラスターを構築した。マルス・ドメスティカからのFHT(MdF3H)、ダイアンサス・グラチアノポリタナスまたはアンスリアム・アンドレアナムからのDFR(dfr)、マルス・ドメスティカからのANS(MdANS)、およびペチュニアxヒブリダからの3-GT(PGT8)をコードしている遺伝子のセットを用いた。我々はまた、ペラルゴニジン3-O-グルコシドの生成のための出発基質として利用されたナリンゲニンが、細胞に対する有意な毒性効果を伴わずにイー.コリ中に効率的に輸送されたことをも示す。
細菌株、プラスミドおよび培養条件。インビトロジェン(Invitrogen)から購入したイー.コリTOP10FをDNA操作のために用い、イー.コリJM109をシェーク-フラスコ試験のために用いた。プラスミドpTrcHis2-TOPO(インビトロジェン)およびpK184をクローニング目的のために用いた。カリステフィンクロライド(ペラルゴニジン3-O-グルコシドクロライド)標準は、エクストラシンターゼ(ExtraSynthase)(フランス)から購入した。
培地中のナリンゲニンの存在によりイー.コリの増殖低下が生じる。
M9最少培地(50μg/mlのカナマイシン)中で、異なる濃度のナリンゲニン(0.1mM、0.3mM、0.5mMおよび1mM)の存在下、プラスミドpK184を運搬しているJM109の培養物をインキュベートすることにより、イー.コリの増殖におけるナリンゲニンの影響を試験した。図3に示すように、ナリンゲニンはイー.コリに特異的な増殖速度に阻害的効果を有する。:最大の特異的増殖速度は、ナリンゲニンを含まないM9最少培地中で増殖されたイー.コリJM109についての 0.20h-1から1mMのナリンゲニンの存在下に増殖されたJM109についての0.14h-1へ低下した。同様の低下が最終的な細胞数に関して観察された。:13時間の増殖後、OD600は対照試験(ナリンゲニンなし)につき1.2に達し、一方1mMのナリンゲニンの存在下で増殖されたイー.コリについては1.0に低下した。アブソーバンスのこの低下は最終乾燥細胞重量濃度の低下にも翻訳でき、これは対照(ナリンゲニンなし)での0.586mg/mlから最少培地中1mMのナリンゲニンの存在下での0.492mg/mlへと、共に13時間の細胞増殖後に低下した。この最終乾燥細胞重量における16%の低下(最終アブソーバンスにも認められる)は、ナリンゲニンがイー.コリにおそらくは拡散により入り得、これが細胞増殖に阻害的効果を持つと考えられることを示唆する。
ANSは、広い基質特異性を有する、非ヘム鉄および2-オキソグルタレート-依存性オキシゲナーゼファミリーのメンバーである。我々は、(2R,3S,4S)-シスロイコシアニジン、(2R,3S,4R)-トランス-ロイコシアニジン、(2R,3S,4S)-シスロイコペラルゴニジンおよび(2R,3S,4R)-トランス-ロイコペラルゴニジンを用いて、インビトロANSアッセイを行った。全化合物は基質として受容され、非天然のトランス-ロイコアントシアニジンは天然のシスエピマーよりも効率的に触媒された。インビトロのANS反応のHPLC分析により、ジヒドロクエルセチンおよびクエルセチン(基質としてロイコシアニジンの場合)またはジヒドロケンペロールおよびケンペロール(ロイコペラルゴニジンの場合)が主要生成物であり、最終ANS生成物のわずか1%のみがシアニジンまたはペラルゴニジンに対応することが示された。前記生成物の大部分、82%はジヒドロフラボノール(ジヒドロケンペロールまたはジヒドロクエルセチン)に対応し、残りはフラボノール(ケンペロールまたはクエルセチン)に対応した。この結果は、基質として用いたロイコペラルゴニジンエピマーに関わらず一貫した。エム.ドメスティカANSのインキュベーションから認められた生成物の分布を表2に示す。反応生成物は当該HPLC特性におけるピーク領域を調べ、それらを基準サンプルの標準曲線と比較することにより定量した。シアニジンは515nmで、クエルセチンは360nmで、ジヒドロクエルセチン(DHQ)は290nmでモニターした。結果は2つの独立試験の平均を示す。
全4つの遺伝子を個々に、低コピー数のイー.コリベクターpK184中、強いtrcプロモーターの制御下に置いた。我々は、細胞に有害な影響を持つ虞のある、高コピー数のプラスミドから起こり得る高い転写および翻訳レベルを避けるために、低コピー数のベクターを選択した。ミニシストロン配列の後に位置づけられるリボゾーム結合部位、AGAGGおよび再開始リボゾーム結合部位AAGGAGであって共にクローニングベクターpTrcHis2-TOPO由来のものは、各遺伝子の開始コドンから各々46bpおよび16bpを示す。同じ非翻訳領域が4つの遺伝子の各々の前に存在したが、組換え現象は認められず、ベクターは、培地中の抗生物質の不在下および13時間の培養後でもイー.コリJM109中で安定であることが分かった。
我々はまず、組換えおよび対照培養物の両方から得たファーメンテーションブロスのHPLC分析を行った。検出のために、我々は520nmでのアブソーバンスをモニターした(図4)。カリステフィンクロライドの標準のサンプルと同じ保持時間を有する1つの化合物のみが存在しているようであった。当該化合物をさらにLC-MSを用いて分析した。
HPLCおよびLC-MSにより、ペラルゴニジン3-O-グルコシドが、イー.コリ中での植物酵素の異種発現により効果的に生成されたことが示される。
本実施例では、細菌種からの植物特異的フラボノールの生合成を初めて示す。これは、化学的変換を必要としないフラバノンプレカーサー代謝物の生合成を許容する、イー.コリ中での異種植物源由来の遺伝子クラスターの発現により達成された。これら遺伝子クラスターを用いて、イー.コリからのフラバノン、エリオジクチオールの生合成も達成された。
材料および方法
植物材料、細菌株、プラスミドおよび培養条件。パセリの種をストロークス・シーズ(Strokes Seeds)(バッファロー、NY)から購入し、ペチュニア植物は地元の苗床から購入した。イー.コリTOP10(インビトロジェン、カールスバッド、CA)をDNA操作のために用い、イー.コリBL21Star(プロメガ)をシェーク-フラスコ試験のために用いた。プラスミドpETDuet-1、pCDFDuet-1およびpRSFDuet-1(ノバゲン)をクローニングのために用いた。
化学物質。ケイ皮酸、p-クマリン酸およびカフェー酸は、MPバイオメディカルズInc.(Irvine, CA)から購入した。ナリンゲニンはシグマ-アルドリッヒ(セントルイス、MO) から購入した。エリオジクチオール、ジヒドロクエルセチン、ケンペロールおよびクエルセチンはインドフィン(Indofine)(ヒルスボロー、NJ) から購入した。
フェニルプロパン酸はイー.コリの増殖を低下させる。我々は、p-クマリン酸とケイ皮酸のイー.コリの増殖における影響を、BL21StarをM9最少培地およびLBリッチ培地中で、異なる濃度のこれら化合物(0mM、0.05mM、0.1mM、0.15mM、0.2mM、1mMおよび2mM)の存在下にインキュべートすることにより試験した。図7に示すように、増加濃度のフェニルプロパノイド酸によりイー.コリの増殖阻害が生じた。例えば、M9リッチ培地中のp-クマリン酸の場合、増殖速度は0.28h-1(対照、0mM)から0.18h-1(2mM)まで低下した。同様に、ケイ皮酸に関しては、M9最少培地中で、当該増殖速度は0.27h-1(対照、0mM)から0.17h-1(2mM)まで低下した。これらの結果は、イー.コリの増殖がフラバノンの存在下に阻害されることを示す。
プレカーサー、フェニルプロパノイド酸からの、化学変換のステップを要としない直接的なフラボノールの生合成を設計するために、我々は以下の方法を用いた。
異種植物起源の3つの遺伝子、即ちペトロセリナム・クリスパム(パセリ)からの4-クマレート:補酵素Aリガーゼ(4CL) をコードしているPc4cL-2(Lozoya等、1988、Eur J Biochem 176(3), 661-667)、ペチュニアからのCHIをコードしているCHI-A(Vantunen等、1989、Plant Mol Biol 12(5), 539-551; Vantunen等、1988、EMBO J., 7(5), 1257-1263)およびペチュニアからのCHSをコードしているchsを単離し、イー.コリベクターpCDFDuet-1(Pc4cL-2)およびpETDuet-1(CHI-Aおよびchs)にクローン化した(図6)。ベクターpCDFDuet-1はCloDF13イー.コリレプリコンに基づき20-40のコピー数を有し、選択マーカーとしてストレプトマイシン耐性をコードするaadA遺伝子を用いる。ベクターpETDuet-1はColE1レプリコンに基づく中コピー数ベクター(〜40)であり、これは選択マーカーとしてアンピシリン耐性をコードしているbla遺伝子を用いる。両ベクターは互いに、およびMdF3HおよびFLS1のクローニングのために先に用いたpRSFDuet-1ベクター(カナマイシン耐性)と共に同時複製できる。各遺伝子を個々に強いT7プロモーターおよびリボゾーム結合部位の下に配置して、ベクターpCDF-PC4CL2およびpET-CHS-CHIを得、これらをプラスミドpRSF-FLS1-F3Hと共にイー.コリ株BL21Starに同時形質転換した。異なる抗生物質耐性および互換性レプリコンのために、全3つの組換えプラスミドはイー.コリ細胞中で選択し得かつ共存し得た。
我々のシェークフラスコ試験の結果を表5に示す。
本実施例は、エス.セレビジエ組換え株からのフラバノン物質のミリグラム量の生合成を初めて記載するものである。これは、反復DNA配列(GAL1プロモーター)の存在にもかかわらず、酵母中で安定であることが確かな植物由来の遺伝子クラスターを用いて達成された。
材料および方法
植物材料、細菌株、酵母株、プラスミドおよび化学物質。パセリの種はストロークス・シーズ (バッファロー、NY)から購入し、ペチュニア植物は地元の苗床から購入した。エス.セレビジエ株INVSC1(MATa his3D1 leu2 trp1-289 ura3-52)(インビトロジェン、カールスバッド、CA)を酵母形質転換およびシェークフラスコ試験のために用いた。イー.コリTOP10F'(インビトロジェン)を、プラスミドの構築および保持のために用いた。エス.セレビジエプラスミドpYES2.1/V5-His-TOPO(インビトロジェン)およびYEplac181(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、マナッサス、VA)をクローニングのために使用した。p-クマリン酸、ケイ皮酸、カフェー酸及びフェルラ酸は、MPバイオメディカルズInc.から購入した。ナリンゲニンはシグマ-アルドリッヒ(セントルイス、MO)から、及びエリオジクチオール、ホモエリオジクチオール及びピノセンブリンはインドフィン(ヒルスボロー、NJ)から購入した。
我々は、ベクターYEplac181中に、エス.セレビジエ中でのフェニルプロパノイド酸のフラバノンへの変換を可能とする遺伝子クラスターを設計した。この目的のために、植物起源の4つの構造遺伝子、即ちアラビドプシス・サリアナからのC4H cDNA、ペトロセリナム・クリスパムからのPc4cL-2、ペチュニアxヒブリダからのCHI-A及びchs cDNAを酵母で異種発現させるために選択した。本試験で使用した全酵素は、C4Hを除き、先にイー.コリ中でうまく発現されている。
ケイ皮酸を培養物にトータル5のインクリメントで与えた。培地中高濃度のケイ皮酸(0.5mM以上)により有意な細胞増殖阻止が生じたことが予備的データにより立証されたので、この後、フィーディング法を行った。全ての場合に、ファーメンテーションの65時間後、僅かな量のケイ皮酸のみが培養物中に検出された。
3つのプレカーサー、フェニルプロパノイド酸のいずれかでの培養物のフィーディングを、それら全てが増殖阻害を示したので、ケイ皮酸に関して先に記載したように行った。フラバノン化合物を、保持時間およびUV特性の、基準標準および文献データのものとの比較により同定した。
表7にまとめるように、p-クマリン酸の場合、大量のナリンゲニンが培養物に蓄積した(図12A、12B、12C)。同様に、カフェー酸をプレカーサーとして用いた場合、天然の(2S)-エリオジクチオールがかなりの量で生成された(図12D、12E、12F)。これは、エリオジクチオール生合成を微生物ファーメンテーションにより初めて達成したものである。最後に、フェルラ酸は、組換え酵母株により代謝されず、ホモエリオジクチオールの生合成は全く認められなかった。
本実施例では、p-クマリン酸または(2S)-ナリンゲニンからのアフゼレキンのイー.コリ中での合成を示す。植物酵素4CL、CHI、CHS、FHT、DFRおよびLARをコードしている遺伝子のセットを、p-クマリン酸のアフゼレキンへの変換のために用いた。植物酵素FHT、DFRおよびLARをコードしている遺伝子のセットを、(2S)-ナリンゲニンのアフゼレキンへの変換のために使用した。
材料および方法:
細菌株、プラスミドおよび培養条件。イー.コリTOP10F'(インビトロジェン、カールスバッド、USA)をDNA操作のために使用し、イー.コリBL21StarまたはRosettaをシェーク-フラスコ試験のために使用した。プラスミドpTrcHis2-TOPO(インビトロジェン)、pETDuet-1、pCDFDuet-1およびpCOLADuet-1(ノバゲン)をクローニングのために使用した。
4-クマロイルCoA-リガーゼ(Pc4cL-2a.k.a. 4CL)はペトロセリナム・クリスパム(パセリ)からクローン化した。カルコン・シンターゼ(CHS)はペチュニア・ヒブリダ(ペチュニア)からクローン化した。カルコン・イソメラーゼ(CHI)はメディカゴ・サティバ(アルファルファ)からクローン化した。フラバノン3β-ヒドロキシラーゼ(FHT a.k.a. F3H)はマルス・ドメスティカ(リンゴ)からクローン化した。ジヒドロフラボノール4-レダクターゼ(DFR)はアンスリアム・アンドレアナム〔フラミンゴ・フラワー(flamingo flower)〕からクローン化した。ロイコアントシアニジン・レダクターゼ(LAR)はデスモジウム・アンシナタムからクローン化したものであり、アンソニーR.アシュトン氏から譲り受けた (国際特許公開第2002-AU179)。
p-クマリン酸およびLB培地はMPバイオメディカルズから得た。(2R/S)-ナリンゲニンはシグマ-アルドリッヒ(セントルイス、USA)から購入した。イソプロピル-[ベータ]-D-チオガラクトシド(IPTG)はフィッシャー・サイエンティフィックから得た。M9最少培地の塩は、べクトン、ディッキンソン・アンド・カンパニー(Becton, Dickinson and Company)から得た。FeSO4*7H2OはEMサイエンスから得た。
chiおよびchsを保持しているプラスミドpET-CSCIを、chsをEcoR VとKpn Iの間に、CHI-AをBamH IとPst Iの間に、ベクターpETDuet-1中に連続的にサブクローニングすることにより構築した。mdf3h cDNAを含んでいるプラスミドpCDF-Fを、Mdf3hをEcoR IとSal Iの間に、ベクターpCDFDuet-1中に連続的にサブクローニングすることにより構築した。Pc4cL-2とMdf3h cDNAを含んでいるプラスミドpCDF-4Fを、Pc4cL2をベクターpCDF-Fに、EcoR VとKpn Iの間にサブクローニングすることにより構築した。dfrおよびlarを運搬しているプラスミドpCOLA-DLを、ベクターpCOLADuet-1に、dfrをEcoR VとKpn Iの間に、larをEcoR IとNot Iの間に連続的にサブクローニングすることにより構築した。各遺伝子を、各Duetベクター上に提供されるその各々のT7プロモーター下にクローン化した。遺伝子構築物を図13に示す。
フラボノイド化合物の全般的な生成を決定するために、バッチファーメンテーションを、市場入手可能なp-クマリン酸を用いて調製した。ベクターpET-CSCI、pCDF-4FおよびpCOLA-DLを運搬している組換えイー.コリBL21Star(インビトロジェン)のLBまたはM9最少培地中での一晩前播種物。抗生物質を製造業者の指示に従い添加した(50μg/mLアンピシリン、50μg/mLストレプトマイシン及び30μg/mLカナマイシン)。翌日、前播種物の4mLを用いて、250mLフラスコ中76mLのLBまたはM9最少培地培養物に播いた。培養物をインキュベーター中で37℃にてOD600が約0.6に達するまで増殖させた。遺伝子発現を1mMのITPGにより誘導し、培養物を27℃で4時間水平に振とうさせながら増殖させた。DMSOに溶解したp-クマリン酸を0.5mMの終濃度まで添加した。FeSO4を0.1mMの終濃度まで添加した。培養物を27℃にて72時間インキュべートした。
フラボノイド化合物の全般的な生成を測定するために、バッチファーメンテーションを、市場入手可能な(2R/S)-ナリンゲニンを用いて調製した。ベクターpCDF-FおよびpCOLA-DLを運搬している組換えイー.コリBL21Star(インビトロジェン)のLBまたはM9最少培地での一晩前播種物。抗生物質を製造業者の指示に従い添加した(50μg/mLストレプトマイシン及び30μg/mLカナマイシン)。翌日、前播種物の4mLを用いて76mLのLBまたはM9最少培地培養物に播種した。培養物をインキュべーターで37℃でOD600が約0.6に達するまで増殖させた。遺伝子発現を1mMのITPGにより誘導し、培養物を27℃で4時間水平に振とうさせつつ増殖させた。DMSOに溶解した(2R/S)-ナリンゲニンを0.2mMの終濃度まで添加した。FeSO4を0.1mMの終濃度まで添加した。培養物を27℃で72時間インキュべートした。
各培養物の15mを25mLの酢酸エチルで抽出し、ロータリーエバポレーターを用いて乾燥し、残存物を200μLのアセトニトリルに再溶解した。25μLのサンプルを、Agilent HPLC1100シリーズ装置をダイオードアレイディテクターと共に用いるHPLCにより分析した。HPLCは逆相ZORBAX SB-C18カラム(4.6×150mm)とアセトニトリル(溶媒A)および水(溶媒B)勾配(各溶媒は0.1%の蟻酸を含む)を1ml/分の流速で用いて行った。用いたHPLCプログラム条件は以下の通りである。:10%〜40%A(0-10分)および40%〜60%A(10-15分)。アフゼレキンは6.15分で溶離した。同じHPLC勾配を用いて、アフゼレキンがZORBAX SC-C18カラム(9.4×250mm)上で5mL/分の流速で精製された。280nmでのアブソーバンスを全ての場合にモニターした。
植物酵素(4CL、CHI、CHS、FHT、DFRおよびLAR)をコードしているプラスミドを含むエスケリキア・コリは、p-クマリン酸をアフゼレキンに約0.042mg/Lの生成物濃度で変換した。生じた生成物中間体と副産物には(2S)-ナリンゲニン、ジヒドロケンペロール、シス-ロイコペラルゴニジン及びトランス-ロイコペラルゴニジンが含まれる。
植物酵素(FHT、DFR及びLAR)をコードしているプラスミドを含むエスケリキア・コリは (2S)-ナリンゲニンをアフゼレキンに約0.739mg/Lの生成物濃度で変換した(表8)。生じた生成物中間体および副産物にはジヒドロケンペロール、シス-ロイコペラルゴニジンおよびトランス-ロイコペラルゴニジンが含まれる。
1HNMRデータを、アセトン-d6(リファレンスとしてTMS)中で400MHz Varian装置を用いて得た。
(+)-アフゼレキン1H NMR(400MHz、アセトン-d6):δ2.54(dd, J=8.8, 16.4Hz, H2-4-Ha), δ2.95(dd, J=5.6, 16.0Hz, H2-4-Hb), δ4.07(ddd, J=5.6, 7.8, 8.5Hz, H-3), δ4.60(d, J=8.0Hz, H-2), δ5.88(s, H-8), δ6.03(s, H-6), δ6.83(d, J=8.4Hz, H-3',5'), δ7.26(d, J=8.4Hz, H-2'6')。
フォーワードプライマー:CCCAAGAATTCCGATGGCCCTTATGACG-(配列番号43)
リバースプライマー:GGGAAGTCGACCGCTAGCCCATAGCTGAAATTGG-(配列番号44)
本実施例では、他のフラバン-3-オール、(+)-カテキンの、カフェー酸または(2S)-エリオジクチオールからのイー.コリ中での合成を示す。4CL、CHI、CHS、FHT、DFRおよびLARをコードしている遺伝子のセットを(+)-カテキンのカフェー酸からの合成のために用い、FHT、DFRおよびLARをコードしている遺伝子のセットを(+)-カテキンの(2S)-エリオジクチオールからの合成のために用いた。
材料および方法:
細菌株、プラスミドおよび培養条件。イー.コリTOP10F'(インビトロジェン、カールスバッド、USA)をDNA操作のために用い、イー.コリBL21StarまたはRosettaをシェーク-フラスコ試験のために用いた。プラスミドpTrcHis2-TOPO(インビトロジェン)、pETDuet-1、pCDFDuet-1及びpCOLADuet-1(ノバゲン)をクローニングのために用いた。
イー.コリプラスミドの構築。chiおよびchsを保持しているプラスミドpET-CSCIを、ベクターpETDuet-1に、chsをEcoR VとKpn Iの間に、CHI-AをBamH IとPst Iの間に連続的にサブクローニングすることにより構築した。mdf3h cDNAを含んでいるプラスミドpCDF-Fを、ベクターpCDFDuet-1中に、Mdf3hをEcoR IとSal Iの間に連続的にサブクローニングすることにより構築した。Pc4cL-2とmdf3h cDNAを含んでいるプラスミドpCDF-4Fを、ベクターpCDF-F中に、Pc4cL2をEcoR VとKpn Iの間にサブクローニングすることにより構築した。dfrとlarを運搬しているプラスミドpCOLA-DLを、ベクターpCOLADuet-1に、drfをEcoR VとKpn Iの間に、larをEcoR IとNotIの間に連続的にサブクローニングすることにより構築した。各遺伝子は、各Duetベクター上に提供されるその各々のT7プロモーター下にクローン化した。遺伝子構築物を図15に示す。
フラボノイド化合物の全般的な生成を決定するために、市場入手可能なカフェー酸を用いてバッチファーメンテーションを調製した。pET-CSCI、pCDF-4FおよびpCOLA-DLを運搬している組換えイー.コリBL21Starの一晩前播種物をLBまたはM9最少培地中で調製した。抗生物質を製造業者の指示に従い添加した(50μg/mLアンピシリン、50μg/mLストレプトマイシン及び30μg/mLカナマイシン)。翌日、前播種物の4mLを用いて、250mLのフラスコ中76mLのLBまたはM9最少培地培養物に播種した。培養物をインキュベータ中で37℃でOD600が約0.6に達するまで増殖させた。遺伝子発現を1mMのITPGを用いて誘導し、培養物を27℃で4時間水平に振とうさせつつ増殖させた。DMSOに溶解したカフェー酸を0.5mMの終濃度まで添加した。培養物を27℃で72時間インキュベートした。
フラボノイド化合物の全般的な生成を決定するために、市場入手可能な(2S)-エリオジクチオールを用いてバッチファーメンテーションを調製した。ベクターpCDF-FおよびpCOLA-DLを運搬している組換えイー.コリBL21Star(インビトロジェン)のLBまたはM9最少培地中の一晩前播種物を調製した。抗生物質を製造業者の指示に従い添加した(50μg/mLストレプトマイシン及び30μg/mLカナマイシン)。翌日、前播種物の4mLを用いて76mLのLBまたはM9最少培地培養物に播種した。培養物をインキュベーター中で37℃でOD600が約0.6に達するまで増殖させた。遺伝子発現を1mMのITPGにより誘導し、培養物を27℃で4時間水平に振とうしつつ増殖させた。DMSOに溶解した(2S)-エリオジクチオールを0.2mMの濃度まで添加した。培養物を27℃で72時間インキュベートした。
各培養物の15mLを25mLの酢酸エチルで抽出し、ロータリーエバポレーターを用いて乾燥し、残存物を200μLのアセトニトリルに再溶解した。25μLのサンプルを、AglentHPLC1100シリーズ装置をダイオードアレイディテクターと共に用いるHPLCにより分析した。HPLCは、逆相ZORBAX SB-C18カラム(4.6×150mm)およびアセトニトリル(溶媒A)および水(溶媒B)勾配(共溶媒は0.1%の蟻酸を含む)を1mL/分の流速で用いて行った。用いたHPLCプログラム条件は以下の通りである。:10%〜40%A(0-10分)および40%〜60% A (10-15分)。(+)-カテキンが5.01分で溶離した。同じHPLC勾配を用いて、(+)-カテキンはZORBAX SC-C18カラム(9.4×250mm)を5mL/分の流速で用いて精製された。280nmでのアブソーバンスを全ての場合にモニターした。
植物酵素(4CL、CHI、CHS、FHT、DFRおよびLAR)をコードしているプラスミドを含んでいるエスケリキア.コリは、カフェー酸を(+)-カテキンに約0.088mg/Lの生成物濃度で変換した(表9)。生じた産物中間体および副産物には(2S)-エリオジクチオール、ジヒドロクエルセチン、シス-ロイコシアニジンおよびトランス-ロイコシアニジンが含まれる。
植物酵素(FHT、DFRおよびLAR)をコードしているプラスミドを含んでいるエスケリキア.コリは(2S)-エリオジクチオールを(+)-カテキンに約8.802mg/Lの生成物濃度で変換した。生じた生成物中間体および副産物にはジヒドロクエルセチン、シス-ロイコシアニジンおよびトランス-ロイコシアニジンが含まれる。
LARをクローン化するために用いたプライマーは実施例4と同じであった。
本実施例ではイー.コリ中でのフラボンの生合成を記載する。
材料および方法
化学物質および培地。ルリアブロス(LB)、テリフィックブロス(TB)、YPD(10g/L酵母抽出物、20g/Lペプトン、20g/Lデキストロース)またはM9最少培地(1×M9塩、0.4%グルコース、6μMチアミン、0.1μMビオチン、1μM MgSO4、0.1μM CaCl2)を一貫して使用した。アンピシリン(100μg/mL)、カナマイシン(50μg/mL)およびストレプトマイシン(50μg/mL)またはこれらの抗生物質の組合せを必要に応じて用いた。ケイ皮酸、p-クマリン酸およびカフェー酸はMPバイオメディカルズInc.(Irbine, CA)から購入した。ナリンゲニンはシグマ-アルドリッヒ(セントルイス、MO)から購入した。フェルラ酸、エリオジクチオール、アピゲニン、ルテオリンおよびゲンクワニンはインドフィン(ヒルズボロー、NJ)から購入した。
細菌プラスミドおよび株。イー.コリTOP10F'(インビトロジェン)をクローニング反応の形質転換およびプラスミド保持のために用い、イー.コリ株BL21Star(インビトロジェン)をファーメンテーションのために使用した。3つの同時複製可能なベクターをフラボンの生合成経路の構築のために用いた:高コピー数ベクターpRSFDuet-1(コピー数:〜100)、中コピー数ベクターpETDuet-1(〜40)、および低コピー数ベクターpCDFDuet-1(〜20)(ノバゲン)。さらに、ベクターpCRT7/CTをPCR増幅 DNAのT/Aクローニングのために使用した(インビトロジェン)。本実施例で用いた全株およびプラスミドを表10に示す。
フラボン生合成経路の構築のために(図17)、Pc4CL-2のPCR生成物をpRSFDuet-1に、EcoRIとSalI部位の間にクローン化し、プラスミドpRSF-4CLを得た。次いでPcFSIをpRSF-4CLに、Nde1とKpn1の間にクローン化し、プラスミドpRSF-4CL-FSIを得た。同様に、プラスミドpET-CHI-CHSを、ベクターpETDuet-1に、まずchiAをEcoR VとKpn Iの間に、次いでchsAをBamH IとPst Iの間にサブクローニングすることにより構築し、プラスミドpET-CHI-CHSを得た。OMT1AをpCDFDuet-1に、EcoR IとPst I部位の間にクローン化し、プラスミドpCDF-OMTを得た。全ての場合に、成功した遺伝子クローニングを制限マッピングにより確認し、PCR中に導入された望ましくない変異の不在を直接ヌクレオチド配列決定により確認した。
イー.コリにおけるFSIの発現。イー.コリにてFSIを発現するために、FSI cDNAをPCR増幅し、強いT7プロモーター下にクローン化した(プラスミドpCRT7-FSI)。pCRT7-FSIを運搬している組換えイー.コリBL21Starを0.05mMのジヒドロキシル化フラバノン(2S)-エリオジクチオールの存在下に増殖させて、0.1mMのIPTGでの誘導時の対応するフラボン(ルテオリン)の生合成を試験した。図18aに示すように、組換えイー.コリのファーメンテーションにより、フラボン、ルテオリンが生成され、これは基準化合物の保持時間とUVアブソーバンススペクトルをマッチングさせることにより同定された(図18c;図18bに示す対照試験)。同様の結果を、組換え株をモノヒドロキシル化フラバノン、ナリンゲニンの存在下に増殖させ、対応するフラボン、アピゲニンを生じる場合に得た(結果は示さず)。総じて、これらの結果により、パセリFSIのイー.コリ中での機能的発現が示された。
M9最少培地に加えて、我々は、微生物培養のために一般に使用される他の培地、最少塩培地、LB、TBおよびYPD等も試験した。図20に示すように、アピゲニンは、リッチLB培地中で20時間以内に最高量/細胞数で生成され、これはM9最少培地と比較して1.6倍である。
本実施例では、酵母中でのフラボンの合成を示す。
材料および方法
化学物質および培地。ケイ皮酸、p-クマリン酸およびカフェー酸はMPバイオメディカルInc.(Irvine, CA)から購入した。ナリンゲニンはシグマ-アルドリッヒ(セントルイス、MO)から購入した。フェルラ酸、エリオジクチオール、アピゲニン及びルテオリンはインドフィン(ヒルズボロー、NJ)から購入した。植物からのフラボノイドは標準的な方法に従って抽出した(Harbone, 1998, フィトケミカルメソッド、植物分析の現代技術へのガイド、第3版、スプリンガー)。ルリアブロス(LB)リッチ培地はシグマ-アルドリッヒから購入した。グルコースまたはラフィノース及びガラクトースを含むYPDエス.セレビジエリッチ培地およびSC最少選択培地を調製した(Guthrie等、1991, Method Enzymol, Academic Press, San Diego, CA)。アセテートを含む最少培地(MA)はVerduyn等(1992, 酵母、8: 501-517)に従い、消泡剤BDHを用いずに調製した。
プラスミドYcc4c181はプラスミドYEplac181から誘導され、アラビドプシス・サリアナからのC4H、パセリからのPc4cL-2、ペチュニアxヒブリダからのCHI-AおよびchsのcDNAを運搬している。
プラスミドYC-FSIを、PcFSI cDNAを、プラスミドpYES-FSIからのGAL1プロモーターと共に、GAL1プロモーターの上流に横たわるベクターDNA領域にハイブリダイズしているフォーワードプリマー、およびクローン化されたcDNAの末端にハイブリダイズするリバースプライマーを用いて増幅することにより構築した。GAL1-PcFSI融合物を次いでベクターYCplac22に、Hind IIIとKpn Iの間に挿入し、プラスミドYC-FSIを得た。プラスミドYC-FSIIを、GAL1-AFNS2をベクターYCplac22に、制限部位BamH IとKpn Iの間に挿入することにより同様の方法で構築した。ベクターYCplac22の制限部位Pst IとSal I間のGAL1-CPR1の、およびSac IとXbaIの間のGAL1-AFNS2の挿入により、プラスミドYC-FSII+CPR1を得た。
AFNS2の場合におけるこの可能性を調べるために、および最も効果的なP450レダクターゼを選択するために、我々は、シー.ロゼウスP450レダクターゼCPRおよびエス.セレビジエP450レダクターゼCPR1の、インビトロでAFNS2活性を最適化させることにおける役割を調べた。この目的のために、AFNS2、CPR1およびCPRを個々に発現している組換え酵母のミクロゾームタンパク質を調製した。AFNS2の活性を、NADPHと、CPR1またはCPR調製物のいずれかの存在下での、ナリンゲニンのアピゲニンへの変換を定量することにより調べた。いずれかのレダクターゼ酵素調製物を与えた場合に、対照(レダクターゼなし)と比較して、生成されたナリンゲニンの量の約2倍の増加が認められた(表14)。
しかし、ナリンゲニンのアピゲニンへのAFNS2による変換は、CPRを用いた場合よりもCPR1の存在下で30%高かった。この結果に基づき、我々は、酵母CPR1の過剰発現により、AFNS2のパーフォーマンスがより効果的に高まると結論付け、CPR1をさらなる研究のために選択した。
組換え酵母株を、唯一の炭素源としてアセテートを含むMA-Leu-Trp-最少培地中で増殖させた。ファーメンテーションにより、フラボノイド生成の全般的な増加を生じた(図23A、23B)。より詳しくは、INV-4G+FSIの場合、フラボンおよびフラバノンの細胞数当たりの濃度は、アセテートを炭素源として含むMA-Leu-Trp-最少培地を利用した場合、炭素源としてラフィノースを含むSC最少培地を利用した場合よりも各々3倍および1.5倍増加した。INV-4G+FSII+CPR1の場合、MA培地中のファーメンテーションにより、細胞数当たりのフラボンおよびフラバノン濃度は、ラフィノースを含むSC最少培地と比較して各々1.2倍および1.4倍増加した。炭素源としてアセテートを用いて得られた細胞数当たりのフラボンおよびフラバノン濃度を表16に示す。
種々のルテオリン濃縮物の存在下での、INV-4Gによるカフェー酸からのエリオジクチオール生成の効率も試験した。アピゲニンと異なり、ルテオリンは酵母でのフラバノンの生合成を調節(フィードバック阻害)しなかった(図25B)。総じて、これらのデータにより、アピゲニンがその自身の生合成のフィードバックインヒビターとして、投与量依存的に作用することを示された。
本実施例ではフラバン-4-オールの生成を記載する。
材料および方法
植物材料およびcDNAクローン
RNA抽出のために用いた植物組織には、アンスリアム・アンドレアナムからの赤色の仏炎苞および赤色の肉穂花序、ローザ・ヒブリダ・シービー.「ミニローズ」からの花弁、リリアム・ヒブリド・シービー.「スターゲイザー(Star Gazer)」からの花弁、ストロベリー(フラガリア・アナナッサ)からの花および果実(種々の成長段階のもの)およびトマトの若葉が含まれる。植物材料は、採取後、液体窒素で迅速に凍結し、さらなる使用まで-70℃で保存した。一般的なアサガオ(イポモエア・パープレア)系統KK/FP-39およびイポモエア・ニルのDFR cDNAは日本の基礎生物学の国立研究所のシゲル・イリダ博士の好意で譲り受けた。
本試験で使用した[14C]-標識フラボノイドは、Fischer等.1988に記載されているように、酵母中のcDNAクローンの異種発現により得られた異なる組換えタンパク質を用いて合成した。生成物を薄層クロマトグラフィー(TLC)を用いて分析した。
DNA操作
植物材料からの全RNAはRNイージー・プラント・ミニキット(キアゲン、USA)を製造業者の指示に従い用いて単離した。DFR構造遺伝子の逆転写およびエンド-トゥ-エンドPCRはスーパースクリプト(登録商標)ワン-ステップRT-PCRをプラチナ(登録商標)Taq(インビトロジェン、USA)と共に用いて行った。エイ.サリアナ、アイ.ニルおよびアイ.パープレアからのDFR遺伝子は増幅高性能プラスPCRシステム(ロッシュ、ドイツ)を用いてcDNAクローンから増幅した。各植物DFRのために設定したプライマーを表17に示す。PCRプライマー設計のために用いた受諾番号は次の通りである。:エイ.アンドレアナムにつきAY232494、アール.ヒブリダにつきD85102、エル.ヒブリドにつきAB058641、エフ.アナナッサにつきAF029685、エイ.サリアナにつきAB033294、アイ.パープレアにつきAB018438、およびアイ.ニルにつきAB006792。全ての場合に、PCR生成物をTOPO T/AクローニングベクターpTrcHis2-TOPO(インビトロジェン)に、強いIPTG-誘導性trcプロモーター下にクローン化した。全てのクローン化されたdfr cDNAは直接配列決定した。
空の(対照)または種々のcDNA配列を保持しているベクターpTrcHis2-TOPOをイー.コリ株TOP10F'(インビトロジェン)に形質転換した。個々のコロニーを一晩、100μg/mLのアンピシリンを含む3mLのルリア-ブロス(LB)培地で一晩増殖させた。シード培養物を翌日用いて、0.05の600nm(A600)での初期アブソーバンスで50mLの主培養を開始した。主培養物を37℃で、A600が0.5-0.8に達するまで増殖させた。この時点で、インデューサーIPTG(イソプロピルβ-チオガラクトシド)を2mMの終濃度で添加し、培養物を4時間30℃で増殖させた。細胞を遠心分離により回収し、5mLのバッファー(0.1MK2HPO4/KH2PO4、pH6.5)に再懸濁し、超音波またはガラスビーズのいずれかで溶解した。
インビトロDFRおよびFNR酵素反応を、186Bpの放射能標識した基質を用いて行い、インキュべーションを30℃で、DRF試験のために30分-1時間、FNR試験のために30分-2.5時間行った。酢酸エチル抽出をインキュべーション期間の終わりに、100μLの酢酸エチルを用いて(2回)行った。有機相を、予めコートしたTLCセルロースプレート(メルク、ドイツ)にて分析した。生成物、ロイコアントシアニンとフラバン-4-オールを個々の基質、ジヒドロフラボノールおよびフラバノンから、クロロホルム:酢酸:水(10:9:1)システムのクロマトグラフィーにより分離した。放射能活性の検出および定量は、Fuji BAS1000バイオ-イメージング・アナライザーを用いて行った。タンパク質含量を、クリスタリンBSAを標準として用いるローリー法を用いて決定した。インビトロ反応生成物は、マルス・ドメスティカからの異種発現DFRタンパク質(Punyasiri等、2004, Arch.Biochem. Biophys., 431:22-30)を用いてインビトロ反応から既に公開されたRf値により同定した。クロロホルム:酢酸:水(10:9:1)でのTLCクロマトグラフィーを用いて、種々のフラボノイドのRf(×100)値は、DHK:68;DHQ:35;DHM:11;NAR:93;ERI:61;LPg:18;LCy:8;LDp:14;Apf:45;Ltf:18である。
シェーク-フラスコ試験を行って、種々の市場入手可能なフラバノン、例えばフラバノン、7-ヒドロキシフラバノン、ヘスペレチン、5,7-ジメトキシフラバノン、NARおよびERI等に対するエイ.アンドレアナムDRFのフラバノン・レダクターゼ活性を試験した。アンスリアムDFRを保持している組換えイー.コリのシード培養物を100μg/mLのアンピシリンを含むLB中で増殖させた。24時間後、前播種物を用いて50mLの主培地に播種し、これを、A600が0.5に達するまで37℃でインキュベートした。IPTGおよびフラバノン基質を各々2mMおよび0.4mg/mLの終濃度で添加し、回収前の24時間、インキュベーションを30℃で行った。培養上清中のフラボノイド生成物を2回、等体積の酢酸エチルで抽出した。有機溶媒を、ロータリエバポレーターを用いて回収および蒸発し、残存物を水中に溶解した。
植物DRFのイー.コリ発現ベクターへのモレキュラークローニングおよびタンパク質の発現
我々は、種々の植物DFRオープンリーディングフレームの全長cDNAを、PCRおよびRT-PCRにより、Genbankにて入手可能な配列情報を用いて増幅した。エイ.アンドレアナムの場合、赤色の仏炎苞または赤色の肉穂花序のいずれかから抽出されたRNAをテンプレートとして用いるRT-PCRにより、dfrに対応するcDNAフラグメントを得た。ストロベリーの場合、(試験した全ての異なる発達段階の)果実から単離されたRNAからのみdrf cDNAが増幅されたが、花からは増幅されなかった。
組換えアンスリアムは、正常(6-7)に近接したpH値で、ジヒドロフラボノールとフラバノンに対して最大のインビトロ活性を示した(図26A)。これは、他のDFR酵素に関しても同様に最適のpH領域であった。全基質に関する最適の温度条件は25〜30℃の範囲内であった(図26B)。
DHKおよびDHQに対する組換え酵素の特異的活性を表18にまとめる。
全ての機能的に発現された組換えDFR酵素はまた、FNR活性をも示した。ERIの還元生成物、LTFが全アッセイで検出されたので、ERIは、全てのDFR酵素のための普遍的な基質として作用した。しかし、NARを基質として用いた場合、APfは、DHKをも効率的に還元することができる組換えDFR酵素、即ち、エイ.アンドレアナム、アイ.ニル、アール.ヒブリダおよびエフ.アナナッサからの組換えDFR酵素との反応でのみ検出された(図27)。総じて、これらのアッセイは、フラバノンがDFR酵素により、ジヒドロフラボノールほど効率的には受容されなかったことを示す(酵素活性を表18に示す)。それらはまた、FNR活性が普遍的なDFR特性であることをも示す。
Claims (20)
- 宿主細胞中でフラボノイドを生成する方法であって、
a)基質からの所望のフラボノイドの合成を指示するのに十分な1つ以上の酵素をコードする遺伝子のセットを含む外因性核酸を、前記宿主細胞に導入するステップ;
b)前記基質を前記細胞に供給するステップ;
c)前記細胞を、前記フラボノイドの前記細胞による合成を許容する条件下に培養するステップ;および、
d)前記フラボノイドを前記細胞から単離するステップ、
を含み、かつ、前記フラボノイドが、フラバノン、フラボン、フラボノール、ジヒドロフラボノール、フラバン-3-オール、フラバン-4-オール、フラバン-3,4-ジオール、アントシアニンおよびアントシアニジンから成る群から選択される方法。 - 生成される前記フラボノイドがフラバノンである請求項1に記載の方法。
- 生成される前記フラボノイドがフラボンである請求項1に記載の方法。
- 生成される前記フラボノイドがフラボノールである請求項1に記載の方法。
- 生成される前記フラボノイドがジヒドロフラボノールである請求項1に記載の方法。
- 生成される前記フラボノイドがフラバン-3-オールである請求項1に記載の方法。
- 生成される前記フラボノイドがフラバン-4-オールである請求項1に記載の方法。
- 生成される前記フラボノイドがフラバン-3,4-ジオールである請求項1に記載の方法。
- 生成される前記フラボノイドがアントシアニンである請求項1に記載の方法。
- 生成される前記フラボノイドがアントシアニジンである請求項1に記載の方法。
- 前記基質がフェニルプロパノイドである請求項1に記載の方法。
- 前記基質がフラボノンであり、生成される前記フラボノイドが、フラボン、フラボノール、ジヒドロフラボノール、フラバン-3-オール、フラバン-4-オール、フラバン-3,4-ジオール、アントシアニンおよびアントシアニジンから成る群から選択される請求項1に記載の方法。
- 前記フラボノイドが、アピゲニン、クリシン、ルテオリン、ピノセンブリン、ナリンゲニン、エリオジクチオール、アピフェロール、ルテオフェロール、ジヒドロクエルセチン、ジヒドロミレセチン、ジヒドロケンペロール、ケンペロール、クエルセチン、ミレセチン、ロイコペルゴニジン、ロイコシアニジン、ロイコデルフィニジン、アフゼレキン、カテキン、ガロカテキン、エピアフゼレキン、エピカテキン、エピガロカテキン、ペラルゴニジン、シアニジン、デフィニジン、ペラルゴニジン3-O-グルコシド、シアニジン3-O-グルコシド、デルフィニジン3-O-グルコシド、ペラルゴニジン3,5-O-グルコシド、シアニジン3,5-O-グルコシドおよびデルフィニジン3,5-O-グルコシドから成る群から選択される請求項1に記載の方法。
- 1つ以上のベクターを含む組成物であって、前記1つ以上のベクターが、フェニルプロパノイドまたは、フェニルプロパノイドからのフラボノイドの合成のための生合成経路におけるフェニルプロパノイドより下流の化合物から成る群から選択される基質からのフラボノイドの合成を指示するのに十分な酵素をコードする核酸配列を含み、前記フラボノイドが、フラバノン、フラボン、フラボノール、ジヒドロフラボノール、フラバン-3-オール、フラバン-3,4-ジオール、アントシアニンおよびアントシアニジンから成る群から選択される組成物。
- 前記核酸分子がクマレート4-ヒドロキシラーゼ(C4H)、4-クマロイル-CoAリガーゼ(4CL)、カルコン・シンターゼ(CHS)、カルコン・イソメラーゼ(CHI)、フラボノイド3'5'-ヒドロキシラーゼ(F3'5'H)、フラバノン3-ヒドロキシラーゼ(FHT)、ジヒドロフラボノール4-レダクターゼ(DFR)、アントシアニジン・シンターゼ(ANS)および任意にUDP-グルコース:フラボノイド3-O-グルコシルトランスフェラーゼ(3-GT)をコードする請求項14に記載の組成物。
- 前記核酸分子がC4H、4CL、CHSおよびCHIをコードする請求項15に記載の組成物。
- 前記核酸分子がC4H、4CL、CHS、CHI、F3H、FHT、DFRおよびロイコアントシアニジン・レダクターゼ(LAR)をコードする請求項14に記載の組成物。
- 前記核酸分子がC4H、4CL、CHS、CHI、F3H、FHTおよびフラボノール・シンターゼ(FLS)をコードする請求項14に記載の組成物。
- 前記核酸分子がFHT、F3'5'H、DRF、ANSおよび3-GTをコードする請求項15に記載の組成物。
- 請求項10に記載の組成物で形質転換された宿主細胞。
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