JP2008503186A - 信号処理のための行列値方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、デジタル信号を処理する画期的な行列値変換フレームワークに関する。本発明の一つの態様によれば、ベクトル値離散時間データ系列を時間領域から周波数領域に変換する行列値方法及び装置が開示される。別の態様では、ベクトル値データ系列を周波数領域から時間領域に変換する行列値方法及び装置が開示される。更に、本発明において開示される新規のフレームワークは、行列値通信システムの基本信号処理機能及び動作を実行する複数の方法及び装置も実現する。これらの機能及び動作は、これらには制限されないが、行列値高速フーリエ変換、行列値線形及び巡回畳み込み、行列値相関、行列値多重化及び逆多重化、及び行列値データ符号化及び復号化を含む。

Description

本発明は概して、信号処理のための行列値方法及び装置に関する。特に、本発明は、行列値高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)法、及び行列値逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform:IFFT )法及び演算器に関する。
序論及び表記法
本発明は、スカラー値関数、変数、量、アルゴリズム、及びシステムではなく、行列値関数、変数、量、アルゴリズム、及びシステムを扱う。これらの関数、変数、量、アルゴリズム、及びシステムについて記載するために、次の表記法を本開示全体を通じて用いる。
・スカラー関数及びスカラー変数は小文字(例えば、x,y,a)で示す。
・文字k,n,m,r,p,q,K,N,Mを使用して整数変数を示す。
・スカラー量から成るベクトルは小文字太字(下線)(例えば、)で示す。
・スカラーの行列は大文字太字(大文字下線)のTimes Romanフォント(例えば、)で示す。
・行列の行列は大文字太字(大文字下線)のEuclidフォント(例えば、)で示す。
・所定サイズの単位行列はで示す。すなわち、単位行列は次のようになる。
Figure 2008503186
・次式のような構造の要素を含む対角行列は、対角成分{λ,λ,...,λ1n}で示す。
Figure 2008503186
・全てがゼロの行列またはベクトルはで示す。
・記号
Figure 2008503186
を使用して行列またはベクトルの複素共役転置行列または複素共役転置ベクトルを示す。
・記号jを使用して虚数
Figure 2008503186
を表わす。
・||はベクトルのノルムを指す。
・(p−m)modMは(p−m)をMで割り、そして剰余のみを残す操作を指す。
本発明の価値及び貢献度を理解するためには、スカラー変数を含むアルゴリズムの行列形式と、行列変数を含む行列値アルゴリズムとの違いを理解することが重要である。例えば、2つの既知のスカラー{y,y}と2つの未知のスカラー{x,x}との間の次の関係について考察する。
Figure 2008503186
上記スカラー方程式の行列形式は次式のように表わされる。
Figure 2008503186
または
Figure 2008503186
行列及びベクトルが全てスカラー量であることが分かる。これとは異なり、2つの既知の行列{ }と2つの未知の行列{ }との間の同様の関係について考察する。
Figure 2008503186
上の行列方程式は次式のようにコンパクトな方法で表現される。
Figure 2008503186
または
Figure 2008503186
次に、式(6)の行列及びベクトルの全てが行列オブジェクトであることに注目されたい。式(3)の及びはスカラーの行列であるが、式(6)の及びは行列の行列である。別の表現をすると、式(3)の基本数学単位はスカラー要素であり、式(6)の基本数学単位は行列要素である。行列のベクトル(以後、ハイパーベクトルと呼ぶ)及び行列の行列(以後、ハイパー行列と呼ぶ)はスカラーの行列として扱うことができる。しかしながら、これらのベクトル及び行列の次元が数千に達すると、スカラーを導入した枠組みを使用して過去数世紀に渡って開発されてきた計算法及び計算アルゴリズムは収束せず、その結果、許容できない解しか求めることができない。
他方、行列値の枠組みは、高次の系を数千の行列値入力及び出力で表現するために特に便利である。行列を導入した枠組みは、正確な数値解を求めるには極めて効率的である。更に、行列を導入した枠組みは、オリジナルなコンセプトを導入し、そして新規の解析及び設計技術を開発するためのユニークなプラットフォームである。行列値方法及びアルゴリズムは、スカラーを導入した枠組みにおける方法及びアルゴリズムよりも汎用性が高いことに注目する必要がある。実際、行列値方法及びアルゴリズムは、スカラー値方法及びアルゴリズムに変換できるが、この逆は不可能である。すなわち、スカラーを導入した枠組みにおける求解法及び求解アルゴリズムは、行列を導入した場合の問題の領域に直接かつ容易に拡張することはできない。例えば、割り算のコンセプトはスカラー領域では良好に確立されている。しかしながら、2つのベクトル、または2つの行列の割り算はベクトル領域または行列領域では定義されていない。その代わりに、逆行列というコンセプトを使用する必要がある。スカラーの考え方によって生じるこれらの種類の問題によって、本発明において開示する新規のコンセプト及び求解法が今まで理解し難くなっている理由を説明することができる。
先行技術の説明
先行技術においては、シリアル情報がスカラー信号として処理される。このようなシステムでは、定義域が時間(離散または連続)である1変数関数は、データストリームの特定の特性が或る期間に渡ってどのように変化するかについて記述するために十分である。信号処理問題を解析し、そして解決する最も一般的な方法では、スカラー値フーリエ変換(scalar-valued Fourier transform )の性質を利用する。フーリエ変換は信号を周波数領域で表現するためのメインツールである。スカラー値フーリエ変換が何を意味するのかを示し、そして先行技術における1変数の性質を強調するために、N個のサンプルの離散時間信号{x(n),n=0,1,2,...,N−1}から成る集合について考察する。次に、x(n)の従来の離散フーリエ変換(DFT)を次式によって定義する。
Figure 2008503186
上式において、記号jは虚数
Figure 2008503186
を表わす。ここで、N個の実数データ値(時間領域)がN個の複素DFT値(周波数領域)に変換されることに注目されたい。同様に、N個の離散周波数サンプル{f(k),k=0,1,2,...,N−1}から成る集合が与えられる場合、f(k)の従来の逆離散フーリエ変換(IDFT)は次式により与えられる。
Figure 2008503186
共通項が存在するので、上記定義は普通、次の記号を導入することにより簡単化される。
Figure 2008503186
ここで、wはスカラー量であり、そして実際には回転因子(twiddle factor)と呼ばれる。従って、式(7)及び(8)は回転因子の項を用いて次式のように表される。
Figure 2008503186
及び
Figure 2008503186
式(7)において定義されるDFTサンプルは行列−ベクトルの形で次式のように表わされる。
Figure 2008503186
または
Figure 2008503186
上式において、はN個の入力サンプルのベクトルであり、そしてはDFT変換サンプルのベクトルであり、更にはフーリエ変換を行なうためのN行N列の行列(Fourier matrix)である。同様の方法により、IDFTによる関係は行列−ベクトルの形で次式のように表わされる。
Figure 2008503186
上式において、 −1はフーリエ変換を行なうための行列の逆行列である。DFTが、デジタル信号処理アルゴリズムの解析、合成、及び実行において果たす重要な役割は、この技術分野の当業者には公知である。これについては、例えば
[1]IEEE Press, 1998, ISBN 0−8493−8572−5とともに発行されたCRC handbookに掲載されたV.K. Madisetti及びD.B. Williams著の「デジタル信号処理ハンドブック(The Digital Signal Processing Handbook)」、
[2]Prentice Hall, 2nd Edition, 2002, ISBN 0201−59619−9に掲載されたE.C. Ifeachor 及びB.W. Jervis著の「デジタル信号処理のための実用的アプローチ(Digital Signal Processing, A Practical Approach )」、
を参照されたく、これらの文献は、本明細書において参照されることによりこれらの文献の内容が本発明の開示に含まれる。
次元のコンセプトを拡張して空間を取り入れる場合、1次元におけるDFTのコンセプト及び性質の多くは、多次元信号に拡張することができる。例えば、画像の周波数成分を測定するために、2次元DFTによる解析を、次式を使用することにより用いる。
Figure 2008503186
この式を2つの1次元DFT系列に変換する操作は、指数項を2つの項に因数分解することができることに着目することにより行なわれる。しかしながら、2次元データが処理されているのではあるが、式(15)の変換関係が、この等式の入力サンプルx(n,n)及び出力サンプルf(k,k)に関しては依然としてスカラーのアルゴリズムであることに注目することが重要である。このスカラーの公式は、3次元ビデオ処理におけるような高次元に関しても当てはまる。
DFTコンセプトを一般化した別のものが不等間隔離散点を用いる離散フーリエ変換(non-uniform discrete Fourier transform:NDFT )法である。NDFTは、サンプリングを不等間隔に分布した周波数ポイントで行なうことにより得られる。しかしながら、データのサンプル数が大きくなる場合においては、NDFTを行なうと悪い条件で計算が行なわれることになる。NDFTに関する詳細は以下の文献を参照されたい。
[3]Kluwer Academic Publishers, Norwell MA, 1998に掲載されたS. Bachi及びS.K. Mitraによる「不等間隔離散点を用いる離散フーリエ変換及びその信号処理への適用(Non-Uniform Discrete Fourier Transform and its Signal Processing Applications )」。
上記文献を本明細書において参照することによりこの文献の内容が本発明の開示に含まれる。
先行技術においては、非常に多くの乗算及び加算がDFTの計算に必要であることが良く知られている。例えば、N=1024の場合、約百万回の複雑な乗算、及び百万回の複雑な加算が必要である。実際、DFTは、約(NlogN)/2回の乗算を必要とする高速フーリエ変換(FFT)アルゴリズムを使用して評価される。これは、強引な手法(brute force approach)に必要となるN回の乗算よりもはるかに少ない。FFTアルゴリズムには異なるバージョンがある。先行技術によるFFT技術に関する詳細な説明が次の刊行物に記載されている。
[4]Prentice Hall, Englewood Cliffs, NJ, 1988に掲載されたE.O. Brighamによる「高速フーリエ変換及びその適用形態(The Fast Fourier Transform and Its Applications )」、及び
[5]IEEE Press, Piscataway, NJ, 1995に掲載されたW.W. Smith及びJ.M. Smithによる「リアルタイム高速フーリエ変換ハンドブック(Handbook of Real-Time Fast Fourier Transforms )」。
上記文献を本明細書において参照することによりこれらの文献の内容が本発明の開示に含まれる。
先行技術におけるスカラー値DFT法及びIDFT法、及び関連するFFT技術に関する注目特許については、次の文献を参照されたい。
W.M. Gentlemanに対して1971年11月2日に特許登録証が発行された「階層的ストアを使用する高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform Using Hierarchical Store )」と題された米国特許第3,617,720号。
J.N. Constantに対して1976年6月22日に特許登録証が発行された「ランダムアクセスメモリを使用するデジタルFFT演算器(Digital FFT Processor Using Random Access Memory)」と題された米国特許第3,965,342号。
D.W. Tuftsに対して1991年3月12日に特許登録証が発行された「フーリエ変換を求める信号処理装置(Signal Processing Apparatus for Generating a Fourier Transform)」と題された米国特許第4,999,799号。
T.Andreに対して2002年3月12日に特許登録証が発行された「FFTを計算するデバイス及び方法(Device and Method for Calculating FFT )」と題された米国特許第6,356,926号。
A. Orlingに対して2002年8月6日に特許登録証が発行された「FFTを計算する方法及び装置(Method and Apparatus for FFT Computation)」と題された米国特許第6,430,587号。
上記特許の全てを本明細書において参照することによりこれらの特許の内容が本発明の開示に含まれる。
図1は、4つのデータ値x[0]〜x[3]を入力列10に有し、そして4つのデータ値f[0]〜f[3]を出力列15に有する構成の、先行技術によるFFTの実施形態をグラフで表わしている。この特定の実施形態の手法は時間間引き(decimation-in-time)FFT法として知られる。図2は、バタフライ演算回路(butterfly system)と呼ばれる時間間引き演算の再帰グループを示している。先行技術による典型的なFFTの実施形態が、一連のスカラー値バタフライ演算回路により構成されることが分かる。図2に示す例では、バタフライ演算回路は2つのスカラー値x[0]及びx[1]を入力列20に有し、かつ2つのスカラー値f[0]及びf[1]を出力列25に有する。従って、この演算回路は基数−2FFTアルゴリズムと呼ばれる。
スカラー値DFTの表式(式(7)を参照)は、時間領域入力サンプルがどのようにして周波数領域情報に関連付けられるかについて規定している。長さNの有限時間信号に関するスカラー値NポイントDFTは、次式により表わされる周波数での信号のフーリエ変換に等しい。
Figure 2008503186
明らかなことであるが、スカラー値DFTでは、周波数スペクトルの中の利用可能なサンプルポイントのうち、出来る限り多くのポイントでの計算しか行なうことができない。別の表現をすると、離散時間信号に関して行われるスカラー値NポイントDFTは、フーリエ変換のサンプリングをN個の等間隔の周波数領域ポイントで行なう操作に対応する。この事実により、スカラー値DFTは、DFTが周波数間隔で行なわれる場合に硬直的な構造を示す。必要なのは、周波数領域パラメータを指定する際に柔軟性を有する新規のDFT/FFT法である。
例外なく、先行技術によるDFT及び関連するFFT技術は、スカラー信号及びスカラー変数を演算する、スカラーの変換アルゴリズムを基本とする。しかしながら、実際の動的システム(例えば、通信及び制御システム)のほとんどは、マルチ入力及びマルチ出力(multiple inputs and multiple outputs:MIMO )を装備する。例えば、無線MIMO通信システムにおけるマルチ送信及びマルチ受信アンテナ素子について考察する。これらのシステムは、約数千の次元のベクトル変数及び行列変数によってモデル化される。MIMOシステムを解析し、そして合成するためには、ベクトル及び行列信号、関数、及び変数を演算する行列アルゴリズムであるDFT/FFTアルゴリズムが必要となる。
本発明は、スカラー値DFT/FFT技術に関する前述の難しさ、及び制約の問題を解決し、そして行列を導入した枠組みを提供することによりオリジナルかつ包括的な解決法を提供する。この新規のプラットフォームは、行列要素を用いた時間−周波数領域変換法及びアルゴリズムを提供するので、新規クラスの行列演算デバイス及び装置が実現する。本発明の更に別の目的及び利点は、図及び以下の記述を考察することにより明らかになる。
本発明は、動的システムを用いて信号を処理するための、新規の行列値変換フレームワークを開示する。幾つかの可能な用途の領域について述べるために、例えば無線及び有線通信システムにおける信号処理、ビデオシステムにおける画像処理、レーダ及びソナー処理、科学経済技術システムにおける統計データ解析及び統合について考察する。本発明において記載する、行列値プラットフォーム(matrix-valued platform)は、行列値信号処理装置(matrix-valued signal processing apparatus )の基本機能及び動作に関する複数の方法及びアルゴリズムを提供する。これらの機能及び動作は、これらには制限されないが、行列値フーリエ変換、行列値線形及び巡回畳み込み、行列値相関、行列値変調及び復調、行列値多重化及び逆多重化、行列値フォーマット化、行列値エラー符号化及びエラー復号化、行列値スペクトル拡散、ノイズ信号を除去するために行列値フィルタ処理、及び行列値検出を含む。
本発明は、情報を抽出して情報を後で処理するための、ベクトル値データサンプルの信号処理、主としてデジタル信号処理に関するものである。本発明の一つの態様によれば、ベクトル値離散データ系列(vector-valued discrete data sequence)を時間領域から周波数領域に変換する行列値方法について記載される。別の態様によれば、行列値方法は、ベクトル値離散データ系列を周波数領域から時間領域に変換する方法として記述される。情報を抽出するために、長さMのベクトル値サンプル系列を長さNの離散時間入力データ系列によって構成する。ベクトル値サンプル系列の各要素は、多次元空間のベクトルポイントを表わすd行1列のベクトルである。ここで、記号M、N、及びdは所定の整数である。離散時間入力系列はN個のインスタンスから収集される単一のソースから得られる、またはM個のインスタンスから収集される複数のソースから得られる。従って、ベクトル群から成る入力ベクトルを構成することができる。ベクトル群から成るこのベクトルを、ベクトル値入力系列(vector-valued input sequence)と呼ぶ。このベクトルに、各項目が行列値指数関数である構成の、行列群から成る行列を乗じる。指数関数の引数はd行d列の正定値実対称行列である。行列群から成る行列及びベクトル群から成るベクトルの行列−ベクトル乗算を行なった後、ベクトル値出力系列が得られる。演算をこの順番で行なう操作を、行列値フーリエ変換と呼び、そしてこれらの演算を逆の順番に行なう操作を、行列値逆フーリエ変換と呼ぶ。
本発明は別の態様では、ベクトル値出力系列を高速に、かつ高い効率で計算するための複数の方法及び装置に関するものである。高い効率を実現するために、ベクトル値入力系列を連続する短い部分系列に、ベクトル群からなる短い長さの短い出力ベクトルを計算することにより分解する。これにより再帰構造が得られ、この構造では、例えばベクトル群から成る2つの出力ベクトルがベクトル群から成る4つの短い出力ベクトルに分解され、そしてこれらの短い出力ベクトルが更に、ベクトル群から成る8つの更に短い出力ベクトルに分解される。分解は、出力ベクトル群の長さが2に等しくなる最終段階に達するまでこの方法により継続する。従って、ベクトル値データを一つの領域から別の領域に変換するための時間を大幅に節約することができる。この順番の分解は、行列値高速フーリエ変換演算器と呼ばれる装置によって行なわれる。逆の順番のこれらの演算は、行列値逆高速フーリエ変換演算器と呼ばれる装置によって行なわれる。
別の態様では、本発明は、別のカーネル関数を用いることにより、更に別の行列値方法について記載するので、離散コサイン変換、離散サイン変換、離散ヒルバート変換、離散ハートレー変換、離散ガボール変換、及び離散ラドン変換のような、他の行列値信号処理変換がどのようにして行なわれるのかが分かる。
更に、別の態様では、本発明は、ベクトル値離散時間データ系列を、別のベクトル値離散時間データ系列に、行列値離散時間系列を用いることにより変換する複数の方法及びアルゴリズムに関連し、これらの方法及びアルゴリズムでは、行列値離散時間系列の要素は、時間軸を逆方向に巡回し、そしてMを法とする演算を使用して右にシフトする。行列値離散系列は、行列群から成るブロック巡回行列として構成される。行列群から成る巡回行列及びベクトル群から成るベクトルの行列−ベクトル乗算を行なった後、ベクトル群から成る出力ベクトルが得られる。更に、本発明は、MIMOシステムにおける行列値巡回畳み込みがどのようにして、行列値フーリエ変換に関連する高速方法及びアルゴリズムを使用して行なわれるかについても開示する。
別の態様では、本発明は、MIMO動的システムにおける行列値線形畳み込みに関連する。特に、本発明は、MIMO動的システムにおける行列値線形畳み込みをどのように使用して、行列値線形畳み込み、及び相関を計算して信号処理を行なうことができるかについて記載する。
更に別の態様では、本発明は、行列値高速フーリエ変換アルゴリズム、及び行列値逆高速フーリエ変換アルゴリズムを実行するハードウェア及び/又はソフトウェア手段を備える、行列演算装置に関連する。
更に別の態様では、本発明は、ベクトル値直交周波数分割多重信号であって、行列値IFFT演算器によって生成される直交周波数分割多重信号を有する通信システムに関連する。このシステムは、
(a)着信シリアルデータを所定の変調方式により符号化し、そして変調する符号化兼変調装置と、
(b)シリアルデータのマルチストリームを、ベクトル値パラレルデータストリームに分割するシリアル−パラレルベクトル変換モジュールと、
(c)行列値変換演算を実行する行列IFFT演算器と、
(d)シンボル系列の所定数のベクトルサンプルのコピーを、送信対象ベクトル系列の先頭で繰り返す巡回拡張ガードインターバル挿入回路と、
(e)不所望のノイズ及び周波数歪みをフィルタ処理して取り除く行列送信フィルタモジュールと、
(f)シリアルデータのマルチストリームを生成するパラレルベクトル−シリアル変換モジュールと、
(g)デジタルデータストリームをアナログ領域に変換し、次にアナログ信号の周波数を適切なRFキャリア周波数にまで上げ、そして結果として得られる信号を複数の送信アンテナから送出する送信機と、
(h)送信RF信号を複数の受信アンテナで収集し、そしてRF信号の周波数をベースバンドの周波数にまで下げ、次に信号をアナログ領域からデジタル領域に変換する受信機と、
(k)前記デジタル信号を読み込み、そしてこれらの信号の値をパラレルベクトルラインに保持することにより、シリアルデータの受信マルチストリームをベクトル値パラレルデータストリームに分割するシリアル−パラレルベクトル変換モジュールと、
(m)ベクトルサンプルをガードインターバルから除去するベクトル巡回プレフィックス除去モジュールと、
(n)不所望の信号及び干渉ノイズをフィルタ処理して取り除く、行列値受信フィルタモジュールと、
(p)行列値変換演算を実行する行列FFT演算器と、
(q)伝送チャネルの推定ベースバンドインパルス応答行列を求め、そして伝送チャネルによる影響を取り除く行列等化器モジュールと、
(r)ベクトル値パラレルデータストリームを変換して、シリアルデータのマルチストリームに戻すパラレルベクトル−シリアル変換モジュールと、
(s)復調化、検出、及び復号化を行なうことにより前記シリアルデータビットを、これらのビットの元の形式に復元する検出兼復号化装置と、を備える。
別の態様では、本発明は画像、ビデオ、及び音楽データ符号化兼復号化(CODEC)システムに関連するものであり、このシステムは、
(a)ソースデータのマルチストリームを、ベクトル値パラレルデータストリームに分割するシリアル−パラレルベクトル変換モジュールと、
(b)行列値離散コサイン変換演算を実行する演算器と、
(c)変換データのうち、画像の可視化には重要ではない成分を除去する量子化モジュールと、
(d)行列値逆離散コサイン変換演算を実行する演算器と、
(e)ベクトル値パラレルデータストリームを変換してシリアルデータのマルチストリームに戻すパラレルベクトル−シリアル変換モジュールと、を備える。
本発明の好適な実施形態について、例を通して、かつ本発明を制限しない形で、添付図面を参照しながら記載する。
以下の記述においては、説明のために、特定の詳細を示して本発明を完全に理解することができるようにしている。しかしながら、本発明はこれらの特定の詳細を用いることなく実施することができることを理解されたい。例えば、アルゴリズム及び装置は機能ブロック図で示して、不必要に本発明を不明瞭にすることがないようにしている。
1−行列値離散フーリエ変換法
本発明の開示を、行列値離散フーリエ変換法(以後、行列DFTと記載する)から始める。まず、Nを所定の整数とする場合の離散時間信号のN個のサンプルの集合{x(n),n=0,1,2,...,N−1}について考察する。このサンプル集合は入力データのベクトルとして次式のように表わすことができる。
Figure 2008503186
次の部分ベクトルを次式のように定義し、各部分ベクトルは2つの要素を有する。
Figure 2008503186
次に、元のデータ系列は、部分ベクトルのM個のサンプルに関して次式のように表わされる。
Figure 2008503186
上式において、M=N/2である。Nを整数dで割ることができる場合、長さdの部分ベクトルの集合を利用することもできる。例えば、d=3の場合、部分ベクトルは次式のように表わされる。
Figure 2008503186
一旦、データベクトル全体が部分ベクトルのベクトルとして表わされると、データベクトルは、実際の状況を表現するために2つの使用可能な方法のうちの一つの方法で解釈することができる。
1.入力データベクトルは、1つのソース/センサからのサンプル群であって、N個のインスタンスで収集されるサンプル群に対応する。
2.入力データベクトルは、複数のソース/センサからのサンプル群であって、M個のインスタンスで収集されるサンプル群に対応する。
以下においては、入力データベクトルの部分ベクトル{ ,m=0,1,2,...,M−1}を、行列DFT法のベクトル値サンプル(vector-valued samples )またはベクトルポイント(vector points )と呼ぶこととする。また、長さMのベクトル値離散系列(vector-valued discrete sequence )をMベクトルポイント系列と呼ぶこととする。
以下の記述においては、特に断らない限り、ベクトル値入力データ系列の長さMは2の累乗である、すなわちαを整数とする場合にM=2αと表わされる。これに該当しない場合には、ゼロ詰め法を使用することにより、ゼロの値を持つサンプルを加えてデータポイントの合計数を増やし、Mが2の累乗になるようにすることができる。明らかなことであるが、数学的帰納法を使用して、本発明において開示するアルゴリズムは、データ系列のベクトルポイントの数がいずれかの所定の整数rの累乗になる、すなわちM=rαと表わされる事例に容易に一般化される。以下においては、整数rを行列DFT法の基数と呼ぶこととする。
次に、dを各ベクトルポイントの長さとする場合に、ベクトルポイントの数Mがrの累乗であり、かつ及びM=N/dとなるような入力ベクトルについて考察する。この場合、ベクトル値サンプル{ ,m=0,1,2,...,M−1}の行列値離散フーリエ変換(以後、行列DFTと記載する)は次式のように表わされる。
Figure 2008503186
上式において、実数行列Φはd行d列の正定値対称行列である。ここで、式(21)では、M個の実数ベクトルポイントまたは複素数ベクトルポイント(時間領域の)をM個のベクトル値複素数サンプル(周波数領域の)に変換する。
同様にして、M個の周波数領域のべクトル値サンプルの集合{ ,p=0,1,2,...,M−1}について考察する。この場合、行列値逆離散フーリエ変換(以後、行列IDFTと記載する)は次式のようになる。
Figure 2008503186
上式により、時間領域ベクトル値系列を周波数領域ベクトル値サンプルの所定の集合に基づいて求める。式(21)の順変換は解析式として知られている。何故なら、この順変換によってスペクトル情報がベクトルポイント{ ,m=0,1,2,...,M−1}から抽出されるからであり、そして式(22)の逆変換は合成式として知られている。何故なら、この逆変換によって時間領域信号が、時間領域信号のスペクトル情報に基づいて再構成されるからである。
行列DFTアルゴリズム及び行列IDFTアルゴリズムは、次の行列指数関数が共有されることに注目することにより簡単化される。
Figure 2008503186
上式において、はd行d列の複素正方行列である。以後、行列を回転因子行列と呼ぶこととする。従って、式(21)及び(22)は回転因子行列項により次式のように表現される。
Figure 2008503186
及び
Figure 2008503186
ベクトル値系列{ ,p=0,1,2,...,M−1}は、単位円の周りの等間隔ポイントでの{ ,m=0,1,2,...,M−1}の行列値z変換の評価版と見なすこともできることに注目されたい。以下において、行列DFT及び行列IDFTペアに関して頻繁に使用する必要のある簡便表記は次式の通りである。
Figure 2008503186
及び
Figure 2008503186
式(24)の行列DFTサンプルは行列−ベクトルの形で次式のように表わされる。
Figure 2008503186
上式において、記号はd行d列の単位行列を表わす。上式の簡略形は次式のようになる。
Figure 2008503186
上式において、は、行列DFTアルゴリズムのdM行dM列のフーリエ変換行列である。ここで、はハイパー行列である、すなわち行列の行列であることに留意されたい。同じようにして、行列IDFTの関係式は行列−ベクトルの形で −1 と表わすことができる。
に関して幾つかの事実を容易に見出すことができる。最初の明らかな事実は、ハイパー行列が対称である、ということである。第2に、ハイパー行列が直交行列値の列を有することである。従って、の逆行列は、以下に示すように、の複素共役転置行列から直接求められる。
Figure 2008503186
上式においては、記号⊥を使用して複素共役転置を表わす演算を指す。その結果、非常に長い時間の掛かる行列反転アルゴリズムを使用しての逆行列を求める必要がない。
行列DFTの妥当性:行列値離散フーリエ変換が妥当であることを次に立証する。すなわち、M個の離散ベクトルポイント{ ,m=0,1,2,...,M−1}が与えられる場合、順変換によってM個の離散ベクトルポイント{ ,p=0,1,2,...,M−1}が得られる。これらのM個のベクトルを、逆変換によって入れ替えると、元のM個のベクトルが得られる。行列DFTの妥当性を示すために、まず、次式に示すように、合成式に解析式を代入する。
Figure 2008503186
ここで、解析式の総和変数mをkに変えて合成式のmと混同することがないようにしていることに留意されたい。次に、総和の順番を逆にすると次式が得られる。
Figure 2008503186
回転因子行列が正定値行列値引数(positive-definite matrix-valued argument)を有する指数関数であることを思い起こされたい。次に、複素指数関数の直交性の離散バージョンを適用することにより、次式が得られる。
Figure 2008503186
従って、式(32)は次式のようになるので、
Figure 2008503186
行列DFTの妥当性が立証される。
行列DFTの対角形:回転因子行列における指数関数の行列値引数Φは、行列DFTアルゴリズムにおいて最も重要な要素である。Φは正定値実対称行列であるので、当該行列の固有値は全て実数の正数であり、そして当該行列の複数の固有ベクトルは互いに線形独立である。従って、Φは、当該行列が繰り返し固有値を有する場合でも、類似性により対角行列になるようにすることができる。つまり、ΦT∧ Φ −1と表わすことができ、 Φは次式により表わされるΦの固有値の対角行列である。
Figure 2008503186
相似変換行列(similarlity transformation matrix )は、Φの固有ベクトルを使用することにより構成される。Φのスペクトル分解を考慮に入れると、行列DFT式は次式のように表わされる。
Figure 2008503186
次式により表わされる2つの新規のベクトル変数を導入した後、
Figure 2008503186
行列DFTにおいて、行列DFTの対角形を次式のように表わすことができると仮定する。
Figure 2008503186
Φの固有値及びデータポイントの合計数の選択を調整して、行列DFTにより正確な結果が得られるようにする必要があることに留意することが重要である。コンピュータシミュレーションによって、固有値及びデータポイントの合計数の或る組み合わせが、行列DFTによる正しい結果を得ることができないように作用することが判明した。更に考察を行なうために、次式により表わされる2行2列の事例について考察する。
Figure 2008503186
0≦p≦M−1かつ0≦m≦M−1であるので、第1固有値は、最大(M−1)回まで、添え字の0,1,2,...と繰り返す周波数成分に関連付けられる。他方、第2固有値は、周波数要素(frequency denomination)を第1固有値に対して3倍だけ大きくなるように増やすように作用する。従って、第2固有値は、最大3(M−1)回まで、添え字の0,3,6,...と繰り返す周波数成分を制御するように作用する。Φの固有値が、どの位の大きさの相対重みがベクトルサンプルの各要素に付与されるかを表わすことが分かる。このため、行列Φを、行列DFTアルゴリズムの周波数重み付け行列(frequency-weighting matrix)と呼ぶこととする。
回転因子行列または当該行列の周波数重み付け行列Φの次元は物理空間次元ではないことに留意することが重要である。本明細書において使用する「次元(dimension )」という用語は抽象的数学概念である。行列DFTの領域における空間次元に関する表記法について次に議論する。
空間次元及び行列DFT:基本的な行列DFT法は2次元及びそれよりも高い次元の空間変換に拡張することができる。Mを水平周期とし、Mを垂直周期とする場合の2次元ベクトル値空間データ系列{xm1,m2,0≦m≦M,0≦m≦M}について考察する。この場合、空間行列DFTは次式により与えられる。
Figure 2008503186
上式において、Φ 及びΦ は水平周波数重み付け行列及び垂直周波数重み付け行列である。Φ 及びΦ が2つの可換な行列である場合、行列和の指数が行列指数の積となる性質を利用することにより、2次元空間行列DFTを更に簡単にすることができる。この特定の事例では、以下に示すように、2次元空間行列DFTは一連の1次元行列DFTとして表わされる。
Figure 2008503186
明らかなことであるが、上の展開式は、高次元のベクトル値空間データ系列を含む多次元行列DFTに容易に拡張される。
行列DFTの線形性:線形性とは、2つのベクトル値信号の和に関する行列DFTの出力が2つの独立入力信号の行列DFT出力の和と厳密に同じであることを意味する。この性質は以下のように表わされる。
Figure 2008503186
行列DFTの周期性:次に、行列DFTが周期Mの周期性を示すことを示す。この重要な性質は、行列DFTのp番目のベクトルポイントを(p+M)番目のベクトルポイントと比較する場合に証明することができる。従って、次式から始める。
Figure 2008503186
次式が成り立つので、
Figure 2008503186
式(43)は次式のようになる。
Figure 2008503186
p+M が成り立つことにより、行列DFTが周期Mの周期性を示すことが分かる。
行列DFTを使用する検出力計算(power calculation ):ベクトル値系列{ ,m=0,1,2,...,M−1}に関連する検出力(power )は、この系列が行列DFTによって周波数成分に変換されている場合に、容易に計算することができる。まず、次式のように、周波数領域ベクトルに、当該ベクトルの複素共役転置ベクトルを乗じる場合について考察する。
Figure 2008503186
または
Figure 2008503186
従って、上式によって、行列DFTベクトルポイントの絶対値の和をMで割った値がベクトル値離散信号の検出力に等しいことが確認される。
2.行列値高速フーリエ変換法及び演算器
非常に多くの行列値乗算及び加算、及びベクトル値乗算及び加算が行列DFTの計算に必要であることが容易に分かる。4ベクトルポイント行列DFTの場合、解析式は次式により与えられる。
Figure 2008503186
Figure 2008503186
と表わされるので、式(48)を展開して次式を得る。
Figure 2008503186
上式は右辺に4つの項を含む。各項では、常に複素数となる行列指数項に、実数または複素数である別のベクトル項を乗じる。これらの積項の各々は全て加算される。従って、4つの複素行列−ベクトル乗算、及び3つの複素ベクトル加算が行なわれる。一般的に、Mベクトルポイント行列DFTでは、M個の複素行列−ベクトル乗算、及び(M−1)個の複素ベクトル加算が行なわれる。また、0≦p≦3の高次成分が存在する。従って、4ベクトルポイント行列DFTでは、4=16個の複素行列−ベクトル乗算、及び4×3=12個の複素ベクトル加算を行なう必要がある。一般的に、Mベクトルポイント行列DFTの場合、これらの乗算及び加算の合計個数はそれぞれ、M及びM(M−1)となる。行列値計算及びベクトル値計算の個数、従って、計算時間はMにほぼ比例するので、行列DFTを強引な方法により求めるために必要な演算の回数は大きなM値に関して非常に大きくなる。この理由により、行列−ベクトル乗算及び加算の個数を減らす計算アルゴリズムが実用上、非常に注目される。ここで、大きな計算負荷が、行列DFTアルゴリズムに必要となる行列−ベクトル代数に関して生じると考えられることに注目されたい。しかしながら、行列DFTにおける各データポイントは長さdのベクトルであることを思い起こされたい。従って、各ベクトルポイントの長さは、行列DFTに関する実際の負荷量を見積もる場合に考慮に入れる必要がある。
行列DFTの効率は大きく向上させることができる。何故なら、回転因子行列が次の特殊な性質を有するからである。
1−対称性: p(M−m)=( pm
2−周期性: pm p(M+m) (p+M)m
更に、整数積pmの或る値に関して、行列正弦関数及び行列余弦関数(matrix sine and cosine functions)が行列値またはをとるので乗算の必要がなくなるという事実を利用することもできる。しかしながら、これらと同様の特殊演算によっても、Mにほぼ比例する行列値計算及びベクトル値計算を無くすことができない。幸運なことに、回転因子行列の特殊な性質によって、以下に記載するように、計算負荷を大幅に削減することができる。
時間間引き行列FFT演算器に関する説明:この節では、行列値時間間引き高速フーリエ変換演算器(以後、行列FFTと記載する)を生成する基本分割統治アルゴリズムについて説明する。このアルゴリズムをまず、Mが2の累乗である事例に関して提示する。このようなアルゴリズムは基数−2の行列アルゴリズムと呼ぶこととする。同様のアルゴリズムは、Mが3の累乗(すなわち、基数−3の行列アルゴリズム)の事例に関しても生成される。数学的帰納法により、開示のアルゴリズムを、Mが任意の整数の累乗である場合の演算器に一般化することができる。行列DFTによる解析式から始める。
Figure 2008503186
まず、総和は、ベクトル値入力データ系列{ ,m=0,1,2,...,M−1}の2つの集合:(1)偶数インデックスポイントに渡る第1合計、及び(2)奇数インデックスポイントに渡る第2合計に分割することができることに注目されたい。これにより次式が得られる。
Figure 2008503186
または
Figure 2008503186
この時点で、2つの簡単な代数的手法を適用して、行列DFTの和の再帰性が立証される。
1.式(52)の2つの和について考察し、そして指数(2q)の因数2を2π/Mの分母のMに関連付ける。
2.2番目の和の指数を2つの指数に分解する。この操作によって、インデックスqに依存しない方の指数をこの和の外に出す。
これらの代数学的手法を実施した後、式(52)は次式のように表わされる。
Figure 2008503186
和の各々が長さM/2の行列DFTであることが分かる。従って、簡便な表記法では、行列DFTは次式のように表わされる。
Figure 2008503186
上の公式では、 が2つの(短い長さの)行列DFTに基づいて再構成される。行列DFT計算に含まれる再帰アルゴリズムについて要約すると、次のようになる:2つの小さい行列DFTを構成し、そして2つの小さい行列DFTを計算により求め、次に奇数インデックスベクトルポイントに対する行列DFT結果に指数行列e−j(2πΦ/M)pを乗じる。この再帰構造を用いる場合、2つのM/2ベクトルポイント行列DFTを分解して4つのM/4ベクトルポイント行列DFTとし、そしてこれらの行列DFTを更に分解して、8つのM/8ベクトルポイント行列DFTとする。Mが2の累乗であると仮定しているので、この分解は、最終的に行列DFTの長さが2に等しくなる段階に達するまで継続する。要するに、η=logMとする場合に、η個の段階の行列値計算が行なわれる。行列DFTの長さが2である場合(すなわち、2ベクトルポイント行列DFT)、計算負荷は単純に次式により表わされるアルゴリズムの計算負荷に軽減される。
Figure 2008503186
行列DFTアルゴリズムを、入力ベクトル系列を分解して連続する小さい部分系列にすることにより実行する装置を時間間引き行列FFT演算器(decimation-in-time matrix-FFT processor )と呼ぶこととする。
行列FFTアルゴリズムは行列DFTの近似ではないということを念頭に置くことが重要である。寧ろ、全ての行列FFTアルゴリズムは数学的に行列DFTと等価である。別の表現をすると、計算の節約が精度を犠牲にして行なわれるのではない。
行列FFTアルゴリズムは完全にソフトウェアで、ハードウェアで、またはソフトウェア及びハードウェアの両方で実行することができる。行列FFTアルゴリズム及び行列IFFTアルゴリズムの代表的なソフトウェア形態は、コンピュータソースコードファイルの形式で提供され、これらのコンピュータソースコードファイルは共に、本明細書の末尾の付録に提示される。コンピュータプログラム一覧付録に記載されているように、行列FFTアルゴリズム及び行列IFFTアルゴリズムの前述のソフトウェア形態は、本明細書において参照することにより、これらのソフトウェア形態の内容が本発明の開示に含まれ、次のファイルを含む。
Figure 2008503186
これらのファイルは、MATLABプログラミング言語を使用して行列FFT時間間引きアルゴリズム及び行列IFFT時間間引きアルゴリズムを実行する。この技術分野の当業者であれば、この実施形態は、MATLABプログラミング言語を使用するものとして記載されているが、他のプログラミング言語を、実施形態の機能に影響を及ぼすことなく使用することもできることが理解できるであろう。これらのファイルの目的は、行列FFTアルゴリズム及び行列IFFTアルゴリズムがどのように機能するかについて示すことにあることを理解されたい。これらのファイルは、速度及びプログラミング構造に関しては最適化されていない。
次の実施形態の目的は、本発明を実施することができる潜在形態を例示することにある。
例示としての第1の実施形態:この実施形態では、効率的な時間間引き行列FFT演算器をどのようにして、ベクトル値サンプルの数が2の累乗である事例に関して実現することができるのかについて記載する。例示を行なうために、変換の周波数重み行列が以下に示す対角行列となるように選択される。
Figure 2008503186
2ベクトルポイント行列DFT適用形態、すなわちM=2の場合について考察する。次のベクトルポイントによって入力データ系列を定義すると仮定する。
Figure 2008503186
この場合、回転因子行列は=e−j(π=−となる。従って、2ベクトルポイント行列DFTアルゴリズムは次式のようになる。
Figure 2008503186
ここで、2ベクトルポイント行列FFT演算器では、2つのベクトル加算が必要であることに注目されたい。しかしながら、ベクトル乗算は全く行なわれない。図3の信号フローグラフは、2ベクトルポイント時間間引き行列FFTを計算するプロセスを示している。フローグラフの形状により、このプロセスを行列バタフライ(matrix butterfly)演算と呼ぶ。図3に示す例では、行列バタフライ演算器は2つのベクトルポイント[ ]及び[ ]を入力列30に有し、そして2つのベクトルポイント[ ]及び[ ]を出力列35に有する。
例示としての第2の実施形態:次に、4ベクトルポイント時間間引き行列FFT演算器について記載する。入力データベクトルが次式により与えられると仮定する。
Figure 2008503186
明らかなことであるが、4ベクトルポイント行列DFTは、2ベクトルポイント行列FFTを使用することにより計算することができる。行列バタフライ演算器によれば、第1段階では次式により表わされる行列FFT結果が導かれる。
Figure 2008503186
及び
Figure 2008503186
この場合、第2段階の回転因子行列は次式のように表わされる。
Figure 2008503186
従って、代表的な4ベクトルポイント行列FFTの要素は次のようになる。
Figure 2008503186
ここでも同じように、アルゴリズムは2つのベクトル加算を必要とし、かつベクトル乗算は必要ではない。4ベクトルポイント時間間引き行列FFT演算器の信号フローグラフは図4から分かる。図4に示す例では、行列FFT演算器は4つのベクトルポイント[ ],[ ],[ ],及び[ ]を入力列40に有する。中央列45は、ベクトル演算の中間結果を表わす[ ],[ ],[ ],及び[ ]を有する。出力列50には、4つのベクトルポイント[ ],[ ],[ ],及び[ ]が含まれる。
例示としての第3の実施形態:次に、8ベクトルポイント時間間引き行列FFT演算器について、次式により表わされる入力データベクトルを使用して例示する。
Figure 2008503186
8ベクトルポイント行列FFTは、2つの4ベクトルポイント行列FFTを再構成することにより求めることができる。代表的な4ベクトルポイント行列FFTの結果を参照すると、第2段階出力を{ }及び{ }と仮定している。次に、8ベクトルポイント行列FFTの第3段階では次式の関係が得られる。
Figure 2008503186
上式において、回転因子行列は次式により与えられる。
Figure 2008503186
図5は、8ベクトルポイント時間間引き行列FFT演算器の信号フローグラフを示している。図5に示す例では、行列FFT演算器は8つのベクトルポイント[ ]〜[ ]を入力列60に有する。列65は第1段階を表わし、この第1段階では、4つの個別の2ベクトルポイント行列FFT演算器を用いる。更に、列70は第2段階を表わし、この第2段階では、2つの個別の4ベクトルポイント行列FFT演算器を用いる。最後に、第3段階によって、8ベクトルポイント[ ]〜[ ]が出力列80に生成される。段階ごとにM/2回の行列バタフライ演算が行なわれ、そしてη=logM個の段階があるので、一般式で表すと、行列値乗算の合計数は、(M/2)logMにより与えられる。
例示としての第4の実施形態:この実施形態では、異なる周波数重み行列を使用する。今回は、選択される周波数行列は次式により表わされる、異なる固有値を有する。
Figure 2008503186
ここで、例示としての第1の実施形態におけるアルゴリズムの結果がここにも当てはまることに注目されたい。しかしながら、回転因子行列の定義は変わる。2ベクトルポイント行列FFTの場合、回転因子行列は=e−j(πΦ=−となる。同様に、4ポイント行列FFTの第2段階の回転因子行列は次のようになる。
Figure 2008503186
8ベクトルポイント行列FFT演算器の場合、回転因子行列は次式により与えられる。
Figure 2008503186
基数3の時間間引き行列FFT演算器についての説明:この節では、Mが3の累乗(基数3の行列アルゴリズム)である場合の時間間引き行列FFT演算器について説明する。ここでも同じように、標準の行列DFT式、すなわち
Figure 2008503186
について考察する。
ここで、この場合、総和は3つの集合:(1){0,3,6,9,12...}のインデックスが付されたポイント集合に渡る第1合計、(2){1,4,7,10,13,...}のインデックスが付されたポイント集合に渡る第2合計、及び(3){2,5,8,11,14,...}のインデックスが付されたポイント集合に渡る第3合計に分割することができることが分かる。この演算によって、次式が得られる。
Figure 2008503186
総和形式では、行列DFTは次のようになる。
Figure 2008503186
次に、演算操作を行なって行列DFT和の再帰性を抽出する。これらの操作の後、式(72)は次式のように表わされる。
Figure 2008503186
ここで、これらの和演算の各々は、長さM/3の行列DFTであることに注目されたい。従って、簡単な表記法では、行列DFTの和は次式のようになる。
Figure 2008503186
上の公式は、周波数領域情報 が、3つの(短い長さの)行列DFTから得られることを示唆している。この再帰構造を用いる場合、3つのM/3ベクトルポイント行列DFTを分解して、9つのM/9ベクトルポイント行列DFTとし、そしてこれらの行列DFTを更に分解して27個のM/27ベクトルポイント行列DFTとする。Mは3の累乗であるので、この分解は、行列DFTのポイント数が3に等しくなる段階に達するまで継続する。その結果、η=logMとする場合、η段階の行列値計算が必要となる。3ベクトルポイント行列FFT演算器は次式で表わされるアルゴリズムを実行する。
Figure 2008503186
上の一連の式は、3ベクトルポイント行列バタフライ演算を表わす。
周波数間引き行列FFT演算器についての説明:周波数間引き行列FFT演算器を生成するアルゴリズムは、前に開示した時間間引き行列FFT演算器を生成するアルゴリズムと同様である。これらの演算器は共に、同じ数の複素行列乗算を実行する必要がある。周波数間引き行列FFT演算器についての説明を進めるために、次式で表わされる標準の行列DFT式を思い出されたい。
Figure 2008503186
Mを2の累乗とし、この場合M/2が整数であるとする。従って、データ系列においてM/2で分離されるベクトルサンプルをグループ化して、次式のように和を半分ずつに分割することができる。
Figure 2008503186
または
Figure 2008503186
上式は、0≦p≦M−1とする場合に、 pM/2が特定の行列値をとるので簡単化される。この様子は次式から分かる。
Figure 2008503186
例えば、周波数重み行列が次式により与えられる場合、
Figure 2008503186
次式が得られる。
Figure 2008503186
まず、偶数値p及び次式により表わされる集合について考察し、
Figure 2008503186
そして次式を設定する。
Figure 2008503186
次に、偶数番の行列DFT係数に関する和は次式のようになる。
Figure 2008503186
ここで、上式の右辺は、次式が成り立ち、
Figure 2008503186
更に新規の入力データ系列が{ ,0≦m≦(M/2)−1}と表わされるので、M/2ベクトルポイント行列DFTとなることが分かる。つまり、入力系列が によって定義される場合、行列DFTへの入力を偶数値pに関して1/2に減らすことができる。従って、M/2ベクトルポイント行列DFTを適用して によって定義される入力系列を変換することができると言える。
次に、奇数番の行列DFT係数に関する和について考察する。次式を設定し、
Figure 2008503186
そして次式を導入する。
Figure 2008503186
次に、行列DFTの和は次式のように表わされる。
Figure 2008503186
上式において、 である。前出の式の右辺が、新規の入力データ系列{ ,0≦m≦(M/2)−1}に関するM/2ベクトルポイント行列DFTであることが明らかである。
例示としての第5の実施形態:この実施形態では、M=8の場合の周波数間引き行列FFT演算器の実施形態を示す。周波数重み行列を次式のように設定する。
Figure 2008503186
まず、次式により表わされる入力サンプルベクトルから始める。
Figure 2008503186
次に、次の入力列90のペア( 及び ),( 及び ),( 及び ),及び最後の( 及び )の加算を図6に示すように行なう。この演算によって、項数が1/2に減るので、4ベクトルポイント行列FFT演算器93を適用することができる。同じようにして、これらの入力ペアの引き算を行ない、そして引き算の結果に回転因子行列 を乗じる。従って、第2の4ベクトルポイント行列FFT演算器95を用いる。この時点で、パラメータ を4ベクトルポイント行列FFTに関して求める必要がある。M=8の場合、式(85)は次式のようになる。
Figure 2008503186
8ベクトルポイント周波数間引き行列FFT演算器に関する手順を、4ベクトルポイント周波数間引き行列FFT演算器に関して容易に繰り返すことができる。結果として得られる演算器の信号フロー図は図6に見ることができる。
この技術分野の当業者には、ここに開示する行列FFTアルゴリズムは、当該アルゴリズムの基本特性の技術思想から逸脱しない他の手段及び方法によって得られることが明らかであろう。例えば、クロネッカー積またはテンソル積展開、及び種々の行列因子化手法を用いて、混合基数または分割基数を用いた行列FFTアルゴリズムを得ることが可能である。
3.行列値離散コサイン変換法(Matrix-Valued Discrete Cosine Transform Method)
離散コサイン変換は、この変換には優れたエネルギー集中特性(energy compaction ability )があるので、音楽、画像、及びビデオ符号化及び復号化(CODEC)の用途に頻繁に使用される。この節では、行列値離散コサイン変換法(以後、行列DCTと記載する)について、行列DFTを使用して開示する。長さMのベクトル系列{ ,m=0,1,2,...,M−1}について考察する。まず、入力データ系列を、次式のようにベクトルにゼロを付加することにより長さ2Mのベクトルに拡張する。
Figure 2008503186
次に、長さ2Mの新規系列を、次の公式に従って、式(92)に基づいて生成し、
Figure 2008503186
そして当該系列の2Mポイント行列DFTを次式のように計算する。
Figure 2008503186
従って、{ ,m=0,1,2,...,M−1}のMポイント行列DCTは次式により与えられる。
Figure 2008503186
ここで、複素行列の行列指数関数がコサイン成分及びサイン成分を有することを思い起こされたい。従って、行列DCT係数は次式のような簡易形で表わされる。
Figure 2008503186
ここで、実数ベクトル系列の行列DCT係数が実数であることに注目されたい。これとは異なり、実数ベクトル系列の行列DFT係数は常に複素数である。
Mポイント係数系列{ ,p=0,1,2,...,M−1}の行列値逆DCTを求めるためにまず、2Mポイント行列DFTを次式に従って計算し、
Figure 2008503186
そして当該行列DFTの2Mポイント行列IDFTを次式のように計算する。
Figure 2008503186
従って、Mポイント行列IDCTは次式により与えられる。
Figure 2008503186
複素指数関数の行列コサイン成分を使用して、行列IDCT関係式をより明示的な形で次式のように表わすことができる。
Figure 2008503186
上式において、行列係数 は次式により与えられる。
Figure 2008503186
上記開示から、行列値離散サイン変換(行列DST)を同じようにして表現することができることが容易に分かる。また、行列DCTは、全てが実数である行列係数の利点を生かした或るタイプの行列DFTであるので、高速行列DCT演算器を使用し、これによって計算の複雑さ、及び計算負荷を著しく低減することができることに注目されたい。
4.更に別の行列値変換法
行列値変換の方法を更に拡張して他の公知の変換を取り込むことができる。例えば、離散ハートレー変換の次の行列値バージョンについて考察する。
Figure 2008503186
行列値逆離散ハートレー変換は次式により与えられる。
Figure 2008503186
明らかなことであるが、他の種々の行列値変換は、適切なカーネル関数を用いることにより考案することができる。従って、この技術分野の当業者であれば、行列値ラプラス変換、行列値z変換、行列値ヒルバート変換、行列値ラドン変換、行列値ガボール変換、行列値カルーネン−レーベル変換、及び行列値ウォルシュ−アダマール変換のような他の行列値信号処理変換について容易に記述することができる。
5.高速行列DFT及び高速行列IDFTの更に別の実施形態
この節の目的は、高速行列DFT法及び高速行列IDFT法を取り入れた幾つかの代表的な用途について記述することにある。これらの更に別の実施形態及び派生形態は例示であり、包括的なものではない。
行列巡回畳み込み:行列DFT法を使用して、離散時間MIMOシステムに関連する巡回畳み込みを計算することができる。{ ,m=0,1,2,...,M−1}によって表わされ、各サンプル がd行1列のベクトルポイントである有限長の離散系列について考察する。次に、等しい長さの別の離散系列{ ,p=0,1,2,...,M−1}が次の公式に従って生成されると仮定する。
Figure 2008503186
各出力ベクトルサンプル は、行列系列{ ,p=0,1,2,...,M−1}を時間反転し、そして当該系列を右に巡回シフトさせることにより生成される。結果として行なわれる演算を行列巡回畳み込み(circular matrix convolution )と呼ぶこととする。ここで、Mを法とする和の内部の各サンプルの積のインデックスの合計が行列巡回畳み込みにより計算される出力のインデックスに等しいことに注目されたい。Mベクトルポイント行列巡回畳み込みは、行列形式で次式のように表わされる。
Figure 2008503186
行列系列{ ,p=0,1,2,...,M−1}の要素が構造上、特殊な配列を有することに注目する必要がある。詳細には、行列の各行は、前の行を右に巡回的にシフトさせ、オーバーフローする要素を最初の位置に移動させることにより得られる。式(105)の省略形は次式のように表わされる。
Figure 2008503186
上式において、はdM行dM列のブロック巡回行列である。ここで、式(106)の巡回行列はハイパー行列であり、そして及びはハイパーベクトルであることに注目されたい。巡回行列は重要な性質を有する。巡回行列の性質についての包括的な説明については、次の文献を参照されたい。
[6]John Wiley and Sons, New York, 1979, ISBN 0−471−05771−1に掲載されたP.H.Davisによる「巡回行列(Circular Matrices )」。
上記文献を本明細書において参照することにより、当該文献の内容が本発明の開示に含まれる。
デジタル信号処理の観点から、ブロック巡回行列の最も重要な性質は、当該行列によってスペクトル分解が次式のように可能になることである。
Figure 2008503186
上式において、は行列DFTアルゴリズム(式(29)参照)のフーリエ変換行列である。行列 はブロック対角行列であり、このブロック対角行列は、行列巡回畳み込みを特徴付ける行列系列{ ,p=0,1,2,...,M−1}に対して行列DFTを行なった結果を含む。行列DFTを行なったこれらの結果を{ ,p=0,1,2,...,M−1}で示す。従って、ハイパー行列 は次式により与えられる。
Figure 2008503186
スペクトル分解によるの対角化は、行列巡回畳み込みを効率的に計算する際に固有の役割を果たす。何故なら、対角化の後、行列畳み込みを表わす式を次式のように表わすことができるからである。
Figure 2008503186
または
Figure 2008503186
上式において、Wxの行列DFTである。信号を更に、次式のように対角行列及びを乗じることにより処理する。
Figure 2008503186
これにより次式が得られる。
Figure 2008503186
従って、により表わされる出力信号を行列IDFTによって容易に求めることができることが分かる。行列DFT演算及び行列IDFT演算を本発明の複数の高速行列値アルゴリズムのうちの一つを使用して行なう場合、効率的な行列巡回畳み込みアルゴリズムが結果として得られる。上記展開を要約すると次式のようになる。
Figure 2008503186
つまり、行列及びベクトル値系列の行列巡回畳み込みの行列DFTは、個々の行列DFTの対角行列とベクトルの個々の行列DFTとの乗算に等しい。ここで、この新規アルゴリズムは、先行技術において公知のものとは大きく異なることに注目されたい。まず、先行技術における巡回畳み込みが2つのスカラー系列のみを用いた処理を行なうことを思い起こされたい。先行技術では、2つのスカラー系列の巡回畳み込みの従来のDFTは個々のDFTの積であると説明されている。例えば、次の文献を参照されたい。
[7]John Wiley and Sons, New York, 1997, ISBN 0−471−14961−6に掲載されたB. Porazによる「デジタル信号処理講座(A Course in Digital Signal Processing )」。
上記文献を本明細書において参照することにより、当該文献の内容が本発明の開示に含まれる。
行列の線形畳み込み及び線形相関:Mポイント行列系列及びベクトル系列の行列巡回畳み込みによって、別のMポイントベクトル系列が生成されることが分かる。これとは異なり、Mポイント行列系列に対してMポイントベクトル系列を用いて行列線形畳み込み(linear matrix convolution )を行なうことによって、(M+M−1)ポイントベクトル系列が生成される。しかしながら、長さがそれぞれM及びMの行列値系列及びベクトル値系列の行列巡回畳み込みを、2つの系列の行列線形畳み込みに、両方の系列に対してゼロ詰めを行なうことにより等しくなるようにして、これらの系列が共に、(M+M−1)ベクトルポイントから成るようにすることができる。行列巡回畳み込みは、行列線形相関の計算に使用することもできる。何故なら、単に、行列巡回畳み込みが行列線形畳み込み計算に使用されるからである。
行列値系列及びベクトル値系列の行列DFTを使用して、これらの系列の行列線形畳み込み及び行列線形相関を計算することができるという上記開示は、信号をMIMOシステムを用いて処理するための重要な新規アルゴリズムである。
行列OFDM及び行列DMT:この節では、無線及び有線通信システムに関する本発明の好適な実施形態について記載する。無線通信システムの設計は、難解なマルチパス伝搬に起因する非常に困難な解決課題であり、マルチパス伝搬は、移動局の近傍の種々のオブジェクトによる多数の散乱によって生じる。この散乱によって、移動体ユニットがマルチパス環境を移動するときに、高速でランダムな振幅変動及び位相変動が受信信号に生じる。結果として得られる信号包絡線の短期変動の統計的性質は、レイリー分布(Rayleigh distribution )によって近似することができる。
単一搬送波を利用する従来のシリアルデータシステムでは、シンボルが連続的に送信され、そして各データシンボルの周波数スペクトルは、利用可能な帯域の全てを占めることができる。しかしながら、レイリーチャネルのバースト的な性質に起因して、幾つかの隣接シンボルがフェード状態の間に完全に無くなる。
パラレルシステムによって、シリアルシステムに生じる問題の多くが解決される。パラレルシステムでは、広帯域チャネルが一連のサブチャネルに変換されて、どのような時点においても、多くのデータ要素が同時に送信されるようになる。その結果、個々のデータ要素のスペクトルは普通、利用可能な帯域のほんの一部分しか占めないようになる。
先行技術においては、パラレル無線通信を、直交周波数分割多重(OFDM)を行なうことにより実現している。有線通信システムは、先行技術においてデジタルマルチトーン(DMT)と呼ばれる同様のパラレルアプローチを用いる。ここで、先行技術についてOFDMを用いるシステムに関する形で記載する。しかしながら、同様の議論を、DMTを用いるシステムに対しても適用することができることを理解されたい。
OFDMのようなパラレルシステムの大きな不具合は、シリアルシステムに比べて複雑さが大きいことである。OFDMシステムの複雑さは、高速フーリエ変換を使用して直交波形を生成することにより大きく低減することができる。このアプローチは初めて次の記事に記載された。
[8]IEEE Transactions on Communication Technology, 1971, Vol. COM−19, No.5., pp. 628−634に掲載されたS.B. Weinstein及びP.M. Elbertによる「離散フーリエ変換を使用する周波数分割多重によるデータ伝送(Data Transmission by Frequency Division Multiplexing Using the Discrete Fourier Transform )」。
上記文献を本明細書において参照することにより、当該文献の内容が本発明の開示に含まれる。
公知のOFDMの代表的な実施形態では、ユーザデータはまず、シリアル形式からパラレル形式に変換され、次に送信機においてスカラー値IFFT装置によって、更に受信機においてスカラー値FFT装置によって処理される。先行技術におけるOFDM技術及びDMT技術に関する注目特許については、次の文献を参照されたい。
N. Takahashiらに対して1998年3月24日に特許登録証が発行された、「直交周波数分割多重を使用する信号送信装置及び信号受信装置(Signal Transmitting Apparatus and Signal Receiving Apparatus Using Orthogonal Frequency Division Multiplexing )」と題された米国特許第5,732,068号。
D.J. Marchokらに対して1998年8月4日に特許登録証が発行された、「受信機アーキテクチャを改良したリモートサービスユニットを含むマルチポイントOFDM/DMTデジタル通信システム(Multi-Point OFDM/DMT Digital Communication System Including Remote Service Unit with Improved Receiver Architecture )」と題された米国特許第5,790,514号。
M. Saito及びT. Ikedaに対して1998年10月6日に特許登録証が発行された、「直交周波数分割多重送信システム、及び当該システムに適合させた送信機及び受信機(Orthogonal Frequency Division Multiplexing Transmission System and Transmitter and Receiver Adapted to the Same )」と題された米国特許第5,818,813号。
T. Saekiに対して1999年9月21日に特許登録証が発行された、「直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)」と題された米国特許第5,956,318号。
Ye Li及びN.R. Sullenbergerに対して1999年10月26日に特許登録証が発行された、「同一チャネル干渉の存在する直交周波数分割多重システムの適応アンテナアレイ(Adaptive Antenna Arrays for Orthogonal Frequency Division Multiplexing Systems with Co-Channel Interference )」と題された米国特許第5,973,642号。
Wahlqvistらに対して2000年7月11日に特許登録証が発行された、「直交周波数分割多重システム(Orthogonal Frequency Division Multiplex Systems )」と題された米国特許第6,088,398号。
Steve Maらに対して2000年11月21日に特許登録証が発行された、「OFDM受信システム(OFDM Receiving System )」と題された米国特許第6,151,295号。
R.D.J. van Neeに対して2001年1月16日に特許登録証が発行された、「動的にスケーリングすることができる動作パラメータを有する直交周波数分割多重システム、及びその方法(Orthogonal Frequency Division Multiplexing System with Dynamically Scalable Operating Parameters and Method Thereof )」と題された米国特許第6,175,550号。
A. Miyashitaらに対して2001年10月16日に特許登録証が発行された、「OFDM変調器、及びガードインターバルを有するデジタル変調波のOFDM変調方法(OFDM Modulator and OFDM Modulation method for Digital Modulated Wave Having Guard Interval)」と題された米国特許第6,304,611号。そして
A. Ginesiらに対して2002年6月11日に特許登録証が発行された、「FDM離散マルチトーンモデムにおいて時間領域等化を行なう方法及び装置(Method and Apparatus for Time-Domain Equalization in FDM-based Discrete Multi-Tone Modems )」と題された米国特許第6,404,806号。
これらの文献を本明細書において参照することにより、これらの文献の内容が本発明の開示に含まれる。
図7は、例示としての公知のOFDM通信システムの構成要素を示している。先行技術としての特許を吟味すると、例外なく、全ての公知のOFDM通信システムがスカラー値IFFT装置154を送信機の中に用い、そしてスカラー値FFT装置164を受信機の中に用いていることが分かる。
これとは異なり、行列値直交周波数分割多重(以後、行列OFDMと記載する)を使用する通信システムは、本発明の行列FFTを取り入れることにより構築することができる。先行技術におけるスカラー値OFDMシステムとは異なり、行列OFDM通信システムは、行列値IFFT装置を送信機の中で利用し、そして行列値FFT装置を受信機の中で利用する。ここで、行列OFDMはパラレル手法でもあることに注目されたい。
行列OFDMが画期的であるのは、本発明の高速行列DFTアルゴリズム及び高速行列IDFTアルゴリズムを使用して、MIMO通信システムに関連する離散時間行列線形畳み込みを計算することができるからである。ここで、実際の状況においては、周波数選択フェージングMIMO通信チャネルが当該チャネルのインパルス応答行列(t)を有し、このインパルス応答行列は基本的に有限区間[0,T]に収まり、これはt≧Tの全てに関して(t)=0という記述と等価であることを思い起こされたい。ここで、(t)が送信フィルタ、伝送チャネル、及び受信フィルタの結合効果に対応すると仮定する。周波数選択フェージングMIMOチャネルの行列値FIRモデルを図8に見ることができる。次に、1/Tのレートでサンプリングされるチャネルのベースバンド等価インパルス応答行列を{ ,k=0,1,2,...,K}210で表わすこととする。サンプリングレートは、公知のサンプリング定理に従って、注目最高周波数成分の2倍よりも高くなるように選択される。更に、{ ,m=0,1,2,...,M−1}が送信シンボルベクトル(t)200の離散時間系列を表わすと仮定する。また、{ ,m=0,1,2,...,M−1}が加法チャネルノイズベクトル(t)220を表わすとする。受信機に向かって伝搬している間、長さMの送信シンボルベクトル系列には、MIMO通信チャネルが存在するために行列線形畳み込みが行なわれる。この畳み込みが行なわれる結果、長さ(M+K)のベクトルシンボル系列が得られる。最後に、{ ,p=0,1,2,...,M+K−1}が受信シンボルベクトル(t)230の離散時間系列を表わすとする。ここで、チャネル出力系列がチャネル入力系列よりもKサンプルだけ拡張されるのは、チャネルにより生じるシンボル間干渉(inter-symbol interference:ISI )に起因することに注目されたい。
ISIによる影響を無くすために、巡回拡張したベクトル値ガードインターバルを挿入する。すなわち、各シンボルベクトル系列の前で、系列自体の周期拡張が行なわれる。別の表現をすると、シンボル系列の最後のK個のベクトルサンプルのコピーが送信対象のベクトル系列の先頭で繰り返される。シンボルとして、これは{ −k M−k,k=0,1,2,...,K}と表わされる。この挿入は、ベクトル値巡回プレフィックスと呼ぶこととする。ベクトル値巡回プレフィックスを考慮に入れると、通信システムの行列値記述は次式のような形式をとる。
Figure 2008503186
等価的に、上式の省略形は次式のようになる。
Figure 2008503186
明らかなことであるが、チャネルハイパー行列はブロック巡回行列と見なされる。従って、ベクトル値巡回プレフィックスはシンボル間干渉(ISI)を防止するためのガードスペースとしてだけでなく、チャネル時間応答による行列線形畳み込みを行列巡回畳み込みに変換するためのツールとしても機能する。従って、チャネル行列は により与えられる形で対角化することができる。チャネル行列に関するこのような所見に基づいて、次式により表わされる新規のハイパーベクトルを導入する。
Figure 2008503186
ここで、は送信シンボルの周波数領域表現であることに留意されたい。の各要素は、多次元QAM信号点集合における複素値ベクトルポイントと見なすことができる。受信端では、受信ベースバンド波形にマッチフィルタを用いて基線変動を除去し、そして受信ベースバンド波形を1/Tのレートでサンプリングする。チャネル出力ベクトル及びノイズベクトルが与えられる場合、これらのベクトルの該当する周波数領域表現はそれぞれWr及びWnとなる。従って、式(115)は次式のようになる。
Figure 2008503186
これらのベクトル値サンプルをガードインターバルから取り除いた後、チャネル入力−出力関係は次式のように表わされる。
Figure 2008503186
周波数選択フェージングMIMOチャネルに加法雑音がある場合には、上式は行列OFDM受信機がパラレルに動作する一連の個別行列演算器により構成されることを示している。チャネルインパルス応答が完全に分かっている場合、行列OFDM受信機は決定を次式により与えられる最大尤度の統計量に基づいて行なう。
Figure 2008503186
実際には、真のチャネルインパルス応答は未知である。従って、行列OFDM受信機は、パイロットシンボルを通してのチャネル特性の推定を使用することにより用いる必要がある。
次に、一つの例示としての行列OFDM通信システムの送信機側の構造について記載する。図9によれば、複数のソースからの入力データをビット群に符号化し、そしてQPSK,8PSK,16QAM,または64QAMのような所定の変調方式により変調する。これらの操作は符号化兼変調装置300がまとめて行なう。次に、シリアル−パラレルベクトル変換器310が変調シンボルを読み込み、そしてこれらのシンボル値をパラレルベクトルラインに保持して、シリアルデータのマルチストリームをベクトル値パラレルデータストリームに分割する。次に、ベクトル値パラレルサンプルのブロックを行列IFFT演算器320に入力する。次に、ベクトル巡回プレフィックス加算手段330を使用してベクトル値ガードインターバルを行列FFT演算器から得られる結果に挿入する。次に、行列値送信フィルタ340を使用して不所望の周波数歪みを取り除く。フィルタの出力を、パラレルベクトル−シリアル変換器350を用いることにより変えてシリアルデータのマルチストリームに戻す。結果として得られるシリアルデータのマルチストリームをまず、アナログ領域に変換し、次に高い周波数に変換して適切なRFキャリア周波数とし、そして最後に、複数のアンテナを備える送信装置360を使用することによりチャネルに渡す。
次に、一つの例示としての行列OFDM通信システムの受信機側の構造について記載する。図10によれば、着信RF信号をまず、低い周波数に変換してベースバンド波形とし、次にアナログ領域からデジタル領域に複数のアンテナを用いる受信装置400で変換する。次に、シリアル−パラレルベクトル変換器410がこれらのデジタル信号を読み込み、そしてこれらの信号値をパラレルベクトルラインに保持して、シリアルデータの受信マルチストリームをパラレルベクトル値データストリームに分割する。次に、ベクトル巡回プレフィックス除去装置420を使用してベクトル値ガードインターバルを除去する。結果として得られるベクトル値パラレルサンプルを行列値受信フィルタ430に入力して、不所望の信号及び干渉ノイズを取り除く。ベクトル値パラレルサンプルのブロックを行列FFT演算器440に転送する。次に、行列値等化器450を用いて伝送チャネルの影響を取り除く。等化器の出力を、パラレルベクトル−シリアル変換器460を使用することにより変換して、シリアルデータのマルチストリームに戻す。最後に、データビット群を、これらのビットの元の形式に、検出兼復号装置470における復調化、検出、及び復号化プロセスにより復元する。ここで、この例示としての行列OFDMシステムが、複数の送信アンテナ及び受信アンテナを有する形で記載されていることに注目されたい。従って、送信アンテナ及び受信アンテナを1つしか持たないシステムは記載の発明の技術範囲に含まれると捉えられるべきである。
行列OFDMシステムは、フェードを多数のベクトルシンボルに渡って散らばらせるという利点を有する。これにより、レイリーフェージングによって生じるバーストエラーが効果的にランダムになって、幾つかの隣接シンボルが完全に劣化してしまうのではなく、多数のシンボルがほんの少しだけ歪むようにする。これにより、歪んだシンボルのほとんどを正確に再構成することができる。行列OFDMシステムは、全ての信号インターバル(signaling interval)を散らばらせて遅延広がりに対するシステムの感度を下げるという更に別の利点を有する。
前に議論したように、先行技術によるOFDMをスカラー値DFT/IDFTペアを通して用いて伝送チャネルをパラレルサブチャネルに変換する。ここで、Nポイントスカラー値DFTがf=k/N(0≦k≦N−1)で与えられる離散周波数における信号のフーリエ変換に等しいことを思い起こされたい。従って、Nポイントスカラー値DFTはN個の周波数領域ポイントに対応する。先行技術による通信システムが、例えば64ポイントスカラー値DFTを使用するOFDMを用いる場合、システムは、キャリア周波数を中心とする64個の異なる周波数ポイントから成る帯域を利用せざるを得ない。この事実により、先行技術によるOFDM(直交周波数分割多重)は、周波数間隔及び周波数範囲に関して硬直化した構造を有することになる。
これとは異なり、行列OFDMシステムは行列FFT演算器及び行列IFFT演算器を用いるので、周波数領域パラメータを指定することができるという或る程度の柔軟性を継承することができる。固定長入力データ系列が与えられる場合、行列OFDMシステムは周波数ポイントの間隔を、行列DFTアルゴリズムの周波数重み行列Φの固有値により制御することができる。例えば、2行2列の周波数重み行列について考察する。一般性を失うことなく、Φの対角形はこの場合、行列OFDMの内部作用を明らかにすると考えられる。次式を設定する。
Figure 2008503186
64個のデータポイントがある場合、ベクトルポイントの数は、M=N/2であるので単純にM=32となる。行列DFTインデックスは0≦p≦32、0≦m≦32のように変わるので、第1及び第2固有値によって32個の異なる周波数領域ポイントが生成される。従って、周波数スペクトルの範囲はスカラー値DFTによって計算される範囲よりも50%だけ短くなっている。別の表現をすると、周波数を再使用するので、行列OFDMは時間領域情報を狭い帯域に圧縮して高いスペクトル効率を実現するように作用する。
行列OFDMの別の利点は、行列DFTアルゴリズムの周波数重み行列Φの固有ベクトルからもたらされる。固有ベクトルの信号処理機能は、各送信シンボルを全ての周波数トーンに適する形で符号化することである。これは、各サブキャリアが全ての送信シンボルの既知の組み合わせを含むことを意味する。各データビットに対する検出力が全てのサブキャリアに分散されるので、行列OFDMシステムは狭帯域干渉及びチャネル障害に強い。これとは異なり、先行技術による行列OFDMシステムにおいては、シンボルが1つだけ各サブキャリアにて割り当てられるだけである。
行列OFDMはパラレル通信システムの一つの特定の方式である。別の非常に関連性の強い方式が行列値離散マルチトーンシステム(または行列DMT)である。行列OFDMは、無線ブロードキャストチャネル及び無線通信チャネルを通してのデータ伝送に使用されるが、行列DMTシステムは、ツイストペアを使用する非対称デジタル加入者ライン(ADSL)のような双方向有線チャネルを通してのデータ伝送に利用される。単方向通信とは異なり、ADSLシステムの送信機はチャネル特性を認識することができる。従って、行列DMTシステムの実際の形態はビット割り当てに最適な負荷アルゴリズムを含むことができる。
上に記載した実施形態は、本明細書に開示する本発明の単なる例示であり、かつ多数の変形をこの技術分野の当業者が本発明の技術思想、技術範囲、及び基本特性から逸脱しない範囲において考案し、そして想到し得ることを理解されたい。例えば、行列値方法及びアルゴリズムについて、無線通信の場合の行列OFDM、及び有線通信の場合の行列DMTに関連する形で記載してきた。同様に、行列値の実施形態について、高密度波長分割多重(DWDM)方式を含む光通信システムに関連する形で簡単に説明してきた。従って、このような変形も請求項、及びこれらの請求項に関する均等物に示される技術範囲に含まれるべきものである。
実施形態に使用される例示としてのハードウェア:説明を明瞭にするために、本発明の例示としての実施形態について、行列値アルゴリズム及びベクトル値アルゴリズムを実行する演算器に関連する形で記載してきた。この技術分野では公知のように、これらのアルゴリズムが行なう演算は、これに制限されないが、ソフトウェアを実行する機能を備えるハードウェアを含む共有ハードウェアまたは専用ハードウェアのいずれかを使用することにより実現する。実用的実施形態は、本明細書に開示する演算を実行するデジタル信号処理(DSP)ハードウェア及びソフトウェアを含むことができる。フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)及び特定用途向け集積回路(ASIC)のような本発明の超大規模集積回路(VLSI)ハードウェア形態だけでなく、ハイブリッドDSP/VLSI形態も利用することができる。
尚、国際出願の英文明細書中にJISコードで表記できない箇所があったため、この翻訳文では代替表記を使用した、具体的には、国際出願の英文明細書では、行列やベクトルを表す記号は、ボールド体(太字)で表現されていたが、本翻訳文では、下線を付けて代替表記されている。
付録
Figure 2008503186
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Figure 2008503186
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先行技術によるスカラー値4ポイント時間間引きFFT演算器の機能信号フロー図。 先行技術によるスカラー値2ポイントFFT演算器のバタフライ図。 2ベクトルポイント時間間引き行列FFT演算器のバタフライ図。 4ベクトルポイント時間間引き行列FFT演算器の機能信号フロー図。 8ベクトルポイント時間間引き行列FFT演算器の機能信号フロー図。 8ベクトルポイント周波数間引き行列FFT演算器の機能信号フロー図。 先行技術によるスカラー値OFDM通信システムの例。 MIMO通信チャネルに関して有限インパルス応答を使って得られるモデルであって、行列値モデルの機能信号フロー図。 行列値OFDM通信システムの送信側の機能信号フロー図。 行列値OFDM通信システムの受信側の機能信号フロー図。

Claims (28)

  1. Nを所定の整数とする場合の長さNの離散時間スカラーデータ系列を時間領域から周波数領域に変換する行列値方法であって、
    (a)M及びdを所定の整数とする場合、長さMのベクトル値系列を前記スカラー系列に基づいて構成して各ベクトルの長さがdとなるようにするステップと、
    (b)ベクトルポイント{ ,m=0,1,2,...,M−1}により表わされるベクトル値離散時間データ系列を取得するステップと、
    (c)前記ベクトル値系列の長さが確実に、ベクトルにゼロ値要素を必要に応じて付加することにより、ベクトルの数の整数倍に等しくなるようにするステップと、
    (d)Φがr行r列の正定値対称行列であり、p及びmが、0≦p,m≦M−1の範囲の整数インデックス値を表わし、かつ記号jが虚数
    Figure 2008503186
    を表わす場合、前記ベクトル値系列の各ベクトルポイント に、−j(2πΦ/M)pmにより与えられる引数を使用する行列値指数関数を乗じるステップと、
    (e)ステップ1.(d)の結果を0≦m≦M−1により指定される範囲に渡って合計することにより、ベクトル値周波数サンプルを取得するステップと、
    (f)ステップ1.(d)及び1.(e)を0≦p≦M−1により指定される範囲に渡って繰り返すことにより、周波数領域のベクトル値系列を取得するステップと、
    を備える方法。
  2. Nを所定の整数とする場合の長さNの離散周波数スカラーデータ系列を周波数領域から時間領域に変換する行列値方法であって、
    (a)M及びdを所定の整数とする場合、長さMのベクトル値系列を前記スカラーデータ系列に基づいて構成して各ベクトルの次元がdとなるようにするステップと、
    (b)ベクトルポイント{ ,m=0,1,2,...,M−1}により表わされるベクトル値離散周波数データ系列を取得するステップと、
    (c)前記ベクトル値系列の長さが確実に、ベクトルにゼロ値要素を必要に応じて付加することにより、ベクトルの数の整数倍に等しくなるようにするステップと、
    (d)Φがr行r列の正定値対称行列であり、p及びmが、0≦p,m≦M−1の範囲の整数インデックス値を表わし、かつ記号jが虚数
    Figure 2008503186
    を表わす場合、前記ベクトル値系列の各ベクトルポイント に、j(2πΦ/M)pmにより与えられる引数を使用する行列値指数関数を乗じるステップと、
    (e)ステップ2.(d)の結果を0≦m≦M−1により指定される範囲に渡って合計することにより、ベクトル値時間サンプルを取得するステップと、
    (f)ステップ2.(d)及び2.(e)を0≦p≦M−1により指定される範囲に渡って繰り返すことにより、時間領域のベクトル値系列を取得するステップと、
    を備える方法。
  3. 基数2の時間間引きFFTを用い、かつベクトル値入力データ系列{ ,m=0,1,2,...,M−1}を時間領域から周波数領域に、前記入力系列を連続する小さい部分系列に分解することにより変換する行列値方法であって、
    (a)前記入力系列の順番を入れ替え、前記入力系列を長さ(M/2)の2つの等しいベクトル値部分系列に分離するステップと、
    (b)偶数インデックス付きベクトルポイントを有する第1部分系列、及び奇数インデックス付きベクトルポイントを有する第2部分系列を取得するステップと、
    (c)ステップ3.(b)のベクトル値系列を使用し、2つの小さい行列DFTベクトル系列を請求項1に記載の方法に従って計算するステップと、
    (d)0≦p≦M−1とする場合、第2部分系列の行列DFT結果に、−j(2πΦ/M)pにより与えられる引数を使用する行列値指数関数を乗じるステップと、
    (e)2つの(M/2)ベクトルポイント行列DFT系列が4つの(M/4)ベクトルポイント行列DFT系列に分解され、そしてこれらの系列が更に8つの(M/8)ベクトルポイント行列DFT系列に分解される構成の再帰構造を取得するステップと、
    (f)ステップ3.(e)の分解を、最終的に各行列DFT系列の長さが2に等しくなる段階になるまで継続するステップと、
    (g)2ベクトルポイント行列バタフライ演算を最終ベクトルに対して実行するステップと、
    を備える方法。
  4. 基数3の時間間引きFFTを用い、かつベクトル値入力データ系列{ ,m=0,1,2,...,M−1}を時間領域から周波数領域に、前記入力系列を連続する小さい部分系列に分解することにより変換する行列値方法であって、
    (a)前記入力系列の順番を入れ替え、前記入力系列を長さ(M/3)の3つの等しいベクトル値部分系列に分離するステップと、
    (b)0≦q≦((M/3)−1)により表わされるインデックスが付されたベクトルポイントを有する第1部分系列、0≦3q+1≦((M/3)−1)により表わされるインデックスが付されたベクトルポイントを有する第2部分系列、及び0≦3q+2≦((M/3)−1)により表わされるインデックスが付されたベクトルポイントを有する第3部分系列を取得するステップと、
    (c)ステップ4.(b)のベクトル値系列を使用し、3つの小さい行列DFTベクトル系列を請求項1に記載の方法に従って計算するステップと、
    (d)0≦p≦M−1とする場合、第2部分系列の行列DFT結果に、−j(2πΦ/M)pにより与えられる引数を使用する行列値指数関数を乗じるステップと、
    (e)0≦p≦M−1とする場合、第3部分系列の行列DFT結果に、−j(2πΦ/M)2pにより与えられる引数を使用する行列値指数関数を乗じるステップと、
    (f)3つの(M/3)ベクトルポイント行列DFT系列が9つの(M/9)ベクトルポイント行列DFT系列に分解され、そしてこれらの系列が更に27個の(M/27)ベクトルポイント行列DFT系列に分解される構成の再帰構造を取得するステップと、
    (g)ステップ4.(f)の分解を、最終的に各行列DFT系列の長さが3に等しくなる段階になるまで継続するステップと、
    (h)3ベクトルポイント行列バタフライ演算を最終ベクトルに対して実行するステップと、
    を備える方法。
  5. 請求項3に記載の方法において、前記ベクトル値入力系列が連続する小さい部分系列に、rが2よりも大きい偶数を表わす場合のrを基数として使用して分解される、方法。
  6. 請求項4に記載の方法において、前記ベクトル値入力系列が連続する小さい部分系列に、rが3よりも大きい奇数を表わす場合のrを基数として使用して分解される、方法。
  7. 基数2の周波数間引きFFTを用い、かつベクトル値入力データ系列{ ,m=0,1,2,...,M−1}を時間領域から周波数領域に、前記入力系列を連続する小さい部分系列に分解することにより変換する行列値方法であって、
    (a)前記ベクトル値入力系列の順番を入れ替え、前記ベクトル値入力系列を長さ(M/2)の2つの等しい系列に分離するステップと、
    (b)偶数インデックス付きベクトルポイントを有する第1部分系列、及び奇数インデックス付きベクトルポイントを有する第2部分系列を取得するステップと、
    (c)整数インデックスq及びmが、0≦q,m≦((M/2)−1)により指定される場合、前記偶数インデックス付き部分系列の要素に、−j(2πΦ/(M/2))qmにより与えられる引数を使用する行列値指数関数を乗じるステップと、
    (d)前記奇数インデックス付き部分系列の要素にまず、−j(2πΦ/M)mにより与えられる引数を使用する行列値指数関数を乗じ、次に結果として得られるベクトル系列に、−j(2πΦ/(M/2))qmにより与えられる引数を使用する行列値指数関数を乗じるステップと、
    (e)2つの(M/2)ベクトルポイント行列DFT系列が4つの(M/4)ベクトルポイント行列DFT系列に分解され、そしてこれらの系列が更に8つの(M/8)ベクトルポイント行列DFT系列に分解される構成の再帰構造を取得するステップと、
    (f)ステップ7.(e)の分解を、最終的に各行列DFT系列の長さが2に等しくなる段階になるまで継続するステップと、
    (g)2ベクトルポイント行列バタフライ演算を最終ベクトルに対して実行するステップと、
    を備える方法。
  8. 請求項7に記載の方法において、前記ベクトル値入力系列が連続する小さい部分系列に、rが2よりも大きい整数を表わす場合のrを基数として使用して分解される、方法。
  9. 基数2の時間間引き逆FFTを用い、かつベクトル値入力データ系列{ ,m=0,1,2,...,M−1}を周波数領域から時間領域に、前記入力系列を連続する小さい部分系列に、請求項3に記載のステップに従って分解することにより変換する行列値方法。
  10. 請求項9に記載の方法において、前記ベクトル値入力系列が連続する小さい部分系列に、rが2よりも大きい整数を表わす場合のrを基数として使用して分解される、方法。
  11. 基数2の周波数間引き逆FFTを用い、かつベクトル値入力データ系列{ ,m=0,1,2,...,M−1}を周波数領域から時間領域に、前記入力系列を連続する小さい部分系列に、請求項7に記載のステップに従って分解することにより変換する行列値方法。
  12. 請求項11に記載の方法において、前記ベクトル値入力系列が連続する小さい部分系列に、rが2よりも大きい整数を表わす場合のrを基数として使用して分解される、方法。
  13. 行列値FFT法であって、時間間引き行列DFT法、または周波数間引き行列DFT法と同様の再帰構造を、当該行列値FFT法の技術思想、技術範囲、及び基本特性に取り入れた行列値FFT法。
  14. 行列値逆FFT法であって、時間間引き行列IDFT法、または周波数間引き行列IDFT法と同様の再帰構造を、当該行列値逆FFT法の技術思想、技術範囲、及び基本特性に取り入れた行列値逆FFT法。
  15. rが2以上の整数を表わす場合、離散時間スカラーデータ系列に対する基数rの行列値FFTを計算する装置であって、
    (a)前記離散時間スカラーデータ系列をベクトル値入力系列として構成し、
    (b)ステップ15.(a)のベクトル値入力系列を、rを基数として使用して等しい長さのベクトル部分系列として構成し、
    (c)各ベクトル値行列DFT系列の長さが基数の整数rに等しくなる段階に達するまで、ベクトル値行列DFT系列が連続する小さいベクトル値部分系列に分解される構成の再帰構造を実現し、
    (d)行列−ベクトル乗算を必要に応じて、基数rの行列DFT演算及び行列バタフライ演算によって実行する、
    ハードウェア及び/又はソフトウェア手段を備える装置。
  16. rが2以上の整数を表わす場合、離散周波数スカラーデータ系列に対する基数rの行列値逆FFTを計算する装置であって、
    (a)前記離散周波数スカラーデータ系列をベクトル値入力系列として構成し、
    (b)ステップ16.(a)のベクトル値入力系列を、rを基数として使用して等しい長さのベクトル部分系列として構成し、
    (c)各ベクトル値行列IDFT系列の長さが基数の整数rに等しくなる段階に達するまで、ベクトル値行列IDFT系列が連続する小さいベクトル値部分系列に分解される構成の再帰構造を実現し、
    (d)行列−ベクトル乗算を必要に応じて、基数rの行列IDFT演算及び行列バタフライ演算によって実行する、
    ハードウェア及び/又はソフトウェア手段を備える装置。
  17. ベクトルポイント{ ,m=0,1,2,...,M−1}により表わされるベクトル値離散時間データ系列、及び{ ,p=0,1,2,...,M−1}により表わされる長さMの行列値データ系列の巡回畳み込みを計算する行列値方法であって、
    (a)前記系列の各々の長さMが確実に、行列またはベクトルに必要に応じてゼロ値要素を付加することにより、所定の整数の倍数になるようにするステップと、
    (b)前記行列値離散時間データ系列及び前記ベクトル値離散時間データ系列の要素群に対する項ごとの乗算を実行するステップと、
    (c)ステップ17.(b)の結果を0≦m≦M−1により指定される範囲に渡って合計することにより、巡回畳み込み演算されたベクトル値サンプルを時間領域で取得するステップと、
    (d)前記行列値離散時間系列{ ,p=0,1,2,...,M−1}の要素群を逆方向に巡回させ、そしてこれらの要素を右に、Mを法とする演算を使用してシフトさせるステップと、
    (e)ステップ17.(b)及び17.(c)を、0≦p≦M−1により指定される範囲に渡って繰り返すことにより、ベクトル値系列を時間領域で取得するステップと、
    を備える方法。
  18. 高速かつ効率的であり、更に{ ,m=0,1,2,...,M−1}により表わされる長さMのベクトル値離散時間データ系列、及び{ ,p=0,1,2,...,M−1}により表わされる長さMの行列値データ系列の巡回畳み込みを計算する行列値方法であって、
    (a)前記系列の各々の長さMが確実に、行列またはベクトルに必要に応じてゼロ値要素を付加することにより、所定の整数の倍数に等しくなるようにするステップと、
    (b)前記行列値離散時間系列の周波数領域変換を、行列値FFT法を使用することにより計算するステップと、
    (c)新規の行列値離散周波数データ系列を取得するステップと、
    (d)前記ベクトル値系列{ ,m=0,1,2,...,M−1}の周波数領域変換を、行列値FFT法を使用することにより計算するステップと、
    (e)ステップ18.(c)の前記行列値離散周波数データ系列、及びステップ18.(d)の前記ベクトル値離散周波数系列の要素群の項ごとの乗算を実行するステップと、
    (f)新規の周波数領域ベクトル値系列を取得するステップと、
    (g)ステップ18.(f)の前記ベクトル値系列の時間領域変換を、行列値IFFT法を使用することにより計算するステップと、
    を備える方法。
  19. 長さMのベクトル値離散時間データ系列、及び長さMの行列値離散時間データ系列の線形畳み込みを、請求項18に記載の方法に従って計算する行列値方法であって、
    (a)前記ベクトル値離散時間系列の有限長を(M+M−1)に、ベクトルにゼロ値成分を付加することにより拡張するステップと、
    (b){ ,m=0,1,2,...,M+M−1}により表わされる新規のベクトル値離散時間データ系列を取得するステップと、
    (c)前記行列値離散時間系列の有限長を(M+M−1)に、行列にゼロ値成分を付加することにより拡張するステップと、
    (d){ ,p=0,1,2,...,M+M−1}により表わされる新規の行列値離散時間データ系列を取得するステップと、
    (e)ステップ19.(b)のベクトル値サンプル、及びステップ19.(d)の行列値サンプルの行列巡回畳み込みを、請求項18に記載の方法に従って計算するステップと、
    を備える方法。
  20. 長さMのベクトル値離散時間データ系列、及び長さMの行列値離散時間データ系列の線形相関を計算する行列値方法であって、
    (a)前記ベクトル値離散時間系列の有限長を(M+M−1)に、ベクトルにゼロ値成分を付加することにより拡張するステップと、
    (b){ ,m=0,1,2,...,M+M−1}により表わされる第1のベクトル値離散時間データ系列を取得するステップと、
    (c)前記行列値離散時間系列の有限長を(M+M−1)に、行列にゼロ値成分を付加することにより拡張するステップと、
    (d){ ,p=0,1,2,...,M+M−1}により表わされる第1の行列値離散時間データ系列を取得するステップと、
    (e)ステップ20.(d)の行列値系列の周波数領域変換を、行列値FFT法を使用することにより計算するステップと、
    (f)行列値離散周波数データ系列を取得するステップと、
    (g)ステップ20.(a)のベクトル値系列の周波数領域変換を、行列値FFT法を使用することにより計算するステップと、
    (h)第1のベクトル値離散周波数データ系列を取得するステップと、
    (k)ステップ20.(f)の行列値系列、及びステップ20.(h)のベクトル値系列の複素共役要素群の項ごとの乗算を実行することにより、第2のベクトル値離散周波数系列を取得するステップと、
    (m)ステップ20.(k)の第2のベクトル値離散周波数系列の時間領域変換を、行列値IFFT法を使用することにより計算するステップと、
    を備える方法。
  21. 長さMのベクトル値離散時間データ系列、及び長さMの行列値データ系列の行列巡回畳み込みを計算する装置であって、
    (a)前記行列値離散時間系列の周波数領域変換を、行列値FFT法を使用することにより計算し、
    (b)ステップ21.(a)の離散周波数行列値の結果を保存し、
    (c)前記ベクトル値離散時間系列の周波数領域変換を、行列値FFT法を使用することにより計算し、
    (d)ステップ21.(b)の行列値離散周波数データ系列、及びステップ21.(c)のベクトル値離散周波数データ系列の要素群の項ごとの乗算を実行し、
    (e)ステップ21.(d)の周波数領域のベクトル値の結果を保存し、
    (f)ステップ21.(e)のベクトル値離散周波数系列の時間領域変換を、行列値IFFT法を使用することにより計算する、
    ハードウェア及び/又はソフトウェア手段を備える装置。
  22. 長さMのベクトル値離散時間データ系列、及び長さMの行列値離散時間データ系列の行列線形畳み込みを計算する装置であって、
    (a)前記ベクトル値離散時間系列の有限長を(M+M−1)に、ベクトルにゼロ値成分を付加することにより拡張し、
    (b){ ,m=0,1,2,...,M+M−1}により表わされる、ステップ22.(a)のベクトル値離散時間データ系列を保存し、
    (c)前記行列値離散時間系列の有限長を(M+M−1)に、行列にゼロ値成分を付加することにより拡張し、
    (d){ ,p=0,1,2,...,M+M−1}により表わされる、ステップ22.(c)の行列値離散時間データ系列を保存し、
    (e)ステップ22.(d)の行列値系列の周波数領域変換を、行列値FFT法を使用することにより計算し、
    (f)ステップ22.(e)の離散周波数行列値の結果を保存し、
    (g)ステップ22.(b)のベクトル値系列の周波数領域変換を、行列値FFT法を使用することにより計算し、
    (h)ステップ22.(g)の離散周波数ベクトル値の結果を保存し、
    (k)ステップ22.(e)の行列値系列、及びステップ22.(h)のベクトル値系列の要素群の項ごとの乗算を実行することにより、ベクトル値周波数領域系列を取得し、
    (m)ステップ22.(k)の周波数領域ベクトル値の結果を保存し、
    (n)ステップ22.(m)のベクトル値離散周波数系列の時間領域変換を、行列値IFFT法を使用することにより計算する、
    ハードウェア及び/又はソフトウェア手段を備える装置。
  23. 長さMのベクトル値離散時間データ系列、及び長さMの行列値離散時間データ系列の行列線形相関を計算する装置であって、
    (a)前記ベクトル値離散時間系列の有限長を(M+M−1)に、ベクトルにゼロ値成分を付加することにより拡張し、
    (b){ ,m=0,1,2,...,M+M−1}により表わされる、ステップ23.(a)のベクトル値離散時間データ系列を保存し、
    (c)前記行列値離散時間系列の有限長を(M+M−1)に、行列にゼロ値成分を付加することにより拡張し、
    (d){ ,p=0,1,2,...,M+M−1}により表わされる、ステップ23.(c)の行列値離散時間データ系列を保存し、
    (e)ステップ23.(d)の行列値系列の周波数領域変換を、行列値FFT法を使用することにより計算し、
    (f)ステップ23.(e)の離散周波数行列値の結果を保存し、
    (g)ステップ23.(b)のベクトル値系列の周波数領域変換を、行列値FFT法を使用することにより計算し、
    (h)ステップ23.(g)の離散周波数ベクトル値の結果を保存し、
    (k)ステップ23.(e)の行列値系列、及びステップ23.(h)のベクトル値系列の複素共役要素群の項ごとの乗算を実行することにより、ベクトル値周波数領域系列を取得し、
    (m)ステップ23.(k)の周波数領域ベクトル値の結果を保存し、
    (n)ステップ23.(m)のベクトル値離散周波数系列の時間領域変換を、行列値IFFT法を使用することにより計算する、
    ハードウェア及び/又はソフトウェア手段を備える装置。
  24. ,m=0,1,2,...,M−1}により表わされるベクトル値シンボル系列、及び行列値IFFT演算により生成されるベクトル値直交周波数分割多重信号を処理する行列値方法であって、
    (a)行列値IFFT変換計算をベクトル値系列{ ,m=0,1,2,...,M−1}に対して実行することにより、第1のベクトル値直交周波数分割多重系列{ ,m=0,1,2,...,M−1}を取得するステップと、
    (b)各シンボルベクトル系列の前で、系列自体の周期拡張が行なわれるように、巡回拡張したガードインターバルを挿入することにより、第2のベクトル値系列を取得するステップと、
    (c)ステップ24.(b)の第2のベクトル値系列を無線周波数(RF)キャリアで一つ以上の送信アンテナから送信するステップと、
    (d)一つ以上の受信アンテナで、ステップ24.(c)の一つ以上の送信アンテナからの無線周波数(RF)信号を受信するステップと、
    (e)これらのサンプルをガードインターバルから除去し、ステップ24.(d)の受信信号を復調して、{ ,m=0,1,2,...,M−1}により表わされる第3のベクトル値ベースバンド系列を取得するステップと、
    (f){ ,k=0,1,2,...,M−1}により表わされる第1のベースバンド等価チャネルインパルス応答行列系列を推定するステップと、
    (g)行列値FFT演算を、ステップ24.(f)の第1の行列系列{ ,k=0,1,2,...,M−1}に対して実行することにより、第2の行列値系列{ ,p=0,1,2,...,M−1}を取得するステップと、
    (h)
    Figure 2008503186
    で表わされる一連の行列−ベクトル方程式を解くことにより、第4のベクトル値系列
    Figure 2008503186
    を取得するステップと、
    (i)行列値FFT演算を、ステップ24.(h)の第4のベクトル値シンボル系列
    Figure 2008503186
    に対して実行することにより、第5のベクトル値系列
    Figure 2008503186
    を取得するステップと、
    (j)ステップ24.(i)の第5のベクトル値系列
    Figure 2008503186
    に対して決定プロセスを実行することにより、元のベクトル値入力シンボル系列の推定系列
    Figure 2008503186
    を復元するステップと、
    を備える方法。
  25. 行列値IFFT装置によって生成されるベクトル値直交周波数分割多重信号を有する通信システムであって、
    (a)着信シリアルデータを符号化し、所定の変調方式により変調する符号化兼変調装置と、
    (b)シリアルデータのマルチストリームを、ベクトル値パラレルデータストリームに分割するシリアル−パラレルベクトル変換モジュールと、
    (c)行列値IFFT演算を、ステップ25.(b)のベクトル値データストリームに対して実行する行列IFFT演算器と、
    (d)シンボル系列の所定数のベクトルサンプルのコピーを、送信対象ベクトル系列の先頭で繰り返す巡回拡張ガードインターバル挿入回路と、
    (e)不所望のノイズ及び周波数歪みをフィルタ処理して取り除く行列送信フィルタモジュールと、
    (f)シリアルデータのマルチストリームを生成するパラレルベクトル−シリアル変換モジュールと、
    (g)デジタルデータストリームをアナログ領域に変換し、次にアナログ信号の周波数を適切なRFキャリア周波数にまで上げ、結果として得られる信号を複数の送信アンテナから送出する送信機と、
    (h)送信RF信号を複数の受信アンテナで収集し、RF信号の周波数をベースバンドの周波数にまで下げ、次に信号をアナログ領域からデジタル領域に変換する受信機と、
    (k)前記デジタル信号を読み込み、これらの信号の値をパラレルベクトルラインに保持することにより、シリアルデータの受信マルチストリームをベクトル値パラレルデータストリームに分割するシリアル−パラレルベクトル変換モジュールと、
    (m)ベクトルサンプルをガードインターバルから除去するベクトル巡回プレフィックス除去モジュールと、
    (n)不所望の信号及び干渉ノイズをフィルタ処理して取り除く行列値受信フィルタモジュールと、
    (p)行列値変換演算を実行する行列FFT演算器と、
    (q)伝送チャネルの行列値ベースバンド等価インパルス応答を推定し、伝送チャネルによる影響を取り除く行列等化器モジュールと、
    (r)ベクトル値パラレルデータストリームを変換して、シリアルデータのマルチストリームに戻すパラレルベクトル−シリアル変換モジュールと、
    (s)復調化、検出、及び復号化を行なうことにより前記シリアルデータビットを、これらのビットの元の形式に復元する検出兼復号化装置と、
    を備える通信システム。
  26. 請求項1に記載の方法において、カーネル関数は、離散コサイン変換、離散サイン変換、z変換、離散ヒルバート変換、離散ハートレー変換、離散ガボール変換、及び離散ラドン変換のような信号処理変換の行列値順方向変換バージョンが生成されるように選択される、方法。
  27. 請求項2に記載の方法において、カーネル関数は、離散コサイン変換、離散サイン変換、z変換、離散ヒルバート変換、離散ハートレー変換、離散ガボール変換、及び離散ラドン変換のような信号処理変換の行列値逆方向変換バージョンが生成されるように選択される、方法。
  28. 行列値離散コサイン変換法により生成されるベクトル値データ系列を有するデジタル画像、ビデオ、及び音楽符号化兼復号化(CODEC)システムであって、
    (a)ソースデータのマルチストリームをベクトル値パラレルデータストリームに分割するシリアル−パラレルベクトル変換モジュールと、
    (b)行列値離散コサイン変換演算を実行する演算器と、
    (c)変換データのうち、最終結果に影響しない成分を除去する量子化モジュールと、
    (d)行列値逆離散コサイン変換演算を実行する演算器と、
    (e)ベクトル値パラレルデータストリームを変換してシリアルデータのマルチストリームに戻すパラレルベクトル−シリアル変換モジュールと、
    を備えるCODECシステム。
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