JP2003152983A - データ多重装置及びデータ抽出装置並びにそれらに用いるデータ多重/抽出方法 - Google Patents

データ多重装置及びデータ抽出装置並びにそれらに用いるデータ多重/抽出方法

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JP2003152983A
JP2003152983A JP2001349521A JP2001349521A JP2003152983A JP 2003152983 A JP2003152983 A JP 2003152983A JP 2001349521 A JP2001349521 A JP 2001349521A JP 2001349521 A JP2001349521 A JP 2001349521A JP 2003152983 A JP2003152983 A JP 2003152983A
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Takashi Tachibana
高志 橘
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NEC Engineering Ltd
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NEC Engineering Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原画像と画質制御パラメータとを保持するこ
となく、画質を保証することが可能なデータ多重/抽出
方法を提供する。 【解決手段】 ステップS3で、画像全体をM×Nのブ
ロックに分割し、そのブロック毎に2次元離散コサイン
変換を行う。ステップS4で、ブロック毎に得られたD
CT係数に対して多重位置を選択し、量子化ステップ値
Qで量子化する。ステップS5で、量子化後、データ系
列を各ブロックに多重する。ステップS6で、データ系
列の多重後、ブロック毎に2次元逆離散コサイン変換を
行う。ステップS7で、入力画像と同じく有限語長にす
るため、輝度値を丸めて整数化するとともに、最大値=
256以下、最小値=0以上に制限する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はデータ多重装置及び
データ抽出装置並びにそれらに用いるデータ多重/抽出
方法に関し、特に放送局内のベースバンド映像に適用可
能なデータ多重/抽出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のデータ多重/抽出方法と
しては、原画像に透かしデータを埋込み、その埋込み画
像から透かしデータを抽出する電子透かし法がある。こ
の電子透かし法においては、埋め込んだ情報を取り出す
場所が原画像から離れていること、放送局で扱われる映
像素材がテレビカメラで撮像した自然画像からCG(C
omputer Graphics)のような人口画像
まで多岐にわたっていること、放送画像がオリジナル素
材として再利用される可能性があることという環境条件
がある。
【0003】そのため、この電子透かし法では、抽出に
参照画像が要らないこと(要求条件1)、画像に依存せ
ず希望の画質が得られること(要求条件2)、高画質
(56dB以上)を維持できること(要求条件3)とい
う条件を満足させる必要がある。
【0004】上記のような電子透かし法としては、不可
視マーカを画像に埋め込むことで、画質監視を行う方法
がある(以下、第1の従来技術とする)。この方法につ
いては、杉本 修、川田 亮一、和田 正裕、松本修一
による“MPEG符号化による劣化を検出するリファレ
ンス画像なしの画質客観評価手法”(電子情報通信学会
刊、信学技報,CS2000−112,2000年12
月)で提案されている。
【0005】また、他の電子透かし法としては、画質制
御パラメータαを用いて画質を制御する方法がある(以
下、第2の従来技術とする)。この方法については、
M.Fujiyoshi,T.Hasegawaによる
“On the amountof embedded
information of watermark
ing methods based on the
parallel combinatorial sp
read spectrum scheme”(IEI
CE Trans.Fundamentals,vo
l.E84−A,no.4,pp941−948,Ap
r.2001)や藤吉 正明、貴家 仁志による“透か
しエネルギーのブロック適応に関する検討”(2001
信学ソ大,情報・システム,no.D−11−37,p
122,Sept.2001)で提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の電子透
かし法では、第1の従来技術の場合、画質が50dB程
度まで劣化し、また画質が画像に依存して一定しないこ
とから上記の要求条件1〜3を満足させることができな
い。
【0007】また、第2の従来技術の場合には、埋め込
んだデータを取り出すのに、原画像と画質制御パラメー
タαとが必要となり、画像1枚毎にそれらを記録してお
かなければならないため、実用的でない。
【0008】そこで、本発明の目的は上記の問題点を解
消し、原画像と画質制御パラメータとを保持することな
く、画質を保証することができるデータ多重装置及びデ
ータ抽出装置並びにそれらに用いるデータ多重/抽出方
法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によるデータ多重
装置は、画像にデータを多重してデータ多重画像を出力
するデータ多重装置であって、前記画像の周波数領域に
おいて上限値が規定されたデータ系列を多重する手段を
備えている。
【0010】本発明による他のデータ多重装置は、画像
にデータを多重してデータ多重画像を出力するデータ多
重装置であって、前記画像全体を複数のブロックに分割
してそのブロック毎に2次元離散コサイン変換を行う手
段と、前記2次元離散コサイン変換でブロック毎に得ら
れたDCT(Discrete Cosine Tra
nsform)係数に対して前記データの多重位置を選
択して予め設定された量子化ステップ値で量子化する手
段と、量子化された各ブロックに前記データ系列を多重
する手段と、前記データ系列が多重されたブロック毎に
2次元逆離散コサイン変換を行う手段と、前記2次元逆
離散コサイン変換で得られた画像の輝度値を丸めて整数
化しかつその最大値及び最小値を制限する手段とを備え
ている。
【0011】本発明によるデータ抽出装置は、画像にデ
ータ系列が多重されたデータ多重画像から前記データ系
列を抽出して出力するデータ抽出装置であって、前記デ
ータ多重画像全体を複数のブロックに分割してそのブロ
ック毎に2次元離散コサイン変換を行う手段と、前記2
次元離散コサイン変換でブロック毎に得られたDCT
(Discrete Cosine Transfor
m)係数に対して前記データ系列の多重位置の係数を選
択して予め設定された量子化ステップ値で量子化する手
段と、量子化された各ブロックから多重データを抽出し
かつ得られた多重データから前記データ多重画像に多重
されたデータ系列を構成する手段と、得られたデータ系
列と多重される可能性のあるデータ系列との相関を求め
かつその相関値を基に多重側で多重されたデータ系列を
決定する手段とを備えている。
【0012】本発明によるデータ多重/抽出方法は、画
像にデータ系列を多重してデータ多重画像を出力するデ
ータ多重/抽出方法であって、前記原画像の周波数領域
において上限値が規定された透かし系列を埋込むように
している。
【0013】本発明による他のデータ多重/抽出方法
は、画像にデータを多重してデータ多重画像を出力する
データ多重/抽出方法であって、前記画像全体を複数の
ブロックに分割してそのブロック毎に2次元離散コサイ
ン変換を行うステップと、前記2次元離散コサイン変換
でブロック毎に得られたDCT(Discrete C
osine Transform)係数に対して前記デ
ータの多重位置を選択して予め設定された量子化ステッ
プ値で量子化するステップと、量子化された各ブロック
に前記データ系列を多重するステップと、前記データ系
列が多重されたブロック毎に2次元逆離散コサイン変換
を行うステップと、前記2次元逆離散コサイン変換で得
られた画像の輝度値を丸めて整数化しかつその最大値及
び最小値を制限するステップとを備えている。
【0014】本発明による別のデータ多重/抽出方法
は、画像にデータ系列が多重されたデータ多重画像から
前記データ系列を抽出して出力するデータ多重/抽出方
法であって、前記データ多重画像全体を複数のブロック
に分割してそのブロック毎に2次元離散コサイン変換を
行うステップと、前記2次元離散コサイン変換でブロッ
ク毎に得られたDCT(Discrete Cosin
e Transform)係数に対して前記データ系列
の多重位置の係数を選択して予め設定された量子化ステ
ップ値で量子化するステップと、量子化された各ブロッ
クから多重データを抽出しかつ得られた多重データから
前記データ多重画像に多重されたデータ系列を構成する
ステップと、得られたデータ系列と多重される可能性の
あるデータ系列との相関を求めかつその相関値を基に多
重側で多重されたデータ系列を決定するステップとを備
えている。
【0015】すなわち、本発明のデータ多重/抽出方法
は、画像の周波数領域において上限値が規定されたデー
タ系列を多重することで、データ多重画像の画質を保証
しようとするものである。
【0016】より具体的に説明すると、本発明のデータ
多重装置は、希望する画質をPSNR(Peak Si
gnal to Noise Ratio)で設定し、
そのPSNRに応じた量子化ステップ値Q、データ系列
の上限値を決定する。
【0017】続いて、本発明のデータ多重装置では、画
像全体をM×N(例えば、8×8画素)のブロックに分
割し、そのブロック毎に2次元離散コサイン変換(2D
−DCT:2 Dimension−Discrete
Cosine Transform)を行い、ブロッ
ク毎に得られたDCT係数に対して多重位置、すなわち
対象係数を選択し、量子化ステップ値Qで量子化する。
【0018】さらに、本発明のデータ多重装置では、量
子化後、データ系列Wa =(wa1,…,waL)を各ブロ
ックに多重し、多重した後、ブロック毎に2次元逆離散
コサイン変換(2D−IDCT:2 Dimensio
n−Inverse Discrete Cosine
Transform)を行う。
【0019】この後に、本発明のデータ多重装置では、
入力画像と同じく有限語長にするため、リミッタで輝度
値を丸めて整数化するとともに、最大値=255以下、
最小値=0以上に制限する。
【0020】これによって、本発明のデータ多重/抽出
方法では、多重位置のDCT係数を量子化ステップ値Q
で離散化した後、標準正規乱数で構成される実数値系列
を多重すれば、参照画像がなくてもデータの抽出が可能
となり、上記の要求条件1を満足する。
【0021】また、本発明のデータ多重/抽出方法で
は、その画質がDCT係数への多重で発生する誤差に依
存しており、その誤差は最大値と多重データによる誤差
の最大値とで表現することが可能となり、画像に依存せ
ずに、量子化ステップ値Q未満になり、パーセバルの定
理から周波数領域の誤差パワーと時間領域での誤差パワ
ーとが等しいことから、得られる時間領域での画質が画
像に依存せず、DCT係数の量子化ステップ値Qだけで
決定することが可能となり、上記の要求条件2を満足す
る。
【0022】さらに、本発明のデータ多重/抽出方法で
は、画質を量子化ステップ値Qによって決定することが
可能となり、量子化ステップ値Qを一度決定すれば、変
更する必要がないので、量子化ステップ値Qを小さくす
ることによって、高画質が得られ、画像によらず画質を
維持することが可能となり、上記の要求条件3を満足す
る。
【0023】これに対し、本発明のデータ抽出装置は、
画像全体をM×N(例えば、8×8画素)のブロックに
分割し、そのブロック毎に2次元離散コサイン変換を行
い、ブロック毎に得られたDCT係数に対して多重位置
の係数fbi′を選択し、量子化ステップ値Qで量子化す
る。
【0024】続いて、本発明のデータ抽出装置では、量
子化後、多重データwbiを抽出し、得られた多重データ
biから多重されたデータ系列Wb =(wb1,…,
bL)を構成する。
【0025】さらに、本発明のデータ抽出装置では、得
られたデータ系列Wb と、多重される可能性のあるデー
タ系列との相関を求め、その相関値を基に多重側で多重
されたデータ系列を決定する。
【0026】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例について図
面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例による
データ多重装置の構成を示すブロック図である。図1に
おいて、データ多重装置1は2D−DCT(2 Dim
ension−Discrete Cosine Tr
ansform:2次元離散コサイン変換)部11と、
量子化部(Q)12と、実数値系列(Wai)発生部13
と、実数値系列選択部14と、丸め処理部16と、逆量
子化部(Q-1)17と、多重部(加算部)18と、2D
−IDCT(2 Dimension−Inverse
Discrete Cosine Transfor
m:2次元逆離散コサイン変換)部19と、リミッタ
(roundを含む)20とから構成されている。
【0027】図2は図1のデータ多重装置1の動作手順
を示すフローチャートである。これら図1及び図2を参
照してデータ多重装置1による多重動作の手順について
説明する。ここで、画像は濃淡画像とし、画像の各画素
を8ビットサンプリングとする。
【0028】まず、利用者は希望する画質をPSNR
(Peak Signal to Noise Rat
io)で設定し(図2ステップS1)、PSNRに応じ
た量子化ステップ値Q、データ系列の上限値を決定する
(図2ステップS2)。
【0029】2D−DCT部11は画像が入力される
と、画像全体をM×N(例えば、8×8画素)のブロッ
クに分割し、そのブロック毎に2次元離散コサイン変換
を行い(図2ステップS3)、ブロック毎に得られたD
CT係数を量子化部12に送出する。
【0030】量子化部12は2D−DCT部11でブロ
ック毎に得られたDCT係数に対して多重位置、すなわ
ち対象係数を選択し、量子化ステップ値Qで量子化し
(図2ステップS4)、丸め処理部16は量子化された
DCT係数を丸めて整数化するとともに、逆量子化部1
7は整数化されたDCT係数を量子化ステップ値Qで逆
量子化する。
【0031】量子化部12と丸め処理部16と逆量子化
部17とによる量子化後、実数値系列発生部13で発生
されて実数値系列選択部14で選択されたデータ系列W
a =(wa1,…,waL)を、多重部18で各ブロックに
多重する(図2ステップS5)。ここで、Lは系列長を
示し、Wはベクトルを示す。尚、実数値系列選択部14
では実数値系列発生部13で発生された実数値系列Wai
と多重データ15とのうちのいずれかを選択して多重部
18に出力する。
【0032】多重部18によるデータ系列Wa の多重
後、2D−IDCT部19はブロック毎に2次元逆離散
コサイン変換を行う(図2ステップS6)。リミッタ2
0は入力画像と同じく有限語長にするため、輝度値を丸
めて整数化するとともに、最大値=255以下、最小値
=0以上に制限する(図2ステップS7)。
【0033】上記の発生させるデータ系列は多重したい
情報量がMビットである場合、2M個の系列が必要とな
る。すなわち、データ系列Waiは、 Wai=(wa1i ,…,waLi ) i=1,…,2M ∃Wai=Wa (選択された多重系列) となる。
【0034】上述した動作手順が、抽出に参照画像が要
らないこと(要求条件1)、画像に依存せず希望の画質
が得られること(要求条件2)、高画質(56dB以
上)を維持できること(要求条件3)という条件をなぜ
満足するかについて以下説明する。
【0035】1ブロックで得られたM×N個のDCT係
数fa =(f1 ,…,faMN )のうち、多重位置の係数
aiに1つの透かしデータwaiを多重する場合について
説明する。ここで、データ系列Wa =(wa1,…,
aL)はN(0,σw )に従う標準正規乱数で構成され
る実数値系列とする。
【0036】係数faiを量子化ステップ値Qで量子化し
て得られたDCT係数fai′は、量子化ステップ値Qを
整数倍した離散値となる。その後、透かしデータwai
加算して得られたDCT係数をfai″とすると、 fai″=round(fai/Q)×Q+wai ……(1) となる。ここで、round(x)は四捨五入を意味す
る。
【0037】抽出側では、 wai=fai″−round(fai/Q)×Q ……(2) というように、多重されたDCT係数を量子化ステップ
値Qで量子化して得られた値とDCT係数との差分から
多重された多重データを知ることができる。
【0038】この手順で抽出するには多重データw
aiが、 |wai|≦|wmax |≦Q/2 ……(3) という条件を満足しなければならないことは明らかであ
る。
【0039】ここで、前提条件として、データ系列は、 |Wai|<3σw ……(4) という条件を満足しているものとする。データ系列が±
3σw に制限されたとしても、出現率が99.73%で
あることから一般性は失わない。
【0040】このデータ系列が(3)式の条件を満足す
るための必要十分条件は、 3σw ≦Q/2 すなわち、 σw ≦Q/6 ……(5) となる。
【0041】(5)式を満足すれば、(3)式の条件は
常に設立し、 |wai|≦|wmax |<3σw ≦Q/2 ……(3)′ となる。
【0042】以下の説明では、σw を、 σw =Q/6 ……(5)′ とする。これは量子化ステップ値Qが与えられた時にデ
ータ系列の強度を最大にするためである。
【0043】上述したように、多重位置のDCT係数を
量子化ステップ値Qで離散化した後、(3)式の条件を
満たす標準正規乱数N(0,σw )で構成される実数値
系列を多重すれば、参照画像がなくてもデータの抽出が
可能となり、上記の要求条件1を満足する。
【0044】また、本発明のデータ多重/抽出方法にお
ける画質は、DCT係数への多重で発生する誤差に依存
している。その誤差は最大値emax と多重データによる
誤差の最大値wmax とで表現することができ、画像に依
存せずに、量子化ステップ値Q未満となる。つまり、誤
差は、 |emax |≦|eqmax|+|wmax |<(Q/2)+(Q/2)=Q ……(6) となる。
【0045】さらに、パーセバルの定理から周波数領域
の誤差パワーと時間領域での誤差パワーとが等しいこと
から、本発明のデータ多重/抽出方法で得られる時間領
域での画質は画像に依存せず、DCT係数の量子化ステ
ップ値Qだけで決定することができる。よって、画像に
依存せずに要求した画質が得られ、要求条件2を満足す
る。
【0046】上記のように、本発明のデータ多重/抽出
方法では画質を量子化ステップ値Qによって決定するこ
とができ、量子化ステップ値Qは一度決定すれば、変更
する必要がない。したがって、量子化ステップ値Qを小
さくすることによって、高画質が得られ、画像によらず
画質を維持することができることとなり、要求条件3を
満足する。
【0047】上記の説明ではデータ多重のアルゴリズム
について示すとともに、このアルゴリズムによって上記
の要求条件1〜3をも満足することについて述べてい
る。但し、上記の説明ではリミッタや整数化による画質
の変動は考慮していない。
【0048】図3は本発明の一実施例によるデータ抽出
装置の構成を示すブロック図である。図3において、デ
ータ抽出装置2は2D−DCT部21と、量子化部22
と、丸め処理部23と、逆量子化部24と、抽出部(減
算部)25と、系列抽出部26と、系列相関計算部27
と、系列選択部29とから構成されている。
【0049】図4は図3のデータ抽出装置2の動作手順
を示すフローチャートである。これら図3及び図4を参
照してデータ抽出装置2による抽出動作の手順について
説明する。
【0050】2D−DCT部21は画像が入力される
と、画像全体をM×N(例えば、8×8画素)のブロッ
クに分割し、そのブロック毎に2次元離散コサイン変換
を行い(図4ステップS11)、ブロック毎に得られた
DCT係数を量子化部22に送出する。
【0051】量子化部22は2D−DCT部21でブロ
ック毎に得られたDCT係数に対して多重位置の係数f
bi′を選択し、量子化ステップ値Qで量子化し(図4ス
テップS12)、丸め処理部23は量子化されたDCT
係数を丸めて整数化するとともに、逆量子化部24は整
数化されたDCT係数を量子化ステップ値Qで逆量子化
する。
【0052】量子化部22と丸め処理部23と逆量子化
部24とによる量子化後、抽出部25は多重データwbi
を抽出する(図4ステップS13)。系列抽出部26は
抽出部25で得られた多重データwbiから多重されたデ
ータ系列Wb =(wb1,…,wbL)を構成する(図4ス
テップS14)。
【0053】系列相関計算部27は系列抽出部26で得
られたデータ系列Wb と、多重される可能性のあるデー
タ系列[実数値系列(Wai)28]との相関を求め、系
列選択部29はその相関値を基に多重側で多重されたデ
ータ系列を決定する(図4ステップS15)。
【0054】上記のステップS12,S13において多
重位置の係数fbi′から透かしデータwbiを求めるやり
方は、 wbi=fbi′−round(fbi′/Q)×Q ……(7) となる。得られるDCT係数fbi′は、一般的に、リミ
ッタをはじめ、種々の構成で多重側の係数fai′と必ず
しも等しくない。
【0055】ステップS15において、得られたデータ
系列Wb と多重される可能性のあるデータ系列Waiとの
相関は、 sim(Wai,Wb )=(Wai・Wb )/√(Wb ・Wb ) i=1,…,2M ……(8) という式で求める。この(8)式で得られる相関値が最
も高いデータ系列を多重されたデータ系列とする。
【0056】このように、画像の周波数領域において上
限値が規定されたデータ系列を多重することで、データ
多重画像の画質を保証することによって、原画像と画質
制御パラメータとを保持することなく、画質を保証する
ことができる。
【0057】次に、画質の目標値と量子化ステップ値と
の関係について説明する。ここでは所望の画質、すなわ
ち画質の目標値PSNRtar とDCT領域での量子化ス
テップ値Qとの関係について説明する。
【0058】まず、前提条件について述べると、画像量
子化はnbitサンプリングの濃淡画像(ダイナミック
レンジをA=2n −1とする)であり、画像サイズはブ
ロックサイズ(M画素×N画素)の整数倍で、トータル
ブロック数がBブロックであり、データ系列はN(0,
σw )に従う標準正規乱数で構成された実数値系列(系
列長はL)であり、多重データはブロック内MN個のD
CT変換係数のうちの1係数のみに多重され、多重位置
はブロック内の任意の場所(DCT係数)とする。
【0059】以下の説明では、量子化ステップ値Qから
逆に画質の目標値PSNRtar を求めるものとする。ま
た、以下の説明では、多重した後の有限語長化、つまり
丸め及びリミットの影響を考慮しないものとする。
【0060】本実施例では多重をDCT領域で行うた
め、変換領域で発生する誤差が時間領域でどうなるかに
ついて述べる。ここで、2次元DCTが、
【数1】 ……(9)という式で表されるとすると、ブロック内の
輝度値x(m,n)とDCT係数X(u,v)との間に
は、パーセバルの定理から、
【数2】 ……(10)という式が成立する。
【0061】このことから、変換領域で発生した誤差パ
ワーの総量と、その誤差が逆変換された時間領域での誤
差パワーの総量とは等しいことが分かる。すなわち、ブ
ロック内の任意のDCT係数への埋込みによって発生し
た誤差パワーの総量がe2 であれば、逆変換後の時間ド
メインにおける1ブロックの誤差パワーの総量もe2
ある。したがって、画像のPSNRはDCT領域の各ブ
ロックで発生する誤差パワーによって求めることができ
る。
【0062】ここで、埋込みで発生するブロック毎の誤
差分散をσ2 とする。この分散σ2は、全てのブロック
で同じ多重方法をとっていることから、等しいと仮定す
ることができる。そのため、データ多重画像のPSNR
は、
【数3】 ……(11) という式で表現することができる。
【0063】ブロック毎の誤差分散σ2 は、量子化誤差
とデータ系列の多重による誤差とが独立であることか
ら、 σ2 =σq 2 +σw 2 =(Q2 /12)+(Q2 /36) =Q2 /9 ∵(5)′式からσw =Q/6 ……(12) という式のように、量子化誤差分散σq 2 と、データ系
列の多重による誤差分散σw 2 との和となる。ここで、
量子化誤差は一様分散であり、データ系列はN(0,σ
w )の乱数を使用していることに注意する。
【0064】(12)式を(11)式に代入すると、 PSNRtar =10log10(MN×A2 )/(Q2 /9) =10log10(9×MN×A2 )/(Q2 ) ……(13) となり、PSNR、すなわち画質の目標値であるPSN
tar が求まる。
【0065】したがって、画質の目標値PSNRtar
ら量子化ステップ値Qを求める式は、(13)式から、
【数4】 ……(14) という式のように導くことができる。
【0066】上記のように、画質の目標値PSNRtar
と量子化ステップ値Qとの関係は求められるが、画質を
保証するという観点から画質の最悪値を明らかにしてお
く必要がある。以下、量子化ステップ値Qと画質のとり
得る最悪値PSNRworst との関係について説明する。
【0067】画質の最悪値PSNRworst は全てのブロ
ックで等しく誤差の最悪値emax をとった場合であり、
【数5】 ……(15) という式から得られる。
【0068】また、 PSNRworst >10log10(MN×A2 /Q2 ) ……(16) という式から、誤差の最悪値emax は下限値がQである
ので、画質の最悪値PSNRworst は(16)式のよう
に下限値を持つ。これによって、本実施例によるデータ
多重/抽出方法では画質、すなわちPSNRが(16)
式の下限値以下にならないことが分かる。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、画像の周
波数領域において上限値が規定されたデータ系列を多重
することによって、原画像と画質制御パラメータとを保
持することなく、画質を保証することができるという効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるデータ多重装置の構成
を示すブロック図である。
【図2】図1のデータ多重装置の動作手順を示すフロー
チャートである。
【図3】本発明の一実施例によるデータ抽出装置の構成
を示すブロック図である。
【図4】図3のデータ抽出装置の動作手順を示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
1 データ多重装置 2 データ抽出装置 11,21 2D−DCT部 12,22 量子化部 13 実数値系列発生部 14 実数値系列選択部 15 多重データ 16,23 丸め処理部 17,24 逆量子化部 18 多重部 19 2D−IDCT部 20 リミッタ 25 抽出部 26 系列抽出部 27 系列相関計算部 28 実数値系列 29 系列選択部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 7/081 Fターム(参考) 5B057 AA20 BA29 CB19 CE08 CE09 CG05 CG07 5C063 AB03 AB07 AC01 CA11 CA12 CA23 DA07 DA13 DB09 5C076 AA14 BA06 5J064 AA01 BA16 BB07 BB09 BD02 5K028 AA01 EE03 EE05 KK01 KK05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像にデータを多重してデータ多重画像
    を出力するデータ多重装置であって、前記画像の周波数
    領域において上限値が規定されたデータ系列を多重する
    手段を有することを特徴とするデータ多重装置。
  2. 【請求項2】 画像にデータを多重してデータ多重画像
    を出力するデータ多重装置であって、 前記画像全体を複数のブロックに分割してそのブロック
    毎に2次元離散コサイン変換を行う手段と、 前記2次元離散コサイン変換でブロック毎に得られたD
    CT(Discrete Cosine Transf
    orm)係数に対して前記データの多重位置を選択して
    予め設定された量子化ステップ値で量子化する手段と、 量子化された各ブロックに前記データ系列を多重する手
    段と、 前記データ系列が多重されたブロック毎に2次元逆離散
    コサイン変換を行う手段と、 前記2次元逆離散コサイン変換で得られた画像の輝度値
    を丸めて整数化しかつその最大値及び最小値を制限する
    手段とを有することを特徴とするデータ多重装置。
  3. 【請求項3】 画像にデータ系列が多重されたデータ多
    重画像から前記データ系列を抽出して出力するデータ抽
    出装置であって、 前記データ多重画像全体を複数のブロックに分割してそ
    のブロック毎に2次元離散コサイン変換を行う手段と、 前記2次元離散コサイン変換でブロック毎に得られたD
    CT(Discrete Cosine Transf
    orm)係数に対して前記データ系列の多重位置の係数
    を選択して予め設定された量子化ステップ値で量子化す
    る手段と、 量子化された各ブロックから多重データを抽出しかつ得
    られた多重データから前記データ多重画像に多重された
    データ系列を構成する手段と、 得られたデータ系列と多重される可能性のあるデータ系
    列との相関を求めかつその相関値を基に多重側で多重さ
    れたデータ系列を決定する手段とを有することを特徴と
    するデータ抽出装置。
  4. 【請求項4】 画像にデータ系列を多重してデータ多重
    画像を出力するデータ多重/抽出方法であって、前記原
    画像の周波数領域において上限値が規定された透かし系
    列を埋込むようにしたことを特徴とするデータ多重/抽
    出方法。
  5. 【請求項5】 画像にデータを多重してデータ多重画像
    を出力するデータ多重/抽出方法であって、前記画像全
    体を複数のブロックに分割してそのブロック毎に2次元
    離散コサイン変換を行うステップと、前記2次元離散コ
    サイン変換でブロック毎に得られたDCT(Discr
    ete Cosine Transform)係数に対
    して前記データの多重位置を選択して予め設定された量
    子化ステップ値で量子化するステップと、量子化された
    各ブロックに前記データ系列を多重するステップと、前
    記データ系列が多重されたブロック毎に2次元逆離散コ
    サイン変換を行うステップと、前記2次元逆離散コサイ
    ン変換で得られた画像の輝度値を丸めて整数化しかつそ
    の最大値及び最小値を制限するステップとを有すること
    を特徴とするデータ多重/抽出方法。
  6. 【請求項6】 画像にデータ系列が多重されたデータ多
    重画像から前記データ系列を抽出して出力するデータ多
    重/抽出方法であって、前記データ多重画像全体を複数
    のブロックに分割してそのブロック毎に2次元離散コサ
    イン変換を行うステップと、前記2次元離散コサイン変
    換でブロック毎に得られたDCT(Discrete
    Cosine Transform)係数に対して前記
    データ系列の多重位置の係数を選択して予め設定された
    量子化ステップ値で量子化するステップと、量子化され
    た各ブロックから多重データを抽出しかつ得られた多重
    データから前記データ多重画像に多重されたデータ系列
    を構成するステップと、得られたデータ系列と多重され
    る可能性のあるデータ系列との相関を求めかつその相関
    値を基に多重側で多重されたデータ系列を決定するステ
    ップとを有することを特徴とするデータ多重/抽出方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008503186A (ja) * 2004-06-10 2008-01-31 シートグルー、ハサン 信号処理のための行列値方法及び装置
JP2009049634A (ja) * 2007-08-17 2009-03-05 Oki Electric Ind Co Ltd 画像符号化装置及び画像復号装置

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