JP2008502264A - アナログ信号をマルチビットデジタル出力信号に周期的に変換する方法及びその方法を実施するための変換器 - Google Patents
アナログ信号をマルチビットデジタル出力信号に周期的に変換する方法及びその方法を実施するための変換器 Download PDFInfo
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Abstract
サンプラキャパシタンス及び積分キャパシタンスを用いてアナログ信号を周期的にAD変換するための方法及び装置であって、上記キャパシタンスの比率によって乗じられる差分信号をアナログ信号及び基準信号から生成するステップと、上記差分信号からデジタルビットを得るステップと、上記比率によって乗じられる差分信号を2倍にするステップと、上記比率により乗じられた基準信号により上記2倍にされた信号をシフトするステップと、次のサイクルのために、シフトされた信号を、上記比率により乗じられた差分信号として使用するステップとを含む方法及び装置。
Description
本発明は、サンプラキャパシタンス(C1)及び積分キャパシタンス(C2)を用いてアナログ入力信号(Vin)をデジタル出力信号に周期的に変換するための方法に関する。
そのようなAD変換器は、例えば米国特許第5,107,266号(特許文献1)から知られている。サイクリックAD変換器は、それを半導体チップ上に集積するために小さいチップ領域だけで足りるが、現代の技術では比較的高速で変換を行うことができるため、一般的に普及してきている。しかしながら、オペアアンプ、集積キャパシタ及びMOSTスイッチが使用されるため、そのようなサイクリックAD変換器に伴う問題には、キャパシタミスマッチ(capacitor mismatch)、オペアンプ及びコンパレータの入力オフセット電圧、クロックフィードスルー(clock feed−through)、チャンネル電荷注入、スイッチの漏れ電流がある。オペアンプ及びコンパレータの入力オフセット電圧は、わずかな量の受動素子のみを必要とするいわゆるオートゼロ技術によって解消され得る。チャンネル電荷注入及び漏れ電流は、過剰な電荷の総てが出力においてキャンセルされる共通モード信号となる完全差動構造を使用することにより解決され得る。クロックフィードスルーは、クロックパルスをパルス間のわずかな差に関して調整することにより解消され得る。残る問題は、サンプラキャパシタ及び積分キャパシタが十分に等しくないという事実により、並びに、寄生容量がこれらの二つのキャパシタンスに対して異なる影響を与えるために、デジタル出力信号に発生するキャパシタミスマッチの乱れ効果である。
米国特許第5,107,266号公報
米国特許第5,027,116号公報
前述の米国特許は、その主な意図として、オペアンプのオフセット電圧をキャンセルしなければならないが、キャパシタミスマッチを解決しない。これに鑑みて、本発明の目的は、サイクリックAD変換器におけるキャパシタミスマッチの影響を実質的に最小限に抑制することである。
本発明に係る方法は、従って、アナログ信号(Vi)と基準信号(Vr)との差にキャパシタンスの比率(C1/C2)を乗じることにより差分信号を生成するステップと、上記差分信号から少なくとも一つのデジタルビット(D)を得るステップと、上記差分信号をほぼ2倍にするステップと、上記比率により乗じられた上記基準信号により上記2倍にされた差分信号をシフトするステップと、次のサイクルのために、シフトされた上記信号を、上記比率により乗じられた差分信号として使用するステップと、を含むことを特徴とする。
上述のステップは必ずしも与えられた順序で実行する必要がないことは認識されるべきである。例えば、乗法演算の前にシフト演算を実行することもできる。
本発明に係る方法の好適な実施の形態は、上記デジタル出力信号は、コンパレータ(Q)に接続されたオペアンプ出力を有するオペアンプ(A)と、サンプラキャパシタ(C1)と、積分キャパシタ(C2)と、変換を行うように配置されて制御されるスイッチ手段(S0....S8)とによって生成されるマルチビットデジタルワードであり、
オペアンプ出力(O)において一つ以上のクロック位相からなる第1の位相群の間に差分信号を生成し、
一つ以上のクロック位相からなる第2の位相群の間に少なくとも一つのデジタルビット(D)を得て、デジタルワードを構成するとともに、上記キャパシタンス比率により乗じられた上記差分信号を上記オペアンプ出力(O)において供給し、
一つ以上のクロック位相からなる第3の位相群の間に、上記キャパシタンス比率により乗じられた上記アナログ差分信号のほぼ2倍である2倍にされた差分信号を、上記オペアンプ出力(O)において生成することにより、上記差分信号をほぼ2倍にし、
一つ以上のクロック位相からなる第4の位相群の間に、上記キャパシタンス比率により乗じられたビット依存基準信号によりシフトされた前の位相群によって供給されるオペアンプ出力信号であるシフトされたアナログ信号を、上記オペアンプ出力において生成することにより、上記2倍にされた差分信号をシフトし、
上記シフトされた信号を、次のサイクルの第2の位相群のための差分信号として使用する、
ことを特徴とする方法である。
オペアンプ出力(O)において一つ以上のクロック位相からなる第1の位相群の間に差分信号を生成し、
一つ以上のクロック位相からなる第2の位相群の間に少なくとも一つのデジタルビット(D)を得て、デジタルワードを構成するとともに、上記キャパシタンス比率により乗じられた上記差分信号を上記オペアンプ出力(O)において供給し、
一つ以上のクロック位相からなる第3の位相群の間に、上記キャパシタンス比率により乗じられた上記アナログ差分信号のほぼ2倍である2倍にされた差分信号を、上記オペアンプ出力(O)において生成することにより、上記差分信号をほぼ2倍にし、
一つ以上のクロック位相からなる第4の位相群の間に、上記キャパシタンス比率により乗じられたビット依存基準信号によりシフトされた前の位相群によって供給されるオペアンプ出力信号であるシフトされたアナログ信号を、上記オペアンプ出力において生成することにより、上記2倍にされた差分信号をシフトし、
上記シフトされた信号を、次のサイクルの第2の位相群のための差分信号として使用する、
ことを特徴とする方法である。
上述した位相群は必ずしも与えられた順序で実行する必要がないことは認識されるべきである。例えば、第3の位相群の乗法演算の前に第4の位相群のシフト演算を実行することもできる。
実際には、キャパシタンス比率は、例えばキャパシタの製造中の許容誤差に起因して、それらの理想値又は公称値とは異なっている。本発明は、上記各アナログ信号が上記キャパシタンス比率に比例する場合には各位相群により次の位相群へ供給される信号がキャパシタンス比率により“汚染される(悪影響を受ける)”可能性があるという洞察に基づいている。これは、汚染された(悪影響を受けた)アナログ信号が汚染されていない(悪影響を受けていない)アナログ信号に対して加えられることにより、キャパシタンス比率によって深刻に汚染され得る(悪影響を受け得る)ビット生成が1に等しくなくなるという結果になる前述した従来の技術とは異なる。
多くの用途において、1ビットのデジタル出力信号は、サイクリックAD変換器の1サイクルで生成される。そして、第2の位相群の間に、アナログ差分信号の極性によってビット値が決定される。例えば、アナログ差分信号がプラスのときにはビットが“ハイ(high)”となり、アナログ差分信号がマイナスのときにはビットが“ロー(low)”となる。この決定基準は、差分信号がキャパシタンス比率により乗じられるという事実によっては影響されない。しかしながら、差分信号とゼロでない所定の基準値とを比較することが望ましい場合には、オペアンプの出力信号がコンパレータに印加される前に当該出力信号からキャパシタンス比率を除去することが重要であり、従って、本発明に係る方法は、第2の位相群の間に上記積分キャパシタの電荷を上記サンプラキャパシタへ移動させ、上記サンプラキャパシタの両端間の電圧からデジタルワードを構成するための上記少なくとも一つのビットを生成し、その後に上記サンプラキャパシタの電荷を元の上記積分キャパシタへ移動させることを特徴とする。
第3の位相群の間におけるファクタ(係数、因子、因数)2との乗算は、オペアンプを用いて積分キャパシタの両端間の電圧をサンプラキャパシタへコピーし、その後、再びオペアンプを用いてサンプラキャパシタの電荷を積分キャパシタへ移動させることにより行われてもよい。このようにすると、二つのキャパシタのキャパシタンスが全く等しくなる場合に、積分キャパシタの両端間の電圧及びオペアンプ出力電圧だけが正確に2倍にされる。従って、キャパシタンスが十分に等しくない場合、増倍率(乗算ファクタ)が汚染され(悪影響を受け)、その結果、次のサイクルの第2の位相群の間におけるビット生成が汚染される(悪影響を受ける)。
これらのキャパシタンス間の差が十分に小さくない場合において、本発明に係る方法が、較正電圧を用いて上記サンプラキャパシタを充電するステップと、上記サンプラキャパシタの電荷を上記積分キャパシタへ移動させるステップと、上記積分キャパシタの両端間の電圧を上記較正電圧と比較するステップと、上記比較結果が1よりも大きい場合にはトリミングキャパシタンスをサンプラキャパシタンスに対して加えるとともに上記比較結果が1よりも小さい場合にはトリミングキャパシタンスを上記積分キャパシタンスに対して加えるステップと、を含む反復較正プロセスを特徴とするならば、それらのキャパシタンスのマッチングを改善することができる。尚、サイクリックAD変換器におけるキャパシタンスの均等性を改善するためにトリミングキャパシタを使用すること自体は、米国特許第5,027,116号(特許文献2)から知られていることは留意され得る。
増倍率をより正確に2に等しくするための代替的な方法は、上記オペアンプ出力電圧を第1及び第2の蓄電キャパシタに蓄えるステップと、上記第1及び第2の蓄電キャパシタを上記オペアンプの入力と直列に接続するとともに、上記積分キャパシタを上記オペアンプの出力に接続することにより、上記第1及び第2の蓄電キャパシタの電圧を上記積分キャパシタに加えるステップと、その後に上記オペアンプの反転入力と出力との間に上記積分キャパシタを接続するステップと、を含む第3の位相群を特徴とする。蓄電キャパシタのうちの一方がオペアンプの入力リードのうちの一つにおいて接続されてもよく、また、他方の蓄電キャパシタが他の入力リードにおいて接続されてもよい。又は、両方の蓄電キャパシタが入力リードのうちの一つにおいて直列接続されてもよい。尚、サンプラキャパシタ及び積分キャパシタが例えば1pFの比較的大きいポリシリコン又は金属キャパシタであるのに対し、蓄電キャパシタは、チップ領域をあまり占有しない、例えば0.1pFの小さいMOS(ゲート酸化膜)キャパシタであるものとするとよい。蓄電キャパシタのうちの一つとしてサンプラキャパシタンスが都合良く使用されてもよい。これは、そうしなければこの位相群の間に亘ってサンプラキャパシタが使用されないからであり、余分なキャパシタ及びいくつかのスイッチが省かれるからである。
また、本発明は、添付の請求項のうちの一つ以上に係る方法を特に実行するようになっているサイクリックスイッチキャパシタAD変換器を対象としている。
以下、添付図面を参照しながら本発明について説明する。
図1のサイクリックスイッチキャパシタAD変換器は、アナログ入力信号Viのための入力端子Iと、Viの最小値と最大値との間の範囲の中間にある基準電圧Vrのための入力端子Rと、サンプラキャパシタC1と、積分キャパシタC2と、オペアンプ出力端子Oを有する演算増幅器(オペアンプ)Aと、その入力がオペアンプの出力に接続されたコンパレータQとを備えている。変換器は、複数のスイッチS0....S8を更に備えている。スイッチS0は、キャパシタ2をブリッジ(橋絡)する。スイッチS1,S2は、それぞれ入力端子I,RをキャパシタC1の左側プレートに対して接続し、スイッチS3,S8は、それぞれC1の左側プレートをグランド及びオペアンプ出力Oに対して接続し、スイッチS4,S5は、それぞれC1の右側プレートをグランド及びオペアンプAの反転入力に対して接続し、スイッチS6,S7は、それぞれ積分キャパシタC2の右側プレートをグランド及びオペアンプ出力Oに対して接続する。オペアンプの反転入力は、キャパシタC2の左側プレートに接続されており、オペアンプの非反転入力は、グランドに接続されている。変換器は、一つのクロックパルス入力CLと一つの開始パルス入力Stと9個のスイッチS0....S8の開閉位相を制御するための9個のパルス出力とを有するクロックパルス制御パルス発生器P1を更に含んでいる。
図2a,図2bを参照しながら、様々なクロック位相の間の変換器の接続形態を示す図1の変換器の動作について説明する。(1)及び(2)で示されるクロック位相は、共に差分信号を生成するための第1の位相群を形成し、クロック位相(3)は、単独でデジタルビットDを生成するための第2の位相群を構成し、クロック位相(4)及び(5)は、差分信号とファクタ(係数、因子、因数)2との乗算を行う第3の位相群を形成し、クロック位相(6)及び(7)(図2b参照)は、乗算された差分信号のビット依存シフトのための第4の位相群を形成している。
クロック位相(7)において生成された信号は、クロック位相(3)から始まる次のサイクルのための入力信号として使用される。従って、各サイクルはクロック位相(3)乃至(7)からなり、一方、クロック位相(1)及び(2)は、サイクルから外れるとともに、第1のサイクルに入るための差分信号の生成を担う。第1のサイクルの実行中にデジタル出力の最上位ビットが生成され、更なる各サイクルの間に、より小さい下位ビットがそれぞれ生成される。デジタルワードは、変換器の出力においてシリアル形式で利用することができ、シリアル−パラレル変換器(図示せず)においてパラレルデジタルワードへ変換されてもよい。
(1) 第1のクロック位相の間は、スイッチS0,S1,S4が閉じられるとともに、他のスイッチが開かれる。入力電圧Viは、スイッチS1,S4を介してサンプラキャパシタC1を充電し、また、積分キャパシタ2の両端間の電圧がスイッチS0を介してゼロにリセットされる。
(2) 第2の位相の間は、スイッチS2,S5,S7が閉じられるとともに、他の総てのスイッチが開かれる。積分キャパシタC2を介したフィードバックにより、オペアンプの反転入力は仮想グランドにある。基準電圧VrがC1の左側プレートに対して印加され、それにより、C1の電荷が(Vi−Vr)・C1だけ変化する。電荷のこの変化がキャパシタC2へシフト(移動)され、それにより、このキャパシタの両端間及びオペアンプ出力Oに電圧(Vi−Vr)・C1/C2が生成される。
(3) 第3の位相の間は、スイッチS3,S4,S7が閉じられるとともに、他の総てのスイッチが開かれる。スイッチS3,S4を介してC1の電荷がゼロにされる。オペアンプ出力は変わらない。このクロック位相は各サイクルの開始であるため、図2aではVn・C1/C2によりオペアンプ出力が参照される。この場合、添え字nは、実際に実行されたサイクルの数を示している。従って、第1のサイクルの間、第3の位相のオペアンプ出力電圧はVo=V1・C1/C2であり、V1=(Vi−Vr)である。この信号は、第1のビットDを生成するためにコンパレータQに対して印加される。Viがその範囲の下半分にある場合、Vi−Vrはマイナスであり、D=low(ロー)である。Viがその範囲の上半分にある場合、Vi−Vrはプラスであり、D=high(ハイ)である。
(4) 第4の位相の間は、スイッチS4,S7,S8が閉じられるとともに、他の総てのスイッチが開かれる。出力電圧Voは不変Vo=Vn・C1/C2のままであるが、サンプラキャパシタC1はオペアンプ出力を横切って効果的に接続され、このキャパシタはキャパシタC2と同じ電圧を得る。
(5) 第5の位相の間は、スイッチS3,S5,S7が閉じられるとともに、他の総てのスイッチが開かれる。キャパシタC1は、グランドとオペアンプの反転入力の仮想グランドとの間に接続される。従って、このキャパシタはその電荷を失い、この電荷は積分キャパシタC2へ移動される。その結果、このキャパシタの両端間の電圧及びオペアンプ出力電圧Voはほぼ2倍になり、Vo=2Vn・C1/C2によって表される。ファクタ2には、このファクタがキャパシタンス比率C1/C2から独立していないことを示すために、アンダーラインが引かれている。これは、第4の位相の間にC1に与えられた電圧Vn・C1/C2によりこのキャパシタの電荷がVn・C2 1/C2になり且つ第5の位相の間にこの電荷がC2の電荷Vn・C1に対して加えられえることにより最終的にキャパシタC2の両端間及びオペアンプの出力に電圧Vn・(1+C1/C2)・C1/C2が生じるという事実に起因するものである。初めに説明したように、ファクタC1/C2は次のビットの生成に影響を与えないが、乗算ファクタ(増倍率)中の項C1/C2はこの生成に対して悪影響を与える。実際に、このエラーは比較的小さいが、生成されるべきデジタルワードが10ビット以上を有する場合には、このエラーが受け入れ難いほど高くなる。図3乃至図5に関連して、乗算ファクタ中のエラーを減少させる又は回避するための方法及び装置について開示する。
(6)及び(7) 第6及び第7のクロック位相の間に、閉じられるスイッチは、第3の位相の間に生成されるビットDの値によって決まる。Dがローである場合、スイッチS2,S4,S7が閉じられるとともに、他の総てのスイッチが開かれる。キャパシタC2の両端間の電圧は不変のままであり、サンプラキャパシタC1が基準電圧Vrによって充電される。第7の位相が開始すると、スイッチS2,S4が開かれ、スイッチS3,S5が閉じられる。このとき、C1の電荷がC2へシフトし、それにより、C2の両端間の電圧及びオペアンプ出力電圧がVr・C1/C2だけ増大する。この電圧シフトがキャパシタ比率C1/C2に比例し、その結果として、出力電圧Vo=(2Vn+Vr)・C1/C2がこのキャパシタ比率に比例したままとなることが重要である。
(2) 第2の位相の間は、スイッチS2,S5,S7が閉じられるとともに、他の総てのスイッチが開かれる。積分キャパシタC2を介したフィードバックにより、オペアンプの反転入力は仮想グランドにある。基準電圧VrがC1の左側プレートに対して印加され、それにより、C1の電荷が(Vi−Vr)・C1だけ変化する。電荷のこの変化がキャパシタC2へシフト(移動)され、それにより、このキャパシタの両端間及びオペアンプ出力Oに電圧(Vi−Vr)・C1/C2が生成される。
(3) 第3の位相の間は、スイッチS3,S4,S7が閉じられるとともに、他の総てのスイッチが開かれる。スイッチS3,S4を介してC1の電荷がゼロにされる。オペアンプ出力は変わらない。このクロック位相は各サイクルの開始であるため、図2aではVn・C1/C2によりオペアンプ出力が参照される。この場合、添え字nは、実際に実行されたサイクルの数を示している。従って、第1のサイクルの間、第3の位相のオペアンプ出力電圧はVo=V1・C1/C2であり、V1=(Vi−Vr)である。この信号は、第1のビットDを生成するためにコンパレータQに対して印加される。Viがその範囲の下半分にある場合、Vi−Vrはマイナスであり、D=low(ロー)である。Viがその範囲の上半分にある場合、Vi−Vrはプラスであり、D=high(ハイ)である。
(4) 第4の位相の間は、スイッチS4,S7,S8が閉じられるとともに、他の総てのスイッチが開かれる。出力電圧Voは不変Vo=Vn・C1/C2のままであるが、サンプラキャパシタC1はオペアンプ出力を横切って効果的に接続され、このキャパシタはキャパシタC2と同じ電圧を得る。
(5) 第5の位相の間は、スイッチS3,S5,S7が閉じられるとともに、他の総てのスイッチが開かれる。キャパシタC1は、グランドとオペアンプの反転入力の仮想グランドとの間に接続される。従って、このキャパシタはその電荷を失い、この電荷は積分キャパシタC2へ移動される。その結果、このキャパシタの両端間の電圧及びオペアンプ出力電圧Voはほぼ2倍になり、Vo=2Vn・C1/C2によって表される。ファクタ2には、このファクタがキャパシタンス比率C1/C2から独立していないことを示すために、アンダーラインが引かれている。これは、第4の位相の間にC1に与えられた電圧Vn・C1/C2によりこのキャパシタの電荷がVn・C2 1/C2になり且つ第5の位相の間にこの電荷がC2の電荷Vn・C1に対して加えられえることにより最終的にキャパシタC2の両端間及びオペアンプの出力に電圧Vn・(1+C1/C2)・C1/C2が生じるという事実に起因するものである。初めに説明したように、ファクタC1/C2は次のビットの生成に影響を与えないが、乗算ファクタ(増倍率)中の項C1/C2はこの生成に対して悪影響を与える。実際に、このエラーは比較的小さいが、生成されるべきデジタルワードが10ビット以上を有する場合には、このエラーが受け入れ難いほど高くなる。図3乃至図5に関連して、乗算ファクタ中のエラーを減少させる又は回避するための方法及び装置について開示する。
(6)及び(7) 第6及び第7のクロック位相の間に、閉じられるスイッチは、第3の位相の間に生成されるビットDの値によって決まる。Dがローである場合、スイッチS2,S4,S7が閉じられるとともに、他の総てのスイッチが開かれる。キャパシタC2の両端間の電圧は不変のままであり、サンプラキャパシタC1が基準電圧Vrによって充電される。第7の位相が開始すると、スイッチS2,S4が開かれ、スイッチS3,S5が閉じられる。このとき、C1の電荷がC2へシフトし、それにより、C2の両端間の電圧及びオペアンプ出力電圧がVr・C1/C2だけ増大する。この電圧シフトがキャパシタ比率C1/C2に比例し、その結果として、出力電圧Vo=(2Vn+Vr)・C1/C2がこのキャパシタ比率に比例したままとなることが重要である。
第3のクロック位相の間に生成されるビットDがハイである場合、第6の位相の間に閉じられるスイッチはS3,S4,S7である。実際には、二つのキャパシタの両端間の電圧は、第5の位相の間に生成された電圧に対して変化しないが、第6の位相は、シーケンスをDがローであるときのシーケンスと同期させた状態に維持するために必要である。第7の位相の間、スイッチS2,S5,S7が閉じられるとともに、他の総てのスイッチが開かれる。ここで、キャパシタンスC1には電荷Vr・C1が取り込まれ、この電荷は積分キャパシタC2の電荷から差し引かれる。これにより、キャパシタC2の両端間及びオペアンプ出力で電圧(2Vn−Vr)・C1/C2が得られる。
その後、第3の位相(3)から始まる次のビットの生成のためにシーケンスが繰り返され、これにより、Dに対するアナログ電圧Vn+1=2Vn+Vrが低く、Dに対するVn+1=2Vn−Vrが高くなる。
何等かの理由で、第2の位相群の間に、差分信号Vn・C1/C2とゼロではない比較値とを比較することによりビットを生成しなければならない場合、ファクタC1/C2がビットの生成を乱す。これは、位相(3)からなる第2の位相群を図3に示される三つのクロック位相(3a)、(3b)及び(3c)を有する位相群に取って代えることにより回避され得る。
(3a) 位相(3a)の間は、当初の位相(3)の場合と同様に、図1のスイッチS3,S4,S7が閉じられるとともに、他の総てのスイッチが開かれる。違いは、位相(3a)においてオペアンプ出力信号がコンパレータQで未だ比較されないという点である。キャパシタC1が放電され、キャパシタC2の電荷Vn・C1が保持される。
(3b) この位相の間は、スイッチS5,S6,S8が閉じられるとともに、他の総てのスイッチが開かれる。キャパシタC2の電荷Vn・C1がC1へ移動され、その結果、C1の両端間の電圧及びオペアンプ出力電圧VoがVnに等しくなる、即ち、この電圧は、キャパシタンス比率C1/C2によって悪影響を受けず(汚染されず)、従って、コンパレータQにおいて任意の適切な基準電圧Vcと比較することができる。
(3c) スイッチS3,S5,S7が閉じられるとともに他の総てのスイッチが開かれるこの位相は、位相(3a)の状況を回復させるのに役立つ。キャパシタC1の電荷がキャパシタC2へと再び移動され、オペアンプの出力電圧が再びVn・C1になる。
(3a) 位相(3a)の間は、当初の位相(3)の場合と同様に、図1のスイッチS3,S4,S7が閉じられるとともに、他の総てのスイッチが開かれる。違いは、位相(3a)においてオペアンプ出力信号がコンパレータQで未だ比較されないという点である。キャパシタC1が放電され、キャパシタC2の電荷Vn・C1が保持される。
(3b) この位相の間は、スイッチS5,S6,S8が閉じられるとともに、他の総てのスイッチが開かれる。キャパシタC2の電荷Vn・C1がC1へ移動され、その結果、C1の両端間の電圧及びオペアンプ出力電圧VoがVnに等しくなる、即ち、この電圧は、キャパシタンス比率C1/C2によって悪影響を受けず(汚染されず)、従って、コンパレータQにおいて任意の適切な基準電圧Vcと比較することができる。
(3c) スイッチS3,S5,S7が閉じられるとともに他の総てのスイッチが開かれるこの位相は、位相(3a)の状況を回復させるのに役立つ。キャパシタC1の電荷がキャパシタC2へと再び移動され、オペアンプの出力電圧が再びVn・C1になる。
図1乃至図3に関して先に開示された方法を用いると、キャパシタミスマッチへのビットの依存性が従来に対して約75%だけ実質的に低減されるが、悪影響を受けた(汚染された)乗算ファクタ2に起因する残りのミスマッチ依存性が実際に非常に高くなる場合がある。図4は、サンプラキャパシタC1と積分キャパシタC2との間の格差を減少させるトリミングプロセスによってミスマッチ問題を更に減少させるための方法を開示している。このトリミングプロセスは、例えば変換の開始時に又は変換中に一定の間隔をもって実行されてもよい。
トリミングプロセスの第1の位相(T1)の間は、図1のスイッチS0,S2,S4が閉じられるとともに、他の総てのスイッチが開かれる。基準電圧Vrによりサンプラキャパシタが充電されると同時に、積分キャパシタC2が放電される。尚、トリミングプロセスのために基準電圧Vrではなく任意の他の適当な定電圧が使用されてもよい。
第2の位相(T2)の間は、図1のスイッチS3,S5,S7が閉じられるとともに、他の総てのスイッチが開かれる。これにより、キャパシタC1の電荷Vr・C1がキャパシタC2へと移動され、それにより、このキャパシタの両端間及びオペアンプ出力に電圧Vr・C1/C2が生じる。
第3の位相(T3)の間は、このオペアンプ出力電圧がコンパレータQに印加され、このコンパレータQにおいてこの電圧が基準電圧Vrと比較される。コンパレータは、オペアンプ出力電圧がVrよりも高い時即ちC1のキャパシタンスがC2のキャパシタンスよりも大きいときにハイとなり且つC1のキャパシタンスがC2のキャパシタンスよりも低い時にローとなるビットBを供給する。ビットBは、トリミングプロセスの第4の位相(T4)で図4に示される対応するスイッチを制御するためのパルスL1,H1,K2,K3を発生させるパルス発生器P3に対して印加される。
図4において、この第4の位相の接続形態は、二つのキャパシタC1,C2と、キャパシタC1と並列にトリマーキャパシタCp1を接続するための二つのスイッチL1と、キャパシタC2と並列にトリマーキャパシタCp1を接続するスイッチH1とを示している。スイッチK2は、第1のトリマーキャパシタCp1と並列に第2のトリマーキャパシタCp2を接続するために設けられており、スイッチK3は、第2のトリマーキャパシタCp2と並列な第3のトリマーキャパシタCp3の接続を担う。
動作時、C1のキャパシタンスがC2のキャパシタンスよりも低いと、ビットBはローであり、これにより、パルス発生器が二つのスイッチL1を閉じる。トリマーキャパシタCp1がキャパシタC1と並列に接続され、それにより、キャパシタンス比率C1/C2が高くなる。新たなトリミングサイクルが開始し、キャパシタンス比率C1/C2が依然として非常に低い場合には、パルス発生器P3がスイッチK2のためのパルスを発生させ、これにより、第2のトリマーキャパシタもC1と並列に接続される。再び新たなサイクルが開始し、ここで比率C1/C2が1よりも高い場合には、パルス発生器P3により更なるパルスが供給されず、トリミングプロセスが停止される。一方、比率が依然として1よりも低い場合には、スイッチK3のためのパルスが発生され、トリミングキャパシタCp3がC1,Cp1,Cp2と並列に接続される。第1のサイクルの間に比率C1/C2が1よりも高い場合には、スイッチL1の代わりにスイッチH1が閉じられ、同じ手順によりキャパシタンスC2が増大する。
実際には、トリミングキャパシタCp1,Cp2,Cp3は、C1,C2のキャパシタタンスの約1%の値を有していてもよい。必要に応じて、トリミングキャパシタの数を増大することによりトリミング範囲が増大されてもよく、また、勿論、較正プロセスにおいて更なる繰り返しを犠牲にして各トリミングキャパシタのキャパシタンス値を減少させることによりトリミングプロセスの分解能が増大されてもよい。
図1のサイクリックAD変換器における乗算ファクタに対するキャパシタミスマッチの影響を減少させるための他の方法について、図5及び図6を参照して説明する。図1の変換器の素子に対応する図5の素子には同じ参照符号が付されている。図5のサイクリックAD変換器は、更に、5個のスイッチS9乃至S13と蓄電キャパシタC3とを有している。スイッチS9,S10は、積分キャパシタC2の左側プレートをオペアンプの反転入力及びグランドに対してそれぞれ接続する。蓄電キャパシタC3は接地された一つのプレートを有しており、一方、他のプレートは、スイッチS11,S12を介して、オペアンプの出力及び非反転入力に対してそれぞれ接続されている。また、スイッチS13は、この非反転入力とグランドとの間に接続されている。パルス発生器P2は、スイッチS0乃至S13のそれぞれを制御するための出力を有している。
クロック位相(1)及び(2)を有する第1の位相群、クロック位相(3)又は(3a),3(b),3(c)を有する第2の位相群、クロック位相(6)及び(7)を有する第4の位相群は、図1、図2a乃至図2b、及び、図3を参照して先に説明して図示したものと同じである。ファクタ2との乗算を行う第4の位相群だけが図6に示されるクロック位相(4a)、(5a)及び(5b)に取って代えられている。動作は、以下の通りである。
(4a) このクロック位相の間は、スイッチS4,S7,S8,S9,S11,及びS13が閉じられるとともに、他のスイッチが開かれる。オペアンプ出力電圧Vo=Vn・C1/C2は、変わらず、二つのキャパシタC1及びC3に対して印加される。
(5a) クロック位相(5a)の間は、スイッチS5,S7,S8,S10及びS12が閉じられるとともに、他の総てのスイッチが開かれる。蓄電キャパシタC3は、オペアンプの非反転入力に接続され、結果としてオペアンプの電圧を総てVn・C1/C2だけ上昇させる。また、ここでオペアンプの反転入力と出力との間に接続されているキャパシタC1は、オペアンプの出力電圧を更にVn・C1/C2だけ上昇させ、それにより、オペアンプ出力電圧が2倍になって2・Vn・C1/C2となる。この電圧はキャパシタC2に印加される。図1の装置ではキャパシタンス比率C1/C2によって悪影響を受けた(汚染された)乗算ファクタ2は、図5の装置では悪影響を受けない(汚染されない)。
(5b) クロック位相(5b)の間は、スイッチS3,S4,S7,S9,及びS13が閉じられるとともに、他の総てのスイッチが開かれる。キャパシタC1が放電され、乗算された電圧2・Vn・C1/C2を有するキャパシタC2は、オペンアンプの反転入力と出力との間のその元の通常の位置に切り換えられる。
(4a) このクロック位相の間は、スイッチS4,S7,S8,S9,S11,及びS13が閉じられるとともに、他のスイッチが開かれる。オペアンプ出力電圧Vo=Vn・C1/C2は、変わらず、二つのキャパシタC1及びC3に対して印加される。
(5a) クロック位相(5a)の間は、スイッチS5,S7,S8,S10及びS12が閉じられるとともに、他の総てのスイッチが開かれる。蓄電キャパシタC3は、オペアンプの非反転入力に接続され、結果としてオペアンプの電圧を総てVn・C1/C2だけ上昇させる。また、ここでオペアンプの反転入力と出力との間に接続されているキャパシタC1は、オペアンプの出力電圧を更にVn・C1/C2だけ上昇させ、それにより、オペアンプ出力電圧が2倍になって2・Vn・C1/C2となる。この電圧はキャパシタC2に印加される。図1の装置ではキャパシタンス比率C1/C2によって悪影響を受けた(汚染された)乗算ファクタ2は、図5の装置では悪影響を受けない(汚染されない)。
(5b) クロック位相(5b)の間は、スイッチS3,S4,S7,S9,及びS13が閉じられるとともに、他の総てのスイッチが開かれる。キャパシタC1が放電され、乗算された電圧2・Vn・C1/C2を有するキャパシタC2は、オペンアンプの反転入力と出力との間のその元の通常の位置に切り換えられる。
尚、蓄電キャパシタC3は、他のキャパシタに対して電荷を供給する必要がないため、キャパシタC1及びC2よりも十分に小さいキャパシタンスを有していてもよく、オペアンプ入力の電圧を上げさえすればよい。図6のキャパシタC1の場合も、小さな蓄電キャパシタが使用されてもよいが、この場合には、更に多くのスイッチが必要である。
図示して前述した装置は、完全差動構造へと拡張され得る。その一例が図7に示されており、図7は、図1の装置の差動構造を示している。オペアンプA’は、二つの端子(差動)出力を有する差動増幅器である。この装置は二つのサンプラキャパシタC1及びC1’と二つの積分キャパシタC2及びC2’とを備えており、各スイッチS0...S8もその対応する差動部分を有している。共通モード電圧VCは、通常、最適な電圧振れを有するように、供給電圧の約半分に等しい。入力は、Vcに中心付けられた差動入力信号Vip,Vinからなり、また、基準信号も、Vcに中心付けられた差動基準信号Vrp,Vmからなる。
蓄電キャパシタC3がオペアンプの非反転入力に接続された図5の装置は、2との乗算のためにオペアンプの非反転入力を利用できないため、完全差動構造へ拡張することができない。この問題は、蓄電キャパシタC3がオペアンプの非反転入力に接続されることなくオペアンプ出力とオペアンプの反転入力との間でキャパシタC1と直列な適切な極性に接続されるように図5の装置を修正することにより解決され得る。これにより、非反転入力が差動動作に関して自由になる。このような図5の修正が図8に示されている。図8において、図5の素子と対応する素子には同じ参照符号が付されている。
この装置のクロック位相の接続形態は、図6に示されるクロック位相接続形態(5a)が図8に示されるクロック位相接続形態(5c)に取って代えられている点を除き、図5の装置のそれと同じである。図3のクロック位相接続形態は、図8の装置において実施されていない。従って、図8のクロック位相接続形態は、(1)、(2)、(3)、(4a)、(5c)、(5b)、(6)、(7)であり、クロック位相の間に閉じられる図8のスイッチは以下の通りである。
(1) S1,S4,S9(S14,S16)
(2) S2,S5,S14,S15,S9
(3) S3,S4,S9(S14,S16)
(4a) S4,S8,S16,S17,S9
(5c) S15,S5,S8,S10
(5b) S3,S4,S9(S14,S16)
D low(ロー) D high(ハイ)
(6) S2,S4,S9(S14,S16) S3,S4,S9(S14,S16)
(7) S3,S5,S14,S15,S9 S2,S5,S14,S15,S9
(1) S1,S4,S9(S14,S16)
(2) S2,S5,S14,S15,S9
(3) S3,S4,S9(S14,S16)
(4a) S4,S8,S16,S17,S9
(5c) S15,S5,S8,S10
(5b) S3,S4,S9(S14,S16)
D low(ロー) D high(ハイ)
(6) S2,S4,S9(S14,S16) S3,S4,S9(S14,S16)
(7) S3,S5,S14,S15,S9 S2,S5,S14,S15,S9
括弧内のスイッチは、任意に、基準クロック位相の間に閉じられてもよい。
要約すると、本発明は、サンプラキャパシタンス及び積分キャパシタンスを用いてアナログ信号を周期的にAD変換するための方法及び装置であって、上記キャパシタンスの比率によって乗じられる差分信号をアナログ信号及び基準信号から生成するステップと、上記差分信号からデジタルビットを得るステップと、上記比率によって乗じられる差分信号を2倍にするステップと、上記比率により乗じられた基準信号により上記2倍にされた信号をシフトするステップと、次のサイクルのために、シフトされた信号を、上記比率により乗じられた差分信号として使用するステップと、を含む方法及び装置に関する。
Claims (6)
- サンプラキャパシタンス(C1)及び積分キャパシタンス(C2)を用いてアナログ入力信号(Vin)をデジタル出力信号に周期的に変換するための方法であって、アナログ信号(Vi)と基準信号(Vr)との差に前記キャパシタンスの比率(C1/C2)を乗じることにより差分信号を生成するステップと、前記差分信号から少なくとも一つのデジタルビット(D)を得るステップと、前記差分信号をほぼ2倍にするステップと、前記比率により乗じられた前記基準信号により前記2倍にされた差分信号をシフトするステップと、次のサイクルのために、シフトされた前記信号を、前記比率により乗じられた差分信号として使用するステップと、を含むことを特徴とする方法。
- 前記デジタル出力信号は、コンパレータ(Q)に接続されたオペアンプ出力を有するオペアンプ(A)と、サンプラキャパシタ(C1)と、積分キャパシタ(C2)と、変換を行うように配置されて制御されるスイッチ手段(S0....S8)とによって生成されるマルチビットデジタルワードであり、
オペアンプ出力(O)において一つ以上のクロック位相からなる第1の位相群の間に差分信号を生成し、
一つ以上のクロック位相からなる第2の位相群の間に少なくとも一つのデジタルビット(D)を得て、デジタルワードを構成するとともに、前記キャパシタンス比率により乗じられた前記差分信号を前記オペアンプ出力(O)において供給し、
一つ以上のクロック位相からなる第3の位相群の間に、前記キャパシタンス比率により乗じられた前記アナログ差分信号のほぼ2倍である2倍にされた差分信号を、前記オペアンプ出力(O)において生成することにより、前記差分信号をほぼ2倍にし、
一つ以上のクロック位相からなる第4の位相群の間に、前記キャパシタンス比率により乗じられたビット依存基準信号によりシフトされた前の位相群によって供給されるオペアンプ出力信号であるシフトされたアナログ信号を、前記オペアンプ出力において生成することにより、前記2倍にされた差分信号をシフトし、
前記シフトされた信号を、次のサイクルの第2の位相群のための差分信号として使用する、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 第2の位相群の間に前記積分キャパシタ(C2)の電荷を前記サンプラキャパシタ(C1)へ移動させ、前記サンプラキャパシタの両端間の電圧からデジタルワードを構成するための前記少なくとも一つのビット(D)を生成し、その後に前記サンプラキャパシタの電荷を元の前記積分キャパシタへ移動させることを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 較正電圧(Vr)を用いて前記サンプラキャパシタを充電するステップと、前記サンプラキャパシタ(C1)の電荷を前記積分キャパシタ(C2)へ移動させるステップと、前記積分キャパシタの両端間の電圧を前記較正電圧と比較するステップと、前記比較結果が1よりも大きい場合にはトリミングキャパシタンス(Cp1,Cp2,Cp3)をサンプラキャパシタンスに対して加えるとともに前記比較結果が1よりも小さい場合にはトリミングキャパシタンスを前記積分キャパシタンスに対して加えるステップと、を含む反復較正プロセスを特徴とする請求項2又は3に記載の方法。
- 前記オペアンプ出力電圧を第1及び第2の蓄電キャパシタ(C1,C3)に蓄えるステップと、前記第1及び第2の蓄電キャパシタ(C1,C3)を前記オペアンプ(A)の入力と直列に接続するとともに、前記積分キャパシタ(C2)を前記オペアンプの出力に接続することにより、前記第1及び第2の蓄電キャパシタの電圧を前記積分キャパシタに加えるステップと、その後に前記オペアンプの反転入力と出力との間に前記積分キャパシタを接続するステップと、を含む第3の位相群を特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の方法。
- サンプラキャパシタンス(C1)及び積分キャパシタンス(C2)を用いてアナログ入力信号(Vin)をデジタル出力信号に周期的に変換するための装置であって、アナログ信号(Vi)と基準信号(Vr)との差に前記キャパシタンスの比率(C1/C2)を乗じることにより差分信号を生成するステップと、前記差分信号から少なくとも一つのデジタルビット(D)を得るステップと、前記差分信号をほぼ2倍にするステップと、前記比率により乗じられた前記基準信号により前記2倍にされた差分信号をシフトするステップと、次のサイクルのために、シフトされた前記信号を、前記比率により乗じられた差分信号として使用するステップと、を実行するように構成されていることを特徴とする装置。
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