JP2008311340A - 2ステージレーザのパルスエネルギー制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
レーザの高出力化及び高繰り返し化を実現する2ステージレーザのパルスエネルギー制御を高精度に行い、パルスエネルギーを安定化させる。
【解決手段】
制御部は、今回パルスで動作させる増幅段の励起強度(充電電圧)を、今回パルスで目標とするパルスエネルギーと、前回パルスまでにその増幅段を動作させて出力したパルスエネルギーと、そのパルスエネルギーを出力したときにその増幅段に供給された励起強度と、を用いて求め、求めた励起強度が今回パルスで動作させる増幅段に供給されるように制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発振段でレーザガスを励起してシード光を出力し、レーザ光軸上に直列に配設された複数の増幅段の何れかでレーザガスを励起してシード光を増幅して出力する2ステージレーザのパルスエネルギー制御装置に関する。
半導体露光装置は半導体ウェハの露光と半導体ウェハが載置されるステージの移動とを交互に繰り返す。図15は複数のICチップ90が配列された半導体ウェハWを示し、またICチップ90の露光順序を示す。ステッパ方式の露光において、半導体ウェハW上の1つのICチップ90に対して多数の連続パルス光を照射する露光処理を行い、1つのICチップ90に対する露光処理が終了すると、半導体ウェハWを載置するステージまたは半導体ウェハWに対してレーザ光を照射する光学系の何れかを移動し、次の未照射ICチップ90に対して連続パルス光を照射する露光処理を行う。半導体露光装置はこのような露光及びステージ又は光学系移動(以下、単にステージ移動という)を交互に行い、全てのICチップ90に対する露光処理が終了すると、露光済みのウェハWをステージから搬出し、次のウェハWをステージに搬入して同様の露光処理を繰り返す。
半導体の高集積化の要求に対応するために、半導体露光装置の露光用光源としてはエキシマレーザ装置が用いられている。エキシマレーザ装置はレーザガスが封入され且つ1対の対向する電極が設けられたチャンバを有する。チャンバの電極間で放電が生ずるとレーザガスが励起され、この励起状態から基底状態に遷移する際に光が発生する。この光のエネルギーがレーザ共振器を介してある程度増幅されるとレーザ光が出力される。出力されたレーザ光は半導体露光装置に案内され、半導体ウェハWのICチップ90に照射される。
露光用光源のエキシマレーザ装置は、回路パターンの解像度を一定レベル以上に維持するために、長時間に渡ってパルスエネルギーまたは露光量(パルスエネルギー積算量)を一定に保つことが必要とされる。ところが、エキシマレーザ装置はパルス放電励起ガスレーザであるためパルスエネルギーにばらつきがあることから、パルスエネルギーまたは露光量(パルスエネルギー積算量)を一定に保つためにはエネルギー制御が必要となる。
上述したように、半導体露光装置は露光とステージ移動とを交互に繰り返すようになっているので、エキシマレーザ装置の運転状態は、図16に示すように、必然的に、レーザ光を所定回数連続してパルス発振させる連続パルス発振運転と、時間Tの間パルス発振を休止させる発振休止と、を繰り返す所謂バーストモードとなる。図16に示すバーストモード運転において、発振休止時間Tとは半導体露光装置におけるステージ移動に要する時間に対応するものであるが、この発振停止時間Tは様々な原因によって必ずしも一定とはならない。例えば、ステージ上のウェハ交換を行う際の発振停止時間TはICチップ間でステージ移動を行う際の発振停止時間Tと比べて大幅に長いものとなる。また、同一列でICチップ間を移動する際の発振停止時間Tと列を代えてICチップ間を移動する際の発振停止時間Tとは全く異なるものとなる。さらに、ウェハ上のICチップの個数、配列などが異なった場合も発振停止時間Tが変化する原因となる。その他にも発振停止時間Tを変化させる原因は様々ある。
図16に示すバーストモード運転においては、励起強度(充電電圧)を一定値に固定した場合の各パルスのエネルギーを示している。このようにバーストモード運転において、パルスエネルギーは、最初の数パルスは比較的高く、その後徐々に低下して比較的安定する。パルスエネルギーが高い最初のパルス領域をスパイク領域という。発振停止時間Tの長さが変化した場合、個々のパルスエネルギー、特にスパイク領域のパルスエネルギーに大きな変化を与える。発振休止時間Tが短い場合は、発振休止前までのレーザ発振の影響が電極温度の局所的上昇、レーザチャンバ内のガスの乱れ、などとして残り、スパイク領域のエネルギーが比較的小さくなる。また、発振停止時間Tが長い場合は、発振休止前までのレーザ発振の影響がレーザ全体から消え、スパイク領域のエネルギーが比較的大きくなる。
また、エキシマレーザ装置はパルス放電励起ガスレーザであるため、常に一定のパルスエネルギーで発振を続けることが困難である。この原因としては、(1)放電電極の表面において局所的な温度上昇が発生し、次回の放電を劣化させ放電を不安定なものにする、(2)放電されることによって放電空間内にレーザガスの密度擾乱が発生し、次回の放電を不均一で不安定なものにする、などがある。このようなことからバーストモード運転のエキシマレーザ装置では1パルス毎にエネルギーがばらつき、露光量制御の精度を低下させることになる。さらにスパイク領域ではばらつきが大きくなり、露光量制御の精度を大きく低下させることが問題である。
エキシマレーザ装置のエネルギー制御に関しては、特許文献1や特許文献2が開示されている。例えば、特許文献1には、レーザ光を所定回数連続してパルス発振させる連続発振動作と、このパルス発振を所定の発振休止時間の間だけ休止する停止動作を交互に実行する運転を1バースト周期とするバーストモード運転を繰り返し行ない、パルス発振の各出力エネルギーが所定の目標値範囲内に入るようにレーザの電源電圧を制御するレーザ装置が開示されている。特許文献1に係る発明によれば、電源電圧データテーブルに記憶された電源電圧データを補正するに当たり、この補正の際に用いる制御ゲインをパルス番号及び発振休止時間に対応してグループ分けするとともに、これらのグループ単位に異なる値を設定する。そして、これらグループ分けした制御ゲインは、パルス番号に対応して分割したブロックに関してはパルス番号が小さなパルスを含むブロックほどその値が小さくなるようにブロック単位に異なる値を設定し、発振休止時間に対応して分割したブロックに関しては時間が大きな発振休止時間を含むブロックほどその値が小さくなるようにブロック単位に異なる値を設定する。
また、近年は半導体露光装置のスループット向上と回路パターンの超微細加工のためにレーザの高出力化が望まれている。高出力のレーザには、例えば特許文献3や特許文献4に示された2ステージレーザ(ダブルチャンバ式レーザとも称される)が採用されている。
2ステージレーザはシード光を出力する発振段とシード光を増幅する増幅段とを有し、発振段は発振段用レーザを備え、増幅段は増幅段用レーザを備える。発振段用レーザ及び増幅段用レーザは共にレーザガスが封入され且つ1対の対向する電極が設けられたチャンバを有する。発振段用チャンバの電極間で放電が生ずるとレーザガスが励起され、この励起状態から基底状態に遷移する際に光が発生する。この光のエネルギーがレーザ共振器を介してある程度増幅されると発振段用レーザからレーザ光(シード光という)が出力される。レーザ共振器には狭帯域化光学素子が設けられており、スペクトルの狭帯域化が実現される。出力されたシード光は増幅段用チャンバに注入される。この注入に同期して増幅段用チャンバの電極間で放電が生ずると、シード光の超狭帯域化スペクトルを維持しつつエネルギーが増幅される。
一般に2ステージレーザの方式としては、増幅段における増幅の手段が異なるMOPO方式とMOPA方式の2種類が知られている。MOPOは、Master Oscillator, Power Oscillatorの略であり、インジェクションロック方式とも呼ばれる。この方式では増幅段用チャンバを間に挟んで共振器が設けられ、レーザ光が増幅段用チャンバを複数回通過して増幅される。MOPAは、Master Oscillator, Power Amplifierの略である。この方式では増幅段用チャンバを間に挟んで共振器が設けられず、レーザ光が増幅段用チャンバを1回又は2回通過して増幅される。本実施形態のダブルチャンバ式レーザ装置はMOPO方式である。
2ステージレーザのエネルギー制御に関しては、例えば特許文献5が開示されている。特許文献5には、発振段用レーザから出力されるシード光のパルスエネルギーが所定エネルギー以上であれば、そのシード光のパルスエネルギーが変動したとしても増幅段用レーザから出力されるレーザ光のパルスエネルギーは変動しないことが開示されている。発振段用レーザから出力されるシード光のパルスエネルギー領域のうち所定エネルギー以上の領域を増幅飽和領域と称する。特許文献5に係る発明は、発振段用レーザの発振段用高電圧パルス発生器に設けられた主コンデンサの充電電圧を一定制御し、発振段用レーザのパルスエネルギーを増幅飽和領域の下限エネルギー以上にする。一方、増幅段用レーザの増幅段用高電圧パルス発生器に設けられた主コンデンサの充電電圧をパルス毎に制御し、増幅段用レーザのパルスエネルギーを1台のチャンバのみを有するエキシマレーザ装置と同様に目標エネルギーにする。
最近はレーザの高出力化に加えて、例えば繰り返し周波数8kHz以上の高繰り返し化が望まれている。従来の2ステージレーザにおいては、発振段用レーザは低エネルギーを扱っているため高繰り返し化に比較的容易に対応できるが、増幅段用レーザは高エネルギーを扱っているため高繰り返し化に対応するのが困難である。そこでレーザの高出力化及び高繰り返し化を実現する新たな2ステージレーザが特許文献6で提案されている。
図1はレーザの高出力化及び高繰り返し化を実現する2ステージレーザを示し、特許文献6で示された2ステージレーザである。この2ステージレーザ2は、発振段用レーザ100と増幅段用レーザ300とを有する点では特許文献3、4で示される通常の2ステージレーザと同様であるが、増幅段用レーザ300の光共振器36、37の間に第1の増幅段310と第2の増幅段320とを有する点が通常の2ステージレーザと異なる。この2ステージレーザにおいては、発振段用レーザ100を高繰り返し運転し(例えば繰り返し周波数10kHz)、増幅段用レーザ300の第1増幅段310と第2増幅段320とを交互に運転し(例えば繰り返し周波数5kHz)、高繰り返し(例えば繰り返し周波数10kHz)を実現している。
特許第3830591号公報 特許第3184160号公報 特開2001−156367号公報 特開2001−24265号公報 特開2005−64184号公報 特開2006−255619号公報
一般にパルスレーザ装置では、目標パルスエネルギーPatgtと前回パルスまでに出力されたパルスエネルギーPamp、例えば1パルス前に出力されたパルスエネルギーPampとを比較し、その差に応じた補正値で1パルス前の充電電圧を補正して今回パルスの充電電圧を決定する処理が行われる。この処理を図1に示す2ステージレーザ2に適用すると、第1増幅段310で増幅し出力されたNパルス目のレーザ光のパルスエネルギーPamp(N)と目標パルスエネルギーPatgtとを比較して、その差に応じた補正値でNパルス目に第1増幅段310に供給した充電電圧を補正して第2増幅段320のN+1パルス目の充電電圧とする処理が行われ、次回パルスでは、第2増幅段320で増幅し出力されたN+1パルス目のレーザ光のパルスエネルギーPamp(N+1)と目標パルスエネルギーPatgtとを比較して、その差に応じた補正値でN+1パルス目に第2増幅段320に供給した充電電圧を補正して第1増幅段310のN+2パルス目の充電電圧とする処理が行われる。
ところで、図1に示す2ステージレーザ2では、第1増幅段310と第2増幅段320とでエネルギー特性が異なる場合がある。2つの増幅段310、320のエネルギー特性が異なる場合は、例えば第1増幅段310に設けられた増幅段用高電圧パルス発生器33の主コンデンサC0の充電電圧と、第2増幅段320に設けられた増幅段用高電圧パルス発生器34の主コンデンサC0の充電電圧と、を同一にしたとしても、実際に出力されるレーザ光のパルスエネルギーは同一にならない。このため、出力されるパルスエネルギーが目標パルスエネルギーに近くなるように制御しているにもかかわらず、実際のパルスエネルギーは目標パルスエネルギーとかけ離れることが想定される。このようにパルスエネルギーが不安定になると、半導体ウェハの回路パターンの解像度を一定レベル以上に維持できなくなる。
本発明はこうした実状に鑑みてなされたものであり、レーザの高出力化及び高繰り返し化を実現する2ステージレーザのパルスエネルギー制御を高精度に行い、パルスエネルギーを安定化させることを解決課題とするものである。
そこで、第1発明は、
レーザガスを励起することによってシード光を出力する発振段と、シード光を入力すると共にレーザガスを励起することによって当該シード光を増幅して出力するレーザ光軸上に直列に配設された複数の増幅段と、パルス毎に前回パルス時に動作させた増幅段とは異なる増幅段を動作させるように前記各増幅段の動作順及び動作時の励起強度を制御する制御部と、を備えた2ステージレーザのパルスエネルギー制御装置において、
前記制御部は、今回パルスで動作させる増幅段の励起強度を、今回パルスで目標とするパルスエネルギーと、前回パルスまでに当該増幅段を動作させて出力したパルスエネルギーと、そのパルスエネルギーを出力したときに当該増幅段に供給された励起強度と、を用いて求め、求めた励起強度が今回パルスで動作させる増幅段に供給されるようにする
ことを特徴とする。
第2発明は、
レーザガスを励起することによってシード光を出力する発振段と、シード光を入力すると共にレーザガスを励起することによって当該シード光を増幅して出力するレーザ光軸上に直列に配設された複数の増幅段と、パルス毎に前回パルス時に動作させた増幅段とは異なる増幅段を動作させるように前記各増幅段の動作順及び動作時の励起強度を制御する制御部と、を備え、連続してレーザ光を発振する連続パルス発振とレーザ光の発振を休止する発振休止とを繰り返す2ステージレーザのパルスエネルギー制御装置において、
出力したパルスエネルギーと、そのパルスエネルギーを出力したときに増幅段に供給された励起強度と、そのパルスエネルギーを出力した直前の発振休止時間と、を複数の増幅段毎に記憶する記憶部を備え、
連続パルス発振の初期の所定パルスの間は、前記制御部は、今回パルスで動作させる増幅段に応じた前記記憶部から直前の発振休止時間に対応するパルスエネルギー及び励起強度を取得し、今回パルスで動作させる増幅段の励起強度を、今回パルスで目標とするパルスエネルギーと、前記記憶部から取得したパルスエネルギー及び励起強度と、を用いて求め、求めた励起強度が今回パルスで動作させる増幅段に供給されるようにし、
連続パルス発振の初期の所定パルス以降は、前記制御部は、今回パルスで動作させる増幅段の励起強度を、今回パルスで目標とするパルスエネルギーと、今回パルスで動作させる増幅段を前回動作させた際に出力したパルスエネルギーと、そのパルスエネルギーを出力したときに当該増幅段に供給された励起強度と、を用いて求め、求めた励起強度が今回パルスで動作させる増幅段に供給されるようにする
ことを特徴とする。
第3発明は、第2発明において、
今回パルスで動作させた増幅段に応じた前記記憶部を、今回パルスで当該増幅段に供給された励起強度と今回パルスで出力したパルスエネルギーと直前の発振休止時間とを用いて、更新する
ことを特徴とする。
本発明は、シード光を出力する発振段とレーザ光軸上に直列に配設されパルス毎に何れかが動作される複数の増幅段とを備えた2ステージレーザに関し、交互に動作される増幅段を個々に独立して制御するものである。
本発明によれば、シード光を出力する発振段と、レーザ光軸上に直列に配設されパルス毎に何れかが動作される複数の増幅段と、を備えた2ステージレーザの制御部は、今回パルスで動作させる増幅段の励起強度(充電電圧)を、今回パルスで目標とするパルスエネルギーと、前回パルスまでにその増幅段を動作させて出力したパルスエネルギーと、そのパルスエネルギーを出力したときにその増幅段に供給された励起強度と、を用いて求める。例えば、連続パルス発振の初期の所定パルスの間は、制御部は、今回パルスで動作させる増幅段に応じた記憶部から直前の発振休止時間に対応するパルスエネルギー及び励起強度を取得し、今回パルスで動作させる増幅段の励起強度を、今回パルスで目標とするパルスエネルギーと、記憶部から取得したパルスエネルギー及び励起強度と、を用いて求める。また、連続パルス発振の初期の所定パルス以降は、制御部は、今回パルスで動作させる増幅段の励起強度を、今回パルスで目標とするパルスエネルギーと、今回パルスで動作させる増幅段を前回動作させた際に出力したパルスエネルギーと、そのパルスエネルギーを出力したときに増幅段に供給された励起強度と、を用いて求める。制御部は、こうして求めた励起強度が今回パルスで動作させる増幅段に供給されるように制御する。
本発明によれば、レーザの高出力化及び高繰り返し化を実現する2ステージレーザの増幅段に供給する励起強度を、前回パルスまでにその増幅段の動作によって出力されたパルスエネルギーとそのときの励起強度とを用いて求めており、他の増幅段の動作によって出力されたパルスエネルギーとそのときの励起強度を用いて求めるのではない。このため、個々の増幅段で適切なエネルギー制御が行われることになり、複数の増幅段でエネルギー特性が異なっていたとしてもエネルギー制御に何ら影響はない。したがって、パルスエネルギー制御を高精度に行うことができ、パルスエネルギーを安定化させることが可能になる。
以下に、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
[装置構成]
図1に本実施形態に係る2ステージレーザの構成を示す。図1で示す2ステージレーザはMOPO方式であり、さらにレーザ光軸上に直列に配設された2つの増幅段を備える2ステージレーザである。
2ステージレーザ2において、発振段用レーザ100で狭帯域化されたシード光(種レーザ光)が生成される。そして、増幅段用レーザ300でそのシード光が増幅される。すなわち、発振段用レーザ100から出力されるレーザ光のスペクトル特性によって2ステージレーザ2自体のスペクトル特性が決定され、増幅段用レーザ300によって2ステージレーザ2自体のパルスエネルギーが決定される。増幅段用レーザ300から出力されたレーザ光は露光装置3に入力され、露光対象(例えばウェハ)の露光に用いられる。
発振段用レーザ100は、発振段用チャンバ10と、発振段用高電圧パルス発生器12と、スペクトルを狭帯域化する狭帯域化モジュール(LNM)16と、フロントミラー17と、を備える。増幅段用レーザ300は、増幅段用チャンバ30と、増幅段用高電圧パルス発生器33、34と、リアミラー36と、フロントミラー37と、を備える。
発振段用チャンバ10の内部には、所定距離だけ離隔し、互いの長手方向が平行であって且つ放電面が対向する1対の電極(カソード電極及びアノード電極)10a、10bが設けられる。また発振段用チャンバ10の内部にはレーザガスが封入される。電極10a、10bには、発振段用高電圧パルス発生器12と図示しない充電器とで構成された電源によって高電圧パルスが印加される。すると、電極10a、10b間で放電が生じ、この放電によって電極10a、10b間のレーザガスが励起される。
増幅段用レーザ300はレーザ光軸上に直列に配設された第1増幅段310と第2増幅段320を有する。第1増幅段310は1対の電極30a、30bと増幅段用高電圧パルス発生器33を備え、第2増幅段320は1対の電極30c、30dと増幅段用高電圧パルス発生器34を備える。次のように、本実施例では電極30a、30bと電極30c、30dとが1つの増幅段用チャンバ30内に設けられるが、別々のチャンバ内に設けられても良い。
増幅段用チャンバ30の内部には、所定距離だけ離隔し、互いの長手方向が平行であって且つ放電面が対向する2対の電極(カソード電極及びアノード電極)30a、30b及び電極(カソード電極及びアノード電極)30c、30dが設けられる。電極30aと電極30cは互いに長手方向の軸が一致するように配置され、電極30bと電極30dは互いに長手方向の軸が一致するように配置される。また増幅段用チャンバ30の内部にはレーザガスが封入される。一対の電極30a、30bには、増幅段用高電圧パルス発生器33と図示しない充電器とで構成された電源によって高電圧パルスが印加される。すると、電極30a、30b間で放電が生じ、この放電によって電極30a、30b間のレーザガスが励起される。同様に、一対の電極30c、30dには、増幅段用高電圧パルス発生器34と図示しない充電器とで構成された電源によって高電圧パルスが印加される。すると、電極30c、30d間で放電が生じ、この放電によって電極30c、30d間のレーザガスが励起される。
ここで電源の回路構成及びチャンバ内部の回路構成の一例を図2に示す。なお図2に示す回路構成は発振段用レーザ100のものとするが、第1増幅段310及び第2増幅段320の回路構成も同一である。このため増幅段310、320の回路については説明を省略する。
図2に示す発振段用高電圧パルス発生器12は、可飽和リアクトルからなる3個の磁気スイッチSR1、SR2、SR3を用いた2段の磁気パルス圧縮回路である。磁気スイッチSR1は固体スイッチSWでのスイッチングロスを低減するために設けられたものであり、磁気アシストとも呼ばれる。例えば、この固体スイッチSWにはIGBT等の半導体スイッチング素子が用いられる。
以下で図2を用いて回路の動作を説明する。
充電器11の電圧は所定の値に調整され、主コンデンサC0が充電される。このとき、固体スイッチSWはオフになっている。主コンデンサC0の充電が完了し、固体スイッチSWがオンとなったとき、固体スイッチSWの両端にかかる電圧は主に磁気スイッチSR1の両端にかかる。磁気スイッチSR1の両端にかかる主コンデンサC0の充電電圧V0の時間積分値が磁気スイッチSR1の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR1が飽和して導通状態となる。すると、主コンデンサC0、磁気スイッチSR1、昇圧トランスTr1の1次側、固体スイッチSWのループに電流が流れる。同時に、昇圧トランスTr1の2次側、コンデンサC1のループに電流が流れ、主コンデンサC0に蓄えられた電荷がコンデンサC1に移行し、コンデンサC1が充電される。
コンデンサC1における電圧の時間積分値が磁気スイッチSR2の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR2が飽和して導通状態となる。すると、コンデンサC1、コンデンサC2、磁気スイッチSR2のループに電流が流れ、コンデンサC1に蓄えられた電荷がコンデンサC2に移行し、コンデンサC2が充電される。
コンデンサC2における電圧の時間積分値が磁気スイッチSR3の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR3が飽和して導通状態となる。すると、コンデンサC2、ピーキングコンデンサCp、磁気スイッチSR3のループに電流が流れ、コンデンサC2に蓄えられた電荷がピーキングコンデンサCpに移行し、ピーキングコンデンサCpが充電される。
図2に示すように、発振段用チャンバ10内には、予備電離第1電極91と、誘電体チューブ92と、予備電離第2電極93とからなる予備電離手段が設けられている。予備電離第1電極91は誘電体チューブ92の内部に設けられ、予備電離第2電極93は誘電体チューブ92の外部に接触する。ピーキングコンデンサCpの充電が進むにつれてその電圧が上昇すると共に、予備電離第1電極91と予備電離第2電極93との間の電圧が上昇する。電圧が所定値に達すると誘電体チューブ92と予備電離第2電極93の接触点を基点として誘電体チューブ92の外周面にコロナ放電が発生し、電極10a、10b間のレーザガスが予備電離される。
ピーキングコンデンサCpの充電がさらに進み、電圧がある値(ブレークダウン電圧)に達すると、電極10a、10b間のレーザガスが絶縁破壊して主放電が開始される。この主放電によりレーザ媒質が励起される。そして、発振段用レーザ100の場合はシード光が発生し、増幅段用レーザ300の場合は注入されたシード光が増幅される。主放電によりピーキングコンデンサCpの電圧は急速に低下し、やがて充電開始前の状態に戻る。
固体スイッチSWのスイッチング動作によってこのような放電動作が繰り返し行なわれることで、パルスレーザ発振が行われる。固体スイッチSWのスイッチング動作は、外部からのトリガ信号に基づき行われる。このトリガ信号を送出する外部コントローラは、例えば、同期コントローラ8である。
ここで図1に戻り、他の構成の説明をする。
発振段用チャンバ10には、内部のガス圧をモニタする図示しない圧力センサが設けられる。圧力センサは検出した圧力を信号化してユーティリティコントローラ5に送信する。ユーティリティコントローラ5は、発振段用チャンバ10内のガス圧が所望圧になるように、図示しないガス供給・排気ユニットのバルブを開閉制御し、レーザガスの供給と排気を制御する。ガス供給・排気ユニットから発振段用チャンバ10内には、アルゴン(Ar)ガス及びフッ素(F)ガスと、ヘリウム(He)やネオン(Ne)等からなるバッファガスが供給される。
また、発振段用チャンバ10の内部には、図示しないクロスフローファンや熱交換器や温度センサなどが設けられる。クロスフローファンはチャンバ内のレーザガスを循環させ、電極10a、10b間のレーザガスを置換する。熱交換器は冷却水によって発振段用チャンバ10内の排熱を行う。パルスエネルギーはレーザガスの温度変化に応じて変化するため、レーザガスの温度を制御する必要がある。そこで、温度センサは発振段用チャンバ10内の温度をモニタし、検出した温度を信号化してユーティリティコントローラ5に送信する。ユーティリティコントローラ5は、発振段用チャンバ10内のレーザガスが所望温度になるように、熱交換器に設けられた冷却水供給用のバルブを制御する。バルブの開度に応じて熱交換器には冷却水が供給される。また、発振段用チャンバ10の2つのレーザ光入射・出射箇所にはそれぞれ図示しないウィンドウが取り付けられる。ウィンドウにはレーザ光に対して透過性がある材料、例えばCaF等が使用される。
発振段用チャンバ10の後方に延在するレーザ光の光軸上には狭帯域化モジュール(LNM)16が設けられ、発振段用チャンバ10の前方に延在するレーザ光の光軸上にはフロントミラー17が設けられる。LNM16は、例えば拡大プリズムと波長選択素子(グレーティングやエタロン)等の光学素子を有する。このLNM16内の光学素子とフロントミラー17とで光共振器が構成される。
増幅段用チャンバ30にも発振段用チャンバ10と同様に、図示しない圧力センサやガス供給・排気ユニット、クロスフローファンや熱交換器や温度センサなどが設けられ、また2つのウィンドウが取り付けられる。これらの構成及び機能は、上述した発振段用レーザ100側に設けられた同一要素の構成及び機能と同じであるため、これらの説明を省略する。
増幅段用チャンバ30の後方に延在するレーザ光の光軸上にはリアミラー36が設けられ、増幅段用チャンバ30の前方に延在するレーザ光の光軸上にはフロントミラー37が設けられる。このリアミラー36とフロントミラー37とで光共振器が構成される。
発振段用レーザ100のフロントミラー17と増幅段用レーザ300のリアミラー36との間のレーザ光軸上には、ビームエキスパンダ20と、反射ミラー21と、モニタモジュール19と、反射ミラー22と、高効率注入装置23と、が順に配設される。ビームエキスパンダ20は、例えばプリズムのようなビーム拡大系の光学素子であり、発振段用レーザ100から出力されたシード光のビーム幅を少なくとも発振段用チャンバ10の放電ギャップ方向に拡大する。モニタモジュール19は、ビームエキスパンダ20によってビーム幅が拡大されたシード光をサンプリングしてそのエネルギーをモニタし、検出したエネルギーを信号化してエネルギーコントローラ7に送信する。反射ミラー21はビームエキスパンダ20から出力されたシード光をモニタモジュール19に案内し、反射ミラー22はモニタモジュール19から出力されたシード光を高効率注入装置23に案内する。高効率注入装置23から出力されたシード光はリアミラー36の背面から増幅段用レーザ300に注入される。
増幅段用レーザ300の後方に延在するレーザ光軸上にはモニタモジュール39が配設される。モニタモジュール39は、増幅段用レーザ300から出力されたレーザ光をサンプリングしてそのエネルギー及びビーム特性をモニタし、検出したエネルギーを信号化してエネルギーコントローラ7に送信すると共に検出したビーム特性を信号化して波長・スペクトルコントローラ6に送信する。
波長・スペクトルコントローラ6は、モニタモジュール39から中心波長、スペクトル線幅等のビーム特性を取得し、モニタモジュール39で検出される中心波長が所望値になるようにLNM16内の波長選択素子(グレーティングやエタロン)を制御する。例えば、波長選択素子がグレーティングの場合はグレーティングの向きを制御し、波長選択素子がエアギャップエタロンの場合はエアギャップ内の気圧を制御するか若しくはギャップ間隔を制御する。
エネルギーコントローラ7は、発振段用レーザ100に供給する励起強度すなわち充電電圧Voscと第1増幅段310と第2増幅段320に供給する励起強度すなわち充電電圧Vamp1、Vamp2を求める。エネルギーコントローラ7は、モニタモジュール19から発振段用レーザ100のパルスエネルギーを取得し、モニタモジュール39から増幅段用レーザ300のパルスエネルギーを取得する。また、露光装置3のエネルギーモニタから2ステージレーザ2のパルスエネルギーを取得しても良い。なおエネルギーコントローラ7を露光装置3に設けても良い。エネルギーコントローラ7は後述する処理に基づいて、パルスエネルギーを所望の値にすべく発振段用レーザ100の図示しない充電器の次回充電電圧Voscと、増幅段用レーザ300の図示しない充電器の次回充電電圧Vamp1、Vamp2を制御し、第1増幅段310と第2増幅段320が交互に動作するように制御する。
同期コントローラ8は、発振段用高電圧パルス発生器12と増幅段用高電圧パルス発生器33または増幅段用高電圧パルス発生器34の何れかにトリガ信号を出力し、さらに各トリガ信号の出力タイミングを調整することによって発振段用レーザ100と増幅段用レーザ300の放電タイミングを制御する。
ここで発振段用レーザ100と増幅段用レーザ300の放電タイミングについて説明する。発振段用レーザ100から出力されるシード光を増幅段用レーザ300で効率よく増幅するには、発振段用レーザ100から出力されるシード光が、増幅段用チャンバ30内の1対の電極間、すなわち第1増幅段310を動作させる場合は電極30a、30b間でありまた第2増幅段320を動作させる場合は電極30c、30d間、の放電領域(励起領域)に注入されたタイミングで放電する必要がある。先に述べたように、発振段用チャンバ10内の電極10a、10b間には発振段用高電圧パルス発生器12により、また増幅段用チャンバ30内の電極30a、30b間には発振段用高電圧パルス発生器33により、また増幅段用チャンバ30内の電極30c、30d間には発振段用高電圧パルス発生器34によりパルス圧縮された高電圧が印加される。図2に示す回路において、主コンデンサC0からエネルギー(電圧パルス)が転送される場合、磁気スイッチSR2、SR3にかかる電圧と磁気スイッチSR2、SR3によってパルス圧縮されて転送される電圧パルスの転送時間(t)との積(Vt積)の値は一定という関係がある。例えば、主コンデンサC0の充電電圧が高くなると、電圧パルスの転送時間は短くなる。
図3に、高電圧パルス発生器の固体スイッチSWがオン状態になってから、電極間に放電が発生するまでの時間と主コンデンサC0の充電電圧との関係を示す。
図3(a)は、発振段用レーザ100及び増幅段用レーザ300における充電電圧設定範囲が同一である例を示す。ここには、発振段用高電圧パルス発生器12に設けられた主コンデンサC0の充電電圧設定範囲がVc1〜Vc2(Vc1<Vc2)である場合の特性カーブAと、増幅段用高電圧パルス発生器33、34に設けられた主コンデンサC0の充電電圧設定範囲がVc1〜Vc2(Vc1<Vc2)である場合の特性カーブBと、が示されている。二つの特性カーブA、Bのずれは、各高電圧パルス発生器12、33、34がそれぞれ有する磁気パルス圧縮回路の設計の違い(回路定数の違い)、あるいは同じ設計でも磁気パルス発生回路を構成する回路素子の個体差によって発生するものである。
図3(a)より、発振段用レーザ100における充電電圧がVc2であり、増幅段用レーザ300における充電電圧がVc1である場合は、各固体スイッチSWがオン状態になってから各電極間で放電発生するまでの時間のずれが最大値T1となる。また、発振段用レーザ100における充電電圧、増幅段用レーザ300における充電電圧が共に電圧Vc1である場合は、各固体スイッチSWがオン状態になってから各電極間で放電発生するまでの時間のずれがT2となり、共に電圧Vc2である場合は、ずれがT3となる(図3(a)の例では、T2>T3)。
一方、図3(b)は、発振段用レーザ100及び増幅段用レーザ300における充電電圧設定範囲が相違する例を示す。ここには、発振段用高電圧パルス発生器12に設けられた主コンデンサC0の充電電圧設定範囲がVco1〜Vco2(Vco1<Vco2)である場合の特性カーブCと、増幅段用高電圧パルス発生器33、34に設けられた主コンデンサC0の充電電圧設定範囲がVca1〜Vca2(Vca1<Vca2)である場合の特性カーブDと、が示されている。
図3(b)より、発振段用レーザ100における充電電圧がVco2であり、増幅段用レーザ300における充電電圧がVca1である場合は、各固体スイッチSWがオン状態になってから各電極間で放電発生するまでの時間のずれが最大値T1となる。また、発振段用レーザ100における充電電圧がVco1、増幅段用レーザ300における充電電圧がVca1である場合は、各固体スイッチSWがオン状態になってから各電極間で放電発生するまでの時間のずれがT2となり、発振段用レーザ100における充電電圧がVco2、増幅段用レーザ300における充電電圧がVca2である場合は、ずれがT3となる(図3(b)の例では、T2>T3)。
このように、発振段用高電圧パルス発生器12の固体スイッチSWがオン状態となるタイミングと増幅段用高電圧パルス発生器33、34の固体スイッチSWがオン状態となるタイミングがそれぞれ一定であったとしても、発振段用レーザ100における充電電圧Vosc、増幅段用レーザ300における充電電圧Vamp1、Vamp2の値に応じて、各々のレーザで放電が発生するタイミングは変動する。このため、同期コントローラ8はエネルギーコントローラ7から出力された信号(充電電圧Vosc、Vamp1、Vamp2)と図示しない発振段用レーザ100の放電検出器及び増幅段用レーザ300の放電検出器から出力される信号に基づいて、発振段用高電圧パルス発生器12の固体スイッチSWへのトリガ信号に対する増幅段用高電圧パルス発生器33、34の固体スイッチSWへのトリガ信号の遅延時間を決定する。すなわち、同期コントローラ8は、エネルギーコントローラ7から受け取った次回放電の充電電圧信号(Vosc、Vamp1、Vamp2)から、上述した電圧と転送時間とのVt積特性を考慮して遅延時間を決定する。また、同期コントローラ8は、図示しない発振段用レーザ100の放電検出器及び増幅段用レーザ300の放電検出器から出力される信号に基づいて、前記遅延時間をフィードバック補正する。
また、各々のレーザで放電が発生するタイミングは、各チャンバ内に充填されたレーザガスの圧力によっても変化する。一般にはレーザガスの圧力が高いとブレークダウン電圧は高くなるため、固体スイッチSWがオン状態になってから放電するまでの時間は長くなる。上述したフィードバック補正では、こういったVt積特性以外の要因での放電タイミングのずれを補正する。なお、本実施形態では、同期コントローラ8は図示しない放電検出器の信号により、発振段用チャンバ10の放電タイミングに対する増幅段用チャンバ30の放電タイミングの遅延時間をフィードバック補正しているが、これに限るものではない。例えば、モニタモジュール19で検出した発振段用レーザ100のレーザ光が出力されるタイミングと、モニタモジュール39で検出した増幅段用レーザ300のレーザ光が出力されるタイミングとを用いてもよい。また、モニタモジュール19で検出した発振段用レーザ100のレーザ光が出力されるタイミングと増幅段用レーザ300の放電検出器により検出した増幅段用チャンバ30における放電の発生タイミングとを用いてもよい。
ユーティリティコントローラ5と波長・スペクトルコントローラ6とエネルギーコントローラ7はメインコントローラ4に接続される。更に露光装置3もメインコントローラ4に接続される。メインコントローラ4は露光装置3から出力された指令信号に基づき、各コントローラ5〜7に制御分担を振り分ける。メインコントローラ4から出力された指令に従い各コントローラ5〜7は処理を行う。
記憶部9は例えばデータベースを有し、データベースには増幅段用レーザ300の休止時間に対応する第1増幅段用のVtamp1−Ptamp1データテーブル及び第2増幅段用のVtamp2−Ptamp2データテーブルが記憶されている。Vtamp1−Ptamp1データテーブルとは、第1増幅段310で行われたampスパイク制御処理における各パルス毎のデータ実績であり、増幅段用レーザ300の充電電圧VampのデータVtamp1と増幅後のレーザパルスエネルギーPampのデータPtamp1とで構成されている。同様にVtamp2−Ptamp2データテーブルとは、第2増幅段320で行われたampスパイク制御処理における各パルス毎のデータ実績であり、増幅段用レーザ300の充電電圧VampのデータVtamp2と増幅後のレーザパルスエネルギーPampのデータPtamp2とで構成されている。記憶部9はメインコントローラ4又はエネルギーコントローラ7とデータの授受が可能である。
以上、MOPO方式のレーザ装置の構成について説明したが、MOPA方式のレーザ装置の場合は、増幅段用チャンバ30にリアミラー36とフロントミラー37を設けない構成になる。なお、MOPA方式では、光が増幅段用チャンバ30内を通過する回数は1回であるが、これに限るものではない。例えば、折り返しミラーを設けて、増幅段用チャンバを複数回通過させてもよい。このように構成することにより、より高い出力のレーザ光を取り出すことが可能となる。
[本発明の基本動作]
図4は増幅段用レーザに注入されるシード光のパルスエネルギーと増幅段用レーザのパルスエネルギーの関係を示す。
曲線A〜Cは増幅段用高電圧パルス発生器33、34に設けられた主コンデンサC0の充電電圧をHV1、HV2、HV3(HV1>HV2>HV3)としたときに得られる特性である。
図4に示すように、増幅段用レーザ300に注入されるシード光のパルスエネルギーがEs0未満の領域(領域1という)である場合は、シード光のエネルギーが増加するに伴い、増幅段用レーザ300のパルスエネルギーは増加する。一方、増幅段用レーザ300に注入されるシード光のエネルギーがEs0以上の領域(領域2という)である場合は、シード光のエネルギーが増加しても、増幅段用レーザ300のパルスエネルギーはほぼ一定である。このように領域2では増幅段用レーザ300のパルスエネルギーがほとんど増加しない飽和状態にあることから、この領域2を増幅飽和領域という。すなわち、シード光のエネルギーが増幅飽和領域内で変動したとしても、増幅段用レーザ300のパルスエネルギーへの影響は小さい。
また、曲線A〜Cから、領域1、2に関わらず、増幅段用高電圧パルス発生器33、34に設けられた主コンデンサC0の充電電圧が高い程、増幅段用レーザ300のパルスエネルギーが大きいことが分かる。したがって、増幅段用高電圧パルス発生器33、34に設けられた主コンデンサC0の充電電圧を制御することで増幅段用レーザ300のパルスエネルギーを制御できるといえる。
以上のことから、発振段用レーザ100では出力するレーザ光のパルスエネルギーを増幅飽和領域の下限エネルギーEs0以上にする制御を行い、増幅段用レーザ300では出力するレーザ光のパルスエネルギーを目標パルスエネルギーにする制御を行うのが2ステージレーザの最も容易な制御方法である。
本発明の2ステージレーザ2には、第1増幅段310及び第2増幅段320といった2以上の光増幅段が設けられており、個々の光増幅段でエネルギー特性が異なることが考えられる。このため、各光増幅段が独立して充電電圧設定値とパルスエネルギー測定値を基にエネルギー制御するように設計されている。例えば、本実施形態のように第1増幅段310と第2増幅段320とが交互に発振する場合に、各光増幅段310、320は2パルス前の充電電圧設定値とパルスエネルギー測定値を基にエネルギー制御する。ただし、個々の光増幅段でエネルギー特性をほぼ同一にすることができる場合は、各光増幅段に関係無く充電電圧設定値とパルスエネルギー測定値を基にエネルギー制御するように設計してもよい。例えば、本実施形態のように第1増幅段310と第2増幅段320とが交互に発振する場合に、各光増幅段310、320は1パルス前の充電電圧設定値とパルスエネルギー測定値を基にエネルギー制御する。本発明はこのような考えに基づき、少なくとも2つの光増幅段を備えた2ステージレーザのパルスエネルギーまたは露光量(パルスエネルギー積算値)が目標範囲内となるように高精度なエネルギー制御を行うものである。
図5は、2つの光増幅段を備える2ステージレーザの各充電電圧と各パルスエネルギーを示す図である。発振段用レーザ100のパルスエネルギーPosc(すなわち、増幅段用レーザ300に注入されるシード光のパルスエネルギー)が、増幅飽和領域の下限エネルギーEs0以上になるように制御される(図5(b)参照)。この際、原則として発振段用レーザ100の充電電圧Voscは一定制御される。すなわち、充電電圧Voscはパルス毎に制御されない(図5(a)参照)。ただし、モニタモジュール19でモニタしている発振段用レーザ100のパルスエネルギーPoscが増幅飽和領域の下限エネルギーEs0を下回った場合にのみ、充電電圧Voscは制御される。この場合は、発振段用レーザ100の充電電圧Voscを増加する。
増幅段用レーザ300では、第1増幅段310と第2増幅段320とが交互に運転される。第1増幅段310の運転では、電極対(30a、30b)の放電によって出力されるレーザ光のパルスエネルギーPamp1がモニタモジュール39で測定され、パルスエネルギーPamp1が目標パルスエネルギーPatgt1となるように(図5(d)参照)、第1増幅段310の充電電圧Vamp1がパルス毎に制御される(図5(c)参照)。第2増幅段320の運転では、電極対(30c、30d)の放電によって出力されるレーザ光のパルスエネルギーPamp2がモニタモジュール39で測定され、パルスエネルギーPamp2が目標パルスエネルギーPatgt2となるように(図5(f)参照)、第2増幅段320の充電電圧Vamp2がパルス毎に制御される(図5(e)参照)。
パルスエネルギーPamp1、Pamp2の検出は増幅用レーザ300の出口に限らない。増幅用レーザ300から露光装置3の露光対象(例えば、ウェハ)までの光路の任意の地点でレーザ光を検出してパルスエネルギーPampを測定し、その測定結果に基づいて、増幅用レーザ300を制御することもできる。望ましいのは、レーザ光の検出は増幅段用レーザ300の出口近傍よりも、上述した光路中、特に露光対象(例えば、ウェハ)に出来るだけ近い地点である。増幅段用レーザ300から出力されたレーザ光は、増幅段用レーザ300の出口から露光対象に到達するまでに、多数の光学素子及びスリット等を透過する。例えば、レーザ光の出射軸が変化すると、増幅段用レーザ300の出口近傍ではレーザ光のパルスエネルギーはほとんど変化しないのに対し、露光対象上でのパルスネルギーは顕著に変化する。したがって、露光対象にできるだけ近い所でレーザ光を検出して、そのパルスエネルギーPamp1、Pamp2を測定し、それに基づいてエネルギーコントロールをした方が、露光量制御を高精度に行うことができる。
なお、MOPA方式の2ステージレーザも、増幅器に注入されるシード光のエネルギーと増幅段のパルスエネルギーの関係は、MOPO方式の2ステージレーザと同様である。このため、同様な考え方で、MOPA方式の少なくとも2つの光増幅段を有する2ステージレーザから出力されるレーザ光のパルスエネルギー制御を行うことが可能である。ただし、MOPO方式の場合とMOPA方式の場合とでは、増幅飽和領域の下限エネルギーEs0がMOPO方式の方がかなり小さくなるという点で異なる。
次に本発明による制御フローを実施例1〜4で説明する。
第1の実施例では、連続パルス発振の初期の所定パルスの間は、エネルギーコントローラ7は、kaパルスで動作させる増幅段310(又は320)に応じた記憶部9のデータテーブルから直前の発振休止時間Tに対応するパルスエネルギーPtamp1(ka)(又はPtamp2(ka))及び励起強度Vtamp1(ka)(又はVtamp2(ka))とを取得し、kaパルスで動作させる増幅段310(又は320)の励起強度Vamp1(ka)(又はVamp2(ka))を、kaパルスで目標とするパルスエネルギーTatgtと記憶部9のデータテーブルから取得したパルスエネルギーPtamp1(ka)(又はPtamp2(ka))及び励起強度Vtamp1(ka)(又はVtamp2(ka))と、を用いて求め、求めた励起強度Vamp1(ka)(又はVamp2(ka))がkaパルスで動作させる増幅段310(又は320)に供給されるようにする。
また、第1の実施例では、連続パルス発振の初期の所定パルス以降は、エネルギーコントローラ7は、kaパルスで動作させる増幅段310(又は320)の励起強度Vamp1(ka)(又はVamp2(ka))を、kaパルスで目標とするパルスエネルギーPatgtと、kaパルスで動作させる増幅段310(又は320)を前回(ka−2パルス)動作させた際に出力したパルスエネルギーPamp1(ka-2)(又はPamp2(ka-2))と、そのパルスエネルギーを出力したときに増幅段310(又は320)に供給された励起強度Vamp1(ka-2)(又はVamp2(ka-2))と、を用いて求め、求めた励起強度Vamp1(ka)(又はVamp2(ka))が今回パルスで動作させる増幅段310(又は320)に供給されるようにする。
以下、図面を参照し第1の実施例を具体的に説明する。
図6、図7、図8に第1の制御例を示す。図6(a)は発振段用レーザの処理フローであり、図6(b)は増幅段用レーザの処理フローである。図7は増幅段用レーザの処理フローのうちのampスパイク制御処理の処理フローである。図8は増幅段用レーザの処理フローのうちのamp毎パルス制御処理の処理フローである。なお、各処理の説明では、具体的なパルス数としてN=3、M=1000という数値を用いている。Nとは各増幅段310、320でスパイク制御の必要があるパルス数であり、Mとは1バーストのパルス数である。
まず、図6(a)を用いて発振段用レーザ100の制御について説明する。
図6(a)で示すように、発振段用レーザ100では、最初にレーザ発振パルスカウンタ(以下パルスカウンタという)koにゼロが設定される(ステップS111)。エネルギーコントローラ7では発振段用レーザ100の充電電圧Voscに予め定められた初期値が設定され(ステップS112)、パルスカウンタkoに1がインクリメントされる(ステップS513)。ここでパルスカウンタkoがM+1〔=1001〕未満であれば、設定された充電電圧Voscにてレーザ発振が行われる(ステップS114の判断YES、ステップS115)。モニタモジュール19ではパルスエネルギーPosc(ko)が測定され(ステップS116)、このパルスエネルギーPosc(ko)を示す信号がエネルギーコントローラ7に出力される。
パルスエネルギーPosc(ko)が増幅飽和領域の下限エネルギーEs0以上である場合は、上述したステップS113以降の処理が行われ、前パルスと同一の充電電圧Voscにてレーザ発振は継続される(ステップS117の判断YES)。しかし、レーザ発振の継続に伴いレーザガスは劣化し、パルスエネルギーPoscは低下していく。そこで、パルスエネルギーPosc(ko)が下限エネルギーEs0を下回った場合は、パルスエネルギーPoscを下限エネルギーEs0以上にすべく、充電電圧Voscに予め定められた補正値ΔVが加算される(ステップS117の判断NO、ステップS118)。補正値ΔVだけ充電電圧Voscが増加されるため、パルスエネルギーPoscは上昇する。
補正値ΔVの加算によって補正された充電電圧Voscと上限充電電圧Vomaxとの比較判断がなされる(ステップS119)。上限充電電圧Vomaxとは、発振段用高電圧パルス発生器12に設けられた主コンデンサC0の充電電圧設定範囲内での最大充電電圧のことをいう。補正値ΔVの加算によって補正された充電電圧Voscが上限充電電圧Vomax未満の場合は、補正された充電電圧Voscにて上述したステップS113以降の処理が行われる(ステップS119の判断YES)。一方、補正値ΔVの加算によって補正された充電電圧Voscが上限充電電圧Vomax以上となった場合は、ガス制御指令がエネルギーコントローラ7からメインコントローラ4またはユーティリティコントローラ5に送信される(ステップS119の判断NO、ステップS120)。
ステップS112〜ステップS120の処理は繰り返し行われ、パルスカウンタkoがM〔=1000〕を超えた場合、すなわちM+1パルス目〔=1001パルス目〕になると、レーザ発振は停止され、1バーストのレーザ発振が終了する(ステップS114の判断NO)。
ガス制御指令に応じてユーティリティコントローラ5はガス制御を行う。ガス制御とは、例えば、レーザガスを所定量追加し、パルスエネルギーの低下を抑制する処理である。このガス制御はエネルギー制御と並行して実施される。ガス制御処理が実施されると、発振段用レーザ100の充電電圧Voscの値が、運転開始当初の初期値付近に戻る。その後、更にレーザ発振が継続されると、このようなガス制御を行ってもレーザ光のパルスエネルギーを維持できなくなり、チャンバ内のレーザガス全てを交換することが必要になる。このレーザガスを充填してから全交換するまでの期間をガスライフと言う。更にレーザ発振が継続されると、このようなレーザガスの交換を行ってもレーザ光のパルスエネルギーが所望値に回復しなくなる。この時点までをチャンバの寿命という。発振段用レーザ100の充電電圧Voscの制御に加えて、上述したようなレーザガスの制御を行うことにより、中期的(ガスライフ)、長期的(チャンバ寿命)にパルスエネルギーPoscの低下を抑制し、安定したパルスエネルギー制御が可能となる。
次に、図6(b)、図7、図8を用いて増幅段用レーザ300の制御について説明する。
図6に示す制御において、増幅段用レーザ300では、レーザ発振開始から2Nパルス目〔=6パルス目〕までの間はampスパイク制御処理が行われ(ステップS131)、2N+1パルス目〔=7パルス目〕からMパルス目〔=1000パルス目〕までの間はamp毎パルス制御処理が行われる(ステップS132)。
図7を用いてampスパイク制御処理の説明をする。
レーザ発振開始前に以下の前処理が行われる。メインコントローラ4又はエネルギーコントローラ7ではバースト間のレーザ休止時間が図示しない休止時間カウンタTで計時されている(ステップS201)。露光装置3から発振指令が出力されると、休止時間の計時は停止される(ステップS202)。休止時間カウンタTによって休止時間が特定され、この休止時間Tに対応するVtamp1−Ptamp1データテーブル及びVtamp2−Ptamp2データテーブルが記憶部9から検索され、エネルギーコントローラ7に取り入れられる(ステップS203)。そして、休止時間カウンタTはリセットされる(ステップS204)。
上記前処理が終了すると、パルスカウンタka、k2aにそれぞれ初期値1が設定され(ステップS205)、パルスカウンタkaが2N〔=6〕を超えるまで、すなわち1〜6パルスの間は以下の処理が繰り返し行われる(ステップS206の判断YES)。なおパルスカウンタkoが発振段用レーザ100のパルス数をカウントするのに対して、パルスカウンタkaは増幅段用レーザ300のパルス数をカウントし、パルスカウンタk2aは第1増幅段310及び第2増幅段320のパルス数をカウントする。
先ず第1増幅段310のスパイク制御処理に進む。
第1増幅段310のスパイク制御処理を行うにあたり、第1増幅段310用のVtamp1−Ptamp1データテーブルの中からk2aパルス目のデータ群であるVtamp1(k2a)−Ptamp1(k2a)データが検索され、さらにその中から目標エネルギーPtgtに近いPtamp1(k2a)を有するVtamp1(k2a)−Ptamp1(k2a)が特定され、エネルギーコントローラ7に取り入れられる(ステップS207)。取り入れられたk2aパルス目のパルスエネルギーPtamp1(k2a)と目標エネルギーPatgtとの差ΔPtamp1(k2a)〔=Ptamp1(k2a)−Patgt〕が算出され、この算出結果ΔPtamp1(k2a)を用いて、第1増幅段310のk2aパルス目の充電電圧の補正値ΔVtamp1(k2a)〔=c×ΔPtamp1(k2a)、但しcは定数〕が算出される。次に、取り入れられたk2aパルス目の充電電圧Vtamp1(k2a)と、補正値ΔVtamp1(k2a)と、を用いて、第1増幅段310のk2aパルス目の充電電圧Vamp1(k2a)〔=Vtamp1(k2a)−ΔVtamp1(k2a)〕が算出される(ステップS208)。
そして、発振段用レーザ100から出力されたkoパルス目(=kaパルス目)のシード光が増幅段用チャンバ30に注入されると、充電電圧Vamp1(k2a)にて第1増幅段310でレーザ発振が行われ、そのパルスエネルギーPamp1(k2a)が測定される(ステップS209、ステップS210)。レーザ発振及びエネルギー測定に伴い、先の休止時間に対応する第1増幅段310のVtamp1−Ptamp1データテーブルのデータのうち、k2aパルス目の充電電圧Vtamp1(k2a)とパルスエネルギーPtamp1(k2a)が、算出された実際の充電電圧Vamp1(k2a)と測定されたパルスエネルギーPamp1(k2a)で更新され(ステップS211)、パルスカウンタkaに1がインクリメントされる(ステップS212)。
次に第2増幅段320のスパイク制御処理に進む。
第2増幅段320のスパイク制御処理を行うにあたり、第2増幅段320用のVtamp2−Ptamp2データテーブルの中からk2aパルス目のデータ群であるVtamp2(k2a)−Ptamp2(k2a)データが検索され、さらにその中から目標エネルギーPtgtに近いPtamp2(k2a)を有するVtamp2(k2a)−Ptamp2(k2a)が特定され、エネルギーコントローラ7に取り入れられる(ステップS213)。取り入れられたk2aパルス目のパルスエネルギーPtamp2(k2a)と目標エネルギーPatgtとの差ΔPtamp2(k2a)〔=Ptamp2(k2a)−Patgt〕が算出され、この算出結果ΔPtamp2(k2a)を用いて、第2増幅段320のk2aパルス目の充電電圧の補正値ΔVtamp2(k2a)〔=c×ΔPtamp2(k2a)、但しcは定数〕が算出される。次に、取り入れられたk2aパルス目の充電電圧Vtamp2(k2a)と、補正値ΔVtamp2(k2a)と、を用いて、第2増幅段320のk2aパルス目の充電電圧Vamp2(k2a)〔=Vtamp2(k2a)−ΔVtamp2(k2a)〕が算出される(ステップS214)。
そして、発振段用レーザ100から出力されたkoパルス目(=kaパルス目)のシード光が増幅段用チャンバ30に注入されると、充電電圧Vamp2(k2a)にて第2増幅段320でレーザ発振が行われ、そのパルスエネルギーPamp2(k2a)が測定される(ステップS215、ステップS216)。レーザ発振及びエネルギー測定に伴い、先の休止時間に対応する第2増幅段320のVtamp2−Ptamp2データテーブルのデータのうち、k2aパルス目の充電電圧Vtamp2(k2a)とパルスエネルギーPtamp2(k2a)が、算出された実際の充電電圧Vamp2(k2a)と測定されたパルスエネルギーPamp2(k2a)で更新され(ステップS217)、パルスカウンタkaとk2aに1がインクリメントされる(ステップS218)。
ステップS206〜ステップS218の処理は繰り返し行われ、パルスカウンタkaが2N〔=6〕を超えた場合、すなわち2N+1パルス目〔=7パルス目〕になると、ampスパイク制御処理からamp毎パルス制御処理に移行する(ステップS206の判断NO)。
図8を用いてamp毎パルス制御処理の説明をする。
amp毎パルス制御処理で使用されるパルスカウンタkaには、ampスパイク制御処理で使用されたパルスカウンタkaがそのまま引き継がれる。この時点でkaパルス目〔=7パルス目〕であり、2パルス前すなわちka−2パルス目〔=5パルス目〕の増幅段用レーザ300のパルスエネルギーPamp(ka-2)及び充電電圧Vamp(ka-2)と、1パルス前すなわちka−1パルス目〔=6パルス目〕の増幅段用レーザ300のパルスエネルギーPamp(ka-1)及び充電電圧Vamp(ka-1)を取得する。パルスエネルギーPamp(ka-2)とはka−2パルス目〔=5パルス目〕の第1増幅段310のパルスエネルギーPamp1(k2a-1)のことであり、充電電圧Vamp(ka-2)とはka−2パルス目〔=5パルス目〕の第1増幅段310の充電電圧Vamp1(k2a-1)のことである。また、パルスエネルギーPamp(ka-1)とはka−1パルス目〔=6パルス目〕の第2増幅段320のパルスエネルギーPamp2(k2a-1)のことであり、充電電圧Vamp(ka-1)とはka−1パルス目〔=6パルス目〕の第2増幅段320の充電電圧Vamp2(k2a-1)のことである(ステップS301)。
そして、パルスカウンタkaが奇数であれば第1増幅段310の充電電圧設定が行われ(ステップS302の判断奇数)、パルスカウンタkaが偶数であれば第2増幅段320の充電電圧設定が行われる(ステップS302の判断偶数)。
第1増幅段310の充電電圧設定では、2パルス前のパルスエネルギーPamp(ka-2)と目標エネルギーPatgtとの差ΔPamp(ka)〔=Pamp(ka-2)−Patgt〕が算出され、この算出結果ΔPamp(ka)が用いられ、充電電圧の補正値ΔVamp(ka)〔=a×ΔPamp(ka)、但しaは定数〕が算出される。この補正値ΔVamp(ka)及び2パルス前の充電電圧Vamp(ka-2)が用いられ、kaパルス目の第1増幅段310の充電電圧Vamp(ka)〔=Vamp(ka-2)−ΔVamp(ka)〕が算出される(ステップS303)。そして、充電電圧Vamp(ka)にて第1増幅段310でレーザ発振が行われ(ステップS304)、パルスエネルギーPamp(ka)が測定される(ステップS307)。
同様に、第2増幅段320の充電電圧設定では、2パルス前のパルスエネルギーPamp(ka-2)と目標エネルギーPatgtとの差ΔPamp(ka)〔=Pamp(ka-2)−Patgt〕が算出され、この算出結果ΔPamp(ka)が用いられ、充電電圧の補正値ΔVamp(ka)〔=a×ΔPamp(ka)、但しaは定数〕が算出される。この補正値ΔVamp(ka)及び2パルス前の充電電圧Vamp(ka-2)が用いられ、kaパルス目の第2増幅段320の充電電圧Vamp(ka)〔=Vamp(ka-2)−ΔVamp(ka)〕が算出される(ステップS305)。そして、充電電圧Vamp(ka)にて第2増幅段320でレーザ発振が行われ(ステップS306)、パルスエネルギーPamp(ka)が測定される(ステップS307)。
レーザ発振及びエネルギー測定に伴い、パルスカウンタkaに1がインクリメントされる(ステップS308)。
この段階で、パルスカウンタkaがM〔=1000〕を超えていない場合は(ステップS309の判断YES)、設定された充電電圧Vamp(ka-1)と上限充電電圧Vamaxとの比較判断がなされる。上限充電電圧Vamaxとは、増幅段用高電圧パルス発生器33、34に設けられた主コンデンサC0の充電電圧設定範囲内での最大充電電圧のことをいう。設定された充電電圧Vamp(ka-1)が上限充電電圧Vamax未満の場合は、上述したステップS302以降の処理が行われる(ステップS310の判断YES)。一方、設定された充電電圧Vamp(ka-1)が上限充電電圧Vamax以上となった場合は、ガス制御指令がエネルギーコントローラ7からメインコントローラ4またはユーティリティコントローラ5に送信される(ステップS310の判断NO、ステップS311)。
ステップS302〜ステップS311の処理は繰り返し行われ、パルスカウンタkaがM〔=1000〕を超えた場合、すなわちM+1パルス目〔=1001パルス目〕になると、レーザ発振は停止され、1バーストのレーザ発振が終了する(ステップS309の判断NO)。
ガス制御指令に応じてユーティリティコントローラ5はガス制御を行う。発振段用レーザ100と同様に、ガス制御とは、例えば、レーザガスを所定量追加し、パルスエネルギーの低下を抑制する処理である。増幅段用レーザ300の充電電圧Vampの制御に加えて、レーザガスの制御を行うことにより、中期的(ガスライフ)、長期的(チャンバ寿命)にパルスエネルギーPampの低下を抑制し、安定したパルスエネルギー制御が可能となる。
第2の制御例は第1の制御例の変形例であり、第1増幅段310と第2増幅段320のエネルギー特性が同等である2ステージレーザ2に適用可能である。第2の制御例は第1の制御例と比較して、発振段用レーザの処理フローが同一である一方で、増幅段用レーザの個々の処理すなわちampスパイク制御処理の処理フローとamp毎パルス制御処理の処理フローが異なる。そこで、第2の制御例については発振段用レーザの処理フローの説明を省略し、ampスパイク制御処理の処理フローとamp毎パルス制御処理の処理フローを中心に説明をする。
図9、図10に第2の制御例を示す。図9はampスパイク制御処理の処理フローである。図10はamp毎パルス制御処理の処理フローである。第1の制御例と同様に、各処理の説明では、具体的なパルス数としてN=3、M=1000という数値を用いている。Nとは各増幅段310、320でスパイク制御する必要があるパルス数であり、Mとは1バーストのパルス数である。なお、第1の制御例では、第1増幅段310に対応するVtamp1−Ptamp1データテーブルと第2増幅段320に対応するVtamp2−Ptamp2データテーブルが記憶部9に記憶されるが、第2の制御例では、第1増幅段310及び第2増幅段320の両者に対応する対応するVtamp−Ptampデータテーブルが記憶部9に記憶される。
図9を用いてampスパイク制御処理の説明をする。
レーザ発振開始前に以下の前処理が行われる。メインコントローラ4又はエネルギーコントローラ7ではバースト間のレーザ休止時間が図示しない休止時間カウンタTで計時されている(ステップS401)。露光装置3から発振指令が出力されると、休止時間の計時は停止される(ステップS402)。休止時間カウンタTによって休止時間が特定され、この休止時間T及び目標エネルギーPatgtに対応するVtamp−Ptampデータテーブルが記憶部9から検索され、エネルギーコントローラ7に取り入れられる(ステップS403)。そして、休止時間カウンタTはリセットされる(ステップS404)。
上記前処理が終了すると、パルスカウンタka、k2aにそれぞれ初期値1が設定され(ステップS405)、パルスカウンタkaが2N〔=6〕を超えるまで、すなわち1〜6パルスの間は以下の処理が繰り返し行われる(ステップS406の判断YES)。なおパルスカウンタkoが発振段用レーザ100のパルス数をカウントするのに対して、パルスカウンタkaは増幅段用レーザ300のパルス数をカウントし、パルスカウンタk2aは第1増幅段310及び第2増幅段320のパルス数をカウントする。
先ず第1増幅段310のスパイク制御処理に進む。
第1増幅段310のスパイク制御処理を行うにあたり、Vtamp−Ptampデータテーブルの中からk2aパルス目のデータ群であるVtamp(k2a)−Ptamp(k2a)データが検索され、さらにその中から目標エネルギーPtgtに近いPtamp(k2a)を有するVtamp(k2a)−Ptamp(k2a)が特定され、エネルギーコントローラ7に取り入れられる(ステップS407)。取り入れられたk2aパルス目のパルスエネルギーPtamp(k2a)と目標エネルギーPatgtとの差ΔPtamp(k2a)〔=Ptamp(k2a)−Patgt〕が算出され、この算出結果ΔPtamp(k2a)を用いて、第1増幅段310のk2aパルス目の充電電圧の補正値ΔVtamp(k2a)〔=c×ΔPtamp(k2a)、但しcは定数〕が算出される。次に、取り入れられたk2aパルス目の充電電圧Vtamp(k2a)と、補正値ΔVtamp(k2a)と、を用いて、第1増幅段310のk2aパルス目の充電電圧Vamp(k2a)〔=Vtamp(k2a)−ΔVtamp(k2a)〕が算出される(ステップS408)。
そして、発振段用レーザ100から出力されたkoパルス目(=kaパルス目)のシード光が増幅段用チャンバ30に注入されると、充電電圧Vamp(k2a)にて第1増幅段310でレーザ発振が行われ、そのパルスエネルギーPamp(k2a)が測定される(ステップS409、ステップS410)。レーザ発振及びエネルギー測定に伴い、先の休止時間に対応するVtamp−Ptampデータテーブルのデータのうち、k2aパルス目の充電電圧Vtamp(k2a)とパルスエネルギーPtamp(k2a)が、算出された実際の充電電圧Vamp(k2a)と測定されたパルスエネルギーPamp(k2a)で更新され(ステップS411)、パルスカウンタkaに1がインクリメントされる(ステップS412)。
次に第2増幅段320のスパイク制御処理に進む。
第2増幅段320のスパイク制御処理を行うにあたり、Vtamp−Ptamデータテーブルの中からk2aパルス目のデータ群であるVtamp(k2a)−Ptamp(k2a)データが検索され、さらにその中から目標エネルギーPtgtに近いPtamp(k2a)を有するVtamp(k2a)−Ptamp(k2a)が特定され、エネルギーコントローラ7に取り入れられる(ステップS413)。取り入れられたk2aパルス目のパルスエネルギーPtamp(k2a)と目標エネルギーPatgtとの差ΔPtamp(k2a)〔=Ptamp(k2a)−Patgt〕が算出され、この算出結果ΔPtamp(k2a)を用いて、第2増幅段320のk2aパルス目の充電電圧の補正値ΔVtamp(k2a)〔=c×ΔPtamp(k2a)、但しcは定数〕が算出される。次に、取り入れられたk2aパルス目の充電電圧Vtamp(k2a)と、補正値ΔVtamp(k2a)と、を用いて、第2増幅段320のk2aパルス目の充電電圧Vamp(k2a)〔=Vtamp(k2a)−ΔVtamp(k2a)〕が算出される(ステップS414)。
そして、発振段用レーザ100から出力されたkoパルス目(=kaパルス目)のシード光が増幅段用チャンバ30に注入されると、充電電圧Vamp(k2a)にて第2増幅段320でレーザ発振が行われ、そのパルスエネルギーPamp(k2a)が測定される(ステップS415、ステップS416)。レーザ発振及びエネルギー測定に伴い、先の休止時間に対応するVtamp−Ptampデータテーブルのデータのうち、k2aパルス目の充電電圧Vtamp(k2a)とパルスエネルギーPtamp(k2a)が、算出された実際の充電電圧Vamp(k2a)と測定されたパルスエネルギーPamp(k2a)で更新され(ステップS417)、パルスカウンタkaとk2aに1がインクリメントされる(ステップS418)。
ステップS406〜ステップS418の処理は繰り返し行われ、パルスカウンタkaが2N〔=6〕を超えた場合、すなわち2N+1パルス目〔=7パルス目〕になると、ampスパイク制御処理からamp毎パルス制御処理に移行する(ステップS406の判断NO)。
図10を用いてamp毎パルス制御処理の説明をする。
amp毎パルス制御処理で使用されるパルスカウンタkaには、ampスパイク制御処理で使用されたパルスカウンタkaがそのまま引き継がれる。この時点でkaパルス目〔=7パルス目〕であり、1パルス前すなわちka−1パルス目〔=6パルス目〕の増幅段用レーザ300のパルスエネルギーPamp(ka-1)及び充電電圧Vamp(ka-1)を取得する。パルスエネルギーPamp(ka-1)とはka−1パルス目〔=6パルス目〕の増幅段用レーザ300のパルスエネルギーすなわち第2増幅段320のパルスエネルギーPamp2(k2a-1)のことであり、充電電圧Vamp(ka-1)とはka−1パルス目〔=6パルス目〕の第2増幅段320の充電電圧Vamp2(k2a-1)のことである(ステップS501)。
そして、パルスカウンタkaが奇数であれば第1増幅段310の充電電圧設定が行われ(ステップS502の判断奇数)、パルスカウンタkaが偶数であれば第2増幅段320の充電電圧設定が行われる(ステップS502の判断偶数)。
第1増幅段310の充電電圧設定では、1パルス前のパルスエネルギーPamp(ka-1)と目標エネルギーPatgtとの差ΔPamp(ka)〔=Pamp(ka-1)−Patgt〕が算出され、この算出結果ΔPamp(ka)が用いられ、充電電圧の補正値ΔVamp(ka)〔=a×ΔPamp(ka)、但しaは定数〕が算出される。この補正値ΔVamp(ka)及び1パルス前の充電電圧Vamp(ka-1)が用いられ、kaパルス目の第1増幅段310の充電電圧Vamp(ka)〔=Vamp(ka-1)−ΔVamp(ka)〕が算出される(ステップS503)。そして、充電電圧Vamp(ka)にて第1増幅段310でレーザ発振が行われ(ステップS504)、パルスエネルギーPamp(ka)が測定される(ステップS507)。
同様に、第2増幅段320の充電電圧設定では、1パルス前すなわちステップS507で測定されたパルスエネルギーPamp(ka-1)と目標エネルギーPatgtとの差ΔPamp(ka)〔=Pamp(ka-1)−Patgt〕が算出され、この算出結果ΔPamp(ka)が用いられ、充電電圧の補正値ΔVamp(ka)〔=a×ΔPamp(ka)、但しaは定数〕が算出される。この補正値ΔVamp(ka)及び1パルス前すなわちステップS504にて使用された充電電圧Vamp(ka-1)が用いられ、kaパルス目の第2増幅段320の充電電圧Vamp(ka)〔=Vamp(ka-1)−ΔVamp(ka)〕が算出される(ステップS505)。そして、充電電圧Vamp(ka)にて第2増幅段320でレーザ発振が行われ(ステップS506)、パルスエネルギーPamp(ka)が測定される(ステップS507)。
レーザ発振及びエネルギー測定に伴い、パルスカウンタkaに1がインクリメントされる(ステップS508)。
この段階で、パルスカウンタkaがM〔=1000〕を超えていない場合は(ステップS509の判断YES)、設定された充電電圧Vamp(ka-1)と上限充電電圧Vamaxとの比較判断がなされる。設定された充電電圧Vamp(ka-1)が上限充電電圧Vamax未満の場合は、上述したステップS502以降の処理が行われる(ステップS510の判断YES)。一方、設定された充電電圧Vamp(ka-1)が上限充電電圧Vamax以上となった場合は、ガス制御指令がエネルギーコントローラ7からメインコントローラ4またはユーティリティコントローラ5に送信される(ステップS510の判断NO、ステップS511)。
ステップS502〜ステップS511の処理は繰り返し行われ、パルスカウンタkaがM〔=1000〕を超えた場合、すなわちM+1パルス目〔=1001パルス目〕になると、レーザ発振は停止され、1バーストのレーザ発振が終了する(ステップS509の判断NO)。
ガス制御指令に応じてユーティリティコントローラ5はガス制御を行う。発振段用レーザ100と同様に、ガス制御とは、例えば、レーザガスを所定量追加し、パルスエネルギーの低下を抑制する処理である。増幅段用レーザ300の充電電圧Vampの制御に加えて、レーザガスの制御を行うことにより、中期的(ガスライフ)、長期的(チャンバ寿命)にパルスエネルギーPampの低下を抑制し、安定したパルスエネルギー制御が可能となる。
第3の制御例は、所定パルス分(ここではSパルス分)の露光量を一定にする露光量一定制御を行う2ステージレーザ2に適用可能である。第3の制御例は第1の制御例と比較して、発振段用レーザの処理フローと増幅段用レーザのampスパイク制御処理及びamp毎パルス制御処理の処理フローが同一である一方で、amp毎パルス制御処理の後にamp露光量一定制御処理が行われる点で異なる。そこで、第3の制御例については発振段用レーザの処理フローと増幅段用レーザのampスパイク制御処理及びamp毎パルス制御処理の処理フローの説明を省略し、amp露光量一定制御処理の処理フローを中心に説明をする。
図11、図12、図13に第3の制御例を示す。図11(a)は発振段用レーザの処理フローであり、図11(b)は増幅段用レーザの処理フローである。図12はamp露光量一定制御処理の準備フローである。図13は増幅段用レーザの処理フローのうちのamp露光量一定制御処理の処理フローである。なお、各処理の説明では、具体的なパルス数としてN=3、M=39、O=1000、S=40という数値を用いている。Nとは各増幅段310、320でスパイク制御の必要があるパルス数であり、Mとは各増幅段310、320で毎パルス制御の必要があるパルス数であり、Oとは1バーストのパルス数であり、Sとは露光量を一定にすべきパルス数である。また、第1の制御例では最終パルスをMとして説明しているが、第3の制御例では最終パルスをOとして説明する。
図11(b)を用いて増幅段用レーザ300の制御について説明する。
図11(b)で示すように、増幅段用レーザ300では、レーザ発振開始から2Nパルス目〔=6パルス目〕までの間はampスパイク制御処理が行われ(ステップS631)、2N+1パルス目〔=7パルス目〕からMパルス目〔=39パルス目〕までの間はamp毎パルス制御処理が行われ(ステップS632)、M+1パルス目〔=40パルス目〕からOパルス目〔=1000パルス目〕までの間はSパルス分〔=40パルス分〕の露光量を一定にするamp露光量一定制御処理(ステップS633)が行われる。ampスパイク制御処理(ステップS631)及びamp毎パルス制御処理(ステップS632)については第1の制御例で既に説明したため、ここではamp露光量一定制御処理(ステップS633)を中心に説明する。
図8に示すamp毎パルス制御処理において、パルスカウンタkaがM〔=39〕を超えた場合、すなわちM+1パルス目〔=40パルス目〕になると、amp毎パルス制御処理からamp露光量一定制御処理に移行する(ステップS309の判断NO)。
図12はamp露光量一定制御処理の準備フローを示し、図13はamp露光量一定制御処理の処理フローを示す。第3の実施例では、図13に示すamp露光量一定制御処理の第1回目の積算を行うために、図11(b)に示すステップS631のampスパイク制御処理及びステップS632のamp毎パルス制御処理と並行して図12に示す準備処理が行われる。図12に示す準備処理及び図13に示すamp露光量一定制御処理では、Sパルス分〔=40パルス分〕のパルスエネルギーを積算する際の積算開始パルス数をiで示し、積算終了パルス数をjで示す。また、前処理のamp毎パルス制御処理で使用されたパルスカウンタkaがそのまま引き継がれる。
図12に示す準備処理では予め、積算開始パルス数iに1が設定され、積算終了パルス数jにi+(S−1)〔=40〕が設定される(ステップS701)。そして、kaパルス目のレーザ発振が行われる(ステップS702)。なお、このステップS702の処理は、パルスカウンタkaが1パルス目から2Nパルス目〔=6パルス目〕までの間は、図7に示すampスパイク制御処理のステップS209またはステップS215の処理と同一である。また、パルスカウンタkaが2N+1パルス目〔=7パルス目〕からMパルス目〔=39パルス目〕までの間は、図8に示すamp毎パルス制御処理のステップS304またはステップS306の処理と同一である。
次に、測定したパルスエネルギーPamp(ka)が記憶される。すなわち、パルスカウンタkaが1パルス目から2Nパルス目〔=6パルス目〕までの間は、図7に示すampスパイク制御処理のステップS210またはステップS216で測定されたパルスエネルギーPamp(ka)が記憶される。また、パルスカウンタkaが2N+1パルス目〔=7パルス目〕からMパルス目〔=39パルス目〕までの間は、図8に示すamp毎パルス制御処理のステップS307で測定されたパルスエネルギーPamp(ka)が記憶される(ステップS703)。
そして、パルスカウンタkaに1がインクリメントされる(ステップS704)。なお、このステップS704の処理は、パルスカウンタkaが1パルス目から2Nパルス目〔=6パルス目〕までの間は、図7に示すampスパイク制御処理のステップS212またはステップS218の処理と同一である。また、パルスカウンタkaが2N+1パルス目〔=7パルス目〕からMパルス目〔=39パルス目〕までの間は、図8に示すamp毎パルス制御処理のステップS308の処理と同一である。以上のレーザ発振及びパルスエネルギーの測定はパルスカウンタkaがj−1になるまで繰り返される(ステップS705の判断YES)。
パルスカウンタkaが積算終了パルス数jとなった場合、すなわち積算終了パルスの発振段階となった場合に、amp露光量一定制御処理の本工程に移行する(ステップS705の判断NO)。
図13を用いてamp露光量一定制御処理の説明をする。
図13に示すamp露光量一定制御処理では、iパルス目からj−1パルス目までの積算エネルギー、すなわちS−1パルス分の積算エネルギーD(i)の算出が下記(1)式にて行われる(ステップS801)。
Figure 2008311340
Sパルス分〔=40パルス分〕の目標積算エネルギーは予めD0と定められており、この目標積算エネルギーD0と上記(1)式にて算出したS−1パルス分〔=39パルス分〕の積算エネルギーD(i)との差P(ka)〔=D0−D(i)〕が算出される(ステップS802)。算出したP(ka)は、Sパルス分の積算エネルギーをD0とするためのka〔=j〕パルス目における目標エネルギーである。
次に、パルスカウンタkaが奇数であれば第1増幅段310の充電電圧設定が行われ(ステップS803の判断奇数)、パルスカウンタkaが偶数であれば第2増幅段320の充電電圧設定が行われる(ステップS803の判断偶数)。
第1増幅段310の充電電圧設定では(ステップS803の判断奇数)、目標エネルギーP(ka)と2パルス前のパルスエネルギーPamp(ka-2)との差ΔP(ka)〔=Pamp(ka-2)−P(ka)〕が算出され、この算出結果ΔP(ka)を用いて、充電電圧の補正値ΔV(ka)〔=e×ΔP(ka)、但しeは定数〕が算出される。この補正値ΔV(ka)及び2パルス前の充電電圧Vamp(ka-2)を用いて、kaパルス目の第1増幅段310の充電電圧Vamp(ka)〔=Vamp(ka-2)−ΔV(ka)〕が算出される(ステップS804)。そして、充電電圧Vamp(ka)にて第1増幅段310でレーザ発振が行われ(ステップS805)、パルスエネルギーPamp(ka)が測定、記憶される(ステップS808)。
同様に、第2増幅段320の充電電圧設定では(ステップS803の判断偶数)、目標エネルギーP(ka)と2パルス前のパルスエネルギーPamp(ka-2)との差ΔP(ka)〔=Pamp(ka-2)−P(ka)〕が算出され、この算出結果ΔP(ka)を用いて、充電電圧の補正値ΔV(ka)〔=e×ΔP(ka)、但しeは定数〕が算出される。この補正値ΔV(ka)及び2パルス前の充電電圧Vamp(ka-2)を用いて、kaパルス目の第2増幅段320の充電電圧Vamp(ka)〔=Vamp(ka-2)−ΔV(ka)〕が算出される(ステップS806)。そして、充電電圧Vamp(ka)にて第2増幅段320でレーザ発振が行われ(ステップS807)、パルスエネルギーPamp(ka)が測定、記憶される(ステップS808)。
露光装置3側で、露光量安定性の検定を行う場合には、ステップS801で算出したS−1パルス分〔=39パルス分〕の積算エネルギーD(i)及びパルスエネルギーPamp(ka)を用いて、Sパルス分〔=40パルス分〕の積算エネルギーD(ka)〔=D(i)+Pamp(ka)〕が算出され、算出データが露光装置3に送信される(ステップS809)。露光装置3は、例えば、検定の結果、積算データD(ka)が露光量安定性の仕様範囲外であった場合、露光を中止する。なお、露光装置3側で露光量安定性の検定を行わない場合は、ステップS809を省略してもよい。
この段階で、パルスカウンタkaがO〔=1000〕未満の場合は(ステップS810の判断YES)、設定された充電電圧Vamp(ka)と上限充電電圧Vamaxとの比較判断がなされる(ステップS811)。設定された充電電圧Vamp(ka)が上限充電電圧Vamax未満の場合は(ステップS811の判断YES)、パルスカウンタka、積算開始パルス数i、積算終了パルス数jにそれぞれ1がインクリメントされる(ステップS813)。一方、設定された充電電圧Vamp(ka)が上限充電電圧Vamax以上の場合は(ステップS811の判断NO)、ガス制御指令がメインコントローラ4またはユーティリティコントローラ5に送信され(ステップS812)、パルスカウンタka、積算開始パルス数i、積算終了パルス数jにそれぞれ1がインクリメントされる(ステップS813)。
ステップS801〜ステップS813の処理は繰り返し行われ、パルスカウンタkaがO〔=1000〕になると、レーザ発振は停止され、1バーストのレーザ発振が終了する(ステップS810の判断NO)。
第4の制御例は第3の制御例の変形例であり、第1増幅段310と第2増幅段320のエネルギー特性が同等である2ステージレーザ2に適用可能である。第4の制御例は第3の制御例と比較して、発振段用レーザの処理フローとamp露光量一定制御処理の準備処理の処理フローが同一である一方で、ampスパイク制御処理、amp毎パルス制御処理の処理フロー及びamp露光量一定制御処理が異なる。また、第4の制御例は第2の制御例と比較して、ampスパイク制御処理とamp毎パルス制御処理の処理フローが同一である。そこで、第4の制御例については発振段用レーザの処理フローと増幅段用レーザのampスパイク制御処理、amp毎パルス制御処理及び露光量一定制御の準備処理の処理フローの説明を省略し、amp露光量一定制御処理の処理フローを中心に説明をする。
図14に第4の制御例を示す。図14は増幅段用レーザの処理フローのうちのamp露光量一定制御処理の処理フローである。第3の制御例と同様に、本処理の説明では、具体的なパルス数としてN=3、M=39、O=1000、S=40という数値を用いている。Nとは各増幅段310、320でスパイク制御の必要があるパルス数であり、Mとは各増幅段310、320で毎パルス制御の必要があるパルス数であり、Oとは1バーストのパルス数であり、Sとは露光量を一定にすべきパルス数である。また、最終パルスをOとして説明する。
図14を用いてamp露光量一定制御処理の説明をする。
図14に示すamp露光量一定制御処理では、iパルス目からj−1パルス目までの積算エネルギー、すなわちS−1パルス分の積算エネルギーD(i)の算出が下記(1)式にて行われる(ステップS901)。
Figure 2008311340
Sパルス分〔=40パルス分〕の目標積算エネルギーは予めD0と定められており、この目標積算エネルギーD0と上記(1)式にて算出したS−1パルス分〔=39パルス分〕の積算エネルギーD(i)との差P(ka)〔=D0−D(i)〕が算出される(ステップS902)。算出したP(ka)は、Sパルス分の積算エネルギーをD0とするためのka〔=j〕パルス目における目標エネルギーである。
次に、パルスカウンタkaが奇数であれば第1増幅段310の充電電圧設定が行われ(ステップS903の判断奇数)、パルスカウンタkaが偶数であれば第2増幅段320の充電電圧設定が行われる(ステップS903の判断偶数)。
第1増幅段310の充電電圧設定では(ステップS903の判断奇数)、目標エネルギーP(ka)と1パルス前のパルスエネルギーPamp(ka-1)との差ΔP(ka)〔=Pamp(ka-1)−P(ka)〕が算出され、この算出結果ΔP(ka)を用いて、充電電圧の補正値ΔV(ka)〔=e×ΔP(ka)、但しeは定数〕が算出される。この補正値ΔV(ka)及び1パルス前の充電電圧Vamp(ka-1)を用いて、kaパルス目の第1増幅段310の充電電圧Vamp(ka)〔=Vamp(ka-1)−ΔV(ka)〕が算出される(ステップS904)。そして、充電電圧Vamp(ka)にて第1増幅段310でレーザ発振が行われ(ステップS905)、パルスエネルギーPamp(ka)が測定、記憶される(ステップS908)。
同様に、第2増幅段320の充電電圧設定では(ステップS903の判断偶数)、目標エネルギーP(ka)と1パルス前のパルスエネルギーPamp(ka-1)との差ΔP(ka)〔=Pamp(ka-1)−P(ka)〕が算出され、この算出結果ΔP(ka)を用いて、充電電圧の補正値ΔV(ka)〔=e×ΔP(ka)、但しeは定数〕が算出される。この補正値ΔV(ka)及び1パルス前の充電電圧Vamp(ka-1)を用いて、kaパルス目の第2増幅段320の充電電圧Vamp(ka)〔=Vamp(ka-1)−ΔV(ka)〕が算出される(ステップS906)。そして、充電電圧Vamp(ka)にて第2増幅段320でレーザ発振が行われ(ステップS907)、パルスエネルギーPamp(ka)が測定、記憶される(ステップS908)。
露光装置3側で、露光量安定性の検定を行う場合には、ステップS901で算出したS−1パルス分〔=39パルス分〕の積算エネルギーD(i)及びパルスエネルギーPamp(ka)を用いて、Sパルス分〔=40パルス分〕の積算エネルギーD(ka)〔=D(i)+Pamp(ka)〕が算出され、算出データが露光装置3に送信される(ステップS909)。露光装置3は、例えば、検定の結果、積算データD(ka)が露光量安定性の仕様範囲外であった場合、露光を中止する。なお、露光装置3側で露光量安定性の検定を行わない場合は、ステップS909を省略してもよい。
この段階で、パルスカウンタkaがO〔=1000〕未満の場合は(ステップS910の判断YES)、設定された充電電圧Vamp(ka)と上限充電電圧Vamaxとの比較判断がなされる(ステップS911)。設定された充電電圧Vamp(ka)が上限充電電圧Vamax未満の場合は(ステップS911の判断YES)、パルスカウンタka、積算開始パルス数i、積算終了パルス数jにそれぞれ1がインクリメントされる(ステップS913)。一方、設定された充電電圧Vamp(ka)が上限充電電圧Vamax以上の場合は(ステップS911の判断NO)、ガス制御指令がメインコントローラ4またはユーティリティコントローラ5に送信され(ステップS912)、パルスカウンタka、積算開始パルス数i、積算終了パルス数jにそれぞれ1がインクリメントされる(ステップS913)。
ステップS901〜ステップS913の処理は繰り返し行われ、パルスカウンタkaがO〔=1000〕になると、レーザ発振は停止され、1バーストのレーザ発振が終了する(ステップS910の判断NO)。
ここまでは増幅段用レーザ300に2つの増幅段310、320を有する形態について説明したが、本発明は増幅段用レーザ300に3以上の増幅段を有する形態にも適用可能である。また、増幅段310、320が1つの増幅段用チャンバ30に設けられるのではなく、第1増幅段310と第2増幅段320が別々の増幅段用チャンバに設けられていてもよい。
本実施形態に係る2ステージレーザの構成を示す図。 電源の回路構成及びチャンバ内部の回路構成の一例を示す図。 高電圧パルス発生器の固体スイッチSWがオン状態になってから電極間に放電が発生するまでの時間と主コンデンサC0の充電電圧との関係を示す図。 増幅段用レーザに注入されるシード光のパルスエネルギーと増幅段用レーザのパルスエネルギーの関係を示す図。 2つの光増幅段を備える2ステージレーザの各充電電圧と各パルスエネルギーを示す図。 第1の制御例の全体の処理フローを示す図。 第1の制御例のampスパイク制御処理の処理フローを示す図。 第1の制御例のamp毎パルス制御処理の処理フローを示す図。 第2の制御例のampスパイク制御処理の処理フローを示す図。 第2の制御例のamp毎パルス制御処理の処理フローを示す図。 第3の制御例の全体の処理フローを示す図。 第3の制御例のamp露光量一定制御処理の準備処理の処理フローを示す図。 第3の制御例のamp露光量一定制御処理の処理フローを示す図。 第4の制御例のamp露光量一定制御処理の処理フローを示す図。 複数のICチップが配列された半導体ウェハを示す図。 発振休止と連続パルス発振とを繰り返すレーザの運転形態を示す図。
符号の説明
2…2ステージレーザ、3…露光装置、4…メインコントローラ、
7…エネルギーコントローラ、8…同期コントローラ、9…記憶部、
100…発振段用レーザ、10…発振段用チャンバ、
12…発振段用高電圧パルス発生器、
19…モニタモジュール、
300…増幅段用レーザ、320…第1発振段、320…第2発振段、
30…増幅段用チャンバ、33、34…増幅段用高電圧パルス発生器、
39…モニタモジュール

Claims (3)

  1. レーザガスを励起することによってシード光を出力する発振段と、シード光を入力すると共にレーザガスを励起することによって当該シード光を増幅して出力するレーザ光軸上に直列に配設された複数の増幅段と、パルス毎に前回パルス時に動作させた増幅段とは異なる増幅段を動作させるように前記各増幅段の動作順及び動作時の励起強度を制御する制御部と、を備えた2ステージレーザのパルスエネルギー制御装置において、
    前記制御部は、今回パルスで動作させる増幅段の励起強度を、今回パルスで目標とするパルスエネルギーと、前回パルスまでに当該増幅段を動作させて出力したパルスエネルギーと、そのパルスエネルギーを出力したときに当該増幅段に供給された励起強度と、を用いて求め、求めた励起強度が今回パルスで動作させる増幅段に供給されるようにする
    ことを特徴とする2ステージレーザのパルスエネルギー制御装置。
  2. レーザガスを励起することによってシード光を出力する発振段と、シード光を入力すると共にレーザガスを励起することによって当該シード光を増幅して出力するレーザ光軸上に直列に配設された複数の増幅段と、パルス毎に前回パルス時に動作させた増幅段とは異なる増幅段を動作させるように前記各増幅段の動作順及び動作時の励起強度を制御する制御部と、を備え、連続してレーザ光を発振する連続パルス発振とレーザ光の発振を休止する発振休止とを繰り返す2ステージレーザのパルスエネルギー制御装置において、
    出力したパルスエネルギーと、そのパルスエネルギーを出力したときに増幅段に供給された励起強度と、そのパルスエネルギーを出力した直前の発振休止時間と、を複数の増幅段毎に記憶する記憶部を備え、
    連続パルス発振の初期の所定パルスの間は、前記制御部は、今回パルスで動作させる増幅段に応じた前記記憶部から直前の発振休止時間に対応するパルスエネルギー及び励起強度を取得し、今回パルスで動作させる増幅段の励起強度を、今回パルスで目標とするパルスエネルギーと、前記記憶部から取得したパルスエネルギー及び励起強度と、を用いて求め、求めた励起強度が今回パルスで動作させる増幅段に供給されるようにし、
    連続パルス発振の初期の所定パルス以降は、前記制御部は、今回パルスで動作させる増幅段の励起強度を、今回パルスで目標とするパルスエネルギーと、今回パルスで動作させる増幅段を前回動作させた際に出力したパルスエネルギーと、そのパルスエネルギーを出力したときに当該増幅段に供給された励起強度と、を用いて求め、求めた励起強度が今回パルスで動作させる増幅段に供給されるようにする
    ことを特徴とする2ステージレーザのパルスエネルギー制御装置。
  3. 今回パルスで動作させた増幅段に応じた前記記憶部を、今回パルスで当該増幅段に供給された励起強度と今回パルスで出力したパルスエネルギーと直前の発振休止時間とを用いて、更新する
    ことを特徴とする請求項2記載の2ステージレーザのパルスエネルギー制御装置。
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