JP2008310091A - ハーフトーン型位相シフトマスク - Google Patents

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    • G03F1/26Phase shift masks [PSM]; PSM blanks; Preparation thereof
    • G03F1/32Attenuating PSM [att-PSM], e.g. halftone PSM or PSM having semi-transparent phase shift portion; Preparation thereof

Abstract

【課題】2層型位相シフト膜の膜厚を薄くし、膜中の欠陥低減とフォトマスクとしてのパターン解像度の改善を可能とすること。
【解決手段】透過率調整膜中を伝播する光の位相シフト量(透過率調整膜中を伝播した光の位相変化量δ=φと、露光時にマスクのパターン面が接している媒質中を透過率調整膜と同じ「厚さ」(距離)だけ伝播した光の位相変化量δ=φの位相差δφ=φ−φ)と位相調整膜中を伝搬する光の位相シフト量(位相調整膜中を伝播した光の位相変化量δ=φと、露光時にマスクのパターン面が接している媒質中を位相調整膜と同じ「厚さ」(距離)だけ伝播した光の位相変化量δ=φの位相差δφ=φ−φ)の「符号」が「同符号」となるように「2層型」の位相シフト膜を設計することとした。これにより、位相シフト膜の薄膜化が図られ、膜中欠陥が抑制され、かつ、パターン解像度を改善することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体集積回路等の製造などに用いられるハーフトーン型の位相シフトマスクに関する。
IC、LSI又はVLSI等の半導体集積回路の製造をはじめとして、広範囲な用途に用いられているフォトマスクは、例えば、透光性基板上にクロムを主成分とする遮光膜が形成されたフォトマスクブランクを用い、この遮光膜に紫外線や電子線等を露光光とするフォトリソグラフィ法により所定のパターンを形成したものである。近年では、半導体集積回路の高集積化等の市場要求に伴ってパターンの微細化が急速に進行し、露光工程でのレジスト解像度を高めるための露光波長の短波長化やレンズの開口数の増大により対応がなされてきた。
しかしながら、露光波長の短波長化は装置や材料のコスト増大を招く結果となるという問題がある。また、レンズの開口数の増大は解像度の向上という利点の反面、焦点深度の減少を招く結果、プロセスの安定性が低下し、製品の歩留まりに悪影響を及ぼすという問題がある。このような問題の解決に対して有効なパターン転写法のひとつに「位相シフトマスク」をフォトマスクとして用いる「位相シフト法」が知られている。
図1は、位相シフト法で用いられる位相シフトマスク(ハーフトーン型位相シフトマスク)の例を説明するための断面図で、図1(A)は位相シフト部が単層の「単層型」(例えば特許文献1)、図1(B)は位相シフト部を位相調整膜と透過率調整膜の2層構造とした「2層型」(例えば特許文献2)の位相シフトマスクを示している。なお、「2層型」の位相シフトマスクは、短波長露光(露光波長が200nm以下)用のフォトマスクとして有用であることが知られており(特許文献3)、例えば特許文献4には、同一の媒質でエッチング可能な透過率調整膜と位相調整膜を組み合わせた構成の「2層型」位相シフトマスクが開示されており、透過率調整膜を金属シリサイドを含む膜とし、位相調整膜をSOGで形成したものが記載されている。
これらの位相シフトマスクには、露光光に対して透明な基板1の一方主面上に、基板1の主面が露出している領域(透光部:A)と、位相シフト膜2がパターニングされた領域(半透光部:B)とが形成され、これらの領域を透過した光は、透光部Aの透過光の位相(φ)と半透光部Bの透過光の位相(φ+π)とで位相差が概ねπ(180°)であり、パターン境界部分における透光部と半透光部との透過光同士の干渉により回折によるコントラストの低下を改善し、転写像のコントラストを向上させることが可能となる。なお、「2層型」の位相シフト膜2は、位相調整膜2aと透過率調整膜2bの2層が積層されている。
このような位相シフトマスクに関連しては、透明基板と位相シフト膜との間にエッチングストッパとしてのクロム膜を設ける構成(特許文献5)や遮光膜中を透過してきた光の位相をほぼ零にするために位相遅延膜と位相進行膜を積層させて遮光膜を形成する構成(特許文献6)なども提案されている。
特開平7−140635号公報 特開平4−136854号公報 特開2005−084682号公報 特開平6−83027号公報 特開2001−337436号公報 特開2006−215297号公報
一般に、「2層型」の位相シフト膜には、透過率調整膜としてはクロム膜や金属シリサイド膜などが、位相調整膜としては窒化珪素膜や酸化ケイ素膜などが用いられ、所定の位相差を得るための全膜厚は、位相調整膜単独で位相シフト膜を構成した場合に比較して厚くなる。しかし、位相シフト膜が厚くなると、その成膜中にパーティクルやハーフピンホールなどの欠陥が増大したり、パターニングを施した後には、露光時にパターン側面から漏れ出てくる所定の位相差と異なる光が多くなり、透光部と半透光部の境界領域で本来の位相差を生じさせることが困難となるといった問題が生じる。特に、位相調整用にSiOのような高透過率の材料を用いた場合には、その屈折率が小さいために、所定の位相差を得ようとすると必然的にその膜厚を厚くする必要があるため、上記問題は深刻となる。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、「2層型」の位相シフト膜の膜厚を薄くし、これにより、膜中の欠陥低減とフォトマスクとしてのパターン解像度の改善を可能とすることにある。
かかる課題を解決するために、本発明は、透明基板上に透光部と半透光部とを有するハーフトーン型位相シフトマスクであって、前記半透光部には位相調整膜と透過率調整膜を積層させた位相シフト膜が設けられており、前記透過率調整膜中を伝播した光の位相変化量δ=φと露光時にマスクのパターン面が接している媒質中を前記透過率調整膜と同じ距離だけ伝播した光の位相変化量δ=φの位相差δφ(=φ−φ)と、前記位相調整膜中を伝播した光の位相変化量δ=φと露光時にマスクのパターン面が接している媒質中を前記位相調整膜と同じ距離だけ伝播した光の位相変化量δ=φの位相差δφ(=φ−φ)が、δφ>0かつδφ>0、または、δφ<0かつδφ<0であることを特徴とする。
好ましくは、前記透光部を透過した光と前記半透光部を透過した光の位相差が実質的にπラジアン(180°)である。
また、好ましくは、前記位相調整膜の消衰係数kが0.3以下、前記透過率調整膜の消衰係数kが0.5以上である。
前記位相調整膜は、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物の少なくとも1種からなる光学膜であり、前記透過率調整膜は、例えば、金属とシリコンを含有しこれに少なくとも酸素または窒素を有する光学膜である。
好ましくは、前記透過率調整膜と前記位相調整膜は、同一のエッチング媒体でエッチング可能な光学膜である。
本発明によれば、透過率調整膜中を伝播する光の位相シフト量(透過率調整膜中を伝播した光の位相変化量δ=φと、露光時にマスクのパターン面が接している媒質中を透過率調整膜と同じ「厚さ」(距離)だけ伝播した光の位相変化量δ=φの位相差δφ=φ−φ)と位相調整膜中を伝搬する光の位相シフト量(位相調整膜中を伝播した光の位相変化量δ=φと、露光時にマスクのパターン面が接している媒質中を位相調整膜と同じ「厚さ」(距離)だけ伝播した光の位相変化量δ=φの位相差δφ=φ−φ)の「符号」が「同符号」となるように「2層型」の位相シフト膜を設計することとしたので、位相シフト膜の薄膜化が図られる。
その結果、成膜中に発生するパーティクルやハーフピンホール起因の欠陥が抑制され、かつ、露光時にパターン側面から漏れ出てくる所定の位相差と異なる光を低減できるために解像度を改善することができる。
以下、図面を参照して本発明のハーフトーン型位相シフトマスクについて説明する。なお、以下では、本発明のものを「ハーフトーン型位相シフトマスク」として説明するが、透過率調整膜と位相調整膜が設けられた「フォトマスクブランク」もまた、同様の膜構造を有する。その意味で、本明細書において用いられる「ハーフトーン型位相シフトマスク」なる用語は、「ハーフトーン型位相シフトマスクブランク」をも包含し得るものである。
図2は、本発明のハーフトーン型位相シフトマスクの基本的な構成例を説明するための断面図で、露光光に対して透明な石英やフッ化カルシウムなどの基板11の一方主面上に、透光部Aと半透光部Bとが形成され、半透光部Bのみに、位相シフト膜となる透過率調整膜(層)12bと位相調整膜(層)12aを積層させて形成する。なお、ここでは、透過率調整膜12bと位相調整膜12aの厚みをそれぞれ、dおよびdとしている。
上述したように、従来の「2層型」の位相シフト膜は、所定の位相差を得るための全膜厚が位相調整膜単独で位相シフト膜を構成した場合に比較して厚くなるが、この問題について本発明者が検討したところによれば、従来の「2層型」の位相シフト膜の設計においては、透過率調整膜中を伝播する光の位相シフト量(透過率調整膜中を伝播した光の位相変化量δ=φと、露光時にマスクのパターン面が接している媒質中を透過率調整膜と同じ「厚さ」(距離:d)だけ伝播した光の位相変化量δ=φの位相差δφ=φ−φ)と位相調整膜中を伝搬する光の位相シフト量(位相調整膜中を伝播した光の位相変化量δ=φと、露光時にマスクのパターン面が接している媒質中を位相調整膜と同じ「厚さ」(距離:d)だけ伝播した光の位相変化量δ=φの位相差δφ=φ−φ)の「符号」についての考慮が何らなされていなかったという点に原因があるとの結論に至った。
すなわち、透過率調整膜は、透過率の調整効率を高めるためには消衰係数kの大きな材料で形成することが有利であるため、透過率調整膜中を伝播する光の位相シフト量と位相調整膜中を伝搬する光の位相シフト量の「符号」を考慮することなく「2層型」位相シフト膜を設計してしまうと、透過率調整膜中を伝播する光の位相シフト量と位相調整膜中を伝搬する光の位相シフト量が「逆符号」となり、その結果、所定の位相差を得るための全膜厚が位相調整膜単独で位相シフト膜を構成した場合に比較して厚くならざるを得ないのである。
そこで、本発明では、透過率調整膜中を伝播する光の位相シフト量と位相調整膜中を伝搬する光の位相シフト量の「符号」が「同符号」となるように、位相シフト膜を設計する。
図3は、透過率調整膜中を伝播する光の位相シフト量と位相調整膜中を伝搬する光の位相シフト量の「符号」について説明するための図である。位相調整膜12a中を伝播した光の位相変化量がδ=φ、露光時にマスクのパターン面が接している媒質中を位相調整膜と同じ「厚さ」(距離:d)だけ伝播した光の位相変化量がδ=φのときに、両位相変化量の差(位相差)はδφ=φ−φで与えられる(図3(A))。同様に、透過率調整膜12b中を伝播した光の位相変化量がδ=φ、露光時にマスクのパターン面が接している媒質中を透過率調整膜と同じ「厚さ」(距離:d)だけ伝播した光の位相変化量がδ=φのときに、両位相変化量の差(位相差)はδφ=φ−φで与えられる。この場合、δφとδφは「正」または「負」の値をとり得るが、本発明ではこれを「同符号」(共に「正」、または共に「負」)とするのである。
つまり、光の振幅透過率tはt=texp(−iδ)と表記することができ、エネルギ透過率TはT=t・t*(t*はtの複素共役)である。ここで、透過率調整膜や位相調整膜の膜厚(d)に相当する「厚み」の上記媒質中(屈折率n)を波長λの光が伝播したときの位相変化δをδ=φとするとφ0=2πnd/λとなるが、本発明においては、透過率調整膜中を伝播する光の位相シフト量(δφ=φ−φ)と位相調整膜中を伝搬する光の位相シフト量(δφ=φ−φ)が「同符号」となるように、それぞれの膜を設計するのである。特に、位相調整膜の屈折率が、露光時にマスクのパターン面が接している媒質の屈折率より大きいときは、δφ(=φ−φ)とδφ(=φ−φ)が何れも「正」となるように膜設計する。
透過率調整膜や位相調整膜は上記関係を満足するものであればよく、それぞれの膜は単層構造でも多層構造でもよい。また、膜中で組成変化をもたせるようにしてもよい。例えば、組成が均一な単層膜で透過率調整膜や位相調整膜を構成する場合には、これらの透過率調整膜の透過率(t)や位相調整膜の透過率(t)は次式で与えられる。
(数1)
tt=t0t・exp(-i・φt)
= tstttp・exp(-i・2πdtnt/λ)/[1+rstrtp・exp(-4πi・dtnt/λ)]
(数2)
tp=t0p・exp(-i・φ)
= ttptp0・exp(-i・2πdpnp/λ)/[1+rtprp0・exp(-4πi・dpnp/λ)]
ここで、iは虚数単位、dは透過率調整膜の膜厚、dは位相調整膜の膜厚、nは透過率調整膜の複素屈折率(屈折率nt=nt0−ikt0(nt0:屈折率、kto:消衰係数)、npは位相調整膜の複素屈折率(屈折率np=np0−ikp0(np0:屈折率、kpo:消衰係数)、tstは基板と透過率調整膜の界面での振幅透過率(エネルギ透過率Tst=tSt・tSt *)、ttpは透過率調整膜と位相調整膜の界面での振幅透過率(エネルギ透過率Ttp=ttp・ttp *)、tp0は位相調整膜と上記媒質の界面での振幅透過率(エネルギ透過率Tp0=tp0・tp0 *)、rstは基板と透過率調整膜の界面での振幅反射率、rtpは透過率調整膜と位相調整膜の界面での振幅反射率、そして、rp0は位相調整膜と上記媒質の界面での振幅反射率である。
本発明では、透過率調整膜の膜厚(d)に相当する「厚み」(距離)の上記媒質中を光が伝播したときの位相変化量をφt0として位相シフト量δφ=φt0としたときに、また、位相調整膜の膜厚(d)に相当する「厚み」(距離)の上記媒質中を光が伝播したときの位相変化量をφp0として位相シフト量δφ=φp0としたときに、δφとδφが同符号となるように膜設計される。また、上述のとおり、特に上記媒質よりも位相調整膜の屈折率が大きい場合には、δφ>0、δφ>0を満足するように膜設計する。
一般に、膜の屈折率が上記媒質より大きく吸収係数が0に近い誘電体膜の場合はδφ>0となり、また、膜の屈折率が上記媒質より小さい場合にはδφ<0となる。
しかし、吸収係数の大きな膜では、膜厚によっては、膜の屈折率が上記媒質の屈折率より大きくてもδφ<0となり得る。例えば、膜がある程度の吸収係数をもっていると、膜が厚くなるにしたがって、上式のδφは符号が「負」のままその絶対値が大きくなりある膜厚で極値となる。そして、さらに膜が厚くなると、δφの絶対値は小さくなり、ついには「正」の値をとるようになる。
位相調整膜や透過率調整膜を複数層の積層構造とする場合も、その膜設計は、上述の単層構造の場合と同様である。例えば、積層構造中での多重反射を無視できる場合には、当該積層構造を構成する各々の層の屈折率が上記媒質より大きくても、各々の層界面での位相変化(δφ)の合計(δφ=Σδφ)が負の値となり、その絶対値が、多層構造と同じ「厚み」の上記媒質を伝播するときの位相変化よりも大きければδφ<0の膜として機能し、逆のときはδφ>0の膜として機能する。
したがって、これらを考慮し、位相調整膜と透過率調整膜のδφが同じ符号となるように膜設計する。なお、上記媒質や基板との接する層の複素屈折率(n=n−ik)によっては膜内での多重反射が無視できない場合も生じ得るので、かかる場合には膜内での多重反射も考慮する必要がある。また、吸収係数が0でない場合は、界面での位相変化も考慮する必要がある。
図2に示した位相シフト膜とは逆に、基板側から、位相調整膜、透過率調整膜の順に積層させた場合には、上記式中で、添え字のtとpを逆にすればよい。基板上に位相調整膜、透過率調整膜の順に形成した場合には、膜中の欠陥を検出するのに有利であり、基板上に透過率調整膜、位相調整膜の順に形成した場合には、耐薬品性に優れたものとするのに有利である。
半透光部Bの光透過率は透光部Aの1〜50%程度であればよく、より好ましくは3〜30%程度となるように調整する。このような光透過率調整により、半透光部Bを透過した後の露光光がレジストの感度以下の強度となるように調整される。
位相調整膜は透過率調整膜と合わせて位相差を所定の値(一般には、πラジアン(180°))となるようにするための層であり、透過率調整膜よりも高い透過率の膜である。たとえば、位相調整膜を消衰係数kが0.3以下の膜とし、透過率調整膜として消衰係数kが0.5以上の膜を用いる。
位相調整膜と透過率調整膜を同じ手法・条件でエッチング可能なものとした場合には、同一プロセスでエッチングやパターン形成ができるため、製造工程が単純化できる。逆に、両膜のエッチング特性を異ならせた場合には、一方の膜をエッチングマスクとして利用したり、エッチングストッパとして用いることができる。
例えば露光波長が193nmの場合には、シリコンと窒素及び/又は酸素を含んだ膜を上記関係を満たすように設計し、また、透過率が高すぎない程度に窒素量や酸素量を調整することで、透過率調整膜とすることができる。また、このような膜に更に金属を含ませることとすると、透過率の調整が容易となる。
位相調整膜は、シリコン酸化物膜、シリコン窒化物膜、シリコン酸窒化物膜、あるいはこれらの膜にMo,Ta,Zrなどの金属を透過率が低くなりすぎない程度に含んだ膜で形成することができる。
なお、一般的には、露光時にマスクのパターン面が接している媒質は空気や窒素ガスなどの屈折率が1の媒質であるが、マスクパターンを、屈折率が1よりも大きい媒質中に置いて(例えば、屈折率が大きい液体中などに浸漬して)露光するような場合にも、本発明は適用可能である。
また、このようなハーフトーン型位相シフトマスクを作製するためのマスクブランクには、その表面に導電性を付与し、マスクを作製したときのパターン周辺部を遮光するための層となる金属膜を設けたり、エッチングマスク層や、エッチングストッパを設けてもよい。
図4は、本発明のハーフトーン型位相シフトマスクの製造プロセスを説明するための図である。先ず、透明な石英からなる基板11の上に、モリブデンシリサイドのターゲットをアルゴンと窒素と酸素の混合ガスでスパッタリングして193nmにおける波長で屈折率2.3、消衰係数1.0の酸窒化モリブデンシリサイド膜12Bを45.3nm成膜した(図4(A))。この酸窒化モリブデンシリサイド膜は透過率調整膜として機能する。
続いて、この酸窒化モリブデンシリサイド膜12B上に、シリコンをターゲットとして、アルゴンと酸素との混合ガスでスパッタリングして酸化ケイ素膜12Aを79nm成膜した(図4(B))。この酸化ケイ素膜は位相調整膜として機能する。このようにして位相シフトマスクブランクが得られる。
なお、酸窒化モリブデンシリサイド膜12Bの厚みを45.3nmとし酸化ケイ素膜12Aの厚みを79nmとしたのは、半透過部(透過率調整膜と位相調整膜)の透過率を6%とし、半透光部の位相差が露光時のマスクのパターン面が接している媒質である空気中でπ(180°)となるようにするための選択の結果であるが、これらの膜の厚みや光学定数は、半透過部の透過率や位相差に応じて適宜設定される。
この酸化ケイ素膜12Aの上に電子ビーム用化学増幅型ポジレジスト13を塗布してフォトリソグラフィにより所定のパターニングを行ってレジストマスクを形成し(図4(C))、このレジストパターン13をマスクとして酸化ケイ素膜12Aと酸窒化モリブデンシリサイド膜12Bをエッチングして、位相調整膜12aと透過率調整膜12bを積層させた位相シフト膜12(全膜厚は124.3nm)を得た(図4(D))。
そして、最後に、レジスト13を除去して、所定のパターンを有するハーフトーン型位相シフトマスクを得た(図4(E))。このようにして得られたハーフトーン型位相シフトマスクは、位相シフト膜の薄膜化が図られた結果、成膜中に発生するパーティクルやハーフピンホール起因の欠陥が抑制され、かつ、露光時にパターン側面から漏れ出てくる所定の位相差と異なる光を低減できるために解像度を改善することができる。
なお、透過率調整膜中を伝播する光の位相シフト量と位相調整膜中を伝搬する光の位相シフト量の「符号」を考慮することなく透過率6%、位相差180°の2層型位相シフト膜を設計した場合には、例えば、透過率調整膜は20nmのシリコン膜となり、位相調整膜は204nmの酸化ケイ素膜となって、位相シフト膜も全厚は224nmとなる。つまり、上述の実施例の位相シフト膜の厚み(124.3nm)の概ね倍程度の厚みとなる。
位相シフト法で用いられる位相シフトマスクの構成例を説明するための断面図で、(A)は位相シフト部が単層の「単層型」、(B)は位相シフト部が2層の「2層型」の位相シフトマスクである。 本発明のハーフトーン型位相シフトマスクの基本的な構成例を説明するための断面図である。 透過率調整膜中を伝播する光の位相シフト量と位相調整膜中を伝搬する光の位相シフト量の「符号」について説明するための図である。 本発明のハーフトーン型位相シフトマスクの作製プロセス例を説明するための図である。
符号の説明
1、11 基板
2、12 位相シフト膜
2a、12a 位相調整膜
2b、12b 透過率調整膜
13 レジスト

Claims (6)

  1. 透明基板上に透光部と半透光部とを有するハーフトーン型位相シフトマスクであって、
    前記半透光部には位相調整膜と透過率調整膜を積層させた位相シフト膜が設けられており、
    前記透過率調整膜中を伝播した光の位相変化量δ=φと露光時にマスクのパターン面が接している媒質中を前記透過率調整膜と同じ距離だけ伝播した光の位相変化量δ=φの位相差δφ(=φ−φ)と、前記位相調整膜中を伝播した光の位相変化量δ=φと露光時にマスクのパターン面が接している媒質中を前記位相調整膜と同じ距離だけ伝播した光の位相変化量δ=φの位相差δφ(=φ−φ)が、δφ>0かつδφ>0、または、δφ<0かつδφ<0であることを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスク。
  2. 前記透光部を透過した光と前記半透光部を透過した光の位相差が実質的にπラジアン(180°)である請求項1に記載のハーフトーン型位相シフトマスク。
  3. 前記位相調整膜の消衰係数kが0.3以下、前記透過率調整膜の消衰係数kが0.5以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のハーフトーン型位相シフトマスク。
  4. 前記位相調整膜は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物の少なくとも1種からなる光学膜である請求項1乃至3の何れか1項に記載のハーフトーン型位相シフトマスク。
  5. 前記透過率調整膜は、金属とシリコンを含有し、これに少なくとも酸素または窒素を有する光学膜である請求項1乃至4の何れか1項に記載のハーフトーン型位相シフトマスク。
  6. 前記透過率調整膜と前記位相調整膜は、同一のエッチング媒体でエッチング可能な光学膜である請求項1乃至5の何れか1項に記載のハーフトーン型位相シフトマスク。
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