JP2008309118A - ピストン及び内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピストンリング溝の摩耗及びピストンリングの摩耗を抑制できるピストン及び内燃機関を提供すること。
【解決手段】ピストン10は、シリンダ内を往復運動するピストンにおいて、流体の圧力を受けるピストン頂部10aと、ピストン頂部10aに設けられるピストン側周部10bと、ピストン側周部10bに形成されて、ピストンリング12aが嵌め込まれるピストンリング溝12と、ピストン側周部10bに形成されて、円弧状のリングである円弧リング11aが嵌め込まれる円弧リング溝11と、を備える。これにより、ピストン10とシリンダ内壁面との接触面積が増えることに起因し、ピストンリング12aが負担するスラスト力(面圧)が低減し、ピストン10は、ピストンリング溝12及びピストンリング12aの摩耗を抑制する。
【選択図】 図2

Description

この発明は、ピストン及び内燃機関に関し、さらに詳しくは、ピストンリングを備えるピストン及び内燃機関に関する。
内燃機関に用いられるピストンは、通常、気筒内の気密を保つためのコンプレッションリングと、シリンダ内壁面における潤滑油の量を適正に保つためのオイルリングと(以下コンプレッションリング及びオイルリングの総称をピストンリングとする)を備えている。コンプレッションリングは、ピストンに複数装着されるピストンリングのうちピストン頂部側に設けられ、燃焼室からクランク室、またはクランク室から燃焼室へのガスの流動を抑制する。また、オイルリングは、ピストンに複数装着されるリングのうち最もクランクケース側に設けられ、シリンダ内壁面にある余分な潤滑油をクランクケースに掻き落とす。ピストンには、その外側周部に、ピストンリングを装着するための複数のピストンリング溝が形成されている。
従来、コンプレッションリングと、オイルリングとを備える内燃機関用のピストンにおいて、ピストンリングによるピストンの摩耗が問題になっている。具体的には、ピストンがシリンダ内で往復運動中に、ピストンリングが装着されるピストンリング溝を前記ピストンリングが攻撃するためにピストンリング溝が摩耗する。そこで、例えば、特許文献1には、ピストンにおいて、他の部位よりも比較的摩耗の激しいトップリング溝(複数のピストンリング溝のうち最もピストン頂部側のピストンリング溝)近傍及び、セカンドリング溝(トップリング溝と隣接するピストンリング溝)の上面(セカンドリング溝を構成する壁面のうち、最もピストン頂部側の壁面)近傍を、耐摩耗性に優れる鋳鉄により構成することにより、トップリング溝及びセカンドリング溝の耐摩耗性を向上させている。
実開平7−38645号公報、0013、0014
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ピストンリング溝がピストンリングを攻撃することによって発生するピストンリングの摩耗の抑制は十分ではない。また、ピストンリングの摩耗のうち、ピストンリングとシリンダ内壁面との間で発生するピストンリングの摩耗の抑制も十分ではない。
また、ピストンの基材として通常使用されるアルミニウム合金と比較して鋳鉄の比重は大きい。このため、特許文献1に開示されているピストンの質量は、アルミニウム合金のみで構成されたピストンと比較して大きい。これにより、ピストンがシリンダ内で往復運動中にピストンに作用する、シリンダ軸線と直交し、かつピストンピンの軸線と直交する方向の力(以下スラスト力という)が増加するおそれがあり、これに起因してピストンリングの摩耗の抑制がさらに不十分になるおそれがある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ピストンリングの摩耗を抑制することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るピストンは、シリンダ内を往復運動するピストンにおいて、流体の圧力を受ける頂部と、前記頂部に設けられる側周部と、前記側周部に形成されて、ピストンリングが嵌め込まれるピストンリング溝と、前記側周部に形成されて、円弧状のリングが嵌め込まれる円弧リング溝と、を備えることを特徴とする。
上記構成により、この発明に係るピストンは、円弧リングが嵌め込まれる円弧リング溝を備えるので、ピストンとシリンダ内壁面との接触面積が増えることに起因し、ピストンリングが負担するスラスト力(面圧)が低減する。その結果、本発明に係るピストンは、ピストンリング溝及びピストンリングの摩耗を抑制できる。
本発明の好ましい態様としては、前記円弧リング溝は、前記ピストンをコネクティングロッドと連結するピストンピンの中心軸を含み、かつ前記ピストン頂部と直交する面により分けられる2つの前記側周部のうち、前記ピストンの往復運動中に、より大きな力が負荷される方に形成されることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記側周部は、前記ピストンが往復運動中に前記ピストンが傾倒するのを抑制するスカート部を有し、前記円弧リングの中心角は、前記スカート部の中心角以上、180度以下の範囲であることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記円弧リング溝は、前記ピストンリング溝のうち最も前記ピストン頂部側のピストンリング溝と、前記ピストン頂部との間における前記側周部に形成されることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記ピストンの温度及び前記円弧リングの温度が前記ピストン及び前記円弧リングの使用環境下における最高温度の時、前記円弧リング溝の中心角は、前記円弧リングの内側の中心角より大きいことが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記円弧リングは、前記円弧リング溝に弾性部材を介して装着され、前記弾性部材は前記円弧リングを、前記円弧リング溝の溝底から遠ざける方向に力を加えることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記弾性部材は、形状記憶合金により形成され、所定の温度により形状が変化し、前記円弧リングを、前記円弧リング溝の溝底から遠ざける方向の前記力が変化することが望ましい。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る内燃機関は、上記ピストンを備えることを特徴とする。
本発明に係るピストンは、ピストンリングの摩耗を抑制できる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態(以下実施形態という)によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。また、以下の実施形態では、本発明に係るピストンを内燃機関に備えるものとして説明するが、ピストンを利用する装置であればよく、例えばピストンポンプに備えてもよい。
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る内燃機関の模式的断面図である。図1に示すように、本実施形態に係る内燃機関1は、乗用車やトラックなどの車両に搭載されて動力発生源となる。内燃機関1は、シリンダ100内を往復運動するピストン10が2往復する間に、吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程からなる一連の4行程を行う、いわゆる4ストロークエンジンである。なお、本実施形態では、内燃機関1を、4ストロークエンジンとして説明するが、例えば、ピストンが1往復する間に、吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程を行う、いわゆる2ストロークエンジンでもよい。
内燃機関1は、円筒形状に形成されるシリンダ100の中心軸であるシリンダ軸線SL方向に往復運動するピストン10と、燃焼室101と、クランク室102と、を備える。空気と燃料との混合気が燃焼する空間である燃焼室101は、ピストン10を挟んでシリンダ軸線SL方向の一方側に設けられる。クランク室102は、燃焼室101とは反対側である他方側に設けられる。
内燃機関1は、燃焼室101に接続される吸気ポート103及び排気ポート104と、吸気ポート103内に燃料を噴射するインジェクタ105と、燃焼室101に導入された混合気に点火する点火プラグ106と、ピストン10の往復運動を回転運動に変換するクランクシャフト107とを備える。さらに、内燃機関1は、シリンダヘッド108、シリンダブロック109及びクランクケース110を備える。なお、本実施形態では、内燃機関1は、吸気ポート103内に燃料を噴射する、いわゆるポート噴射形式の内燃機関として説明するが、本実施形態はこれに限定されず、例えば、内燃機関1は、燃焼室101に直接燃料を噴射する、いわゆる直噴式の内燃機関でもよい。
シリンダヘッド108は、シリンダブロック109に締結され、クランクケース110は、シリンダヘッド108とは反対側のシリンダブロック109に締結される。シリンダブロック109の内部には、上述した円筒形状のシリンダ100が形成される。また、シリンダ100の内壁面(以下シリンダ内壁面という)100aは、シリンダ100内を往復運動するピストン10と摺動する。
クランクシャフト107は、クランク室102に回転可能に支持される。ピストン10は、後述するピストンピン17aにより回動可能にコネクティングロッド111の一端と連結される。クランクシャフト107は、コネクティングロッド111において、ピストン10と連結される端部とは反対側の端部に回転可能に連結される。なお、クランクシャフト107とコネクティングロッド111との連結部をコネクティングロッド連結部107bとする。上記構成により、ピストン10の往復運動は、クランクシャフト107の回転運動に変換されて、内燃機関1の出力として取り出される。なお、クランクシャフト107は、その回転をスムーズにするため、その軸周りにカウンタウェイト107aを有する。
燃焼室101は、シリンダヘッド108においてシリンダ100側の端面である筒内天井部101a、及びシリンダ100のシリンダ内壁面100a、及びピストン10のクランク室102とは反対側の端面であるピストン頂部10aにより形成される空間である。
シリンダヘッド108の筒内天井部101aには、上述した吸気ポート103及び排気ポート104が設けられる。吸気ポート103には吸気弁112が設けられ、吸気弁112は、吸気ポート103と燃焼室101とを連通する開口を所定のタイミングで開閉する。また、排気ポート104には排気弁113が設けられ、燃焼室101と排気ポート104とを連通する開口を所定のタイミングで開閉する。
インジェクタ105は、吸気ポート103内に燃料噴霧を噴射する。点火プラグ106は、燃焼室101の天井部分、すなわち、シリンダヘッド108の筒内天井部101aの吸気ポート103と排気ポート104との間に設けられる。
さらに、内燃機関1は、マイクロコンピュータを中心として構成されることにより内燃機関1の各部を制御するElectronicControlUnit114(以下ECU114という)により制御される。ECU114は、インジェクタ105の燃料噴射タイミングや点火プラグ106の点火時期などを制御する。
インジェクタ105から燃料が噴射されると、吸気ポート103に連結された吸気通路115から吸入された空気とインジェクタ105から噴射された燃料とが混合して混合気が形成される。ピストン10がシリンダ100のクランク室102側へ、つまり下死点側へ移動すると、燃焼室101内に混合気が吸入される(吸気行程)。さらに、ピストン10が吸気行程下死点を経てシリンダ100内をシリンダヘッド108の筒内天井部101a側へ、つまり上死点側へ移動すると、混合気が圧縮される(圧縮行程)。
さらに、ピストン10が圧縮行程上死点付近に近づくと、点火プラグ106により混合気に点火される。これにより、燃焼室101内で混合気が燃焼し、その燃焼圧力によりピストン10を下死点側へ移動させる(膨張行程)。燃焼後の混合気(排気ガス)は、ピストン10が下死点を経て上死点に向かって再び移動することで排気ポート104及び排気ポート104と連結される排気通路116を介して燃焼室101から排出される(排気行程)。上記構成により、本実施形態に係るピストン10を備える内燃機関1は、クランクシャフト107から出力を得る。
図2は、本実施形態に係るピストンの構成を模式的に示す斜視図である。図2に示すように、実施形態に係るピストン10は、円弧リング溝11と、ピストンリング溝12と、スカート部16と、ピストンピン穴17とを有する。また、ピストンリング溝12は、トップリング溝13と、セカンドリング溝14と、オイルリング溝15とから構成される。トップリング溝13は、最もピストン頂部10a側のピストン側周部10bに形成され、コンプレッションリングであるトップリング13aが嵌め込まれる溝である。セカンドリング溝14は、トップリング溝13と隣接しコンプレッションリングであるセカンドリング14aが嵌め込まれる溝である。オイルリング溝15は、最もクランク室102側(図1参照)に形成され、オイルリング15aが嵌め込まれる溝である。なお、ピストン側周部10bは、ピストン10の周方向の面のことである。また、トップリング13a、セカンドリング14a、オイルリング15aを総称してピストンリング12aとする。
図1に示すように、ピストンピン穴17は、ピストン10とコネクティングロッド111との連結部である。ピストンピン穴17及びコネクティングロッド111の一方の端部に形成された連結穴に、ピストンピン17aが挿入されることにより、ピストン10とコネクティングロッド111とは回動可能に連結される。
スカート部16(図2中斜線で図示)は、ピストン10の側周部であるピストン側周部10bに形成され、ピストン10がシリンダ100内を往復運動中にピストン10が傾倒することを抑制する。ここで、シリンダ軸線SLと直交し、かつピストンピン17aの中心軸であるピストンピン軸線PLと直交する方向の力をスラスト力とする。ピストン10の傾倒は、ピストン10がコネクティングロッド111から前記スラスト力を受けることにより生じる現象である。なおスラスト力とは、膨張行程及び吸気行程中に発生する正スラスト力と、圧縮行程及び排気行程中に発生する反スラスト力との両方を含んだ表現である。
正スラスト力及び反スラスト力は、図1に図示のクランクシャフト107の回転方向により決定する。本実施形態では、例えば図1に示すように、クランクシャフト107は、図中に矢印で示すクランクシャフト回転方向RDの方向に回転するものとする。クランクシャフト回転方向RDは、ピストン10が下死点から上死点へ向かい、上死点から下死点へその移動方向が切り替わるときに、コネクティングロッド111との連結部であるコネクティングロッド連結部107bが、シリンダ軸線SLを閾としたときに排気ポート104側から吸気ポート103側へ向かって回転する方向である。
このとき、図1に矢印で示すF1が正スラスト力となり、F2が反スラスト力となる。以下正スラスト力F1、反スラスト力F2と記載する。正スラスト力F1は、ピストン10を吸気通路115側へ押圧する力であり、反スラスト力F2は、ピストン10を排気通路116側へ押圧する力である。また、以下、ピストンピン軸線PLを含み、かつピストン頂部10aと直交する面により分けられる2つのピストン部材のうち、正スラスト力F1が作用する側を正スラスト側、反スラスト力F2が作用する側を反スラスト側という。
円弧リング溝11は、図2に図示する円弧状に形成される円弧リング11aが嵌め込まれる溝である。ここで、ピストン10のピストン側周部10bにおいて、トップリング溝13とピストン頂部10aとの間の側周部をトップランド10b1、セカンドリング溝14とトップリング溝13との間の側周部をセカンドランド10b2、オイルリング溝15とセカンドリング溝14との間の側周部をオイルランド10b3とする。円弧リング溝11は、本実施形態では正スラスト側のトップランド10b1に設けられる。
内燃機関1の膨張行程では、混合気が燃焼室101内で燃焼(爆発)することにより、ピストン10が下死点に向かって移動する。この時、ピストン10が受けるシリンダ軸線SL方向の力は最大となる。これに起因して、膨張行程における正スラスト力F1は、他の行程におけるスラスト力、すなわち吸気行程(正スラスト力F1)、圧縮行程(反スラスト力F2)、排気行程(反スラスト力F2)と比較して大きい。よって、ピストン側周部10bの正スラスト側及びピストンリング12aの正スラスト側の部位の少なくとも一方に作用する面圧は、膨張行程中が最も大きい。
円弧リング11aは、スラスト力のうち最も大きな膨張行程中の正スラスト力F1を受ける。よって、円弧リング11aは、シリンダ内壁面100aと接触しているピストンリング12aに作用する面圧(正スラスト力F1)を好適に抑制できる。また、吸気行程中の正スラスト力F1も受けるので、その結果、円弧リング11aは、ピストンリング12aに作用する面圧を抑制できる。
図3は、本実施形態に係るピストンが傾倒している様子を示す図である。図3に示すように、ピストン10は、膨張行程及び吸気行程中、正スラスト側のトップランド10b1が、吸気通路115(図1参照)側へ傾倒する傾向がある。よって、膨張行程及び吸気行程において、正スラスト側のピストン側周部10bのうち、トップランド10b1の面圧が最も高くなる。最も面圧が高いスラスト側のトップランド10b1に円弧リング11aを設けることにより、好適にピストンリング12aの摩耗及びシリンダ内壁面100aの摩耗を抑制できる。
ここで、内燃機関において、内燃機関稼動時のピストンの熱分布は、通常ピストン頂部10aの近傍が最も高温となる。本実施形態では、円弧リング11aをピストン頂部10a近傍であるトップランド10b1に設けたので、最も高温となるトップランド10b1から、円弧リング11a及びシリンダ内壁面100aを介して、ピストン10に対して比較的低温なシリンダ100へ効率よく伝熱できる。
これにより、ピストン10の温度が低下するので、ピストン10の耐久性低下を抑制できる。さらに、ピストン10が必要とする熱容量が低下するので、ピストン10を軽量化できる。ピストン10を軽量化により、スラスト力が低減されるので、ピストン10や(特にピストンリング12a)とシリンダ内壁面100aとの間のフリクション低減による摩耗抑制、内燃機関1の出力向上、コスト削減の効果が期待できる。
また、従来ピストンは、往復運動中にトップリング13aを支点に揺動(スラップ)するが、円弧リング11aをトップランド10b1に設けることにより、ピストン10は、膨張行程及び吸気行程において円弧リング11aを支点として揺動する。つまり、トップリング13aよりもさらにピストン頂部10a側に揺動の支点が移動するので、ピストンの揺動を抑制できる。これにより、ピストン10から発生する騒音であるスラップ音を抑制できる。
図4は、本実施形態に係るピストンを示す図である。図4において、ピストン頂部10aよりもクランク室102側でシリンダ内壁面100aとトップリング13aとピストン側周部10bとによって形成される空間(図中、網掛け部)を以下トップランドクレビス18という。内燃機関1が動作するとき、トップランドクレビス18においては、火炎が伝播しにくい。つまり、トップランドクレビス18内の混合気は燃焼しにくい。よって排気ガス中の有害ガスであるHCが増加するおそれがある。本実施形態では、円弧リング11aをトップランド10b1に設けたことにより、トップランドクレビス18の容積が減少する。よって、未燃燃料を減少させ、排気ガス中のHCを抑制できる。
なお、円弧リング溝11は、正スラスト側のトップランド10b1に形成するのが好ましいが、ピストン側周部10b上に形成されていれば、ピストンリング12aの面圧を低減し、ピストン10は、ピストンリング溝12及びピストンリング12aの摩耗を抑制できる。また、ピストン10からシリンダ100への伝熱が促進されるので、ピストン10の耐久性向上、ピストン10の軽量化、ピストンリング12aとシリンダ内壁面100aとの間の摩耗抑制、内燃機関1の出力向上、コスト削減などの効果が期待できる。
図5は、本実施形態に係るピストン及び円弧リングを示す斜視図である。本実施形態では、円弧リング11aの中心角である円弧リング中心角θ11aは、例えばスカート部16のスカート部中心角θ16と同等に設定される。しかし、本実施形態は、これに限定されるものではなく、円弧リング中心角θ11aは、スカート部16のスカート部中心角θ16以上180度以下の範囲で適宜設定できる。
スラスト力のうち最も大きい正スラスト力F1を抑制するためには、円弧リング11aが、スラスト側のピストン側周部10bに設けられることが好ましい。これにより、最も必要な部位のみに円弧リング11aを設けるので、ピストン10の往復運動におけるフリクション増加を抑制できる。スラスト側以外のピストン側周部10bにも円弧リング11aが設けられると、ピストン10がシリンダ100内を往復運動するときに、円弧リング11aとシリンダ内壁面100aとの慴動面が増加し、ピストン10の往復運動におけるフリクションが増加するおそれがある。円弧リング11aの円弧リング中心角θ11aが、180度以下であれば、ピストン10の往復運動におけるフリクション増加を抑制しつつ、正スラスト力F1を抑制できる。これにより、ピストン10は、ピストンリング溝12及びピストンリング12aの摩耗を抑制できる。
スカート部16は、先述したようにスラスト力によるピストン10の傾倒を抑制するために設けられる。つまり、スカート部16のスカート部中心角θ16は、通常は、ピストン10の往復運動におけるフリクション増加を抑制しつつ、スラスト力を抑制できる大きさに設定されている。よって、円弧リング11aの円弧リング中心角θ11aが、スカート部16のスカート部中心角θ16以上であれば、正スラスト力F1を好適に抑制できる。正スラスト力F1の抑制により、ピストン10は、ピストンリング溝12及びピストンリング12aの摩耗を抑制できる。
円弧リング11aが嵌めこまれる円弧リング溝11の中心角である円弧リング溝中心角θ11は、円弧リング11aの中心角である円弧リング中心角θ11aよりも大きく設定される。
円弧リング溝11の円弧リング溝中心角θ11を、円弧リング11aの円弧リング中心角θ11aよりも大きく設定することにより、円弧リング11aの両端部のうち、少なくとも一方が、円弧リング溝11の端部に接触しない。これにより、円弧リング11aの両端部のうち、一方もしくは両方が、円弧リング溝11の端部を攻撃しない。換言すると、円弧リング11aの両端部が、円弧リング溝11の両端部を同時に攻撃することはない。また、円弧リング溝11の両端部のうち、一方もしくは両方が、円弧リング11aの端部を攻撃しない。換言すると、円弧リング溝11の両端部が、円弧リング11aの両端部を同時に攻撃することはない。よって、円弧リング11a及び円弧リング溝11の摩耗を抑制できる。
さらに、ピストン10の温度(特に円弧リング溝11近傍の基材の温度)及び円弧リング11aの温度がピストン10及び円弧リング11aの使用環境下における最高温度の時、円弧リング溝11の円弧リング溝中心角θ11は、円弧リング11aの円弧リング中心角θ11aより大きく設定するのが好ましい。この構成により、ピストン10の温度及び円弧リング11aの温度が、高温であっても、同様に円弧リング11a及び円弧リング溝11の摩耗を抑制できる。
以上、本実施形態に係るピストン10は、シリンダ100内を往復運動するピストンにおいて、流体の圧力を受けるピストン頂部10aと、ピストン頂部10aに設けられるピストン側周部10bと、ピストン側周部10bに形成されて、ピストンリング12aが嵌め込まれるピストンリング溝12と、ピストン側周部10bに形成されて、円弧状のリングである円弧リング11aが嵌め込まれる円弧リング溝11と、を備えることを特徴とする。
上記構成により、ピストン10が円弧リング11a備えるので、ピストン10とシリンダ内壁面100aとの接触面積が増えることに起因し、ピストンリング12aが負担するスラスト力(面圧)が低減し、ピストン10は、ピストンリング溝12及びピストンリング12aの摩耗を抑制できる。
また、ピストン10とシリンダ内壁面100aとの接触面積が増えることに起因し、ピストン10の熱がピストンリング12a及びシリンダ内壁面100aを介してピストン10と比較して低温なシリンダ100へ伝熱しやすくなる。よって、ピストンリング溝12の摩耗、ピストンリング12aの摩耗、ピストン10の耐久性が向上する。また、熱がピストン10からシリンダ100へ伝熱しやすくなることにより、ピストン10が必要とする熱容量が減少するので、ピストン10を軽量化できる。軽量化により、ピストンリング12aとシリンダ内壁面100aとの間の摩耗抑制、内燃機関1の出力向上、コスト削減などの効果がさらに期待できる。
本実施形態では、円弧リング溝11は、ピストン10をコネクティングロッド111と連結するピストンピン17aの中心軸であるピストンピン軸線PLを含み、かつピストン頂部10aと直交する面により分けられる2つの側周部のうち、ピストン10の往復運動中に、より大きな力が負荷される方(正スラスト側)に形成されることが望ましい。
上記構成により、円弧リング溝11は、ピストンリング12aの面圧を低下するのに必要な部位に円弧リング11aを設けるので、ピストン側周部10bの全周に円弧リング11aを設けなくてもよい。これによって、ピストン10の往復運動におけるフリクションを抑制しつつ、ピストンリング溝12及びピストンリング12aの摩耗ならびにシリンダ内壁面100aの摩耗を抑制できる。
本実施形態では、ピストン側周部10bは、ピストン10の往復運動中にピストン10が傾倒するのを抑制するスカート部16を有し、円弧リング11aの円弧リング中心角θ11aは、スカート部16のスカート部中心角θ16以上、180度以下の範囲であることが望ましい。
上記構成により、円弧リング11aの円弧リング中心角θ11aが、180度以下であれば、ピストン10の往復運動におけるフリクション増加を抑制しつつ、正スラスト力F1を抑制できる。これにより、ピストンリング溝12及びピストンリング12aの摩耗を抑制できる。また、円弧リング11aの円弧リング中心角θ11aが、スカート部16のスカート部中心角θ16以上であれば、正スラスト力F1を抑制できる。よって、ピストンリング溝12及びピストンリング12aの摩耗を抑制できる。
本実施形態では、円弧リング溝11は、ピストンリング溝12のうち最もピストン頂部10a側のピストンリング溝12であるトップリング溝13と、ピストン頂部10aとの間におけるピストン側周部10bであるトップランド10b1に形成されることが望ましい。
上記構成により、最も面圧が高いスラスト側のトップランド10b1に円弧リング11aを設けたので、好適にピストンリング12aの摩耗及びシリンダ内壁面100aの摩耗を抑制できる。また、高温部であるトップランド10b1から、ピストン10に対して比較的低温なシリンダ100へ円弧リング11a及びシリンダ内壁面100aを介して好適に熱を伝達できる。これにより、ピストン10の温度が低下するので、ピストン10の耐久性が向上する。
さらに、ピストン10が必要とする熱容量が低下するので、ピストン10を軽量化できる。その結果、ピストン10(特にピストンリング12a)とシリンダ内壁面100aとの間のフリクション低減による摩耗抑制、内燃機関1の出力向上、コスト削減の効果が期待できる。さらに、トップリング13aよりもさらにピストン頂部10a側にピストン10が揺動する際の支点が移動するので、ピストンの揺動を抑制できる。これにより、ピストン10から発生する騒音であるスラップ音を抑制できる。
本実施形態では、ピストン10の温度及び円弧リング11aの温度がピストン10及び円弧リング11aの使用環境下における最高温度の時、円弧リング溝11の円弧リング溝中心角θ11は、円弧リング11aの円弧リング中心角θ11aより大きいことが望ましい。
上記構成により、円弧リング11aの両端部のうち、一方もしくは両方が、円弧リング溝11の端部を攻撃しない。また、円弧リング溝11の両端部のうち、一方もしくは両方が、円弧リング11aの端部を攻撃しない。よって、円弧リング11a及び円弧リング溝11の摩耗を抑制できる。
(実施形態2)
図6は、本実施形態に係るピストンの構成を模式的に示す斜視図である。本実施形態に係る内燃機関2が備えるピストン20は、上述した実施形態1に係るピストン10とほぼ同様の構成であるが、本実施形態に係るピストン20は、弾性部材としてのコイルバネ21を介して、円弧リング10aは、円弧リング溝10bに装着される点で、実施形態1に係るピストン10と異なる。なお、上述の実施形態と同一の構成は、同一の符号を付す。
図6に示すように、ピストン20は、弾性部材としてのコイルバネ21を介して、円弧リング溝10bに装着されるここで、円弧リング11aの周方向の両端面を円弧リング端面11ac、円弧リング11aが円弧リング溝11に装着されるとき、円弧リング端面11acと対向する円弧リング溝11の端面を円弧リング溝端面11cとする。また、円弧リング溝11の溝底を円弧リング溝底11bとし、円弧リング11aが円弧リング溝11に嵌め込まれたときに、円弧リング溝底11bと対向する円弧リング11aの内側面を円弧リング内側面11abとする。
コイルバネ21は、例えば、円弧リング11aの両端の円弧リング端面11acにそれぞれ1個ずつ、合計2個固定される。円弧リング11aが円弧リング溝11に嵌め込まれたとき、コイルバネ21は、円弧リング端面11acと、円弧リング溝端面11cとの空隙にそれぞれ設けられ、互いに円弧リング11aを周方向に押圧する。
ここで、通常のピストンリングは、自己張力により、ピストンリング自身をシリンダ内壁面100a(図1参照)に押圧している。しかしながら、本実施形態に係る円弧リング11aの円弧リング中心角θ11aは、180度以下である。よって、通常のピストンリングと比較し、ピストンリング自身をシリンダ内壁面100aに押圧する力が弱い。加えて、円弧リング11aの自己張力は、円弧リング11aの両端部近傍が最も強くなり(図中、張力F4、張力F5)、円弧リング11aの両端部近傍が偏摩耗しやすい。
本実施形態において、円弧リング11aは、その両端部である円弧リング端面11acに、コイルバネ21から円弧リング11aの周方向に押圧力を受ける。これにより、円弧リング11aを円弧リング溝底11bから遠ざける方向の力(図中、押圧力F3)が、円弧リング11aの周方向における中心近傍に働く。これにより、円弧リング11aに働く力の分布が均一化され、円弧リング11aの両端部近傍の偏摩耗を抑制できる。また、押圧力F3が、円弧リング11aに加わるので、円弧リング11aのコンプレッションリングとしての機能が向上し、燃焼室101(図1参照)から、クランク室102(図1参照)へ抜ける燃焼ガス、もしくは、クランク室102(図1参照)から燃焼室101(図1参照)へ抜けるガスを抑制できる。
さらに、ピストン20は、円弧リング11aの両端部である円弧リング端面11acと円弧リング溝端面11cとの空隙に、弾性部材としてのコイルバネ21を有するので、円弧リング端面11acと円弧リング溝端面11cとが互いに攻撃し合う現象をコイルバネ21が緩和する。これにより、円弧リング端面11acと円弧リング溝端面11cとの間で発生する摩耗を抑制できる。
なお、本実施形態では、コイルバネ21は、円弧リング端面11acに固定されるものとしたが、円弧リング溝端面11cに固定されてもよく、また円弧リング端面11ac及び円弧リング溝端面11cの両方に固定されていてもよい。
図7は、本実施形態に係る他のピストンの構成を模式的に示す斜視図である。上述したように、本実施形態では、円弧リング端面11acと円弧リング溝端面11cとの空隙にコイルバネ21を、それぞれ1個ずつ合計2個設けた。しかし、本実施形態においては、円弧リング11aを円弧リング溝底11bから遠ざける方向の押圧力F3を円弧リング11aの周方向における中心近傍に働かせる位置であれば、コイルバネ21の設置位置及び個数は上述したものに限定されない。
ここで、図7に示すように、コイルバネ21は、例えば、円弧リング溝底11bと円弧リング内側面11abとの空隙において、周方向の中心近傍に設けられる。これにより、コイルバネ21は、円弧リング11aを円弧リング溝底11bから遠ざける方向に押圧力F3を円弧リング11aの周方向の中心近傍に与える。これにより、ピストン10は、円弧リング11aの両端部近傍の偏摩耗を抑制できる。
また、円弧リング溝底11bと円弧リング内側面11abとの間で発生する互いへの攻撃をコイルバネ21が緩和するので、円弧リング溝底11b及び円弧リング内側面11abの摩耗を抑制できる。さらに、押圧力F3が円弧リング11aに加わるので、円弧リング11aのコンプレッションリングとしての機能が向上する。その結果、ピストン20は、燃焼室101(図1参照)から、クランク室102(図1参照)へ抜ける燃焼ガス、もしくは、クランク室102(図1参照)から燃焼室101(図1参照)へ抜ける燃焼ガスを抑制できる。
コイルバネ21は、円弧リング溝底11b及び円弧リング内側面11ab両方に固定されることが好ましい。これにより、円弧リング溝11内における円弧リング11aの周方向の動きが、コイルバネ21の伸縮可能範囲に規制されるので、円弧リング端面11acと円弧リング溝端面11cとの間で発生する互いへの攻撃をコイルバネ21が緩和する。これにより、円弧リング端面11acと円弧リング溝端面11cとの間で発生する摩耗を抑制できる。
なお、本実施形態では、弾性部材としてのコイルバネ21の材料は、耐熱性の金属が好ましいが、温度により形状が変化する形状記憶合金により構成されるとより好ましい。
コイルバネ21は、例えば、チタン−ニッケル系の形状記憶合金によって構成される。チタン−ニッケル系の形状記憶合金は、さらに任意の第3元素を加え、その第3元素の配合量を調整することにより、自身(形状記憶合金)の形状が変化する温度を任意に設定できる。よって、本実施形態では、所定の温度になると、コイルバネ21のバネ長(コイルバネ21の軸方向長さ)が変化し、押圧力F3が大きくなるように設定される。
図8は、機関回転数と本実施形態に係るコイルバネ21の押圧力F3との関係、ならびに機関回転数と燃焼室から、クランク室へ抜けるガス量及びオイル消費量との関係を示す図である。機関回転数が上昇すると、ピストンの温度及びシリンダの温度が上昇する。よって、通常は、機関回転数が上昇するとピストン及びシリンダの熱膨張係数の差異や、ピストン及びシリンダの熱変形により、ブローバイガス及びオイル消費が問題となる。具体的には、図8に示すように、ブローバイガス量及びオイル消費量は、機関回転数がおよそ3000回転を超えると、単位機関回転数あたりのブローバイガス量の増加量及びオイル消費量の増加量が大きくなる。よって、機関回転数が高回転のときほど、内燃機関は、コンプレッションリング及びオイルリングの張力(シリンダ内壁面を押圧する力)をより必要とする。
そこで、本実施形態に係るコイルバネ21は、機関回転数が3000回転のときの平均的なピストンの温度である150℃を境界として形状が変化する。つまり、図8に示すように、150℃近傍でコイルバネ21のバネ長が変化し、押圧力F3が大きくなるようコイルバネ21の材料である形状記憶合金を構成する。これにより、機関回転数がおよそ3000回転を超えると、円弧リング11aをシリンダ内壁面100aに押圧する押圧力F3が増加するので、ピストン20は、ブローバイガス及びオイル消費を抑制できる。特許請求の範囲に記載の所定の温度とは、コイルバネ21の形状が変化するときの温度である。
なお、本実施形態では、弾性部材としてコイルバネを用いたが、弾性部材であれば、例えば、板バネ、ゴムを利用してもよい。
以上、本実施形態に係るピストン20は、シリンダ100内を往復運動するピストンにおいて、流体の圧力を受けるピストン頂部10aと、ピストン頂部10aに設けられるピストン側周部10bと、ピストン側周部10bに形成されて、ピストンリング12aが嵌め込まれるピストンリング溝12と、ピストン側周部10bに形成されて、円弧状のリングである円弧リング11aが嵌め込まれる円弧リング溝11と、を備えることを特徴とする。
上記構成により、ピストン20が円弧リング11a備えるので、ピストン20とシリンダ内壁面100aとの接触面積が増えることに起因し、ピストンリング12aが負担するスラスト力(面圧)が低減し、ピストンリング溝12及びピストンリング12aの摩耗を抑制できる。
本実施形態では、円弧リング11aは、円弧リング溝11に弾性部材としてのコイルバネ21を介して装着され、コイルバネ21は円弧リング11aを、円弧リング溝11の溝底である円弧リング溝底11bから遠ざける方向に力を加えることが望ましい。
上記構成により、ピストン20は、円弧リング11aの両端部近傍の偏摩耗を抑制できる。また、円弧リング11aと円弧リング溝11との間で発生する互いへの攻撃をコイルバネ21が緩和するので、ピストン20は、円弧リング11a及び円弧リング溝11の摩耗を抑制できる。さらに、円弧リング11aがコンプレッションリングとして機能するので、ピストン20は、燃焼室101(図1参照)から、クランク室102(図1参照)へ抜けるガス、もしくは、クランク室102(図1参照)から燃焼室101(図1参照)へ抜けるガスを抑制できる。
本実施形態では、コイルバネ21は、形状記憶合金により形成され、所定の温度により形状が変化し、円弧リング11aを、円弧リング溝底11bから遠ざける方向の押圧力F3が変化することが望ましい。
上記構成により、コイルバネ21の温度が所定の温度を超えると、円弧リング11aをシリンダ内壁面100aに押圧する押圧力F3が増加するので、ピストン20は、燃焼室101(図1参照)から、クランク室102(図1参照)へ抜けるガス、もしくは、クランク室102(図1参照)から燃焼室101(図1参照)へ抜けるガス及びオイル消費を抑制できる。
以上のように、本発明に係るピストン及び内燃機関は、ピストンリングを備えるピストン及び内燃機関に有用であり、特にピストンリングの摩耗を抑制することに有用である。
実施形態1に係る内燃機関の模式的断面図である。 実施形態1に係るピストンの構成を模式的に示す斜視図である。 実施形態1に係るピストンが傾倒している様子を示す図である。 実施形態1に係るピストンを示す図である。 実施形態1に係るピストン及び円弧リングを示す斜視図である。 実施形態2に係るピストンの構成を模式的に示す斜視図である 実施形態2に係る他のピストンの構成を模式的に示す斜視図である。 機関回転数と実施形態2に係るコイルバネ21の押圧力F3との関係、ならびに機関回転数とブローバイガス量及びオイル消費量との関係を示す図である。
符号の説明
1、2 内燃機関
10、20 ピストン
10a ピストン頂部
10b ピストン側周部
10b1 トップランド
10b2 セカンドランド
10b3 オイルランド
11 円弧リング溝
11a 円弧リング
11ab 円弧リング内側面
11ac 円弧リング端面
11b 円弧リング溝底
11c 円弧リング溝端面
12 ピストンリング溝
12a ピストンリング
13 トップリング溝
13a トップリング
14 セカンドリング溝
14a セカンドリング
15 オイルリング溝
15a オイルリング
16 スカート部
17 ピストンピン穴
17a ピストンピン
18 トップランドクレビス
21 コイルバネ
100 シリンダ
100a シリンダ内壁面
101 燃焼室
102 クランク室
103 吸気ポート
104 排気ポート
105 インジェクタ
106 点火プラグ
107 クランクシャフト
SL シリンダ軸線
PL ピストンピン軸線
RD クランクシャフト回転方向
F1 正スラスト力
F2 反スラスト力
F3 押圧力
F4 張力
F5 張力
θ11 円弧リング溝中心角
θ11a 円弧リング中心角
θ16 スカート部中心角

Claims (8)

  1. シリンダ内を往復運動するピストンにおいて、
    流体の圧力を受ける頂部と、
    前記頂部に設けられる側周部と、
    前記側周部に形成されて、ピストンリングが嵌め込まれるピストンリング溝と、
    前記側周部に形成されて、円弧状のリングが嵌め込まれる円弧リング溝と、
    を備えることを特徴とするピストン。
  2. 前記円弧リング溝は、前記ピストンをコネクティングロッドと連結するピストンピンの中心軸を含み、かつ前記ピストン頂部と直交する面により分けられる2つの前記側周部のうち、前記ピストンの往復運動中に、より大きな力が負荷される方に形成されることを特徴とする請求項1に記載のピストン。
  3. 前記側周部は、前記ピストンが往復運動中に前記ピストンが傾倒するのを抑制するスカート部を有し、前記円弧リングの中心角は、前記スカート部の中心角以上180度以下の範囲であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のピストン。
  4. 前記円弧リング溝は、前記ピストン頂部と、前記ピストンリング溝のうち最も前記ピストン頂部側のピストンリング溝との間における前記側周部に形成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のピストン。
  5. 前記ピストンの温度及び前記円弧リングの温度が前記ピストン及び前記円弧リングの使用環境下における最高温度の時、前記円弧リング溝の中心角は、前記円弧リングの中心角より大きいことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のピストン。
  6. 前記円弧リングは、前記円弧リング溝に弾性部材を介して装着され、前記弾性部材は、前記円弧リングを前記円弧リング溝の溝底から遠ざける方向の力を加えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のピストン。
  7. 前記弾性部材は、所定の温度を境界として形状が変化する材料で形成されて、前記円弧リングを、前記円弧リング溝の溝底から遠ざける方向の前記力が変化することを特徴とする請求項6に記載のピストン。
  8. シリンダと、
    前記シリンダ内で往復運動する請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のピストンと、
    前記ピストンの往復運動を回転運動に変換するクランク軸と、
    を備えることを特徴とする内燃機関。
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