JP2008303983A - ベルト式無段変速機 - Google Patents

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政紀 志水
Takehito Hattori
勇仁 服部
Kazuya Arakawa
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Abstract

【課題】ベルトおよびプーリの摩耗量の減少、あるいはベルト式無段変速機の伝達効率の向上の少なくともいずれか一方を図ることができるベルト式無段変速機を提供すること。
部品点数の削減を図ることができるベルト式無段変速機を提供すること。
【解決手段】ベルト式無段変速機1−1は、2つのプーリを備え、プライマリプーリ2に伝達された内燃機関からの駆動力を金属製のエレメントで構成されたベルト4を介してセカンダリプーリ3に伝達する。プライマリプーリ2と接触する前の各エレメントと対向する位置に磁力を発生する磁力発生装置5−1を配置する。磁力発生装置5−1は、各エレメント41に磁力を与えることで、各エレメントのヨー方向における回転姿勢をプライマリプーリ2中における各エレメントの回転姿勢が悪くならないように、矯正する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ベルト式無段変速機に関し、特に金属製のベルトを備えるベルト式無段変速機に関するものである。
一般に、車両には、駆動源である内燃機関や電動機が発生する駆動力を車両の走行状態に応じた最適の条件で路面に伝達するために、駆動源の出力側に変速機が設けられている。変速機には、変速比を無段階(連続的)に制御する無段変速機と、変速比を段階的(不連続)に制御する有段変速機とがある。ここで、無段変速機には、例えば特許文献1に示すように、金属製の金属ベルトを用いたベルト式無段変速機がある。
特許文献1に示すような従来のベルト式無段変速機は、入力側のプーリであるプライマリプーリ(ドライブプーリ)と、出力側のプーリであるセカンダリプーリ(ドリブンプーリ)と、プライマリプーリとセカンダリプーリとに巻き掛けられたベルト(金属ベルト)とを備える。従来のベルト式無段変速機は、ベルトを介して、プライマリプーリからセカンダリプーリに駆動力を伝達する。そして、ベルトのプライマリプーリおよびセカンダリプーリに対する接触半径を変化させることで変速比を変更するものである。なお、上記特許文献1に示す従来のベルト式無段変速機では、ベルトの進行方向に対して垂直方向に磁力を発生させる磁力発生装置(磁力発生器)により、ベルトの振動を十分に低減させ、ベルトとプーリとの接触時に発生する振動を十分に抑制するものである。
また、ベルト式無段変速機では、プライマリプーリおよびセカンダリプーリがベルト挟圧力を発生することで、ベルトを構成するエレメントとプライマリプーリおよびセカンダリプーリとの接触面に面圧が発生する。ベルト式無段変速機では、発生した面圧によりエレメントとプライマリプーリおよびセカンダリプーリとの接触面において発生する摩擦力が発生し、ベルトにより、駆動源が発生する駆動力の伝達が行われる。ベルト式無段変速機による駆動力の伝達効率の向上を図るために、例えば特許文献2に示すように、磁石によりエレメント(ベルト)、プライマリプーリおよびセカンダリプーリを磁化し、エレメントとプライマリプーリおよびセカンダリプーリとの接触面において磁気摩擦力を発生させるベルト式無段変速機が提案されている。
特開2004−060691号公報 特開平7−83299号公報
ところで、プーリ中のエレメントの姿勢が悪い、例えばエレメントがプーリに対して片当たりしていると、エレメントとプーリと接触面に発生する面圧が極端に増加する。特に、変速比が最大、すなわちγmaxにおいては、フルスリップを防止するため、プライマリプーリのベルト挟圧力が増加し、エレメントとプーリとの接触面に発生する面圧が大きいため、エレメントとプーリと接触面に発生する面圧がさらに極端に増加する虞がある。
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ベルトおよびプーリの摩耗量の減少を図ることができるベルト式無段変速機を提供することを目的とするものである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明では、2つのプーリを備え、入力側のプーリに伝達された駆動源からの駆動力を金属製のエレメントで構成されたベルトを介して出力側のプーリに伝達するベルト式無段変速機において、入力側のプーリあるいは出力側のプーリの少なくともいずれか一方と接触する前のエレメントと対向する位置に配置され、磁力を発生する磁力発生装置を備え、磁力発生装置は、エレメントに磁力を与えることで、エレメントの姿勢を矯正することを特徴とする。
本発明によれば、磁力発生装置は、入力側のプーリあるいは出力側のプーリの少なくともいずれか一方と接触する前のエレメントの姿勢を磁力により変化させることができる。つまり、磁力発生装置は、プーリ中のエレメントの姿勢が悪くならないように、事前にエレメントの姿勢を矯正することができる。従って、エレメントがプーリと接触した際に、エレメントとプーリとの接触面に発生する面圧の極端な増加を抑制することができる。
また、本発明では、上記ベルト式無段変速機において、磁力発生装置は、発生する磁力を変化させる電磁石を備えることを特徴とする。
また、本発明では、上記ベルト式無段変速機において、磁力発生装置は、ベルト式無段変速機の変速比に基づいて、発生する磁力を変化させることを特徴とする。
本発明によれば、ベルト式無段変速機の変速比に基づいて、発生する磁力を変化させることができる。ここで、磁力発生装置によりエレメントに与えられる磁力は、磁力発生装置が同一の磁力を発生しても、変速機の変速比に基づいて、磁力発生装置とエレメントとの距離が変化するため変化する。しかしながら、本発明では、例えば変速機の変速比に基づいて磁力発生装置とエレメントとの距離が増加した場合は、磁力発生装置が発生する磁力を増加する。従って、磁力発生装置が発生する磁力を変化させることで、変速機の変速比に拘わらずエレメントに与えられる磁力を一定とすることができ、変速機の変速比に拘わらずプーリ中のエレメントの姿勢が悪くならないように、事前にエレメントの姿勢を矯正することができる。これにより、エレメントとプーリとの接触面に発生する面圧の極端な増加を抑制することができる。
また、本発明では、上記ベルト式無段変速機において、エレメントの姿勢を検出する姿勢検出手段を備え、磁力発生装置は、検出されたエレメントの姿勢に基づいて、発生する磁力を変化させることを特徴とする。
また、本発明では、上記ベルト式無段変速機において、姿勢検出手段は、エレメントの通過を検出する2以上のギャップセンサであり、エレメントの姿勢は、各ギャップセンサにより検出されたエレメントの通過時間差に基づいたものであることを特徴とする。
本発明によれば、姿勢検出手段により検出されたエレメントの姿勢、例えば各ギャップセンサにより検出されたエレメントの通過時間差に基づいたエレメントの回転姿勢、すなわちエレメントのヨー方向やピッチ方向などにおける回転姿勢がプーリ中で悪くならないように、事前にエレメントの回転姿勢を矯正することができる。これにより、エレメントとプーリとの接触面に発生する面圧の極端な増加を抑制することができる。
また、本発明では、上記ベルト式無段変速機において、磁力発生装置は、出力側のプーリと接触する前のエレメントと対向する位置に配置される場合、ベルト式無段変速機の被駆動時に磁力を発生することを特徴とする。
本発明によれば、被駆動時、すなわち出力側のプーリに伝達された被駆動力を金属製のエレメントで構成されたベルトを介して入力側のプーリに伝達する際に、出力側のプーリと接触する前のエレメントの姿勢を磁力により変化させることができる。従って、被駆動時においてエレメントが出力側のプーリと接触した際に、エレメントと出力側のプーリとの接触面に発生する面圧の極端な増加を抑制することができる。
また、本発明では、上記ベルト式無段変速機において、エレメントを隣り合うエレメントが反発するように磁化することを特徴とする。
また、本発明では、2つのプーリを備え、入力側のプーリに伝達された駆動源からの駆動力を金属製のエレメントで構成されたベルトを介して出力側のプーリに伝達するベルト式無段変速機において、エレメントを隣り合うエレメントが反発するように磁化することで、エレメントの姿勢を矯正することを特徴とする。
本発明によれば、入力側のプーリあるいは出力側のプーリの少なくともいずれか一方と接触する前のエレメントは、エレメントが磁化されていることで隣り合うエレメントが反発するため、隣り合うエレメントの姿勢と同じ(ほぼ同じを含む)姿勢となる。つまり、入力側のプーリあるいは出力側のプーリの少なくともいずれか一方と接触する前の磁化されたエレメントは、プーリ中のエレメントの姿勢が悪くならないように、事前に隣り合うエレメントと反発することで姿勢が矯正される。従って、磁化されたエレメントがプーリと接触した際に、エレメントとプーリとの接触面に発生する面圧の極端な増加を抑制することができる。
本発明にかかるベルト式無段変速機は、エレメントとプーリとの接触面に発生する面圧の極端な増加を抑制することができるという効果を奏する。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施の形態により、この発明が限定されるものではない。また、下記の実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。ここで、下記の実施の形態における軸トルク検出装置および異常検出装置は、ベルト式無段変速機に備えられるものである。また、下記の実施の形態では、駆動源として、内燃機関(ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、LPGエンジンなど)を用いるが、これに限定されるものではなく、モータなどの電動機を駆動源としても良い。また、内燃機関と電動機とを併用して、いずれかを駆動源としても良い。
[実施の形態1]
図1は、ベルト式無段変速機の構成例を示す図である。図2は、実施の形態1にかかるベルト式無段変速機を示す図である。図3は、ベルトの構成例を示す図である。図4は、実施の形態1にかかる磁力発生装置の構成例を示す図である。実施の形態1にかかるベルト式無段変速機1−1は、図1に示すように、駆動源である内燃機関100の駆動力が入力され、入力された内燃機関100の駆動力を所定の変速比で、車輪160,160に伝達するものである。なお、図2は、ベルト式無段変速機1−1の変速比が最大、すなわちγmaxの際における図である。
内燃機関100の駆動力は、クランクシャフト101を介してトルクコンバータ110に伝達される。トルクコンバータ110は、発進機構であり、内燃機関100の駆動力を所定のトルク比で前後進切替機構120に伝達するものである。前後進切替機構120は、伝達された内燃機関100の駆動力の伝達方向を切り替えるものであり、これによりベルト式無段変速機1−1が搭載された車両が前進あるいは後進をする。前後進切替機構120で伝達方向が決定された内燃機関100の駆動力は、ベルト式無段変速機1−1に伝達される。なお、トルクコンバータ110の制御、例えばロックアップのON/OFF制御および前後進切替機構120の制御、すなわち駆動力の伝達方向の切替制御は、油圧制御回路7から供給される油圧が用いられる。これらの制御を行うための油圧制御回路7の油圧制御は、制御装置6により行われる。
ベルト式無段変速機1−1で変速比が所定の変速比に変更された内燃機関100の駆動力は、ベルト式無段変速機1−1の後述するセカンダリプーリ3のセカンダリプーリ軸31を介して動力伝達経路130に伝達される。動力伝達経路130は、ベルト式無段変速機1−1と最終減速機140とを連結するものである。動力伝達機構130に伝達された内燃機関100の駆動力は、最終減速機140に伝達され、最終減速機140と車輪160,160とを連結するドライブシャフト150,150を介して、車輪160,160に伝達される。
ベルト式無段変速機1−1は、図1〜図3に示すように、プライマリプーリ2と、セカンダリプーリ3と、ベルト4と、磁力発生装置5−1と、制御装置6と、油圧制御回路7と、入力軸回転数センサ8と、出力軸回転数センサ9とにより構成されている。なお、10は、内燃機関100の運転制御を行うECU(Engine Control Unit)である。ECU10は、内燃機関100が搭載された車両の各所に取り付けられたセンサから入力された各種入力信号と、図示しない記憶部に記憶されている各種マップとに基づいて内燃機関100の運転制御、例えば図示しない燃料噴射弁の噴射制御、スロットルバルブのスロットル開度制御、点火プラグの点火制御などを行うものである。ECU10の構成は、既に公知のものであるため説明を省略する。また、11は、パーキングギヤである。
プライマリプーリ2は、入力側のプーリであり、前後進切替機構120を介して伝達された内燃機関100からの駆動力をベルト4により、出力側のプーリであるセカンダリプーリ3に伝達するものである。プライマリプーリ2は、図1に示すように、プライマリプーリ軸21と、プライマリ固定シーブ22と、プライマリ可動シーブ23と、プライマリプーリ2にベルト挟圧力を発生させることでベルト式無段変速機1−1の変速比を変更するプライマリ油圧室24とにより構成されている。
プライマリプーリ軸21は、軸受25,26により回転可能に支持されている。また、プライマリプーリ軸21は、内部に図示しない作動油通路を有している。作動油通路は、油圧制御回路7に接続されており、油圧制御回路7からプライマリ油圧室24に供給される作動油が流入する。
プライマリ固定シーブ22は、プライマリ可動シーブ23と対向する位置に、プライマリプーリ軸21と一体回転するように設けられている。ここでは、プライマリ固定シーブ22は、プライマリプーリ軸21の外周から径方向外側に突出する環状部として形成されている。つまり、実施の形態1では、プライマリ固定シーブ22は、プライマリプーリ軸21の外周に一体的に設けられている。
プライマリ可動シーブ23は、プライマリプーリ軸21にプライマリプーリ軸21上を軸方向に摺動可能にスプライン嵌合されている。つまり、プライマリ可動シーブ23は、プライマリプーリ軸21に対して軸方向に移動自在に支持されている。プライマリ固定シーブ22とプライマリ可動シーブ23との間、すなわちプライマリ固定シーブ22のプライマリ可動シーブ23に対向する面と、プライマリ可動シーブ23のプライマリ固定シーブ22と対向する面との間で、V字形状のプライマリ溝27が形成されている。プライマリ溝27には、無端であるベルト4が巻き掛けられている。つまり、ベルト4は、プライマリ固定シーブ22とプライマリ可動シーブ23との間に挟み込まれている。
プライマリ油圧室24は、プライマリ可動シーブ23のプライマリ固定シーブ22と対向する面と反対側の背面23aと、プライマリプーリ軸21に固定されたリング形状のプライマリ隔壁28とに構成されている。プライマリ可動シーブ23の背面23aには、軸方向の一方向に突出、すなわちプライマリ固定シーブ23側に突出する円筒形状の突出部23bが形成されている。突出部23bとプライマリ隔壁28との間には、例えばシールリングなどの図示しないプライマリ油圧室用シール部材が設けられている。つまり、プライマリ油圧室24を構成するプライマリ可動シーブ23の背面23aとプライマリ隔壁28とは、シール部材によりシールされている。なお、軸受26およびプライマリ隔壁28は、ロックナット29により、プライマリプーリ軸21に対して固定されている。
プライマリ油圧室24には、プライマリプーリ軸21の図示しない作動油通路に流入した作動油が供給される。つまり、油圧制御回路7は、プライマリ油圧室24に作動油を供給し、プライマリ油圧室24の油圧により、プライマリ可動シーブ23を軸方向に摺動させ、プライマリ可動シーブ23をプライマリ固定シーブ22に対して接近あるいは離隔させるものである。プライマリ油圧室24は、プライマリ油圧室24に供給される作動油により、プライマリ可動シーブ23を軸方向に押圧する可動シーブ押圧力をプライマリ可動シーブ23に作用させることで、プライマリ溝27に巻き掛けられるベルト4に対するベルト挟圧力を発生させる。つまり、プライマリプーリ2は、プライマリ油圧室24の油圧によりベルト4に対してベルト挟圧力を発生させ、発生したベルト挟圧力により、プライマリ可動シーブ23のプライマリ固定シーブ22に対する軸方向位置を変更するものである。これにより、プライマリ油圧室24は、ベルト式無段変速機1−1の変速比を変更させる機能を有するものである。
セカンダリプーリ3は、図1に示すように、出力側のプーリであり、ベルト4によりプライマリプーリ2に伝達された内燃機関100からの出力トルクを動力伝達経路130、最終減速機140、ドライブシャフト150,150を介して車輪160,160に伝達するものである。セカンダリプーリ3は、セカンダリプーリ軸31と、セカンダリ固定シーブ32と、セカンダリ可動シーブ33と、セカンダリプーリ3にベルト挟圧力を発生させることで、ベルト4の張力を調整するセカンダリ油圧室34とにより構成されている。
セカンダリプーリ軸31は、プーリ軸受35,36により回転可能に支持されている。また、セカンダリプーリ軸31は、内部に図示しない作動油通路を有している。作動油通路は、油圧制御回路7に接続されており、油圧制御回路7からセカンダリ油圧室34に供給される作動油が流入する。
セカンダリ固定シーブ32は、セカンダリ可動シーブ33と対向する位置にセカンダリプーリ軸31と一体回転するように設けられている。ここでは、セカンダリ固定シーブ32は、セカンダリプーリ軸31の外周から径方向外側に突出する環状部として形成されている。つまり、実施の形態1では、セカンダリ固定シーブ32は、セカンダリプーリ軸31の外周に一体的に設けられている。
セカンダリ可動シーブ33は、セカンダリプーリ軸31にセカンダリプーリ軸31上を軸方向に摺動可能にスプライン嵌合されている。つまり、セカンダリ可動シーブ33は、セカンダリプーリ軸31に対して軸方向に移動自在に支持されている。セカンダリ固定シーブ32とセカンダリ可動シーブ33との間、すなわちセカンダリ固定シーブ32のセカンダリ可動シーブ33に対向する面と、セカンダリ可動シーブ33のセカンダリ固定シーブ32と対向する面との間で、V字形状のセカンダリ溝37が形成されている。セカンダリ溝37には、ベルト4が巻き掛けられている。つまり、ベルト4は、セカンダリ固定シーブ32とセカンダリ可動シーブ33との間に挟み込まれている。
セカンダリ油圧室34は、セカンダリ可動シーブ33のセカンダリ固定シーブ32と対向する面と反対側の背面33aと、セカンダリプーリ軸31に固定されたリング形状のセカンダリ隔壁38とに構成されている。セカンダリ可動シーブ33の背面33aには、軸方向の一方向に突出、すなわちセカンダリ固定シーブ32側に突出する円筒形状の突出部33bが形成されている。突出部33bとセカンダリ隔壁38との間には、例えばシールリングなどの図示しないセカンダリ油圧室用シール部材が設けられている。つまり、セカンダリ油圧室34を構成するセカンダリ可動シーブ33の背面33aとセカンダリ隔壁38とは、シール部材によりシールされている。なお、軸受35およびセカンダリ隔壁38は、ロックナット39aにより、セカンダリプーリ軸31に対して固定されている。また、軸受36およびパーキングギヤ11は、ロックナット39bにより、セカンダリプーリ軸31に対して固定されている。
セカンダリ油圧室34には、セカンダリプーリ軸31の図示しない作動油通路に流入した作動油が供給される。つまり、油圧制御回路7は、セカンダリ油圧室34に作動油を供給し、セカンダリ油圧室34の油圧により、セカンダリ可動シーブ33を軸方向に摺動させ、セカンダリ可動シーブ33をセカンダリ固定シーブ32に対して接近あるいは離隔させるものである。セカンダリ油圧室34は、セカンダリ油圧室34に供給される作動油により、セカンダリ可動シーブ33を軸方向に押圧する可動シーブ押圧力をセカンダリ可動シーブ33に作用させることで、セカンダリ溝37に巻き掛けられるベルト4に対するベルト挟圧力を発生させる。つまり、セカンダリプーリ3は、セカンダリ油圧室34の油圧によりベルト4に対してベルト挟圧力を発生させ、発生したベルト挟圧力により、セカンダリ可動シーブ33のセカンダリ固定シーブ32に対する軸方向位置を変更するものである。これにより、セカンダリ油圧室34は、ベルト4のプライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3に対する接触半径を一定に維持し、ベルト4の張力を調整する機能を有するものである。なお、セカンダリプーリ3には、ベルト4に対してベルト挟圧力を発生する手段として、セカンダリ油圧室34のみならずトルクカムを備えていても良い。
ベルト4は、無端ベルトである。ベルト4は、図2および図3に示すように、複数のエレメント41と、一対のリング42,43とにより構成されている。各エレメント41は、金属製であり、エレメント41の両側面がプライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3と接触するフランク面41a,41aとして形成されている。また、各エレメント41は、隣り合うエレメント41と対向する両対向面にそれぞれ、ピン41bと図示しないピン穴が形成されている。隣り合うエレメント41は、一方のエレメント41のピン41bが他方のエレメント41のピン穴に挿入されることで、一方のエレメント41が他方のエレメント41を押圧することができる。一対のリング42,43は、各エレメント41を挟み込むものである。ここで、各エレメント41は、一対のリング42,43により完全に固定されておらず、一対のリング42,43および隣り合うエレメント41に対してある程自由度が与えられている。つまり、ベルト4における各エレメント41の姿勢は、一定ではなく、変化することができる。
磁力発生装置5−1は、磁力発生装置5−1と対向する各エレメント41に向けて磁力を発生するものである。磁力発生装置5−1は、実施の形態1では、永久磁石である。磁力発生装置5−1は、図2に示すように、入力側のプーリであるプライマリプーリ2と接触する前のエレメント41と対向する位置に配置されている。ここで、磁力発生装置5−1は、ベルト式無段変速機1−1の変速比が変化しても、プライマリプーリ2およびベルト4と接触しない位置に配置されている。磁力発生装置5−1は、実施の形態1では、ベルト式無段変速機1−1の変速比が最大、すなわちγmaxの際に、プライマリプーリ2と接触する前のエレメント41と最も接近して対向する位置に配置されている。つまり、磁力発生装置5−1は、発生した磁力によってプライマリプーリ2と接触する前の各エレメント41に与える磁力がγmaxにおいて最大となる位置に配置されている。なお、磁力発生装置5−1は、例えばプライマリプーリ2とベルト4との接触面を潤滑する潤滑油を供給する供給装置などを介してプライマリプーリ2に固定されている。
また、磁力発生装置5−1は、図4に示すように、各エレメント41の姿勢、実施の形態1では、各エレメント41のヨー方向(エレメント41の平面視における回転方向(同図に示すA方向))における回転姿勢を変化させることができる。磁力発生装置5−1は、永久磁石であるため、常に磁力を発生する。磁力発生装置5−1が発生する磁力は、プライマリプーリ2中、すなわちプライマリプーリ2と接触した際の各エレメント41のヨー方向における回転姿勢が悪くならないように、プライマリプーリ2と接触する前の各エレメント41の回転姿勢を矯正することができる磁力を各エレメント41に与えるものである。例えば、磁力発生装置5−1が磁力を発生すると、プライマリプーリ2と接触する前の各エレメント41のヨー方向における回転姿勢を、プライマリプーリ2中におけるベルト4の進行方向Bに対して各エレメント41が傾かないように、すなわち両フランク面41a,41aが進行方向Bと平行となるように矯正する磁力を磁力発生装置5−1と対向する各エレメント41に与えることができる。
制御装置6は、ベルト式無段変速機1−1の駆動を制御、特に変速比を制御するものである。制御装置6は、油圧制御回路7と接続されており、油圧制御回路7の油圧制御を行うことで、プライマリ油圧室24の油圧およびセカンダリ油圧室34の油圧を調整する。従って、制御装置6は、プライマリプーリ2におけるベルト挟圧力およびセカンダリプーリ3におけるベルト挟圧力を調整し、プライマリプーリ2の回転数である入力軸回転数と、セカンダリプーリ3の回転数である出力軸回転数との比である変速比を制御するものである。ここで、制御装置6は、入力軸回転数センサ8により検出された入力軸回転数と、出力軸回転数センサ9により検出された出力軸回転数との比から検出された実際の変速比に基づいて、内燃機関100の運転状態に応じて決定された目標変速比に対するフィードバック制御が行われる。また、制御装置6は、ECU10と接続されており、ECU10から内燃機関100に供給される燃料の燃料供給量や、内燃機関100に空気を導入する図示しない吸気経路の圧力、内燃機関100の機関回転数、上記スロットル開度などが入力される。なお、制御装置6の構成は、既に公知であるトランスミッションコントロールコンピュータの構成と同様のものであるため説明を省略する。
次に、実施の形態1にかかるベルト式無段変速機1−1の動作について説明する。内燃機関100がECU10により運転制御されると、内燃機関100が発生した駆動力により、ベルト式無段変速機1−1が駆動する。また、ベルト式無段変速機1−1は、内燃機関100の運転状態に応じて制御装置6により変速比が変更される。具体的には、図2に示すように、プライマリプーリ2は、プライマリプーリ軸21に伝達された内燃機関100からの駆動力により、同図の矢印C方向に回転する。このとき、プライマリ油圧室24の油圧によりプライマリプーリ2がベルト4に対してベルト挟圧力を発生している。従って、プライマリ溝27に巻き掛けられたベルト4は、プライマリプーリ2と接触している各エレメント41の両両フランク面41a,41aとの接触面に発生する面圧により、プライマリプーリ2と各エレメント41との接触面において発生する摩擦力により、進行方向Bに移動する。
ここで、プライマリプーリ2と接触する前の各エレメント41は、ベルト4が進行方向Bに移動することで、プライマリプーリ2と接触する前に、磁力発生装置5−1と対向することとなる。上述のように、磁力発生装置5−1は、ヨー方向における各エレメント41の回転姿勢がプライマリプーリ2中に悪くならないように、各エレメント41を矯正することができる磁力を与えることができる。従って、図4のDに示すように、磁力発生装置5−1と対向した各エレメント41は、磁力発生装置5−1が発生する磁力により、ヨー方向における回転姿勢が矯正される。つまり、各エレメント41のヨー方向における回転姿勢は、プライマリプーリ2と接触する前に事前に矯正される。これにより、プライマリプーリ2中の各エレメント41のヨー方向における回転姿勢が悪くなることを抑制することができる。これにより、各エレメント41がプライマリプーリ2と接触した際に、各エレメント41とプライマリプーリ2との接触面に発生する面圧の極端な増加を抑制することができる。
セカンダリ油圧室34の油圧によりセカンダリプーリ3がベルト4に対してベルト挟圧力を発生している。従って、セカンダリ溝37に巻き掛けられたベルト4は、セカンダリプーリ3と接触している各エレメント41との接触面に発生する面圧により、セカンダリプーリ3と各エレメント41との接触面において摩擦力を発生することができる。従って、ベルト4が進行方向Bに移動すると、セカンダリプーリ3と各エレメント41との接触面において摩擦力を発生する。これにより、プライマリプーリ軸21に伝達された内燃機関100からの駆動力は、ベルト4を介して、セカンダリプーリ3に伝達され、セカンダリプーリ3が回転する。
以上のように、実施の形態1にかかるベルト式無段変速機1−1は、磁力発生装置5−1がプライマリプーリ2と接触する前のベルト4の各エレメント41の姿勢を磁力により変化させることができる。従って、各エレメント41がプライマリプーリ2と接触した際に、各エレメント41とプライマリプーリ2との接触面に発生する面圧の極端な増加を抑制することができるので、ベルト4およびプライマリプーリ2の摩耗量の減少を図ることができる。特に、磁力発生装置5−1は、プライマリプーリ2がベルト4に対して発生するベルト挟圧力が最大、すなわち各エレメント41とプライマリプーリ2との接触面に発生する面圧が最大となるγmaxにおいて、発生した磁力によってプライマリプーリ2と接触する前の各エレメント41に与える磁力が最大となる位置に配置されているので、各エレメント41とプライマリプーリ2との接触面に発生する面圧の極端な増加を効果的に抑制することができるので、ベルト4およびプライマリプーリ2の摩耗量の効果的な減少を図ることができる。
なお、ベルト4において、各エレメント41のヨー方向における回転姿勢の変化が最も大きいのは、各エレメント41がプライマリプーリ2と接触する前である。従って、磁力発生装置5−1は、各エレメント41のヨー方向における回転姿勢の変化が最も大きくなる位置で、各エレメント41のヨー方向における回転姿勢を矯正する。これにより、ベルト4において、各エレメント41のヨー方向における回転姿勢の変化を抑制することができ、プライマリプーリ2中の各エレメント41のヨー方向における回転姿勢が悪くなることを確実に抑制することができる。
また、プライマリプーリ2との接触後、プライマリプーリ2と接触する前の各エレメント41は、エレメント41どうしの強制力が小さいので、一対のリング42,43および隣り合うエレメント41に対して最も自由度が与えられる。従って、磁力発生装置5−1は、各エレメント41が隣り合うエレメント41に対して最も自由度が与えられる位置で、各エレメント41のヨー方向における回転姿勢を矯正する。これにより、磁力発生装置5−1は、各エレメント41に与える磁力、すなわち発生する磁力が小さくても、各エレメント41のヨー方向における回転姿勢を確実に矯正することができる。
また、各エレメント41がプライマリプーリ2と接触した際に、各エレメント41とプライマリプーリ2との接触面に発生する面圧の極端な増加を抑制することができるので、各エレメント41とプライマリプーリ2との接触状態を良好にすることができる。つまり、各エレメント41とプライマリプーリ2との接触面において発生する摩擦力の低減を抑制することができ、ベルト4とプライマリプーリ2との間の滑りが小さくすることができる。従って、ベルト式無段変速機1−1の駆動力の伝達効率を向上することができる。また、ベルト式無段変速機1−1の容量を増加することができる。
また、各エレメント41は、磁力発生装置5−1と対向する際に、磁力発生装置5−1が発生する磁力により進行方向Bに引きつけられる。従って、磁力発生装置5−1は、通過後の隣り合うエレメント41,41の間隔を狭くすることができる。従って、プライマリプーリ2と接触する隣り合うエレメント41,41の間隔を狭くすることができるので、プライマリプーリ2に対するベルト4のスリップ率を低減することができる。これにより、ベルト式無段変速機1−1の駆動力の伝達効率を向上することができる。また、ベルト式無段変速機1−1の容量を増加することができる。
また、磁力発生装置5−1が磁力を発生し、各エレメント41に磁力を与えるので、磁化することできる。従って、各エレメント41とプライマリプーリ2との接触面において、磁気摩擦力を発生させることができる。これにより、ベルト式無段変速機1−1の駆動力の伝達効率を向上することができる。また、ベルト式無段変速機1−1の容量を増加することができる。
なお、上記実施の形態1では、磁力発生装置5−1が発生した磁力により、各エレメント41に磁力を与えることで、各エレメント41のヨー方向における回転姿勢を矯正するが、本発明はこれに限定されるものではない。図5は、実施の形態1にかかる磁力発生装置の他の構成例を示す図である。同図に示すように、磁力発生装置5−1は、各エレメント41の回転姿勢として、例えば各エレメント41のピッチ方向(エレメント41の側面視における回転方向(同図に示すE方向))における回転姿勢を矯正しても良い。つまり、磁力発生装置5−1は、プライマリプーリ2中、すなわちプライマリプーリ2と接触した際の各エレメント41のピッチ方向における回転姿勢が悪くならないように、プライマリプーリ2と接触する前の各エレメント41を矯正することができる磁力を各エレメント41に与えるために、永久磁石により常に磁力を発生しても良い。例えば、磁力発生装置5−1は、プライマリプーリ2と接触する前の各エレメント41のピッチ方向における回転姿勢を、プライマリプーリ2中におけるベルト4の進行方向Bに対して各エレメント41が傾かないように、すなわち両フランク面41a,41aの長手方向が進行方向Bと直交する方向と平行となるように矯正する磁力を磁力発生装置5−1と対向する各エレメント41に与えることができる磁力を発生する。これにより、同図のFに示すように、各エレメント41のピッチ方向における回転姿勢が矯正される。
[実施の形態2]
次に、実施の形態2にかかるベルト式無段変速機1−2について説明する。図6は、実施の形態3にかかるベルト式無段変速機を示す図である。実施の形態2にかかるベルト式無段変速機1−2が実施の形態1にかかるベルト式無段変速機1−1と異なる点は、磁力発生装置5−2が永久磁石ではなく、ベルト式無段変速機1−2の変速比に基づいて発生する磁力を変化させることができる電磁石である点である。ここで、実施の形態2にかかるベルト式無段変速機1−2の基本的構成は、実施の形態1にかかるベルト式無段変速機1−1の基本的構成とほぼ同一である(図1参照)ため、同一箇所の説明は省略あるいは簡略化する。
磁力発生装置5−2は、各エレメント41に向けて磁力を発生するものである。磁力発生装置5−2は、実施の形態2では、電磁石である。磁力発生装置5−2は、図6に示すように、プライマリプーリ2と接触する前のエレメント41と対向する位置に配置されている。ここで、磁力発生装置5−2は、ベルト式無段変速機1−1の変速比が変化しても、プライマリプーリ2およびベルト4と接触しない位置に配置されている。磁力発生装置5−2は、実施の形態2では、ベルト式無段変速機1−2の変速比が最大、すなわちγmaxの際に、プライマリプーリ2と接触する前のエレメント41と最も接近して対向する位置に配置されている。つまり、磁力発生装置5−2は、発生した磁力によってプライマリプーリ2と接触する前の各エレメント41に与える磁力がγmaxにおいて最大となる位置に配置されている。
また、磁力発生装置5−2は、各エレメント41の姿勢、実施の形態2では、各エレメント41のヨー方向における回転姿勢を変化させることができる(図4参照)。磁力発生装置5−2が発生する磁力は、実施の形態1にかかる磁力発生装置5−1と同様に、プライマリプーリ2中、すなわちプライマリプーリ2と接触した際の各エレメント41のヨー方向における回転姿勢が悪くならないように、プライマリプーリ2と接触する前の各エレメント41を矯正することができる磁力を各エレメント41に与えるものである。
ここで、磁力発生装置5−2は、電磁石であり、発生する磁力を変化させることができる。磁力発生装置5−2は、制御装置6と接続されており、制御装置6により磁力発生装置5−2の駆動制御が行われ、発生する磁力の大きさが変化する。従って、磁力発生装置5−2は、制御装置6による駆動制御を行うことで、プライマリプーリ2と接触する前の各エレメント41に与えられる各エレメント41の回転姿勢を矯正する磁力を変化させることができる。
制御装置6は、ベルト式無段変速機1−2の変速比に基づいて、実施の形態2では、例えば入力軸回転数センサ8により検出された入力軸回転数と、出力軸回転数センサ9により検出された出力軸回転数との比から検出された実際の変速比に基づいて磁力発生装置5−2が発生する磁力を変化させる。ベルト式無段変速機1−2は、内燃機関100の運転状態に応じて制御装置6により変速比を変更しながら、内燃機関100からの駆動力を伝達する。従って、磁力発生装置5−2が配置された位置で固定されている場合は、ベルト式無段変速機1−2の変速比に応じて、エレメント41と磁力発生装置5−2との距離が変化する。実施の形態2では、磁力発生装置5−2がベルト式無段変速機1−2の変速比が最大、すなわちγmaxの場合に、プライマリプーリ2と接触する前のエレメントと対向するように固定されているので、γmaxにおけるエレメント41と磁力発生装置5−2との距離G1よりも、変速比の最小、すなわちγmin(同図二点鎖線)におけるエレメント41と磁力発生装置5−2との距離G2が長くなる。これにより、磁力発生装置5−2が発生する磁力が一定である場合は、磁力発生装置5−2が発生する磁力によりプライマリプーリ2と接触する前の各エレメント41に与えられる各エレメント41の回転姿勢を矯正する磁力は、γmaxからγminに変化するに伴い小さくなる。つまり、磁力発生装置5−2が発生する磁力が一定である場合では、ベルト式無段変速機1−2の変速比に応じて、各エレメント41に与えられる各エレメント41の回転姿勢を矯正する磁力は変化する。
従って、制御装置6は、実施の形態2では、ベルト式無段変速機1−2の実際の変速比がγmazからγminに変化する伴い、磁力発生装置5−2が発生する磁力が増加するように、磁力発生装置5−2を駆動制御する。これにより、磁力発生装置5−2は、制御装置6によりエレメント41と磁力発生装置5−2との距離が増加した場合に発生する磁力が増加される。
以上のように、実施の形態2にかかるベルト式無段変速機1−2は、磁力発生装置5−2が発生する磁力を変化させることができるので、ベルト式無段変速機1−2の変速比に拘わらずエレメント41に与えられる磁力を一定とすることができる。従って、ベルト式無段変速機1−2の変速比に拘わらず、プライマリプーリ2中の各エレメント41の回転姿勢が悪くならないように、事前に各エレメント41の回転姿勢を矯正することができる。これにより、ベルト式無段変速機1−2の変速比に拘わらず、上記実施の形態1にかかるベルト式無段変速機1−1と同様の効果を奏することができる。また、ベルト式無段変速機1−2の変速比がγminにおいても、ベルト式無段変速機1−2の駆動力の伝達効率を向上することができる。従って、ベルト式無段変速機1−2の高速時における伝達効率を向上することができる。
[実施の形態3]
次に、実施の形態3にかかるベルト式無段変速機1−3について説明する。図7は、実施の形態3にかかるベルト式無段変速機を示す図である。図8は、実施の形態3にかかる磁力発生装置の構成例を示す図である。実施の形態3にかかるベルト式無段変速機1−3が実施の形態2にかかるベルト式無段変速機1−2と異なる点は、磁力発生装置5−3は、姿勢検出手段により検出されたエレメント41の姿勢に基づいて、発生する磁力を変化させることができる点である。ここで、実施の形態3にかかるベルト式無段変速機1−3の基本的構成は、実施の形態2にかかるベルト式無段変速機1−2の基本的構成とほぼ同一である(図1参照)ため、同一箇所の説明は省略あるいは簡略化する。
磁力発生装置5−3は、図7および図8に示すように、電磁石51と、2つのギャップセンサ52,53とにより構成されている。電磁石51は、プライマリプーリ2と接触する前の各エレメント41に向けて磁力を発生するものである。
電磁石51は、プライマリプーリ2と接触する前のエレメント41と対向する位置に配置されている。ここで、磁力発生装置5−3は、ベルト式無段変速機1−3の変速比が変化しても、プライマリプーリ2およびベルト4と接触しない位置に配置されている。電磁石51は、実施の形態3では、ベルト式無段変速機1−3の変速比が最大、すなわちγmaxの際に、プライマリプーリ2と接触する前のエレメント41と最も接近して対向する位置に配置されている。つまり、電磁石51は、発生した磁力によってプライマリプーリ2と接触する前の各エレメント41に与える磁力がγmaxにおいて最大となる位置に配置されている。なお、電磁石51は、例えばプライマリプーリ2とベルト4との接触面を潤滑する潤滑油を供給する供給装置などを介してプライマリプーリ2に固定されている。
また、電磁石51は、図8に示すように、各エレメント41の姿勢、実施の形態3では、各エレメント41のヨー方向(エレメント41の平面視における回転方向(同図に示すA方向))における回転姿勢を変化させることができる。電磁石51は、プライマリプーリ2中、すなわちプライマリプーリ2と接触した際の各エレメント41のヨー方向における回転姿勢が悪くならないように、プライマリプーリ2と接触する前の各エレメント41を矯正することができる磁力を各エレメント41に与えるものである。例えば、電磁石51は、プライマリプーリ2と接触する前の各エレメント41のヨー方向における回転姿勢を、プライマリプーリ2中におけるベルト4の進行方向Bに対して各エレメント41が傾かないように、すなわち両フランク面41a,41aが進行方向Bと平行となるように矯正する磁力を電磁石51と対向する各エレメント41に与えることができる磁力を発生する。
また、電磁石51は、実施の形態2にかかる磁力発生装置5−2と同様に、制御装置6と接続されており、制御装置6により駆動制御が行われ、発生する磁力の大きさを変化させることができる。従って、電磁石51は、制御装置6による駆動制御を行うことで、プライマリプーリ2と接触する前の各エレメント41に与えられる各エレメント41の回転姿勢を矯正する磁力を変化させることができる。
2つのギャップセンサ52,53は、姿勢検出手段であり、エレメント41の姿勢を検出するものである。各ギャップセンサ52,53は、電磁石51と対向する前のエレメント41と対向するように配置されている。従って、プライマリプーリ2と接触する前の各エレメント41が電磁石51と対向する前に、エレメント41の通過を検出することで、電磁石51と対向する際のエレメント41の姿勢を検出するものである。各ギャップセンサ52,53は、例えばエレメント41が通過することで、出力値が増加するものであり、制御装置6にそれぞれ接続されており、出力値に基づいた出力信号が制御装置6に出力される。ここで、各ギャップセンサ52,53は、実施の形態3では、各エレメント41の両側面である両フランク面41a,41a近傍とそれぞれ対向するように配置されている。つまり、各ギャップセンサ52,53は、各エレメント41の両フランク面41a,41aの通過を検出する。従って、各ギャップセンサ52,53が両フランク面41a,41aの通過をそれぞれ検出すると、増加した出力値が出力信号として制御装置6に出力される。
次に、実施の形態3にかかるベルト式無段変速機1−3におけるエレメント41の姿勢矯正方法について説明する。図9は、実施の形態3にかかるベルト式無段変速機におけるエレメントの姿勢矯正方法のフローを示す図である。なお、制御装置6による各エレメント41の姿勢の矯正は、制御装置6の制御周期ごとに行われるものである。
まず、制御装置6は、目標回転姿勢N1を決定する(ステップST1)。ここでは、制御装置6は、プライマリプーリ2中の各エレメント41のヨー方向における回転姿勢が悪くならないプライマリプーリ2と接触する前の各エレメント41の回転姿勢である目標回転姿勢N1を決定する。目標回転姿勢N1は、具体的にはエレメント41のヨー方向における角度でありヨー角であり、例えば上述のように、プライマリプーリ2中におけるベルト4の進行方向Bに対して各エレメント41が傾かないように、すなわち両フランク面41a,41aが進行方向Bと平行となった際を0度とする。
次に、制御装置6は、現在回転姿勢Nを検出する(ステップST2)。ここでは、制御装置6は、各ギャップセンサ52,53からの出力信号を取得し、各ギャップセンサ52,53をエレメント41の両フランク面41a,41aが通過したタイミング(出力信号の出力値が増加したタイミング)を検出する。次に、制御装置6は、各ギャップセンサ52,53により検出されたエレメント41の両フランク面41a,41aが通過したそれぞれタイミングの時間差から、エレメント41の両フランク面41a,41aが各ギャップセンサ52,53をそれぞれ通過する通過時間差、すなわちエレメント41の通過時間差を算出する。ここで、制御装置6が算出するエレメント41の通過時間差は、エレメント41のヨー角に応じて変化する。エレメント41のヨー角の絶対値が増加、すなわちヨー角が0度から離れると、それに伴い通過時間差の絶対値も増加する。従って、制御装置6は、算出された通貨時間差に基づいて通過したエレメント41のヨー角を算出する。つまり、制御装置6は、各ギャップセンサ52,53により検出されたエレメント41の通過時間差に基づいて、現在のエレメント41の回転姿勢である現在回転姿勢N1を検出する。
次に、制御装置6は、現在回転姿勢Nが目標回転姿勢N1と同一であるか否かを判断する(ステップST3)。ここでは、制御装置6は、各ギャップセンサ52,53により検出されたエレメント41の通過時間差に基づいた現在のエレメント41の回転姿勢がプライマリプーリ2中の各エレメント41のヨー方向における回転姿勢が悪くならないプライマリプーリ2と接触する前の各エレメント41の回転姿勢であるか否かを判断する。
次に、制御装置6は、現在回転姿勢Nが目標回転姿勢N1と同一であると判断する(ステップST3肯定)と、エレメント41の姿勢矯正方法の現在の制御周期を終了し、次に制御周期に移行する。
次に、制御装置6は、現在回転姿勢Nが目標回転姿勢N1と同一でないと判断する(ステップST3否定)と、磁力発生装置5−3の電磁石51を駆動制御する(ステップST4)。ここでは、制御装置6は、現在回転姿勢Nを目標回転姿勢N1と同一にすることができる磁力、実施の形態3ではエレメント41のヨー角を0度にすることができる磁力を発生させるために、電磁石51を駆動制御する。従って、各ギャップセンサ52,53を通過し、電磁石51と対向する各エレメント41は、プライマリプーリ2中の各エレメント41のヨー方向における回転姿勢が悪くならない回転姿勢に矯正される。
以上のように、実施の形態3にかかるベルト式無段変速機1−3は、各ギャップセンサ52,53により検出されたエレメント41の通過時間差に基づいたエレメント41の姿勢、すなわちエレメント41のヨー方向における回転姿勢を精度良く検出することができる。従って、エレメント41のヨー方向における回転姿勢がプライマリプーリ2中で悪くならないように、事前に各エレメント41の姿勢のうち回転姿勢を精度良く矯正することができる。これにより、各エレメント41の回転姿勢を精度良く矯正することができるので、上記実施の形態1にかかるベルト式無段変速機1−1と同様の効果を奏することができる。
なお、実施の形態3では、磁力発生装置5−3が検出されたエレメント41の回転姿勢に基づいてのみ発生する磁力を変化させているが、本発明はこれに限定されるものではない。磁力発生装置5−3は、例えば、実施の形態2と同様に、ベルト式無段変速機1−3の変速比の変化に基づいても、発生する磁力を変化させても良い。これにより、ベルト式無段変速機1−3の変速比に拘わらずプライマリプーリ2と接触する前の各エレメント41の回転姿勢を精度良く矯正することができる。
[実施の形態4]
次に、実施の形態4にかかるベルト式無段変速機1−4について説明する。図10は、実施の形態4にかかるベルト式無段変速機を示す図である。図11は、実施の形態4にかかる磁力発生装置の構成例を示す図である。実施の形態4にかかるベルト式無段変速機1−4が実施の形態3にかかるベルト式無段変速機1−3と異なる点は、磁力発生装置5−4は、セカンダリプーリ3と接触する前のエレメント41と対向する位置に配置され、ベルト式無段変速機1−4の被駆動時に磁力を発生する点である。ここで、実施の形態4にかかるベルト式無段変速機1−4の基本的構成は、実施の形態3にかかるベルト式無段変速機1−3の基本的構成とほぼ同一である(図1参照)ため、同一箇所の説明は省略あるいは簡略化する。
磁力発生装置5−4は、図10および図11に示すように、電磁石51と、2つのギャップセンサ52,53とにより構成されている。電磁石51は、セカンダリプーリ3と接触する前のエレメント41に向けて磁力を発生するものである。
電磁石51は、セカンダリプーリ3と接触する前のエレメント41と対向する位置に配置されている。ここで、磁力発生装置5−4は、ベルト式無段変速機1−4の変速比が変化しても、セカンダリプーリ3およびベルト4と接触しない位置に配置されている。電磁石51は、実施の形態4では、ベルト式無段変速機1−4の変速比が最小、すなわちγminの際に、セカンダリプーリ3と接触する前のエレメント41と最も接近して対向する位置に配置されている。なお、電磁石51は、例えばセカンダリプーリ3とベルト4との接触面を潤滑する潤滑油を供給する供給装置などを介してセカンダリプーリ3に固定されている。
また、電磁石51は、図11に示すように、各エレメント41の姿勢、実施の形態4では、各エレメント41のヨー方向(エレメント41の平面視における回転方向(同図に示すA方向))における回転姿勢を変化させることができる。電磁石51は、セカンダリプーリ3中、すなわちセカンダリプーリ3と接触した際の各エレメント41のヨー方向における回転姿勢が悪くならないように、セカンダリプーリ3と接触する前の各エレメント41を矯正することができる磁力を各エレメント41に与えるものである。例えば、電磁石51は、セカンダリプーリ3と接触する前の各エレメント41のヨー方向における回転姿勢を、セカンダリプーリ3中におけるベルト4の進行方向Hに対して各エレメント41が傾かないように、すなわち両フランク面41a,41aが進行方向Hと平行となるように矯正する磁力を電磁石51と対向する各エレメント41に与えることができる磁力を発生する。
また、電磁石51は、実施の形態3にかかる磁力発生装置5−3と同様に、制御装置6と接続されており、制御装置6により駆動制御が行われ、発生する磁力の大きさを変化させることができる。従って、電磁石51は、制御装置6による駆動制御を行うことで、プライマリプーリ2と接触する前の各エレメント41に与えられる各エレメント41の回転姿勢を矯正する磁力を変化させることができる。なお、2つのギャップセンサ52,53は、姿勢検出手段であり、実施の形態3と同様に、電磁石51と対向する際のエレメント41の姿勢を検出するものである。
次に、実施の形態4かかるベルト式無段変速機1−4におけるエレメント41の姿勢矯正方法について説明する。実施の形態4かかる姿勢矯正方法は、実施の形態3にかかる姿勢矯正方法と同一であるが、実施の形態4にかかる姿勢矯正方法は、ベルト式無段変速機1−4の被駆動時に行われる。ここで、ベルト式無段変速機1−4の被駆動時とは、図10に示すように、車輪160,160、ドライブシャフト150,150、最終減速機140、動力伝達機構130を介して被駆動力がベルト式無段変速機1−4のセカンダリプーリ軸31に伝達され、セカンダリプーリ軸31に伝達された被駆動力により、セカンダリプーリ3が同図の矢印H方向に回転し、セカンダリプーリ3と各エレメント41との接触面において発生する摩擦力により、ベルト4が進行方向Iに移動することで、プライマリプーリ2が回転し、プライマリプーリ軸21に被駆動力が伝達されるときである。磁力発生装置5−4は、ベルト式無段変速機1−4の被駆動時に、セカンダリプーリ3と接触する前のエレメント41の回転姿勢を矯正する。つまり、磁力発生装置1−4は、ベルト式無段変速機1−4の被駆動時に、各ギャップセンサ52,53により検出されたエレメント41の通過時間差に基づいたエレメント41の姿勢、すなわちエレメント41のヨー方向における回転姿勢に基づいて、エレメント41のヨー方向における回転姿勢がプーリ中で悪くならないように、事前に各エレメント41の姿勢のうち回転姿勢を矯正する。これにより、図11のJに示すように、セカンダリプーリ3と接触する前の各エレメント41のヨー方向における回転姿勢が矯正される。
以上のように、実施の形態4にかかるベルト式無段変速機1−4は、被駆動時に、実施の形態4にかかるベルト式無段変速機1−4は、各ギャップセンサ52,53により検出されたエレメント41の通過時間差に基づいたエレメント41の姿勢、すなわちエレメント41のヨー方向における回転姿勢を精度良く検出することができる。従って、エレメント41のヨー方向における回転姿勢がセカンダリプーリ3中で悪くならないように、事前に各エレメント41の姿勢のうち回転姿勢を精度良く矯正することができる。これにより、各エレメント41の回転姿勢を精度良く矯正することができるので、被駆動時に上記実施の形態1にかかるベルト式無段変速機1−1と同様の効果を奏することができる。特に、被駆動時において各エレメント41がセカンダリプーリ3と接触した際に、各エレメント41とセカンダリプーリ3との接触面に発生する面圧の極端な増加を抑制することができるので、各エレメント41とセカンダリプーリ3との接触状態を良好にすることができる。つまり、被駆動時における各エレメント41とセカンダリプーリ3との接触面において発生する摩擦力が増加することができ、ベルト4とセカンダリプーリ3との間の滑りが小さくすることができる。従って、被駆動時におけるベルト式無段変速機1−4の伝達効率を向上することができる。これにより、ベルト式無段変速機1−4が発電機(電動機を含む)と連結されている車両において、被駆動時に回生ブレーキを行った際に、発電量を増加することができる。
なお、実施の形態4では、磁力発生装置5−4が検出されたエレメント41の回転姿勢に基づいてのみ発生する磁力を変化させているが、本発明はこれに限定されるものではない。磁力発生装置5−4は、例えば、実施の形態2と同様に、ベルト式無段変速機1−4の変速比の変化に基づいても、発生する磁力を変化させても良い。これにより、実施の形態4では、ベルト式無段変速機1−4の変速比に拘わらずセカンダリプーリ3と接触する前の各エレメント41の回転姿勢を精度良く矯正することができる。
[実施の形態5]
次に、実施の形態5にかかるベルト式無段変速機1−5について説明する。図12−1は、実施の形態5にかかるエレメントを示す図である。図12−2は、実施の形態5にかかるエレメントの動作説明図である。実施の形態5にかかるベルト式無段変速機1−5が実施の形態1にかかるベルト式無段変速機1−1と異なる点は、磁力発生装置5−1を備える代わりに、ベルト4を磁化されたエレメント41により構成する点である。ここで、実施の形態5にかかるベルト式無段変速機1−5の基本的構成は、実施の形態1にかかるベルト式無段変速機1−1の基本的構成とほぼ同一である(図1参照)ため、同一箇所の説明は省略あるいは簡略化する。
ベルト4の各エレメント41は、図12−1に示すように、磁化されている。各エレメント41は、隣り合うエレメント41が反発するように磁化されている。各エレメント41は、実施の形態5では、プライマリプーリ2中あるいはセカンダリプーリ3中におけるベルト4の進行方向K側がS極、進行方向J側と反対側がN極となるように、磁化されている。従って、隣り合うエレメント41は、互いに対向する面が同一極に磁化されている。従って、隣り合うエレメント41は、互いに反発する。
次に、実施の形態5にかかるベルト式無段変速機1−5の動作、特に隣り合うエレメント41の挙動について説明する。セカンダリプーリ3との接触後プライマリプーリ2と接触する前、およびプライマリプーリ2との接触後セカンダリプーリ3と接触する前の各エレメント41は、プライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3に接触していないため、自由度が確保されている。さらに、プライマリプーリ2と接触する前のエレメント41およびセカンダリプーリ3と接触する前のエレメント41は、上述のように、エレメント41どうしの強制力が小さいので、一対のリング42,43および隣り合うエレメント41に対して最も自由度が与えられる。従って、プライマリプーリ2と接触する前のエレメント41およびセカンダリプーリ3と接触する前のエレメント41は、隣り合うエレメント41が互いに発生する反発力が小さくても、姿勢を変化させることができる。
ここで、隣り合うエレメント41,41間に発生する反発力は、隣り合うエレメント41,41間の距離に応じて変化する。反発力は、距離に反比例して大きくなる。つまり、反発力は、隣り合うエレメント41,41間の距離が短いほど、増加する。例えば、図12−2における(a)のように、プライマリプーリ2あるいはセカンダリプーリ3と接触する前の各エレメント41の回転姿勢、実施の形態5ではヨー方向における回転姿勢が、プライマリプーリ2あるいはセカンダリプーリ3と接触した際の各エレメント41の回転姿勢が悪くなる回転姿勢、すなわち、進行方向Jに対して各エレメント41が傾いているとする。この場合は、隣り合うエレメント41,41間の距離によって反発力が異なる。同図に示すように、隣り合うエレメント41,41間の距離が近い部分(両フランク面41a,41aのうち一方のフランク面41a近傍(同図上側のフランク面41a))の反発力L1は、隣り合うエレメント41,41間の距離が離れている部分(両フランク面41a,41aのうち他方のフランク面41a近傍(同図下側のフランク面41a))の反発力L2よりも大きくなる。ここで、隣り合うエレメント41,41は、上述のように、小さな反発力によっても回転姿勢を変化させることができる。従って、各エレメント41は、同図における(b)のように、隣り合うエレメント41,41間の反発力が一定の反発力L3、すなわち隣り合うエレメント41,41間の距離が一定となるように、回転姿勢を自ら矯正する。これにより、各エレメント41は、プライマリプーリ2あるいはセカンダリプーリ3と接触する前に、自らの回転姿勢を進行方向Jに対して自らが傾かないように、すなわち両フランク面41a,41aが進行方向Jと平行となるように、反発力により自ら矯正する。
以上のように、実施の形態5にかかるベルト式無段変速機1−5は、プライマリプーリ2あるいはセカンダリプーリ3と接触する前の各エレメント41が、磁化されていることで隣り合うエレメント41,41間で発生する反発力により、隣り合うエレメント41の姿勢と同じ(ほぼ同じを含む)回転姿勢、すなわちプライマリプーリ2中あるいはセカンダリプーリ3中における各エレメント41の回転姿勢が悪くならない回転姿勢に、事前に矯正される。従って、磁力発生装置5−1を設けずに、上記実施の形態1と同様の効果を奏することができる。特に、磁化された各エレメント41がプライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3と接触した際に、各エレメント41とプライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3との接触面に発生する面圧の極端な増加を抑制することができる。これにより、ベルト4および両プーリであるプライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3の摩耗量の減少を図ることができる。また、磁化された各エレメント41がプライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3と接触した際に、各エレメント41とプライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3との接触面に発生する面圧の極端な増加を抑制することができるので、各エレメント41とプライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3との接触状態を良好にすることができる。つまり、磁化された各エレメント41とプライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3との接触面において発生する摩擦力が増加することができ、ベルト4とプライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3との間の滑りが小さくすることができる。従って、ベルト式無段変速機の伝達効率を向上することができる。
なお、上記実施の形態5にかかる磁化されたエレメント41を上記実施の形態1〜4のいずれかに用いても良い。
ベルト式無段変速機の構成例を示す図である。 実施の形態1にかかるベルト式無段変速機を示す図である。 ベルトの構成例を示す図である。 実施の形態1にかかる磁力発生装置の構成例を示す図である。 実施の形態1にかかる磁力発生装置の他の構成例を示す図である。 実施の形態2にかかるベルト式無段変速機を示す図である。 実施の形態3にかかるベルト式無段変速機を示す図である。 実施の形態3にかかる磁力発生装置の構成例を示す図である。 実施の形態3にかかるベルト式無段変速機におけるエレメントの姿勢矯正方法のフローを示す図である。 実施の形態4にかかるベルト式無段変速機を示す図である。 実施の形態4にかかる磁力発生装置の構成例を示す図である。 実施の形態5にかかるエレメントを示す図である。 実施の形態5にかかるエレメントの動作説明図である。
符号の説明
1−1〜1−5 ベルト式無段変速機
2 プライマリプーリ
21 プライマリプーリ軸
22 プライマリ固定シーブ
23 プライマリ可動シーブ
23a 背面
23b 突出部
24 プライマリ油圧室
25,26 軸受
27 プライマリ溝
28 プライマリ隔壁
29 ロックナット
3 セカンダリプーリ
31 セカンダリプーリ軸
32 セカンダリ固定シーブ
33 セカンダリ可動シーブ
33a 背面
33b 突出部
34 セカンダリ油圧室
35,36 軸受
37 セカンダリ溝
38 セカンダリ隔壁
39a ロックナット
39b ロックナット
4 ベルト
41 エレメント
41a フランク面
42,43 リング
44 磁化したエレメント
5−1〜5−4 磁力発生装置
51 電磁石
52,53 ギャップセンサ(姿勢検出手段)
6 制御装置
7 油圧制御回路
8 入力軸回転数センサ
9 出力軸回転数センサ
10 ECU
11 パーキングギヤ
100 内燃機関
101 クランクシャフト
110 トルクコンバータ
120 前後進切替機構
130 動力伝達経路
140 最終減速機
150 ドライブシャフト
160 車輪

Claims (8)

  1. 2つのプーリを備え、入力側のプーリに伝達された駆動源からの駆動力を金属製のエレメントで構成されたベルトを介して出力側のプーリに伝達するベルト式無段変速機において、
    前記入力側のプーリあるいは前記出力側のプーリの少なくともいずれか一方と接触する前の前記エレメントと対向する位置に配置され、磁力を発生する磁力発生装置を備え、
    前記磁力発生装置は、前記エレメントに磁力を与えることで、前記エレメントの姿勢を矯正することを特徴とするベルト式無段変速機。
  2. 前記磁力発生装置は、発生する磁力を変化させる電磁石を備えることを特徴とする請求項1に記載のベルト式無段変速機。
  3. 前記磁力発生装置は、前記ベルト式無段変速機の変速比に基づいて、前記発生する磁力を変化させることを特徴とする請求項2に記載のベルト式無段変速機。
  4. 前記エレメントの姿勢を検出する姿勢検出手段を備え、
    前記磁力発生装置は、前記検出されたエレメントの姿勢に基づいて、前記発生する磁力を変化させることを特徴とする請求項2に記載のベルト式無段変速機。
  5. 前記姿勢検出手段は、エレメントの通過を検出する2以上のギャップセンサであり、
    前記エレメントの姿勢は、前記各ギャップセンサにより検出された前記エレメントの通過時間差に基づいた当該エレメントの回転方向の姿勢であることを特徴とする請求項4に記載のベルト式無段変速機。
  6. 前記磁力発生装置は、前記出力側のプーリと接触する前の前記エレメントと対向する位置に配置される場合、前記ベルト式無段変速機の被駆動時に磁力を発生することを特徴とする請求項2〜5のいずれか1つに記載のベルト式無段変速機。
  7. 前記エレメントを隣り合うエレメントが反発するように磁化することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のベルト式無段変速機。
  8. 2つのプーリを備え、入力側のプーリに伝達された駆動源からの駆動力を金属製のエレメントで構成されたベルトを介して出力側のプーリに伝達するベルト式無段変速機において、
    前記エレメントを隣り合うエレメントが反発するように磁化することで、前記エレメントの姿勢を矯正することを特徴とするベルト式無段変速機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015158234A (ja) * 2014-02-24 2015-09-03 本田技研工業株式会社 鞍乗型車両のvベルト式無段変速機

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