JP2008303194A - 香料造粒物 - Google Patents

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Abstract

【課題】浴用発泡錠剤の製造の際における打錠性に優れる香料造粒物、及び香料造粒物を打錠成形して得られる浴用発泡錠剤の提供。
【解決手段】炭酸塩粉末及び有機酸粉末を含有する浴用発泡錠剤に用いる香料造粒物であって、成分(A)〜(C)を含有し、成分(B)の成分(A)に対する重量比(B)/(A)が0.2以上である香料造粒物、並びに、炭酸塩粉末、有機酸粉末及び当該香料造粒物を含有する浴用発泡錠剤。
(A) 炭素数7〜16の芳香族アルコール又は炭素数6〜16の脂肪族アルコール
(B) 炭素数10〜15の炭化水素
(C) ポリエチレングリコール
【選択図】なし

Description

本発明は、浴用発泡錠剤に用いる香料造粒物、及び当該香料造粒物を含有する浴用発泡錠剤に関する。
浴用発泡錠剤には、浴湯に投入して香りを与え、この香りを楽しみ、心をやわらげ爽快な気分が得られるよう、種々の香料が配合されている。浴用発泡錠剤中での香りの保存安定性や入浴中の香りの持続性を向上させるために、香料を水溶性高分子などで造粒化した香料造粒物の形態で浴用発泡錠剤中に配合する技術が報告されている(特許文献1)。
特開2000-229843号公報
しかしながら、このような香料造粒物を用いて浴用発泡錠剤を調製した場合、香料の種類によっては、打錠性が悪くなる場合があった。すなわち、香料造粒物とその他の浴用発泡錠剤に用いる成分を混合し、打錠する際、打錠機の杵に成形に用いる成分が付着し、また、錠剤表面が滑らかでなくなる場合があった。このような打錠時の問題は、特に、香料として特定のアルコール類を用いた場合に顕著であった。
従って本発明の目的は、香料として打錠性低下の原因となるアルコール類を用いているにもかかわらず、浴用発泡錠剤の製造の際における打錠性に優れる香料造粒物、及び香料造粒物を打錠成形して得られる浴用発泡錠剤を提供することにある。
本発明者らは、浴用発泡錠剤に用いる香料として、上記アルコール類に対し、特定の炭化水素を一定比率で用い、ポリエチレングリコールを用いて造粒したものを使用することにより、かかる課題を解決できることを見出した。
本発明は、炭酸塩粉末及び有機酸粉末を含有する浴用発泡錠剤に用いる香料造粒物であって、成分(A)〜(C)を含有し、成分(B)の成分(A)に対する重量比(B)/(A)が0.2以上である香料造粒物を提供するものである。
(A) 炭素数7〜16の芳香族アルコール又は炭素数6〜16の脂肪族アルコール
(B) 炭素数10〜15の炭化水素
(C) ポリエチレングリコール
更に本発明は、炭酸塩粉末、有機酸粉末、及び上記の香料造粒物を含有する浴用発泡錠剤を提供するものである。
本発明の香料造粒物は、浴用発泡錠剤の製造の際、香料として成分(A)のアルコール類を用いた場合に生じる打錠性の低下を抑制できる。
本発明の香料造粒物の成分(A)において、炭素数7〜16の芳香族アルコールとしては、ベンジルアルコール、ジメチルベンジルカルビノール(2-メチル-1-フェニル-2-プロパノール)、パンプルフルー(2-メチル-4-フェニルペンタノール)、フェニルエチルアルコール、フェニルエチルジメチルカルビノール(2-メチル-4-フェニル-2-ブタノール)、フェニルヘキサノール(3-メチル-5-フェニルペンタノール)等、フェニル誘導体が挙げられる。これらの中で、調香上の有用性が高く、かつ、発泡錠剤の打錠性に大きな影響を与えるものとして、フェニルエチルアルコール、フェニルヘキサノール等が挙げられる。
成分(A)において、炭素数6〜16の脂肪族アルコールとしては、アンバーコア(1-(2-t-ブチルシクロヘキシルオキシ)-2-ブタノール)、ウンデカベルトール(4-メチル-3-デセン-5-オール)、エチルマルトール(2-エチル-3-ハイドロ-4-ピロン)、エチルリナロール(3,7-ジメチル-1,6-ノナジエン-3-オール)、ゲラニオール(2,6-ジメチル-2,6-オクタジエン-8-オール)、イソボルニルシクロヘキサノール(4-(5,5,6-トリメチルビシクロ(2.2.1)ヘプト-2-イル)シクロヘキサン-1-オール)、サンダルマイソールコア(2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール)、シス-3-ヘキセノール(シス-3-へキセン-1-オール)、シトロネロール(3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール)、ジヒドロミルセノール(3,7-ジメチル-1-オクテン-7-オール)、ジメトール(2,6-ジメチル-2-ヘプタノール)、チンベロール(1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)-3-ヘキサノール)、テトラヒドロムグオール(3,7-ジメチルオクタン-3-オールと2,6-ジメチルオクタン-2-オールの混合物)、テトラヒドロリナロール(3,7-ジメチルオクタン-3-オール)、テルピネオール(1-p-メンテン-8-オール あるいは p-メント-8-エン-1-オール)、ネロール(シス-2,6-ジメチル-2,6-オクタジエン-8-オール)、ネロリドール(3,7,11-トリメチルドデカ-1,6,10-トリエン-3-オール(アイソマー混合物))、マグノール(3(4)-(5-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプチル-2)シクロヘキサノール)、メントール(p-メンタン-3-オール)、リナロール(2,6-ジメチル-2,7-オクタジエン-6-オール)、リナロールオキシド(5-(2-ヒドロキシイソプロピル)-2-メチル-2-ビニルテトラヒドロフラン)等の芳香を有する鎖状アルコール又はテルペン系アルコールが挙げられる。これらの中で、調香上の有用性が高く、かつ、発泡錠剤の打錠性に大きな影響を与えるものとして、シトロネロール、ネロリドール等が挙げられる。
成分(B)の炭素数10〜15の炭化水素としては、飽和又は不飽和の、鎖状又は脂環式の炭化水素が挙げられる。これらの中で、芳香を有する点でテルペン系炭化水素が好ましい。具体的には、カリオフィレン、リモネン、ピネン等が挙げられ、特にリモネンとピネンが好ましい。更に、これらリモネン、ピネン等の成分(B)を含有する天然精油や調合香料でもよく、例えば、精油としてアルモアーゼ油、オリバナム油、オレンジ油、カルダモン油、スペアミント油、セロリ油、タイム油、パチュリ油、プチグレン油、ペッパー油、ペパーミント油、ベルガモット油、ボアドローズ油、マンダリン油、ライム油、レモングラス油、ローズマリー油、サイプレス油、セージ油、セダーリーフ油、ナツメグ油、ラバンジン油、ラベンダー油、レモン油、ガルバナムレジノイド、リセアキュベブ油、グレープフルーツ油、ジュニパーベリー油、パイン油などがあり、調合香料として、イラン香料、オキサニア香料、オレンジ香料、カシス香料、グレープフルーツ香料、ジャスミン香料、スカッシュ香料、ネロリ香料、バルサム香料、レモン香料、ガルバナム香料、ピーチ香料、メロン香料、ライム香料、ラベンダー香料、ローズ香料などを挙げることができる。これらの精油や調合香料のうち、リモネンやピネンの含有量が多いグレープフルーツ油、レモン油、オレンジ油、ライム油、ベルガモット油、グレープフルーツ香料、オレンジ香料、レモン香料、ライム香料、ベルガモット香料が特に好ましい。
打錠時の杵付着を抑制するためには、成分(B)の成分(A)に対する重量比が0.2以上であることが好ましく、特に0.5以上であることが好ましい。この比が大きい方が杵付着を抑制する効果が高いが、調香上、上記重量比の上限値は3〜5であることが好ましく、特に香りのバリエーションを考える上では、上限値は2〜3であることが好ましい。
なお、リモネン、ピネン等の成分(B)を含有する天然精油や調合香料を用いる場合は、天然精油中あるいは調合香料中のリモネン、ピネン等の量をガスクロマトグラフィーなどの分析機器を用いて算出し、その量から成分(A)と成分(B)の比を求める。
本発明において、上記の成分(A)と成分(B)を造粒するには、入手が容易で、かつ、化粧品原料としての実績が高いという観点から、(C)ポリエチレングリコールを用いる。(C)ポリエチレングリコールとしては、25℃で固形かつ加温溶融するもの、具体的には、重量平均分子量2000〜20000のものが好ましい。
成分(A)と成分(B)の合計量と成分(C)の重量比、〔(A)+(B)〕:(C)は、1:20〜1:1、更には1:10〜1:2、特に1:6〜1:4が造粒性及び香料造粒物のべたつきの少なさなど成形特性から好ましい。
本発明の香料造粒物を得るには、溶融造粒、特に板状滴下溶融造粒が好ましい。すなわち、成分(A)〜(C)その他の成分を加温溶融し、均一に混合した後、一定量を移動する金属板上に滴下し、固化、造粒するのが好ましい。
また、香料造粒物中には、成分(A)〜(C)以外に、成分(A)、(B)の浴湯への分散性を高めるために界面活性剤を含有させるのが好ましい。界面活性剤としては、皮膚への作用が緩和なことから非イオン界面活性剤が好ましい。非イオン界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。非イオン界面活性剤としては、親水性のものが好ましく、更にはHLBが8以上、特に9以上であるものが好ましい。
界面活性剤を含有させる場合、その含有量は、本発明の香料造粒物中に1〜30重量%、特に5〜20重量%が好ましい。
本発明の香料造粒物は、浴用発泡錠剤中に0.1〜20重量%、更には0.5〜10重量%、特に1〜5重量%含有させるのが、浴湯に溶解したときの匂いの強さの点で好ましい。
本発明の浴用発泡錠剤は、炭酸塩粉末、有機酸粉末及び本発明の香料造粒物、並びにその他の成分から成り、水と接触すると発泡する剤形である。炭酸塩粉末としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、セスキ炭酸ナトリウム等が挙げられる。有機酸粉末としては、例えばコハク酸、フマル酸、リンゴ酸、アジピン酸、酒石酸、クエン酸、マロン酸、マレイン酸等が挙げられる。これらの炭酸塩粉末及び有機酸粉末はそれぞれ1種以上を用いることができる。
炭酸塩粉末と有機酸粉末は、全組成中にそれぞれ10〜85重量%、更には30〜60重量%、特に40〜50重量%含有させるのが、浴湯中に十分な二酸化炭素を溶解できるので好ましい。また、これらの総含有量は40〜95重量%、特に60〜95重量%が好ましい。
本発明の浴用発泡錠剤には、更に通常浴用剤に用いられる成分、例えば芒硝等の無機塩類、リン酸等の無機酸類、生薬類、油脂類、アルコール類、薬効剤、色素類、ビタミン類等を配合できる。いずれの成分も、比較的大量に用いるためには、打錠成形に適した粉末であることが好ましい。
実施例1〜11及び比較例1〜5
成分(A)及び成分(B)の比を変えた香料組成物を調製し、各香料組成物の17重量部をポリエチレングリコール6000(平均分子量7500)83重量部に加えて加温溶融した。これを均一に混合した後、少量ずつ分割し、金属板上に滴下、冷却し、直径約0.3〜5mmの顆粒状に成形して、香料造粒物とした(表1〜3)。
実施例1〜11及び比較例1〜5の香料造粒物を配合した浴用発泡錠剤(処方1)を調製し、ロータリー打錠機にて200個連続打錠した。その後、打錠機の杵及び打錠成形された浴用発泡錠剤を観察し、次の基準に従って目視により杵付着抑制の効果を判断し、結果を表1〜3に示した。
処方1
炭酸水素ナトリウム 50重量部
フマル酸 45重量部
香料造粒物 5重量部(実施例1〜11、比較例1〜5)
合計 100重量部
杵付着抑制効果の判断基準
4:杵付着が全くなし
3:杵表面にうっすらと付着があるが、錠剤表面は滑らか
2:錠剤表面に少し付着を認める
1:錠剤表面に著しい付着を認める
表1〜3に示したとおり、成分(B)の成分(A)に対する重量比(B)/(A)が0.2以上の場合、打錠時の杵付着がほとんどなく、錠剤表面が滑らかであった。一方、成分(B)の成分(A)に対する重量比(B)/(A)が0.2未満では、杵表面の付着とそれに基づく錠剤表面への付着を認めた。

Claims (3)

  1. 炭酸塩粉末及び有機酸粉末を含有する浴用発泡錠剤に用いる香料造粒物であって、成分(A)〜(C)を含有し、成分(B)の成分(A)に対する重量比(B)/(A)が0.2以上である香料造粒物。
    (A) 炭素数7〜16の芳香族アルコール又は炭素数6〜16の脂肪族アルコール
    (B) 炭素数10〜15の炭化水素
    (C) ポリエチレングリコール
  2. 成分(B)炭素数10〜15の炭化水素がテルペン系炭化水素である請求項1記載の香料造粒物。
  3. 炭酸塩粉末、有機酸粉末及び請求項1又は2記載の香料造粒物を含有する浴用発泡錠剤。
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