JP2008302845A - 鉄道車両用懸架装置 - Google Patents

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【課題】空気ばね部が破損した場合でも良好なクッション性能が得られる長所は維持しながらも、通常時の良好な乗り心地と大荷重時での踏ん張りの効く特性との双方を実現でき、総合的に改善される鉄道車両用懸架装置を提供する。
【解決手段】車体側の上支持部1と、その下方に配置される中間支持部2とに亘って弾性材製のダイヤフラム3を設けて成る空気ばね部aと、中間支持部2とこれの下方に配置される台車側の下支持部8との上下間に第1弾性体9を介装して成る圧縮型弾性機構cと、上支持部1の下方に所定距離隔てて配置される当接部材4と中間支持部2との何れか一方に形成される外周部5と、何れか他方に形成される内周部6とに亘って第2弾性体7を介装して成るせん断型弾性機構bと、を備えて鉄道車両用懸架装置を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄道車両用懸架装置に係り、詳しくは、車体側の上支持部と、その下方に配置される台車側部材とに亘って弾性材製のダイヤフラムを設けて成る空気ばね部を有する鉄道車両用懸架装置に関するものである。
この種の鉄道車両用懸架装置としては、特許文献1において開示されたものが知られている。これは、前述の空気ばね部の内筒(符号2)の内周面と台車側部材(符号6)の外周面とに亘って、円環状のゴムと円環状の金属リングとを交互に径方向に積層して成るせん断型弾性機構(符号5:コニカルストッパーとも呼ばれる)を設けるとともに、内筒の上蓋部(符号2A)に支持される緩衝体(符号12)をせん断型弾性機構(符号5)の上方に配置して成るものである。
この懸架装置は、ダイヤフラムが破れる等の空気ばね部が破損した場合でも、その日ぐらいは何とか走り続けることが可能となるように、空気ばね部が機能しない状態でも実用に耐えるクッション性能を持たせたものである。即ち、例として空気ばね部のダイヤフラム(符号3)が何らかの原因で破損した場合には、車両荷重によって外筒(符号1)が下がり、その下面が内筒(符号2)の上面に当接した状態となり、そうなるとせん断型弾性機構(符号5)のみによって懸架される状態となってクッション性能が低下する。
そこで、せん断型弾性機構(符号5)がある程度撓んだら、その上方に配備されている補助バネとも言うべき緩衝体(符号12)が共に機能する構成とすることにより、特許文献1の図2にて示されるように非線形なバネ特性が得られるものである。つまり、空気ばね部が破損した場合でもソフトなバネ定数による良好な乗り心地を得ながら、大荷重時の踏ん張りも効くことが可能になり、空気ばね部の破損時におけるクッション性能が改善された鉄道車両用懸架装置を提供できるようにしたものである。
特開2006−329280号公報
しかしながら、せん断型弾性機構は空気ばね部の有無に拘らずに機能するものであるから、水平方向には比較的踏ん張りが効くが、上下方向には比較的小なるバネ定数となることから、空気ばね部の作用と相まってソフトな乗車感が得られる反面、大荷重時の踏ん張りはあまり望めず、良好なクッション性能は満員乗車等の大きな荷重が作用する場合までもカバーできるものではなかった。また、せん断型弾性機構の上下方向のバネ定数が低いことから、経年によってゴム部が経たり、早期に車両の支持高さが低下してしまい易いという問題も残されていた。
本発明の目的は、さらなる構造工夫により、空気ばね部が破損した場合でも良好なクッション性能が得られる長所は維持しながらも、通常時の良好な乗り心地と大荷重時での踏ん張りの効く特性との双方を実現でき、総合的に改善される鉄道車両用懸架装置を実現して提供する点にある。
請求項1に係る発明は、鉄道車両用懸架装置において、
車体側の上支持部1と、その下方に配置される中間支持部2とに亘って弾性材製のダイヤフラム3を設けて成る空気ばね部aと、
前記中間支持部2とこれの下方に配置される台車側の下支持部8との上下間に第1弾性体9を介装して成る圧縮型弾性機構cと、
前記上支持部1の下方に所定距離隔てて配置される当接部材4と前記中間支持部2との何れか一方に形成される外周部5と、何れか他方に形成される内周部6とに亘って第2弾性体7を介装して成るせん断型弾性機構bと、を備えて構成されることを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の鉄道車両用懸架装置において、前記第1弾性体9が、硬質板22とゴム層23とが上下に交互に積層されて成る積層ゴム構造を有して構成されていることを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の鉄道車両用懸架装置において、前記外周部5が、上下向き軸心Pに対して先細りする円錐面又は角錐面状のテーパ外周面に形成され、かつ、前記内周部6が、前記テーパ外周面と同方向に傾斜するテーパ内周面に形成されていることを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、に請求項3に記載の鉄道車両用懸架装置おいて、前記第2弾性体7が、前記テーパ外周面5と同方向に傾斜する硬質リング18a,18bと、前記テーパ外周面5と同方向に傾斜するゴムリング19a,19b,19cとが径方向に交互に積層されて成る積層ゴム構造を有して構成されていることを特徴とするものである。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の鉄道車両用懸架装置において、前記当接部材4が前記中間支持部2に対して下方移動可能で、かつ、上方移動は阻止されるように構成して、前記第2弾性体7が上下方向に圧縮された状態で前記当接部材4と前記中間支持部2との間に組み込み可能な予圧縮機構dが装備されていることを特徴とするものである。
請求項6に係る発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の鉄道車両用懸架装置において、前記当接部材4の上面と前記上支持部1における上下方向で前記上面に対向する部分の下面との何れか一方に低摩擦材から成る滑り部材21を、かつ、何れか他方に前記滑り部材側面が平らな板状摺動部材14をそれぞれ配備して成る滑り機構eが装備されていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、詳しくは実施形態の項にて説明するが、通常時は空気ばね部と圧縮型弾性機構とが協働し、上下方向の荷重に対しては主に空気ばね部が機能して良好なクッション性能が発揮され、水平方向の力に対しては主に圧縮型弾性機構が機能して良好に吸収できるようになる。そして、空気ばね部の破損時には、上下荷重によって上支持部と当接部材とが当接して、せん断型弾性機構と圧縮型弾性機構との協働による懸架状態に変化し、上下方向の荷重に対しては主にせん断型弾性機構による良好なクッション性能が発揮され、水平方向の力に対しては主に圧縮型弾性機構が機能して良好に吸収する。従って、空気ばね部が破損することがあっても、その破損前の状態に匹敵する良好な懸架性能を発揮可能となる。また、圧縮型弾性機構は経たりが少なく、高さが早期に低くならない点も好ましい。その結果、空気ばね部が破損した場合でも良好なクッション性能が得られる長所は維持しながらも、通常時の良好な乗り心地と大荷重時での踏ん張りの効く特性との双方を実現でき、総合的に改善される鉄道車両用懸架装置を提供することができる。
請求項2の発明によれば、圧縮型弾性機構が積層ゴム構造を有して構成されているので、上下方向には剛性(バネ定数)が高く踏ん張りの効くものとしながら、水平方向には剛性(バネ定数)を低くして振動やショック吸収が行える作用を強化できるようになり、請求項1の発明による前記効果を強化し得る利点がある。
請求項3の発明によれば、詳しくは実施形態の項にて説明するが、テーパ外周面とテーパ内周面とに施されているテーパにより、当接部材が下降するに従って第2弾性体は、その内外径差が縮まるように作用する。従って、せん断型弾性機構は、荷重増加に伴ってバネ定数が漸増する非線形特性が発揮可能となり、空気ばね部の破損時におけるクッション性能が大きく改善される鉄道車両用懸架装置を提供することができる。
請求項4の発明によれば、第2弾性体が積層ゴム構造を有しているので、水平方向には剛性(バネ定数)が高く踏ん張りの効くものとしながら、上下方向には剛性(バネ定数)を低くして振動やショック吸収が行える作用を強化できるようになり、請求項1〜3の発明による前記効果を強化し得る利点がある。
請求項5の発明によれば、当接部材が中間支持部に対して下方移動は可能で上方移動は阻止されるように構成して成る予圧縮機構により、第2弾性体を予め上下方向に圧縮させた状態で組付けることが可能となり、空気ばね部の破損時に作用するせん断型弾性機構の動き出し荷重(当接部材の下降開始荷重)を任意に設定可能となり、より実情に即した条件設定ができる等、設計の自由化や合理化が可能となる利点がある。
請求項6の発明によれば、空気ばね部の破損時における上支持部と当接部材とは滑り機構を介して当接することになるから、空気ばね部に水平方向の力が作用した場合には無理なく円滑に滑り移動して吸収可能になり、良好に機能することができる。これは曲線走行に伴ってダイヤフラムが捩り変化するボルスタレス台車の懸架装置として好適なものとなる。
以下に、本発明による鉄道車両用懸架装置の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1,図2はそれぞれ実施例1、実施例2による鉄道車両用懸架装置の構造を示す断面図である。
〔実施例1〕
実施例1による鉄道車両用懸架装置Aは、図1に示すように、上から下に空気ばね部a、せん断型弾性機構b、及び圧縮型弾性機構cをこの順で配備して構成されている。空気ばね部aは、鉄道車両の車体に取付られることとなる上下方向視で円形の上支持部(外筒とも言う)1と、その下方に配置される中間支持部(内筒とも言う)2と、これら両者1,2に亘って設けられるゴム(弾性材の一例)製のダイヤフラム(ベローズ)3と、を有して構成されている。
せん断型弾性機構bは、上支持部1の下方に所定距離を隔てて配置される当接部材4と、中間支持部2と、当接部材4に形成される外周部5と中間支持部2に形成される内周部6とに亘って介装される上下方向視で円環状の第2弾性体7と、を有して構成されている。圧縮型弾性機構cは、中間支持部2と、これの下方に配置される台車側の下支持部8と、これら両者2,8の上下間に介装される上下方向視で円環状の第1弾性体9と、を有して構成されている。次に、各部について詳述する。
上支持部1は、上下二枚の鋼板10,11から成る上下方向視で円形を呈する支持座1aと、これの下面に固着される鋼板製の有底筒部1bと、これら両者1a,1bに亘って固定される上下軸心Pを有する、支軸1cと、有底筒部1bの径外側において支持座1aの下面側に一体化されるリング状でゴム製の上受座1d等を有して構成されている。上受座1dは、有底筒部1bの外周面と下鋼板11の下面には薄膜状に形成され、かつ、径外側ほど下方に厚くなる形状に形成されている。支軸1cは、エア給排用の中心孔12を有する筒状に形成されている。有底筒部1bの底壁部13、及びその下面に接着等によって一体化されるステンレス材製で円形の板状摺動部材14のそれぞれにも、エア給排用の孔(符記省略)が形成されている。
金属製の中間支持部2は、円板状の底壁部15とこれの外周端に一体化される筒壁部16とで成る略有底円筒状の中間本体部2Aと、底壁部15に固定状態で立設される中間筒2aと、筒壁部16に一体形成されるフランジ部2bと、筒壁部16の上端部にボルト止めされる押えリング2cとを有して構成されている。中間筒2aは、その上側に行くほど径がやや大きくなる方向に傾斜するテーパ内周面(内周部)6を有している。
ダイヤフラム3は、支持座1aと有底筒部1bとで形成される上隅角部に圧入的に嵌合される上ビード部3aと、広い面積でもって上受座1dで受け止められる上部3bと、最も横方向に張り出す本体部3cと、中間支持部2の外周面とフランジ部2bの上面とで形成される下隅角部にアタッチメントリング17を介して圧入的に嵌合される下ビード部3dを備えて構成されている。つまり、自動車のタイヤとホイールとの関係のように、上支持部1と中間支持部2との双方にダイアフラム3がボルト等の締結構造無しに嵌合装着さる構造、いわゆる「セルフシール型ダイアフラム」を持つ空気ばね部aに構成されている。
当接部材4は、お椀を伏せたような形状の上蓋部4Aと、下方に行くほど小径となる円錐台形状で、下窄まり状の中心孔20を有する中心部材4Bとから成る。中心部材4Bのテーパ外周面(外周部であり、円錐面又は角錐面の一例)5と、中間筒2aのテーパ内周面6と、これら両者5,6に亘って架設される第2弾性体7とでもってせん断型弾性機構bが構成されている。上蓋部4Aは、平面状の上壁部4aと、若干下拡がり状に傾斜した筒壁部4bと、筒壁部4bの下端から径外側に張り出たフランジ部4cとを有している。フランジ部4cの最外径は、押えリング2cの最内径よりも大きくしてあり、フランジ部4cが押えリング2cの下面に当接することで、その状態よりも当接部材4が上方に移動するのは阻止し、下方に移動するのは許容するように構成して、第2弾性体7が上下方向に圧縮された状態で当接部材4と中間支持部2との間に組み込み可能となる予圧縮機構dが装備されている。
また、上壁部4aの上面にはフッ素樹脂等の低摩擦材から成る円形平板状の滑り部材21が接着等の手段によって一体化されており、この滑り部材21と板状摺動部材14とによって滑り機構eが構成されている。つまり、滑り機構eは、当接部材4の上壁部(上面)4aと上支持部1における上下方向で上壁部4aに対向する部分である底壁部13の下面との何れか一方に低摩擦材から成る滑り部材21を、かつ、何れか他方に滑り部材側面が平らな板状摺動部材14をそれぞれ配備して構成されている。
尚、上壁部4a及び滑り部材21の双方には軸心Pを中心とする孔(符記省略)が形成されており、これによって支軸1cの中心孔12、ダイアフラム3の内部空間3S、中心部材4Bの中心孔20、及び第2弾性体7と底壁部15とで囲まれる空間部分24とは相互に連通されていて、内部空間3Sの容積を実質的に増量させてある。従って、ダイアフラム3を大径で扁平な形状として、水平方向の安定性に優れるものとしながらも、その形状故に内部空間3Sの容積が小さくなってバネ定数が大きくなることが抑制され、上下方向のバネ定数を小さくできてクッション性能にも優れるものとなっている。加えて、せん断型弾性機構bの作用時には当接部材4の下方における空気室容積の変化が生ぜず、第2弾性体7の弾性のみによるソフトなバネ定数の実現にも寄与している。
第2弾性体7は、テーパ外周面5と同方向に傾斜する金属材等による硬質リング18a,18bと、テーパ外周面5と同方向に傾斜するゴムリング19a〜19cとが径方向に交互に複数積層されて成る積層ゴム構造に構成されている。尚、図1においては、内外2組の硬質リング18a,18bと、内外3組のゴムリング19a,19b,19cとを有しているが、それ以上でもそれ以下でも良く、また、硬質リングが無く、ゴムリング19aのみから成る第2弾性体7としても良い。第2弾性体7は、自由状態から若干上下に圧縮された状態でせん断型弾性機構bとして組み込まれており、その予圧縮による弾性復元力により、フランジ部4cが押えリング2cの下面に当接する状態が維持されている。
下支持部8は、台車(図示省略)に連結するための支軸8aを有する金属製で円形板状の部材であり、支軸8aは上下軸心Pを中心としている。この下支持部8と底壁部15との上下間に介装される第1弾性体9は、金属製で三枚の硬質板22と上下三層のゴム層23とが上下に交互に積層されて成る積層ゴム構造に構成されている。最上位置の硬質板22はその他の硬質板22よりも大径とされており、ボルト止めによって中間支持部2に固定されている。これら各硬質板22及び各ゴム層23は、大径化するための上下方向視で円環状に形成されており、その結果、下支持部8と底壁部15との上下間に空間部sが形成されている。この筒形状の採用により、第1弾性体9の見かけの二次形状係数を大きくすることができ、水平方向のショックや振動吸収が良好に行える横剛性(バネ定数)の比較的低いものとしながらも、必要となる上下方向の剛性(バネ定数)と、中間支持部2より上側部分のより安定した支持作用とが得られている。
次に、実施例1による鉄道車両用懸架装置Aの作用(機能)について説明する。空気ばね部aが破損せず、通常に機能している場合は、空気ばね部aと圧縮型弾性機構cとによる懸架状態となり、上下方向の荷重に対しては主に空気ばね部aによるソフトなバネ定数による良好なクッション性能が発揮され、水平方向の力に対しては主に圧縮型弾性機構cが機能することで良好に吸収できるようになる。例えば、曲線走行時にはダイヤフラム3の横方向への捩り変形を伴うボルスタレス台車の懸架に用いれば、圧縮型弾性機構cの水平方向への柔軟な弾性変形も加わるので、より円滑で安定した曲線走行挙動が得られるという利点がある。
次に、何らかの原因によって空気ばね部aが破損した場合には、車両荷重によって上支持部1が下降し、滑り機構eを介して底壁部13と上壁部4aとが当接することになり、それによってせん断型弾性機構bと圧縮型弾性機構cとによる懸架状態に変化する。せん断型弾性機構bは、圧縮型弾性機構cと比較した場合、水平方向の剛性(バネ定数)は高く、上下方向の剛性(バネ定数)は低い特性を持つから、空気ばね部aの破損時には、上下方向の荷重に対しては主にせん断型弾性機構bによるソフトなバネ定数による良好なクッション性能が発揮され、水平方向の力に対しては主に圧縮型弾性機構cが機能することで良好に吸収できるようになる。従って、空気ばね部aが破損して機能しなくなる不具合が生じても、破損前の状態に匹敵するほどの良好な懸架性能を発揮可能になっている。
この場合、テーパ外周面(外周部)5とテーパ内周面(内周部)6とに施されているテーパにより、当接部材4が下降するに従って積層ゴム構造を呈する第2弾性体7は、その内外径差が縮まるように作用することになり、バネ定数が漸増する非線形特性が発揮される利点がある。また、荷重増によって中心部材4Bが底壁部15に当接する前に、内側の硬質リング18aが上壁部4aに当接する構造とすれば、中心部材4Bの下降量が増すと第2弾性体7の上下方向のバネ定数が増加する非線形特性を発揮させることが可能である。同様に、先に外側の硬質リング18bが底壁部15に当接する構造としても良い。
そして、破損した空気ばね部aに水平荷重が加わることがあると、そのときは互いに上下に当接している滑り部材21と板状摺動部材14とが軽快・容易に横滑り移動するように滑り機構eが機能して吸収することができるので、それによって乗車感が損われることや構造的に無理が掛るといった不利を回避することができる利点がある。これは、空気ばね部aの捩り変形が余儀なくされるボルスタレス台車を用いる鉄道車両にはまさに好適な構造の懸架装置となる。
さらに、参考に記せば、前述の特許文献1が示す空気ばねは、いわゆる「マン型ダイアフラム」を採用したものであり、このマン型ダイアフラムは、製作方法が複雑でコスト高になる傾向がある。構造的には、上部の金具(上支持部1に相当)には強い剛性が必要であって重量増を招くとともに、上部の金具には締結されるためにダイアフラムの交換に工数が掛るという難点がある。また、むき出し状態の上部の金具に特殊な塗装を行うとか、アルミ合金で作る等の防錆処理コストも高く付く。さらに、せん断型弾性機構には絶えず内圧が作用していて経たり易く、支持高さが早期に低くなるので、それを防止すべくバネ特性に非線形特性を持たせるとか、メタルストッパーを設ける等の構造が必要になる場合もある。
これに対して本願発明による鉄道車両用懸架装置では、径内外方向への積層ゴムとも言うべきせん断型弾性機構(コニカルストッパー)bを、剛性に富む中間支持部2に内装したような構成としてあるので、空気ばね部aの破損時における上下方向のバネ定数は、従来と同様にソフトなものとすることが可能である。そして、空気ばね部aの破損の有無に拘らずに積層ゴム構造の圧縮型弾性機構cが作用するから、水平方向の柔軟な剛性感を維持しながらも、上下方向の大荷重には腰砕けにならず踏ん張りの効くバネ定数が発揮されるようになる。
その結果、空車や定員状態から満員乗車時等のあらゆる荷重条件でも良好に懸架機能が発揮されるように改善された鉄道車両用懸架装置を実現できている。また、セルフシール型ダイアフラムを有しているので、組付け性や分解性に優れるとともに、第2弾性体7には、当接部材4を押し上げて押えリング2cに押圧付勢する予圧縮力が作用するだけであり、また積層ゴム構造の第1弾性体9は構造的に経たりが少なく、懸架装置Aとしての高さが安定維持されるようになる。
〔実施例2〕
実施例2による鉄道車両用懸架装置Aは、図1に示す実施例1のものとせん断型弾性機構bが異なるだけであり、その他は同じである。その異なる部分を説明すれば、図2に示すように、図1の中心部材4Bを上下反転させたような形状の円錐台部材25を図1の中間筒2aに代えて底壁部15に立設する。当接部材4は、下端外周部にフランジ部27を有する筒壁26と、円板上壁28とをボルト止め一体化して構成されている。円錐台部材25の外周部であるテーパ外周面5と、筒壁26の内周部であるテーパ内周面6とに亘って、第2弾性体7を介装してせん断型弾性機構bが構成されている。
第2弾性体7における、内外の硬質リング18a,18bと内外3組のゴムリング19a,19b,19cの傾斜方向は円錐台部材25のテーパ外周面5に沿うものとなっており、これも図1のものとは逆向きになっている。この実施例2による鉄道車両用懸架装置Aが有する作用や効果は、実施例1による鉄道車両用懸架装置Aのものと同じと考えて良いと思われる。
実施例1による鉄道車両用懸架装置の断面図 実施例2による鉄道車両用懸架装置の断面図
符号の説明
1 上支持部
2 中間支持部
3 ダイヤフラム
4 当接部材
5 外周部(テーパ外周面)
6 内周部(テーパ内周面)
7 第2弾性体
8 下支持部
9 第1弾性体
14 板状摺動部材
18a,18b 硬質リング
19a〜19c ゴムリング
21 滑り部材
22 硬質板
23 ゴム層
A 鉄道車両用懸架装置
P 上下向き軸心
a 空気ばね部
b せん断型弾性機構
c 圧縮型弾性機構
d 予圧縮機構
e 滑り機構

Claims (6)

  1. 車体側の上支持部と、その下方に配置される中間支持部とに亘って弾性材製のダイヤフラムを設けて成る空気ばね部と、
    前記中間支持部とこれの下方に配置される台車側の下支持部との上下間に第1弾性体を介装して成る圧縮型弾性機構と、
    前記上支持部の下方に所定距離隔てて配置される当接部材と前記中間支持部との何れか一方に形成される外周部と、何れか他方に形成される内周部とに亘って第2弾性体を介装して成るせん断型弾性機構と、を備えて構成される鉄道車両用懸架装置。
  2. 前記第1弾性体が、硬質板とゴム層とが上下に交互に積層されて成る積層ゴム構造を有して構成されている請求項1に記載の鉄道車両用懸架装置。
  3. 前記外周部が、上下向き軸心に対して先細りする円錐面又は角錐面状のテーパ外周面に形成され、かつ、前記内周部が、前記テーパ外周面と同方向に傾斜するテーパ内周面に形成されている請求項1又は2に記載の鉄道車両用懸架装置。
  4. 前記第2弾性体が、前記テーパ外周面と同方向に傾斜する硬質リングと、前記テーパ外周面と同方向に傾斜するゴムリングとが径方向に交互に積層されて成る積層ゴム構造を有して構成されている請求項3に記載の鉄道車両用懸架装置。
  5. 前記当接部材が前記中間支持部に対して下方移動可能で、かつ、上方移動は阻止されるように構成して、前記第2弾性体が上下方向に圧縮された状態で前記当接部材と前記中間支持部との間に組み込み可能な予圧縮機構が装備されている請求項1〜4の何れか一項に記載の鉄道車両用懸架装置。
  6. 前記当接部材の上面と前記上支持部における上下方向で前記上面に対向する部分の下面との何れか一方に低摩擦材から成る滑り部材を、かつ、何れか他方に前記滑り部材側面が平らな板状摺動部材をそれぞれ配備して成る滑り機構が装備されている請求項1〜5の何れか一項に記載の鉄道車両用懸架装置。
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