JP2007127168A - 車両用空気ばね - Google Patents
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Abstract
【課題】弾性材製で略横倒しタイヤ状の形状を呈するダイヤフラムの上部ビード部や下部ビード部の結合力を向上させ、大なるせん断力が作用した場合でも空気漏れが生ぜず、安定した性能を発揮し得る車両用空気ばねを提供する。
【解決手段】車体側の支持部1と、その下方に配置される車輪側の支持部2と、これら両者1,2に亘って配備される弾性材製のダイヤフラム3とを有して成る車両用空気ばねにおいて、下面板2が、ダイヤフラム3が気密状に嵌合される第1部材2Aと、この第1部材2Aと所定範囲で相対横移動自在な状態で車輪側に支持される第2部材2Sと、から成る第1横移動手段Y1を有して構成される。
【選択図】図2
【解決手段】車体側の支持部1と、その下方に配置される車輪側の支持部2と、これら両者1,2に亘って配備される弾性材製のダイヤフラム3とを有して成る車両用空気ばねにおいて、下面板2が、ダイヤフラム3が気密状に嵌合される第1部材2Aと、この第1部材2Aと所定範囲で相対横移動自在な状態で車輪側に支持される第2部材2Sと、から成る第1横移動手段Y1を有して構成される。
【選択図】図2
Description
本発明は、鉄道車両、バス、トラック自動車等に用いられる車両用空気ばねに関するものである。
この種の車両用空気ばねは、車体側の上支持部と、その下方に配置される車輪側の下支持部と、これら両者のそれぞれに嵌合することによって上及び下の各支持部に亘って配備される弾性材製で略横倒しタイヤ状の形状を呈するダイヤフラムと、を有して成るものであり、特許文献1や特許文献2において開示されたものが知られている。
空気ばねは、基本的には上下方向の荷重や振動に対して緩衝機能するように構成されているものであるが、中には構造上捩れ方向の力が作用する場合がある。それは、前述した特許文献1に示されるボルスタレス台車に空気ばねが適用される場合である。ボルスタレス台車Bの構造を簡単に説明すると、図9に示すように、レール101上を転がる左右一対の車輪102対を有する前後一対の車軸107を回転自在に支持する支持フレーム103と、支持フレーム103を鉄道車体104に上下軸心P周りに回動自在に支承するための回転軸105と、鉄道車体104の底面と支持フレーム103との間に介装される左右一対でゴム製のダイヤフラムから成る空気ばね106とから構成されている。
このように支持フレーム103と鉄道車体104とが直接に空気ばね106を介して接続されている構造では、鉄道車体が直線走行している状況では、図10(a)に示すように、台車Bと鉄道車体104とは平行であり、空気ばね106には上下方向の荷重のみが作用しており、自由状態のときの平面視形状である円筒形が維持されている。しかしながら、曲線走行する状況においては、図10(b)に示すように、台車Bと鉄道車体104とは軸心Pを中心として回動移動するので、進行方向(矢印ロ方向)で前側の台車Bについては、曲線外側の空気ばね106はその支持フレーム103側部分が略前側に引張られ、曲線内側の空気ばね106はその支持フレーム103側部分が略後側に引張られることになり、それぞれ水平方向に捩れてせん断力が作用することになる。
従って、レールの曲線半径が短ければ短い程、空気ばねの上記捩れ量、即ちせん断力が大きくなって行くので、場合によっては、空気ばねの上部ビード部(ダイヤフラムと鉄道車体との連結部)や下部ビード部(ダイヤフラムと支持フレームとの連結部)におけるゴム製ダイヤフラムが変形する等して接触圧が不足し、空気が漏れ出るおそれがあった。
特開平9−89029号公報
特開2002−187548号公報
本発明の目的は、弾性材製で略横倒しタイヤ状の形状を呈するダイヤフラムの上部ビード部や下部ビード部の結合力を向上させ、大なるせん断力が作用した場合でも空気漏れが生ぜず、安定した性能を発揮し得る車両用空気ばねを提供する点にある。
請求項1に係る発明は、車体側の支持部1と、その下方に配置される車輪側の支持部2と、これら両者1,2に亘って配備される弾性材製のダイヤフラム3とを有して成る車両用空気ばねにおいて、
前記支持部2(1)が、前記ダイヤフラム3が気密状に嵌合される第1部材2A(41)と、この第1部材2A(41)と所定範囲で相対横移動自在な状態で前記車体側又は前記車輪側に支持される第2部材2S(42)と、から成る横移動手段Y1〜Y7を有して構成されていることを特徴とするものである。
前記支持部2(1)が、前記ダイヤフラム3が気密状に嵌合される第1部材2A(41)と、この第1部材2A(41)と所定範囲で相対横移動自在な状態で前記車体側又は前記車輪側に支持される第2部材2S(42)と、から成る横移動手段Y1〜Y7を有して構成されていることを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の車両用空気ばねにおいて、前記第1部材2A(41)と前記第2部材2S(42)との当接によってこれら両者の相対横移動範囲を定めるストップ機構23が前記横移動手段Y1〜Y7に装備されていることを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の車両用空気ばねにおいて、前記ストップ機構23は、前記第1部材2A(41)と前記第2部材2S(42)とが緩衝材22を介して当接するように構成されていることを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の車両用空気ばねにおいて、前記第1部材2A(41)は、その外周部に前記ダイヤフラム3の一端部11(10)が嵌合装備される環状の板部材15(1C)を有して成り、前記第2部材2S(42)は、前記第1部材2A(41)の内径側部分において相対固定される上側板部材2B(1B)と下側板部材2C(1D)とを、これら両者の上下間に前記第1部材2A(41)が摺動自在に介装され、かつ、前記上及び下側板部材2B(1B),2C(1D)のうちの少なくともいずれか一方と前記第1部材2A(41)とがシールされる状態に組付けて構成されていることを特徴とするものである。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の車両用空気ばねにおいて、前記第1部材2A(41)は、前記ダイヤフラム3の一端部11(10)における内周面11a(10a)に全嵌合する嵌合外周面12(43a)と、前記一端部11(10)の上下方向の位置決めを行うべく前記一端部11(10)における横拡がり面11b(10b)に当接する環状面15a(1c)とを有する形状に設定されていることを特徴とするものである。
請求項6に係る発明は、請求項4又は5に記載の車両用空気ばねにおいて、前記車輪側の支持部2が、車輪側となる下部フランジ板7と上部フランジ板2Bとの間に、複数のゴム層8と複数の薄肉剛性板9とが交互に積層されて成る積層ゴムを有して成り、前記上部フランジ板2Bが前記上側板部材に、かつ、前記上部フランジ板2Bの直下に位置する最も上側の前記薄肉剛性板9が前記下側板部材2Cにそれぞれ相当する構成とされていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、詳しくは各実施例において説明するが、横移動手段によって空気ばねに作用する捩れ量を軽減させることができるので、ダイヤフラムの一端部と車体側又は車輪側の支持部との圧接状態が従来に比べて強固に維持されるようになり、空気ばねに大なるせん断力が作用して、上側内周端部が上支持部から離れようとする力が大きくなる箇所が生じても十分対抗して、所定の特性を発揮しながら空気漏れを回避させることが可能となり、ひいては高寿命化にも貢献し得る車両用空気ばねを提供することができる。
請求項2の発明によれば、第1部材と第2部材との相対横移動範囲を設定するストップ機構が横移動手段に装備されているから、別途に設ける場合に比べて、部材の兼用化が行い易く、部品点数やコスト削減上で有利なものとなる。また、ストップ機構の存在によってダイヤフラムには無理な力が掛からないので、ダイヤフラムによる所期の空気ばね作用を良好に維持できる利点もある。この場合、請求項3のように、ストップ機構に緩衝材を介装させれば、第1部材と第2部材との当接ショックを和らげることができ、空気ばねの機能の安定化が図れるようになる。また、鉄道車両等に用いれば、乗り心地向上に寄与できるようになる。
請求項4の発明によれば、横移動手段が機械的な摺動構造によって構成されており、比較的構造簡単で廉価に実現できる空気ばねを提供することができる。また、請求項5のように、第1部材とダイヤフラムの一端部とが縦及び横の両面でもって嵌合する構成として、ダイヤフラムと横移動手段との結合力を十分に持たせることが好ましい。
請求項6の発明によれば、空気ばねにおいて車輪側との間に形成されることが多い積層ゴム構造部分と、横移動手段とを、部分的に構成の兼用化が図られた状態とすることができ、より合理的に構成できる車両用空気ばねとして提供することができる。
以下に、本発明による車両用空気ばねの実施の形態を、鉄道車両のボルスタレス台車に適用される場合について、図面を参照しながら説明する。図1は車両用空気ばねの概略構造を示す全体の断面図、図2〜図7はダイヤフラムの下端側に装備される種々の横移動手段を示す断面図、図8はダイヤフラムの上端側に装備される横移動手段を示す断面図である。
本発明による鉄道車両用の空気ばねAは、図1に示すように、鉄道車両の車体に取付られることとなる上面板(車体側の支持部の一例)1と、その下方に配置される車輪側の下面板(車輪側の支持部の一例)2と、これら両者1,2のそれぞれに嵌合することによって上及び下の各面板1,2に亘って配備されるゴム(弾性材の一例)製で略横倒しタイヤ状の形状を呈するダイヤフラム(ベローズ)3と、下面板2と車輪側の支持フレーム(図示省略)との上下間に介装される弾性機構4とを有して構成されており、平面視の形状は、軸心Pを中心とする円形を呈している。尚、図1では、横移動手段として第1横移動手段Y1(後述)が装備されたものとして描いてある。
上面板1は、エア供給装置(図示省略)からのエアをダイヤフラム3内に供給するための供給孔5を有する軸部1Aと、厚肉の本体面部1Bと、外周部が下方に屈曲された薄肉のフランジ部1Cとを有する鋼板等の金属材等から成るものであり、フランジ部1Cには、ダイヤフラム3のダイヤフラム上部3Aを広い面積でもって弾性的に受け止めるためのゴム製の上受座6が設けられている。環状の下面板2は、先端にダイヤフラム3を載せ付け支持するための環状上突起部2aが形成されている基板2A、これを上下から挟んで支持するための上側板部材2B及び下側板部材2Cを有する鋼板等の金属材等から構成されている。
弾性機構4は、前記支持フレームに支持される台座7と下面板2との間に、環状の弾性ゴム層8の3層と、鋼板等による環状の剛性板9の2層とを交互に積層して成る積層ゴム構造のものに構成されている。台座7には、ダイヤフラム3の内部空間と補助エアタンク(図示省略)とを連通するための連通孔7aが形成されている。ダイヤフラム3は外径側ほど下方に下がる状態に傾斜するテーパ面に形成される前述のダイヤフラム上部3Aと、下面板2に載せ付けられるダイヤフラム下部3Bを有して成るものであり、これらダイヤフラム上部及び下部3A,3Bの内径側端には上下側の内周端部(「ダイヤフラム3の一端」の一例)10,11が形成されている。尚、弾性機構4は、積層ゴム構造に限られるものではなく、コニカル型ストッパー、円筒積層ゴム等、種々の構造を採ることが可能である。
上側内周端部(上ビード部)10は、ダイヤフラム上部3Aの上面板1への嵌め込み装着状態をダイヤフラム3の内圧によって維持させる部分であり、下側内周端部(下ビード部)11は、ダイヤフラム下部3Bの下面板2への嵌め込み装着状態をダイヤフラム3の内圧によって維持させる部分である。そして、これら各内周端部10,11を、前述した空気ばねに作用するせん断変形にある程度追従移動させることで、ダイヤフラムとの結合力の低下による空気漏れのおそれを回避させる手段、即ち横移動手段が設けられている。次に、その第1〜第7横移動手段Y1〜Y7について説明する。尚、第1〜第6横移動手段Y1〜Y6は下嵌合部SKに関するものであり、第7横移動手段Y7のみが上嵌合部UKに関するものである。
〔実施例1〕
第1横移動手段Y1は、図1,図2に示すように、下面板2が、ダイヤフラム3が気密状に嵌合される基板(第1部材の一例)2Aと、この基板2Aと所定範囲で相対横移動自在な状態で車輪側に固定される支承部(第2部材の一例)2Sとを有して構成されている。支承部2Sは、基板2Aが載置される部分である前述の下側板部材2Cと、この下側板部材2Cとの間に基板2Aを摺動可能に挟み込むための前述の上側板部材2Bとから構成されている。尚、上側板部材2Bと下側板部材2Cとを、一点破線Qが記された位置におけるボルト止めによって一体化する構造としても良い。
第1横移動手段Y1は、図1,図2に示すように、下面板2が、ダイヤフラム3が気密状に嵌合される基板(第1部材の一例)2Aと、この基板2Aと所定範囲で相対横移動自在な状態で車輪側に固定される支承部(第2部材の一例)2Sとを有して構成されている。支承部2Sは、基板2Aが載置される部分である前述の下側板部材2Cと、この下側板部材2Cとの間に基板2Aを摺動可能に挟み込むための前述の上側板部材2Bとから構成されている。尚、上側板部材2Bと下側板部材2Cとを、一点破線Qが記された位置におけるボルト止めによって一体化する構造としても良い。
平面視で円環状を呈する基板2Aは、下側内周端部11の内周面11aが圧接嵌合される嵌合外周面12を有する環状縦壁部14と、下水平環状面部(横拡がり面の一例)11bが載置される環状面部13、及びゴム等の弾性材による表面コーティング層16を有する前述の環状上突起部2aを備える環状横壁部15と、この環状横壁部15の内径側部分である環状被挟持部17とから成る断面が略逆さT字形状のものに形成されている。平面視で円環状を呈する上側板部材2Bには、下側板部材2Cととの間に環状被挟持部17を摺動可能に介装するための環状段差部18、及びOリング20を収容するための下向き環状溝19が形成されている。下側板部材2Cは、その外径が上側板部材2Bよりも大に設定されるとともに、Oリング20を収容するための上向き環状溝21が形成されており、弾性機構4としての上端側の剛性板として機能すべく平面視で円環状を呈する部材に構成されている。
そして、環状縦壁部14の内径側下部、及びこれと当接可能な上側板部材2Bの最大径の外周面によるストップ機構23、並びに、環状被挟持部17の内周面、及びこれと当接可能な段差部18の外周面によるストップ機構23が装備されており、基板2Aが(下側内周端部11が)支承部2Sに対して所定範囲内で内外径方向に摺動移動可能(図2の矢印イを参照)に構成されている。また、環状縦壁部14の内径側下部、及び環状被挟持部17の内周面にはゴムなどによる環状の緩衝材22が装備されており、基板2Aと支承部2Sとの当接によるストップ機構23のショックが和らげられるように工夫されている。
つまり、基板2Aは、その外周部にダイヤフラム3の一端である下側内周端部11が嵌合装備される環状横壁部(環状の板部材の一例)15を有して成り、支承部2Sは、基板2Aの内径側部分において相対固定される上側板部材2Bと下側板部材2Cとを、これら両者2B,2Cの上下間に基板2Aが摺動自在に介装され、かつ、少なくともいずれか一方の板部材2B,2Cと基板2Aとがシールされる状態に組付けて構成されている。
このような第1横移動手段Y1の構成により、上下のOリング20,20による気密状態で基板2Aが支承部2Sに対して任意の横方向にずれ動くことが可能となっており、通常の状態(せん断力が作用しない状態)では、ダイヤフラム3内部の空気圧による調針作用により、基板2Aとしての軸心が空気ばねAとしての軸心Pに一致する状態に維持されている。尚、上下のOリング20,20は何れか一方を省略することは可能であり、緩衝材22を省略することも可能である。
第1横移動手段Y1により、下側内周端部11が下面板2に嵌合装備された状態ではダイヤフラム3の車輪側端部が軸心Pに対する径方向にずれ動けるようになっているから、ダイヤフラム3が軸心Pに対する径方向に捩られることが生じた場合には、その捩りが解消される方向に基板2Aが自動的に横摺動移動するようになる。従って、空気ばねAに大なるせん断力が作用して捩られるような状況になった場合でも、第1横移動手段Y1の前記機能により、下側内周端部11と下面板2との圧接状態が維持され、空気漏れを回避させることが可能となるのである。
尚、図2においては、車輪側の支持部である下面板2が、車輪側となる下部フランジ板7と上部フランジ板2Bとの間に、複数のゴム層8と複数の薄肉剛性板9とが交互に積層されて成る積層ゴムを有しており、上部フランジ板2Bが上側板部材に、かつ、上部フランジ板2Bの直下に位置する最も上側の薄肉剛性板9が下側板部材2Cにそれぞれ相当する構成となっている。
〔実施例2〕
第2横移動手段Y2は、機能的には第1横移動手段Y1と同じであり、基板2Aとその周辺部分の構造が異なるものである。即ち、図3に示すように、第2横移動手段Y2は、前記環状被挟持部17が前記環状縦壁部14の上端部に連ねられており、断面が略Z形状を呈する基板2Aと、環状縦壁部14に当接するための段差部2cが形成された下側板部材2Cとを有して構成されている。この場合でも緩衝材22は、環状縦壁部14の内周面と環状被挟持部17の内周面とに装備されている。尚、簡単のため、図2に示す実施例1のものと同じ符号が付されている箇所は機能的に同じ部分であるため、基本的にその説明は省略するものとする。
第2横移動手段Y2は、機能的には第1横移動手段Y1と同じであり、基板2Aとその周辺部分の構造が異なるものである。即ち、図3に示すように、第2横移動手段Y2は、前記環状被挟持部17が前記環状縦壁部14の上端部に連ねられており、断面が略Z形状を呈する基板2Aと、環状縦壁部14に当接するための段差部2cが形成された下側板部材2Cとを有して構成されている。この場合でも緩衝材22は、環状縦壁部14の内周面と環状被挟持部17の内周面とに装備されている。尚、簡単のため、図2に示す実施例1のものと同じ符号が付されている箇所は機能的に同じ部分であるため、基本的にその説明は省略するものとする。
この第2横移動手段Y2によって得られる作用効果は、第1横移動手段Y1による場合と同じであり、摺動部分が相対高さの異なる環状横壁部15と環状被挟持部17とで行う第2横移動手段Y2の方が作動の円滑さの点ではやや有利であるが、環状横壁部15と環状被挟持部17とが同一の高さレベルに位置する第1横移動手段Y1の方が構成のコンパクト性では有利である。
〔実施例3〕
第3横移動手段Y3は、図4に示すように、先端にダイヤフラム3を載せ付け支持するための環状上突起部2aが形成された環状横壁部15と、これの内径側端に続く環状縦壁部14とから成る断面が略L字形状の基板2Aと、環状縦壁部14の上部を軸心Pに対する径方向に移動自在に収容する下向き環状溝24が形成された上側板部材2Bと、環状横壁部15を摺動自在に載置するための段差部25が形成された下側板部材2Cとを有して構成されている。尚、簡単のため、図2に示す実施例1のものと同じ符号が付されている箇所は機能的に同じ部分であるため、基本的にその説明は省略するものとする。
第3横移動手段Y3は、図4に示すように、先端にダイヤフラム3を載せ付け支持するための環状上突起部2aが形成された環状横壁部15と、これの内径側端に続く環状縦壁部14とから成る断面が略L字形状の基板2Aと、環状縦壁部14の上部を軸心Pに対する径方向に移動自在に収容する下向き環状溝24が形成された上側板部材2Bと、環状横壁部15を摺動自在に載置するための段差部25が形成された下側板部材2Cとを有して構成されている。尚、簡単のため、図2に示す実施例1のものと同じ符号が付されている箇所は機能的に同じ部分であるため、基本的にその説明は省略するものとする。
上側板部材2Bの外周面45と下側内周端部11の内周面11aとの間には、外周面45に固着(加硫接着等)される圧縮リングゴム46を配置すると良い。つまり、圧縮リングゴム46には所定の圧縮率が施された状態で装備されているので、せん断変形が作用しない通常の状態では内周面11aを押圧支持しており、せん断変形に伴う下側内周端部11の最大横移動状態においても、最も上側板部材2Bから離れる箇所の内周面11aとの間に隙間が生ぜず、内周面11aの支持作用が維持されるように設定されている。これにより、第3横移動手段Y3を設けているが、下側内周端部11と環状上突起部2aとの正規の嵌合状態が良好に維持されるようになっている。従って、この第3横移動手段Y3によって得られる作用効果は、第1横移動手段Y1による場合と基本的には同じである。
〔実施例4〕
第4横移動手段Y4は、第1横移動手段Y1における上下一対のOリング20,20を省略する構造のものである。即ち、図5に示すように、第4横移動手段Y4は、基板2Aにおける環状縦壁部14に上から蓋板31を被せて気密固定することにより、基板2Aと支承部2Sとに跨る上下のOリング20,20(図2参照)を省いた構成のものであり、Oリング部位からの不測の空気漏れのおそれを解消できる利点がある。この場合、蓋板31は基板2Aと一体で移動する。尚、図示は省略するが、ダイヤフラム3と補助エアタンクとの連通路は、上面板1側に設けるようにすれば良い。また、上記以外の構造は、図2に示す実施例1のものと同じに付き、機能的に同じ部分の符号は基本的に省略するものとする。
第4横移動手段Y4は、第1横移動手段Y1における上下一対のOリング20,20を省略する構造のものである。即ち、図5に示すように、第4横移動手段Y4は、基板2Aにおける環状縦壁部14に上から蓋板31を被せて気密固定することにより、基板2Aと支承部2Sとに跨る上下のOリング20,20(図2参照)を省いた構成のものであり、Oリング部位からの不測の空気漏れのおそれを解消できる利点がある。この場合、蓋板31は基板2Aと一体で移動する。尚、図示は省略するが、ダイヤフラム3と補助エアタンクとの連通路は、上面板1側に設けるようにすれば良い。また、上記以外の構造は、図2に示す実施例1のものと同じに付き、機能的に同じ部分の符号は基本的に省略するものとする。
〔実施例5〕
第5横移動手段Y5は、前記第4横移動手段Y4と同様に、第1横移動手段Y1における上下一対のOリング20,20を省略する構造のものである。即ち、図6に示すように、第5横移動手段Y5は、基板2Aにおける環状縦壁部14、及び上側板部材2Bの厚肉内径側端部2bのそれぞれに被せて固定される蓋具32を装備して気密固定することにより、基板2Aと支承部2Sとに跨る上下のOリング20,20を省く構成のものである。蓋具32は、厚肉内径側端部2bにボルト等によって気密固定される内環状円板33と、環状縦壁部14にボルト等によって気密固定される外環状円板34と、これら内環状円板33の外周面と外環状円板34の内周面とに亘って気密装着されるゴム等の弾性材製の伸縮環状板部35とから成る複合部材に構成されている。
第5横移動手段Y5は、前記第4横移動手段Y4と同様に、第1横移動手段Y1における上下一対のOリング20,20を省略する構造のものである。即ち、図6に示すように、第5横移動手段Y5は、基板2Aにおける環状縦壁部14、及び上側板部材2Bの厚肉内径側端部2bのそれぞれに被せて固定される蓋具32を装備して気密固定することにより、基板2Aと支承部2Sとに跨る上下のOリング20,20を省く構成のものである。蓋具32は、厚肉内径側端部2bにボルト等によって気密固定される内環状円板33と、環状縦壁部14にボルト等によって気密固定される外環状円板34と、これら内環状円板33の外周面と外環状円板34の内周面とに亘って気密装着されるゴム等の弾性材製の伸縮環状板部35とから成る複合部材に構成されている。
この場合、基板2Aと共に横移動するのは外環状円板34のみであり、連通孔33aを有する内環状円板33は固定されて動かず、伸縮環状板部35は径方向に弾性伸縮変形するようになる。図2におけるOリング20,20部位からの不測の空気漏れのおそれを解消できる利点がある。尚、上記以外の構造は、図2に示す実施例1のものと同じに付き、機能的に同じ部分の符号は基本的に省略するものとする。
〔実施例6〕
第6横移動手段Y6は、第1横移動手段Y1と同じである。違いは、下側板部材2Cが相対固定される弾性機構4が積層ゴム型ではなく、コニカルストッパー型(円筒積層ゴム型)である点のみである。この場合の弾性機構4は、一例として、下側板部材2Cから垂下される外筒26と台座7との軸心Pに対する径方向間に、内外の弾性筒ゴム層27と単一の剛性筒板28とが交互に積層されて構成されている。
第6横移動手段Y6は、第1横移動手段Y1と同じである。違いは、下側板部材2Cが相対固定される弾性機構4が積層ゴム型ではなく、コニカルストッパー型(円筒積層ゴム型)である点のみである。この場合の弾性機構4は、一例として、下側板部材2Cから垂下される外筒26と台座7との軸心Pに対する径方向間に、内外の弾性筒ゴム層27と単一の剛性筒板28とが交互に積層されて構成されている。
〔実施例7〕
第7横移動手段Y7は、ダイヤフラム3の上側内周端部(上ビード部)10に関するものである。即ち、図8に示すように、第7横移動手段Y7は、上面板(支持部の一例)1が、ダイヤフラム3の上側内周端部10が気密状に嵌合される環状摺動板部(第1部材の一例)41と、この環状摺動板部41と所定範囲で相対横移動自在な状態で車体側に支持される環状本体部(第2部材の一例)42と、を有して構成されている。
第7横移動手段Y7は、ダイヤフラム3の上側内周端部(上ビード部)10に関するものである。即ち、図8に示すように、第7横移動手段Y7は、上面板(支持部の一例)1が、ダイヤフラム3の上側内周端部10が気密状に嵌合される環状摺動板部(第1部材の一例)41と、この環状摺動板部41と所定範囲で相対横移動自在な状態で車体側に支持される環状本体部(第2部材の一例)42と、を有して構成されている。
環状摺動板部41は、その外周部にダイヤフラム3の一端である上側内周端部10が嵌合装備される環状のフランジ板(板部材の一例)1Cを有して成り、環状本体部42は、環状摺動板部41の内径側部分において相対固定される本体面部(上側板部材の一例)1Bと環状押え板(下側板部材の一例)1Dとを、これら両者1B,1Dの上下間に環状摺動板部41が摺動自在に介装され、かつ、本体面部1B及び環状押え板1Dとフランジ板1CとがOリング20によってシールされる状態に組付けて構成されている。
フランジ板1Cは、上側内周端部10の上水平環状面(横拡がり面の一例)10bが当接する環状面1cを有するとともに、上側内周端部10の内周面10aが密着嵌合される嵌合外周面43aを有する環状垂下壁43が一体形成されており、その環状垂下壁43の内周面及びフランジ板1Cの内周面のそれぞれに、本体面部1Bの段差面44と環状押え板1Dの外周面との当接ショックを和らげるための緩衝材22が装備されており、環状摺動板部41と環状本体部42との当接によってこれら両者41,42の相対横移動範囲を定めるストップ機構23が構成されている。
第7横移動手段Y7により、上側内周端部10が上面板1に嵌合装備された状態ではダイヤフラム3の車体側端部が軸心Pに対する径方向にずれ動けるようになっているから、ダイヤフラム3が軸心Pに対する径方向に捩られることが生じた場合には、その捩りが解消される方向に環状摺動板部41が自動的に横摺動移動(図8の矢印イ参照)するようになる。従って、空気ばねAに大なるせん断力が作用して捩られるような状況になった場合でも、第7横移動手段Y7の前記機能により、上側内周端部10と上面板1との圧接状態が維持され、空気漏れを回避させることが可能となるのである。
1 車体側の支持部
2 車輪側の支持部
2A,41 第1部材
2B,1B 上側板部材
2C,1D 下側板部材
2S,42 第2部材
3 ダイヤフラム
7 下部フランジ板
8 ゴム層
9 薄肉剛性板
10,11 ダイヤフラムの一端部
11a,10a 内周面
11b,10b 横拡がり面
15,1C 環状の板部材
15a,1c 環状面
22 緩衝材
23 ストップ機構
A 車両用空気ばね
Y1〜Y7 横移動手段
2 車輪側の支持部
2A,41 第1部材
2B,1B 上側板部材
2C,1D 下側板部材
2S,42 第2部材
3 ダイヤフラム
7 下部フランジ板
8 ゴム層
9 薄肉剛性板
10,11 ダイヤフラムの一端部
11a,10a 内周面
11b,10b 横拡がり面
15,1C 環状の板部材
15a,1c 環状面
22 緩衝材
23 ストップ機構
A 車両用空気ばね
Y1〜Y7 横移動手段
Claims (6)
- 車体側の支持部と、その下方に配置される車輪側の支持部と、これら両者に亘って配備される弾性材製のダイヤフラムとを有して成る車両用空気ばねであって、
前記支持部が、前記ダイヤフラムが気密状に嵌合される第1部材と、この第1部材と所定範囲で相対横移動自在な状態で前記車体側又は前記車輪側に支持される第2部材と、から成る横移動手段を有して構成されている車両用空気ばね。 - 前記第1部材と前記第2部材との当接によってこれら両者の相対横移動範囲を定めるストップ機構が前記横移動手段に装備されている請求項1に記載の車両用空気ばね。
- 前記ストップ機構は、前記第1部材と前記第2部材とが緩衝材を介して当接するように構成されている請求項2に記載の車両用空気ばね。
- 前記第1部材は、その外周部に前記ダイヤフラムの一端部が嵌合装備される環状の板部材を有して成り、前記第2部材は、前記第1部材の内径側部分において相対固定される上側板部材と下側板部材とを、これら両者の上下間に前記第1部材が摺動自在に介装され、かつ、前記上及び下側板部材のうちの少なくともいずれか一方と前記第1部材とがシールされる状態に組付けて構成されている請求項1〜3の何れか一項に記載の車両用空気ばね。
- 前記第1部材は、前記ダイヤフラムの一端部における内周面に全嵌合する嵌合外周面と、前記一端部の上下方向の位置決めを行うべく前記一端部における横拡がり面に当接する環状面とを有する形状に設定されている請求項4に記載の車両用空気ばね。
- 前記車輪側の支持部が、車輪側となる下部フランジ板と上部フランジ板との間に、複数のゴム層と複数の薄肉剛性板とが交互に積層されて成る積層ゴムを有して成り、前記上部フランジ板が前記上側板部材に、かつ、前記上部フランジ板の直下に位置する最も上側の前記薄肉剛性板が前記下側板部材にそれぞれ相当する構成とされている請求項4又は5に記載の車両用空気ばね。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2011155553A1 (ja) | 2010-06-11 | 2011-12-15 | 東洋ゴム工業株式会社 | ゴム成形体の製造方法及びトランスファー成形用金型 |
WO2011155554A1 (ja) | 2010-06-11 | 2011-12-15 | 東洋ゴム工業株式会社 | ゴム成形体の製造方法及びトランスファー成形用金型 |
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CN112096768A (zh) * | 2019-06-18 | 2020-12-18 | 株式会社普利司通 | 空气弹簧 |
-
2005
- 2005-11-02 JP JP2005318993A patent/JP2007127168A/ja not_active Withdrawn
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A621 | Written request for application examination |
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