JP2008302833A - 車両のスペアタイヤ保持構造 - Google Patents

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Tomoaki Iizuka
友朗 飯塚
Takashi Sakaguchi
高志 坂口
Tetsuji Shibata
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Abstract

【課題】タイヤ固定用のブラケット等を新たに車室内壁に設ける必要がなく、シート設置用の車室内壁構造と同一の構造でスペアタイヤの搭載を容易に行うことができる車両のスペアタイヤ搭載構造を提供する。
【解決手段】スペアタイヤを保持するタイヤ保持具3と、車室内の車両ボデーに設けられて車両シートの必要部を車両ボデーに結合固定するための取付孔およびラッチE1とを備え、車両シートが固定されていない時の上記取付孔およびラッチE1によってタイヤ保持具3を車室内に固定する。
【選択図】 図2

Description

本発明は車両のスペアタイヤ搭載構造に関し、特に、スペアタイヤを車室内に保管するためのスペアタイヤ搭載構造に関する。
道路事情の悪い開発途上国等においてはスペアタイヤを常時二個搭載したいという要請が強い。そこで従来は、図6に示すように、バン型車両Vではスペアタイヤの一つT1をボデー後部の車室フロアFの下に搭載するとともに、横跳ね上げ格納式となっている左右の三列目シートSを起立格納状態にして、これらの間に生じたフロアF空間にさらに他のスペアタイヤT2を水平姿勢で搭載している。なお、特許文献1には、車室側壁にブラケットを設け、スペアタイヤのホイール中心に貫通させたロッドを上記ブラケットに捩じ込み固定してスペアタイヤを起立状態で車室内に格納するようにしたスペアタイヤ搭載構造が示されている。
特開2006−44446
しかし、左右のシートS間のフロアF上にスペアタイヤT2を水平姿勢で搭載する上記従来の構造は、スペアタイヤT2の固定は比較的容易であるものの、左右のシートSがいずれも使用不能になるという問題がある。この点で、車室側壁に設けたブラケットにスペアタイヤを起立姿勢で搭載する上記公報記載の構造によれば、左右のシートがいずれも使用不能になる上記問題点は解消される。しかしこの場合は、車室側壁にスペアタイヤ固定用のブラケットを予め設けておく必要があるため、シートの設置とスペアタイヤの設置を同一の車室内壁構造で簡易に選択することはできないという問題がある。
本発明はこのような課題を解決するもので、タイヤ固定用のブラケット等を新たに車室内壁に設ける必要がなく、シート設置用の車室内壁構造と同一の構造のままでスペアタイヤの搭載を容易に行うことができる車両のスペアタイヤ搭載構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本第1発明では、スペアタイヤ(T)を保持するタイヤ保持具(3,4)と、車室内の車両ボデーに設けられて車両シート(S)の必要部を車両ボデーに結合固定するための固定手段(1,2,E1)とを備え、車両シート(S)が固定されていない時の上記固定手段(1,2,E1)によって上記タイヤ保持具(3,4)を車室内に固定するものである。
本第1発明においては、タイヤ保持具の固定を、車両シートが固定されていない時のシート用固定手段によって行っているから、タイヤ保持用のブラケット等を新たに車室内壁に設ける必要がなく、シート設置用の車室内壁構造と同一の構造のままでスペアタイヤの搭載を容易に行うことができる。
本第2発明では、上記車両シート(S)は、シートバック(S2)をシートクッション(S1)上に前倒させて折り重ねた後、シートクッション(S1)を側方へ跳ね上げて車室側壁(W)に沿う位置へ格納する横跳ね上げ格納式のものであり、上記固定手段(1,2,E1)は、側方へ跳ね上げ可能なように上記シートクッション(S1)の側縁を回動可能に支持する支持架台(SF)を固定するものである。
なお、上記カッコ内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以上のように、本発明の車両のスペアタイヤ搭載構造によれば、タイヤ固定用のブラケット等を新たに車室内壁に設ける必要がなく、シート設置用の車室内壁構造と同一の構造のままでスペアタイヤの搭載を容易に行うことができる。
(第1実施形態)
図1にはタイヤ保持具を取り付ける前の、後部開口Oに近いバン型車両Vの車室内を示す。ここには通常は鎖線で示すように三列目の右側シートSが据え付けられる。当該シートSは横跳ね上げ格納式のもので、図1は格納状態を示している。すなわち、上記三列目シートSのシートクッションS1はその外側縁が支持架台SF上に回動可能に支持されており、使用時に略水平となっているシートクッションS1上へシートバックS2を前倒させて重ねた後、図1に示すように車室側壁Wに沿う格納位置へシート全体を跳ね上げて起立状態で格納される。この場合、車室フロアF面には上記支持架台SFを固定するための取付手段たるネジ付き取付孔1が設けられている。
車室フロアF面にはまた、シート固定用ストライカSRの両端を当該フロアFに固定するための取付手段たるネジ付き取付孔2が設けられている。ストライカSRは車室フロアFに形成された凹所F1を跨ぐように逆U字型に成形されており、シートクッションS1を格納位置から水平の使用位置に戻した際にシートクッションS1下面(起立姿勢では側面)の前後位置に突設された支持脚SS先端のラッチ(図示略)が係合して、支持脚SS先端が、上記凹所SR内に進入した状態で車室フロアFに固定される。さらに、車室側壁Wには、固定手段としての公知構造のラッチE1を内設した凹所Eが形成されており、当該ラッチE1には、シート格納位置でシートバックS2の後面に突設されたストライカS3が係合してシートSの格納姿勢が保持される。
タイヤ保持具3は以上説明した跳ね上げ格納式シートSに代えて図2に示すように車室内に設置される。すなわち、タイヤ保持具3は平板状の基体31と、基体31上に設置された保持機構32とを備えている。基体31には板面の複数位置に取付孔が設けてあり、これら取付孔の位置は車両フロアFに設けられた上記取付孔1,2の位置に合致させてある。そして、横跳ね上げ格納式の上記シートSを取り付けるのに代えて、各取付孔内にボルト33,34を挿入して車室フロアFの上記取付孔1,2内に捩じ込むことで基体31が上記フロアFに固定されている。
保持機構32は保持フレーム321を備えており、保持フレーム321は、パイプ材を略逆U字形に屈曲させてさらにその両下端部322を水平に屈曲させたもので、各下端部322が基体31上に溶接固定されている。保持フレーム321の起立する両側辺323間には上下の中間位置にブラケット板324が架設されており、ブラケット板324の板面には、公知の構造で回動軸325が設けられて、これから室内方向へ向けて水平にタイヤ支持ボルト326が突設されている。保持フレーム321の一方の側辺323からは後方へステー327が突出し、その先端にはU字形のストライカ328が設けられている。基体31を車室フロアFに固定した後に上記ストライカ328を上記凹所E内のラッチE1に係合させることによって、保持フレーム32が車室側壁Wに固定されている。
このようにして車室内に固定されたタイヤ保持具3にスペアタイヤTを保持させる場合には、図3に示すように、スペアタイヤTを起立姿勢にしてそのホイール中心穴内にタイヤ支持ボルト326を相対的に進入させた後、プレート329を介してハンドル330の中央ナット部をタイヤ支持ボルト326の先端に捩じ込む。これにより、スペアタイヤTを起立姿勢で車室後部内に搭載することができる。スペアタイヤTを起立姿勢で保持可能としたことにより、車室後部の三列目シートはスペアタイヤTが位置していない側のシートが使用できるようになる。さらに、本実施形態においては、シート固定用の取付孔1,2や凹所E内のラッチE1を、タイヤ保持具3の固定に利用しているから、タイヤ保持具3を固定するための新たなブラケット等を車室内壁に設ける必要がなく、シートSを設置する場合と同一の車室内壁構造のままで、シートSを設置するのに代えてスペアタイヤ保持具3を容易に設置することができる。
(第2実施形態)
タイヤ保持具の他の例を図4に示す。タイヤ保持具4は第1実施形態と同様の平板状の基体41を備えている。基体41には板面の複数位置に取付孔が設けてあり、これら取付孔の位置は車両フロアFに設けられた取付孔1,2(図1参照)の位置に合致させてある。横跳ね上げ格納式のシートSを取り付けるのに代えて、基体41の各取付孔内にボルト43,46を挿入して車室フロアFの上記取付孔1,2内に捩じ込むことで上記基体41がフロアFに固定されている。基体41上には保持機構42が設置されている。保持機構42は保持フレーム421を備えており、保持フレーム421は、パイプ材を略逆U字形に屈曲させてさらにその両下端部422を水平に屈曲させたもので、各下端部422が基体41上に溶接固定されている。
保持フレーム421の下端部422はそれぞれ先端に向けて上昇し、先端間には軸体423が架設されて、その両端に、パイプ材を逆U字形に屈曲成形した挟持フレーム424の左右下端部が回動可能に結合されている。挟持フレーム424の上端部は保持フレーム421方向へ屈曲させてあり、その中央には係止部材44を構成するボルト441が貫通させてある。ボルト441には一端に操作ノブ442が固着されるとともに、他端は係止片443の筒状本体の内周ねじ部が捩じ込んである。係止片443の先端444は平板状に成形されてフック状に湾曲している。
タイヤ保持具4にスペアタイヤTを保持させる場合には、スペアタイヤTを起立姿勢にして図4の鎖線で示すように保持フレーム421の下端部422上に載せ、その後、スペアタイヤTを保持フレーム421との間で挟むようにして図5に示すように挟持フレーム424を保持フレーム421に向けて回動させる。そして、係止片443のフック状先端444を保持フレーム421の上端に引っ掛け、操作ノブ442を掴んでボルト441を回転させてこれを係止片443の本体443内に螺入させる。これにより係止部材44の実質長が短くなって、スペアタイヤTは間隔が狭まった挟持フレーム424と保持フレーム421の間に起立姿勢で確実に保持される。
これにより、第1実施形態と同様に車室後部の三列目シートの一方が使用できるようになるとともに、シート固定用の取付孔1,2をタイヤ保持具4の固定に利用しているから、タイヤ保持具4を固定するための新たなブラケット等を車室内壁に設ける必要がなく、シートSを設置する場合と同一の車室内壁構造のままで、シートSを設置するのに代えてスペアタイヤ保持具4を容易に設置することができる。なお、上記各実施形態において、取付孔1のみを利用するようにしても、もちろん良い。
本発明の第1実施形態における、タイヤ保持具を取り付ける前の、後部開口に近いバン型車両の車室内を後方から見た斜視図である。 タイヤ保持具を取り付けた状態の、後部開口に近いバン型車両の車室内を後方から見た斜視図である。 タイヤ保持具を取り付けたバン型車両の車室の垂直断面図である。 本発明の第2実施形態における、車室内に取り付けられたタイヤ保持具の斜視図である。 タイヤ保持具を取り付けたバン型車両の車室の垂直断面図である。 従来のスペアタイヤ保持構造を示すバン型車両の概略垂直断面図である。
符号の説明
1…取付孔(固定手段)、2…取付孔(固定手段)、3…タイヤ保持具、4…タイヤ保持具、E1…ラッチ、S…車両シート、S1…シートクッション、S2…シートバック、T…スペアタイヤ、W…車室側壁。

Claims (2)

  1. スペアタイヤを保持するタイヤ保持具と、車室内の車両ボデーに設けられて車両シートの必要部を車両ボデーに結合固定するための固定手段とを備え、前記車両シートが固定されていない時の前記固定手段によってタイヤ保持具を車室内に固定したことを特徴とする車両のスペアタイヤ保持構造。
  2. 前記車両シートは、シートバックをシートクッション上に前倒させて折り重ねた後、前記シートクションを側方へ跳ね上げて車室側壁に沿う位置へ格納する横跳ね上げ格納式のものであり、前記固定手段は、側方へ跳ね上げ可能なように前記シートクッションの側縁を回動可能に支持する支持架台を車両フロア上に固定するものである請求項1に記載の車両のスペアタイヤ保持構造。
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CN102951216A (zh) * 2011-08-24 2013-03-06 本田技研工业株式会社 汽车的后部车身构造

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