JP2008302757A - タイヤ・リム組立体 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸音部材、ひいては、タイヤの軽量化と併せて、吸音効果の一層の向上をもたらすタイヤ・リム組立体を提供する。
【解決手段】吸音部材9は、繊維フィラメントfを互いに絡ませて成型した不織布からなり、不織布を形成する繊維フィラメントfの損失正接が2.0を越える。
【選択図】図2
【解決手段】吸音部材9は、繊維フィラメントfを互いに絡ませて成型した不織布からなり、不織布を形成する繊維フィラメントfの損失正接が2.0を越える。
【選択図】図2
Description
この発明は車室内騒音の低減をもたらすタイヤ・リム組立体に関するものであり、タイヤの重量を増やすことなく、タイヤ内腔部の空洞共鳴騒音の低減を可能とするものに関する。
車室内騒音の発生原因の一つとしては、空気入りタイヤと、それを気密に組付けた適用リムとで区画されるタイヤ内腔部への充填空気が、タイヤの負荷転動に伴う、トレッド接地面の路面凹凸への衝接によって振動されて空洞共鳴を生じることが挙げられる。
そこで、このような空洞共鳴騒音を吸収して車室内騒音の低減を図るべく、特許文献1および2のそれぞれには、空気入りタイヤの内面に、不織布もしくはスポンジ材からなる吸音部材を固着させて配置して、充填空気の振動エネルギを、吸音部材の内部で熱エネルギに変換することによって空洞共鳴騒音を低減させる技術が提案されている。
特許第3384633号公報
特許第3622957号公報
この発明は、とくに、不織布からなる吸音部材を配設してなる上記提案技術の空気入りタイヤに一層の改良を加えたものであり、吸音部材、ひいては、タイヤの軽量化と併せて、吸音効果の一層の向上をもたらすタイヤ・リム組立体を提供するものである。
本発明は、空気入りタイヤと、それを気密に組付けた適用リムとで区画されるタイヤ気室内に、繊維フィラメントを絡ませて成型した不織布からなる吸音部材を配設したタイヤ・リム組立体において、前記繊維フィラメントの損失正接が2.0を越えることを特徴とするタイヤ・リム組立体である。
本発明によれば、不織布を形成する繊維フィラメントの損失正接が2.0を越えるようにしたので、不織布よりなる吸音部材内に進入した音波の振動エネルギーを繊維フィラメントにより減衰させて、空洞共鳴音を効果的に低減することができる。
図1はこの発明に係るタイヤ・リム組立体の実施形態を、それの転動姿勢で示すタイヤ幅方向の部分略線断面図であり、図中1は空気入りタイヤの全体を、2は、そのタイヤ1を組付けた適用リムをそれぞれ示す。
空気入りタイヤ1は、トレッド部3、このトレッド部3のそれぞれの側部に連続する一部のサイドウォール部4および、各サイドウォール部4の内周側に連続するビード部5を具えてなり、これらの各部は、両ビード部間にトロイダルに延びてタイヤの骨格をなすカーカス6によって補強され、そしてトレッド部3は、カーカス6のクラウン域の外周側に配置したベルト7によってさらに補強される。
なお、図中Wは、トレッド接地幅を示すものとし、Eは、タイヤ赤道面を示すものとする。
なお、図中Wは、トレッド接地幅を示すものとし、Eは、タイヤ赤道面を示すものとする。
そして、ここにおけるタイヤ1はさらに、インナーライナ8の内面、繊維フィラメントを絡ませて成型した不織布からなる吸音部材9を、たとえば、そこに溶融含浸させた含浸層その他の接着層10を介して、タイヤ赤道面Eを中心として、たとえば、インナーライナ8の全周にわたって、または周方向の一部分だけに固着させてなる。
なお、吸音部材9をトレッド部の内側に貼り付ける場合の他、図1において2点鎖線で示すように、サイドウォール部4に固着させたり、ビード部5の内面に固着させてもよい。mた、吸音部材9はリム2の内面に取り付けることもできる。
ここで、不織布からなる吸音部材9は、図2に要部を拡大断面図で例示するように、タイヤ赤道面Eを中心として、トレッド接地幅Wの30〜100%に相当する範囲内の幅を有するものとすることが、タイヤの耐久性を損なうことなしに、すぐれた吸音効果を発揮させることができる点で好ましい。また、それの厚さtは、0.5〜50mmの範囲とするのが、すぐれた吸音効果を発揮させるとともに吸音材の耐久性を確保する点で好ましく、その厚みが0.5mm未満では、吸音効果が不足ぎみとなり、50mmを超えると、質量の増加に起因して、高速回転時の遠心力による変形が大きくなって、剥離等の発生のおそれが高くなる。
上記の説明において、「トレッド接地幅」とは、空気入りタイヤを適用リムに装着して規定の空気圧を充填するとともに、そのタイヤを平板上に重直姿勢で静止配置して、規定の質量に対応する負荷を加えたときの、平板との接触面におけるタイヤ軸方向最大直線距離をいう。
なお、上記の説明において、「適用リム」とは、タイヤのサイズに応じて下記の規格に規定されるリムをいい、規格とは、タイヤが生産または使用される地域に有効な産業規格をいい、たとえば、アメリカ合衆国では“THE TIRE AND RIM ASSOCIATION INC.のYEAR BOOK”であり、欧州では、“THE European Tyre and Rim Technical Organisation のSTANDARDS MANUAL”であり、日本では日本自動車タイヤ協会の“JATMA YEAR BOOK”である。また、「規定の空気圧」とは、下記の規格において、最大負荷能力に対応させて規定される空気圧をいい、最大負荷能力とは、下記の規格で、タイヤに負荷することが許容される最大の質量をいう。また、「規定の質量」とは、上記の最大負荷能力をいう。なお、ここでいう空気は、窒素ガス等の不活性ガスその他に置換することも可能である。
本発明は、このような吸音部材9を構成する不織布の繊維フィラメント5、たとえば、有機もしくは無機繊維フィラメント、植物もしくは動物繊維フィラメント、合成繊維フィラメント等は、その損失正接tanδが2.0を越えることを特徴とするものであり、損失正接tanδを高くすることによって、この繊維フィラメントへの入力エネルギーについてもこれを効率的に熱エネルギーに変換することができ、その結果、減音効果を高めることができる。
ここで、損失正接tanδが10.0を越えると、柔らかすぎて形状を保てないなど、このフィラメントを用いた不織布を製造することが難しくなる。
また、吸音部材9の密度は5〜500kg/m3とするのが好ましく、これを5kg/m3未満とすると部材としての形状安定性が失われ、例えばタイヤ内面に取り付けて走行させたとき部材がタイヤから脱落する可能性があり、また、500kg/m3を越えるものとした場合には、タイヤ重量を増加させ燃費を急激に悪化させる。
サイズが215/45 R17の空気入りタイヤのインナーライナに、ポリエチレンテレフタレート繊維フィラメント(フィラメントの長さ当たりの質量は6dtex)からなる、表1に示す諸元を有する吸音部材を、全周領域にわたって連続的に固着させてなるタイヤを、7.55Jのリムに組付けて車両に取付け、この車両を、空気圧を210kPa、荷重3.92kN、速度60km/hの条件下で、アスファルト路面を走行させ、運転席における車内騒音を測定して周波数分析した。230Hz付近に見られるピークが空洞共鳴音のピークであり、この周波数帯域における音圧を測定して、吸音部材による違いを比較した。また、吸音部材を用いない場合についても同様の測定を行い、これを比較例1として、各実施例、比較例の測定の結果を、比較例1に対する減音効果(音圧の差)として求め、この減音効果を、比較例1に対する比較例2の減音効果を100とする指数として表1に示した。数値が大きいほど減音効果が大きい。
吸音部材は、幅をすべて100mm(トレッド接地幅の60%)とし、また、すべて同じ重量としたが、実施例、比較例ごとに、繊維フィラメントのtanδを異ならせた。吸音部材は、厚さが14mm、密度が20 kg/m3のものを用いた。
また、損失正接tanδの測定は、粘弾性測定器(メトラバイブ)を用い、雰囲気温度:40℃、周波数:110Hz、静荷重:20N、動荷重:1.25N、サンプル長:18±2mmの条件下で行った。
1 空気入りタイヤ
2 リム
3 トレッド部
7 ベルト
8 インナーライナ
9 吸音部材
10 接着層
W トレッド接地幅
E タイヤ赤道面
t 厚さ
f 繊維フィラメント
2 リム
3 トレッド部
7 ベルト
8 インナーライナ
9 吸音部材
10 接着層
W トレッド接地幅
E タイヤ赤道面
t 厚さ
f 繊維フィラメント
Claims (1)
- 空気入りタイヤと、それを気密に組付けた適用リムとで区画されるタイヤ気室内に、繊維フィラメントを絡ませて成型した不織布からなる吸音部材を配設したタイヤ・リム組立体において、
前記繊維フィラメントの損失正接が2.0を越えることを特徴とするタイヤ・リム組立体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007150377A JP2008302757A (ja) | 2007-06-06 | 2007-06-06 | タイヤ・リム組立体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007150377A JP2008302757A (ja) | 2007-06-06 | 2007-06-06 | タイヤ・リム組立体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008302757A true JP2008302757A (ja) | 2008-12-18 |
Family
ID=40231854
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007150377A Withdrawn JP2008302757A (ja) | 2007-06-06 | 2007-06-06 | タイヤ・リム組立体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008302757A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9446633B2 (en) | 2010-05-07 | 2016-09-20 | Recticel N.V. | Elastic vehicle tire |
JP2017160575A (ja) * | 2016-03-11 | 2017-09-14 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 車両部材 |
-
2007
- 2007-06-06 JP JP2007150377A patent/JP2008302757A/ja not_active Withdrawn
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US9446633B2 (en) | 2010-05-07 | 2016-09-20 | Recticel N.V. | Elastic vehicle tire |
JP2017160575A (ja) * | 2016-03-11 | 2017-09-14 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 車両部材 |
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Legal Events
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