JP2002067608A - 空気入りタイヤとリムとの組立体 - Google Patents
空気入りタイヤとリムとの組立体Info
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Abstract
低減する。 【解決手段】 空気入りタイヤ2をリム3に装着するこ
とによりリム周囲にタイヤ内腔4を形成する空気入りタ
イヤとリムとの組立体1である。タイヤ内腔4に、スポ
ンジ材を用いた帯状シート体5からなる制音具6を具え
るとともに、前記帯状シート体5の体積S2を、タイヤ
内腔の全体積S1の0.4%以上としたことを特徴とす
る。
Description
ることなく走行中のロードノイズを低減しうる空気入り
タイヤとリムとの組立体に関する。
自動車のさらなる低騒音化、静粛化が望まれている。タ
イヤにより生じる騒音には様々なものがあるが、中でも
荒れた路面を走行した際に、50〜400Hzの周波数範
囲で「ゴー」という音が生じるいわゆるロードノイズは
車内に伝達されて車室内でのこもり音となり乗員に不快
感を与える。発明者らの種々の実験の結果、このような
ロードノイズは、タイヤをリムに装着した際に、リム周
囲に形成されかつタイヤとリムとが囲む空洞からなるタ
イヤ内腔が気柱管を構成して空気が共鳴振動(空洞共
鳴)していることが大きな影響を与えていることが分か
っている。
特公平7−14682号公報において、タイヤ内腔にゴ
ムなどからなる球状の遮蔽体を配し、このような共鳴を
抑制することを提案している。
腔に配する材料の体積に着目して鋭意研究を行ったとこ
ろ、タイヤ内腔の全体積に対して一定の体積に限定した
スポンジ材を用いたときには、大幅にロードノイズ低減
効果を発揮しうることを見出した。
体のタイヤ内腔に、スポンジ材を用いた帯状シート体か
らなる制音具を具えるとともに、前記帯状シート体の体
積S2を、タイヤ内腔の全体積S1の0.4%以上とす
ることを基本として、リム組み性などを損ねることなく
ロードノイズを低下させうる空気入りタイヤとリムとの
組立体を提供することを目的としている。
載の発明は、空気入りタイヤをリムに装着することによ
りリム周囲にタイヤ内腔を形成する空気入りタイヤとリ
ムとの組立体であって、前記タイヤ内腔に、スポンジ材
を用いた帯状シート体からなる制音具を具えるととも
に、前記帯状シート体の体積S2を、タイヤ内腔の全体
積S1の0.4%以上としたことを特徴としている。
は、帯状シート体の見かけの全体積であって、スポンジ
材の空孔部も含めた帯状シート体5の外形から定められ
る体積を言う。またタイヤ内腔の全体積S1は、組立体
の正規状態において下記式(1)で近似的に求めるもの
とする。A×{(Di−Dr)/2+Dr}×π …
(1)なお、”A”は前記正規状態のタイヤ内腔をCT
スキャニングして得られるタイヤ内腔4の横断面積、”
Di”は図1に示す正規状態でのタイヤ内腔4の最大外
径、”Dr”はリム径、”π”は円周率である。
正規内圧を充填しかつ無負荷とした状態を指す。また
「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規
格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧
であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれ
ば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION P
RESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFL
ATION PRESSURE" とするが、タイヤが乗用車用の場合に
は、現実の使用頻度などを考慮し200kPaとする。
ト体は、タイヤ及びリムのいずれにも固定されていない
自由状態で前記タイヤ内腔内に配されたことを特徴とす
る請求項1記載の空気入りタイヤとリムとの組立体であ
る。
ト体は、少なくとも一部がタイヤ又はリムに固定されて
前記タイヤ内腔内に配されたことを特徴とする請求項1
記載の空気入りタイヤとリムとの組立体である。
に基づき説明する。図1は本実施形態の空気入りタイヤ
とリムとの組立体(以下、単に「組立体」ということが
ある。)の子午断面図、図2は組立体のタイヤ赤道面に
沿った周方向略断面図を示している。図において、組立
体1は、空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」という
ことがある。)2をリム3に装着することにより、リム
3の周囲にタイヤ2とリム3とが囲むタイヤ内腔4を形
成している。
は、例えば前記タイヤ2が装着されるリム本体3aとこ
のリム本体3aを保持するディスク3bとを有するいわ
ゆる2ピースホイールリムが例示される。また本実施形
態のタイヤ2は、ビード部2aをリム本体3aのフラン
ジ10に密着させてリム組みされる例えば乗用車用ラジ
アルタイヤであって、タイヤ内腔4に向く内面に空気を
透過しにくいいわゆるインナーライナゴムを添設したチ
ューブレス構造をなし、前記リム本体3aとで気密なタ
イヤ内腔4を形成しているものが例示される。
4に、スポンジ材を用いた帯状シート体5からなる制音
具6を具えている。本例の帯状シート体5は、タイヤ内
腔4、すなわちタイヤ2及びリム3のいずれにも固定さ
れていない自由状態でタイヤ内腔4に配されたものが例
示されている。なお図1、図2では、理解しやすいよう
にこの帯状シート体5をタイヤ回転軸Cを中心とする円
弧状で宙に浮かした状態が示されているが、実際には、
重力又は組立体1の走行に伴う遠心力を含む外力によっ
て、リム3上に又はタイヤ内腔4に近接ないし密着した
状態でタイヤ内腔4に存在しうる。
あり、例えばゴムや合成樹脂を発泡させた連続気泡を有
するいわゆるスポンジ、および動物繊維、植物繊維又は
合成繊維等を絡み合わせて一体に連結したものを含む。
なお本明細書で言う「多孔構造体」には、連続気泡のみ
ならず、独立気泡を有するものも包含する。このような
スポンジ材は、ソリッドゴム体などに比して比重が小さ
いためタイヤ重量バランスへの影響が小さく、かつ防振
性や吸音性が高く前記タイヤ内腔4内で生じた音エネル
ギーを吸収することにより空洞共鳴を抑制しロードノイ
ズを低減しうる。またスポンジ材は、屈曲変形が容易で
あるためリム組み性を損ねることもない。本例では、ポ
リウレタンからなる連続気泡のスポンジ材を用いたもの
を例示している。
方向に長い矩形の帯状をなすことによってタイヤ内腔4
内でタイヤ周方向に延在している。該帯状シート体5の
自然状態での厚さは、特に限定はされないが、例えば2
〜30mm、より好ましくは3〜20mm、さらに好ましく
は7〜15mmであることが望ましい。前記厚さが2mm未
満であるとタイヤ内腔内での空洞共鳴の音エネルギーを
吸収する効果が相対的に低下する傾向があり、逆に前記
厚さが30mmを超えると、タイヤ重量ないしタイヤのバ
ランスに影響を与えるおそれがある。なお図3に示すよ
うに、帯状シート体5は、少なくとも一部ないし全部
が、タイヤ2又は/及びリム3に固着されてタイヤ内腔
4に配されたものでも良い。なお固着には接着剤などを
用い得るが、リム3に対しては、ビス等を用いて固着す
ることもできる。
いが、例えばその幅BWがタイヤ内腔4の正規状態での
最大巾Wの20%以上、より好ましくは40〜100
%、さらに好ましくは70〜90%であることが望まし
い。前記帯状シート体5の幅BWが前記最大巾Wの20
%未満であると、タイヤ内腔4内での空洞共鳴の音エネ
ルギーを吸収する効果が相対的に低下する傾向があり、
逆に前記幅BWが前記最大巾Wの90%を超えてもロー
ドノイズ低減効果は頭打ちとなる傾向がある。
ないが、そのタイヤ周方向の長さLが250mm以上、よ
り好ましくは300mm以上、さらに好ましくは300〜
1500mmであることが望ましい。前記帯状シート体5
の前記長さが250mm未満であると、タイヤ内腔4内で
の空洞共鳴の音エネルギーを吸収する効果が相対的に低
下する傾向があり、逆に厚さ等にもよるが前記長さLが
1500mmを超えてもロードノイズ低減効果は頭打ちと
なる傾向がある。
いが、その比重が0.005〜0.06、より好ましく
は0.010〜0.05、さらに好ましくは0.016
〜0.05、特に好ましくは0.016〜0.035で
あることが望ましい。前記比重が0.005未満又は
0.06を超えると、空洞共鳴を十分に吸収する効果が
低下する傾向がある。
ート体5のスポンジ材の原材料、比重を同一とし、該帯
状シート体の体積S1(前述の通り特定される)のみを
変化させたところ、該体積S2をタイヤ内腔4の全体積
S1に対して一定の比率、具体的には0.4%以上、よ
り好ましくは1.5%以上、特に好ましくは2.5%以
上、さらに好ましくは4%以上かつ20%以下、より好
ましくは4%以上かつ15%以下とすることにより大幅
にロードノイズを低減しうることを見出した。以下、実
施例において検証する。
ム(16×7JJ)、連続気泡を有するポリウレタンス
ポンジからなる帯状シート体(比重0.022)の制音
具を用い、該制音具をタイヤ内腔内に自由状態で配して
空気入りタイヤとリムとの組立体を試作し騒音性能を評
価した。また比較のために、制音具を配していない組立
体や本発明外の組立体(比較例)についても併せて試作
しテストを行った。なお正規状態でのタイヤ内腔の断面
積は23174mm2 、タイヤ内腔の最大巾は214mmで
あった。テストの内容などは次の通りである。
でリム組みして国産4000ccのFR乗用車に全輪に
装着し、1名乗車にてロードノイズ計測路(アスファル
ト粗面路)を速度60km/Hで走行したときの前席車
内音を、1/12オクターブバンドフィルターを通し、
226Hz、240Hz、253Hzの3チャンネルのパーシ
ャルオーバーオールを算出し、比較例を基準とする増減
値にて評価した。一表示がロードノイズの減少を意味し
ている。
シート体の形状を幅110mm、厚さ10mmとし、長さを
変えることにより帯状シート体の体積を変化させてロー
ドノイズテストを行った。また実施例7、8について
は、帯状シート体をさらに大型化してテストを行った。
テストの結果を表1に示す。
タイヤ内腔の全体積S1の0.4%以上、より好ましく
は1.5%以上、特に好ましくは2.5%以上の範囲で
非常に高いロードノイズ低減効果が発揮されていること
が分かる。なお比(S2/S1)が20%程度でロード
ノイズ低減効果がほぼ頭打ちとなっている。
タイヤサイズ165/65R15 81S、リム15×
5JJの組立体に、帯状シート体の形状を幅110mm、
厚さ10mmで長さを種々変えてロードノイズテストを行
った。なお正規状態でのタイヤ内腔の断面積は1346
4mm2 、タイヤ内腔の最大巾は153mmであった。また
帯状シート体はタイヤ内腔に自由状態で配した。さらに
テストに使用した車両は国産1500ccFF車とし
た。テストの結果を表2に示す。
ても帯状シート体の体積S2がタイヤ内腔の全体積S1
の0.4%以上、より好ましくは1.5%以上、特に好
ましくは2.5%以上の範囲で非常に高いロードノイズ
低減効果が発揮されていることが再現された。
記165/65サイズの組立体において、帯状シート体
をリムの回りに弛みを持たせて環状に巻き付け装着した
ものである。実施例16、17は、帯状シート体の外面
をタイヤの内腔面のトレッド裏側に接着したものであ
る。実施例18は、帯状シート体の内面をリムのウエル
部に接着したものである。テストの結果を表3に示す。
リムに接着した場合においても、顕著なロードノイズ低
減効果が再現された。なお実施例16、17では、実施
例10、実施例11に比べると、ロードノイズ低減効果
が減少している。これは、帯状シート体がタイヤ内腔に
接着されたことによる該帯状シート体の表面積の減少が
関係していると考えられる。従って、好ましくは、帯状
シート体は、自由状態でタイヤ内腔内に配されることが
望ましい。
は、上記165/65サイズの組立体において、帯状シ
ート体の長さ各600mm、300mmとし、その巾を変化
させたものである。また実施例25〜32は、帯状シー
ト体の長さ各600mm、300mmにおいて、厚さを変化
させたものである。テストの結果を表4、表5に示す。
積に略比例してロードノイズ低減効果が発揮されている
ことが確認できた。図4には、上記実施例のロードノイ
ズ低減量と、タイヤ内腔の全体積S1と帯状シート体の
体積S2との比(S2/S1)との関係を示している
(帯状シート体はいずれも自由状態のもの)。この図か
らも明らかなように、スポンジ材からなる帯状シート体
の体積S2と、ロードノイズ低減量との間には相関があ
る。
ヤとリムとの組立体では、リム組み性やタイヤの重量バ
ランスなどを損ねることなくタイヤ内腔内で生じる空洞
共鳴を吸収しロードノイズを低減しうる。また請求項2
記載の発明の如く、帯状シート体をタイヤ内腔に自由状
態で配するときには、組付が容易に行え、かつ帯状シー
ト体の全表面積を有効に利用でき、高い吸音効果を発揮
しうる。
を例示する断面図である。
ある。
関係を示すグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】空気入りタイヤをリムに装着することによ
りリム周囲にタイヤ内腔を形成する空気入りタイヤとリ
ムとの組立体であって、 前記タイヤ内腔に、スポンジ材を用いた帯状シート体か
らなる制音具を具えるとともに、前記帯状シート体の体
積S2を、タイヤ内腔の全体積S1の0.4%以上とし
たことを特徴とする空気入りタイヤとリムとの組立体。 - 【請求項2】前記帯状シート体は、タイヤ及びリムのい
ずれにも固定されていない自由状態で前記タイヤ内腔内
に配されたことを特徴とする請求項1記載の空気入りタ
イヤとリムとの組立体。 - 【請求項3】前記帯状シート体は、少なくとも一部がタ
イヤ又はリムに固定されて前記タイヤ内腔内に配された
ことを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤとリム
との組立体。
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